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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  B22F
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  B22F
管理番号 1363161
異議申立番号 異議2019-700574  
総通号数 247 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2020-07-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-07-23 
確定日 2020-05-12 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6456992号発明「貴金属粉末及び部品の製造のためのその使用」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6456992号の特許請求の範囲を訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1-13〕について訂正することを認める。 特許第6456992号の請求項1?4、6?13に係る特許を維持する。 特許第6456992号の請求項5に係る特許についての特許異議の申立てを却下する。  
理由 第1 手続の経緯
特許第6456992号(以下「本件特許」という。)の請求項1?13に係る特許についての出願は、平成29年3月3日(パリ条約による優先権主張 2016年(平成28年)3月7日 (EP)欧州特許庁)の出願であって、平成30年12月28日に特許の設定登録がされ、平成31年1月23日に特許掲載公報が発行されたものである。
その後、令和1年7月23日付けで、請求項1?13(全請求項)に係る特許に対し、特許異議申立人である遠藤弘忠(以下「申立人」という。)により特許異議の申立てがされ、同年10月18日付けで取消理由の通知とともに審尋がされ、令和2年1月20日に特許権者から意見書及び回答書の提出及び訂正の請求(以下「本件訂正請求」という。)があり、本件訂正請求に対して、同年3月19日に申立人から意見書が提出されたものである。


第2 訂正の適否
1 訂正の内容
本件訂正請求に係る訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、以下のとおりである。なお、下線は訂正された箇所を表す。

(1)訂正事項1
本件訂正前の特許請求の範囲の請求項1に「粒子サイズ分布がd_(10)値≧10.0μm及びd_(90)値≦80.0μmである球状貴金属粒子からなる粉末であって、
前記貴金属が白金族金属であり、
前記貴金属粒子の数基準で、前記貴金属粒子の少なくとも80%が下記の条件を満たす、粉末:
0.8≦d_(min)/d_(max)≦1.0;
式中、d_(min)及びd_(max)は、前記貴金属粒子のそれぞれ最小径及び最大径である。」とあるのを、「粒子サイズ分布がd_(10)値≧10.0μm及びd_(90)値≦80.0μmである球状貴金属粒子からなる粉末であって、
前記d_(10)値が、10.0μmから35.0μmの範囲であり、及び/又は前記d_(90)値が、40.0μmから80.0μmの範囲であり、
前記貴金属が白金族金属であり、
前記貴金属粒子の数基準で、前記貴金属粒子の少なくとも80%が下記の条件を満たす、粉末:
0.8≦d_(min)/d_(max)≦1.0;
式中、d_(min)及びd_(max)は、前記貴金属粒子のそれぞれ最小径及び最大径である。」に訂正する。
請求項1の記載を直接的又は間接的に引用する請求項2?4及び6?13も同様に訂正する。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項5を削除する。

(3)訂正事項3
本件訂正前の特許請求の範囲の請求項6に「請求項1から請求項5」とあるのを、「請求項1から請求項4」に訂正する。

(4)訂正事項4
本件訂正前の特許請求の範囲の請求項7に「請求項1から請求項6」とあるのを、「請求項1から請求項4及び請求項6」に訂正する。

(5)訂正事項5
本件訂正前の特許請求の範囲の請求項8に「請求項1から請求項7」とあるのを、「請求項1から請求項4、請求項6及び請求項7」に訂正する。

(6)訂正事項6
本件訂正前の特許請求の範囲の請求項9に「請求項1から請求項8」とあるのを、「請求項1から請求項4及び請求項6から請求項8」に訂正する。
請求項9の記載を引用する請求項10も同様に訂正する。

(7)訂正事項7
本件訂正前の特許請求の範囲の請求項11に「請求項1から請求項10」とあるのを、「請求項1から請求項4及び請求項6から請求項10」に訂正する。

(8)訂正事項8
本件訂正前の特許請求の範囲の請求項12に「請求項1から請求項10」とあるのを、「請求項1から請求項4及び請求項6から請求項10」に訂正する。
請求項12の記載を引用する請求項13も同様に訂正する。

2 訂正の適否に関する当審の判断
(1)訂正の目的の適否、特許請求の範囲の拡張・変更の存否、新規事項の有無
ア 訂正事項1について
(ア)訂正の目的の適否、特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項1による訂正は、本件訂正前の請求項1の発明特定事項である「粒子サイズ分布がd_(10)値≧10.0μm及びd_(90)値≦80.0μmである球状貴金属粒子からなる粉末」について、「前記d_(10)値が、10.0μmから35.0μmの範囲であり、及び/又は前記d_(90)値が、40.0μmから80.0μmの範囲であり」として、粒子サイズ分布をさらに限定するものであることから、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正であり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、または変更するものには該当しない。

(イ)新規事項の有無
粒子サイズ分布について、「d_(10)値が、10.0μmから35.0μmの範囲」及び「d_(90)値が、40.0μmから80.0μmの範囲」とすることは、本件訂正前の請求項5及び本件の願書に添付した明細書(以下「本件明細書」という。)の【0022】に記載されているから、訂正事項1は、本件明細書に記載した事項の範囲内の訂正である。

イ 訂正事項2について
訂正事項2による訂正は、請求項5を削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し、また、当該訂正が、新規事項を追加するものではないことは明らかであるし、特許請求の範囲を拡張又は変更するものに該当しないことも明らかである。

ウ 訂正事項3?8について
訂正事項3?8による訂正は、訂正事項2によって請求項5を削除することに伴い、本件訂正前の請求項7?13において請求項5を引用しないようにするものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当し、また、当該訂正が、新規事項を追加するものではないことは明らかであるし、特許請求の範囲を拡張又は変更するものに該当しないことも明らかである。

(2)独立特許要件について
本件は、訂正前のすべての請求項1?13に対して特許異議の申立てがなされているので、訂正事項1?8について、特許法第120条の5第9項で読み替えて準用する特許法第126条第7項は適用されない。

(3)一群の請求項について
本件訂正前の請求項2?13は、請求項1を直接的又は間接的に引用するものであり、上記訂正事項1によって訂正される請求項1に連動して訂正されるものであるから、訂正前の請求項1?13は,一群の請求項である。
したがって,本件訂正請求は,その一群の請求項ごとにされたものである。

3 訂正の適否についての結論
以上のとおり、上記訂正事項1?8は、特許法第120条の5第2項ただし書第1号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第4項、同条第9項で準用する同法第126条第5項及び第6項の規定に適合する。
したがって、特許請求の範囲を、訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項〔1?13〕について訂正することを認める。


第3 本件発明
本件訂正は、上記第2で検討したとおり適法なものであるから、本件特許の特許請求の範囲の請求項1?13に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」?「本件発明13」といい、これらをまとめて「本件発明」ということがある。)は、本件訂正請求書に添付された訂正特許請求の範囲の請求項1?13に記載された事項により特定される次のとおりのものである。

