• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 H04W
管理番号 1374259
審判番号 不服2020-10308  
総通号数 259 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-07-30 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-07-22 
確定日 2021-06-01 
事件の表示 特願2019- 19479「データ伝送インジケーション方法、アクセスポイント、及び端末」拒絶査定不服審判事件〔令和 1年 5月30日出願公開、特開2019- 83571、請求項の数(24)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2014年(平成26年)1月28日を国際出願日とする特願2016-549029号の一部を、平成31年2月6日に新たな特許出願としたものであって、その手続の経緯は以下のとおりである。

平成31年 2月18日 手続補正書の提出
令和 元年12月10日付け 拒絶理由通知書
令和 2年 3月 4日 意見書、手続補正書の提出
令和 2年 3月18日付け 拒絶査定
令和 2年 7月22日 拒絶査定不服審判の請求、手続補正書の提

令和 2年12月24日 上申書の提出

第2 原査定の概要
原査定(令和2年3月18日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
1.(進歩性)この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

・請求項1-24
・引用文献等1-3

<引用文献等一覧>
1.米国特許出願公開第2013/0286959号明細書
2.特表2013-526153号公報
3.Simone Merlin(Qualcomm),ACK protocol and backoff procedure for MU-MIMO,IEEE 802.11-10/1092r0,2010年 9月14日

第3 本願発明について
本願の請求項1ないし24に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」ないし「本願発明24」という。)は、令和2年7月22日の手続補正により補正された特許請求の範囲の請求項1ないし24に記載された事項により特定される発明であり、本願発明1ないし24は以下のとおりの発明である。

