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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1370419
審判番号 不服2019-11120  
総通号数 255 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-03-26 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2019-08-23 
確定日 2021-02-10 
事件の表示 特願2016-125005「ウエブ訪問者サービス支援システム」拒絶査定不服審判事件〔平成29年12月28日出願公開、特開2017-228169、請求項の数(14)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成28年6月23日の出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。
平成30年12月27日付け:拒絶理由通知書
令和 元年 4月25日 :意見書、手続補正書の提出
令和 元年 5月22日付け:拒絶査定
令和 元年 8月23日 :拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提出
令和 2年 9月29日付け:拒絶理由通知書
令和 2年11月18日 :意見書、手続補正書の提出

第2 原査定の概要
原査定(令和元年5月22日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
この出願の請求項1?14に係る発明は、以下の引用文献A?Eに記載された発明に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下、「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
A 特開2013-12037号公報
B 特開2001-318795号公報
C 特表2015-501035号公報
D 特開2012-73864号公報
E 特開2009-60200号公報

第3 当審拒絶理由の概要
令和2年9月29日付けの拒絶理由通知書により通知した拒絶理由(以下、「当審拒絶理由」という。)の概要は次のとおりである。
1 理由1(明確性)
この出願は、特許請求の範囲の記載が以下の点で、特許法第36条第6項第2号に規定する要件を満たしていない。
請求項1において、「ウエブ情報(ウエブサイト)」との記載が何を意味するのか不明であり、「ウエブ情報」と「ウエブサイト」との関係も不明である。
請求項1において、「受信した前記ウエブサーバ装置に関連付けられたウエブ閲覧端末内情報に基づいて関連付けられているウエブサーバ装置のウエブ情報(ウエブサイト)毎に対応したウエブ訪問者サービス装置に対して送信する第一サービスサポート情報を取得する第一サービスサポート情報取得部」と記載されているが、全体の修飾関係が不明である。
請求項1において、「取得した第一サービスサポート情報を関連付けられている複数のウエブ訪問者サービス装置の中でウエブサーバ装置に対応したウエブ訪問者サービス装置に対して送信する」と記載されているが、「関連付けられている複数のウエブ訪問者サービス装置の中でウエブサーバ装置に対応したウエブ訪問者サービス装置」という記載の修飾関係が不明である。
請求項2,3,6-11にも請求項1と同様の記載がある。

2 理由2(進歩性)
この出願の請求項1?14に係る発明は、以下の引用文献1?5に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
引用文献等一覧
1 特開2013-12037号公報
2 特開2001-318795号公報
3 特表2015-501035号公報
4 特開2012-73864号公報
5 特開2009-60200号公報

