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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  G02F
管理番号 1363192
異議申立番号 異議2019-700691  
総通号数 247 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2020-07-31 
種別 異議の決定 
異議申立日 2019-09-02 
確定日 2020-06-22 
異議申立件数
事件の表示 特許第6478883号発明「液晶表示装置」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6478883号の請求項1ないし5に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
特許第6478883号の請求項1?5に係る特許についての出願は、平成23年9月30日に出願した特願2011-218505号の一部を平成27年9月10日に新たな特許出願としたものであって、平成31年2月15日付けでその特許権の設定登録がされ、平成31年3月6日に特許掲載公報が発行された。その後、令和元年9月2日付けで特許異議申立人笠原佳代子(以下「申立人」という。)より請求項1?5に係る特許に対して特許異議の申立てがされ、令和元年12月10日付けで取消理由(発送日令和元年12月12日)が通知され、令和2年2月7日に特許権者より意見書が提出され、令和2年3月2日付けで申立人に審尋(発送日令和2年3月5日)が通知され、令和2年3月17日に申立人より回答書が提出されたものである。

第2 特許異議の申立てについて
1 請求項1?5に係る発明
請求項1?5に係る発明(以下、「本件発明1」等、あるいはまとめて「本件発明」という。)は、その特許請求の範囲の請求項1?5に記載された、以下のとおりのものである。

「【請求項1】
バックライト光源、液晶セル、カラーフィルター、偏光板及び偏光板保護フィルムがこの順序で配置された構成を有し、外部からの光のある環境下で使用される液晶表示装置であって、
前記偏光板保護フィルムは、厚みが20μm?500μmであり(ただし、65μm未満である場合を除く)、8000nm以上のリタデーションを有するものであり、かつ、前記偏光板の吸収軸と前記偏光板保護フィルムの遅相軸とのなす角度が、0°±30°又は90°±30°(ただし、-30°、30°、60°、90°及び120°を除く) となるように配設されている
ことを特徴とする液晶表示装置。
【請求項2】
バックライト光源は、白色発光ダイオードである請求項1記載の液晶表示装置。
【請求項3】
偏光板保護フィルムは、面内において最も屈折率が大きい方向である遅相軸方向の屈折率(nx)と、前記遅相軸方向と直交する方向である進相軸方向の屈折率(ny)との差(nx-ny)が、0.05以上である請求項1又は2記載の液晶表示装置。
【請求項4】
偏光板保護フィルムは、ポリエステル系樹脂、ポリオレフィン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、ポリウレタン系樹脂、ポリエーテルサルホン系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリスルホン系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリエーテルケトン系樹脂、(メタ)アクロニトリル系樹脂、及び、シクロオレフィン系樹脂からなる群より選択されるいずれか1種の材料からなる請求項1、2又は3記載の液晶表示装置。
【請求項5】
偏光板保護フィルムが8000nm以上9900nm以下のリタデーションを有するものである請求項1 、2 、3 又は4 記載の液晶表示装置。」

2 取消理由の概要
請求項1?5に係る特許に対して令和元年12月10日付けで特許権者に通知した取消理由の要旨は、次のとおりである。

本件請求項1?5に係る発明は、本件特許出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の文献に記載された発明に基いて、本件特許出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、請求項1?5に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

甲第1号証:特開2011-53271号公報
甲第2号証:梅本清司、第3章光学補償フィルム 大型液晶ディスプレイ用光学補償フィルム、月刊ディスプレイ10月号別冊 FPDの光学材料-基礎から実用まで-、(株)テクノタイムズ社、2007年10月17日発行、p.45-53
甲第3号証:BJ LEE、2015 DOE SSL R&D Workshop Global LED Manufacturing、[online]、2015年1月27日、EPISTAR、[2019年8月17日検索]、p.1-3、17、18、インターネット<http://www.energy.gov/sites/prod/files/2015/02/f19/lee_global-mfg_sanfrancisco_2015.pdf>
甲第4号証:特開2010-54913号公報
甲第5号証:特開2009-300611号公報
甲第6号証:特開2004-226734号公報

