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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 H01G
審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 特許、登録しない。 H01G
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 H01G
管理番号 1362614
審判番号 不服2018-15232  
総通号数 247 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-07-31 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-11-16 
確定日 2020-05-19 
事件の表示 特願2016- 27242「密封されたコンデンサアセンブリ」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 5月19日出願公開、特開2016- 86193〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯

本願は、平成21年3月12日(パリ条約に基づく優先権主張 平成20年4月1日 米国(US))に出願した特願2009-59683号の一部を平成25年4月25日に新たな出願とした特願2013-92544号の一部を平成28年2月16日にさらに新たな出願としたものであって、平成28年3月17日付けで手続補正がなされ、平成29年3月29日付け拒絶理由通知に対する応答時、同年7月3日付けで手続補正がなされ、平成30年1月10日付け拒絶理由通知に対する応答時、同年4月16日付けで手続補正がなされたが、同年7月9日付けで拒絶査定がなされ、これに対して、同年11月16日付けで拒絶査定不服審判の請求及び手続補正がなされ、令和1年10月28日付けで上申書が提出されたものである。

第2 平成30年11月16日付けの手続補正についての補正却下の決定

[補正却下の決定の結論]
平成30年11月16日付けの手続補正を却下する。
[理 由]
1.補正後の本願発明
平成30年11月16日付けの手続補正(以下、「本件補正」という。)により、特許請求の範囲の請求項1については、
「【請求項1】
タンタル又は酸化ニオビウムを含有する多孔性焼結ペレットを含むアノード及び該アノードから延びるアノードリードと、該多孔性焼結ペレットの上及び中に陽極酸化により形成される誘電体層と、該誘電体層の上に重なり、導電性ポリマーを有するカソードとを含む電解コンデンサと、
不活性ガスを含有する気体雰囲気を有する内部空洞を形成し、下壁及び対向する側壁を含み、前記電解コンデンサが内部に封入され、蓋に密封されたハウジングと、
前記ハウジングの前記内部空洞に面する表面を形成し、かつ前記アノードリードと電気的に直接接触する、第1の導電トレースであって、第1の導電接着剤が該第1の導電トレースを前記アノードリードに接続する、前記第1の導電トレースと、
前記ハウジングの前記内部空洞に面する表面を形成し、かつ前記カソードと電気的に接触する、第2の導電トレースと、
前記第2の導電トレースと電気的に接続し、前記ハウジングの外部に位置するカソード端子であって、前記第2の導電トレースは前記カソード端子とは別の構成部品である、前記カソード端子と、
前記第1の導電トレースと電気的に接続し、前記ハウジングの外部に位置するアノード端子であって、前記第1の導電トレースは前記アノード端子とは別の構成部品である、前記アノード端子と、
を含むことを特徴とするコンデンサアセンブリ。」

とあったものが、

「【請求項1】
タンタル又は酸化ニオビウムを含有する多孔性焼結ペレットを含むアノード及び該アノードから延びるアノードリードと、該多孔性焼結ペレットの上及び中に陽極酸化により形成される誘電体層と、該誘電体層の上に重なり、導電性ポリマーを有するカソードとを含む電解コンデンサと、
不活性ガスのみを含有する気体雰囲気を有する内部空洞を形成し、下壁及び対向する側壁を含み、前記電解コンデンサが内部に封入され、蓋に密封されたハウジングと、
前記ハウジングの前記内部空洞に面する表面を形成し、かつ前記アノードリードと電気的に直接接触する、第1の導電トレースであって、第1の導電接着剤が該第1の導電トレースを前記アノードリードに接続する、前記第1の導電トレースと、
前記ハウジングの前記内部空洞に面する表面を形成し、かつ前記カソードと電気的に接触する、第2の導電トレースと、
前記第2の導電トレースと電気的に接続し、前記ハウジングの外部に位置するカソード端子であって、前記第2の導電トレースは前記カソード端子とは別の構成部品である、前記カソード端子と、
前記第1の導電トレースと電気的に接続し、前記ハウジングの外部に位置するアノード端子であって、前記第1の導電トレースは前記アノード端子とは別の構成部品である、前記アノード端子と、
を含むことを特徴とするコンデンサアセンブリ。」
と補正された。

上記補正は、請求項1に記載された発明を特定するために必要な事項である、蓋に密封された「ハウジング」における内部空洞が有する気体雰囲気について、「不活性ガスを含有する」とあったものを「不活性ガスのみを含有する」とし、不活性ガス以外のものは含有しないとする旨の限定を付加するものである。
よって、本件補正は、特許法第17条の2第5項第2号に掲げる特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。

2.独立特許要件について
そこで、本件補正後の上記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)、さらには上記請求項1を引用する各請求項に記載された発明が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項に規定する要件を満たすか)否かについて以下に検討する。

