• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 特174条1項 特許、登録しない。 H04M
管理番号 1363388
審判番号 不服2019-3370  
総通号数 248 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-08-28 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-03-11 
確定日 2020-06-16 
事件の表示 特願2017-130486「ポータブルマルチファンクション装置のためのボイスメールマネージャー」拒絶査定不服審判事件〔平成29年11月 9日出願公開、特開2017-201821〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由
第1.手続の経緯

本件特許出願は、平成19年8月31日(パリ条約による優先権主張 平成18年9月6日 米国、平成19年1月7日 米国(2件)、平成19年1月8日 米国、平成19年6月28日 米国)を国際出願日とする特願2009-527504号の一部を新たな出願とした特願2013-5672号の一部を更に新たな出願とした特願2015-77930号の一部を平成29年7月3日に新たな出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。

平成29年 7月19日 :上申書の提出
平成29年 7月19日 :手続補正書の提出
平成30年 6月28日付け:拒絶理由の通知
平成30年10月 1日 :意見書及び手続補正書の提出
平成30年11月 7日付け:拒絶査定
平成31年 3月11日 :審判請求書の提出
令和 1年12月26日 :審判請求人の要請による面接


第2.本願発明

平成30年10月1日の手続補正書でなされた補正は、発明の詳細な説明中の段落【0086】のみを補正するものであるから、本願の請求項1に係る発明は、平成29年7月19日の手続補正書により補正された請求項1に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。

「【請求項1】
タッチスクリーンディスプレイを伴うポータブル電子装置の制御方法であって、該方法は、
ボイスメールメッセージのリストを表示することと、
前記リストにおいてボイスメールメッセージのユーザ選択を検出することと、
前記ボイスメールメッセージの前記ユーザ選択を検出することに応答して、前記タッチスクリーンディスプレイ上で、前記選択されたボイスメールメッセージに対応する進行バーと前記選択されたボイスメールメッセージを削除するための第1のアフォーダンスとを表示することと、
前記選択されたボイスメールメッセージを再生することと、ここで、前記進行バーの再生インジケータは前記選択されたボイスメールメッセージの再生された部分を示し、前記再生インジケータは前記進行バーに沿った第1方向でスライドするように構成され、
前記選択されたボイスメールメッセージを再生している間、前記第1のアフォーダンス上の指接触を検出することと、
前記第1のアフォーダンス上の前記指接触を検出することに応答して、
前記選択されたボイスメールメッセージの再生を停止し、
ボイスメールメッセージの前記リストから前記選択されたボイスメールメッセージの表示を除去すること、
を含むことを特徴とする制御方法。」


第3.原査定の拒絶の理由

拒絶査定の拒絶の理由の概要は以下のとおりである。

●理由1(新規事項)
平成29年7月19日の手続補正書でした補正のうち、請求項1-11に係る補正は、外国語書面の翻訳文(又は誤訳訂正書による補正後の明細書、特許請求の範囲若しくは図面)に記載した事項の範囲内においてしたものでないから、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

●理由2(進歩性)
平成29年7月19日の手続補正書によって補正された請求項1-20に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特開2004-048804号公報
2.特開2001-127888号公報
3.米国特許出願公開第2006/0026521号明細書
4.特開平04-236624号公報
5.特開2003-084877号公報
6.特開平05-079951号公報(周知技術を示す文献)
7.特開平10-105324号公報(周知技術を示す文献)


