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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04B
管理番号 1365575
審判番号 不服2019-10161  
総通号数 250 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-10-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-08-01 
確定日 2020-09-14 
事件の表示 特願2017-541799「全二重通信システム向けのトレーニング信号のためのシステムおよび方法」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 8月18日国際公開,WO2016/127801,平成30年 4月 5日国内公表,特表2018-509819,請求項の数(12)〕について,次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は,特許すべきものとする。 
理由
第1 手続の経緯

本願は,平成28年1月26日の出願(優先権主張平成27年2月9日 米国)であって,平成29年9月28日に手続補正がなされ,平成30年10月3日付けで拒絶理由が通知され,平成31年2月20日に手続補正がなされ,平成31年3月27日付けで拒絶査定(原査定)がされ,これに対し,平成31年8月1日に拒絶査定不服の審判が請求され,令和2年4月2日付けで拒絶理由(以下,「当審拒絶理由」という。)が通知され,令和2年7月3日に手続補正がされたものである。


第2 原査定の概要

原査定(平成31年3月27日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

1.(新規性)この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であるから,特許法第29条第1項第3号に該当し,特許を受けることができない。
2.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

●理由1(特許法第29条第1項第3号),理由2(特許法第29条第2項)について

・請求項 1-14
・引用文献等 1

引用文献等一覧
1.国際公開第2014/208953号


第3 当審拒絶理由の概要

当審拒絶理由の概要は次のとおりである。
1(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は,その出願前に日本国内又は外国において,頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

●請求項:1
・引用文献:1-3

・請求項 :2-6,8-9
・引用文献:1-3

・請求項 :10-12,14
・引用文献:1-3

引用文献等一覧
1.国際公開第2014/208953号
2.国際公開第2009/084224号
3.Asia-Pacific Signal and Information Processing Association Annual Summit and Conference(APSIPA), (29 Oct.2013 - 1 Nov.2013), Wataru Kawata et.al."Wireless Packet Collilsion Detection Using Self-Interference Canceller"


第4 本願発明

本願請求項1-12に係る発明(以下,それぞれ「本願発明1」-「本願発明12」という。)は,令和2年7月3日の手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-12に記載された事項により特定される発明であり,本願発明1-12は以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
デバイスの送信アンテナの上でゼロ相関ゾーン(ZCZ)シーケンスのセットから選択されたZCZシーケンスから導出されたトレーニング信号を送信するステップであって,前記トレーニング信号が,前記デバイスの送信アンテナと前記デバイスの受信アンテナとの間の通信チャネルについてチャネルインパルス応答(CIR)の推定を促進するように構成され,
前記デバイスは,全二重モードで動作するように構成される,ステップと,
前記デバイスの受信アンテナの上で前記トレーニング信号を受信するステップと,
前記ZCZシーケンスに従って前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の通信チャネルについて前記CIRを推定するステップと,
前記推定されたCIRに従って受信信号内に存在する自己干渉をキャンセルするステップであって,前記自己干渉が,前記デバイスの前記送信アンテナによってなされる第2の送信から生じるものであり,それにより,干渉キャンセル済み受信信号を作り出し,
前記デバイスによって,前記干渉キャンセル済み受信信号を処理するステップと
を含み,
前記ZCZシーケンスが,前記デバイスが半二重モードで動作しているとき送信される,方法。
【請求項2】
ZCZシーケンスの前記セットが,スケーリングされた単位行列である相関行列を有する,請求項1に記載の方法。
【請求項3】
ZCZシーケンスの前記セットが,ザドフ-チューシーケンスから導出される,請求項1または2に記載の方法。
【請求項4】
ZCZシーケンスの前記セット内の各ZCZシーケンスが,サイクリックプレフィックスが追加されていない状態で予め定義されたシンボル長に等しい長さを有する,請求項1から3のいずれか一項に記載の方法。
【請求項5】
前記デバイスの前記送信アンテナが,複数のアンテナ要素を含み,ZCZシーケンスの前記セット内のZCZシーケンスの数は,前記デバイスの前記送信アンテナ内のアンテナ要素の数以上である,請求項1から4のいずれか一項に記載の方法。
【請求項6】
ZCZシーケンスの前記セットが,ZCZシーケンスの前記セットの自己相関および相互相関のための予め定義された閾値以上のZCZゾーン長を有する,請求項1から5のいずれか一項に記載の方法。
【請求項7】
前記ZCZシーケンスを送信する前に前記ZCZシーケンスを前記デバイスの前記送信アンテナにマッピングするステップをさらに含む,請求項1から6のいずれか一項に記載の方法。
【請求項8】
前記ZCZシーケンスを送信するステップが,
前記ZCZシーケンスをデータシンボルと多重化し,送信ストリームを生成するステップと,
前記送信アンテナの上で前記送信ストリームを送信するステップとを含む,請求項1から7のいずれか一項に記載の方法。
【請求項9】
全二重動作のために構成されたデバイスであって,前記デバイスが,
デバイスの送信アンテナの上でゼロ相関ゾーン(ZCZ)シーケンスのセットから選択されたZCZシーケンスから導出されたトレーニング信号を送信するように構成された送信機であって,前記トレーニング信号が,前記デバイスの送信アンテナと前記デバイスの受信アンテナとの間の通信チャネルについてチャネルインパルス応答(CIR)の推定を促進するように構成された,送信機と,
前記デバイスの受信アンテナの上で前記トレーニング信号を受信するように構成された受信機と,
前記ZCZシーケンスに従って前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の通信チャネルについて前記CIRを推定し,
前記推定されたCIRに従って受信信号内に存在する自己干渉をキャンセルし,前記自己干渉が,前記デバイスの前記送信アンテナによってなされる第2の送信から生じるものであり,それにより,干渉キャンセル済み受信信号を作り出し,
前記干渉キャンセル済み受信信号を処理するように構成されたプロセッサと
を備え,
前記送信機が,前記デバイスが半二重モードで動作しているとき前記ZCZシーケンスを送信するように構成される,デバイス。
【請求項10】
ZCZシーケンスの前記セットが,スケーリングされた単位行列である相関行列を有する,請求項9に記載のデバイス。
【請求項11】
前記デバイスの前記送信機が,複数のアンテナ要素を含み,ZCZシーケンスの前記セット内のZCZシーケンスの数は,前記デバイスの前記送信アンテナ内のアンテナ要素の数以上である,請求項9または10に記載のデバイス。
【請求項12】
前記ZCZシーケンスを送信するステップが,
前記ZCZシーケンスをデータシンボルと多重化し,送信ストリームを生成するステップと,
前記送信アンテナの上で前記送信ストリームを送信するステップとを含む,請求項9から11のいずれか一項に記載のデバイス。」