2-1.特許法第36条第6項第2号
上記「1.」に記載したとおり、本件補正により、請求項1には、「ハウジング」における内部空洞が有する気体雰囲気について、「不活性ガスのみ」を含有するものである、すなわち、不活性ガス以外のものは含有しない旨特定されている。
これに対して、請求項1を引用する請求項6には、「酸素が、前記気体雰囲気の約1重量パーセント未満を構成する・・」と記載され、かかる記載によれば、不活性ガス以外のものである「酸素」を約1重量パーセント未満の範囲で含んでいてもよいということになり、引用する請求項1の不活性ガス以外のものは含有しない旨の特定と矛盾している。
したがってこの点において、請求項6に係る発明は明確なものでない。

よって、本件出願は、特許請求の範囲の記載が特許法第36条第6項第2に規定する要件を満たしていないから、本件補正後の請求項6に係る発明は、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

2-2.特許法第29条第2項(予備的見解)
上記「2-1.」で指摘した請求項1の「不活性ガスのみを含有する」ことの意味について、厳密に不活性ガス以外のものは含有しないというのではなく、可能な限り不活性ガス以外のものは含有しないようにするものと解釈して(例えば請求項6に記載のように、酸素が気体雰囲気の約1重量パーセント未満を含んでもよいと解釈して)、進歩性についても検討しておく。

(1)引用例
原査定の拒絶の理由に引用された特開2005-39168号公報(以下、「引用例」という。)には、「セラミック容器およびそれを用いたタンタル電解コンデンサ」について、図面とともに以下の各記載がある(なお、下線は当審で付与した。)。
ア.「【請求項1】
上面の中央部に直方体状の凹部が形成され、該凹部の一内側面と底面との間に段差が形成されており、下面に第一の導体層および第二の導体層が互いに独立して設けられたセラミック基体と、前記段差の上面から側面にかけて形成された切り欠きと、該切り欠きの側面および底面に形成された第一のメタライズ層と、前記凹部の底面に形成された第二のメタライズ層と、前記セラミック基体の外側面に上下方向に形成されるとともに内面に第一および第二の側面導体がそれぞれ形成された第一および第二の溝とを具備しており、前記第一のメタライズ層は第一の内部配線と前記第一の側面導体とを介して前記第一の導体層に電気的に接続されており、前記第二のメタライズ層は第二の内部配線と前記第二の側面導体とを介して前記第二の導体層に電気的に接続されていることを特徴とするセラミック容器。」

イ.「【請求項5】
請求項1乃至請求項4のいずれかに記載のセラミック容器と、タンタル粉末の焼結体の側面に一端部が埋め込まれるとともに他端部が前記第一のメタライズ層に電気的に接続されている陽極リード端子、および前記焼結体の下面に被着されるとともに前記第二のメタライズ層に電気的に接続されている陰極層とを有するタンタル電解コンデンサ素子と、前記セラミック基体の上面に前記凹部を塞ぐように取着された蓋体とを具備していることを特徴とするタンタル電解コンデンサ。」

ウ.「【0001】
本発明は、セラミック容器、および電子回路などに使用されるタンタル電解コンデンサに関し、特にセラミック容器を用いて構成されたタンタル電解コンデンサに関する。」

エ.「【0004】
以下に、この種の従来のタンタル電解コンデンサについて図5を用いて説明する。図5は従来のタンタル電解コンデンサの構成を示す断面図であり、同図において11はタンタル電解コンデンサ、Bはタンタル電解コンデンサ素子、Cは陽極リードを示し、タンタル電解コンデンサ素子Bはタンタルなどから成る陽極リードCの一端部が埋め込まれるとともに他端部が側面から突出するように埋設されたタンタル粉末を固めた成形体を焼結させて得られた焼結体12に誘電体の酸化皮膜層(図示せず)を形成し、固体電解質層(図示せず)を酸化被膜層外側に形成し、次いで外周に陰極層12aを形成することにより得られる。」

