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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) A63F |
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管理番号 | 1362151 |
審判番号 | 不服2019-7768 |
総通号数 | 246 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2020-06-26 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2019-06-11 |
確定日 | 2020-05-07 |
事件の表示 | 特願2015-150240号「遊技機」拒絶査定不服審判事件〔平成29年2月9日出願公開、特開2017-29264号〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、平成27年7月30日の出願であって、平成30年8月2日付けで拒絶の理由が通知され、同年10月17日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、平成31年3月5日付けで拒絶査定(謄本の送達日:同年同月12日)がなされ、それに対して、令和1年6月11日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされ、これに対し、当審において、同年12月16日付けで拒絶の理由が通知され、令和2年2月14日に意見書及び手続補正書(以下、この手続補正書による補正を「本件補正」という。)が提出されたものである。 第2 本願発明 本願の請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、本件補正後の特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される次のとおりのものである(A-Hは、本願発明を分説するために当審で付した)。 「A 可変表示を行い、記録媒体に記録された遊技価値に基づき、遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機であって、 B 遊技者にとって有利な有利状態中に、遊技媒体が所定領域を通過したことにもとづいて、前記有利状態と異なる有利な価値を付与可能な付与手段と、 C 遊技機の演出状態を設定可能な演出状態設定手段と、 D 前記所定領域に向けて遊技媒体を発射することを指示する指示報知を行う指示報知手段と、 E 前記遊技機の状態を判定可能な判定手段と、 F 前記遊技機の状態が通常状態と異なる特殊状態であると前記判定手段によって判定されたときに、その旨を報知する状態報知手段と、 G 前記記録媒体の返却操作を促す報知を行う促進報知を実行する促進報知手段と、を備え、 D1 前記指示報知手段は、所定報知音による指示報知を行うときは所定指示報知画像による所定指示報知が可能であり、前記所定報知音と異なる特定報知音による指示報知を行うときは前記所定指示報知画像と異なる特定指示報知画像による特定指示報知が可能であり、 F1 前記状態報知手段は、前記所定報知音による状態報知を行うときは所定状態報知画像による所定状態報知が可能であり、前記特定報知音による状態報知を行うときは前記所定状態報知画像と異なる特定状態報知画像による特定状態報知が可能であり、 G1 前記促進報知手段は、前記所定報知音による促進報知を行うときは所定促進報知画像による所定促進報知が可能であり、前記特定報知音による促進報知を行うときは前記所定促進報知画像と異なる特定促進報知画像による特定促進報知が可能であり、 D2 前記指示報知手段は、前記演出状態設定手段によって設定された遊技機の演出状態が第1演出状態であるか第2演出状態であるかに応じて、前記所定指示報知を行う場合と、前記特定指示報知を行う場合と、があり、 F2 前記状態報知手段は、前記演出状態設定手段によって設定された遊技機の演出状態が第1演出状態であるか第2演出状態であるかに応じて、前記所定状態報知を行う場合と、前記特定状態報知を行う場合と、があり、 G2 前記促進報知手段は、前記演出状態設定手段によって設定された遊技機の演出状態が第1演出状態であるか第2演出状態であるかに応じて、前記所定促進報知を行う場合と、前記特定促進報知を行う場合と、がある H ことを特徴とする遊技機。」 第3 拒絶の理由 令和1年12月16日付けで当審において通知した拒絶の理由のうち、理由1の概略は、以下のとおりである。 (進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 ・請求項 1 ・引用文献等 1、2 引用文献等一覧 1.特開2015-29874号公報 2.特開2015-120070号公報 第4 引用文献の記載及び引用発明 1 引用文献1 (1)当審における拒絶の理由で引用された本願の出願前に頒布された刊行物である特開2015-29874号公報(以下「引用文献1」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている(下線は説明の便宜のために当審で付した。以下同様)。 ア 「【0015】 球貯留皿付扉108は、パチンコ機100の前面において本体104の下側に対して、ロック機能付きで且つ開閉自在となるように装着された扉部材である。球貯留皿付扉108は、複数の遊技球(以下、単に「球」と称する場合がある)が貯留可能で且つ発射装置110へと遊技球を案内させる通路が設けられている上皿126と、上皿126に貯留しきれない遊技球を貯留する下皿128と、遊技者の操作によって上皿126に貯留された遊技球を下皿128へと排出させる球抜ボタン130と、遊技者の操作によって下皿128に貯留された遊技球を遊技球収集容器(俗称、ドル箱)へと排出させる球排出レバー132と、遊技者の操作によって発射装置110へと案内された遊技球を遊技盤200の遊技領域124へと打ち出す球発射ハンドル134と、遊技者の操作によって各種演出装置206の演出態様に変化を与えるチャンスボタン136と、チャンスボタン136を発光させるチャンスボタンランプ138と、遊技店に設置されたカードユニット(CRユニット)に対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140と、カードユニットに対して遊技者の残高の返却指示を行う返却操作ボタン142と、遊技者の残高やカードユニットの状態を表示する球貸表示部144と、ボタンユニット190と、を備える。また、下皿128が満タンであることを検出する不図示の下皿満タンセンサを備える。」 イ 「【0032】 一般入賞口226は、本実施例では遊技盤200に複数配設しており、この一般入賞口226への入球を所定の球検出センサ(図示省略)が検出した場合(一般入賞口226に入賞した場合)、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、10個)の球を賞球として上皿126に排出する。上皿126に排出した球は遊技者が自由に取り出すことが可能であり、これらの構成により、入賞に基づいて賞球を遊技者に払い出すようにしている。なお、一般入賞口226に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。本実施例では、入賞の対価として遊技者に払い出す球を「賞球」、遊技者に貸し出す球を「貸球」と区別して呼ぶ場合があり、「賞球」と「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼ぶ。」 ウ 「【0036】 可変入賞口234は、大入賞口またはアタッカーと呼ばれ、本実施例では遊技盤200の中央部下方に1つだけ配設している。この可変入賞口234は、開閉自在な扉部材234aを備え、扉部材234aの閉鎖中は球の入球が不可能であり、特図変動遊技に当選して特図表示装置が大当り図柄を停止表示した場合に扉部材234aが所定の時間間隔(例えば、開放時間29秒、閉鎖時間1.5秒)、所定の回数(例えば15回)で開閉する。可変入賞口234への入球を所定の球検出センサが検出した場合、払出装置152を駆動し、所定の個数(例えば、15個)の球を賞球として上皿126に排出する。なお、可変入賞口234に入球した球は、パチンコ機100の裏側に誘導した後、遊技島側に排出する。 ・・・ 【0038】 このパチンコ機100は、遊技者が上皿126に貯留している球を発射レールの発射位置に供給し、遊技者の操作ハンドルの操作量に応じた強度で発射モータを駆動し、発射杆146および発射槌148によって外レール202、内レール204を通過させて遊技領域124に打ち出す。そして、遊技領域124の上部に到達した球は、打球方向変換部材236や遊技釘238等によって進行方向を変えながら下方に落下し、入賞口(一般入賞口226、可変入賞口234)や始動口(第1特図始動口230、第2特図始動口232)に入賞するか、いずれの入賞口や始動口にも入賞することなく、または普図始動口228を通過するのみでアウト口240に到達する。」 エ 「【0077】 次に、図6(a)?(c)を用いて、パチンコ機100の第1特別図柄表示装置212、第2特別図柄表示装置214、装飾図柄表示装置208、普通図柄表示装置210が停止表示する特図および普図の種類について説明する。同図(a)は特図の停止図柄態様の一例を示したものである。 【0078】 第1特図始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、第2特図始動口232に球が入球したことを第2始動口センサが検出したことを条件として特図2変動遊技が開始される。特図1変動遊技が開始されると、第1特別図柄表示装置212は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図1の変動表示」を行う。また、特図2変動遊技が開始されると、第2特別図柄表示装置214は、7個のセグメントの全点灯と、中央の1個のセグメントの点灯を繰り返す「特図2の変動表示」を行う。これらの「特図1の変動表示」および「特図2の変動表示」が本発明にいう図柄の変動表示の一例に相当する。 【0079】 そして、特図1の変動開始前に決定した変動時間(本発明にいう変動時間が相当)が経過すると、第1特別図柄表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、特図2の変動開始前に決定した変動時間(これも本発明にいう変動時間が相当)が経過すると、第2特別図柄表示装置214は特図2の停止図柄態様を停止表示する。したがって、「特図1の変動表示」を開始してから特図1の停止図柄態様を停止表示するまで、あるいは「特図2の変動表示」を開始してから特図2の停止図柄態様を停止表示するまでが本発明にいう図柄変動停止表示の一例に相当し、以下、この「特図1又は2の変動表示」を開始してから特図1又は2の停止図柄態様を停止表示するまでの一連の表示を図柄変動停止表示と称する。後述するように、図柄変動停止表示は複数回、連続して行われることがある。同図(a)には、図柄変動停止表示における停止図柄態様として「特図A」から「特図J」までの10種類の特図が示されており、図中の白抜きの部分が消灯するセグメントの場所を示し、黒塗りの部分が点灯するセグメントの場所を示している。 