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審決分類 審判 査定不服 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 G06F
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1366629
審判番号 不服2018-17541  
総通号数 251 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-11-27 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2018-12-28 
確定日 2020-10-13 
事件の表示 特願2017-517686「入力方法に基づくウェブサイト情報提供方法及び装置」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 6月 9日国際公開、WO2016/086736、平成29年10月26日国内公表、特表2017-531868、請求項の数(12)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2015年(平成27年)10月22日(パリ条約による優先権主張2014年12月4日、中国)を国際出願日とする出願であって、平成30年3月2日付けで拒絶理由通知がされ、平成30年5月28日に意見書が提出されるとともに手続補正がされ、平成30年8月29日付けで拒絶査定(原査定)がされ、これに対し、平成30年12月28日に拒絶査定不服審判の請求がされ、平成31年1月18日に審判請求書について手続補正がされ、その後、令和2年4月6日付けで当審より拒絶理由(以下、「当審拒絶理由通知」という。)がされ、令和2年6月29日に意見書が提出されるとともに手続補正がされたものである。

第2 原査定の概要
原査定(平成30年8月29日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。

本願請求項1-12に係る発明は、以下の引用文献A-Bに基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
A.特開2002-82850号公報
B.特開平2-19917号公報

第3 当審拒絶理由の概要
当審拒絶理由の概要は次のとおりである。

1.理由1(明確性)
この出願は、特許請求の範囲の記載が、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。

2.理由2(進歩性)
本願請求項1-12に係る発明は、以下の引用文献1に基づいて、当業者が容易に発明明できたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.中国特許出願公開第101452453号明細書(当審において新たに引用した文献)

第4 本願発明
本願請求項1-12に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明12」という。)は、令和2年6月29日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-12に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1は以下のとおりの発明である。

「【請求項1】
ユーザが入力方法インターフェースで入力した情報を受信するステップと、
前記入力された情報に対応するウェブサイト情報を取得するステップと、
前記ユーザが選択するように前記ウェブサイト情報を表示するステップと、
前記ウェブサイト情報に対する前記ユーザの選択命令を受信するステップと、
ユーザの現在使用中の場面が、プログラムの全画面実行の場面及び没入式ブラウジングの場面を含む所定の場面と異なる場合、前記選択命令に対応するウェブサイトを、前記ウェブサイト情報に基づいてブラウザで開き、ユーザの現在使用中の場面が前記所定の場面と同じである場合、前記選択命令に対応するウェブサイトをブラウザで開かないステップと、
を含む、
ことを特徴とする入力方法に基づくウェブサイト情報提供方法。」

なお、本願発明2-12の概要は以下のとおりである。

本願発明2-5は、本願発明1を減縮した発明である。

本願発明6は、本願発明1に対応する装置の発明であり、本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。

本願発明7-10は、本願発明6を減縮した発明である。

本願発明11、12は、それぞれ、本願発明1に対応する機器、及び、記憶媒体の発明であり、本願発明1とカテゴリ表現が異なるだけの発明である。

第5 引用文献1及び引用発明
1.引用文献1について
令和2年4月6日付けの拒絶の理由に引用された引用文献1(中国特許出願公開第101452453号明細書)には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は、特に着目した箇所を示す。以下同様。)。

(1) 11頁(明細書6/15頁)5-14行



(当審訳:
・・・(前略)・・・そのため、本発明の具体例中では、“ウェブサイト”に代えて、URLを用いて説明を進めることができる。
図1を参照すると、本発明の入力メソッドでウェブサイトをナビゲーションする方法の一実施例を示しており、具体的に以下のステップを含むことができる:
ステップ101では、ユーザーの入力情報を受信する;
ステップ102では、受信した入力情報に基づいて、辞書中で検索を実行して、対応する選択肢を得る;
ステップ103では、前記選択肢中の1個または複数個に基づいて、プリセットされたウェブサイト・ナビゲーション・データベース中で検索を実行して、1個または複数個の対応するウェブサイト情報との一致を得る;ここで、前記ウェブサイト・ナビゲーション・データベースは、キーワードとウェブサイト情報との対応関係を含む;)

(2) 11頁(明細書6/15頁)最下行



(当審訳:
ステップ104では、選択肢、及び、得られたウェブサイト情報を表示する;)

