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審決分類 |
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する A61M |
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管理番号 | 1375242 |
審判番号 | 訂正2020-390083 |
総通号数 | 260 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 2021-08-27 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2020-09-11 |
確定日 | 2021-04-23 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第6538063号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第6538063号の明細書及び特許請求の範囲を本件審判請求書に添付された訂正明細書及び特許請求の範囲のとおり、訂正後の請求項[1-32]について訂正することを認める。 |
理由 |
第1 手続の経緯 特許第6538063号(以下「本件特許」という。)は、2014年11月5日(パリ条約による優先権主張外国庁受理 2013年11月5日 US(アメリカ合衆国) 2014年1月10日 US(アメリカ合衆国) 2014年5月2日 US(アメリカ合衆国) 2014年8月27日 US(アメリカ合衆国))を国際出願日とする特願2016-552470号の請求項1?32に係る発明について令和1年6月14日に特許権の設定登録がされ、令和1年7月3日に特許掲載公報が発行されたものであって、その後、令和2年9月11日に本件訂正審判の請求がされ、令和2年12月25日付けで訂正拒絶理由が通知され、令和3年1月26日に意見書及び手続補正書が提出されたものである。 第2 請求の趣旨と訂正事項 1 本件訂正審判は、本件特許の願書に添付した特許請求の範囲及び明細書を、上記手続補正書に添付した訂正特許請求の範囲及び訂正明細書のとおり、訂正後の請求項1?32について訂正することを認める、との審決を求めるものである。 2 本件訂正審判に係る訂正(以下「本件訂正」という。)の内容は、次のとおりである。(下線は訂正箇所を示す。) (1)訂正事項1 特許請求の範囲の請求項1に「前記薬物リザーバが、前記医薬品組成物の投与率を設定する流動制限器を具備する」とあるのを、「前記薬物リザーバが、前記医薬品組成物の投与速度を設定する流動制限器を具備する」に訂正する。 (2)訂正事項2 特許請求の範囲の請求項11に「前記薬物送達デバイスが、4時間から168時間の周期にわたって前記医薬品組成物を送達するように構成される」とあるのを、「前記薬物送達デバイスが、4時間から168時間の期間にわたって前記医薬品組成物を送達するように構成される」に訂正する。 (3)訂正事項3 特許請求の範囲の請求項20に「不溶融性」とあるのを、「不溶解性」に訂正する。 (4)訂正事項4 明細書の段落【0004】?【0007】、【0017】、【0032】?【0034】、【0041】、【0050】、【0053】?【0056】、【0078】、【0079】、【0081】、【0093】?【0095】、【0099】、【0101】、【0102】、【0107】?【0109】、【0111】、【0149】、【0164】、【0165】、【0173】、【0213】、【0223】?【0225】、【0229】?【0232】、【0234】、【0239】、【0240】、【0242】?【0245】、【0247】?【0249】、【0251】、【0254】、【0255】、【0257】、【0262】、【0263】、【0265】?【0267】、【0270】、【0272】、【0277】、【0281】?【0283】、【0285】、【0288】、【0290】、【0293】、【0296】、【0297】、【0301】、【0302】、【0304】、【0305】、【0307】?【0310】、【0313】、【0315】、【0318】?【0321】、【0335】、【0344】、【0351】、【0355】、【0369】、【0376】、【0388】?【0390】、【0392】?【0394】、【0424】、【0475】、【0476】、【0478】?【0481】、【0539】、【0561】、【0570】、【0575】、【0587】、【0589】?【0595】、【0605】、【0606】、【0610】、【0616】、【0630】、【0653】、【0663】、【0672】、【0690】、【0694】、【0716】、【0727】、【0731】、【0734】、【0738】、【0741】および【0744】にそれぞれ「率」と記載されているのを、「速度」(「速」)に訂正する。ただし、「分率」、「比率」、「効率」、「ばね率」および「多孔率」における「率」は訂正の対象外である。 (5)訂正事項5 明細書の段落【0014】、【0015】、【0033】、【0034】、【0046】、【0048】、【0054】、【0056】、【0058】、【0059】、【0062】、【0070】、【0090】、【0092】、【0094】、【0099】?【0102】、【0107】?【0111】、【0113】?【0115】、【0132】、【0143】、【0150】、【0152】?【0154】、【0158】、【0164】、【0217】、【0224】、【0225】、【0248】、【0314】、【0318】、【0358】、【0360】、【0377】、【0388】?【0394】、【0406】、【0411】、【0412】、【0415】、【0478】、【0480】、【0552】、【0553】、【0573】、【0586】、【0587】、【0588】、【0600】、【0605】、【0606】、【0608】、【0609】、【0610】、【0665】、【0666】、【0670】、【0677】、【0680】、【0683】、【0688】、【0727】および【0734】にそれぞれ「周期」と記載されているのを、「期間」に訂正する。 (6)訂正事項6 明細書の段落【0092】、【0114】、【0115】、【0139】、【0164】、【0552】、【0553】、【0633】、【0635】および【0639】にそれぞれ「不溶融性」と記載されているのを、「不溶解性」に訂正する。 (7)訂正事項7 明細書の段落【0139】および【0697】にそれぞれ「カルボキシ酸」と記載されているのを、「カルボン酸」に訂正する。 (8)訂正事項8 明細書の段落【0199】に「塩酸ディルティアゼム」と記載されているのを、「塩酸ジルチアゼム」に訂正する。 (9)訂正事項9 明細書の段落【0199】に「ミトーテン」と記載されているのを、「ミトタン」に訂正する。 (10)訂正事項10 明細書の段落【0247】に「エラストマーポリアリレート」と記載されているのを、「エラストマーポリアクリレート」に訂正する。 (11)訂正事項11 明細書の段落【0345】および【0349】にそれぞれ「オキシ安息香酸メチル」と記載されているのを、「ヒドロキシ安息香酸メチル」に訂正する。 (12)訂正事項12 明細書の段落【0056】に「患者の口の中へのデバイスの最初の挿入後、約60、30、または10分未満に、平均率」と記載されているのを、「患者の口の中へのデバイスの最初の挿入後、約60、30、または10分未満における平均速度」に訂正する。 第3 当審の判断 1 一群の請求項について 訂正前の請求項1?32について、請求項2?32の記載は、請求項1を直接又は間接的に引用するものであって、訂正事項1によって記載が訂正される請求項1に連動して訂正されるものであるので、訂正前の請求項1?32は、一群の請求項である。 したがって、訂正事項1?3に係る特許請求の範囲の訂正は、一群の請求項ごとに請求されたものであるから、特許法第126条第3項の規定に適合する。また、訂正事項4?12に係る明細書の訂正は、当該訂正が関係する請求項1を含む一群の請求項[1-32]の全てについて行うものであるから、特許法第126条第4項の規定に適合するものである。 2 訂正の目的、新規事項の存否及び実質的拡張・変更の有無 (1)訂正事項1について 願書に添付した特許請求の範囲の請求項1の「投与率」との記載に対応するPCT/US2014/064137号の国際出願日における明細書(以下「原文明細書」という。国際公開第2015/069773号(以下「本件国際公報」という。)を参照。)の記載箇所には、「administration rate」と記載されており、例えば、本件国際公報の第41ページ第14-27行(明細書【0225】)では、前後の文脈から、この「administration rate」は時間当たりの投与量を指す用語として使用されていることから、「administration rate」における「rate」は、「率」ではなく、時間当たりの物理量を指す単語として「速度」と翻訳することがより適切である。 そうすると、訂正事項1は、「rate」の誤訳である「率」を本来の意味である「速度」に訂正し、特許請求の範囲の請求項1に「前記薬物リザーバが、前記医薬品組成物の投与率を設定する流動制限器を具備する」とあるのを「前記薬物リザーバが、前記医薬品組成物の投与速度を設定する流動制限器を具備する」に訂正しようとするものである。 よって、訂正事項1は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものといえる。また、願書に最初に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面(以下「当初明細書等」という。)に記載した事項の範囲内においてするものであることは明らかであるから、同法同条第5項括弧書の規定に適合するものである。 そして、上述のとおり、訂正事項1は、当初明細書等の記載についての誤訳を訂正するものであって、訂正の前後で、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、訂正事項1は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 (2)訂正事項2、5について 願書に添付した明細書及び特許請求の範囲の請求項11の「周期」との記載に対応する原文明細書の記載箇所には、「period」と記載されており、例えば、本件国際公報の第3ページ第32行-第4ページ第4行(明細書【0014】)では、「a period of 20 second」との記載があるところ、この「period」が反復を前提としないある時点から別の時点までの間を指す用語として使用されていることから、「period」は、「周期」ではなく、「期間」と翻訳することがより適切である。 そうすると、訂正事項2、5は、「period」の誤訳である「周期」を本来の意味である「期間」に訂正するものであり、明細書の各段落(上記第2の2(5)参照)に「周期」とあるのを「期間」と訂正するとともに、特許請求の範囲の請求項11に「前記薬物送達デバイスが、4時間から168時間の周期にわたって前記医薬品組成物を送達するように構成される」とあるのを「前記薬物送達デバイスが、4時間から168時間の期間にわたって前記医薬品組成物を送達するように構成される」に訂正しようとするものである。 よって、訂正事項2、5は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものといえる。また、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであることは明らかであるから、同法同条第5項括弧書の規定に適合するものである。 そして、上述のとおり、訂正事項2、5は、当初明細書等の記載についての誤訳を訂正するものであって、訂正の前後で、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、訂正事項2、5は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 (3)訂正事項3、6について 願書に添付した明細書及び特許請求の範囲の請求項20の「不溶融性」との記載に対応する原文明細書の記載箇所には、「infusible」と記載されており、例えば、本件国際公報の第18ページ第24-30行(明細書【0092】)では、流体中にカルビドパの懸濁液を含む医薬品組成物について「stable, infusible pharmaceutical composition」と記載されているところ、これは懸濁液であって、すでに流体であるので、温度を上昇させることによって液体に変化する性質について表現していないことは明らかであり、また、カルビドパの懸濁液であるため、溶解していない状態のカルビドパの存在を表現する記載であることが理解されるから、「infusible」は、「不溶融性」ではなく、「不溶解性」と翻訳することがより適切である。 そうすると、訂正事項3、6は、「infusible」の誤訳である「不溶融性」を本来の意味である「不溶解性」に訂正し、明細書の各段落(上記第2の2(6)参照)に「不溶融性」とあるのを「不溶解性」と訂正するとともに、特許請求の範囲の請求項20に「不溶融性」とあるのを「不溶解性」に訂正しようとするものである。 よって、訂正事項3、6は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものといえる。また、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであることは明らかであるから、同法同条第5項括弧書の規定に適合するものである。 そして、上述のとおり、訂正事項3、6は、当初明細書等の記載についての誤訳を訂正するものであって、訂正の前後で、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、訂正事項3、6は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 (4)訂正事項4について 願書に添付した明細書の「一定率」(【0004】等)、「薬物送達率」(【0004】等)、「率」(【0005】等)、「平均薬物送達率」(【0017】等)、「平均送達率」(【0017】等)、「投与率」(【0032】等)、「平均体積率」(【0033】等)、「平均率」(【0033】等)、「流率」(【0050】等)、「注入率」(【0053】等)、「毎時率」(【0078】等)、「非一定率」(【0224】)、「用量率」(【0239】等)、「一定流率」(【0247】等)、「薬物注入率」(【0281】等)、「送達率」(【0283】等)、「放出率」(【0301】等)、「水浸透率」(【0301】)、「半浸透圧流率」(【0305】)、「標的率」(【0310】等)、「沈降率」(【0335】等)、「化学劣化反応率」(【0335】)、「核生成率」(【0355】)、「固定用量率」(【0369】)、「可変率」(【0388】)、「給送率」(【0690】)、「回転率」(【0716】)及び「圧送率」(【0744】)との各記載における「率」に対応する原文明細書の記載箇所には、「rate」と記載されており、一例として、本件国際公報の第41ページ第14-27行(明細書【0225】)では、前後の文脈から、「administration rate」は時間当たりの投与量を指す用語として使用されていることから、「administration rate」における「rate」をはじめ、明細書中の該当する「rate」は、「率」ではなく、時間当たりの物理量を指す単語として「速度」あるいは「速」と翻訳することがより適切である。 そうすると、訂正事項4は、「rate」の誤訳である「率」を本来の意味である「速度」あるいは「速」に訂正し、明細書の各段落(上記第2の2(4)参照)に「率」とあるのを「速度」(「速」)に訂正しようとするものである。 よって、訂正事項4は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものといえる。また、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであることは明らかであるから、同法同条第5項括弧書の規定に適合するものである。 そして、上述のとおり、訂正事項4は、当初明細書の記載についての誤訳を訂正するものであって、訂正の前後で、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、訂正事項4は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 (5)訂正事項7について 願書に添付した明細書の「カルボキシ酸」との記載に対応する原文明細書の記載箇所には、「carboxylic acids」と記載されており、これらの「carboxylic acids」は、「カルボキシ酸」ではなく、通常の名称である「カルボン酸」と翻訳することがより適切である。 そうすると、訂正事項7は、「carboxylic acids」の誤訳である「カルボキシ酸」を「カルボン酸」に訂正しようとするものである。 よって、訂正事項7は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものといえる。また、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであることは明らかであるから、同法同条第5項括弧書の規定に適合するものである。 そして、上述のとおり、訂正事項7は、当初明細書の記載についての誤訳を訂正するものであって、訂正の前後で、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、訂正事項7は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 (6)訂正事項8について 願書に添付した明細書の「塩酸ディルティアゼム」との記載に対応する原文明細書の記載箇所には、「dilitazem HCl」と記載されており、この「dilitazem HCl」は、「塩酸ディルティアゼム」ではなく、通常の名称である「塩酸ジルチアゼム」と翻訳することがより適切である。 そうすると、訂正事項8は、「dilitazem HCl」の誤訳である「塩酸ディルティアゼム」を「塩酸ジルチアゼム」に訂正しようとするものである。 よって、訂正事項8は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものといえる。また、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであることは明らかであるから、同法同条第5項括弧書の規定に適合するものである。 そして、上述のとおり、訂正事項8は、当初明細書の記載についての誤訳を訂正するものであって、訂正の前後で、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、訂正事項8は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 (7)訂正事項9について 願書に添付した明細書の「ミトーテン」との記載に対応する原文明細書の記載箇所には、「mitotane」と記載されており、この「mitotane」は、「ミトーテン」ではなく、通常の名称である「ミトタン」と翻訳することがより適切である。 そうすると、訂正事項9は、「mitotane」の誤訳である「ミトーテン」を「ミトタン」に訂正しようとするものである。 よって、訂正事項9は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものといえる。また、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであることは明らかであるから、同法同条第5項括弧書の規定に適合するものである。 そして、上述のとおり、訂正事項9は、当初明細書の記載についての誤訳を訂正するものであって、訂正の前後で、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、訂正事項9は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 (8)訂正事項10について 願書に添付した明細書の「エラストマーポリアリレート」との記載に対応する原文明細書の記載箇所には、「elastomeric polyacrylates」と記載されており、この「elastomeric polyacrylates」は、「エラストマーポリアリレート」ではなく、正しい訳語である「エラストマーポリアクリレート」と翻訳すべきものである。 そうすると、訂正事項10は、「elastomeric polyacrylates」の誤訳である「エラストマーポリアリレート」を正しい名称である「エラストマーポリアクリレート」に訂正しようとするものである。 よって、訂正事項10は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものといえる。また、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであることは明らかであるから、同法同条第5項括弧書の規定に適合するものである。 そして、上述のとおり、訂正事項10は、当初明細書の記載についての誤訳を訂正するものであって、訂正の前後で、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、訂正事項10は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 (9)訂正事項11について 願書に添付した明細書の「オキシ安息香酸メチル」との記載に対応する原文明細書の記載箇所には、「methyl hydroxybenzoate」と記載されており、この「methyl hydroxybenzoate」は、「オキシ安息香酸メチル」ではなく、通常の名称である「ヒドロキシ安息香酸メチル」と翻訳することがより適切である。 そうすると、訂正事項11は、「methyl hydroxybenzoate」の誤訳である「オキシ安息香酸メチル」を「ヒドロキシ安息香酸メチル」に訂正しようとするものである。 よって、訂正事項11は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものといえる。また、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであることは明らかであるから、同法同条第5項括弧書の規定に適合するものである。 そして、上述のとおり、訂正事項11は、当初明細書の記載についての誤訳を訂正するものであって、訂正の前後で、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、訂正事項11は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 (10)訂正事項12について 願書に添付した明細書の「患者の口の中へのデバイスの最初の挿入後、約60、30、または10分未満に、平均率」との記載に対応する原文明細書の記載箇所には、「the average rate in less than about 60, 30, or 10 minutes after the first insertion of the device into the patient’s mouth」と記載されており、この記載は「the average rate」を表現するためのひとまとまりの記載とみることができ、「in」及び「rate」の意味合いを正確に表現した「患者の口の中へのデバイスの最初の挿入後、約60、30、または10分未満における平均速度」と翻訳することがより適切である(当該「rate」については上記(4)参照)。 そうすると、訂正事項12は、「the average rate in less than about 60, 30, or 10 minutes after the first insertion of the device into the patient’s mouth」の誤訳である「患者の口の中へのデバイスの最初の挿入後、約60、30、または10分未満に、平均率」を「患者の口の中へのデバイスの最初の挿入後、約60、30、または10分未満における平均速度」に訂正しようとするものである。 よって、訂正事項12は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる誤訳の訂正を目的とするものといえる。また、当初明細書等に記載した事項の範囲内においてするものであることは明らかであるから、同法同条第5項括弧書の規定に適合するものである。 そして、上述のとおり、訂正事項12は、当初明細書の記載についての誤訳を訂正するものであって、訂正の前後で、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないから、訂正事項12は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。 (11)まとめ 以上の(1)?(10)によれば、訂正事項1?12に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものに該当し、かつ、同条第5項括弧書及び第6項の規定に適合するものである。 3 独立特許要件 訂正事項1?12に係る訂正は、上記2の(1)?(11)のとおり、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであるから、同条第7項の規定に適合するものであるかどうか検討したところ、訂正後の請求項1?32に係る発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないとする新たな理由はない。 したがって、訂正事項1?12は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。 第4 むすび 以上のとおり、本件訂正審判の請求に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に掲げる事項を目的とするものであり、かつ、同条第3項ないし第7項の規定に適合するものである。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 口を介する連続的薬物送達のためのデバイスおよび方法 【技術分野】 【0001】 (発明の分野) 本発明は、固体形態における薬物または薬物が溶解もしくは懸濁された流体を継続的に投与するために、口の中に係留される薬物送達デバイスを特徴とする。 【背景技術】 【0002】 (背景) 本発明は、経口経路指定を介した連続または半連続薬物投与のためのデバイスおよび方法に関する。本発明の目的は、薬物の短生理学半減期(例えば、8時間、6時間、4時間、2時間、1時間、30分、20分、または10分より短い)および/または現在1日あたり複数回投薬されている薬物の狭治療濃度域を伴う、薬物に関連するいくつかの問題を解決することである。すなわち、1日あたり数回または夜間に投薬されなければならない薬物を服用することは、不便であって、薬物の薬物動態および有効性は、準最適であり得、かつ副作用が、頻度および/または重症度において増加し得る。連続または半連続投与は、特に、レボドパ(LD)、抗癲癇薬(例えば、オキスカルバゼピン、トピラマート、ラモトリジン、ガバペンチン、カルバマゼピン、バルプロ酸、レベチラセタム、プレガバリン)、および睡眠薬(例えば、ザレプロン)等の短半減期および/または狭治療濃度域を伴う薬物に有益である。口内における連続または半連続注入は、器官または流体、例えば、血液または血漿中の薬物の濃度により少ない変動をもたらすことができる。薬物の便宜的な自動投与はまた、特に、薬剤を夜間に服用しなければならない患者および認知症を伴う患者にとって、その薬物投薬計画への患者コンプライアンスを増加させることができる。 【0003】 継続的に経口投与される薬物によって管理される病状として、パーキンソン病、細菌性感染症、癌、疼痛、臓器移植、睡眠障害、癲癇および発作、不安症、気分障害、外傷後ストレス障害、癌、不整脈、高血圧症、心不全、痙縮、認知症、および糖尿病性腎障害が挙げられる。 【0004】 先行技術における大部分の薬物送達デバイスに関する課題は、口内への設置および動作のために設計されていないことである。デバイスは、小型で、快適で、炎症性がなく、かつ発話、嚥下、飲食に干渉しないように設計されなければならない。口内では、唾液、食料、または飲料が、薬物リザーバおよび/またはポンプの中に入り込み、それによって、潜在的に、予想外に、薬物を抽出および送達する、または薬物と反応する、または送達デバイスを閉塞させ得る。