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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 C03C
管理番号 1364629
審判番号 不服2019-7586  
総通号数 249 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-09-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-06-07 
確定日 2020-08-18 
事件の表示 特願2018-191121「複層ガラス及びその組立方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 4月16日出願公開、特開2020- 59620、請求項の数(2)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成30年10月 9日を出願日とするものであって、同年12月12日付けで拒絶理由が通知され、平成31年 2月13日付けで意見書及び手続補正書が提出され、同年 4月 3日付けで拒絶査定がされ、令和 1年 6月 7日付けで拒絶査定不服審判の請求がされたものである。

第2 本願発明
本願の請求項1?2に係る発明は、平成31年 2月13日付け手続補正書によって補正された特許請求の範囲の請求項1?2に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである(以下、「本願発明1」?「本願発明2」という。)。
「【請求項1】
一つの枠体である外側スペーサにより形成される厚さ方向の間隔をあけて対向する一対のガラス板と、
前記一対のガラス板と並行して前記間隔間に配置される透光性を有する透光性板と、
前記透光性板の一方の面に固定され、前記透光性板とともに前記間隔間に配置される一つの枠体である内側スペーサとを備え、
前記透光性板と前記内側スペーサの厚さ合計は、前記外側スペーサの厚さより小さく、前記透光性板の面広さ寸法は、前記外側スペーサの枠内寸法より小さく、
前記内側スペーサが固定された前記透光性板は、前記一対のガラス板及び前記外側スペーサに対して固定されずに前記間隔間に配置され、厚さ方向及び面広さ方向に隙間を有する複層ガラスの組立方法であって、
前記一対のガラス板を構成する第一のガラス板と第二のガラス板のうちの前記第一のガラス板の一方のガラス面に前記外側スペーサを固定し、
前記透光性板を前記外側スペーサの枠内に固定せずに配置し、
前記透光性板における前記第一のガラス板と対向する面の反対面に、前記内側スペーサを固定し、
前記第一のガラス板と対向するように、前記第二のガラス板を前記外側スペーサに固定することを特徴とする複層ガラスの組立方法。
【請求項2】
一つの枠体である外側スペーサにより形成される厚さ方向の間隔をあけて対向する一対のガラス板と、
前記一対のガラス板と並行して前記間隔間に配置される透光性を有する透光性板と、
前記透光性板の一方の面に固定され、前記透光性板とともに前記間隔間に配置される一つの枠体である内側スペーサとを備え、
前記透光性板と前記内側スペーサの厚さ合計は、前記外側スペーサの厚さより小さく、前記透光性板の面広さ寸法は、前記外側スペーサの枠内寸法より小さく、
前記内側スペーサが固定された前記透光性板は、前記一対のガラス板及び前記外側スペーサに対して固定されずに前記間隔間に配置され、厚さ方向及び面広さ方向に隙間を有する複層ガラスの組立方法であって、
前記一対のガラス板を構成する第一のガラス板と第二のガラス板のうちの前記第一のガラス板の一方のガラス面にフレーム形状の外側スペーサを固定し、
前記透光性板とその一方面に固定された前記内側スペーサとを有して構成される中間パネルユニットを前記外側スペーサの枠内に固定せずに配置し、
前記第一のガラス板と対向するように、前記第二のガラス板を前記外側スペーサに固定することを特徴とする複層ガラスの組立方法。」

第3 原査定の拒絶の理由の概要
原査定の拒絶の理由の概要は、以下のとおりである。
本願発明1?2は、本願の出願前に日本国内又は外国において、頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった以下の引用文献1に記載された発明に基づいて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献
1.特開2006-132082号公報

第4 当審の判断
1 引用文献1の記載事項及び引用文献1に記載される発明
ア 引用文献1には、以下の(1a)?(1e)の事項が記載されている(当審注:下線は当審で付した。また、「…」は記載の省略を表す。以下、同様である。)。
(1a)「【請求項1】
複層ガラスと、自己消火性樹脂パネルとを備え、複層ガラスは一方及び他方のガラスと、両ガラスの周縁部間に配置したスペーサとの間に空気層を形成してあり、自己消火性樹脂パネルは下縁部のみで自重を支持し且つ両ガラスと間隔をあけて空気層内に配置したことを特徴とする複層パネル体。」

