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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 B65D
管理番号 1366487
審判番号 不服2020-2180  
総通号数 251 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-11-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-02-18 
確定日 2020-10-13 
事件の表示 特願2019- 52931「収納箱」拒絶査定不服審判事件〔、請求項の数(5)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、令和元年3月20日を出願日とする出願であって、その手続の経緯は次のとおりである。
令和元年6月26日付け 拒絶理由通知
令和元年8月29日 意見書の提出
令和元年11月25日付け 拒絶査定
令和2年2月18日 本件審判請求、同時に手続補正書の提出
令和2年4月30日付け 前置報告
令和2年7月13日 上申書

第2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、令和元年6月26日付け拒絶理由通知書に記載した理由であって、その概要は次のとおりである。
(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

<引用文献等一覧>
1.実願昭57-23206号(実開昭58-126099号)のマイクロフィルム
2.特開2003-20079号公報
3.特開平8-230869号公報(周知技術を示す文献)
4.実願昭49-77529号(実開昭51-6896号)のマイクロフィルム(周知技術を示す文献)

・請求項1?6
・引用文献1?4
請求項1?6に係る発明は、引用文献1?2に記載された発明及び従来周知の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

第3 審判請求時の補正について
審判請求時の補正は、特許法第17条の2第3項から第6項までの要件に違反しているものとはいえない。
審判請求時の補正により請求項1に「前記少なくとも1面には、前記L*1、前記a*1及び前記b*1の条件を満たす色材部が設けられている」という事項を追加する補正は、請求項1に当該補正前の請求項2に係る事項を限定する補正であって、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、新規事項を追加するものでもない。
そして、以下の「第4 本願発明」?「第5 当審の判断」に示すように、補正後の請求項1?5に係る発明は、独立特許要件を満たすものである。

第4 本願発明
本願の特許請求の範囲の請求項1?5に係る発明(以下「本願発明1」等という。)は、令和2年2月18日にした手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1?5にそれぞれ記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。

「【請求項1】
衛生用紙を取出口から取り出し可能に収納される収納箱であって、
前記収納箱の4面の内側面のうち少なくとも1面のL*a*b*表色系のL*、a*及びb*をそれぞれL*1、a*1及びb*1とし、前記衛生用紙のL*a*b*表色系のL*、a*及びb*をそれぞれL*2、a*2及びb*2としたとき、ΔE=[(L*2-L*1)^(2)+(a*2-a*1)^(2)+(b*2-b*1)^(2)]^(1/2)で定義される色差ΔEが5以上であり、
前記少なくとも1面には、前記L*1、前記a*1及び前記b*1の条件を満たす色材部が設けられていることを特徴とする収納箱。
【請求項2】
前記少なくとも1面には、前記色材部を含む複数の色を有する彩色部が設けられていることを特徴とする請求項1に記載の収納箱。
【請求項3】
前記収納箱は、前記内側面に粘着層または接着層を介して固定されるシート材を有し、前記少なくとも1面に前記シート材を設けることによって、前記L*1、前記a*1及び前記b*1の条件を満たすことを特徴とする請求項1に記載の収納箱。
【請求項4】
前記少なくとも1面の対向面は、当該少なくとも1面を視認可能な切抜開口部が形成されていることを特徴とする請求項1?3のいずれか一項に記載の収納箱。
【請求項5】
前記収納箱には、前記対向面の前記切抜開口部を覆うように透明または半透明のシートが設けられていることを特徴とする請求項4に記載の収納箱。」

第5 当審の判断
1.引用文献、引用発明
(1)原査定の拒絶の理由に引用された本願出願前に頒布された刊行物である引用文献1には、以下の記載がある。
ア 【実用新案登録請求の範囲】
「ティシュペーパー(1)に窓(2)をつけた、窓つきティシュベーパー。」(明細書1頁4?5行)
イ 【考案の詳細な説明】
「従来のティシュペーパーは、紙の残量を知らせる方法として底の方の紙を色ちがいにし、その色ちがいの紙が出てきたら残量が少ないとか、取り出し口に透明のビニールを張り、残量がわかるようにしていた。しかし、それでは紙を色ちがいにした場合では感覚的にはわかつても目で紙の残量を確認できず不便であり、取り出し口に透明のビニールを張つたものも、実際に使つてみると意外とティシュペーパーの内部は見にくく、したがつて紙の残量もわかりにくく不便であった。
本案は、その欠点を除くために考案されたもので、これを図面について説明すれば、ティシュベ-バー(1)に窓(2)を設け、内側から透明のビニール(3)を張る。このようにすれば、ティシュペーパー(1)の紙(5)の残量が一目でわかり便利である。」(明細書1頁9行?2頁3行)
ウ 【図面の簡単な説明】
「第1図は本考案の斜視図
第2図は本考案のイラスト(6)窓(2)を設けた斜視図
(1)ティシュペーパー (2)窓 (3)透明のビニール (4)取り出し口 (5)紙 (6)イラスト」(明細書2頁14?18行)
エ 「