「 【請求項1】
データ伝送インジケーション方法であって、
アクセスポイントにより、直交周波数分割多重化(OFDM)モードにおいて、直交周波数分割多元接続(OFDMA)物理層シグナリングを端末に送信するステップであって、前記OFDMA物理層シグナリングは、ダウンリンクOFDMAデータ情報を受信するために前記端末に対して割り振られた第1のサブチャネルを前記端末に示し、それにより、前記端末は前記OFDMA物理層シグナリングに従って前記第1のサブチャネルを判定する、ステップと、
前記アクセスポイントにより、OFDMAモードにおいて、前記端末に対して割り振られた前記第1のサブチャネル上で前記ダウンリンクOFDMAデータ情報を送信するステップであって、前記ダウンリンクOFDMAデータ情報は、OFDMAモードにおいて前記ダウンリンクOFDMAデータ情報のACK応答又はBA応答を前記アクセスポイントに送信するように前記端末に指示する第1の部分と、前記OFDMAモードにおいて前記ACK応答又は前記BA応答を前記アクセスポイントに送信するために前記端末に対して割り振られた第2のサブチャネルを前記端末に示す第2の部分とを含む、ステップと、
前記アクセスポイントにより、前記OFDMAモードにおいて前記第2のサブチャネル上で前記端末により送信された前記ACK応答又は前記BA応答を受信するステップとを含む方法。
【請求項2】
前記アクセスポイントにより、前記OFDMAモードにおいて前記端末により送信されたアップリンクOFDMAデータ情報を受信するステップをさらに含む請求項1に記載の方法。
【請求項3】
チャネル帯域幅は1つ又は複数の20MHzであり、前記OFDMAモードにおける前記チャネル帯域幅のサブキャリアの量は、前記OFDMモードにおける前記チャネル帯域幅のサブキャリアの量のK倍であり、Kは整数である請求項1に記載の方法。
【請求項4】
前記OFDMAモードにおけるサブキャリアの量は、20MHzあたり64*Kである請求項3に記載の方法。
【請求項5】
前記第1のサブチャネルは、1つ又は複数のサブキャリアを含む請求項1に記載の方法。
【請求項6】
前記OFDMA物理層シグナリングは、前記端末の識別子及び前記第1のサブチャネルの情報を含む請求項1に記載の方法。
【請求項7】
送信機と受信機とを含み、アクセスポイントとして動作するネットワーク装置であって、
前記送信機は、
直交周波数分割多重化(OFDM)モードにおいて、直交周波数分割多元接続(OFDMA)物理層シグナリングを端末に送信し、ここで、前記OFDMA物理層シグナリングは、ダウンリンクOFDMAデータ情報を受信するために前記端末に対して割り振られた第1のサブチャネルを前記端末に示し、それにより、前記端末は前記OFDMA物理層シグナリングに従って前記第1のサブチャネルを判定し、
OFDMAモードにおいて、前記端末に対して割り振られた前記第1のサブチャネル上で前記ダウンリンクOFDMAデータ情報を送信し、ここで、前記ダウンリンクOFDMAデータ情報は、OFDMAモードにおいて前記ダウンリンクOFDMAデータ情報のACK応答又はBA応答を前記アクセスポイントに送信するように前記端末に指示する第1の部分と、前記OFDMAモードにおいて前記ACK応答又は前記BA応答を前記アクセスポイントに送信するために前記端末に対して割り振られた第2のサブチャネルを前記端末に示す第2の部分とを含む、ように構成され、
前記受信機は、前記OFDMAモードにおいて前記第2のサブチャネル上で前記端末により送信された前記ACK応答又は前記BA応答を受信するように構成されるネットワーク装置。
【請求項8】
前記受信機は、前記OFDMAモードにおいて前記端末により送信されたアップリンクOFDMAデータ情報を受信するようにさらに構成される請求項7に記載のネットワーク装置。
【請求項9】
チャネル帯域幅は1つ又は複数の20MHzであり、前記OFDMAモードにおける前記チャネル帯域幅のサブキャリアの量は、前記OFDMモードにおける前記チャネル帯域幅のサブキャリアの量のK倍であり、Kは整数である請求項7に記載のネットワーク装置。
【請求項10】
前記OFDMAモードにおけるサブキャリアの量は、20MHzあたり64*Kである請求項9に記載のネットワーク装置。
【請求項11】
前記第1のサブチャネルは、1つ又は複数のサブキャリアを含む請求項7に記載のネットワーク装置。
【請求項12】
前記OFDMA物理層シグナリングは、前記端末の識別子及び前記第1のサブチャネルの情報を含む請求項7に記載のネットワーク装置。
【請求項13】
データ伝送インジケーション方法であって、
端末により、直交周波数分割多重化(OFDM)モードにおいて、アクセスポイントから直交周波数分割多元接続(OFDMA)物理層シグナリングを受信するステップであって、前記OFDMA物理層シグナリングは、ダウンリンクOFDMAデータ情報を受信するために前記端末に対して割り振られた第1のサブチャネルを前記端末に示し、それにより、前記端末は前記OFDMA物理層シグナリングに従って前記第1のサブチャネルを判定する、ステップと、
前記端末により、前記端末に対して割り振られた前記第1のサブチャネル上で前記ダウンリンクOFDMAデータ情報を受信するステップであって、前記ダウンリンクOFDMAデータ情報は、OFDMAモードにおいて前記ダウンリンクOFDMAデータ情報のACK応答又はBA応答を前記アクセスポイントに送信するように前記端末に指示する第1の部分と、前記OFDMAモードにおいて前記ACK応答又は前記BA応答を前記アクセスポイントに送信するために前記端末に対して割り振られた第2のサブチャネルを前記端末に示す第2の部分とを含む、ステップと、
前記端末により、前記OFDMAモードにおいて、前記第2のサブチャネル上で前記ACK応答又は前記BA応答を前記アクセスポイントに送信するステップとを含む方法。
【請求項14】
前記端末により、前記OFDMAモードにおいて、アップリンクOFDMAデータ情報を前記アクセスポイントに送信するステップをさらに含む請求項13に記載の方法。
【請求項15】
チャネル帯域幅は1つ又は複数の20MHzであり、前記OFDMAモードにおける前記チャネル帯域幅のサブキャリアの量は、前記OFDMモードにおける前記チャネル帯域幅のサブキャリアの量のK倍であり、Kは整数である請求項13に記載の方法。
【請求項16】
前記OFDMAモードにおけるサブキャリアの量は、20MHzあたり64*Kである請求項15に記載の方法。
【請求項17】
前記第1のサブチャネルは、1つ又は複数のサブキャリアを含む請求項13に記載の方法。
【請求項18】
前記OFDMA物理層シグナリングは、前記端末の識別子及び前記第1のサブチャネルの情報を含む請求項13に記載の方法。
【請求項19】
送信機と受信機とを含み、端末として動作するネットワーク装置であって、
前記受信機は、
直交周波数分割多重化(OFDM)モードにおいて、アクセスポイントから直交周波数分割多元接続(OFDMA)物理層シグナリングを受信し、ここで、前記OFDMA物理層シグナリングは、ダウンリンクOFDMAデータ情報を受信するために前記端末に対して割り振られた第1のサブチャネルを前記端末に示し、それにより、前記端末は前記OFDMA物理層シグナリングに従って前記第1のサブチャネルを判定し、
前記端末に対して割り振られた前記第1のサブチャネル上で前記ダウンリンクOFDMAデータ情報を受信し、ここで、前記ダウンリンクOFDMAデータ情報は、OFDMAモードにおいて前記ダウンリンクOFDMAデータ情報のACK応答又はBA応答を前記アクセスポイントに送信するように前記端末に指示する第1の部分と、前記OFDMAモードにおいて前記ACK応答又は前記BA応答を前記アクセスポイントに送信するために前記端末に対して割り振られた第2のサブチャネルを前記端末に示す第2の部分とを含む、ように構成され、
前記送信機は、前記OFDMAモードにおいて、前記第2のサブチャネル上で前記ACK応答又は前記BA応答を前記アクセスポイントに送信するように構成されるネットワーク装置。
【請求項20】
前記送信機は、前記OFDMAモードにおいて、アップリンクOFDMAデータ情報を前記アクセスポイントに送信するようにさらに構成される請求項19に記載のネットワーク装置。
【請求項21】
チャネル帯域幅は1つ又は複数の20MHzであり、前記OFDMAモードにおける前記チャネル帯域幅のサブキャリアの量は、前記OFDMモードにおける前記チャネル帯域幅のサブキャリアの量のK倍であり、Kは整数である請求項19に記載のネットワーク装置。
【請求項22】
前記OFDMAモードにおけるサブキャリアの量は、20MHzあたり64*Kである請求項21に記載のネットワーク装置。
【請求項23】
前記第1のサブチャネルは、1つ又は複数のサブキャリアを含む請求項19に記載のネットワーク装置。
【請求項24】
前記OFDMA物理層シグナリングは、前記端末の識別子及び前記第1のサブチャネルの情報を含む請求項19に記載のネットワーク装置。」

