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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 F21V
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない。 F21V
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 F21V
管理番号 1362007
審判番号 不服2019-2767  
総通号数 246 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-06-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-02-28 
確定日 2020-04-30 
事件の表示 特願2017-184559号「照明装置の枠体及び照明装置」拒絶査定不服審判事件〔平成29年12月14日出願公開、特開2017-220465号〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成27年8月19日に出願した特願2015-161500号の一部を平成29年9月26日に新たな特許出願としたものであって、平成30年7月10日付けで拒絶理由通知がされ、これに対して、平成30年8月7日付けで意見書、及び手続補正書が提出され、これに対して、平成30年12月19日付けで拒絶査定がされ、これに対して、平成31年2月28日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出されたものである。

第2 平成31年2月28日にされた手続補正についての補正の却下の決定

[補正の却下の決定の結論]
平成31年2月28日にされた手続補正(以下、「本件補正」という。)を却下する。

[理由]
1.補正の内容
1-1.本件補正後の特許請求の範囲の記載
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された。(下線は、補正箇所であり当審で付与した。)
「【請求項1】
照明装置の光源ユニットを載せる載置部と、
前記載置部の周囲から立ち上がり、前記載置部と相まって前記光源ユニットを取り付けるための空間を形成する枠部と
を備え、
前記枠部は、前記光源ユニットの側方から前記光源ユニットを着脱可能に固定する構造を有する照明装置の枠体。」

1-2.本件補正前の特許請求の範囲の記載
本件補正前の、平成30年8月7日付け手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおりである。
「照明装置の光源ユニットを載せる載置部と、
前記載置部の周囲から立ち上がり、前記載置部と相まって前記光源ユニットを取り付けるための空間を形成する枠部と
を備える照明装置の枠体。」

上記補正は、本件補正前の請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である「枠部」について、「前記枠部は、前記光源ユニットの側方から前記光源ユニットを着脱可能に固定する構造を有する」と限定する補正を含むものであり、かつ、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が、特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下に検討する。

2.引用刊行物とその記載事項
(1)刊行物1
原査定の拒絶の理由に引用された、本願の出願前に頒布された、特開2014-232713号公報(以下、「刊行物1」という。)には、照明器具に関して、図面とともに、次の記載がある(なお、下線は当審で付与した。)。
(ア)「【請求項1】
下面が開口した箱状に形成され、天井材に設けた開口部に埋め込まれた状態で設置される器具本体と、
前記器具本体の内部に収納される光源ユニットと、
前記器具本体の開口と繋がるように貫通孔が設けられ、前記天井材における前記開口部の周縁に上面を当接させた状態で前記器具本体に取り付けられる枠と、
前記貫通孔を塞ぐようにして前記枠に保持される透光性のパネルとを備え、
前記枠は、前記貫通孔を挟んで対向する一対の枠部のそれぞれに取り付けられた固定バネを用いて、前記器具本体に取り付けられ、
前記固定バネは、前記枠部に取り付けられる中央部と、前記中央部の両端からV字をなすように両側に伸び、互いの間隔が拡がるような弾性力を発生する一対の腕部とを備え、
前記器具本体には、一対の前記枠部のそれぞれに取り付けられる前記固定バネに対応して、前記腕部が挿入される孔が設けられ、
前記腕部の先端には、前記中央部から所定の距離だけ離れた位置に、前記孔の周縁と係止する鉤型の係止部が設けられ、
一対の前記枠部のうちの一方に取り付けられる前記固定バネの前記腕部には、前記中央部からの距離が前記係止部よりも短い位置に、前記孔の周縁に係止する段部が設けられたことを特徴とする照明器具。」
(イ)「【0016】
本実施形態の照明器具は、図1、図2及び図9に示すように光源ユニット1と器具本体4と枠5とパネル6と点灯装置7を備える。なお、以下の説明で使用する上下及び前後左右の各方向は、特に断りの無い限り、図1において規定した方向とする。」
(ウ)「【0044】
枠5は、図1、図2及び図9に示すように、矩形の貫通孔52が中央に設けられた底壁50と、底壁50の周縁から上向きに突出する側壁51とを備える。また底壁50の上面には、側壁51よりも内側寄りの部位から、側壁51と平行し且つ上向きに突出するように内壁53が設けられている。底壁50の上側には、内壁53によって囲まれる領域にパネル6と光源ユニット1とが重ねて載置される。光源ユニット1の反射体3は取付金具35を用いて枠5の内壁53に取り付けられている。取付金具35は金属板をL形に折り曲げて形成されている。取付金具35の一端側は反射体3の取付板30にねじ固定され、取付金具35の他端側は内壁53にねじ固定されており、光源ユニット1を枠5に固定することによって、光源ユニット1と枠5の間にパネル6が保持される。」
(エ)「【0050】・・・パネル6は、内壁53の内側に収納されるとともに、底壁50における内壁53の内側の部分に載置されて貫通孔52を塞いでいる(図1及び図2参照)。なお、底壁50に載置されたパネル6の上には光源ユニット1が載置され、光源ユニット1の反射体3を取付金具35を用いて枠5に固定することで、パネル6が光源ユニット1と枠5の間に保持される。」
(オ)「【0059】・・・枠5は2個の固定バネ8Bによって器具本体4から吊り下げられた状態となるので、この状態で光源ユニット1の交換などのメンテナンス作業を行うことができる。」

