• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 F02M
管理番号 1364533
審判番号 不服2019-14461  
総通号数 249 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-09-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-10-30 
確定日 2020-08-18 
事件の表示 特願2015-132536「蒸発燃料処理装置」拒絶査定不服審判事件〔平成29年1月19日出願公開、特開2017-14995、請求項の数(7)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成27年7月1日の出願であって、平成31年1月25日付け(発送日:平成31年2月5日)で拒絶の理由が通知され、平成31年4月3日に意見書及び手続補正書が提出され、令和元年5月29日(発送日:令和元年6月4日)で拒絶の理由が通知され、令和元年7月25日に意見書及び手続補正書が提出されたが、令和元年9月2日付け(発送日:令和元年9月10日)で拒絶査定(以下「原査定」という。)がされ、これに対して令和元年10月30日に拒絶査定不服審判の請求がされるとともにその審判の請求と同時に手続補正書が提出されたものである。

第2 原査定の概要
原査定の概要は次のとおりである。

(進歩性)本願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

記 (引用文献等については引用文献等一覧参照)

・請求項1ないし4に対して 引用文献1ないし3
・請求項5に対して 引用文献1ないし4
・請求項6及び7に対して 引用文献1ないし5

<引用文献等一覧>
1.特開2002-256989号公報
2.特開2004-225550号公報
3.特開2012-149620号公報
4.特開2007-197472号公報
5.国際公開第2006/018985号(周知技術を示す文献)

第3 本願発明
本願の請求項1ないし7に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明7」という。)は、令和元年10月30日の手続補正により補正がされた特許請求の範囲の請求項1ないし7に記載された事項により特定される以下のとおりのものである。

「【請求項1】
タンクポート及びパージポートが接続されるメイン吸着室と、メイン吸着室より大気ポート側に形成されている吸着室を有する領域と、を備える蒸発燃料処理装置であって、
領域は、大気ポートに接続する大気側吸着室と、大気側吸着室とメイン吸着室との間に位置する低充填吸着室とを有し、
メイン吸着室及び低充填吸着室には、それぞれ吸着材が充填されており、
大気側吸着室には、蒸発燃料の脱離を促進する手段を設けることなく吸着材のみが充填されており、
領域における吸着材を充填可能な容積は、メイン吸着室における吸着材を充填可能な容積よりも小さく、
吸着室における蒸発燃料の流れ方向の長さをLとし、この流れ方向と直交する断面積と同等の面積となる円の直径をDとした際、低充填吸着室のL/Dは、メイン吸着室のL/Dよりも大きく、
低充填吸着室における吸着材の充填率はメイン吸着室における吸着材の充填率よりも小さく、
大気側吸着室に充填される吸着材の単位質量あたりの細孔容積は、低充填吸着室に充填される吸着材の単位質量あたりの細孔容積よりも大きい
蒸発燃料処理装置。
【請求項2】
請求項1に記載の蒸発燃料処理装置であって、
大気側吸着室に充填される吸着材の単位質量あたりの細孔容積は、メイン吸着室に充填される吸着材及び領域に充填されるその他の吸着材の単位質量あたりの細孔容積よりも大きい蒸発燃料処理装置。
【請求項3】
請求項1又は2に記載の蒸発燃料処理装置であって、
大気側吸着室に充填される吸着材の平均細孔径は、低充填吸着室に充填される吸着材の平均細孔径よりも小さい蒸発燃料処理装置。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れかに記載の蒸発燃料処理装置であって、
大気側吸着室に充填される吸着材の平均細孔径は、メイン吸着室に充填される吸着材及び領域に充填されるその他の吸着材の平均細孔径よりも小さい蒸発燃料処理装置。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れかに記載の蒸発燃料処理装置であって、
低充填吸着室に充填される吸着材は、粒形状、球形状、多角柱形状、中空形状のうちの何れかの形状である蒸発燃料処理装置。
【請求項6】
請求項1乃至5の何れかに記載の蒸発燃料処理装置であって、
吸着材は円筒形状の粒状であり、
吸着材の長さをLasとし、吸着材の直径をDasとした際にLas/Dasとして表されるアスペクト比について、
低充填吸着室に充填される吸着材のアスペクト比が、大気側吸着室に充填される吸着材のアスペクト比よりも大きい蒸発燃料処理装置。
【請求項7】
請求項1乃至6の何れかに記載の蒸発燃料処理装置であって、
吸着材は円筒形状の粒状であり、
吸着材の長さをLasとし、吸着材の直径をDasとした際にLas/Dasとして表されるアスペクト比について、
低充填吸着室に充填される吸着材のアスペクト比が、メイン吸着室に充填される吸着材及び領域に充填されるその他の吸着材のアスペクト比よりも大きい蒸発燃料処理装置。」

