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審決分類 |
審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 G06F 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G06F |
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管理番号 | 1368483 |
審判番号 | 不服2019-14834 |
総通号数 | 253 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2021-01-29 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2019-11-06 |
確定日 | 2020-11-19 |
事件の表示 | 特願2015- 62671「管理装置、管理方法とそのプログラム、および、情報処理システム」拒絶査定不服審判事件〔平成28年10月20日出願公開、特開2016-184188〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は,平成27年3月25日の出願であって,平成30年12月27日付けで拒絶の理由が通知され,平成31年3月4日に意見書とともに手続補正書が提出され,令和1年7月30日付けで拒絶査定(謄本送達日同年8月6日)がなされ,これに対して同年11月6日に拒絶査定不服審判の請求がなされるとともに,同日付けで手続補正がなされたものである。 第2 令和1年11月6日にされた手続補正についての補正の却下の決定 [補正の却下の決定の結論] 令和1年11月6日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。 [理由] 1 本件補正について(補正の内容) (1)本件補正後の特許請求の範囲の記載 本件補正により,特許請求の範囲の請求項4の記載は,次のとおり補正された。(下線部は,補正箇所である。) 「コンピュータが、 仮想マシンサーバの仮想マシンへの操作の実行前に、前記仮想マシンが当該操作による実行に利用する利用データを保存する共有ディスク装置から前記仮想マシンの操作対象先となる他の仮想マシンサーバのディスクキャッシュ部に前記利用データを移し、 前記共有ディスク装置に保持される前記利用データのうち、前記ディスクキャッシュ部に移動する前記利用データを、前記仮想マシンから前記共有ディスク装置へのディスクアクセス要求の統計情報に基づく一定のアクセス頻度を用いて決定する、 管理方法。」 (2)本件補正前の特許請求の範囲 本件補正前の,平成31年3月4日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項7の記載は次のとおりである。 「コンピュータが、 仮想マシンサーバの仮想マシンへの操作の実行前に、前記仮想マシンが当該操作による実行に利用する利用データを保存する共有ディスク装置から前記仮想マシンの操作対象先となる他の仮想マシンサーバのディスクキャッシュ部に前記利用データを移し、 前記共有ディスク装置に保持される前記利用データのうち、前記ディスクキャッシュ部に移動する前記利用データを、前記仮想マシンから前記共有ディスク装置へのディスクアクセス要求の統計情報又は履歴情報を用いて決定する、 管理方法。」 2 補正の適否 本件補正は,本件補正前の請求項7に記載された発明を特定するために必要な事項である「統計情報又は履歴情報を用いて決定する」との記載を,「統計情報に基づく一定のアクセス頻度を用いて決定する」との記載に補正するものである。そして,上記の補正は,選択肢で表現されている「統計情報又は履歴情報」における選択肢の一部である「履歴情報」を削除するとともに,「統計情報」を「用いる」ことについて上記のとおり限定を付加するものであって,補正前の請求項7に記載された発明と補正後の請求項4に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるから,特許法17条の2第5項2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものに該当する。 そこで,本件補正後の請求項4に記載される発明(以下「本件補正発明」という。)が同条第5項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか(特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか)について,以下,検討する。 (1)本件補正発明 本件補正発明は,上記「1 本件補正について(補正の内容)」の「(1)本件補正後の特許請求の範囲の記載」に記載したとおりのものである。 (2)引用文献等の記載事項 ア 引用文献1 (ア)原査定の拒絶の理由で引用され,本願出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である,国際公開第2014/036307号(2014年3月6日国際公開。以下,「引用文献1」という。)には,関連する図面とともに,次の記載がある。 なお,特表2015-535355号公報を翻訳文として採用し,対応する部分を併記する。 (当審注:下線は,参考のために当審で付与したものである。) A「[0001] The disclosure relates to systems and methods for adaptive persistence and, in several embodiments, to systems and methods for managing data cached in an ephemeral cache mode.」 (【0001】 本開示は、適応持続性システム及び方法に関し、幾つかの実施形態では、エフェメラルキャッシュモードでキャッシュされたデータを管理するシステム及び方法に関する。) B「[0072] Fig. 2A is a block diagram of one embodiment of a CMS 220 in a virtualized computing environment. The CMS 220 may be configured to operate within a virtual machine 208A-N, which may operate within and/or in conjunction with a virtualization kernel 210. The virtualization kernel 210 may be configured to manage the operation of the virtual machines 208A-N operating on the host 202 as well as other components and services provided by the host 202. For example, the virtualization kernel 210 may be configured to handle various I/O operations associated with a primary storage resource 240B and/or other storage resources 240C-N. The primary storage resource 240B may be shared among the multiple virtual machines 208A-N across multiple hosts. The primary storage resource 240B may comprise multiple disk drives or other storage devices, such as one or more storage arrays (e.g., RAID, JBOD, or the like).」 (【0055】 図2Aは、仮想計算環境でのCMS220の一実施形態のブロック図である。CMS220は、仮想化カーネル210内で、且つ/又は仮想化カーネル210と併せて動作し得る仮想マシン208A?N内で動作するように構成し得る。仮想化カーネル210は、ホスト202で動作する仮想マシン208A?N並びにホスト202によって提供される他の構成要素及びサービスの動作を管理するように構成し得る。例えば、仮想化カーネル210は、プライマリストレージリソース240B及び/又は他のストレージリソース240C?Nに関連付けられた様々なI/O動作を処理するように構成し得る。プライマリストレージリソース240Bは、複数のホストにわたる複数の仮想マシン208A?Nの中で共有し得る。プライマリストレージリソース240Bは、複数のディスクドライブ又は1つ又は複数のストレージアレイ(例えば、RAID、JBOD等)等の他のストレージ装置を含み得る。) C「[0111] As described above, data of the retained cache tags 221 may be transferred to the new host from the previous host (and/or from primary storage resources 240B-N, or other source). The cache data may be transferred via a demand paging model, which may comprise populating the cache "on demand," as the cache data of various retained cache tags 221 is requested by the virtual machine 208. Alternatively, or in addition, cache data may be prefetched and/or transferred in a "bulk transfer" operation, which may comprise transferring cache data independent of requests for the cache tag data. In some embodiments, data may be selectively prefetched based upon a cache transfer policy, which may be based, at least in part, on the cache aging metadata of the clock sweep module 606 and/or steal candidate module 608 and/or other cache policy metadata (e.g., hotness, coldness, least recently used, or the like).」 (【0094】 上述したように、保持キャッシュタグ221のデータは、前のホスト(及び/又は前のプライマリストレージリソース240B?N又は他のソース)から新しいホストに転送し得る。キャッシュデータは、デマンドページングモデルを介して転送し得、これは、様々な保持キャッシュタグ221のキャッシュデータが仮想マシン208によって要求される際、キャッシュに「オンデマンド」で移入することを含み得る。代替又は追加として、キャッシュデータは、「バルク転送」動作でプリフェッチし、且つ/又は転送し得、これは、キャッシュタグデータへの要求から独立してキャッシュデータを転送することを含み得る。幾つかの実施形態では、データは、キャッシュ転送ポリシーに基づいて選択的にプリフェッチし得、キャッシュ転送ポリシーは、少なくとも部分的に、クロックスイープモジュール606及び/又はスチール候補モジュール608のキャッシュ老化メタデータ並びに/或いは他のキャッシュポリシーメタデータ(例えば、ホット性、コールド性、最長時間未使用等)に基づき得る。) D「[0147] Fig. 9 is a block diagram of another embodiment of a virtual computing environment 900. The virtual computing environment 900 includes multiple hosts 202 A-N, each of which may comprise a virtualization kernel 210 and one or more virtual machines. Although not shown in Fig. 2, each virtual machine may comprise a respective CMS 220, as described