(1b)「【0010】
以下に、図1?図3を参照して本発明の第1実施の形態を説明する。図1は図3に示す障子の縦断面図であり、図2は図3に示す障子の横断面図であり、図3は第1実施の形態にかかる複層パネル体を用いたサッシを室内側からみた正面図である。
第1実施の形態にかかる複層パネル体1は、サッシ3の障子5に用いられており、四周が框7にはめ込まれている。
複層パネル体1は、複層ガラス13と、複層ガラス13の内部に設けたポリカーボネートパネル(自己消火性樹脂パネルであり且つ難燃性樹脂パネルでもある)15とを備えている。
複層ガラス13は、互いに対向する一方のガラス17と他方のガラス19とを有しており、一方のガラス17の周縁部と他方のガラス19の周縁部との間にスペーサ21を配置して、一方のガラス17と他方のガラス19とスペーサ21の間に空気層Sを形成している。スペーサ21は、一方及び他方のガラス17、19の周縁に沿って連続して設けてあり、一方及び他方のガラス17、19を接合している。
ポリカーボネートパネル15は空気層S内に配置されている。ポリカーボネートパネル15の周縁部には、一方のガラス17との間及び他方のガラス19との間に各々位置決めブロック23が設けてあり、一方のガラス17とポリカーボネートパネル15との間及び他方のガラス19との間に各々間隔をあけている。
位置決めブロック23は、複数設けてあり、ポリカーボネートパネル15の両面において周縁に沿って配置され且つ隣合う位置決めブロック23が互いに間隔をあけて設けてある(図3参照)。
ポリカーボネートパネル15の周縁において、下縁部15aはスペーサ21の上面に載置してあるのみで、スペーサ21や一方及び他方のガラス17、19には固定されていない。また、左右上縁部もスペーサ21に当接しているが、スペーサ21や一方及び他方のガラス17、19に固定されてなく、下縁部15aのみで自重を支持している。
【0011】
次に、本実施の形態にかかる複層パネル体の製造、作用及び効果について説明する。
複層パネル体1の製造は、ポリカーボネートパネル15の両面に周縁に沿って位置決めブロック23を間隔をあけて接着固定し、次に、一方のガラス17と他方のガラス19との間にポリカーボネートパネル15を配置して一方のガラス17と他方のガラス19をスペーサ21で接合する。

更に、本実施の形態によれば、複層パネル体1の製造は、ポリカーボネ一トパネル15を一方及び他方のガラス17、19間に配置するだけで、スペーサ21や一方及び他方のガラス17、19との接着や固定等が必要ないから、製造が容易である。
…」

(1c)「【0015】
本発明は、上述した実施の形態に限らず、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々変形可能である。

ポリカーボネートパネル15の上左右縁はそれぞれスペーサ21の内周側面に当接しないで離間して配置するものであってもよい。
第1、第3及び第4実施の形態において位置決めブロック23はポリカーボネートパネル15の上縁部及び下縁部のみに設けたり、左右縁部にのみ設けるものであってもよいし、位置決めブロック23を設けないものであってもよい。また、第1実施の形態において、位置決めブロック23はポリカーボネートの周縁に沿って連続しているものであってもよい。
ポリカーボネートパネル15は複層ガラス13の空気層Sでパネル面が撓んでいたり曲がっていてもよいし、曲がりにより面の中央部分が一方又は他方のガラス17、19に当接してもよい。
…」

(1d)「



(1e)「



イ 前記ア(1a)によれば、引用文献1には「複層パネル体」が記載されており、前記ア(1b)、(1d)、(1e)によれば、当該「複層パネル体」は、複層ガラスと、複層ガラスの内部に設けたポリカーボネートパネルとを備え、複層ガラスは、互いに対向する一方のガラスと他方のガラスとを有しており、一方のガラスの周縁部と他方のガラスの周縁部との間にスペーサを配置して、一方のガラスと他方のガラスとスペーサの間に空気層を形成しているものであり、スペーサは、一方及び他方のガラスの周縁に沿って連続して設けてあり、一方及び他方のガラスを接合しているものである。
そして、ポリカーボネートパネルは空気層内に配置され、ポリカーボネートパネルの周縁部には、一方のガラスとの間及び他方のガラスとの間に各々位置決めブロックが設けてあり、一方のガラスとポリカーボネートパネルとの間及び他方のガラスとの間に各々間隔をあけているものであり、位置決めブロックは複数設けてあり、ポリカーボネートパネルの両面において周縁に沿って配置され且つ隣合う位置決めブロックが互いに間隔をあけて設けてあるものであり、ポリカーボネートパネルの周縁において、下縁部はスペーサの上面に載置してあるのみで、スペーサや一方及び他方のガラスには固定されていないものであり、また、左右上縁部もスペーサに当接しているが、スペーサや一方及び他方のガラスに固定されてなく、下縁部のみで自重を支持しているものである。
また、前記「複層パネル体」の製造は、ポリカーボネートパネルの両面に周縁に沿って位置決めブロックを間隔をあけて接着固定し、次に、一方のガラスと他方のガラスとの間にポリカーボネートパネルを配置して一方のガラスと他方のガラスをスペーサで接合することで行われるものである。

