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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 B65G
管理番号 1367975
審判番号 不服2019-12264  
総通号数 252 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2020-12-25 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-09-17 
確定日 2020-11-11 
事件の表示 特願2016-551161「取り出しステーションのための中間の保持施設」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 8月13日国際公開、WO2015/118171、平成29年 3月 9日国内公表、特表2017-506612〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1 手続の経緯
本願は、2015年2月10日(パリ条約に基づく優先権主張外国庁受理2014年2月10日、英国(GB))を国際出願日とする出願であって、平成30年10月26日付けの拒絶理由通知書に対し、平成31年2月22日に意見書及び誤訳訂正書が提出された後、平成31年4月25日付けで拒絶査定され、これに対し、令和1年9月17日に拒絶査定不服審判が請求されると同時に手続補正書が提出され、令和2年1月17日に上申書が提出されたものである。

2 令和1年9月17日の手続補正書による補正(以下、「本件補正」という。)についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
本件補正を却下する。

[理由]
(1) 本件補正の請求項1に係る補正の内容
本件補正は、特許請求の範囲の請求項1については、
「保持施設を備えた少なくとも半自動受注処理システム(250)で物品を取り扱う方法であって、この方法は、
少なくとも1つの供給源用コンテナー(320)から前記保持施設へと少なくとも1つの物品を取り出すことと、
前記保持施設(340)から配達用コンテナー(330)へと前記少なくとも1つの物品を取り出すことと、を具備し、
前記供給源用コンテナー(320)は、複数の物品を保持し、保管及び回収システム(40)で保管するように構成されている方法において、
前記方法は、複数の供給源用コンテナー(320)から前記保持施設(340)へと複数の物品を取り出すことと、
前記保持施設(340)からの少なくとも1つの物品を含む複数の受注された物品を、規定されたシーケンスで前記配達用コンテナー(330)へと取り出すこととを具備し、
前記少なくとも1つの供給源用コンテナー(320)から前記保持施設(340)へと取り出される前記複数の物品は、前記複数の物品が前記保持施設(340)へ取り出されるときに、前記保持施設(340)から離れた位置にある配達用コンテナー(330)のための複数の物品を含んでおり、
前記複数の物品が前記配達用コンテナー(330)の中へと取り出される前に、前記供給源用コンテナー(320)は移動され得ることを特徴とする、方法。」
と補正するものである。

(2) 請求項1に係る補正について
上記請求項1に係る補正は、請求項1において、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記保持施設(340)から配達用コンテナー(330)へと物品を取り出すこと」について「前記保持施設(340)から配達用コンテナー(330)へと前記少なくとも1つの物品を取り出すこと」とするとともに、同じく補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「保持施設を備えた少なくとも半自動受注処理システム(250)で物品を取り扱う方法」について、「前記方法は、複数の供給源用コンテナー(320)から前記保持施設(340)へと複数の物品を取り出すことと、前記保持施設(340)からの少なくとも1つの物品を含む複数の受注された物品を、規定されたシーケンスで前記配達用コンテナー(330)へと取り出すこととを具備し、前記少なくとも1つの供給源用コンテナー(320)から前記保持施設(340)へと取り出される前記複数の物品は、前記複数の物品が前記保持施設(340)へ取り出されるときに、前記保持施設(340)から離れた位置にある配達用コンテナー(330)のための複数の物品を含んでおり」との発明を特定するために必要な事項を付加するものであって、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当するので、本件補正後の前記請求項1に記載された発明(以下、「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下に検討する。

(3) 引用例
原査定の拒絶の理由に引用された特開2000-72102号公報(以下、「引用例」という。)には、図面と共に次の事項が記載されている。

(ア) 「【0001】
【発明の属する技術分野】この発明は、多品種の物品がそれぞれ同種の物品毎に詰め合わされている箱から、オーダーにより、必要な物品を必要な数量だけ順番に箱に詰め合わせる物品詰め合わせ方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来は、詰め合わせるべき箱を台車等に載せ、詰め合わせるべき品種毎の物品の数量の表示装置、または、作業工程表に基づき、人手にて、品種毎に物品が詰め合わされている箱からそれぞれ物品を摘み取り、詰め合わせていた。または、全オーダーの品種毎の全出荷量分の物品を、他の場所に一時仮置きしておき、詰め合わせるべき品種毎の物品の数量の表示装置、または、作業工程表に基づき、人手にて、それぞれ物品を摘み取り、詰め合わせていた。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】しかし、前者の方法では、作業員が、多くの品種分、品種毎に分別されている場所へ移動しなければならないため、作業負荷がおおきく、作業員の数も多く必要となるという問題があった。また、作業スペースも大きくなるという問題があった。また、後者の方法では、仮置きが完了するまで、詰め合わせ作業が開始できないため、作業時間がかかるという問題があった。さらに、いずれの方法においても、適切な順番に詰め合わせるのは面倒であった。
【0004】そこで、前記問題を解決するために、作業人員を減少し、作業負荷を逓減し、作業時間を減少できる物品詰め合わせ方法を提供することを目的とする。」

