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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06Q
管理番号 1365560
審判番号 不服2019-9478  
総通号数 250 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-10-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-07-16 
確定日 2020-09-08 
事件の表示 特願2018- 36987「表示プログラム、表示装置及び表示方法」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 9月12日出願公開、特開2019-153007、請求項の数(14)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成30年3月1日の出願であって、同年11月20日付けで拒絶理由通知がなされ、平成31年1月25日付けで手続補正がなされたが、同年4月10日付けで拒絶査定(原査定)がなされ、これに対し、令和1年7月16日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。


第2 原査定の概要
原査定(平成31年4月10日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1-4、6-15に係る発明は、以下の引用文献1-7に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特開2009-129119号公報
2.米国特許出願公開第2010/0082454号明細書
3.特開2013-167917号公報
4.特開2011-232082号公報
5.国際公開第2007/122989号
6.特開2004-347333号公報
7.特開2002-358002号公報


第3 本願発明
本願請求項1-14に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明14」という。)は、令和1年7月16日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-14に記載された事項により特定される発明であり、請求項14に係る発明(以下、「本願発明14」という。)は以下のとおりの発明である。

「【請求項14】
表示装置が実行する表示方法であって、
商品の売買に関する売買情報を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された売買情報であって、現時点から所定時間前までの間に購入された商品の中で商品の販売個数又は売上高が多いほど優先的に選択された商品に関する売買情報に基づいて、前記売買における売主に関する所在位置と、前記売買における買主に関する所在位置とを対応付けた対応情報を地図情報とともに前記買主以外のユーザのユーザ装置に表示する表示工程と、
を含むことを特徴とする表示方法。」

本願発明1は、本願発明14の各工程に対応する手順をコンピュータに実行させるプログラムの発明である。
本願発明2-12は、本願発明1を減縮した発明である。
本願発明13は、本願発明14に対応する装置の発明であり、本願発明14とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。


第4 引用文献、引用発明等
1.引用文献1について
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、実施形態1bにおけるユーザ端末の情報表示処理について、次の事項が記載されている(下線は当審において付与した。)。
なお、後記ス.によれば、実施形態1bの情報表示処理のうち、S27?S30a、b、S50?S52a、b以外は実施形態1aと同様であるので、実施形態1aの情報表示処理も引用する。

ア.「【0036】
・出荷情報…表示データの一例、発送側情報と受取側情報との組(図18(a)参照)
・発送側情報…特定の商品を販売した店舗の所在地(出発地点)の位置情報及びその商品に関する情報(図18(b)参照)
・受取側情報…特定の商品を購入した会員の居住地(到着地点)の位置情報及びその商品に対するレビューの記載事項(図18(c)参照)」

イ.「【0037】
(中略)
・画像表示レイヤ…情報閲覧ページ内の地図表示領域に重なる範囲の前面に動的に生成される画像を表示させるレイヤ」

ウ.「【0038】
(中略)
以下の説明には、「仮想商店街管理サービスを利用して店舗が販売する商品を会員が購入した」という事実を示す情報を、第三者であるユーザが閲覧する場合を例として用いている。」

エ.「【0041】
(1-2.実施形態のシステムの概要)
本実施形態のシステムは、「仮想商店街管理サービスを利用して店舗が販売する商品を会員が購入した」という事実に関し、その取引対象の商品が販売者たる店舗の所在地から購入者たる会員の居住地まで移動する様子を、商品に関する情報やレビューの記載事項とともに、ユーザ端末50の画面に表示された地図上に動的に再現させるシステムである。
前提として、店舗端末30を利用する店舗と会員端末40を利用する会員との間で、仮想商店街管理システム10を利用した商品の売買取引が成立しているものとする。また、該取引の成立後、会員は、会員端末40を利用して、該取引において購入した商品を対象とするレビューを仮想商店街管理システム10に投稿しているものとする。」

オ.「【0074】
(5-1.レビューの特定)
図16及び図17に示すように、情報表示サーバ60は、仮想商店街管理システム10に、新着レビューの一覧ページ(例えば、一覧ページ800(図8))を要求し、受信する(S1605)。この処理は、所定の時間(例えば、1時間)ごとに行なう。
このとき、情報表示サーバ60は、上記所定の時間(例えば、1時間)あたりに投稿(更新)される新着レビューの件数(例えば、80件程度)を勘案し取得漏れが生じないように設定した所定の件数(例えば、100件)のレビューを、受信した新着レビューの一覧ページから取得し、所定の記憶手段(キャッシュ)に保持しておく。
(中略)
【0075】
続いて、情報表示サーバ60は、所定の記憶手段(キャッシュ)に記憶してあるレビューの中から、一のレビューを特定する(S1610)。本実施形態では、ここで、最新のレビューを特定している。
このとき、受信した一覧ページから、そのレビューを投稿した会員の「ニックネーム」、そのレビューの「レビュー本文」及びそのレビューを投稿した会員の「その会員が投稿したレビューの一覧ページのURL」を抽出し、所定の記憶手段に一時的に記憶しておく。」

カ.「【0079】
一方、その会員の居住地域(都道府県)が抽出できたとき(S1635でYes)、情報表示サーバ60は、その居住地域(都道府県)の県庁所在都市の位置情報(緯度・経度)を取得し、これを「到着地点」の位置情報として所定の記憶手段に一時的に記憶しておく(S1640)。」

キ.「【0081】
(5-3.発送側情報の生成)
図16及び図17に戻り、受取側情報を生成すると、続いて、情報表示サーバ60は、仮想商店街管理システム10の商品情報データベース13から、特定したレビュー(S1610の処理で特定したレビュー)の「対象商品の商品名」、「対象商品の商品価格」、「対象商品の商品説明文」、「対象商品の商品画像URL」及び「対象商品の選択ページURL」を取得し、所定の記憶手段に一時的に記憶しておく(S1650)。
(中略)
【0082】
続いて、情報表示サーバ60は、仮想商店街管理システム10にそのレビューの対象商品を販売する店舗の案内ページ(例えば、紹介ページ400(図4))を要求し、受信する(S1655)。
続いて、情報表示サーバ60は、受信した案内ページからその店舗の所在地を抽出する(S1660)。さらに、その所在地の位置情報(緯度・経度)を取得し、これを「到着地点」の位置情報として所定の記憶手段に一時的に記憶する(S1665)。」

