• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G06F
管理番号 1362195
審判番号 不服2018-12321  
総通号数 246 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-06-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-09-13 
確定日 2020-05-14 
事件の表示 特願2014-127777「メール送受信装置、方法およびプログラム」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 1月18日出願公開、特開2016- 9221〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本願は,平成26年6月21日を出願日とする出願であって,平成30年2月9日付けの拒絶理由通知に対して平成30年3月23日付けで意見書が提出されるとともに手続補正がなされたが,平成30年7月31日付けで拒絶査定がなされ,これに対して平成30年9月13日に拒絶査定不服審判の請求がなされ,令和1年10月10日付けの当審による拒絶理由通知(以下,「当審拒絶理由通知1」という。)に対して令和1年12月9日付けで意見書が提出されるとともに手続補正がなされ,令和1年12月19日付けの当審による最後の拒絶理由通知(以下,「当審拒絶理由通知2」という。)に対して令和2年1月15日付けで意見書が提出されるとともに手続補正(以下,「本件補正」という。)がなされたものである。


第2 本件補正について
1 本件補正の内容
(1)令和1年12月9日提出の手続補正書により補正された(以下「本件補正前」という。)特許請求の範囲は,以下のとおりである。

「 【請求項1】
文字列および画像の少なくとも一方を含む電子メールを送受信するメール送受信装置であって、
前記電子メールを受信するメール受信手段と、
前記メール受信手段によって第1の電子メールを受信後に、前記メール受信手段によってこの第1の電子メールに関連する第2の電子メールを受信したか否かを判定する受信メール判定手段と、
前記受信メール判定手段によって前記第1の電子メールと前記第2の電子メールとが関連する旨の判定が行われたときに、これら第1および第2の電子メールを同時に報知する報知手段と、
を備え、前記メール受信手段は、文字列および画像のいずれか一方のみが含まれる前記第1の電子メールと、いずれか他方のみが含まれる前記第2の電子メールを受信し、前記第1の電子メールを受信してから所定時間以内に、前記第1の電子メールの送信者と同一の送信者から前記第2の電子メールを受信した場合に、前記第1の電子メールと前記第2の電子メールとが関連する旨の判定を行い、
前記受信メール判定手段による判定は、前記第2の電子メールを受信したときに行われ、前記報知手段による報知は、前記所定時間の経過を待たずに行われることを特徴とするメール送受信装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記文字列を読み上げて音声出力する音声出力手段と、前記画像を表示する表示手段とをさらに備え、
前記報知手段は、前記第1および第2の電子メールのそれぞれが、前記文字列のみからなる場合に前記音声出力手段からこの文字列に対応する音声出力を行うことにより前記報知を行い、前記画像のみからなる場合に前記表示手段にこの画像を表示することにより前記報知を行うことを特徴とするメール送受信装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記報知手段は、前記第1および第2の電子メールのいずれか一方が前記文字列のみからなり、いずれか他方が前記画像のみからなる場合に、前記音声出力手段による音声出力と前記表示手段による画像表示とを同時に行うことを特徴とするメール送受信装置。
【請求項4】
請求項1?3のいずれか一項において、
車両に搭載されていることを特徴とするメール送受信装置。
【請求項5】
文字列および画像の少なくとも一方を含む電子メールを送受信するメール送受信方法であって、
前記電子メールをメール受信手段によって受信するメール受信ステップと、
前記メール受信手段によって第1の電子メールを受信後に、前記メール受信手段によってこの第1の電子メールに関連する第2の電子メールを受信したか否かを受信メール判定手段によって判定する受信メール判定ステップと、
前記受信メール判定手段によって前記第1の電子メールと前記第2の電子メールとが関連する旨の判定が行われたときに、これら第1および第2の電子メールを同時に報知手段によって報知する報知ステップと、
を有し、前記メール受信手段は、文字列および画像のいずれか一方のみが含まれる前記第1の電子メールと、いずれか他方のみが含まれる前記第2の電子メールを受信し、前記第1の電子メールを受信してから所定時間以内に、前記第1の電子メールの送信者と同一の送信者から前記第2の電子メールを受信した場合に、前記第1の電子メールと前記第2の電子メールとが関連する旨の判定を行い、
前記受信メール判定手段による判定は、前記第2の電子メールを受信したときに行われ、前記報知手段による報知は、前記所定時間の経過を待たずに行われることを特徴とするメール送受信方法。
【請求項6】
コンピュータを、
文字列および画像の少なくとも一方を含む電子メールを受信するメール受信手段と、
前記メール受信手段によって第1の電子メールを受信後に、前記メール受信手段によってこの第1の電子メールに関連する第2の電子メールを受信したか否かを判定する受信メール判定手段と、
前記受信メール判定手段によって前記第1の電子メールと前記第2の電子メールとが関連する旨の判定が行われたときに、これら第1および第2の電子メールを同時に報知する報知手段と、
して機能させるためのメール送受信プログラムであって、
前記メール受信手段は、文字列および画像のいずれか一方のみが含まれる前記第1の電子メールと、いずれか他方のみが含まれる前記第2の電子メールを受信し、前記第1の電子メールを受信してから所定時間以内に、前記第1の電子メールの送信者と同一の送信者から前記第2の電子メールを受信した場合に、前記第1の電子メールと前記第2の電子メールとが関連する旨の判定を行い、
前記受信メール判定手段による判定は、前記第2の電子メールを受信したときに行われ、前記報知手段による報知は、前記所定時間の経過を待たずに行われるメール送受信プログラム。」