オ.「【0012】
したがって、本発明は上記問題点に鑑みて完成されたものであり、その目的は、タンタル電解コンデンサを半田付けをするときに高温に曝されても、タンタル電解コンデンサ素子の気密性を保持することができるとともに、信号の伝播遅延を少なくすることができるようなセラミック容器、およびこのセラミック容器を用いたタンタル電解コンデンサを提供することにある。」
カ.「【0025】
本発明のセラミック容器について以下に詳細に説明する。図1において、(a)は本発明のセラミック容器の実施の形態の一例を示す平面図であり、(b)は図(a)の断面図である。また、図2は本発明のセラミック容器の実施の形態の一例を下方から見た斜視図であり、図3は本発明のセラミック容器の実施の形態の他の例を下方から見た斜視図である。これらの図において、1はセラミック基体、1aは凹部、1bは第二のメタライズ層、1c-Aは段差、2は切り欠き、2aは第一のメタライズ層、3aは第一の内部配線、3bは第二の内部配線、4aは第一の導体層、4bは第二の導体層、4cは第一の側面導体、4dは第二の側面導体、5a,5bは第一および第二の突出部、6は蓋体、Aはセラミック容器、Bはタンタル電解タンタル電解コンデンサ素子、Cは陽極リード端子、Dは陰極層、Eは導電性接合材である。
【0026】
本発明のセラミック容器Aは、セラミック基体1の上面中央部に直方体状の凹部1aが形成され、この凹部1aの1つの内側面と凹部1aの底面との間に段差1c-Aが形成されており、例えば図1に示すように下面の段差1c-Aの直下の部位に第一の導体層4aが、および段差1c-Aが形成された上記の1つの内側面に対向する内側面の直下の部位に第二の導体層4bがそれぞれ設けられている。
【0027】
また、段差1c-Aの上面からその側面にかけて切り欠き2が形成され、切り欠き2の内面の側面および底面に第一のメタライズ層2aが形成されており、また凹部1aの底面には第二のメタライズ層1bが形成されている。さらに、第一のメタライズ層2aと電気的に接続され、セラミック基体1の内部を貫通する第一の内部配線3aと、セラミック基体1の下面の第一の導体層4aとを電気的に接続する第一の側面導体4c(いわゆるキャスタレーション導体)がセラミック基体1の外側面に形成された第一の溝内に形成されている。また、第二のメタライズ層1bと電気的に接続され、セラミック基体1の内部を貫通する第二の内部配線3bと、セラミック基体1の下面の第二の導体層4bとを電気的に接続する第二の側面導体4d(キャスタレーション導体)がセラミック基体1の外側面に形成された第二の溝内に形成されている。
・・・・・(中 略)・・・・・
【0034】
セラミック基体1の下面には、第一および第二の導体層4a,4bが第一および第二の側面導体4c,4dと第一および第二の内部配線3a,3bとを介して第一および第二のメタライズ層2a,1bとそれぞれ電気的に接続されて形成されている。これらの第一および第二の導体層4a,4bが外部電気回路基板(図示せず)の表面の配線導体に半田を介して接合される。」

キ.「【0043】
そして、枠状部材7にFe-Ni-Co合金やAl合金等の金属製の蓋体6をシーム溶接等により接合し、セラミック基体1の上面に凹部1aを塞ぐように強固に取着することによって、セラミック基体1の凹部1aを確実に気密封止できるようになる。従って、外部から水分や酸素等がセラミック基体1と蓋体6との間から凹部1aに侵入するのをより有効に抑止することができるので、内部に封入されるタンタル電解コンデンサ素子Bに漏れ電流が発生したり、ショートによる不良が発生したりするのを有効に防止できる。その結果、内部に収容されるタンタル電解コンデンサ素子Bがショートすることにより発火して火災を引き起こす虞を少なくできる。
【0044】
また、タンタル電解コンデンサ素子Bが水分による腐食等で劣化するのを有効に防止できるので、タンタル電解コンデンサ素子Bの電気特性を長期間にわたって良好に維持できる信頼性の高いセラミック容器Aとすることができる。」

ク.「【0045】
次に、本発明のタンタル電解コンデンサFについて以下に詳細に説明する。図4は本発明のタンタル電解コンデンサFの実施の形態の一例を示す断面図であり、Bはタンタル電解コンデンサ素子、Cは陽極リード端子、Dは陰極層、Eは導電性接合材である。
【0046】
本発明のタンタル電解コンデンサFは、タンタル粉末の焼結体の側面からこの焼結体内に一端部が埋め込まれて形成された陽極リード端子Cと焼結体の外周に形成された陰極層Dとを有するタンタル電解コンデンサ素子Bを内蔵している。そして、陽極リード端子Cがその他端部を切り欠き2に導電性接合材Eを介して接合されてなるとともに、段差1c-A上の切り欠き2が導電性接合材Eによって覆われることにより、陽極リード端子Cと第一のメタライズ層2aとの接続部の電気抵抗を小さくすることができ、かつ陽極リード端子Cを強固に切り欠き2の第一のメタライズ層2aに接合することができるとともに、さらに、陰極層Dが導電性接合材Eによって広い面積で第二のメタライズ層1bに電気的に接合されるので、陰極層Dと第二のメタライズ層1bとの接続部の電気抵抗も小さくすることができ、陰極層Dを強固に第二のメタライズ層1bに接合することができるので、電気的接続の信頼性が高く電気抵抗が低いタンタル電解コンデンサFとすることができる。」

ケ.「【0050】
さらに好ましくは、セラミック容器Aの内部に窒素またはアルゴン等の不活性気体を封入すると良く、タンタル電解コンデンサ素子Bがセラミック容器Aの内部気体と反応して腐食等するのを確実に防止し、タンタル電解コンデンサ素子Bを長期にわたって極めて良好に作動させることができる。」