ク.「【0102】
(中略)
図19-1に戻り、ユーザ端末50は、情報表示サーバ60が送信した出荷情報を受信する(S12a)と、出荷情報に含まれる発送側情報及び受取側情報の各項目を、それぞれ変数に格納する(S14a)。」

ケ.「【0115】
(1a-8.画像の移動)
続いて、ユーザ端末50は、画像を選択する処理(S26)で選択した画像を、出発地点から到着地点まで移動させる処理を行なう(S34?S44)。
(中略)
この処理においては、出発地点と到着地点を両端とする線分を所定の数(例えば、100)に分割し、出発地点側からn番目の地点(例えば、0≦n≦100)の位置(緯度・経度)に対応する画面表示領域のピクセル座標(Yn、Xn)に画像を表示する処理を繰り返している。」

コ.「【0117】
図24に、情報閲覧ページにおいて地図上で出発地点と到着地点とを両端とする線分上を移動する画像が線分上の一地点に表示されている状態の例を示す。」

サ.「【0118】
(1a-9.地図のスクロール、受取側情報の表示)
図19-2に戻り、処理がループを抜けたとき(S42でYes)、ユーザ端末50は、出発地点のマーカー及び出発地点に対応付けて表示させていた情報ウィンドウを消去する(S46)とともに、画像表示レイヤの属性を「非表示」とする(S48)。」

シ.「【0126】
<実施形態1bの説明>
実施形態1bにおけるユーザ端末による情報表示処理の流れを、実施形態1aとの差異点を中心に、図27のフローチャート並びに図21?図26(表示例A)及び図28?図33の表示例(表示例B)を用いて説明する。
以下の説明には、ユーザ端末50が情報表示サーバ60に出荷情報を要求した後、情報表示サーバ60から受信した出荷情報を表示させる場合を例として用いている。」

ス.「【0127】
(1b-1.実施形態1aとの相違点)
実施形態1bは、上述の実施形態1aと、下記(a)及び(b)の2点において相違する。その他の点は、実施形態1aと同様である。
(a)中間地点を中心とする地図の表示領域に出発地点が表示されているか否かにより、処理を分岐する(図27-2のS28?S30a、b)。
(b)出発地点が含まれている地図の表示領域に到着地点が表示されているか否かにより、処理を分岐する(図27-3のS50?S52a、b)。」

セ.「【0129】
中間地点を中心とする地図の表示領域に出発地点が表示されていないとき(S28でNo)、ユーザ端末50は、出発地点にマーカーを表示した上で、地図表示領域内に出発地点が表示されるように地図をスクロールする(S30a)。この場合、ユーザ端末50は、必要に応じて、地図表示領域に表示されていない範囲の地図データ(差分のブロック)を地図情報提供システム80から取得する。
一方、中間地点を中心とする地図の表示領域に出発地点が表示されているとき(S28でYes)、ユーザ端末50は、出発地点にマーカーを表示するのみで、地図のスクロール処理は行なわない(S30b)。」

ソ.「【0131】
出発地点が含まれている地図の表示領域に到着地点が表示されていないとき(S50でNo)、ユーザ端末50は、到着地点にマーカーを表示した上で、地図表示領域内に到着地点が表示されるように地図をスクロールする(S52a)。この場合、ユーザ端末50は、必要に応じて、地図表示領域に表示されていない範囲の地図データ(差分のブロック)を地図情報提供システム80から取得する。
一方、出発地点が含まれている地図の表示領域に到着地点が表示されているとき(S50でYes)、ユーザ端末50は、到着地点にマーカーを表示するのみで、地図のスクロール処理を行なわない(S52b)。」

前記ア.?ソ.によれば、引用文献1には、次の事項が記載されているといえる。
・前記エ.の「本実施形態のシステムは、「仮想商店街管理サービスを利用して店舗が販売する商品を会員が購入した」という事実に関し、その取引対象の商品が販売者たる店舗の所在地から購入者たる会員の居住地まで移動する様子を、商品に関する情報やレビューの記載事項とともに、ユーザ端末50の画面に表示された地図上に動的に再現させるシステムである。」の記載、及び、前記シ.の「実施形態1bにおけるユーザ端末による情報表示処理の流れを、実施形態1aとの差異点を中心に、図27のフローチャート並びに図21?図26(表示例A)及び図28?図33の表示例(表示例B)を用いて説明する」の記載によれば、
引用文献1には、「仮想商店街管理サービスを利用して店舗が販売する商品を会員が購入した事実に関し、商品が店舗の所在地から会員の居住地まで移動する様子を、ユーザ端末50の画面に表示した地図上に動的に再現させるシステムにおける、ユーザ端末の情報表示処理方法」が記載されているといえる。

・前記エ.の「該取引の成立後、会員は、会員端末40を利用して、該取引において購入した商品を対象とするレビューを仮想商店街管理システム10に投稿しているものとする。」の記載によれば、
引用文献1には「会員は、取引の成立後、購入した商品を対象とするレビューを仮想商店街管理システム10に投稿しており」が記載されているといえる。

・前記ウ.の「「仮想商店街管理サービスを利用して店舗が販売する商品を会員が購入した」という事実を示す情報を、第三者であるユーザが閲覧する場合を例として用いている。」の記載によれば、
引用文献1には「ユーザ端末のユーザは、前記事実に対して第三者であり」が記載されているといえる。

・前記ク.の「ユーザ端末50は、情報表示サーバ60が送信した出荷情報を受信する(S12a)と、出荷情報に含まれる発送側情報及び受取側情報の各項目を、それぞれ変数に格納する(S14a)。」の記載によれば、
引用文献1には「ユーザ端末は、情報表示サーバ60から出荷情報を受信し、当該出荷情報に含まれる発送側情報及び受取側情報を格納し」が記載されているといえる。