(カ)記載事項(ウ)の「光源ユニット1」は、記載事項(イ)の「照明器具は、図1、図2及び図9に示すように光源ユニット1と器具本体4と枠5とパネル6と点灯装置7を備える」ものであるので、照明器具の光源ユニット1といえる。
また、記載事項(ウ)の「枠5」は、記載事項(イ)の「照明器具は、図1、図2及び図9に示すように光源ユニット1と器具本体4と枠5とパネル6と点灯装置7を備える」ものであるので、照明器具の枠5といえる。

上記(ア)?(カ)から、刊行物1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「矩形の貫通孔52が中央に設けられた底壁50と、底壁50の周縁から上向きに突出する側壁51とを備え、
底壁50の上面には、側壁51よりも内側寄りの部位から、側壁51と平行し且つ上向きに突出するように内壁53が設けられ、
底壁50の上側には、内壁53によって囲まれる領域にパネル6と照明器具の光源ユニット1とが重ねて載置され、
光源ユニット1の反射体3は取付金具35を用いて枠5の内壁53に取り付けられ、
取付金具35は金属板をL形に折り曲げて形成され、
取付金具35の一端側は反射体3の取付板30にねじ固定され、取付金具35の他端側は内壁53にねじ固定されており、光源ユニット1を枠5に固定することによって、光源ユニット1と枠5の間にパネル6が保持される
照明器具の枠5。」

3.本願補正発明と引用発明との対比
(1)両発明の対応関係
(a)引用発明の「照明器具の光源ユニット1」は、本願補正発明の「照明装置の光源ユニット」に相当し、同様に、「照明器具の枠5」は、「照明装置の枠体」に相当する。
(b)引用発明の「底壁50の上側」の「内壁53によって囲まれる領域」は、「内壁53によって囲まれる領域にパネル6と照明器具の光源ユニット1とが重ねて載置され」る部分であるので、本願補正発明の「照明装置の光源ユニットを載せる載置部」に相当する。
(c)引用発明の「内壁53」は、「底壁50の上面には、側壁51よりも内側寄りの部位から、側壁51と平行し且つ上向きに突出するように・・・設けられ」たものであり、上記(b)の「底壁50の上側」の「内壁53によって囲まれる領域」に対して、「上向きに突出する」ものであって、当該領域の周囲から立ち上がっているといえるものであるので、引用発明の「内壁53」の「底壁50の上面には、側壁51よりも内側寄りの部位から、側壁51と平行し且つ上向きに突出するように・・・設けられ」た構成は、本願補正発明の「前記載置部の周囲から立ち上が」る構成に相当する。
また、引用発明の「内壁53」は、「底壁50の上側」の「内壁53によって囲まれる領域」を形成するとともに、壁としての高さを有するので、その内側に空間が形成されることは自明であり、かつ、当該空間は「内壁53」と、「底壁50の上側」の「内壁53によって囲まれる領域」とで形成される空間であるので、引用発明の「内壁53」の「内壁53によって囲まれる領域」を形成する「底壁50の上面に・・・上向きに突出するように・・設けられ」た構成は、本願補正発明の「前記載置部と相まって前記光源ユニットを取り付けるための空間を形成する」構成に相当する。
そうすると、引用発明の「底壁50の上面に・・・上向きに突出するように内壁53が設けられ、
底壁50の上側には、内壁53によって囲まれる領域にパネル6と照明器具の光源ユニット1とが重ねて載置され」る「内壁53」は、本願補正発明の「前記載置部の周囲から立ち上がり、前記載置部と相まって前記光源ユニットを取り付けるための空間を形成する枠部」に相当する。
(d)引用発明の「光源ユニット1を枠5に固定」は、「光源ユニット1の反射体3は取付金具35を用いて枠5の内壁53に取り付けられ、・・・取付金具35の他端側は内壁53にねじ固定され」て行われるものであるので、枠5の内壁53が、光源ユニット1を固定する構造を有することは自明である。
そうすると、引用発明の「光源ユニット1の反射体3は取付金具35を用いて枠5の内壁53に取り付けられ、
取付金具35は金属板をL形に折り曲げて形成され、
取付金具35の一端側は反射体3の取付板30にねじ固定され、取付金具35の他端側は内壁53にねじ固定されており、光源ユニット1を枠5に固定する」構成と、本願補正発明の「枠部は、前記光源ユニットの側方から前記光源ユニットを着脱可能に固定する構造を有する」構成とは、枠部は、光源ユニットを固定する構造を有する点で共通する。