(2)本件補正後の特許請求の範囲は,以下のとおりである。(なお,下線は,補正箇所を示すために請求人が付したものである。)

「 【請求項1】
文字列および画像の少なくとも一方を含む電子メールを送受信するメール送受信装置であって、
前記電子メールを受信するメール受信手段と、
前記メール受信手段によって第1の電子メールを受信後に、前記メール受信手段によってこの第1の電子メールに関連する第2の電子メールを受信したか否かを判定する受信メール判定手段と、
前記受信メール判定手段によって前記第1の電子メールと前記第2の電子メールとが関連する旨の判定が行われたときに、これら第1および第2の電子メールを同時に報知する報知手段と、
を備え、前記メール受信手段は、文字列および画像のいずれか一方のみが含まれる前記第1の電子メールと、いずれか他方のみが含まれる前記第2の電子メールを受信し、
前記受信メール判定手段は、前記第1の電子メールを受信してから所定時間以内に、前記第1の電子メールの送信者と同一の送信者から前記第2の電子メールを受信した場合に、前記第1の電子メールと前記第2の電子メールとが関連する旨の判定を行い、
互いに関連のある前記第1および第2の電子メールを前記メール受信手段によって異なるタイミングで受信したときに、前記報知手段は、後に受信した前記第2の電子メールに合わせて、前記第1および第2の電子メールの報知を行うことを特徴とするメール送受信装置。
【請求項2】
請求項1において、
前記文字列を読み上げて音声出力する音声出力手段と、前記画像を表示する表示手段とをさらに備え、
前記報知手段は、前記第1および第2の電子メールのそれぞれが、前記文字列のみからなる場合に前記音声出力手段からこの文字列に対応する音声出力を行うことにより前記報知を行い、前記画像のみからなる場合に前記表示手段にこの画像を表示することにより前記報知を行うことを特徴とするメール送受信装置。
【請求項3】
請求項2において、
前記報知手段は、前記第1および第2の電子メールのいずれか一方が前記文字列のみからなり、いずれか他方が前記画像のみからなる場合に、前記音声出力手段による音声出力と前記表示手段による画像表示とを同時に行うことを特徴とするメール送受信装置。
【請求項4】
請求項1?3のいずれか一項において、
車両に搭載されていることを特徴とするメール送受信装置。
【請求項5】
文字列および画像の少なくとも一方を含む電子メールを送受信するメール送受信方法であって、
前記電子メールをメール受信手段によって受信するメール受信ステップと、
前記メール受信手段によって第1の電子メールを受信後に、前記メール受信手段によってこの第1の電子メールに関連する第2の電子メールを受信したか否かを受信メール判定手段によって判定する受信メール判定ステップと、
前記受信メール判定手段によって前記第1の電子メールと前記第2の電子メールとが関連する旨の判定が行われたときに、これら第1および第2の電子メールを同時に報知手段によって報知する報知ステップと、
を有し、前記メール受信手段は、文字列および画像のいずれか一方のみが含まれる前記第1の電子メールと、いずれか他方のみが含まれる前記第2の電子メールを受信し、
前記受信メール判定手段は、前記第1の電子メールを受信してから所定時間以内に、前記第1の電子メールの送信者と同一の送信者から前記第2の電子メールを受信した場合に、前記第1の電子メールと前記第2の電子メールとが関連する旨の判定を行い、
互いに関連のある前記第1および第2の電子メールを前記メール受信手段によって異なるタイミングで受信したときに、前記報知手段は、後に受信した前記第2の電子メールに合わせて、前記第1および第2の電子メールの報知を行うことを特徴とするメール送受信方法。
【請求項6】
コンピュータを、
文字列および画像の少なくとも一方を含む電子メールを受信するメール受信手段と、
前記メール受信手段によって第1の電子メールを受信後に、前記メール受信手段によってこの第1の電子メールに関連する第2の電子メールを受信したか否かを判定する受信メール判定手段と、
前記受信メール判定手段によって前記第1の電子メールと前記第2の電子メールとが関連する旨の判定が行われたときに、これら第1および第2の電子メールを同時に報知する報知手段と、
して機能させるためのメール送受信プログラムであって、
前記メール受信手段は、文字列および画像のいずれか一方のみが含まれる前記第1の電子メールと、いずれか他方のみが含まれる前記第2の電子メールを受信し、
前記受信メール判定手段は、前記第1の電子メールを受信してから所定時間以内に、前記第1の電子メールの送信者と同一の送信者から前記第2の電子メールを受信した場合に、前記第1の電子メールと前記第2の電子メールとが関連する旨の判定を行い、
互いに関連のある前記第1および第2の電子メールを前記メール受信手段によって異なるタイミングで受信したときに、前記報知手段は、後に受信した前記第2の電子メールに合わせて、前記第1および第2の電子メールの報知を行うメール送受信プログラム。」