ウ そして、前記イの「複層パネル体」の製造に注目すると、引用文献1には以下の発明が記載されているといえる。
「複層ガラスと、複層ガラスの内部に設けたポリカーボネートパネルとを備える複層パネル体であり、
複層ガラスは、互いに対向する一方のガラスと他方のガラスとを有しており、一方のガラスの周縁部と他方のガラスの周縁部との間にスペーサを配置して、一方のガラスと他方のガラスとスペーサの間に空気層を形成しており、スペーサは、一方及び他方のガラスの周縁に沿って連続して設けてあり、一方及び他方のガラスを接合しているものであり、
ポリカーボネートパネルは空気層内に配置され、ポリカーボネートパネルの周縁部には、一方のガラスとの間及び他方のガラスとの間に各々位置決めブロックが設けてあり、一方のガラスとポリカーボネートパネルとの間及び他方のガラスとの間に各々間隔をあけてあるものであり、
位置決めブロックは複数設けてあり、ポリカーボネートパネルの両面において周縁に沿って配置され且つ隣合う位置決めブロックが互いに間隔をあけて設けてあり、ポリカーボネートパネルの周縁において、下縁部はスペーサの上面に載置してあるのみで、スペーサや一方及び他方のガラスには固定されていないものであり、また、左右上縁部もスペーサに当接しているが、スペーサや一方及び他方のガラスに固定されてなく、下縁部のみで自重を支持している複層パネル体の製造であって、
ポリカーボネートパネルの両面に周縁に沿って位置決めブロックを間隔をあけて接着固定し、次に、一方のガラスと他方のガラスとの間にポリカーボネートパネルを配置して一方のガラスと他方のガラスをスペーサで接合する、複層パネル体の製造。」(以下、「引用発明」という。)

2 対比・判断
(1)本願発明1について
ア 対比
(ア)本願発明1と引用発明とを対比すると、引用発明における「複層パネル体」及び「複層パネル体の製造」は、それぞれ、本願発明1における「複層ガラス」及び「複層ガラスの組立方法」に相当し、引用発明における「スペーサ」、「一方及び他方のガラス」、「ポリカーボネートパネル」は、それぞれ、本願発明1における「一つの枠体である外側スペーサ」、「一つの枠体である外側スペーサにより形成される厚さ方向の間隔をあけて対向する一対のガラス板」、「前記一対のガラス板と並行して前記間隔間に配置される透光性を有する透光性板」に相当する。
また、引用発明において、「ポリカーボネートパネルの周縁部に」「設け」られる「位置決めブロック」は、本願発明1における「前記透光性板」「に固定され、前記透光性板とともに前記間隔間に配置される」「内側スペーサ」に相当し、引用発明において、「ポリカーボネートパネルの周縁において、下縁部はスペーサの上面に載置してあるのみで、スペーサや一方及び他方のガラスには固定されていないものであり、また、左右上縁部もスペーサに当接しているが、スペーサや一方及び他方のガラスに固定されてなく、下縁部のみで自重を支持している」ことは、本願発明1において、「前記内側スペーサが固定された前記透光性板は、前記一対のガラス板及び前記外側スペーサに対して固定されずに前記間隔間に配置され」ることに相当する。
更に、引用発明において、「一方のガラスと他方のガラスとの間にポリカーボネートパネルを配置して一方のガラスと他方のガラスをスペーサで接合する」ことは、本願発明1において、「第一のガラス板と対向するように、第二のガラス板を外側スペーサに固定する」ことに相当する。

(イ)前記(ア)によれば、本願発明1と引用発明とは、
「一つの枠体である外側スペーサにより形成される厚さ方向の間隔をあけて対向する一対のガラス板と、
前記一対のガラス板と並行して前記間隔間に配置される透光性を有する透光性板と、
前記透光性板に固定され、前記透光性板とともに前記間隔間に配置される内側スペーサとを備え、
前記内側スペーサが固定された前記透光性板は、前記一対のガラス板及び前記外側スペーサに対して固定されずに前記間隔間に配置される複層ガラスの組立方法であって、
前記第一のガラス板と対向するように、前記第二のガラス板を前記外側スペーサに固定する、複層ガラスの組立方法。」
である点で一致し、以下の点で相違している。

・相違点1:本願発明1は、「複層ガラスの組立方法」における「内側スペーサ」が、「透光性板の一方の面に固定され」る、との発明特定事項を有するのに対して、引用発明は、「内側スペーサ」が、「透光性板」の両面において周縁に沿って配置されるものである点。

・相違点2:本願発明1は、「複層ガラスの組立方法」における「内側スペーサ」が、「一つの枠体である」、との発明特定事項を有するのに対して、引用発明は、隣合う「内側スペーサ」が互いに間隔をあけて設けてある点。