第4 本願発明
本願請求項1?14に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」?「本願発明14」という。)は、令和2年11月18日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?14に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1?14は以下のとおりの発明である。
「【請求項1】
複数のウエブサーバ装置と、前記複数のウエブサーバ装置毎に対応する複数のウエブ訪問者サービス装置と、ウエブ訪問者情報収集装置と、からなるウエブサーバ支援システムであって、
前記複数のウエブサーバ装置のそれぞれは、
ウエブ閲覧端末内にてウエブ閲覧の所定の条件に起因して起動する起動プログラムを記述したウエブ情報をウエブ閲覧端末に対して送信するウエブ情報送信部を有し、
前記起動プログラムは、
起動後に、ウエブ閲覧端末にて前記起動プログラムを読み込んだウエブページの情報に限定されず、ウエブ閲覧端末内に保持されている情報であるウエブ閲覧端末内情報を、「ウエブ閲覧端末内情報に基づいて取得する後記する第一サービスサポート情報」の送信先を識別するために、閲覧したウエブページのウエブサーバ装置に関連付けて収集するウエブ閲覧端末内情報収集部と、
収集されたウエブ閲覧端末内情報をウエブサーバ装置に関連付けてウエブ訪問者情報収集装置に送信するウエブ閲覧端末内情報送信部と、を構成し、
ウエブ訪問者情報収集装置は、
前記送信されるウエブサーバ装置に関連付けられたウエブ閲覧端末内情報を受信するウエブ閲覧端末内情報受信部と、
受信した「ウエブ閲覧端末内情報に関連付けられているウエブサーバ装置に対応した」ウエブ訪問者サービス装置に対して送信するための第一サービスサポート情報を、前記受信したウエブ閲覧端末内情報に基づいて取得する第一サービスサポート情報取得部と、
取得した第一サービスサポート情報を、複数のウエブ訪問者サービス装置の中で「受信したウエブ閲覧端末内情報に関連付けられているウエブサーバ装置に対応した」ウエブ訪問者サービス装置に対して送信する第一サービスサポート情報送信部と、
を有し、
複数のウエブ訪問者サービス装置のそれぞれは、
第一サービスサポート情報を受信する第一サービスサポート情報受信部と、
受信した第一サービスサポート情報に基づいて当該サポートをすべきウエブ閲覧端末に対して送信すべき情報であり、前記起動プログラムを読み込んだウエブページのウエブ情報の閲覧の支援を行う情報である第一ウエブ閲覧端末用サービス情報を取得する第一ウエブ閲覧端末用サービス情報取得部と、
取得した第一ウエブ閲覧端末サービス情報を送信する第一ウエブ閲覧端末用サービス情報送信部と、
を有するウエブ訪問者サービス支援システム。」
【請求項2】
複数のウエブサーバ装置と、前記複数のウエブサーバ装置毎に対応する複数のウエブ訪問者サービス装置と、ウエブ訪問者情報収集装置と、前記ウエブサーバ装置の出力するウエブページに向けたリンクを有する誘導ページを配信する誘導ページサーバ装置と、からなるウエブサーバ支援システムであって、
前記複数のウエブサーバ装置のそれぞれは、
ウエブ閲覧端末内にてウエブ閲覧の所定の条件に起因して起動する起動プログラムを記述したウエブ情報をウエブ閲覧端末に対して送信するウエブ情報送信部を有し、
前記起動プログラムは、
起動後に、ウエブ閲覧端末にて前記起動プログラムを読み込んだウエブページの情報に限定されず、ウエブ閲覧端末内に保持されている情報であるウエブ閲覧端末内情報を、「ウエブ閲覧端末内情報に基づいて取得する後記する第一サービスサポート情報」の送信先を識別するために、閲覧したウエブページのウエブサーバ装置に関連付けて収集するウエブ閲覧端末内情報収集部と、
収集されたウエブ閲覧端末内情報をウエブサーバ装置に関連付けてウエブ訪問者情報収集装置に送信するウエブ閲覧端末内情報送信部と、を構成し、
ウエブ訪問者情報収集装置は、
前記送信されるウエブサーバ装置に関連付けられたウエブ閲覧端末内情報を受信するウエブ閲覧端末内情報受信部と、
受信した「ウエブ閲覧端末内情報に関連付けられているウエブサーバ装置に対応した」ウエブ訪問者サービス装置に対して送信するための第一サービスサポート情報を、前記受信したウエブ閲覧端末内情報に基づいて取得する第一サービスサポート情報取得部と、
取得した第一サービスサポート情報を、複数のウエブ訪問者サービス装置の中で「受信したウエブ閲覧端末内情報に関連付けられているウエブサーバ装置に対応した」ウエブ訪問者サービス装置に対して送信する第一サービスサポート情報送信部と、
を有し、
複数のウエブ訪問者サービス装置のそれぞれは、
第一サービスサポート情報を受信する第一サービスサポート情報受信部と、
受信した第一サービスサポート情報に基づいて当該サポートをすべきウエブ閲覧端末に対応するために誘導ページサーバ装置に送信すべき情報であり、前記起動プログラムを読み込んだウエブページのウエブ情報の閲覧の支援を行う情報である誘導制御情報を取得する誘導制御情報取得部と、
取得した誘導制御情報を対応する誘導ページサーバ装置に送信する誘導制御情報送信部と、
を有するウエブ訪問者サービス支援システム。
【請求項3】
複数のウエブサーバ装置と、前記複数のウエブサーバ装置毎に対応する複数のウエブ訪問者サービス装置と、ウエブ訪問者情報収集装置と、からなるウエブサーバ支援システムであって、
前記複数のウエブサーバ装置のそれぞれは、
ウエブ閲覧端末内にてウエブ閲覧の所定の条件である、
起動プログラムを記述したウエブ情報のブラウザによる読み込み、
に加え、
1.ウエブページ(同ウエブ情報が表示されているページ)に対する所定の画面操作、
2.PC内の他のプログラムに対する所定の操作、
3.所定のURLとの所定の通信の発生、
4.基準時刻からの所定時間の経過、
のいずれか一以上の条件に起因して起動するそれぞれのウエブサーバ装置に関連付けられている起動プログラムを記述したウエブ情報をウエブ閲覧端末に対して送信する個別ウエブ情報送信部を有し、
前記起動プログラムは、
関連付けられているウエブサーバ装置に応じた情報収集ルールを保持する情報収集ルール保持部と、
起動後に、ウエブ閲覧端末にて前記起動プログラムを読み込んだウエブページの情報に限定されず、ウエブ閲覧端末内に保持されている情報であるウエブ閲覧端末内情報を、「ウエブ閲覧端末内情報に基づいて取得する後記する第一サービスサポート情報」の送信先を識別するために、前記情報収集ルールに従って閲覧したウエブページのウエブサーバ装置に関連付けて収集する個別ウエブ閲覧端末内情報収集部と、
収集されたウエブ閲覧端末内情報をウエブサーバ装置に関連付けてウエブ訪問者情報収集装置に送信する個別ウエブ閲覧端末内情報送信部と、を構成し、
ウエブ訪問者情報収集装置は、
前記送信されるウエブサーバ装置に関連付けられたウエブ閲覧端末内情報を受信するウエブ閲覧端末内情報受信部と、
受信した「ウエブ閲覧端末内情報に関連付けられているウエブサーバ装置に対応した」ウエブ訪問者サービス装置に対して送信するための第一サービスサポート情報を、前記受信したウエブ閲覧端末内情報に基づいて取得する第一サービスサポート情報取得部と、
取得した第一サービスサポート情報を、複数のウエブ訪問者サービス装置の中で「受信したウエブ閲覧端末内情報に関連付けられているウエブサーバ装置に対応した」ウエブ訪問者サービス装置に対して送信する第一サービスサポート情報送信部と、
を有し、
複数のウエブ訪問者サービス装置のそれぞれは、
第一サービスサポート情報を受信する第一サービスサポート情報受信部と、
受信した第一サービスサポート情報に基づいて当該サポートをすべきウエブ閲覧端末に対して送信すべき情報であり、前記起動プログラムを読み込んだウエブページのウエブ情報の閲覧の支援を行う情報である第一ウエブ閲覧端末用サービス情報を取得する第一ウエブ閲覧端末用サービス情報取得部と、
取得した第一ウエブ閲覧端末サービス情報を送信する第一ウエブ閲覧端末用サービス情報送信部と、
を有するウエブ訪問者サービス支援システム。
【請求項4】
前記起動プログラムは、
起動後にウエブ訪問者情報収集装置から送信される後記第一制御情報を受信する第一制御情報受信部と、
受信した第一制御情報に基づいてウエブ閲覧端末にて起動する第一ウエブ閲覧端末内動作部と、を構成し、
ウエブ訪問者情報収集装置は、
受信したウエブ閲覧端末内情報に基づいてウエブ閲覧端末を制御するための情報である第一制御情報を取得する第一制御情報取得部と、
取得した第一制御情報をウエブ閲覧端末の第一制御情報受信部に送信する第一制御情報送信部と、
を有する請求項1から3のいずれか一に記載のウエブ訪問者サービス支援システム。
【請求項5】
ウエブ訪問者情報収集装置は、
受信したウエブ閲覧端末内情報に基づいてネットワークを介して、ウエブ閲覧端末外に保持されている情報であるウエブ閲覧端末外情報を収集するウエブ閲覧端末外情報収集部と、
収集されたウエブ閲覧端末外情報に基づいてウエブ訪問者サービス装置に対して送信する第二サービスサポート情報を取得する第二サービスサポート情報取得部と、
取得した第二サービスサポート情報をウエブ訪問者サービス装置に対して送信する第二サービスサポート情報送信部と、
を有し、
ウエブ訪問者サービス装置は、
送信された第二サービスサポート情報を受信する第二サービスサポート情報受信部と、
受信した第二サービスサポート情報に応じて当該サポートをすべきウエブ閲覧端末に対して送信すべき情報である第二ウエブ閲覧端末用サービス情報を取得する第二ウエブ閲覧端末用サービス情報取得部と、
取得した第二ウエブ閲覧端末サービス情報を当該サポートをすべきウエブ閲覧端末に対して送信する第二ウエブ閲覧端末サービス情報送信部と、
を有する請求項1から4のいずれか一に記載のウエブ訪問者サービス支援システム。
【請求項6】
複数のウエブサーバ装置と、前記複数のウエブサーバ装置毎に対応する複数のウエブ訪問者サービス装置と、ウエブ訪問者情報収集装置と、からなるウエブサーバ支援システムの動作方法であって、
前記複数のウエブサーバ装置のそれぞれの動作は、
ウエブ閲覧端末内にてウエブ閲覧の所定の条件に起因して起動する起動プログラムを記述したウエブ情報をウエブ閲覧端末に対して送信するウエブ情報送信ステップを有し、
前記起動プログラムは、
起動後に、ウエブ閲覧端末にて前記起動プログラムを読み込んだウエブページの情報に限定されず、ウエブ閲覧端末内に保持されている情報であるウエブ閲覧端末内情報を、「ウエブ閲覧端末内情報に基づいて取得する後記する第一サービスサポート情報」の送信先を識別するために、閲覧したウエブページのウエブサーバ装置に関連付けて収集するウエブ閲覧端末内情報収集ステップと、
収集されたウエブ閲覧端末内情報をウエブサーバ装置に関連付けてウエブ訪問者情報収集装置に送信するウエブ閲覧端末内情報送信ステップと、を構成し、
ウエブ訪問者情報収集装置の動作は、
前記送信されるウエブサーバ装置に関連付けられたウエブ閲覧端末内情報を受信するウエブ閲覧端末内情報受信ステップと、
受信した「ウエブ閲覧端末内情報に関連付けられているウエブサーバ装置に対応した」ウエブ訪問者サービス装置に対して送信するための第一サービスサポート情報を、前記受信したウエブ閲覧端末内情報に基づいて取得する第一サービスサポート情報取得ステップと、
取得した第一サービスサポート情報、複数のウエブ訪問者サービス装置の中で「受信したウエブ閲覧端末内情報に関連付けられているウエブサーバ装置に対応した」ウエブ訪問者サービス装置に対して送信する第一サービスサポート情報送信ステップと、
を有し、
複数のウエブ訪問者サービス装置のそれぞれの動作は、
第一サービスサポート情報を受信する第一サービスサポート情報受信ステップと、
受信した第一サービスサポート情報に基づいて当該サポートをすべきウエブ閲覧端末に対して送信すべき情報であり、前記起動プログラムを読み込んだウエブページのウエブ情報の閲覧の支援を行う情報である第一ウエブ閲覧端末用サービス情報を取得する第一ウエブ閲覧端末用サービス情報取得ステップと、
取得した第一ウエブ閲覧端末サービス情報を送信する第一ウエブ閲覧端末サービス情報送信ステップと、
を有するウエブ訪問者サービス支援システムの動作方法。
【請求項7】
複数のウエブサーバ装置と、前記複数のウエブサーバ装置毎に対応する複数のウエブ訪問者サービス装置と、ウエブ訪問者情報収集装置と、前記ウエブサーバ装置の出力するウエブページに向けたリンクを有する誘導ページを配信する誘導ページサーバ装置と、からなるウエブサーバ支援システムの動作方法であって、
前記複数のウエブサーバ装置のそれぞれは、
ウエブ閲覧端末内にてウエブ閲覧の所定の条件に起因して起動する起動プログラムを記述したウエブ情報をウエブ閲覧端末に対して送信するウエブ情報送信ステップを有し、
前記起動プログラムは、
起動後に、ウエブ閲覧端末にて前記起動プログラムを読み込んだウエブページの情報に限定されず、ウエブ閲覧端末内に保持されている情報であるウエブ閲覧端末内情報を、「ウエブ閲覧端末内情報に基づいて取得する後記する第一サービスサポート情報」の送信先を識別するために、閲覧したウエブページのウエブサーバ装置に関連付けて収集するウエブ閲覧端末内情報収集ステップと、