浸透圧錠剤および粘膜付着性パッチ等、口内における動作のために提案されているポンプは、多くの場合、口内の条件下、長時間、一定速度の薬物送達を確実に提供するものではない。高温または低温飲料を飲むことは、薬物送達、例えば、薬物ボーラスの送達に望ましくない変化を生じさせ得る。同様に、デバイスの吸引は、望ましくないボーラスの送達を生じさせ得る。油、アルコール、および酸等の食料および液体への暴露は、一時的または恒久的に、デバイスからの薬物送達速度を増減させ得る。口腔内薬物送達デバイスはまた、口内の好適な場所の中に、例えば、薬物が望ましくない様式で蓄積しない場所または直ちに嚥下される場所の中に薬物を投与しなければならない。したがって、長時間にわたって、口内で快適、安全、かつ確実に動作することができる、改良された薬物送達デバイスの必要性がある。 【0005】 口腔内ポンプは、以前は、不便な形で提案されており、例えば、デバイスが置換歯内に位置していた。置換歯、歯科用ブリッジ、または義歯の挿入もしくは除去を要求することなく、患者によって便宜的に挿入および除去されることができる、改良された口腔内薬物送達デバイスの必要性がある。徐放性浸透圧錠剤および粘膜付着性薬物送達パッチ等、口内に常駐し、口内に薬物を継続的に送達することができる、これらおよび他のポンプに関する問題は、いったん薬物送達が開始すると、一時的に停止されることができないことである。薬物送達を一時的に停止することは、薬物が無駄にされないように、かつより重要なこととして、デバイスが口から除去される間、分注された薬物がデバイスの表面上に蓄積しないようにするために望ましい。デバイスの表面上への薬物のそのような非定量化蓄積は、デバイスが口の中に戻されるとき、患者への未知の量の薬物のボーラスの望ましくない送達につながる場合がある。周囲大気圧が変化するとき、例えば、航空旅行の間または高所における薬物送達の正確な速度の維持もまた、課題となり得る。 【0006】 本発明のポンプは、口内への薬物の一定速度の連続投与を提供することができ、かつデバイスが口から除去されるとき、一時的に停止されることができる。 【0007】 経口投与のために意図される大部分の薬物は、1日あたり1回または数回投与される、固体(例えば、丸剤、錠剤)、溶液、または懸濁液として製剤化される。そのような薬物は、連続または半連続の一定速度の口腔内投与の要件を満たすように製剤化されていない。例えば、多くの懸濁液および溶液は、比較的に大きな1日あたりの体積および/または1日にわたって体温で物理的または化学的に不安定である製剤において製剤化され、丸剤および錠剤は、1日の全体を通して頻繁に投薬するために適切な単位および投薬量で製剤化されることは稀である。 【0008】 大量の薬物が、いくつかの疾患を治療するために投与されなければならない。例えば、1,000mgのレボドパが、進行したパーキンソン病を伴う患者に投与される典型的1日用量である。何時間もの間、口内に快適に適合するであろう流体体積(典型的には、5mL未満)において、そのような大量の薬物を口の中に継続的に投与するために、時として、薬物の濃縮された、多くの場合、粘性の流体製剤を採用する必要がある。粘性流体の使用は、本発明の薬物および方法のために所望される、小体積、高濃度、均一薬物分散、貯蔵安定性、および動作安定性を提供することができる。その結果、多くの場合、粘性流体を圧送するために要求される高圧を提供するように調整された小型ポンプを採用する必要がある。本発明の薬物デバイスおよび製剤は、これらの満たされていない必要性に対処する。 【0009】 具体的実施例として、パーキンソン病(PD)は、黒質内のドーパミン作動性ニューロンが神経伝達物質ドーパミンを産生不能であることを特徴とする。PDは、運動技能、認知過程、自律機能、および睡眠を損なう。運動症状として、振戦、固縮、動作緩慢(寡動)、および動作を開始するための能力の喪失(無動)(集合的に、「オフ」状態)が挙げられる。PDの非運動症状として、認知症、嚥下障害(嚥下困難)、不明瞭な発話、起立性低血圧、脂漏性皮膚炎、尿失禁、便秘、気分変動、性的機能不全、および睡眠問題(例えば、日中の傾眠、不眠症)が挙げられる。 【0010】 臨床使用から40年を超えた後も、レボドパ療法は、PDを管理するための最も効果的方法のままであって、運動機能に最も改善をもたらす。その結果、LD投与は、PDのための一次治療である。LDは、通常、経口投与される。経口投与されるLDは、血液に流入し、血液中のLDの一部は、血液脳関門を越える。これは、部分的に、脳内でドーパミンに代謝され、一時的に、PDの運動症状を軽減する。PDの原因となる神経変性が進行するにつれて、患者は、LDの用量の増加を要求し、脳ドーパミンレベルの変動は、増加する。多すぎるLDが、脳に運搬されると、運動機能異常が発症し(身悶え、痙攣、および震え等の制御不能動作)、運搬が少なすぎると、患者は、オフ状態に戻る。PDが進行するにつれて、LDの経口製剤のための治療濃度域は、狭くなり、運動合併症を誘発せずに、PD運動症状を制御することがますます困難になる。加えて、大部分のPD患者は、用量切れの際のウェアリング・オフ、突然のオン/オフ、ディレイドオン、および応答不全等、断続経口LD療法に対して応答変動を発現する。 【発明の概要】 【発明が解決しようとする課題】 【0011】 本発明のデバイス、製剤、および方法は、PDを伴う患者のための改良された療法を提供する。 【課題を解決するための手段】 【0012】 本発明は、患者によって患者の口内に着脱可能に挿入されるように構成および配列される、薬物送達デバイスを特徴とする。 【0013】 第1の側面では、本発明は、患者の口内に着脱可能に挿入され、薬物を含む医薬品組成物の連続または半連続口腔内投与のために構成される、薬物送達デバイスであって、(i)薬物送達デバイスを患者の口の表面に着脱可能に固着するための締結具と、(ii)電気または機械ポンプと、(iii)経口液不浸透性薬物リザーバであって、その容積は、0.1mL?5mL(例えば、0.1mL?1mL、1mL?2mL、2mL?3.5mL、または3.5mL?5mL)である、薬物リザーバと、(iv)自動停止/始動装置とを含む、デバイスを特徴とする。薬物送達デバイスは、以下のうちの1つまたはそれを上回るものに応じて、自動的に停止されるように構成されることができる。(a)薬物送達デバイス、ポンプ、および/または経口液不浸透性リザーバが、口から除去される、(b)薬物送達デバイス、ポンプ、および/または経口液不浸透性リザーバが、締結具から切断される、または(c)経口液不浸透性リザーバが、ポンプから切断される。薬物送達デバイスは、以下のうちの1つまたはそれを上回るものに応じて、自動的に始動されるように構成されることができる。(a)薬物送達デバイス、ポンプ、および/または経口液不浸透性リザーバが、口の中に挿入される、(b)薬物送達デバイス、ポンプ、および/または経口液不浸透性リザーバが、締結具に接続される、または(c)経口液不浸透性リザーバが、ポンプに接続される。特定の実施形態では、自動停止/始動装置は、感圧スイッチ、クリップ、捻転可能流体チャネル、クラッチ、センサ、またはキャップから選択される。本デバイスはさらに、随意に、吸引誘発流制限器、温度誘発流制限器、耐咬合構造支持体、または圧力不変機械ポンプ、もしくはそれらの組み合わせを含む。 【0014】 本発明はさらに、患者の口内に着脱可能に挿入され、薬物を含む医薬品組成物の連続または半連続口腔内投与のために構成される、薬物送達デバイスであって、(i)薬物送達デバイスを患者の口の表面に着脱可能に固着するための締結具と、(ii)電気または機械ポンプと、(iii)経口液不浸透性薬物リザーバであって、その容積は、0.1mL?5mL(例えば、0.1mL?1mL、1mL?2mL、2mL?3.5mL、または3.5mL?5mL)である、薬物リザーバと、(iv)吸引誘発流制限器とを含む、デバイスを特徴とする。ある実施形態では、吸引誘発流制限器は、薬物送達デバイスの筐体内の1つまたはそれを上回るポートまたは開口部を介して周囲大気と接触する流体(ガスおよび/または液体)中にある、加圧表面を含む。他の実施形態では、吸引誘発流制限器は、変形可能チャネル、偏向可能ダイヤフラム、柔軟性アキュムレータ、インライン真空逃がし弁、およびフロート弁から選択される。吸引誘発流制限器は、周囲圧力が、20秒、40秒、1分、または2分の期間の間、6psi、4psi、2psi、または1psi降下すると、未使用の薬物リザーバの内容物の約5%、3%、または1%を上回るボーラスの送達を防止するように構成されることができる。本デバイスはさらに、随意に、自動停止/始動装置、温度誘発流制限器、耐咬合構造支持体、または圧力不変機械ポンプを含む。 【0015】 本発明はまた、患者の口内に着脱可能に挿入され、薬物を含む医薬品組成物の連続または半連続口腔内投与のために構成される、薬物送達デバイスであって、(i)薬物送達デバイスを患者の口の表面に着脱可能に固着するための締結具と、(ii)電気または機械ポンプと、(iii)経口液不浸透性薬物リザーバであって、その容積は、0.1mL?5mL(例えば、0.1mL?1mL、1mL?2mL、2mL?3.5mL、または3.5mL?5mL)である、薬物リザーバと、(iv)温度誘発流制限器とを含む、デバイスを特徴とする。ある実施形態では、温度誘発流制限器は、薬物リザーバおよび/またはポンプに近接する低熱伝導性の材料を伴う断熱材を含む。ある実施形態では、ポンプは、エラストマーであって、温度誘発流制限器は、天然ゴムまたは合成エラストマーから選択されるエラストマーを含む。温度誘発流制限器は、経口温度が、1分の期間の間、37から55℃まで上昇されると、その未使用のリザーバ内の力が、30%、20%、または10%未満だけ増加する、エラストマーを含むことができる。他の実施形態では、ばねおよび温度誘発流制限器を含むポンプは、経口温度が、1分の期間の間、37から55℃まで上昇されると、未使用のリザーバ内に、30%、20%、または10%未満だけ増加する力を産生するように構成される、ばねを含む。温度誘発流制限器は、300シリーズステンレス鋼、チタン、インコネル(すなわち、オーステナイトニッケル-クロム系超合金群)、および完全オーステナイトニチノールを含む、ばねを含むことができる。さらに他の実施形態では、ポンプは、ガス駆動であって、温度誘発流制限器は、37℃および13psiaにおいて、未使用のリザーバ内に充填された薬物の体積の40%、30%、20%、または10%未満の体積を有する、ガスを含む。例えば、ポンプは、推進剤駆動であることができ、温度誘発流制限器は、経口温度が、1分の期間の間、37から55℃まで上昇されると、約80%、60%、または40%未満だけ増加する圧力を有する、推進剤を含む。本デバイスはさらに、随意に、吸引誘発流制限器、自動停止/始動装置、耐咬合構造支持体、または圧力不変機械ポンプを含む。 【0016】 本発明はさらに、患者の口内に着脱可能に挿入され、薬物を含む医薬品組成物の連続または半連続口腔内投与のために構成される、薬物送達デバイスであって、(i)薬物送達デバイスを患者の口の表面に着脱可能に固着するための締結具と、(ii)電気または機械ポンプと、(iii)経口液不浸透性薬物リザーバであって、その容積は、0.1mL?5mL(例えば、0.1mL?1mL、1mL?2mL、2mL?3.5mL、または3.5mL?5mL)である、薬物リザーバと、(iv)耐咬合構造支持体とを含む、デバイスを特徴とする。ある実施形態では、耐咬合構造支持体は、薬物リザーバ全体およびポンプ構成要素を封入する筐体、支柱、リブ、または注封材料から選択される。本デバイスはさらに、随意に、吸引誘発流制限器、自動停止/始動装置、温度誘発流制限器、または圧力不変機械ポンプを含む。 【0017】 本発明はまた、患者の口内に着脱可能に挿入され、薬物を含む医薬品組成物の連続または半連続口腔内投与のために構成される、薬物送達デバイスであって、(i)薬物送達デバイスを患者の口の表面に着脱可能に固着するための締結具と、(ii)圧力不変機械ポンプと、(iii)経口液不浸透性薬物リザーバであって、その体積が、0.1mL?5mL(例えば、0.1mL?1mL、1mL?2mL、2mL?3.5mL、または3.5mL?5mL)である、薬物リザーバとを含む、デバイスを特徴とする。圧力不変機械ポンプは、ばね、エラストマー、圧縮ガス、および推進剤から選択されることができる。ある実施形態では、圧力不変機械ポンプは、薬物送達デバイスの筐体内の1つまたはそれを上回るポートまたは開口部を介して周囲大気と接触する流体(ガスおよび/または液体)中にある、加圧表面を含む。圧力不変機械ポンプは、約4atmを上回るまたはそれに等しい内圧を維持するように構成されることができる。他の実施形態では、圧力不変機械ポンプは、平均薬物送達速度が、13.0psiaにおける平均送達速度と比較して、14.7psiaおよび11.3psiaにおいて、約20%、10%、または5%未満だけ増減するように構成される。本デバイスはさらに、随意に、吸引誘発流制限器、自動停止/始動装置、温度誘発流制限器、または耐咬合構造支持体を含む。 【0018】 本発明はさらに、患者の口内に着脱可能に挿入され、薬物を含む医薬品組成物の連続または半連続口腔内投与のために構成される、薬物送達デバイスであって、(i)薬物送達デバイスを患者の口の表面に着脱可能に固着するための締結具と、(ii)機械ポンプと、(iii)経口液不浸透性薬物リザーバであって、その体積が、0.1mL?5mL(例えば、0.1mL?1mL、1mL?2mL、2mL?3.5mL、または3.5mL?5mL)である、薬物リザーバとを含む、デバイスを特徴とする。一特定の実施形態では、機械ポンプは、ばね、エラストマー、圧縮ガス、および推進剤から選択される。さらに他の実施形態では、経口液不浸透性リザーバは、金属リザーバ、プラスチックリザーバ、エラストマーリザーバ、金属障壁層、弁、スクイージー、バッフル、回転オーガ、回転ドラム、推進剤、空気圧ポンプ、ダイヤフラムポンプ、疎水性材料、および/または疎水性流体のうちの1つまたはそれを上回るものを含む。いくつかの実施形態では、本デバイスは、未使用のリザーバを含む薬物送達デバイスを患者の口内に挿入し、投与を開始してから4時間後、リザーバ内の薬物含有固体または薬物含有流体の重量比5%、3%、または1%未満が、経口液を含むように構成される。さらに他の実施形態では、経口液不浸透性薬物リザーバは、渦巻構成における流体チャネルを含む。本デバイスはさらに、随意に、吸引誘発流制限器、自動停止/始動装置、温度誘発流制限器、圧力不変機械ポンプ、または耐咬合構造支持体を含む。 【0019】 前述のデバイスのいずれかのある実施形態では、ポンプは、電気ポンプ(例えば、圧電ポンプまたは電気浸透圧ポンプ)である。例えば、電気ポンプは、約20,000Hz、10,000Hz、5,000Hz未満の周波数で動作するように構成される、圧電ポンプであることができる。随意に、電気ポンプは、モータを含む。 【0020】 前述のデバイスのいずれかの別の実施形態では、ポンプは、機械ポンプである。機械ポンプは、エラストマー薬物ポンプであることができる。エラストマー薬物ポンプは、エラストマーバルーン、エラストマーバンド、または圧縮エラストマーを含むことができる。機械ポンプは、ばね駆動ポンプであることができる。ばね駆動ポンプは、定荷重ばねを含むことができる。ばね駆動ポンプは、弛緩に応じて後退する、ばねを含むことができる。機械ポンプは、負圧ポンプ(例えば、空気圧ポンプまたはガス駆動ポンプ)であることができる。例えば、ガス駆動ポンプは、第1のコンパートメント内のガスと、第2のコンパートメント内の薬物とを含むことができ、ガスは、1atm、1.2atm、または1.5atmを超える圧力を提供する。ガス駆動ポンプは、圧縮ガスカートリッジを含むことができる。特定の実施形態では、ガス駆動ポンプは、ガスを含み、ガスの体積は、医薬品組成物の体積の35%、25%、15%、または10%未満である。他の実施形態では、ガス駆動ポンプは、ガス生成器を含む。いくつかの実施形態では、ガス駆動ポンプは、推進剤駆動ポンプである。推進剤駆動ポンプは、流体推進剤を含むことができ、流体推進剤は、1atmで37℃未満の沸点を有する。流体推進剤は、炭化水素、ハロカーボン、ハイドロフルオロアルカン、エステル、またはエーテル(例えば、1-フルオロブタン、2-フルオロブタン、1,2-ジフルオロエタン、メチルエチルエーテル、2-ブテン、ブタン、1-フルオロプロパン、1-ブテン、2-フルオロプロパン、1,1-ジフルオロエタン、シクロプロペン、プロパン、プロペン、ジエチルエーテル、1,1,1,2テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,3,3,3ヘクサフルオロプロパン、オクタフルオロシクロブタン、またはイソペンタン)であることができる。 【0021】 前述のデバイスのいずれかのある実施形態では、薬物送達デバイスは、2つまたはそれを上回る薬物ポンプおよび/または2つまたはそれを上回る薬物リザーバを含むことができる。特定の実施形態では、経口液不浸透性リザーバは、酸素ガスに実質的に不浸透性である。 【0022】 前述のデバイスのいずれかの別の実施形態では、薬物リザーバは、医薬品組成物を含み、医薬品組成物は、薬物リザーバおよびポンプの総体積の33%を上回って(例えば、33%?70%、50%?80%、66%?90%)占める。1つまたはそれを上回る薬物リザーバおよび1つまたはそれを上回る薬物ポンプの総体積は、5mL、3mL、または2mL未満であることができる。 【0023】 前述のデバイスのいずれかのある実施形態では、本デバイスは、患者の1本またはそれを上回る歯の表面に固着されるように構成される。締結具は、バンド、ブラケット、クラスプ、スプリント、またはリテーナを含むことができる。特定の実施形態では、締結具は、透明リテーナを含む。例えば、締結具は、5本、4本、または3本より少ない歯に取り付けられる、部分的リテーナを含むことができる。 【0024】 前述のデバイスのいずれかの別の実施形態では、薬物送達デバイスは、1つまたはそれを上回る薬物リザーバと、1つまたはそれを上回るポンプとを含み、薬物リザーバまたはポンプは、頬前庭内に装着されるように構成される。 【0025】 前述のデバイスのいずれかの一実施形態では、薬物送達デバイスは、1つまたはそれを上回る薬物リザーバと、1つまたはそれを上回るポンプとを含み、薬物リザーバまたはポンプは、歯の舌側に装着されるように構成される。 【0026】 前述のデバイスのいずれかのなおも別の実施形態では、薬物送達デバイスは、1つまたはそれを上回る薬物リザーバと、1つまたはそれを上回るポンプとを含み、薬物リザーバまたはポンプは、同時に、頬前庭内および歯の舌側上に装着されるように構成される。 【0027】 前述のデバイスのいずれかの別の実施形態では、薬物送達デバイスは、1つまたはそれを上回る薬物リザーバと、1つまたはそれを上回るポンプとを含み、薬物リザーバまたはポンプは、両側に構成される。 【0028】 前述のデバイスのいずれかのなおも別の実施形態では、薬物送達デバイスは、1つまたはそれを上回る薬物リザーバと、1つまたはそれを上回るポンプとを含み、薬物リザーバまたはポンプは、歯の舌側において、医薬品組成物を患者の口の中に投与するように構成される。例えば、薬物送達デバイスは、医薬品組成物を分注するために、患者の歯の頬側から舌側に流体チャネルを含むことができる。 【0029】 前述のデバイスのいずれかの別の実施形態では、薬物送達デバイスは、締結具内に、それを通して医薬品組成物が患者の口の中に投与される、流体チャネルを含む。例えば、薬物送達デバイスは、締結具と1つまたはそれを上回る薬物リザーバの直接または間接流体接続のための漏出防止流体コネクタを含むことができる。薬物送達デバイスは、締結具内に、医薬品組成物の流動を制御するための流動制限器を含むことができる。 【0030】 前述のデバイスのいずれかの別の実施形態では、薬物送達デバイスは、ポンプまたは電源を含む。 【0031】 前述のデバイスのいずれかのある実施形態では、薬物リザーバは、4cm、3cm、2cm、1cm、0.5cm、または0.2cm未満の長さの管、チャネル、またはオリフィスと流体連通し、医薬品組成物の剪断粘度は、約50、500、5,000、または50,000cPを上回り(例えば、50?5000cPまたは5,000?50,000cP、または50,000?200,000cP)、本デバイスは、管、チャネル、またはオリフィスを介して、薬物を投与するように構成される。特定の実施形態では、管、チャネル、またはオリフィスは、約1mm、2mm、3mm、4mm、または5mmを上回る最小内径(例えば、1?3mm、2?4mm、3?6mm、または5?15mm)を有する。 【0032】 前述のデバイスのいずれかの別の実施形態では、薬物送達デバイスは、医薬品組成物の投与速度を設定する、流動制限器を含む。例えば、流動制限器の長さは、医薬品組成物の投与速度を設定することができる。特定の実施形態では、流動制限器は、フレア状である。 【0033】 前述のデバイスのいずれかのある実施形態では、薬物送達デバイスは、37℃および13psiaの一定圧力において、約4時間?約168時間の期間にわたって、約0.015mL/時間?約1.25mL/時間の平均体積速度を送達するように構成され、平均速度は、4時間またはそれを上回る期間にわたって、±20%または±10%/時間未満だけ変動する。薬物送達デバイスは、デバイスが、37℃におけるpH7の生理学的生理食塩水溶液中に5分間浸漬された同じ薬物送達デバイスと比較して、以下の条件(a)pH約2.5、(b)pH約9.0、(c)重量比5%のオリーブ油、および(d)重量比5%のエタノールのうちの任意の1つを含む、約37℃における撹拌された生理学的生理食塩水溶液中に5分間浸漬された後、薬物の平均送達速度が、±20%または±10%/時間未満だけ増減するように、経口流体と親和性のある経口流体接触表面を含むことができる。 【0034】 前述のデバイスのいずれかのある実施形態では、薬物送達デバイスは、37℃および13psiaの一定圧力において、約4時間?約168時間の期間にわたって、約0.015mL/時間?約1.25mL/時間の平均体積速度を送達するように構成され、体積は、患者の口の中へのデバイスの最初の挿入後、約60、30、または10分未満のうちに平均速度で投与される。 【0035】 前述のデバイスのいずれかのある実施形態では、薬物リザーバは、37℃で固体の薬物粒子、約2Mを上回る(例えば、2?5M)薬物の濃度、および約1,000cPを上回る(例えば、1,000cP?200,000cP)薬物リザーバ内の医薬品組成物の粘度を含む、懸濁液を含む。薬物送達デバイスはさらに、懸濁液流増進要素を含むことができる。懸濁液流増進要素は、ピークのための平均粒径の比率が3:1?7:1の範囲内にある、多峰性粒子サイズ分布を伴う薬物、0.64?0.70の範囲内の充塞密度を伴う薬物、潤滑剤、滑剤、付着防止剤、または湿潤剤、および粒子の流動を増進させるための流体チャネルの表面特性の修飾から選択されることができる。特定の実施形態では、懸濁液流増進要素は、フレア状オリフィス、管、または流動制限器を含む。他の実施形態では、懸濁液流増進要素は、最大有効粒子サイズを少なくとも10倍上回るオリフィス、管、または流動制限器最小内径を含む。ある実施形態では、懸濁液流増進要素は、10バール未満の圧力で懸濁液を圧送することを含む。懸濁液の粘度は、約10,000cPを上回ることができる。ある実施形態では、懸濁液は、油を含む、流体担体を含む。 【0036】 前述のデバイスのいずれかのある実施形態では、薬物リザーバは、医薬品組成物を含み、医薬品組成物は、薬物を含む。例えば、薬物リザーバは、丸剤、錠剤、小丸薬、カプセル、粒子、微粒子、細粒、または粉末を含むことができる。特定の実施形態では、薬物リザーバは、押出成形および球形化された粒子、または噴霧乾燥、ワースターコーティング、もしくは造粒および粉砕によって、生成される粒子を含む。 【0037】 固体はさらに、随意に、崩壊剤を含む。特定の実施形態では、医薬品組成物は、50%?100%または75%?100%(w/w)薬物を含む。一実施形態では、薬物リザーバは、流体を含まない。別の実施形態では、薬物リザーバは、固体薬物医薬品組成物と、水性または非水性液体(例えば、潤滑剤または油等の食用非水性液体)とを含む。非水性食用液体は、デバイスが患者の口内に常駐するとき、薬物リザーバ内の固体薬物と唾液の接触を実質的に減少させることができる。 【0038】 前述のデバイスのいずれかの別の実施形態では、薬物リザーバは、薬物を含む、流体を含む(例えば、流体の剪断粘度は、37℃において、約10cP?約50,000cP、例えば、37℃において、約10cP?約1,000cP、または37℃において、約1,000?10,000cP、または37℃において、約10,000cP?約50,000cPである)。ある実施形態では、薬物リザーバは、随意に固体の薬物または複数の薬物の体積分率が、0.2、0.4、0.6、または0.8を上回る、流体を有することができる。流体は、水溶液を含むことができる。別の実施形態では、流体は、非水性液体を含む。特定の実施形態では、流体は、薬物の超飽和溶液、乳剤、薬物を含むリポソーム、懸濁液(例えば、水性ニュートン性懸濁液、水性ずり減粘懸濁液、または水性ずり粘稠懸濁液)を含む。流体は、低分子量PEG、プロピレングリコール、グリセリン、または非消化性油中に非水性懸濁液を含む、薬物懸濁液であることができる。流体は、食用油中に非水性懸濁液を含む、薬物懸濁液であることができる。流体は、ナノ懸濁液を含む、薬物懸濁液であることができる。流体は、感温懸濁液(例えば、カカオバター、バター、低溶融範囲食用油、低溶融範囲非消化性油、またはPEG混成物中の懸濁液)を含む、薬物懸濁液であることができる。特定の実施形態では、流体は、37±2℃で流動し、約35℃を下回ると(例えば、33℃で)固化する。いくつかの実施形態では、流体中の薬物は、レボドパまたはレボドパプロドラッグを含む。 【0039】 特定の実施形態では、薬物送達デバイスは、ドーパミンアゴニスト、シクロスポリン、タクロリムス、オキスカルバゼピン、カペシタビン、5-フルオロウラシルプロドラッグ、ブピバカイン、フェンタニル、キニジン、プラゾシン、ザレプロン、バクロフェン、ACE阻害剤、ARB遮断薬、ベータラクタムおよびセファロスポリン、抗癲癇薬、または本明細書に説明される任意の他の薬物もしくは製剤から成る群から選定される少なくとも1つの薬物を含む。例えば、薬物送達デバイスは、合計1ミリモルを上回るレボドパまたはレボドパプロドラッグ(充填時)(例えば、1?10ミリモル、5?20ミリモル、または10?25ミリモル)を含む、リザーバを有することができる。随意に、リザーバはさらに、0.10ミリモルを上回るカルビドパ、カルビドパプロドラッグ、ベンセラジド、または別のDDC阻害剤(例えば、0.1?1ミリモル、0.5?2ミリモル、または1?2.5ミリモル)、および/またはCOMT阻害剤(例えば、エンタカポン、トルカポン、またはオピカポン)、および/または胃不全麻痺を治療するための薬物(例えば、ドンペリドン、ニザチジン、モサプリド、またはシサプリド)、および/またはMAO-B阻害剤、および/またはアデノシンA2受容体アンタゴニストを含有する。 【0040】 前述のデバイスのいずれかの別の実施形態では、本デバイスは、薬物リザーバを含み、薬物リザーバは、薬物粒子の懸濁液を含み、本デバイスはまた、医薬品組成物の分注のための流体チャネルまたはオリフィスを含み、粒子サイズ分布の全最大値における薬物粒径は、流体チャネルまたはオリフィスの最狭内径区画の1/5より小さいまたは1/10より小さい。 【0041】 前述のデバイスのいずれかの別の実施形態では、薬物リザーバは、500mgを上回るレボドパ/mLもしくは500mgを上回るレボドパおよびカルビドパ/mL(例えば、500?1,000mg/mL)、または600mgを上回るレボドパ/mLもしくは600mgを上回るレボドパおよびカルビドパ/mLを含む、または700mgを上回るレボドパ/mLもしくは700mgを上回るレボドパおよびカルビドパ/mLを含む、または800mgを上回るレボドパ/mLもしくは800mgを上回るレボドパおよびカルビドパ/mLを含む、油中懸濁液を含む。懸濁液は、0.02?0.25mL/時間の平均速度で流動するとき、37℃において、少なくとも16時間の間、油中に実質的に均一な固体薬物濃度を維持することができる。特定の実施形態では、薬物粒子の懸濁液中の固体の体積分率は、0.65または0.75を上回る、例えば、0.65?0.8である。懸濁液は、非水性分散媒を含むことができる。 【0042】 特定の実施形態では、薬物送達デバイスは、固体を含み、流体を含まない、製剤化された薬物製品を含む、リザーバを有する。例えば、製剤化された薬物製品は、薬物を含む、1つまたはそれを上回る丸剤、錠剤、小丸薬、カプセル、粒子、微粒子、細粒、または粉末から選択される、固体を含むことができる。