第5 引用文献,引用発明等

1.引用文献1について

当審拒絶理由に引用された引用文献1(当審訳として,ファミリ文献の特表2016-529763号公報を参考にし,下線を付した。)には,


(当審訳:
[4] しかしながら,このような半二重無線(HDR)通信方式で端末及び/又は基地局は同一の周波数/時間リソースにおいて受信と送信を同時に行うことができない。そこで,リソースを効率的に利用するための全二重無線(FDR)通信方式の導入が提案されてきた。FDR通信方式とは,基地局及び/又は端末が同一の周波数/時間リソース領域で異なる信号の送信と受信を同時に行う方式のことをいう。
[5] ただし,FDR方式の通信環境では,基地局及び/又は端末が同一のリソース領域でデータ送受信を同時に行うことから,自身の送信した信号が自身の受信アンテナから受信される自己干渉が発生する。また,FDR領域がHDR領域と共に構成される場合には相互干渉を起こしうる。)


(当審訳:
[13] 本発明の一様態として,全二重無線(FDR)方式を支援する無線接続システムにおいて基地局が自己干渉チャネルを推定する方法は,端末に割り当てた第1循環遷移変数を含むチャネル信号を送信するステップと,第2循環遷移変数に基づいて生成された自己干渉(SI)チャネルを推定するための下りリンク(DL)自己チャネル参照信号(SI-RS)を送信するステップと,DL SI-RSを受信するステップと,第1循環遷移変数に基づいて生成された上りリンク(UL)SI-RSを受信するステップと,DL SI-RS及びUL SI-RSを用いてSIチャネルを推定するステップとを有することができる。
[14] 本発明の他の様態として,全二重無線(FDR)方式を支援する無線接続システムにおいて自己干渉(SI)チャネルを推定するための基地局は,送信器と,受信器と,これらの送信器及び受信器と連動してSIチャネルを推定するように構成されたプロセッサとを備えることができる。ここで,プロセッサは,送信器を制御して,端末に割り当てた第1循環遷移変数を含むチャネル信号を送信し,第2循環遷移変数に基づいて生成された自己干渉(SI)チャネルを推定するための下りリンク(DL)自己チャネル参照信号(SI-RS)を送信し;受信器を制御して,DL SI-RSを受信し,第1循環遷移変数に基づいて生成された上りリンク(UL)SI-RSを受信し;DL SI-RS及びUL SI-RSを用いてSIチャネルを推定するように構成されてもよい。)


