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審決分類 |
審判 一部申し立て 1項3号刊行物記載 H01G 審判 一部申し立て 2項進歩性 H01G |
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管理番号 | 1368139 |
異議申立番号 | 異議2020-700109 |
総通号数 | 252 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2020-12-25 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2020-02-26 |
確定日 | 2020-11-04 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第6568479号発明「電気モジュール及び電気モジュールの製造方法」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第6568479号の請求項1、3に係る特許を取り消す。 |
理由 |
1 手続の経緯 特許第6568479号の請求項1?5に係る特許(以下、「本件特許」という。)についての出願は、2015年(平成27年)2月17日(優先権主張平成26年2月17日、日本国)を国際出願日とする出願であって、令和1年8月9日にその特許権の設定登録がなされ、同年8月28日にその特許掲載公報が発行された。 本件は、その後、その特許について、令和2年2月26日に特許異議申立人安藤宏(以下、「申立人」という。)により請求項1及び3に対してなされた特許異議申立て事件であって、同年6月8日付けで取消理由を通知し期間を与えて意見を求めたものの、特許権者から意見書が提出されなかったものである。 2 本件発明 本件特許の特許請求の範囲の請求項1?5(以下、請求項数に応じて「本件発明1」?「本件発明5」という。また、これらをまとめて「本件発明」という。)は、願書に添付された特許請求の範囲の請求項1?5に記載された次のとおりのものである。 「【請求項1】 第一の導電膜が成膜された第一の基板に半導体層が形成された光電極と、第二の導電膜が成膜された第二の基板を備えた対向電極と、電解質とを備え、前記光電極と前記対向電極とが、これらの間に複数の内部空間を形成するように貼り合わされて封止され、前記電解質が前記複数の内部空間それぞれに充填されることで、直列接続された複数の発電素子が形成されており、 前記第一の導電膜及び前記第二の導電膜の少なくとも一方には、前記複数の発電素子の区切りとなる絶縁帯が形成され、 前記光電極と前記対向電極と間の封止部の少なくとも一部は、前記第一の導電膜と前記第二の導電膜とを封止材によって接着させて形成され、 前記第一の導電膜及び前記第二の導電膜のうち、少なくとも一方が前記内部空間から電気的に連続して前記絶縁帯が形成されていない状態で前記封止材を越えて前記内部空間の外側に延設されており、かつ、延設された部分の表面上に、前記部分と導通可能な状態で導電材が配されており、 前記導電材には、端子が接続され、 前記端子は、前記光電極と前記対向電極との間から、かつ、前記光電極又は前記対向電極の外縁から突出するように設けられていることを特徴とする電気モジュール。 【請求項2】 前記導電材は、前記端子により前記第一の導電膜及び前記第二の導電膜の少なくとも一方に固定されていることを特徴とする請求項1に記載の電気モジュール。 【請求項3】 前記第一の導電膜及び前記第二の導電膜の両方が、前記内部空間から電気的に連続して前記絶縁帯が形成されていない状態で前記封止材を越えて前記内部空間の外側に延設され、ここで前記第一の導電膜及び前記第二の導電膜は、前記内部空間を挟んで反対側に延設されており、かつ、前記第一の導電膜及び前記第二の導電膜の延設された部分のそれぞれの表面上に、前記部分と導通可能な状態で前記導電材が配されていることを特徴とする、請求項1または2に記載の電気モジュール。 【請求項4】 請求項1?3のいずれか1項に記載の電気モジュールの製造方法であって、 前記光電極と前記対向電極とをそれぞれ一方向に延在するよう連続的に繰り出す工程と、 前記光電極と前記対向電極とを、これらの間に前記複数の内部空間を形成するように貼り合せて封止し、この際、前記光電極と前記対向電極と間の前記封止部の少なくとも一部の形成を前記封止材を用いて行って前記複数の発電素子を形成し、前記第一の導電膜及び前記第二の導電膜のうち、少なくとも一方を前記内部空間から電気的に連続して前記絶縁帯が形成されていない状態で前記封止材を越えて前記内部空間の外側に延設させた状態とする封止工程と、 前記導電膜の延設された部分の表面上に前記導電材を配する導電材配置工程とを備えていることを特徴とする電気モジュールの製造方法。 【請求項5】 前記封止材は、前記一方向に交叉する方向の少なくとも一端側に、前記一方向に延設させ、 前記導電材は、前記一方向に平行に配されていることを特徴とする請求項4に記載の電気モジュールの製造方法。」 3 取消理由の概要 (1)本件特許の請求項1に係る発明は、本件特許に係る出願の優先日前日本国内または外国において頒布された下記Aの刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消されるべきものである。 (2)本件特許の請求項1、3に係る発明は、本件特許に係る出願の優先日前日本国内または外国において頒布された下記A?Cの刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その優先日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、その発明に係る特許は取り消されるべきものである。 (刊行物) A 特表2005-528750号公報(平成17年 9月22日公表) (申立人が提出した甲第1号証、以下、「甲1」という。) B 特表2002-540559号公報(平成14年11月26日公表) (申立人が提出した甲第2号証、以下、「甲2」という。) C 特開2011-233513号公報(平成23年11月17日公開) (申立人が提出した甲第3号証、以下、「甲3」という。) 4 刊行物記載の事項、及び、刊行物記載の発明 (1)甲1の記載 甲1には、次の記載がある。なお、下線は当審で付した。以下、同じ。 「【0021】 図1、図2及び図3は、正方形のガラス板2,2’から組み立てられた液体封入式の光起電力素子1を示しており、該ガラス板には、フッ素がドーピングされた透明導電酸化第二スズ(SnO_(2):F)の透明導電酸化物(TCO)層3,3’と、例えば、商標名サーリン(Surlyn)でデュポン(DuPont)から市販されている製品である溶解されてホットメルトポリマーフォイルの層を形成する絶縁層5,5’で被覆された銀(Ag)導体4,4’のパターンとが連続的に配されている。上側のガラス板2,3,4には、色素増感性ナノ結晶二酸化チタン(TiO_(2))のパターン6が絶縁されたAg導体4とAg導体4との間に配されており、下側のガラス板2’,3’,4’には、白金(Pt)の薄層のパターン7が絶縁されたAg導体4とAg導体4との間に配されている。TCO層3、Agパターン4及びTiO_(2)パターン6を有する上側の基板2は、作用電極を形成し、TCO層3’、Agパターン4’及びPtパターン7’を有する下側の基板2’は、対向電極を形成する。