3 甲各号証の記載
(1)甲第1号証
甲第1号証には、次の記載があり、以下の発明(以下「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。(下線は当審で付与。以下同じ。)
ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は偏光子支持基材用フィルムに関する。更に詳しくは液晶ディスプレイの色シフトおよび色斑を防止することができる光軸の安定性を確保し、透明性と取扱い性を両立した偏光子支持基材用フィルムに関する。
【背景技術】
【0002】
液晶ディスプレイは、直交配置した偏光板間の液晶分子の配向を制御して液晶層の位相差を変化させることで入射光の偏光方向を変化させ、出射光量を調整するものである。そのため、良好な表示画像品位を得るためには、液晶層へ入射する光の偏光方向が安定していることが求められる。
・・・
【0005】
ポリエチレンテレフタレートなどの芳香族ポリエステルフィルムは、透明性、耐熱性、機械強度に優れ、かつTACに比べて安価な素材であるため、過去にTACフィルムに代わる偏光子支持基材としてポリエチレンテレフタレートを適用する色々な試みがなされている。
偏光子の支持基材によって入射直線偏光の振動方向の変化が生じないよう、支持基材としてTAC フィルムのような光学等方性に優れるフィルムが用いられていたのに対し、芳香族ポリエステルフィルムは、分子鎖中に分極率の大きい芳香族環を持つため固有複屈折が極めて大きく、優れた透明性、耐熱性、機械強度を付与させるための延伸処理による分子鎖の配向に伴ってフィルム複屈折が発現しやすく、輝度斑、色シフトが発生しやすい。そこでポリエステルフィルムを支持基材として用いるべく、以下のような検討がなされている。」

イ 「【発明が解決しようとする課題】
【0013】
本発明の目的は、一軸配向ポリエステルフィルムにおいて、従来はフィルムの配向方向が不均一になりやすかったフィルム両端の部位についても配向方向が均一に制御された高度な光軸安定性を有し、フィルム両端部まで支持基材として使用しても液晶ディスプレイの色シフトおよび色斑を防止することができるとともに、優れた透明性およびフィルム取り扱い性を有する偏光子支持基材用フィルムを提供することにある。」

ウ 「【発明の効果】
【0017】
本発明によれば、フィルム両端の部位についてもフィルム面内遅相軸とフィルムTD方向とのなす角度およびそのばらつきが小さく、液晶ディスプレイの色シフトおよび色斑を防止することができる高度な光軸の安定性を確保するとともに、優れた透明性およびフィルム取り扱い性を有する偏光子支持基材用フィルムを提供することができる。かかるフィルムを用いた偏光板により、低コストながら色シフトおよび色斑などの発生のない表示画像品位に優れた液晶ディスプレイ製品を提供でき、さらに大型化にも対応できることからその工業的価値は極めて高い。」