2 本件補正の適否
本件補正は,本件補正前の特許請求の範囲の請求項1について,「前記受信メール判定手段は、」を追加するとともに,「前記受信メール判定手段による判定は、前記第2の電子メールを受信したときに行われ、前記報知手段による報知は、前記所定時間の経過を待たずに行われる」を「互いに関連のある前記第1および第2の電子メールを前記メール受信手段によって異なるタイミングで受信したときに、前記報知手段は、後に受信した前記第2の電子メールに合わせて、前記第1および第2の電子メールの報知を行う」に変更することを含むものであって,令和1年12月19日付けの当審による最後の拒絶理由通知の理由に示す事項についてする補正であるから,本件補正は,特許法17条の2第5項4号に掲げる,明りょうでない記載の釈明を目的とする補正である。
したがって,請求項1に係る本件補正は適法になされたものである。本件補正のうちその他の補正についても同様である。

第3 当審による拒絶理由通知の理由

1 当審拒絶理由通知1の理由
令和1年10月10日付けの当審が通知した拒絶理由は,次のとおりのものである。
この出願の請求項1に係る発明は,本願の出願前に日本国内又は外国において,頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1:特開2008-257457号公報
引用文献2:特開2008-97218号公報

2 当審拒絶理由通知2の理由
令和1年12月19日付けの当審が通知した拒絶理由の理由1及び2は,次のとおりのものである。
理由1.(明確性)この出願は,特許請求の範囲の記載が,特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
理由2.(新規事項)令和1年12月9日付け手続補正書でした補正は,願書に最初に添付した明細書,特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内においてしたものでないから,特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

なお,当該補正がなされた請求項1ないし6に記載した事項は,記載が不明りょうであり,かつ,願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内にないことから,当該請求項に係る発明については新規性,進歩性等の特許要件の判断を行っていないことに注意されたい。

3 理由についての検討
上記2の当審拒絶理由通知2におけるなお書きのとおり,令和1年12月19日付けの補正がなされた請求項1ないし6に記載した事項は,記載が不明りょうであり,かつ,願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内にないことから,当該請求項に係る発明については新規性,進歩性等の特許要件の判断が行えず,その旨を通知していたところ,当審拒絶理由通知2に対して提出された意見書及びなされた補正である本件補正によって,上記2で示した理由1及び理由2は解消し,当該請求項に係る発明について進歩性の判断が行えることとなった。そこで,すでに通知していた上記1の当審拒絶理由通知1における理由(進歩性)が解消されているか否かについて,以下で検討する。


第4 引用文献の記載及び引用発明

1 引用文献1の記載
当審拒絶理由1で引用された引用文献1には,以下の事項が記載されている。(下線は当審で付した。以下,同様。)