・上記引用例に記載の「セラミック容器およびそれを用いたタンタル電解コンデンサ」は、上記「イ.」、「ウ.」の記載事項によれば、セラミック容器を用いて構成されたタンタル電解コンデンサに関するものである。
・タンタル電解コンデンサFは、上記「ク.」の記載事項によれば、陽極リード端子Cとタンタル電解コンデンサ素子Bを内蔵しているものである。そして、当該タンタル電解コンデンサ素子Bとしては、上記「エ.」に記載された従来例に係るタンタル電解コンデンサBと同じ構成のものが用いられることは明らかであるから、陽極リードCの一端部が埋め込まれるとともに他端部が側面から突出するように埋設されたタンタル粉末を固めた成形体を焼結させて得られた焼結体に誘電体の酸化皮膜層を形成し、固体電解質層を酸化被膜層外側に形成し、次いで外周に陰極層Dを形成することにより得られるものである。
・上記「ア.」、「カ.」の記載事項、及び図1、図4によれば、セラミック容器Aは、上面の中央部に直方体状の凹部1aが形成され、該凹部1aの一内側面と底面との間に段差1c-Aが形成されており、下面に第一の導体層4aおよび第二の導体層4bが互いに独立して設けられたセラミック基体1と、前記段差1c-Aの上面から側面にかけて形成された切り欠き2と、該切り欠き2の側面および底面に形成された第一のメタライズ層2aと、前記凹部1aの底面に形成された第二のメタライズ層1bと、前記セラミック基体1の側壁内部を貫通する第一の内部配線3aおよび第二の内部配線3bと、前記セラミック基体1の外側面に設けられた第一の溝および第二の溝内にそれぞれ形成された第一の側面導体4cおよび第二の側面導体4dとを具備しており、前記第一のメタライズ層2aは前記第一の内部配線3aと前記第一の側面導体4cとを介して前記第一の導体層4aに電気的に接続されており、前記第二のメタライズ層1bは前記第二の内部配線3bと前記第二の側面導体4dとを介して前記第二の導体層4bに電気的に接続されてなるものである。
そして、上記「イ.」、「キ.」の記載事項、及び図4によれば、セラミック容器Aの内部にタンタル電解コンデンサFが封入され、凹部1aを塞ぎ気密封止するように蓋体6が取着されるものである。
・上記「イ.」、「ク.」の記載事項、及び図4によれば、タンタル電解コンデンサFにおける陽極リード端子Cの他端部が導電性接合材Eによって第一のメタライズ層2aに電気的に接続され、タンタル電解コンデンサFにおける陰極層Dが導電性接合材Eによって第二のメタライズ層1bに電気的に接続されるものである。
・さらに、上記「ケ.」の記載事項によれば、セラミック容器Aの内部には窒素またはアルゴン等の不活性気体が封入されるものである。
・そしてこれらにより、上記「オ.」、「キ.」、「ケ.」に記載のように、高温に曝されてもセラミック容器A内部に水分や酸素等が侵入することがなく気密性を保持でき、タンタル電解コンデンサ素子Bがセラミック容器Aの内部気体と反応して腐食等で劣化し、漏れ電流が発生したり、ショートによる不良が発生したりすることなく電気特性を長期間にわたって良好に維持できるものである。

したがって、上記記載事項及び図面を総合勘案すると、引用例には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「タンタル粉末を固めた成形体を焼結させて得られた焼結体に誘電体の酸化皮膜層を形成し、固体電解質層を酸化被膜層外側に形成し、次いで外周に陰極層Dを形成したタンタル電解コンデンサ素子と、前記焼結体内に一端部が埋め込まれるとともに他端部が側面から突出する陽極リードとを含むタンタル電解コンデンサと、
セラミック容器であって、
上面の中央部に直方体状の凹部が形成され、該凹部の一内側面と底面との間に段差が形成されており、下面に第一の導体層および第二の導体層が互いに独立して設けられたセラミック基体と、
前記段差の上面から側面にかけて形成された切り欠きと、当該切り欠きの側面および底面に形成された第一のメタライズ層と、前記凹部の底面に形成された第二のメタライズ層と、
前記セラミック基体の側壁内部を貫通する第一の内部配線および第二の内部配線と、前記セラミック基体の外側面に設けられた第一の溝および第二の溝内にそれぞれ形成された第一の側面導体および第二の側面導体とを具備し、
前記凹部を塞ぎ気密封止するように蓋体が取着され、その内部には前記タンタル電解コンデンサとともに窒素またはアルゴン等の不活性気体が封入され、
前記陽極リード端子の他端部が導電性接合材によって前記第一のメタライズ層に電気的に接続され、前記陰極層が導電性接合材によって前記第二のメタライズ層に電気的に接続されたセラミック容器と、を含み、
前記第一のメタライズ層は前記第一の内部配線と前記第一の側面導体とを介して前記第一の導体層に電気的に接続されており、前記第二のメタライズ層は前記第二の内部配線と前記第二の側面導体とを介して前記第二の導体層に電気的に接続されており、
高温に曝されても前記セラミック容器内部に水分や酸素等が侵入することがなく気密性を保持でき、前記タンタル電解コンデンサ素子が前記セラミック容器の内部気体と反応して腐食等で劣化し、漏れ電流が発生したり、ショートによる不良が発生したりすることなく電気特性を長期間にわたって良好に維持できる、セラミック容器を用いて構成されたタンタル電解コンデンサ。」