herein. Each host 202A-N may further comprise a respective virtual machine cache 213A-N, comprising a cache provisioner module 214 and cache 216. Although Fig. 9 depicts three host systems 202A-N, the disclosure is not limited in this regard and could include any number of hosts 202A-N. [0148] The virtualized environment 900 may comprise a primary storage system 242, which may be shared among the hosts 202A-N and/or the virtual machines 208. The primary storage system 242 may comprise any suitable persistent storage device and/or storage system, including, but not limited to, one or more magnetic disks (e.g., hard drives), a redundant array of inexpensive disks (RAID), a storage area network (SAN), or the like. The hosts 202A-N may be configured to access the primary storage system via the network 105.」 (【0130】 図9は、仮想計算環境900の別の実施形態のブロック図である。仮想計算環境900は複数のホスト202A?Nを含み、各ホストは、仮想化カーネル210と、1つ又は複数の仮想マシンとを備え得る。図2には示されていないが、各仮想マシンは、本明細書に記載のように、各CMS220を備え得る。各ホスト202A?Nは、キャッシュプロビジョナモジュール214及びキャッシュ216を備える各仮想マシンキャッシュ213A?Nを更に備え得る。図9は3つのホストシステム202A?Nを示すが、本開示はこの点に関して限定されず、任意の数のホスト202A?Nを含むことができる。 【0131】 仮想化環境900は、ホスト202A?N及び/又は仮想マシン208の間で共有し得るプライマリストレージシステム242を含み得る。プライマリストレージシステム242は、1つ又は複数の磁気ディスク(例えば、ハードドライブ)、安価ディスク冗長アレイ(RAID)、ストレージエリアネットワーク(SAN)等を含むが、これらに限定されない、任意の適する永続的なストレージ装置及び/又はストレージシステムを含み得る。ホスト202A?Nは、ネットワーク105を介してプライマリストレージシステムにアクセスするように構成し得る。) E「[0150] In some embodiments, one or more of the virtual machines 208A-N may be capable of being relocated and/or transferred between the hosts 202A-N. For example, a virtual machine 208X may be migrated from the host 202A to the host 202B (e.g., in a VMotion^(TM) or similar operation). In some embodiments, the CMS 220 of the virtual machine 208X may be configured to detect a transfer and/or migration operation and, in response, may attempt to flush ephemeral cache data to the primary storage system 242. As described above, flushing ephemeral cache data may prevent data loss in the event the ephemeral cache data is unavailable from the previous host 202A. Alternatively, the CMS 220 may be configured to maintain the persistence level of ephemeral cache data to avoid "migration storms" (e.g., avoid overloading the primary storage 242 system and/or I/O infrastructure of the network 105).」 (【0133】 幾つかの実施形態では、仮想マシン208A?Nのうちの1つ又は複数は、ホスト202A?N間で配置替えし、且つ/又は転送することが可能であり得る。例えば、仮想マシン208Xは、ホスト202Aからホスト202Bに移行し得る(例えば、VMotion(商標)又は同様の動作で)。幾つかの実施形態では、仮想マシン208XのCMS220は、転送及び/又は移行動作を検出するように構成し得、それに応答して、エフェメラルキャッシュデータをプライマリストレージシステム242にフラッシュしようとし得る。上述したように、エフェメラルキャッシュデータをフラッシュすることにより、エフェメラルキャッシュデータが前のホスト202Aから利用不可能な場合のデータ損失を回避し得る。