(イ) 「【0006】すなわち、仮置きするためのラインと、詰め合わせするためのラインを設け、仮置きする物品の品種と数量、および、詰め合わせられるべき物品の品種と数量のそれぞれの出力手段の情報に基づき、移載手段により仮置きと詰め合わせを同時並行して行うところに特徴がある。
【0007】
【発明の実施の形態】以下、図面に沿って、この発明に係る物品詰め合わせ方法の実施の形態を説明する。図1は、この発明の実施の形態を示す上面図であり、図2は、この発明の実施の形態を示す流れ図である。まず、図1に基づき、この物品詰め合わせ方法で使用する装置の構成要素を説明し、つぎに、図2に基づき、この物品詰め合わせ方法の流れを説明する。
【0008】物品1、すなわち物品1a、物品1b、物品1c・・・とは、これから詰め合わされる物品である。物品1は多品種の物品であり、物品1a,物品1b,物品1c・・・は、それぞれ同種の物品である。物品1は、固体もしくは、液体や気体を容器に入れたようなものであればよい。また、形状は、特には問わない。また、大きさは、後述する同種物品箱2の大きさや、後述する仮置きラック6の棚5の大きさを考慮して適宜選択することができる。また、重さは、後述する同種物品移載手段8や後述する詰め合わせ移載手段13の能力を考慮して適宜選択することができる。
【0009】また、同種物品箱2、すなわち同種物品箱2a、同種物品箱2b、同種物品箱2c・・・とは、各同種の物品1a,1b,1c・・・毎にそれぞれ詰め合わされた箱である。この同種物品箱2は、段ボール箱等物品1を詰め合わせることができるものであればどんなものでも適用できる。
【0010】また、同種物品箱搬送ライン3とは、同種物品箱2を搬送することができるラインであり、また、同種物品箱搬送ライン3には、同種物品箱2を格納しておくことのできる格納庫3aを有する。 また、この同種物品箱搬送ライン3は、後述する同種物品移載手段8が物品を移載できる位置である所定の位置Aで一旦停止することが可能である。
【0011】また、移載数量出力手段4とは、後述する詰め合わせられるべき物品11a,11b,11c・・・に応じて必要な物品の数量を予め入力等しておくことによって、品種毎に必要な物品の数量を計算し、その結果を出力できる手段である。例えば、後述する同種物品移載手段8が人である場合は、移載数量出力手段4は、入力した情報を計算し、結果を表示できるコンピュータ等であればよい。
【0012】また、仮置きラック6とは、詰め合わせを容易に行えるように、一時、物品1を品種毎に仮置きしておくためラックであり、仮置きラック6は、品種毎に物品1を分別できるように複数の棚5を有するものである。
【0013】また、空き情報検出出力手段7とは、仮置きラック6の棚5のうち、空になっている棚5aをコンピュータ等の情報により検出し、出力する手段である。この空き情報検出出力手段7により、仮置きする際、次に、どこの棚5に物品を仮置きするかを判断することが可能となる。
【0014】また、同種物品移載手段8とは、同種物品箱2から仮置きラック6に仮置きしておくための前記物品1を摘み取り、仮置きするために、移載する手段である。同種物品移載手段8は、例えば、クレーンや、ロボットアーム等の装置であってもよいし、人手であってもよい。同種物品移載手段8がクレーンやロボットアーム等の移載装置の場合は、移載数量出力手段4と、空き情報検出手段7の出力情報に基づき物品1を移載できるように制御できるようにしておけば、効果的である。また、同種物品移載手段8が、人手である場合は、移載数量出力手段4や空き情報検出出力手段7は、結果の出力情報を表示できるものを用いればよい。
【0015】また、詰め合わせ箱9、すなわち、詰め合わせ箱9a、詰め合わせ箱9b、詰め合わせ箱9c・・・とは、オーダー毎に多品種の物品(後述する詰め合わせられるべき物品11)を実際に詰め合わせる箱である。この詰め合わせ箱9は、段ボール箱、包装容器等物品を詰め合わせることができるものであればどんなものでも適用できる。
【0016】また、詰め合わせ箱搬送ライン10とは、詰め合わせ箱9を搬送することができるラインである。また、この詰め合わせ箱搬送ライン10は、後述する詰め合わせ移載手段13が物品を移載できる位置である所定の位置Bで一旦停止することが可能である。
【0017】また、詰め合わせられるべき物品11、すなわち、詰め合わせられるべき物品11a、詰め合わせられるべき物品11b、詰め合わせられるべき物品11c・・・とは、オーダー等により実際に詰め合わされる物品である。したがって、オーダー等により、異品種物品であったり、同品種の物品であったり、単数であったり複数であったりする。
【0018】また、詰め合わせ物品数量出力手段12とは、予め入力しておいた、オーダーを出力する手段である。例えば、後述する詰め合わせ移載手段13が人である場合は、詰め合わせ物品数量出力手段12は、入力した情報を計算し、結果を表示できるコンピュータ等であればよい。
【0019】さらに、詰め合わせ移載手段13とは、前記仮置きラック6から詰め合わせ箱9に詰め合わせられるべき物品11を摘み取り、実際に詰め合わせする移載手段である。詰め合わせ移載手段13は、例えば、クレーンや、ロボットアーム等の装置であってもよいし、人手であってもよい。詰め合わせ移載手段13がクレーンやロボットアーム等の移載装置の場合は、詰め合わせ物品数量出力手段12の出力情報に基づき詰め合わせられるべき物品11を移載できるように制御できるようにしておけば、効果的である。また、詰め合わせ移載手段13が、人手である場合は、詰め合わせ物品数量出力手段12は、結果の出力情報を表示できるものを用いればよい。
【0020】以下、図2に基づき、この発明の物品詰め合わせ方法の実施の形態の詳細に説明する。まず、物品1a、物品1b、物品1c・・・がそれぞれ詰め合わされている同種物品箱2a、同種物品箱2b、同種物品箱2c・・・が格納庫3aに格納されている。そして、オーダーにより、詰め合わせられるべき物品11a、11b、11c・・・に対応する情報を、移載数量出力手段4および、詰め合わせ物品数量出力手段13に与えておく。つぎに、詰め合わせられるべき物品11a、11b、11c・・・に必要な物品1すなわち、物品1a、物品1b、物品1c・・・を詰め合わせた同種物品箱2すなわち同種物品箱2a、同種物品箱2b、同種物品箱2c・・・を、順番に前記物品箱搬送ライン3にて搬送する。そして、同種物品箱2aは、移載可能な位置である、所定の位置Aで停止する。
【0021】つぎに、移載数量出力手段4の情報に基づき、同種物品移載手段8が必要な数量だけ物品1aを摘み取る。そして、同種物品移載手段8は、空き情報検出出力手段7の情報に基づき、仮置きラック6の空になっている棚5aに仮置きする。その後同種物品箱2aは、同種物品箱搬送ライン10(審決注:「同種物品箱搬送ライン3」の誤記であると認められる。)にて、格納庫まで搬送される。ただし、同種物品箱2が空になった場合は、ここで取り除かれる。
【0022】さらに、前記と同様に、物品1b、物品1c・・・についても、同種物品箱2b、同種物品箱2cが所定の位置Aで停止し、同種物品移載手段8が、移載数量出力手段4の情報に基づき、物品1b、物品1c・・・を摘み取り、仮置きラック6の空になっている棚5aに物品毎別々に仮置きする。
【0023】前記と同時並行して、空の詰め合わせ箱9、すなわち、詰め合わせ箱9a、詰め合わせ箱9b、詰め合わせ箱9c・・・が詰め合わせ箱搬送ライン10により搬送される。そして、移載可能である位置である所定の位置Bにて詰め合わせ箱9aが停止する。
【0024】つぎに、仮置きラック6に仮置きしてある物品1を、詰め合わせ物品数量出力手段12に基づき、詰め合わせ移載手段13が必要な物品を必要な数量だけ摘み取り、詰め合わせられるべき物品11a,11b,11c・・・を詰め合わせ箱9aに詰め合わせる。そして、詰め合わせの完了した詰め合わせ箱9aは、詰め合わせ箱搬送ライン10にて、搬出される。
【0025】さらに、前記と同様に、詰め合わせ箱9b、詰め合わせ箱9c・・・が所定の位置Bにて停止し、詰め合わせ物品数量出力手段12の情報に基づき、詰め合わせ移載手段13が、仮置きラック6から詰め合わせられるべき物品11a,11b,11c・・・を摘み取り、詰め合わせる。
【0026】前記のように実施することにより、仮置きと詰め合わせを同時並行して行うことが可能となるので、作業時間を短縮させ、作業スペースを減少させることが可能となり、それにより作業人員を減少させることが可能となる。
【0027】
【発明の効果】・・・(略)・・・
【0030】さらに、仮置きと、詰め合わせを同時に行うことができるので、作業時間を減少することができる。」