(3) 12頁(明細書7/15頁)1-5行



(当審訳:
ステップ105では、ユーザの選択情報を受信して、指定された選択肢またはウェブサイトを出力する。
ステップ104及び105中のウェブサイト情報は、ウェブサイトそれ自体(例えば、URL)のみを含むことができる;ウェブサイト情報は、また、このウェブサイトに対する紹介情報等の関連情報を含むことができる。ステップ104でウェブサイト情報を表示する際、同時に紹介情報とウェブサイトのURLを表示する方法を用いることができ、また、紹介情報をアンカーテキストとして用いることによって、このリンクされたウェブサイトのURLの方式の表示をするなど。)

(4) 12頁(明細書7/15頁)21-27行



(当審訳:
ステップ105の出力方式は多種多様であってよい。なぜならば、ウェブサイト情報がユーザに出力される限り、実際上、ユーザのウェブサイトのナビゲーションの要求は満足できるからである。本発明で可能な各種の出力方式を一つ一つ列挙することはできない。しかし、本発明の出力方式は、例えば、少なくとも以下の3種の出力方式を含む:
方法1では、直接一つのウェブブラウザをトリガして、このウェブサイトのページに対応する表示を実行する。例えば、ユーザはキーボードまたはマウスによって、あるウェブサイト情報を選択した後(例えば、ウェブサイトまたはウェブサイト紹介情報、あるいはウェブサイトリンクなどをクリックして)、入力メソッドが、直接、バックグラウンドでIEブラウザをトリガして、このURLのページを開き、これによってユーザを所望のウェブサイトページにナビゲーションする。)

(5) 15頁(明細書10/15頁)下から3行目-16頁(明細書11/15頁)8行



(当審訳:
本発明の他の一実施例中では、ユーザがブラウザのアドレスバーに入力する時、または、検索入力の枠に入力する時、直接に自動でユーザにウェブサイト・ナビゲーションサービスを提供することが望ましい、なぜならば、一般の状況下では、この時ユーザがウェブサイトのナビゲーションを必要とする可能性が非常に高いからである。そのため、当該実施例は、さらに以下を含むことができる:ユーザが現在参照している入力欄の属性情報を取得する;この属性情報がプリセットされた条件を満足するか否かを判断する;満足する場合、ウェブサイトの検索とウェブサイト情報の表示のステップを続行する、または、ウェブサイト情報の表示のステップを続行する;もし満足しない場合、選択肢の表示だけが実行される。
様々な入力欄に対して、必要とされる様々な属性情報及び判定に用いるプリセットされた条件は全て異なることができるので、本発明はここで一つ一つ詳述することできない。例えば、入力メソッドは、システムメッセージ中から現在のカーソルのフォーカスに関連するパラメータを知ることができ、さらに、これらのパラメータ情報に基づいて、現在の入力欄が、結局、ブラウザのアドレスバーであるか、または、検索入力の枠であるか、あるいは、その他の入力欄であるかを判断できる;もしウェブサイトのナビゲーション機能をトリガーする必要がある入力欄に属する場合、ウェブサイトのナビゲーションをトリガすればよい。)

(6) 17頁(明細書12/15頁)19-21行



(当審訳:
ウェブサイト・ナビゲーション・データベースを生成した後に、その中のデータは相対的に静的である中で、ユーザの絶えず変化する要求を満足するために、本発明は好ましくは、実際の適用状況に基づいて前記ウェブサイト・ナビゲーション・データベースを更新する必要がある。)

2 引用発明について
したがって、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が開示されているものと認められる。