代替的には、CMS220は、エフェメラルキャッシュデータの持続性レベルを保持して、「移行ストーム」を回避する(例えば、プライマリストレージ242システム及び/又はネットワーク105のI/Oインフラに過負荷がかかることを回避)ように構成し得る。) F「[0154] The CMS 220 of the virtual machine 208X may be configured to retain the working state of the cache (the cache tags 221) despite the fact that the cache 216B does not comprise the cache data to which the cache tags 221 refer. As disclosed below, the virtual machine cache 213B may be configured to populate the cache 216B with cache data transferred from the cache 216A of host 202A and/or the primary storage system 242, to reconstruct the working set of the transferred virtual machine 208X. [0155] The virtual machine cache 213B may comprise a cache transfer module 929B, which may be configured to access cache data of the virtual machine 208X stored at the previous host 202A. The cache transfer module 929B may be configured to identify the previous host 202A by use of the VMID and/or by interrogating the virtual machine 208X (e.g., accessing a previous host identifier maintained by the virtual machine 208X). The cache transfer module 929B may use the host identifier to issue one or more requests for the cache data to the virtual machine cache 213 of the host 202A via the network 105. In some embodiments, the cache transfer module 929B is configured to determine and/or derive a network address or network identifier of the host 202A from the host identifier. 」 (【0137】 仮想マシン208XのCMS220は、キャッシュタグ221が参照するキャッシュデータをキャッシュ216Bが含まないにもかかわらず、キャッシュの作業状態(キャッシュタグ221)を保持するように構成し得る。後述するように、仮想マシンキャッシュ213Bは、ホスト202Aのキャッシュ216A及び/又はプライマリストレージシステム242から転送されたキャッシュデータをキャッシュ216Bに移入し、転送された仮想マシン208Xの作業セットを再構築するように構成し得る。 【0138】 仮想マシンキャッシュ213Bはキャッシュ転送モジュール929Bを備え得、このモジュールは、前のホスト202Aに記憶された仮想マシン208Xのキャッシュデータにアクセスするように構成し得る。キャッシュ転送モジュール929Bは、VMIDの使用により、且つ/又は仮想マシン208Xに問い合わせる(例えば、仮想マシン208Xによって保持される前のホスト識別子にアクセスする)ことにより、前のホスト202Aを識別するように構成し得る。キャッシュ転送モジュール929Bは、ホスト識別子を使用して、ネットワーク105を介してキャッシュデータへの1つ又は複数の要求をホスト202Aの仮想マシンキャッシュ213に発行し得る。幾つかの実施形態では、キャッシュ転送モジュール929Bは、ホスト識別子からホスト202Aのネットワークアドレス又はネットワーク識別子を特定し、且つ/又は導出するように構成される。) G「[0157] The cache transfer module 929B may be configured to transfer the cache data by one or more demand paging transfers, prefetch transfers, and/or bulk transfers. A demand paging transfer may comprise transferring cache data in response to I/O requests 116 for the cache data from the virtual machine 208X (e.g., on demand). The transferred data may be used to service the I/O requests 116. In addition, the transferred data may be admitted into the cache 216B of the new host 202B. Alternatively, the transferred data may be admitted at a later time (not not at all), in accordance with cache policy. [0158] A prefetch transfer may comprise transferring data according to a prefetch cache policy (e.g., by proximity or the like) and/or persistence level of the cache data. The amount and/or extent of cache data to prefetch may be determined by, inter alia, cache metadata of the CMS 220 (e.g., cache aging metadata, "hotness," and so on). Accordingly, in some embodiments, the cache transfer module 929B may be configured to query the CMS 220 to identify the cache data to prefetch (if any). [0159] A bulk transfer may comprise transferring cache data in bulk, independent of storage requests from the virtual machine 208X. A bulk transfer may comprise transferring populating the entire cache storage allocated to the virtual machine 208X. Alternatively, a bulk transfer may comprise populating a subset of the cache, which, as disclosed above, may be selected based upon cache metadata of the virtual machine CMS 220.」 (【0140】 キャッシュ転送モジュール929Bは、1つ又は複数のデマンドページング転送、プリフェッチ転送、及び/又はバルク転送によってキャッシュデータを転送するように構成し得る。デマンドページング転送は、仮想マシン208XからのキャッシュデータへのI/O要求116に応答して(例えば、オンデマンドで)キャッシュデータを転送することを含み得る。転送されたデータは、I/O要求116に応えるために使用し得る。加えて、転送されたデータは、新しいホスト202Bのキャッシュ216Bに許容し得る。代替的には、転送されたデータは、キャッシュポリシーに従って後に許容されてもよい(全く許容されないない)。 【0141】 プリフェッチ転送は、プリフェッチキャッシュポリシー(例えば、近接性等による)及び/又はキャッシュデータの持続性レベルに従ってデータを転送することを含み得る。プリフェッチするキャッシュデータの量及び/又は範囲は、特に、CMS220のキャッシュメタデータ(例えば、キャッシュ老化メタデータ、「ホット性」等)によって決定し得る。したがって、幾つかの実施形態では、キャッシュ転送モジュール929Bは、CMS220にクエリして、プリフェッチするキャッシュデータ(もしあれば)を識別するように構成し得る。 【0142】 バルク転送は、仮想マシン208Xからのストレージ要求から独立して、キャッシュデータをバルクで転送することを含み得る。バルク転送は、仮想マシン208Xに割り振られたキャッシュストレージ全体を転送し移入することを含み得る。代替的には、バルク転送は、キャッシュのサブセットに移入することを含み得、サブセットは、上述したように、仮想マシンのCMS220のキャッシュメタデータに基づいて選択し得る。) (イ)上記記載から,引用文献1には,次の発明(以下「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「データを管理する方法であって, 仮想化カーネルは,ホストで動作する仮想マシン並びにホストによって提供されるサービスの動作を管理するように構成し得るものであり,キャッシュデータは,「バルク転送」動作でプリフェッチし、且つ/又は転送し得るものであり, 仮想計算環境は複数のホストを含み,各ホストは,仮想化カーネルと,1つ又は複数の仮想マシンとを備え得るものであり,各ホストは,各仮想マシンキャッシュを備え得るものであり,仮想化環境は,ホスト及び/又は仮想マシンの間で共有し得るプライマリストレージシステムを含み得るものであり,プライマリストレージシステムは,磁気ディスクを含む任意の適する永続的なストレージ装置及び/又はストレージシステムを含み得るものであり,仮想マシン208Xは,ホスト202Aからホスト202Bに移行し得るものであり,仮想マシンキャッシュは,プライマリストレージシステムから転送されたキャッシュデータをキャッシュ216Bに移入し,転送された仮想マシン208Xの作業セットを再構築するように構成し得るものであり,仮想マシンキャッシュはキャッシュ転送モジュールを備え得るものであり,キャッシュ転送モジュールは,デマンドページング転送,又はバルク転送によってキャッシュデータを転送するように構成し得るものであり,デマンドページング転送は,仮想マシン208XからのキャッシュデータへのI/O要求に応答してキャッシュデータを転送することを含み得るものであり,転送されたデータは、I/O要求に応えるために使用し得るものであり,転送されたデータは,新しいホスト202Bのキャッシュ216Bに許容し得るものであり,プリフェッチするキャッシュデータの量及び/又は範囲は,キャッシュメタデータ(例えば,キャッシュ老化メタデータ,「ホット性」等)によって決定し得るものであり,バルク転送は,仮想マシン208Xからのストレージ要求から独立して,キャッシュデータをバルクで転送することを含み得るものであり,バルク転送は,キャッシュのサブセットに移入することを含み得,サブセットは,キャッシュメタデータに基づいて選択し得るものである, データを管理する方法。」 イ 引用文献2 (ア)原査定の拒絶の理由で引用され,本願の出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である,特開2014-52725号公報(平成26年 3月20日出願公開。以下,「引用文献2」という。)には,関連する図面とともに,次の記載がある。(下線は,当審で付した。) H「【0018】 次に、仮想マシンの移動の必要があると、移行制御部011は、仮想マシンの現在の時点でのメモリアクセス状況(たとえば、メモリに対する参照データアドレス)と必要メモリデータ特定用情報とから、必要メモリデータを特定し、移動先に出力(移動)する(S003)。その後(すなわち、必要メモリデータの移動後)、移行制御部011は、仮想マシン(レジスタ情報、キャッシュの内容等を含む)を移動先に出力(移動)する(S004)。」 (イ)上記記載から,引用文献2には,次の技術が記載されていると認められる。 「仮想マシンの移動の必要があると,必要メモリデータを特定し,移動先に移動し,その後,仮想マシンを移動先に移動する」技術。 ウ 参考文献 (ア)本願出願日前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった引用文献である,特表2007-537548号公報(平成19年12月20日公表。以下,「参考文献」という。)には,関連する図面とともに,次の記載がある。 J「【0001】 本発明の実施の形態は、データをキャッシュすることに関する。