(ウ) 図1には、実施の形態を示す上面図が、図2には、実施の形態を示す流れ図が、それぞれ記載されている。

これらの事項を総合すると、引用例には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されているものと認められる。

「仮置きラック6を構成要素とするオーダーにより必要な物品を必要な数量だけ順番に箱に詰め合わせる物品詰め合わせ方法で使用する装置で物品を詰め合わせる方法であって、この方法は、
所定の位置Aで停止させた同種物品箱2、すなわち同種物品箱2a、同種物品箱2b、同種物品箱2c・・・から前記仮置きラック6へと物品1、すなわち物品1a、物品1b、物品1c・・・を摘み取ることと、
前記仮置きラック6から所定の位置Bで停止させた詰め合わせ箱9、すなわち詰め合わせ箱9a、詰め合わせ箱9b、詰め合わせ箱9c・・・へと前記物品1、すなわち物品1a、物品1b、物品1c・・・を摘み取ることと、を行い、
前記同種物品箱2は、複数の物品1を詰め合わせ、格納庫3aを有する同種物品箱搬送ライン3で格納するように構成されている方法において、
前記方法は、複数の同種物品箱2、すなわち同種物品箱2a、同種物品箱2b、同種物品箱2c・・から前記仮置きラック6へと複数の物品1、すなわち物品1a、物品1b、物品1c・・・を摘み取ることと、
前記仮置きラック6に仮置きしてある物品1を、詰め合わせ物品数量出力手段12に基づき、詰め合わせ移載手段13が必要な物品を必要な数量だけ摘み取り、オーダー等により実際に詰め合わされる物品である、詰め合わせられるべき物品11a、11b、11c・・・を詰め合わせ箱9に詰め合わせることとを行い、
詰め合わせられるべき物品11a、11b、11c・・・に必要な物品1、すなわち物品1a、物品1b、物品1c・・・を詰め合わせた同種物品箱2、すなわち同種物品箱2a、同種物品箱2b、同種物品箱2c・・・を、順番に同種物品箱搬送ライン3にて搬送し、同種物品箱2aが移載可能な位置である所定の位置Aで停止し、移載数量出力手段4の情報に基づき、同種物品移載手段8が必要な数量だけ物品1aを摘み取り、同種物品移載手段8は、空き情報検出出力手段7の情報に基づき、仮置きラック6の空になっている棚5aに仮置きし、その後同種物品箱2aは、同種物品箱搬送ライン3にて、格納庫まで搬送され、さらに、前記と同様に、物品1b、物品1c・・・についても、同種物品箱2b、同種物品箱2c・・・が所定の位置Aで停止し、同種物品移載手段8が、移載数量出力手段4の情報に基づき、物品1b、物品1c・・・を摘み取り、仮置きラック6の空になっている棚5aに物品毎別々に仮置きし、同時並行して、空の詰め合わせ箱9、すなわち、詰め合わせ箱9a、詰め合わせ箱9b、詰め合わせ箱9c・・・が詰め合わせ箱搬送ライン10により搬送され、移載可能である位置である所定の位置Bにて詰め合わせ箱9aが停止し、仮置きラック6に仮置きしてある物品1を、詰め合わせ物品数量出力手段12に基づき、詰め合わせ移載手段13が必要な物品を必要な数量だけ摘み取り、詰め合わせられるべき物品11a、11b、11c・・・を詰め合わせ箱9aに詰め合わせ、詰め合わせの完了した詰め合わせ箱9aは、詰め合わせ箱搬送ライン10にて、搬出され、さらに、前記と同様に、詰め合わせ箱9b、詰め合わせ箱9c・・・が所定の位置Bにて停止し、詰め合わせ物品数量出力手段12の情報に基づき、詰め合わせ移載手段13が、仮置きラック6から詰め合わせられるべき物品11a、11b、11c・・・を摘み取り、詰め合わせる、方法。」