第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1
原査定の拒絶の理由に引用された特開2002-256989号公報(以下「引用文献1」という。)には、「キャニスタ」に関して、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審が付与した。以下同様。)。

(1)「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は内燃機関の蒸発燃料処理装置のキャニスタに関し、詳しくは、蒸発燃料の大気への放散を抑制することができるキャニスタに関するものである。」

(2)「【0030】以上のような活性炭の特性に鑑み、本発明で使用する活性炭は図4に示す特性を有する3種の活性炭を選定して使用する。
【0031】図4において、活性炭Aは、微分型細孔分布図におけるピーク位置が、ガソリン蒸気の吸着、脱離バランスの良好な細孔径に集中する特性を有するもので、直径Dが約2.5nmの細孔をピークとし、かつ微分型細孔分布図における活性炭Aの曲線と横軸とのなす面積E(細孔容積)が活性炭Bよりも多いものである。
【0032】したがって、この活性炭Aは、蒸発燃料の保持力が弱く、蒸発燃料の吸着量は多い特性を有する。
【0033】活性炭Bは、微分型細孔分布図におけるピーク位置が、前記活性炭Aと同じであるが、径の細孔容積が、活性炭Aに比べて少ないものである。
【0034】したがって、この活性炭Bは、蒸発燃料の保持力が前記活性炭Aと同様に弱く、蒸発燃料の吸着量は前記活性炭Aに比べて少ない特性を有する。
【0035】活性炭Cは、微分型細孔分布におけるピーク位置が、ガソリン蒸気中の低沸点成分(主にブタン)の吸着に適した細孔径に集中する特性を有するもので、直径Dが約2nmの細孔をピークとし、かつ細孔容積が前記活性炭A,Bよりも少ないものである。
【0036】したがって、この活性炭Cは、蒸発燃料の吸着量が前記活性炭A,Bに比べて少ないが、蒸発燃料の保持力は前記活性炭A,Bに比べて強い特性を有する。
【0037】以上のことから、上記A,B,Cの活性炭を対比すると、図6の表に示すように、活性炭Aは、蒸発燃料の吸着量は活性炭A,B,Cの中で最も多いが保持力は弱く、このためパージ後における蒸発燃料中の低沸点成分の残存量が、活性炭A,B,Cの中で中程度の特性を有する。活性炭Bは、蒸発燃料の吸着量は活性炭A,B,Cの中で中程度で保持力は弱く、このためパージ後における蒸発燃料中の低沸点成分の残存量が活性炭A,B,Cの中で最も少ない特性を有する。活性炭Cは、蒸発燃料の吸着量は活性炭A,B,Cの中で最も少ないが保持力は活性炭A,Bよりも強く、このためパージ後における蒸発燃料中の低沸点成分の残存量が活性炭A,B,Cの中で最も多い特性を有する。」

(3)「【0041】次に、前記活性炭を使用した図1に示す本発明の第1実施例のキャニスタについて説明する。
【0042】図1において、キャニスタ1を構成するケース2の内部は隔壁2aにより2分され、一方は通気性を有するフィルタ3a,3b,3cにより挟持される吸着材5が通気性を有する、例えば孔が開いているプレート4aを介してスプリング6aにより押圧されて第1層目の吸着材層、すなわち第1吸着材層7を形成している。他方は同様に通気性を有するフィルタ3d,3eにより挟持された吸着材5が通気性を有する、例えば孔が開いているプレート4bを介してスプリング6bにより押圧され第2層目の吸着材層8を形成している。第2層目の吸着材層8は通気性を有する、例えば孔が開いているプレート4cまたはフィルタ3fにより区画され、第2吸着材層8aおよび第3吸着材層8bを形成している。
【0043】ケース2およびフィルタ3aならびに仕切板2bにより形成される第1空間部2cには燃料タンク9の上部に連通するタンクポート2dが開口している。ケース2およびフィルタ3bならびに仕切板2bにより形成される第2空間部2eには、流量調整弁10を介して吸気管11のサージタンク11aに連通するパージポート2fが開口している。ケース2およびフィルタ3eならびに隔壁2aにより形成される第3空間部2gには大気に連通する大気ポート2hが開口している。隔壁2aの先端部には連通路2iが設けられ、ケース2およびプレート4a,4bにより第4空間部2jが形成されている。斯くして、各吸着材層7,8a,8bは第4空間部2jを介して、蒸発燃料の流れに対して直列に配置されて構成される。
【0044】前記第1吸着材層7には、吸着材5として、蒸発燃料の吸着量は多いが保持力が弱く、このためパージ後における蒸発燃料中の低沸点成分の残存量が比較的多い前記の活性炭A(5a)が充填されている。第2吸着材層8aおよび第3吸着材層8bには、蒸発燃料の吸着量は中くらいで、すなわち前記の活性炭Aより少なく、かつ、保持力が活性炭Aと同様に弱く、このため、パージ後における蒸発燃料中の低沸点成分の残存量が活性炭Aより少ない前記の活性炭B(5b)が充填されている。なお、第3吸着材層8bの容積は300cc、第1吸着材層7の容積は1400cc、全吸着材層の容積は2100ccで構成されている。」