エ 「【発明を実施するための形態】
【0018】
以下、本発明を詳しく説明する。
<芳香族ポリエステル>
本発明の一軸配向芳香族ポリエステルフィルムを構成する芳香族ポリエステルは、モノマーユニットの75モル%以上がエチレンテレフタレートである。かかるポリエステルを用いることにより、一方向に主配向軸を有する配向結晶化によって主配向軸方向の配向度を高め、偏光子の支持基材として好適な屈折率特性のフィルムが得られるとともに、透明性、耐熱性、機械強度の高いフィルムを得ることができる。かかるモノマーユニット成分は、80モル%以上であることがより好ましく、90モル%であることがさらに好ましく、95モル%以上であることが特に好ましい。
【0019】
芳香族ポリエステルは、従たる成分を含む場合、ジエチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ポリアルキレングリコール等のジオール成分、アジピン酸、セバシン酸、フタル酸、イソフタル酸、ナフタレンジカルボン酸、5-ナトリウムスルホイソフタル酸等のジカルボン酸成分が例示される。
【0020】
<一軸配向芳香族ポリエステルフィルム>
本発明の芳香族ポリエステルフィルムは少なくとも2層の一軸配向の芳香族ポリエステルフィルムである。ここで本発明における「一軸配向」の定義は、一方にのみ延伸した一軸配向フィルムのみならず、二方向に延伸したフィルムのうち主配向方向とその直交方向の配向度の差が大きいフィルムも包含され、後述のPET結晶(-105)面の配向度を満たす一軸配向性を有するフィルムであれば本定義に含まれる。
【0021】
(結晶配向度)
本発明の一軸配向芳香族ポリエステルフィルムは、広角X線回折測定で得られるフィルムTD方向のPET結晶(-105)面の配向度が下記式(1)を満たすことが必要である。
fc_(TD)(-105)≧0.35 ・・・(1)
(式(1)中、fc_(TD)(-105)は、広角X線回折測定で得られるフィルムTD方向のPET結晶(-105)面の配向度を表わす)
【0022】
本発明のフィルムは一軸配向フィルムであり、延伸により得られる分子配向は、得られたフィルムの配向結晶化の挙動を広角X線回折測定で観察することで確認できる。
詳しくは、広角X線回折測定により、観察したい結晶面に対応するブラッグ角に固定したサンプルを全球にわたり回転させX線回折ポールフィギュアを測定し、得られた結晶配向方向の全球中の分布挙動から配向度を算出して求められる。
ここで結晶配向度fcは、-0.5?1の値をとり、fcが1に近いほど測定結晶面の法線ベクトルと評価している方向が平行なものが多く分布し、fcが-0.5に近いほど法線ベクトルと評価方向が直交しているものが多く分布する。
PET結晶(-105)面の法線ベクトルは、ほぼ分子鎖に沿ったものであり、fc_(TD)(-105)が式(1)の範囲を満たす範囲であれば、分子鎖がフィルム主延伸方向に多く配向しており、本発明においてはその方向がフィルムTD方向(以下、幅方向または横方向と称することがある)である。
【0023】
本発明の一軸配向芳香族ポリエステルフィルムが、フィルムTD方向において、かかる配向度の範囲で配向結晶していることにより、TD方向に高度に配向した主配向軸を有し、本フィルムを偏光子支持基材として偏光子と積層させる際、本フィルムによる偏光光の偏光状態変化に伴う色シフトおよび色斑の発生を抑制することができる。ここで、フィルムの主配向軸方向は、光の振動挙動の面からみると遅相軸に相当し、フィルム面内遅相軸と称することがある。
偏光子支持基材と偏光子とを積層させる方向性は、偏光子支持基材の主配向軸と偏光子の透過軸とが、直交方向または平行方向のいずれかであれば色シフトおよび色斑を抑制できる。一方、フィルム両端部分についても配向方向が均一に制御された高度な光軸安定性を得るためには、フィルム製膜工程においてTD方向が主配向となるよう延伸する方法が必要であり、得られるフィルムの結晶配向度の主方向はTD方向となる。
【0024】
また、偏光子と偏光子支持基板とを連続して製造できる観点から、偏光子はフィルムMD方向(以下連続製膜方向、長手方向または縦方向と称することがある)と偏光子の光吸収軸とが平行になるように積層されることが好ましく、得られる直線偏光および偏光子透過軸はフィルムTD方向となることが好ましい。
【0025】
fc_(TD)(-105)で表わされる結晶配向度は、より好ましくは0.38以上であり、さらに好ましくは0.40以上、特に好ましくは0.43以上である。かかる結晶配向度はより高い方が好ましいが、その上限はポリマー特性および製造可能な製膜を考慮すると、0.55以下、もしくは0.50以下であることが好ましい。
一方、フィルムのfc_(TD)(-105)が下限値に満たない場合、偏光子透過軸とフィルム分子配向の角度の乖離が大きく、色シフトおよび色斑が発生し、表示画像品位が低下する。
【0026】
かかる結晶配向度のフィルムを得るためには、フィルム製造方法において詳述するように、フィルムTD方向およびフィルムMD方向の延伸倍率比(R^(TD)/R^(MD))が3.0を超え7.0以下となる範囲で延伸処理を行い、かかるフィルムMD方向の延伸倍率(R^(MD))を0.7倍以上2.0倍以下の範囲で行うことにより一軸配向ポリエステルフィルムを得た後、該ポリエステルのガラス転移点以上、(融点-15℃)以下の範囲で熱固定処理を行うこと、かかる延伸を行うに際して、MD方向の張力を適度に高めた状態で行い、またTD方向の延伸速度を高めることによって達成される。
【0027】
(遅相軸角度αおよび遅相軸角度のばらつきβ)
また、本発明の一軸配向芳香族ポリエステルフィルムは、フィルム面内遅相軸とフィルムTD方向とのなす角度α(以下、遅相軸角度αと称することがある)およびフィルム面内遅相軸とフィルムTD方向とのなす角度のばらつきβ(以下、遅相軸角度のばらつきβと称することがある)の関係が下記式(2)を満たすことが必要である。
0≦α+β≦15° ・・・(2)
(式(2)中、αはフィルム面内遅相軸とフィルムTD方向とのなす角度を表わし、エリプソメーターを用いてフィルム両端部についてMD方向に100mmおきに5点ずつ測定した10点の平均値で表わされ、βはフィルム面内遅相軸とフィルムTD方向とのなす角度のばらつきを表わし、エリプソメーターを用いてフィルム両端部についてMD方向に100mmおきに5点ずつ測定した10点の標準偏差値の3倍で表わされる)
【0028】
(α+β)で表わされる値がかかる範囲を超えるものは、フィルム両端部において色シフトが生じるのみならず色斑が生じる。
遅相軸角度α単独の値は15°以下であることが好ましく、より好ましくは10°以下、さらに好ましくは8°以下、特に好ましくは5°以下、最も好ましくは3°以下である。また、遅相軸角度のばらつきβ単独の値は5°以下であることが好ましく、より好ましくは2°以下、さらに好ましくは1°以下、特に好ましくは0.5°以下、最も好ましくは0°である。式(2)で表わされる(α+β)の好ましい範囲は、α、βそれぞれの好ましい範囲内から導かれ、その中でも特に好ましくは5°以下であり、最も好ましくは3°以下である。
【0029】
本発明における遅相軸角度αは、フィルムの両端部(エッジ部と称することがある)における遅相軸とフィルムTD方向とのなす角度を表わしたものであり、エリプソメーターを用いてフィルム両端部についてMD方向に100mmおきに5点ずつ測定した10点の平均値で表わされる。また本発明における遅相軸角度のばらつきβは、フィルムの両端部におけるフィルム面内遅相軸とフィルムTD方向とのなす角度のばらつきを表わしたものであり、αと同様、エリプソメーターを用いてフィルム両端部についてMD方向に100mmおきに5点ずつ測定した10点の標準偏差値の3倍で表わされる。
ここで、フィルムの両端部とは、フィルム製膜工程におけるテンタークリップ把持部にあたる部分をスリットした後のフィルム両端部を指し、具体的にはフィルム製膜工程におけるテンタークリップ把持部にあたる部分を除去するスリットが、スリット前のフィルムの両端から4%?10%の範囲内で行われることにより得られたフィルムの両端部を指す。」

