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審決分類 |
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F |
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管理番号 | 1371345 |
審判番号 | 不服2019-14922 |
総通号数 | 256 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2021-04-30 |
種別 | 拒絶査定不服の審決 |
審判請求日 | 2019-11-06 |
確定日 | 2021-03-09 |
事件の表示 | 特願2015-541626「透明圧電パネル」拒絶査定不服審判事件〔平成27年 4月16日国際公開、WO2015/053345、請求項の数(3)〕について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 |
理由 |
第1 手続の経緯 本願は、2014年(平成26年)10月8日(優先権主張 平成25年10月8日、平成26年1月15日)を国際出願日とする出願であって、その手続の経緯は以下のとおりである。 平成30年 5月31日付け 拒絶理由通知書 平成30年10月11日 意見書、手続補正書の提出 平成31年 3月19日付け 拒絶理由(最後)通知書 令和 元年 7月25日 意見書の提出 令和 元年 8月 1日付け 拒絶査定 令和 元年11月 6日 審判請求書、手続補正書の提出 令和 元年12月19日 手続補正書の提出 第2 原査定の概要 原査定(令和元年8月1日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。 この出願の請求項1-3に係る発明は、その優先権主張日前に日本国内又は外国において、頒布された下記の引用文献に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その優先権主張日前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。 <引用文献等一覧> 1.特開2011-181748号公報 2.特開2012-242644号公報 3.国際公開第2013/089048号 第3 本願発明 本願請求項1-3に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明3」という。)は、令和元年11月6日付けの手続補正で補正された特許請求の範囲の請求項1-3に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。 「【請求項1】 第1の透明電極と、 フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体圧電フィルムである透明圧電フィルムと、 第2の透明電極と、 をこの順で有し、 平面方向の全体に渡って1cm四方毎に10箇所において全光透過率及び全ヘイズ値を測定したときの、全光透過率の平均値が85%以上、及びその変動係数が0.5%以下であり、かつ全ヘイズ値の平均値が5%以下、及びその変動係数が5.0%以下である、 透明圧電パネル。 【請求項2】 請求項1の透明圧電パネルと、 圧力検出部と、 位置検出部と、 を有する タッチ入力装置。 【請求項3】 請求項2に記載のタッチ入力装置 を有する電子機器。」 第4 引用文献、引用発明等 1 引用文献1について 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、分極化樹脂フィルムの製造方法に関する。 【背景技術】 【0002】 含フッ素樹脂フィルム等の樹脂フィルムには、分極処理によって表面に電荷を付与することや、強誘電性を付与することができる。このような、分極処理された樹脂フィルム、すなわち分極化樹脂フィルムは、電気的な特性を有した材料として有用であり、感圧センサー等のデバイスに応用できる。 多くの場合、分極処理は、延伸処理した樹脂フィルムを金属電極で挟んで印加することによって、実施される。 分極化樹脂フィルムとしては、例えば、特許文献1に記載の高分子圧電体フィルムや、非特許文献1に記載の分極処理を施したフィルムが挙げられる。」 「【0011】 本発明の分極化樹脂フィルムの製造方法は、ポリマーを製膜して得られた樹脂フィルムを、延伸することなく、コロナ放電処理により分極させる工程を含むことを特徴とする。 【0012】 <ポリマーを製膜して得られた樹脂フィルム> 本発明で用いられる「ポリマーを製膜して得られた樹脂フィルム」は、例えば、下記の方法で製造することができる。 