・前記ア.の「受取側情報…特定の商品を購入した会員の居住地(到着地点)の位置情報」の記載、
前記オ.の「情報表示サーバ60は、仮想商店街管理システム10に、新着レビューの一覧ページ(例えば、一覧ページ800(図8))を要求し、受信する(S1605)。」の記載、
前記オ.の「所定の件数(例えば、100件)のレビューを、受信した新着レビューの一覧ページから取得し、所定の記憶手段(キャッシュ)に保持しておく」の記載、
前記オ.の「情報表示サーバ60は、所定の記憶手段(キャッシュ)に記憶してあるレビューの中から、一のレビューを特定する(S1610)。(中略)このとき、受信した一覧ページから、そのレビューを投稿した会員の「ニックネーム」、そのレビューの「レビュー本文」及びそのレビューを投稿した会員の「その会員が投稿したレビューの一覧ページのURL」を抽出し、所定の記憶手段に一時的に記憶しておく。」の記載、
前記カ.の「その会員の居住地域(都道府県)が抽出できたとき(S1635でYes)、情報表示サーバ60は、その居住地域(都道府県)の県庁所在都市の位置情報(緯度・経度)を取得し、これを「到着地点」の位置情報として所定の記憶手段に一時的に記憶しておく(S1640)」の記載によれば、
引用文献1には、「前記受取側情報は到着地点の位置情報を含み、到着地点の位置情報は、仮想商店街管理システム10の新着レビュー一覧ページの中から特定された一のレビューにおいて、当該レビューを投稿した会員が居住する都道府県の県庁所在都市の位置情報であり」が記載されているといえる。

・前記ア.の「発送側情報…特定の商品を販売した店舗の所在地(出発地点)の位置情報」の記載、
前記キ.の『情報表示サーバ60は、仮想商店街管理システム10の商品情報データベース13から、特定したレビュー(S1610の処理で特定したレビュー)の「対象商品の商品名」、(中略)を取得し、所定の記憶手段に一時的に記憶しておく』の記載、
前記キ.の「続いて、情報表示サーバ60は、仮想商店街管理システム10にそのレビューの対象商品を販売する店舗の案内ページ(例えば、紹介ページ400(図4))を要求し、受信する(S1655)。
続いて、情報表示サーバ60は、受信した案内ページからその店舗の所在地を抽出する(S1660)。さらに、その所在地の位置情報(緯度・経度)を取得し、これを「到着地点」の位置情報として所定の記憶手段に一時的に記憶する(S1665)。」の記載によれば、
引用文献1には、「発送側情報は出発地点の位置情報を含み、当該位置情報は、特定された一のレビューの対象商品を販売する店舗の所在地の位置情報であり」が記載されているといえる。

・前記セ.の「中間地点を中心とする地図の表示領域に出発地点が表示されていないとき(S28でNo)、ユーザ端末50は、出発地点にマーカーを表示した上で、地図表示領域内に出発地点が表示されるように地図をスクロールする(S30a)。」、「一方、中間地点を中心とする地図の表示領域に出発地点が表示されているとき(S28でYes)、ユーザ端末50は、出発地点にマーカーを表示するのみで、地図のスクロール処理は行なわない(S30b)。」の記載によれば、
引用文献1には、「ユーザ端末は、地図の出発地点にマーカーを表示し」が記載されているといえる。

・前記ケ.の「続いて、ユーザ端末50は、画像を選択する処理(S26)で選択した画像を、出発地点から到着地点まで移動させる処理を行なう(S34?S44)。」の記載 前記コ.の「地図上で出発地点と到着地点とを両端とする線分上を移動する画像が線分上の一地点に表示されている」の記載によれば、
引用文献1には、「ユーザ端末は、地図上で、画像を選択する処理で選択した画像を出発地点から到着地点まで移動させる処理を行い」が記載されているといえる。

・前記サ.の「処理がループを抜けたとき(S42でYes)、ユーザ端末50は、出発地点のマーカー及び出発地点に対応付けて表示させていた情報ウィンドウを消去する(S46)とともに、画像表示レイヤの属性を「非表示」とする(S48)。」の記載、
前記ソ.の「出発地点が含まれている地図の表示領域に到着地点が表示されていないとき(S50でNo)、ユーザ端末50は、到着地点にマーカーを表示した上で、地図表示領域内に到着地点が表示されるように地図をスクロールする(S52a)。(中略)一方、出発地点が含まれている地図の表示領域に到着地点が表示されているとき(S50でYes)、ユーザ端末50は、到着地点にマーカーを表示するのみで、地図のスクロール処理を行なわない(S52b)。」の記載、
前記ケ.の「この処理においては、出発地点と到着地点を両端とする線分を所定の数(例えば、100)に分割し、出発地点側からn番目の地点(例えば、0≦n≦100)の位置(緯度・経度)に対応する画面表示領域のピクセル座標(Yn、Xn)に画像を表示する処理を繰り返している」の記載、
前記イ.の「画像表示レイヤ…情報閲覧ページ内の地図表示領域に重なる範囲の前面に動的に生成される画像を表示させるレイヤ」の記載によれば、
引用文献1には、「ユーザ端末は、前記画像が到着地点まで移動すると、出発地点のマーカーを消去し、前記画像を非表示とし、到着地点にマーカーを表示する」が記載されているといえる。