(2)対比
そこで、本願補正発明と引用発明とを対比する。
ア.引用発明における「タンタル粉末を固めた成形体を焼結させて得られた焼結体に誘電体の酸化皮膜層を形成し、固体電解質層を酸化皮膜層外側に形成し、次いで外周に陰極層を形成したタンタル電解コンデンサ素子と、前記焼結体内に一端部が埋め込まれるとともに他端部が側面から突出する陽極リードとを含むタンタル電解コンデンサと」によれば、
(a)引用発明における「タンタル粉末を固めた成形体を焼結させて得られた焼結体」は、多孔性であることは自明であるから、本願補正発明でいう「タンタルを含有する多孔性焼結ペレット」に相当する。
(b)引用発明における「誘電体の酸化皮膜層」、「陽極リード」、「タンタル電解コンデンサ」は、それぞれ本願補正発明でいう「誘電体層」、「アノードリード」、「電解コンデンサ」に相当する。
(c)そして、引用発明における「焼結体」が、本願発明でいう「アノード」にも相当するものであり、この焼結体に形成される誘電体の酸化皮膜層は、焼結体が多孔性であることから、その焼結体表面上のみならず焼結体内部の細孔表面にも形成されることは技術常識である。また、本願補正発明でいう「導電性ポリマー」は、固体電解質として用いられるものであることは自明であることを踏まえると、引用発明における、酸化皮膜層外側に形成され、その外周に陰極層が形成された固体電解質が、本願補正発明でいう「カソード」に相当するものである。
したがって、本願補正発明と引用発明とは、「タンタルを含有する多孔性焼結ペレットを含むアノード及び該アノードから延びるアノードリードと、該多孔性焼結ペレットの上及び中に形成される誘電体層と、該誘電体層の上に重なり、固体電解質を有するカソードとを含む電解コンデンサと」を含むものである点で共通するといえる。
ただし、引用発明では、誘電体の酸化皮膜層が「陽極酸化により」形成されるものであることや、固体電解質が「導電性ポリマー」であることの特定がない点で本願補正発明と相違している。

イ.引用発明における「セラミック容器であって、上面の中央部に直方体状の凹部が形成され、該凹部の一内側面と底面との間に段差が形成されており、下面に第一の導体層および第二の導体層が互いに独立して設けられたセラミック基体と、・・・前記凹部を塞ぎ気密封止するように蓋体が取着され、その内部には前記タンタル電解コンデンサとともに窒素またはアルゴン等の不活性気体が封入され・・・・高温に曝されても前記セラミック容器内部に水分や酸素等が侵入することがなく気密性を保持でき、前記タンタル電解コンデンサ素子が前記セラミック容器の内部気体と反応して腐食等で劣化し、漏れ電流が発生したり、ショートによる不良が発生したりすることなく電気特性を長期間にわたって良好に維持できる・・」によれば、
(a)引用発明における「不活性気体」、「蓋体」、当該蓋体が取着され不活性気体とタンタル電解コンデンサを封入してなる「セラミック容器」が、それぞれ本願補正発明でいう「不活性ガス」、「蓋」、「ハウジング」に相当する。
(b)引用発明の「セラミック容器」における直方体状の凹部は、本願補正発明でいう「内部空洞」を形成するものであることは明らかである。また、引用発明の「セラミック基体」は、凹部の底面と段差の上面とを表面とする本願補正発明でいう「下壁」に相当する部分を有していることも明らかである。
(c)そして、引用発明は、凹部によって形成される内部空洞は不活性気体の気体雰囲気であるところ、このように内部空洞の気体雰囲気を「不活性気体」とするのは、「前記タンタル電解コンデンサ素子が前記セラミック容器の内部気体と反応して腐食等で劣化」するのを防止するためであるから、不活性気体以外の気体は可能な限り含まないようにすべき必要があることは自明なことである。したがって、引用発明においても、本願補正発明でいう「不活性ガスのみ」を含有するものであるということができる。
以上のことから、本願補正発明と引用発明とは、「不活性ガスのみを含有する気体雰囲気を有する内部空洞を形成し、下壁及び対向する側壁を含み、前記電解コンデンサが内部に封入され、蓋に密封されたハウジングと」を含むものである点で一致する。