上記記載及び第1図の図示内容からみて、引用文献1には、次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されている。
「ティシュペーパー(1)に取り出し口(4)を設け、取り出し口(4)から紙(5)を取り出し可能とするとともに、ティシュペーパー(1)に窓(2)を設け、ティシュペーパー(1)の紙(5)の残量が一目でわかるようにした、ティシュペーパー(1)。」

(2)また、原査定の拒絶の理由に引用された本願出願前に頒布された刊行物である引用文献2には、以下の記載がある。
ア 「【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、ウエットティッシュ等のように薬液を含浸した清拭シートを複数枚重ねた状態で収容してなる包装体に関する。より詳細には、容器内に収容した薬液含浸清拭シートを一枚若しくは数枚ずつ取り出して使用する形態の薬液含浸清拭シート包装体において、内部に収容された清拭シートを最後の一枚まで乾燥させることなく適度に所望の湿潤状態に維持できる包装体に関する。」
イ 「【0005】
【発明が解決しようとする課題】本発明は、複数枚の薬液含浸清拭シートを収容してなる包装体に関する上記従来の問題を解決することを目的とするものである。具体的には、本発明の目的は、容器の取り出し口をくり返し開閉して使用しても、内部に収容された薬液含浸清拭シートが最初から最後まで所望の清拭性能を発揮するように、薬液含浸清拭シートを適度に湿潤した状態で保持することのできる薬液含浸清拭シート包装体を提供することである。」
ウ 「【0029】調湿用パットは、その表面が清拭シートの一部に接触する態様で容器に収容される。調湿用パットの容器内の配置態様の一例を図1?4に示す。図1?図4は薬液含浸清拭シート包装体の断面図である。
【0030】調湿用パットと清拭シートとの接触態様としては特に制限されず、例えば図1または図2に示すように清拭シートの重ね物の平面部が調湿用パットの表面に接触する態様、図3に示すように清拭シートの重ね物の側面部が調湿用パットの表面に接触する態様、図4に示すように清拭シートの重ね物の平面部と側面部の両方が調湿用パットの表面に接触する態様を例示することができる。なお、接触部は例えば図1に示すように清拭シートの平面部の全面に亘って接触してもいいし、また図2に示すように清拭シートの一部と接触する態様でもよい。好ましくは包装体の使用形態(横置き、縦置き等の配置態様)に応じて、少なくとも清拭シートの重ね物の底面部(平面部、側面部)に接触する形態を有することが好ましい。この場合、包装体が図1又は2に示すように横置使用タイプのものである場合は、調湿用パットをその包装体の底部(平面部)の一部または全部に、また図3又は4に示すように縦置使用タイプのものである場合は、調湿用パットをその包装体の底部(側面部)の一部または全部に接触するように配置することができる。
【0031】調湿用パットをかかる態様で配置することによって、清拭シートに薬液を過量に担持させた場合でも重力による液切り効果によって、使用時の液垂れを防止し、また清拭対象物を過度に濡らすことなく速乾性ある清拭処理を行うことができる。また、調湿用パットから清拭シートの重層物に毛細管現象によって効率よく薬液を補充・供給することができるため、清拭シートを最後まで適度に湿潤した清拭性能を保持した状態で使用することが可能となる。」
エ 「【0034】
・・・・
実施例1
本発明の薬液含浸清拭シート包装体の一例を図1に示す。図1は薬液含浸清拭シート包装体の断面図である。
【0035】当該包装体1は、図1に示すように、開閉自在の蓋部22を備えた開口部21を有する容器(包材)2内に、薬液を含浸してなる清拭シート3と調湿用パット4を収容してなる。清拭シート3は折り畳んだ単シートを複数枚重ねた重ね物として、容器2の内側底部に置かれた調湿用パット1の上に積み重ねた状態で、容器2内に収容される。
・・・・
【0040】このように構成された本発明の薬液含浸清拭シート包装体1は、使用時に蓋部を図1に示すように開けて、該開口部から容器内部にある清拭シートを必要枚数取り出し、また使用後には蓋部を閉じて容器内部から薬液が揮散しないように気密状態におかれる。なお、調湿用パットの上方面を着色しておくと、清拭シートの残数が少なくなったことを目視で判断することができる。」
オ 「