したがって、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されている。
「仮想商店街管理サービスを利用して店舗が販売する商品を会員が購入した事実に関し、商品が店舗の所在地から会員の居住地まで移動する様子を、ユーザ端末50の画面に表示した地図上に動的に再現させるシステムにおける、ユーザ端末の情報表示処理方法であって(【0041】【0126】)、
前記会員は、取引の成立後、購入した商品を対象とするレビューを仮想商店街管理システム10に投稿しており(【0041】)、
前記ユーザ端末のユーザは、前記事実に対して第三者であり(【0038】)、
ユーザ端末は、情報表示サーバ60から出荷情報を受信し(S12a、【0102】)、当該出荷情報に含まれる発送側情報及び受取側情報を格納し(S14a、【0102】)、
前記受取側情報は到着地点の位置情報を含み、到着地点の位置情報は、仮想商店街管理システム10の新着レビュー一覧ページの中から特定された一のレビューにおいて、当該レビューを投稿した会員が居住する都道府県の県庁所在都市の位置情報であり、
前記発送側情報は出発地点の位置情報を含み、当該位置情報は、特定された一のレビューの対象商品を販売する店舗の所在地の位置情報であり、
ユーザ端末は、地図の出発地点にマーカーを表示し(S30a、S30b、【0129】)、
ユーザ端末は、地図上で、画像を選択する処理で選択した画像を出発地点から到着地点まで移動させる処理を行い(S34?S44、【0115】【0117】)、前記画像が到着地点まで移動すると(S42、【0118】)、出発地点のマーカーを消去し(S46、【0118】)、前記画像を非表示とし(S48、【0118】)、到着地点にマーカーを表示する(S52a、S52b、【0131】)、
ユーザ端末の情報表示処理方法。」

2.引用文献2について
引用文献2には、次の事項が記載されている。
ア.「[0022] FIG. 1 illustrates a system 100 for generating a view of a purchase history according to an exemplary aspect of the present invention. As illustrated in FIG. 1, the system 100 includes an electronic receipt generator (ERG) 101a-101b(e.g., plural electronic receipt generators) for generating a geocoded (have geocoded in parenthetic statement that follows) electronic receipt (e.g., plural of geotagged electronic receipts) including information regarding a purchase by a customer, a storage device 105 (e.g., electronic receipt vault) for storing the electronic receipt, and a display screen generator 107 (e.g., processing device) which accesses the electronic receipt in the storage device to generate a display screen which displays a map corresponding to the information included in the electronic receipt. The display screen may be part of a purchase history viewing tool which (e.g., receipt viewer) allows a user to conveniently view and interact with his purchase history.」
(当審訳:[0022] 図1は、本発明の例示的な態様による、購入履歴の表示を生成するためのシステム100を示す。図1に示されるように、システム100は、顧客の購入に関する情報を含み、地理座標(続いて挿入される記述のなかに地理座標を持つ)を有する電子レシート(例えば、地理座標を有する複数の電子レシート)を生成するための電子レシート作成器(ERG)101a-101b(例えば、複数の電子レシート作成器)と、電子レシートを格納するための格納デバイス105(例えば、電子レシート保管庫)と、格納デバイスの中の電子レシートにアクセスして、電子レシートの中に含まれる情報に対応する地図を表示する表示画面を生成する表示画面生成器107(例えば、処理装置)とを含む。その表示画面は、ユーザがそのユーザの購入履歴を便利に表示し相互作用することを可能にする購入履歴表示ツール(例えば、レシートビューワー)の一部であってもよい。)

イ.「[0026] For example, when a customer makes a purchase (e.g., in-person at the vendor's store, or online via the Internet), an ERG 101a-101c of the vendor may generate an electronic receipt which includes information describing the purchase. Such information may include, for example, the vendor name, address of the store of purchase, items purchased, amount paid by the customer for the items purchased, and date of purchase. The electronic receipt may be generated in lieu of or in addition to a paper receipt which is conventionally provided to a customer at the time and place of purchase. The electronic receipt may be transmitted to the receipt vault 105 via a network 103 (e.g., the Internet). The receipt vault may be protected with standard authentication and access control mechanisms. Passwords may be used for authentication. Receipts may be made accessible to others, such as a group of people, for example-members of a family, employees in a business, or the general public, with a standard access control mechanism that is used for content sharing.」
(当審訳:[0026] 例えば、顧客が(例えば、売主の店で直接、またはインターネットを介してオンラインで)購入するとき、売主のERG101a?101cは、購入を説明する情報を含む電子レシートを生成することができる。このような情報には、例えば、売主名、購入店の住所、購入したアイテム、購入したアイテムに対して顧客が支払った金額、および購入日が含まれる。電子レシートは、購入時に顧客に従来提供されていた紙のレシートの代わりに、またはそれに加えて生成することができる。電子レシートは、ネットワーク103(例えば、インターネット)を介してレシート保管庫105に送信されても??よい。レシート保管庫は、標準の認証およびアクセス制御メカニズムで保護してもよい。認証にパスワードを使用してもよい。レシートは、コンテンツの共有に使用される標準のアクセス制御メカニズムを使用して、人々のグループ、例えば、家族のメンバー、企業の従業員、一般市民のような、他の人々がアクセスできるようにしてもよい。)

ウ.「[0052] Referring again to FIGS. 2A-2F, the invention may allow the customer to search a purchase history and/or configure the purchase history and the geographical area displayed.
[0053] For example, the purchase history to be displayed can be selected based on user input, and the geographical area to be displayed can be selected based on user input. Further, the criteria for selecting the purchase history to be displayed on a map, may be set on the map itself (e.g., superimposed on the map), or may be set outside of the map.」
(当審訳:[0052] 再び図2A-2Fを参照すると、本発明は、顧客が購入履歴を検索し、検索された購入履歴とその地理的エリアとの表示を形成することができる。[0053] 例えば、表示される購入履歴は、ユーザ入力に基づいて選択することができ、表示される地理的エリアは、ユーザ入力に基づいて選択することができる。 また、地図上に表示する購入履歴の選択基準は、地図自体に設定(例えば、地図に重畳)してもよいし、地図外に設定してもよい。)

エ.「[0054] In addition, the criteria for selecting the purchase history to be displayed on a map may be the vendor or provider in the transaction, or the category of vendor or provider in the transaction, or the monetary amount of the transaction. Further, the criteria for selecting the purchase history to be displayed on a map may be determined by a threshold or range for the monetary amount of the transaction, or by the date of the transaction, or by a threshold or range for the date of the transaction, or by the time of the transaction, or by a threshold or range for the time of the transaction, or by the goods and services purchased.」
(当審訳:[0054] また、地図上に表示する購入履歴の選択基準は、取引における仕入先や提供者、取引における仕入先や提供者のカテゴリ、取引金額などが考えられる。さらに、地図上に表示される購入履歴の選択基準は、取引金額のしきい値または範囲によって、または取引の日付によって、または取引の日付のしきい値または範囲によって、または取引の時間によって、または取引の時間のしきい値なたは範囲によって、購入した商品とサービスによって決定されてもよい。)