当該ポリマーは、樹脂フィルムを形成できるものであれば特に限定されないが、例えば、 ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、フッ化ビニル-フッ化ビニリデン共重合体、ポリテトラフルオロエチレン(PTFE)、テトラフルオロエチレン-パーフルオロアルコキシエチレン共重合体(PFA)、テトラフルオロエチレン-ヘキサフルオロプロピレン共重合体(FEP)、フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン共重合体、フッ化ビニリデン-テトラフルオロエチレン共重合体等の含フッ素ポリマー;ならびに ポリエチレン(例、低密度ポリエチレン)、ポリプロピレン、エチレン-ブテン共重合体、イオン架橋オレフィン共重合体、エチレン-アクリル共重合体、塩化樹脂(例、ポリ塩化ビニル、塩素化ポリオレフィン)、熱可塑性ポリエステル(例、ポリエチレンテレフタレート、ポリエチレンナフタレート、ポリブチレンテレフタレート)、ポリアミド(例、ナイロン6、ナイロン12、ナイロン6,6、ナイロン6,10)、ポリイミド、およびアクリル系樹脂等が挙げられる。 これらのポリマーは単独で、または2種以上の組み合わせで用いられる。 当該ポリマーは、表面電荷フィルムを製造する場合、無極性のポリマーが好ましく、強誘電性フィルムを製造する場合、極性かつ結晶性のポリマーが好ましい。 また、本発明で用いられるポリマーは、オリゴマーでないものが好ましく、重合度が60量体以上のものが好ましい。 当該ポリマーとして具体的には、得られるフィルムが分極し易いこと、分極状態の保持に優れることなどから、含フッ素ポリマーが好ましい。なかでも、フッ化ビニリデン-トリフルオロエチレン共重合体、またはフッ化ビニリデン-テトラフルオロエチレン共重合体がより好ましく、フッ化ビニリデン-テトラフルオロエチレン共重合体が特に好ましい。 当該ポリマーの製膜による樹脂フィルムの形成方法は、樹脂フィルムを延伸しない方法である限り特に限定は無く、ポリマー溶液を用いたキャスティング法、熱プレス法、溶融押出法等の公知の方法を採用することができる。 本発明で用いられる樹脂フィルムは、前記ポリマーに加えて、樹脂フィルムに通常用いられる添加剤を含有してもよい。 当該樹脂フィルムの厚さは、特に限定されないが、通常1?200μmであり、特に透明性を必要とされる樹脂フィルムの場合、好ましくは1?100μm、より好ましくは1?50μmである。 当該樹脂フィルムは、延伸されていないことが必要とされる。 また、このような樹脂フィルムは、公知のものであり、例えば、市販品にて入手してもよい。 なお、「ポリマーを製膜して得られた樹脂フィルム」は、製膜した後、熱処理されたものが好ましい。これについては、下記で詳細に説明する。 【0013】 <コロナ放電処理による分極> 本発明の製造方法では、前記樹脂フィルムを、延伸することなく、コロナ放電処理により分極させる。 ここで、「延伸することなく」とは、前記樹脂フィルムが、分極前にも延伸されず、かつ分極時においても延伸されないことを意味する。 下記に、図1を参照して、本発明の製造方法におけるコロナ放電処理を説明する。 【0014】 本発明においてコロナ放電処理に用いる装置の一態様の斜視図を図1に示す。コロナ放電の際は、負コロナ、正コロナいずれを用いてもよいが、分極のしやすさの観点から負コロナを用いることが望ましい。 負コロナを発生する上部電極としての線状電極1は、アースされた下部電極であるグランド電極2と並行に配置され、かつ高圧電源3に接続されている。線状電極1とグランド電極2との間の距離は、好ましくは1mm?50mmである。 また、図1に示すような線状電極1に換えて、グランド電極2に対して垂直に配置され、互いに一定の間隔(例、5?50mm)で、1次元(直線上)または2次元に配置された、複数の針状電極を用いてもよい。この場合、針状電極の先端とグランド電極2との間の距離は、一定であり、かつ、好ましくは1mm?50mmである。 線状電極1は、樹脂フィルム4全体にコロナ放電処理できるように、グランド電極2に対して、図1中に示す矢印方向に移動できように構成されている。また、ロール等によって、樹脂フィルム4が移動するするように、構成されていてもよい。 また、所望により、複数の線状電極を設置してもよい。 工程Aで用意された樹脂フィルム4は、グランド電極2上に接して配置される。 線状電極1をグランド電極2に対して移動させながら、線状電極1とグランド電極2に高電圧を印加することで、樹脂フィルム4が分極される。 線状電極1とグランド電極2に印加される電圧は、好ましくは、5kV?30kVである。 印加時間は、好ましくは、5秒間?3分間である。 線状電極1の好ましい移動速度は、線状電極1の数などによって異なるが、例えば線状電極1の数が1つの場合は、好ましい移動速度は、10cm/分?1000cm/分である。線状電極1の数が多いほど、移動速度を早くすることができる。 グランド電極2は、温度制御装置5に接続されており、グランド電極2の温度を制御することで、電圧の印加時の樹脂フィルム4の温度を調整することができる。樹脂フィルム4の温度は、温度計等で確認できる。 