オ 「【0032】
(面内位相差)
本発明の一軸配向芳香族ポリエステルフィルムは、フィルムの面内位相差が1000nm以上であることが好ましい。また、かかる面内位相差は、より好ましくは3000nm以上、さらに好ましくは5000nm以上、特に好ましくは7000nm以上である。
【0033】
本発明のフィルムの用途である偏光子支持基材は、偏光子により得られる直線偏光をできる限り乱さないものであることが好ましい。そのため、TACフィルムなどにおいては、フィルムの位相差、すなわち複屈折をフィルム厚みで乗じたものが小さいほど偏光子支持基材に適していた。しかしながら芳香族ポリエステルを用いた場合、分子構造に起因する比較的大きな固有複屈折を持つため、分子鎖配向によるフィルム位相差が発現しやすく、これを小さな値に制御することが難しい。そこで一軸配向のフィルムにし、フィルムの面内位相差をかかる範囲にすることによってフィルムの位相差値を可視光線の波長を越える大きなものとし、入射する直線偏光への影響が小さくなる結果、表示画像品位に及ぼす影響が無視しうる程度に小さくなり、より優れた表示画像品位を得ることができる。」

カ 「【0072】
<偏光板>
本発明の偏光子支持基材用フィルムを偏光子の支持基材として用い、偏光子と複合化させることで偏光板を製造することができる。本発明のフィルムを偏光子の支持基材として用いることにより、偏光子を十分に保護することができる。
偏光子との複合化の方法については特に限定されるものでなく、二色性分子をマトリックス中に一軸配向させたフィルム状偏光子との貼合せが例示される。二色性分子は特に限定されないが、一般的にポリヨウ素イオンが用いられる。またフィルム状偏光子素材として、多くの場合はポリビニルアルコールフィルムが用いられる。
偏光子との複合化の方法について、偏光子フィルムと積層させる方法以外に塗布方法を用いてもよい。塗布タイプにおいては、液晶分子をコーティング剪断力により配向させたり、塗布した反応性液晶分子を偏光などの照射により配向固化させる方法などを例示することができる。
【0073】
かかる偏光板は、さらに具体的には、偏光子と本発明の一軸配向芳香族ポリエステルフィルムとが、偏光子の透過軸方向と本発明のフィルムのフィルムTD方向とが平行になるように複合化させることによって得ることができ、その場合に本フィルムによる直線偏光への影響、すなわち偏光状態の変化を小さくすることが可能となる。
また得られた偏光板は、液晶ディスプレイの色シフトおよび色斑を防止することができる光軸の安定性を確保することができ、ディスプレイに組み込んだ場合に表示画像品位の画面内のばらつきが少ない、より高性能の表示画像品位が発現する。
【0074】
また偏光子との貼合せにおいて、偏光子の両側に貼り合せる支持基板のうち、一方のみに本発明のフィルムを用いてもよく、両方に用いてもよい。
また、偏光板表面にハードコート、反射防止加工、防眩加工などのコーティングが施される場合、本発明のフィルムの両面に塗布層を設け、一方は接着層を介して偏光子と貼り合せ、他方はハードコート層などと貼り合せる態様が例示される。」