前記ア.?エ.によれば、引用文献2には、次の事項が記載されている。
「顧客が、売主の店で直接、またはインターネットを介してオンラインで購入するとき、売主の電子レシート作成器(ERG)101は、売主名、購入店の住所、購入したアイテム、購入したアイテムに対して顧客が支払った金額、および購入日を含んだ電子レシートを生成して、レシート保管庫105に送信し([0026])、
処理装置107は、レシート保管庫105の中の電子レシートにアクセスして、電子レシートの中に含まれる情報に対応する地図を表示する表示画面を生成し、その表示画面は、ユーザがそのユーザの購入履歴を表示し相互作用することを可能にし([0022])、
地図上に表示される購入履歴はユーザ入力に基づいて選択することができ([0053])、その選択基準は、取引金額のしきい値または範囲、取引の日付、取引の日付のしきい値または範囲、取引の時間、取引の時間のしきい値または範囲、購入した商品またはサービスによって決定される([0054])、
購入履歴の表示を生成するためのシステム100([0022])」

3.引用文献3について
引用文献3には、次の事項が記載されている(下線は、当審において付与した)。
ア.「【0001】
本発明は、商品の購買またはサービスの予約に関する情報を端末装置に表示させるためのサーバ装置、表示制御方法、表示制御プログラム及び記録媒体の技術分野に関する。」

イ.「【0036】
ユーザは、例えば、季節ものの商品の購入を検討するため、情報提供サイトにおいて、検討対象とする季節カテゴリーを選択する。そうすると、ユーザ端末3の画面には、地図動画再生用のWebページ(以下、「動画再生用ページ」と称する)が表示される。この動画再生用ページ内には、図2に示すように、動画再生画面100が表示される。動画再生画面100には、見出しバー110、動画表示領域120、及び再生バー130が表示される。
【0037】
動画表示領域120は、日本地図Mを含む地図動画が表示される領域である。動画再生用ページが表示された当初は、地図動画の再生は停止された状態である。このときの動画表示領域120には、日本地図Mが表示される。また、動画表示領域120は、複数のチェックボックス121が表示される。
【0038】
チェックボックス121は、都道府県の購買数のランキングを示す後述するオブジェクトJを表示させるジャンルを選択するためのチェックボックスである。
(中略)
【0039】
なお、図2は、季節カテゴリーとして夏物が選択された場合の動画再生画面100の表示例である。また、図2には、チェックボックス121として、アイスクリームに対応するチェックボックス121a、女性用浴衣に対応するチェックボックス121b、及び蚊取り線香に対応するチェックボックス121cが表示されている。
(中略)
【0041】
地図動画によってランキングの変遷を表示させる対象となる期間(以下、「対象期間」と称する)は、動画再生用ページが表示された日の日付に基づいて決定される。例えば、対象期間の開始日は、動画再生用ページが表示された日から所定月数前であり、対象期間の終了日は、動画再生用ページが表示された日の前日である。なお、対象期間はユーザによって指定することができるようになっていても良い。
(中略)
【0043】
ユーザが、再生ボタン131aをクリック(選択)すると、地図動画の再生が開始される。そして、図3に示すように、動画表示領域120には、日本地図M上に複数のオブジェクトJが表示される。
【0044】
オブジェクトJは、選択されたジャンルの商品の購買数による各都道府県のランキングを示す。具体的に、オブジェクトJの色により、対象のジャンルが示される。また、オブジェクトJの表示位置により、対象の都道府県が示される。また、オブジェクトJの大きさ(表示サイズ)により、対象のジャンルにおいて、表示位置に対応する都道府県のランキングが示される。」

前記ア.イ.によれば、引用文献3には、次の事項が記載されている。
「商品の購買に関する情報を端末装置に表示させるための表示制御方法であって(【0001】)、
ユーザが季節ものの商品の購入を検討するために、情報提供サイトにおいて検討対象とする季節カテゴリーを選択すると、ユーザ端末3の画面に動画再生用ページが表示され、この動画再生用ページ内には動画表示領域120が表示され(【0036】)、動画表示領域120には日本地図と複数のチェックボックス121が表示され(【0037】)、
チェックボックス121は、都道府県の購買数のランキングを示すオブジェクトJを表示させるジャンルを選択するためのチェックボックスであり(【0038】)、季節カテゴリーとして夏物が選択された場合には、アイスクリームに対応するチェックボックス121a、女性用浴衣に対応するチェックボックス121b、及び蚊取り線香に対応するチェックボックス121cが表示され(【0039】)、
ユーザが、再生ボタン131aをクリックすると、地図動画の再生が開始され、動画表示領域120には、日本地図M上に複数のオブジェクトJが表示され(【0043】)、当該オブジェクトJは、選択されたジャンルの商品の購買数による各都道府県のランキングを示し(【0044】)、
地図動画によって対象となる期間のランキングの変遷を表示する(【0041】)、
表示制御方法。」

4.引用文献4について
引用文献4には、次の事項が記載されている(下線は、当審において付与した。)。
ア.「【0002】
従来から、地図上に表示するアイコン数を制御する技術が開示されている。
【0003】
例えば、特許文献1に記載の地図情報提供システムにおいては、ユーザの興味対象地点POI(point of interest)である店舗や公共施設等のジャンル毎に、各縮尺レベルで表示するか否かのフラグ情報を保持し、当該フラグ情報に基づいて各ジャンルのPOIを表示するか否かを決定する技術が開示されている。」

イ.「【0008】
本発明は、上記問題点に鑑みてなされたもので、POI毎の表示優先順位を決め、当該表示優先順位に基づいてそれぞれのPOIを表示可能とする縮尺レベルを決定し、POI毎の表示制御を行うことで、視認性の高い地図情報を提供することができるナビゲーションシステム、ナビゲーションサーバ、ナビゲーション装置、ナビゲーション方法、および、プログラムを提供することを目的とする。」