(4) 対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。
その機能・構成からして、引用発明の「仮置きラック6」は本願補正発明の「保持施設」及び「保持施設(340)」に相当し、以下同様に、「構成要素とする」は「備えた」に、「物品を詰め合わせる方法」は「物品を取り扱う方法」に、「所定の位置Aで停止させた同種物品箱2、すなわち同種物品箱2a、同種物品箱2b、同種物品箱2c・・・」は「少なくとも1つの供給源用コンテナー(320)」に、「物品1、すなわち物品1a、物品1b、物品1c・・・」は「少なくとも1つの物品」に、「摘み取る」は「取り出す」に、「所定の位置Bで停止させた詰め合わせ箱9、すなわち詰め合わせ箱9a、詰め合わせ箱9b、詰め合わせ箱9c・・・」は「配達用コンテナー(330)」に、「摘み取ることと、を行い」は「取り出すことと、を具備し」に、「同種物品箱2」は「供給源用コンテナー(320)」に、「複数の物品1」及び「複数の物品1、すなわち物品1a、物品1b、物品1c・・・」は「複数の物品」に、(同種物品箱2は、複数の物品1を)「詰め合わせ」は(供給源用コンテナー(320)は、複数の物品を)「保持し」に、「格納庫3aを有する同種物品箱搬送ライン3で格納する」は「保管及び回収システム(40)で保管する」に、「格納する」は「保管する」に、「同種物品箱2、すなわち同種物品箱2a、同種物品箱2b、同種物品箱2c・・」は「複数の供給源用コンテナー(320)」に、「詰め合わせ箱9に詰め合わせる」は「配達用コンテナー(330)へと取り出す」に、それぞれ相当している。
また、本願補正発明の「少なくとも半自動受注処理システム(250)」と引用発明の「オーダーにより必要な物品を必要な数量だけ順番に箱に詰め合わせる物品詰め合わせ方法で使用する装置」とは、ともに「受注処理システム」である限りにおいて一致している。
そして、本願補正発明の「前記保持施設(340)からの少なくとも1つの物品を含む複数の受注された物品を、規定されたシーケンスで前記配達用コンテナー(330)へと取り出すこと」と引用発明の「前記仮置きラック6に仮置きしてある物品1を、詰め合わせ物品数量出力手段12に基づき、詰め合わせ移載手段13が必要な物品を必要な数量だけ摘み取り、オーダー等により実際に詰め合わされる物品である、詰め合わせられるべき物品11a,11b,11c・・・を詰め合わせ箱9に詰め合わせること」とは、「前記保持施設(340)からの少なくとも1つの物品を含む複数の受注された物品を、前記配達用コンテナー(330)へと取り出すこと」の限りにおいて一致している。

したがって、両者は、
「保持施設を備えた受注処理システムで物品を取り扱う方法であって、この方法は、
少なくとも1つの供給源用コンテナーから前記保持施設へと少なくとも1つの物品を取り出すことと、
前記保持施設から配達用コンテナーへと前記少なくとも1つの物品を取り出すことと、を具備し、
前記供給源用コンテナーは、複数の物品を保持し、保管及び回収システムで保管するように構成されている方法において、
前記方法は、複数の供給源用コンテナーから前記保持施設へと複数の物品を取り出すことと、
前記保持施設からの少なくとも1つの物品を含む複数の受注された物品を、前記配達用コンテナーへと取り出すこと
とを具備する方法。」
の点で一致し、以下の点で相違している。

[相違点1]
「受注処理システム」が、本願補正発明は「少なくとも半自動受注処理システム(250)」であるのに対し、引用発明では「少なくとも半自動」であるか不明である点。

[相違点2]
本願補正発明は「前記保持施設(340)からの少なくとも1つの物品を含む複数の受注された物品を、規定されたシーケンスで前記配達用コンテナー(330)へと取り出す」のに対し、引用発明ではその取り出しが「規定されたシーケンスで」なのか不明である点。