「【請求項1】
粒子サイズ分布がd_(10)値≧10.0μm及びd_(90)値≦80.0μmである球状貴金属粒子からなる粉末であって、
前記d_(10)値が、10.0μmから35.0μmの範囲であり、及び/又は前記d_(90)値が、40.0μmから80.0μmの範囲であり、
前記貴金属が白金族金属であり、
前記貴金属粒子の数基準で、前記貴金属粒子の少なくとも80%が下記の条件を満たす、粉末:
0.8≦d_(min)/d_(max)≦1.0;
式中、d_(min)及びd_(max)は、前記貴金属粒子のそれぞれ最小径及び最大径である。
【請求項2】
前記白金族金属が、白金、イリジウム、パラジウム、ルテニウム、ロジウム若しくはオスミウム、又はこれらの白金族金属の少なくとも2種からなる合金である、請求項1に記載の粉末。
【請求項3】
前記貴金属粒子が、非貴金属元素を0.1重量%以下の割合で含有する、請求項1又は請求項2に記載の粉末。
【請求項4】
前記d_(90)値と前記d_(10)値の差異が、少なくとも15μmである、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の粉末。
【請求項5】
削除
【請求項6】
前記貴金属がイリジウムであり、前記d_(10)値が20.0μmから30.0μmの範囲であり、前記d_(90)値が40.0μmから80.0μmであり、前記d_(90)値と前記d_(10)値との差異が、少なくとも20μmである、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の粉末。
【請求項7】
前記粉末が下記の条件を満たす、請求項1から請求項4及び請求項6のいずれか1項に記載の粉末:
F/ρ_(TH)≦0.30s/(50cm^(3))
式中、
Fは、DINEN ISO4490:2014-11に準じて求められる粉末の流動性(s/(50g))であり、
ρ_(TH)は、貴金属粒子を形成する貴金属の理論密度(g/cm^(3))である。
【請求項8】
前記貴金属粒子は、平均結晶子サイズが≧200nmである、請求項1から請求項4、請求項6及び請求項7のいずれか1項に記載の粉末。
【請求項9】
液体貴金属の噴霧と、前記噴霧の後に任意で行われる分級とにより得ることのできる、請求項1から請求項4及び請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の粉末。
【請求項10】
前記噴霧が、ガス噴霧、プラズマ噴霧、遠心噴霧又はるつぼを用いない噴霧である、請求項9に記載の粉末。
【請求項11】
積層造形法における、請求項1から請求項4及び請求項6から請求項10のいずれか1項に記載の粉末の使用。
【請求項12】
下記の工程を有する、部品の製造のための積層造形法:
(a) 造形空間の基板に、請求項1から請求項4及び請求項6から請求項10のいずれか1項に記載の粉末を、第1の層として塗布する工程と;
(b) 高エネルギー照射により前記第1の層の粉末を少なくとも部分的に溶融し、溶融した粉末を固化させる工程と;
(c) 前記第1の層に前記粉末のさらなる層を塗布する工程と;
(d) 高エネルギー照射により前記さらなる層の粉末を少なくとも部分的に溶融し、溶融した粉末を固化させる工程と;
(e) 工程(c)及び工程(d)を繰り返す工程。
【請求項13】
前記高エネルギー照射が、レーザー光線又は電子線である、請求項12に記載の積層造形法。」


第4 異議申立理由及び取消理由の概要
1 異議申立理由の概要
申立人は、異議申立理由として以下(3)の甲第1?11号証の証拠方法に基づき、以下(1)及び(2)を概要とする理由を主張し、本件特許は取り消されるべき旨を申立てた。
また、申立人は、令和2年3月19日付け意見書とともに、甲第1号証に記載された参考文献である以下(3)の甲第12号証及び甲第13号証を提出した。

(1)異議申立理由1(新規性進歩性)
本件発明1、4?5及び8?11は、甲第1号証に記載された発明であるか、あるいは本件発明1?13は、甲第1号証に記載された発明と甲第2?11号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、あるいは特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。

(2)異議申立理由2(新規性進歩性)
本件発明1、4?5及び11?13は、甲第3号証に記載された発明であるか、あるいは本件発明1?13は、甲第3号証に記載された発明と甲第1、2、4、5及び7?11号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、あるいは特許法第29条第2項の規定により、特許を受けることができない。

(3)証拠方法
・甲第1号証:Jason Dawes, Robert Bowerman and Ross Trepleton,「Introduction to the Additive Manufacturing Powder Metallurgy Supply Chain」, Johnson Matthey Technology Rev., 2015, 59, (3), p.243-256
・甲第2号証:Bochuan Liu, Ricky Wildman, Christopher Tuck, Ian Ashcroft and Richard Hague, 「Investigation the effect of particle size distribution on processing parameters optimisation in selective laser melting process」, Solid Freeform Fabrication Proceedings August 2011 of the SFF Symposium held in Austin, Texas on August 8-10, 2011, p.227-238
・甲第3号証:特開2015-218368号公報
・甲第4号証:特開平7-174878号公報
・甲第5号証:A. B. Spierings, M. Voegtlin, T.Bauer and K. Wegener, 「Powder flowability characterisation methodology forpowder-bed-based metal additive manufacturing」, Springer International Publishing AG 2015, Published online: 23 July 2015
・甲第6号証:清水透、中野禅、萩原正、佐藤直子、「金属三次元積層造形法の最新動向」、精密工学会誌Vol.80、No.12、2014
・甲第7号証:米国特許第7740683号明細書
・甲第8号証:特開2014-173107号公報
・甲第9号証:特許第5703414号公報
・甲第10号証:東京商品取引所、取引要綱 【パラジウム】(https://www.tocom.or.jp/jp/guide/youkou/palladium.html)、取引要綱【白金(標準取引・ミニ取引)】(https://www.tocom.or.jp/jp/guide/youkou/platinum.html)
・甲第11号証:造幣局、貴金属製品の品位区分と証明記号、https://www.mint.go.jp/operations/exam/operations_certification-02.html
・甲第12号証:A.Simchi,「The Role of Particle Size on the Laser Sintering of Iron Powder」、Metallurgical and Materials Transactions B、Volume 35B、October 2004、p937-948
・甲第13号証:A.B.Spierings、G.Levy、「Comparison of density of stainless steel 316L parts produced with selective laser melting using different powder grades」、SFF Symposium 2009、31.08.2009
(以下、甲第1号証?甲第13号証を、それぞれ「甲1」?「甲13」という。)

2 取消理由の概要
当審は、上記1の異議申立理由を検討した結果、「(1)異議申立理由1(新規性進歩性)」の一部を採用し、本件発明1?4、7及び9?13は、甲第1号証に記載された発明と甲第3及び7号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないとして、令和1年10月18日付けで取消理由を通知した。