「“ウェブサイト”に代えて、URLを用いることができる、
入力メソッドでウェブサイトをナビゲーションする方法であって、
以下のステップを含む:
ステップ101では、ユーザーの入力情報を受信する;
ステップ102では、受信した入力情報に基づいて、辞書中で検索を実行して、対応する選択肢を得る;
ステップ103では、前記選択肢中の1個または複数個に基づいて、プリセットされたウェブサイト・ナビゲーション・データベース中で検索を実行して、1個または複数個の対応するウェブサイト情報との一致を得る;ここで、前記ウェブサイト・ナビゲーション・データベースは、キーワードとウェブサイト情報との対応関係を含む;
ステップ104では、選択肢、及び、得られたウェブサイト情報を表示する;
ステップ105では、ユーザの選択情報を受信して、指定された選択肢またはウェブサイトを出力する。
ステップ104及び105中のウェブサイト情報は、ウェブサイトそれ自体(例えば、URL)のみを含むことができ、ウェブサイト情報は、また、このウェブサイトに対する紹介情報等の関連情報を含むことができ、
ステップ105の出力方式は多種多様であってよく:方法1では、直接一つのウェブブラウザをトリガして、このウェブサイトのページに対応する表示を実行し、例えば、ユーザはキーボードまたはマウスによって、あるウェブサイト情報を選択した後(例えば、ウェブサイトまたはウェブサイト紹介情報、あるいはウェブサイトリンクなどをクリックして)、入力メソッドが、直接、バックグラウンドでIEブラウザをトリガして、このURLのページを開き、これによってユーザを所望のウェブサイトページにナビゲーションし、
ユーザがブラウザのアドレスバーに入力する時、または、検索入力の枠に入力する時、ユーザがウェブサイトのナビゲーションを必要とする可能性が非常に高いから、さらに以下を含むことができ:
ユーザが現在参照している入力欄の属性情報を取得する;
この属性情報がプリセットされた条件を満足するか否かを判断する;
満足する場合、ウェブサイトの検索とウェブサイト情報の表示のステップを続行し;
もし満足しない場合、選択肢の表示だけが実行され、
ウェブサイト・ナビゲーション・データベースを生成した後に、実際の適用状況に基づいて前記ウェブサイト・ナビゲーション・データベースを更新する必要がある、
入力メソッドでウェブサイトをナビゲーションする方法。」

第6 対比・判断
1.本願発明1について
(1) 対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。

ア 引用発明の「入力メソッドでウェブサイトをナビゲーションする方法」における「ステップ101」は、「ユーザーの入力情報を受信する」ステップであるから、本願発明1の「ユーザが入力方法インターフェースで入力した情報を受信するステップ」に相当する。

イ 引用発明の「ステップ102」及び「ステップ103」は、「受信した入力情報に基づいて、辞書中で検索を実行して、対応する選択肢を得る」ステップと、「前記選択肢中の1個または複数個に基づいて、プリセットされたウェブサイト・ナビゲーション・データベース中で検索を実行して、1個または複数個の対応するウェブサイト情報との一致を得る」ステップであるから、本願発明1の「前記入力された情報に対応するウェブサイト情報を取得するステップ」に相当する。

ウ 引用発明の「ステップ104」は、「選択肢、及び、得られたウェブサイト情報を表示する」ステップであるから、本願発明1の「前記ユーザが選択するように前記ウェブサイト情報を表示するステップ」に相当する。

エ 引用発明の「ステップ105」のうちの前半部分は、「ユーザの選択情報を受信して」いるステップであるから、本願発明1の「前記ウェブサイト情報に対する前記ユーザの選択命令を受信するステップ」に相当する。

オ 引用発明の「ステップ105」のうちの後半部分は、「指定された選択肢またはウェブサイトを出力する」ステップであって、「ステップ105の出力方式は多種多様であってよく:方法1では、直接一つのウェブブラウザをトリガして、このウェブサイトのページに対応する表示を実行し」ているから、本願発明1の「ユーザの現在使用中の場面が、プログラムの全画面実行の場面及び没入式ブラウジングの場面を含む所定の場面と異なる場合、前記選択命令に対応するウェブサイトを、前記ウェブサイト情報に基づいてブラウザで開き、ユーザの現在使用中の場面が前記所定の場面と同じである場合、前記選択命令に対応するウェブサイトをブラウザで開かないステップ」と、「前記選択命令に対応するウェブサイトを、前記ウェブサイト情報に基づいてブラウザで開くステップ」である点で共通するといえる。

カ 引用発明の「入力メソッドでウェブサイトをナビゲーションする方法」は、本願発明1の「入力方法に基づくウェブサイト情報提供方法」に相当する。

キ よって、本願発明1と引用発明との一致点・相違点は次のとおりであるといえる。

[一致点]
「ユーザが入力方法インターフェースで入力した情報を受信するステップと、
前記入力された情報に対応するウェブサイト情報を取得するステップと、
前記ユーザが選択するように前記ウェブサイト情報を表示するステップと、
前記ウェブサイト情報に対する前記ユーザの選択命令を受信するステップと、
前記選択命令に対応するウェブサイトを、前記ウェブサイト情報に基づいてブラウザで開くステップと、
を含む、
ことを特徴とする入力方法に基づくウェブサイト情報提供方法。」