(4)「【0053】次に、図3に示す第3実施例について説明する。
【0054】なお、前記第1の実施例と異なる部分についてだけ説明し、同一機能部分については説明は省く。
【0055】図3は本発明の第3の実施例に係るキャニスタの縦断面図である。
【0056】図3において、第1吸着材層7内には前記第1実施例における活性炭A(5a)が充填され、第2吸着材層8aには前記第1実施例における活性炭B(5b)が充填されているが、第3吸着材層8bには、前記活性炭AおよびBと異なる前記活性炭Cが充填されている。
【0057】この活性炭Cは、蒸発燃料の吸着量は前記活性炭A及びBに比べて少ないが、蒸発燃料の保持力は前記活性炭A及びBに比べて強く、このため、パージ後における蒸発燃料中の低沸点成分の残存量が前記活性炭AおよびBに比べて多い特性の活性炭である。
【0058】本第3実施例の作用について説明する。
【0059】なお、エンジン停止中の蒸発燃料吸着までの工程は第1の実施例と同様であるので説明は省き、エンジン始動後のパージの段階から説明する。
【0060】エンジン50の始動後のパージ段階において、第3吸着材層8b内の活性炭C(5c)に吸着された蒸発燃料は、パージポート2fに生じる吸気管11の負圧によりパージされるが、活性炭C(5c)はパージ後における蒸発燃料中の低沸点成分の吸着量に対する残存量が多い特性を有しているので、一般的には、パージ終了後においても多くの残存量が存在するが、吸着量が少なく、また、大気に最も近い第3吸着材層8b内に充填されているため、パージ開始とともに大気ポート2hから導入される新鮮な空気により効果的にパージが行われることによって、パージ終了後においても少しの残存量が存在することとなる。
【0061】その後、燃料タンク9からの蒸発燃料がキャニスタ1内に流入しても蒸発燃料は、第1、第2の各吸着材層7,8aの活性炭A,Bでほとんど吸着され、吸着されなかったわずかな蒸発燃料が吸着力(保持力)の強い第3吸着材層8bの活性炭Cで確実に吸着されるので、少しの残存量があっても吸着量に余裕があり十分に大気への吹き抜けが抑制される。
【0062】次に、前記第3吸着材層8bの容積を、吸着材層の全容積の2.3?4.8%に設定した場合、例えば吸着材層の全容積を2100ccとし、第3吸着材層8bの容積を50ccとした場合について説明する。
【0063】なお、エンジン停止中の蒸発燃料吸着までの工程は第1の実施例と同様であるので説明は省き、エンジン始動後のパージの段階から説明する。
【0064】図3において、エンジン50始動後のパージの段階において、第3吸着材層8b内の活性炭C(5c)に吸着された蒸発燃料は、パージポート2fに生じる吸気管11の負圧によりほぼ全量がパージされる。これは、活性炭C(5c)がパージ後における蒸発燃料中の低沸点成分の残存量が多い特性を有するにもかかわらず、第3吸着材層8bの容積を50ccと全容積2100ccの約2.4%の容積に小型化することにより、単位容積当りのパージ空気量を増加させることができ、パージ性能が向上したためである。例えば、パージ空気流通量が2100ccのとき、50ccの活性炭C(5c)の容量では、単位容積当たりのパージ空気流通量は2100cc/50cc=42cc/ccとなる。
【0065】したがって、パージが終了し高温放置の段階においては、第1吸着材層7内に残存する低沸点成分が蒸発して拡散現象が生じても、活性炭B(5b)が充填された第2吸着材層8aで吸着されるので、後刻、燃料タンク9から蒸発燃料が流入しても、蒸発燃料は第2吸着材層8aで吸着され、第2吸着材層8aで吸着されなかった蒸発燃料は第3吸着材層8bで確実に吸着されるので大気への吹き抜けが抑制される。吹き抜け量は図7において、蒸発燃料の流入量80gにおいて30mg弱と従来技術1および2に比べて大幅に低減され、上述の第1の実施例に比べても低減されている。なお、第3吸着材層8bの容積については、全容積2100ccに対し50?100cc(2.3?4.8%)までは上述の効果が持続されるが、200ccにおいては効果は低減することが確認されている。」