第5 甲1?11の記載事項
1 甲1
上記甲1には、以下の記載がある。なお、下線は当審が付与したものであって、以下同様である。

(1a)「The supply chain for metal powdersused in additive manufacturing (AM) is currently experiencing exponential growth and with this growth come new powder suppliers, new powder manufacturingmethods and increased competition.」(243頁左欄1?5行)
(当審訳:積層造形(アディティブ・マニュファクチャリング(AM))で使用される金属粉末のサプライチェーンは、現在指数関数的な成長を遂げており、この成長に伴い、新しい粉末サプライヤ、新しい粉末製造方法、競争の激化が生じている。)

(1b)「A component fabricated using powder bed may consist of many thousands of finely spread powder layers. The uniformity of these layers can affect the properties of the final component.The way in which a powder ‘spreads’ during AM depends on the properties of the powder used. As will be discussed in this paper, even when chemically equivalent, the properties of metal powders vary widely depending on both the atomisation method used and the manufacturing process conditions. 」(243頁右欄2?10行)
(当審訳:粉末床を使用して製造された部品は、何千もの細かく広がった粉末層からなることがある。これらの層の均一性は最終部品の特性に影響を及ぼす。AM中にパウダーが「広がる」方法は、使用するパウダーの特性によって異なる。この論文で論じられるように、たとえ化学的に同等であったとしても、金属粉末の特性は使用される噴霧方法と製造プロセス条件の両方に依存して大きく変化する。)

(1c)「The thermal effects that result from the process, such as chamber temperature and the radiation energy in selective laser melting (SLM) of metal powders, may cause physical as well as chemical changes to the recycled powder.」(245頁右欄8?12行)
(当審訳:チャンバーの温度や金属粉末の選択的レーザー溶融(SLM)の放射エネルギーなど、プロセスから生じる熱効果は、リサイクルされた粉末に物理的および化学的変化を引き起こす可能性がある。)

(1d)「The production of AM metal powder generally consists of three major stages as outlined in the flow diagram shown in Figure 3. Briefly, the first stage involves the mining and extracting of ore to form a pure or alloyed metal product (ingot, billet and wire) appropriate for powder production; the second stage is powder production and the final stageis classification and validation. 」(245頁右欄23?30行)
(当審訳:AM金属粉末の生産は、一般に図3に示すフロー図に概要を示す3つの主要な段階で構成されており、粉末生産に適している。2番目の段階は粉末製造で、最後の段階は分級と検証である。)

(1e)「None of the powder production routes actually produce a 100% powder yield in the required size fractions. Some post processing is therefore necessary. As a minimum, the as-produced metal powder must be classified into a well-defined particle size distribution suitable for the required process: typically 15-45 μm for SLM and 45-106 μm for electron beam melting (EBM).」(246頁左欄1?7行)
(当審訳:実際には、必要なサイズ分率で100%の粉末収率が得られる粉末生産ルートはない。したがって、何らかの後処理が必要となる。最低限、製造されたままの金属粉末は、要求されるプロセスに適した明確に定義された粒度分布に分級されなければならない:典型的にはSLMでは15?45μm、電子ビーム溶融(EBM)では45?106μm。)


(1f)「


(247頁)
(当審訳:図4 AM粉末製造のためのガス噴霧プロセス概略図)

(1g)「Particle morphology will have a significant impact on the bulk packing and flow properties of a powder batch. Spherical or regular, equiaxed particles are likely to arrange and pack more efficiently than irregular particles (9). Research into the effect of particle morphology on the AM process has shown that morphology can have a significant influence on the powder bed packing density and consequently on the final component density (10-12), where the more irregular the particle morphology the lower the final density. As a consequence of this highly spherical particles tend to be favoured in the AM process.」(248頁右欄28?38行)
(当審訳:粒子形態は、粉末バッチのバルク充填および流動特性に大きな影響を与える。球形または規則的な等軸粒子は、不規則粒子よりも効率的に配置および充填される可能性がある。AMプロセスに対する粒子形態の影響の研究は、形態が粉末床充填密度、ひいては最終成分密度に大きな影響を及ぼし、粒子形態が不規則であるほど最終密度が低くなることを示している。この結果として、高度に球状な粒子は、AMプロセスにおいて有利となる。)

(1h)「


(249頁)
(当審訳:表1 製造プロセスによる粉末特性概要
製造プロセス ・・・
・・・
ガス噴霧 ・・・
プラズマ噴霧 ・・・
プラズマ回転電極法・・・
遠心噴霧 ・・・)

(1i)「Characterisation of PSD in a batch of powder ensures that the optimum range of particles, by size, are used in each process. In general, EBM uses a nominal PSD between 45-106 μm, whilst SLM uses a finer PSD between 15-45 μm. PSD will have an obvious impact on both the minimum layer thickness and the resolution of the finest detail in the component. An inappropriate combination of PSD and layer thickness can potentially lead to in situ segregation due to the mechanical re-coater pushing coarser particles away from the bed (13), segregation in this sense could lead to variation in build quality in the vertical direction. It is generally wellreported that using powders with a wide PSD and a high fine content produce components with a higher fractional density (13, 14).」(249頁左欄2行?右欄2行)
(当審訳:粉末のバッチにおける粒度分布の特徴付けは、サイズによる最適範囲の粒子が各プロセスにおいて使用されることを確実にする。一般に、EBMは45?106μmの公称粒度分布を使用し、SLMは15?45μmのより細かい粒度分布を使用する。粒度分布は、最小層厚とコンポーネントの最も細かいディテールの解像度の両方に明らかな影響を与える。粒度分布と層厚の不適切な組み合わせは、より粗い粒子を床から押し出す機械的再塗布機のためにその場での分離を潜在的にもたらす可能性があり、この意味での分離は垂直方向における造形品質の変動をもたらし得る。広い粒度分布および高い微細含有量を有する粉末を使用することはより高い分数密度を有する成分を製造することが一般的によく報告されている。)

(1j)「


(252頁)
(当審訳:表III AM用粉末のサプライヤーリスト
社名・・・材料・・・
・・・・貴金属・・・)


2 甲2
上記甲2には、以下の記載がある。

(2a)「Apparent density, powder bed densityand tapped density of the powders are shown in Table.3. A wider range of particle sizes usually allows a higher density to be achieved as the smaller particles can fit in the gaps between the larger particles and this is reflected in the generally higher bed density observed for the SO powder. Thisis likely to be beneficial for the final part. However, the higher density will result in great friction and more possibilities for particles to “lock” together during flow, and thus reduced flowability is seen for the SO powder, shown in Table 4.」(231頁11行?232頁4行)
(当審訳:粉末の見掛け密度、粉末層密度およびタップ密度を表3に示す。より小さな粒子がより大きな粒子の間の間隙に適合することができるので、より広い範囲の粒径が通常より高い密度を達成することを可能にし、これはSO粉末について観察される一般により高い床密度に反映される。これは最後の部分にとって有益である可能性がある。しかしながら、より高い密度は大きな摩擦をもたらし、粒子が流動中に一緒に「固定」する可能性がより高くなり、したがって、表4に示されるように、SO粉末について流動性の低下が見られる。)