随意に、製剤化された薬物製品は、50%?100%(w/w)薬物である。例えば、製剤化された薬物製品は、押出成形および球形化された粒子、または噴霧乾燥、ワースターコーティング、もしくは造粒および粉砕によって、生成される粒子を含むことができる。 【0043】 さらに他の実施形態では、薬物送達デバイスは、流体を含む、製剤化された薬物製品を含む、リザーバを有する。流体は、37℃において、10?50,000cP、10?1,000cP、1,000?50,000cP、または50,000cPを上回る剪断粘度を有することができる。特定の実施形態では、流体は、薬物の水溶液または懸濁液を含む。さらに他の実施形態では、流体は、薬物の非水溶液または懸濁液を含む。いくつかの実施形態では、流体は、薬物の懸濁液、薬物の超飽和溶液、薬物を含む乳剤、または薬物を含むリポソームを含む。例えば、製剤化された薬物製品が、懸濁液を含むとき、懸濁液は、水性ニュートン性懸濁液、水性ずり減粘懸濁液、水性ずり粘稠懸濁液、低分子量PEG、プロピレングリコール、グリセリン、食用油、または医療用パラフィン油中の非水性懸濁液、ナノ懸濁液、または感温懸濁液(例えば、カカオバター、バター、低溶融範囲食用油、低溶融範囲非消化性油、またはPEG混成物中の懸濁液)を含むことができる。 【0044】 本発明の薬物送達デバイスの一特定の実施形態では、本デバイスは、1つまたはそれを上回る薬物の残っている量、空になるまで残っている投与時間、および/または薬物リザーバのうちの1つまたはそれを上回るものが交換されるべきことのインジケータを含む。 【0045】 本発明の薬物送達デバイスのさらに他の実施形態では、薬物は、最近傍歯から少なくとも0.25cmにある、1つまたはそれを上回るオリフィスを通してデバイスから流出する、または薬物は、最近傍歯肉表面または頬表面から少なくとも0.25cmにある、1つまたはそれを上回るオリフィスを通してデバイスから流出する。 【0046】 薬物送達デバイスは、37℃において、pH7の生理学的生理食塩水溶液中に、同一時間期間の間浸漬された同じ薬物送達デバイスと比較して、約55℃において、撹拌された生理学的生理食塩水溶液中に5分間または1分間浸漬されると、未使用の薬物リザーバの含有量の5%未満のボーラスを送達するように構成されることができる。 【0047】 本発明の薬物送達デバイスの一特定の実施形態では、1つまたはそれを上回る薬物リザーバは、1つまたはそれを上回るリザーバが、新しく口の中に挿入されるとき、破裂せず、薬物含有量の5%を上回るボーラスを投与せず、少なくとも200ニュートンの力を伴う患者からの咬合に耐えることが可能である。 【0048】 本発明の薬物送達デバイスの別の特定の実施形態では、デバイスは、大気圧における同じ薬物送達デバイスと比較して、約1分の期間の間、デバイスが患者によって吸引されるとき、未使用の薬物リザーバの含有量の約5%未満のボーラスを送達するように構成される。 【0049】 一般に、懸濁液が口内に継続的に送達されるために、固体の高体積分率は、体積が減少され、かつ望ましくない固体薬物濃度差につながる、沈殿、すなわち、沈降が減速されるため、有利であり得る。発明者らは、食用油、例えば、植物油系懸濁液等の経口送達可能な油系懸濁液が、700mg/mLを上回る等、600mg/mLを上回るLD、例えば、800mg/mLまたはそれを上回るLD含有することができるが、懸濁液が、圧送されることができることを発見した。その見掛け粘度は、同様の高LD濃度を伴う水系懸濁液のものより低くあり得る、すなわち、その見掛け流動度は、より高くあり得る。例えば、食用油中の約800mg/mLレボドパの懸濁液は、傾注されることができ、約25℃におけるその見掛け粘度において蜂蜜状であることができる。LDは、油中より水中において可溶性であるため、油系LD懸濁液は、その固体または溶解されたLDの利点を有し、水または水溶液とともに作製された懸濁液中のLDより唾液抽出されない。油系懸濁液が、口の中に流動するとき、まだ送達されていないLDの唾液による溶出のリスクが、減少される。油で湿潤された薬物は、唾液による抽出に対して遮蔽され、過剰投薬または偶発的過投薬のリスクを減少させる。 【0050】 随意に、懸濁液はまた、固体カルビドパを含むことができる。固体カルビドパを含有するとき、レボドパおよびカルビドパ/mLの重量の総和は、650mg/mLを上回る等、600mg/mLを上回る、例えば、800mg/mLを上回ることができる。懸濁液中の固体薬物または複数の薬物の重量分率は、0.6を上回ることができる。25℃またはそれを上回って、例えば、約33℃において、固体であるが、37℃において液体である、食用油、またはパラフィン油、またはカカオバターのようなバターとともに作製されると、例えば、LDまたはLDおよびカルビドパの濃縮された固体薬物懸濁液は、低見掛け粘度を有することができる。典型的には、4Mを上回る懸濁された固体薬物濃度等の3Mを上回る懸濁された固体薬物濃度であるため、口内におけるリザーバ内の薬物懸濁液の体積は、小さくあり得る。例えば、1日用量1,000mgのLDが、1.25mL未満のリザーバ内に収容されることができる。油は、潤滑性である、すなわち、油中に懸濁された流動する固体薬物粒子間、また、粒子と流動チャネルの壁との間の摩擦を減少させることができるため、油系懸濁液の使用は、特定の流速で圧送するために要求される圧力を減少させることができる。食用油、パラフィン油、または溶融カカオバター系懸濁液のための典型的流速は、約0.03mL/時間?約0.25mL/時間であることができる。 【0051】 油系懸濁液はまた、物理的に安定している、すなわち、十分にゆっくりと沈降し、37℃において、少なくとも16時間の間、その固体薬物濃度の均一性を維持することができ、約25℃において、3ヶ月、6ヶ月、または6ヶ月より長い貯蔵後、均一固体薬物濃度を再確立するために、その再懸濁を可能にするために十分な流体であることができる。特に安定しているのは、その約25℃での貯蔵温度では、固体であるが、口内に設置された後、その成分の混合物の溶融範囲内まで加熱されると、流体となる、カカオバターのようなバターを含む、脂質中の固体薬物粒子の分散体である。 【0052】 懸濁液への潤滑剤の添加は、例えば、固体薬物の重量分率が約0.6を上回る場合、懸濁液の移動を促進することができる。懸濁液は、例えば、滑脱または流動および滑脱の組み合わせによって圧送されることができる。滑脱とは、懸濁液の一部またはさらに懸濁液の全部が、例えば、流動制御管またはオリフィスを通して、単位または複数の単位として移動することを意味し、各単位は、円筒形ブロック等の塑性的に変形可能なブロックである。ブロックまたは複数のブロックの移動、すなわち、流動は、移動するブロックと流動制御管の壁との間の摩擦によって遅延され得る。潤滑剤は、摩擦を減少させ、流動を促進することができる。流動を促進するために、界面活性食品添加剤が、添加されることができる。界面活性食品添加剤は、極性または非極性頭部と、典型的には、8?22個の炭素原子を含む、長非極性炭素鎖とを有することができる。界面活性食品添加剤として、例えば、モノオレイン酸グリセリルもしくはステアリン酸グリセリル等のグリセロールの脂肪酸モノエステル、またはステアリルアルコールもしくはセチルアルコールが挙げられ得る。 【0053】 前述のデバイスのいずれかのある実施形態では、リザーバは、4cm、3cm、2cm、1cm、0.5cm、または0.2cm未満の長さの管、チャネル、またはオリフィスと流体連通し、薬物を含む流体の剪断粘度は、約50、500、5,000、50,000cP、または500,000cPを上回り、本デバイスは、管、チャネル、またはオリフィスを介して、薬物を投与するように構成される。いくつかの実施形態では、管、チャネル、またはオリフィスは、約1mm、2mm、3mm、4mm、または5mmを上回る最小内径を有する。特定の実施形態では、薬物送達デバイスは、第1の薬物リザーバまたは薬物ポンプを口の左側に、第2の薬物リザーバまたは薬物ポンプを口の右側に含み、第1の薬物リザーバまたは薬物ポンプおよび第2の薬物リザーバまたは薬物ポンプは、デバイスを通して流体接触する。薬物送達デバイスは、1つまたはそれを上回る薬物の注入速度を設定する流動制限器を含むことができる。例えば、流動制限器の長さは、1つまたはそれを上回る薬物の注入速度を設定する。薬物送達デバイスは、締結具と、それを通して薬物を含む流体が患者の口の中に送達される、締結具内の1つ、2つ、またはそれを上回る流体チャネルとを含むことができる。薬物送達デバイスは、締結具と、1つまたはそれを上回る薬物リザーバへの締結具の直接または間接流体接続のための1つ、2つ、またはそれを上回る漏出防止流体コネクタとを含むことができる。薬物送達デバイスは、締結具と、流体の流動を制御するための締結具内の1つ、2つ、またはそれを上回る流動制限器とを含むことができる。特定の実施形態では、薬物送達デバイスは、流体の20体積%を上回る、流体の40体積%を上回る、流体の60体積%を上回る、または流体の80体積%を上回る薬物の体積分率を有する、リザーバを含む。 【0054】 本発明は、0.1?5mL容積(例えば、0.1?1mL、0.5?3mL、または3?5mL)の水および唾液浸透性リザーバを含む、患者によって患者の口内に着脱可能に挿入されるように構成および配列される、非電気浸透圧薬物送達デバイスであって、本デバイスは、4時間を下回らず、かつ7日を上回らない送達期間の間、0.01mg/時間を上回らず、かつ125mg/時間を上回らない平均速度において、1つまたはそれを上回るオリフィスを通して、薬物を患者の口の中に継続的または半継続的に投与するように構成および配列され、1つまたはそれを上回るオリフィスは、デバイスが患者の口から除去されるとき、薬物の送達を一時的に停止するように閉鎖されることができる、デバイスを特徴とする。 【0055】 関連側面では、本発明は、本発明の薬物送達デバイスを製造する方法であって、薬物の注入速度は、流動制限器を所定の長さに切断することによって設定される、方法を特徴とする。 【0056】 特定の実施形態では、本発明のデバイスは、0.1?5mL容積(例えば、0.1?1mL、0.5?3mL、または3?5mL)の1つまたはそれを上回る経口液不浸透性薬物リザーバを含み、リザーバは、1つまたはそれを上回る薬物を含み、本デバイスは、4時間を下回らず、かつ7日を上回らない送達期間(例えば、8、16、24、48、または72時間)の間、ある平均速度において、薬物を患者の口の中に継続的または半継続的に投与するように構成および配列される。本デバイスは、患者の口の中へのデバイスの最初の挿入後、約60、30、または10分未満における平均速度の80%?120%の範囲内の速度において、4時間を下回らず、かつ7日を上回らない送達期間の間、ある平均速度で薬物を患者の口の中に継続的または半継続的に投与するように構成および配列されてもよい。1つまたはそれを上回る薬物リザーバは、経口液不浸透性リザーバまたは経口液に浸透性のリザーバを含むことができる。本デバイスは、1つまたはそれを上回る薬物ポンプを含んでもよい。本デバイスは、1つまたはそれを上回る薬物リザーバを含んでもよい。薬物ポンプは、薬物リザーバを含有してもよい。薬物は、固体製剤化薬物製品または流体製剤化薬物製品内にあってもよい。薬物の投与される体積または投与される重量は、4時間またはそれを上回る期間にわたって、±20%または±10%/時間未満だけ変動してもよい。 【0057】 リザーバは、ガス状または溶解された酸素に実質的に不浸透性であることができる。特定の実施形態では、薬物を含む流体の体積分率は、薬物送達デバイスの総体積の1/3、1/2、または2/3を上回る。1つまたはそれを上回る薬物リザーバおよび1つまたはそれを上回る薬物ポンプの総体積は、7.5、5、3、または2.5mL未満であってもよい。 【0058】 固体または流体送達デバイスは、37℃において、pH7の生理学的生理食塩水溶液中に、同一時間期間の間浸漬された同じ薬物送達デバイスと比較して、約55℃において、撹拌された生理学的生理食塩水溶液中に5分間または1分間浸漬されると、未使用の薬物リザーバの含有量の5%未満のボーラスを送達するように構成されることができる。薬物送達デバイスは、大気圧における同じ薬物送達デバイスと比較して、デバイスが、約1分の期間の間、患者によって吸引されると、未使用の薬物リザーバの含有量の約5、3、または1%未満のボーラスを送達するように構成されることができる。薬物送達デバイスは、患者の口の表面に着脱可能に固着されるように構成および配列される、1つまたはそれを上回る構成要素を含むことができる。特定の実施形態では、薬物送達デバイスは、患者によって偶発的に嚥下されることができない形状およびサイズである。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、片頬または両頬の近位への挿入のために構成される。 【0059】 いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、2つまたはそれを上回る薬物リザーバを含み、薬物リザーバはそれぞれ、薬物を含む固体または流体を含む。随意に、2つのリザーバは、ブリッジされる。ブリッジは、随意に、リザーバ間の流体接続を提供することができる。本発明のデバイスは、8時間、16時間、24時間、またはより長い送達期間を提供するように構成されることができる。 【0060】 薬物送達デバイスは、0.1?5mL容積(例えば、0.1?1mL、0.5?3mL、または3?5mL)の経口液不浸透性リザーバを含む、患者または介護者によって患者の口内に着脱可能に挿入されるように構成および配列される、固体薬物送達デバイスであることができ、リザーバは、薬物を含む固体を含み、リザーバ内に残っている薬物は、口の中への連続または半連続薬物投与から4、8、16、24、または72時間後、乾燥したまま、または実質的に経口流体がないままである。特定の実施形態では、本発明は、唾液、飲料(例えば、水、アルコール等)、または食料中の液体(例えば、植物油等)等の液体を乾燥薬物から離す役割を果たす、1つまたはそれを上回る弁、スクイージー、バッフル、回転オーガ、回転ドラム、推進剤、空気圧ポンプ、ダイヤフラムポンプ、疎水性材料、および/または疎水性流体を特徴とする。他の実施形態では、本発明は、1つまたはそれを上回る不浸透性リザーバまたはコンパートメント内の固体薬物の複数の用量を特徴とする。いくつかの実施形態では、口からの液体は、口内における使用から4、8、16、24、48、または72時間後、リザーバ内の薬物含有固体の重量の5%、3%、または1%未満を占める。 【0061】 薬物送達デバイスは、0.1?5mL容積(例えば、0.1?1mL、0.5?3mL、または3?5mL)の経口液不浸透性リザーバを含む、患者または介護者によって患者の口内に着脱可能に挿入されるように構成および配列される、流体薬物送達デバイスであることができ、リザーバは、薬物を含む流体を含み、リザーバ内に残っている流体薬物は、口の中への連続または半連続薬物投与から4、8、16、24、または72時間後、実質的に経口流体がないままである。特定の実施形態では、本発明は、唾液、飲料(例えば、水、アルコール等)、または食料中の液体(例えば、植物油等)等の液体を薬物を含有する流体から離す役割を果たす、1つまたはそれを上回る弁、推進剤、空気圧ポンプ、ダイヤフラムポンプ、疎水性材料、および/または疎水性流体を特徴とする。他の実施形態では、本発明は、1つまたはそれを上回る別個の不浸透性リザーバまたはコンパートメント内に各用量を伴う、リザーバ内の流体薬物の複数の用量を特徴とする。いくつかの実施形態では、口からの液体は、口内における使用から4、8、16、24、48、または72時間後、リザーバ内の薬物含有流体の重量の5%、3%、または1%未満を占める。 【0062】 薬物送達デバイスは、0.1?5mL容積(例えば、0.1?1mL、0.5?3mL、または3?5mL)の水および唾液浸透性リザーバを含む、患者または患者の介護者によって患者の口内に着脱可能に挿入されるように構成および配列される、非電気浸透圧薬物送達デバイスであることができ、リザーバは、薬物を含む流体を含み、本デバイスは、4時間を下回らず、7日を上回らない投与期間の間、1つまたはそれを上回るオリフィスを通して、患者の口の中に薬物を継続的または半継続的に注入するように構成および配列され、1つまたはそれを上回るオリフィスは、デバイスが患者の口から除去されるとき、薬物の送達を一時的に停止するように閉鎖されることができる。 【0063】 いくつかの実施形態では、口内に常駐する固体または流体薬物送達デバイスは、非電気注入ポンプ(例えば、エラストマー注入ポンプ、ばね駆動注入ポンプ、負圧注入ポンプ、またはガス駆動注入ポンプ)を含む。例えば、デバイスが、ガス駆動注入ポンプであるとき、ポンプは、薬物コンパートメント自体または別のコンパートメント内に常駐する揮発性液体を含有することができる。典型的には、揮発性液体は、薬物製剤と不混和性であって、水性または非水性薬物製剤内の不混和性液体の溶解度が、約20%、10%、3%、または1%(w/w)未満であって、および/または揮発性液体中の薬物製剤の主要成分の溶解度が、約20%、10%、3%、または1%(w/w)未満であって、主要成分が、薬物自体(LDまたはLDプロドラッグ等)および薬物が分散または溶解された液体(水、またはプロピレングリコール、またはグリセロールまたはアルコール等)であることを意味する。典型的には、揮発性液体は、37℃を下回る温度において、海面気圧で沸騰する(すなわち、液体の蒸気圧は、37℃で1バールを上回る)。揮発性液体は、リザーバ内の薬物製剤の体積の35%未満(例えば、体積の25%、15%、または5%未満)を占めることができる。表1は、推進剤液体および37℃におけるその近似蒸気圧の実施例を列挙する。 【0064】 液体推進剤および薬物製剤の隔離または分離は、推進剤を多く含む流体の経口送達および意図されるより少ない投薬につながり得るため、液体推進剤は、薬物製剤内に共分散されることができる。推進剤液体は、例えば、随意に、レシチン等の乳化剤を添加することによって、またはピッカリング乳化によって形成される、水中油乳剤として存在することができ、小固体薬物または他の粒子は、乳剤を安定化させる。一般に、乳剤は、少なくとも24時間の間、安定し、撹拌、例えば、振盪によって再形成されることができる。随意に、水中油乳剤は、発泡性または非発泡性であることができ、かつ、例えば、Tweenまたはポリソルベートを含む、非イオン性であり得る、レシチン、タンパク質、または界面活性剤等の乳化剤を含むことができる。混合物を含む推進剤中の乳化剤の実施例は、例えば、米国特許第6,511,655号および米国特許公開第2003/0049214号に列挙されており、それぞれ、参照することによって本明細書に組み込まれる。代替として、液体推進剤は、例えば、担体液体が非水性であるとき、例えば、食用油または医療用パラフィン油であるとき、製剤を含む固体薬物の担体液体中に溶解されることができる。推進剤溶解担体液体は、随意に、カカオバター等の感温液体であってもよい。 【0065】 随意に、ガス駆動注入ポンプを加圧する揮発性液体推進剤は、リザーバの第1のコンパートメント内の炭化水素、ハロカーボン、ハイドロフルオロアルカン、エステルまたはエーテル、例えば、トランスジメチルシクロプロパン;イソペンタン;ペルフレナペント;1-ペンテン;ギ酸メチル;1,1-ジクロルエチレン;イソペンタン;ネオペンタン;シクロブタン;1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン;シス-1-クロロプロペン;1-フルオロブタン;2-メチル-1,3-ブタジエン;ジエチルエーテル;エチルシクロプロパン;n-ペンタン;トランス-2-ペンテン;または1,1,1,2-テトラフルオロエタンと、リザーバ内の第2のコンパートメント内の薬物とであって、揮発性液体は、1atmを超える圧力を提供し、揮発性液体は、海面気圧および37℃未満の温度で沸騰する。特定の実施形態では、推進剤は、1-フルオロブタン、2-フルオロブタン、1,2-ジフルオロエタン、メチルエチルエーテル、2-ブテン、ブタン、1-フルオロプロパン、1-ブテン、2-フルオロプロパン、1,1-ジフルオロエタン、シクロプロペン、プロパン、プロペン、ジエチルエーテル、オクタフルオロシクロブタン、イソペンタン、1,1,1,3,3,3ヘクサフルオロプロパン、1,1,1,2テトラフルオロエタン、および1,1,1,2,3,3,3ヘプタフルオロプロパンから選択される。 【0066】 典型的には、加圧液体の蒸気圧は、薬物の注入の間、ほぼ一定であって、圧力が、推進剤の一部が蒸発後、37℃でほぼ不変のままであることを意味する。 【0067】 いくつかの実施形態では、口内に常駐する薬物送達デバイスは、電気注入ポンプを含む。例えば、薬物送達デバイスは、電気浸透圧ポンプを含むことができる。いくつかの実施形態では、固体または流体薬物送達デバイスは、ダイヤフラムポンプを含む。例えば、ダイヤフラムは、圧電結晶の運動によって圧縮されることができ、これは、1つの運動でダイヤフラムチャンバから薬物を注入し、反対の運動でダイヤフラムを充填することができる。 【0068】 本発明のいくつかの実施形態では、薬物は、固体形態で送達されることができる。例えば、固体は、電気機械(例えば、微粒子または粉末を分注するための圧電ダイヤフラムポンプ)、機械(例えば、丸剤、錠剤、または固体薬物でコーティングされた摂取可能非毒性細片を分注するためのばね駆動)、または空気圧ポンプによって送達されてもよい。固体薬物の粒子を含む非毒性細片は、例えば、セルロース系(すなわち、セルロースまたはセルロースの誘導体を含む)であることができる、または乳酸に分解されるポリ乳酸(重合乳酸としても知られる)を含むことができる。 【0069】 固体薬物は、口の中に分注され、そこで、嚥下されてもよい。固体薬物は、口内で崩壊または分散してもよく、崩壊補助剤または分散補助剤を含んでもよい。 【0070】 本発明の固体または流体薬物送達デバイスは、デバイスからの薬物投与が、ある時間期間の間、患者によって一時的に停止(すなわち、患者がスイッチを展開することによって停止)され得るように、構成および配列されることができる。例えば、薬物送達デバイスは、デバイスの1つまたはそれを上回る構成要素が患者の口から除去される間、薬物送達が一時的に停止されるように構成および配列されることができる。ある実施形態では、薬物送達デバイスは、薬物リザーバおよび/またはポンプが患者の口内の表面に固着されていない間、薬物送達が一時的に停止されるように構成および配列される。他の実施形態では、薬物送達デバイスは、デバイスの2つまたはそれを上回る構成要素が切断される間、薬物送達が一時的に停止されるように構成および配列される。別の実施形態では、薬物送達は、キャップの設置によって一時的に停止される。 【0071】 本発明は、毒性ヒドラジンの量を最小限にする、カルビドパの組成物を特徴とする。本発明は、0.20?5.0mLの流体体積中にCDの懸濁液を含有する、経口液不浸透性リザーバを含み、流体中に懸濁されたCDの濃度は、50?500mg/mLである。本発明は、懸濁液が、1年間、5℃で、または3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、もしくは24ヶ月間、25℃で貯蔵された後、500mgのCDあたり約4、1、または0.25mg未満のヒドラジンを含む、CD懸濁液を特徴とする。本発明は、薬物リザーバが、1年間、5℃で、または3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、もしくは24ヶ月間、25℃で貯蔵されると、約1ppm未満のヒドラジンを含む、CD懸濁液を特徴とする。 【0072】 前述のデバイスのいずれかのある実施形態では、デバイスの容積は、7.5mL未満、5mL未満、または3mL未満である。 【0073】 前述の固体または流体薬物送達デバイスのいずれかでは、本デバイスは、1つまたはそれを上回る薬物の残っている量、空になるまでに残っている注入時間、および/または薬物リザーバのうちの1つまたはそれを上回るものが交換されるべきことのインジケータを含むことができる。 【0074】 前述の固体または流体薬物送達デバイスのいずれかでは、薬物は、最近傍歯または最近傍歯肉表面もしくは頬表面から少なくとも0.25cmの1つまたはそれを上回るオリフィスを通して、デバイスから流出することができる。 【0075】 前述の流体送達デバイスのいずれかでは、薬物含有流体は、4cm、3cm、2cm、1cm、0.5cm、または0.2cm未満の長さの管、チャネル、またはオリフィスを通して、デバイスから口の中に流出することができ、薬物を含む流体の剪断粘度は、約50cP、500cP、5,000cP、50,000cP、または500,000cPを上回る。 【0076】 前述の流体送達デバイスのいずれかでは、薬物含有流体は、約1mm、2mm、3mm、4mmまたは5mmを上回る内径を有する、管、チャネル、またはオリフィスを通して、デバイスから口の中に流出することができる。 【0077】 オリフィスは、随意に、フレア状形状であることができる。フレアは、オリフィスの軸に対して90度未満の角度を有することができる。 【0078】 前述の流体送達デバイスのいずれかでは、本デバイスは、0.015?0.25mL/時間の範囲内、0.05?0.25mL/時間の範囲内、0.25?0.5mL/時間の範囲内、0.5?0.75mL/時間の範囲内、0.75?1.0mL/時間の範囲内、または1.0?1.25mL/時間の範囲内の毎時速度において、1つまたはそれを上回る薬物リザーバから口の中に、1つまたはそれを上回る薬物を含む流体を注入するように構成および配列されることができる。 【0079】 前述の固体または流体薬物送達デバイスのいずれかでは、本デバイスは、0.01?1mg/時間、1?10mg/時間、10?100mg/時間、または100mg/時間を上回る平均速度において、固体または流体活性医薬品原料を投与するように構成および配列されることができる。他の実施形態では、固体または流体薬物製品(すなわち、活性医薬品原料と賦形剤)は、0.01?1mg/時間、1?10mg/時間、10?100mg/時間、または100mg/時間を上回る平均速度において、送達される。前述の固体または流体薬物送達デバイスのいずれかでは、本デバイスは、120分毎に少なくとも1回、90分毎に少なくとも1回、60分毎に少なくとも1回、30分毎に少なくとも1回、15分毎に少なくとも1回、10分毎に少なくとも1回、5分毎に少なくとも1回、または継続的に、薬物を投与するように構成および配列されることができる。患者が睡眠中の夜間の送達のために、本デバイスは、4時間毎に少なくとも1回、2時間毎に少なくとも1回、1時間毎に少なくとも1回、1時間に1回より頻繁に、または継続的に、薬物を投与するように構成および配列されることができる。 【0080】 前述の固体または流体薬物送達デバイスのいずれかでは、1つまたはそれを上回る薬物リザーバは、1つまたはそれを上回るリザーバが、新しく口の中に挿入されるとき、破裂せずに、かつ薬物含有量の5%を上回るボーラスを注入せずに、少なくとも200ニュートンの力を伴う患者からの咬合に耐えるように構成されることができる。 【0081】 前述の流体送達デバイスのいずれかでは、本デバイスは、薬物の注入速度を設定する、流動制限器を含むことができる(例えば、流動制限器の長さは、薬物の注入速度を設定する、または薬物の注入速度は、流動制限器を所定の長さに切断することによって設定される、)。 【0082】 前述の固体または流体薬物送達デバイスのいずれかでは、リザーバは、2つまたはそれを上回る薬物を含むことができる。 【0083】 前述の流体送達デバイスのいずれかでは、薬物(例えば、LD)またはプロドラッグ(例えば、LDプロドラッグ)含有流体は、水性、または非水性、または水性と非水性の混合であることができる。例えば、プロピレングリコール、グリセロール、ソルビトール、またはエタノール等の非毒性アルコール、食用油、37℃またはそれを下回ると溶融する食用脂質、例えば、37℃またはそれを下回ると軟化または溶融するバターを含有することができる、または20重量%を超える糖度の糖類の水溶液、例えば、50重量%を上回るスクロースを含む溶液であることができる。 【0084】 前述の流体送達デバイスのいずれかでは、流体は、薬物の水性、非水性、または水性と非水性の混合懸濁液を含むことができ、薬物の一部または大部分または本質的に全部は、固体である、すなわち、溶解されず、または薬物の水溶液、薬物の非水溶液、薬物の懸濁液、薬物の超飽和溶液、薬物を含む乳剤、薬物を含むリポソーム、LDプロドラッグの脂肪酸塩、LDプロドラッグの液体塩、もしくはドーパミンアゴニスト、シクロスポリン、タクロリムス、オキスカルバゼピン、カペシタビン、5-フルオロウラシルプロドラッグ、ブピバカイン、フェンタニル、キニジン、プラゾシン、ザレプロン、バクロフェン、ACE阻害剤、ARB遮断薬、ベータラクタム、およびセファロスポリンから成る群から選定される少なくとも1つの薬物であることができる。