(1)「【0001】
本発明はコミュニケーションサイトにおける投稿通知方法に係り、特にSNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス:Social Networking Service)として提供されているコミュニケーションサイトにおいて所定の投稿者から日記等の自己のページに関するコンテンツの新たな投稿があった場合に、関係者に投稿があった旨の通知を電子メール等で行うためのコニュニケーションサイト(当審注:「コミュニケーションサイト」の誤記と解される。)における投稿通知方法に関する。
【背景技術】
【0002】
近年、SNS(ソーシャル・ネットワーキング・サービス:Social Networking Service)といわれるインターネット上の招待制コミュニケーションサイトが話題を集めており、多くの会員を抱えるサービスが台頭している。このようなコミュニケーションサイトにおいて、仲間(会員)同士のコミュニケーションの活性化を図るため、会員の一人が自己のページに掲載する新たなコンテンツ(日記等)を携帯電話等から投稿した際に、その投稿者と友達等として関連付けされている関係者に、新たなコンテンツの投稿があった旨を電子メール等により通知することが一般的に行われている。
【発明の開示】
【発明が解決しようとする課題】
【0003】
ところで、上記のようなコミュニケーションサイトにおいて、例えば、いつでも携帯している即時性のある携帯電話から「今」の状況を写真付きで日記として投稿する機会が多い。この場合に、日記を投稿する手順として、サービス提供サーバに日記の構成要素となる画像を送ってからテキストを送るという場合や、テキストを送ってから画像を送るという場合のように日記を投稿する際の状況によって日記の構成要素を一括して送信するのではなく、投稿可能となった構成要素(テキスト又は画像)を逐次送信するという場合がある。
【0004】
これに対して従来では、通常、投稿者が日記として掲載するいずれかの構成要素(テキスト又は画像)を最初に投稿した際に、日記の投稿があった旨の電子メール(通知メール)が関係者に配信されるようになっている。そのため、その通知メールを受信した関係者が、投稿者の日記を即座に閲覧すると、不完全な状態の日記を閲覧することになってしまうという問題があった。
【0005】
本発明はこのような事情に鑑みてなされたもので、投稿者が新たなコンテンツを投稿した旨の通知を関係者が受信し、関係者がそのコンテンツを即座に閲覧した場合に、不完全な状態のコンテンツを閲覧してしまう事態を低減することができるコミュニケーションサイトにおける投稿通知方法を提供することを目的とする。」

(2)「【0018】
以下、添付図面に従って本発明に係るコミュニケーションサイトにおける投稿通知方法を実施するための最良の形態について詳説する。
【0019】
図1は、本発明が適用されるサービス提供システムの全体構成を示したシステム図である。同図のサービス提供システムは、SNSとして例えば招待性のコミュニケーションサイトを運営、管理するサービス提供サーバ10と、サービス提供サーバ10が接続されるインターネット等の通信ネットワーク12と、通信ネットワークに接続可能であってユーザが使用する携帯電話14、16、16…や図示しないパソコン等の端末機器(以下、単に端末という)などから構成されている。尚、同図では端末として投稿者(後述)が所有する携帯電話14とその関係者(後述)が所有する携帯電話16、16、…のみを示しているが、投稿者や関係者が所有する端末は携帯電話以外にパソコン、PDA等の通信ネットワークに接続可能な機器であればどのような種類の端末であってもよい。
【0020】
端末14、16、16、…とサービス提供サーバ10とは、通信ネットワーク12を通じてデータの送受信を行うことができるようになっており、ユーザは端末14、16、16、…を通信ネットワーク12に接続することによってサービス提供サーバ10が提供するコミュニケーションサイトにアクセスすることができようになっている。同図のように端末14、16、16、…として携帯電話を使用する場合には、それらの端末14、16、16、…は、電波信号を送受信する基地局13(複数の基地局を示す)を介して通信ネットワーク12に接続される。そのコミュニケーションサイトでは、にすでに会員登録されているユーザからの招待により新たなユーザがそのコミュニケーションサイトに会員登録することができ、会員登録したユーザはそのコミュニケーションサイトによって提供される各種サービスを受けることができるようになっている。
【0021】
コニュケーションサイトのサービスとして、例えば、各会員ごとのページが用意され、そのページに会員から投稿された日記やプロフィール等が掲載されて他の会員が閲覧することができるサービスや、会員間で友達等として任意に関連付けることができ、その関係を利用したサービスなどが提供される。
【0022】
サービス提供サーバ10は、このようなコミュニケーションサイトの運営をするために、通信ネットワーク12を通じて接続された端末14、16、16、…との間での各種データの送受信を行い、また、各会員に関するデータの管理や配信するコンテンツの管理などを行っている。サービス提供サーバ10によって管理される会員情報データベース20には、会員の名前や電子メールアドレス、各会員間で友達等として関連付けされた関係者に関するデータなどが格納されている。コンテンツデータベース22には、各会員から投稿された日記のデータのように、各会員の端末からの要求に応じて端末に配信するコンテンツに関するデータ等が格納されている。」