(5)上記(3)(段落【0044】)及び上記(4)(段落【0062】)から、第3実施例においては、第1吸着材層7の容積は1400cc、第2吸着材層8aの容積は650cc、第3吸着材層8bの容積は50ccであることがわかる。また、2層目の吸着材層8における吸着材を充填可能な容積は、第1吸着材層7における吸着材を充填可能な容積よりも小さいことがわかる。

上記記載事項及び認定事項並びに図面(特に、図1及び3ないし6を参照。)の図示内容から、引用文献1には次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。

〔引用発明〕
「タンクポート2d及びパージポート2fが接続される第1吸着材層7と、第1吸着材層7より大気ポート2h側に形成されている吸着室を有する2層目の吸着材層8と、を備えるキャニスタであって、
2層目の吸着材層8は、大気ポート2hに接続する第3吸着材層8bと、第3吸着材層8bと第1吸着材層7との間に位置する第2吸着材層8aとを有し、
第1吸着材層7及び第2吸着材層8aには、それぞれ吸着材5が充填されており、
第3吸着材層8bには、蒸発燃料の脱離を促進する手段を設けることなく吸着材5のみが充填されており、
2層目の吸着材層8における吸着材を充填可能な容積は、第1吸着材層7における吸着材を充填可能な容積よりも小さく、
第1吸着材層7の容積は1400ccであり、第2吸着材層8aの容積は650ccであり、第3吸着材層8bの容積は50ccであり、
第3吸着材層8bに充填される吸着材の単位質量あたりの細孔容積は、第2吸着材層8aに充填される吸着材の単位質量あたりの細孔容積よりも小さい
キャニスタ。」

2 引用文献2
原査定の拒絶の理由に引用された特開2004-225550号公報(以下「引用文献2」という。)には、「キャニスタ」に関して、図面とともに次の事項が記載されている。

(1)「【0015】
【発明の実施の形態】
以下、添付図面を参照してこの発明の一つの実施の形態に係るキャニスタを説明する。
【0016】
図1は、そのキャニスタの説明断面図である。
【0017】
図1に示すように、キャニスタ10は大略ボックス状あるいは円柱状を呈し、ケース10aで気密に囲まれた内部空間は、3個のフィルタ12で複数個、より詳しくは2個の層10b,10cに仕切られ、そこに燃料蒸気導入ポート(後述)から導入される燃料蒸気、特にHC(炭化水素)成分を吸着するペレット状の活性炭(以下「活性炭ペレット」という)14が収容される。
【0018】
キャニスタ10のケース10aには、図示の如く、車両(図示せず)に搭載される内燃機関(図示せず)の燃料(ガソリン燃料)を貯留する燃料タンク16の液面上方空間16aに管20(破線で示す)を介して接続され、少なくとも燃料タンク16から蒸発する(HC成分を含む)燃料蒸気を導入する燃料蒸気導入ポート10dと、大気に連通する大気連通ポート10eと、内燃機関の吸気系に接続されるパージポート10fが形成される。
【0019】
パージポート10fは、より具体的には、内燃機関の、エアクリーナ22に接続される吸気管24にスロットルバルブ26の下流において管30(同様に破線で示す)を介して接続される。」

(2)「【0024】
この実施の形態に係るキャニスタ10において特徴的なことは、燃料蒸気導入ポート10dとパージポート10fに最も接近する層、より具体的には上流側の層10bに収容される活性炭ペレット14の粒径を、それ以外の層、より具体的には層10cに収容される活性炭ペレット14の粒径よりも小さくする如く構成したことにある。即ち、層10cに収容される活性炭ペレット14の粒径(直径)を3mm程度の大きさとすると共に、層10bに収容される活性炭ペレット14の粒径(直径)を2mm程度の大きさとするようにした。
【0025】
粒径2mm程度の活性炭ペレットは一般に使用されている活性炭である。尚、活性炭ペレットの粒径(ペレット径)と通気抵抗および吸着性能について述べると、粒径が小さい活性炭は、粒径が大きい活性炭に比し、通気抵抗は高いものの、吸着性能で優れる。
【0026】
この実施の形態に係るキャニスタ10においては上記の如く、燃料蒸気導入ポート10d、より具体的には燃料蒸気導入ポート10dとパージポート10fに最も接近する、上流側の層10bに収容される活性炭ペレット14の粒径を、それ以外の層に収容される活性炭ペレット14の粒径よりも小さくする、即ち、ペレットの中心部に燃料蒸気あるいはパージエアが到達し易い、2mm程度の小粒径の活性炭とする如く構成したので、吸着・脱離が頻繁に行われる上流側に吸着性能の高い活性炭ペレット14を配することとなり、従来技術におけるように比較的大粒径の活性炭ペレットを配する場合に比し、キャニスタ10全体としての吸着性能を高めることができる。」