[相違点1]
本願発明1では、「ユーザの現在使用中の場面が、プログラムの全画面実行の場面及び没入式ブラウジングの場面を含む所定の場面と異なる場合、前記選択命令に対応するウェブサイトを、前記ウェブサイト情報に基づいてブラウザで開き、ユーザの現在使用中の場面が前記所定の場面と同じである場合、前記選択命令に対応するウェブサイトをブラウザで開かないステップ」を備えており、要するに、最終的にウェブサイトをブラウザで表示するタイミングで、「ユーザの現在使用中の場面が、プログラムの全画面実行の場面及び没入式ブラウジングの場面を含む所定の場面と異なる場合」であるか否かを判断しているのに対して、このステップに対応する、引用発明の「ステップ105」のうちの後半部分は、単に、「指定された選択肢またはウェブサイトを出力する」ステップであって、「ユーザの現在使用中の場面が所定の場面とが異なる場合」であるか否かを判断しておらず、よって当然に、「ユーザの現在使用中の場面が、プログラムの全画面実行の場面及び没入式ブラウジングの場面を含む所定の場面と異なる場合」であるか否かも判断していない点。

(2) 相違点についての判断
引用発明は、「ステップ105」に先立つ、ユーザ入力を受信するための「ステップ101」の直後で、「ユーザがブラウザのアドレスバーに入力する時、または、検索入力の枠に入力する時」、「ユーザがウェブサイトのナビゲーションを必要とする可能性が非常に高いから」、「ユーザが現在参照している入力欄の属性情報を取得」して、「この属性情報がプリセットされた条件を満足するか否かを判断」して、「満足する場合、ウェブサイトの検索とウェブサイト情報の表示のステップを続行し」、「もし満足しない場合、選択肢の表示だけが実行され」るものである。
ここで、一般に、情報処理の負荷やユーザの使い勝手等を考慮して、複数のステップから構成される情報処理の方法において、ステップ間で実行の順序を適宜入れ替えることは、当業者の設計的事項にすぎない。
また、引用発明の方法において、ユーザ入力先がブラウザのアドレスバー等であるか否かの判断を、ユーザの入力直後に行っても、あるいは、最終的にウェブサイトをブラウザで表示するタイミングで行っても、どちらのタイミングでも判断の結果は同じであるから、当然に、上記判断の結果に応じて、ブラウザを開くか否かを制御するという引用発明における情報処理の内容も格別相違しないことは明らかである。
したがって、引用発明の方法において、ユーザ入力先がブラウザのアドレスバー等であるか否かの判断を、ユーザの入力直後に行うことに代えて、最終的にウェブサイトをブラウザで表示するタイミングで行うことによって、「ステップ101」の直後ではなく、「ステップ105」のうちの後半部分において、「ユーザの現在使用中の場面が所定の場面とが異なる場合」であるか否かを判断する構成に変形することまでは、当業者の容易に推考し得ることといい得る。
しかしながら、このような引用発明の構成の変形によって想定することができる構成は、「ユーザがブラウザのアドレスバーに入力する時、または、検索入力の枠に入力する時」、すなわち、ブラウザで閲覧中は、「ユーザがウェブサイトのナビゲーションを必要とする可能性が非常に高いから」、ウェブサイトを表示する構成であるから、上記[相違点1]に係る、「ユーザの現在使用中の場面が、プログラムの全画面実行の場面及び没入式ブラウジングの場面を含む所定の場面と異なる場合、前記選択命令に対応するウェブサイトを、前記ウェブサイト情報に基づいてブラウザで開」く構成とは明らかに異なる。
また、上記[相違点1]に係る「ユーザの現在使用中の場面が、プログラムの全画面実行の場面及び没入式ブラウジングの場面を含む所定の場面と異なる場合、前記選択命令に対応するウェブサイトを、前記ウェブサイト情報に基づいてブラウザで開き、ユーザの現在使用中の場面が前記所定の場面と同じである場合、前記選択命令に対応するウェブサイトをブラウザで開かないステップ」は、周知技術であるとも認められない。