キ 「【0087】
次いで、偏光板(PF)を液晶セルの片面に、液晶セルの近接する基板面のラビング軸方向と偏光板透過軸が直交し、偏光板のフィルム(PF)と液晶セルとが接するように貼合し、液晶セルの反対側の面には、市販の偏光板をその吸収軸が偏光板(PF)の吸収軸と直交するように貼合し、液晶表示装置を作製した。液晶セルは、市販のLCDモニターのものを、バックライト側に貼合されていた偏光板を剥がして使用した。
・・・
【0089】
[実施例1]
ジメチルテレフタレートとエチレングリコールに、エステル交換触媒として酢酸マンガン、重合触媒として三酸化アンチモン、安定剤として亜燐酸、更に表1に示す種類、量の滑剤粒子を添加した後、常法によりエステル交換及び重縮合反応を行い、固有粘度(o-クロロフェノール、25℃)0.65dl/gの表層用ポリエチレンテレフタレート(PET)ペレットAを製造した。
また、滑剤粒子を添加しない以外は表層用ポリエチレンテレフタレート(PET)ペレットAと同じ方法でポリエチレンテレフタレートのペレットを製造した。このポリエチレンテレフタレートペレットと表層用ポリエチレンテレフタレート(PET)ペレットAとを混合し、滑剤粒子濃度を表層用PETの1/4とした芯層用ポリエチレンテレフタレート(PET)ペレットBを準備した。
【0090】
次に、得られたPETペレットA、Bをそれぞれ170℃において3時間乾燥後、2台の押出機のホッパーに供給し、溶融温度290℃で溶融し、フィルターで濾過後、マルチマニホールドダイで合流させて回転ドラム上にキャスティングして、厚み320μm、A/B/Aの層構成の未延伸積層フィルムを得た。各フィルム層の厚み及び層構成は2台の押出機の回転数比にて調整した。
このようにして得られた未延伸積層フィルムを、テンター直前の搬送ロールの回転速度がテンターのフィルム把持クリップ移動速度の0.996となるようにテンターに供給し、85℃にて横方向に750%/分の延伸速度で4.0倍に延伸し、引き続きテンター内で定幅を保ったまま、200℃にて1分間の熱処理を施した。テンターから出てきたフィルムを、フィルム把持クリップ移動速度の1.008倍の速度の搬送ロールにて引き取り、さらにフィルムの両端から5%の位置でスリットしてテンタークリップ把持部を取り除き、一定幅の80μm厚みの延伸フィルムを得た。得られたフィルムの特性を表2に示す。」

ク 表2は以下のとおりである。


ケ 表2の実施例1から、遅相軸角度αは1.8、遅相軸角度α+遅相軸角度のばらつきβが2.49、面内位相差は8000であることが看て取れる。

コ 上記ア?ケの記載を踏まえると以下の甲1発明が記載されていると認められる。

甲1発明
「良好な表示画像品位を得るためには、液晶層へ入射する光の偏光方向が安定していることが求められ、
一軸配向ポリエステルフィルムにおいて、液晶ディスプレイの色シフトおよび色斑を防止することができるとともに、優れた透明性およびフィルム取り扱い性を有する偏光子支持基材用フィルムであって、
当該偏光子支持基材用フィルムを用いた偏光板により、低コストながら色シフトおよび色斑などの発生のない表示画像品位に優れた液晶ディスプレイ製品を提供でき、
一軸配向ポリエステルフィルムが、フィルムTD方向において、かかる配向度の範囲で配向結晶していることにより、TD方向に高度に配向した主配向軸を有し、フィルムの主配向軸方向は、光の振動挙動の面からみると遅相軸に相当し、フィルム面内遅相軸と称し、
偏光子支持基材と偏光子とを積層させる方向性は、偏光子支持基材の主配向軸と偏光子の透過軸とが、直交方向または平行方向のいずれかであれば色シフトおよび色斑を抑制でき、
偏光子はフィルムMD方向(以下連続製膜方向、長手方向または縦方向と称することがある)と偏光子の光吸収軸とが平行になるように積層されることが好ましく、得られる直線偏光および偏光子透過軸はフィルムTD方向となることが好ましく、
一軸配向ポリエステルフィルムは、フィルム面内遅相軸とフィルムTD方向とのなす角度α(以下、遅相軸角度αと称することがある)およびフィルム面内遅相軸とフィルムTD方向とのなす角度のばらつきβ(以下、遅相軸角度のばらつきβと称することがある)の関係が下記式(1)を満たすことが必要であり、
0≦α+β≦15° ・・・(1)
面内位相差は、7000nm以上であり、
一軸配向芳香族ポリエステルフィルムの一実施例として、厚み80μm、遅相軸角度αは1.8、遅相軸角度α+遅相軸角度のばらつきβが2.49、面内位相差は8000nmである、
偏光子支持基材用フィルムを、
偏光子との貼合せにおいて、偏光子の両側に貼り合せる支持基材のうち、一方のみに上記偏光子支持基材用フィルムを用いてもよく、両方に用いてもよく、
偏光板(PF)を液晶セルの片面に貼合し、液晶セルの反対側の面には、市販の偏光板をその吸収軸が偏光板(PF)の吸収軸と直交するように貼合し、液晶セルは、市販のLCDモニターのものを、バックライト側に貼合されていた偏光板を剥がして使用した、
液晶表示装置。」