(3)「【0037】
図4はこの発明の第4の実施の形態に係るキャニスタを示す、図1と同様なキャニスタの説明断面図である。
【0038】
第4の実施の形態は第1の実施の形態の変形例であり、図1に示す第1の実施の形態に係るキャニスタにおいて、層10cをフィルタ12で仕切って層10gを設け、そこに粒径2mm程度の活性炭ペレット14を収容するようにした。
【0039】
即ち、第4の実施の形態においても、燃料蒸気導入ポート10dとパージポート10fに最も接近する層、より具体的には上流側の層10bに収容される活性炭ペレット14の粒径を、それ以外の層、より具体的には層10cに収容される活性炭ペレット14の粒径よりも小さいように構成すると共に、大気連通ポート10eに最も接近する層10gに収容される活性炭ペレット14の粒径も、燃料蒸気導入ポート10d、より具体的には燃料蒸気導入ポート10dとパージポート10fに最も接近する層10bを除く、それ以外の層10cに収容される活性炭ペレットの粒径よりも小さくする如く構成した。
【0040】
第4の実施の形態においては上記の如く構成したので、第3の実施の形態と同様、例えば、停車時や給油時など、パージが行われないとき、大量の燃料蒸気が発生しても、大気連通ポート10eからキャニスタ10の外部に発散するのを回避することができる。尚、残余の構成は第1の実施の形態と異ならない。」

上記記載事項及び図面(特に、図4を参照。)の図示内容から、引用文献2には次の事項(以下「引用文献2記載事項」という。)が記載されている。」

〔引用文献2記載事項〕
「キャニスタにおいて、燃料蒸気導入ポート10dとパージポート10fに最も接近する層10b及び大気連通ポート10eに最も接近する層10gに収容される活性炭ペレット14の粒径を、それ以外の層10cに収容される活性炭ペレット14の粒径よりも小さくすること。」

3 引用文献3
原査定の拒絶の理由に引用された特開2012-149620号公報(以下「引用文献3」という。)には、「キャニスタ」に関して、図面とともに次の事項が記載されている。

(1)「【0007】
本発明が解決しようとする課題は、残存量を低減しながらも吹き抜け量を低減することのできるキャニスタを提供することにある。
【課題を解決するための手段】
【0008】
前記課題は、特許請求の範囲に記載された構成を要旨とするキャニスタにより解決することができる。
すなわち、請求項1に記載されたキャニスタによると、燃料タンクの上部気室に連通するタンクポートと、内燃機関の吸気通路に連通するパージポートと、大気に開放される大気ポートと、前記タンクポートから前記大気ポートへ流れる蒸発燃料を吸着しかつ前記大気ポートからの空気が前記パージポートへ吸引される際に前記蒸発燃料を脱離する吸着材が収納された吸着材室とを備えるキャニスタであって、前記吸着材室は、前記タンクポート及び前記パージポートに連通する第1吸着材室と、前記大気ポートに連通する第2吸着材室とを備え、前記第2吸着材室の吸着材は、高吸着能を有する活性炭であり、前記第2吸着材室には、蒸発燃料の脱離を促進する脱離促進手段が設けられていることを特徴とする。このように構成すると、第2吸着材室の吸着材が高吸着能を有する活性炭であるため、一般的な活性炭と比べて、高い吸着能を確保することができる。また、第2吸着材室に設けられた脱離促進手段によって蒸発燃料の脱離が促進される。このため、第2吸着材室の高吸着能を有する活性炭の低い脱離性が向上されることによって、残存量を低減しながらも高い吸着能によって吹き抜け量を低減することができる。なお、第2吸着材室の脱離促進手段は、高吸着能を有する活性炭からの蒸発燃料の脱離を促進するものであればよく、例えば蓄熱手段及び加熱手段のうちの少なくとも一方の手段を用いることができる。」