[相違点3]
本願補正発明は「前記少なくとも1つの供給源用コンテナー(320)から前記保持施設(340)へと取り出される前記複数の物品は、前記複数の物品が前記保持施設(340)へ取り出されるときに、前記保持施設(340)から離れた位置にある配達用コンテナー(330)のための複数の物品を含んでおり、前記複数の物品が前記配達用コンテナー(330)の中へと取り出される前に、前記供給源用コンテナー(320)は移動され得る」のに対し、引用発明では「詰め合わせられるべき物品11a、11b、11c・・・に必要な物品1、すなわち物品1a、物品1b、物品1c・・・を詰め合わせた同種物品箱2、すなわち同種物品箱2a、同種物品箱2b、同種物品箱2c・・・を、順番に同種物品箱搬送ライン3にて搬送し、同種物品箱2aが移載可能な位置である所定の位置Aで停止し、移載数量出力手段4の情報に基づき、同種物品移載手段8が必要な数量だけ物品1aを摘み取り、同種物品移載手段8は、空き情報検出出力手段7の情報に基づき、仮置きラック6の空になっている棚5aに仮置きし、その後同種物品箱2aは、同種物品箱搬送ライン3にて、格納庫まで搬送され、さらに、前記と同様に、物品1b、物品1c・・・についても、同種物品箱2b、同種物品箱2c・・・が所定の位置Aで停止し、同種物品移載手段8が、移載数量出力手段4の情報に基づき、物品1b、物品1c・・・を摘み取り、仮置きラック6の空になっている棚5aに物品毎別々に仮置きし、同時並行して、空の詰め合わせ箱9、すなわち、詰め合わせ箱9a、詰め合わせ箱9b、詰め合わせ箱9c・・・が詰め合わせ箱搬送ライン10により搬送され、移載可能である位置である所定の位置Bにて詰め合わせ箱9aが停止し、仮置きラック6に仮置きしてある物品1を、詰め合わせ物品数量出力手段12に基づき、詰め合わせ移載手段13が必要な物品を必要な数量だけ摘み取り、詰め合わせられるべき物品11a、11b、11c・・・を詰め合わせ箱9aに詰め合わせ、詰め合わせの完了した詰め合わせ箱9aは、詰め合わせ箱搬送ライン10にて、搬出され、さらに、前記と同様に、詰め合わせ箱9b、詰め合わせ箱9c・・・が所定の位置Bにて停止し、詰め合わせ物品数量出力手段12の情報に基づき、詰め合わせ移載手段13が、仮置きラック6から詰め合わせられるべき物品11a、11b、11c・・・を摘み取り、詰め合わせる」点。

(5) 判断
上記相違点について以下検討する。

・相違点1について
引用例には、引用発明において、移載数量出力手段4、空き情報検出出力手段7、及び詰め合わせ物品数量出力手段12に「コンピュータ等」(段落【0011】、【0013】及び【0018】)を用いること、「同種物品移載手段8は、例えば、クレーンや、ロボットアーム等の装置であってもよい」(段落【0014】)こと、並びに「詰め合わせ移載手段13は、例えば、クレーンや、ロボットアーム等の装置であってもよい」(段落【0019】)ことが記載されているから、引用発明を「少なくとも半自動」とすることが示唆されているといえる。また、一般に、物品を詰め合わせる方法において、完全に手動とせずに「少なくとも半自動」とすることは、例示するまでもなく周知の技術的事項といえる。そうすると、引用発明をして、上記相違点1に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

・相違点2について
引用発明は「オーダーにより必要な物品を必要な数量だけ順番に箱に詰め合わせる」のであるから、ある順番で、すなわち規定されたシーケンスで箱に詰め合わせるものである。加えるに、引用発明は、「必要な物品を必要な数量だけ摘み取り、詰め合わせられるべき物品11a、11b、11c・・・を詰め合わせ箱9aに詰め合わせ」ることを、「詰め合わせ物品数量出力手段12に基づき、詰め合わせ移載手段13が」行っているものであるところ、かかる「詰め合わせ」は、何らかの規定されたシーケンスで実行されているというべきである。そうすると、上記相違点2は実質的な相違点とはいえない。仮に実質的な相違点であったとしても、上記相違点1についても触れたように、一般に、物品を詰め合わせる方法において完全に手動とせずに「少なくとも半自動」とすることは、例示するまでもなく周知の技術的事項といえるところ、その「少なくとも半自動」とする際にシーケンス制御を行うことも、例示するまでもなく周知の技術的事項といえる。そうすると、引用発明をして、上記相違点2に係る本願補正発明の構成とすることは、当業者が容易に想到し得たことである。

・相違点3について
引用発明において、所定の位置Aにて停止している同種物品箱2aから仮置きラック6の棚5aへと同種物品移載手段8により必要な数量だけ摘み取られる物品1aは、その物品1aが仮置きラック6の棚5aへ摘み取られるときに詰め合わせ箱搬送ライン10上にある詰め合わせ箱9(9a、9b、9c・・・)のための物品1aを含んでいる。そして、引用例の図1の記載によれば、詰め合わせ箱搬送ライン10と仮置きラック6とは、その間に少なくとも詰め合わせ移載手段13があって、密着しておらず、物理的に離れている。すなわち、詰め合わせ箱搬送ライン10上にある詰め合わせ箱9は、所定の位置Bにて停止しているものを含めて、仮置きラック6の棚5aから離れた位置にある。
また、引用発明において、所定の位置Aにて停止した同種物品箱2aは、同種物品移載手段8による物品1aの仮置きラック6の棚5aへの摘み取りの後、「同種物品箱搬送ライン3にて、格納庫まで搬送」される。そして、引用例には、前記物品1aが詰め合わせ箱9の中へと摘み取られる前に、前記同種物品箱2aが所定の位置Aから移動されないように構成することは、一切記載されていない。
そうすると、引用例には、「所定の位置Aにて停止している同種物品箱2aから仮置きラック6の棚5aへと同種物品移載手段8により必要な数量だけ摘み取られる物品1aは、その物品1aが仮置きラック6の棚5aへ摘み取られるときに、仮置きラック6の棚5aから離れた位置にある詰め合わせ箱9のための物品1aを含んでおり、前記物品1aが詰め合わせ箱9の中へと摘み取られる前に、前記同種物品箱2aは所定の位置Aから移動され得る」構成が開示されているといえる。
してみれば、上記相違点3は、実質的な相違点ではない。