ウ.引用発明における「セラミック容器であって、上面の中央部に直方体状の凹部が形成され、該凹部の一内側面と底面との間に段差が形成されており、下面に第一の導体層および第二の導体層が互いに独立して設けられたセラミック基体と、前記段差の上面から側面にかけて形成された切り欠きと、当該切り欠きの側面および底面に形成された第一のメタライズ層と、前記凹部の底面に形成された第二のメタライズ層と、・・・前記陽極リード端子の他端部が導電性接合材によって前記第一のメタライズ層に電気的に接続され、前記陰極層が導電性接合材によって前記第二のメタライズ層に電気的に接続されたセラミック容器と」によれば、
(a)引用発明における「第一のメタライズ層」、「第二のメタライズ層」は、それぞれ本願補正発明でいう「第1の導電トレース」、「第2の導電トレース」に相当する。そして、引用発明の「第一のメタライズ層」及び「第二のメタライズ層」は、セラミック基体の凹部内面に形成されており、本願補正発明でいう「内部空洞に面する表面を形成」しているといえる。
(b)また、引用発明における、端子の他端部と第一のメタライズ層とを電気的に接続する「導電性接合材」が、本願補正発明でいう「第1の導電接着剤」に相当する。そして、引用発明にあっても、陽極リード端子の他端部と第一のメタライズ層とは、段差上において「直接」接触した状態で「導電性接合材」によって接合されているといえるものである(引用例の図4も参照)。
したがって、本願補正発明と引用発明とは、「前記ハウジングの前記内部空洞に面する表面を形成し、かつ前記アノードリードと電気的に直接接触する、第1の導電トレースであって、第1の導電接着剤が該第1の導電トレースを前記アノードリードに接続する、前記第1の導電トレースと、前記ハウジングの前記内部空洞に面する表面を形成し、かつ前記カソードと電気的に接触する、第2の導電トレースと」を含むものである点で一致する。

エ.引用発明における「セラミック容器であって、上面の中央部に直方体状の凹部が形成され、該凹部の一内側面と底面との間に段差が形成されており、下面に第一の導体層および第二の導体層が互いに独立して設けられたセラミック基体と、・・・前記セラミック基体の側壁内部を貫通する第一の内部配線および第二の内部配線と、前記セラミック基体の外側面に設けられた第一の溝および第二の溝内にそれぞれ形成された第一の側面導体および第二の側面導体とを具備し、・・」、「・・前記第一のメタライズ層は前記第一の内部配線と前記第一の側面導体とを介して前記第一の導体層に電気的に接続されており、前記第二のメタライズ層は前記第二の内部配線と前記第二の側面導体とを介して前記第二の導体層に電気的に接続されており」によれば、
(a)引用発明における「第一の導体層」、「第二の導体層」は、それぞれ本願補正発明でいう「アノード端子」、「カソード端子」に相当する。また、引用発明の「第一の導体層」及び「第二の導体層」は、セラミック基体の下面に設けられるものであるから、セラミック容器の外部に位置することは明らかである。
(b)そして、引用発明における「第一の導体層」は、第一の内部配線と第一の側面導体とを介して第一のメタライズ層と電気的に接続され、同様に、引用発明における「第二の導体層」は、第二の内部配線と第二の側面導体とを介して第二のメタライズ層と電気的に接続されてなるものである。
したがって、本願補正発明と引用発明とは、「前記第2の導電トレースと電気的に接続し、前記ハウジングの外部に位置するカソード端子と、前記第1の導電トレースと電気的に接続し、前記ハウジングの外部に位置するアノード端子と」を含むものである点で共通する。
ただし、本願補正発明では、「前記第2の導電トレースは前記カソード端子とは別の構成部品」であり、「前記第1の導電トレースは前記アノード端子とは別の構成部品」である旨特定するのに対し、引用発明では、そのような特定を有していない点で相違している。

オ.そして、引用発明における「セラミック容器を用いて構成されたタンタル電解コンデンサ」は、本願補正発明のように電解コンデンサ、ハウジング、第1及び第2の導電トレース、カソード端子及びアノード端子に相当するものを備えているから、本願補正発明でいう「コンデンサアセンブリ」に相当する。

よって、本願補正発明と引用発明とは、
「タンタルを含有する多孔性焼結ペレットを含むアノード及び該アノードから延びるアノードリードと、該多孔性焼結ペレットの上及び中に形成される誘電体層と、該誘電体層の上に重なり、固体電解質を有するカソードとを含む電解コンデンサと、
不活性ガスのみを含有する気体雰囲気を有する内部空洞を形成し、下壁及び対向する側壁を含み、前記電解コンデンサが内部に封入され、蓋に密封されたハウジングと、
前記ハウジングの前記内部空洞に面する表面を形成し、かつ前記アノードリードと電気的に直接接触する、第1の導電トレースであって、第1の導電接着剤が該第1の導電トレースを前記アノードリードに接続する、前記第1の導電トレースと、
前記ハウジングの前記内部空洞に面する表面を形成し、かつ前記カソードと電気的に接触する、第2の導電トレースと、
前記第2の導電トレースと電気的に接続し、前記ハウジングの外部に位置するカソード端子と、
前記第1の導電トレースと電気的に接続し、前記ハウジングの外部に位置するアノード端子と、
を含むことを特徴とするコンデンサアセンブリ。」
である点で一致し、以下の点で相違する。
[相違点1]
多孔性焼結ペレットの上及び中に形成される誘電体層について、本願補正発明では、「陽極酸化により」形成される旨特定するのに対し、引用発明では、そのような明確な特定がない点。