作用電極及び対向電極間のスペース内には、例えばヨウ化リチウム-ヨウ素溶液(LiI-I)である電解液8が受け入れられている。Ag導体4,4’は、周辺に沿って延びる各導体によりそれぞれ相互に結合されており、該導体には、素子1から電流をとるためにタブ9,9’が配されている。」 「【0026】 図8は、直列に接続されると共に共通の正方形のガラス板2,2’の各象限に配備された4つの光起電力単一電池(monocell)20から組み立てられた液体封入式の光起電力素子10を示しており、該ガラス板上には、SnO_(2):FのTCO層13,13’と、各層中に溶解されるホットメルトポリマーフォイルの絶縁層15,15’で被覆されたAg導体14,14’のパターンとが連続的に配されている。上側のガラス板12,13,14には、色素増感ナノ結晶TiO_(2)の各パターン16が絶縁されたAg導体14とAg導体14との間に配されており、下側のガラス板12’,13’,14’には、Ptの薄層の各パターン17(当審注:甲1では、下側の基板12’上に形成された部材は全て「‘」が付されていることから、「Ptの薄層の各パターン17」は「Ptの薄層の各パターン17’」の誤記であると考えられる。)が絶縁されたAg導体14’とAg導体14’との間に配されている。上側の基板12上のそれぞれのTCO層13、Agパターン14及びTiO_(2)パターン16は、各作用電極を形成し、下側の基板12’上のそれぞれのTCO層13’、Agパターン14’及びPtパターン17’は、各対向電極を形成する。電解液は、それぞれの作用電極及び対向電極の間のスペースに受け入れられる。Ag導体14,14’は、周囲の一部に沿って延びる各導体により相互に接続されており、そして該導体には、直列に接続するために、個々の単一電池20と、素子10から電流をとるために、タブ9、9’との間に結線(図示せず)は配されている。 【0027】 図9は、図8に示した素子10の単一電池20の作用電極及び対向電極にそれぞれあるAg導体14,14’のパターンを示している。パターン14,14’は、各単一電池について別々であると共に素子10のために鏡面対称であり、作用電極及び対向電極にある電気導体は、各基板の周囲の一部に沿って延びる縁部区域で相互に接続されており、そこでは、導体は、基板の幅の半分よりも小さな距離にわたり縁部区域から平行な仕方で延びている。 【0028】 図10は、封止フォイル15,15’のパターンを示しており、そこでは、作用電極に配される1つのタブ19が同作用電極上の導体14にかぶさるフォイル15により分かる状態にされると共に、対向電極にある導体14’にかぶさるフォイル15’により覆われ、そして対向電極に配される1つのタブ19’が同対向電極上の導体14’にかぶさるフォイル15’により分かる状態にされると共に、作用電極にある導体14にかぶさるフォイル15により覆われるような方法で、凹部21,21’が各直列結線(図示せず)のため及びタブ19,19’のためにそれぞれ配されている。 【0029】 図11は、それぞれ作用電極及び対向電極のための基板にある各TiO_(2)層のパターン16と、それと一致し且つ鏡面対称である、Pt層17’とを示している。 【0030】 図12は、レーザーを使用して単一電池20と単一電池20との間に電気絶縁溝23,23’(当審注:図12には、「22、22’」と示されていることから、「電気絶縁溝23,23’」は「電気絶縁溝22,22’」の誤記であると考えられる。)が配されたTCO層13,13’を備える、それぞれ作用電極及び対向電極のための基板12,12’を示している。 【0031】 図13は、素子に液体を充填する前の製造プロセスにおける一段階中の対向電極(Pt層17’を有する寸法30cm×30cmの基板12’)を示しており、これは充填後に封止されるべき中央に配置された4つの充填開口42を備えている。充填開口42の中央配置と、基板12,12’の幅の半分よりも小さな距離にわたり縁部区域から平行な仕方で延びる導体14,14’の配置とは、液体が充填開口42から半径方向に向けられる遠心力の影響下に作用電極及び対向電極間のスペース内に導入されることを可能にする。」 「【図1】 【図2】 【図3】 」 「【図8】 【図9】 【図10】 【図11】 【図12】 【図13】 」 (2)甲1記載の事項及び甲1記載の発明 ア 上記(1)より、甲1には、液体封入式の光起電力素子1について、記載されているといえる。 イ 上記(1)の【0026】より、甲1の液体封入式の光起電力素子1は、直列に接続されると共に共通の正方形のガラス板2,2’の各象限に配備された4つの光起電力単一電池20から組み立てられたものである。 ウ 上記(1)の【0026】より、甲1の液体封入式の光起電力素子1において、作用電極を形成する上側の基板12には、TCO層13と、ホットメルトポリマーフォイルの絶縁層15で被覆されたAg導体14のパターンとが連続的に配され、色素増感ナノ結晶TiO_(2)の各パターン16がAg導体14とAg導体14との間に配されている。 エ 上記(1)の【0026】より、甲1の液体封入式の光起電力素子1において、対向電極を形成する下側の基板12’には、TCO層13’と、ホットメルトポリマーフォイルの絶縁層15’で被覆されたAg導体14’のパターンとが連続的に配され、Ptの薄層の各パターン17’がAg導体14’とAg導体14’との間に配されている。 オ 上記(1)の【0026】の「Ag導体14,14’は、周囲の一部に沿って延びる各導体により相互に接続されており、そして該導体には、直列に接続するために、個々の単一電池20と、素子10から電流をとるために、タブ9、9’との間に結線(図示せず)は配されている」との記載より、直列に接続された4つの単一電池20は、一つの単一電池20のAg導体14と、該単一電池20に隣接する別の単一電池20のAg導体14’が、不図示の結線で接続されている。 また、図3から、タブ9’とAg導体4’とが接続されていることが看取されるから、図8においても同様に、タブ19とAg導体14の間及びタブ19’とAg導体14’も接続されていると解される。 カ 上記(1)の【0026】より、甲1の液体封入式の光起電力素子1において、電解液は、それぞれの作用電極及び対向電極の間のスペースに受け入れられる。 キ 上記(1)の【0030】より、甲1の液体封入式の光起電力素子1において、作用電極の基板12及び対向電極の基板12’には、単一電池20と単一電池20との間に電気絶縁溝22,22’が配されたTCO層13,13’を備える。 ク 上記(1)の【0028】の「図10は、封止フォイル15,15’のパターンを示しており、そこでは、・・・(略)・・・対向電極に配される1つのタブ19’が同対向電極上の導体14’にかぶさるフォイル15’により分かる状態にされると共に、作用電極にある導体14にかぶさるフォイル15により覆われるような方法で、凹部21,21’が各直列結線(図示せず)のため及びタブ19,19’のためにそれぞれ配されている」とは、特に、「分かる状態にされる」とは、どのような意味であるかが理解しがたい。 