(2b)「

」(表3)
(当審訳:ブランド 見掛け密度 タップ密度
・・・
表3 測定された見掛け密度、粉末層密度およびタップ密度)

(3)甲3の記載事項
上記甲3には、以下の記載がある。

(3a)「【請求項1】
三次元造形用材料であって、高融点金属成分と低融点金属成分とを含む、三次元造形用材料。
・・・
【請求項5】
金属でできた造形物を造形する三次元造形方法であって、
請求項1乃至4に記載された三次元造形用材料を用いて造形する工程を含み、
前記工程は、熱処理により、前記高融点金属成分及び前記低融点金属成分に金属拡散を生じさせるプロセスを含む、
三次元造形方法。」

(3b)「【0001】
本発明は、金属でできた造形物を造形するための三次元造形用材料及び三次元造形方法に関する。
【背景技術】
【0002】
この種の三次元造形方法としては、粉末焼結積層造形法が知られている。粉末焼結積層造形法には、直接焼結造形法と間接焼結造形法があり、そのうち、直接焼結造形法は、粒子径が20μm?40μm程度の金属粒子からなる層の表面に、樹脂バインダを混合させずに、高エネルギーのレーザを選択的に照射して、直接、その金属を溶融させ、それを50μm?100μmのピッチで積層して繰り返すことにより、造形物を得る方法である。」

(3c)「【0019】
図1を参照すると、本発明に係る三次元造形用材料は、高融点金属成分101と低融点金属成分102とを含む。高融点金属成分101は、Ag、Cu、Au、Pt、Ti、Zn、Al、Fe、Si、または、Niの群から選択された少なくても1種を含むことができ、低融点金属成分102は、Sn、In、BiまたはGaの群から選択された少なくても1種を含むことができる。例えば、高融点金属成分101として、Cu及びAgを選択し、低融点金属成分102としてSnを選択することができる。
【0020】
図1に示す実施の形態において、高融点金属成分101及び低融点金属成分102は、多結晶の金属粒子である。この場合、多結晶を構成する単結晶の粒界又は内部に、金属酸化物、金属窒化物、金属珪化物、金属炭化物もしくは金属硫化物がnmサイズの薄膜状又は粒子状で存在する構造(ナノコンポジット構造)を有することが好ましい。高融点金属成分101及び低融点金属成分102は、造形精度の観点から、粒径が300μm以下、好ましくは、100μm以下、更に好ましくは1μm以下である。粒子形状は、球状であってもよいし、扁平状等であってもよい。高融点金属成分101及び低融点金属成分102とともに、酸化防止剤及び/又はフラックスを含んでいてもよい。これらは、粒子状等の固相であってもよいし、液相であってもよい。」

(3d)「【0029】
上述の構成をなす立体成形装置は、CADシステムから受けた造形物の三次元設計情報をCAMシステム702によって、層別加工データに変換し、制御装置701によって、ヘッド9の第1ノズル901及び第2ノズル902の吐出を制御しつつ、XYZテーブル5をヘッド9に対して各軸方向に相対移動および回転させる。そして、第2ノズル902から供給された補助材3によって、XYZテーブル5の基準面501上に造形パターンとなる補助材パターン301を画定する。この補助材パターン301の内部に、第1ノズル901から三次元造形用材料1たる金属粉末を供給し、供給された金属粉末にレーザヘッド11からレーザを照射して溶融させ、その後、冷却して凝固させる。このプロセスを繰り返して、前記造形パターンに従った金属の三次元造形を行う。

(3e)「【図1】



(3f)「【図4】



4 甲4
上記甲4には、以下の記載がある。

(4a)「【請求項4】遷移金属、アルミニウム、スズ及びステンレス鋼から選ばれた少なくとも一種の金属の、粒径10nm?100μmの金属粉を常温又は高温において加圧して成形し、又は成形後加熱することにより空隙率0.5?80容量%の少なくとも一種の多孔質体金属から成る常温核融合連鎖反応電極用陰極を製造する方法。
【請求項5】金属粉がほぼ球状の粒径10?30μmの微小球体である請求項4に記載の方法。」

(4b)「【0017】本発明において陰極として使用される多孔質金属を構成する金属元素は遷移金属、アルミニウム、スズ又はステンレス鋼である。そのような遷移金属としては、Ti、V、Cr、Mn、Fe、Co、Ni、Cu、Zu、Zr、Nb、Mo、Tc、Ru、Rh、Pd、Ag、Cd、Hi、Ta、W、Re、Os、Ir、Pt、Au、Hgが挙げられる。特に好ましい構成金属はニッケル、コバルト、白金及びステンレス鋼である。」

5 甲5
上記甲5には、以下の記載がある。

(5a)「Most of the powders used in SLM today are gas or water atomised and therefore more or less spherical in shape.」(13頁左欄38?39頁)
(当審訳:今日、SLMにおいて使用される粉末のほとんどが、ガス噴霧又は水噴霧されており、それゆえに、おおよそ球状形状を有している。)

(5b)「Besides the particle size, also the ellipticity E of the particles has been analysed, as this can give additional information about powder flowability.」(13頁右欄15?18行)
(当審訳:粒子サイズの他に、粒子の楕円率Eも粉末の流動性についての追加の情報を与えることができるので分析した。)

(5c)「

」(14頁表1)
(当審訳:表1 鉄(左)及びニッケル基(右)粉末とD10、D50、D90値(体積基準)
粉末 no. ・・・ 楕円率)

(5d)「e.g. powder layer density, and will thereby influence the processing window and the final part properties.」(19頁左欄11?13行)
(当審訳:例えば粉末層の密度は、それによってプロセスウインドウおよび最終部品の特性に影響を与える。)

「Additionally, the particle shape(ellipticity) is also an important parameter affecting flowability. This is reasonable as for more elliptical particles the packing density will be reduced to some degree compared to the situation of spherical particles. 」(19頁左欄18?22行)
(当審訳:さらに、粒子形状(楕円率)も流動性に影響を与える重要なパラメータである。これは、より楕円形の粒子の場合、球形粒子の状況と比較して充填密度がある程度低下するので合理的である。)

6 甲6
上記甲6には、以下の記載がある。

「小型プラットフォームでの密度向上実験について報告する。初期の実験では粒径150μm以下の6-4チタン合金粉末を使用した。粒径が大きいため当初の積層厚さは0.2mmとし、密度評価用試験片として10mm×8mm×1mm程度の直方体を造形した。層状の構造かつ各表面層は十分に溶融しているものの、内部の粒子が残っている状態がはっきり見られた。密度は2.4?3.1g/cm^(3)程度で、6-4チタンの密度を4.37g/cm3とすると55?71%程度の相対密度である(図3(a))。次に75μm以下の材料を使用して造形実験を行った。粒径が小さくなったことにより、積層厚さを0.12mmまで薄くすることができた。75μm以下の材料による造形物は、密度が2.9?3.6g/cm^(3)で相対密度が66?82%へと向上した。さらに45μm以下の材料を使用することにより、積層厚さを0.1mmまで薄くでき、密度が3.5?4.0g/cm3で相対密度が80?91%まで向上する。その後、走査線間隔、走査速度等の造形条件の適切化を図ることにより、積層厚さを0.06mmまで薄くすることができ、密度が4.4g/cm^(3)、相対密度が99.2%の造形物を得ることができる(図3(b))。」(1068頁右欄13行?1069頁左欄11行)