第4 引用例、引用発明等について
1.引用例1について
原査定の拒絶の理由に引用された米国特許出願公開第2013/0286959号明細書(以下、「引用例1」という。)には、図面とともに次の記載がある。(下線は当審が付与。)

(1)「[0135] MU-MIMO may be used within a COBRA channel utilizing a legacy MU-MIMO procedure, for example an 802.11ac procedure. Compatibility for desired orthogonal block-based resources may be implemented by dividing frequency/time resources into orthogonal blocks (OB), each of which, for example, may include one or more OFDM sub-carriers within a COBRA channel. The OBs may then be assigned by the AP to STAs using criteria such as buffered traffic, anticipated traffic requirements, periodicity, and/or traffic priorities. The assigned OBs may overlap for different STAs if, for example, MU-MIMO is used within a COBRA channel using the same OBs. STAs in a COBRA group may be assigned to one or more OBs, such that they have desirable channel conditions. The assignment may be static, semidynamic, or dynamic.」
(当審訳:
[0135] MU-MIMOは、レガシMU-MIMO手順、たとえば802.11ac手順を利用して、COBRAチャネル内で使用され得る。所望の直交ブロックベースのリソースに関する互換性は、周波数/時間リソースを、それぞれがたとえばCOBRAチャネル内の1又は複数のOFDMサブキャリアを含むことができる直交ブロック(OB)に分割することによって実施され得る。OBは、その後、APによって、バッファリングされたトラフィック、予想されるトラフィック要件、周期性、及び/又はトラフィック優先順位などの判断基準を使用してSTAに割り当てられ得る。割り当てられたOBは、たとえばMU-MIMOが同一のOBを使用するCOBRAチャネル内で使用される場合に、異なるSTAに関してオーバーラップすることができる。COBRAグループ内のSTAは、それらが望ましいチャネル条件を有するように、1又は複数のOBに割り当てられ得る。割当は、静的、半動的、又は動的とすることができる。)