(3)「【0028】
図2は、投稿者により新たな日記の投稿があった旨を通知する投稿通知方法の第1の実施の形態の処理手順を示したシーケンス図である。尚、同図のシーケンス図には、日記を投稿する投稿者の投稿者端末14と、サーバ管理者によって管理されるサービス提供サーバ10と、投稿者に関連付けされた関係者の関係者端末16(関係者端末16は各関係者の関係者端末を示す)の各々で行われる処理が時系列で示されている。
【0029】
まず、サービス提供サーバ10のサーバ管理者は、予め関係者への投稿通知メールの投稿時間を設定しておく(ステップS10)。例えば10分程度に設定しておくことが望ましい。
【0030】
一方、投稿者は新たな日記(日記1とする)を投稿するため、日記1の構成要素としてテキストを投稿した後、所定時間後に同じ日記1の構成要素として画像を投稿するものとする。このとき、投稿者は、投稿者端末14でサービス提供サーバ10が運営するコミュニケーションサイトにアクセスし、投稿者端末14とサービス提供サーバ10を通信ネットワーク12を通じて接続する。そして、投稿者が所定の操作を行うことによって、投稿者端末14から日記1の構成要素とするテキストのデータがサービス提供サーバ10に送信される(ステップS12)。続いて、一定時間が経過した後、同じ日記1の構成要素とする画像のデータがサービス提供サーバ10に送信される(ステップS14)。尚、投稿者端末14は、このように日記を投稿する際に種類の異なる複数の構成要素を複数回に分けて投稿するための手段を備えている(第2?第4の実施の形態においても同様)。
【0031】
サービス提供サーバ10は、ステップS12において投稿者のページに新たに掲載する日記1の構成要素として投稿者端末14から初めて送信されたテキストのデータを受信すると、そのテキストのデータを日記1のデータとして登録する(ステップS16)。即ち、コンテンツデータベース22にそのデータを登録する。
【0032】
続いて、ステップS14において投稿者端末14から送信された日記1の画像のデータを受信すると、そのデータをステップS16で登録した日記1の構成要素として追加するため、コンテンツデータベース22に登録されている日記1のデータを更新する(ステップS18)。即ち、ステップS16においてコンテンツデータベース22にテキストのデータを登録した日記1の他の構成要素として画像のデータを追加する。このように、サービス提供サーバ10で、同一の日記の複数の構成要素を別々に受信した場合にでも同一の日記の構成要件として登録する手段を備えている(第2から第4の実施の形態においても同様)。
【0033】
一方、サービス提供サーバ10は、ステップS16において投稿者のページに新たに掲載する日記1の構成要素を初めて登録した時点でタイマーを起動させる(ステップS20)。これによって、投稿者により投稿された日記1の構成要素を最初に登録したときからの経過時間がタイマーにより計測する。
【0034】
そして、サービス提供サーバ10は、タイマーにより計測された時間を参照して、日記1の構成要素を最初に登録した時点から、ステップS10で設定した通知メール投稿時間(例えば10分)が経過したか否かを判定する(ステップS22)。
【0035】
NOと判定している間は、継続してステップS22の判定を行う。その間、投稿者端末14から日記1の他の構成要素として登録するデータを受信した場合には、ステップS18のようにその都度、日記1のデータを更新する。
【0036】
一方、ステップS22においてYESと判定した場合には、会員情報データベース20を参照して投稿者と友達等として関連付けされた関係者を検索し、検索した関係者の電子メールを取得する。そして、各関係者の電子メールアドレスを使用して各関係者の関係者端末16に対して投稿者からの日記1の投稿があった旨を通知する投稿通知メールを配信する(ステップS24)。
【0037】
これによって、各関係者の関係者端末16において、サービス提供サーバ10から配信された投稿通知メールが受信される(ステップS26)。
【0038】
即ち、サービス提供サーバ10は、投稿者端末14から新たな日記の最初の構成要素の投稿があった場合に、その投稿があった時から予め決められた一定時間が経過したときに投稿通知メールを関係者には配信する手段を備えている。尚、サービス提供サーバ10は、会員同士の関連を管理する手段を備えており、投稿者に関連付けされた関係者を特定する手段も備えている(第2?第4の実施の形態においても同様)。
【0039】
以上の処理によれば、関係者が投稿通知メールを受信することによって、投稿者により新たな日記の投稿があったことを知り、その日記を即座に閲覧した場合に、ステップS10で設定された通知メール投稿時間(例えば10分)以内に投稿者により投稿された全ての構成要素が反映された日記を閲覧することができる。従って、投稿者が日記の構成要素とするテキストと画像のすべてのデータを通知メール投稿時間以内に投稿すれば関係者は完全な状態の日記を閲覧することができる。」