7 甲7
上記甲7には、以下の記載がある。

(7a)「In order to be able to be used in the SLS method, the powder material in question must fulfill certain specific requirements. Thus, in the first place, the powder must contain a basal material which constitutes the main part of the powder material employedand which is based on alloys of gold, silver or platinum.」(4欄61?66行)
(当審訳:SLS方法で使用できるようにするためには、粉末材料は、ある特定の要件を満たさなければならない。したがって、第1に、粉末は、使用される粉末材料の主要部分を構成し、金、銀、または白金の合金をベースとする基礎材料を含まなければならない。)

(7b)「In the present case, and quite generally, the term precious metal which has been used thus far primarily means gold, silver and platinum but also all types of alloy which contain these metals and, in addition, the metals iridium, rhodium, ruthenium, palladium,osmium and rhenium and alloys containing these metals. 」(5欄28?33行)
(当審訳:この場合、これまで使用されてきた貴金属という用語は、主として金、銀、および白金を意味するが、これらの金属を含有するすべての種類の合金、さらに、イリジウム、ロジウム、ルテニウム、パラジウム、オスミウム、およびレニウム、ならびにこれらの金属を含有する合金も意味する。)

8 甲8
上記甲8には、以下の記載がある。

(8a)「【0017】
以上のように、本発明は、スパッタリング用白金族元素含有ターゲットの製造工程で発生する端材、切削屑、平研屑等のスクラップからの白金族元素の回収方法であって、特に、白金族元素と非白金族元素との合金スクラップからの白金族元素を回収する方法であり、白金族元素としては、パラジウム、白金、ルテニウム、ロジウム、イリジウム又はこれらの二種以上を組み合わせた合金が挙げられ、また、非白金族元素として、クロム、マンガン、鉄、コバルト、ニッケル、銅、ホウ素又はこれらの二種以上を組み合わせた合金が挙げられる。」

(8b)「【0019】
(実施例1)
Ni-Pt-Ir合金を純水に浸漬した後、液温80℃に維持しながらpH0?2になるように硝酸を連続的又は断続的に添加した。これにより、白金族元素(Pt、Ir)が沈殿し、非白金族元素(Ni)が浸出した。pH変動がなくなった後、硝酸の添加を停止し、濾過を行って白金族元素と非白金族元素を分離した。このとき、濾液に含まれる白金族元素(Pt、Ir)の濃度は、1mg/L未満であった。
次に、白金族元素を主成分とする濾過残渣に、塩酸と過酸化水素の混合溶液を添加し、液温80℃となるように加熱して、濾過残渣を全て溶解し、白金族元素イオンの塩化物錯体を形成した。このとき、溶液に含まれる白金族元素(Pt、Ir)の濃度は50g/Lであり、また、非白金族元素(Ni)の濃度は10g/Lであった。
その後、この白金族元素イオンの塩化物錯体の溶液に、塩化アンモニウムを添加し、数時間経過後、白金族元素のアンモニウム結晶を析出した。これを濾過して、液中に生成した晶析物を濾別した。さらに、この白金族元素の晶析物を水素雰囲気中、700℃で2時間加熱処理することにより、高純度の白金族元素を回収した。
この回収した白金族元素に対して、GDMS(グロー放電質量分析)を行った結果、主な不純物であるNiの含有量が20wtppm未満であった。また、その他の不純物含有量も合計で50wtpp未満であった。そして、濾液に含まれる白金族元素の含有量は500wtppm未満であり、白金族元素の回収率は90%以上であった。」

9 甲9
上記甲9には、以下の記載がある。

「【0022】
(第2の発明)
第2の発明は、第1の発明に関連し、白金族基合金が、白金族金属(Pt、Pd、Rh、Ir、Ru、Os)のいずれか1種以上を50mass%以上と、不可避不純物を0.5mass%以下含み、不可避不純物を除く成分元素のうち、最高融点の成分元素の融点における成分元素の蒸気圧の最大値と最小値との差が0.1Pa以上であることを特徴とする白金族基合金の製造方法である。」

10 甲10
上記甲10には、以下の記載がある。
(10a)「



(10b)「



11 甲11
上記甲11には、以下の記載がある。

「平成24年4月以降に・・・国際的に使われている最低含有率の考え方を基に、純金属の表示を「999」と表示することとしたものです。」

12 甲12
上記甲12には、以下の記載がある。
(12a)「


(939頁)
(当審訳:表I.調査した鉄粉末の特性
・・・)

(12b)「


(939頁)
(当審訳:図2-調査した鉄粉末の累積粒度分布。粉末AからGの特性を表Iに示す。)

13 甲13
上記甲13には、以下の記載がある。

(13a)「b) Materials
Each test cube was produced in 316Lstainless steel, whereas three different particles size distributions were used(Table 1).」(2頁下から4行?最下行)
(当審訳:各試験片は、316Lステンレス鋼で製造されたが、3つの異なる粒子サイズ分布が用いられた(表1)。)


(13b)「


(2頁)


第6 当審の判断
当審は、取消理由通知書に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由によっては本件特許の請求項1?13に係る特許を取り消すことはできないと判断した。その理由は以下のとおりである。

1 取消理由通知に記載した取消理由について
(甲1を主引用例とするもの)
(1)甲1に記載された発明
上記第5の1に摘示した甲1の記載を総合的に勘案すると、甲1には、次の発明(以下「甲1A発明」、「甲1B発明」及び「甲1C発明」という。)がそれぞれ記載されていると認められる。

<甲1A発明>
積層造形プロセスである選択的レーザー溶融に使用され、15?45μmの粒度分布に分級され、球形であり、貴金属粒子からなる金属粉末。

<甲1B発明>
積層造形プロセスである選択的レーザー溶融における、15?45μmの粒度分布に分級され、球形であり、貴金属粒子からなる金属粉末の使用。

<甲1C発明>
15?45μmの粒度分布に分級され、球形であり、貴金属粒子からなる金属粉末を選択的レーザー溶融する積層造形プロセス。

(2)本件発明1について
ア 本件発明1と甲1A発明との対比
本件発明1と甲1A発明とを対比すると、両者は、「球状貴金属粒子からなる粉末。」である点で一致し、以下の点で相違している。