一方、甲1の公表特許公報に対応する国際公開第2003/102986号の、上記記載に対応する箇所には、「Fig. 10 shows a pattern of a sealing foil 15, 15' in which are arranged recesses 21, 21' for respective series connections (not shown) and respective tabs 19, 19' in a manner such that ・・・(略)・・・ a tab 19' arranged on a counter-electrode is left clear by the foil15' over conductors 14' on that counter- electrode, and is covered by foil 15 over conductors 14 on the work electrode.」(第8頁第24?34行)と記載されており、この英文からすると、上記「分かる状態にされる」とは、「clearな状態にされる」との意味である。 ケ また、甲1の液体封入式の光起電力素子1において、上記(1)の【0026】より、Ag導体14、14’はホットメルトポリマーフォイルの絶縁層15、15’で被覆されたものであるから、図9から看取されるAg導体14、14’と図10から看取されるホットメルトポリマーフォイルの絶縁層15、15’との位置関係から、Ag導体14、14’はホットメルトポリマーフォイルの絶縁層15、15’の凹部21、21’から露出しているといえる。 コ そして、図8から、「タブ19’」が「ホットメルトポリマーフォイルの絶縁層15’」の「凹部21’」とほぼ重なることが看取でき、さらに、上記ケの「Ag導体14’」は「凹部21’」から露出していることを踏まえると、「タブ19’」は「Ag導体14’」に接続しているといえる。 サ そうすると、上記クから導き出せる「対向電極に配される1つのタブ19’が同対向電極上の導体14’にかぶさるフォイル15’によりclearな状態にされる」とは、上記ク?コの検討より、甲1の液体封入式の光起電力素子1において、対向電極に配される1つのタブ19’が同対向電極上の導体14’と接続されると共に、タブ19’がフォイル15’により覆われることなく露出する状態にされるとの意味であると解される。 シ 図11より、色素増感ナノ結晶TiO_(2)の各パターン16及びPtの薄層の各パターン17’は、上下左右に4分割されており、これら分割されたパターン16,17’間の境界は十字状をなしていることが看取でき、また、図10より、封止フォイル15,15’のうち中央で十字状に形成された部分によって上下左右の各象限に4分割されていることが看取できるから、「4つの光起電力単一電池20」(【0026】)は、略正方形の「液体封入式の光起電力素子1」を、上下左右の各象限に4分割したものであるといえる。 ス 上記シを踏まえると、図10より、ホットメルトポリマーフォイルの絶縁層15、15’のパターンは、互いに隣接する「4つの光起電力単一電池20」の間の境界全てに形成されていることが看取できる。 セ 上記(1)の【0030】によれば、電気絶縁溝22,22’は、それぞれ、一体として形成されたTCO層13,13’を電気的に分離するために当該TCO層にレーザー照射することによって形成されたものであり、また、上記シの検討を踏まえると、図12の中心部に略卍状に形成された電気絶縁溝22,22’は、互いに隣接する単一電池20間の境界のみに形成されていることが看取でき、したがって、図8に示されたタブ19,19’のそれぞれに接続されるAg導体14,14’が形成されている領域のTCO層13,13’には電気絶縁溝22,22’は形成されていないといえる。 ソ 上記シを踏まえると、図8より、左上の象限の単一電池において、タブ19’は、上側の基板12及び下側の基板12’の外縁から突出するように設けられていることが看取できる。 タ 甲1の図8の実施例に注目すると、上記ア?ソより、甲1には、次の発明(以下、「甲1発明」という。)が記載されていると認められる。 「直列に接続されると共に共通の正方形のガラス板2,2’の各象限に配備された4つの光起電力単一電池20(以下、「単一電池20」ということもある。)から組み立てられた液体封入式の光起電力素子1であって、 作用電極を形成する上側の基板12には、TCO層13と、ホットメルトポリマーフォイルの絶縁層15で被覆されたAg導体14のパターンとが連続的に配され、色素増感ナノ結晶TiO_(2)の各パターン16がAg導体14とAg導体14との間に配されており、 対向電極を形成する下側の基板12’には、TCO層13’と、ホットメルトポリマーフォイルの絶縁層15’で被覆されたAg導体14’のパターンとが連続的に配され、Ptの薄層の各パターン17’がAg導体14’とAg導体14’との間に配されており、 直列に接続された上記4つの単一電池20は、一つの単一電池20のAg導体14と、該単一電池20に隣接する別の単一電池20のAg導体14’が、結線で接続されており、 電解液は、それぞれの作用電極及び対向電極の間のスペースに受け入れられ、 作用電極の基板12及び対向電極の基板12’には、互いに隣接する単一電池20と単一電池20との間の境界に電気絶縁溝22,22’が配されたTCO層13,13’を備え、 Ag導体14,14’はホットメルトポリマーフォイルの絶縁層15,15’の凹部21,21’から露出しており、作用電極に配される1つのタブ19が同作用電極上のAg導体14と接続され、 対向電極に配される1つのタブ19’が同対向電極上のAg導体14’と接続されると共に、タブ19’がフォイル15’により覆われることなく露出する状態にされ、 ホットメルトポリマーフォイルの絶縁層15,15’のパターンは、互いに隣接する単一電池20間の境界全てに形成されており、 電気絶縁溝22,22’は、互いに隣接する単一電池20間の境界のみに形成されており、タブ19,19’のそれぞれに接続されるAg導体14,14’が形成されている領域には形成されておらず、 タブ19,19’は、上側の基板12及び下側の基板12’の外縁から突出するように設けられている、 液体封入式の光起電力素子1。」 (3)甲2の記載 甲2には、次の記載がある。 「【請求項1】 二つの基板(1、12)間に積層された二つまたはそれ以上の光電気化学セルを有し、該基板の内表面上に支持された対向する電気伝導体(2、11)を有し、ここで、少なくとも一つの伝導体およびそれに隣接する基板は実質的に可視光に対し透明であり、また、ここで各基板上の伝導体は電気的に分離された領域になるように各々隔てられており、各々のセルは対向する平面伝導体の二つの領域の部分間に形成されていて、各々のセルは:光アノード(3)、カソード(11)および電解質媒体(5)を含み、該電解質媒体は該光アノードと該カソード間に配置され、隣接する光電気化学セルは伝導粒子(6)を含む電気的導通材料により直列に電気的に導通される、再生型光起電光電気化学デバイス。 【請求項2】 伝導粒子が、第n番目のセルの光アノードに隣接する伝導体の領域の分離された部分と、第n+1番目のセルのカソードに隣接する対向する伝導体の領域の分離された部分との間に配置された、請求項1に記載の光電気化学デバイス。 【請求項3】 第一のセルのカソードに隣接する伝導体の領域の分離された部分と、最後のセルの光アノードに隣接する伝導体の領域の分離された部分とに設けられた電気的接触(7)によって、デバイスに外部電気的接続がなされる請求項1または2のいずれかに記載の光電気化学デバイス。」 「【0001】 (発明の技術分野) 本発明は多重セル再生型光起電光電気化学(RPEC)デバイス、それらデバイスの内部の電気接続(本明細書では「導通路」と呼ぶ)のために用いられる材料および方法、およびそれらデバイス内の電気的伝導層を隔てるために用いられる材料および方法に関する。」 