以上(1)ないし(3)の記載から,引用文献1には,次のとおりの発明(以下,「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「コミュニケーションサイトにおける投稿通知方法が適用されるサービス提供システムを構成する,上記コミュニケーションサイトを運営,管理するサービス提供サーバであって,
投稿者は新たな日記(日記1とする)を投稿するため,日記1の構成要素としてテキストを投稿した後,所定時間後に同じ日記1の構成要素として画像を投稿するものとしたときに,
上記サービス提供サーバは,
投稿者のページに新たに掲載する日記1の構成要素として投稿者端末から初めて送信されたテキストのデータを受信すると,そのテキストのデータを日記1のデータとして,コンテンツデータベースにそのデータを登録し,
続いて,投稿者端末から送信された日記1の画像のデータを受信すると,そのデータを登録した日記1の構成要素として追加するため,コンテンツデータベースに登録されている日記1のデータを更新し,
投稿者のページに新たに掲載する日記1の構成要素を初めて登録した時点でタイマーを起動させ,
そして,タイマーにより計測された時間を参照して,日記1の構成要素を最初に登録した時点から,設定した通知メール投稿時間(例えば10分)が経過したか否かを判定し,NOと判定している間は,継続して上記判定を行い,その間,投稿者端末から日記1の他の構成要素として登録するデータを受信した場合には,その都度,日記1のデータを更新し,一方,YESと判定した場合には,会員情報データベースを参照して投稿者と友達等として関連付けされた関係者を検索し,検索した関係者の電子メールを取得し,そして,各関係者の電子メールアドレスを使用して各関係者の関係者端末に対して投稿者からの日記1の投稿があった旨を通知する投稿通知メールを配信するものであり,
以上の処理によれば,関係者が投稿通知メールを受信することによって,投稿者により新たな日記の投稿があったことを知り,その日記を即座に閲覧した場合に,設定された通知メール投稿時間(例えば10分)以内に投稿者により投稿された全ての構成要素が反映された日記を閲覧することができ,従って,投稿者が日記の構成要素とするテキストと画像のすべてのデータを通知メール投稿時間以内に投稿すれば関係者は完全な状態の日記を閲覧することができる,
サービス提供サーバ。」

2 引用文献2
当審拒絶理由1で引用された引用文献2には,次の記載がある。

(1)「【0048】
着信報知判定部5は、受信部2で新たに電子メールを受信した場合に、電子メールを受信したことを着信音やバイブレータで、携帯端末1の所持者に報知するか否かを判定する。例えば、第一の判定方法として、同一の送信者からの電子メールの受信間隔で判定を行う方法と、第二の判定方法として、受信した電子メールの送信者に対して送信した電子メールの送信日時とその返信である新たに受信した電子メールの受信日時との送受信間隔で判定を行う方法とがある。
【0049】
第一の判定方法の場合、新たに受信した電子メールの送信者と同じ送信者の電子メールをいつ受信したかを電子メール記録部4に記録した情報に基づいて判定し(つまり受信間隔がどれだけであるかを判定し)、それが所定時間内(例えば2分以内など)に行われているかどうかを判定する。具体的には、新たに受信した電子メールの受信日時と、その電子メールと同じ送信者のもっとも新しい電子メール(同じ送信者について、新たに受信した電子メールの一つ前に受信した電子メール)の受信日時とを比較することにより、その受信間隔を算出し、それが所定時間内に収まっているかを判定し、それによって着信報知を行うか否かを判定する。」


第5 対比
本件補正後の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)と引用発明とを対比する。

1 引用発明の「サービス提供サーバ」は,「投稿者からの日記1の投稿があった旨を通知する投稿通知メールを配信する」ものであることから“メッセージ送信装置”といいうるとともに,「投稿者は新たな日記(日記1とする)を投稿するため,日記1の構成要素としてテキストを投稿した後,所定時間後に同じ日記1の構成要素として画像を投稿する」ことを可能とすることから,“メッセージ受信装置”といえ,よって,本願発明の「メール送受信装置」と引用発明の「サービス提供サーバ」とは,“メッセージ送受信装置”である点で共通する。
そして,引用発明の「サービス提供サーバ」が受信する「日記1の構成要素としてテキストを投稿した」ものと,「所定時間後に同じ日記1の構成要素として画像を投稿」したものとは,いずれも“電子メッセージ”といいうることから,後記する点で相違するものの,本願発明である「文字列および画像の少なくとも一方を含む電子メールを送受信するメール送受信装置」と,引用発明である「投稿者は新たな日記(日記1とする)を投稿するため,日記1の構成要素としてテキストを投稿した後,所定時間後に同じ日記1の構成要素として画像を投稿する」ことを可能とする「サービス提供サーバ」とは,“文字列および画像の少なくとも一方を含む電子メッセージを送受信するメッセージ送受信装置”である点で共通するといえる。

2 上記1で検討のとおり,引用発明の「サービス提供サーバ」が受信する「投稿」は“電子メッセージ”といいうることから,「サービス提供サーバ」は“電子メッセージ”を受信する手段を備えているといえ,よって,後記する点で相違するものの,本願発明と引用発明とは,“電子メッセージを受信するメッセージ受信手段”を備える点で共通するといえる。