したがって、上記[相違点1]に係る、「ユーザの現在使用中の場面が、プログラムの全画面実行の場面及び没入式ブラウジングの場面を含む所定の場面と異なる場合、前記選択命令に対応するウェブサイトを、前記ウェブサイト情報に基づいてブラウザで開き、ユーザの現在使用中の場面が前記所定の場面と同じである場合、前記選択命令に対応するウェブサイトをブラウザで開かないステップ」を備える構成は、当業者であっても、引用発明、及び、周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。
よって、本願発明1は、当業者であっても、引用発明、及び、周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

2.本願発明2-12について
本願発明2-5は、本願発明1を減縮した発明であり、本願発明6は、本願発明1に対応する装置の発明であり、本願発明7-10は、本願発明6を減縮した発明であり、本願発明11、12は、それぞれ本願発明1に対応する機器、及び、記憶媒体の発明であって、本願発明1の上記[相違点1]に係る、「ユーザの現在使用中の場面が、プログラムの全画面実行の場面及び没入式ブラウジングの場面を含む所定の場面と異なる場合、前記選択命令に対応するウェブサイトを、前記ウェブサイト情報に基づいてブラウザで開き、ユーザの現在使用中の場面が前記所定の場面と同じである場合、前記選択命令に対応するウェブサイトをブラウザで開かないステップ」と同様の構成を備えるものであるから、本願発明1と同様の理由により、当業者であっても、引用発明、及び、周知技術に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。

第7 原査定についての判断
令和2年6月29日付けの補正により、補正後の請求項1-12は、実質的に、「ユーザの現在使用中の場面が、プログラムの全画面実行の場面及び没入式ブラウジングの場面を含む所定の場面と異なる場合、前記選択命令に対応するウェブサイトを、前記ウェブサイト情報に基づいてブラウザで開き、ユーザの現在使用中の場面が前記所定の場面と同じである場合、前記選択命令に対応するウェブサイトをブラウザで開かないステップ」という技術的事項を有するものとなった。
当該「ユーザの現在使用中の場面が、プログラムの全画面実行の場面及び没入式ブラウジングの場面を含む所定の場面と異なる場合、前記選択命令に対応するウェブサイトを、前記ウェブサイト情報に基づいてブラウザで開き、ユーザの現在使用中の場面が前記所定の場面と同じである場合、前記選択命令に対応するウェブサイトをブラウザで開かないステップ」は、原査定における引用文献A-Bには記載されておらず、本願優先日前における周知技術でもないので、本願発明1-12は、当業者であっても、原査定における引用文献A-Bに基づいて容易に発明できたものではない。
したがって、原査定を維持することはできない。

第8 当審拒絶理由(特許法第36条第6項第2号)について
当審では、請求項1(及び請求項2-12)について、「ユーザの現在使用中の場面が所定の場面とが異なる場合」とあるが、「所定の場面」には、具体的にどのような「場面」が含まれるのかが不明確であり、さらに、「所定の場面と異なる場合」の動作のみが記載されており、「ユーザの現在使用中の場面が所定の場面と同じ場合」における請求項1に係る発明の具体的な動作が不明である旨の拒絶の理由を通知しているが、令和2年6月29日付けの補正において、請求項1-12について、実質的に、「ユーザの現在使用中の場面が、プログラムの全画面実行の場面及び没入式ブラウジングの場面を含む所定の場面と異なる場合、前記選択命令に対応するウェブサイトを、前記ウェブサイト情報に基づいてブラウザで開き、ユーザの現在使用中の場面が前記所定の場面と同じである場合、前記選択命令に対応するウェブサイトをブラウザで開かないステップ」と補正された結果、この拒絶の理由は解消した。

第9 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。

 
審決日 2020-09-28 
出願番号 特願2017-517686(P2017-517686)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06F)
P 1 8・ 537- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 木内 康裕間野 裕一  
特許庁審判長 ▲吉▼田 耕一
特許庁審判官 稲葉 和生
小田 浩
発明の名称 入力方法に基づくウェブサイト情報提供方法及び装置  
代理人 丸山 英一  
代理人 丸山 重輝  
代理人 丸山 智貴  

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