(当審訳:
[145] 図11は,自己干渉を除去するための技法が適用される送信端及び受信端のブロック図である。
[146] 図11を参照すると,送信端は,データビットをコーディングするためのエンコーダ,エンコードされたデータビットを物理リソースにマッピングするためのマッパー,データビットをOFDM方式でデータに変調するための逆高速フーリエ変換(IFFT),デジタル信号をアナログ信号に変調するためのDAC,変調された信号を所望の波形に変換するための波形整形フィルター,信号の周波数を上げるためのアップコンバーター,及びアンテナを含むことができる。
[147] また,受信端は,信号を受信するためのアンテナ,受信いた信号の周波数を下げるためのダウンコンバーター,回路の出力が一定範囲となるように自動で増幅率を調整する自動利得制御器(AGC),アナログ信号をデジタル信号に変調するためのADC,入力された信号を周波数領域のデータに変換するための高速フーリエ変換(FFT),出力された信号をデコードするためのデマッパー及びデコーダを含むことができる。
[148] 図11を参照すると,送信機及び受信機のアンテナパートではアンテナ干渉除去(IC)が行われ,送信端の波形整形フィルター及びアップコンバーターパートと受信端のAGC及びダウンコンバーターパートではアナログICが行われる。送信機及び受信機のDAC及びADCではADC ICが行われ,送信機及び受信機の残り部分では基底帯域IC(又は,デジタルIC)が行われる。
[149] 以下では,送信機及び受信機の各部分で行われる干渉除去方式について説明する。
[150] 3.1.1 アンテナIC
[151] アンテナIC技法は,IC技法のうち最も簡単に具現可能な技法である。図12は,アンテナ間距離を用いたアンテナIC技法の一例を示す図であり,図13は,位相変換器を用いたアンテナIC技法の一例を示す図である。
[152] 図12を参照すると,1つの端末が3つのアンテナを用いて干渉除去を行うことができる。このとき,2つのアンテナを送信アンテナ(Tx)として使用し,1つのアンテナを受信アンテナ(Rx)として使用する。2つの送信アンテナは受信アンテナを基準に約波長/2の距離分の差をおいて設置される。これは,各送信アンテナから送信される信号が受信アンテナにとっては位相の反転された信号として受信されるようにするためである。このため,最終的に受信アンテナに受信される信号のうち干渉信号は0に収斂される。
[153] 図13を参照すると,図12におけると同一のアンテナ構成において,二番目の送信アンテナ(Tx_(2))の位相を反転させるために,位相変換器を用いて干渉信号を除去することができる。図13で,左図は,2つの受信アンテナを用いて自己干渉を除去するためのアンテナ配置を示し,右図は,2つの送信アンテナを用いて干渉を除去するためのアンテナ配置を示している。
[154] このようなアンテナ干渉除去技法は,送信する信号の帯域幅と中心周波数に影響を受ける。すなわち,送信信号の帯域幅が小さいほどまた中心周波数が高いほど干渉除去性能は高くなる。図14には,アンテナ干渉除去方法を用いる場合,信号の帯域幅と中心周波数による干渉除去性能を示す。
[155] 3.1.2 ADC IC
[156] 干渉信号が送信端で知っている信号であっても干渉を除去できない最大の要因はADCである。したがって,ADCの性能を極大化することによって干渉を除去することができる。しかし,これは,実際の具現ではADCの量子化ビットの制限によって適用し難いという短所がある。ところが,最近ではADCの性能が向上しつつあり,要求される自己干渉の除去性能が低くなり得る。
[157] 3.1.3 アナログ IC
[158] アナログ ICは,ADCの前に干渉を除去する技法であり,アナログ信号を用いて自己干渉を除去する。これは,RF領域で行われてもよく,又はIF領域で行われてもよい。アナログIC技法は,送信されるアナログ信号に対して位相と時間を遅延させることによって,受信アンテナに受信される信号から干渉信号を取り去る方式によって具現できる。
[159] このようなアナログIC技法の長所は,アンテナの数が,アンテナIC技法と違い,送信用,受信用のアンテナとしてそれぞれ1個のみあってもかまわないということにある。しかし,アナログ信号を用いて処理しているため,具現の複雑度及び回路の特性によって更なる歪みが発生することもあり,結果として干渉除去性能が大きく変わりうるという短所がある。
[160] 3.1.4 デジタルIC(ベースバンドIC)
[161] デジタルICは,ADC後に干渉を除去する技法であり,ベースバンド領域でなされる全ての干渉除去技法を意味する。デジタルICは,送信されるデジタル信号を受信されたデジタル信号から取り去る方法によって具現できる。
[162] 又は,多重アンテナを用いて送信する端末又は基地局では,送信信号が受信アンテナに受信されないようにビームフォーミング又はプリコーディングを行うこともできる。これらの方式が基底帯域で行われる場合,これらの方式もデジタルICに分類することができる。
[163] しかしながら,デジタルICは,デジタルに変調された信号が所望の信号に関する情報を復元できる程度に量子化されてこそ可能であるため,デジタルICを行うには,3.1.1節乃至3.1.3節で説明したIC技法のうち一つ以上の技法で干渉を除去した後,干渉信号と所望の信号間の信号電力の大きさの差がADC範囲内に収まらなければならないという短所がある。)