3 引用発明の「投稿者は新たな日記(日記1とする)を投稿するため,日記1の構成要素としてテキストを投稿した後,所定時間後に同じ日記1の構成要素として画像を投稿するものとしたとき」における,最初の投稿である「日記1の構成要素としてテキストを投稿した」ものと,次の投稿である「所定時間後に同じ日記1の構成要素として画像を投稿」したものとは,「同じ日記1の構成要素」であるという点で関連しているから,本願発明の「第1の電子メール」,及び,「第1の電子メールに関連する第2の電子メール」と,引用発明の「日記1の構成要素としてテキストを投稿した」もの,及び,「所定時間後に同じ日記1の構成要素として画像を投稿」したものとは,それぞれ,“第1の電子メッセージ”,及び,“第1の電子メッセージに関連する第2の電子メッセージ”である点で共通する。
そして,引用発明は,最初の投稿である上記「日記1の構成要素としてテキストを投稿した」ものと,次の投稿である上記「所定時間後に同じ日記1の構成要素として画像を投稿」したものについて,「日記1の構成要素を最初に登録した時点から,設定した通知メール投稿時間(例えば10分)が経過したか否かを判定し,NOと判定している間は,継続して上記判定を行い,その間,投稿者端末から日記1の他の構成要素として登録するデータを受信した場合には,その都度,日記1のデータを更新」するものであって,最初の投稿である上記「日記1の構成要素としてテキストを投稿した」ものを受信した後に,次の投稿である上記「所定時間後に同じ日記1の構成要素として画像を投稿」したものを,「設定した通知メール投稿時間」内に受信したか否かを判定しているといえるから,後記する点で相違するものの,本願発明と引用発明とは,“メッセージ受信手段によって第1の電子メッセージを受信後に,メッセージ受信手段によってこの第1の電子メッセージに関連する第2の電子メッセージを受信したか否かを判定する受信メッセージ判定手段”を備える点で共通するといえる。

4 引用発明は,「日記1の構成要素を最初に登録した時点から,設定した通知メール投稿時間(例えば10分)が経過したか否かを判定し」,「YESと判定した場合には,会員情報データベースを参照して投稿者と友達等として関連付けされた関係者を検索し,検索した関係者の電子メールを取得し,そして,各関係者の電子メールアドレスを使用して各関係者の関係者端末に対して投稿者からの日記1の投稿があった旨を通知する投稿通知メールを配信するものであ」って,これにより,「投稿者が日記の構成要素とするテキストと画像のすべてのデータを通知メール投稿時間以内に投稿すれば関係者は完全な状態の日記を閲覧することができる」ことから,「構成要素として」テキスト及び画像を含む「日記1」の投稿が「通知メール投稿時間」以内にあったことを「関係者の関係者端末」に「投稿通知メール」で通知しており,これは,当該テキスト及び画像を含む「日記1」の投稿があったことについて同時に関係者に報知しているといえるから,後記する点で相違するものの,本願発明と引用発明とは,“受信メッセージ判定手段によって第1の電子メッセージと第2の電子メッセージとが関連する旨の判定が行われたときに,これら第1および第2の電子メッセージについて同時に報知する報知手段”を備える点で共通するといえる。

5 上記3で検討のとおり,本願発明の「第1の電子メール」,「第1の電子メールに関連する第2の電子メール」と,引用発明の「日記1の構成要素としてテキストを投稿した」もの,「所定時間後に同じ日記1の構成要素として画像を投稿」したものとは,それぞれ,“第1の電子メッセージ”,“第1の電子メッセージに関連する第2の電子メッセージ”である点で共通するから,後記する点で相違するものの,本願発明と引用発明とは,“メッセージ受信手段は,文字列および画像のいずれか一方のみが含まれる第1の電子メッセージと,いずれか他方のみが含まれる第2の電子メッセージを受信する”ものである点で共通するといえる。

6 上記3で検討のとおり,引用発明は,最初の投稿である上記「日記1の構成要素としてテキストを投稿した」ものを受信した後に,次の投稿である上記「所定時間後に同じ日記1の構成要素として画像を投稿」したものを,「設定した通知メール投稿時間」内に受信したか否かを判定しているといえ,これは,当該判定が所定時間内の受信であるか否かにより行われているといえ,また,上記最初の投稿と次の投稿とが同じ投稿者(本願発明の「送信者」に相当)からのものであることを前提とすることは明らかであるから,後記する点で相違するものの,本願発明と引用発明とは,“受信メッセージ判定手段は,第1の電子メッセージを受信してから所定時間以内に,前記第1の電子メッセージの送信者と同一の送信者から前記第2の電子メッセージを受信した場合に,前記第1の電子メッセージと前記第2の電子メッセージとが関連する旨の判定を行”うものである点で共通するといえる。