より詳細には、本発明の実施の形態は、ストレージエリアネットワークレベルにおける代替キャッシュ方式(alternative caching scheme)を、ストレージデバイスの1次キャッシュにより提供されたキャッシュ方式に提供することに関する。」 K「【0011】 図1に示すように、クライアント112、114、118等のコンピュータで実行されているアプリケーションは、SAN190を介して、ストレージデバイス160、170へ、及び/又はストレージデバイス160、170からデータを通信する。クライアント112、114、118に関連付けられたデータ113、115、116は、ストレージデバイス160、170に記憶することができ、その結果、データ164、174になる。さらに、記憶されたデータ164、174は、1次キャッシュ162、172にそれぞれキャッシュすることもできる。ストレージデバイス160、170は、一実施の形態によれば、独立ディスク冗長アレイ(RAID)とすることができる。補助キャッシュ資源250は、一実施の形態によれば、(たとえば、「SANレベルにおける」)SAN190の一部である。1次キャッシュ162、172は、一実施の形態によれば、アレイキャッシュとすることができる。図1は、さらに、仮想化機器(virtualization appliance)220も示している。この仮想化機器220は、キャッシュ管理モジュール(CMM)222、代替キャッシュ方式223、交換判断装置(replacement determination)224、及びメタデータ234、244を含む。」 L「【0023】 データ部分B等の特定のデータ部分260が、ストレージデバイス160から補助キャッシュ資源250へ移動されている時、クライアント112、114、118で実行されているアプリケーション等の他のエンティティは、一貫性を保持するために、ストレージデバイス160、170のデータ164、174にアクセスすることを許可されない。データ部分260が大きいほど、データ部分Bを補助キャッシュ資源250へ移動させるのに要する時間は長くなり、他のエンティティが待たなければならない時間が長くなる。したがって、データ部分260は、ストレージデバイス160、170がこれらのデータ部分260の順次アクセスを検出することを可能にするのに十分大きなものとすることができるが、同時に、移動処理中に、たとえば通常のディスクアクセス時間及び転送時間よりも大きな実質的待ち時間をアプリケーション等のエンティティにもたらすほど大きくすることはできない。一実施の形態によれば、データ部分260のサイズは、ストレージデバイス160、170に関連付けられたデータ164、174にアクセスするエンティティを妨げることなく、補助キャッシュ資源へ移動できるだけ十分小さい。別の実施の形態によれば、データ部分260のサイズは、10メガバイトよりも小さい。」 M「【0033】 [メタデータ] 一般に、メタデータは、たとえば、データが記憶されている場所のデータ、及び、データがどのようにアクセスされるかのデータを記述するデータである。CMM222の機能に関連付けられたメタデータ234、244は、一実施の形態によれば、データ164、174のどの部分が補助キャッシュ資源250へ移動されたかを記述し、仮想化機器220が、ストレージデバイス160、170又は補助キャッシュ資源250のいずれかの適切なロケーションからのデータにアクセスすることを可能にする。また、CMM222の機能に関連付けられたメタデータ234、244は、別の実施の形態によれば、データ部分260に関連付けられた統計値も記述する。たとえば、この場合、メタデータ234、244は、特に、データ部分260へのアクセス回数がしきい値に達したかどうかを判断するのに使用することができる。メタデータ234、244は、別の実施の形態によれば、データ部分260に関連付けられた統計値に加えて、又は、この統計値の代わりに、データ部分のコピー270に関連付けられた統計値を記述することもできる。この場合、メタデータ234、244は、本明細書で説明するように、コスト/利益比を使用して動的なしきい値を計算するのに使用することができる。」 N「【0052】 この例のSPC-1ベンチマークワークロードは、有効にされたLUNについて定数1200I/O410になるように構成されている。CMM222は、ワークロードが実行されている最初のおよそ1200秒402の間、有効にされない。したがって、CMM222は、最初の1200秒402の期間中、データ部分260に対する初期ディスクI/Oの統計値を収集していない。最初のおよそ1200秒402の後、CMM222は有効にされ、データ部分260がどれくらいの頻度でアクセスされるかに関する統計値の収集を開始する。この統計値は、メタデータ234、244に記憶することができる。 【0053】 ステップ292において、ストレージデバイスに関連付けられたデータ部分へのアクセス回数が、一実施の形態によれば、1回のアクセスよりも大きなしきい値を超える。データ部分260がアクセスされると、CMM222は、データ部分260が一定のしきい値を超えてアクセスされたと判断する。図3のこの動作例を示す目的で、しきい値は、16回のアクセスの静的なしきい値であり、データ部分260のサイズは、128キロバイトである。 【0054】 ステップ294において、データ部分のコピーが、別の実施の形態によれば、ストレージデバイスの補助キャッシュを提供する補助キャッシュ資源に関連付けられる。たとえば、しきい値よりも多くアクセスされたデータ部分260の補助キャッシュ資源250への移動が開始され(参照番号418を参照)、その結果、データ部分のコピー270は、補助キャッシュ資源250に関連付けられる。移動I/O406は、補助キャッシュ資源250へデータ部分260を「移動」させるのに使用される。 【0055】 ステップ296において、補助キャッシュ資源のデータ部分のコピーが、さらに別の実施の形態によれば、その後の要求について、ストレージデバイスのデータ部分の代わりにアクセスされる。データ部分のコピー270が、補助キャッシュ資源250に関連付けられると、データ部分のコピー270は、データ部分260の代わりにアクセスされ、その結果、ディスクI/Oは削減する(404)。総ディスクI/O408は、削減されたディスクI/O404に移動I/O406を加えた総数である。」 (イ)上記記載から,参考文献には,次の周知技術が記載されていると認められる。 「データ部分へのアクセス頻度に関する統計情報に基づいて,しきい値よりも多くアクセスされたデータ部分の補助キャッシュ資源への移動を行う,技術」 (3)引用発明との対比 ア 本件補正発明と引用発明とを対比する。 (ア)引用発明は「データを管理する方法」であるから,本件補正発明と引用発明とは,“管理方法”である点で一致している。 (イ)引用発明の「仮想マシン」は,本件補正発明の「仮想マシン」に相当する。また,引用発明の「ホスト」は,「仮想マシン」を動作させるものであるとともに,「サービス」の提供を行うものであるから,本件補正発明の「仮想マシンサーバ」に相当する。そして,引用発明は,「仮想マシン208Xは,ホスト202Aからホスト202Bに移行し得る」ものであるところ,当該「移行」は,ホストが備える仮想マシンへの操作の一種であると認められるから,引用発明は,ホスト202Aの仮想マシンXへの操作を実行するものであるといえる。 してみると,引用発明の「データを管理する方法」と本件補正発明の「管理方法」とは,“仮想マシンサーバの仮想マシンへの操作を実行する”ものである点で一致する。 (ウ)引用発明の「プライマリストレージシステム」は,「ディスク」「を含み得る」とともに,「ホスト及び/又は仮想マシンの間で共有し得る」ものであるから,本件補正発明の「共有ディスク装置」に相当する。 また,引用発明は,「プライマリストレージシステムから転送されたキャッシュデータをキャッシュ216Bに移入」するものであるところ,「キャッシュ216B」は「新しいホスト202B」が備えるものであり,引用発明の「キャッシュ216B」は,仮想マシン208Xの移行対象先となるホスト202Bのディスクキャッシュであるといえるから,上記(イ)の検討内容も踏まえると,引用発明の「仮想マシン208X」の「移行」対象先となる「ホスト202B」の「キャッシュ216B」は,本件補正発明の「仮想マシンの操作対象先となる他の仮想マシンサーバのディスクキャッシュ部」に相当する。 (エ)引用発明において,「キャッシュ216Bに許容し得る」「転送されたデータ」は,「I/O要求116に応えるために使用し得る」ものであるから,引用発明の「プライマリストレージシステムから転送されたキャッシュデータ」は,仮想マシン208Xが,その実行に利用する利用データであるといえる。また,仮想マシン208Xが利用する「キャッシュデータ」は,「プライマリストレージシステム」から転送されるのであるから,仮想マシン208Xは,「プライマリストレージシステム」に保存されている所定のデータを,利用データとして利用するものであるといえる。そして,引用発明は,「キャッシュデータをキャッシュ216Bに移入し,転送された仮想マシン208Xの作業セットを再構築するように構成し得る」ものであるところ,仮想マシン208Xの転送は,仮想マシン208Xをホスト22Aからホスト202Bに移行させる操作によって為されるものであると認められるから,引用発明は,仮想マシン208Xが移行のための操作による転送先であるホスト202Bでの実行に利用するキャッシュデータを保存するプライマリストレージシステム242から,キャッシュ216Bに,前記キャッシュデータを移入するものであるといえる。 してみると,上記(ウ)の検討内容も踏まえると,引用発明の「データを管理する方法」と本件補正発明の「管理方法」とは,後記する点で相違するものの,“前記仮想マシンが当該操作による実行に利用する利用データを保存する共有ディスク装置から前記仮想マシンの操作対象先となる他の仮想マシンサーバのディスクキャッシュ部に利用データを移す”ものである点で一致している。 (オ)引用発明は,「バルク転送によってキャッシュデータを転送するよう構成し得るものであり」,「転送されたデータは」「キャッシュ216Bに許容し得るものであり」,「キャッシュデータは,「バルク転送」動作でプリフェッチし」「得るものであり」,「プリフェッチするキャッシュデータの」「範囲は,キャッシュメタデータ(例えば,キャッシュ老化メタデータ,「ホット性」等)によって決定し得るものであ」るから,引用発明は,キャッシュ216Bにバルク転送されるキャッシュデータが,キャッシュメタデータによって決定し得るものであるといえる。また,引用発明の「キャッシュメタデータ」と,本件補正発明の「ディスクアクセス要求の統計情報に基づく一定のアクセス頻度」とは,前者が「プリフェッチするキャッシュデータの量及び/又は範囲」の「決定」に用いるものであり,後者が「ディスクキャッシュ部に移動する」「データ」の「決定」に用いるものであることを踏まえると,キャッシュされるデータを決定するために用いられる“情報”である点で一致する。 してみると,上記(エ)の検討内容も踏まえると,本件補正発明と引用発明とは,後記する点で相違するものの,“前記共有ディスク装置に保持される前記利用データのうち,前記ディスクキャッシュ部に移動する前記利用データを,情報を用いて決定する”点で一致する。 (カ)上記(イ),(エ),(オ)の検討内容を踏まえると,引用発明の「データを管理する方法」における各動作を,コンピュータが実行するものであることは明らかであるから,引用発明の「データを管理する方法」と,本件補正発明の「管理方法」とは,“コンピュータが”実行するものである点で一致する。 イ 以上のことから,本件補正発明と引用発明との一致点及び相違点は,次のとおりである。 【一致点】 コンピュータが, 仮想マシンサーバの仮想マシンへの操作を実行し,前記仮想マシンが当該操作による実行に利用する利用データを保存する共有ディスク装置から前記仮想マシンの操作対象先となる他の仮想マシンサーバのディスクキャッシュ部に前記利用データを移し, 前記共有ディスク装置に保持される前記利用データのうち,前記ディスクキャッシュ部に移動する前記利用データを,情報を用いて決定する, 管理方法。 【相違点1】 本件補正発明は,「仮想マシンサーバの仮想マシンへの操作の実行前に」「利用データを移し」ているのに対し,引用発明は,キャッシュデータを移入することを,仮想マシンを移行することの「実行前」に行うことについて特定されていない点。 【相違点2】 本件補正発明は,「前記ディスクキャッシュ部に移動する前記利用データを,前記仮想マシンから前記共有ディスク装置へのディスクアクセス要求の統計情報に基づく一定のアクセス頻度を用いて決定する」のに対し,引用発明は,キャッシュ216Bに転送されるキャッシュデータの範囲の決定に,「仮想マシンから共有ディスク装置へのディスクアクセス要求の統計情報に基づく一定のアクセス頻度」を用いることについて特定されていない点。 (4)判断 以下,相違点について検討する。 