<相違点1>
貴金属粒子からなる粉末について、本件発明1は、「粒子サイズ分布がd_(10)値≧10.0μm及びd_(90)値≦80.0μm」であって、「前記d_(10)値が、10.0μmから35.0μmの範囲であり、及び/又は前記d_(90)値が、40.0μmから80.0μmの範囲」であるのに対し、甲1A発明は、「15?45μmの粒度分布」である点。

<相違点2>
貴金属について、本件発明1は、「白金族金属」であるのに対し、甲1A発明は、その特定がされていない点。

<相違点3>
貴金属粒子のそれぞれ最小径及び最大径であるdmin及びdmaxについて、本件発明1は、「貴金属粒子の少なくとも80%が」「0.8≦dmin/dmax≦1.0」「の条件を満たす」ものであるのに対し、甲1A発明は、「dmin/dmax」の範囲が不明な点。

イ 相違点についての判断
(ア)相違点1について
相違点1は、実質的に相違するものであるところ、貴金属粒子からなる粉末の粒子サイズ分布について、「d_(10)値≧10.0μm及びd_(90)値≦80.0μm」であって、「前記d_(10)値が、10.0μmから35.0μmの範囲であり、及び/又は前記d_(90)値が、40.0μmから80.0μmの範囲」とすることは、甲2?11のいずれにも記載されていないし、当該粒子サイズ分布とすることが、当業者の単なる設計事項ということもできない。

そして、本件発明1は、上記粒子サイズ分布を有することにより、本件明細書の【0011】に記載のように、「流動性が高く、さらに積層造形法においては、高品質な粉末の塗布及び高密度(即ち、低孔隙率)で複雑な3D部品の製造を可能にする」という格別顕著な効果を奏するものと認められる。

(イ)申立人による主張の内容
上記(ア)に関連して、申立人は、意見書において概略以下のとおり主張している。

a 意見書の3(3)(ア)における主張(2頁下から6行?4頁4行)
上記第5の12に摘示した甲12の(12a)及び(12b)におけるPowder B、C及びD、上記第5の13に摘示した甲13の(13b)における316L-Type2及び316L-Type3、並びに上記第5の5に摘示した甲5の(5c)におけるFe1、Fe4、Fe6、Fe10、Fe12?Fe14及びNi3?Ni8は、d_(10)値及びd_(90)値が本件発明1により特定される範囲に含まれており、d_(10)値及びd_(90)値を本件発明1が特定する範囲とすることは、当業者が適宜なし得る数値範囲の最適化又は好適化にすぎない。

b 意見書の3(3)(イ)における主張(4頁5行?10行)
本件明細書からは、d_(10)値及びd_(90)値を本件発明1により特定される範囲とすることによる、刊行物に記載されていない有利な効果を把握されないから、d_(10)値及びd_(90)値を本件発明1が特定する範囲とすることは、当業者が適宜なし得る数値範囲の最適化又は好適化にすぎない。

c 意見書の3(3)(ウ)における主張(4頁11行?10頁7行)
甲1SLMでは金属粉末を15?45μmに分級することが記載されており、分級によって得られる「15?45μm」の粒度分布を有する粉末のd_(10)値及びd_(90)値がどのような値となるかを検証する実験の結果は以下のとおりであることより、d_(10)値及びd_(90)値を本件発明1が特定する範囲とすることは、当業者が適宜なし得る数値範囲の最適化又は好適化にすぎない。

(a)「プラズマアトマイズで、Ir球状粉末を作製しました。次いで、分級によって「15?45μm」の粒度分布を有する粉末を得ることを目指して、前記Ir球状粉末20.02gを目開き22μmのナイロンメッシュ及び目開き36μmのナイロンメッシュを用いて分級を実施し、36μmのメッシュを通過し、かつ、22μmのメッシュを通過しない粉末3.12gを採取しました。この採取した粉末の粒度分布測定を実施したところ、表1及び参考図1に示す粒度分布が得られました。
【表1】

【参考図1】


甲第1号証に記載された「15?45μm」の粒度分布となるように目指して分級を実施した結果、表1及び参考図1に示すように、16.58μmの存在比率と64. 79μmの存在比率とがそれぞれ0%となる粒度分布の粉末が得られました。この分級によって得られた粉末のD_(10)の値は、21.08μmであり、D_(90)の値は、41.82μmであることが判明しました。これらのD_(10)、D_(90)の値は、本件発明1の構成Hの範囲(当審注:本件発明1が特定するd_(10)値及びd_(90)値を範囲のことであって、以下同様である。)に含まれています。
次に、前記の分級によって得られた粉末では、表1及び参考図1に示すように、15μm未満の粒子は検出されませんでしたが、45μmを超える粒子が検出され、このうち55μm付近(54.64μm)の粒子が4.34%存在していました。そこで、甲第1号証に記載された「15?45μm」に近似させるベく、表1の粒度分布において、55μm付近の粒子の存在比率4.34%を0%としたとき、55μm付近以外の粒子の存在比率の合計が100%となるように、各粒子の存在比率をそれぞれ再計算することで、15?46μmの粒度分布を求めたところ、表2及び参考図2に示す粒度分布が得られました。

【表2】


【参考図2】


参考図2に示される累積分布のグラフを用いてD_(10)、D_(90)の値を次の通り求めました。すなわち、累積分布のグラフにおいて、左側縦軸 (累積[%])が10%となる横軸(粒子径[μm])の値がD_(10)の値であり、累積分布のグラフにおいて、左側縦軸(累積[%])が90%となる横軸(粒子径[μm])の値がD_(90)の値です。その結果、D_(10)の値が20μmよりも少し大きく、D_(90)の値が4 0以mよりも少 し大きいことが判明しました。これらのD_(10)、D_(90)の値は、本件発明1の構成Hの範囲に含まれています。」

(b)「Ru球状粉末について、上記Ir球状粉末と同様にしてD_(10)、D_(90)の値を求めました。プラズマアトマイズで作製した20.00gのRu球状粉末について、Ir球状粉末と同様にして分級を実施したところ、36μmのメッシュを通過し、かつ、22μmのメッシュを通過しない粉末4.02gを採取しました。この採取したRu球状粉末の粒度分布測定を実施したところ、表3及び参考図3に示す粒度分布が得られました。

【表3】


【参考図3】


甲第1号証に記載された「15?45μm」の粒度分布となるように目指して分級を実施した結果、表3及び参考図3に示すように、Ru粒子においてもIr粒子と同様に、16. 58μmの存在比率と64. 79μmの存在比率とがそれぞれ0%となる粒度分布の粉末が得られました。
この分級によって得られた粉末のD_(10)の値は、21.28μmであ り、D_(90)の値は、41.70μmであることが判明しました。これらのD_(10)、D_(90)の値は、本件発明1の構成Hの範囲に含まれています。
次に、甲第1号証に記載された「15?45μm」に近似させるベく、Ir球状粉末と同様にして15?46μmの粒度分布を求めたところ、表4及び参考図4に示す粒度分布が得られました。