例えば、複素環窒素原子を含むため、塩基性であるとき、薬物は、随意に、そのより可溶性の塩、例えば、塩酸塩またはカルボン酸塩として投与されることができる。 【0085】 前述の流体送達デバイスのいずれかでは、薬物(例えば、LD、CD、またはそのプロドラッグのうちの1つ)は、随意に、潤滑懸濁液中の微粒子を伴う、水性懸濁液(例えば、水性ニュートン性懸濁液、水性ずり減粘(擬塑性)懸濁液、または水性ずり粘稠(膨張性)懸濁液)、非水性懸濁液(例えば、低分子量PEG中の懸濁液、プロピレングリコール中の懸濁液、グリセリン中の懸濁液、食用油中の懸濁液、または医療用パラフィン油中の懸濁液)、ナノ懸濁液またはコロイド(例えば、水性ナノ懸濁液または非水性ナノ懸濁液)、感温懸濁液(例えば、カカオバター中の懸濁液、低溶融範囲食用油中の懸濁液、低軟化または溶融範囲非消化性油中の懸濁液、またはPEGもしくはPEG混成物中の懸濁液)、および微粒子状製剤(例えば、押出成形および球形化された粒子、噴霧乾燥によって生成される粒子、ワースターコーティングによって生成される粒子、または造粒および粉砕によって生成される粒子)を含む、種々のアプローチを使用して製剤化されてもよい。 【0086】 前述の固体または流体薬物送達デバイスのいずれかの特定の実施形態では、口内に常駐するリザーバ内の薬物は、合計1ミリモルを上回るLDを含む。リザーバ内の薬物はさらに、0.10ミリモルを上回るカルビドパ、カルビドパプロドラッグ、またはベンセラジドを含むことができる。リザーバ内の薬物はさらに、COMT阻害剤(例えば、エンタカポン、トルカポンまたはオピカポン)、胃不全麻痺を治療するための薬物(例えば、ドンペリドン、ニザチジン、レラモレリン、モサプリドまたはシサプリド)、MAO-B阻害剤、またはアデノシンA2受容体アンタゴニストを含むことができる。特定の実施形態では、LDまたはLDプロドラッグの体積分率は、固体または流体の20体積%を上回る、固体または流体の40体積%を上回る、固体または流体の60体積%を上回る、または固体または流体の80体積%を上回る。別の実施形態では、リザーバは、0.25Mまたはそれを上回る濃度(例えば、0.5、1.0、1.5、2.0、2.5、3.0、または3.5Mを上回るまたはそれに等しい)の合計1ミリモルを上回るLDプロドラッグ(例えば、LDEE、LDME、またはその塩)を含む、流体を含有する。さらに他の実施形態では、経口注入される流体のpHは、約8またはそれ未満、約7またはそれ未満、約6またはそれ未満、約5またはそれ未満、約4またはそれ未満、3またはそれ未満、もしくは2またはそれ未満である。 【0087】 いくつかの実施形態では、口腔内リザーバ内の固体または流体はさらに、0.07ミリモルを上回るまたはそれに等しい、0.30ミリモルを上回るまたはそれに等しい量において、または注入されるLD、LDプロドラッグ、もしくはDDC阻害剤の酸化製品による口の変色を防止するために十分な量で存在する、還元剤を含む。剤は、例えば、アスコルビン酸またはアスコルビン酸塩であることができる。添加されるアスコルベート塩またはアスコルビン酸は、半分を上回るアスコルビン酸またはアスコルベート塩が、少なくとも1週間、例えば、1ヶ月、2ヶ月、または3ヶ月の間、約25℃で貯蔵後、留保されるように、プロピレングリコール、グリセロール、またはソルビトール等の非毒性ジオールまたはポリオールが、添加されると、流体中で安定することができる。典型的には、添加されるジオールまたはポリオールと水の重量比率は、1:10、例えば、1:5、1:3、1:2、または1:1を上回る、もしくは1:10?1:1であることができる。特定の実施形態では、製剤は、ジオールまたはポリオールを含むが、水を含まない。いくつかの実施形態では、随意に、固体アスコルビン酸、アスコルビン酸ナトリウム、または別のアスコルビン酸塩が、25℃またはそれを上回ると、例えば、約33℃では、固体であるが、37℃では、液体である、カカオバターのようなバター中に共懸濁される。固体中へのO_(2)の低速拡散のため、かつ体温、すなわち、約37oでは、液体である、感熱食用油を多く含む固体組成物中のアスコルビン酸およびアスコルビン酸塩の若干の溶解度のため、アスコルベートまたはアスコルビン酸を含む組成物の予期される25℃保存可能期間は、6ヶ月を上回る、例えば、1年を上回る、例えば、2年を上回ることが予期される。 【0088】 前述の流体送達デバイスのいずれかでは、37℃で口の中に送達される流体の粘度は、1.2?50,000cP、2?1,000cP、1,000?50,000cP、または50,000を上回る。 【0089】 前述のデバイスのいずれかでは、薬物送達デバイスはさらに、賦形剤、例えば、味覚修飾賦形剤を含み、固体または流体の味覚を改善することができる。 【0090】 本発明の固体または流体薬物送達デバイスは、随意に、薬物送達デバイスを患者の歯に固着するための締結具を含んでもよい。締結具、1つまたはそれを上回るポンプ、および1つまたはそれを上回る薬物リザーバは、単一ユニットを構成してもよい、または相互に着脱可能に結合されてもよい。ある実施形態では、締結具は、締結具に着脱可能に固着される1つ、2つ、またはそれを上回る薬物リザーバを含む。特定の実施形態では、締結具は、締結具に着脱可能に固着される、本発明の1つ、2つ、またはそれを上回るポンプを含む。いくつかの実施形態では、締結具は、本発明の1つ、2つ、またはそれを上回る薬物リザーバまたはポンプを保持するための筐体を含む、リテーナである。1つ、2つ、またはそれを上回る薬物リザーバもしくは1つ、2つ、またはそれを上回るポンプは、頬前庭において、歯の舌側において、頬前庭および歯の舌側の両方において着脱可能に固着される、または両側に着脱可能に固着されることができる。特定の実施形態では、薬物送達デバイスは、随意に、締結具を通して、歯の舌側において、薬物を含む固体または流体を患者の口の中に投与するように構成される。薬物送達デバイスは、それを通して薬物を含む流体が、随意に、締結具を通して、患者の口の中に送達される、1つ、2つ、またはそれを上回る流体チャネルを含むことができる。薬物送達デバイスは、随意に、締結具を通して、1つ、2つ、またはそれを上回る薬物リザーバへの直接または間接接続のために、1つ、2つ、またはそれを上回る漏出防止流体コネクタを含むことができる。特定の実施形態では、薬物送達デバイスは、随意に、締結具内に、薬物リザーバからの薬物を含む流体の流動を制御するための1つ、2つ、またはそれを上回る流動制限器を含む。固体または流体薬物送達デバイスは、随意に、締結具内に、ポンプ機構または電源を含むことができる。ポンプは、着脱可能および使い捨てであることができる、または代替として、締結具の一部または全部が、ある時間期間(例えば、1週間、1ヶ月、6ヶ月、または1年)の間、再使用可能であるように、締結具の中に統合されることができる。 【0091】 関連側面では、本発明は、連続または頻回断続口腔内送達に好適な薬物を含有する懸濁液を含む、医薬品組成物を特徴とし、懸濁液は、37℃で固体の薬物粒子、約2Mを上回る(例えば、2?5M)薬物の濃度、および約100ポアズを上回る粘度を含み、懸濁液は、6ヶ月またはそれを上回る間、沈殿した固体薬物がないままである。特定の実施形態では、5マイクロメートルより小さく、かつ0.5マイクロメートルより大きい最大径を有する固体薬物粒子の重量分率は、50%を上回る(例えば、50%?70%、60%?80%、または70%?90%)。ある実施形態では、固体薬物粒子最大径は、二峰性または多峰性に分布される。医薬品組成物はさらに、液体担体(例えば、水性担体または非水性担体)を含むことができる。特定の実施形態では、水性担体の密度は、1.2gcm^(-3)を上回る(例えば、1.2?2.2gcm^(-3))。特定の実施形態では、粒子は、オキスカルバゼピン、トピラマート、ラモトリジン、ガバペンチン、カルバマゼピン、バルプロ酸、レベチラセタム、プレガバリン、シクロスポリン、タクロリムス、オキスカルバゼピン、カペシタビン、5-フルオロウラシルプロドラッグ、ブピバカイン、フェンタニル、キニジン、プラゾシン、ザレプロン、バクロフェン、ACE阻害剤、ARB遮断薬、ベータラクタム、セファロスポリン、ドーパミンアゴニスト、カルビドパ、カルビドパプロドラッグ、ベンセラジド、COMT阻害剤、MAO-B阻害剤、またはA2受容体アンタゴニストを含む。さらに他の実施形態では、粒子は、レボドパまたはその薬学的に容認可能な塩またはそのプロドラッグを含む。 【0092】 本発明は、50mg/mL?500mg/mLの濃度において、流体中にカルビドパの懸濁液を含む、安定した不溶解性医薬品組成物を特徴とし、ヒドラジンの濃度は、3ヶ月の期間の間、25℃で貯蔵後、1ppm未満である。本発明はさらに、(a)50mg/mL?500mg/mLの濃度における流体中のカルビドパの懸濁液と、(b)3ヶ月の期間の間、25℃で貯蔵後、500mgのCDあたり約4mg未満のヒドラジンとを含む、安定した不溶解性医薬品組成物を特徴とする。特定の実施形態では、流体は、低分子量PEG、プロピレングリコール、グリセリン、または非消化性油を含む。他の実施形態では、流体は、食用油を含む。医薬品組成物はさらに、レボドパまたはレボドパプロドラッグを含むことができる。 【0093】 本発明は、500mgを上回るレボドパ/mLもしくは500mgを上回るレボドパおよびカルビドパ/mL(例えば、500?1,000mg/mL)の油中懸濁液を含む、または600mgを上回るレボドパ/mL、もしくは600mgを上回るレボドパおよびカルビドパ/mLを含む、または700mgを上回るレボドパ/mLもしくは700mgを上回るレボドパおよびカルビドパ/mLを含む、または800mgを上回るレボドパ/mLもしくは800mgを上回るレボドパおよびカルビドパ/mLを含む、連続または半連続口腔内投与のための医薬品組成物を特徴とする。特定の実施形態では、懸濁液は、0.02?0.25mL/時間の平均速度で流動するとき、37℃において、少なくとも16時間の間、油中に実質的に均一な固体薬物濃度を維持する。 【0094】 本発明は、薬物粒子の懸濁液を含む、連続または半連続口腔内投与のための医薬品組成物を特徴とし、固体の体積分率は、0.65を上回る(例えば、0.75を上回る、または0.65?0.8である)。懸濁液は、非水性分散媒(例えば、油)を含むことができる。特定の実施形態では、懸濁液は、二峰性または多峰性で分布される薬物粒子サイズを含む。一特定の実施形態では、(a)より大きい薬物粒子の重量ベースの量は、粒子サイズ分布が二峰性であるとき、より小さい薬物粒子のものと等しいまたはそれを超え、(b)最大薬物粒子の重量ベースの量は、粒子サイズ分布が多峰性であるとき、最小薬物粒子のものと等しいまたはそれを超える。ある実施形態では、大薬物粒子:小薬物粒子重量比率は、1.2?1.8である。医薬品組成物はさらに、潤滑剤および/または感温懸濁液を含むことができる。ある実施形態では、医薬品組成物は、0.125mL/時間の速度で口の中に継続的に注入されるとき、実質的に味がない。他の実施形態では、懸濁液は、約25℃で少なくとも6ヶ月間貯蔵されるとき、懸濁流体中に実質的に均一な固体薬物濃度を維持する。さらに他の実施形態では、医薬品組成物は、50ポアズ?500ポアズの剪断粘度を有する。いくつかの実施形態では、懸濁液は、(i)約25℃で少なくとも6ヶ月間貯蔵されるとき、懸濁流体中に非均一固体薬物濃度を維持し、続いて、(ii)実質的に均一な固体薬物濃度は、医薬品組成物が、約60秒の期間の間、手で振盪されると達成される。さらに他の実施形態では、医薬品組成物は、0.1ポアズ?50ポアズの粘度を有する。 【0095】 本発明は、油担体中の懸濁液を含む、連続または半連続口腔内投与のための医薬品組成物を特徴とし、固体薬物粒子の濃度の総和は、3Mを上回り、その薬物濃度の均一性は、0.02mL/時間?0.25mL/時間の流速で、8時間またはそれを上回る間、流動するとき、約+/-10%以内に維持される。 【0096】 本発明は、レボドパまたはレボドパプロドラッグの感温懸濁液を含む、医薬品組成物を特徴とする。レボドパまたはレボドパプロドラッグの濃度は、500mg/mLまたはそれを上回ることができる。特定の実施形態では、医薬品組成物は、カカオバターを含む。医薬品組成物は、5℃、25℃、または33℃で固体または半固体であることができる。 【0097】 別の側面では、本発明は、本発明の医薬品組成物を含む、本発明のデバイスを特徴とする。 【0098】 関連側面では、本発明は、(i)薬物リザーバを含む、本発明のデバイスと、(ii)薬物を含む、カートリッジと、(iii)薬物リザーバを薬物で装填するための説明書とを含む、キットを特徴とする。別の関連側面では、本発明は、(i)本発明のリザーバと、(ii)リザーバを口の表面に取り付けるためのデバイスと、(iii)リザーバをデバイスに接続するための説明書とを含む、キットを特徴とする。別の関連側面では、本発明は、(i)薬物リザーバおよび締結具を含む、本発明のデバイスと、(ii)リザーバを締結具に接続するための説明書とを含む、キットを特徴とする。 【0099】 関連側面では、本発明は、医薬品組成物を患者に投与する方法であって、本発明のデバイスを患者の口腔内表面に着脱可能に取り付けるステップを含む、方法を特徴とする。本方法はさらに、デバイスを口腔内表面から取り外すステップを含むことができる。一特定の実施形態では、本方法は、約4時間、6時間、8時間、または12時間を下回らず、および/または約4日、5日、または7日を上回らない、送達期間の間、薬物を患者に投与するステップを含む。特定の実施形態では、本デバイスは、ある体積の薬物を含有する、薬物リザーバを含み、本方法は、送達期間の間、15マイクロリットル/時間?約1.25mL/時間の範囲内の速度における経口投与を含む。いくつかの実施形態では、薬物の変動指数は、送達期間の間、2.0、1.5、1.0、0.75、0.50、0.25、または0.15未満またはそれに等しい。本方法は、約0.015mL/時間?約0.25mL/時間、約0.25mL/時間?約0.5mL/時間、約0.5mL/時間?約0.75mL/時間、約0.75mL/時間?約1.0mL/時間、または約1.0mL/時間?約1.25mL/時間の範囲内の速度における経口投与を含むことができる。特定の実施形態では、本デバイスは、薬物を含む医薬品組成物を含有する、薬物リザーバを含み、薬物は、0.01mg/時間を上回らず、かつ125mg/時間を上回らない(例えば、0.01?1mg/時間、10?100mg/時間、または100mg/時間を上回る)平均速度において、患者に投与される。送達方法の一実施形態では、医薬品組成物は、60分毎に少なくとも1回、30分毎に少なくとも1回、15分毎に少なくとも1回、患者に投与される、または継続的に患者に投与される。特定の実施形態では、送達期間は、少なくとも48、16、24、または2日である。一特定の実施形態では、本デバイスは、薬物を含む流体医薬品組成物を含有する、薬物リザーバを含み、流体医薬品組成物は、37±2℃で流動し、5℃、25℃、または33℃では、固体または半固体であって、本方法はさらに、薬物リザーバの温度を低下させることによって、流動医薬品組成物の流動を停止するステップを含む。温度を低下させるステップは、薬物リザーバを水中に浸漬させること等によって、薬物リザーバの温度を周囲温度まで低下させるステップを含むことができる。前述の送達方法のいずれかでは、本方法はさらに、患者における疾患を治療するステップを含むことができ、疾患は、麻痺、細菌性感染症、癌、疼痛、臓器移植、睡眠障害、癲癇および発作、不安症、気分障害、外傷後ストレス障害、癌、不整脈、高血圧症、心不全、痙縮、および糖尿病性腎障害から選択される。例えば、本方法はさらに、パーキンソン病を治療するステップを含むことができ、薬物は、レボドパまたはレボドパプロドラッグである。 【0100】 本発明はさらに、患者における疾患を治療するための方法であって、(a)患者の口の中に本発明の薬物送達デバイスを挿入するステップと、(b)少なくとも4時間の期間の間、薬物をリザーバから患者の口の中に投与するステップと、(c)薬物送達デバイスを口から除去するステップとを含む、方法を特徴とする。 【0101】 本発明はまた、患者における疾患を治療するための方法であって、(a)薬物送達デバイスを患者の口の中に挿入するステップと、(b)デバイスからの薬物投与を開始するステップと、(c)0.015?1.25mL/時間または0.01?100mg/時間の範囲内の毎時速度において、4時間?7日の期間の間、連続投与または半連続投与を使用して、患者の口の中に1つまたはそれを上回る薬物を投与するステップと(d)薬物送達デバイスを口から除去するステップとを含み、薬物送達デバイスは、0.1?5mL容積(例えば、0.1?1mL、0.5?3mL、または3?5mL)の経口液不浸透性リザーバを含み、リザーバは、薬物を含む、固体または流体を含む、方法を特徴とする。 【0102】 本発明は、患者における疾患を治療するための方法であって、(a)薬物送達デバイスを患者の口の中に挿入するステップと、(b)デバイスからの薬物投与を開始するステップと、(c)0.015?1.25mL/時間または0.01?125mg/時間の範囲内の毎時速度において、連続投与または半連続投与を使用して、患者の口の中に1つまたはそれを上回る薬物を投与するステップと、(d)薬物送達デバイスを口から除去するステップと、(e)デバイスからの薬物送達を停止するステップとを含み、(i)薬物送達デバイスは、0.1?5mL容積(例えば、0.1?1mL、0.5?3mL、または3?5mL)のリザーバを含み、リザーバは、薬物を含む、固体または流体を含み、(ii)ステップa、b、c、d、およびeは、4時間?7日の期間にわたって、少なくとも2回行われる、方法を特徴とする。 【0103】 前述の方法のいずれかでは、薬物は、ドーパミンアゴニスト、シクロスポリン、タクロリムス、オキスカルバゼピン、カペシタビン、5-フルオロウラシルプロドラッグ、ブピバカイン、フェンタニル、キニジン、プラゾシン、ザレプロン、バクロフェン、ACE阻害剤、ARB遮断薬、ベータラクタム、またはセファロスポリンを含むことができる。 【0104】 前述の方法のいずれかでは、治療されるべき疾患は、麻痺、細菌性感染症、癌、疼痛、臓器移植、睡眠障害、癲癇および発作、不安症、気分障害、外傷後ストレス障害、癌、不整脈、高血圧症、心不全、痙縮、認知症、および糖尿病性腎障害のうちの1つまたはそれを上回るものから選択されることができる。 【0105】 前述の方法のいずれかでは、薬物は、LD、LDプロドラッグ、またはその塩を含むことができる。 【0106】 前述の方法の特定の実施形態では、治療されるべき疾患は、パーキンソン病と関連付けられた運動または非運動合併症である。運動または非運動合併症として、振戦、無動、寡動、運動機能異常、筋緊張異常、認知障害、胃排出、消化管通過遅延、および/または睡眠障害が挙げられ得る。 【0107】 本発明はさらに、患者におけるパーキンソン病を治療するための方法であって、(a)着脱可能に薬物送達デバイスを患者の口の中に挿入するステップであって、薬物送達デバイスは、0.1?5mL容積(例えば、0.1?1mL、0.5?3mL、または3?5mL)の経口液不浸透性リザーバを含み、リザーバは、合計1ミリモルを上回るLDまたはLDプロドラッグを含む、固体または流体を含む、ステップと、(b)400ng/mLを上回り、かつ7,500ng/mL未満の循環血漿LD濃度が、注入中、少なくとも8時間の期間の間、継続的に維持されるように、0.03?1.25mL/時間または20?125mg/時間のLDの範囲内の毎時速度において、少なくとも8時間の期間の間、患者の口の中に固体または流体を投与するステップと、(c)薬物送達デバイスを口から除去するステップとを含む、方法を特徴とする。 【0108】 本発明はさらに、患者におけるパーキンソン病を治療するための方法であって、(a)本発明の薬物送達デバイスを患者の口の中に挿入するステップであって、デバイスは、レボドパまたはレボドパプロドラッグを含む、薬物リザーバを有する、ステップと、(b)1,200ng/mLを上回り、かつ2,500ng/mL未満の循環血漿LD濃度が、投与中、少なくとも8時間の期間の間、継続的に維持されるように、少なくとも8時間の期間の間、10?125mg/時間の範囲内の毎時速度において、患者の口の中にレボドパまたはレボドパプロドラッグを投与する、ステップと、(c)薬物送達デバイスを口から除去するステップとを含む、方法を特徴とする。 【0109】 関連側面では、本発明は、患者におけるパーキンソン病を治療するための方法であって、(a)請求項126?144のいずれか一項に記載の医薬品組成物を含有する薬物送達デバイスを患者の口の中に挿入するステップと、(b)1,200ng/mLを上回り、かつ2,500ng/mL未満の循環血漿LD濃度が、投与中、少なくとも8時間の期間の間、継続的に維持されるように、少なくとも8時間の期間の間、10?125mg/時間の範囲内の毎時速度において、患者の口の中にレボドパまたはレボドパプロドラッグを投与するステップと、(c)薬物送達デバイスを口から除去するステップとを含む、方法を特徴とする。 【0110】 パーキンソン病を治療するための方法の特定の実施形態では、LDの変動指数は、投与中、少なくとも8時間の期間の間、2.0、1.5、1.0、0.75、0.50、0.25、または0.15未満またはそれに等しい。特定の実施形態では、投与中、循環LD血漿中濃度は、少なくとも1時間の期間の間、その平均値から+/-20%または+/-10%未満だけ変動する。 【0111】 別の側面では、本発明は、患者におけるパーキンソン病を治療するための方法であって、約4時間?約168時間の期間の間、10?125mg/時間の速度における、患者の中への本発明の医薬品組成物の連続または半連続投与を含む、方法を特徴とする。 【0112】 パーキンソン病を治療するための方法の特定の実施形態では、疾患は、パーキンソン病の運動または非運動合併症(例えば、振戦、無動、寡動、運動機能異常、筋緊張異常、認知障害、または睡眠障害)である。 【0113】 特定の実施形態では、400ng/mLを上回る循環血漿LD濃度は、投与開始から60分以内に達成される、800ng/mLを上回る循環血漿LD濃度は、投与中、少なくとも8時間の期間の間、継続的に維持される、1,200ng/mLを上回る循環血漿LD濃度は、投与中、少なくとも8時間の期間の間、継続的に維持される、1,600ng/mLを上回る循環血漿LD濃度は、投与中、少なくとも8時間の期間の間、継続的に維持される、2,000ng/mLを上回る循環血漿LD濃度は、投与中、少なくとも8時間の期間の間、継続的に維持される、800ng/mLを上回る循環血漿LD濃度は、投与開始から60分以内に達成される、1,200ng/mLを上回る循環血漿LD濃度は、投与開始から60分以内に達成される、1,600ng/mLを上回る循環血漿LD濃度は、投与開始から60分以内に達成される、2,000ng/mLを上回る循環血漿LD濃度は、投与開始から60分以内に達成される、5,000ng/mL未満の循環血漿LD濃度は、投与中、少なくとも8時間の期間の間、継続的に維持される、3,500ng/mL未満の循環血漿LD濃度は、投与中、少なくとも8時間の期間の間、継続的に維持される、または2,500ng/mL未満の循環血漿LD濃度は、投与中、少なくとも8時間の期間の間、継続的に維持される。特定の実施形態では、循環血漿LDプロドラッグ濃度未満100ng/mLは、投与中、少なくとも8時間の期間の間、継続的に維持される、循環血漿LDプロドラッグ濃度未満50ng/mLは、投与中、少なくとも8時間の期間の間、継続的に維持される、循環血漿LDプロドラッグ濃度未満25ng/mLは、投与中、少なくとも8時間の期間の間、継続的に維持される。特定の実施形態では、投与中、循環LD血漿中濃度は、少なくとも1時間の期間の間、その平均値から+/-20%未満または+/-10%未満だけ変動する。 【0114】 関連側面では、本発明は、50mg/mL?500mg/mLの濃度における流体中のカルビドパの懸濁液を含む、安定した不溶解性医薬品組成物を特徴とし、ヒドラジンの濃度は、3ヶ月の期間の間、25℃で貯蔵後、1ppm未満である。 【0115】 別の側面では、本発明は、(a)50mg/mL?500mg/mLの濃度における流体中のカルビドパの懸濁液と、(b)3ヶ月の期間の間、25℃で貯蔵後、500mgのCDあたり約4mg未満のヒドラジンとを含む、安定した不溶解性医薬品組成物を特徴とする。 【0116】 本発明は、カルビドパの懸濁液を注入するための方法であって、方本発明の薬物送達デバイスを使用して、医薬品組成物を患者の中に注入するステップを含む、方法を特徴とする。 (略語および定義) 【0117】 用語「約」は、本明細書で使用されるように、本用語が先行する値の±10%である数を指す。 【0118】 用語「投与」または「投与する」は、LDまたはLDプロドラッグ等のある投薬量の治療用薬物を患者に与える方法を指す。薬物は、固体または流体として製剤化されてもよい。流体は、注入されてもよい。本発明の投薬形態は、随意に、そのような固体薬物ディスペンサ、注入ポンプ、または浸透圧デバイス等の薬物送達デバイスを使用して、好ましくは、口または鼻腔の中に投与され、薬物は、口、鼻腔、または消化管内、例えば、頬、舌下、または胃、小腸、もしくは大腸を介して、任意の場所で吸収されることができる。単一デバイスまたは薬物リザーバからの投与の典型的持続時間は、4、8、12、または16時間/日を上回り、最大24時間/日を含む。投与はまた、例えば、2日またはそれを上回る日数、4日またはそれを上回る日数、または7日またはそれを上回る日数の間の薬物の投与等、単一デバイスまたは薬物リザーバから、複数日にわたって生じることができる。 【0119】 本明細書で使用されるように、「水性」は、10%または20%(w/w)を上回る水と、随意に、共溶媒(例えば、プロピレングリコール、グリセロールまたはエタノール)または溶質(例えば、糖類)とを含む、本発明の製剤を指す。 【0120】 用語「自動停止/始動装置」は、本明細書で使用されるように、外部炎症(例えば、口腔内表面からの本発明のデバイスの取り外し)による作動に応じて、薬物投与モードと非投与モードとの間で自動的に切り替える要素を指す。自動停止/始動装置は、送達を自動的に停止すること、送達を自動的に始動すること、または両方を包含する。例えば、自動停止/始動装置は、感圧スイッチ、クリップ、捻転可能流体チャネル、クラッチであることができる(図12Eおよび12F参照)。 【0121】 用語「耐咬合構造支持体」は、本明細書で使用されるように、未使用のリザーバが新しく口の中に挿入されるとき、破裂せずに、かつ薬物含有量の5%を上回るボーラスを注入せずに、少なくとも200ニュートンの力を伴う患者の咬合に耐えることを可能にする、薬物送達デバイス内の構造要素を指す。 【0122】 用語「カルビドパプロドラッグ」は、カルビドパエステル、カルビドパアミド、およびカルビドパエチルエステル、カルビドパメチルエステル、またはカルビドパアミドの塩酸塩等のその塩を指す。 【0123】 用語「CD」は、カルビドパを指す。 【0124】 本明細書で使用されるように、「共投与される」または「共注入される」は、ともにまたは別個に製剤化され、同時にまたは相互に、60、30、15、もしくは5分未満以内に、口の中に投与または注入される、2つまたはそれを上回る薬学的活性剤を指す。 【0125】 用語「COMT」は、カテコール-O-メチル転移酵素を指す。 【0126】 本明細書で使用されるように、「連続投与」または「連続注入」は、固体もしくは流体形態における薬物の途切れない投与または注入を指す。 【0127】 用語「DDC」は、DOPA脱炭酸酵素を指す。 【0128】 本明細書で使用されるように、用語「薬物」もまた、活性原料が酸または塩基である、その薬学的に容認可能な塩を指す。例えば、塩基の塩酸塩もしくはマレイン酸または酸のナトリウム塩であることができる。 【0129】 本明細書で使用されるように、用語「有効粒子サイズ」および「粒子サイズ」は、同じ意味で使用され、粒子の50%が定義された測定値を下回り、粒子の50%がそれを上回る分布を有する、粒子の混合物を指す。「有効粒子サイズ」は、レーザ/光散乱方法または均等物によって測定される、体積加重中央径を指し、粒子の50%は、より小さい直径を有する一方、50%は、より大きい直径を有する。有効粒子サイズは、当業者に周知の従来の粒子サイズ測定技法によって測定されることができる。そのような技法として、例えば、光学顕微鏡、電子顕微鏡、沈降、フィールドフロー分別、光子相関分光法、光散乱(例えば、Microtrac UPA150を用いて)、レーザ回折、および遠心分離が挙げられる。 【0130】 本明細書で使用されるように、用語「乳剤」は、乳脂肪および水を含む牛乳等、約37℃で水相および油または有機相を含む、流体を指す。