「【0012】 図1を参照すると、RPECモジュールのこの部分は二つのガラス基板(1、12)を有し、その両方には透明な電子伝導体(TEC)コート(2、11)が被覆されている。TEC層は電気的に各個別のセルを分離するよう、選択的に分離されている(3、10)。カソードは、一つのTECコート(2)に付着させた白金電気触媒(4)を含み、光アノードはもう一つのTECコート(11)に付着させたルテニウム染料感光性チタニア(9)を含み、酸化還元媒体を含む電解質(5)はカソードと光アノードの間に配置される。前述の材料は全て米国特許第5350644号において詳細に記載されている。導通路は二つの異なる電気的伝導粒子、すなわち45μm(um)のチタン(6)および0.5μm(um)のタングステン(7)から成り立ち、ポリマー状シリコーンマトリックス(8)に埋め込まれ、それぞれの重量比は1:10:4である。 【0013】 図2を参照すると、RPECモジュールのこの概略は、二つのガラス基板(1、12)を有し、その両方には透明な電子伝導体(TEC)コート(2、11)が被覆されている。カソードは、一つのTECコート(2)に付着させた白金電気触媒(4)を含む。光アノードはもう一つのTECコート(11)に付着させたルテニウム染料感光性チタニア(9)を含む。TECコ-ト除去された場所(3、10)に、導通路(13)と細片も示されている。 【0014】 図3を参照すると、本発明に従って形成されるRPECモジュールの別の実施例が描写される。図1で設定されたのと同じ構成要素には、同じ参照番号が図3で用いられていて、これら構成要素にはさらなる記載は与えられない。参照番号(14)は、各電池の電解質(5)を分離するための電解質不透隔壁を形成する保護層を意味する。」 「【図1】 【図2】 【図3】 」 (4)甲2記載の事項及び甲2記載の発明 ア 上記(3)の【0001】より、甲2には、多重セル再生型光起電光電気化学(RPEC)デバイスについて、記載されている。 イ 上記(3)の【0012】より、甲2の多重セル再生型光起電光電気化学(RPEC)デバイスについて、二つのガラス基板(1、12)を有し、その両方には透明な電子伝導体(TECコート)(2、11)が被覆されており、TEC層は電気的に各個別のセルを分離するよう、選択的に分離されている(3、10)。 ウ 上記(3)の【0012】より、甲2の多重セル再生型光起電光電気化学(RPEC)デバイスについて、カソードは、一つのTECコート(2)に付着させた白金電気触媒(4)を含み、光アノードはもう一つのTECコート(11)に付着させたルテニウム染料感光性チタニア(9)を含み、酸化還元媒体を含む電解質(5)はカソードと光アノードの間に配置される。 エ 上記(3)の【請求項1】より、甲2の多重セル再生型光起電光電気化学(RPEC)デバイスについて、隣接する光電気化学セルは伝導粒子(6)を含む電気的導通材料により直列に電気的に導通される。 オ 上記(3)の【請求項2】より、甲2の多重セル再生型光起電光電気化学(RPEC)デバイスについて、伝導粒子が、第n番目のセルの光アノードに隣接する伝導体の領域の分離された部分と、第n+1番目のセルのカソードに隣接する対向する伝導体の領域の分離された部分との間に配置される。 カ 上記(3)の【請求項3】より、甲2の多重セル再生型光起電光電気化学(RPEC)デバイスについて、第一のセルのカソードに隣接する伝導体の領域の分離された部分と、最後のセルの光アノードに隣接する伝導体の領域の分離された部分とに設けられた電気的接触(7)によって、デバイスに外部電気的接続がなされる。 キ 上記(3)の図3より、甲2の多重セル再生型光起電光電気化学(RPEC)デバイスについて、2つの電解質不透隔壁(14)が、隣接するセル間に設けられた伝導粒子(6)を挟むように、カソードのTECコート(2)及び光アノードのTECコート(11)に接して設けられていることが看取できる。また、上記電解質不透隔壁(14)は、その文言から、各光電気化学セルから電解質が流出することを防止する機能を有する隔壁であることは明らかであるので、各光電気化学セルを囲むように形成されているものであることが理解される。 ク 甲2の図3の実施例に注目すると、上記ア?キ.より、甲2には、次の発明(以下、「甲2発明」という。)が記載されていると認められる。 「二つのガラス基板(1、12)を有し、その両方には透明な電子伝導体(TECコート)(2、11)が被覆されており、TECコート(2、11)は電気的に各個別の光電気化学セル(以下「セル」という。)を分離するよう、選択的に分離されており(3、10)、 カソードは、一つのTECコート(2)に付着させた白金電気触媒(4)を含み、 光アノードはもう一つのTECコート(11)に付着させたルテニウム染料感光性チタニア(9)を含み、 酸化還元媒体を含む電解質(5)はカソードと光アノードの間に配置され、 隣接するセルは伝導粒子(6)を含む電気的導通材料により直列に電気的に導通され、 伝導粒子(6)が、第n番目のセルの光アノードに隣接する伝導体の領域の分離された部分と、第n+1番目のセルのカソードに隣接する対向する伝導体の領域の分離された部分との間に配置され、 第一のセルのカソードに隣接する伝導体の領域の分離された部分と、最後のセルの光アノードに隣接する伝導体の領域の分離された部分とに設けられた電気的接触(7)によって、デバイスに外部電気的接続がなされ、 電解質不透隔壁(14)が、各セルを囲むように形成されており、 2つの電解質不透隔壁(14)が、隣接するセル間に設けられた伝導粒子(6)を挟むように、カソードのTECコート(2)及び光アノードのTECコート(11)に接して設けられている、 多重セル再生型光起電光電気化学(RPEC)デバイス。」 (5)甲3の記載 甲3には次の記載がある。 「【0001】 本発明は、光電変換モジュールに係り、より詳細には、基板上のエッジに沿って形成される集電部を持つ光電変換モジュールに関する。」 「【0004】 シリコン太陽電池とは異なって、染料感応型太陽電池(Dye-Sensitized Solar Cells、DSSC)は、可視光線の波長を持つ光が入射すれば、これを受光して励起電子を生成できる感光性染料と、励起された電子を受け取ることができる半導体物質と、外部回路で働いてから戻る電子に対して反応する電解質とを含む。染料感応型太陽電池は、シリコン太陽電池に比べて飛躍的に高い光電変換効率を持っているので、次世代太陽電池として期待されている。」 「【0033】 図1は、本発明の一実施形態による光電変化モジュール100を図示した分離斜視図であり、図2は、図1のII-II線に沿って切開図示した結合断面図である。 【0034】 図1及び図2を参照すれば、前記光電変換モジュール100は、対向して配された受光基板110と、相対基板120とを備える。前記受光基板110及び相対基板120上には、光電変換を行うための第1機能層130と第2機能層140とがそれぞれ形成されている。 【0035】 前記第1機能層130は、光電極131と半導体層132とを含む。前記第2機能層140は、相対電極141と触媒層142とを含む。前記第1機能層130と第2機能層140との間には、電解質層150が介在されている。」 「【0037】 前記光電極131は、前記受光基板110上に形成された第1透明導電膜134と、前記第1透明導電膜134上に形成された第1グリッド135とを含む。」 