【0080】 「特図A」は15ラウンド(15R)特別大当たり図柄であり、「特図B」は15R大当たり図柄である。本実施形態のパチンコ機100では、後述するように、特図変動遊技における大当りか否かの決定はハードウェア乱数の抽選によって行い、特別大当りか否かの決定はソフトウェア乱数の抽選によって行う。大当りと特別大当りの違いは、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い(特別大当り)か低い(大当り)かの違いである。以下、この大当りに当選する確率が高い状態のことを特図高確率状態と称し、その確率が低い状態のことを特図低確率状態と称する。また、15R特別大当たり遊技終了後および15R大当たり遊技終了後はいずれも時短状態に移行する。時短については詳しくは後述するが、時短状態に移行する状態のことを普図高確率状態と称し、時短状態に移行しない状態のことを普図低確率状態と称する。15R特別大当たり図柄である「特図A」は、特図高確率普図高確率状態であり、15R大当たり図柄である「特図B」は、特図低確率普図高確率状態である。これらの「特図A」および「特図B」は、遊技者に付与する利益量が相対的に大きな利益量になる図柄である。」 オ 「【0100】 <主制御部タイマ割込処理> 【0101】 次に、図8を用いて、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理について説明する。なお、同図は主制御部タイマ割込処理の流れを示すフローチャートである。 ・・・ 【0104】 ステップS205では、入力ポート状態更新処理を行う。この入力ポート状態更新処理では、I/O310の入力ポートを介して、上述の前面枠扉開放センサや内枠開放センサや下皿満タンセンサ、各種の球検出センサを含む各種センサ320の検出信号を入力して検出信号の有無を監視し、RAM308に各種センサ320ごとに区画して設けた信号状態記憶領域に記憶する。球検出センサの検出信号を例にして説明すれば、前々回のタイマ割込処理(約4ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前回検出信号記憶領域から読み出し、この情報をRAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた前々回検出信号記憶領域に記憶し、前回のタイマ割込処理(約2ms前)で検出した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を、RAM308に各々の球検出センサごとに区画して設けた今回検出信号記憶領域から読み出し、この情報を上述の前回検出信号記憶領域に記憶する。また、今回検出した各々の球検出センサの検出信号を、上述の今回検出信号記憶領域に記憶する。 【0105】 また、ステップS205では、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域の各記憶領域に記憶した各々の球検出センサの検出信号の有無の情報を比較し、各々の球検出センサにおける過去3回分の検出信号の有無の情報が入賞判定パターン情報と一致するか否かを判定する。一個の遊技球が一つの球検出センサを通過する間に、約2msという非常に短い間隔で起動を繰り返すこの主制御部タイマ割込処理は何回か起動する。このため、主制御部タイマ割込処理が起動する度に、上述のステップS205では、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号を確認することになる。この結果、上述の前々回検出信号記憶領域、前回検出信号記憶領域、および今回検出信号記領域それぞれに、同じ遊技球が同じ球検出センサを通過したことを表す検出信号が記憶される。すなわち、遊技球が球検出センサを通過し始めたときには、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りになる。本実施形態では、球検出センサの誤検出やノイズを考慮して、検出信号無しの後に検出信号が連続して2回記憶されている場合には、入賞があったと判定する。図4に示す主制御部300のROM306には、入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)が記憶されている。このステップS205では、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、予め定めた入賞判定パターン情報(本実施形態では、前々回検出信号無し、前回検出信号有り、今回検出信号有りであることを示す情報)と一致した場合に、一般入賞口226、可変入賞口234、第1特図始動口230、および第2特図始動口232への入球、または普図始動口228の通過があったと判定する。すなわち、これらの入賞口226、234やこれらの始動口230、232、228への入賞があったと判定する。例えば、一般入賞口226への入球を検出する一般入賞口センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致した場合には、一般入賞口226へ入賞があったと判定し、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行うが、過去3回分の検出信号の有無の情報が上述の入賞判定パターン情報と一致しなかった場合には、以降の一般入賞口226への入賞に伴う処理を行わずに後続の処理に分岐する。なお、主制御部300のROM306には、入賞判定クリアパターン情報(本実施形態では、前々回検出信号有り、前回検出信号無し、今回検出信号無しであることを示す情報)が記憶されている。入賞が一度あったと判定した後は、各々の球検出センサにおいて過去3回分の検出信号の有無の情報が、その入賞判定クリアパターン情報に一致するまで入賞があったとは判定せず、入賞判定クリアパターン情報に一致すれば、次からは上記入賞判定パターン情報に一致するか否かの判定を行う。 ・・・ 【0110】 また、ステップS217では、入賞受付処理を行う。この入賞受付処理では、第1特図始動口230、第2特図始動口232、普図始動口228、第1可変入賞口234、および第2可変入賞口235への入賞があったか否かを判定する。ここでは、ステップS203における入賞判定パターン情報と一致するか否かの判定結果を用いて判定する。第1特図始動口230へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する保留数記憶領域が満タンでない場合、カウンタ回路318の当選用カウンタ値記憶用レジスタから値を特図1当選乱数値として取得するとともに特図1乱数値生成用の乱数カウンタから値を特図1乱数値として取得して対応する乱数値記憶領域に格納する。第2特図始動口232へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する保留数記憶領域が満タンでない場合、カウンタ回路318の当選用カウンタ値記憶用レジスタから値を特図2当選乱数値として取得するとともに特図2乱数値生成用の乱数カウンタから値を特図2乱数値として取得して対応する乱数値記憶領域に格納する。普図始動口228へ入賞があった場合且つRAM308に設けた対応する保留数記憶領域が満タンでない場合、普図当選乱数値生成用の乱数カウンタから値を普図当選乱数値として取得して対応する乱数値記憶領域に格納する。可変入賞口234へ入賞があった場合には、可変入賞口用の入賞記憶領域に、可変入賞口234に球が入球したことを示す情報を格納する。 ・・・ 【0118】 次いで、特図1および特図2それぞれについての特図状態更新処理を行うが、最初に、特図2についての特図状態更新処理(特図2状態更新処理)を行う(ステップS225)。この特図2状態更新処理は、特図2の状態に応じて、次の8つの処理のうちの1つの処理を行う。例えば、特図2変動表示の途中(上述の特図2表示図柄更新タイマの値が1以上)における特図2状態更新処理では、第2特別図柄表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置214は特図2の変動表示(特図2変動遊技)を行う。 また、コマンド設定送信処理(ステップS233)で回転開始設定送信処理を実行させることを示す所定の送信情報を上述の送信情報記憶領域に追加記憶してから処理を終了する。 【0119】 また、主制御部300のRAM308には、15R大当りフラグ、2R大当たりフラグ、第1小当たりフラグ、第2小当たりフラグ、第1はずれフラグ、第2はずれフラグ、特図確率変動フラグ、および普図確率変動フラグそれぞれのフラグが用意されている。特図2変動表示時間が経過したタイミング(特図2表示図柄更新タイマの値が1から0になったタイミング)で開始する特図2状態更新処理では、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には図6(a)に示す特図A、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図B、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には特図C、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグはオンの場合には特図D、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグはオンの場合には特図E、2R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグはオフ、普図確率変動フラグもオフの場合には特図F、第1小当たりフラグがオンの場合には特図G、第2小当たりフラグがオンの場合には特図H、第1はずれフラグがオンの場合には特図I、第2はずれフラグがオンの場合には特図Iそれぞれの態様となるように、第2特別図柄表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、RAM308の設定領域に特図2停止表示中であることを表す設定を行う。この制御を行うことで、第2特別図柄表示装置214は、15R特別大当たり図柄(特図A)、15R大当たり図柄(特図B)、突然確変図柄(特図C)、突然時短図柄(特図D)、隠れ確変図柄(特図E)、突然通常図柄(特図F)、第1小当たり図柄(特図G)、第2小当たり図柄(特図H)、第1はずれ図柄(特図I)、および第2はずれ図柄(特図J)のいずれか一つの図柄の確定表示を行う。さらにその後、所定の停止表示期間(例えば500m秒間)その表示を維持するためにRAM308に設けた特図2停止時間管理用タイマの記憶領域に停止期間を示す情報を設定する。この設定により、確定表示された特図2が所定期間停止表示され、特図2変動遊技の結果が遊技者に報知される。また、RAM308に設けられた時短回数記憶部に記憶された時短回数が1以上であれば、その時短回数から1を減算し、減算結果が1から0となった場合は、特図確率変動中(詳細は後述)でなければ、時短フラグをオフする。さらに、大当り遊技中(特別遊技状態中)にも、時短フラグをオフする。 ・・・ 【0127】 続いて、特図1についての特図状態更新処理(特図1状態更新処理)を行う(ステップS227)。この特図1状態更新処理では、特図1の状態に応じて、上述の特図2状態更新処理で説明した各処理を行う。この特図1状態更新処理で行う各処理は、上述の特図2状態更新処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一であるため、その説明は省略する。