乳剤は、均質のままであり得る、すなわち、25℃で2日または37℃で1日、実質的に相分離し得ない。本用語は、水中油乳剤および油中水乳剤を包含する。 【0131】 本明細書で使用されるように、用語「締結具」は、本発明のデバイスまたはその構成要素を口の表面(例えば、歯)に取り付けるための要素を指す。取付の例示的方法は、1本、2本、またはそれを上回る本数の歯に縛着、接着、セメント付け、または糊着された締結具、歯科用器具、スプリント、透明リテーナ、金属ワイヤHawleyリテーナ、口の片側の部分的リテーナ(例えば、3本、4本、または5本の歯に取り付けられる)、典型的には、ポリプロピレンまたはポリ塩化ビニル材料を含み、典型的には、0.020インチまたは0.030インチ厚の熱または真空形成されたEssixリテーナ、ポリウレタンを含む、熱形成されたZenduraリテーナ、下側または上側の歯の下側に接合された受動ワイヤを含む、接合(固定)リテーナ、口腔粘膜組織に接着し、ゆっくりと浸食する、粘膜接着剤、および歯ぎしりおよび睡眠時無呼吸を治療するために使用される歯科用スプリントに類似する、患者の歯または軟組織に適合するように共形化または成形される、締結具である。同様に、薬物送達デバイス、薬物ポンプ、薬物リザーバ、および本発明の他のデバイスは、直接または間接的に、着脱可能義歯、人工歯冠、歯科用ブリッジ、臼歯バンド、ブラケット、マウスガード、または歯科用インプラントに取り付けられてもよい。 【0132】 本明細書で使用されるように、用語「変動指数」は、平均血漿中濃度と比較した血漿中の薬物レベルの上昇および下降の大きさを指し、[C_(max)-C_(min)]/C_(avg)として定義される。変動指数は、規定された時間期間にわたって測定される。時間期間は、例えば、薬物の血漿中濃度が、定常状態濃度に到達した後、定常状態濃度の90%に到達した後、または本発明の薬物送達デバイスのいずれかが、口の中に挿入され、薬物の送達を開始してから30、60、または120分後、開始することができる。時間期間は、例えば、薬物送達デバイスの説明書に規定された使用期間の終了時、薬物リザーバの90%が枯渇もしくは実質的に枯渇したとき、または時間期間の開始から約4、8、16、24、72、または168時間後に終了することができる。 【0133】 本明細書で使用されるように、用語「流体」は、圧送され得る、任意の薬物含有液体またはゲルを包含する。流体は、ニュートン性または非ニュートン性流体であることができる。例えば、粘性ニュートン性または非ニュートン性懸濁液であることができる。本用語は、例えば、口の中に押出されるために十分な圧力下で変形する、真溶液、コロイド状溶液、乳剤、ペースト、懸濁液、および高密度半固体歯磨き粉状懸濁液を包含する。注入される流体は、水性、非水性、単相、2相、3相、または多相であることができる。乳剤は、例えば、水中油または油中水であることができ、かつミセルおよび/またはリポソームを含むことができる。 【0134】 本明細書で使用されるように、「製剤化された薬物製品」は、該当する場合、その賦形剤および流体担体を伴う、薬物を指す。 【0135】 本明細書で使用されるように、「注入される」または「注入」は、身体の任意の部分の中への注入、好ましくは、口または鼻腔の中への注入を含む。 【0136】 用語「LD」は、L-DOPAとしても知られるレボドパまたはその塩を指す。 【0137】 用語「LDEE」は、レボドパエチルエステル、またはその塩を指す。 【0138】 用語「LDME」は、レボドパメチルエステル、またはその塩を指す。 【0139】 用語「LDプロドラッグ」は、その加水分解に応じて、LDを形成する、注入、好ましくは、口の中への注入に好適な医薬品組成物を指す。実施例として、レボドパアミド、レボドパエステル、レボドパカルボキサミド、レボドパスルホンアミド、レボドパエチルエステル、およびレボドパメチルエステル、ならびにその塩が挙げられる。塩は、通常、レボドパエステルおよびレボドパアミドの場合、その塩基性アミンを酸で中和することによって、レボドパカルボキサミドおよびレボドパスルホンアミドの場合、そのカルボン酸またはスルフォン酸を塩基で中和することによって、形成される。不溶解性LDプロドラッグの実施例は、特許出願WO2012/079072号および第WO2013/184646号に提供され、参照することによって本明細書に組み込まれる。 【0140】 用語「MAO-B」は、モノアミン酸化酵素-Bを指す。 【0141】 本明細書で使用されるように、「口」は、唇、頬、歯肉、歯、舌、口蓋、硬口蓋、軟口蓋、扁桃、口蓋垂、および腺に隣接する口腔面積を含む、口腔面積を含む。 【0142】 用語「非水性」は、製剤中の液体担体を指す。非水性液体担体は、典型的には、37℃を下回ると、溶融または軟化し、20%(w/w)未満の水(例えば、10%、5%、3%、2%、1.5%、1%、0.5%未満、または0.1%(w/w)未満)を含有する。例示的液体担体として、37℃を下回ると溶融または軟化する、アルコール、脂質、食用油、バター、およびパラフィン油が挙げられる。 【0143】 本明細書で使用されるように、用語「動作寿命」は、薬物(例えば、LDまたはLDプロドラッグ)を含有する固体または注入溶液が、実際の送達条件下、患者の中への送達に好適な期間を意味する。本発明のデバイスによって送達される薬物(例えば、LDまたはLDプロドラッグ)の動作寿命は、12時間、24時間、48時間、72時間、96時間(4日)、または7日を上回ることができる。典型的には、製品が冷凍または冷蔵されることを要求しない。製品は、典型的には、体温(約37℃)またはその近傍において注入される。 【0144】 本明細書で使用されるように、「経口液不浸透性リザーバ」は、患者の口の中に投与されるべき1つまたはそれを上回る薬物を含む、リザーバを意味し、未使用のリザーバ薬物を含む送達デバイスを患者の口内に設置し、投与を開始してから1、4、8、16、24、48、または72時間後、リザーバ内の薬物含有固体または薬物含有流体の重量比5%、3%、または1%未満が、経口液を含む。1つまたはそれを上回る薬物は、固体形態または流体形態であってもよい。経口液として、一般に口内に見出される、または患者によって飲み込まれる、唾液、水、水希釈アルコール、および他の流体が挙げられる。例示的経口液不浸透性リザーバは、金属またはエラストマーであり得るプラスチックから作製されることができる。金属リザーバとして、例えば、アルミニウム、マグネシウム、チタン、またはこれらの鉄合金が挙げられ得る。プラスチックから作製されるとき、金属障壁層を有することができる、または、例えば、食料のパッケージ、または飲料含有瓶、または選択可能衣類の布地(例えば、ナイロンのようなポリアミドまたはDacronのようなポリエステル)、または飲料含有瓶の栓またはシール、または薬物の溶液を含有するバイアルの隔壁において使用される、水中で実質的に膨隆しない、プラスチックもしくはエラストマーを含むことができる。実施例として、ポリエチレンおよびポリプロピレンのようなポリオレフィン;ポリスチレンおよびポリ塩化ビニルのような他のビニルポリマー;ポリ塩化ビニリデン、ポリアリレート、およびポリメタクリレート、例えば、ポリメタクリル酸メチルおよびポリアクリル酸メチル;およびポリカーボネート;ならびにポリシリコーンまたはそのコポリマーが挙げられる。リザーバ内の開口部の中への経口液の進入は、1つまたはそれを上回る弁、スクイージー、バッフル、回転オーガ、回転ドラム、推進剤、空気圧ポンプ、ダイヤフラムポンプ、疎水性材料、および/または疎水性流体の使用によって、防止または最小限にされることができる。いくつかの実施形態では、本発明は、複数の不浸透性リザーバまたはコンパートメント内の固体薬物の複数の用量を特徴とする。 【0145】 略語「M」は、モル/リットルを意味する。本用語の使用は、多くの場合、化学分野において該当するように、薬物が溶解されることを含意するわけではない。本明細書で使用されるように、1Mは、1リットルの体積が、1モルの非溶解(多くの場合、固体)および/または溶解薬物の組み合わせを含有することを意味する。例えば、1MLDは、1mL中に197mgの固体(非溶解)および溶解LDが存在することを意味する。 【0146】 用語「PD」は、パーキンソン病を指す。 【0147】 用語「PEG」は、ポリエチレングリコールを指す。 【0148】 本明細書で使用されるように、用語「pH」は、電子メータに接続されるガラス電極を有するpHメータを使用して測定されるpHを指す。 【0149】 用語「圧力不変ポンプ」は、本明細書で使用されるように、その平均薬物送達速度が、13.0psiaにおけるその平均送達速度と比較して、14.7psiaおよび11.3psiaにおいて、約20%、10%、または5%未満だけ増減する、ポンプを指す。 【0150】 本明細書で使用されるように、「ポンプ」は、4時間またはそれを上回る期間にわたって、固体または流体製剤化薬物製品を投与可能な任意の機構を指す。ポンプの実施例として、バッテリを動力源とするポンプ(例えば、シリンジポンプ、圧電ポンプ、蠕動ポンプ、またはダイヤフラムポンプ)、バッテリを動力源としない可動部品を伴う機械デバイス(例えば、ガス駆動ポンプ、ばね駆動ポンプ、形状記憶合金駆動ポンプ、およびエラストマーポンプ)、電気浸透圧ポンプ(可動部品の有無を問わず構築され得る)、浸透圧デバイス(例えば、徐放性浸透圧錠剤)、および徐放性薬物送達パッチが挙げられる。 【0151】 用語「半連続投与」および「頻回投与」は、本明細書で同じ意味で使用されるように、120分毎に、好ましくは、少なくとも90、60、30、15、または5分毎に少なくとも1回の頻度において、固体または流体形態における薬物の投与(例えば、注入)を指す。 【0152】 本明細書で使用されるように、用語「保存期間」は、消費者による使用のために販売される製品としてのその形態における、本発明のデバイスによって送達される薬物(例えば、LDまたはLDプロドラッグ)の保存期間を意味し、その期間の間、製品は、患者による使用に好適である。本発明のデバイスによって投与される薬物(例えば、LDまたはLDプロドラッグ)の保存期間は、3、6、12、18、または好ましくは、24ヶ月を上回ることができる。保存期間は、製品が、冷凍されて(例えば、約-18℃)貯蔵されるとき、冷蔵して(約5±3℃、例えば、約4±2℃)貯蔵されるとき、または室温(例えば、約25℃)で貯蔵されるとき達成されてもよい。消費者に販売される薬物(例えば、LDまたはLDプロドラッグ)製品は、薬物含有固体または流体、例えば、注入の準備ができた懸濁液または溶液であってもよく、またはその成分であってもよい。例えば、消費者による使用のためのLDプロドラッグ製品は、乾燥固体LDプロドラッグと、随意に、その再構成のために使用される溶液とである、またはLDプロドラッグは、酸性溶液中に貯蔵される、等であってもよい。 【0153】 本明細書で使用されるように、「固体薬物」は、溶液または懸濁液とは対照的に、固体用量形態で製剤化される、1つまたはそれを上回る薬物を指す。固体は、当技術分野において公知の丸剤、錠剤、小丸薬、球体、カプセル、粒子、微粒子(例えば、押出成形/球形化によって、作製される)、細粒、粉末、プラスチック(例えば、セルロース酸またはポリ乳酸)細片のコーティング、または他の類似固体投薬形態の形態であってもよい。固体薬物製剤は、結合剤、崩壊剤、滑剤、潤滑剤、味覚修飾剤等の付加的賦形剤を含んでもよい。固体薬物は、乾燥されてもよく、または水性もしくは非水性潤滑剤等の流体によって囲繞されてもよい。固体薬物製剤は、単一固体、複数の離散固体、または多数の離散固体(例えば、粉末)を含んでもよい。例えば、16時間の期間にわたって、15分毎にLD/CDを投薬するために、固体は、64個の個々の固体丸剤、球体、錠剤、またはカプセルを含んでもよく、1つの固体は、投薬毎に投与される。本発明の固体は、1?1,000個の離散固体、例えば、1、2、3、4、2?10、11?50、51?100、101?500、501?1,000、または4?1,000個の離散固体を含んでもよい。粉末の場合、本発明の固体は、1,000個を上回る離散固体を含んでもよい。送達される固体の体積を最小限にするために、好ましい製剤では、1つまたはそれを上回る薬物(例えば、LD/CD)は、重量比50%、60%、70%、80%、90%、または95%を上回る固体を含み、賦形剤は、平衡を補償する。薬物含有固体は、ポリ乳酸、アルギン酸または任意のアルギン酸塩、例えば、アルギン酸カルシウム、キチン、キトサン、ゼラチン、澱粉もしくはそのアミロースおよびアミロペクチン、またはセルロースおよびその誘導体等、食用または非毒性プラスチック上に担持される、その中に組み込まれる、またはそれと統合されてもよい。 【0154】 本明細書で使用されるように、「安定した」は、本発明のデバイスによって投与される薬物のいずれかの安定した製剤を指す。安定した製剤は、患者の中への投与に先立って、化学変換(例えば、酸化および/または加水分解)に対して低感受性を呈する。安定した薬物製剤は、3、6、12、18、または24ヶ月に等しいまたはそれを上回る保存期間と、8時間、12時間、16時間、24時間、48時間、72時間、96時間、または7日を上回るまたはそれに等しい動作寿命とを有する。LDおよび/またはCD含有製剤の文脈では、「安定した」は、酸化的に安定し、随意に、物理的に安定した製剤を指す。酸化的に安定した製剤は、その間、3、6、12、18、または24ヶ月の期間の間、貯蔵されると、20%、10%、5%、4%、3%、2%未満、または1%未満のLDおよび/またはCDが酸化される、保存期間を有するものである。随意に、粘性懸濁液等のLDおよび/またはCD含有製剤に関して、用語「安定した」はまた、少なくとも2時間、例えば、少なくとも4時間、8時間、24時間、または3日の間、振盪等の撹拌を伴わずに貯蔵されるとき、その均質性を実質的に留保する、製剤を指し得る。例えば、安定した懸濁液は、20%、10%、または5%を上回ってそのLDまたはCD濃度が異なる2つまたはそれを上回る流体を形成するように分離し得ない。LDプロドラッグの文脈では、「安定した」は、「酸化的に安定した」および「加水分解的に安定した」製剤を指す。LDプロドラッグの安定した固体または液体製剤は、その間、3、6、12、18、または24ヶ月の期間の間、貯蔵されると、10%、5%、4%、3%、2%未満、または1%未満のLDプロドラッグが酸化または加水分解される、保存期間を有するものである。一般に、安定したLDプロドラッグ製剤の溶液は、クリアなままであって、その貯蔵後、実質的可視沈殿を有していないことを意味する。LDプロドラッグの安定した固体または液体製剤は、その間、8時間、12時間、16時間、24時間、48時間、72時間、96時間、または7日の期間にわたって、10%、5%、4%、3%、2%未満、または1%未満のLDプロドラッグが、酸化または加水分解される、動作寿命を有する。「酸化的に安定した」LDプロドラッグ製剤は、その保存期間および/またはその動作寿命の間、酸化に対して低感受性を呈し、その間、10%、5%、4%、3%未満、または2%未満のLDプロドラッグが、酸化される。「加水分解的に安定した」LDプロドラッグ製剤は、その保存期間および/または動作寿命の間、加水分解に対して低感受性を呈し、20%、10%、5%、4%、3%、2%未満、または1%未満のLDプロドラッグが、加水分解される。 【0155】 本明細書で使用されるように、「LD沈殿が実質的にない」は、クリアであって、LDの可視沈殿を伴わない、LDプロドラッグの溶液を指す。 【0156】 本明細書で使用されるように、「酸素が実質的にない」は、貯蔵または使用のために容器内にパッケージ化された組成物を指し、パッケージ化された組成物は、ほぼ酸素ガスがない(例えば、組成物と接触するガスの10%未満または5%未満が、酸素ガスである)、または酸素の部分圧力は、15トル、10トル、または5トル未満である。これは、例えば、容器内の周囲空気の一部または全部を窒素、二酸化炭素、アルゴン、もしくはネオン等の不活性大気と置換することによって、または組成物を真空下で容器内にパッケージ化することによって、遂行されることができる。 【0157】 本明細書で使用されるように、「水が実質的にない」は、貯蔵または使用のために容器(例えば、カートリッジ)内にパッケージ化された組成物を指し、パッケージ化組成物は、水がほとんどない(例えば、組成物の2%、1%、0.5%、0.1%、0.05%未満、または0.01%未満(w/w)が、水である)。これは、例えば、容器のシールに先立って、製剤の成分を乾燥させることによって、遂行されることができる。 【0158】 用語「吸引誘発流制限器」は、本明細書で使用されるように、周囲圧力が、1分の期間の間、2psi降下するとき、未使用の薬物リザーバの含有量の約5、3、または1%を上回るボーラスの送達を防止する、1つまたはそれを上回る要素を指す。吸引誘発流制限器は、薬物送達デバイスの筐体内の1つまたはそれを上回るポートまたは開口部を介して、周囲大気と流体(ガスおよび/または液体)接触する、加圧表面を含むことができる。代替として、吸引誘発流制限器は、変形可能チャネル、偏向可能ダイヤフラム、柔軟性アキュムレータ、インライン真空逃がし弁、およびフロート弁から選択されることができる。 【0159】 本明細書で使用されるように、用語「懸濁液」は、少なくとも1つの液体担体と、少なくとも1つの固体の粒子とを含む、混合物を指す。液体担体は、水性または非水性、例えば、食用油系であることができる。懸濁液は、均質のままであってもよい、すなわち、その固体粒子は、25℃で2日または37℃で1日、実質的に沈殿しない、すなわち、浮遊し得る。代替として、その固体粒子は、25℃で2日または37℃で1日、実質的に沈殿しない、すなわち、浮遊し得るが、固体粒子は、撹拌、例えば、振盪によって、再懸濁され得る。懸濁液は、例えば、管壁と栓との間に滑りを伴う、自由流懸濁液または栓流ペーストであってもよい。 【0160】 用語「懸濁液流増進要素」は、本明細書で使用されるように、圧送される粘性懸濁液、例えば、特定の多峰性粒子サイズ分布、充塞密度、および流動増進賦形剤を伴う、製剤の圧力誘発分離を実質的に防止する、1つまたはそれを上回る要素、オリフィス、管、または流動制限器のフレア形状、最大有効粒子サイズより実質的に大きいオリフィス、管、または流動制限器内径、ならびに粘度、オリフィス/管内径、粒子サイズ、および圧力の具体的組み合わせの選択を指す。 【0161】 用語「温度誘発流制限器」は、本明細書で使用されるように、37℃において、pH7の生理学的生理食塩水溶液中に同一持続時間の間浸漬された同じ薬物送達デバイスと比較して、約55℃において、撹拌された生理学的生理食塩水溶液中に5分間または1分間浸漬されると、未使用の薬物リザーバの含有量の約5%を上回るボーラスの送達を防止する、1つまたはそれを上回る要素を指す。温度誘発流制限器は、薬物リザーバおよび/またはポンプに近接する低熱伝導性の材料を伴う断熱材を含むことができる。随意に、温度誘発流制限器は、エラストマー、ばね、またはガスを含む。 【0162】 本明細書で使用されるように、用語「治療する」は、予防および/または治療用目的のための医薬品組成物を投与することを指す。「疾患を防止する」は、まだ病気ではないが、特定の疾患を被りやすい、または別様にそのリスクがある、患者の予防治療を指す。「疾患を治療する」または「治療用処置」のための使用は、疾患をすでに患っている患者に治療を施し、疾患を寛解し、患者の状態を改善することを指す。用語「治療する」はまた、患者を治療し、疾患またはその症状の進行を遅延させることも含む。したがって、請求項および実施形態では、治療は、治療または予防目的のいずれかのための患者への投与である。 【0163】 本明細書で使用されるように、「粘度」は、剪断粘度としても知られる、動的粘度を意味する。 【0164】 本発明の他の特徴および利点は、以下の発明を実施するための形態、図面、および請求項から明白となるであろう。 より特定すれば、本願明細書は、以下の項目に関する構成を記載する。 (項目1) 薬物を含む医薬品組成物の連続または半連続口腔内投与のために、患者の口内に着脱可能に挿入されるように構成される、薬物送達デバイスであって、 (i) 上記薬物送達デバイスを上記患者の口の表面に着脱可能に固着するための締結具と、 (ii) 電気または機械ポンプと、 (iii) 0.1mL?5mLの容積を有し、レボドパまたはレボドパプロドラッグを懸濁液として、または固体として含む医薬品組成物を含む、経口液不浸透性薬物リザーバと、 (iv) 自動停止/始動装置と、 を備える、デバイス。 (項目2) 薬物を含む医薬品組成物の連続または半連続口腔内投与のために、患者の口内に着脱可能に挿入されるように構成される、薬物送達デバイスであって、 (i) 上記薬物送達デバイスを上記患者の口の表面に着脱可能に固着するための締結具と、 (ii) 電気または機械ポンプと、 (iii) 0.1mL?5mLの容積を有し、レボドパまたはレボドパプロドラッグを懸濁液として、または固体として含む医薬品組成物を含む、経口液不浸透性薬物リザーバと、 (iv) 吸引誘発流制限器と、 を備える、デバイス。 (項目3) 薬物を含む医薬品組成物の連続または半連続口腔内投与のために、患者の口内に着脱可能に挿入されるように構成される、薬物送達デバイスであって、 (i) 上記薬物送達デバイスを上記患者の口の表面に着脱可能に固着するための締結具と、 (ii) 電気または機械ポンプと、 (iii) 0.1mL?5mLの容積を有し、レボドパまたはレボドパプロドラッグを懸濁液として、または固体として含む医薬品組成物を含む、経口液不浸透性薬物リザーバと、 (iv) 温度誘発流制限器と、 を備える、デバイス。 (項目4) 薬物を含む医薬品組成物の連続または半連続口腔内投与のために、患者の口内に着脱可能に挿入されるように構成される、薬物送達デバイスであって、 (i) 上記薬物送達デバイスを上記患者の口の表面に着脱可能に固着するための締結具と、 (ii) 電気または機械ポンプと、 (iii) 0.1mL?5mLの容積を有し、レボドパまたはレボドパプロドラッグを懸濁液として、または固体として含む医薬品組成物を含む、経口液不浸透性薬物リザーバと、 (iv) 耐咬合構造支持体と、 を備える、デバイス。 (項目5) 薬物を含む医薬品組成物の連続または半連続口腔内投与のために、患者の口内に着脱可能に挿入されるように構成される、薬物送達デバイスであって、 (i) 上記薬物送達デバイスを上記患者の口の表面に着脱可能に固着するための締結具と、 (ii) 圧力不変機械ポンプと、 (iii) 0.1mL?5mLの容積を有し、レボドパまたはレボドパプロドラッグを懸濁液として、または固体として含む医薬品組成物を含む、経口液不浸透性薬物リザーバと、 を備える、デバイス。 (項目6) 薬物を含む医薬品組成物の連続または半連続口腔内投与のために、患者の口内に着脱可能に挿入されるように構成される、薬物送達デバイスであって、 (i) 上記薬物送達デバイスを上記患者の口の表面に着脱可能に固着するための締結具と、 (ii) 機械ポンプと、 (iii) 0.1mL?5mLの容積を有し、レボドパまたはレボドパプロドラッグを懸濁液として、または固体として含む医薬品組成物を含む、経口液不浸透性薬物リザーバと、 を備える、デバイス。 (項目7) 上記薬物送達デバイスは、37℃および13psiaの一定圧力において、約4時間?約168時間の期間にわたって、約0.015mL/時間?約1.25mL/時間の平均体積流量を送達するように構成され、上記平均速度は、4時間またはそれを上回る期間にわたって、±20%または±10%/時間未満だけ変動する、項目1?6のいずれか一項に記載のデバイス。 (項目8) 上記ポンプは、ばね駆動ポンプまたは推進剤駆動ポンプである、項目1?7のいずれか一項に記載のデバイス。 (項目9) 上記薬物リザーバは、レボドパまたはレボドパプロドラッグの懸濁液と、懸濁液流増進要素とを備える、項目1-8のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。 (項目10) 上記薬物リザーバは、4cm、3cm、2cm、1cm、0.5cm、または0.2cm未満の長さの管、チャネル、またはオリフィスと流体連通し、上記医薬品組成物の剪断粘度は、約50、500、5,000、または50,000cPを上回り、上記デバイスは、上記管、チャネル、またはオリフィスを介して、上記薬物を投与するように構成される、項目1-9のいずれか一項に記載のデバイス。 (項目11) 上記薬物リザーバは、レボドパまたはレボドパプロドラッグを固体薬物として含む、項目1-10のいずれか一項に記載のデバイス。 (項目12) 上記薬物リザーバは、非水性液体中に懸濁されたレボドパまたはレボドパプロドラッグを含む、項目1-10のいずれか一項に記載のデバイス。 (項目13) 連続または頻回断続口腔内送達に好適なレボドパまたはレボドパプロドラッグを含有する懸濁液を含む、医薬品組成物であって、上記懸濁液は、37℃で上記レボドパまたはレボドパプロドラッグの固体粒子を含み、上記レボドパまたはレボドパプロドラッグの濃度は、約2Mを上回り、粘度は、約100ポアズを上回り、上記懸濁液は、6ヶ月またはそれを上回る間、沈殿した固体レボドパまたはレボドパプロドラッグがないままである、医薬品組成物。 (項目14) 上記懸濁液は、非水性分散媒、油、または食用油を含む、項目13に記載の医薬品組成物。 (項目15) 500mgを上回るレボドパ/mLまたは500mgを上回るレボドパおよびカルビドパ/mLの油中懸濁液を含む、連続または半連続口腔内投与のための医薬品組成物。 (項目16) 上記懸濁液は、感温懸濁液を含む、項目13?15のいずれか一項に記載の医薬品組成物。 (項目17) 上記懸濁液は、約25℃で少なくとも6ヶ月間貯蔵されるとき、上記懸濁流体中に実質的に均一な固体薬物濃度を維持する、項目13?16のいずれか一項に記載の医薬品組成物。 (項目18) 上記医薬品組成物は、50ポアズ?500ポアズの剪断粘度を有する、項目17に記載の医薬品組成物。 (項目19) 上記懸濁液は、(i)約25℃で少なくとも6ヶ月間貯蔵されるとき、上記懸濁流体中に非均一固体薬物濃度を維持し、続いて、(ii)上記医薬品組成物が、約60秒の期間の間、手で振盪されると、実質的に均一な固体薬物濃度が、達成される、項目13?16のいずれか一項に記載の医薬品組成物。 (項目20) 上記医薬品組成物は、0.1ポアズ?50ポアズの粘度を有する、項目19に記載の医薬品組成物。 (項目21) 上記デバイスは、項目13?20のいずれか一項に記載の医薬品組成物を含む、項目1?12のいずれか一項に記載のデバイス。 (項目22) 患者におけるパーキンソン病を治療するための方法であって、約4時間?約168時間の期間の間、10?125mgのレボドパまたはレボドパプロドラッグ/時間の速度における、上記患者の中への項目13?20のいずれか一項に記載の医薬品組成物の連続または半連続投与を含み、上記レボドパまたはレボドパプロドラッグは、上記送達期間の間、30分毎に少なくとも1回、上記患者に投与される、方法。 (項目23) 患者におけるパーキンソン病を治療するための方法であって、 (a)項目1?12または21のいずれか一項に記載の薬物送達デバイスを上記患者の口の中に挿入するステップであって、上記デバイスは、レボドパまたはレボドパプロドラッグを含む薬物リザーバを有する、ステップと、 (b)少なくとも4時間の送達期間の間、10?125mg/時間の範囲内の平均毎時流量において、上記患者の口の中に上記レボドパまたはレボドパプロドラッグを投与するステップと、 (c)ステップ(b)に続いて、上記薬物送達デバイスを上記患者の口から除去するステップと、 を含む、方法。 (項目24) 患者におけるパーキンソン病を治療するための方法であって、 (a)項目1?12または21のいずれか一項に記載の薬物送達デバイスを上記患者の口の中に挿入するステップと、 (b)少なくとも4時間の送達期間の間、10?125mg/時間の範囲内の平均毎時流量において、上記患者の口の中に上記レボドパまたはレボドパプロドラッグを投与するステップと、 (c)ステップ(b)に続いて、上記薬物送達デバイスを上記患者の口から除去するステップと、 を含む、方法。 (項目25) 患者におけるパーキンソン病を治療するための方法であって、 (a)項目1?12または21のいずれか一項に記載の薬物送達デバイスを上記患者の口の中に挿入するステップと、 (b)1,200ng/mLを上回り、かつ2,500ng/mL未満の循環血漿LD濃度が、上記投与の間で少なくとも8時間の期間の間、継続的に維持されるように、少なくとも8時間の期間の間、10?125mg/時間の範囲内の毎時流量において、上記患者の口の中に上記レボドパまたはレボドパプロドラッグを投与するステップと、 (c)上記薬物送達デバイスを上記口から除去するステップと、 を含む、方法。 (項目26) 患者におけるパーキンソン病を治療するための方法であって、 (a)項目13?20のいずれか一項に記載の医薬品組成物を含有する薬物送達デバイスを上記患者の口の中に挿入するステップと、 (b)1,200ng/mLを上回り、かつ2,500ng/mL未満の循環血漿LD濃度が、上記投与の間で少なくとも8時間の期間の間、継続的に維持されるように、少なくとも8時間の期間の間、10?125mg/時間の範囲内の毎時流量において、上記患者の口の中に上記レボドパまたはレボドパプロドラッグを投与するステップと、 (c)上記薬物送達デバイスを上記口から除去するステップと、 を含む、方法。 (項目27) 上記血漿中のレボドパの変動指数は、上記送達期間の間、1.0、0.75、0.50、0.25、または0.15未満またはそれに等しい、項目22?26のいずれか一項に記載の方法。 (項目28) 50mg/mL?500mg/mLの濃度において、流体中にカルビドパの懸濁液を含み、ヒドラジンの濃度は、3ヶ月の期間の間、25℃で貯蔵後、1ppm未満である、安定した不溶解性医薬品組成物。 【図面の簡単な説明】 【0165】 【図1A】図1Aは、締結具1を使用して歯に着脱可能に取り付けられる、薬物送達デバイスを描写する。ポンプ2および薬物リザーバ3は、筐体4内に含有され、使い捨てである。 【図1B】図1Bは、薬物送達デバイスの部分5が、再使用可能であって、着脱可能ポンプ2および薬物リザーバ3が、使い捨てであることができる、実施形態を描写する。 【図1C】図1Cは、ポンプ2および薬物リザーバ3が、単一構成要素を構成する、実施形態を描写する。 【図2A】図2Aは、ポンプ2および/または薬物リザーバ3が、透明リテーナ6を使用して上側または下側歯のいずれかに締結される、薬物送達デバイスの実施形態を描写する。1つ、2つ、またはそれを上回るポンプおよび/または1つまたはそれを上回る薬物リザーバは、透明リテーナ6の頬側に固着される。1つ、2つ、またはそれを上回る薬物ポンプおよび/または薬物リザーバは、右または左側のいずれかの片側に固着され、頬前庭または代替として歯の舌側に位置付けられてもよい。 【図2B】図2Bは、透明リテーナ6に取り付けられ、管5を通して薬物を口の舌側に分注する、薬物ポンプおよびリザーバを示す、拡大図である。 【図3】図3は、ポンプ2および薬物リザーバ3が、歯の舌側および頬前庭の両方に位置付けられるように構成される、薬物送達デバイスを描写する。薬物リザーバは、歯の舌側に締結される一方、薬物ポンプおよび随意のガスポンプ11は、歯の頬側に位置付けられる。 【図4A】図4Aは、その中に薬物ポンプおよび/または薬物リザーバが挿入され得る、2つの両側筐体4(空として示される)を歯の頬側に含む、透明リテーナ6の形態において締結具を描写する。図4Bは、その中に薬物ポンプおよび/または薬物リザーバ3が挿入されている、2つの両側筐体4(充填されて示される)を歯の舌側に含む、不可視リテーナ6の形態において締結具を描写する。 【図4B】図4Aは、その中に薬物ポンプおよび/または薬物リザーバが挿入され得る、2つの両側筐体4(空として示される)を歯の頬側に含む、透明リテーナ6の形態において締結具を描写する。図4Bは、その中に薬物ポンプおよび/または薬物リザーバ3が挿入されている、2つの両側筐体4(充填されて示される)を歯の舌側に含む、不可視リテーナ6の形態において締結具を描写する。 【図5-1】図5Aおよび5Bは、加圧された薬物充填エラストマーを含む、薬物送達デバイスを図示する。エラストマーは、エラストマーの特性および狭口径管類の内径によって決定される速度を用いて、狭内径管類を通して一定速度で薬物を送達する、圧力を提供する。図5Aは、空のエラストマー薬物送達デバイスの表現である一方、図5Bは、未使用の加圧された薬物が充填エラストマー薬物送達デバイスを表す。 【図5-2】図5Cおよび5Dは、ゴムバンド10を採用し、ピストン13を引張し、圧力を薬物リザーバ3に印加する、エラストマーバンド駆動ポンプを図示する。 【図6】図6は、裏当て材料19上で搬送される離散固体用量18(例えば、丸剤、細粒、小丸薬、粒子等)をダックビル弁22を通して口の中に送達する、ばねモータ17によって駆動されるコンベヤベルトを図示する。 【図7】図7は、固体薬物24が取り付けられ(例えば、複数の離散固体丸剤の形態において)、固体薬物を、乾燥経口液不浸透性薬物リザーバ3からダックビル弁22を通して、固体薬物が、溶解または分散し得る、口内の唾液に暴露される位置まで移送する、ストリング23を前進させるためのばね駆動モータ17の使用を図示する。 【図8】図8は、薬物を乾燥経口液不浸透性薬物リザーバ3からダックビル弁22を通して口の中に推進する一連のスクイージー25を含む、離散固体用量(例えば、丸剤、細粒、小丸薬、粒子等)を送達する、ばねモータ17によって駆動されるコンベヤベルトを図示する。 【図9】図9は、薬物27を薬物リザーバ3から捕捉し、口の中に送達するためのオーガ26の使用を図示する。 【図10】図10は、経口液不浸透性薬物リザーバ3に取り付けられる、2つの円柱または円錐形状のドラム29を回転させるためのモータの使用を図示する。 【図11】図11は、ばね33を採用し、円板34の形状における一連の固体薬物用量を押動させる、ばね駆動ポンプを図示し、各用量は、唾液中でゆっくりと溶解するまたは分散する、材料35の薄層によって分離される。 【図12-1】図12A、12B、12Cおよび12Dは、定荷重ばねが薬物リザーバ3を圧縮するために使用される、ばね駆動ポンプを図示する。 【図12-2】図12A、12B、12Cおよび12Dは、定荷重ばねが薬物リザーバ3を圧縮するために使用される、ばね駆動ポンプを図示する。 【図12-3】図12Eおよび12Fは、本発明のデバイスにおいて有用である、ばね荷重クラッチ機構85を図示する。クラッチ機構は、使用に先立って、ピストン39に係合し、薬物リザーバ3への力伝送を阻止する。デバイスが口から除去されると、突出部84は、係脱され、薬物リザーバ3からの薬物の放出を停止する。 【図13】図13、14、15A、および15Bは、固体用量形態の送達のためのバッテリを動力源とする薬物送達デバイスの実施形態を図示する。 【図14】図13、14、15A、および15Bは、固体用量形態の送達のためのバッテリを動力源とする薬物送達デバイスの実施形態を図示する。 【図15】図13、14、15A、および15Bは、固体用量形態の送達のためのバッテリを動力源とする薬物送達デバイスの実施形態を図示する。 【図16】図16は、回転円板に対して定位置に固定されるオリフィス56を通して所定の速度で空気圧ボーラスによって注入される、薬物粒子55で充填されたコンパートメントを含有する、円板54を図示する。ばね機構を介した円板の回転は、単一コンパートメントを暴露させ、空気のボーラスは、薬物をそのコンパートメントから口へ送達する。 【図17】図17A、17B、および17Cは、薬物送達デバイスを図示し、第1のエラストマー薬物リザーバ3は、ガスまたは推進剤を含有する第2のエラストマーリザーバまたはバルーン7によって圧縮される。図17Aでは、薬物送達デバイスは、第1の充満エラストマー薬物リザーバ3と、第2の空のエラストマーリザーバ7と、随意のガスポンプ11および電子機器とを含有する、筐体を含む。一実施形態では、空気が、電子(例えば、圧電)ポンプ11によって、第2のエラストマーリザーバ7の中に圧送される。第2のエラストマーリザーバ7からの圧力は、薬物を含有する第1のエラストマー薬物リザーバ3を圧縮し、薬物をリザーバから流動制限器58を通して一定速度で押進させる。図17Bは、第1の半分充満された薬物リザーバ3と、加圧空気で半分充填された第2のエラストマーリザーバ7とを伴う、システムを図示する。図17Cは、薬物リザーバ3が空に近いときのシステムを図示する。別の実施形態では、唾液が、電子ポンプ11によって、第2のエラストマーリザーバ7の中に圧送されることができる。 【図18】図18は、典型的2段階ガス圧力調整器の概略を示す。 【図19】図19AおよびBは、剛性薬物リザーバ3内に推進剤を含有するエラストマーコンパートメント61を含む、薬物送達デバイスを図示する。エラストマーコンパートメント内の推進剤は、体温に暴露されると、薬物コンパートメントを具体的圧力で加圧し、薬物を狭口径管類を通して押動させる、蒸気圧を有する。図19Aは、推進剤を充満された薬物リザーバ3内に含有する、圧縮エラストマーコンパートメント61を示す。図19Bは、ほぼ空の薬物リザーバ3と、推進剤を含有する拡張されたエラストマーコンパートメント61とを示す。 【図20-1】図20Aおよび20Bは、固体用量形態の送達のための推進剤駆動薬物送達デバイスを図示する。 【図20-2】図20C、20D、20E、および20Fは、懸濁液の送達のための推進剤駆動薬物送達デバイスを図示する。 【図20-3】図20C、20D、20E、および20Fは、懸濁液の送達のための推進剤駆動薬物送達デバイスを図示する。 【図21】図21Aは、薬物が実質的に充満されたSCT浸透圧錠剤を描写する。図21Bは、薬物が実質的に枯渇した同一SCT浸透圧錠剤を描写する。 【図22】図22Aは、薬物が実質的に充満されたAMT浸透圧錠剤を描写する。図22Bは、薬物が実質的に枯渇した同一AMT浸透圧錠剤を描写する。 【図23】図23A、23B、24A、24B、24C、24D、25A、25B、および25Cは、薬物送達デバイスの薬物送達速度を口内の周囲圧力変化に対して鈍感にする、機構を図示する。 【図24-1】図23A、23B、24A、24B、24C、24D、25A、25B、および25Cは、薬物送達デバイスの薬物送達速度を口内の周囲圧力変化に対して鈍感にする、機構を図示する。 【図24-2】図23A、23B、24A、24B、24C、24D、25A、25B、および25Cは、薬物送達デバイスの薬物送達速度を口内の周囲圧力変化に対して鈍感にする、機構を図示する。 【図25】図23A、23B、24A、24B、24C、24D、25A、25B、および25Cは、薬物送達デバイスの薬物送達速度を口内の周囲圧力変化に対して鈍感にする、機構を図示する。 【図26A】図26AおよびBは、高温飲料の摂取後の口内の2つの場所における温度のグラフである。 【図26B】図26AおよびBは、高温飲料の摂取後の口内の2つの場所における温度のグラフである。 【図27A】図27AおよびBは、低温飲料の摂取後の口内の2つの場所における温度のグラフである。 【図27B】図27AおよびBは、低温飲料の摂取後の口内の2つの場所における温度のグラフである。 【図28】図28は、3峰性サイズ分布を伴う薬物粒子を使用する、効率的薬物充塞の実施形態を図示する。 【図29A】図29AおよびBは、粒子の平均サイズを52μmから3.4μm(微粒子を除外する)に減少させるためにジェット粉砕によって形成されたL-DOPA粒子を描写する、顕微鏡写真である(実施例22参照)。 【図29B】図29AおよびBは、粒子の平均サイズを52μmから3.4μm(微粒子を除外する)に減少させるためにジェット粉砕によって形成されたL-DOPA粒子を描写する、顕微鏡写真である(実施例22参照)。 【図30】図30は、プラスチックリボンまたはシート上に固体薬物組成物を印刷する、グラビア印刷の方法を図示する。 【発明を実施するための形態】 【0166】 本発明のデバイス、組成物、および方法は、薬剤の連続または半連続経口送達のために有用である。 【0167】 口の外側のシリンジ、薬物リザーバ、およびポンプは、空間が、典型的には、利用可能であるため、大きくなり得るが、薬物送達デバイスのための口内の空間は、限定され、特に、薬物送達デバイスが、発話、嚥下、飲食に干渉しないように小型であるとき、限定される。その結果、送達される薬物、そのリザーバ、およびその送達デバイスは、わずかな体積しか占められない。パーキンソン病の例示的管理では、本発明の流体を含む、経口注入されるLDプロドラッグおよび/またはLDの濃度は、1.5M、2M、2.5M、3M、3.5M、4M、または4.5Mを上回る等、典型的には、1Mを上回ることができる。これらは、空腸、胃、または経鼻胃注入のために市販のデュオドパゲルの0.1MLD濃度より実質的に高い濃度である。濃縮された薬物溶液または懸濁液は、粘性であることができ、例えば、37℃におけるその粘度は、100cP、200cP、500cP、1000cP、10,000cP、または100,000cPもしくは1,000,000cPを上回る等、50cPを上回ることができる。粘性懸濁液、例えば、その粘度が歯磨き粉状であることができ、粘度は、約20,000cPを上回り、例えば、50,000cPを上回る。経鼻胃、胃、または空腸注入のために使用されるもの等、典型的には、50cmより長い、長管類を通した粘性流体の注入の以前の実践は、その内径が大きいおよび/または圧送圧力が高いことを要求した。さらに、以前の懸濁液が、より長い管類を通して注入されるとき、懸濁されたLD粒子の集塊のため、流動の妨害の可能性が増加し、半透明の非常に微細な粒子のコロイドが、妨害を減少させるために使用された。対照的に、本明細書に開示され、経口注入される、本発明のはるかに濃縮された懸濁液は、典型的には、可視波長光を散乱させる大固体粒子を含有することができるため、不透明である。はるかに濃縮され、はるかに粘性の経口注入される懸濁液は、500nm、1μm、またはさらに5μmを上回る寸法を伴う粒子を多く含むことができる。懸濁液は、例えば、2mmまたは1mmより短いリザーバ内のオリフィスを使用して、および/または、典型的には、5cmより短い、例えば、4cm、3cm、2cm、または1cmより短い、管類を通して、経口注入されることができる。 【0168】 代替として、薬物はまた、固体として投与されることができる。固体薬物の送達は、特定の重量の1つまたはそれを上回る離散固体を注入し、適切な投薬量を患者に提供するように時間調整される機械装置を使用して、行われることができる。例えば、1500mg/日のLDの総投薬量に関して、固体質量は、20.8mgであり得、18時間の間、15分毎に送達される。本実施例では、20.8mgは、単一固体または複数の固体を含み得る。送達される固体の体積を最小限にするために、好ましい製剤では、1つまたはそれを上回る薬物(例えば、LD/CD)は、重量比50%、60%、70%、80%、90%、または95%を上回る固体を含み、他の賦形剤は、平衡を補償する。 【0169】 薬物は、口腔内(すなわち、任意の口腔内表面、例えば、唇、頬、歯肉、歯、舌、口蓋、硬口蓋、軟口蓋、扁桃、口蓋垂、および腺上またはその近傍)に投与されてもよい。口腔内に投与される薬物は、典型的には、患者の唾液とともに、患者によって嚥下され、患者の胃腸管、例えば、小腸または大腸内で吸収されることができる。ある場合には、本発明の薬物送達デバイスによって送達される薬物の吸収は、部分的またはさらに主に、口内の粘膜、例えば、頬または舌下吸収を通して生じてもよい。 【0170】 頬または歯肉に炎症性であり得る、薬物または製剤は、好ましくは、唾液および拡散による希釈を通して、これらの表面における薬物の濃度を減少させるために、これらの表面から距離を空けて投与される。そのような薬物または製剤の実施例として、例えば、酸性、塩基性、または酸化性である、薬物または製剤を含むことができる。例えば、薬物は、最近傍歯肉表面または最近傍頬表面から0.25、0.5、または0.75cmにおいて、薬物送達デバイスの1つまたはそれを上回るオリフィスから流出してもよい。一実施形態では、薬物送達デバイスは、歯に固着され、口蓋に直隣接して位置付けられる。すなわち、投与される薬物は、舌に近接し、頬、歯肉、および口蓋から離れた送達デバイスの底側の1つまたはそれを上回るオリフィスにおいて、送達デバイスから流出する。別の実施形態では、少なくとも1つのリザーバを含む、薬物送達デバイスの少なくとも一部は、頬近傍に位置付けられる。 【0171】 歯の変色または浸食を生じさせ得る薬物は、好ましくは、唾液および拡散による希釈を通して歯表面におけるその濃度を減少させるために、歯から離れた距離において投与される。そのような薬物または製剤の実施例として、タンパク質反応性、酸性、または酸化性である、薬物または製剤が挙げられる。例えば、薬物は、最近傍歯から0.25、0.5、または0.75cmに位置する1つまたはそれを上回るオリフィスを介して、薬物送達デバイスから流出してもよい。一実施形態では、薬物送達デバイスは、歯に固着され、口蓋に直隣接して位置付けられる。すなわち、投与される薬物は、舌に近接し、かつ歯および口蓋から離れて、送達デバイスの底側の1つまたはそれを上回るオリフィスを介して、送達デバイスから流出する。 【0172】 代替実施形態では、注入される薬物は、可撓性管またはカニューレを介して、口内に保持される薬物送達デバイスから鼻腔の中に注入される。薬物が、本発明の薬物送達デバイスによって鼻腔の中に注入されると、薬物吸収は、典型的には、主に、鼻腔内の膜を通して行われる。 (薬剤および疾患) 【0173】 本発明のデバイスおよび方法は、短半減期および/または狭治療範囲を有する、種々の薬物の投与に好適である。相補的薬物が、これらの薬物とともに共投与または共注入されてもよい。そのような相補的薬物は、薬物動態を改善し、有効性を改善し、および/または一次薬物の副作用を減少させ得る。 本発明のデバイスおよび方法を用いて治療され得る、例示的疾患/病状と、対応する薬物ならびに1日用量および平均投与速度の例示的範囲は、以下に列挙される。 【0174】 パーキンソン病:レボドパ、レボドパプロドラッグ、およびドーパミンアゴニスト(プラミペキソール(0.1?10mg/日、0.004?0.42mg/時間)、ブロモクリプチン、ロピニロール(0.25?10mg/日、0.01?0.42mg/時間)、リスリド、ロチゴチン等)。随意に、共注入され得る、パーキンソン病のための相補的薬物の実施例は、DDC阻害剤(カルビドパ、カルビドパプロドラッグ、およびベンセラジド(50?600mg/日、2.1?25mg/時間)等)、COMT阻害剤(エンタカポン、トルカポン、およびオピカポン等)、MAO-B阻害剤(ラサギリンおよびセレギリン等)、アデノシンA2受容体アンタゴニスト(イストラデフィリン等)、および胃不全麻痺薬物(ドンペリドン、ニザチジン、レラモレリン、モサプリド、およびシサプリド等)である。 【0175】 麻痺:ブピバカイン、リドカイン 【0176】 不安症:オキスカルバゼピン(300?3,000mg/日、12.5?125mg/時間)、プラゾシン(0.2?5mg/日、0.01?0.21mg/時間) 不整脈:キニジン(300?2,000mg/日、12.5?83mg/時間) 【0177】 細菌性感染症:ベータラクタム抗生物質(例えば、セファロスポリン) 【0178】 癌:カペシタビン(1,000?10,000mg/日、42?417mg/時間)および他の5-フルオロウラシルプロドラッグ 【0179】 認知症:リバスチグミン 糖尿病:経口インスリン 【0180】 糖尿病性腎障害:アンギオテンシン受容体遮断薬 【0181】 睡眠障害:ザレプロン(3?20mg/日、夜間8時間の間、0.38?0.83mg/時間)、γ-ヒドロキシ酪酸(10?200mg/日、夜間8時間の間、1.3?25mg/時間)、ゾルピデム(3?20mg/日、夜間8時間の間、0.38?0.83mg/時間)、トリアゾラム 【0182】 癲癇および発作:オキスカルバゼピン(300?3,000mg/日、12.5?125mg/時間)、トピラマート(200?500mg/日、8.3?20.8mg/時間)、ラモトリジン(100?700mg/日、4.2?29.2mg/時間)、ガバペンチン(600?3,600mg/日、25?150mg/時間)、カルバマゼピン(400?1,600mg/日、16.7?66.7mg/時間)、バルプロ酸(500?5,000mg/日、20.1?208mg/時間)、レベチラセタム(1,000?3,000mg/日、41.7?125mg/時間)、プレガバリン(150?600mg/日、6.25?25mg/時間) 【0183】 心不全:ACE阻害剤、アンギオテンシン受容体遮断薬 【0184】 高血圧症:プラゾシン(0.2?5mg/日、0.01?0.21mg/時間)、ACE阻害剤、アンギオテンシン受容体遮断薬 【0185】 気分障害:オキスカルバゼピン(300?3,000mg/日、12.5?125mg/時間)、リチウム 【0186】 臓器移植:シクロスポリン(150?1,500mg/日、6.3?62.5mg/時間)、タクロリムス(3?25mg/日、0.13?1.04mg/時間) 【0187】 疼痛:フェンタニル(0.05?2.0mg/日、0.002?0.083mg/時間)、ジラウジッド(2?50mg/日、0.83?2.1mg/時間) 【0188】 外傷後ストレス障害:プラゾシン(0.25?5mg/日、0.01?0.21mg/時間) 【0189】 痙縮:バクロフェン 【0190】 本発明の薬物および方法は、口内乾燥症、齲蝕、口または喉内の局所感染症(例えば、鵞口瘡のためのフルコナゾール、ジフルカン、ナイスタチン、またはクロトリマゾール)、および口または喉内に局所疼痛(例えば、リドカイン)等の歯科および顎顔面症状を治療するために使用されてもよい。 【0191】 口渇(口内乾燥症)および唾液分泌不全は、高齢患者により一般的であって、PDの治療のための薬剤を含む、薬剤の共通副作用である。PDを患う患者はまた、一般に、嚥下困難(嚥下障害)を経験し、これは、多くの場合、垂涎(流涎症)をもたらす。口内乾燥症、唾液分泌不全、嚥下障害、および/または流涎症の治療のための薬物は、本発明のデバイスおよび方法を使用して送達されてもよい。口内乾燥症および唾液分泌不全のための薬物の実施例は、有機酸(例えば、クエン酸、アスコルビン酸、マレイン酸)またはその酸性塩等の唾液分泌促進薬および副交感神経興奮薬(例えば、塩酸ピロカルピン等のコリンエステルおよびコリンエステラーゼ阻害剤)である。嚥下障害のための薬物の実施例は、スコポラミン、トロピカミド、グリコピロレート、およびボツリヌス毒素である。過剰唾液分泌のための薬物の実施例は、グリコピロレート等の抗コリン作用薬である。好ましい実施形態では、口内乾燥症、唾液分泌不全、および/または嚥下障害の治療のための薬物は、本発明の薬物送達デバイスおよび方法を使用して、LDまたはLDプロドラッグとともに共投与される。好ましい別の実施形態では、抗パーキンソン病の薬剤自体の口腔内投与は、唾液分泌増加および/またはより頻回または改良された嚥下を刺激する。例えば、LDEEの口腔内投与は、実施例に説明されるように、唾液分泌を刺激し、より頻回の嚥下をもたらす。 【0192】 胃不全麻痺、すなわち、胃排出遅延は、PDを患う人々に共通である。胃不全麻痺の治療のための薬物は、本発明のデバイスおよび方法を使用して送達されてもよい。一実施形態では、胃不全麻痺の治療のための薬物は、本発明の薬物送達デバイスおよび方法を使用して、LDまたはLDプロドラッグとともに共投与される。別の実施形態では、胃不全麻痺の治療のための薬物は、当技術分野において公知の他の薬物送達方法を使用して投与される(すなわち、連続または頻回口腔内送達を介して投与されない)一方、LDまたはLDプロドラッグは、口腔内に注入される。胃不全麻痺の治療のための薬物の実施例は、メトクロプラミド、シサプリド、エリスロマイシン、ドンペリドン、クエン酸シルデナフィル、ミルタザピン、ニザチジン、アコチアミド、グレリン、レボスルピリド、テガセロッド、ブスピロン、クロニジン、レラモレリン、セロトニン5-HT4アゴニスト、およびドーパミンD2アンタゴニストである。 【0193】 3-メトキシ-L-DOPA(3-OMD)が産生される、LDのメチル化は、LDの主要代謝経路のうちの1つである。これは、パーキンソン病患者によって要求されるLDの量を増加させ、その変換は、血漿中LDの半減期を短縮させるため、また、LDまたはLD/CDまたはCDが、パーキンソン病の症状を管理するために投与される必要がある、頻度を増加させる。LDから3-OMDへの変換は、酵素であるカテコール-O-メチル転移酵素(COMT)によって触媒される。COMT阻害剤の投与は、LDまたはLD/CDの要求される投薬量を減少させる、またはPDの初期の段階では、さらに、LDまたはLD/CDを用いずに、疾患を管理することをもたらすことができる。しかしながら、2つの最も頻繁に使用されるCOMT阻害剤である、エンタカポンおよびトルカポンは、短寿命である。 【0194】 エンタカポンは、血液脳関門を越えず、関門を越える、トルカポンより毒性が少ない。しかしながら、エンタカポンの血漿半減期は、わずか0.4?0.7時間であって、薬物の大量かつ頻回用量を投与せずに、薬物の十分な血漿レベルを維持することを困難にする。臨床実践では、1錠の200mg錠剤が、多くの場合、各LD/CDまたはLD/ベンセラジド用量とともに投与される。最大推奨用量は、1日10回の200mg、すなわち、2,000mgである。エンタカポンの連続経口投与は、薬物の投与の投薬量および/または頻度ならびにその副作用を減少させ得る。投薬量の減少は、運動機能異常および/または胃腸問題、吐き気、腹部疼痛、または下痢等の副作用を緩和させ得る。 【0195】 エンタカポンは、例えば、30μm、10μm、3μm、または1μm未満の粒子のエンタカポン等、小粒子、例えば、100μm平均径未満を含む、水性懸濁液として、患者が覚醒している間の16時間あたり1000mg未満(16覚醒時間あたり500mg未満等)の1日用量で継続的に経口投与され得る。代替として、食用油、ココアバター、プロピレングリコール、またはグリセロール等、非水溶液中の懸濁液として投与され得る。 【0196】 トルカポンは、2?3時間半減期の可逆性COMT阻害剤である。これは、そのCOMT抑制効果を中枢神経系ならびに末梢神経にもたらす。その使用は、その肝毒性によって限定される。PD管理におけるトルカポンの典型的用量は、1日3回の100?200mgである。トルカポンはまた、幻覚持続認知障害の治療において効果的であって、視覚的症状を減少させ得る。トルカポンの連続経口投与は、投与のその投薬量および/または頻度ならびにその肝毒性を減少させ得る。投薬量の減少は、その肝毒性を緩和し得る。その1日用量は、16覚醒時間あたり300mg未満等、16覚醒時間あたり500mg未満であり得る。これは、例えば、薬物の30μm、10μm、3μm、または1μm未満の粒子等、小粒子、例えば、100μm未満の平均径を含む、水性懸濁液として、継続的に経口投与され得る。代替として、食用油、ココアバター、プロピレングリコール、またはグリセロール等の非水溶液中の懸濁液として投与され得る。 【0197】 本発明による投与は、典型的には、口の中に行われるため、投与のために選択される薬物は、患者の大部分によって知覚されるように、その味が中性または不快ではないものであることが好ましい。味遮蔽または修飾賦形剤が、患者の大部分によって知覚されるように、その味が不快である、薬物の製剤に添加され得る。 【0198】 固体として送達される薬物は、崩壊または分散を増加させるための賦形剤とともに製剤化されてもよい。 【0199】 多くのタイプの薬物が、本発明に従って送達されてもよい。原理上、本発明に従って治療のために使用され得る薬物は、任意の公知の薬物であって、薬物は、本発明による形態自体、または活性原料の形態において、随意に、活性原料の薬学的に容認可能な塩の形態において存在し得る。