「【0042】 前記半導体層132は、Cd、Zn、In、Pb、Mo、W、Sb、Ti、Ag、Mn、Sn、Zr、Sr、Ga、Si、Crなどの金属化合物で形成される。前記半導体層132は、感光性染料を吸着することで光電変換効率を高めることができる。」 「【0047】 前記相対電極141は、相対基板120上に形成された第2透明導電膜144と、前記第2透明導電膜144上に形成された触媒層142を介して形成された第2グリッド145とを備える。代案としては、前記第2グリッド145は、前記第2透明導電膜144上に直接的に形成されうる。前記第2グリッド145の外面には第2保護層143がさらに形成されうる。」 「【0053】 一方、前記電解質層150の周囲にはシーリング材210が設置されている。前記シーリング材210は、電解質が外部に漏れないように電解質層150を密閉させ、モジュール内部の光電変換領域とモジュール外部の周辺領域とを区切る。 【0054】 ここで、前記光電変換モジュール100が大型化しつつ光電変化効率が急激に落ちて、その結果として電子の移動が円滑でないことを防止するために、電子の移動経路を最大限短くするための集電部を形成させる。 【0055】 さらに詳細には、前記受光基板110のエッジには、少なくとも2領域上に複数の第1グリッド135に対して電気的に連結される第1バス電極160が形成されている。前記相対基板120のエッジには、少なくとも2領域上に複数の第2グリッド145に対して電気的に連結される第2バス電極170が形成されている。前記第1バス電極160と第2バス電極170とは、集電電極の役割を行う電極である。 【0056】 さらに、前記受光基板110のエッジには、前記第1バス電極160に対して電気的に連結されず、前記第2バス電極170に対して電気的に連結される第1接続ライン180が位置できる第1領域1Aが形成されている。前記相対基板120のエッジには、前記第2バス電極170に対して電気的に連結されず、前記第1バス電極160に対して電気的に連結される第2接続ライン190が位置できる第2領域2Aが形成されている。」 「【図1】 【図2】 」 (6)甲3記載の事項 ア 上記(5)の【0042】では、「半導体層132は、感光性染料を吸着することで光電変換効率を高めることができる」とされているから、甲3には、上記(5)の【0004】の「染料感応型太陽電池」について、記載されているといえる。 イ 上記(5)の【0034】より、甲3の染料感応型太陽電池について、対向して配された受光基板110と、相対基板120とを備え、受光基板110及び相対基板120上には、光電変換を行うための第1機能層130と第2機能層140とがそれぞれ形成されている。 ウ 上記(5)の【0035】より、甲3の染料感応型太陽電池について、第1機能層130は、光電極131と半導体層132とを含み、第2機能層140は、相対電極141と触媒層142とを含み、第1機能層130と第2機能層140との間には、電解質層150が介在されている。 エ 上記(5)の【0037】より、甲3の染料感応型太陽電池について、光電極131は、受光基板110上に形成された第1透明導電膜134と、前記第1透明導電膜134上に形成された第1グリッド135とを含む。 オ 上記(5)の【0047】より、甲3の染料感応型太陽電池について、相対電極141は、相対基板120上に形成された第2透明導電膜144と、第2透明導電膜144上に直接的に形成された第2グリッド145とを備える。 カ 上記(5)の【0055】より、甲3の染料感応型太陽電池について、受光基板110のエッジには、第1グリッド135に対して電気的に連結される第1バス電極160が形成されており、相対基板120のエッジには、第2グリッド145に対して電気的に連結される第2バス電極170が形成されており、第1バス電極160と第2バス電極170とは、集電電極の役割を行う電極である。 キ 上記(5)の【0056】より、甲3の染料感応型太陽電池について、受光基板110のエッジには、第1バス電極160に対して電気的に連結されず、第2バス電極170に対して電気的に連結される第1接続ライン180が形成されており、相対基板120のエッジには、第2バス電極170に対して電気的に連結されず、第1バス電極160に対して電気的に連結される第2接続ライン190が形成されているとされている。 ク 一方、上記(5)の図2から、甲3の染料感応型太陽電池について、受光基板110のエッジには、第1バス電極160に対して電気的に連結されず、第2バス電極170に対して電気的に連結される第2接続ライン190が形成されており、相対基板120のエッジには、第2バス電極170に対して電気的に連結されず、第1バス電極160に対して電気的に連結される第1接続ライン180が形成されていることが看取できる。 ケ そうすると、上記キの事項と上記クの事項とは、整合しないこととなる。 しかしながら、上記(5)の図1から、II-II線に注目すると、上記キの事項が看取できるから、上記II-II線に沿って切開図示した結合断面図である、上記(5)の図2には誤記が存在し、その誤記は、上記(5)の図2において、引用番号「180」が「190」、引用番号「190」が「180」であると考えられる。 コ そして、上記ケの誤記を踏まえると、上記(5)の図1及び図2から、甲3の染料感応型太陽電池について、第1接続ライン180及び第2接続ライン190は、光電極131及び相対電極141の間から、かつ、光電極131または相対電極141の外縁から突出するように、設けられていることが看取できる。 サ 上記ア?コより、甲3には、次の事項(以下、「甲3記載の事項」という。 )が記載されていると認められる。 「対向して配された受光基板110と、相対基板120とを備え、 受光基板110及び相対基板120上には、光電変換を行うための第1機能層130と第2機能層140とがそれぞれ形成されており、 第1機能層130は、光電極131と半導体層132とを含み、 第2機能層140は、相対電極141と触媒層142とを含み、 第1機能層130と第2機能層140との間には、電解質層150が介在されており、 光電極131は、受光基板110上に形成された第1透明導電膜134と、第1透明導電膜134上に形成された第1グリッド135とを含み、 相対電極141は、相対基板120上に形成された第2透明導電膜144と、第2透明導電膜144上に直接的に形成された第2グリッド145とを備える、染料感応型太陽電池において、 受光基板110のエッジには、第1グリッド135に対して電気的に連結される第1バス電極160が形成されており、 相対基板120のエッジには、第2グリッド145に対して電気的に連結される第2バス電極170が形成されており、 第1バス電極160と第2バス電極170とは、集電電極の役割を行う電極であり、 受光基板110のエッジには、第1バス電極160に対して電気的に連結されず、第2バス電極170に対して電気的に連結される第1接続ライン180が形成されており、 相対基板120のエッジには、第2バス電極170に対して電気的に連結されず、第1バス電極160に対して電気的に連結される第2接続ライン190が形成されており、 第1接続ライン180及び第2接続ライン190は、光電極131及び相対電極141の間から、かつ、光電極131または相対電極141の外縁から突出するように、設けられている事項。」 5 対比・判断 5-1 甲1発明を主引例とした場合 (1)請求項1について 本件発明1と甲1発明とを対比する。 