なお、特図2状態更新処理と特図1状態更新処理の順番は逆でもよい。 ・・・ 【0134】 ステップS237では、デバイス監視処理を行う。このデバイス監視処理では、ステップS205において信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、所定のエラーの有無、例えば前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無などを監視し、前面枠扉開放エラーまたは下皿満タンエラーを検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、前面枠扉開放エラーの有無または下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定する。また、各種ソレノイド332を駆動して第2特図始動口232や、第1可変入賞口234(または第2可変入賞口235)の開閉を制御したり、表示回路324、326、330を介して普通図柄表示装置210、第1特別図柄表示装置212、第2特別図柄表示装置214、各種状態表示部328などに出力する表示データを、I/O310の出力ポートに設定する。また、払出要求数送信処理(ステップS219)で設定した出力予定情報を出力ポート(I/O310)を介して第1副制御部400に出力する。」 カ 「【0201】 図17は、本実施形態におけるステージ演出の一例を示す図である。本実施形態では、ステージ演出として少なくとも殿ステージ、爺ステージ、姫ステージを有しており、所定のタイミング(例えば変動遊技中等)において、遊技者がこれらのステージを相互に選択切替が可能である。このように、遊技者が任意に演出を選択して切り替える処理において連続して実行される演出(選択切替時を含む前後で実行される演出)のことを、以下セレクト演出といい、選択対象はこの場合、第1のキャラクタ(殿)(殿ステージ)、第2のキャラクタ(爺)(爺ステージ)、第3のキャラクタ(姫)(姫ステージ)である。なお、セレクト演出は、変動遊技中のリーチ演出の選択切替や、大当り遊技中のキャラクタや曲(BGM)の選択切替や、非変動中のモチーフ選択切替などの選択対象を切り替える際に実行される演出であってもよい。」 キ 「【0335】 <実施形態5> 【0336】 図27?図30を参照して、ステージ演出の選択切替時に実行される演出(セレクト演出)において、選択対象(キャラクタ)に関して複数の報知を行う場合の他の例を説明する。 【0337】 図27は、セレクト演出の一例を示す図であり、同図に示す構成は、図17に示すものと同様である。また、この例では、キャラクタを選択する際に、実施形態4と同様のキャラクタ選択決定演出が実行されるものである。実施形態5の図27(a)から図27(k)までは、実施形態4の図25(a)から図25(k)までと同様であるので、説明を省略する。 ・・・ 【0369】 <実施形態5(変形例1)> 【0370】 図31および図32は、実施形態5の変形例を示す図である。図31は演出の一例を示す概要図であり、図32は、各制御部および演出装置の制御の一例を示すタイムチャートである。 【0371】 パチンコ機100では、例えば、可変入賞口234の位置を遊技盤200における右側に配置しているものがある。このような場合、球を遊技領域124の右側のルートを狙って流下させると(所謂、右打ち)可変入賞口234に入賞(入球)しやすくなる。さらに、第2特図始動口232(電チュー)も遊技盤200の右側に配置されている場合、羽根部材232aが開閉する時短状態(電サポ状態)において、前述と同様に右打ちすることで入球させやすくなる。またこのようなパチンコ機においては、右打ちが有利となるタイミング、および左打ちに戻した方がよいタイミングを演出装置によって報知するものがある。本実施形態では、右打ちおよび左打ちを警告音(打ち方警告音)で報知するパチンコ機100の一例について、説明する。 【0372】 図31は、セレクト演出の一例を示すであり、実施形態5と同様に、第一の選択対象に関する演出表示から第二の選択対象に関する演出表示の間にキャラクタ選択決定演出(仮選択キャラクタ切替表示演出も含む)を行った後に、第二の選択対象に関する報知を行う状態を示す概要図である。 【0373】 同図(a)に示すタイミングでは、液晶制御部700は、装飾図柄表示装置208で仮選択キャラクタ切替表示演出を完了し、第3のキャラクタ(姫)が仮選択状態となっている状態である。以下、詳細は、図25(k)、図27(k)と同様であるので説明を省略し、異なる部分のみ説明する。このタイミングで、装飾図柄表示装置208は、表示領域のほぼ中央の警告表示領域818に、打ち方誘導表示(例えば、「左打ちに戻してくれ!」などの文字列)を表示し、遊技者に有利な打ち方を報知している。またこのタイミングにおいて、遊技盤用ランプ532は、青色で点灯し、スピーカ120は、第1のキャラクタ(殿)に対応した音(「殿ステージ」のBGM)を出力することで、殿ステージであること(次の選択対象が決定していないこと)を報知する演出を行っている。また、スピーカ120は、男性の声による「左打ちに戻してくれ」という打ち方警告音を出力して、打ち方を誘導している。この男性の声による打ち方警告音も、殿ステージであること(次の選択対象が決定していないこと)を報知する演出といえる。 【0374】 図31(b)に示すタイミングでは、遊技者がボタンユニット190の決定ボタン1901を押下して、仮選択キャラクタの決定を行っている。つまりこのタイミングでボタンユニット190の操作(決定ボタン1901の押下)を、ボタン検出センサ426で検出した第1副制御部400は、遊技盤用ランプ532とスピーカ120に駆動コマンドを送信する。ここで駆動コマンドは、一例として遊技盤用ランプ532に対しては、発光態様の維持を指示するものであり、スピーカ120に対しては、第1のキャラクタ(殿)の音声の出力を継続するとともに、キャラクタ選択決定に対する音声(第3のキャラクタ(姫)の選択決定の音声)の追加出力を指示するものである。また、液晶制御部700にキャラクタ選択決定演出を実行するための液晶コマンドを送信する。 【0375】 同図(c)に示すタイミングでは、液晶コマンドを受信した液晶制御部700は、このタイミングでキャラクタ選択決定演出を実行している。同図(c)のキャラクタ選択決定演出では、第3のキャラクタ(姫)が選択決定状態となっている。詳細は、図27(m)と同様であるので説明は省略し、異なる部分のみ説明する。 【0376】 このタイミングで、装飾図柄表示装置208は、表示領域のほぼ中央に、打ち方誘導表示(例えば、「左打ちに戻してくれ!」などの文字列)の表示を継続している。またこのタイミングにおいて、遊技盤用ランプ532は、第1副制御部400からの駆動コマンドに基づき、青色の点灯を継続している。スピーカ120は第1副制御部400からの駆動コマンドに基づき、第1のキャラクタ(殿)に対応する打ち方警告音(「左打ちに戻してくれ」という男性の声)を繰り返し出力して第1のキャラクタ(殿)が選択中であること(次の選択対象が決定していないこと)を報知する演出を行っている。また、同時にスピーカ120は、第1副制御部400からの駆動コマンドに基づき、男性の声による打ち方警告音に重ねて第3のキャラクタ(姫)の選択決定に対応する音(例えば「よろしくね」などの音声)を出力して、選択対象が第3のキャラクタ(姫)であり、姫ステージが開始されることを報知する演出を行っている。 【0377】 同図(d)に示すタイミングは、第3のキャラクタ(姫)の選択決定画像の表示を終了し、第3のキャラクタ(姫)の選択決定に対応して、殿ステージから姫ステージに、ステージ演出切替を完了し、選択された第3のキャラクタ(姫)に対応する演出表示(「姫ステージの演出表示」を行っている状態である。詳細は、図27(n)と同様であるので説明は省略し、異なる部分のみを説明する。装飾図柄表示装置208は、中央付近において、第3のキャラクタ(姫)に対応する打ち方誘導表示(例えば、「左打ちに戻してね。」などの文字列)を表示している。また、液晶制御部700は、第3のキャラクタ(姫)の選択決定画像の表示を終了すると戻りコマンドを第1副制御部400に送信する。戻りコマンドを受信した第1副制御部400は、遊技盤用ランプ532とスピーカ120に選択対象が第3のキャラクタ(姫)であることを報知するための駆動コマンドを送信する。これにより遊技盤用ランプ532は、第3のキャラクタ(姫)に対応する報知として青色の点灯を赤色の点灯に変更する。また、スピーカ120は、第3のキャラクタ(姫)のステージ演出(姫ステージ)に対応する音(例えばBGMなど)を出力する。また、スピーカ120は、第1のキャラクタ(殿)に対応する打ち方警告音(「左打ちに戻してくれ」という男性の声;以下「(殿)左打ちに戻してくれ」と表記する)の出力を終了して第3のキャラクタ(姫)に対応する打ち方警告音(例えば、「左打ちに戻してね」という女性の声;以下「(姫)「左打ちに戻してね」と表記する)を出力する。打ち方警告音は、同図(a)?(d)に示すように、1フレーズの音データ(例えば、「(殿)左打ちに戻してくれ」)を繰り返し再生しており、制御部の内部状態が変化しても、1フレーズの途中で終了することはない。つまり同図(d)の状態では姫ステージの演出表示実行中であり、第1副制御部400および液晶制御部700のそれぞれの内部状態はいずれも第3のキャラクタ(姫)の選択状態であるが、このタイミングで男性の声による(第一の選択対象に対応する)打ち方警告音の1フレーズが終了していない場合は、その1フレーズが終了した後に女性の声による(第二の選択対象に対応する)打ち方警告音が再生開始される。 【0378】 本実施形態では、第二の選択対象に対応する報知音が複数(例えば、ステージ演出のBGM(第一の報知音)と打ち方警告音(第二の報知音))あるものである。この場合、少なくともいずれか1つの報知音(ここでは、BGM(第一の報知音))が第二の音となり、第二の選択対象に対応する第二の音の報知開始時期が、第二の選択対象に対応する第二の表示の報知開始時期より遅いものとなる。 【0379】 なお、ここでは男性の声または女性の声による打ち方警告報知音の場合を例に説明したが、これに限らず音(曲)による打ち方警告音(右打ち報知の警告音)であってもよい。また、打ち方警告音に限らず、球抜き警告音やエラー報知音など他の報知音であってもよい。また、特定の報知音は、選択対象に依存しない固定音であってもよく、選択対象に対応する音(報知音)と同時に報知するものであってもよい。 【0380】 また、決定ボタン1901を押下後に、「(殿)左打ちに戻してくれ」の音声を複数回報知するものとしてもよいし、「(殿)左打ちに戻してくれ」の音声報知中に「(姫)よろしくね」の音声を報知してもよい。また、「(姫)よろしくね」の音声報知後も「(殿)左打ちに戻してくれ」の音声を継続して報知してもよい。また、「(殿)左打ちに戻してくれ」の音声報知中に、装飾図柄表示装置208の表示領域に第3のキャラクタ(姫)に対応した打ち方誘導表示(「左打ちに戻してね。」という文字列画像)を行う報知をしてもよい。 【0381】 図32は、図31における各制御部や演出装置(この例では、装飾図柄表示装置208、遊技盤用ランプ532およびスピーカ120)の制御の状態を示すタイムチャートである。なお、同図においては(a)から(e)に向かって時間が進行し、また第1副制御部400と液晶制御部700の両矢印は1フレームの期間であることを示す。また同図(a)?(e)のタイミングは、それぞれ図31(a)?