(2)「[0168] FIG. 15 is a diagram of an example of a unicast COBRA group management IE 1500. The unicast COBRA group management IE 1500 may include an element ID field 1505 that may identify that the unicast COBRA group management IE 1500 is a unicast COBRA IE, a length field 1510 that may indicate the length of the unicast COBRA IE, a number of memberships field 1515 that may indicate the number of group memberships included in the information element N, and membership 1-N information fields 15201, 1520N that may indicate that each field may contain the information of a group membership for the STA.
[0169] The STAs may be informed by the AP of the groups they belong to using, for example, a frame that includes a COBRA group management IE or field, depending on the implementation. A COBRA controllee STA may belong to multiple groups. Its UL and DL COBRA groups may be the same or may be different. The COBRA group management IE may be included in broadcast, or unicast management, control or action frames. The AP may transmit a unicast frame to a STA that may include a unicast COBRA group management IE or field to inform the STA of its group memberships.
[0170] FIG. 16 is a diagram of an example membership information field 1600. The STAs may be informed of their grouping by the AP using frames containing the COBRA group management IE by following a group management procedure. As shown in FIG. 16, each of the membership information fields 1600 may contain a group ID field 1605 that may identify the group that the membership information field 1600 is assigned to, and a type field 1610 that may indicate a type of the group. This type field 1610 may indicate that the group is DL COBRA, UL COBRA, DL/UL COBRA or other type of group. For example, the same IE may also be used for MU-MIMO or SC-FDMA group management.
(略)
[0173] Each of the membership information fields 1600 may contain an OB assignment field 1640 that may indicate the OBs that the STA may tune to when receiving DL COBRA packets and the OBs that the STA may use to transmit when participating in UL COBRA transmissions in the current group. The OB assignment may be configured to use, for example, encoded OB numbers, where the encoded OB numbers may be expressed as OB ranges or expressed as bitmaps of OBs.」
(当審訳:
[0168] 図15は、ユニキャストCOBRAグループ管理IE 1500の例の図である。ユニキャストCOBRAグループ管理IE 1500は、ユニキャストCOBRAグループ管理IE 1500がユニキャストCOBRA IEであることを識別することができるエレメントIDフィールド1505と、ユニキャストCOBRA IEの長さを示すことができる長さフィールド1510と、インフォメーションエレメントN内に含まれるグループメンバシップの個数を示すことができるメンバシップ数フィールド1515と、各フィールドがSTAのグループメンバシップの情報を含むことができることを示すことができるメンバシップ1情報フィールド15201ないしメンバシップN 情報フィールド1520Nとを含むことができる。
[0169] STAは、実施態様に応じて、たとえばCOBRAグループ管理IE又はフィールドを含むフレームを使用して、それらが属するグループについてAPによって知らされ得る。COBRAコントローリSTAは、複数のグループに属することができる。そのUL COBRAグループ及びDL COBRAグループは、同一とすることができ、又は異なるものとすることができる。COBRAグループ管理IEは、ブロードキャスト又はユニキャストの管理フレーム、制御フレーム、又はアクションフレームに含まれ得る。APは、STAにそのグループメンバシップについて知らせるために、ユニキャストCOBRAグループ管理IE又はフィールドを含むことができるユニキャストフレームをSTAに送信することができる。
[0170] 図16は、例のメンバシップ情報フィールド1600の図である。STAは、グループ管理手順に従うことによってCOBRAグループ管理IEを含むフレームを使用してAPによってそのグループ化について知らされ得る。図16に示されているように、メンバシップ情報フィールド1600のそれぞれは、メンバシップ情報フィールド1600が割り当てられたグループを識別することができるグループIDフィールド1605と、そのグループのタイプを示すことができるタイプフィールド1610とを含むことができる。タイプフィールド1610は、グループがDL COBRA、UL COBRA、DL/UL COBRA、又は他のタイプのグループであることを示すことができる。たとえば、同一のIEが、MU-MIMO又はSC-FDMAのグループ管理にも使用され得る。
(略)
[0173] メンバシップ情報フィールド1600のそれぞれは、DL COBRAパケットを受信する時にSTAが同調できるOB及び現在のグループ内でのUL COBRA送信に参加する時にSTAが送信に使用できるOBを示すことができるOB割当フィールド1640を含むことができる。OB割当は、たとえば、符号化されたOB番号を使用するように構成され得、ここで、符号化されたOB番号は、OB範囲として表され又はOBのビットマップとして表され得る。)

(3)「[0231] MAC signaling, synchronization procedures, and power control mechanisms may be implemented for combined DL/UL COBRA transmission. FIG. 35 is a diagram of an example combined DL/UL COBRA transmission 3500.
[0232] In this example, an AP 3505 may perform a DL COBRA transmission by transmitting a DL COBRA frame 3525 to STA-1 3510, STA-2 3515, and STA-3 3520. The AP 3505 may transmit the DL COBRA frame 3525 after it conducts CCA and obtains one or more channels. A DL COBRA group ID may be configured and transmitted in a SIG field of a DL COBRA frame. Upon receiving the DL COBRA frame 3525, the STAs 3510, 3515, and 3520 may check the DL COBRA group ID to determine whether they are an intended recipient of the DL COBRA session. The intended STAs may identify the sub-channels assigned to them based on the user position information, and the unintended STAs may set their NAVs accordingly.
[0233] In this example, STA-1 3510 may receive the DL COBRA frame 3525 and transmit a block ACK (BA) 3530a in response. The AP 3503 may transmit BA request (BAR) frames 3535a and 3535b, and each of the STAs 3515, and 3520 may transmit a BA frame 3530b and 3530c with a regular sounding PPDU format or a normal PPDU format to the AP 3505 sequentially. In one example, the AP 3505 may utilize these BA frames 3530a and 3530b for uplink channel sounding and transmit BAR frames 3535a and 3535b in response. The BA frames in this example may be a modified version of an 802.11 BA frame. BA frames may include an uplink traffic indication, a transmit power, a calibration response, a power report, and the like.」
(当審訳:
[0231] MACシグナリング、同期化手順、及び電力制御機構は、組み合わされたDL/UL COBRA送信について実施され得る。図35は、例の組み合わされたDL/UL COBRA送信3500の図である。
[0232] この例では、AP 3505は、STA-1 3510 、STA-2 3515、及びSTA-3 3520にDL COBRAフレーム3525を送信することによって、DL COBRA 送信を実行することができる。AP 3505は、CCAを行い、1又は複数のチャネルを入手した後に、DL COBRAフレーム3525を送信することができる。DL COBRAグループIDは、DL COBRAフレームのSIGフィールド内で構成され、送信され得る。DL COBRAフレーム3525を受信した時に、STA 3510、3515、及び3520は、それらがDL COBRAセッションの所期の受信側であるかどうかを判定するために、DL COBRAグループIDをチェックすることができる。所期のSTAは、ユーザ位置情報に基づいて、それらに割り当てられたサブチャネルを識別することができ、意図されていないSTAは、それに従ってそれらのNAVをセットすることができる。
[0233] この例では、STA-1 3510は、DL COBRAフレーム3525を受信し、これに応答してブロックACK(BA)3530aを送信することができる。AP 3503は、BA 要求(BAR)フレーム3535a 及び3535bを送信することができ、STA 3515及び3520のそれぞれは、通常のサウンディングPPDUフォーマット又は通常のPPDUフォーマットを有するBAフレーム3530b及び3530cを、シーケンシャルにAP 3505に送信することができる。一例では、AP 3505は、アップリンクチャネルサウンディングにこれらのBAフレーム3530a及び3530bを利用し、応答してBARフレーム3535a及び3535bを送信することができる。この例のBAフレームは、802.11 BAフレームの変更されたバージョンとすることができる。BAフレームは、アップリンクトラフィック表示、送信電力、校正応答、電力レポート、及び類似物を含むことができる。)