(当審訳:
[179] 4.自己干渉(SI)チャネル推定方法
[180] 4.1 SIチャネル推定のための新しい参照信号
[181] 本発明の実施例では,FDRシステムにおいてSIチャネルを推定するための新しい参照信号を提案する。これらの参照信号をSI-RSと定義する。)


(当審訳:
[195] 4.2 SI-RS構成方法
[196] 以下,SI-RSを構成する方法について説明する。本発明の実施例においてSI-RSは,LTE/LTE-AシステムのRSシーケンス(TS 36.211 v11.3, 5.5節を参照)を取り上げて説明する。ただし,これは一例に過ぎず,他の自己相関特性に優れたシーケンスを用いてSI-RSを構成してもよい。
[197] 参照信号シーケンス

は,基本シーケンス

の循環遷移αによって次式1のように定義される。
[198] 【数1】

[199] ここで,

は,参照信号シーケンスの長さを表し,mは,条件

を満たす値である。多重参照信号シーケンスは,単一基本シーケンスからαの他の値によって定義される。
[200] 基本シーケンス

は,グループに区分される。このとき,

は,グループ番号を表し,νは,当該グループ内の基本シーケンス番号を意味する。したがって,各グループは,各長さ

である一つの基本シーケンス(ν=0)及び各長さ

である2つの基本シーケンス(ν=0,1)を含む。シーケンスグループ番号u及びグループ内番号νは,TS 36.211 v11.3の5.5.1.3節及び5.5.1.4節に定義されたとおりに変わってもよい。基本シーケンス

の定義は,シーケンス長

にしたがう。
[201] 本発明の実施例において,

は任意のシーケンスでよく,特に,循環遷移を活用し得るようにザドフチューシーケンス(Zadoff-Chu Sequence)を用いて説明する。

は,次のように構成することができる。
[202] まず,

の場合に,基本シーケンス

は,次式2のように与えられる。
[203] 【数2】

[204] このとき,q^(th)のルートザドフチューシーケンスは,次式3のように定義される。
[205] 【数3】

[206] ここで,q値は,次式4のように与えられる。
[207] 【数4】

[208] このとき,ザドフチューシーケンスの長さ



を満たす最大の素数によって定義される。
[209] このように構成されたSI-RSシーケンスを端末が送信する場合,循環遷移値α_(λ)は,次式5のように定義される。
[210] 【数5】

)


(当審訳:
[217] 4.3 循環遷移変数n_(k)の設定方法
[218] 以下,SIチャネルを推定するために用いられるSI-RSに適用される循環遷移変数を設定する方法について説明する。本発明の実施例では,基地局の送信する下りリンクSI-RS(DL SI-RS)に用いられる循環遷移変数と端末の送信する上りリンクSI-RS(UL SI-RS)に用いられる循環遷移変数とが重ならないように設定される方法について説明する。
[219] これに対する最も効率的な方法として,循環遷移変数のうち一つの値をDL SI-RS用途に固定して割り当て,残りの値である1?(M-1)をUL SI-RS用途に割り当てることができる。例えば,n_(k)=0を,基地局が送信するDL SI-RSに対する循環遷移値として固定し,残りの値を端末に割り当てることができる。すなわち,基地局が送信するSI-RSは循環遷移を行わず,端末が送信するSI-RSのみ循環遷移を行うように設定することができる。)


(当審訳:
[222] 4.4 SIチャネル推定方法)