収集されたウエブ閲覧端末内情報をウエブサーバ装置に関連付けてウエブ訪問者情報収集装置に送信するウエブ閲覧端末内情報送信ステップと、を構成し、
ウエブ訪問者情報収集装置は、
前記送信されるウエブサーバ装置に関連付けられたウエブ閲覧端末内情報を受信するウエブ閲覧端末内情報受信ステップと、
受信した「ウエブ閲覧端末内情報に関連付けられているウエブサーバ装置に対応した」ウエブ訪問者サービス装置に対して送信するための第一サービスサポート情報を、前記受信したウエブ閲覧端末内情報に基づいて取得する第一サービスサポート情報取得ステップと、
取得した第一サービスサポート情報を、複数のウエブ訪問者サービス装置の中で「受信したウエブ閲覧端末内情報に関連付けられているウエブサーバ装置に対応した」ウエブ訪問者サービス装置に対して送信する一サービスサポート情報送信ステップと、
を有し、
複数のウエブ訪問者サービス装置のそれぞれは、
第一サービスサポート情報を受信する第一サービスサポート情報受信ステップと、
受信した第一サービスサポート情報に基づいて当該サポートをすべきウエブ閲覧端末に対応するために誘導ページサーバ装置に送信すべき情報であり、前記起動プログラムを読み込んだウエブページのウエブ情報の閲覧の支援を行う情報である誘導制御情報を取得する誘導制御情報取得ステップと、
取得した誘導制御情報を対応する誘導ページサーバ装置に送信する誘導制御情報送信ステップと、
を有するウエブ訪問者サービス支援システムの動作方法。
【請求項8】
複数のウエブサーバ装置と、前記複数のウエブサーバ装置毎に対応する複数のウエブ訪問者サービス装置と、ウエブ訪問者情報収集装置と、からなるウエブサーバ支援システムの動作方法であって、
前記複数のウエブサーバ装置のそれぞれの動作は、
ウエブ閲覧端末内にてウエブ閲覧の所定の条件である、
起動プログラムを記述したウエブ情報のブラウザによる読み込み、
に加え、
1.ウエブページ(同ウエブ情報が表示されているページ)に対する所定の画面操作、
2.PC内の他のプログラムに対する所定の操作、
3.所定のURLとの所定の通信の発生、
4.基準時刻からの所定時間の経過、
のいずれか一以上の条件に起因して起動するそれぞれのウエブサーバ装置に関連付けられている起動プログラムを記述したウエブ情報をウエブ閲覧端末に対して送信する個別ウエブ情報送信ステップを有し、
前記起動プログラムは、
関連付けられているウエブサーバ装置に応じた情報収集ルールを保持する情報収集ルール保持ステップと、
起動後に、ウエブ閲覧端末にて前記起動プログラムを読み込んだウエブページの情報に限定されず、ウエブ閲覧端末内に保持されている情報であるウエブ閲覧端末内情報を、「ウエブ閲覧端末内情報に基づいて取得する後記する第一サービスサポート情報」の送信先を識別するために、前記情報収集ルールに従って閲覧したウエブページのウエブサーバ装置に関連付けて収集する個別ウエブ閲覧端末内情報収集ステップと、
収集されたウエブ閲覧端末内情報をウエブサーバ装置に関連付けてウエブ訪問者情報収集装置に送信する個別ウエブ閲覧端末内情報送信ステップと、を構成し、
ウエブ訪問者情報収集装置の動作は、
前記送信されるウエブサーバ装置に関連付けられたウエブ閲覧端末内情報を受信するウエブ閲覧端末内情報受信ステップと、
受信した「ウエブ閲覧端末内情報に関連付けられているウエブサーバ装置に対応した」ウエブ訪問者サービス装置に対して送信するための第一サービスサポート情報を、前記受信したウエブ閲覧端末内情報に基づいて取得する第一サービスサポート情報取得ステップと、
取得した第一サービスサポート情報を、複数のウエブ訪問者サービス装置の中で「受信したウエブ閲覧端末内情報に関連付けられているウエブサーバ装置に対応した」ウエブ訪問者サービス装置に対して送信する第一サービスサポート情報送信ステップと、
を有し、
複数のウエブ訪問者サービス装置のそれぞれの動作は、
第一サービスサポート情報を受信する第一サービスサポート情報受信ステップと、
受信した第一サービスサポート情報に基づいて当該サポートをすべきウエブ閲覧端末に対して送信すべき情報であり、前記起動プログラムを読み込んだウエブページのウエブ情報の閲覧の支援を行う情報である第一ウエブ閲覧端末用サービス情報を取得する第一ウエブ閲覧端末用サービス情報取得ステップと、
取得した第一ウエブ閲覧端末サービス情報を送信する第一ウエブ閲覧端末サービス情報送信ステップと、
を有するウエブ訪問者サービス支援システムの動作方法。
【請求項9】
複数のウエブサーバ装置と、前記複数のウエブサーバ装置毎に対応する複数のウエブ訪問者サービス装置と、ウエブ訪問者情報収集装置と、からなるウエブサーバ支援システムの動作プログラムであって、
前記複数のウエブサーバ装置のそれぞれの動作は、
ウエブ閲覧端末内にてウエブ閲覧の所定の条件に起因して起動する起動プログラムを記述したウエブ情報をウエブ閲覧端末に対して送信するウエブ情報送信ステップを読取実行可能に記述され、
前記起動プログラムは、
起動後に、ウエブ閲覧端末にて前記起動プログラムを読み込んだウエブページの情報に限定されず、ウエブ閲覧端末内に保持されている情報であるウエブ閲覧端末内情報を、「ウエブ閲覧端末内情報に基づいて取得する後記する第一サービスサポート情報」の送信先を識別するために、閲覧したウエブページのウエブサーバ装置に関連付けて収集するウエブ閲覧端末内情報収集ステップと、
収集されたウエブ閲覧端末内情報をウエブサーバ装置に関連付けてウエブ訪問者情報収集装置に送信するウエブ閲覧端末内情報送信ステップと、を読取実行可能に記述され、
ウエブ訪問者情報収集装置の動作プログラムは、
前記送信されるウエブサーバ装置に関連付けられたウエブ閲覧端末内情報を受信するウエブ閲覧端末内情報受信ステップと、
受信した「ウエブ閲覧端末内情報に関連付けられているウエブサーバ装置に対応した」ウエブ訪問者サービス装置に対して送信するための第一サービスサポート情報を、前記受信したウエブ閲覧端末内情報に基づいて取得する第一サービスサポート情報取得ステップと、
取得した第一サービスサポート情報を、複数のウエブ訪問者サービス装置の中で「受信したウエブ閲覧端末内情報に関連付けられているウエブサーバ装置に対応した」ウエブ訪問者サービス装置に対して送信する第一サービスサポート情報送信ステップと、
を読取実行可能に記述され、
複数のウエブ訪問者サービス装置のそれぞれの動作プログラムは、
第一サービスサポート情報を受信する第一サービスサポート情報受信ステップと、
受信した第一サービスサポート情報に基づいて当該サポートをすべきウエブ閲覧端末に対して送信すべき情報であり、前記起動プログラムを読み込んだウエブページのウエブ情報の閲覧の支援を行う情報である第一ウエブ閲覧端末用サービス情報を取得する第一ウエブ閲覧端末用サービス情報取得ステップと、
取得した第一ウエブ閲覧端末サービス情報を送信する第一ウエブ閲覧端末サービス情報送信ステップと、
を読取実行可能に記述されたウエブ訪問者サービス支援システムの動作プログラム。
【請求項10】
複数のウエブサーバ装置と、前記複数のウエブサーバ装置毎に対応する複数のウエブ訪問者サービス装置と、ウエブ訪問者情報収集装置と、前記ウエブサーバ装置の出力するウエブページに向けたリンクを有する誘導ページを配信する誘導ページサーバ装置と、からなるウエブサーバ支援システムの動作プログラムであって、
前記複数のウエブサーバ装置のそれぞれは、
ウエブ閲覧端末内にてウエブ閲覧の所定の条件に起因して起動する起動プログラムを記述したウエブ情報をウエブ閲覧端末に対して送信するウエブ情報送信ステップを有し、
前記起動プログラムは、
起動後に、ウエブ閲覧端末にて前記起動プログラムを読み込んだウエブページの情報に限定されず、ウエブ閲覧端末内に保持されている情報であるウエブ閲覧端末内情報を、「ウエブ閲覧端末内情報に基づいて取得する後記する第一サービスサポート情報」の送信先を識別するために、閲覧したウエブページのウエブサーバ装置に関連付けて収集するウエブ閲覧端末内情報収集ステップと、
収集されたウエブ閲覧端末内情報をウエブサーバ装置に関連付けてウエブ訪問者情報収集装置に送信するウエブ閲覧端末内情報送信ステップと、を構成し、
ウエブ訪問者情報収集装置は、
前記送信されるウエブサーバ装置に関連付けられたウエブ閲覧端末内情報を受信するウエブ閲覧端末内情報受信ステップと、
受信した「ウエブ閲覧端末内情報に関連付けられているウエブサーバ装置に対応した」ウエブ訪問者サービス装置に対して送信するための第一サービスサポート情報を、前記受信したウエブ閲覧端末内情報に基づいて取得する第一サービスサポート情報取得ステップと、
取得した第一サービスサポート情報を、複数のウエブ訪問者サービス装置の中で「受信したウエブ閲覧端末内情報に関連付けられているウエブサーバ装置に対応した」ウエブ訪問者サービス装置に対して送信する第一サービスサポート情報送信ステップと、
を有し、
複数のウエブ訪問者サービス装置のそれぞれの動作プログラムは、
第一サービスサポート情報を受信する第一サービスサポート情報受信ステップと、
受信した第一サービスサポート情報に基づいて当該サポートをすべきウエブ閲覧端末に対応するために誘導ページサーバ装置に送信すべき情報であり、前記起動プログラムを読み込んだウエブページのウエブ情報の閲覧の支援を行う情報である誘導制御情報を取得する誘導制御情報取得ステップと、
取得した誘導制御情報を対応する誘導ページサーバ装置に送信する誘導制御情報送信ステップと、
を読取実行可能に記述されたウエブ訪問者サービス支援システムの動作プログラム。
【請求項11】
複数のウエブサーバ装置と、前記複数のウエブサーバ装置毎に対応する複数のウエブ訪問者サービス装置と、ウエブ訪問者情報収集装置と、からなるウエブサーバ支援システムの動作プログラムであって、
前記複数のウエブサーバ装置のそれぞれの動作プログラムは、
ウエブ閲覧端末内にてウエブ閲覧の所定の条件である、
起動プログラムを記述したウエブ情報のブラウザによる読み込み、
に加え、
1.ウエブページ(同ウエブ情報が表示されているページ)に対する所定の画面操作、
2.PC内の他のプログラムに対する所定の操作、
3.所定のURLとの所定の通信の発生、
4.基準時刻からの所定時間の経過、
のいずれか一以上の条件に起因して起動するそれぞれのウエブサーバ装置に関連付けられている起動プログラムを記述したウエブ情報をウエブ閲覧端末に対して送信する個別ウエブ情報送信ステップを読取実行可能に記述され、
前記起動プログラムは、
関連付けられているウエブサーバ装置に応じた情報収集ルールを保持する情報収集ルール保持ステップと、
起動後に、ウエブ閲覧端末にて前記起動プログラムを読み込んだウエブページの情報に限定されず、ウエブ閲覧端末内に保持されている情報であるウエブ閲覧端末内情報を、「ウエブ閲覧端末内情報に基づいて取得する後記する第一サービスサポート情報」の送信先を識別するために、前記情報収集ルールに従って閲覧したウエブページのウエブサーバ装置に関連付けて収集する個別ウエブ閲覧端末内情報収集ステップと、
収集されたウエブ閲覧端末内情報をウエブサーバ装置に関連付けてウエブ訪問者情報収集装置に送信する個別ウエブ閲覧端末内情報送信ステップと、読取実行可能に記述され、
ウエブ訪問者情報収集装置の動作プログラムは、
前記送信されるウエブサーバ装置に関連付けられたウエブ閲覧端末内情報を受信するウエブ閲覧端末内情報受信ステップと、
受信した「ウエブ閲覧端末内情報に関連付けられているウエブサーバ装置に対応した」ウエブ訪問者サービス装置に対して送信するための第一サービスサポート情報を、前記受信したウエブ閲覧端末内情報に基づいて取得する第一サービスサポート情報取得ステップと、
取得した第一サービスサポート情報を、複数のウエブ訪問者サービス装置の中で「受信したウエブ閲覧端末内情報に関連付けられているウエブサーバ装置に対応した」ウエブ訪問者サービス装置に対して送信する第一サービスサポート情報送信ステップと、
を読取実行可能に記述され、
複数のウエブ訪問者サービス装置のそれぞれの動作プログラムは、
第一サービスサポート情報を受信する第一サービスサポート情報受信ステップと、
受信した第一サービスサポート情報に基づいて当該サポートをすべきウエブ閲覧端末に対して送信すべき情報であり、前記起動プログラムを読み込んだウエブページのウエブ情報の閲覧の支援を行う情報である第一ウエブ閲覧端末用サービス情報を取得する第一ウエブ閲覧端末用サービス情報取得ステップと、
取得した第一ウエブ閲覧端末サービス情報を送信する第一ウエブ閲覧端末サービス情報送信ステップと、
を読取実行可能に記述されたウエブ訪問者サービス支援システムの動作プログラム。
【請求項12】
請求項9から11のいずれか一に記載のウエブサーバ装置の動作プログラム。
【請求項13】
請求項9から11のいずれか一に記載のウエブ訪問者情報収集装置の動作プログラム。
【請求項14】
請求項9から11のいずれか一に記載のウエブ訪問者サービス装置の動作プログラム。」