(e)に示すタイミングに対応している。 ・・・ 【0389】 <実施形態5(変形例2)> 【0390】 図33および図34は、実施形態5の変形例を示す図である。図33は演出の一例を示す概要図であり、図34は、各制御部および演出装置の制御の一例を示すタイムチャートである。また、本変形例は、変形例1の打ち方警告音(打ち方誘導表示)を球抜き警告音(球抜き警告表示)とした場合の例でありそれ以外は変形例1と同様であるので、変形例1と重複する記載については一部の説明を省略する。 【0391】 同図(a)に示すタイミングでは、液晶制御部700は、装飾図柄表示装置208で仮選択キャラクタ切替表示演出を完了し、第3のキャラクタ(姫)が仮選択状態となっている状態である。このタイミングで、装飾図柄表示装置208は、表示領域のほぼ中央に、球抜き警告表示(例えば、「下皿の球を抜いてくれ!」などの文字列)を表示し、遊技者に球抜きを報知している。またこのタイミングにおいて、遊技盤用ランプ532およびスピーカ120は、第1のキャラクタ(殿)の選択中であること(次の選択対象が決定していないこと)を報知する演出を行っている。また、スピーカ120は、男性の声による「下皿の球を抜いてくれ」という球抜き警告音を出力して、球抜きを報知している。この男性の声による球抜き警告音も、第1のキャラクタ(殿)の選択中であること(次の選択対象が決定していないこと)を報知する演出といえる。 【0392】 図33(b)に示すタイミングでは、遊技者がボタンユニット190の決定ボタン1901を押下して、仮選択キャラクタの決定を行っている。つまりこのタイミングでボタンユニット190の操作(決定ボタン1901の押下)を、ボタン検出センサ426で検出した第1副制御部400は、遊技盤用ランプ532とスピーカ120に駆動コマンドを送信する。また、液晶制御部700にキャラクタ選択決定演出を実行するための液晶コマンドを送信する。 【0393】 同図(c)に示すタイミングでは、液晶コマンドを受信した液晶制御部700は、このタイミングでキャラクタ選択決定演出を実行している。同図(c)のキャラクタ選択決定演出では、第3のキャラクタ(姫)が選択決定状態となっている。 【0394】 このタイミングで、装飾図柄表示装置208は、表示領域のほぼ中央に、球抜き警告表示を継続している。またこのタイミングにおいて、遊技盤用ランプ532は、第1副制御部400からの駆動コマンドに基づき、青色の点灯を継続している。スピーカ120は第1副制御部400からの駆動コマンドに基づき、第1のキャラクタ(殿)に対応する球抜き警告音を繰り返し出力して第1のキャラクタ(殿)が選択中であること(次の選択対象が決定していないこと)を報知する演出を行っている。また、同時にスピーカ120は、第1副制御部400からの駆動コマンドに基づき、男性の声による球抜き警告音に重ねて第3のキャラクタ(姫)の選択決定に対応する音(例えば「よろしくね」などの音声)を出力して、選択対象が第3のキャラクタ(姫)であり、姫ステージが開始されることを報知する演出を行っている。 【0395】 同図(d)に示すタイミングは、第3のキャラクタ(姫)の選択決定画像の表示を終了し、第3のキャラクタ(姫)の選択決定に対応して、殿ステージから姫ステージに、ステージ演出切替を完了し、選択された第3のキャラクタ(姫)に対応する演出表示(「姫ステージの演出表示」を行っている状態である。装飾図柄表示装置208は、中央付近において、第3のキャラクタ(姫)に対応する球抜き警告表示(例えば、「下皿の球を抜いてね。」などの文字列)を表示している。また、液晶制御部700は、第3のキャラクタ(姫)の選択決定画像の表示を終了すると戻りコマンドを第1副制御部400に送信する。戻りコマンドを受信した第1副制御部400は、遊技盤用ランプ532とスピーカ120に選択対象が第3のキャラクタ(姫)であることを報知するための駆動コマンドを送信する。これにより遊技盤用ランプ532は、第3のキャラクタ(姫)に対応する報知として青色の点灯を赤色の点灯に変更する。また、スピーカ120は、第3のキャラクタ(姫)に対応する音(例えばBGMなど)を出力する。また、スピーカ120は、第1のキャラクタ(殿)に対応する球抜き警告音の出力を終了して第3のキャラクタ(姫)に対応する球抜き警告音(例えば、「下皿の球を抜いてね」という女性の声)を出力する。球抜き警告音は、同図(a)?(d)に示すように、1フレーズの音データを繰り返し再生しており、制御部の内部状態が変化しても、1フレーズの途中で終了することはない。つまり同図(d)の状態では姫ステージの演出表示実行中であり、第1副制御部400および液晶制御部700のそれぞれの内部状態はいずれも第3のキャラクタ(姫)の選択状態であるが、このタイミングで第一の選択対象(第1のキャラクタ(殿))に対応する球抜き警告音の1フレーズが終了していない場合は、その1フレーズが終了した後に第二の選択対象(第2のキャラクタ(姫))に対応する打ち方警告音が再生開始される。」 ク 【図8】 (2)以上の記載事項から、引用文献1には、次の技術的事項が記載されているものと認められる(見出し(a)-(h)は、本願発明の分説A-Hに対応させて付与した)。 (a)記載事項エ(【0077】-【0078】)から、引用文献1には、パチンコ機100において、図柄の変動表示を行うことが記載されていると認められる。 また、記載事項ア(【0015】)から、引用文献1には、パチンコ機100の球貯留皿付扉108には、遊技店に設置されたカードユニットに対して球貸し指示を行う球貸操作ボタン140が備えられ、記載事項イ(【0032】)から、「賞球」と、遊技者に貸し出す球である「貸球」を総称して「球(遊技球)」と呼び、記載事項ウ(【0038】)から、遊技者が球を遊技領域124に打ち出すパチンコ機100が記載されていると認められる。 これらのことからすると、引用文献1には、図柄の変動表示を行い、カードユニットに対して球貸し指示を行うことで貸し出される球を遊技者が遊技領域124に打ち出すパチンコ機100が記載されていると認められる。 (b)記載事項エ(【0078】-【0080】)から、引用文献1には、第1特図始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技が開始され、特図1の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第1特別図柄表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、図柄変動停止表示における停止図柄態様として、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い特図高確率状態及び時短状態に移行する「特図A」の15ラウンド(15R)特別大当たり図柄があることが記載されていると認められる。 また、記載事項エ(【0078】-【0080】)から、引用文献1には、可変入賞口234は、特図表示装置が大当り図柄を停止表示した場合に扉部材234aが所定の時間間隔、所定の回数で開閉することが記載されていると認められる。 さらに、記載事項オ(【0101】、【0105】、【0118】、【0119】、【0127】)及び記載事項ク(【図8】)から、引用文献1には、主制御部300のCPU304が実行する主制御部タイマ割込処理において、第1特図始動口230への入球があったと判定し、特図2変動表示の途中における特図2状態更新処理では、第2特別図柄表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯と消灯を繰り返す点灯・消灯駆動制御を行い、特図2変動表示時間が経過したタイミングで開始する特図2状態更新処理では、15R大当りフラグはオン、特図確率変動フラグもオン、普図確率変動フラグもオンの場合には特図Aの態様となるように、第2特別図柄表示装置214を構成する7セグメントLEDの点灯・消灯駆動制御を行い、特図1状態更新処理では、特図1の状態に応じて、上述の特図2状態更新処理で説明した内容の「特図2」を「特図1」と読み替えた処理と同一である処理を行うことが記載されていると認められる。 これらのことからすると、引用文献1には、主制御部300は、第1特図始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技を開始し、特図1の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第1特別図柄表示装置212に特図1の停止図柄態様を停止表示し、図柄変動停止表示における停止図柄態様として、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い特図高確率状態及び時短状態に移行する「特図A」の15ラウンド(15R)特別大当たり図柄があり、特図表示装置が大当り図柄を停止表示した場合に可変入賞口234の扉部材234aを所定の時間間隔、所定の回数で開閉させる処理を行うことが記載されていると認められる。 (c)記載事項カ(【0201】)から、引用文献1には、ステージ演出として殿ステージ、爺ステージ、姫ステージを有しており、所定のタイミングにおいて、遊技者がこれらのステージを相互に選択切替が可能であり、選択対象は、第1のキャラクタ(殿)(殿ステージ)、第2のキャラクタ(爺)(爺ステージ)、第3のキャラクタ(姫)(姫ステージ)であり、遊技者が任意に演出を選択して切り替える処理において連続して実行される演出のことをセレクト演出ということが記載されていると認められる。 また、記載事項キ(【0372】、【0374】)から、引用文献1には、セレクト演出において、遊技者のボタンユニット190の操作を検出した第1副制御部400は、スピーカ120に駆動コマンドを送信し、液晶制御部700にキャラクタ選択決定演出を実行するための液晶コマンドを送信することが記載されていると認められる。 これらのことからすると、引用文献1には、ステージ演出として殿ステージ、爺ステージ、姫ステージを有しており、所定のタイミングにおいて、遊技者がこれらのステージを相互に選択切替が可能であり、選択対象が、第1のキャラクタ(殿)(殿ステージ)、第2のキャラクタ(爺)(爺ステージ)、第3のキャラクタ(姫)(姫ステージ)であるセレクト演出を実行する第1副制御部400が記載されていると認められる。 (d)記載事項キ(【0371】、【0381】)から、引用文献1には、可変入賞口234の位置を遊技盤200における右側に配置しているパチンコ機100において、右打ちが有利となるタイミング、および左打ちに戻した方がよいタイミングを演出装置(装飾図柄表示装置208及びスピーカ120)によって報知することが記載されていると認められる。 (e)記載事項ア(【0015】)、記載事項オ(【0101】、【0104】)及び記載事項ク(【図8】)から、引用文献1には、主制御部300は、下皿128が満タンであることを検出する下皿満タンセンサの検出信号の有無を監視し、信号状態記憶領域に記憶することが記載されていると認められる。 (f、f1、f2)記載事項オ(【0101】、【0134】)及び記載事項ク(【図8】)から、引用文献1には、主制御部300は、信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、下皿満タンエラーの有無を監視し、下皿満タンエラーを検出した場合に、第1副制御部400に送信すべき送信情報に、下皿満タンエラーの有無を示すデバイス情報を設定することが記載されていると認められる。 