電圧の印加時の樹脂フィルム4の温度は、好ましくは、20℃?120℃より好ましくは20℃?85℃である。分極中に加熱しながら放電することにより、チャージされた電荷、圧電性の耐熱性を向上させることができる。 上記のようなコロナ放電処理は、2回以上、繰り返してもよい。 【0015】 なお、上述のように「ポリマーを製膜して得られた樹脂フィルム」は、製膜した後、熱処理されたものであってもよい。 熱処理の方法は、前記樹脂フィルムが延伸されない限り、特に限定されないが、例えば、樹脂フィルムを2枚の金属板で挟み、当該金属板を加熱したり、樹脂フィルムのロールを恒温槽中で加熱することにより行うことができる。前記のグランド電極2は、この金属板を兼ねることができる。 この熱処理により、樹脂フィルムの結晶化度を向上させて、圧電性を向上させることができる。当該熱処理の温度はポリマーの種類等によって異なるが、具体的には例えば、融点-100℃?融点+50℃である。ここで、融点以上に加熱する場合は、加熱後、緩や かに冷却することが好ましく、融点未満に加熱する場合は、加熱を維持することが好ましい。なお、ここで、融点とは、樹脂フィルムを構成する前記ポリマーの融点を意味する。 また、この熱処理により、樹脂フィルムの残留応力を下げ、加熱によるフィルムの収縮等の変形を減らすことができる。この場合の加熱温度は、融点未満である。 また、透明な樹脂フィルムにおいて、フィルムの透明性を維持する観点からは、融点未満で熱処理することが好ましい。 熱処理の時間はフィルムの量(体積、重量)にもよるが、好ましくは、30分?240時間である。 熱処理後、所望により、工程Bの前に、樹脂フィルムを所定温度まで冷却する。当該温度は、好ましくは、0℃?50℃であり、冷却速度は、好ましくは、15℃/分?0.5℃/分である。 【0016】 なお、上記で説明した本発明の態様は、本発明の一態様を示したものであって、本発明は、これに限定されるものではなく、本発明の要件を備え、本発明の目的及び効果を達成できる範囲内での変形や改良が可能であり、このような変形物及び改良物もまた、本発明の内容に含まれるものであることはいうまでもない。 【0017】 本発明の製造方法で製造される分極化樹脂フィルムは、実質的に異方性が無く、かつ表面の傷が少なく、感圧センサー等のデバイスに好適に用いることができる。 ここで、分極化樹脂フィルムの異方性は、偏光顕微鏡によって、確認することができる。 また、分極化樹脂フィルムの表面の傷は、肉眼で確認することができる。また、透明樹脂フィルムの場合は、HAZE値が小さいこともまた、分極化樹脂フィルムの表面の傷が少ないことの指標の一つにすることができる。」 「【0019】 (1)電気機械結合係数:kt 透明圧電フィルムの両側にAl蒸着電極を形成し、透明圧電フィルムの所定箇所について、13mmの円板を切り出し、インピーダンスアナライザ(ヒューレットパッカード社製4194A)を用いて測定し、H. Ohigashiら、「The application of ferroelectric polymer, Ultrasonic transducers in the megahertz range」に記載の方法により、電気機械結合係数を算出した。 (2)光透過性試験:TL (株)東洋精機製作所製のヘイズガードIIを使用し、ASTM D1003に記載の方法に基づいて測定した。 (3)HAZE試験 (株)東洋精機製作所製のヘイズガードIIを使用し、ASTM D1003に記載の方法に基づいて測定した。 【0020】 [製造例1](樹脂フィルムの製造) 下記の製造法により、それぞれ厚さ20μm(実施例1)、30μm(実施例2?3、および19)、40μm(実施例4?12、16、および20?28)、50μm(実施例13?14)、80μm(実施例17)、および100μm(実施例15、および18)の、フッ化ビニリデン-テトラフルオロエチレン共重合体フィルム(モル比 80:20)を製造した。 このうち、厚さ20μm(実施例1)、30μm(実施例2?3、および19)、40μm(実施例4?12、16、および20?28)、50μm(実施例13?14)、および100μm(実施例15)のフィルムは、フッ化ビニリデン-テトラフルオロエチレン共重合体(モル比 80:20)のジメチルアセトアミド(DMAc)溶液をPET基材上に流延し、180℃で溶媒を気化させて成形した。 厚さ40μm(実施例16)のフィルムは、成形後、110℃で1時間加熱後、1時間に5℃の速度で80℃までゆっくりと冷却した。 厚さ30μm(実施例19)のフィルムは、成形後、150℃で1時間加熱後、1時間に15℃の速度で80℃までゆっくりと冷却した。 上記において、各丸括弧内の実施例番号は、これらのフィルムを用いた実施例を示す。なお、下記の実施例において、これらのフィルムは、適当な大きさに裁断して用いた。 一方、厚さ80μm(実施例17)、および100μm(実施例18)のフィルムは、フッ化ビニリデン-テトラフルオロエチレン共重合体(モル比 80:20)からなるペレット状溶融物を、T-ダイを設置したフィルム製造設備を用いて成形した。 