第5 当審拒絶理由の理由1について
令和2年11月18日に提出された手続補正書による補正により、何を意味するのか不明な「ウエブ情報(ウエブサイト)」との記載は各請求項に存在しないものとなった。
また、同補正により、補正前において修飾関係が不明な記載は、
「受信した「ウエブ閲覧端末内情報に関連付けられているウエブサーバ装置に対応した」ウエブ訪問者サービス装置に対して送信するための第一サービスサポート情報を、前記受信したウエブ閲覧端末内情報に基づいて取得する第一サービスサポート情報取得部」
との記載及び
「取得した第一サービスサポート情報を、複数のウエブ訪問者サービス装置の中で「受信したウエブ閲覧端末内情報に関連付けられているウエブサーバ装置に対応した」ウエブ訪問者サービス装置に対して送信する第一サービスサポート情報送信部」
との記載に変更されて、修飾関係は明らかとなった。
以上のことから、当審拒絶理由の理由1は解消した。

第6 引用文献の記載、引用発明等
1 引用文献1、引用発明
(1)当審拒絶理由で引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審による。以下同様。)。
ア 「【0018】
本発明の実施の形態について、図面に基づいて説明する。図1は、本発明に係る電子メールターゲティングシステムの構成を示すブロック図で、ユーザ(本説明においては、ウェブサイトを利用する一般の個人を指す)は、ユーザ側情報端末装置2(以下、ユーザ端末という)を利用してインターネット1を通じ、ウェブサイト31をアクセスする。ウェブサイト31は複数のウェブページWPが設定されているが、図で示すようにドメインが異なる複数のウェブサイト31が設けられることもある。
【0019】
このウェブサイト31の運営者は、ウェブサーバー3にてウェブサイト31を運営している。また、ウェブサイト31の運営者は、会員登録しているユーザのメールアドレスを管理しており、メール配信システム64にて会員ユーザに対してメールを配信するようになっている。
【0020】
アクセス解析サーバー4は、アクセス情報の解析サービスを提供する事業者が管理するサーバーであり、この事業者は運営者からの依頼により、ウェブサイト31へのユーザによるアクセス情報を管理して運営者に提供する。以下、運営者をクライアントと称し、ウェブサーバー3と運営者側情報端末装置6(以下、クライアント端末という)とメール配信システム64を含む全体のシステムをクライアント側CLと称する。一方、アクセス解析サーバー4とアクセス情報格納部5を含む全体のシステムを事業者側Bと称する。
【0021】
アクセス情報は、ウェブサイト31を閲覧したユーザ端末2にてアクセス解析サーバー4に送信される。すなわち、ウェブページWPにはユーザ端末2のブラウザが読み込むと実行されるスクリプトタグ23(図2)が埋め込まれており、ユーザ端末2がこのスクリプトタグ23を読み込むと、スクリプトタグ23の指示に従ってアクセス情報を含むウェブビーコン22(図2)を作成してアクセス解析サーバー4に送信するようになっている。ユーザ端末2がアクセス解析サーバー4にアクセス情報を送信するのは、ユーザ端末2に設定されているブラウザの機能に基づいている。そして、受信したアクセス情報はアクセス情報格納部5に格納される。
【0022】
アクセス情報は、ユーザによるウェブページWPの閲覧履歴とユーザIDを表す情報であり、本実施例でスクリプトタグ23に定義されているアクセス情報は、企業ID・サイトID・ユーザID・ドキュメントURL・リファラ及びその他のアクセス情報がある。
【0023】
上記の企業IDは事業者と契約しているクライアントを特定するID、サイトIDは一つ又は複数のドメインを一括りに管理するID、ユーザIDはクライアントが管理しているユーザのメールアドレスに紐づけた独自のID、ドキュメントURLはユーザがアクセスしたURL、リファラはユーザがアクセスしたURLのリファラ情報である。」

イ 「【0027】
かかる電子メールマーケティングシステムにおいて、まず、ユーザからウェブサイト31へのアクセス時におけるアクセス解析サーバー4によるアクセス情報の収集に関して説明する。
・・・(中略)・・・
【0033】
そして、アクセス解析サーバー4のアクセス情報取得手段43がウェブビーコン22を受信するが、この場合は、受信したアクセス情報の中のドキュメントURLにはユーザIDが含まれており、アクセス情報取得手段43はこのユーザIDを特定し、ユーザ端末2のブラウザのクッキー21にサードパーティクッキーとして保存させる。一方、アクセス情報取得手段43は、ユーザIDに関連して受信したアクセス情報を生成したアクセスログ42として保存する。このとき、同一のクライアントが互いにドメインの異なる複数のサブサイト31を運営している場合には、アクセス情報にはサイトIDが含まれているためにユーザが全てのサブサイト31を閲覧しなくてもクッキーには全サブサイト31の訪問履歴が書き込まれる。」