また、記載事項キ(【0391】、【0395】)から、引用文献1には、装飾図柄表示装置208は、球抜き警告表示(「下皿の球を抜いてくれ!」の文字列)を表示し、スピーカ120は、男性の声による「下皿の球を抜いてくれ」という球抜き警告音を出力し、第1のキャラクタ(殿)の選択中であることを報知し、第3のキャラクタ(姫)の選択決定に対応して、装飾図柄表示装置208は、第3のキャラクタ(姫)に対応する球抜き警告表示(「下皿の球を抜いてね。」の文字列)を表示し、スピーカ120は、第3のキャラクタ(姫)に対応する球抜き警告音(「下皿の球を抜いてね」という女性の声)を出力することが記載されていると認められる。 これらのことからすると、引用文献1には、主制御部300は、信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、下皿満タンエラーの有無を監視し、下皿満タンエラーを検出した場合に、装飾図柄表示装置208は、球抜き警告表示(「下皿の球を抜いてくれ!」の文字列)を表示し、スピーカ120は、男性の声による「下皿の球を抜いてくれ」という球抜き警告音を出力し、第1のキャラクタ(殿)の選択中であることを報知し、第3のキャラクタ(姫)の選択決定に対応して、装飾図柄表示装置208は、第3のキャラクタ(姫)に対応する球抜き警告表示(「下皿の球を抜いてね。」の文字列)を表示し、スピーカ120は、第3のキャラクタ(姫)に対応する球抜き警告音(「下皿の球を抜いてね」という女性の声)を出力することが記載されていると認められる。 (d1、d2)記載事項キ(【0373】、【0377】)から、引用文献1には、装飾図柄表示装置208は、打ち方誘導表示(「左打ちに戻してくれ!」の文字列)を表示し、スピーカ120は、男性の声による「左打ちに戻してくれ」という打ち方警告音を出力して、殿ステージであることを報知し、第3のキャラクタ(姫)の選択決定に対応して、装飾図柄表示装置208は、第3のキャラクタ(姫)に対応する打ち方誘導表示(「左打ちに戻してね。」の文字列)を表示し、スピーカ120は、第3のキャラクタ(姫)に対応する打ち方警告音(「左打ちに戻してね」という女性の声)を出力することが記載されていると認められる。 (h)記載事項ア(【0015】)から、引用文献1には、パチンコ機100が記載されていると認められる。 (3)以上の記載事項ア-ク及び認定事項(a)-(h)を総合すると、引用文献1には、以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている(分説a-hは、本願発明の分説A-Hに対応させて付与した)。 「a 図柄の変動表示を行い、カードユニットに対して球貸し指示を行うことで貸し出される球を遊技者が遊技領域124に打ち出すパチンコ機100であって、 b 主制御部300は、第1特図始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技を開始し、特図1の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第1特別図柄表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、図柄変動停止表示における停止図柄態様として、次回の特図変動遊技で、大当りに当選する確率が高い特図高確率状態及び時短状態に移行する「特図A」の15ラウンド(15R)特別大当たり図柄があり、特図表示装置が大当り図柄を停止表示した場合に可変入賞口234の扉部材234aを所定の時間間隔、所定の回数で開閉させる処理を行い、 c ステージ演出として殿ステージ、爺ステージ、姫ステージを有しており、所定のタイミングにおいて、遊技者がこれらのステージを相互に選択切替が可能であり、選択対象が、第1のキャラクタ(殿)(殿ステージ)、第2のキャラクタ(爺)(爺ステージ)、第3のキャラクタ(姫)(姫ステージ)であるセレクト演出を実行する第1副制御部400を備え、 d 可変入賞口234の位置を遊技盤200における右側に配置しているパチンコ機100において、右打ちが有利となるタイミング、および左打ちに戻した方がよいタイミングを演出装置(装飾図柄表示装置208及びスピーカ120)によって報知し、 e 主制御部300は、下皿128が満タンであることを検出する下皿満タンセンサの検出信号の有無を監視し、信号状態記憶領域に記憶し、 f、f1、f2 主制御部300は、信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、下皿満タンエラーの有無を監視し、下皿満タンエラーを検出した場合に、装飾図柄表示装置208は、球抜き警告表示(「下皿の球を抜いてくれ!」の文字列)を表示し、スピーカ120は、男性の声による「下皿の球を抜いてくれ」という球抜き警告音を出力し、第1のキャラクタ(殿)の選択中であることを報知し、第3のキャラクタ(姫)の選択決定に対応して、装飾図柄表示装置208は、第3のキャラクタ(姫)に対応する球抜き警告表示(「下皿の球を抜いてね。」の文字列)を表示し、スピーカ120は、第3のキャラクタ(姫)に対応する球抜き警告音(「下皿の球を抜いてね」という女性の声)を出力し、 d1、d2 装飾図柄表示装置208は、打ち方誘導表示(「左打ちに戻してくれ!」の文字列)を表示し、スピーカ120は、男性の声による「左打ちに戻してくれ」という打ち方警告音を出力して、殿ステージであることを報知し、第3のキャラクタ(姫)の選択決定に対応して、装飾図柄表示装置208は、第3のキャラクタ(姫)に対応する打ち方誘導表示(「左打ちに戻してね。」の文字列)を表示し、スピーカ120は、第3のキャラクタ(姫)に対応する打ち方警告音(「左打ちに戻してね」という女性の声)を出力する、 h パチンコ機100。」 2 引用文献2 (1)当審における拒絶の理由で引用された本願の出願前に頒布された刊行物である特開2015-120070号公報(以下「引用文献2」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。 ア 「【0012】 図1において、遊技機1は、例えば遊技者の操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成された遊技機である。この遊技機1は、遊技球が打ち出される遊技盤2と、遊技盤2を囲む枠部材5とを備えている。枠部材5は、軸支側に設けられた蝶番を中心に、遊技機1の主部に対して開閉可能に構成され、遊技盤2に対して着脱自在に取り付けられている。そして、枠部材5の前面側となる所定位置(例えば、軸支側とは反対側となる端部)には錠部43が設けられており、錠部43を開錠することによって枠部材5を開くことが可能となる。」 イ 「【0041】 メイン制御部100は、第1始動口21または第2始動口22に遊技球が入賞すると特別図柄抽選(大当たり抽選)を行い、特別図柄抽選で当選したか否かを示す判定結果データを演出制御部400に送る。 【0042】 メイン制御部100は、電動チューリップ27の羽根部が開状態となる開時間や羽根部が開閉する回数、さらには羽根部が開閉する開閉時間間隔を制御する。また、メイン制御部100は、遊技球が第1始動口21へ入賞したときの特別図柄抽選の保留回数、遊技球が第2始動口22へ入賞したときの特別図柄抽選の保留回数、および遊技球がゲート25を通過したときの普通図柄抽選の保留回数をそれぞれ管理し、これらの保留回数に関連するデータを演出制御部400に送る。 【0043】 メイン制御部100は、特別図柄抽選の結果に応じて、第1大入賞口23や第2大入賞口51の開閉動作を制御する。例えば、メイン制御部100は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球9個の入賞)を満たすまで、第1大入賞口23が突出傾斜して開状態となるラウンドを所定回数(例えば7回)繰り返すように制御する。また、例えば、メイン制御部100は、所定条件(例えば、29.5秒経過または遊技球9個の入賞の条件、又は0.1秒経過の条件)を満たすまで、第2大入賞口51が開状態となるラウンドを所定回数(例えば1回)行うように制御する。また、メイン制御部100は、第1大入賞口23及び第2大入賞口51が開閉する開閉時間間隔(インターバル時間)を制御する。 【0044】 メイン制御部100は、第2大入賞口51内部の設けられたVハネ52の姿勢を制御してV領域53の開状態及び閉状態を制御する(図1参照)。また、メイン制御部100は、V領域53を遊技球が通過したことを検出する。 【0045】 メイン制御部100は、遊技の進行に応じて遊技状態を変化させ、又、遊技の進行に応じて、特別図柄抽選の当選確率、特別図柄抽選の実行間隔(特別図柄が表示器4に変動表示されて停止表示される時間と言ってもよい)、電動チューリップ27の開閉動作等を変化させる。」 ウ 「【0062】 図5は、本実施形態に係る特別図柄抽選の大当たり内訳の一例を説明するための図である。図5(1)には、第1始動口21への遊技球入賞による特別図柄抽選の大当たり内訳を示し、図5(2)には、第2始動口22への遊技球入賞による特別図柄抽選の大当たり内訳を示している。図5(1)に示すように、第1始動口21への遊技球入賞による特別図柄抽選の大当たり内訳は、単発大当たりの当選確率が50%であり、連続大当たりの当選確率が50%である。また、図5(2)に示すように、第2始動口22への遊技球入賞による特別図柄抽選の大当たり内訳は、連続大当たりの当選確率が100%である。 【0063】 図6は、本実施形態に係る連続大当たり及び単発大当たりによる大当たり遊技の一例を説明するための図である。図6(1)には、連続大当たりした場合に実行される大当たり遊技(以下、連続大当たり遊技という)中の第1大入賞口23と第2大入賞口51とV領域53の開放タイミング及び閉鎖タイミングを示している。また、図6(2)には、単発大当たりした場合に実行される大当たり遊技(以下、単発大当たり遊技という)中の第1大入賞口23と第2大入賞口51とV領域53の開放タイミング及び閉鎖タイミングを示している。 【0064】 まず、図6(1)を用いて、連続大当たり遊技について説明する。連続大当たり遊技が開始すると、所定のオープニング時間の経過後、第1大入賞口23が閉状態から開状態にされて1ラウンド(「ラウンド遊技」と言ってもよい:以下、単に「R」と記載する場合がある)が開始される。1Rにおいて、第1大入賞口23に遊技球が9個入賞するか開放時間が29.5秒経過すると、第1大入賞口23が開状態から閉状態にされて1Rが終了される。その後、ラウンドとラウンドとの間のインターバル期間が2秒間設けられた後に、1Rと同様に第1大入賞口23が開放されてから閉鎖されて2Rが終了する。以後同様に、2秒間のインターバル期間を挟んで第1大入賞口23の開閉によって3R?7Rまでが実行される。7Rの終了後、インターバル期間としてそれまでの2秒間よりも長い5秒間のインターバル期間が設けられた後に、第2大入賞口51が閉状態から開状態にされて最終Rである8Rが開始される。8Rにおいて、第2大入賞口51に遊技球が9個入賞するか開放時間が29.5秒経過すると、第2大入賞口51が開状態から閉状態にされて8Rが終了される。その後、所定のエンディング時間(10秒間)が経過すると、連続大当たり遊技が終了する。ここで、V領域53は、第2大入賞口51が開状態にされてから3秒後に閉状態から開状態にされ、開状態にされてから6秒後に開状態から閉状態にされる。このことから、連続大当たり遊技の8Rにおいて、第2大入賞口51に入った遊技球が1つ以上V領域53を通過することとなる。