【0021】 [実施例1] 製造例1で作成したフィルム(厚さ20μm)に対して、上述の図1にその概要が示される装置(以下、図1の装置と称する。)を作成して用い、室温環境下でコロナ放電による分極処理を行った。すなわち、25℃に保った、SUS製の、上面が平坦なグランド電極(10mmx10mm)上に13mmx13mmに切り出した透明圧電フィルム(厚さ20μm)を設置し、上部電極として、フィルムから10mm上空に離れた位置に1本のタングステンワイヤー(r=0.1mm)をグランド電極の上面に平行になるように渡し、この線状電極に加える直流電圧を0kVから印加電圧である8kV(トレック社製610Dの高圧電源)まで増加させた後に、印加電圧8kVで2分間固定する事によって、グランド電極を固定したまま分極処理を行って、透明な分極化樹脂フィルムを得た。なお、分極処理時には、フィルムの温度がグランド電極と同じ25℃であることを確認した。ここで、フィルムと上部電極(線状電極)との距離は、上部電極とグランド電極の距離と実質的に同じであり、以下、これを電極間距離と称する。 なお、以後の実施例において、高圧電源としては、印加電圧が1?10kVの時はトレック社製610Dを用い、印加電圧が1?10kVより高いときは、エレメント有限会社製ELSL-30K1Nを用いた。 得られた分極化樹脂フィルムについて、電気機械結合係数ktを測定した。その結果を下記の表1に示す。 【0022】 [実施例2?22] それぞれ、製造例1で作成した、上述のフィルムを、下記の表1に記載した電極間距離、印加電圧、処理時間(分極処理時間)、および処理温度(分極処理温度)の条件で分極処理した。得られた分極化樹脂フィルムについて、電気機械結合係数ktを測定した。その結果を下記の表3に示す。なお、実施例2?18、および20?22では透明な分極化樹脂フィルムが得られ、実施例19では白濁した分極化樹脂フィルムが得られた。」 「【0026】 [試験例1] (透過率、およびヘイズ値) 上記の方法で、表5に記載の実施例の分極化フィルムについて、それぞれ透過率、およびヘイズ値を求めた。結果を表5に示す。 【表5】 」 「【産業上の利用可能性】 【0028】 本発明の製造方法は、感圧センサー等のデバイスに好適に用いることができる分極化樹脂フィルムの製造方法として利用することができる。」 上記記載から、引用文献1には以下の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。 「感圧センサー等のデバイスであって、 フッ化ビニリデン-テトラフルオロエチレン共重合体ポリマーを製膜して得られた樹脂フィルムであって、 透過率が95%、ヘイズ値が1.67?3である、 樹脂フィルムを用いた感圧センサー等のデバイス。」 2 引用文献2について 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献2には、図面とともに次の事項が記載されている。 「【技術分野】 【0001】 本発明は、太陽光の赤外線などの透過率を減少させる部材に用いられる赤外線遮蔽フィルム及びそれを用いた赤外遮蔽媒体に関するものである。」 「【0163】 〔光学特性のばらつきの評価〕 上記分光光度計(積分球使用、日立製作所製、U-4000型)により、550nmにおける透過率及び1200nmにおける透過率の測定を、各点が1mm離れた20の点について行い、得られた透過率の変動係数(標準偏差/平均値、%)を求め、これをばらつきの尺度とした。変動係数が大きいほど、位置による性能ばらつきが大きいことを示しており、5.0%を超える場合は製品品質として問題がある領域と判定した。」 3 引用文献3について 原査定の拒絶の理由に引用された引用文献3には、図面とともに次の事項が記載されている。 「技術分野 [0001] 本発明は、指等で操作入力された位置と当該操作時の押し込み量とを検出するタッチ式操作入力装置に関する。」 「[0031] 押圧力検出部3は、圧電センサ10Pからの出力電圧とタッチセンサ10Dからの位置検出信号とに基づいて、タッチパネル10に対する押圧力Pを検出する。なお、図示していないが、タッチ式操作入力装置1は、タッチセンサ10Dからの位置検出信号に基づいて、タッチ位置を検出する機能部も備えている。」 「[0054] このような特性を有するPLLAからなる圧電フィルム100の第1主面100STには、静電容量検出用電極となる複数の第1線状電極11A,11B,11C,11D,11E,11Fと、押圧力検出用電極となる第3線状電極13A,13B,13C,13D,13E,13F,13G,13H,13I,13J,13K,13Lが図5,図6に示すようなパターンで形成されている。これら複数の第1線状電極11A?11Fと、線状電極13A?13Lは、ITO、ZnO、銀ナノワイヤ、ポリチオフェンを主成分とする有機電極、ポリアニリンを主成分とする有機電極のいずれかを用いるのが好適である。