(2)甲第2号証
甲第2号証には、次の記載がある。

45頁の「図1 LCD構造図」から、ランプ、拡散板、プリズムシート、輝度向上フィルム、偏光板、ガラス、透明電極、配向膜、スペーサ、カラーフィルター、ガラス、光学補償フィルム、偏光板、アンチグレア(AG)/アンチリフレクション(AR)層が、下から積層されていることが看て取れる。

(3)甲第3号証
甲第3号証には、次の記載がある。
ア 3頁には、表題として「LED in Large Area BLU」と記載され、グラフから、Mobile PCの折れ線が2010年後半から、概ね100%に近づいていることが看て取れる。

イ 17頁には、「WHITE-LIGHT PC-LED PACKAGE EFFICACY PROJECTIONS FOR COMMERCIAL PRODUCT」のグラフが記載され、縦軸には「Efficacy(lm/W)」が、横軸には2005から2025まで印字された、「Cool White LED」、「Warm White LED」の折れ線が看て取れる。

(4)甲第5号証
甲第5号証には、次の記載がある。
ア 「【請求項1】
偏光子と、該偏光子の一方主面に積層された第1の保護フィルムを有し、該第1の保護フィルムの平均屈折率が1.58以上である偏光板。
・・・【請求項8】
液晶セルの少なくとも一方主面に、請求項1?7のいずれか記載の偏光板を備え、該光板の第1の保護フィルムが積層されたのと反対側の主面が液晶セルと対向するように積層された液晶パネル。」

イ 「【0025】
一方で、複屈折と厚みの積で表されるレターデーション値が大きいフィルムを第1の保護フィルムとして用いた場合、液晶表示装置が干渉による虹模様の着色を生じる場合がある。このような着色を抑制する観点からは、第1の保護フィルムの遅相軸方向(フィルム面内の屈折率が最大となる方向)と、偏光子の吸収軸方向が略平行または略直交となるように配置することが好ましい。なお、略平行、略直交とは、両者のなす角度が丁度0°、あるいは90°である場合のみならず、±10°、好ましくは±5°の範囲であることを意味する。」

ウ 「【0031】
(厚み)
第1の保護フィルムの厚みは、5?500μmが好ましく、5?200μmがより好ましく、10?150μmがさらに好ましい。厚みが前記範囲より小さいと、フィルムが破断しやすくなり、偏光板に適用したときの強度に問題が生じたり、水分遮断性が不十分となり、偏光子の耐久性に劣る場合がある。厚みが前記範囲より大きいと、フィルムの屈曲性に欠け、ハンドリング性が低下したり、フィルムの製造が困難となる場合がある。」

(5)甲第6号証
甲第6号証には、次の記載がある。
ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、偏光板に関し、具体的には偏光特性を発現させる偏光膜が積層された支持体フィルムに関するものである。」

イ 「【0025】
本発明の偏光膜用支持体フィルムのB層の主配向軸と偏光膜の偏光方向が、0°±10°、もしくは90°±10°の関係に保たれていることが好ましい。主配向軸とは、面内で分子が最も分極している方位のことであり、屈折率楕円体においては最も屈折率が高い方位のことである。この方位が、偏光膜の偏光方向と一致もしくは、90°の±10°の誤差範囲の関係に保たれるように設置することによって、複屈折による光干渉現象を抑制し、液晶表示部のコントラストの低下を防ぐ効果がある。複屈折とは、ニ軸配向ポリエステルフィルムなどのフィルム長手方向と幅方向で屈折率が異なる異方性物質(複屈折体)に光が入射すると、光は2方向に分かれて進み、物が二重に見える現象のことをいう。」

4 特許法第29条第2項について
(1)本件発明1について
ア 対比
甲1発明と本件発明1を対比する。
(ア)甲1発明の「偏光子支持基材用フィルム」、「液晶セル」、「偏光子」、「液晶表示装置」は、それぞれ本件発明1の「偏光板保護フィルム」、「液晶セル」、「偏光板」、「液晶表示装置」に相当する。

(イ)甲1発明は「偏光子との貼合せにおいて、偏光子の両側に貼り合せる支持基材のうち、一方のみに上記偏光子支持基材用フィルムを用いてもよく、両方に用いてもよく、偏光板(PF)を液晶セルの片面に貼合し・・・液晶セルは、市販のLCDモニターのものを、バックライト側に貼合されていた偏光板を剥がして使用し」ており、甲1発明の「偏光板(PF)」は液晶セルのバックライト側に貼合されていると解されるから、当該構成は、本件発明1の「バックライト光源、液晶セル、カラーフィルター、偏光板及び偏光板保護フィルムがこの順序で配置された構成」と、「液晶セル、偏光板及び偏光板保護フィルムが配置された構成」の点で共通する。