(当審訳:
[227] 端末は,受信した循環遷移変数を用いて上りリンク用途のUL SI-RSを生成することができる。このとき,UL SI-RSは,4.2節で説明した方法によって生成することができる(S1820)。
[228] 基地局は,端末に割り当てた循環遷移変数以外の循環遷移変数を用いて下りリンク用途のDL SI-RSを生成することができる(S1830)。
[229] S1820段階及びS1830段階で生成されたSI-RSは,図16又は図17で説明した方法のようにリソース領域に割り当てられてもよい。基地局は,生成したDL SI-RSをデータと併せて端末に送信する(S1840)。
[230] 現在,端末及び基地局はFDRモードで動作している。すなわち,端末と基地局は全帯域を上りリンク及び下りリンクの用途に使用することができる。したがって,S1840段階で基地局が送信アンテナから送信したDL SI-RSは受信アンテナを経て再び基地局に受信されうる(S1850)。
[231] また,端末は,S1820段階で生成したUL SI-RSを,SIチャネル推定のために基地局に送信することができる(S1860)。
[232] 基地局は,S1850段階及びS1860段階で受信したDL/UL SI-RSを用いてSIチャネルを推定することができる(S1870)。)


(当審訳:
[241] 図20は,基地局及び端末でそれぞれSIチャネルを推定する方法の一例を示す図である。
[242] 図20は,図18のS1870段階及び図19のS1960段階で行われるSIチャネルを推定する方法に関する。
[243] 基地局又は端末は,受信したSI-RSをFFTして周波数領域の信号に変換する。このとき,本発明はOFDMシステムを仮定するので,この過程はOFDM復調過程として判断できる(S2010)。
[244] 基地局又は端末は,周波数領域に変換された信号を,既存のチャネル推定方法の一つ(例えば,最小二乗法)を用いてチャネル推定を行うことができる(S2020)。
[245] 基地局又は端末は,推定されたチャネルを再びIFFTして時間領域信号に変換する(S2030)。
[246] 基地局又は端末は,変換された時間領域チャネルを,各端末に割り当てられた循環遷移変数n_(k)を考慮して分割する(S2040)。
[247] S2040段階で,時間領域チャネルに対する分割方法は,全体OFDMシンボルのサンプルを循環遷移変数の総個数Mに分割するが,各端末にSIチャネルを推定するために割り当てられた循環遷移変数n_(k)で分割することができる。
[248] 図21は,S2040段階で,M=9の場合にSIチャネル推定及び8個の端末に割り当てられた値を用いて分割された時間領域チャネルのチャネル応答の一例を示す図である。
[249] 図21を参照すると,n_(k)=0は,基地局に固定して割り当てられた循環遷移変数であり,残りのn_(k)=1,2,・・・,8は,各端末に割り当てられた異なった循環遷移変数値である。
[250] 再び図20を参照すると,基地局又は端末は,S2040段階で分割された時間領域チャネルの中から,取得しようとするチャネルを選択する。その後,選択したチャネルに対して時間遷移を行った後,余り領域をヌリングする。その後,基地局又は端末はFFTを行って当該SIチャネルに対するチャネル応答値を取得することができる(S2050)。
[251] 図22は,S2050段階でn_(k)=1が割り当てられた端末に対するチャネル応答を取得する過程を説明するための図である。
[252] 図22を参照すると,基地局は,n_(k)=1が割り当てられた端末に対するチャネル応答を取得しようとする。このとき,基地局は,n_(k)=1に該当する時間領域チャネルを時間遷移してn_(k)=0のチャネルに移す。その後,基地局は,余りチャネル領域をヌリングした後,当該OFDMシンボルに対してFFTを行う。この方法により,基地局は,n_(k)=0が割り当てられた端末に対する周波数チャネル応答を取得することができる。端末も,図22で説明した方法を用いて特定周波数チャネル応答を取得することができる。
[253] 再び図20を参照すると,基地局又は端末は,受信したSI-RS及び循環遷移変数を用いてS2010段階乃至S2050段階を行うことによってSIチャネルを推定することができる。すなわち,FDRシステムにおいてSIチャネルを推定することによってSIチャネルを除去することができる。これによって,FDRシステムにおいてデータ品質を保障することができる。)