第4.当審の判断

1.理由1(新規事項)について

平成29年7月19日の手続補正書により補正された請求項1に記載の発明(以下、「本願発明」という。)に係る補正(以下、「本件補正」という。)が、外国語書面の翻訳文(又は誤訳訂正書による補正後の明細書、特許請求の範囲若しくは図面)(以下、「当初明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてしたものであるか否かを検討するにあたって、便宜上、本願発明を以下のように分説する。

a.タッチスクリーンディスプレイを伴うポータブル電子装置の制御方法で あって、該方法は、
b.ボイスメールメッセージのリストを表示することと、
c.前記リストにおいてボイスメールメッセージのユーザ選択を検出するこ とと、
d.前記ボイスメールメッセージの前記ユーザ選択を検出することに応答し て、前記タッチスクリーンディスプレイ上で、前記選択されたボイスメ ールメッセージに対応する進行バーと前記選択されたボイスメールメッ セージを削除するための第1のアフォーダンスとを表示することと、
e.前記選択されたボイスメールメッセージを再生することと、ここで、前 記進行バーの再生インジケータは前記選択されたボイスメールメッセー ジの再生された部分を示し、前記再生インジケータは前記進行バーに沿 った第1方向でスライドするように構成され、
f.前記選択されたボイスメールメッセージを再生している間、前記第1の アフォーダンス上の指接触を検出することと、
g.前記第1のアフォーダンス上の前記指接触を検出することに応答して、
前記選択されたボイスメールメッセージの再生を停止し、
ボイスメールメッセージの前記リストから前記選択されたボイスメール メッセージの表示を除去すること、
h.を含むことを特徴とする制御方法。

そこで、分説した各部分を含む本件補正が当初明細書等に記載した事項の範囲内でなされたものであるかについて以下検討する。

1-1.当初明細書等に記載した事項の範囲内でなされたものといえる部分

(1)「a.」、「b.」、「c.」、「h.」について

当初明細書等の【0007】には、「本発明の1つの態様において、タッチスクリーンディスプレイを伴うポータブル電子装置で遂行されるコンピュータ実施方法は、ボイスメールメッセージのリストを表示するステップと、そのリスト内の各ボイスメールメッセージの、ユーザによる選択を検出するステップと、各ボイスメールメッセージのユーザ選択に応答して、そのユーザ選択されたボイスメールメッセージの再生を開始するステップとを備えている。・・・以下省略・・・」と記載されている。

ここで、上記「タッチスクリーンディスプレイを伴うポータブル電子装置で遂行されるコンピュータ実施方法」は、上記「a.」の『タッチスクリーンディスプレイを伴うポータブル電子装置の制御方法』であることは明らかであるから、上記「a.」及び「h.」に係る補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内でなされたものである。

また、上記「ボイスメールメッセージのリストを表示する」こと、及び上記「リスト内の各ボイスメールメッセージの、ユーザによる選択を検出する」ことは、それぞれ、上記「b.」の『ボイスメールメッセージのリストを表示すること』及び上記「c.」の『前記リストにおいてボイスメールメッセージのユーザ選択を検出すること』であるから、上記「b.」及び「c.」に係る補正も当初明細書等に記載した事項の範囲内でなされたものである。

(2)「e.」について

当初明細書等の【0007】には、「・・・前段省略・・・又、この方法は、ユーザ選択されたボイスメールメッセージに対する進行バーを表示するステップであって、この進行バーが、再生された前記ユーザ選択されたボイスメールメッセージの部分を指示するようなステップと、進行バー上の第1位置から進行バー上の第2位置へのユーザの指の移動を検出するステップと、この指の移動の検出に応答して、進行バー上の第2位置に実質的に対応する前記ユーザ選択されたボイスメールメッセージ内の位置で前記ユーザ選択されたボイスメールメッセージの再生を再スタートし、そして再生された前記ユーザ選択されたボイスメールメッセージの前記指示された部分を、前記進行バー上の第2位置に実質的に対応するように変化させるステップと、を備えている。」と記載されている。
また、当初明細書の【0021】には、「本発明の別の態様において、タッチスクリーンディスプレイを伴うポータブル電子装置は、ボイスメールメッセージのリストを表示する手段と、そのリスト内の各ボイスメールメッセージの、ユーザによる選択を検出する手段と、各ボイスメールメッセージのユーザ選択に応答して、そのユーザ選択されたボイスメールメッセージの再生を開始する手段と、タッチスクリーンディスプレイの規定のエリアとの指接触を検出する手段であって、前記規定のエリアは、タッチスクリーンディスプレイの規定のエリア内を第1方向にスライドするように構成された進行バーを含むような手段と、タッチスクリーンディスプレイ上の指接触の、前記規定のエリアから、前記規定のエリア以外の位置への移動を検出する手段であって、前記タッチスクリーンディスプレイ上の指接触の移動が、前記第1方向に平行な成分と、前記第1方向に垂直な成分とを有するような手段と、前記第1方向に平行な前記指接触の移動成分に基づいて前記規定エリア内で進行バーをスライドさせる手段と、そのスライドされる進行バーの位置に実質的に対応する前記ユーザ選択されたボイスメールメッセージ内の位置で前記ユーザ選択されたボイスメールメッセージの再生を再スタートする手段と、を備えている。」と記載されている。