(ウ)甲1発明は、「フィルムの主配向軸方向は、・・・フィルム面内遅相軸と称し」、「偏光子はフィルムMD方向(以下連続製膜方向、長手方向または縦方向と称することがある)と偏光子の光吸収軸とが平行になるように積層されることが好ましく、得られる直線偏光および偏光子透過軸はフィルムTD方向となることが好ましく」、「一軸配向ポリエステルフィルムは、フィルム面内遅相軸とフィルムTD方向とのなす角度α(以下、遅相軸角度αと称することがある)およびフィルム面内遅相軸とフィルムTD方向とのなす角度のばらつきβ(以下、遅相軸角度のばらつきβと称することがある)の関係が下記式(1)を満たすことが必要・・・0≦α+β≦15°・・・(1)」という構成を有し、フィルムMD方向とフィルムTD方向が直交することは技術常識であることから、結果的に甲1発明において、偏光子の光吸収軸とフィルム面内遅相軸のなす角度は90°±15°となる。したがって、甲1発明の当該構成は、本件発明1の「偏光板の吸収軸と前記偏光板保護フィルムの遅相軸とのなす角度が、0°±30°又は90°±30°(ただし、-30°、30°、60°、90°及び120°を除く)となる」ことを満たしている。

(エ)甲1発明の偏光子支持基材用フィルムは、「面内位相差は、7000nm以上であり」、一実施例として、「厚み80μm」、「面内位相差は8000nm」であるから、本件発明1の「厚みが20μm?500μmであり(ただし、65μm未満である場合を除く)、8000nm以上のリタデーションを有するものであ」ることを満たしている。

(オ)上記(ア)?(エ)から、甲1発明と本件発明1は、以下の点で一致し、相違点1で相違する。

<一致点>
「液晶セル、偏光板及び偏光板保護フィルムが配置された構成を有し、外部からの光のある環境下で使用される液晶表示装置であって、
前記偏光板保護フィルムは、厚みが20μm?500μmであり(ただし、65μm未満である場合を除く)、8000nm以上のリタデーションを有するものであり、かつ、前記偏光板の吸収軸と前記偏光板保護フィルムの遅相軸とのなす角度が、0°±30°又は90°±30°(ただし、-30°、30°、60°、90°及び120°を除く)となるように配設されている
液晶表示装置。」

<相違点1>
「厚みが20μm?500μmであり(ただし、65μm未満である場合を除く)、8000nm以上のリタデーションを有するものであり、かつ、前記偏光板の吸収軸と前記偏光板保護フィルムの遅相軸とのなす角度が、0°±30°又は90°±30°(ただし、-30°、30°、60°、90°及び120°を除く)となるように配設されている」「偏光板保護フィルム」について、本件発明1は「バックライト光源、液晶セル、カラーフィルター、偏光板及び偏光板保護フィルムがこの順序で配置された構成を有し、外部からの光のある環境下で使用される」ものであるのに対し、甲1発明では、(偏光子支持基材用フィルムを有する)偏光板は液晶セルのバックライト光源側に設けられていると共に、バックライト光源、カラーフィルター、使用環境について特定がなされていない点。

イ 判断
相違点1について検討する。
甲第2号証に記載されているように、「バックライト光源」、「カラーフィルター」、を、相違点1に係る構成のようにバックライト光源、液晶セル、カラーフィルター、偏光板等の順序で配することは常套手段にすぎない。また、液晶表示装置を「外部からの光のある環境下で使用」することは文献を示すまでもなく、通常の使用形態であり、甲第1号証が外部からの光のない環境下で使用する液晶表示装置を対象としているといった特別の事情も見受けられない。
しかしながら、甲1発明は「良好な表示画像品位を得るためには、液晶層へ入射する光の偏光方向が安定している」ことが必要との課題に基づいて、所望の数値限定を満たす偏光板を液晶セルのバックライト光源側に設けたものであるから、当該所望の偏光板を液晶セルのバックライト光源の反対側に配する動機付けはないというべきであり、上記常套手段を適用したとしても、甲1発明の所望の偏光板を液晶セルのバックライト光源の反対側に配することにはならない。
また、甲第3号証?甲第6号証に記載された事項を参酌したとしても、甲1発明の所望の偏光板を液晶セルのバックライト光源の反対側に配することにはならない。
したがって、甲1発明において、相違点1に係る本件発明1の構成のようにすることは、容易に想到しうる程度のこととはいえない。