図7を用いて後述するが、V領域53を遊技球が通過すると、原則として、特別図柄抽選の当選確率が高確率(1/46:低確率は1/265)に設定され、且つ、電動チューリップ27が頻繁に長時間開放されると共に特別図柄抽選の実行間隔が短縮される遊技者に有利な遊技状態に制御されることとなる。」 エ 「【0210】 以上で、図10?図25を用いて説明したメイン制御部100における処理の説明は終了する。 [演出制御部の主要動作] 図26は、演出制御部400によって行われるタイマ割込処理の一例を示すフローチャートである。以下では、図26を用いて、図10のS10(出力処理)によってメイン制 御部100から送信されたコマンドに基づいて演出制御部400において行われるタイマ割込み処理について説明する。演出制御部400は、メイン制御部100で行われるタイマ割込処理(図10参照)と同様に、図26に示す一連の処理を一定時間(例えば4ミリ秒)毎に繰り返し実行する。なお、図26以降のフローチャートに基づいて説明する演出制御部400で行われる処理は、ROM402に記憶されているプログラムに基づいて実行される。 【0211】 まず、S11において、演出制御部400は、メイン制御部100から送信されたコマンドを受信し、受信したコマンドに基づいた演出の実行を決定して、それを指示するコマンドをRAM403にセットするコマンド受信処理を行う。このコマンド受信処理の詳細については後述する。 ・・・ 【0215】 [コマンド受信処理] 図27は、図26のS11におけるコマンド受信処理の詳細フローチャートの一例である。以下に、図27を用いて、コマンド受信処理について説明する。 【0216】 まず、S101において、演出制御部400のCPU401は、メイン制御部100から保留数増加コマンド(第1保留数増加コマンド又は第2保留数増加コマンド)を受信したか否かを判定する(図11のS26及びS32参照)。S101での判定がYESの場合、処理はS102に移り、この判定がNOの場合、処理はS106に移る。 ・・・ 【0234】 図27に戻り、S115において、CPU401は、第2大入賞口51への発射報知演出処理を行う。第2大入賞口51への発射報知演出処理を次に説明する。 [第2大入賞口への発射報知演出処理] 図29は、図27のS115の第2大入賞口51への発射報知演出処理の詳細フローチャートの一例である。 ・・・ 【0240】 S1156において、CPU401は、図9を用いて説明した第2大入賞口51への発射報知演出の実行を指示するコマンドをRAM403にセットする。このコマンドには、S1153?S1155で作成した各種データが付属する。RAM403にセットされたこのコマンドは、図26のS14のコマンド送信処理によって、画像音響制御部500及びランプ制御部600に送信される。このことによって、図9を用いて説明した第2大入賞口51への発射報知演出が実行されることとなる。その後、処理は図27のS116に移る。 【0241】 具体的には、図9に示したように、盤ランプ8及びワープ通路28の発光部29による報知が行われる。また、画像表示部6による画像46の表示が行われる。さらにまたスピーカ35からは「Vアタッカーを狙え」という音声が出力される。上述したように、画像46による報知はアニメーションを用いたものとなっている。 【0242】 [画像46によるアニメーションの具体例] 図30は、第2大入賞口51への発射報知演出の具体例を示す説明図である。 上記S1154にてCPU401が表示画像アニメデータを作成することは、既に述べた。この表示画像アニメデータは、S1156においてセットされるコマンドとともに、画像音響制御部500及びランプ制御部600へ送信される。 【0243】 この表示画像アニメデータは、第2大入賞口51を斜め上方から見下ろすように、第2大入賞口51を回転させて示すものである。つまり、最初は、図30(A)に示すように遊技者の目線で見える第2大入賞口51の正面画像を示し、その後、図30(B)及び図30(C)に示すように、第2大入賞口51の上面が手前に来るように徐々に回転させた第2大入賞口51の画像を示す。つまり、手前側からは認識しにくい第2大入賞口51の開閉部材50が視認できるような角度に回転させて表示するのである。」 オ 【図30】 「第2大入賞口51への発射報知演出の具体例を示す説明図」である図30には、第2大入賞口51を示す画像と共に、「Vアタッカーを狙え!」との画像が表示されることが記載されている。 (2)以上の記載事項ア-オから、引用文献2には、次の発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されているものと認められる(分説2a、2b、2d及び2hは、本願発明の分説A、B、D及びHに対応させて付与した)。 「2a 遊技者の操作により打ち出された遊技球が入賞すると賞球を払い出すように構成された遊技機1であって(【0012】)、 2b 第1始動口21又は第2始動口22への遊技球入賞により、連続大当たりに当選することがあり(【0062】)、連続大当たり遊技において、第1大入賞口23と第2大入賞口51及びV領域53が所定のタイミングで開放及び閉鎖され、第2大入賞口51に入った遊技球がV領域53を通過することがあり、V領域53を遊技球が通過すると、特別図柄抽選の当選確率が高確率に設定され、且つ、電動チューリップ27が頻繁に長時間開放されると共に特別図柄抽選の実行間隔が短縮される遊技者に有利な遊技状態に制御され(【0063】-【0064】)、この制御をメイン制御部100が行い(【0041】-【0045】)、 2d 第2大入賞口51への発射報知演出として、「Vアタッカーを狙え」という音声が出力されるとともに、「Vアタッカーを狙え!」との画像が表示され(【0240】-【0243】、【図30】)、これらの制御は演出制御部400で行われる(【0210】-【0211】、【0215】-【0216】)、 2h 遊技機1(【0012】)。」 3 引用文献3 周知技術の例として引用する、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった刊行物である、特開2014-144136号公報(以下「引用文献3」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。 (1)「【0001】 本発明は、遊技球を用いて遊技を行う遊技機に関し、詳しくは、始動領域への遊技球の進入を条件に、遊技者に利益を供与可能な遊技機に関するものである。 【背景技術】 【0002】 従来、この種の遊技機として、遊技球が流下する遊技領域に設けられた始動領域(始動口)への遊技球の入球を条件に大当たりの抽選を行い、この抽選の結果が大当たりの当選であった場合に所定の態様で大入賞口が開閉される特別遊技を実行可能なものが知られている。このような遊技機には、通常、遊技球を貸し出し可能な遊技球貸出装置が接続されており、遊技球の貸し出しに必要な価値情報(有効残額や遊技球数など)が記憶された記憶媒体(カード)を遊技球貸出装置に挿入し、遊技機に設けられている貸出用スイッチの操作を行うことで、遊技機の上皿に遊技球が供給される。そして、遊技者は、この供給された遊技球を用いて遊技を行うことができるようになっている。 【0003】 しかし、このような遊技機及び遊技球貸出装置においては、上述の価値情報が記憶されている記憶媒体を挿入しておけば、紙幣や貨幣の投入をすることなく、貸出用スイッチの操作のみで遊技球の貸し出しを受けることができるため、遊技球貸出装置に記憶媒体が挿入されたまま遊技が行われることが多く、遊技者が一時的に離席する際や退席する際に、遊技球貸出装置から記憶媒体を取り忘れるという事態が生じていた。特に、大当たりによって賞球を得た場合には、獲得した遊技球を用いて遊技を行うことができるため、記憶媒体に対する遊技者の意識が低下してしまい、このような事態が顕著であった。 そこで、このような事態を防止すべく、特別遊技中に実行される複数のラウンド遊技において、記憶媒体の取り出しを促す報知画像を表示することで、記憶媒体の取り忘れを防止するようにした遊技機が考案されている(特許文献1参照)。」 (2)「【0205】 また、エンディング演出とともに行われるカード取り忘れ防止報知は、図40に示すように、たとえば、エンディングの内容を示す所定の画像(以下、エンディング画像という)が演出表示装置21に表示されるとともに、このエンディング画像の一部に重ねて「カードを抜いてください。」とのメッセージが表示されるような態様とすることができる。 また、受皿7が満タン状態であることの報知とともに行われるカード取り忘れ防止報知は、図41に示すように、たとえば、演出表示装置21に表示される背景画像の一部に重ねて、「球を抜いて下さい。カードも抜いてください」とのメッセージが表示されるような態様とすることができる。 なお、上述の表示と同時に、同内容のメッセージを読み上げる音声を、音声出力装置10から出力するようにしてもよい。」 4 引用文献4 周知技術の例として引用する、本願の出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった刊行物である、特開2015-19933号公報(以下「引用文献4」という。)には、図面とともに次の事項が記載されている。 (1)「【0001】 本発明は、パチンコ機と呼ばれる遊技機に関するものである。 【背景技術】 【0002】 一般にパチンコ遊技機等の遊技機においては、遊技者が遊技機を操作することにより遊技に用いる遊技球やコインなどの遊技媒体の貸出を受ける。 遊技者が遊技媒体の貸出を受ける際には、遊技機に隣接して設けられている貸出機に紙幣を挿入した状態で遊技機に備えられた貸し玉ボタン等を押下することで所定数の遊技媒体が払い出される仕組みが一般的である。 さらに、そのような仕組みに加えて紙幣等の現金に代えて、プリペイドカードを利用可能な貸出機も知られている。 例えば特許文献1には、遊技機本体に隣接して設けられた遊技球貸出機のカード挿入口にプリペイドカードを挿入した状態で、遊技機本体に設けられた球貸出ボタンを操作することにより、遊技球が払い出されるカード式パチンコ遊技機が記載されている。 このようなプリペイドカード式の遊技媒体貸し出し方式を採用したパチンコ遊技機では、紙幣を用意する必要がないため便利であるが、貸出機に挿入したプリペイドカードの遊技後の取り忘れや盗難が大きな問題となる。 特に、大当たりに当選するなどして賞球が払い出され、払い出された賞球で所謂「持ち球遊技」をしている場合はプリペイドカードを用いて遊技球の貸し出しを受ける必要がないため、遊技者の注意がプリペイドカードから削がれてしまいがちである。その結果、プリペイドカードを貸出機から取り忘れたり、盗難の被害にあったりする恐れがある。 それに対し、特許文献2では、遊技者が遊技機から離席しようとする状況に際して、カードの取り忘れを報知する演出を行っている。」 (2)「【0088】 図22は、本実施形態のプリペイドカード取り忘れ注意喚起演出の第2の例を示す図である。 プリペイドカード取り忘れ注意喚起演出は、図21に示す画像に限定されることはなく、例えば、図22に示すように、画像表示装置7にキャラクタ等の画像と共に注意画像を表示しつつ、プリペイドカードの取り忘れや盗難に注意するように、音声にて遊技者に呼びかけるようにしても良い。このような、音声と組み合わせた注意喚起画像を注意画像51とする。 音声を組み合わせることによって、遊技者への注意喚起効果をより高めることが可能である。」 第5 対比 本願発明と引用発明とを対比する(見出し(a)-(h)は、本願発明の分説A-Hに対応させて付与した)。 (a、h)引用発明の「a 図柄の変動表示を行い、カードユニットに対して球貸し指示を行うことで貸し出される球を遊技者が遊技領域124に打ち出すパチンコ機100」及び「h パチンコ機100」は、それぞれ本願発明の「A 可変表示を行い、記録媒体に記録された遊技価値に基づき、遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機」及びH「遊技機」に相当する。 (b)引用発明において、「第1特図始動口230に球が入球したことを第1始動口センサが検出したことを条件として特図1変動遊技を開始し、特図1の変動開始前に決定した変動時間が経過すると、第1特別図柄表示装置212は特図1の停止図柄態様を停止表示し、図柄変動停止表示における停止図柄態様」として「「特図A」の15ラウンド(15R)特別大当たり図柄」となると、「特図表示装置が大当り図柄を停止表示した場合」となり、「可変入賞口234の扉部材234aを所定の時間間隔、所定の回数で開閉させ」る、すなわち遊技者にとって有利になるから、引用発明において、「図柄変動停止表示における停止図柄態様」として「「特図A」の15ラウンド(15R)特別大当たり図柄」となることは、本願発明の「遊技者にとって有利な有利状態」となることに相当する。また、引用発明の「大当りに当選する確率が高い特図高確率状態及び時短状態」は、本願発明の「有利状態とは異なる有利な価値」に相当する。さらに、引用発明の「主制御部300」は、本願発明の、有利な価値を「付与可能な付与手段」に相当する構成を具備する。 そうすると、引用発明の構成bと、本願発明の「B 遊技者にとって有利な有利状態中に、遊技媒体が所定領域を通過したことにもとづいて、前記有利状態と異なる有利な価値を付与可能な付与手段」とは、「B’ 遊技者にとって有利な有利状態と、前記有利状態と異なる有利な価値を付与可能な付与手段」である点で共通する。 (c)引用発明において、「ステージ演出」として「殿ステージ、爺ステージ、姫ステージ」があり、「第1のキャラクタ(殿)(殿ステージ)、第2のキャラクタ(爺)(爺ステージ)、第3のキャラクタ(姫)(姫ステージ)」を「遊技者」が「選択」することで、「これらのステージを相互に選択切替が可能であ」ることは、本願発明の「遊技機の演出状態を設定可能」であることに相当する。また、引用発明の「セレクト演出を実行する第1副制御部400」は、本願発明の「演出状態設定手段」に相当する。 そうすると、引用発明の構成cは、本願発明の構成Cに相当する構成を具備する。 (d)引用発明の「d 可変入賞口234の位置を遊技盤200における右側に配置しているパチンコ機100において、右打ちが有利となるタイミング、および左打ちに戻した方がよいタイミングを」「報知」する「演出装置(装飾図柄表示装置208及びスピーカ120)」は、右打ちか左打ちかに、球の発射を指示しているものであるから、本願発明の「D 前記所定領域に向けて遊技媒体を発射することを指示する指示報知を行う指示報知手段」と、「D’ 遊技媒体を発射することを指示する指示報知を行う指示報知手段」である点で共通する。 (e)引用発明の「e 主制御部300」は、「下皿128が満タンであることを検出する下皿満タンセンサの検出信号の有無を監視し、信号状態記憶領域に記憶」することで、「下皿128が満タンである」という状態を判定できることは明らかであり、本願発明の「E 前記遊技機の状態を判定可能な判定手段」に相当する構成を具備する。 (f)引用発明において、「下皿満タンエラー」は、通常は「無」であり、「下皿満タンエラー」が「有」となる場合は、通常とは異なる状態であることは自明である。また、引用発明において、「主制御部300」が、「下皿満タンエラーの有無を監視」することは、「信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して」行われるのであるから、上記(e)で示したことを踏まえ、「下皿満タンエラーを検出した場合」は、本願発明の「前記遊技機の状態が通常状態と異なる特殊状態であると前記判定手段によって判定されたとき」に相当する。 また、引用発明における、「下皿満タンエラーを検出した場合に、装飾図柄表示装置208は、球抜き警告表示」「を表示し、スピーカ120は、」「球抜き警告音を出力」することは、本願発明の「その旨を報知する」ことに相当する。 そうすると、引用発明の構成f、f1、f2の「信号状態記憶領域に記憶した各種センサの信号状態を読み出して、下皿満タンエラーの有無を監視」する「主制御部300」、「下皿満タンエラーを検出した場合に」、「球抜き警告表示」「を表示」する「装飾図柄表示装置208」及び「球抜き警告音を出力」する「スピーカ120」は、本願発明の「F 前記遊技機の状態が通常状態と異なる特殊状態であると前記判定手段によって判定されたときに、その旨を報知する状態報知手段」に相当する。 (d1、d2)引用発明の「男性の声」、「男性の声による」「打ち方警告音」、「打ち方誘導表示(「左打ちに戻してくれ!」の文字列)」、「打ち方誘導表示(「左打ちに戻してくれ!」の文字列)を表示」、「女性の声」、「打ち方警告音(」「女性の声)」、「打ち方誘導表示(「左打ちに戻してね。」の文字列)」及び「打ち方誘導表示(「左打ちに戻してね。」の文字列)を表示」は、それぞれ本願発明の「所定報知音」、「所定報知音による指示報知」、「所定指示報知画像」、「所定指示報知」、「前記所定報知音と異なる特定報知音」、「特定報知音による指示報知」、「前記所定指示報知画像と異なる特定指示報知画像」及び「特定指示報知」に相当する。 そうすると、引用発明の構成d1、d2の「装飾図柄表示装置208は、打ち方誘導表示(「左打ちに戻してくれ!」の文字列)を表示し、スピーカ120は、男性の声による「左打ちに戻してくれ」という打ち方警告音を出力し」、「装飾図柄表示装置208は」、「打ち方誘導表示(「左打ちに戻してね。」の文字列)を表示し、スピーカ120は」、「打ち方警告音(「左打ちに戻してね」という女性の声)を出力」することは、本願発明の「D1 前記指示報知手段は、所定報知音による指示報知を行うときは所定指示報知画像による所定指示報知が可能であり、前記所定報知音と異なる特定報知音による指示報知を行うときは前記所定指示報知画像と異なる特定指示報知画像による特定指示報知が可能であ」ることに相当する。 また、上記(c)を踏まえると、引用発明において、遊技者が、第1のキャラクタ(殿)又は第3のキャラクタ(姫)を選択することにより選択切替するステージ演出である「殿ステージ」及び「姫ステージ」は、本願発明の遊技機の演出状態である「第1演出状態」及び「第2演出状態」に相当する。そして、引用発明において「装飾図柄表示装置208は、打ち方誘導表示(「左打ちに戻してくれ!」の文字列)を表示し、スピーカ120は、男性の声による「左打ちに戻してくれ」という打ち方警告音を出力して、殿ステージであることを報知」するのであるから、「打ち方誘導表示(「左打ちに戻してくれ!」の文字列)を表示」するのは「殿ステージである」ときであり、「装飾図柄表示装置208は、第3のキャラクタ(姫)に対応する打ち方誘導表示(「左打ちに戻してね。」の文字列)を表示し、スピーカ120は、第3のキャラクタ(姫)に対応する打ち方警告音(「左打ちに戻してね」という女性の声)を出力」するのであるから、第3のキャラクタ(姫)に対応する「打ち方誘導表示(「左打ちに戻してね。」の文字列)を表示」するのは、「姫ステージ」であるときである。すなわち、引用発明において、「殿ステージである」か「姫ステージ」であるかに応じて、「打ち方誘導表示(「左打ちに戻してくれ!」の文字列)を表示」する場合と、「打ち方誘導表示(「左打ちに戻してね。」の文字列)を表示」する場合とがある。 そうすると、引用発明の構成d1、d2の「装飾図柄表示装置208は、打ち方誘導表示(「左打ちに戻してくれ!」の文字列)を表示し」、「殿ステージであることを報知」すること、及び、「第3のキャラクタ(姫)の選択決定に対応して、装飾図柄表示装置208は、第3のキャラクタ(姫)に対応する打ち方誘導表示(「左打ちに戻してね。」の文字列)を表示」することは、本願発明の「D2 前記指示報知手段は、前記演出状態設定手段によって設定された遊技機の演出状態が第1演出状態であるか第2演出状態であるかに応じて、前記所定指示報知を行う場合と、前記特定指示報知を行う場合と、があ」ることに相当する。 (f1、f2)引用発明の、「球抜き警告表示(「下皿の球を抜いてくれ!」の文字列)」や「球抜き警告表示(「下皿の球を抜いてね。」の文字列)」、及び、「男性の声による「下皿の球を抜いてくれ」という球抜き警告音」や「球抜き警告音(「下皿の球を抜いてね」という女性の声)」は、「下皿128が満タンである」という状態を報知するものといえる。 また、引用発明の「男性の声による」「球抜き警告音」、「球抜き警告表示(「下皿の球を抜いてくれ!」の文字列)」、「球抜き警告表示(「下皿の球を抜いてくれ!」の文字列)を表示」、「球抜き警告音(」「女性の声)」、「球抜き警告表示(「下皿の球を抜いてね。」の文字列)」及び「球抜き警告表示(「下皿の球を抜いてね。」の文字列)を表示」は、それぞれ本願発明の「所定報知音による状態報知」、「所定状態報知画像」、「所定状態報知」、「特定報知音による状態報知」、「前記所定状態報知画像と異なる特定状態報知画像」及び「特定状態報知」に相当する。 そうすると、引用発明の構成f、f1、f2の「装飾図柄表示装置208は、球抜き警告表示(「下皿の球を抜いてくれ!」の文字列)を表示し、スピーカ120は、男性の声による「下皿の球を抜いてくれ」という球抜き警告音を出力し」、「装飾図柄表示装置208は」、「球抜き警告表示(「下皿の球を抜いてね。」の文字列)を表示し、スピーカ120は」、「球抜き警告音(「下皿の球を抜いてね」という女性の声)を出力する」ことは、本願発明の「F1 前記状態報知手段は、前記所定報知音による状態報知を行うときは所定状態報知画像による所定状態報知が可能であり、前記特定報知音による状態報知を行うときは前記所定状態報知画像と異なる特定状態報知画像による特定状態報知が可能であ」ることに相当する。 また、引用発明において「装飾図柄表示装置208は、球抜き警告表示(「下皿の球を抜いてくれ!」の文字列)を表示し、スピーカ120は、男性の声による「下皿の球を抜いてくれ」という球抜き警告音を出力し、第1のキャラクタ(殿)の選択中であることを報知」するのであるから、「球抜き警告表示(「下皿の球を抜いてくれ!」の文字列)を表示」するのは「第1のキャラクタ(殿)の選択中である」とき、すなわち「殿ステージ」であるときであり、「装飾図柄表示装置208は、第3のキャラクタ(姫)に対応する球抜き警告表示(「下皿の球を抜いてね。」の文字列)を表示し、スピーカ120は、第3のキャラクタ(姫)に対応する球抜き警告音(「下皿の球を抜いてね」という女性の声)を出力」するのであるから、「第3のキャラクタ(姫)に対応する球抜き警告表示(「下皿の球を抜いてね。」の文字列)を表示」するのは、「第3のキャラクタ(姫)の選択決定に対応して」行われるとき、すなわち「姫ステージ」であるときである。すなわち、引用発明において、「殿ステージである」か「姫ステージ」であるかに応じて、「球抜き警告表示(「下皿の球を抜いてくれ!」の文字列)を表示」する場合と、「球抜き警告表示(「下皿の球を抜いてね。」の文字列)を表示」する場合とがある。 そうすると、引用発明の構成f、f1、f2の「装飾図柄表示装置208は、球抜き警告表示(「下皿の球を抜いてくれ!」