したがって、本願補正発明と引用発明とは、
「照明装置の光源ユニットを載せる載置部と、
前記載置部の周囲から立ち上がり、前記載置部と相まって前記光源ユニットを取り付けるための空間を形成する枠部と
を備え、
前記枠部は、前記光源ユニットを固定する構造を有する照明装置の枠体。」
の点で一致し、以下の点で一応相違する。

相違点1:本願補正発明は「前記枠部は、前記光源ユニットの側方から前記光源ユニットを着脱可能に固定する構造を有する」ものであるのに対して、引用発明は「光源ユニット1の反射体3は取付金具35を用いて枠5の内壁53に取り付けられ、
取付金具35は金属板をL形に折り曲げて形成され、
取付金具35の一端側は反射体3の取付板30にねじ固定され、取付金具35の他端側は内壁53にねじ固定されており、光源ユニット1を枠5に固定する」ものであって、固定する構造が、「光源ユニットの側方から」「着脱可能に」固定と特定されていない点。

4.判断
上記相違点について、判断する。
(a)引用発明の「光源ユニット1を枠5に固定」は、
(a1)「光源ユニット1の反射体3」が「金具35を用いて枠5の内壁53に取り付けられ」るものであって、
(a2)「取付金具35」は「L形に折り曲げて形成され」、「一端側は反射体3の取付板30にねじ固定され」、「他端側は内壁53にねじ固定され」る
ことにより成されるものであるところ、
(a3)引用発明の光源ユニット1が「底壁50の上側」の「内壁53によって囲まれる領域にパネル6と照明器具の光源ユニット1とが重ねて載置され」るものであることを考慮すると、「取付金具35」は「反射体3の取付板30にねじ固定され」た後に、「他端側は内壁53にねじ固定され」ると解するのが相当である。(逆の順では、取付金具35の一端側が干渉して、光源ユニット1を「底壁50の上側」の「内壁53によって囲まれる領域」に載置できない。)
(a4)そして、「取付金具35の他端側は内壁53にねじ固定」は、上向きに突出する「内壁53」に「ねじ固定され」るものであり、壁に対するねじ固定は、壁と直交方向から行うことが技術常識であるので、引用発明の「光源ユニット1を枠5に固定」は、実質的に、「内壁53」と直交方向である、光源ユニット1の側方から成されると解するのが相当である。
(b)また仮に、引用発明の「光源ユニット1を枠5に固定」が、「取付金具35」を介して成されており、光源ユニット1の側方から成されるとまでいえないものであったとしても、刊行物1の【図1】【図2】に、内壁53にねじ固定するよりも前の時点で、光源ユニット1の反射体3の取付板30にねじ固定で一体化される取付金具35が記載されており、かつ、内壁53が、光源ユニットの側方にしか存在していないことを考慮すると、取付金具35を反射体3の取付板30と同様に光源ユニット1の一部として、刊行物1の【図1】【図2】記載の態様で内壁53にねじ固定することにより、「光源ユニットの側方から」固定する構造とすることは、当業者が容易になしえることである。
(c)一般的にねじ固定は着脱可能な固定であり、さらに、記載事項(オ)に「枠5は・・・吊り下げられた状態となるので、この状態で光源ユニット1の交換などのメンテナンス作業を行うことができる。」と記載されているように、引用発明の光源ユニット1が交換を想定されたものであることから、引用発明の「内壁53にねじ固定」は、実質的に着脱可能な固定と解するのが相当である。
(d)また仮に、引用発明の「ねじ固定」が、着脱可能な固定とまでいえないものであったとしても、引用発明の光源ユニット1の交換を簡単に行うために、引用発明の「ねじ固定」を、周知慣用の着脱可能なねじ固定として具現化することは、当業者が容易になしえることである。
(e:請求人の主張について)
請求人は、審判請求書「3.3-2.」において、「(1)・・・『着脱可能に固定する』とは、ねじ又はボルトなどによる固定ではないことを意味する。・・・
(2)・・・引例1は、・・・光源ユニット1を枠5にねじで固定する。
したがって、引例1は、枠部が光源ユニットを着脱可能に固定する構造を開示していない。」旨主張する。
(f)しかし、一般的なねじ固定は、ねじを回すことで着脱可能なものであるので、本願補正発明の「着脱可能に固定する」との発明特定事項を、「ねじ又はボルトなどによる固定ではないことを意味する」と解するのは適当でないので、請求人の主張は採用できない。
(g)さらに、例えば、特開2002-75043号公報に【図1】?【図4】と共に「【0025】各取付部54の両端近傍つまり隣接する取付部54のなす角部の近傍には、器具本体11の各係止ばね38が着脱可能に係合する係合部としての係合孔57がそれぞれ形成されている。」と、特開2013-140757公報に【図1】?【図10】と共に「【0026】・・・モジュール接触面3aに固定された2つの反射板取り付け具7の湾曲部19の頂部が、それぞれ、フレーム取り付け部4aに形成された2つのフレーム側角穴13aに嵌入し、隙間15内まで入り込む態様となる。」「【0031】上記のように後付け反射板10の取り付け部11が隙間15に挿入するように押し込む・・・そのまま、後付け反射板10を押し込むと、2つの反射板取り付け具7は、取り付け部11の側面によって、隙間15内に入り込んだ分だけ外側に広げられることになる。さらに、後付け反射板10を押し込むと、2つの反射板取り付け具7の湾曲部19の頂部が、それぞれ、取り付け部11に形成された2つの角穴13に嵌入した状態となる。」「【0034】・・・後付け反射板10をフレーム部4から着脱自在に装着することができる・・・」と記載されているように、本件補正後の請求項2に記載された「弾性力によって固定する構造」のような、ねじ又はボルトなどによらない着脱可能な固定も、本願出願前に周知の技術であるので、本願補正発明の「着脱可能に固定する」との発明特定事項を、本件補正後の請求項2に記載された「弾性力によって固定する構造」のような、ねじ又はボルトなどによらない着脱可能な固定と限定解釈したとしても、その構成は、本願出願前に周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。
(h)そうすると、相違点1は実質的なものではなく、本願補正発明と引用発明とは、その発明特定事項において相違しないので、本願補正発明は、引用発明である。
(i)仮に、本願補正発明と引用発明との間に実質的な相違点があると扱ったとしても、上記(b)(d)(g)に記載したように、本願補正発明は、引用発明、及び、本願出願前に周知の技術に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