の記載があるから,

「自身の送信した信号が自身の受信アンテナから受信される自己干渉が発生する全二重方式を支援する無線接続システムにおける自己干渉チャネルを推定する基地局であって,
自己干渉を除去するための干渉除去方式として,
アンテナパートでアンテナICが,AGC及びダウンコンバートパートでアナログICが,ADCでADC ICが,残りの部分ではデジタルICが行われ,
アンテナICは,2つの送信アンテナの距離を1つの受信アンテナに対して半波長の距離の差を置いて配置することにより,各送信アンテナから送信された信号が位相の反転した信号として受信されるようにする干渉除去技法であり,
アナログICはADCの前に干渉を除去する技法であって,送信するアナログ信号に対して位相と時間を遅延させることによって受信アンテナに受信される信号から干渉信号を取り去る技法であり,
ADC ICは,ADCの性能を極大化することによって干渉を除去する技法であり,
デジタルICは,アンテナIC,アナログIC,ADC ICの内の一つ以上の技法で干渉を除去した後,干渉信号と所望の信号間の信号電力の差がADC範囲内に収まらなければならない方法であって,ベースバンド領域でなされる全ての干渉除去技法であり,
自己干渉チャネル推定方法として,自己干渉チャネルを推定するための新しい参照信号であるSI-RSを提案するものであって,
SI-RSは,Zadoff-Chuシーケンスの循環遷移を用いたシーケンスを用い,循環遷移変数の1つの値をDL SI-RSに割当て,残りをUL SI-RSに割当て,
基地局が送信アンテナから送信したDL SI-RSが受信アンテナを経て再び基地局に受信され,端末が送信したUL SI-RSとDL SI-RSを用いてSIチャネルを推定し,
基地局は,受信したSI-RSをFFTして周波数領域の信号に変換し,割当てられた端末に対する周波数チャネル応答を取得し,SIチャネルを推定することによってSIチャネルを除去することができる
基地局。」(以下,「引用発明」という。)
の発明が記載されている。

2.引用文献2について

当審拒絶理由に引用された国際公開第2009/084224号公報(以下,「引用文献2」という。下線は当審が付与。)には,

「[0002] 移動体通信システムでは,上り回線または下り回線の伝搬路推定のために参照信号(RS:Reference Signal)が用いられる。3GPP LTE(3rd Generation Partnership Project Long-term Evolution)システムに代表される無線通信システムでは,上り回線で用いられる参照信号としてZadoff-Chu系列(以下,ZC系列という)が採択されている。ZC系列が参照信号として採択される理由は,周波数特性が均一であること,また,自己相関特性および相互相関特性が良好であることなどである。このZC系列はCAZAC(Constant Amplitude and Zero Auto-correlation Code)系列の一種であり,時間領域で表記すると以下の式(1)で表される。

ここで,Nは系列長,rは時間領域でのZC系列番号であり,Nとrとは互いに素である。また,pは任意の整数(一般的には,p=0)を表す。以下の説明では,系列長Nが奇数の場合のZC系列を用いて説明するが,偶数の場合のZC系列も同様に適用できる。
[0003] 式(1)のZC系列を時間領域で巡回シフトすることにより得られる巡回シフトZC系列,あるいはZC-ZCZ(Zadoff-Chu Zero Correlation Zone)系列は,次の式(2)で表される。

ここで,mは巡回シフト番号,Δは巡回シフト間隔を表す。±の符号はいずれであってもよい。また,ZC系列では,系列長Nが素数であるZC系列から,N-1個の相互相関特性が良好な準直交系列を生成することができる。この場合,生成されるN-1個の準直交系列間の相互相関は√Nで一定となる。さらに,式(1)の時間領域ZC系列をフーリエ変換により周波数領域に変換した系列もZC系列となるため,ZC系列の周波数領域表記は,次の式(3)で表される。

ここで,Nは系列長,uは周波数領域でのZC系列番号であり,Nとuとは互いに素である。また,qは任意の整数(一般的には,q=0)を表す。同様に式(2)の時間領域でのZC-ZCZ系列を周波数領域で表記すると巡回シフトと位相回転がフーリエ変換対の関係にあることから,次の式(4)で表される。

ここで,Nは系列長,uは周波数領域でのZC系列番号であり,Nとuとは互いに素である。また,mは巡回シフト番号,Δは巡回シフト間隔,qは任意の整数(一般的には,q=0)を表す。」

の記載があるから,

「Zadoff-Chuシーケンスを時間領域で巡回シフトすることにより得られる巡回シフトZCシーケンスはZC-ゼロ相関ゾーンシーケンスである」

ことが知られている。

3.引用文献3について

当審拒絶理由に引用されたAsia-Pacific Signal and Information Processing Association Annual Summit and Conference(APSIPA), (29 Oct.2013 - 1 Nov.2013), Wataru Kawata et.al."Wireless Packet Collision Detection Using Self-Interference Canceller"(以下,「引用文献3」という。当審拒絶理由のCollilsionはCollisionの明らかな誤記である。)には,