[相違点2]
カソードが有する固体電解質について、本願補正発明では、「導電性ポリマー」と特定するのに対し、引用発明では、そのような明確な特定がない点。

[相違点3]
本願補正発明では、「前記第2の導電トレースは前記カソード端子とは別の構成部品」であり、「前記第1の導電トレースは前記アノード端子とは別の構成部品」である旨特定するのに対し、引用発明では、そのような特定を有していない点。

(3)判断
上記相違点について検討する。
[相違点1]について
タンタル粉末のようなバルブ金属組成物を固めた成形体を焼結させて得られた焼結体に対して、誘電体層の形成を「陽極酸化」により行うことは、例えば原査定の拒絶の理由に引用された特開2004-111460号公報(段落【0018】を参照)、特開2007-300123号公報(特に段落【0012】を参照)、さらに原査定において提示した特開2002-25858号公報(段落【0018】?【0020】を参照)に記載のように技術的常套手段であり、引用発明においても、かかる常套手段に従い、誘電体の酸化皮膜層(誘電体層)を陽極酸化により形成するようにすることは当業者であればごく普通になし得ることである。

[相違点2]について
固体電解コンデンサにおける固体電解質として「誘電体ポリマー(導電性高分子)」を用いることは、例えば上記特開2004-111460号公報(【請求項4】、段落【0018】を参照)や上記特開2007-300123号公報(段落【0014】を参照)、さらには特開平5-159987号公報(段落【0002】?【0003】を参照)、特開平11-87192号公報(特に、段落【0004】、【0026】を参照)、特開2004-55699号公報(【請求項15】、段落【0018】を参照)に記載のように周知の技術事項であり、引用発明においても、固体電解質を誘電体ポリマーとすることは当業者が適宜なし得ることである。

[相違点3]について
引用例の段落【0029】の記載を参照するに、引用発明における「第一のメタライズ層」と「第一の導体層」とは、第一の内部配線と第一の側面導体とともに連続した単一の導体層(部品)を構成し、同様に「第二のメタライズ層」と「第二の導体層」とは第二の内部配線と第二の側面導体とともに連続した単一の導体層(部品)を構成しており、この点において「別の構成部品」であるとする本願補正発明とは相違するともいえる。しかしながら、例えば原査定の拒絶の理由に引用された特開2006-278875号公報(特に段落【0021】、【0025】、図1を参照)や原査定において提示した上記特開2002-25858号公報(段落【0004】、図6を参照)に見られるように、一方の導電トレース(内部電極)とアノード端子(外部電極)とを段差部に形成したビアホール(スルーホール)内の導電部材を介して接続する構成、及び他方の導電トレース(内部電極)とカソード端子(外部電極)とを段差のない部分に形成したビアホール(スルーホール)内の導電部材を介して接続する構成、すなわち本願補正発明でいう第1の導電トレースとアノード端子とを「別の構成部品」とする構成、及び第2の導電トレースとカソード端子とを「別の構成部品」とする構成は周知といえる技術事項である。
ここで、本願補正発明では「不活性ガスのみを含有する気体雰囲気を有する内部空洞を形成し、下壁及び対向する側壁を含み、前記電解コンデンサが内部に封入され、蓋に密封されたハウジングと、前記ハウジングの前記内部空洞に面する表面を形成し、かつ前記アノードリードと電気的に直接接触する、第1の導電トレース・・」と特定されているのみであり、引用発明のようにハウジング内に段差を有する構成を排除するものではない。
したがって、引用発明において、セラミック基体の段差を維持しつつ上記周知の技術事項を採用することにより、相違点3に係る構成とすることも当業者であれば容易になし得ることである。

そして、引用発明は「高温に曝されても前記セラミック容器内部に水分や酸素等が侵入することがなく気密性を保持でき、前記タンタル電解コンデンサ素子が前記セラミック容器の内部気体と反応して腐食等で劣化し、漏れ電流が発生したり、ショートによる不良が発生したりすることなく電気特性を長期間にわたって良好に維持できる」ものであることに加えて、例えば上記特開2004-111460号公報(段落【0009】?【0010】を参照)、さらには上記特開平5-159987号公報(段落【0005】を参照)、上記特開平11-87192号公報(段落【0005】、【0031】を参照)、上記特開2004-55699号公報(段落【0012】を参照)に記載のように、固体電解質層を形成する導電性ポリマー(導電性高分子)は、水分や酸素が存在すると劣化し易いという問題があるから、極力、固体電解質層に導電性ポリマー(導電性高分子)を用いた固体電解コンデンサは水分や酸素に触れないようにする必要があることが技術常識であることを考慮すると、上記各相違点を総合的に判断しても本願補正発明が奏する効果は、引用発明及び周知の技術事項から当業者が予測できたものであって、格別顕著なものがあるとはいえない。