上記記載及び当業者における技術常識からみて、以下の技術的事項が記載されている。
a.上記(2)の段落169の「APは、STAにそのグループメンバシップについて知らせるために、ユニキャストCOBRAグループ管理IE・・・を含むことができるユニキャストフレームをSTAに送信することができる。」との記載によれば、APにより、ユニキャストCOBRAグループ管理IEを含むユニキャストフレームをSTAに送信している。
また、上記(2)の段落168の「ユニキャストCOBRAグループ管理IE 1500は、・・・各フィールドがSTAのグループメンバシップの情報を含むことができることを示すことができるメンバシップ1情報フィールド15201,メンバシップN 情報フィールド1520Nとを含むことができる」との記載によれば、ユニキャストCOBRAグループ管理IEはメンバシップ情報フィールドを含む。
そして、上記(2)の段落173の「メンバシップ情報フィールド1600のそれぞれは、DL COBRAパケットを受信する時にSTAが同調できるOB及び現在のグループ内でのUL COBRA送信に参加する時にSTAが送信に使用できるOBを示すことができるOB割当フィールド1640を含むことができる」との記載によれば、メンバシップ情報フィールドはDL COBRAパケットを受信する時にSTAが同調できるOB及びUL COBRA送信に参加する時にSTAが送信に使用できるOBを示すOB割当フィールドを含む。
更に、上記(1)の段落135の「周波数/時間リソースを、それぞれがたとえばCOBRAチャネル内の1又は複数のOFDMサブキャリアを含むことができる直交ブロック(OB)に分割する」との記載によれば、直交ブロック(OB)はOFDMサブキャリアを含む。
よって、引用例1には、APにより、ユニキャストCOBRAグループ管理IEを含むユニキャストフレームをSTAに送信し、ユニキャストCOBRAグループ管理IEはメンバシップ情報フィールドを含み、メンバシップ情報フィールドはDL COBRAパケットを受信する時にSTAが同調できるOB及びUL COBRA送信に参加する時にSTAが送信に使用できるOBを示すOB割当フィールドを含む、ここで、直交ブロック(OB)はOFDMサブキャリアを含むことが記載されているといえる。

b.上記(3)の段落232の「AP 3505は、STA-1 3510 、STA-2 3515、及びSTA-3 3520にDL COBRAフレーム3525を送信することによって、DL COBRA 送信を実行することができる」との記載によれば、引用例1には、APにより、DL COBRAフレームを送信することが記載されている。

c.上記(3)の段落233の「STA-1 3510は、DL COBRAフレーム3525を受信し、これに応答してブロックACK(BA)3530aを送信することができる。」との記載によれば、STAによりブロックACK(BA)が送信され、このブロックACK(BA)を受信するのがAPであることは明らかであるから、引用例1には、APにより、STAにより送信されたブロックACK(BA)を受信することが記載されているといえる。

d.上記「a.」ないし「c.」で説示したとおり、引用例1において、APにより、ユニキャストフレームをSTAに送信したり、APにより、DL COBRAフレームを送信したり、APにより、STAにより送信されたブロックACK(BA)を受信していることが記載されていることから、引用例1にはデータ伝送方法が記載されているといえる。

以上を総合すると、引用例1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

「 データ伝送方法であって、
APにより、ユニキャストCOBRAグループ管理IEを含むユニキャストフレームをSTAに送信し、ユニキャストCOBRAグループ管理IEはメンバシップ情報フィールドを含み、メンバシップ情報フィールドはDL COBRAパケットを受信する時にSTAが同調できるOB及びUL COBRA送信に参加する時にSTAが送信に使用できるOBを示すOB割当フィールドを含む、ここで、直交ブロック(OB)はOFDMサブキャリアを含む、
APにより、DL COBRAフレームを送信し、
APにより、STAにより送信されたブロックACK(BA)を受信することを含む方法。」