さらに、当初明細書の【0086】には、「図5A及び5Bは、ある実施形態に基づくボイスメールのためのユーザインターフェイスを例示する図である。ある実施形態では、ユーザインターフェイス3200A及び3200Bは、次のエレメント或いはそのサブセット又はそのスーパーセットを含む。
・・・途中省略・・・
●ボイスメールメッセージのどの断片が再生されたか指示すると共に、ユーザジェスチャー3206の検出に応答してメッセージをスクロールする上で助けとなるよう使用できる進行バー3204、」と記載されている。

そして、【図5A】には、以下の図面が記載されている。



ここで、上記「ユーザ選択されたボイスメールメッセージの再生を開始する」ことは、上記「e.」の『選択されたボイスメールメッセージを再生すること』、上記「この進行バーが、再生された前記ユーザ選択されたボイスメールメッセージの部分を指示する」ことは、上記「e.」の『進行バーの再生インジケータは前記選択されたボイスメールメッセージの再生された部分を示し』、そして、上記「規定のエリアは、タッチスクリーンディスプレイの規定のエリア内を第1方向にスライドするように構成された進行バーを含む」ことは、上記「e.」の『再生インジケータは前記進行バーに沿った第1方向でスライドするように構成され』であるから、上記「e.」に係る補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内でなされたものである。

(3)「f.」、「g.」について

当初明細書等の【0086】には、「図5A及び5Bは、ある実施形態に基づくボイスメールのためのユーザインターフェイスを例示する図である。
・・・途中省略・・・
●アクチベートされたときに(例えば、アイコンを指でタップすることにより)、対応するボイスメールを削除し、UI3200BからUI3200Aへ表示を切り換える削除確認アイコン3228、」と記載されている。

また、【図5B】には、以下の図面が記載されている。



ここで、上記「削除確認アイコン3228」は、平成30年10月1日付け手続補正書、及び、平成31年3月11日付け審判請求書において審判請求人が主張する「請求項1における「第1のアフォーダンス」は、例示的な実施形態である図5Bの「削除アイコン」に対応します。」との主張を考慮すれば、上記「f.」及び「g.」の『第1のアフォーダンス』のことである。
そして、上記【0086】と【図5B】の記載をあわせみると、上記「アイコン(削除確認アイコン3228)を指でタップすること」は、上記「f.」の『選択されたボイスメールメッセージを再生している間、前記第1のアフォーダンス上の指接触を検出すること』であると解される。
また、上記【0086】には、“削除確認アイコン3228を指でタップすることにより、対応するボイスメール(再生中のボイスメール)を削除し、UI3200BからUI3200Aへ表示が切り替わる”旨、記載されており、対応するボイスメール(再生中のボイスメール)を削除すると再生が停止することは、当初明細書等に明示的な記載が無くとも当業者にとっては自明なことであり、そして、対応するボイスメール(再生中のボイスメール)が削除された後のUI3200Aでは、当該対応するボイスメール(再生中のボイスメール)が除去されていることは明らかである。
してみると、上記「f.」及び「g.」に係る補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内でなされたものである。