7 上記4で検討のとおり,引用発明は,「構成要素として」テキスト及び画像を含む「日記1」の投稿が「通知メール投稿時間」以内にあったことを「関係者の関係者端末」に「投稿通知メール」で通知することで,当該テキスト及び画像を含む「日記1」の投稿があったことについて同時に関係者に報知しているといえ,最初の投稿である「日記1の構成要素としてテキストを投稿した」ものを,異なるタイミングで受信するものである次の投稿である「所定時間後に同じ日記1の構成要素として画像を投稿」したものに合わせるように報知しているといえるから,後記する点で相違するものの,本願発明と引用発明とは,“互いに関連のある前記第1および第2の電子メッセージを前記メッセージ受信手段によって異なるタイミングで受信したときに,前記報知手段は,後に受信した前記第2の電子メッセージに合わせて,前記第1および第2の電子メッセージの報知を行う”ものである点で共通するといえる。

上記の検討から,本願発明と引用発明との間には,次の一致点,相違点があるといえる。

(一致点)
文字列および画像の少なくとも一方を含む電子メッセージを送受信するメッセージ送受信装置であって,
前記電子メッセージを受信するメッセージ受信手段と,
前記メッセージ受信手段によって第1の電子メッセージを受信後に,前記メッセージ受信手段によってこの第1の電子メッセージに関連する第2の電子メッセージを受信したか否かを判定する受信メッセージ判定手段と,
前記受信メッセージ判定手段によって第1の電子メッセージと第2の電子メッセージとが関連する旨の判定が行われたときに,これら第1および第2の電子メッセージについて同時に報知する報知手段と,
を備え,前記メッセージ受信手段は,文字列および画像のいずれか一方のみが含まれる第1の電子メッセージと,いずれか他方のみが含まれる第2の電子メッセージを受信し,
前記受信メッセージ判定手段は,第1の電子メッセージを受信してから所定時間以内に,前記第1の電子メッセージの送信者と同一の送信者から前記第2の電子メッセージを受信した場合に,前記第1の電子メッセージと前記第2の電子メッセージとが関連する旨の判定を行い,
互いに関連のある前記第1および第2の電子メッセージを前記メッセージ受信手段によって異なるタイミングで受信したときに,前記報知手段は,後に受信した前記第2の電子メッセージに合わせて,前記第1および第2の電子メッセージの報知を行うことを特徴とするメッセージ送受信装置。

(相違点1)
メッセージに関し,
本願発明は,「メール」送受信装置であり,第1の電子「メール」及び第2の電子「メール」を含む電子「メール」を送受信するものであり,メッセージ受信手段及び受信メッセージ判定手段は,それぞれ「メール」受信手段及び受信「メール」判定手段であるのに対して,
引用発明は,上記メッセージが「メール」であるとは特定されていない点。

(相違点2)
報知手段に関し,
本願発明は,受信メール判定手段によって第1の電子メールと第2の電子メールとが関連する旨の判定が行われたときに,「第1および第2の電子メールを」同時に報知するものであるのに対して,
引用発明は,テキスト及び画像を構成要素とする「日記1」の投稿が通知メール投稿時間以内にあったことを,投稿通知メールにより報知しており,受信した上記「日記1」自体を報知するものではない点。


第6 判断
上記相違点について検討する。

(相違点1)について
複数のメールを受信し,それらが所定の時間内に受信されたか否かに基づいて,メールの関連性を判定することは,引用文献2(特に上記2の(1)の記載参照)に記載されており,引用発明と上記引用文献2の記載事項とは,いずれも電子メッセージの受信判定に係る技術という点で共通することから,引用発明における送受信及び判定において,上記引用文献2に記載のごとく「メール」を対象とするよう適用すること,すなわち,上記相違点1に係る構成とすることは,当業者が容易に想到し得たことである。

(相違点2)について
引用発明の投稿があった旨を通知する投稿通知メールは,「日記1」の投稿をもとになされるものであるから,投稿通知メールに「日記1」の投稿内容を反映することに格別困難性はなく,また,引用発明が,関係者に完全な状態での日記の閲覧を促すことを目的とするものであることを踏まえれば,投稿通知メールに「日記1」の投稿内容を反映することの阻害事由も認められず,よって,引用発明において,上記相違点2に係る構成とするよう変更することは,当業者が容易に想到し得たことである。

そして,本願発明の構成によってもたらされる効果も,当業者であれば容易に予測できる程度のものであって,格別なものとは認められない。


第7 むすび

以上のとおり,本願発明は,その出願日前に日本国内又は外国において頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用発明及び引用文献2の記載事項に基づいて,その出願日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。

よって,結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2020-03-11 
結審通知日 2020-03-17 
審決日 2020-03-31 
出願番号 特願2014-127777(P2014-127777)
審決分類 P 1 8・ 121- WZ (G06F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 北川 純次  
特許庁審判長 田中 秀人
特許庁審判官 仲間 晃
松平 英
発明の名称 メール送受信装置、方法およびプログラム  
代理人 雨貝 正彦  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