ア 甲1発明の「上側の基板12」、「上側の基板12」の「TCO層13」、「下側の基板12’」、「下側の基板12’」の「TCO層13’」、「色素増感ナノ結晶TiO_(2)」、「作用電極」、「対向電極」、「電解液」、「光起電力単一電池20」、「電気絶縁溝22,22’」、「ホットメルトポリマーフォイルの絶縁層15,15’」、「タブ19,19’」は、それぞれ、本件発明1の「第一の基板」、「第一の導電膜」、「第二の基板」、「第二の導電膜」、「半導体層」、「光電極」、「対向電極」、「電解質」、「発電素子」、「絶縁帯」、「封止材」、「端子」に相当する。 イ 甲1発明の「作用電極を形成する上側の基板12には、TCO層13と、」「Ag導体14のパターンとが連続的に配され、色素増感ナノ結晶TiO_(2)の各パターン16がAg導体14とAg導体14との間に配されて」いる事項は、本件発明1の「第一の導電膜が成膜された第一の基板に半導体層が形成された光電極」「を備え」る事項に相当する。 ウ 甲1発明の「対向電極を形成する下側の基板12’には、TCO層13’と、」「Ag導体14’のパターンとが連続的に配され、Ptの薄層の各パターン17’がAg導体14’とAg導体14’との間に配されて」いる事項は、本件発明1の「第二の導電膜が成膜された第二の基板を備えた対向電極」「を備え」る事項に相当する。 エ 甲1発明の「電解液は、それぞれの作用電極及び対向電極の間のスペースに受け入れられ」、「ホットメルトポリマーフォイルの絶縁層15,15’のパターンは、互いに隣接する単一電池20間の境界全てに形成されて」いる事項は、本件発明1の「電解質」「を備え、前記光電極と前記対向電極とが、これらの間に複数の内部空間を形成するように貼り合わされて封止され、前記電解質が前記複数の内部空間それぞれに充填される」事項に相当する。 オ 甲1発明の「直列に接続されると共に共通の正方形のガラス板2,2’の各象限に配備された4つの光起電力単一電池20から組み立てられた」事項は、本件発明1の「直列接続された複数の発電素子が形成されて」いる事項に相当する。 カ 甲1発明の「作用電極の基板12及び対向電極の基板12’には、互いに隣接する単一電池20と単一電池20との間の境界に電気絶縁溝22,22’が配されたTCO層13,13’を備え」る事項は、本件発明1の「第一の導電膜及び前記第二の導電膜の少なくとも一方には、前記複数の発電素子の区切りとなる絶縁帯が形成され」る事項に相当する。 キ 甲1発明は、「作用電極を形成する上側の基板12には、TCO層13と、ホットメルトポリマーフォイルの絶縁層15で被覆されたAg導体14のパターンとが連続的に配され」、「対向電極を形成する下側の基板12’には、TCO層13’と、ホットメルトポリマーフォイルの絶縁層15’で被覆されたAg導体14’のパターンとが連続的に配され」ている。 そして、上記4の(1)の図2及び図3より、ホットメルトポリマーフォイルの層を形成する絶縁層5、及び、ホットメルトポリマーフォイルの層を形成する絶縁層5’が、一体に形成され、下側の基板2’と上側の基板2とが接着していることが看取できるから、同様に、「上側の基板12」の「Ag導体14」を「被覆」する「ホットメルトポリマーフォイルの絶縁層15」と「下側の基板12’」の「Ag導体14’」を「被覆」する「ホットメルトポリマーフォイルの絶縁層15’」とは一体に形成されたものであって、「下側の基板12’」と「上側の基板12」を接着しているともいえる。 そうすると、甲1発明は、本件発明1の「光電極と前記対向電極と間の封止部の少なくとも一部は、前記第一の導電膜と前記第二の導電膜とを封止材によって接着させて形成され」る事項を含むものである。 ク 甲1発明の「Ag導体14,14’はホットメルトポリマーフォイルの絶縁層15,15’の凹部21,21’から露出して」おり、「上側の基板12には、TCO層13と、」「Ag導体14のパターンとが連続的に配され」ており、「下側の基板12’には、TCO層13’と、」「Ag導体14’のパターンとが連続的に配され」ているから、甲1発明の「TCO層13,13’」も、「Ag導体14,14’」と同様に、ホットメルトポリマーフォイルの絶縁層15’の凹部21’から外側に露出しているといえる。 また、甲1発明は、「電気絶縁溝22,22’は、互いに隣接する単一電池20間の境界のみに形成されており、タブ19,19’のそれぞれに接続されるAg導体14,14’が形成されている領域には形成されておらず」、「作用電極に配される1つのタブ19が同作用電極上のAg導体14と接続され、対向電極に配される1つのタブ19’が同対向電極上のAg導体14’と接続され」ている。 さらに、技術常識からすると、甲1発明の「タブ19」と「Ag導体14」との間、及び、「タブ19’」と「Ag導体14’」との間には、ハンダ等の導電材が形成されていることは明らかであって、当該導電材が本件発明1の「導電材」に相当するといえる。 したがって、甲1発明は、本件発明1の「第一の導電膜及び前記第二の導電膜のうち、少なくとも一方が前記内部空間から電気的に連続して前記絶縁帯が形成されていない状態で前記封止材を越えて前記内部空間の外側に延設されており、かつ、延設された部分の表面上に、前記部分と導通可能な状態で導電材が配されて」いる事項を含むものである。 ケ 甲1発明の「作用電極に配される1つのタブ19が同作用電極上のAg導体14と接続され、対向電極に配される1つのタブ19’が同対向電極上のAg導体14’と接続される」事項は、上記クの検討を踏まえると、本件発明1の「導電材には、端子が接続され」る事項に相当する。 コ 甲1発明は、「作用電極を形成する上側の基板12には、TCO層13と、」「Ag導体14のパターンとが連続的に配され、」「対向電極を形成する下側の基板12’には、TCO層13’と、」「Ag導体14’のパターンとが連続的に配され」たものであり、また、「作用電極に配される1つのタブ19が同作用電極上のAg導体14と接続され」、「対向電極に配される1つのタブ19’が同対向電極上のAg導体14’と接続される」ものであるから、甲1発明の「タブ19’」は、「作用電極を形成する上側の基板12」と「対向電極を形成する下側の基板12’」との間に設けられたものである。 そうすると、甲1発明の「タブ19,19’は、上側の基板12及び下側の基板12’の外縁から突出するように設けられている」事項は、本件発明1の「端子は、前記光電極と前記対向電極との間から、かつ、前記光電極又は前記対向電極の外縁から突出するように設けられている」事項に相当する。 サ 上記ア?コの検討より、本件発明1と甲1発明とは、 「第一の導電膜が成膜された第一の基板に半導体層が形成された光電極と、第二の導電膜が成膜された第二の基板を備えた対向電極と、電解質とを備え、前記光電極と前記対向電極とが、これらの間に複数の内部空間を形成するように貼り合わされて封止され、前記電解質が前記複数の内部空間それぞれに充填されることで、直列接続された複数の発電素子が形成されており、 前記第一の導電膜及び前記第二の導電膜の少なくとも一方には、前記複数の発電素子の区切りとなる絶縁帯が形成され、 前記光電極と前記対向電極と間の封止部の少なくとも一部は、前記第一の導電膜と前記第二の導電膜とを封止材によって接着させて形成され、 前記第一の導電膜及び前記第二の導電膜のうち、少なくとも一方が前記内部空間から電気的に連続して前記絶縁帯が形成されていない状態で前記封止材を越えて前記内部空間の外側に延設されており、かつ、延設された部分の表面上に、前記部分と導通可能な状態で導電材が配されており、 前記導電材には、端子が接続され、 前記端子は、前記光電極と前記対向電極との間から、かつ、前記光電極又は前記対向電極の外縁から突出するように設けられていることを特徴とする電気モジュール。」