ウ 申立人の主張について
(ア)申立人は、令和元年3月17日提出の回答書において、概ね下記a、bの主張をしている。
a 甲第1号証の【0074】の「偏光板表面にハードコート、反射防止加工、防眩加工などのコーティングが施される場合、本発明のフィルムの両面に塗布層を設け、一方は接着層を介して偏光子と貼り合せ、他方はハードコート層などと貼り合せる態様が例示される。」との記載は、甲第7号証の記載も参酌すれば、反射防止加工、防眩加工などのコーティングが施される上偏光板の偏光子とコーティングの間に、「本発明のフィルム」が配置されることを意味しており、即ち、甲1発明の偏光子支持基材用フィルムを上偏光板の視認側に用いることが記載されています。
また、甲第1号証の「【特許文献1】特開昭58-143305号公報」(甲第8号証)には上側の偏光子に設けられた一軸延伸ポリエステルフィルムが記載されているから、甲1発明では、一軸延伸ポリエステルフィルムが上偏光子の視認側に設けられる場合も含めて、課題を想定していることが明らかです。
(回答書「(1)甲第1号証の記載について」)

b 「上偏光板の視認側の保護フィルム基材として、高位相差のPETフィルムを使用すること、及びPETフィルムの遅相軸と偏光子の吸収軸とを90°付近(ズレ角度を許容し得る)とすること」は、甲第8号証、甲第9号証の1?4から周知技術であったといえます。
(回答書「(2)周知技術について」)

甲第7号証:板倉義雄、第1章光学フィルムの動向 FPD用光学材料総論、月刊ディスプレイ10月号別冊 FPDの光学材料-基礎から実用まで-、(株)テクノタイムズ社、2007年10月17日発行、p.4-15
甲第8号証:特開昭58-143305号公報
甲第9号証の1:特公平4-73123号公報
甲第9号証の2:特開2010-217844号公報
甲第9号証の3:特開2010-54824号公報
甲第9号証の4:特開2009-175685号公報

(イ)上記主張について検討する。
上記主張aについて検討するに、上記イで説示したように、甲1発明は「良好な表示画像品位を得るためには、液晶層へ入射する光の偏光方向が安定している」ことが必要との課題に基づくものであり、また、「偏光板(PF)を液晶セルの片面に貼合し、液晶セルの反対側の面には、市販の偏光板をその吸収軸が偏光板(PF)の吸収軸と直交するように貼合し、液晶セルは、市販のLCDモニターのものを、バックライト側に貼合されていた偏光板を剥がして使用した」との態様から見ても、甲1発明における所望の偏光板は、液晶セルのバックライト光源側に設けたものを前提としていると解される。そして、甲第7号証、甲第8号証の記載を参酌したとしても、上記解釈に影響を与えるものではない。
上記主張bについて検討するに、上記イでも説示したように、甲1発明は、所望の偏光板を液晶セルのバックライト光源側に設けたものを前提としていることから、仮に、申立人の主張のとおり、「上偏光板の視認側の保護フィルム基材として、高位相差のPETフィルムを使用すること、及びPETフィルムの遅相軸と偏光子の吸収軸とを90°付近(ズレ角度を許容し得る)とすること」が周知技術であったとしても、甲1発明の液晶セルのバックライト光源側に設けた所望の偏光板には、上偏光板の視認側に関する周知技術はそもそも配置位置が液晶セルに対して光源側なのか出射側なのかで異なるのであるから、適用し得ない。
付言すると、上記主張bが、上記周知技術を適用する対象を、甲第1号証に記載された偏光子支持基材用フィルム(請求項1及び【0001】に記載されたものであって、上述した甲1発明の所望の偏光板と同じものである。)としていないのであれば、当該主張は、当初の申立理由とはそもそも異なるものとなるため、採用しない。

エ 小括
したがって、本件発明1は、甲1発明及び甲第2号証?甲第6号証に記載された技術事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものではないから、その特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではない。

(2)本件発明2?5について
本件発明2?5は、本件発明1に従属し、本件発明1の発明特定事項をすべて含むものであるから、本件発明1と同様の理由(上記(1)参照)により、本件発明2?5は、甲1発明及び甲第2号証?甲第6号証に記載された技術事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではないから、その特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものではない。

第3 むすび
以上のとおりであるから、取消理由通知及び特許異議申立書に記載した特許異議申立理由、証拠によっては、本件請求項1?5に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1?5に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。


 
異議決定日 2020-06-10 
出願番号 特願2015-178564(P2015-178564)
審決分類 P 1 651・ 121- Y (G02F)
最終処分 維持  
前審関与審査官 三笠 雄司岸 智史弓指 洋平  
特許庁審判長 瀬川 勝久
特許庁審判官 井上 博之
山村 浩
登録日 2019-02-15 
登録番号 特許第6478883号(P6478883)
権利者 大日本印刷株式会社
発明の名称 液晶表示装置  
代理人 特許業務法人 安富国際特許事務所  

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