ア 相違点1について 引用文献2には,上記「(2)引用文献の記載事項」「イ 引用文献2」「(イ)」のとおり,「仮想マシンの移動の必要があると,必要メモリデータを特定し,移動先に移動し,その後,仮想マシンを移動先に移動する」技術が記載されている。 引用発明と,引用文献2に記載された技術的事項とは,どちらも,仮想マシンが移動先で必要とするデータを仮想マシンの移動先に移動させるものである点で技術的に共通するから,引用発明においても,仮想マシン及びキャッシュデータを移す順序として,引用文献2に記載された技術的事項を採用し,仮想マシンを移行することの実行前に,キャッシュデータを移入する構成とすること,すなわち上記相違点1に係る構成とすることは,当業者が容易に想到し得たことである。 イ 相違点2について 参考文献には,上記「(2)引用文献の記載事項」「ウ 参考文献」「(イ)」のとおり,「データ部分へのアクセス頻度に関する統計情報に基づいて,しきい値よりも多くアクセスされたデータ部分の補助キャッシュ資源への移動を行う,技術」,という周知の技術が記載されている。 ここで,参考文献に記載された周知の技術では,「しきい値よりも多くアクセスされたデータ部分の補助キャッシュ資源への移動を行う」のであって,統計情報を「しきい値」を用いて判断しており,ここでの「しきい値」としては,データ部分がどれくらいの頻度でアクセスされているべきであるかを示す一定のアクセス頻度に対応する値が用いられているといえる。してみると,上記周知の技術は,アクセス要求の統計情報に基づく一定のアクセス頻度に対応するしきい値を用いて,補助キャッシュ装置へ移動するデータ部分を判断するものであるといえる。 引用発明と,参考文献に記載された上記周知の技術とは,どちらも,キャッシュに移動させるデータを,なんらかの情報に基づいて決定するものである点で技術的に共通するから,引用発明において,キャッシュ216Bに転送されるキャッシュデータの範囲を決定するための方式として,参考文献に記載された周知の技術を採用し,仮想マシン208Xからプライマリストレージシステムへのディスクアクセス要求の統計情報に基づく一定のアクセス頻度を用いる構成とすること,すなわち上記相違点2に係る構成とすることは,当業者が容易に想到し得たことである。 ウ そして,これらの相違点を総合的に勘案しても,本件補正発明の奏する作用効果は,引用発明,引用文献2に記載された技術的事項及び参考文献に記載された周知技術の奏する作用効果から予測される範囲内のものにすぎず,格別顕著なものということはできない。 エ したがって,本件補正発明は,引用発明,引用文献2に記載された技術的事項及び参考文献に記載された周知技術に基づいて,当業者が容易に発明をすることができたものであり,特許法29条2項の規定により,特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。 3 本件補正についてのむすび よって,本件補正は,特許法17条の2第6項において準用する同法126条7項の規定に違反するので,同法159条1項の規定において読み替えて準用する同法53条1項の規定により却下すべきものである。 よって,上記補正の却下の決定の結論のとおり決定する。 第3 本願発明について 1 本願発明 令和1年11月6日にされた手続補正は,上記のとおり却下されたので,本願の請求項に係る発明は,平成31年3月4日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし9に記載された事項により特定されるものであるところ,その請求項7に係る発明(以下「本願発明」という。)は,その請求項7に記載された事項により特定される,前記第2 1(2)に記載のとおりのものである。 2 原査定の拒絶の理由 原査定の拒絶の理由は,この出願の請求項1,6-7に係る発明は,本願出願前に頒布された又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった下記の引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された事項に基づいて,その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから,特許法29条2項の規定により特許を受けることができない,というものである。 引用文献1:国際公開第2014/036307号 引用文献2:特開2014-52725号公報 3 引用文献 原査定の拒絶の理由で引用された引用文献1ないし2及びその記載事項は,前記第2 2(2)に記載したとおりの事項が記載されている。 4 対比・判断 (1)本願発明 本願発明は,前記第2 1(1)で検討した本件補正発明から,補正事項に対応する限定事項を省いたものである。 (2)引用発明との対比・判断 そうすると,本願発明の構成要件をすべて含み,さらに他の構成要件を付加したものに相当する本件補正発明が,上記第2 2(4)に記載したとおり,引用文献1に記載された発明,引用文献2に記載された技術的事項及び参考文献に記載された周知技術に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものであるから,本願発明も,同様の理由により,引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術的事項に基いて,当業者が容易に発明をすることができたものである。 そして,本願発明の構成により奏する効果も,引用文献1に記載された発明及び引用文献2に記載された技術的事項から当然予測される範囲内のもので,格別顕著なものとは認められない。 第4 むすび 以上のとおり,本願発明は,特許法29条2項の規定により特許を受けることができないから,他の請求項に係る発明について検討するまでもなく,本願は拒絶されるべきものである。 よって,結論のとおり審決する。 |
審理終結日 | 2020-09-14 |
結審通知日 | 2020-09-15 |
審決日 | 2020-09-30 |
出願番号 | 特願2015-62671(P2015-62671) |
審決分類 |
P
1
8・
575-
Z
(G06F)
P 1 8・ 121- Z (G06F) |
最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 井上 宏一 |
特許庁審判長 |
田中 秀人 |
特許庁審判官 |
小林 秀和 山崎 慎一 |
発明の名称 | 管理装置、管理方法とそのプログラム、および、情報処理システム |
代理人 | 下坂 直樹 |
代理人 | 机 昌彦 |