で一致し、相違点はない。 シ よって、本件発明1は、甲1発明である。 ス 仮に、相違点があったとしても、当該相違点は、甲1発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 5-2 甲2発明を主引例とした場合 (1)請求項1について 本件発明1と甲2発明とを対比する。 ア 甲2発明は、「二つのガラス基板(1、12)のうち、ガラス基板(12)上には、TECコート(11)、及び、ルテニウム染料感光性チタニア(9)が形成されて」いるから、甲2発明の「ガラス基板(1)」、「ガラス基板(12)」、「TECコート(2)」、「TECコート(11)」は、それぞれ、本件発明1の「第二の基板」、「第一の基板」、「第二の導電膜」、「第一の導電膜」に相当する。 イ 甲2発明の「ルテニウム染料感光性チタニア(9)」、「酸化還元媒体を含む電解質(5)」、「光電気化学セル」又は「セル」、「電解質不透隔壁(14)」は、それぞれ、本件発明1の「半導体層」、「電解質」、「発電素子」、「封止材」に相当する。 ウ 甲2発明は、「二つのガラス基板(1、12)を有し、その両方には透明な電子伝導体(TECコート)(2、11)が被覆されて」いるから、甲2発明の「光アノードはもう一つのTECコート(11)に付着させたルテニウム染料感光性チタニア(9)を含」む事項は、本件発明1の「第一の導電膜が成膜された第一の基板に半導体層が形成された光電極」「を備え」る事項に相当する。 エ 甲2発明は、「二つのガラス基板(1、12)を有し、その両方には透明な電子伝導体(TECコート)(2、11)が被覆されて」いるから、甲2発明の「カソードは、一つのTECコート(2)に付着させた白金電気触媒(4)を含」む事項は、本件発明1の「第二の導電膜が成膜された第二の基板を備えた対向電極」「を備え」る事項に相当する。 オ 甲2発明の「電解質不透隔壁(14)が、各セルを囲むように形成されており、2つの電解質不透隔壁(14)が、隣接するセル間に設けられた伝導粒子(6)を挟むように、カソードのTECコート(2)及び光アノードのTECコート(11)に接して設けられている」事項は、本件発明1の「光電極と前記対向電極とが、これらの間に複数の内部空間を形成するように貼り合わされて封止され、」「前記光電極と前記対向電極と間の封止部の少なくとも一部は、前記第一の導電膜と前記第二の導電膜とを封止材によって接着させて形成され」る事項に相当する。 カ 甲2発明の「酸化還元媒体を含む電解質(5)はカソードと光アノードの間に配置され」る事項は、本件発明1の「電解質」「を備え、」「前記電解質が前記複数の内部空間それぞれに充填される」事項に相当する。 キ 甲2発明の「TECコート(2、11)は電気的に各個別の光電気化学セルを分離するよう、選択的に分離されて」いる事項は、本件発明1の「第一の導電膜及び前記第二の導電膜の少なくとも一方には、前記複数の発電素子の区切りとなる絶縁帯が形成され」る事項に相当する。 ク 甲2発明の「第一のセルのカソードに隣接する伝導体の領域の分離された部分」及び「最後のセルの光アノードに隣接する伝導体の領域の分離された部分」は、甲2の【請求項3】の記載を認定の根拠にしている(上記4の(3)参照。)ところ、【請求項3】が引用する【請求項1】には、「各基板上の伝導体は電気的に分離された領域になるように各々隔てられており、各々のセルは対向する平面伝導体の二つの領域の部分間に形成されていて」(上記4の(3)参照。)と記載されていることから、甲2発明の「伝導体の領域の分離された部分」とは、伝導体の領域の一部分を意味すると解される。 ケ また、甲2発明の「伝導粒子が、第n番目のセルの光アノードに隣接する伝導体の領域の分離された部分と、第n+1番目のセルのカソードに隣接する対向する伝導体の領域の分離された部分との間に配置され」た事項は、上記4の(3)の図3に示された光電気デバイスに関する事項であると考えられる。 そして、「光アノード」とは、図3において、TECコート(11)のうち、右側の電解質不透隔壁14よりも右側の領域であり、「光アノードに隣接する伝導体の領域」とは、図3において、TECコート(11)のうち、2つの電解質不透隔壁14の間であって、伝導粒子(6)の下部に存在する領域であると考えられ、また、同様に「カソードに隣接する伝導体の領域」とは、図3において、TECコート(2)のうち、2つの電解質不透隔壁14の間であって、伝導粒子(6)の上部に存在する領域であると考えられる。 コ そして、甲2発明の「第一のセルのカソードに隣接する伝導体の領域の分離された部分」及び「光アノードに隣接する伝導体の領域の分離された部分」も上記ケと同様に解釈し得るから、甲2発明の「第一のセルのカソードに隣接する伝導体の領域の分離された部分と、最後のセルの光アノードに隣接する伝導体の領域の分離された部分とに設けられた電気的接触(7)によって、デバイスに外部電気的接続がなされ」る事項と、本件発明1の「第一の導電膜及び前記第二の導電膜のうち、少なくとも一方が前記内部空間から電気的に連続して前記絶縁帯が形成されていない状態で前記封止材を越えて前記内部空間の外側に延設されており、かつ、延設された部分の表面上に、前記部分と導通可能な状態で導電材が配されており、前記導電材には、端子が接続され、前記端子は、前記光電極と前記対向電極との間から、かつ、前記光電極又は前記対向電極の外縁から突出するように設けられている」事項とは、「第一の導電膜及び前記第二の導電膜のうち、少なくとも一方が前記内部空間から電気的に連続して前記絶縁帯が形成されていない状態で前記封止材を越えて前記内部空間の外側に延設されており、その延設された部分が電気的に外部と接続されている」事項で共通する。 サ 上記ア?コの検討より、本件発明1と甲2発明とは、 「第一の導電膜が成膜された第一の基板に半導体層が形成された光電極と、第二の導電膜が成膜された第二の基板を備えた対向電極と、電解質とを備え、前記光電極と前記対向電極とが、これらの間に複数の内部空間を形成するように貼り合わされて封止され、前記電解質が前記複数の内部空間それぞれに充填されることで、直列接続された複数の発電素子が形成されており、前記第一の導電膜及び前記第二の導電膜の少なくとも一方には、前記複数の発電素子の区切りとなる絶縁帯が形成され、 前記光電極と前記対向電極と間の封止部の少なくとも一部は、前記第一の導電膜と前記第二の導電膜とを封止材によって接着させて形成され、 第一の導電膜及び前記第二の導電膜のうち、少なくとも一方が前記内部空間から電気的に連続して前記絶縁帯が形成されていない状態で前記封止材を越えて前記内部空間の外側に延設されており、その延設された部分が電気的に外部と接続されている、電気モジュール。」で一致し、次の点で相違する。 (相違点) 「延設された部分が電気的に外部と接続されている」箇所について、本件発明1は、「延設された部分の表面上に、前記部分と導通可能な状態で導電材が配されており、前記導電材には、端子が接続され、前記端子は、前記光電極と前記対向電極との間から、かつ、前記光電極又は前記対向電極の外縁から突出するように設けられている」のに対し、甲2発明は、「電気的接触(7)によって、デバイスに外部電気的接続がなされ」ているだけで、その詳細が不明である点。 