以下ではあえて、仮に、所定の位置Bにて停止している詰め合わせ箱9は、仮置きラック6の棚5aから「離れた位置」にはないと解するとともに、「前記物品1aが詰め合わせ箱9の中へと摘み取られる前に、前記同種物品箱2aは所定の位置Aから移動され得る」点が引用例に明示的に記載されていないことをもって、その点が引用例に開示されていないと解することとし、上記相違点3が実質的な相違点であるとして、さらに検討を進める。

引用発明において、同種物品箱2aが所定の位置Aで停止し、当該同種物品箱2aから物品1aが仮置きラック6の棚5aへと同種物品移載手段8により必要な数量だけ摘み取られるときに、それらの物品1aが、もしも、所定の位置Bにて停止している詰め合わせ箱9aのための物品1aのみしか含まないならば、それらの物品1aは、高々、詰め合わせ箱9aが所定の位置Bにて停止している間だけしか、仮置きラック6の棚5aに置かれないということになる。しかしながら、上記(3)(イ)にて摘記したとおり、引用例には「仮置きラック6とは、詰め合わせを容易に行えるように、一時、物品1を品種毎に仮置きしておくためラックであり、仮置きラック6は、品種毎に物品1を分別できるように複数の棚5を有するものである。」(段落【0012】)と記載されている。してみれば、引用例には、上記のように、所定の位置Aにて停止している同種物品箱2aから仮置きラック6の棚5aへと同種物品移載手段8により必要な数量だけ摘み取られる物品1aが、その仮置きラック6の棚5aへ摘み取られるときに、「所定の位置Bにて停止している詰め合わせ箱9aのための物品1aのみしか含まない」のではなく、詰め合わせ箱搬送ライン10上で詰め合わせ箱9aに後続する、すなわち、所定の位置Bの手前にあって当該所定の位置Bから離れた位置にある、詰め合わせ箱9bや9cのための物品1aも含むようにすることが、少なくとも示唆されているというべきである。
また、引用発明において、同種物品箱2aから仮置きラック6の棚5aへと同種物品移載手段8により必要な数量だけ摘み取られたそれら物品1aが、詰め合わせ箱9(9a、9b、9c・・・)の中へと詰め合わせ移載手段13により摘み取られる前に、同種物品箱搬送ライン3上で所定の位置Aにあった前記の同種物品箱2aが、当該所定の位置Aから移動され得るように構成しなければ、その同種物品箱2aは、当該同種物品箱2aから仮置きラック6の棚5aへの物品1aの摘み取りが終了しても、所定の位置Aから移動せず、詰め合わせのための、仮置きラック6の棚5aからのそれら物品1aの摘み取りが行われるまで、その所定の位置Aに無駄に留まることになる。しかしながら、上記(3)(イ)にて摘記したとおり、引用例には「仮置きと詰め合わせを同時並行して行うことが可能となるので、作業時間を短縮させ」(段落【0026】)と記載されている。してみれば、引用例には、前記の物品1aが仮置きラック6の棚5aから詰め合わせ箱9の中へと摘み取られる前に、同種物品箱搬送ライン3上で所定の位置Aにあった同種物品箱2aが所定の位置Aから移動され得るように構成することが、少なくとも示唆されているというべきである。
そうすると、引用例には、引用発明において、「所定の位置Aにて停止している同種物品箱2aから仮置きラック6の棚5aへと同種物品移載手段8により必要な数量だけ摘み取られる物品1aは、その物品1aが仮置きラック6の棚5aへ摘み取られるときに、所定の位置Bから離れた位置にある詰め合わせ箱9のための物品1aを含んでおり、前記物品1aが詰め合わせ箱9の中へと摘み取られる前に、前記同種物品箱2aは所定の位置Aから移動され得る」ように構成することが、少なくとも示唆されているといえる。
以上より、引用例に接した当業者であれば、引用発明をして上記相違点3に係る本願補正発明の構成を有するようにすることは、容易に想到し得たことである。(この点については、下記(6)にて説示した事項も参照されたい。)

そして、本願補正発明の全体構成により奏される効果について総合的に検討しても、かかる効果は、引用発明、引用例に記載された事項、及び周知の技術的事項から当業者が予測し得た範囲内のものである。

よって、本願補正発明は、引用発明、引用例に記載された事項、及び周知の技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。