ウ.「【0076】
図4に示すように、POI情報データベース206bに記憶されたPOI情報は、POI_ID、カテゴリ、名称、優先度(スコア)、表示可否情報(縮尺制御情報)、および、座標情報等を含んで構成されている。ここで、縮尺制御情報は、POI情報毎に、スコア(例えば、AおよびB等)に基づいてどの縮尺から表示するかを示す表示フラグである。例えば、スコアがAの場合、縮尺制御情報は、縮尺が200m以下の地図データ上においてPOI情報を表示するように設定されている。また、例えば、スコアがBの場合、縮尺制御情報は、縮尺が100m以下の地図データ上においてPOI情報を表示するように設定されている。
【0077】
また、図5に示すように、POI情報データベース206bに記憶されたPOI情報は、POI_ID、カテゴリ、名称、優先度(スコア)、表示可否情報(縮尺制御情報)、および、座標情報等を含んで構成されている。ここで、縮尺制御情報は、POI情報毎に、スコア(例えば、AおよびB等)、および、座標情報に基づくPOIの密集度等に基づいて縮尺毎に表示または非表示とするかを示す表示フラグである。例えば、POI01のようにスコアがAであり、座標情報が(x101、y101)である場合、スコアが高く、POIの密集度が低いため、縮尺制御情報は、縮尺が200m、100m、50mおよび25mの地図データ上においてPOI情報を表示するように設定されている。また、例えば、POI02のようにスコアがBであり、座標情報が(x102、y102)である場合、スコアは高く無いが、POIの密集度が低いため、縮尺制御情報は、縮尺が200mおよび50mの地図データ上においてPOI情報を表示するように設定されている。また、例えば、POI03のようにスコアがAであり、座標情報が(x103、y103)である場合、スコアが高いが、POIの密集度も高いため、縮尺制御情報は、縮尺が25mより大きい地図データ(例えば、縮尺が200m、100mおよび50m等の地図データ)上ではPOI情報を表示しないように設定されている。」

前記ア.?ウ.によれば、引用文献4には、次の事項が記載されている。
「店舗や公共施設等のPOI(興味対象地点)毎の表示優先順位を決め、当該表示優先順位に基づいてそれぞれのPOIを表示可能とする縮尺レベルを決定し、POI毎の表示制御を行うことで、視認性の高い地図情報を提供するナビゲーション装置であって(【0008】【0003】)、
POI情報は、名称、優先度(スコア)、表示可否情報(縮尺制御情報)、および、座標情報を含んで構成され(【0076】)、
縮尺制御情報は、POI情報毎に、スコアに基づいてどの縮尺から表示するかを示す表示フラグであり、スコアがAの場合、縮尺が200m以下の地図データ上においてPOI情報を表示するように設定され、スコアがBの場合、縮尺が100m以下の地図データ上においてPOI情報を表示するように設定される(【0076】)、
ナビゲーション装置。」

5.引用文献5について
引用文献5には、次の事項が記載されている(下線は、当審において付与した。)。
ア.「[0001] 本発明は、ナビゲーション装置および複数のナビゲーション装置の共有情報管理方法に関する。」

イ.「[0029] まず、ユーザAおよびユーザBは、情報共有キー32のキー操作を行った上で、ユーザAは、モニタ23の画面a上に所望の地図を表示させる。同時に、この地図情報は、通信部21を通してユーザB側に送信され、ユーザB側のナビゲーシヨン装置12における共有情報管理部27は、図3(b)に示すように、この地図情報をモニタ23に表示する。
[0030] 次に、タッチパネル28に対するタッチ操作によって、ユーザA側の画面a上で、図3(a)に示すように、文字や図形等を入力する。ここでは、地図上の目的地の建物Dの回りを囲むような図形Eを描く。共有情報管理部27は、タッチパネル28から入力された図形Eの位置座標を地図上の位置座標である経度緯度情報に変換し、手書情報記憶部25に記憶する。これにより、ユーザA側の画面a上には図形Eが、図3(b)に示すように表示される。この図形Eのデータは、相手のナビゲーシヨン装置12と共有する共有情報として、ユーザB側のナビゲーション装置12へ通信部21を通じて送信される。
[0031] 一方、B側のナビゲーション装置12の通信部21は、この共有情報を受信し、共有情報管理部27により図形Eを共有情報として管理し、ユーザB側のモニタ23の画面上に、図3(d)に示すように表示する。従って、当初共有情報が書き込まれていなかった図3(a)の画面aに対し、ユーザA側の画面上の共有情報と同一の画像が、ユー ザB側の画面上に表示される。」

ウ.「[0038] 広域地図を表示する場合など、入力した共有情報が多数あるなどで地図が見づらくなることもあるので、一時的に入力した共有情報を表示しないようにすることもできる。」

前記ア.?ウ.によれば、引用文献5には、次の事項が記載されている。
「複数のナビゲーション装置の共有情報管理方法であって([0001])、
ユーザAおよびユーザBが情報共有キー32のキー操作を行った上で、ユーザAが、モニタ23の画面a上に所望の地図を表示させると、この地図情報は、通信部21を通してユーザB側に送信され、ユーザB側のナビゲーシヨン装置12は、この地図情報をモニタ23に表示し([0029])、
次に、タッチパネル28に対するタッチ操作によって、ユーザA側の画面a上で文字や図形を入力すると、共有情報管理部27は、タッチパネル28から入力された図形Eの位置座標を地図上の位置座標である経度緯度情報に変換し、ユーザA側の画面a上に図形Eを表示し([0030])、
この図形Eのデータは、相手のナビゲーシヨン装置12と共有する共有情報として、ユーザB側のナビゲーション装置12へ通信部21を通じて送信され([0030])、
B側のナビゲーション装置12の通信部21は、この共有情報を受信し、ユーザB側のモニタ23の画面上に表示し、従って、ユーザA側の画面上の共有情報と同一の画像が、ユー ザB側の画面上に表示され([0031])、
広域地図を表示する場合、一時的に入力した共有情報を表示しないようにする([0038])、
共有情報管理方法。」