シ 以下、上記相違点について検討するに、上記4の(6)のサの甲3記載の事項を参照する。 ス そして、甲3記載の事項は、「第1透明導電膜134上に形成された第1グリッド135」「を含み、」「第2透明導電膜144上に直接的に形成された第2グリッド145」「を備える」ものであるから、甲3記載の事項の「受光基板110のエッジには、第1グリッド135に対して電気的に連結される第1バス電極160が形成されており、相対基板120のエッジには、第2グリッド145に対して電気的に連結される第2バス電極170が形成されて」いる事項は、本件発明1の「第一の導電膜及び前記第二の導電膜のうち、少なくとも一方」の「延設された部分の表面上に、前記部分と導通可能な状態で導電材が配されて」いる事項に相当する。 セ また、甲3記載の事項の「第1バス電極160と第2バス電極170とは、集電電極の役割を行う電極であり、受光基板110のエッジには、第1バス電極160に対して電気的に連結されず、第2バス電極170に対して電気的に連結される第1接続ライン180が形成されており、相対基板120のエッジには、第2バス電極170に対して電気的に連結されず、第1バス電極160に対して電気的に連結される第2接続ライン190が形成されており、第1接続ライン180及び第2接続ライン190は、光電極131及び相対電極141の間から、かつ、光電極131または相対電極141の外縁から突出するように、設けられている」事項は、本件発明1の「導電材には、端子が接続され、前記端子は、前記光電極と前記対向電極との間から、かつ、前記光電極又は前記対向電極の外縁から突出するように設けられている」事項に相当する。 ソ すなわち、上記ス、セより、甲3記載の事項は、本件発明1の上記相違点に係る発明特定事項を含むものである。 タ そして、甲2発明と甲3記載の事項とは、「光起電光電気化学(RPEC)デバイス」と「染料感応型太陽電池」という共通のデバイスに関するものであるし、両者は次の事項を含む点で共通するものである。 「二つの基板を有し、その両方には透明な電子伝導体が被覆されており、 一方の電極は、一つの透明な電子伝導体に付着させた電気触媒を含み、 他方の電極はもう一つの透明な電子伝導体に付着させた半導体を含み、 酸化還元媒体を含む電解質は一方の電極と他方の電極の間に配置され、 第一のセルの一方の電極に隣接する伝導体の領域に設けられた電気的接触によって、デバイスに外部電気的接続がなされる事項。」 チ したがって、甲2発明において、「第一のセルのカソードに隣接する伝導体の領域の分離された部分と、最後のセルの光アノードに隣接する伝導体の領域の分離された部分とに設けられた電気的接触(7)によって、デバイスに外部電気的接続がなされ」る事項について、甲3記載の事項の「受光基板110のエッジには、第1グリッド135に対して電気的に連結される第1バス電極160が形成されており、相対基板120のエッジには、第2グリッド145に対して電気的に連結される第2バス電極170が形成されており、第1バス電極160と第2バス電極170とは、集電電極の役割を行う電極であり、受光基板110のエッジには、第1バス電極160に対して電気的に連結されず、第2バス電極170に対して電気的に連結される第1接続ライン180が形成されており、相対基板120のエッジには、第2バス電極170に対して電気的に連結されず、第1バス電極160に対して電気的に連結される第2接続ライン190が形成されており、第1接続ライン180及び第2接続ライン190は、光電極131及び相対電極141の間から、かつ、光電極131または相対電極141の外縁から突出するように、設けられている」事項を適用して、上記相違点に係る本件発明1の発明特定事項を得ることは、当業者が容易になし得たことである。 ツ よって、本件発明1は、甲2発明及び甲3記載の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 (2)請求項3について ア 甲2発明の「伝導粒子が、第n番目のセルの光アノードに隣接する伝導体の領域の分離された部分と、第n+1番目のセルのカソードに隣接する対向する伝導体の領域の分離された部分との間に配置され」た事項は、「伝導粒子が、第n+1番目のセルの光アノードに隣接する伝導体の領域の分離された部分と、第n+2番目のセルのカソードに隣接する対向する伝導体の領域の分離された部分との間に配置され」た事項を示唆するものであるところ、第n+1番目のセルにおける光アノードに隣接する伝導体の領域の分離された部分とカソードに隣接する対向する伝導体の領域の分離された部分に注目すると、本件発明3の「第一の導電膜及び前記第二の導電膜の両方が、前記内部空間から電気的に連続して前記絶縁帯が形成されていない状態で前記封止材を越えて前記内部空間の外側に延設され、ここで前記第一の導電膜及び前記第二の導電膜は、前記内部空間を挟んで反対側に延設されており、かつ、前記第一の導電膜及び前記第二の導電膜の延設された部分のそれぞれの表面上に、前記部分と導通可能な状態で前記導電材が配されている」事項に相当する。 イ そうすると、本件発明3と甲2発明とは、上記(1)のサで示した相違点で相違し、その余の点で一致する。 ウ そして、上記(1)のシ?チで検討したとおり、甲2発明において、甲3記載の事項を適用して、上記相違点に係る本件発明1の発明特定事項を得ることは、当業者が容易になし得たことであるから、本件発明3も、同様に、甲2発明及び甲3記載の事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものである。 6 むすび 以上のとおり、本件特許の請求項1に係る発明は、本件特許に係る出願の優先日前日本国内または外国において頒布された甲第1号証に記載された発明であって、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができず、そうでないとしても、甲第1号証に記載された発明に基いて、その優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。また、本件特許の請求項1、3に係る発明は、本件特許に係る出願の優先日前日本国内または外国において頒布された甲第2、3号証に記載された発明に基いて、その優先日前に当業者が容易に発明をすることができたものであって、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。したがって、本件特許の請求項1、3に係る特許は、特許法第113条第2号に該当し、取り消されるべきものである。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2020-09-14 |
出願番号 | 特願2015-562891(P2015-562891) |
審決分類 |
P
1
652・
121-
Z
(H01G)
P 1 652・ 113- Z (H01G) |
最終処分 | 取消 |
前審関与審査官 | 菊地 リチャード平八郎、結城 佐織 |
特許庁審判長 |
平塚 政宏 |
特許庁審判官 |
池渕 立 土屋 知久 |
登録日 | 2019-08-09 |
登録番号 | 特許第6568479号(P6568479) |
権利者 | 積水化学工業株式会社 |
発明の名称 | 電気モジュール及び電気モジュールの製造方法 |
代理人 | 西澤 和純 |
代理人 | 山口 洋 |
代理人 | 川越 雄一郎 |
代理人 | 大槻 真紀子 |