【表4】


【参考図4】


参考図4に示される累積分布のグラフを用いてD_(10)、D_(90)の値をIr球状粉末と同様にして求めたところ、D_(10)の値が20μmよりも少し大きく、D_(90)の値が40μmよりも少し大きいことが判明しました。これらのD_(10)、D_(90)の値は、本件発明1の構成Hの範囲に含まれています。」

(ウ)申立人の主張に対する当審の判断
a 主張aについて
申立人による上記(イ)aの主張について、甲12におけるPowder B、C及びDは鉄、甲13における316L-Type2及び316L-Type3はステンレス鋼、甲5におけるFe1、Fe4、Fe6、Fe10、Fe12?Fe14及びNi3?Ni8は鉄及びニッケルが、それぞれの材料である一方、本件発明1は白金族金属を材料としているものである。
ここで、鉄、ステンレス鋼、鉄及びニッケルと比較して白金族金属は融点が高く、溶融時の流動性や溶融・凝固後の密度への影響が大きく異なるのは技術常識であるといえるから、鉄、ステンレス鋼、鉄及びニッケルの粉末において用いている粒子サイズ分布を白金族金属に適用する動機付けは認められない。

よって、申立人の上記主張aを採用することはできない。

b 主張bについて
申立人による上記(イ)bの主張について、本件発明1による格別顕著な効果は、上記(ア)のとおりであるから、申立人の上記主張bを採用することはできない。

c 主張cについて
申立人による上記(イ)cの主張について、甲1には、「15?45μmの粒度分布に分級され、球形であり、貴金属粒子からなる金属粉末」を得るための具体的な製法について、上記(イ)c(a)又は(b)のように、貴金属としてIr又はRuを用いること、プラズマアトマイズによって作製すること、分級に使用する篩の目開き、45μmを超える粒子が検出される場合の再計算に関して何ら特定されていないことから、上記(イ)c(a)又は(b)における実験は、甲1の検証ということはできず、甲1に記載された金属粉末におけるd_(10)値及びd_(90)値が、本件発明1において特定される範囲に必ず含まれるとはいえない。

よって、申立人の上記主張cを採用することはできない。

ウ 小括
したがって、相違点2及び3について検討するまでもなく、本件発明1は、甲第1号証に記載された発明とはいえないし、甲第1号証に記載された発明と甲第2?13号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。

(3)本件発明2?10について
本件発明2?10は、請求項1を直接的又は間接的に引用するものであるから、本件発明2?10も、本件発明1と同様に、甲第1号証に記載された発明とはいえないし、甲第1号証に記載された発明と甲第2?13号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。

(4)本件発明11について
請求項1を直接的又は間接的に引用する本件発明11と甲1B発明とを対比すると、両者は、「積層造形法における、球状貴金属粒子からなる粉末の使用。」である点で一致し、上記(2)アの相違点1?3と同様の点で相違する。
そして、当該相違点1についての判断は、上記(2)イのとおりである。

よって、相違点2及び3について検討するまでもなく、本件発明11は、甲第1号証に記載された発明とはいえないし、甲第1号証に記載された発明と甲第2?13号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。

(5)本件発明12について
請求項1を直接的又は間接的に引用する本件発明12と甲1C発明とを対比すると、両者は、「積層造形法における、球状貴金属粒子からなる粉末の使用。」である点で一致し、上記(2)アの相違点1?3と同様の点とともに、以下の相違点4において相違している。

<相違点4>
積層造形法の工程について、本件発明12は、「(a)造形空間の基板に、」「粉末を、第1の層として塗布する工程」、「(b)高エネルギー照射により前記第1の層の粉末を少なくとも部分的に溶融し、溶融した粉末を固化させる工程」、「(c)前記第1の層に前記粉末のさらなる層を塗布する工程」、「(d)高エネルギー照射により前記さらなる層の粉末を少なくとも部分的に溶融し、溶融した粉末を固化させる工程」、「(e)工程(c)及び工程(d)を繰り返す工程」であるのに対し、甲1C発明は、工程が特定されていない点

しかしながら、当該相違点1についての判断は、上記(2)イのとおりであるので、相違点2?4について検討するまでもなく、本件発明12は、甲第1号証に記載された発明と甲第2?13号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(6)本件発明13について
請求項12を引用する本件発明13は、少なくとも上記相違点1?4において甲1C発明と相違するところ、その判断については、上記(5)のとおりである。

(7)取消理由通知に記載した取消理由についての小括
したがって、本件発明1?13は、甲第1号証に記載された発明とはいえないし、甲第1号証に記載された発明と甲第2?13号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。

2 取消理由通知において採用しなかった異議申立理由について
(甲3を主引用例とするもの)
(1)甲3に記載された発明
上記第5の3に摘示した甲3の記載を総合的に勘案すると、甲3には、次の発明(以下「甲3A発明」、「甲3B発明」及び「甲3C発明」という。)がそれぞれ記載されていると認められる。

<甲3A発明>
三次元造形用材料であって、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、高融点金属成分は、Ptを含み、粒子形状は球状であり、粒子径が20μm?40μm程度である三次元造形用材料。

<甲3B発明>
三次元造形用材料の使用であって、高融点金属成分と低融点金属成分とを含み、高融点金属成分は、Ptを含み、粒子形状は球状であり、粒子径が20μm?40μm程度である三次元造形用材料の使用。

<甲3C発明>
金属でできた造形物を造形する三次元造形方法であって、
甲3A発明である三次元造形用材料を用いて造形する工程を含み、
前記工程は、熱処理により、前記高融点金属成分及び前記低融点金属成分に金属拡散を生じさせるプロセスを含み、
第1ノズル901から三次元造形用材料1たる金属粉末を供給し、供給された金属粉末にレーザヘッド11からレーザを照射して溶融させ、その後、冷却して凝固させる。このプロセスを繰り返して、前記造形パターンに従った金属の三次元造形を行う
三次元造形方法。」

(2)本件発明1について
ア 本件発明1と甲3A発明との対比
本件発明1と甲3A発明とを対比すると、両者は、「球状貴金属粒子からなる粉末であって、前記貴金属が白金族金属である粉末。」である点で一致し、以下の点で相違している。

<相違点5>
貴金属粒子からなる粉末について、本件発明1は、「粒子サイズ分布がd_(10)値≧10.0μm及びd_(90)値≦80.0μm」であって、「前記d_(10)値が、10.0μmから35.0μmの範囲であり、及び/又は前記d_(90)値が、40.0μmから80.0μmの範囲」であるのに対し、甲3A発明は、「20μm?40μm程度」の粒子径である点。

<相違点6>
貴金属粒子のそれぞれ最小径及び最大径であるdmin及びdmaxについて、本件発明1は、「貴金属粒子の少なくとも80%が」「0.8≦dmin/dmax≦1.0」「の条件を満たす」ものであるのに対し、甲3A発明は、「dmin/dmax」の範囲が不明な点。