2.引用例2について
原査定の拒絶の理由に引用された特表2013-526153号公報(以下、「引用例2」という。)には、図面とともに次の記載がある。(下線は当審が付与。)

(1)「【0066】
AP302が、STA1 304に対するデータおよびBARと、STA2 306に対するデータおよびBARとを有するグループフレームを送信する(ステップ330)。OFDMA実施形態において、このグループフレームは、STA1 304およびSTA2 306に、STA1 304およびSTA2 306にそれぞれ割り当てられた周波数上で送信される。MU-MIMO実施形態において、このグループフレームは、STA1 304およびSTA2 306に同一の周波数上で送信される。
【0067】
STA1 304が、グループIDに対する応答フレームを送信すること(ステップ332)を、STA2 306が、グループIDに対する応答フレームを送信すること(ステップ334)と同時に行う。OFDMA実施形態において、これらの応答フレームは、STA1 304およびSTA2 306によって、STA1 304およびSTA2 306にそれぞれ割り当てられた周波数上で送信される。MU-MIMOまたはOFDMAを使用して、STA1とSTA2によって応答フレームを同時に送信することは、応答フレームを送信する際の遅延をより小さくするが、システム複雑度をより大きくする。応答フレームは、使用されるフレーム交換プロトコルに依存して、ブロックACKまたは他の応答フレームタイプであることが可能である。」

(2)「図3



以上を総合すると、引用例2には、次の技術的事項(以下、「技術的事項2」という。)が記載されていると認められる。

「APが、STAに対するデータ及びBARを送信し、STAは応答フレームを送信する。」

3.引用例3について
原査定の拒絶の理由に引用されたSimone Merlin(Qualcomm),ACK protocol and backoff procedure for MU-MIMO,IEEE 802.11-10/1092r0,2010年 9月14日(以下、「引用例3」という。)には、次の記載がある。(下線は当審が付与。)



」(Slide 7)

上記図面から、APは各ST向けにDATAとBARを送信し、各STAはBAを送信することが読み取れる。
よって、引用例3には、次の技術的事項(以下、「技術的事項3」という。)が記載されていると認められる。

「APが、STAに対するデータ及びBARを送信し、STAはBAを送信する。」

第5 対比・判断
1.本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明とを対比すると、次のことがいえる。
a.本願発明1の「データ伝送インジケーション方法」もデータ伝送方法といえることから、本願発明1の「データ伝送インジケーション方法」と引用発明の「データ伝送方法」とは、「データ伝送方法」で共通する。

b.引用発明の「AP」はアクセスポイントのことであることが明らかであるから、本願発明1の「アクセスポイント」に相当する。また、引用発明の「STA」は端末であることが明らかであるから、本願発明1の「端末」に相当する。
そして、本願発明1の「直交周波数分割多元接続(OFDMA)物理層シグナリング」は「ダウンリンクOFDMAデータ情報を受信するために前記端末に対して割り振られた第1のサブチャネルを前記端末に示し、それにより、前記端末は前記OFDMA物理層シグナリングに従って前記第1のサブチャネルを判定する」ものであるから制御信号といえる。一方、引用発明の「ユニキャストCOBRAグループ管理IEを含むユニキャストフレーム」は「DL COBRAパケットを受信する時にSTAが同調できるOB及びUL COBRA送信に参加する時にSTAが送信に使用できるOBを示すOB割当フィールドを含む」ものであって、STAにおける受信や送信に関する制御を指示するものであるから、制御信号といえる。よって、本願発明1の「直交周波数分割多元接続(OFDMA)物理層シグナリング」と、引用発明の「ユニキャストCOBRAグループ管理IEを含むユニキャストフレーム」とは、「制御信号」で共通する。
よって、本願発明1の「アクセスポイントにより、直交周波数分割多重化(OFDM)モードにおいて、直交周波数分割多元接続(OFDMA)物理層シグナリングを端末に送信するステップ」と、引用発明の「APにより、ユニキャストCOBRAグループ管理IEを含むユニキャストフレームをSTAに送信」することとは、「アクセスポイントにより、制御信号を端末に送信するステップ」の点で共通する。

また、本願発明1の「ダウンリンクOFDMAデータ情報」と、引用発明の「DL COBRAパケット」とは、「ダウンリンクデータ情報」で共通している。
そして、引用発明の「ユニキャストCOBRAグループ管理IEはメンバシップ情報フィールドを含み、メンバシップ情報フィールドはDL COBRAパケットを受信する時にSTAが同調できるOB」を含み、「直交ブロック(OB)はOFDMサブキャリアを含む」ことから、ユニキャストCOBRAグループ管理IEを含むユニキャストフレームは、DL COBRAパケットを受信する時にSTAが同調できるOFDMサブキャリアを含む。また、本願発明1の「端末に割り振られた第1のサブチャネル」は端末に割り振られたリソースといえることから、引用発明の「DL COBRAパケットを受信する時にSTAが同調できる」「OFDMサブキャリア」とは「端末に割り振られたリソース」で共通するといえる。よって、本願発明1の「前記OFDMA物理層シグナリングは、ダウンリンクOFDMAデータ情報を受信するために前記端末に対して割り振られた第1のサブチャネルを前記端末に示し」と、引用発明の「ユニキャストCOBRAグループ管理IEを含むユニキャストフレーム」、「ユニキャストCOBRAグループ管理IEはメンバシップ情報フィールドを含み、メンバシップ情報フィールドはDL COBRAパケットを受信する時にSTAが同調できるOB・・・を示すOB割当フィールドを含む」及び「ここで、直交ブロック(OB)はOFDMサブキャリアを含む」とは、「制御信号は、ダウンリンクデータ情報を受信するために端末に対して割り振られたリソースを前記端末に示」す点で共通する。