ウ 「【0043】
アクセス情報格納部5に蓄積したアクセスログ42からクライアント側が必要とする情報を抽出して提供する処理について説明する。
【0044】
図7は、クライアント側CLが抽出条件を設定し、この条件に基づくデータを抽出する処理を行うアクセス解析サーバー4及びクライアント端末6の機能構成をブロック図にて示すものである。
【0045】
クライアント側CLによる抽出条件の設定は、クライアント端末6にてアクセス解析サーバー4にログインして、ウェブサイト41が提供するクライアント管理ページ44をアクセスすることで行われる。クライアント端末6のURL指定部61からウェブサイト41をアクセスして読み込むクライアント管理ページ44には抽出条件設定手段45が形成されており、クライアント側CLはクライアント端末6の画面に表示されている抽出条件設定手段45に抽出条件を入力する。」

エ 「【0053】
アクセス解析サーバー4の抽出条件受信手段40は抽出条件を受信し、送られてきたデータの中から抽出条件を識別するための抽出名と、ログイン時に入力されている企業IDにて識別する企業名とから識別データを作成して、抽出結果管理データベース46に記憶する。また、抽出条件受信手段40は送られてきた抽出条件を抽出手段50に送る。尚、設定した抽出条件は、保存ボタン45Hをクリックすることで、後からの再利用のため保存することができる。
【0054】
抽出手段50では、アクセス情報格納部5のアクセスログデータ領域5Aから、企業IDをキーにして抽出を依頼されたクライアントに関連するアクセスログファイルを検索し、この抽出条件に適合するアクセスログファイルを抽出する。そして、抽出手段50は、アクセス情報格納部5の抽出結果データ領域5Bに抽出したアクセスログファイルを保管して抽出処理が終了する。」

オ 「【0061】
アクセス解析サーバー4の抽出手段50による抽出が完了すると、クライアント管理ページ44の抽出状況表示手段48の表示は完了タブ48Bに移動する。これにより、クライアント端末6のモニタ画面は(a)部の表示から(b)部の表示に遷移し、処理欄48Dには「ダウンロード」と表示される。この状態で「ダウンロード」をクリックすることで、クライアント端末62はアクセス解析サーバー4に抽出結果のダウンロードを指示することができる。また、アクセス解析サーバー4は、抽出条件設定時に抽出条件設定手段45のメール通知先記入欄45Fに記入されているメールアドレスに完了メールも送信する。
【0062】
クライアント端末6からアクセス解析サーバー4にダウンロードが指示されると、アクセス解析サーバー4の出力手段47はアクセス情報格納部5の抽出結果データ領域5Bに保存している抽出結果を取り出して、抽出結果管理データベース46に保存しているこの抽出結果に対応する抽出名と企業名とを付加してCSVファイル49に変換した後、クライアント端末6のダウンロード受信手段62に送信する。
【0063】
これによりクライアント端末6は、受信した抽出結果を抽出結果表示画面63に表示する。抽出結果は、クライアント側CLで指定された期間内におけるドキュメントURLやアクセスページのカテゴリ等で抽出されたユーザIDと日付である。図11に示す入力画面例で示す抽出条件では、製品ページとカートページを閲覧したものの決済には至らなかったユーザのIDリストが表示される。
【0064】
そして、クライアントCL側は、メール配信システム64にて抽出結果に示されているユーザIDに対応する電子メールアドレスに広告メールを配信する。
【0065】
抽出結果のダウンロードに関するアクセス解析サーバー4及びクライアント端末6のデータ処理動作は図10のフローチャートに沿って行われる。クライアントCL側において、クライアント端末6に表示されている抽出状況表示手段48の「ダウンロード」をクリックしてダウンロードをアクセス解析サーバー4に要求すると(S40)、アクセス解析サーバー4の出力手段47が対象のアクセス情報抽出結果をアクセス情報格納部5の抽出結果データ領域5Bから取り出し(S41)、取り出したデータと抽出結果管理データベース46に保存している抽出結果管理データとをCSVフォーマットに変換し(S42)、CSVファイル49をクライアント端末6のダウンロード受信手段62にダウンロードする(S43)。そして、クライアント端末6では、ダウンロードで送られてきた抽出結果を表示し(S44)終了する。
【0066】
クライアント側CLでは、この抽出結果に基づきメール配信システム64は抽出結果で示されているユーザIDに対応する電子メールアドレスに広告メールを送信する。この広告メールは、抽出条件に指定したアクセスページのカテゴリに関係する商品またはサービスの購入を勧める内容となっている。」

なお、段落【0061】の「クライアント端末62」は「クライアント端末6」の誤記と認められる。

(2)上記(1)から、引用文献1には次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。
「電子メールターゲティングシステムであって、
ウェブサイト31には複数のウェブページWPが設定され(【0018】)、
このウェブサイト31の運営者は、ウェブサーバー3にてウェブサイト31を運営し(【0019】)、
アクセス解析サーバー4は、アクセス情報の解析サービスを提供する事業者が管理するサーバーであり、ウェブサーバー3とクライアント端末6とメール配信システム64を含む全体のシステムをクライアント側CLと称し(【0020】)、
ウェブページWPには、ユーザ端末2のブラウザが読み込むと実行されるスクリプトタグ23が埋め込まれており、ユーザ端末2がこのスクリプトタグ23を読み込むと、スクリプトタグ23の指示に従ってアクセス情報を含むウェブビーコン22を作成してアクセス解析サーバー4に送信するようになっており(【0021】)、
アクセス情報は、ユーザによるウェブページWPの閲覧履歴とユーザIDを表す情報であり、スクリプトタグ23に定義されているアクセス情報は、企業ID・サイトID・ユーザID・ドキュメントURL・リファラ及びその他のアクセス情報があり(【0022】)、
上記の企業IDは事業者と契約しているクライアントを特定するID、サイトIDは一つ又は複数のドメインを一括りに管理するID、ユーザIDはクライアントが管理しているユーザのメールアドレスに紐づけた独自のID、ドキュメントURLはユーザがアクセスしたURL、リファラはユーザがアクセスしたURLのリファラ情報であり(【0023】)、
ユーザからウェブサイト31へのアクセス時におけるアクセス解析サーバー4によるアクセス情報の収集に関し(【0027】)、アクセス解析サーバー4のアクセス情報取得手段43は、ユーザIDに関連して受信したアクセス情報を生成したアクセスログ42として保存し(【0033】)、
アクセスログ42からクライアント側が必要とする情報を抽出して提供する処理において(【0043】)、
クライアント側CLによる抽出条件の設定が、クライアント端末6にてアクセス解析サーバー4にログインすることで行われ(【0045】)、
アクセス解析サーバー4の抽出条件受信手段40が抽出条件を受信し、送られてきたデータの中から抽出条件を識別するための抽出名と、ログイン時に入力されている企業IDにて識別する企業名とから識別データを作成して、抽出結果管理データベース46に記憶し、抽出条件受信手段40が送られてきた抽出条件を抽出手段50に送り、抽出手段50では、アクセス情報格納部5のアクセスログデータ領域5Aから、企業IDをキーにして抽出を依頼されたクライアントに関連するアクセスログファイルを検索し、この抽出条件に適合するアクセスログファイルを抽出し(【0053】?【0054】)、
アクセス解析サーバー4の抽出手段50による抽出が完了すると、クライアント端末6はアクセス解析サーバー4に抽出結果のダウンロードを指示することができ(【0061】)、
クライアント端末6からアクセス解析サーバー4にダウンロードが指示されると、アクセス解析サーバー4の出力手段47が、アクセス情報格納部5の抽出結果データ領域5Bに保存している抽出結果を取り出して、抽出結果管理データベース46に保存しているこの抽出結果に対応する抽出名と企業名とを付加してクライアント端末6のダウンロード受信手段62に送信し(【0062】)、
クライアント端末6が受信した抽出結果を抽出結果表示画面63に表示し(【0063】)、
クライアントCL側が、メール配信システム64にて抽出結果に示されているユーザIDに対応する電子メールアドレスに広告メールを配信し(【0064】)、
広告メールは、抽出条件に指定したアクセスページのカテゴリに関係する商品またはサービスの購入を勧める内容である(段落【0066】)、
電子メールターゲティングシステム。」