1-2.当初明細書等に記載した事項の範囲内でなされたものといえない部 分

(1)「d.」について

上記「d.」の『選択されたボイスメールメッセージに対応する進行バーと前記選択されたボイスメールメッセージを削除するための第1のアフォーダンスとを表示する』もののうち、『選択されたボイスメールメッセージを削除するための第1のアフォーダンス』は、上記「1-1.」の「(3)」で言及したように、【図5B】で示されるUI3200B中の「削除確認アイコン3228」に対応するものである。そして、「進行バー」は、上記「1-1(2)」及び「1-1(3)」で摘記したように、【図5A】及び【図5B】で示される「進行バー3204」に対応するものであるものの、上記「d.」の当該「削除確認アイコン3228」と共に表示される『選択されたボイスメールメッセージに対応する進行バー』は、【図5B】で示されるUI3200B中の「進行バー3204」に対応するものである。
なお、【図5A】で示されるUI3200A中の「進行バー3204」は、第1のアフォーダンスと共に表示されるものではないので、上記「d.」の「進行バー」には該当しない。
してみると、上記「d.」の『タッチスクリーンディスプレイ上で、前記選択されたボイスメールメッセージに対応する進行バーと前記選択されたボイスメールメッセージを削除するための第1のアフォーダンスとを表示すること』が示すものは、当初明細書等においては、【図5B】で示されるUI3200Bを表示することに対応するものと解される。
ここで、【図5B】で示されるUI3200Bがユーザのどの様な操作によってタッチスクリーンディスプレイ上に表示されるかについては、関連する記載として、当初明細書等の【0086】に「●アクチベートされたときに(例えば、アイコンを指でタップすることにより)、ユーザがそれに対応するボイスメールを削除したいことを確認するためのUI(例えば、UI3200B、図32B)の表示を開始する削除記号アイコン3222」と記載されている。
当該記載は、【図5A】で示されるUI3200A中の「削除記号アイコン3222」をユーザが指でタップすることに起因して、【図5B】で示されるボイスメールを削除したいことを確認するためのUI3200Bが表示されることを開示するものであって、【図5B】で示されるUI3200Bが上記「d.」の『ボイスメールメッセージの前記ユーザ選択を検出することに応答して』タッチスクリーンディスプレイ上で表示されることを開示するものではない。

なお、『ボイスメールメッセージの前記ユーザ選択を検出することに応答して』なされる事項について、例えば、当初明細書等の【0088】には、「ある実施形態では、(アイコン3214におけるタップ又はジェスチャー以外の)特定のボイスメールに対応する行におけるユーザタップ又は他の規定のジェスチャーの検出に応答して、電話モジュールは、対応するボイスメールの再生を開始する。従って、ボイスメールへのランダムなアクセスが行われ、ボイスメールを任意の順序で聞くことができる。」と記載され、同様に、【0091】には、「装置は、各ボイスメールメッセージの、ユーザによる選択を検出する(608)。ある実施形態では、各ボイスメールメッセージの、ユーザによる選択を検出することは、各ボイスメールメッセージ上でのユーザの指によるタップジェスチャーを検出することを含む。例えば、ユーザ選択は、(アイコン3214上でのタップ又はジェスチャーではなく)特定のボイスメールに対応するUI3200A(図5A)の行におけるユーザタップ又は他の規定のジェスチャーにより行うことができる。装置は、各ボイスメールメッセージのユーザ選択に応答して、そのユーザ選択されたボイスメールメッセージの再生を開始する(610)。ある実施形態では、リスト内の各ボイスメールメッセージがハイライト状態にされる(例えば、図5AのBob Adams 3210-3)。」と記載され、さらに、【0092】には、「ある実施形態では、装置は、各ボイスメールメッセージのユーザ選択に応答して、そのユーザ選択されたメッセージに対する進行バー(例えば、進行バー3204)も表示する(612)。図5A及び5Bに示され、そして上述されたように、進行バーは、再生された前記ユーザ選択されたボイスメールメッセージの部分を指示する。進行バーは、ユーザジェスチャー(例えば、ジェスチャー3206)に応答してメッセージをスクロールする上で助けとなるように使用できる。」と記載されているものの、いずれも上記「d.」で示す内容(『ボイスメールメッセージの前記ユーザ選択を検出することに応答して』『タッチスクリーンディスプレイ上で、前記選択されたボイスメールメッセージに対応する進行バーと前記選択されたボイスメールメッセージを削除するための第1のアフォーダンスとを表示すること』(即ち、【図5B】で示されるUI3200B)を表示すること。)を開示するものではない。