そして、引用発明では、APにより、「DL COBRAパケットを受信する時にSTAが同調できるOB」を含む「ユニキャストフレームをSTAに送信」するものであるから、当該「ユニキャストフレーム」を受信したSTAでは同調できるOBに同調することは明らかである。してみれば、STAは制御信号に従ってリソースを判定するといえる。よって、本願発明1の「前記端末は前記OFDMA物理層シグナリングに従って前記第1のサブチャネルを判定する、ステップ」と、引用発明の「APにより、ユニキャストCOBRAグループ管理IEを含むユニキャストフレームをSTAに送信し」、「ユニキャストCOBRAグループ管理IEはメンバシップ情報フィールドを含み、メンバシップ情報フィールドはDL COBRAパケットを受信する時にSTAが同調できるOB・・・示すOB割当フィールドを含む」及び「ここで、直交ブロック(OB)はOFDMサブキャリアを含む」とは、「端末は制御信号に従ってリソースを判定する」点で共通する。

よって、本願発明1の「アクセスポイントにより、直交周波数分割多重化(OFDM)モードにおいて、直交周波数分割多元接続(OFDMA)物理層シグナリングを端末に送信するステップであって、前記OFDMA物理層シグナリングは、ダウンリンクOFDMAデータ情報を受信するために前記端末に対して割り振られた第1のサブチャネルを前記端末に示し、それにより、前記端末は前記OFDMA物理層シグナリングに従って前記第1のサブチャネルを判定する、ステップ」と、引用発明の「APにより、ユニキャストCOBRAグループ管理IEを含むユニキャストフレームをSTAに送信し、ユニキャストCOBRAグループ管理IEはメンバシップ情報フィールドを含み、メンバシップ情報フィールドはDL COBRAパケットを受信する時にSTAが同調できるOB・・・を示すOB割当フィールドを含む、ここで、直交ブロック(OB)はOFDMサブキャリアを含む」とは、「アクセスポイントにより、制御信号を端末に送信するステップであって、制御信号は、ダウンリンクデータ情報を受信するために端末に対して割り振られた第1のサブキャリアを前記端末に示し、それにより、前記端末は制御信号に従って前記第1のサブキャリアを判定する、ステップ」の点で共通する。

c.上記「b.」で説示したとおり、本願発明1の「ダウンリンクOFDMAデータ情報」と引用発明の「DL COBRAパケット」とは「ダウンリンクデータ情報」で共通している。
よって、本願発明1の「アクセスポイントにより、OFDMAモードにおいて、前記端末に対して割り振られた前記第1のサブチャネル上で前記ダウンリンクOFDMAデータ情報を送信するステップ」と、引用発明の「APにより、DL COBRAフレームを送信」することとは、「アクセスポイントにより、ダウンリンクデータ情報を送信するステップ」の点で共通する。

d.引用発明の「ブロックACK(BA)」は本願発明1の「ACK応答又はBA応答」に含まれる。
よって、本願発明1の「前記アクセスポイントにより、前記OFDMAモードにおいて前記第2のサブチャネル上で前記端末により送信された前記ACK応答又は前記BA応答を受信するステップ」と、引用発明の「APにより、STAにより送信されたブロックACK(BA)を受信する」することとは、「アクセスポイントにより、端末により送信されたACK応答又はBA応答を受信するステップ」の点で共通する。

以上のことから、本願発明1と引用発明との一致点及び相違点は、次のとおりである。

(一致点)
「 データ伝送方法であって、
アクセスポイントにより、制御信号を端末に送信するステップであって、制御信号は、ダウンリンクデータ情報を受信するために端末に対して割り振られたリソースを前記端末に示し、それにより、前記端末は制御信号に従って前記リソースを判定する、ステップと、
アクセスポイントにより、ダウンリンクデータ情報を送信するステップと、
アクセスポイントにより、端末により送信されたACK応答又はBA応答を受信するステップとを含む方法。」

(相違点)
1.本願発明1では、「データ伝送インジケーション方法」であるのに対し、引用発明では「データ伝送方法」であるが、インジケーションについては特定されていない点。