2 引用文献2
当審拒絶理由で引用された引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0007】
【課題を解決するための手段】上記課題は請求項1記載の発明によれば、最新バージョンのアプレットを記憶するアプレット記憶手段と、該アプレット記憶手段に記憶したアプレットの版数を記憶する版数記憶手段とを有するサーバと、該サーバから読み出したアプレットに従って処理を行い、該アプレットの版数情報を記憶する版数情報記憶手段と、所定イベント発生時、前記版数記憶手段から最新バージョンのアプレットの版数情報を読み出し、前記版数情報記憶手段に記憶した版数情報と比較する比較手段と、該比較結果が一致しない時、前記アプレット記憶手段から最新バージョンのアプレットを読み出し、アプレットの更新を行う更新手段とを有するクライアントとから成ることを特徴とするアプレット最新バージョン自動設定システムを提供することによって達成できる。
【0008】ここで、上記アプレット記憶手段に記憶するアプレットは、例えばJava言語によって作成したプログラムであり、順次更新され、最新バージョンのアプレットが記憶される。また、版数情報記憶手段には、上記最新バージョンのアプレットの版数情報が記憶される。
【0009】また、上記最新バージョンのアプレットが記憶されたサーバには、例えばWebサーバが設定され、クライアントに設定されたWebブラウザとの間で通信が行われる。
【0010】一方、クライアント側は、上記サーバから読み出したアプレットによって、例えばWebブラウザを使用し、動画処理や各種表示処理を行う。また、クライアント側で使用中のアプレットの版数(バージョン)が版数情報記憶手段に記憶される。また、比較手段は、所定のイベント発生時、サーバ側の版数記憶手段から最新の版数情報を読み出し、クライアント側の版数情報記憶手段に記憶される版数情報と比較する。そして、当該比較結果が不一致の時(異なるアプレットの版数であれば)、クライアント側のアプレットの更新処理を行う。
【0011】このように構成することにより、所定のタイミングでサーバ側のアプレットの確認を行うことができ、クライアント側で使用するアプレットを自動的に最新バージョンのアプレットに設定することができる。」

3 引用文献3
当審拒絶理由で引用された引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0021】
ソーシャルネットワーク106は、広告主にとって非常に有用な情報もしくは公開またはその両方のソースになる可能性がある。たとえば、広告主は、1つまたは複数のソーシャルネットワーク106上のユーザのアカウントの一部として保管されるかもしくは投稿されるかまたはその両方を行うことができる、ユーザに関する関心事データ、人口統計データ、もしくはその他の情報、またはこれらの組み合わせを入手できる場合、より適切なまたは興味深い広告をユーザに提示することができる。さらに、ソーシャルネットワーク106は、ユーザがソーシャルネットワーク106上で対話する、友人または連絡先などの他の共同ユーザと接続するためのツールを提供することができる。たとえば、ユーザは、他の共同ユーザが閲覧できるソーシャルネットワーク106上で情報もしくはメッセージまたはその両方を投稿することができる。このように、広告主は、ソーシャルネットワーク106上のユーザのアカウントを介して多様なその他のユーザに到達することができ、そのうちの一部は、ユーザと共通の関心事を共有する可能性があり、その広告に関心を示す可能性もある。いくつかの実現例では、広告主は、ソーシャルネットワーク106上でユーザの広告関連投稿に対する他の共同ユーザの対話に関する情報を使用して、他の共同ユーザに提示できる適切な広告を決定することができる。」

4 引用文献4
当審拒絶理由で引用された引用文献4には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0129】
ここで、選択結果表示部(G132)に対応するHTML(以下、単に「選択結果表示部」という。)の編集について説明する。 検索空間設定部12は、選択結果表示部にコントロール指定が含まれているか否かを解析し、コントロール指定が含まれていない場合は、選択結果表示部の編集を行わない。一方、選択結果表示部にコントロール指定が含まれている場合、そのコントロール指定部分を、再検索ボタンと履歴表示ボタンを表示するためのHTMLおよび各ボタンをクリックした場合に実行されるスクリプト等で置き換える。後述するように、以上のように編集された選択結果表示部はクライアント2に送信され、選択結果表示部のうちコントロール指定が入力されていた部分に再検索処理を実行するためのボタン等が表示される。
【0130】
検索空間設定部12は、次に、第1実施形態のように検索画面を作成(図20のS2020)するのではなく、代わりにレポート内容表示処理を行う。具体的には、作成したレポートレコード180aの検索結果184に設定されているデータをクライアント2に送信して処理を終了する。 そしてWEBページ表示部21は送信されたデータに含まれているHTML等を参照し、表示装置27に、図27に示すような表示画面を表示する。
【0131】
図27は、再検索を可能にする例に係る表示画面(レポート表示結果)の例を示す。第1実施形態から第3実施形態における表示画面(レポート表示結果)(図15)と異なり、クライアント2の操作者がコントロール指定を入力した部分に、再検索処理のための表示がなされている(G152)。再検索処理のための表示部(G152)は、再検索ボタンと、履歴表示ボタンを有する。 クライアント2の操作者が再検索ボタンをクリックすると、WEBページ表示部21は再検索ボタンをクリックした場合の動作が記録されているスクリプトを実行し、表示中レポートのレポートIDとともに再検索要求をWEBページ送信部11に送信する(表示中レポートのレポートIDは、例えば再検索ボタンをクリックした場合の動作が記録されているスクリプト内に設定しておけばよい。)。
【0132】
WEBページ送信部11は再検索要求を受信すると、検索空間設定部12を起動する。検索空間設定部12は受信したレポートIDのレポートレコード180aを取得し、検索条件185による検索空間の検索(再検索)を行う。具体的な検索方法は、図18のステップS1810について説明したとおりである。検索空間設定部12は再検索結果を再検索結果186に設定する。なお、再検索条件に合致するファイルが存在しなかった場合には、その旨を示すメッセージ等が再検索結果186に設定される。 次に、WEBページ送信部11は再検索結果をWEBページ表示部21に送信し、WEBページ表示部21は、受信した再検索結果を再検索処理のための表示部(G152)に表示する。
【0133】
図28は、再検索を可能にする例に係る表示画面(再検索実行結果)の例を示す。図示した例では、再検索条件に合致した3ファイルのファイル名およびURLが表示されている。 なお、再検索処理は何度でも行うことができる。再検索を行うたびに、対応するレポートレコード180aの再検索結果186が追加されていく。 一方、クライアント2の操作者が履歴表示ボタンをクリックすると、WEBページ表示部21は履歴表示ボタンをクリックした場合の動作が記録されているスクリプトを実行し、表示中レポートのレポートIDとともに履歴表示要求をWEBページ送信部11に送信する(表示中レポートのレポートIDは、例えば履歴表示ボタンをクリックした場合の動作が記録されているスクリプト内に設定しておけばよい。)。 WEBページ送信部11は履歴表示要求を受信すると、検索空間設定部12を起動する。検索空間設定部12は受信したレポートIDのレポートレコード180aを取得し、再検索結果186(1?m)の設定内容から再検索履歴を編集してWEBページ表示部21に送信する。 WEBページ表示部21は、受信した再検索履歴を再検索処理のための表示部(G152)に表示する。」

5 引用文献5
当審拒絶理由で引用された引用文献4には、図面とともに次の事項が記載されている。
「【0009】
つぎに、ユーザが、ディスプレイに表示されているウェブページ内の所定箇所をマウスでクリック等することにより選択すると、スクリプト等が実行され、ポップアップページがディスプレイに表示される。」

「【0046】
つづいて、ユーザが、図2に示すウェブページ内のリンク領域16をマウスでクリック等すると、スクリプト等が実行され、図6に示すポップアップページのURLが、通話サーバ200にアップロードされ(ステップS13)、その結果、図6に示すポップアップページが通話サーバ200からダウンロードされ、PC100のディスプレイに表示される(ステップS14)。」

第7 当審拒絶理由の理由2について(引用発明との対比・判断)
1 本願発明1について
(1)対比
ア 本願発明1と引用発明とを対比すると、以下のことがいえる。
(ア)引用発明の「クライアント端末6」と「メール配信システム64」とからなる構成は、「ウェブサーバー3」とともに「クライアント側CL」をなしているから、当該構成は、「ウェブサーバー3」に「対応する」ものであるといえる。
また、引用発明の「ウェブサーバー3」は、本願発明1の「ウエブサーバ装置」に相当する。