(2)「【0033】
[実施形態5]
本発明の実施形態5を説明する。図5はキャニスタを示す断面図である。
図5に示すように、本実施形態のキャニスタ10は、前記実施形態1(図1参照)における第2室22の空気の流れ方向(図5において左右方向)の中央部に、前後2枚の通気性を有する仕切部材41,42を所定の間隔を隔てて配置することにより、両仕切部材41,42の間に吸着材(活性炭)を収納しない中空室43を形成したものである。なお、両仕切部材41,42としては、例えば不織布、発泡ウレタン等からなるフィルタ、及び、樹脂製の格子状板材等からなる通気プレート部材が用いられる。
【0034】
前記中空室43の形成によって、第2室22が中空室43を間にして2室に分割される。後側(図5において右側)の分割室44には、低吸着能を有する活性炭23(A)が収納されている。また、前側(図5において左側)の分割室45には、高吸着能を有する活性炭23(B)と蓄熱材31とが混合状態で収納されている。なお、本実施形態では、第1室21、及び、第2室22の後側の分割室44が本明細書でいう「第1吸着材室」に相当する。また、第2室22の前側の分割室45が本明細書でいう「第2吸着材室」に相当する。
【0035】
本実施形態によると、第2室22の後側の分割室44と前側の分割室45との間に設けられた中空室43により、後側の分割室44から前側の分割室45への蒸発燃料の拡散、移動を防止することができる。なお、本実施形態においても、後側の分割室44の活性炭23(A)を、高吸着能を有する活性炭23(B)に代えてもよい。また、後側の分割室44に、低吸着能を有する活性炭23(A)又は高吸着能を有する活性炭23(B)と蓄熱材31とを混合状態で収納してもよい。」

上記記載事項及び図面(特に、図5を参照。)の図示内容から、引用文献3には次の事項(以下「引用文献3記載事項」という。)が記載されている。

〔引用文献3記載事項〕
「キャニスタにおいて、大気ポートに連通する吸着材室に、高吸着能を有する活性炭と蒸発燃料の脱離を促進する脱離促進手段を収納すること。」

4 引用文献4
原査定の拒絶の理由に引用された特開2007-197472号公報(以下「引用文献4」という。)には、「炭化水素類の再利用方法」に関して、図面とともに次の事項が記載されている。

(1)「【0025】
吸着剤の材質は特に限定されないが、シリカゲル、ハイシリカゼオライト、活性炭、アルミナ、天然ゼオライトなどの公知材料を好ましく使用することが出来る。本発明の吸脱着塔内に充填する吸着剤の形状は球状、円柱状、角柱状、中空状、繊維状、紡錘状、四つ葉状、三つ葉状、ハニカム状、メッシュ状などを好ましく選択できる。またこれらの形状の異なる吸着剤を混合して使うこともできる。」

上記記載事項から、引用文献4には次の事項(以下「引用文献4記載事項」という。)が記載されている。

〔引用文献4記載事項〕
「吸着剤の形状は、球状、円柱状、角柱状、中空状、繊維状、紡錘状、四つ葉状、三つ葉状、ハニカム状、メッシュ状などを選択できること。」

5 引用文献5
原査定の拒絶の理由に引用された国際公開第2006/018985号(以下「引用文献5」という。)には、「アルカリ水溶液の精製方法」に関して次の事項が記載されている。

(1)「[0022]繊維状活性炭の長さ/直径(以下、「アスペクト比」という)は、平均で10以上であるものが望ましい。平均アスペクト比が10より小さくなるとカラムの充填密度が高くなりすぎて圧力損失が大きくなるおそれがある。一方アスペクト比の上限については、長繊維の繊維状活性炭を使用する場合には、平均アスペクト比の上限は存在せず、必要に応じて選択してよい。短繊維状の繊維状活性炭を使用する場合には、平均アスぺタト比が2000以上になると嵩高くなつてカラムへ充填しにくくなつたり、充填にむらが発生しやすくなり、好ましくない場合がある。
ここで、短繊維状の活性炭のアスペクト比のばらつき範囲と平均値の測定は、以下の方法で行なうことができる。
まず、繊維状活性炭を水に分散させ、希薄なスラリー状にする。次に、このスラリーをろ紙でろ過し、その後ろ紙を乾燥させる。そして、ろ紙上に散在している繊維状活性炭を顕微鏡で10倍に拡大した写真を撮り、写真内力もランダムに選択した30本の繊維状活性炭の繊維長を測定する。一方、ランダムに選択した10本の繊維状活性炭を3000倍に拡大した電子顕微鏡写真を撮り、繊維直径をそれぞれ測定する。10点の繊維直径の平均値をこの繊維状活性炭の繊維直径とする。この繊維状活性炭の繊維直径で上記30本の繊維状活性炭の繊維長を割り、それぞれのアスペクト比を求め、アスペクト比のばらつきの範囲と平均値を算出する。
短繊維状の繊維状活性炭を使用する場合には、より好ましい平均アスペクト比は、50?1800であり、さらに好ましくは、100?1500である。」