イ 相違点についての判断
上記相違点5は、上記1(2)アの相違点1と実質的に同じであるから、その判断については、上記1(2)イと同様である。

ウ 小括
したがって、相違点6について検討するまでもなく、本件発明1は、甲第3号証に記載された発明とはいえないし、甲第3号証に記載された発明と甲第1、2及び4?13号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。

(3)本件発明2?10について
本件発明2?10は、請求項1を直接的又は間接的に引用するものであるから、本件発明2?10も、本件発明1と同様に、甲第3号証に記載された発明とはいえないし、甲第3号証に記載された発明と甲第1、2及び4?13号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。

(4)本件発明11について
請求項1を直接的又は間接的に引用する本件発明11と甲3B発明とを対比すると、両者は、「積層造形法における、球状貴金属粒子からなる粉末であって、前記貴金属が白金族金属である粉末の使用。」である点で一致し、上記(2)アの相違点5及び6と同様の点で相違する。

しかしながら、当該相違点5についての判断は、上記(2)イのとおりであるので、相違点6について検討するまでもなく、本件発明11は、甲第3号証に記載された発明とはいえないし、甲第3号証に記載された発明と甲第1、2及び4?13号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。

(5)本件発明12について
請求項1を直接的又は間接的に引用する本件発明12と甲3C発明とを対比すると、両者は、以下の一致点及び上記(2)アの相違点1?3と同様の相違点を有している。

<一致点>
「下記の工程を有する、部品の製造のための積層造形法:
(a) 造形空間の基板に、球状貴金属粒子からなる粉末であって、前記貴金属が白金族金属である粉末を、第1の層として塗布する工程と;
(b) 高エネルギー照射により前記第1の層の粉末を少なくとも部分的に溶融し、溶融した粉末を固化させる工程と;
(c) 前記第1の層に前記粉末のさらなる層を塗布する工程と;
(d) 高エネルギー照射により前記さらなる層の粉末を少なくとも部分的に溶融し、溶融した粉末を固化させる工程と;
(e) 工程(c)及び工程(d)を繰り返す工程。」である点

しかしながら、当該相違点1についての判断は、上記(2)イのとおりであるので、相違点2及び3について検討するまでもなく、本件発明12は、甲第3号証に記載された発明と甲第1、2及び4?13号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(6)本件発明13について
請求項12を引用する本件発明13は、少なくとも上記相違点1?3において甲3C発明と相違するところ、その判断については、上記(5)のとおりである。

(7)取消理由通知において採用しなかった異議申立理由についての小括
したがって、本件発明1?13は、甲第3号証に記載された発明とはいえないし、甲第3号証に記載された発明と甲第1、2及び4?13号証に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものともいえない。


第6 むすび
以上のとおりであるから、請求項1?4、6?13に係る特許は、取消理由通知に記載した取消理由及び特許異議申立書に記載された特許異議申立理由によっては、取り消すことができない。
また、他に請求項1?4、6?13に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
さらに、請求項5は、本件訂正により削除されたから、請求項5に係る特許に対して申立人がした特許異議申立については、対象となる請求項が存在しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
粒子サイズ分布がd_(10)値≧10.0μm及びd_(90)値≦80.0μmである球状貴金属粒子からなる粉末であって、
前記d_(10)値が、10.0μmから35.0μmの範囲であり、及び/又は前記d_(90)値が、40.0μmから80.0μmの範囲であり、
前記貴金属が白金族金属であり、
前記貴金属粒子の数基準で、前記貴金属粒子の少なくとも80%が下記の条件を満たす、粉末:
0.8≦d_(min)/d_(max)≦1.0;
式中、d_(min)及びd_(max)は、前記貴金属粒子のそれぞれ最小径及び最大径である。
【請求項2】
前記白金族金属が、白金、イリジウム、パラジウム、ルテニウム、ロジウム若しくはオスミウム、又はこれらの白金族金属の少なくとも2種からなる合金である、請求項1に記載の粉末。
【請求項3】
前記貴金属粒子が、非貴金属元素を0.1重量%以下の割合で含有する、請求項1又は請求項2に記載の粉末。
【請求項4】
前記d_(90)値と前記d_(10)値の差異が、少なくとも15μmである、請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の粉末。
【請求項5】
削除
【請求項6】
前記貴金属がイリジウムであり、前記d_(10)値が20.0μmから30.0μmの範囲であり、前記d_(90)値が40.0μmから80.0μmであり、前記d_(90)値と前記d_(10)値との差異が、少なくとも20μmである、請求項1から請求項4のいずれか1項に記載の粉末。
【請求項7】
前記粉末が下記の条件を満たす、請求項1から請求項4及び請求項6のいずれか1項に記載の粉末:
F/ρ_(TH)≦0.30s/(50cm^(3))
式中、
Fは、DIN EN ISO4490:2014-11に準じて求められる粉末の流動性(s/(50g))であり、
ρ_(TH)は、貴金属粒子を形成する貴金属の理論密度(g/cm^(3))である。
【請求項8】
前記貴金属粒子は、平均結晶子サイズが≧200nmである、請求項1から請求項4、請求項6及び請求項7のいずれか1項に記載の粉末。
【請求項9】
液体貴金属の噴霧と、前記噴霧の後に任意で行われる分級とにより得ることのできる、請求項1から請求項4及び請求項6から請求項8のいずれか1項に記載の粉末。
【請求項10】
前記噴霧が、ガス噴霧、プラズマ噴霧、遠心噴霧又はるつぼを用いない噴霧である、請求項9に記載の粉末。
【請求項11】
積層造形法における、請求項1から請求項4及び請求項6から請求項10のいずれか1項に記載の粉末の使用。
【請求項12】
下記の工程を有する、部品の製造のための積層造形法:
(a) 造形空間の基板に、請求項1から請求項4及び請求項6から請求項10のいずれか1項に記載の粉末を、第1の層として塗布する工程と;
(b) 高エネルギー照射により前記第1の層の粉末を少なくとも部分的に溶融し、溶融した粉末を固化させる工程と;
(c) 前記第1の層に前記粉末のさらなる層を塗布する工程と;
(d) 高エネルギー照射により前記さらなる層の粉末を少なくとも部分的に溶融し、溶融した粉末を固化させる工程と;
(e) 工程(c)及び工程(d)を繰り返す工程。
【請求項13】
前記高エネルギー照射が、レーザー光線又は電子線である、請求項12に記載の積層造形法。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
異議決定日 2020-04-24 
出願番号 特願2017-40057(P2017-40057)
審決分類 P 1 651・ 113- YAA (B22F)
P 1 651・ 121- YAA (B22F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 米田 健志  
特許庁審判長 中澤 登
特許庁審判官 亀ヶ谷 明久
井上 猛
登録日 2018-12-28 
登録番号 特許第6456992号(P6456992)
権利者 ヘレウス ドイチュラント ゲーエムベーハー ウント カンパニー カーゲー
発明の名称 貴金属粉末及び部品の製造のためのその使用  
代理人 的場 基憲  
代理人 的場 基憲  

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