2.本願発明1では「アクセスポイントにより、直交周波数分割多重化(OFDM)モードにおいて、直交周波数分割多元接続(OFDMA)物理層シグナリングを端末に送信するステップであって、前記OFDMA物理層シグナリングは、ダウンリンクOFDMAデータ情報を受信するために前記端末に対して割り振られた第1のサブチャネルを前記端末に示し、それにより、前記端末は前記OFDMA物理層シグナリングに従って前記第1のサブチャネルを判定する、ステップ」であるのに対し、引用発明では、「APにより、ユニキャストCOBRAグループ管理IEを含むユニキャストフレームをSTAに送信し、ユニキャストCOBRAグループ管理IEはメンバシップ情報フィールドを含み、メンバシップ情報フィールドはDL COBRAパケットを受信する時にSTAが同調できるOB及びUL COBRA送信に参加する時にSTAが送信に使用できるOBを示すOB割当フィールドを含む、ここで、直交ブロック(OB)はOFDMサブキャリアを含む」が、当該発明特定事項が特定されていない点。

3.本願発明1では「前記アクセスポイントにより、OFDMAモードにおいて、前記端末に対して割り振られた前記第1のサブチャネル上で前記ダウンリンクOFDMAデータ情報を送信するステップであって、前記ダウンリンクOFDMAデータ情報は、OFDMAモードにおいて前記ダウンリンクOFDMAデータ情報のACK応答又はBA応答を前記アクセスポイントに送信するように前記端末に指示する第1の部分と、前記OFDMAモードにおいて前記ACK応答又は前記BA応答を前記アクセスポイントに送信するために前記端末に対して割り振られた第2のサブチャネルを前記端末に示す第2の部分とを含む、ステップ」であるのに対し、引用発明では、「APにより、DL COBRAフレームを送信」するが、当該発明特定事項が特定されていない点。

4.本願発明1では「前記アクセスポイントにより、前記OFDMAモードにおいて前記第2のサブチャネル上で前記端末により送信された前記ACK応答又は前記BA応答を受信するステップ」であるのに対し、引用発明では、「APにより、STAにより送信されたブロックACK(BA)を受信する」が、当該発明特定事項が特定されていない点。

(2)相違点についての判断
事案に鑑みて、上記相違点3について先に検討する。
上記相違点3に関する発明特定事項の一部である「前記ダウンリンクOFDMAデータ情報は、OFDMAモードにおいて前記ダウンリンクOFDMAデータ情報のACK応答又はBA応答を前記アクセスポイントに送信するように前記端末に指示する第1の部分と、前記OFDMAモードにおいて前記ACK応答又は前記BA応答を前記アクセスポイントに送信するために前記端末に対して割り振られた第2のサブチャネルを前記端末に示す第2の部分とを含む」ことは、技術的事項2及び技術的事項3においても示されておらず、本願出願前において周知技術でもない。
したがって、上記相違点1、2及び4について判断するまでもなく、本願発明1は、当業者であっても引用発明及び技術的事項2、3に基づいて容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

2.本願発明2ないし24について
本願発明2ないし24も、本願発明1の「前記ダウンリンクOFDMAデータ情報は、OFDMAモードにおいて前記ダウンリンクOFDMAデータ情報のACK応答又はBA応答を前記アクセスポイントに送信するように前記端末に指示する第1の部分と、前記OFDMAモードにおいて前記ACK応答又は前記BA応答を前記アクセスポイントに送信するために前記端末に対して割り振られた第2のサブチャネルを前記端末に示す第2の部分とを含む」という発明特定事項を備えるものであるから、本願発明1と同じ理由により、当業者であっても、引用発明及び技術的事項2、3に基づいて容易に発明をすることができたものとはいえない。

第6 原査定についての判断
令和2年7月22日の手続補正により、本願発明1ないし24は「前記ダウンリンクOFDMAデータ情報は、OFDMAモードにおいて前記ダウンリンクOFDMAデータ情報のACK応答又はBA応答を前記アクセスポイントに送信するように前記端末に指示する第1の部分と、前記OFDMAモードにおいて前記ACK応答又は前記BA応答を前記アクセスポイントに送信するために前記端末に対して割り振られた第2のサブチャネルを前記端末に示す第2の部分とを含む」という発明特定事項を備えるものであるから、当業者であっても、拒絶査定において引用された引用例1に記載された発明及び引用例2、3に記載された技術的事項に基づいて、容易に発明できたものとはいえない。
したがって、原査定を維持することはできない。

第7 むすび
以上のとおり、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2021-05-12 
出願番号 特願2019-19479(P2019-19479)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (H04W)
最終処分 成立  
前審関与審査官 望月 章俊宮田 繁仁  
特許庁審判長 廣川 浩
特許庁審判官 本郷 彰
中木 努
発明の名称 データ伝送インジケーション方法、アクセスポイント、及び端末  
代理人 大貫 進介  
代理人 伊東 忠彦  
代理人 伊東 忠重  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