6.引用文献6について
引用文献6には、次の事項が記載されている(下線は、当審において付与した。)。
ア.「【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、渋滞状況をナビゲーション装置などの車載情報端末において画面表示する方法に関する。」

イ.「【0021】
図2(a)の地図を広域表示に切り換えたときの画像例を図2(b)に示す。これには、画面内に目的地31が表示されており、誘導経路22の全体が表示されている。図2(b)においても、図2(a)と同じVICS情報バー30を表示することとする。なお、図2(a)とは異なり、図2(b)には道路ごとの渋滞状況が表示されていない。なぜなら、一般的にナビゲーション装置では、地図が広域表示となるにつれて画面内に含まれる道路が多くなり、各道路の渋滞状況の表示が込み入ってくるため、画面の視認性が悪くなる。これを避けるため、通常は、所定の縮尺よりも広域表示では渋滞状況を表示しないこととしているためである。」

前記ア.イ.によれば、引用文献6には、次の事項が記載されている。
「渋滞状況をナビゲーション装置において画面表示する方法であって(【0001】)、
地図が広域表示となるにつれて画面内に含まれる道路が多くなり、各道路の渋滞状況の表示が込み入ってくるため、所定の縮尺よりも広域表示では渋滞状況を表示しない(【0021】)、
方法。」

7.引用文献7について
引用文献7には、次の事項が記載されている(下線は、当審において付与した。)。
ア.「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、地図情報供給メディア部や電源部を含む本体装置と中央処理装置や画面操作部、表示部、二次電池部を含む操作装置とを有し、目的地や現在位置を表示部に表示する地図表示装置に関するものである。」

イ.「【0028】(中略)地図情報供給メディア部19の地図情報は道路、河川、ビルなどの図データ(以下地図データと称す)と地図データ上に各地名や交差点名を重畳して表示するための文字データから構成されている。」

ウ.「【0034】まず、操作装置A1と本体装置B1を合体している時の地図情報の取り込み動作について説明する。
【0035】図3において、まず、使用者はリモコンを操作して取り込む地図情報の中心位置と縮尺を設定すると、中央処理装置4は取り込む地図の中心位置と縮尺を設定する(S1)。次に中央処理装置4は中心位置を中心に4.8MBの容量で記憶可能な地図の範囲を決定し(S2)、決定された地図の範囲を設定された縮尺の地図情報を読み込む(S3)。また、読み込みの際、地図情報の中心位置に最も近い文字データを地図情報のタイトルとして読み込む(S4)。中央処理装置4は地図情報供給メディア部19から読み込んだ地図情報をタイトルと共に外部記憶メディア部11に保存する(S5)。
(中略)
【0037】次に図4を用いて操作装置A1を本体装置B1から分離後に取り込んだ地図を表示する動作について説明する。
(中略)
【0040】次に表示された地図の縮尺を変えた場合について説明する。地図が表示部2に表示された状態で中央処理装置4は、画面操作部3から地図の縮尺の切換え指示が入力されるか監視しており(S21)、切換え指示の入力が有った場合は、それが縮小指示で有るか否かを判断する(S22)。縮小指示である場合には地図を1段階縮小し(S23)、基準縮尺すなわちその地図を地図情報供給メディア部19から取り込んだ際の元々の縮尺より縮小であるか否か判断する(S24)。基準縮尺より小である場合には縮小した地図データを表示し、文字データは表示しない(S25)。この状態で中央処理装置4はカーソルによる地点指示が入力されるか否か監視しており(S29)、入力が有った場合には、カーソル位置にもっとも近い位置の文字データを検出し、表示部2に表示する(S30)。
【0041】S24で基準縮尺と同じかそれより拡大する場合には、S28に進み地図データと文字データを重畳して表示する。」

エ.図1には、地図情報メディア部19を含む本体装置と、表示部2、GPS部5、外部記憶メディア部11を含む操作装置とが記載されていることがみてとれる。

前記ア.?エ.によれば、引用文献7には、次の事項が記載されている。
「地図情報供給メディア部19を含む本体装置と、操作入力部1、CPU(中央処理装置)4、表示部2、GPS部5、外部記憶メディア部11を含む操作装置とを有し、目的地や現在位置を表示部2に表示する地図表示装置であって(図1及び【0001】)、
地図情報供給メディア部19の地図情報は、道路、河川、ビルなどの図データ(地図データ)と地図データ上に各地名や交差点名を重畳して表示するための文字データから構成され(【0028】)、
操作装置と本体装置を合体している時の地図情報の取り込み動作において(【0034】)、使用者が取り込む地図情報の中心位置と縮尺を設定すると、操作装置の中央処理装置4は、中心位置を中心に地図の範囲を決定し、決定された地図の範囲の、設定された縮尺の地図情報を、本体装置の地図情報供給メディア部19から読み込み、読み込んだ地図情報を操作装置の外部記憶メディア部11に保存し(【0035】)、
次に、操作装置を本体装置から分離後に取り込んだ地図を表示する動作において(【0037】)、表示部2に表示された地図の縮尺を変えた場合に(【0040】)、その縮尺が基準縮尺すなわちその地図を地図情報供給メディア部19から取り込んだ際の元々の縮尺より縮小であるか否か判断し、基準縮尺より小である場合には縮小した地図データを表示し、文字データは表示せず(【0040】)、
基準縮尺と同じかそれより拡大する場合には、地図データと文字データを重畳して表示する(【0041】)、
地図表示装置。」


第5 対比・判断
1.本願発明14について
(1)対比
本願発明14と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

・本願明細書の「【0012】図1に示す端末装置100は、電子商取引サービスを提供しているサーバ装置(後述する管理装置10)から、電子商取引サービスにおいて行われた売買に関する売買情報を取得する表示装置である。」の記載によれば、端末装置は表示装置でもあるので、引用発明の「ユーザ端末」は、本願発明14の「表示装置」及び「買主以外のユーザのユーザ装置」の両方に相当する。