また、当初明細書等の他の記載を参酌しても、上記「d.」で示す内容を開示もしくは示唆する記載はない。

したがって、上記「d.」に係る補正は、当初明細書等のすべての記載を総合することにより導かれる技術的事項との関係において、新たな技術的事項を導入しないものでない。

2.審判請求人の主張について

審判請求人は、平成31年3月11日付け審判請求書において、
「(1)理由1(特許法第17条の2第3項)について
審査官殿は、拒絶査定において、外国語書面の翻訳文等からは、ボイスメールメッセージのユーザ選択を検出したことに応答して、その選択されたメッセージに対する進行バーを表示させることまでは認められるが、それに加えて、前記応答として削除記号アイコン3222や削除確認アイコン3228を表示させることまでの記載や示唆が存在するとまでは認められない旨述べております。
しかしながら、出願人は以下の通り意見を申し述べます。
まず、請求項1における「第1のアフォーダンス」は、例示的な実施形態である図5Bの「削除アイコン」に対応します。
そして、明細書の段落0088には、『ある実施形態では、(アイコン3214におけるタップ又はジェスチャー以外の)特定のボイスメールに対応する行におけるユーザタップ又は他の規定のジェスチャーの検出に応答して、電話モジュールは、対応するボイスメールの再生を開始する。従って、ボイスメールへのランダムなアクセスが行われ』る、ことが記載されています。
すなわち、当該記載は、図5AのUI3200Aにおける、「(アイコン3214におけるタップ又はジェスチャー以外の)特定のボイスメールに対応する行におけるユーザタップ又は他の規定のジェスチャーの検出に応答して、」図5BのUI3200Bが表示され、「対応するボイスメールの再生」が開始されることに対応します。さらに、図5Bには、「進行バー3204」および「削除アイコン3228」が含まれることから、請求項1における「前記ボイスメールメッセージの前記ユーザ選択を検出することに応答して、前記タッチスクリーンディスプレイ上で、前記選択されたボイスメールメッセージに対応する進行バーと前記選択されたボイスメールメッセージを削除するための第1のアフォーダンスとを表示する」ことは、明細書に記載した事項の範囲内であると思料いたします。
また、上記と同様の理由により、請求項11の記載につきましても、明細書に記載した事項の範囲内であると思料いたします。」と主張しているが、上記「1-2」の「(1)」で言及したように採用することはできない。

1-3.まとめ

以上検討したとおり、本件補正は、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてしたものとはいえない。

第5.むすび

以上のとおり、本件補正は、外国語書面の翻訳文(又は誤訳訂正書による補正後の明細書、特許請求の範囲若しくは図面)に記載した事項の範囲内においてしたものとはいえない。
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第3項に規定する要件を満たしていない。

また、原査定の拒絶の理由である理由2(進歩性)について検討するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。

よって、結論のとおり審決する。



 
別掲
 
審理終結日 2020-01-21 
結審通知日 2020-01-24 
審決日 2020-02-05 
出願番号 特願2017-130486(P2017-130486)
審決分類 P 1 8・ 55- Z (H04M)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 白川 瑞樹  
特許庁審判長 吉田 隆之
特許庁審判官 佐藤 智康
丸山 高政
発明の名称 ポータブルマルチファンクション装置のためのボイスメールマネージャー  
代理人 木村 秀二  
代理人 高柳 司郎  
代理人 大塚 康弘  
代理人 大塚 康徳  
代理人 永川 行光  
代理人 下山 治  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