上記記載事項から、引用文献5には次の事項(以下「引用文献5記載事項」という。)が記載されている。

〔引用文献5記載事項〕
「繊維状活性炭のアスペクト比が小さくなると充填密度が高くなること。」

第5 対比・判断
1 本願発明1について
本願発明1と引用発明とを対比すると、引用発明における「タンクポート2d」は、その機能、構成または技術的意義から見て、本願発明1における「タンクポート」に相当し、以下同様に、「パージポート2f」は「パージポート」に、「第1吸着材層7」は「メイン吸着室」に、「大気ポート2h」は「大気ポート」に、「2層目の吸着材層8」は「領域」に、「キャニスタ」は「発燃料処理装置」に、「第3吸着材層8b」は「大気側吸着室」に、「吸着材5」は「吸着材」に、それぞれ相当する。
そして、上記相当関係を踏まえると、引用発明における「第3吸着材層8bと第1吸着材層7との間に位置する第2吸着材層8a」と、本願発明1における「大気側吸着室とメイン吸着室との間に位置する低充填吸着室」とは、「大気側吸着室とメイン吸着室との間に位置する吸着室」という限りにおいて一致している。

したがって、両者の一致点、相違点は以下のとおりである。
〔一致点〕
「タンクポート及びパージポートが接続されるメイン吸着室と、メイン吸着室より大気ポート側に形成されている吸着室を有する領域と、を備える蒸発燃料処理装置であって、
領域は、大気ポートに接続する大気側吸着室と、大気側吸着室とメイン吸着室との間に位置する吸着室とを有し、
メイン吸着室及び大気側吸着室とメイン吸着室との間に位置する吸着室には、それぞれ吸着材が充填されており、
大気側吸着室には、蒸発燃料の脱離を促進する手段を設けることなく吸着材のみが充填されており、
領域における吸着材を充填可能な容積は、メイン吸着室における吸着材を充填可能な容積よりも小さい、
蒸発燃料処理装置。」

〔相違点1〕
「大気側吸着室とメイン吸着室との間に位置する吸着室」に関して、本願発明1においては「低充填吸着室」であって「低充填吸着室における吸着材の充填率はメイン吸着室における吸着材の充填率よりも小さ」いのに対して、引用発明においては、第2吸着材層8aの吸着材の充填率は第1吸着材層7における吸着材の充填率よりも小さいかどうか不明な点。

〔相違点2〕
本願発明1においては「吸着室における蒸発燃料の流れ方向の長さをLとし、この流れ方向と直交する断面積と同等の面積となる円の直径をDとした際、低充填吸着室のL/Dは、メイン吸着室のL/Dよりも大き」いのに対して、引用発明においては、第1吸着材層7の容積は1400ccであり、第2吸着材層8aの容積は650ccであり、第3吸着材層8bの容積は50ccであるが、第2吸着材層8aのL/Dは、第1吸着材層7のL/Dよりも大きいかどうか不明な点。

〔相違点3〕
本願発明1においては、大気側吸着室に充填される吸着材の単位質量あたりの細孔容積は、低充填吸着室に充填される吸着材の単位質量あたりの細孔容積よりも「大きい」のに対して、引用発明においては、第3吸着材層8bに充填される吸着材の単位質量あたりの細孔容積は、第2吸着材層8aに充填される吸着材の単位質量あたりの細孔容積よりも「小さい」点。

上記相違点1について検討する。
引用文献2記載事項は上記のとおり「キャニスタにおいて、燃料蒸気導入ポート10dとパージポート10fに最も接近する層10b及び大気連通ポート10eに最も接近する層10gに収容される活性炭ペレット14の粒径を、それ以外の層10cに収容される活性炭ペレット14の粒径よりも小さくすること。」というものである。
活性炭ペレットの粒径が小さい方が大きい場合よりも活性炭ペレットの充填率が大きくなることは技術常識であることを踏まえると、引用文献2記載事項は「キャニスタにおいて、燃料蒸気導入ポート10dとパージポート10fに最も接近する層10b及び大気連通ポート10eに最も接近する層10gに収容される活性炭ペレット14の充填率よりも、それ以外の層10cに収容される活性炭ペレット14の充填率を小さくすること。」といえる。
ここで、引用文献2記載事項を、引用発明における、第2吸着材層8aの吸着材の充填率と第1吸着材層7における吸着材の充填率との関係に適用できるか否かについて検討する。
引用文献1の段落【0037】及び【0044】の記載から、引用発明においては、第2吸着材層8aの吸着材(活性炭B)を、第1吸着材層7における吸着材(活性炭A)よりも、蒸発燃料中の低沸点成分の残存量が少ないものとしていることが理解できる。
一方、引用文献2の段落【0006】には「上流側に大きい粒径の活性炭を配置すると空隙率を増して低圧損となる反面、吸着している燃料蒸気、例えばHC(炭化水素)を脱離するとき、パージエアがその空隙を容易に通過するためにキャニスタ内に燃料蒸気がそのまま残存し易く、」との記載があることから、大きい粒径の活性炭は、燃料蒸気が残存し易いことが理解できる。
そうすると、引用発明において、第2吸着材層8aの吸着材を燃料蒸気が残存し易い大きい粒径のものとすること、すなわち、充填率を小さくすることには、阻害事由があるといえる。
したがって、引用発明に引用文献2記載事項を適用することには阻害事由があるといえるから、上記相違点1に係る本願発明1の発明特定事項は、引用発明及び引用文献2記載事項に基いて、当業者が容易に想到することができたということはできない。
また、引用文献3記載事項ないし引用文献5記載事項は、上記相違点1に係る本願発明1の発明特定事項を開示ないし示唆するものではなく、他に、上記相違点1に係る本願発明1の発明特定事項を当業者が容易に想到できたとする証拠や根拠もない。