これらの材料を用いることで、透光性の高い電極パターンを形成できる。尚、透明性が必要とされない場合には銀ペーストにより形成された電極や、蒸着やスパッタ、あるいはメッキなどにより形成された金属系の電極を用いることもできる。 [0055] 複数の第1線状電極11A?11Fは、同じ形状からなる。具体的に、例えば、第1線状電極11Aは、複数の幅広部111と複数の幅狭部112と一対の端部用の幅広部113を備える。各幅広部111は、正方形からなる。幅狭部112は幅に対して長さの長い矩形状からなる。端部用の幅広部113は、略二等辺三角形からなる。複数の幅広部111と複数の幅狭部112は、第1線状電極11Aの延びる方向に沿って、交互に並ぶように接続されている。この際、各幅広部111は、正方形の対角線と幅狭部112に対する接続方向とが平行になるように、幅狭部112に接続される。さらに、各幅広部111は、当該対角線を形成する一対の頂角で、幅狭部112に接続される。 [0056] 第1線状電極11Aの延びる方向の両端には、端部用の幅広部113が備えられている。複数の幅広部111と複数の幅狭部112とからなる連続の電極パターンの両端は、幅狭部112によって端部用の幅広部113へ接続されている。この際、端部用の幅広部113は、二等辺三角形の頂角で幅狭部112に接続されている。 [0057] 複数の第1線状電極11A?11Fは、圧電フィルム100の第1主面100STにおける第1方向に沿って延びるように形成されている。複数の第1線状電極11A?11Fは、第1主面100STにおける前記第1方向と直交する第2方向に沿って、所定間隔をおいて形成されている。この際、複数の第1線状電極11A?11Fは、それぞれの幅広部111が第1方向に沿った同じ位置となるように、言い換えれば、それぞれに幅広部111が第2方向に沿って配列されるように、形成されている。 [0058] ここで、第1方向と第2方向は、圧電フィルム100の一軸延伸方向900に対して略45°の角度を成す方向に設定されている。略45°とは、例えば45°±10°程度を含む角度をいう。これらの角度は、変位センサの用途に基づき、曲げの検知精度など全体の設計に応じて、適宜決定されるべき設計事項である。 [0059] 複数の第3線状電極13A?13Lは、第1線状電極11A?11Fの外径形状に沿う形状で、当該第1線状電極11A?11Fから離間して形成されている。 [0060] 具体的には、第3線状電極13Aは、第1線状電極11Aにおける第1線状電極11Bと反対側の外径形状に沿って、当該第1線状電極11Aから離間して形成されている。 [0061] 第3線状電極13Bは、第1線状電極11Aにおける第1線状電極11B側の外径形状に沿って、当該第1線状電極11Aから離間して形成されている。第3線状電極13Cは、第1線状電極11Bにおける第1線状電極11A側の外径形状に沿って、当該第1線状電極11Bから離間して形成されている。第3線状電極13B,13Cは、第1線状電極の幅広部111および端部の幅広部113の角部付近で互いに接続している。 [0062] 第3線状電極13Dは、第1線状電極11Bにおける第1線状電極11C側の外径形状に沿って、当該第1線状電極11Bから離間して形成されている。第3線状電極13Eは、第1線状電極11Cにおける第1線状電極11B側の外径形状に沿って、当該第1線状電極11Cから離間して形成されている。第3線状電極13D,13Eは、第1線状電極の幅広部111および端部の幅広部113の角部付近で互いに接続している。 [0063] 第3線状電極13Fは、第1線状電極11Cにおける第1線状電極11D側の外径形状に沿って、当該第1線状電極11Cから離間して形成されている。第3線状電極13Gは、第1線状電極11Dにおける第1線状電極11C側の外径形状に沿って、当該第1線状電極11Dから離間して形成されている。第3線状電極13F,13Gは、第1線状電極の幅広部111および端部の幅広部113の角部付近で互いに接続している。 [0064] 第3線状電極13Hは、第1線状電極11Dにおける第1線状電極11E側の外径形状に沿って、当該第1線状電極11Dから離間して形成されている。第3線状電極13Iは、第1線状電極11Eにおける第1線状電極11D側の外径形状に沿って、当該第1線状電極11Eから離間して形成されている。第3線状電極13H,13Iは、第1線状電極の幅広部111および端部の幅広部113の角部付近で互いに接続している。 [0065] 第3線状電極13Jは、第1線状電極11Eにおける第1線状電極11F側の外径形状に沿って、当該第1線状電極11Eから離間して形成されている。第3線状電極13Kは、第1線状電極11Fにおける第1線状電極11E側の外径形状に沿って、当該第1線状電極11Fから離間して形成されている。第3線状電極13J,13Kは、第1線状電極の幅広部111および端部の幅広部113の角部付近で互いに接続している。 [0066] 第3線状電極13Lは、第1線状電極11Fにおける第1線状電極11Eと反対側の外径形状に沿って、当該第1線状電極11Fから離間して形成されている。 [0067] 第3線状電極13A?13Kは、引き回し電極14によってまとめられており、外部回路へ接続されている。第1線状電極11A?11Fは、それぞれ個別に引き回し電極12A?12Fに接続され、当該引き回し電極12A?12Fを介して外部回路へ接続される。これら引き回し電極12A?12F,14は、第1線状電極11A?11Fと第3線状電極13A?13Kの形成領域よりも外側に形成されている。さらに、引き回し電極12A?12Fは第1方向の一方端に形成され、引き回し電極14は第1方向の他方端に形成されている。 [0068] また、圧電フィルム100の第2主面100SBには、静電容量検出用電極となる複数の第2線状電極21A,21B,21C,21D,21E,21Fと、押圧力検出用電極となる第4線状電極23A,23B,23C,23D,23E,23F,23G,23H,23I,23J,23K,23Lが図1,図3に示すようなパターンで形成されている。これら複数の第2線状電極21A?21Fと線状電極23A?23Lも、ITO、ZnO、銀ナノワイヤ、ポリチオフェンを主成分とする有機電極、ポリアニリンを主成分とする有機電極のいずれかを用いるのが好適である。これらの材料を用いることで、透光性の高い電極パターンを形成できる。尚、透明性が必要とされない場合には銀ペーストにより形成された電極や、蒸着やスパッタ、あるいはメッキなどにより形成された金属系の電極を用いることもできる。 [0069] 複数の第2線状電極21A?21Fは、同じ形状からなる。具体的に、例えば、第2線状電極21Aは、複数の幅広部211と複数の幅狭部212と一対の端部用の幅広部213を備える。各幅広部211は、正方形からなる。幅狭部212は幅に対して長さの長い矩形状からなる。端部用の幅広部213は、略二等辺三角形からなる。複数の幅広部211と複数の幅狭部212は、第2線状電極21Aの延びる方向に沿って、交互に並ぶように接続されている。この際、各幅広部211は、正方形の対角線と幅狭部212に対する接続方向とが平行になるように、幅狭部212に接続される。さらに、各幅広部211は、当該対角線を形成する一対の頂角で、幅狭部212に接続される。 [0070] 第2線状電極21Aの延びる方向の両端には、端部用の幅広部213が備えられている。複数の幅広部211と複数の幅狭部212とからなる連続の電極パターンの両端は、幅狭部212によって端部用の幅広部213へ接続されている。この際、端部用の幅広部213は、二等辺三角形の頂角で幅狭部212に接続されている。 [0071] 複数の第2線状電極21A?21Fは、圧電フィルム100の第2主面100SBにおける第2方向に沿って延びるように形成されている。複数の第2線状電極21A?21Fは、第2主面100SBにおける前記第2方向と直交する第1方向に沿って、所定間隔をおいて形成されている。この際、複数の第2線状電極21A?21Fは、それぞれの幅広部211が第2方向に沿った同じ位置となるように、言い換えれば、それぞれに幅広部211が第1方向に沿って配列されるように、形成されている。 [0072] また、複数の第2線状電極21A?21Fは、それぞれの幅広部221が圧電フィルム100を介して第1線状電極11A?11Fの幅広部111と対向しないように、形成されている。言い換えれば、第1主面100ST側から見て、複数の第2線状電極21A?21Fを構成する各幅広部221が、第1線状電極11A?11Fを構成する各幅広部111に重ならないように、第2線状電極21A?21Fは形成されている。さらに別の表現をすれば、複数の第1線状電極11A?11Fおよび複数の第2線状電極21A?21Fは、幅狭部112,212の部分でのみ圧電フィルム100を介して対向している。 [0073] さらには、第1主面100ST側から見て、複数の第2線状電極21A?21Fを構成する各幅広部221と、第1線状電極11A?11Fを構成する各幅広部111との間に所定の幅の隙間ができるように、第1線状電極11A?11Fおよび第2線状電極21A?21Fは形成されている。そして、この隙間の幅は、上述の第1主面100STに形成される線状電極13A?13Kが、第1主面100ST側から見て隙間内に収まるように、設定されている。 [0074] 複数の第4線状電極23A?23Lは、第2線状電極21A?21Fの外径形状に沿う形状で、当該第2線状電極21A?21Fから離間して形成されている。 [0075] 具体的には、第4線状電極23Aは、第2線状電極21Aにおける第2線状電極21Bと反対側の外径形状に沿って、当該第2線状電極21Aから離間して形成されている。 [0076] 第4線状電極23Bは、第2線状電極21Aにおける第2線状電極21B側の外径形状に沿って、当該第2線状電極21Aから離間して形成されている。第4線状電極23Cは、第2線状電極21Bにおける第2線状電極21A側の外径形状に沿って、当該第2線状電極21Bから離間して形成されている。