・引用発明の「仮想商店街管理サービスを利用して店舗が販売する商品を会員が購入した事実に関し、商品が店舗の所在地から会員の居住地まで移動する様子を、ユーザ端末50の画面に表示した地図上に動的に再現させるシステムにおける、ユーザ端末の情報表示処理方法」は、本願発明14の「表示装置が実行する表示方法」に相当する。

・引用発明の「出荷情報」は、商品を販売した店舗の所在地の位置情報と、その商品を購入した会員が居住する都道府県の県庁所在都市の位置情報とを含むから、本願発明14の「商品の売買に関する売買情報」に相当する。

・引用発明の「ユーザ端末は、情報表示サーバ60から出荷情報を受信し、当該出荷情報に含まれる発送側情報及び受取側情報を格納し」は、本願発明14の「商品の売買に関する売買情報を取得する取得工程」に相当する。

・引用発明の出発地点から到着地点まで移動する画像は、商品を販売した店舗の所在地の位置と、その商品を購入した会員が居住する都道府県の県庁所在都市の位置とを対応付ける情報であるから、本願発明14の「前記売買における売主に関する所在位置と、前記売買における買主に関する所在位置とを対応付けた対応情報」に相当する。

・引用発明の「ユーザ端末は、地図上で、画像を選択する処理で選択した画像を出発地点から到着地点まで移動させる処理を行い」と、本願発明14の「前記取得工程によって取得された売買情報であって、現時点から所定時間前までの間に購入された商品の中で商品の販売個数又は売上高が多いほど優先的に選択された商品に関する売買情報に基づいて、前記売買における売主に関する所在位置と、前記売買における買主に関する所在位置とを対応付けた対応情報を地図情報とともに前記買主以外のユーザのユーザ装置に表示する表示工程」は、「前記取得工程によって取得された売買情報に基づいて、前記売買における売主に関する所在位置と、前記売買における買主に関する所在位置とを対応付けた対応情報を地図情報とともに前記買主以外のユーザのユーザ装置に表示する表示工程」の点で共通する。

したがって、本願発明14と引用発明との一致点・相違点は、次のとおりである。

<一致点>
「表示装置が実行する表示方法であって、
商品の売買に関する売買情報を取得する取得工程と、
前記取得工程によって取得された売買情報に基づいて、前記売買における売主に関する所在位置と、前記売買における買主に関する所在位置とを対応付けた対応情報を地図情報とともに前記買主以外のユーザのユーザ装置に表示する表示工程と、
を含む表示方法。」

<相違点>
売買情報が、本願発明14では「現時点から所定時間前までの間に購入された商品の中で商品の販売個数又は売上高が多いほど優先的に選択された商品に関する売買情報」であるのに対し、引用発明では、取引の成立後に会員が投稿した購入商品のレビューであって、新着レビュー一覧ページの中から特定された一のレビューにおける、対象商品の売買情報である点。

(2)相違点についての判断
上記相違点について検討すると、引用文献2には、地図上に購入履歴を表示することが記載されているが、その購入履歴はユーザ自身の購入履歴であり、上記相違点に係る構成は記載も示唆もされていない。
引用文献3には、日本地図上に、選択されたジャンルの商品の購買数による各都道府県のランキングを示すオブジェクトを表示することが記載されているが、このオブジェクトは、ユーザが選択したジャンルの商品に関する売買情報であり、上記相違点に係る構成は記載も示唆もされていない。
引用文献4には、地図データ上に店舗や公共施設等のPOI(興味対象地点)情報を表示するナビゲーション装置が記載されているが、売買情報を表示するものではなく、上記相違点に係る売買情報は記載も示唆もされていない。
引用文献5には、ユーザAが、所望の地図を画面a上に表示させ、その画面a上で文字や図形を入力すると、ユーザB側の画面上にも、同じ地図と図形とを表示させる複数のナビゲーション装置の共有情報管理方法が記載されているが、売買情報を表示するものではなく、上記相違点に係る売買情報は記載も示唆もされていない。
引用文献6には、渋滞状況をナビゲーション装置の画面に表示する方法が記載されているが、売買情報を表示するものではなく、上記相違点に係る売買情報は記載も示唆もされていない。
引用文献7には、道路、河川、ビルなどの地図データと地図データ上に各地名や交差点名を重畳して表示するための文字データとから構成された地図情報を表示する地図表示装置が記載されているが、売買情報を表示するものではなく、上記相違点に係る売買情報は記載も示唆もされていない。
仮に、売買情報を「現時点から所定時間前までの間に購入された商品の中で商品の販売個数又は売上高が多いほど優先的に選択された商品に関する売買情報」とすることが周知な事項であったとしても、引用発明に当該事項を適用する動機付けがあるとは認められない。
したがって、本願発明14は、当業者であっても、引用発明及び引用文献2?7に記載された事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

2.本願発明1-13について
本願発明1は、本願発明14の各工程に対応する手順をコンピュータに実行させるプログラムの発明であり、前記相違点に対応する構成を備えるものであるから、本願発明14と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-7に記載された事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
本願発明2-12は、本願発明1を減縮した発明であり、前記相違点に対応する構成を備えるものであるから、本願発明14と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-7に記載された事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。
本願発明13は、本願発明14に対応する装置の発明であり、前記相違点に対応する構成を備えるものであるから、本願発明14と同様の理由により、当業者であっても、引用発明及び引用文献2-7に記載された事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。


第6 原査定について
審判請求時の補正により、本願発明1-14は「現時点から所定時間前までの間に購入された商品の中で商品の販売個数又は売上高が多いほど優先的に選択された商品に関する売買情報」という事項を有するものとなっており、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1-7に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。


第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2020-08-19 
出願番号 特願2018-36987(P2018-36987)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06Q)
最終処分 成立  
前審関与審査官 小山 和俊  
特許庁審判長 渡邊 聡
特許庁審判官 相崎 裕恒
佐藤 聡史
発明の名称 表示プログラム、表示装置及び表示方法  
代理人 特許業務法人酒井国際特許事務所  

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