(イ)引用発明は、「ウェブサイト31には複数のウェブページWPが設定され、このウェブサイト31の運営者は、ウェブサーバー3にてウェブサイト31を運営し」、また、「ウェブページWPには、ユーザ端末2のブラウザが読み込むと実行されるスクリプトタグ23が埋め込まれて」いるものであり、また、「スクリプトタグ23の指示に従って」「作成」される「アクセス情報」には、「ユーザによるウェブページWPの閲覧履歴」が含まれているから、「ユーザ端末2のブラウザが読み込む」ことにより、「ユーザ端末2」では「ウェブページWP」が「閲覧」される、すなわち「ウエブ閲覧」されるものである。したがって、「ウエブ閲覧」に「起因して」、「スクリプトタグ23」が「実行される」といえる。
一方、本願明細書の段落【0018】の「ウエブ情報」は「HTML等で記述されたウエブコンテンツおよびこれに埋め込まれたプログラムコード等を指す」旨の記載を参酌すると、本願発明1の「ウエブ情報」とは、「HTML等で記述されたウエブコンテンツ」であって、webページを意味するものと解される。そうすると、引用発明の「ウェブページWP」は、本願発明1の「ウエブ情報」に相当する。
また、引用発明において、「ウェブページWP」を「ユーザ端末2のブラウザが読み込む」際に、「ウェブサーバー3」は「ユーザ端末2」に対して「ウェブページWP」を「送信」すること、及び、「ウェブサーバー3」はそれを送信する手段、すなわち「ウエブ情報送信部」を有することが明らかである。
そして、引用発明の「ユーザ端末2」、「スクリプトタグ23」が「実行され」ること、「スクリプトタグ23が埋め込まれ」ていることは、それぞれ、本願発明1の「ウエブ閲覧端末」、「起動プログラム」が「起動する」こと、「起動プログラム」が「記述」されていることに相当する。
以上の点及び上記(ア)によれば、引用発明と本願発明1とは、「ウエブサーバ装置は、ウエブ閲覧端末内にてウエブ閲覧に起因して起動する起動プログラムを記述したウエブ情報をウエブ閲覧端末に対して送信するウエブ情報送信部を有」するという点で共通する。

(ウ)引用発明において、「ウェブページWP」に「埋め込まれて」いる「ユーザ端末2のブラウザが読み込むと実行されるスクリプトタグ23」は、「ユーザ端末2がこのスクリプトタグ23を読み込むと、スクリプトタグ23の指示に従ってアクセス情報を含むウェブビーコン22を作成してアクセス解析サーバー4に送信する」ものであり、また、「アクセス情報」は、「ユーザによるウェブページWPの閲覧履歴とユーザIDを表す情報」であるとともに、特に、「スクリプトタグ23に定義されているアクセス情報」は、「企業ID・サイトID・ユーザID・ドキュメントURL・リファラ及びその他のアクセス情報があ」り、更に「上記の企業IDは事業者と契約しているクライアントを特定するID、サイトIDは一つ又は複数のドメインを一括りに管理するID、ユーザIDはクライアントが管理しているユーザのメールアドレスに紐づけた独自のID、ドキュメントURLはユーザがアクセスしたURL、リファラはユーザがアクセスしたURLのリファラ情報」である。
ここで、「ウェブページWP」は「ウェブサイト31」に「設定され」たものである一方、「ウェブサイト31」は「ウェブサーバー3」にてその「運営者」が「運営」するものであるから、「ウェブページWPの閲覧履歴」には、「ウェブサーバー3」への「関連付け」があるといえる。
また、「アクセス情報」に含まれる情報は、「ウェブページWPの閲覧履歴」に「限定されず」、「ユーザID」が含まれており、具体的には、「クライアントを特定する」「企業ID」や、「クライアントが管理しているユーザのメールアドレスに紐づけた独自のID」である「ユーザID」等が含まれているものであって、「アクセス情報」は「ユーザ端末2」に「保持されている」情報であること、並びに、「スクリプトタグ23」が、「実行された」た後に「アクセス情報」を「収集」する手段及び「送信」する手段、すなわち「収集部」及び「送信部」を「構成」することが明らかである。
そして、引用発明の「ウェブページWPの閲覧履歴」、「アクセス情報」は、それぞれ、本願発明1の「ウエブページの情報」、「ウエブ閲覧端末内情報」に相当する。
また、引用発明の「アクセス情報」には「ウェブページWPの閲覧履歴」が含まれるところ、「閲覧履歴」に関連する「閲覧」が「ウェブサイト31」への「訪問者」により行われることが明らかであり、一方、「アクセス解析サーバー4」は、「アクセス情報の収集」を行うものである。したがって、引用発明の「アクセス解析サーバー4」は、本願発明1の「ウエブ訪問者情報収集装置」に相当する。
以上の点並びに上記(ア)及び(イ)によれば、引用発明と本願発明1とは、「前記起動プログラムは、起動後に、ウエブ閲覧端末にて前記起動プログラムを読み込んだウエブページの情報に限定されず、ウエブ閲覧端末内に保持されている情報であるウエブ閲覧端末内情報を、閲覧したウエブページのウエブサーバ装置に関連付けて収集するウエブ閲覧端末内情報収集部と、収集されたウエブ閲覧端末内情報をウエブサーバ装置に関連付けてウエブ訪問者情報収集装置に送信するウエブ閲覧端末内情報送信部と、を構成」するという点で共通する。

(エ)引用発明の「アクセス解析サーバー4のアクセス情報取得手段43」は、「ユーザIDに関連して受信したアクセス情報を生成したアクセスログ42として保存」するものであるから、「アクセス情報取得手段43」は、「アクセス解析サーバー4」が有する、「アクセス情報」を「受信」する「受信部」であるといえ、「アクセス情報」が本願発明1の「ウエブ閲覧端末内情報」に相当すること(上記(ウ))も考慮すると、本願発明1の「ウエブ閲覧端末内情報受信部」に相当する。

(オ)引用発明は、「アクセスログ42からクライアント側が必要とする情報を抽出して提供する処理において」、「アクセス解析サーバー4」の「抽出手段50」が、「アクセス情報格納部5のアクセスログデータ領域5Aから、企業IDをキーにして抽出を依頼されたクライアントに関連するアクセスログファイルを検索し、この抽出条件に適合するアクセスログファイルを抽出」するものであり、また、「アクセス解析サーバー4の抽出手段50による抽出が完了すると、クライアント端末6はアクセス解析サーバー4に抽出結果のダウンロードを指示することができ」るものである。そうすると、「抽出結果」は、「アクセスログ42」から抽出したものである。そして、「アクセスログ42」は「受信したアクセス情報を生成したアクセスログ42として保存」したものであるから、「抽出結果」の「抽出」は、「アクセス情報」に「基づいて」いるといえる。
また、ここで、「抽出」することは、本願発明1の「取得」することに相当する。

(カ)引用発明は、「クライアント端末6からアクセス解析サーバー4にダウンロードが指示されると、アクセス解析サーバー4の出力手段47が、アクセス情報格納部5の抽出結果データ領域5Bに保存している抽出結果を取り出して、抽出結果管理データベース46に保存しているこの抽出結果に対応する抽出名と企業名とを付加してクライアント端末6のダウンロード受信手段62に送信し、クライアント端末6が受信した抽出結果を抽出結果表示画面63に表示し、クライアントCL側が、メール配信システム64にて抽出結果に示されているユーザIDに対応する電子メールアドレスに広告メールを配信」するものであるところ、ここで、「メール配信システム64にて抽出結果に示されているユーザIDに対応する電子メールアドレスに広告メールを配信」することは、「ユーザID」により特定されるユーザに対する「広告メール」を用いた「サービス」の提供であり、「抽出結果」は、当該「サービス」を「サポート」する「情報」であるといえる。そうすると、引用発明の「抽出結果」、「抽出手段50」は、それぞれ、本願発明1の「第一サービスサポート情報」、「第一サービスサポート情報取得部」に相当する。

(キ)引用発明の「クライアント端末6」と「メール配信システム64」とからなる構成は、上記(ア)のとおり、「ウェブサーバー3」とともに「クライアント側CL」をなしており、当該構成は「クライアント」が管理するものであるといえるところ、「アクセス情報の解析サービスを提供する事業者が管理する」「アクセス解析サーバー4」とは管理主体が異なるが、これに対し、本願発明1は「ウエブ訪問者サービス装置」と「ウエブ訪問者情報収集装置」との管理主体の異同について特定するものではない。
また、「メール配信システム64にて抽出結果に示されているユーザIDに対応する電子メールアドレスに広告メールを配信」する配信先、すなわち「広告メール」を用いた「サービス」の提供先は、上記(ウ)の「ウェブサイト31」への「訪問者」であることが明らかである。
以上の点を考慮すると、引用発明の「クライアント端末6」と「メール配信システム64」とからなる構成は、本願発明1の「ウエブ訪問者サービス装置」に相当する。
また、引用発明において、「アクセス解析サーバー4の出力手段47」が「抽出結果」を「クライアント端末6のダウンロード受信手段62に送信」することは、換言すれば、引用発明の上記構成に対して、「抽出結果」を送信し、当該構成の「ダウンロード受信手段62」がそれを受信することである。
そして、引用発明の「アクセス解析サーバー4の出力手段47」、「クライアント端末6のダウンロード受信手段62」は、それぞれ、本願発明1の「第一サービスサポート情報送信部」、「第一サービスサポート情報受信部」に相当する。