第4線状電極23B,23Cは、第2線状電極の幅広部211および端部の幅広部213の角部付近で互いに接続している。 [0077] 第4線状電極23Dは、第2線状電極21Bにおける第2線状電極21C側の外径形状に沿って、当該第2線状電極21Bから離間して形成されている。第4線状電極23Eは、第2線状電極21Cにおける第2線状電極21B側の外径形状に沿って、当該第2線状電極21Cから離間して形成されている。第4線状電極23D,23Eは、第2線状電極の幅広部211および端部の幅広部213の角部付近で互いに接続している。 [0078] 第4線状電極23Fは、第2線状電極21Cにおける第2線状電極21D側の外径形状に沿って、当該第2線状電極21Cから離間して形成されている。第4線状電極23Gは、第2線状電極21Dにおける第2線状電極21C側の外径形状に沿って、当該第2線状電極21Dから離間して形成されている。第4線状電極23F,23Gは、第2線状電極の幅広部211および端部の幅広部213の角部付近で互いに接続している。 [0079] 第4線状電極23Hは、第2線状電極21Dにおける第2線状電極21E側の外径形状に沿って、当該第2線状電極21Dから離間して形成されている。第4線状電極23Iは、第2線状電極21Eにおける第2線状電極21D側の外径形状に沿って、当該第2線状電極21Eから離間して形成されている。第4線状電極23H,23Iは、第2線状電極の幅広部211および端部の幅広部213の角部付近で互いに接続している。 [0080] 第4線状電極23Jは、第2線状電極21Eにおける第2線状電極21F側の外径形状に沿って、当該第2線状電極21Eから離間して形成されている。第4線状電極23Kは、第2線状電極21Fにおける第2線状電極21E側の外径形状に沿って、当該第2線状電極21Fから離間して形成されている。第4線状電極23J,23Kは、第2線状電極の幅広部211および端部の幅広部213の角部付近で互いに接続している。 [0081] 第4線状電極23Lは、第2線状電極21Fにおける第2線状電極21Eと反対側の外径形状に沿って、当該第2線状電極21Fから離間して形成されている。 [0082] そして、第2主面100SBに形成された第4線状電極23A?23Lと第1主面100STに形成された第3線状電極13A?13Kは、幅広部211,213と幅広部111,113との間に生じる第1主面100ST側から見た隙間において、略全長に亘り、圧電フィルム100を介して、互いに対向するように形成されている。 [0083] 例えば、図5に示すように、第4線状電極23Aは、第2線状電極21Aの端部用の幅広部213と第1線状電極11Aの端部用の幅広部113との間において、第3線状電極13Aに対向する。また、第4線状電極23Aは、第2線状電極21Aの幅広部211と第1線状電極11A,11Bの端部用の幅広部113との間において、それぞれ第3線状電極13B,13Cに対向する。 [0084] なお、図5に示すように、第4線状電極23Aの他の箇所も同様に、第3線状電極13D?13Lに対向し、他の第4線状電極23B?23Lも、それぞれ第3線状電極13A?13Lに対向する。 [0085] 第4線状電極23A?23Kは、引き回し電極24によってまとめられており、外部回路へ接続されている。第2線状電極21A?21Fは、それぞれ個別に引き回し電極22A?22Fに接続され、当該引き回し電極22A?22Fを介して外部回路へ接続される。これら引き回し電極22A?22F,24は、第2線状電極21A?21Fと第4線状電極23A?23Kの形成領域よりも外側に形成されている。さらに、引き回し電極22A?22Fは第2方向の一方端に形成され、引き回し電極24は第2方向の他方端に形成されている。 [0086] このように第1線状電極11A?11F、第3線状電極13A?13L、第2線状電極21A?21Fおよび第4線状電極23A?23Lが形成された圧電フィルム100により、タッチパネル1のタッチパネル10が構成される。」 図1 図5 第5 対比・判断 1 本願発明1について (1)対比 本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。 ア 引用発明の「フッ化ビニリデン-テトラフルオロエチレン共重合体ポリマーを製膜して得られた樹脂フィルム」は、本願発明1の「フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体圧電フィルムである透明圧電フィルム」に相当する。 イ 引用発明の「感圧センサー等のデバイス」と本願発明1の「透明圧電パネル」は、デバイスである点で共通する。 ウ そうすると、本願発明1と引用発明との間には、次の一致点、相違点があるといえる。 [一致点] 「フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体圧電フィルムである透明圧電フィルムを用いた、 デバイス。」 [相違点1] デバイスについて、本願発明1は「第1の透明電極と、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体圧電フィルムである透明圧電フィルムと、第2の透明電極と、をこの順で有」する「透明圧電パネル」であるのに対して、引用発明は「樹脂フィルムを用いた感圧センサー等のデバイス」であるものの、「樹脂フィルム」をどのように用いて「感圧センサー等のデバイス」とするのか、具体的に記載されていない点。 [相違点2] 本願発明1は、「第1の透明電極と、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体圧電フィルムである透明圧電フィルムと、第2の透明電極と、をこの順で有」する「透明圧電パネル」が、「平面方向の全体に渡って1cm四方毎に10箇所において全光透過率及び全ヘイズ値を測定したときの、全光透過率の平均値が85%以上、及びその変動係数が0.5%以下であり、かつ全ヘイズ値の平均値が5%以下、及びその変動係数が5.0%以下である」のに対して、引用発明は、「樹脂フィルムを用いた感圧センサー等のデバイス」について、その一部を構成する「樹脂フィルム」の「透過率が95%、ヘイズ値が1.67?3である」ことは記載されているものの、「樹脂フィルムを用いた感圧センサー等のデバイス」の透過率やヘイズ値、またそれらの変動値がどのような値であるのか具体的に記載されていない点。 (2)相違点についての判断 事案に鑑みて、上記相違点2について先に検討すると、相違点2に係る本願発明1の「第1の透明電極と、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体圧電フィルムである透明圧電フィルムと、第2の透明電極と、をこの順で有」する「透明圧電パネル」が、「平面方向の全体に渡って1cm四方毎に10箇所において全光透過率及び全ヘイズ値を測定したときの、全光透過率の平均値が85%以上、及びその変動係数が0.5%以下であり、かつ全ヘイズ値の平均値が5%以下、及びその変動係数が5.0%以下である」ことは、上記引用文献1ないし3には記載されておらず、本願優先権主張日前において周知技術であるともいえない。 したがって、本願発明1は、相違点1を検討するまでもなく、当業者であっても引用発明、引用文献2,3に記載された技術的事項に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 2 本願発明2、3について 本願発明2および3も、本願発明1の「第1の透明電極と、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体圧電フィルムである透明圧電フィルムと、第2の透明電極と、をこの順で有」する「透明圧電パネル」が、「平面方向の全体に渡って1cm四方毎に10箇所において全光透過率及び全ヘイズ値を測定したときの、全光透過率の平均値が85%以上、及びその変動係数が0.5%以下であり、かつ全ヘイズ値の平均値が5%以下、及びその変動係数が5.0%以下である」という事項を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明に基づいて容易に発明できたものであるとはいえない。 第6 原査定について 審判請求時の補正により、本願発明1ないし3は、「第1の透明電極と、フッ化ビニリデン/テトラフルオロエチレン共重合体圧電フィルムである透明圧電フィルムと、第2の透明電極と、をこの順で有」する「透明圧電パネル」が、「平面方向の全体に渡って1cm四方毎に10箇所において全光透過率及び全ヘイズ値を測定したときの、全光透過率の平均値が85%以上、及びその変動係数が0.5%以下であり、かつ全ヘイズ値の平均値が5%以下、及びその変動係数が5.0%以下である」という事項を有するものとなっており、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用文献1ないし3に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。したがって、原査定の理由を維持することはできない。 第7 むすび 以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。 また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 2021-02-22 |
出願番号 | 特願2015-541626(P2015-541626) |
審決分類 |
P
1
8・
121-
WY
(G06F)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 菅原 浩二 |
特許庁審判長 |
稲葉 和生 |
特許庁審判官 |
小田 浩 富澤 哲生 |
発明の名称 | 透明圧電パネル |
代理人 | 特許業務法人三枝国際特許事務所 |