カ 「



(3)原査定の拒絶の理由に引用された本願出願前に頒布された刊行物である引用文献3には次の記載がある。
「【0043】更にまた、図3に示すように、保持片55により、保持片55を切り起こすことで形成される背面台紙51の開口が隠されて、正面側から略完全に見えないようになるので、ボトル容器包装体1の見栄えが良くなる。また、背面台紙51や底面台紙52や補助台紙54の内面側に彩色を施したりすることで、ボトル容器20とその背景部分とにメリハリを付けたり、ボトル容器20を引き立たせたりすることが可能で、ボトル容器包装体1の商品イメージを高めて、ボトル容器包装体1に対して高級感を付与することが可能となる。また、化粧台紙53の正面側に商品名やキャッチフレーズや商品のイメージキャラクター等を印刷して、ボトル容器包装体1を装飾することは言うまでもない。但し、容器ホルダ50の化粧台紙53及び底面台紙52は必要に応じて省略してもよい。」

(4)原査定の拒絶の理由に引用された本願出願前に頒布された刊行物である引用文献4には次の記載がある。
「底壁部(1)に敷いた色紙(2)によつて、収納商品(6)の内側面に、当該色紙(2)の色紙が反射し、あたかも商品(6)の内側面に着色したかの印象を与えると共に、内側に折曲げた折曲片(4)によつて、商品(6)の外側部が暗くなつて輪郭がはつきりし、従つて商品(6)は容器本体(イ)内において、鮮明に浮き上がり、商品価値が増大して購買者の視線を注視させて購買意欲を著しく高めるすぐれた利点を有している。」(明細書3頁14行?4頁7行)

2.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比する。
引用発明の「紙(5)」、「取り出し口(4)」、「ティッシュペーパー(1)」は、それぞれ、本願発明1の「衛生用紙」、「取出口」、「収納箱」にそれぞれ相当する。
そうすると、本願発明1と引用発明とは次の点で一致し、また、相違する。
<一致点>
「衛生用紙を取出口から取り出し可能に収納される収納箱。」
<相違点>
本願発明1は、「前記収納箱の4面の内側面のうち少なくとも1面のL*a*b*表色系のL*、a*及びb*をそれぞれL*1、a*1及びb*1とし、前記衛生用紙のL*a*b*表色系のL*、a*及びb*をそれぞれL*2、a*2及びb*2としたとき、ΔE=[(L*2-L*1)^(2)+(a*2-a*1)^(2)+(b*2-b*1)^(2)]^(1/2)で定義される色差ΔEが5以上であり、前記少なくとも1面には、前記L*1、前記a*1及び前記b*1の条件を満たす色材部が設けられている」のに対し、引用発明の「ティッシュペーパー(1)」の内側面のうち少なくとも1面に、色差ΔEが5以上となるように色材部が設けられているか特定されていない点。