(6) 審判請求人の主張について
審判請求人は、審判請求書の「4.本願発明が特許されるべき理由」において、引用例には、「[0020]・・・物品1a、物品1b、物品1c・・・を詰め合わせた同種物品箱2すなわち同種物品箱2a、同種物品箱2b、同種物品箱2c・・・を、順番に前記物品箱搬送ライン3にて搬送する。同種物品箱2aは、移載可能な位置である、所定の位置Aで停止する。」、「[0021]つぎに、移載数量出力手段4の情報に基づき、同種物品移載手段8が必要な数量だけ物品1aを摘み取る。そして、同種物品移載手段8は、空き情報検出出力手段7の情報に基づき、仮置きラック6の空になっている棚5aに仮置きする。その後同種物品箱2aは、同種物品箱搬送ライン10にて、格納庫まで搬送される。ただし、同種物品箱2が空になった場合は、ここで取り除かれる。」、「[0023]前記と同時並行して、空の詰め合わせ箱9、すなわち、詰め合わせ箱9a、詰め合わせ箱9b、詰め合わせ箱9c・・・が詰め合わせ箱搬送ライン10により搬送される。そして、移載可能である位置である所定の位置Bにて詰め合わせ箱9aが停止する。」、「[0025]さらに、前記と同様に、詰め合わせ箱9b、詰め合わせ箱9c・・・が所定の位置Bにて停止し、詰め合わせ物品数量出力手段12の情報に基づき、詰め合わせ移載手段13が、仮置きラック6から詰め合わせられるべき物品11a,11b,11c・・・を摘み取り、詰め合わせる。」との記載があることから、引用発明は、「同種物品箱2aが所定の位置Aで停止して物品を仮置ラック6に仮置きしたとき、詰め合わせ箱9aは、所定の位置Bにて停止しているものであります」として、本願補正発明の「物品を供給源用コンテナーから保持施設に取り出すときに、配達用コンテナーは保持施設から離れた位置にある」構成を備えない旨、審判請求人は主張している。また、上申書においても、引用発明は、「同種物品箱2aが所定の位置Aで停止して物品を仮置ラック6に仮置きしたとき、詰め合わせ箱9aは、所定の位置Bにて停止しているものです。そして、所定の位置A、Bは、仮置きラックに対して互いに近接した位置にあります」及び本願補正発明は「保管及び回収システムの効率を向上させることができるとの有利な効果を奏する」として、審判請求人は同様の主張をしている。
しかしながら、引用例の図1の記載によれば、同種物品搬送ライン3と仮置きラック6とは、その間に少なくとも同種物品移載手段8があって、密着しておらず、物理的に離れている。また、同図の記載によれば、詰め合わせ箱搬送ライン10と仮置きラック6とは、その間に少なくとも詰め合わせ移載手段13があって、密着しておらず、物理的に離れている。
よって、審判請求人の主張は失当であるといわなければならないし、仮に、審判請求人の主張のとおり、「所定の位置A、Bは、仮置きラックに対して互いに近接した位置」にあって「離れた位置」にはないと解したとしても、上記(5)において、相違点3について説示したとおり、引用例に接した当業者であれば、引用発明をして上記相違点3に係る本願補正発明の構成を有するようにすることは、容易に想到し得たことであって、本願補正発明は、引用発明、引用例に記載された事項、及び周知の技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

加えるに、引用例の段落【0008】、【0012】、【0015】及び【0016】等の記載並びに図1の記載内容から、「所定の位置B」にある「詰め合わせ箱9」には、同種の「物品1a」が2個、「物品1b」が1個及び「物品1c」が2個の合計5個の「物品1」が詰め合わされ、物品4個分の空隙が残っていることが看てとれる。また、同様に「仮置きラック6」には、3つの「棚5」に「物品1a」がそれぞれ21個、21個及び7個仮置きされ、2つの「棚5」に「物品1b」がそれぞれ9個及び21個仮置きされ、さらに、2つの「棚5」に「物品1c」がそれぞれ14個及び21個仮置きされ、合計114個の「物品1」が仮置きされていることが看てとれる。そうすると、「所定の位置B」にある「詰め合わせ箱9」の物品4個分の空隙に、「仮置きラック6」に仮置きされている「物品1」の全てをさらに詰めることはできないから、特定の「詰め合わせ箱9」、たとえば「詰め合わせ箱搬送ライン10」の「所定の位置B」の上流側の位置にある「詰め合わせ箱9a」に注目すると、少なくとも当該「所定の位置B」の上流側の位置にある「詰め合わせ箱9a」に詰め合わせる「物品1」が「仮置きラック6」に前もって仮置きされていることが示唆されているといえる。すなわち、少なくとも1つの「同種物品箱2」から「仮置きラック6」へと摘み取られる複数の「物品1」は、前記複数の「物品1」が前記「仮置きラック6」へ摘み取られるときに、「所定の位置B」の上流側の位置にある「詰め合わせ箱9a」のための「物品1」を含んでいることが示唆されている。
また、同様に引用例の段落【0008】、【0010】、【0012】及び【0015】等の記載並びに図1の記載内容から、「所定の位置A」には5個の「物品1b」が詰め合わされ、物品4個分の空隙がある「同種物品箱2」が位置していることが看てとれるし、「仮置きラック6」には、「物品1a」及び「物品1c」が仮置きされていることが看てとれることは上記のとおりである。そうすると、「仮置きラック6」に仮置きされている合計114個の「物品1」のうちの4個の「物品1b」を除く複数の「物品1a」、「物品1b」及び「物品1c」は、少なくともその「同種物品箱搬送ライン3」の下流側の空の「同種物品箱2」から摘み取った物品1といえる。さらに、「仮置きラック6」に仮置きされている合計114個の「物品1」のうちのいくつかは少なくともこれから「詰め合わせ箱9a」に詰め合わせるといえる。すなわち、仮置きされている複数の「物品1」が「詰め合わせ箱9a」に詰め合わされる前に、「同種物品箱2」は「所定の位置A」から「同種物品箱搬送ライン3」の下流側に移動され得ることが示唆されている。
そして、引用例には、引用発明は「物品1」が「仮置きラック6」にある程度留められるものであることが示唆されているのであって、決して「所定の位置A」に停止した「同種物品箱2」に詰め合わされている「物品1」を「仮置きラック6」へ移載したそばから「所定の位置B」に停止している「詰め合わせ箱9」へ詰め合わせるものと特定されているわけではないから、審判請求人の上記主張は採用できるものではない。