(ク)引用発明の「クライアント端末6が受信した抽出結果を抽出結果表示画面63に表示し、クライアントCL側が、メール配信システム64にて抽出結果に示されているユーザIDに対応する電子メールアドレスに広告メールを配信」することにおける「ユーザID」は、「ユーザ端末2」が「アクセス解析サーバー4に送信」する「アクセス情報」に含まれる「ユーザID」に対応するものである。そうすると、「広告メール」は、「抽出結果」に「基づいて」、「サービス」(上記(カ))を提供する「ユーザ端末2」に対して「送信すべき情報」であって、本願発明1の「第一ウエブ閲覧端末用サービス情報」に相当する。
また、「メール配信システム64」は、当該「広告メール」を「取得」すること、そのための手段を有すること、かつそれを「配信」するための手段を有することが明らかであって、それらの手段は、それぞれ、本願発明1の「第一ウエブ閲覧端末用サービス情報取得部」、「第一ウエブ閲覧端末用サービス情報送信部」に相当する。

(ケ)引用発明の「電子メールターゲティングシステム」は、本願発明1の「ウエブサーバ支援システム」に相当する。

イ したがって、本願発明1と引用発明とは以下の点で一致する。
(一致点)
「ウエブサーバ装置と、前記ウエブサーバ装置に対応するウエブ訪問者サービス装置と、ウエブ訪問者情報収集装置と、からなるウエブサーバ支援システムであって、
前記ウエブサーバ装置は、
ウエブ閲覧端末内にてウエブ閲覧に起因して起動する起動プログラムを記述したウエブ情報をウエブ閲覧端末に対して送信するウエブ情報送信部を有し、
前記起動プログラムは、
起動後に、ウエブ閲覧端末にて前記起動プログラムを読み込んだウエブページの情報に限定されず、ウエブ閲覧端末内に保持されている情報であるウエブ閲覧端末内情報を、閲覧したウエブページのウエブサーバ装置に関連付けて収集するウエブ閲覧端末内情報収集部と、
収集されたウエブ閲覧端末内情報をウエブサーバ装置に関連付けてウエブ訪問者情報収集装置に送信するウエブ閲覧端末内情報送信部と、を構成し、
ウエブ訪問者情報収集装置は、
前記送信されるウエブサーバ装置に関連付けられたウエブ閲覧端末内情報を受信するウエブ閲覧端末内情報受信部と、
受信した「ウエブ閲覧端末内情報に関連付けられているウエブサーバ装置に対応した」ウエブ訪問者サービス装置に対して送信するための第一サービスサポート情報を、前記受信したウエブ閲覧端末内情報に基づいて取得する第一サービスサポート情報取得部と、
取得した第一サービスサポート情報を、「受信したウエブ閲覧端末内情報に関連付けられているウエブサーバ装置に対応した」ウエブ訪問者サービス装置に対して送信する第一サービスサポート情報送信部と、
を有し、
ウエブ訪問者サービス装置は、
第一サービスサポート情報を受信する第一サービスサポート情報受信部と、
受信した第一サービスサポート情報に基づいて当該サポートをすべきウエブ閲覧端末に対して送信すべき情報であり、前記起動プログラムを読み込んだウエブページのウエブ情報の閲覧の支援を行う情報である第一ウエブ閲覧端末用サービス情報を取得する第一ウエブ閲覧端末用サービス情報取得部と、
取得した第一ウエブ閲覧端末サービス情報を送信する第一ウエブ閲覧端末用サービス情報送信部と、
を有するウエブ訪問者サービス支援システム。」

ウ また、本願発明1と引用発明とは以下の点で相違する。
(相違点1)
本願発明1では、「ウエブサーバ装置」が「複数」存在し、「ウエブ訪問者サービス装置」も、「複数のウエブサーバ装置毎」に対応する「複数」が存在するものであり、これに伴い、「第一サービスサポート情報」の「ウエブ訪問者サービス装置」に対する「送信」を、「複数のウエブ訪問者サービス装置の中で」行うものであるのに対し、引用発明では、「ウェブサーバー3」、「クライアント端末6」と「メール配信システム64」とからなる構成のいずれについても、「複数」であるとの特定はない点。

(相違点2)
本願発明1の「起動プログラム」は、「ウエブ閲覧の所定の条件に起因して起動する」ものであるのに対し、引用発明の「ウェブページWP」に「埋め込まれ」た「スクリプトタグ23」は、「ユーザ端末2のブラウザが読み込むと実行される」ものであって、「ウェブページWP」の閲覧の「条件」との関係は特定されない点。

(相違点3)
本願発明1の「起動プログラム」の「ウエブ閲覧端末内情報収集部」が、「ウエブ閲覧端末内情報」を「閲覧したウエブページのウエブサーバ装置に関連付けて収集する」のは、「「ウエブ閲覧端末内情報に基づいて取得する後記する第一サービスサポート情報」の送信先を識別するために」であるのに対し、引用発明の「スクリプトタグ23」が所定の内容の「アクセス情報」を「作成」するのは、「アクセス解析サーバー4」が「抽出結果」を「送信」する送信先の「クライアント端末6」を「識別するため」ではない点。

(相違点4)
本願発明1の「第一ウエブ閲覧端末用サービス情報」は、「前記起動プログラムを読み込んだウエブページのウエブ情報の閲覧の支援を行う情報」であるのに対し、引用発明の「広告メール」は、「抽出条件に指定したアクセスページのカテゴリに関係する商品またはサービスの購入を勧める内容」である点。

(2)判断
事案に鑑みて、相違点3について先に検討する。
引用発明では、「アクセス解析サーバー4」から「クライアント端末6」へ「送信」される「抽出結果」は、「クライアント側CLによる抽出条件の設定が、クライアント端末6にてアクセス解析サーバー4にログインすることで行われる」ことを契機として、「アクセス情報」に「基づいて」(上記(1)ア(オ))、「アクセス解析サーバー4」が「抽出条件に適合するアクセスログファイルを抽出」することで得られるから、「抽出結果」の「送信」先は、「アクセス解析サーバー4にログインする」ことがなされた「クライアント端末6」である。したがって、「クライアント側CLによる抽出条件の設定が、クライアント端末6にてアクセス解析サーバー4にログインすることで行われる」前提では、「スクリプトタグ23」が「作成」する「アクセス情報」の内容を、「アクセス解析サーバー4」が「抽出結果」を「送信」する送信先の「クライアント端末6」を「識別するため」のものとすることは、本質的に不要であるといえる。
そして、引用発明において、上記前提を変更し、しかも、「スクリプトタグ23」が「作成」する「アクセス情報」の内容を、送信先の「クライアント端末6」を「識別するため」のものとすることが、当業者において容易に想到することができたと認めるに足りる証拠は見当たらない。引用文献2?5は、上記第6の1(1)2?5に摘記したそれぞれの主な記載事項からすれば、いずれもその証拠に当たらないことが明らかである。
よって、他の相違点について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用文献1?5に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえないから、本願発明1について、当審拒絶理由の理由2は解消した。

2 本願発明2?14について
本願発明2及び3は、いずれも、
「ウエブ閲覧端末内に保持されている情報であるウエブ閲覧端末内情報を、「ウエブ閲覧端末内情報に基づいて取得する後記する第一サービスサポート情報」の送信先を識別するために」、「閲覧したウエブページのウエブサーバ装置に関連付けて収集するウエブ閲覧端末内情報収集部」
との構成を含むことから、各発明を引用発明と対比したときの相違点には、相違点3が含まれる。
また、本願発明6?8は、それぞれ本願発明1?3とカテゴリが相違するのみであり、本願発明9?11は、それぞれ本願発明6?8に対応する「動作プログラム」の発明であり、本願発明4、本願発明5、本願発明12?14は、それぞれ、本願発明1?3、本願発明1?4、本願発明9?11のいずれかを減縮した発明である。
そうすると、本願発明2?14も本願発明1と同様の理由により、当業者であっても引用文献1?5に記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえないから、本願発明2?14について、当審拒絶理由の理由2は解消した。

第8 原査定についての判断
原査定で引用された引用文献A?Eは、当審拒絶理由で引用された引用文献1?5と同じであるから、本願発明1?14は、当業者であっても引用文献A?Eに記載された発明に基づいて容易に発明をすることができたものではない。
したがって、原査定を維持することはできない。

第9 むすび
以上のとおり、原査定の理由によって、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2021-01-26 
出願番号 特願2016-125005(P2016-125005)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 木村 雅也  
特許庁審判長 ▲吉▼田 耕一
特許庁審判官 富澤 哲生
野崎 大進
発明の名称 ウエブ訪問者サービス支援システム  
代理人 工藤 一郎  

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