本発明に従って送達され得る薬物として、限定ではないが、鎮痛剤および抗炎症剤(例えば、アロキシプリン、オーラノフィン、アザプロパゾン、ベノリレート、ジフルニサル、エトドラク、フェンブフェン、フェノプロフェンカルシウム、フルルビプロフェン、イブプロフェン、インドメタシン、ケトプロフェン、メクロフェナム酸、メフェナム酸、ナブメトン、ナプロキセン、オキシフェンブタゾン、フェニルブタゾン、ピロキシカム、スリンダク)、駆虫剤(例えば、アルベンダゾール、ベフェニウムヒドロキシナフトエート、カンベンダゾール、ジクロロフェン、イベルメクチン、メベンダゾール、オキサムニキン、オクスフェンダゾール、エンボン酸オキサンテル、プラジカンテル、エンボン酸ピランテル、チアベンダゾール)、抗不整脈薬(例えば、塩酸アミオダロン、ジソピラミド、フレカイニドアセタート、硫酸キニジン)、抗菌剤(例えば、ベネタミンペニシリン、シノキサシン、塩酸シプロフロキサシン、クラリスロマイシン、クロファジミン、クロキサシリン、デメクロサイクリン、ドキシサイクリン、エリスロマイシン、エチオナミド、イミペネム、ナリジキン酸、ニトロフラントイン、リファンピシン、スピラマイシン、スルファベンズアミド、スルファジミジン、スルファメラジン、スルファアセトアミド、スルファダイアジン、スルフィソキサゾール、スルファメトキサゾール、スルファピリジン、テトラサイクリン、トリメトプリム)、抗凝固剤(例えば、ジクマロール、ジピリダモール、ニクマロン、フェニンジオン)、抗鬱薬(例えば、アモキサピン、塩酸マプロチリン、塩酸ミアンセリン、塩酸ノルトリプチリン、塩酸トラゾドン、マレイン酸トリミブラミン)、抗糖尿病剤(例えば、アセトヘキサミド、クロルプロパミド、グリベンクラミド、グリクラジド、グリピジド、トラザミド、トルブタミド)、抗癲癇薬(例えば、ベクラミド、カルバマゼピン、クロナゼパム、エトトイン、メトイン、メトスクシミド、メチルフェノバルビトン、オキスカルバゼピン、パラメタジオン、フェナセミド、フェノバルビトン、フェニトイン、フェンスクシミド、プリミドン、スルチアム、バルプロン酸、トピラマート、ラモトリジン、ガバペンチン、レベチラセタム、プレガバリン)、抗カビ剤(例えば、アンホテリシン、硝酸ブトコナゾール、クロトリマゾール、硝酸エコナゾール、フルコナゾール、フルシトシン、グリセオフルビン、イトラコナゾール、ケトコナゾール、ミコナゾール、ナタマイシン、ナイスタチン、硝酸スルコナゾール、塩酸テルビナフィン、テルコナゾール、チオコナゾール、ウンデセン酸)、抗痛風薬(例えば、アロプリノール、プロベネシド、スルフィンピラゾン)、降圧薬(例えば、アムロジピン、ベニジピン、ダロジピン、塩酸ジルチアゼム、ジアゾキシド、フェロジピン、酢酸グアナベンズ、イスラジピン、ミノキシジル、塩酸ニカルジピン、ニフェジピン、ニモジピン、塩酸フェノキシベンザミン、塩酸プラゾシン、レセルピン、塩酸テラゾシン)、抗マラリア薬(例えば、アモジアキン、クロロキン、塩酸クロルプログアニル、塩酸ハロファントリン、塩酸メフロキン、塩酸プログアニル、ピリメタミン、硫酸キニーネ)、抗片頭痛薬(例えば、メシル酸ジヒドロエルゴタミン、酒石酸エルゴタミン、マレイン酸メチセルジド、マレイン酸ピゾチフェン、コハク酸スマトリプタン)、抗ムスカリン剤(例えば、アトロピン、塩酸ベンズヘキソール、ビペリデン、塩酸エトプロパジン、ヒオスシアミン、臭化メペンゾレート、塩酸オキシフェンサイクリミン、トロピカミド)、抗腫瘍薬および免疫抑制剤(例えば、アミノグルテチミド、アムサクリン、アザチオプリン、ブスルファン、クロラムブシル、サイクロスポリン、ダカルバジン、エストラムスチン、エトポシド、ロムスチン、メルファラン、メルカプトプリン、メトトレキセート、マイトマイシン、ミトタン、ミトザントロン、塩酸プロカルバジン、クエン酸タモキシフェン、テストラクトン)、抗プロタゾール剤(例えば、ベンズニダゾール、クリオキノール、デコキネート、ジヨードヒドロキシキノリン、ジロキサニドフロエート、ジニトルミド、フルゾリドン、メトロニダゾール、ニモラゾール、ニトロフラゾン、オルニダゾール、チニダゾール)、抗甲状せん剤(例えば、カルビマゾール、プロピルチオウラシル)、抗不安薬、催眠鎮痛薬、催眠薬、および神経弛緩薬(例えば、アルプラゾラム、アミロバルビトン、バルビタール、ベンタゼパム、ブロマゼパム、ブロムペリドール、ブロチゾラム、ブトバルビトン、カルブロマール、クロルジアゼポキシド、クロメチアゾール、クロルプロマジン、クロバザム、クロチアゼパム、クロザピン、ジアゼパム、ドロペリドール、エチナメート、フルナニゾン、フルニトラゼパム、フルオプロマジン、カプリン酸フルペンチキソール、フルフェナジンデカノエート、フルラゼパム、ハロペリドール、ロラゼパム、ロルメタゼパム、メダゼパム、メプロバメート、メタカロン、ミダゾラム、ニトラゼパム、オキサゼパム、ペントバルビトン、ペルフェナジン、ピモジド、プロクロルペラジン、スルピリド、テマゼパム、チオリダジン、トリアゾラム、ゾピクロン)、β遮断薬(例えば、アセブトロール、アルプレノロール、アテノロール、ラベタロール、メトプロロール、ナドロール、オクスプレノロール、ピンドロール、プロプラノロール)、強心薬(例えば、アムリノン、ジギトキシン、ジゴキシン、エノキシモン、ラナトシドC、メジゴキシン)、コルチコステロイド(例えば、ベクロメタソン、ベタメタゾン、ブデソニド、酢酸コルチゾン、デソキシメタゾン、デキサメタゾン、酢酸フルドロコルチゾン、フルニソリド、フルコルトロン、プロピオン酸フルチカゾン、ヒドロコルチゾン、メチルプレドニゾロン、プレドニゾロン、プレドニゾン、トリアムシノロン)、利尿薬(アセタゾラミド、アミロライド、ベンドロフルアジド、ブメタニド、ブメタニド、クロルタリドン、エタクリン酸、フルセミド、メトラゾン、スピロノラクトン、トリアムテレン)、抗パーキンソン病薬(例えば、メシル酸ブロモクリプチン、マレイン酸リスリド)、胃腸薬(例えば、ビサコジル、シメチジン、シサプリド、塩酸ジフェノキシレート、ドンペリドン、ファモチジン、ロペラミド、メサラジン、ニザチジン、オメプラゾール、塩酸オンダンセトロン、塩酸ラニチジン、サルファサラジン)、ヒスタミンH受容体拮抗剤(例えば、アクリバスチン、アステミゾール、シンナリジン、シクリジン、塩酸シプロヘプタジン、ジメンヒドリナート、塩酸フルナリジン、ロラタジン、塩酸メクロジン、オキサトミド、テルフェナジン)、脂質調整剤(例えば、ベザフィブラート、クロフィブラート、フェノフィブラート、ゲンフィブロジル、プロブコール)、硝酸塩類および他の抗狭心薬(例えば、硝酸アミル、ニトログリセロール、硝酸イソソルビド、一硝酸イソソルビド、四硝酸ペンタエリトリット)、オピオイド鎮痛薬(例えば、コデイン、デキストロプロポキシフェン、ジアモルフィン、ジヒドロコデイン、メプタジノール、メサドン、モルヒネ、ナルブフィン、ペンタゾシン)、性ホルモン(例えば、クエン酸クロミフェン、ダナゾール、エチニルエストラジオール、酢酸メドロキシプロゲステロン、メストラノール、メチルテストステロン、ノルエチステロン、ノルゲストレル、エストラジオール、接合エストロゲン、プロゲステロン、スタノゾロール、スチベストロール、テストステロン、チボロン)、および興奮薬(例えば、アンフェタミン、デクストロアンフェタミン、デキスフェンフルラミン、フェンフルラミン、マジンドール)が挙げられる。 【0200】 前述の化合物は、主として、その国際一般名称(INN)によって定められ、当業者に公知である。さらなる詳細は、例えば、世界保健機関(WHO)の医薬品物質に関する国際一般名称(INN)を参照することによって見出され得る。 (薬物送達デバイス) 【0201】 本発明の薬物送達デバイスは、患者または介護者によって口の中に挿入され、薬物を投与する間、口内に常駐し、患者または介護者によって口から除去され得る、デバイスのための要件に対処するように設計される。好ましい薬物送達デバイスは、経口液不浸透性リザーバを含む。 【0202】 薬物送達デバイスは、典型的には、約10mL未満、好ましくは、7.5、5.0、または3.0mL未満の総体積を有する。薬物送達デバイスのための好ましい体積は、0.5?3.0mLであって、患者の咀嚼、嚥下、および発話への干渉を最小限にする。 【0203】 本発明の薬物送達デバイスは、好ましくは、使用されていないリザーバが新しく口の中に挿入されると、破裂せずに、かつ薬物含有量の5%を上回るボーラスを注入せずに、少なくとも200ニュートンの力を伴う患者の咬合に耐えることを可能にする、耐咬合構造支持体を含有する。耐咬合構造支持体は、例えば、薬物リザーバ、推進剤リザーバ、およびポンプ構成要素全体を封入する、構造筐体を含み、個々の構成要素、デバイス全体、または両方のいずれかを保護することができる。構造筐体は、経口生体構造と親和性のある、任意の靭性の耐衝撃性材料から構築されることができる。ステンレス鋼またはチタン等の金属、ポリ(メチルメタクリレート)等のポリマー、およびKevlar等の複合材は、経口生体構造と親和性のある、靭性材料の実施例である。他の構造要素として、圧縮が筐体構成要素の剛度の増加に起因して不可能であるような場所に設置される、筐体内の支柱またはリブが挙げられ得る。別の実施例では、リブおよび支柱等の構造要素は、ある程度の筐体の撓曲を可能にするが、ポンプの構成要素を変形させるほど十分な撓曲を可能にしない。別の実施例では、ポンプ筐体は、ある程度の撓曲を可能にする材料から作製されることができ、筐体内には、薬物リザーバおよび/または推進剤リザーバが、圧力が印加されると、変形または変位するが、その構造完全性を維持し得るように、十分な体積が存在する。別の実施形態では、前述の要素のいくつかは、設計の中に組み込まれることができ、内部デバイスの容積全体は、エポキシまたは熱可塑性等の靭性生体適合性材料で注封される。 【0204】 気管の中へのその偶発的嚥下または吸引を防止するために、本発明の薬物送達デバイスは、口内に固着されるか、または気管の中に嚥下もしくは吸引されることができない形状およびサイズであるかのいずれかである。それらは、患者の口内の1本またはそれを上回る歯、口蓋、歯肉、唇、または頬等、口の任意の内部表面に固着されてもよい。安全かつ快適な適合を得るために、デバイスは、歯または口蓋等の患者の口内の表面上に適合する、もしくはそこに取り付けられるように成形されてもよく、または少なくとも一方の頬に共形化してもよい。いくつかの実施形態では、薬物送達デバイスは、歯上、頬上、歯肉と頬との間、歯肉と唇との間、または口蓋に位置付けられるように固着される。代替として、薬物送達デバイスは、嚥下されることができない形状およびサイズを含む。実施例は、歯肉と頬および唇との間に設置され得る、その湾曲形態において4cmを上回る(例えば、5、6、または7cmを上回る)長さの湾曲伸長形状である、すなわち、薬物送達デバイスは、両頬に隣接して位置付けられ、ブリッジを用いて接続され、随意に、左および右両方の部分との流体接触を形成することができる。 【0205】 薬物送達デバイスは、剛性プラスチック、変形可能プラスチック、または患者の口の輪郭、例えば、頬、または口蓋、または口底、または唇近傍の正面歯肉、または歯の輪郭に共形化し得るように容易に変形する、プラスチックを含んでもよい。容易に変形されるプラスチックとして、例えば、エラストマーブチルゴム、エラストマーシリコーン、またはポリウレタンが挙げられ得る。これは、低変形可能性、例えば、ポリ(塩化ビニリデン)、ポリ(塩化ビニル)、ポリ(トリフルオロクロロ)エチレン、ポリ(エチレンテレフタレート))、ポリエーテルポリカーボネート、または高密度高結晶性ポリエチレン等の実質的に酸素または水不浸透性のプラスチックであることができる。代替として、例えば、投与される薬物製剤が、金属を浸食させる、水性酸ではないとき、薬物送達デバイスは、ステンレス鋼または合金チタン、アルミニウム、もしくはマグネシウム等の金属を含んでもよい。代替実施形態では、薬物送達デバイスは、薬物送達デバイスが、搭載される表面の形状に共形化可能であるように可撓性コネクタによって接続される、複数の区画を含む。 【0206】 本発明の薬物送達デバイスは、図1Aおよび1Bに示されるように、締結具によって、歯または口の他の内部表面に取り付けられることができる。締結具1、1つまたはそれを上回るポンプ2、および1つまたはそれを上回る薬物リザーバ3は、単一ユニットを構成してもよく、または、1つまたはそれを上回るポンプまたは1つまたはそれを上回るリザーバが除去されると、締結具を口内に残す、別個の構成要素を構成してもよい。図1Aは、締結具1に取り付けられ得る、ポンプ2および薬物リザーバ3が、単一着脱可能構成要素を構成する、実施形態を示す。薬物は、随意に、流動制限器を含み得る、管5を介して、口の中に送達される。図1Bは、再使用可能筐体4と、使い捨てポンプ2および薬物リザーバ3とを含む、実施形態を示す。締結具1、1つまたはそれを上回る薬物ポンプ、および1つまたはそれを上回る薬物リザーバは、磁石、クリップ、クラスプ、クランプ、フランジ、ラッチ、保定リング、スナップ締結具、ねじマウント、または当技術分野において公知の他の取付機構を使用して、相互に着脱可能に取り付けられてもよい。好ましい実施形態では、締結具は、口の片側の透明リテーナまたは部分的リテーナ(例えば、3、4、または5本の歯に取り付けられる)を備える。 【0207】 デバイスの好ましい実施形態は、図2に示され、ポンプおよび/または経口液不浸透性リザーバは、透明リテーナ6を使用して、上側または下側歯のいずれかに固着される。1つ、2つ、またはそれを上回るポンプおよび/または1つまたはそれを上回る薬物リザーバは、透明リテーナの頬側に固着される。1つ、2つ、またはそれを上回る薬物ポンプ2および/または薬物リザーバ3は、右または左側のいずれか片側に固着され、頬前庭、または代替として、歯の舌側に位置付けられてもよい。薬物ポンプおよびリザーバは、筐体4を介して、透明リテーナに取り付けられる。薬物は、随意に、流動制限器を含み得る、管5を介して、口の中に送達される。管5は、薬物を、頬から、薬物がより容易に嚥下され得る、歯の舌側に搬送する役割を果たす。管は、リテーナの中に成形されてもよい。 【0208】 図3に図示される、関連実施形態では、ポンプ2およびリザーバ3は、歯の舌側および頬前庭の両方に位置付けられるように構成されることができる。本実施形態では、ポンプ2は、薬物を薬物リザーバ3から駆動させる、図17A、17B、および17Cにより詳細に説明される、エラストマーコンパートメント7を充填するために使用される。図4に図示される、別の関連実施形態では、1つ、2つ、またはそれを上回るポンプおよび/または経口液不浸透性リザーバは、右および左側両方の両側に固着され、頬前庭または歯の舌側、すなわち、両頬および舌に位置付けられてもよい。図4Aは、歯の頬側に、その中に薬物ポンプおよび/または薬物リザーバが挿入され得る、2つの両側筐体4(空として示される)を含む、不可視リテーナ6の形態における締結具を描写する。図4Bは、歯の舌側に、その中に薬物ポンプおよび/または薬物リザーバが挿入されている、2つの両側筐体4(充填されて示される)を含む、不可視リテーナ6の形態における締結具を描写する。 【0209】 随意に、2つまたはそれを上回る経口液不浸透性薬物リザーバは、相互に流体接触してもよい。随意に、透明リテーナ6は、異なる硬度の2つ、3つ、4つ、またはそれを上回る層を含み、透明リテーナの挿入および歯からの除去を容易にしてもよい。例えば、透明リテーナ6は、より軟質の内側歯接触層と、頬および舌に接触するより硬質の外側層とを伴う、二重積層を含んでもよい。 【0210】 1つまたはそれを上回るポンプおよび/または経口液不浸透性リザーバは、磁石、クリップ、クラスプ、クランプ、フランジ、ラッチ、保定リング、スナップ締結具、ねじマウント、または当技術分野において公知の他の取付機構を使用して、透明リテーナに着脱可能に取り付けられてもよい。一実施形態では、透明リテーナは、その中に1つ、2つ、またはそれを上回るポンプおよび/または経口液不浸透性リザーバが挿入される、1つ、2つ、またはそれを上回る筐体を含む。1つ、2つ、またはそれを上回る筐体は、1つ、2つ、またはそれを上回るポンプおよび/または経口液不浸透性リザーバの形状に成形または形成されてもよい。 【0211】 LDまたはLDプロドラッグ等のいくつかの薬物の送達のために、口内の薬物の滞留時間を最小限にし、それによって、頬前庭内の薬物の潜在的蓄積を回避し、薬物への頬組織の潜在的に炎症性の暴露を最小限にするために、歯の頬側ではなく、歯の舌側に、薬物含有固体または流体を投与することが望ましい。好ましい実施形態では、締結具(例えば、透明リテーナまたは部分的リテーナ)は、1つ、2つ、またはそれを上回る流体チャネルを含み、薬物含有流体を1つ、2つ、またはそれを上回るポンプおよび/または経口液不浸透性リザーバから口の中に輸送する。流体チャネルは、薬物含有流体を歯の頬側に位置する1つ、2つ、またはそれを上回る経口液不浸透性リザーバから歯の舌側に輸送することができる。例えば、流体チャネルは、締結具の中に成形される、1つ、2つ、またはそれを上回る管を含むことができる。流体チャネルは、例えば、歯の咬合表面を越えないように、顎弓の上方の後臼歯の背後を通過することができる。流体チャネルは、0.25mm、0.25?1mm、1?2mm、2?3mm未満、または3mmを上回る直径を含んでもよい。流体チャネルは、締結具内に、1mm、1?3mm、3?5mm、5?10mm未満、または10mmを上回る流体経路長を含んでもよい。 【0212】 1つ、2つ、またはそれを上回るポンプおよび/または1つ、2つ、またはそれを上回る経口液不浸透性薬物リザーバは、漏出防止スナップ締結具またはねじマウント等、当技術分野において公知の任意のタイプの漏出防止流体コネクタを介して、締結具(例えば、透明リテーナまたは部分的リテーナ)内の1つ、2つ、またはそれを上回る流体チャネルと流体連通することができる。漏出防止流体コネクタは、好ましくは、金属を含み、耐久性を改善する。随意に、1つ、2つ、またはそれを上回るポンプおよび/または1つ、2つ、またはそれを上回る経口液不浸透性リザーバは、締結具上に搭載されていないとき、薬物を送達しない一方、締結具上へのこれらの搭載は、薬物の送達を開始する。同様に、薬物送達は、ポンプおよび/または経口液不浸透性リザーバが、締結具から搭載解除されると、一時的に中断される。 【0213】 一実施形態では、1つ、2つ、またはそれを上回る流体チャネルは、1つ、2つ、またはそれを上回る流動制限器を含んでもよい。1つ、2つ、またはそれを上回る流動制限器は、締結具(例えば、透明リテーナまたは部分的リテーナ)の中に成形される、金属管を含んでもよい。流動制限器を再使用可能締結具の中に組み込むことによって、使い捨て薬物送達デバイスおよび/または経口液不浸透性リザーバは、注入速度を正確に制御する、流動制限器を含む必要がない。 【0214】 別の実施形態では、再使用可能締結具(例えば、透明リテーナまたは部分的リテーナ)は、ポンプおよび/または電源を含んでもよい。再使用可能ポンプおよび/または電源が、締結具の中に組み込まれると、薬物送達デバイスおよび/または経口液不浸透性リザーバの使い捨て部分は、ポンプおよび/または電源を含む必要がなく、それによって、全体的コストを削減させる。例えば、締結具は、圧電もしくは電気浸透圧ポンプおよび/またはバッテリを含んでもよい。バッテリは、随意に、再充電可能であってもよい。 【0215】 締結具または筐体等のその構成要素は、熱成形、射出成形、圧力成形、および積層等の当技術分野において公知の方法を使用して製造されてもよい。 【0216】 薬物送達デバイスは、単一ユニットであってもよく、または2つ、3つ、4つ、5つ、もしくはそれを上回る構成要素を有してもよい。薬物送達デバイスは、固体または流体薬物製剤が含有される、1つ、2つ、3つ、4つ、5つ、またはそれを上回る経口液不浸透性リザーバを有してもよい。これらの1つまたはそれを上回るリザーバは、単一構成要素を形成してもよく、または複数の構成要素を形成してもよい。 【0217】 薬物送達デバイスは、再使用可能、使い捨てであってもよく、または1つまたはそれを上回る再使用可能構成要素と、1つまたはそれを上回る使い捨て構成要素とを有してもよい。好ましい実施形態では、締結具は、再使用可能であって、7、30、60、もしくは180日、または1年もしくは2年に等しいまたはそれを上回る期間の間、再使用されてもよい。好ましい別の実施形態では、1つまたはそれを上回る経口液不浸透性リザーバは、単回使用の使い捨て構成要素である。ポンプは、再使用可能または使い捨てのいずれかであってもよい。流動制限器は、存在する場合、単回使用の使い捨てであってもよく、または再使用されてもよい。 【0218】 経口液不浸透性リザーバは、固体または流体薬物製剤で再充填されてもよい。好ましい実施形態では、経口液不浸透性リザーバは、単回使用の使い捨てである。経口液不浸透性リザーバは、ユーザによって充填されてもよい。好ましい実施形態では、経口液不浸透性リザーバは、事前充填される。 【0219】 薬物送達デバイスはさらに、薬物をデバイスから口の中に放出するための1つ、2つ、3つ、4つ、またはそれを上回るオリフィスを含む。 【0220】 単一薬物送達デバイスまたは経口液不浸透性リザーバからの投与の持続時間は、典型的には、4、8、12、または16時間/日を超え、最大24時間/日を含む。投与はまた、単一デバイスまたは経口液不浸透性リザーバから、複数日にわたって生じる、例えば、2日またはそれを上回る日数、4日またはそれを上回る日数、もしくは7日またはそれを上回る日数の間の薬物の投与であることができる。本デバイスは、患者が覚醒または睡眠時に装着され得るように設計されることができる。 【0221】 患者が、例えば、食事を摂る、歯を磨くために、または患者が薬剤を所望または必要としない時間(例えば、夜間)に、薬物送達デバイスを口から一時的に除去することが可能であることが望ましい。その結果、薬物送達デバイスおよび/またはその構成要素(ポンプおよび/または経口液不浸透性リザーバ等)のいくつかは、一時的に着脱可能であることができる。しかしながら、締結具等のいくつかの構成要素は、これらが患者の活動に干渉しない場合、口内に残されることが容認可能である。例えば、ポンプおよび/または経口液不浸透性リザーバを定位置に保持する、バンド、1本またはそれを上回る歯にセメント付けまたは糊着された締結具、リテーナ、または経口粘膜に接着された粘膜付着性パッチは、ポンプおよび/または経口液不浸透性リザーバが除去されるとき、口内に残されてもよい。 【0222】 薬物送達デバイスは、1つまたはそれを上回る薬物の残っている量、空になるまでに残っている注入時間、および/または経口液不浸透性リザーバのうちの1つまたはそれを上回るものが、空であって、交換されるべきであることのインジケータを含むことが望ましい。 【0223】 本発明の薬物送達デバイスは、総体積0.1?10mLの薬物、例えば、0.1?1.0、1.0?2.0、2.0?3.0、3.0?4.0、4.0?5.0、5.0?6.0、6.0?7.0、7.0?8.0、8.0?9.0、または9.0?10mLを含む、1つまたはそれを上回る固体または流体薬物製剤を1つまたはそれを上回る経口液不浸透性リザーバから投与するように構成および配列される。それらは、0.03?1.25mL/時間、例えば、0.03?0.10、0.10?0.20、0.20?0.30、0.30?0.40、0.40?0.50、0.50?0.60、0.60?0.70、0.70?0.80、0.80?0.90、0.90?1.0、1.0?1.1、または1.1?1.25mL/時間の範囲内の速度において、1つまたはそれを上回る固体または流体薬物製剤を投与するように構成および配列される。いくつかの実施形態では、それらは、0.01?1mg/時間、1?10mg/時間、10?100mg/時間、または100mg/時間を上回る平均速度において、薬物(すなわち、活性医薬品原料)を投与するように構成および配列される。他の実施形態では、薬物製品(すなわち、活性医薬品原料と賦形剤)は、0.01?1mg/時間、1?10mg/時間、10?100mg/時間、または100mg/時間を上回る平均速度において送達される。 【0224】 1つまたはそれを上回る薬物は、一定速度で、または投与期間の過程にわたって変動する、非一定速度で、投与されてもよい。例えば、薬物送達デバイスは、投与期間の過程にわたって、薬物送達プロファイルに従って薬物を投与するようにプログラムされてもよい。薬物送達デバイスはまた、患者または介護者が薬物のボーラス送達を開始し得る、オンデマンドボーラス能力を有してもよい。 【0225】 好ましい実施形態では、薬物送達デバイスは、連続および/または頻回投与、例えば、注入を介して、1つまたはそれを上回る固体もしくは流体薬物製剤を投与する。好ましい実施形態では、固体または流体薬物投与速度は、1日の間の4、8、12、16、または24時間の期間にわたって、一定またはほぼ一定に保持される。例えば、投与される体積は、4、8、12、16、または24時間の期間にわたって、±10%または±20%/時間、すなわち、±10%または±20%/15分期間未満だけ変動してもよい。別の実施形態では、固体または流体薬物投与速度は、1日の覚醒時間の間、ほぼ一定に保持される。別の実施形態では、固体または流体薬物製剤投与速度は、睡眠時間の間、ほぼ一定に保持される。別の実施形態では、固体または流体薬物製剤投与速度は、ほぼ起床時のボーラスの送達を除き、1日の覚醒時間の間、ほぼ一定に保持される。一実施形態では、投与速度は、患者または介護者による口内への挿入に先立って設定されることができる。別の実施形態では、投与は、半連続的であって、注入間の期間は、薬物の生物半減期t_(1/2)未満である。例えば、t_(1/2)の1/2未満、t_(1/2)の1/3未満、t_(1/2)の1/4未満、またはt_(1/2)の1/10未満であることができる。 【0226】 流体薬物製剤に関して、小型、効率的、安価、かつ信頼性のある、薬物送達デバイスを使用して、本発明の溶液または懸濁液を送達することが望ましい。これは、特に、これらの流体が粘性であるとき、困難であり得る。また、流体を圧送するために要求される圧力を最小限にすることが望ましい。50cPを上回る、例えば、50?100cP、100?1,000cP、1,000?10,000cP、10,000?50,000cP、50,000?250,000cP、または250,000cPを上回る流体のための好ましい薬物送達デバイスでは、薬物は、4cm、3cm、2cm、1cm、0.5、または0.2cm未満の長さの管、チャネル、またはオリフィスを通して、デバイスから流出することができる。例えば、流体は、随意に、可撓性カニューレを通して送達されてもよく、または任意のタイプの管類もしくはカニューレを利用せずに、オリフィスを通して送達されてもよい。流体を圧送するために要求される圧力をさらに最小限にするために、それを通して薬物がデバイスから流出する、管、チャネル、またはオリフィスは、1、2、3、4、または5mmを上回る、例えば、1mm?5mm、1mm?3mm、2mm?4mm、または3mm?5mmの内径を有してもよい。 (ポンプ) 【0227】 薬物送達デバイスのためのポンプは、口内に安全かつ快適に搬送される小型デバイスに好適でなければならない。任意の好適なポンプが、使用されてもよい。ポンプおよび経口液不浸透性リザーバは、個別であってもよい。好ましい実施形態では、ポンプはまた、経口液不浸透性リザーバとしての役割を果たす。 【0228】 小型ポンプは、口内における設置に有利である。例えば、固体または薬物を含む流体は、薬物送達デバイスの33%、50%、66%、または75%を上回る総体積を含んでもよい。 【0229】 非電気ポンプ。バッテリを要求しないポンプは、バッテリを要求する電気ポンプより小さく、より少ない可動部品を有することができる。本発明の非電気使い捨てポンプ群の1つは、流路内の機械制限が加圧流体の流速を決定し得る、物理的原理に基づく。流体にかかる圧力は、延伸エラストマー、圧縮エラストマー、圧縮ばね、化学反応、推進剤、および加圧ガスのカートリッジを含む、非電気動力を使用して、種々の機構によって、生成されてもよい。流動の制限は、(例えば、薬物リザーバ内の)オリフィスまたは狭口径管類(金属、ガラス、またはプラスチックパイプ等)または毛細管作用によって提供されてもよい。 【0230】 異なる患者は、薬物の異なる用量を要求し得るため、本発明の薬物送達デバイスが、複数の製品の製品ラインとして利用可能であって、各製品が、異なる薬物投与速度を有することが望ましい。所望の流速は、適切な内径および長さの流動制限器を選択することによって得られてもよい。例示的流動制限器材料は、ガラス、セラミック、金属、変形させることが困難なほど強固であるポリマー(例えば、ポリ塩化ビニル)、およびその複合材である。一実施形態では、プラスチック製流動制限管類は、所望の流速を提供する長さに切断されてもよい。流動制限器としての狭口径管類の使用は、そのような製品ラインのための製造プロセスを簡略化する。製造プロセスの際、一定内径を伴う狭口径管類は、固定長Aの複数の区画に切断され、ある流速を伴う、製品のための再現性のある流動制限器を提供してもよい。一定内径を伴う、狭口径管類の異なる部分は、固定長Bの複数の区画に切断され、第2の流速を伴う、製品のための再現性のある流動制限器を提供してもよい。 【0231】 別の実施形態では、リザーバが金属であるとき、リザーバ壁内の1つまたはそれを上回るピン孔は、流動制限器を含むことができる、すなわち、所望の流速が、ピン孔の数および1つまたはそれを上回るピン孔の直径によって得られることができる。 【0232】 流速は、流動制限器を横断する圧力勾配および流体粘度によって影響される。既存のポンプ製品の著しい不正確度源は、粘度が温度によって非常に影響されることである。口内に本発明の薬物送達デバイスを搬送する重要な利点は、温度が約37℃にほぼ一定保持され、それによって、注入速度の変動を最小限にすることである。 【0233】 本発明の製剤は、多くの場合、粘性流体である。粘性流体の使用は、多くの場合、本発明の薬物および方法に所望される小体積、高濃度、均一薬物分散、貯蔵安定性、および動作安定性を達成するために所望される。その結果、多くの場合、粘性流体を圧送するために要求される圧力を提供することができる、ポンプ機構を採用することが所望される。 【0234】 エラストマー、ばね駆動、およびガス駆動ポンプによって、流体に生成される圧力は、典型的には、流速およびカニューレサイズに応じて、250?1200mmHgの範囲内であるが、より高くあることができる。例えば、圧力は、250?500、500?750、750?1,000、1,000?1250、または1,250mmHgを上回ってもよい。