「III PROPOSED WIRELESS PACKET COLLISION DETECTION METHOD
In this section, we propose three different packet collision detection schemes in terms of the configuration or the signal used for the collision detection.
A. Proposed method 1: packet collision detection using canceller output power
The system configuration of the first method (proposed method 1) is shown in Fig.3, where sending node (SN) detects the collision during his transmission. Receiving node (RN) is the destination node of SN and collision node (CN) causes the collision by sending packets at some point during SN's transmission. In the configuration, both the transmit (Tx.) and the receive (Rx.) antennas of SN are assumed to have a single element. Taking advantages of the fact that the self-interference is composed by the SN's own past transmitted signal, an adaptive filter having Q taps, whose input is the SN's transmitted signal, is employed in SN, and the output of the filter is subtracted from that of the Rx. antenna in order to cancel the self-interference.
Let {c_(0), . . . , c_(K-1)} and {h_(0), . .. , h_(L-1)} be impulse responses of the channel between Tx. and Rx. antennas of SN, and between Tx. antenna of CN to Rx. antenna of SN, respectively. The transfer functions of the corresponding channels are given by

and

where K and L denote lengths of the impulse responses.
The transmitted signal at time n from SN x(n) is assumed to be zero mean and variance σ_(x)^(2)_( ),and v(n) is the zero mean additive white noise at Rx. antenna of SN with variance σ_(v)^(2).
Moreover, i(n) is the transmitted signal of CN with zero mean and variance σ_(i)^(2). Then, the received signal at Rx. antenna of SN r(n) is written as

Defining the weight of the adaptive filter as {w_(0), . . . , w_(Q-1)}, the output of the adaptive filter is given by

Thus, the canceller output signal y(n) =r(n)-r~(n) is obtained as

From (5), we can see that, if Q ≧ K holds and

are satisfied, then the components of self-interference are completely eliminated^(1).」
(当審訳:
III 提案する無線パケット衝突検出方法
このセクションでは,構成または衝突検出に使用される信号の観点から,3つの異なるパケット衝突検出方式を提案します。
提案方法1:出力キャンセラを使う方法
第1の方法(提案方法1)のシステム構成を図3に示す。送信ノード(SN)は,送信中に衝突を検出する。受信ノード(RN)はSNの宛先ノードであり,衝突ノード(CN)はSNの送信中のある時点でパケットを送信することにより衝突を引き起こす。
この構成では,SNの送信(Tx)アンテナと受信(Rx)アンテナの両方は単一素子と設定されている。 自己干渉はSN自身の過去の送信信号によって構成されるという事実を利用して,SNの送信信号を入力とするQタップを持つ適応フィルターがSNで使用され,自己干渉をキャンセルするために,そのフィルターの出力をRxアンテナの出力から差し引きます。
{c_(0), . . . , c_(K-1)}と{h_(0), . . . , h_(L-1)}を,それぞれSNの送信アンテナと受信アンテナ間のチャネルのインパルスレスポンス,CNの送信アンテナとSNの受信アンテナ間のチャネルのインパルスレスポンスとする。対応する伝達関数は,



であり,ここでKとLは,インパルス応答の長さを示す。
SNからの時刻nにおける送信信号x(n)は平均0,分散σ_(x)^(2)であるとし,v(n)はRxにおいて加わる平均0の白色雑音であるとする。また,i(n)は平均0,分散σ_(i)^(2)であるCNの送信信号である。そうすると,SNの受信アンテナにおける受信信号r(n)は下記である。

適応フィルターの重みを{w_(0), . . . , w_(Q-1)}と定義すると,適応フィルターの出力は

で与えられる。そうすると,キャンセラ出力信号y(n)=r(n)-r~(n)は,

で得られる。
(5)によれば,Q≧Kの場合,

を満足すれば,自己干渉成分を完全に除去できることが理解できる。)

の記載がある。

上記記載によれば,自己干渉波キャンセラである「適応フィルター」を用いることで「送信ノードの送信アンテナから送信ノードの受信アンテナまでのインパルス応答」がキャンセルされている。

したがって,「インパルス応答に従って受信信号内に存在する自己干渉を適応フィルタによりキャンセル」していることが引用文献3に記載されている。


第6 対比・判断

1.本願発明1について
(1)対比

本願発明1と引用発明とを対比する。

引用発明の「基地局」は「デバイス」である。
引用発明は,「全二重方式を支援」するから,「全二重モードで動作するように構成」されているといえる。

引用文献2の記載によれば,引用発明における「循環遷移を用いたZadoff-Chuシーケンス」は「ゼロ相関ゾーンシーケンス」である。
引用発明において,SI-RSは,Zadoff-Chuシーケンスの循環遷移を用いたシーケンスを用いており,循環遷移変数の1つの値をDL SI-RSに割当てて,送信アンテナから送信したDL SI-RSが受信アンテナを経て再び基地局に受信されると,SIチャネルを推定し除去している。
したがって,引用発明の「DL SI-RS」は,「ゼロ相関ゾーン(ZCZ)シーケンスのセットから選択されたZCZシーケンスから導出されたトレーニング信号」であるので,引用発明は「デバイスの送信アンテナの上でゼロ相関ゾーン(ZCZ)シーケンスのセットから選択されたZCZシーケンスから導出されたトレーニング信号を送信」し,「前記デバイスの受信アンテナの上で前記トレーニング信号を受信」しているといえる。