(4)むすび
したがって、本願補正発明は、引用発明及び周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

3.本件補正についてのむすび
以上のとおり、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するものであるから、同法第159条第1項で読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について

平成30年11月16日付けの手続補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、同年4月16日付け手続補正書の特許請求の範囲の請求項1に記載された、次のとおりのものである。
「【請求項1】
タンタル又は酸化ニオビウムを含有する多孔性焼結ペレットを含むアノード及び該アノードから延びるアノードリードと、該多孔性焼結ペレットの上及び中に陽極酸化により形成される誘電体層と、該誘電体層の上に重なり、導電性ポリマーを有するカソードとを含む電解コンデンサと、
不活性ガスを含有する気体雰囲気を有する内部空洞を形成し、下壁及び対向する側壁を含み、前記電解コンデンサが内部に封入され、蓋に密封されたハウジングと、
前記ハウジングの前記内部空洞に面する表面を形成し、かつ前記アノードリードと電気的に直接接触する、第1の導電トレースであって、第1の導電接着剤が該第1の導電トレースを前記アノードリードに接続する、前記第1の導電トレースと、
前記ハウジングの前記内部空洞に面する表面を形成し、かつ前記カソードと電気的に接触する、第2の導電トレースと、
前記第2の導電トレースと電気的に接続し、前記ハウジングの外部に位置するカソード端子であって、前記第2の導電トレースは前記カソード端子とは別の構成部品である、前記カソード端子と、
前記第1の導電トレースと電気的に接続し、前記ハウジングの外部に位置するアノード端子であって、前記第1の導電トレースは前記アノード端子とは別の構成部品である、前記アノード端子と、
を含むことを特徴とするコンデンサアセンブリ。」

1.引用例
原査定の拒絶の理由で引用された引用例及びその記載事項は、前記「第2 2-2.(1)」に記載したとおりである。

2.対比・判断
本願発明は、前記「第2 2-2.」で検討した本願補正発明の発明特定事項である、蓋に密封された「ハウジング」における内部空洞が有する気体雰囲気について、「不活性ガスを含有する」とあったものを「不活性ガスのみを含有する」とし、不活性ガス以外のものは含有しないとする旨の限定を省いたものに相当する。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、更に限定事項を付加したものに相当する本願補正発明が前記「第2 2-2.(3)」に記載したとおり、引用発明及び周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、同様の理由により、引用発明及び周知の技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものである。

3.むすび
以上のとおり、本願の請求項1に係る発明は、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないものであるから、その余の請求項について論及するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。

第4 その他(補正案について)

なお、請求人は令和1年10月28日提出の上申書において、補正案を提示しているので一応検討しておく。
補正案によれば、請求項1に係る発明(以下、「本願発明’」という。)において、「・・前記下壁が単一の平面として存在し・・」との限定を付加し、本願発明’がハウジング内に段差部を有さない構成であることを明らかにしようとするものである。
しかしながら、引用例(特開2005-39168号公報)に記載された発明における、課題を解決するために真に必要不可欠な手段は、外装樹脂とリードフレームとを有する構造の従来技術のものとは異なり、気密性に優れた、内部配線を有するセラミック容器を用い、当該セラミック容器内にタンタル電解コンデンサを封入するようにしたことであるといえる。したがって、引用例に記載された発明において、セラミック基体に形成された段差を無くすことに必ずしも阻害要因があるというわけではなく、例えば上記特開2002-25858号公報(特に段落【0023】、図4を参照)に見られるように、アノードリードをフォーミングすることによって段差を設けずにアノードリードと導電トレースとを直接接触させる構成とすることも当業者であれば容易になし得ることであり、本願発明’は進歩性を有しない。
 
別掲
 
審理終結日 2019-12-09 
結審通知日 2019-12-16 
審決日 2020-01-06 
出願番号 特願2016-27242(P2016-27242)
審決分類 P 1 8・ 537- Z (H01G)
P 1 8・ 121- Z (H01G)
P 1 8・ 575- Z (H01G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 多賀 和宏多田 幸司  
特許庁審判長 酒井 朋広
特許庁審判官 石坂 博明
井上 信一
発明の名称 密封されたコンデンサアセンブリ  
代理人 那須 威夫  
代理人 上杉 浩  
代理人 近藤 直樹  
代理人 弟子丸 健  
代理人 田中 伸一郎  
代理人 西島 孝喜  
代理人 須田 洋之  
代理人 大塚 文昭  
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