の文字列)を表示し」、「第1のキャラクタ(殿)の選択中であることを報知し、第3のキャラクタ(姫)の選択決定に対応して、装飾図柄表示装置208は、第3のキャラクタ(姫)に対応する球抜き警告表示(「下皿の球を抜いてね。」の文字列)を表示」することは、本願発明の「F2 前記状態報知手段は、前記演出状態設定手段によって設定された遊技機の演出状態が第1演出状態であるか第2演出状態であるかに応じて、前記所定状態報知を行う場合と、前記特定状態報知を行う場合と、があ」ることに相当する。 以上の(a)-(h)から、本願発明と引用発明とは、 [一致点] 「A 可変表示を行い、記録媒体に記録された遊技価値に基づき、遊技媒体を用いて遊技を行う遊技機であって、 B’ 遊技者にとって有利な有利状態と、前記有利状態と異なる有利な価値を付与可能な付与手段と、 C 遊技機の演出状態を設定可能な演出状態設定手段と、 D’ 遊技媒体を発射することを指示する指示報知を行う指示報知手段と、 E 前記遊技機の状態を判定可能な判定手段と、 F 前記遊技機の状態が通常状態と異なる特殊状態であると前記判定手段によって判定されたときに、その旨を報知する状態報知手段と、を備え、 D1 前記指示報知手段は、所定報知音による指示報知を行うときは所定指示報知画像による所定指示報知が可能であり、前記所定報知音と異なる特定報知音による指示報知を行うときは前記所定指示報知画像と異なる特定指示報知画像による特定指示報知が可能であり、 F1 前記状態報知手段は、前記所定報知音による状態報知を行うときは所定状態報知画像による所定状態報知が可能であり、前記特定報知音による状態報知を行うときは前記所定状態報知画像と異なる特定状態報知画像による特定状態報知が可能であり、 D2 前記指示報知手段は、前記演出状態設定手段によって設定された遊技機の演出状態が第1演出状態であるか第2演出状態であるかに応じて、前記所定指示報知を行う場合と、前記特定指示報知を行う場合と、があり、 F2 前記状態報知手段は、前記演出状態設定手段によって設定された遊技機の演出状態が第1演出状態であるか第2演出状態であるかに応じて、前記所定状態報知を行う場合と、前記特定状態報知を行う場合と、がある H 遊技機。」 である点で一致し、以下の2点で相違する。 相違点1 本願発明は「所定領域」を備えており、一致点B’に関し、「遊技者にとって有利な有利状態中に、遊技媒体が所定領域を通過したことにもとづいて」有利な価値を付与可能であり、一致点D’の「遊技媒体を発射することを指示する指示報知」に関し、「前記所定領域に向けて」遊技媒体を発射することを指示するものであるのに対し、引用発明では「所定領域」を備えるものではなく、一致点B’に関し、「「特図A」の15ラウンド(15R)特別大当たり図柄」が「停止表示」したことにより有利な価値が付与されるものであり、一致点D’の「遊技媒体を発射することを指示する指示報知」に関し、右打ちか左打ちかを報知しているものである点。 相違点2 本願発明では、「G 前記記録媒体の返却操作を促す報知を行う促進報知を実行する促進報知手段」を備え、「G1 前記促進報知手段は、前記所定報知音による促進報知を行うときは所定促進報知画像による所定促進報知が可能であり、前記特定報知音による促進報知を行うときは前記所定促進報知画像と異なる特定促進報知画像による特定促進報知が可能であり」、「G2 前記促進報知手段は、前記演出状態設定手段によって設定された遊技機の演出状態が第1演出状態であるか第2演出状態であるかに応じて、前記所定促進報知を行う場合と、前記特定促進報知を行う場合と、がある」との特定を有しているのに対し、引用発明ではこれらの構成について特定されていない点。 第6 判断 以下、各相違点について、検討する。 1 相違点1について まず、引用発明2について見ると、引用発明2の構成2bの「連続大当たり遊技において」、「V領域53」、「遊技者に有利な遊技状態」及び「メイン制御部100」は、それぞれ本願発明の「有利状態中」、「所定領域」、「有利な価値」及び「指示報知手段」に相当し、引用発明2の構成2bは、本願発明の構成Bに相当する。また、引用発明2の構成2dの「第2大入賞口51への発射報知演出として、「Vアタッカーを狙え」という音声が出力されるとともに、「Vアタッカーを狙え!」との画像が表示され」ることは、V領域に向けて遊技球を発射することを指示する指示報知であるといえるから、引用発明2の構成2dは、本願発明の構成Dに相当する。 ここで、遊技機の大当たり遊技の終了後に、どのようにして高確率状態及び時短状態のような遊技者にとって有利な状態に移行させるかは、どのような遊技性を遊技機に付与するかに応じて、当業者であれば適宜の構成を採用し得たものである。そして、引用発明は、「特図A」の15ラウンド(15R)特別大当たり図柄が停止表示したことにより特図高確率状態及び時短状態に移行するものであるが、このような遊技性を付与する引用発明の構成bに代えて、引用発明2の構成2bを採用し、連続大当たり遊技において、V領域53を遊技球が通過すると、遊技者に有利な遊技状態に制御されるようなものとすることは、当業者であれば容易になし得たことである。 また、引用発明は、右打ち、左打ちのいずれが有利となるかを指示しているものであるが、上述のとおり引用発明2の構成2bを採用するのであれば、それに伴い、有利となるような遊技球の発射の指示として、右打ちを指示することに加えて、V領域に向けて遊技球を発射することを指示するように、引用発明2の構成2dを採用することも、当業者であれば容易になし得たことである。そして、引用発明は、選択されたステージによるステージ演出を行うものであり(構成c)、選択されたステージに応じた表示や音の出力を行うものであるところ(構成d1、d2、f1、f2)、引用発明2の構成2dは、「「Vアタッカーを狙え」という音声が出力されるとともに、「Vアタッカーを狙え!」との画像が表示され」るものであるから、このような音声の出力及び画像の表示について、選択されたステージに応じたものとすることも、当業者であれば容易に為し得た範囲内のことである。 してみれば、引用発明に、引用発明2を適用し、上記相違点1に係る本願発明の構成とすることは、当業者であれば容易になし得たことである。 2 相違点2について 上記第4 3で示したように、引用文献3には、記憶媒体に記憶された遊技球の貸し出しに必要な価値情報に基づいて供給される遊技球を用いて遊技を行う遊技機において、記憶媒体を取り忘れるという事態を防止すべく、記憶媒体の取り出しを促す報知画像を表示することで、記憶媒体の取り忘れを防止するようにした遊技機を背景技術として、カード取り忘れ防止報知として、「カードを抜いてください。」とのメッセージが表示され、表示と同時に、同内容のメッセージを読み上げる音声を、音声出力装置10から出力することが記載されている。 また、上記第4 4で示したように、引用文献4には、遊技機本体に隣接して設けられた遊技球貸出機のカード挿入口にプリペイドカードを挿入した状態で、遊技機本体に設けられた球貸出ボタンを操作することにより、遊技球が払い出されるカード式パチンコ遊技機において、貸出機に挿入したプリペイドカードの遊技後の取り忘れや盗難が大きな問題となることから、遊技者が遊技機から離席しようとする状況に際して、カードの取り忘れを報知する演出を行っていることを背景技術として、プリペイドカード取り忘れ注意喚起演出として、画像表示装置7にキャラクタ等の画像と共に注意画像を表示しつつ、プリペイドカードの取り忘れや盗難に注意するように、音声にて遊技者に呼びかけるようにすることが記載されている。 これら引用文献3及び引用文献4の記載によれば、記憶媒体に記憶された価値情報に基づいて貸し出される遊技球を用いて遊技を行う遊技機において、記憶媒体の取り忘れを防止するために、記憶媒体を取り忘れないよう注意する画像を表示すると共に音声を出力する演出を行うことは、周知技術であると認められる。この「記憶媒体を取り忘れないよう注意する画像を表示すると共に音声を出力する演出」は、本願発明の構成Gの「記録媒体の返却操作を促す報知を行う促進報知」に相当するものである。 そして、引用発明は、「カードユニットに対して球貸し指示を行うことで貸し出される球を遊技者が遊技領域124に打ち出すパチンコ機100」であるから、上記周知技術と同様に、記憶媒体を取り忘れるという課題を内在している。してみれば、引用発明における当該課題の解決のために、上記周知技術を適用し、「記憶媒体の取り忘れを防止するために、記憶媒体を取り忘れないよう注意する画像を表示すると共に音声を出力する演出を行う」ようなものとすることは、当業者であれば容易になし得たことである。 そして、引用発明は、選択されたステージによるステージ演出を行うものであり(構成c)、選択されたステージに応じた表示や音の出力を行うものであるところ(構成d1、d2、f1、f2)、上記周知技術は記憶媒体を取り忘れないよう注意する画像を表示すると共に音声を出力する演出を行うものであるから、このような画像の表示及び音声の出力について、選択されたステージに応じたものとすることも、当業者であれば容易に為し得た範囲内のことである。 そうすると、引用発明に、上記周知技術を適用し、上記相違点2に係る本願発明の構成とすることは、当業者であれば容易になし得たことである。 3 効果について 本願発明が奏する、演出モードに応じた態様により満タンエラー報知やドア開放エラー報知、カード取り忘れ防止報知、指示報知が行われるため、遊技者は、演出モードを選択することにより、報知の態様を選択することができ、遊技者の嗜好に合った態様により報知を行うことができ、興趣を向上させることができる(明細書【0389】)との作用効果について、引用発明では遊技者がステージを選択切替し、ステージに応じた打ち方や球抜き警告の報知を行っており、引用発明2では第2大入賞口51への発射報知を行っており、また、上記周知技術では記憶媒体を取り忘れないような報知を行っていることからして、本願発明が奏する上記作用効果は、引用発明、引用発明2及び上記周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず、格別顕著なものということはできない。 4 小括 したがって、本願発明は、引用発明、引用発明2及び周知技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。 第7 請求人の主張について 審判請求人は、令和2年2月14日付け意見書において、同日付け手続補正書による補正により追加された「促進報知手段」に関して、引用文献1及び2のいずれにも記載されておらず、当該構成により格別の効果を奏する旨、主張している。 当該主張に対しては、上記第6 2及び3で示したとおりである。 第8 むすび 以上のとおり、本願発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 したがって、本願は、拒絶されるべきものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2020-03-09 |
結審通知日 | 2020-03-10 |
審決日 | 2020-03-25 |
出願番号 | 特願2015-150240(P2015-150240) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WZ
(A63F)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 柳 重幸、岩永 寛道 |
特許庁審判長 |
石井 哲 |
特許庁審判官 |
▲吉▼川 康史 田邉 英治 |
発明の名称 | 遊技機 |
代理人 | 小原 博生 |