また,引用発明は,「自己干渉を除去」するから,「受信信号内に存在する自己干渉をキャンセル」しているといえ,「自己干渉」とは「前記デバイスの前記送信アンテナによってなされる第2の送信から生じ」が干渉を意味することが技術常識である。
また,「SIチャンネルを除去」した後に受信される信号の処理を行うことは自明である。

したがって,本願発明1と引用発明とは,

「デバイスの送信アンテナの上でゼロ相関ゾーン(ZCZ)シーケンスのセットから選択されたZCZシーケンスから導出されたトレーニング信号を送信するステップと,
前記デバイスは,全二重モードで動作するように構成される,ステップと,
前記デバイスの受信アンテナの上で前記トレーニング信号を受信するステップと,
受信信号内に存在する自己干渉をキャンセルするステップであって,前記自己干渉が,前記デバイスの前記送信アンテナによってなされる第2の送信から生じるものであり,それにより,干渉キャンセル済み受信信号を作り出し,
前記デバイスによって,前記干渉キャンセル済み受信信号を処理するステップと
を含む
,方法。」

で一致し,次の点で相違する。

(相違点1)
本願発明1は,トレーニング信号がデバイスの送信アンテナとデバイスの受信アンテナとの間の通信チャネルについてチャネルインパルス応答の推定を促進するように構成され,ZCZシーケンスに従って前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の通信チャネルについて前記チャネルインパルス応答を推定し,チャネルインパルス応答に従って受信信号内に存在する自己干渉をキャンセルするステップを有するのに対し,
引用発明は,トレーニング信号がデバイスの送信アンテナとデバイスの受信アンテナとの間の通信チャネルについて周波数チャネル応答の推定を促進するように構成され,循環遷移を用いたZadoff-Chuシーケンス(ZCZシーケンス)に従って前記送信アンテナと前記受信アンテナとの間の通信チャネルについて前記周波数チャネル応答を推定し,周波数チャネル応答に従って受信信号内に存在する自己干渉をキャンセルするステップを有する点。

(相違点2)
本願発明1は,前記ZCZシーケンスが,前記デバイスが半二重モードで動作しているとき送信されるのに対し,引用発明では,循環遷移を用いたZadoff-Chuシーケンス(ZCZシーケンス)の送信について記載がない点。

(2)相違点についての判断

事案に鑑みて,上記相違点2について先に検討すると,循環遷移を用いたZadoff-Chuシーケンスがデバイスが半二重モードで動作しているとき送信することについて,上記引用文献1-3には記載されておらず,本願優先日前において周知技術であるともいえない。

したがって,他の相違点について判断するまでもなく,本願発明1は,当業者であっても引用発明,引用文献1-3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

2.本願発明2-8について

本願発明2-8も,本願発明1の相違点2と同一の構成を備えるものであるから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても,引用文献1-3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

3.本願発明9について

本願発明9は,本願発明1の方法を実行するデバイスの発明であって,本願発明1の相違点2と同一の構成を行うように構成されているから,本願発明1と同じ理由により,当業者であっても,引用文献1-3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。

4.本願発明10-12について

本願発明10-12も,本願発明9と同一の相違点を有するから,本願発明9と同じ理由により,当業者であっても,引用文献1-3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものとはいえない。


第7 原査定についての判断

原査定における引用文献は,当審拒絶理由における引用文献1であるから,同様の理由により,本願発明1-12は,当業者であっても,原査定における引用文献に基づいて容易に発明できたものではない。したがって,原査定を維持することはできない。


第8 むすび

以上のとおり,原査定の理由によって,本願を拒絶することはできない。
他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって,結論のとおり審決する。
 
審決日 2020-08-27 
出願番号 特願2017-541799(P2017-541799)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H04B)
最終処分 成立  
前審関与審査官 原田 聖子  
特許庁審判長 佐藤 智康
特許庁審判官 吉田 隆之
衣鳩 文彦
発明の名称 全二重通信システム向けのトレーニング信号のためのシステムおよび方法  
代理人 木内 敬二  
代理人 実広 信哉  

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