・相違点3:本願発明1は、「複層ガラスの組立方法」が、「前記透光性板と前記内側スペーサの厚さ合計は、前記外側スペーサの厚さより小さく、前記透光性板の面広さ寸法は、前記外側スペーサの枠内寸法より小さく」、「透光性板は」、「厚さ方向及び面広さ方向に隙間を有する」、との発明特定事項を有するのに対して、引用発明は、「透光性板」と「内側スペーサ」の厚さ合計が「外側スペーサ」の厚さより小さいか否かが明らかでなく、また、「透光性板」の周縁において、下縁部は「外側スペーサ」の上面に載置してあり、左右上縁部も「外側スペーサ」に当接している点。

・相違点4:本願発明1は、「複層ガラスの組立方法」が、「前記一対のガラス板を構成する第一のガラス板と第二のガラス板のうちの前記第一のガラス板の一方のガラス面に前記外側スペーサを固定し、前記透光性板を前記外側スペーサの枠内に固定せずに配置し、前記透光性板における前記第一のガラス板と対向する面の反対面に、前記内側スペーサを固定」する、との発明特定事項を有するのに対して、引用発明は前記発明特定事項を有しない点。

イ 判断
(ア)最初に、前記ア(イ)の相違点1から検討すると、前記1ア(1c)によれば、引用文献1には、引用発明における「内側スペーサ」は、「透光性板」の上縁部及び下縁部のみに設けたり、左右縁部にのみ設けるものであってもよいし、「内側スペーサ」を設けないものであってもよいことが記載されているが、「内側スペーサ」を「透光性板の一方の面に固定」することは記載されていない。

(イ)そこで、引用発明において、「内側スペーサ」を「透光性板の一方の面に固定」することを、当業者が容易になし得るか否かについて検討すると、引用発明は、「内側スペーサ」を「透光性板」の両面に設けて、一方のガラス(例えば「第一のガラス板」)と「透光性板」との間及び他方のガラス(例えば「第二のガラス板」)との間に各々間隔をあけるものである。
そして、一方のガラス(例えば「第一のガラス板」)と「透光性板」との間及び他方のガラス(例えば「第二のガラス板」)との間に、「内側スペーサ」によって各々間隔をあける場合、当該「内側スペーサ」は「透光性板」の両面に配置されるものであり、「内側スペーサ」を「透光性板の一方の面に固定」することは考え難いので、引用文献1の記載に接した当業者が、引用発明において、「内側スペーサ」を、「透光性板の一方の面に固定され」るものとすることは困難である。

(ウ)前記(イ)によれば、引用発明において、「内側スペーサ」を、「透光性板の一方の面に固定され」るものとすることを当業者が容易になし得るとはいえないから、引用発明において、「複層ガラスの組立方法」における「内側スペーサ」を、「透光性板の一方の面に固定され」る、との前記相違点1に係る本願発明1の発明特定事項を有するものとすることを、引用文献1の記載事項に基づいて当業者が容易になし得るとはいえない。
したがって、そのほかの相違点について検討するまでもなく、本願発明1を引用発明及び引用文献1の記載事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(2)本願発明2について
ア 対比
前記(1)ア(ア)と同様にして本願発明2と引用発明とを対比すると、本願発明2と引用発明とは、少なくとも以下の点で相違する。

・相違点1’:本願発明2は、「複層ガラスの組立方法」における「内側スペーサ」が、「透光性板の一方の面に固定され」る、との発明特定事項を有するのに対して、引用発明は、「内側スペーサ」が、「透光性板」の両面において周縁に沿って配置されるものである点。

イ 判断
前記アの相違点1’は、前記(1)ア(イ)の相違点1と同じものであって、「複層ガラスの組立方法」における「内側スペーサ」を、「透光性板の一方の面に固定され」る、との前記相違点1に係る本願発明1の発明特定事項を有するものとすることを、引用文献1の記載事項に基づいて当業者が容易になし得るとはいえないこと、このため、そのほかの相違点について検討するまでもなく、本願発明1を引用発明及び引用文献1の記載事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえないことは、前記(1)イ(ウ)に記載のとおりである。
してみれば、同様の理由により、本願発明2も、引用発明及び引用文献1の記載事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとはいえない。

(3)小括
したがって、本願発明1?2は、いずれも、引用文献1に記載される発明及び引用文献1の記載事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

第5 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2020-07-29 
出願番号 特願2018-191121(P2018-191121)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (C03C)
最終処分 成立  
前審関与審査官 大塚 晴彦末松 佳記村岡 一磨  
特許庁審判長 宮澤 尚之
特許庁審判官 岡田 隆介
金 公彦
発明の名称 複層ガラス及びその組立方法  
代理人 土井 健二  
代理人 松枝 浩一郎  
代理人 林 恒徳  

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