なお、引用例において、【従来の技術】として「全オーダーの品種毎の全出荷量分の物品を、他の場所に一時仮置きしておき、詰め合わせるべき品種毎の物品の数量の表示装置、または、作業工程表に基づき、人手にて、それぞれ物品を摘み取り、詰め合わせていた」(段落【0002】)ところ、【発明が解決しようとする課題】として「仮置きが完了するまで、詰め合わせ作業が開始できないため、作業時間がかかるという問題があった」(段落【0003】)ので、「作業時間を減少できる物品詰め合わせ方法を提供することを目的とする」(段落【0004】)ことが記載され、「仮置きと詰め合わせを同時並行して行うことが可能となるので、作業時間を短縮させ、作業スペースを減少させることが可能となり、それにより作業人員を減少させることが可能となる」(段落【0026】)こと、及び、【発明の効果】として「仮置きと、詰め合わせを同時に行うことができるので、作業時間を減少することができる」(段落【0030】)と記載されていることは、上記各示唆の内容と整合しているといえる。

(7) むすび
以上のとおりであって、本件補正は、特許法第17条の2第6項で準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項の規定において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

3 本願の発明について
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1に係る発明(以下、同項記載の発明を「本願発明」という。)は、平成31年2月22日の手続補正書で補正された特許請求の範囲の請求項1に記載された事項により特定される、以下のとおりのものである。
「保持施設を備えた少なくとも半自動受注処理システム(250)で物品を取り扱う方法であって、この方法は、
少なくとも1つの供給源用コンテナー(320)から前記保持施設へと少なくとも1つの物品を取り出すことと、
前記保持施設(340)から配達用コンテナー(330)へと物品を取り出すことと、を具備し、
前記供給源用コンテナー(320)は、複数の物品を保持し、保管及び回収システム(40)で保管するように構成されている方法において、
前記複数の物品が前記配達用コンテナー(330)の中に取り出される前に、前記供給源用コンテナー(320)は移動され得ることを特徴とする、方法。」

(1) 引用例
原査定の拒絶の理由に引用された引用例、及び、その記載事項は、前記「2 (3)」に記載したとおりである。

(2) 対比・判断
本願発明は、前記「2 (2)」で検討した本願補正発明における請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「前記保持施設(340)から配達用コンテナー(330)へと前記少なくとも1つの物品を取り出すこと」について「前記保持施設(340)から配達用コンテナー(330)へと物品を取り出すこと」とするとともに、同「方法」について、「前記方法は、複数の供給源用コンテナー(320)から前記保持施設(340)へと複数の物品を取り出すことと、前記保持施設(340)からの少なくとも1つの物品を含む複数の受注された物品を、規定されたシーケンスで前記配達用コンテナー(330)へと取り出すこととを具備し、前記少なくとも1つの供給源用コンテナー(320)から前記保持施設(340)へと取り出される前記複数の物品は、前記複数の物品が前記保持施設(340)へ取り出されるときに、前記保持施設(340)から離れた位置にある配達用コンテナー(330)のための複数の物品を含んでおり」との発明を特定するために必要な事項を削除したものに実質的に相当する。

そうすると、本願発明の発明を特定するために必要な事項を全て含み、さらに他の発明を特定するために必要な事項を付加したものに相当する本願補正発明が、前記「2 (4)及び(5)」に記載したとおり、引用発明、引用例に記載された事項及び周知の技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであって、本願発明も、同様の理由により、引用発明、引用例に記載された事項及び周知の技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

なお、仮に、審判請求書において請求人が主張するように、本件補正が本件補正前の請求項1に請求項2を組み込み新たな請求項1とする、すなわち、本件補正前の請求項1を削除して本件補正前の請求項2を本件補正後の請求項1とする補正であるとすると、本願補正発明が本件補正前の本願の請求項2に係る発明であるところ、当該発明は、すでに検討したように、前記「2 (4)及び(5)」に記載したとおり、引用発明、引用例に記載された技術的事項及び周知の技術的事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

(3) むすび
以上のとおり、本願発明は、引用発明、引用例に記載された事項及び周知の技術的事項に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないため、本願の特許請求の範囲の請求項1の他の請求項に係る発明について検討するまでもなく、本願は、同法第49条第2号の規定に該当し、拒絶をされるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
別掲
 
審理終結日 2020-06-12 
結審通知日 2020-06-16 
審決日 2020-06-29 
出願番号 特願2016-551161(P2016-551161)
審決分類 P 1 8・ 121- Z (B65G)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 井上 信土田 嘉一  
特許庁審判長 大町 真義
特許庁審判官 尾崎 和寛
田村 嘉章
発明の名称 取り出しステーションのための中間の保持施設  
代理人 蔵田 昌俊  
代理人 金子 早苗  
代理人 井上 正  
代理人 野河 信久  
代理人 飯野 茂  
代理人 河野 直樹  
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