(2)相違点について
ア 本願明細書には次の記載がある。
「【発明が解決しようとする課題】
【0004】
しかしながら、このような収納箱では、取出し口などから内部を覗くとしても、収納箱の内側面とティシュペーパーが、例えば同じ色の場合、残量が分かりにくいことがある。
すなわち、収納箱の内側面の色とティシュペーパーの色が同じ場合、内側面と同化してしまい、残量が分かり辛い場合がある。」
「【課題を解決するための手段】
【0006】
衛生用紙を取出口から取り出し可能に収納される収納箱であって、収納箱の4面の内側面のうち少なくとも1面のL*a*b*表色系のL*、a*及びb*をそれぞれL*1、a*1及びb*1とし、前記衛生用紙のL*a*b*表色系のL*、a*及びb*をそれぞれL*2、a*2及びb*2としたとき、ΔE=[(L*2-L*1)^(2)+(a*2-a*1)^(2)+(b*2-b*1)^(2)]^(1/2)で定義される色差ΔEが5以上であることを特徴とする。」
「【0014】
また、図3は、図1の収納箱10の展開した展開シートの下面図である。本実施形態の収納箱10の第2長側面13の対向面である第1長側面12の内側面には、全面に黒色などの色材を塗布する色材部12bが設けられている。本実施形態では、第1長側面12の内側面に色材部12bを設けたが、これに限られることなく、収納箱10の4面の内側面の1面に色材部を設けてもよい。」
「【0032】
このように、本発明の実施形態の収納箱によれば、収納箱10の内側面に設けられた色材部12bと、ティシュペーパーPとの色差を5以上とすることで、収納箱内のティシュペーパーの残量を使用者に知らせ、把握することができる。」
上記記載から、本願発明1は、収納箱では、取出口などから内部を覗くとしても、収納箱の内側面とティシュペーパーが、例えば同じ色の場合、残量が分かりにくいことがあるが、収納箱10の内側面に設けられた色材部12bとティシュペーパーPとの色差を5以上とすることで、収納箱内のティシュペーパーの残量を使用者に知らせ、把握することができるものである。
また、取出口から収容箱の4つの内側面を見ることができるのだから、衛生用品を収容する箱に係る技術常識を踏まえれば、本願発明1において、取出口は、収容箱の4つの内側面以外の面、すなわち天面に配置されていることが明らかである。
イ 一方、引用発明は、「紙(5)の残量が一目でわかるようにした」ものではあるものの、ティシュペーパー(収容箱)の内側面に紙(5)と色差ΔEを有する色材部を設けることについて特定されていない。
この点、引用文献2には、収納容器の内壁に、上方を着色した調湿用パット4を設けることが記載されている。この「調湿用パット4」は、「内部に収容された薬液含浸清拭シートが最初から最後まで所望の清拭性能を発揮するように、薬液含浸清拭シートを適度に湿潤した状態で保持する」(引用文献2の段落【0005】)ためのものであって、「包装体が図1又は2に示すように横置使用タイプのものである場合は、調湿用パットをその包装体の底部(平面部)の一部または全部に、また図3又は4に示すように縦置使用タイプのものである場合は、調湿用パットをその包装体の底部(側面部)の一部または全部に接触するように配置する」(同【0030】)ものであり、「調湿用パットの上方面を着色しておくと、清拭シートの残数が少なくなったことを目視で判断することができる」(同【0040】)ものである。
しかし、引用文献2の「調湿用パット4」は、引用文献2の段落【0031】に「調湿用パットをかかる態様で配置することによって、清拭シートに薬液を過量に担持させた場合でも重力による液切り効果によって、使用時の液垂れを防止し、また清拭対象物を過度に濡らすことなく速乾性ある清拭処理を行うことができる。また、調湿用パットから清拭シートの重層物に毛細管現象によって効率よく薬液を補充・供給することができるため、清拭シートを最後まで適度に湿潤した清拭性能を保持した状態で使用することが可能となる。」と記載されるように、「調湿用パット4」が発揮しようとする機能からみて、その配置位置は、包装体を置いたときの一番下部、包装体の底部であるはずである。
そうすると、引用発明のティシュペーパー(収容箱)に、引用文献2の調湿用パットの上方面を着色する技術を適用したとしても、引用文献2の調湿用パットは、包装体の底部に配置されるものであるから、引用発明のティシュペーパー(収容箱)の底部ではない、内側面に着色した部材を設けることにはならない。
なお、引用文献2の図3の実施形態では、清拭シートを取り出す開口部の位置を包装体の天面とすると、調湿用パットはその包装体の側面部に配置されていることになるが、引用文献2の段落【0040】の「このように構成された本発明の薬液含浸清拭シート包装体1は、使用時に蓋部を図1に示すように開けて、該開口部から容器内部にある清拭シートを必要枚数取り出し、また使用後には蓋部を閉じて容器内部から薬液が揮散しないように気密状態におかれる。なお、調湿用パットの上方面を着色しておくと、清拭シートの残数が少なくなったことを目視で判断することができる。」との記載からみて、調湿用パットの上方面を着色するのは、図1の実施形態のものであって、図3の実施形態のものではないと理解するのが相当である。この理解は、目視により判断できるのが、清拭シートの残量ではなく、図1の実施形態のように、積み重ねられた清拭シート越しに上から調湿用パットの上方面を見て把握できる、「清拭シートの残数が少なくなったこと」とされることと整合する。
また、引用文献3及び4にも、箱の内側面を着色して、箱内部の内容物の残量を把握しやすくしたことは記載されておらず、示唆する記載もない。
ウ そして、本願発明1は、上記<相違点>に係る構成を備えることで、収納箱内のティシュペーパーの残量を使用者に知らせ、把握することができるとの格別な作用効果を奏する。
エ よって、引用発明を、上記<相違点>に係る本願発明1の構成を備えたものとすることは、当業者が容易になし得たものであるとはいえない。

(3)本願発明1についての小活
以上のとおりであるから、本願発明1は、引用発明及び引用文献2?4に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものであるとはいえない。

3.本願発明2?5について
本願発明2?5の収納箱は、いずれも本願発明1の色材部をその構成に包含するものである。
そうすると、上記2.に示したように、本願発明1は、引用発明及び引用文献2?4に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえないから、本願発明2?6も、引用発明及び引用文献2?4に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

第6 原査定について
上述のとおり、本願発明1?5は、引用発明及び引用文献2?4に記載された技術的事項に基いて、当業者が容易に発明できたものではないから、同じく、引用文献1?2に記載された発明及び引用文献3、4に記載された周知技術に基づく特許法第29条第2項に係る理由を、その拒絶の理由とする原査定は、維持することはできない。

第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2020-09-25 
出願番号 特願2019-52931(P2019-52931)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (B65D)
最終処分 成立  
前審関与審査官 西山 智宏  
特許庁審判長 森藤 淳志
特許庁審判官 杉山 悟史
井上 茂夫
発明の名称 収納箱  
代理人 特許業務法人 谷・阿部特許事務所  

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