上記相違点3について検討する。
引用文献3記載事項は上記のとおり「キャニスタにおいて、大気ポートに連通する吸着材室に、高吸着能を有する活性炭と蒸発燃料の脱離を促進する脱離促進手段を収納すること。」というものである。そして、技術常識を踏まえると、高吸着能を有する活性炭は、単位質量あたりの細孔容積が小さいといえるので、引用文献3記載事項は「キャニスタにおいて、大気ポートに連通する吸着材室に、単位質量あたりの細孔容積が小さい活性炭と蒸発燃料の脱離を促進する脱離促進手段を収納すること。」ということができる。
ここで、引用文献3の段落【0008】の「第2吸着材室の吸着材が高吸着能を有する活性炭であるため、一般的な活性炭と比べて、高い吸着能を確保することができる。また、第2吸着材室に設けられた脱離促進手段によって蒸発燃料の脱離が促進される。このため、第2吸着材室の高吸着能を有する活性炭の低い脱離性が向上されることによって、残存量を低減しながらも高い吸着能によって吹き抜け量を低減することができる。」との記載から、脱離促進手段により、高吸着能を有する活性炭の低い脱離性が向上され、残存量を低減しながら、吹き抜け量を低減することができることが理解できる。そして、脱離促進手段がなければ、残存量が増え、吸着能も低下し、吹き抜け量を低減することができなくなることも、当業者であれば理解できることである。すなわち、脱離促進手段は、パージ時の蒸発燃料の脱離を促進するものであるが、それによって残存量を減らすことで、吸着能の低下を抑制し、吹き抜け量を低減しているものと理解できる。
そうすると、引用文献3記載事項における脱離促進手段は、高吸着能を有する活性炭における残存量を低減しながら吹き抜け量を低減するために必要不可欠なものであるといえるから、引用文献3に記載された事項から、「大気ポートに連通する吸着材室に、蒸発燃料の脱離を促進する脱離促進手段を設けることなく、単位質量あたりの細孔容積が小さい活性炭を収納すること。」という技術思想を抽出することはできない。
そして、引用発明に引用文献3記載事項をそのまま適用すると、大気ポートに連通する吸着材室に、単位質量あたりの細孔容積が小さい活性炭と蒸発燃料の脱離を促進する脱離促進手段を収納することになるから、本願発明1における「大気側吸着室には、蒸発燃料の脱離を促進する手段を設けることなく吸着材のみが充填されており」という発明特定事項を満たさなくなる。
したがって、上記相違点3に係る本願発明1の発明特定事項は、引用発明及び引用文献3記載事項に基いて、当業者が容易に想到することができたということはできない。
また、引用文献2記載事項、引用文献4記載事項及び引用文献5記載事項は、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項を開示ないし示唆するものではなく、他に、上記相違点2に係る本願発明1の発明特定事項を当業者が容易に想到できたとする証拠や根拠もない。

したがって、上記相違点2について検討するまでもなく、本願発明1は、原査定の引用文献1ないし5に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

2 本願発明2ないし7について
本願の特許請求の範囲における請求項2ないし7は、請求項1の記載を他の記載に置き換えることなく直接又は間接的に引用して記載されたものであるから、本願発明2ないし7は、本願発明1の発明特定事項を全て含むものである。
したがって、本願発明2ないし7は、本願発明1について述べたものと同様の理由により、原査定の引用文献1ないし5に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

3 小括
そうすると、本願発明1ないし7は、原査定で引用された引用文献1ないし5に記載された発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

第6 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2020-07-28 
出願番号 特願2015-132536(P2015-132536)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (F02M)
最終処分 成立  
前審関与審査官 家喜 健太  
特許庁審判長 渡邊 豊英
特許庁審判官 谷治 和文
鈴木 充
発明の名称 蒸発燃料処理装置  
代理人 特許業務法人岡田国際特許事務所  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