5.まとめ
以上のとおり、本願補正発明は、刊行物1に記載された発明(引用発明)であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
また、仮に、本願補正発明と引用発明との間に実質的な相違点があると扱ったとしても、本願補正発明は、引用発明、及び、本願出願前に周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、本願補正発明は、特許出願の際に独立して特許を受けることができないものである。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1.本件出願の請求項1に係る発明
平成31年2月28日にされた手続補正は、上記のとおり却下されたので、本件出願の請求項1に係る発明は、平成30年8月7日付けの手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定されるものと認められるところ、その発明(以下「本願発明」という。)は、次のとおりである。
「【請求項1】
照明装置の光源ユニットを載せる載置部と、
前記載置部の周囲から立ち上がり、前記載置部と相まって前記光源ユニットを取り付けるための空間を形成する枠部と
を備える照明装置の枠体。」

2.引用刊行物とその記載事項
原査定の拒絶の理由に引用された刊行物1とその記載事項は、前記の「第2 2.(1)」に記載したとおりである。

3.対比・判断
本願発明の発明特定事項を全て含むとともに、本願発明の発明特定事項に更に限定を付加した本願補正発明が、前記「第2」の「3.」?「4.」に記載したとおり、刊行物1に記載された発明(引用発明)であり、また、仮に、本願補正発明と引用発明との間に実質的な相違点があると扱ったとしても、本願補正発明は、引用発明、及び、本願出願前に周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も本願補正発明と同様の理由により、刊行物1に記載された発明(引用発明)であり、また、仮に、本願発明と引用発明との間に実質的な相違点があると扱ったとしても、引用発明、及び、本願出願前に周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび
したがって、本願発明は、刊行物1に記載された発明(引用発明)であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。
また、仮に、本願発明と引用発明との間に実質的な相違点があると扱ったとしても、本願発明は、引用発明、及び、本願出願前に周知の事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
そうすると、このような特許を受けることができない発明を包含する本願は、本願の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2020-02-20 
結審通知日 2020-02-25 
審決日 2020-03-19 
出願番号 特願2017-184559(P2017-184559)
審決分類 P 1 8・ 113- Z (F21V)
P 1 8・ 121- Z (F21V)
P 1 8・ 575- Z (F21V)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 松本 泰典  
特許庁審判長 島田 信一
特許庁審判官 岡▲さき▼ 潤
中川 真一
発明の名称 照明装置の枠体及び照明装置  
代理人 溝井国際特許業務法人  
代理人 溝井国際特許業務法人  

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