加圧ガスは、例えば、化学的に生成される、例えば、水を電解することによって、電解生成されることができる。より高い圧力は、2,500、5,000、または10,000mmHgに等しいまたはそれを上回る圧力を生成し得る、徐放性浸透圧錠剤等の浸透圧ポンプを用いて達成されてもよい。 【0235】 薬物送達デバイスは、患者が飲食中、口内に保たれてもよく、または飲食のために除去されてもよい。好ましくは、高温、低温、酸性、塩基性、油性、またはアルコール性である食料または液体を含む、食料または液体の口の中への導入は、薬物送達に臨床上有意な影響を及ぼさない。例えば、そのような条件は、薬物の溶解度、リザーバ内の薬物含有流体の体積、経口液不浸透性リザーバ内の薬物含有流体の粘度、リザーバ内のガスの体積(存在する場合)、質量輸送制限膜の拡散性(存在する場合)、および/またはエラストマーまたはばねによって付与される力(存在する場合)に影響を及ぼし得る。徐放性粘膜付着性薬物送達パッチ等のいくつかの薬物送達技術は、口内で高温、低温、酸性、塩基性、油性、またはアルコール性液体と接触すると、大量の薬物ボーラスを送達し得る。そのようなボーラスは、望ましくない臨床効果をもたらし得、最小限にされるべきである。一実施形態では、本発明の固体または流体薬物送達デバイスは、37℃において、pH7の生理学的生理食塩水溶液中に同一持続時間の間浸漬された同じ薬物送達デバイスと比較して、高温(約55℃)、低温(約1℃)、酸性(約pH2.5)、塩基性(約pH9)、油性(重量比5%のオリーブ油を含有する生理学的生理食塩水溶液)、またはアルコール性(重量比5%のエタノールを含有する生理学的生理食塩水溶液)である、撹拌された生理学的生理食塩水溶液を含有するビーカー中に5分または1分間浸漬されると、未使用の経口液不浸透性リザーバの含有量の5%、4%、3%、または2%未満のボーラスを送達する。例えば、LDまたはLDプロドラッグ送達デバイスは、これらの条件下、0.5、0.25、0.12、または0.06ミリモル未満のLDまたはLDプロドラッグのボーラスを送達し得る。 【0236】 バッテリを動力源とするポンプ。ポンプへの給電以外、バッテリは、伝送デバイスによるプログラムされた薬物送達および薬物送達の遠隔制御のために、随意の電子制御および通信能力(例えば、無線周波数受信機)に給電することができる。小型バッテリが、固体または流体薬物の送達のためのポンプまたは分注機構を駆動するために使用されてもよい。シリンジ、油圧、ギヤ、回転羽根、ねじ、斜軸、軸方向ピストン、半径方向ピストン、蠕動、磁気、圧電、ダイヤフラム、およびニチノール系等の形状記憶合金等、当技術分野において公知の任意の低電力ポンプ駆動機構が、使用されてもよい。 【0237】 口内における使用のためのバッテリを動力源とするポンプの利点は、患者が薬物送達デバイスを口から一時的に除去することを所望する場合、デバイスからの薬物送達を一時的に停止することが可能であることである。これは、例えば、ポンプへの電気動力をオフにすることによって、遂行されることができる。 【0238】 バッテリを動力源とするポンプの一実施形態は、圧電結晶の運動を使用して、1つの運動でチャンバをリザーバからの薬物で充填し、反対の運動でチャンバから薬物を排出する、小型ダイヤフラムポンプである。典型的には、圧電結晶の発振の周波数は、生物学膜が超音波破壊される、またはフリーラジカルが音響化学プロセスを通して生成される可能性がより高くなる、より高い周波数を回避するように、約20,000Hz、5,000Hz、または1,000Hz未満である。ダイヤフラムポンプの有意な利点は、高および低両方の粘度の材料ならびに細粒または粉末等の固体を非常に正確に送達するために使用されることができることである。 【0239】 バッテリを動力源とするポンプの別の実施形態は、開示される、例えば、それぞれ、参照することによって本明細書に組み込まれる、米国特許公開第2013/0041353号、第2013/0156615号、第2013/0153797号、および第2013/0153425号、PCT公開第WO2011/112723号、ならびに韓国特許公開第KR101305149号に開示されるような小型電気浸透圧ポンプである。典型的には、そのバッテリまたは複数のバッテリを含む、小型電気浸透圧ポンプの体積は、使用されていない経口液不浸透性リザーバ内の流体の体積より小さい。例えば、ポンプの体積は、使用されていない経口液不浸透性リザーバの体積の1/2未満、1/3未満、1/4未満、または1/5未満であることができる。電気浸透圧ポンプが、再充填可能リザーバと併用されるとき、ポンプに給電するバッテリは、再充填に応じて、交換されることができる。異なる患者に異なる用量速度を提供するために、経口液不浸透性リザーバは、異なる濃度における薬物で充填されてもよい。代替として、電気浸透圧ポンプの流速は、印加される電圧もしくは印加される電流を制御することによって、または電極間に挟着される膜の断面流体接触面積を変動させることによって、調節されることができる。随意に、印加される電圧または電流は、短距離RF受信機を挿入体内に組み込むことによって、遠隔で調節されることができる。 【0240】 バッテリを動力源とするポンプの別のカテゴリは、容積式ポンプである。薬物を送達するために使用され得る、バッテリを動力源とする容積式ポンプの2つの実施例は、ギヤポンプおよび蠕動ポンプである。容積式ポンプの使用の主要な利点のうちの1つは、流速が周囲圧力の変化によって影響されないことである。ギヤポンプは、一実施形態では、偏心して搭載され、そのサイクロイド伝動装置と相互噛合される、2つの回転子を使用する。その結果、いくつかのシールされたチャンバのシステムが、常時、存在し、1度に1回、ポンプの出口に向かって移動される。ギヤポンプの実施例は、HNP Mikrosysteme GmbH製マイクロ環状ギヤポンプmzr-2521である。第2のタイプのバッテリを動力源とする容積式ポンプは、蠕動ポンプである。蠕動ポンプは、一連のローラを使用して、管を挟持し、真空を生成し、材料をリザーバから引き出し、それによって、後続ローラ容積内にある体積の薬物を生成し、移動させ、薬物をポンプの出口に向かって送達する。バッテリを動力源とする蠕動ポンプの実施例は、Takasago Electric, Inc.製RP-TXシリーズマイクロ蠕動ポンプである。 【0241】 バッテリを動力源とするポンプのさらなる実施形態は、以下の図13、14、および15の説明に提供される。 【0242】 エラストマー注入ポンプ。エラストマー注入ポンプでは、流体にかかる圧力は、延伸または圧縮エラストマーの力によって、生成される。流動制限器を伴う、エラストマー性であって、部分的に使い捨てである、一定速度薬剤注入ポンプの実施例は、米国特許第12/374,054号および米国特許第8,547,239に説明され、それぞれ、参照することによって本明細書に組み込まれる、CeQur PaQインスリンパッチポンプである。 【0243】 図5Aおよび5Bは、薬物で充填され、流動制限器としての役割を果たす狭口径管類8の使用を通して、薬物を加圧し、制御される速度で流体を圧送する、エラストマー薬物リザーバの実施形態を示す。図5Aは、薬物が空のときのエラストマーリザーバ9を示し、図5Bは、薬物で充填することによるエラストマーの拡張に起因して加圧されたときのエラストマーバルーン9を示す。 【0244】 好ましくは、エラストマー膜は、外側保護シェルによって保護される。外側保護シェルは、口の表面に成形され得る、共形化可能エラストマーまたはより剛性のプラスチックのいずれかであることができる。エラストマーポンプの膜は、天然および合成両方の(例えば、熱可塑性)エラストマー(例えば、イソプレンゴム、ラテックス、シリコン、およびポリウレタン)を含んでもよく、単一または複数の層から作製されることができる。エラストマーバルーン9のエラストマーのタイプおよび幾何学形状は、バルーンが延伸されるとき、流体上に生成される圧力を判定する。多層エラストマー膜は、単層膜より高い圧力を生成することができる。より高い駆動圧力は、より高速の流速を達成し、粘性流体を圧送するために有益である。 【0245】 流体が送達されるにつれた流速の変化を最小限にするために、流体にかかる開始圧力と終了圧力との間の差異が、開始圧力の30%、20%、または10%未満であるように、エラストマー膜に十分に高い張力を利用することが好ましい。 【0246】 エラストマー駆動ポンプの別の実施形態は、定荷重を薬物リザーバ3に印加し、下流端に逆止弁16(または一方向弁)を伴う狭口径管類8を通して薬物を駆動させるためのエラストマーバンド10(例えば、ゴムバンド、図5Cおよび5D参照)の使用である。エラストマーは、高歪み値が、それらに付与され得、応力の変化が比較的にわずかであって、応力歪み曲線のいくつかの領域では、応力の変化を全く伴わない、材料特性を有することが公知である。エラストマーバンドポンプの一実施形態では、延伸ポリイソプレンバンドが、使用される。ポリイソプレンは、応力歪み曲線の具体的領域内において、歪みの有意な変化が、事実上、応力の変化をもたらさないという点において、望ましい材料特性を有する。本実施形態では、エラストマーゴムバンド10は、応力が、ピストン運動のストロークの開始から終了まで、弾性領域内のままである、応力歪み曲線の範囲内で使用される。本実施形態では、エラストマーバンド10の一端は、ピストン13に取り付けられた支柱12上に設置され、他端は、定常支柱14上に設置される。エラストマーバンド10にかかる張力は、力を薬物リザーバに印加し、周囲圧力差の影響を排除するために、通気孔15は、薬物リザーバ3が、四面において、周囲圧力に暴露されることを可能にする。逆止弁16はまた、薬物が流動していない間、唾液が狭口径管類8に流入しないように保つ役割を果たす。図5CおよびDは、それぞれ、充満された薬物リザーバ3および部分的に空にされた薬物リザーバ3を伴うデバイスを示す。 【0247】 加圧流体および流動制限器を含む、非電気使い捨てポンプのさらに別の実施形態は、固定体積薬物リザーバ内のエラストマーの体積の使用を伴う。エラストマーは、随意に、閉セルエラストマーであってもよい。エラストマーは、圧縮され、エラストマーの後続制御拡張は、薬物を送達するための力を提供する。ガス含有閉セルエラストマーを使用する連続圧送では、薬物含有流体が、固定体積内において、経口液不浸透性リザーバをほぼ一定圧力に維持することによって、ほぼ一定流速で圧送される。リザーバ内においてほぼ一定圧力を維持するために、実質的圧縮性エラストマーが、リザーバ内に設置される。実質的圧縮性エラストマーは、典型的には、エラストマー材料の体積に対して100atm未満(例えば、10atm未満)の圧力をリザーバ内に印加することによって、圧縮されることができる。加圧リザーバ内の圧縮エラストマー材料の体積は、約海面気圧において、エラストマーの体積の約67%、50%、または25%未満であることができる。そのような圧縮性エラストマーの例示的系として、閉セルゴム発泡体としても知られる、閉セルゴムが挙げられる。閉セルゴムは、N_(2)、CO_(2)、または空気等のガスを含有する細孔である、完全ゴム封入ガス細孔を有する。約海面気圧では、閉細孔エラストマーの密度は、ガスを伴わないエラストマーの密度の67%未満、例えば、ガスを伴わないエラストマーの67%?33%、ガスを伴わないエラストマーの33%?25%、ガスを伴わないエラストマーの25%?12%、またはガスを伴わないエラストマーの密度の12%未満であることができる。約海面気圧におけるエラストマー内のガスの体積%は、20体積%を上回る、例えば、50体積%を上回る、または75体積%を上回ることができる。ガス含有エラストマーの伸長は、約25%を上回る、例えば、50%?200%、200%?450%、または450%を上回ることができる。ガス含有エラストマーは、固定体積薬物リザーバ内に適合する、任意の形状であることができる。これは、ブロック、または随意に、折畳シート等の単一部品であることができる、または小ガス充填球体等の複数の部品であることができる。典型的ガス細孔封入エラストマーとして、例えば、ジエンの架橋結合されたポリマーおよびコポリマー(イソプレン、クロロプレン、ブタジエンによって例示化される)が挙げられ得る。例示的コポリマーとして、アクリロニトリルブタジエンスチレン、アクリロニトリルブタジエン、またはエラストマーポリアクリレート、またはエチレンプロピレンゴム等のエラストマーオレフィン、またはエラストマーシリコーンおよびフルオロシリコーン、またはエラストマーポリウレタンが挙げられる。一般に、低ガス浸透性、特に、低水蒸気浸透性エラストマーが、好ましい。 【0248】 閉セルエラストマーポンプを含む、薬物送達デバイスは、好ましくは、平均速度の80%?120%の範囲内の速度において、4時間を下回らず、かつ7日を上回らない送達期間の間、ある平均速度において、薬物を患者の口の中に継続的または半継続的に投与するように構成および配列される。 【0249】 一定流速における薬物含有流体の送達の間、ガス含有エラストマーは、すでに送達された流体によって空にされた体積の大部分または全部を占有し、エラストマー内に大きな気泡が存在するように拡張する。薬物をほぼ一定流速で送達するシステムの生成および動作の例示的方法では、閉セルエラストマーは、薬物送達のための閉鎖出口または複数の出口を具備し、随意に、リザーバを充填するための隔壁を具備する、薬物リザーバ内に設置されることができる。薬物リザーバは、リザーバ内の動作圧力で実質的に変形しない材料から作製された壁を有することができる(例えば、典型的には、5%未満、例えば、1%未満だけの、リザーバ体積を変化させる印加可能圧力下における壁の変形)。薬物含有流体は、次いで、隔壁を通して注入され、ゴムのガス含有閉セルを圧縮し、それによって、リザーバを加圧することができる。出口または複数の出口の開放は、例えば、口の中への薬物含有流体の流動を開始させる。薬物の送達の間のリザーバ内のほぼ一定圧力は、例えば、閉セルゴムのタイプによって制御されることができる。 【0250】 口内における使用のためのエラストマー注入ポンプの利点は、患者が、薬物送達デバイスを口から一時的に除去することを所望する場合、デバイスからの薬物送達を一時的に停止することが可能であることである。これは、例えば、流動制限器、例えば、オリフィス、ガラス毛細管作用または狭口径管類を遮断または閉鎖することによって、遂行されることができる。 【0251】 患者が高温飲料を飲むときの流速の変化を最小限にするために、その力が37℃?55℃の範囲内の温度から比較的に影響を受けない、エラストマー材料を利用することが好ましい。例えば、未使用のリザーバ内の力は、温度が37℃から55℃に上昇すると、30%、20%、または10%未満だけ増加し得る。 【0252】 ばね駆動ポンプ。正圧ばねを動力源とするポンプは、圧縮ばね内に貯蔵されたエネルギーを動力源とする。一実施形態では、ばねは、リザーバ内の固体または流体の体積が増加するにつれて、リザーバ充填プロセスの間、圧縮される。 【0253】 口内における使用のためのばね駆動ポンプの有意な利点は、患者が、薬物送達デバイスを口から一時的に除去することを所望する場合、デバイスからの薬物送達を一時的に停止することが可能であることである。これは、例えば、ばねを後退させる、ばねのさらなる拡張または収縮を制限する、または流動制限器、例えば、ガラス毛細管作用または狭口径管類を遮断もしくは閉鎖することによって、遂行されることができる。 【0254】 本発明のばねは、好ましくは、定荷重ばねである。固体または流体が送達されるにつれた流速の変化を最小限にするために、ばねによって印加される開始力と終了力との間の差異が、開始力の30%、20%、または10%未満となるように、ばね内で十分に高い張力を利用することが好ましい。 【0255】 患者が高温飲料を飲むときの薬物投与速度の変化を最小限にするために、その力が37?55℃の範囲内の温度から比較的に影響を受けない、ばね材料を利用することが好ましい。例えば、未使用のリザーバ内の力は、温度が37から55℃に上昇するとき、30%、20%、または10%未満だけ増加し得る。 【0256】 本発明のばねは、従来の金属ばねまたは圧縮性エラストマーを含む、任意のタイプのばねであってもよい。例えば、圧縮性エラストマーは、イソプレン等の中実であってもよく、または閉ガスセルを含有してもよい(例えば、ネオプレン)。 【0257】 流動制限器を伴う、ばね駆動の完全に使い捨て一定速度薬剤注入ポンプの実施例は、米国特許第13/500,136号に説明されるValeritasV-goインスリンパッチポンプであって、参照することによって本明細書に組み込まれる。V-goポンプは、弛緩するにつれて拡張する、2つの強力なばねを含む。構造故障の場合、ばねは、デバイスを破裂させ得る。ばね駆動の口腔内薬物送達デバイスのために、あまり強力ではなく、弛緩に応じて拡張する代わりに、収縮し、それによって、破裂故障のリスクを減少させる、ばねを使用することが好ましい。 【0258】 ばね駆動ポンプのある実施形態では、巻着された回転ばねの機械利点が、機械システムが薬物を送達するように駆動させるためのモータとして使用される。例えば、図6は、裏当て材料19上で搬送される離散固体用量18(例えば、丸剤、細粒、小丸薬、粒子等)を送達する、ばねモータ17によって駆動されるコンベヤベルトを図示する。ばね駆動機構は、裏当て材料上の乾燥経口液不浸透性リザーバから、暴露される位置まで固体薬物を輸送し、薬物は、次いで、定常支柱20との干渉によって、裏当て材料から放出されてもよい。コンベヤベルト上に固体薬物を含有するリザーバ3は、随意に、その意図される投与時間に先立って、薬物と相互作用せず、固体薬物が唾液と(ダックビル弁22の使用を通して)接触しないように防止する役割を果たすであろう、非水性流体21で充填されることができる(そうでなければ、システムを閉塞させる、または薬物を劣化させ得る)。関連実施形態は、その上に離散固体用量がスクリーン印刷された、食用裏当て材料の使用を含む。本実施形態は、空乏コンベヤベルト材料を含有する必要性を排除する。別の実施形態は、薬物で充填された一連のコンパートメントと、各コンパートメントに個々に暴露する、剥離式裏当て材料の併用を含む。本実施形態は、1つのみのコンパートメントが、1度に暴露されるであろうため、薬物が唾液と接触する可能性を排除する。定荷重半径方向ばねの使用のさらなる利点は、例えば、比較的に低力(0.5lbF)ばねが、比較的に大オリフィス(約0.4mm直径)を通して薬物を送達するために使用され得ることである。口内に装着されている間にデバイスが故障する場合、ばねの貯蔵されたポテンシャルエネルギーは、小さくはあるが、ばねをそれ自体に重なるように後退させるであろう。逆に言えば、圧縮ばねは、ばねをその拡張状態に弛緩させ、潜在的に、ユーザに害を及ぼすであろう、貯蔵されたポテンシャルエネルギーを有するであろう。定荷重ばねの実施例は、Vulcan Spring and Mfg Co.(501 Schoolhouse Rd, Telford, PA 18969)製の製品番号SH6F24である。好ましいばねは、10、5、または1lbF未満の力を送達し、弛緩に応じて、後退する。 【0259】 図7に図示される別の実施形態は、固体薬物が取り付けられる(例えば、複数の離散固体丸剤24の形態において)ストリング23を前進させ、乾燥経口液不浸透性薬物リザーバ3から、口内の唾液に暴露され、固体薬物が溶解または分散し得る位置まで、固体薬物を輸送するためのばね駆動モータ17の使用である。代替として、固体丸剤24を含有する薬物リザーバ3は、その意図される投与時間に先立って、弁22の使用を通して、薬物と相互作用せず、固体薬物が唾液と接触しないように防止する役割を果たすであろう、非水性流体21で充填されることができる(そうでなければ、システムを閉塞させる、または薬物を劣化させ得る)。分散可能固体薬物を使用する利点は、固体薬物が、偶発的に、肺の中に吸入される、口から吐出される、または唾液に暴露されないであろう口内の場所に捕捉され得ないことである。 【0260】 図8に図示されるさらなる実施形態は、乾燥経口液不浸透性薬物リザーバ3からダックビル弁22を通して口の中に薬物を推進する、ばね駆動モータ17および一連のスクイージー25の使用である。代替として、固体薬物を含有する薬物リザーバ3は、薬物と相互作用せず、固体薬物が唾液と接触しないように防止する役割を果たすであろう、非水性流体21で充填されることができる。 【0261】 薬物が管またはチャネルを介して口の中に送達される、実施形態では、経口液不浸透性薬物リザーバは、疎水性または非粘性材料(例えば、パラフィンまたはPTFE)でコーティングされ、および/または唾液が流入不可能であるように十分に高圧を要求するであろう直径で設計された管またはチャネルを使用することによって、経口液がない状態に保たれてもよい。 【0262】 図9に図示される固体薬物の送達のための代替実施形態は、固体薬物、例えば、離散固体細粒、カプセル、または丸剤27を捕捉および送達するためのばね駆動オーガ26の使用を含む。オーガは、一端が、筐体4内の固体形態における薬物を含有する乾燥経口液不浸透性薬物リザーバ3内に位置し、反対端が、薬物が所望の速度で口の中に送達されることを可能にする、開口部28に暴露されるように構成されることができる。オーガ26の利点は、オーガの運動および材料が、唾液が経口液不浸透性リザーバの中に入り込まないように防止し、オーガによって、生成され得る相当な力が、唾液に暴露され、集塊され得る、任意の固体粒子を破壊し得ることである。 【0263】 図10に図示されるばね駆動薬物ポンプの別の実施形態は、固体薬物を含有する経口液不浸透性薬物リザーバ3に取り付けられる、2つの円柱または円錐形状のドラム29を回転させるためのばねモータの使用を含む。ドラム29は、疎水性または非粘性材料から構築され、リザーバの中への唾液の導入を防止するための厳密な公差で構成されることができる。これらのドラムの回転は、薬物粒子を薬物リザーバ3からドラム29を通して口の中に引き込むことができる。ドラムは、カットアウト30が投薬量を定義し、ドラム30の回転周波数が薬物送達速度を定義するように構成されることができる。別の実施形態では、カットアウト30は、存在せず、ドラム29間の間隔が、ドラム29の回転速度とともに、薬物送達速度を定義するであろう。一定給送を維持し、ドラムと薬物の間隙の潜在性を排除するために、ばね31およびピストン32が、筐体4内に採用される。 【0264】 図11に図示されるさらに別の実施形態では、ばね33は、円板34の形態における一連の固体薬物用量を押動し、各用量は、唾液が円板34に時期尚早に接触しないように防止する、材料35の薄層によって分離される。遠位薬物用量は、口内の唾液に暴露され、そこで、溶解または分散する。薬物用量間の材料が、次いで、溶解または分散し、唾液が次の薬物用量に接触することを可能にする。随時、遠位薬物用量のみ、オリフィス36から流出しながら、唾液に暴露されることができる。 【0265】 さらに別の実施形態では、一連の固体薬物用量は、渦巻形状の円筒形に配列される。本実施形態では、一方向弁が、リザーバの出口に位置付けられ、丸剤が唾液に暴露しないように保護する役割を果たす。本実施形態では、丸剤は、低摩擦係数壁と直接接触する。丸剤を押動させるために要求される力は、壁への丸剤の法線力(および摩擦要因)に正比例し、線形関係であるため、具体的ばね率の圧縮ばねは、丸剤を一定速度で送達するために使用することができる。例えば、フックの法則によって支配される圧縮ばねは、関係F_(S)=Kxに従い、式中、F_(S)は、ばね力であって、Kは、ばね率であって、xは、ばねが圧縮される距離である。丸剤を一方向弁を通して押動させるために要求される力は、丸剤の重量および丸剤のその数と関連付けられた摩擦力で除算された丸剤の数に比例する。この場合、摩擦力に関する支配方程式は、F_(F)=μNであって、式中、F_(F)は、摩擦力であって、μは、摩擦係数であって、Nは、この場合、丸剤の重量に比例する、法線力である。したがって、μN/xに比例するばね率を伴うばねは、一定速度で丸剤を送達するであろう。 【0266】 ばね駆動ポンプのさらなる実施形態では、図12Aおよび12Bは、定荷重ばねが、圧縮プレートをオリフィスに向かって引動させるために使用される、実施形態を図示する。筐体内の可撓性経口液不浸透性リザーバが、薬物を含有する。ばねの端部が、筐体の内側のトラックに沿って乗架される。図12Aは、リザーバ3が充満され、ばね37が完全に延在されたときのばね37、ばね車軸38、および圧縮プレート39の場所を示す。図12Bは、ばね37の後退によって、薬物が全てリザーバ3から送達されたときの圧縮プレート39およびばね37の場所を示す。関連実施形態では、薬物は、筐体自体内に含有されることができ、圧縮プレートは、シールを生成し、シリンジと同様の様式で薬物を送達するためのプランジャとして作用するであろう。本実施形態では、ばねは、シールされたスリーブ内において、筐体の内側および薬物チャンバの内側に乗架され、薬物をばねへの暴露から保護する。薬物送達速度に及ぼす周囲圧力の変化の影響を排除するために、通気孔15が、デバイス内に存在し、薬物リザーバ3および薬物リザーバノズル8の両方が、周囲圧力に暴露されることを可能にし、これは、周囲空気圧力のいかなる変化の影響(例えば、患者のデバイスの吸引および/または高度の変化に起因する)も排除する。 【0267】 図12Cおよび12Dに図示される別の実施形態では、定荷重ばね37は、空間内に固定されたままである。すなわち、ばね37の一端は、圧縮プレート39に取り付けられ、圧縮プレート39を薬物リザーバノズル8に向かって引動させる。図12Cは、薬物リザーバ3が充満され、ばね37が完全に延在されたときのばね37および圧縮プレート39の場所を示す。図12Dは、ばね37の後退によって、薬物が全てリザーバ3から送達されたときの圧縮プレート39およびばね37の場所を示す。図12Cおよび12Dはまた、設計の中に組み込まれ、薬物送達速度に及ぼす周囲圧力のいかなる影響も排除するための通気孔15を有する。 【0268】 固体用量薬物送達のさらなる実施形態では、直列に整合された一連の丸剤41が、モータ42によって、それらを筐体から落下させる特徴に向かって引動される。本実施形態は、ばね駆動、バッテリ駆動、エラストマー駆動、ガス駆動、または本明細書に教示される任意の他の電源を使用することができる。図13は、導線44に取り付けられ、プッシャ45を反対端に伴う、モータ42に引動される、線に沿って配列される固体丸剤41を示す。モータ42が、導線44を巻き取りリール46上に巻き取るにつれて、固体丸剤は、開口部43に向かって引動され、ユーザの口の中に吐出される。開口部45における弁は、微小丸剤が唾液に時期尚早に暴露しないように保護する。潤滑液47は、丸剤が、薬物リザーバ3内で平滑に移動することを可能にし、薬物リザーバの中への唾液の侵入を防止する。 【0269】 図14は、薬物の個々の用量が具体的頻度で送達されることを確実にし、また、唾液への時期尚早な暴露から保護されることを確実にするために、薬物用量が個々にパッケージ化された固体用量薬物送達の別の実施形態を示す。本実施形態では、モータ42は、シールされたパッケージの裏当て材料48を引動させ、半径方向ばね49は、薬物用量を分離するために、容器50上の張力を維持する。モータが、裏当て材料を継続して引動させるにつれて、これは、巻き取りリール46上に貯蔵される。各薬物用量51が、暴露されるにつれて、ユーザの口の中に送達されるであろう。本実施形態では、薬物用量51は、単一丸剤、複数の微小丸剤、または粒子もしくは粉末形態における薬物の形態をとることができる。ばね駆動モータを使用して図示されるが、本実施形態は、ばね駆動、バッテリ駆動、エラストマー駆動、ガス駆動、または本明細書に教示される任意の他の電源を使用されることができる。 【0270】 図15Aおよび15Bは、固体用量薬物送達の別の実施形態を示す。本実施形態では、薬物リザーバは、カートリッジ52の回転によって具体的頻度で個々に送達される、複数の個々にパッケージ化された薬物用量51を含有する、回転カートリッジ52である。回転は、ばね荷重特徴53によって、固体薬物をパッケージングを通してユーザの口の中に押動させる。本実施形態では、モータ42は、単一薬物用量51がばね荷重特徴53に接触し、薬物コンパートメント裏当てに力を付与し、薬物51をパッケージングを通して薬物リザーバ52から押進させるまで、薬物リザーバカートリッジ52を具体的速度で回転させる。ばね駆動モータを使用して図示されるが、本実施形態は、ばね駆動、バッテリ駆動、エラストマー駆動、ガス駆動、または本明細書に教示される任意の他の電源を使用することができる。 【0271】 ばねポンプのさらなる実施形態では、圧縮ばねは、ほぼ定荷重を、その力を薬物リザーバに印加する、ピストンまたはプランジャに印加するために使用されることができる。低ばね率を伴う、非常に長い圧縮ばねを使用することによって、比較的に定荷重を用いて、短ストロークを横断して力を印加し得る。実施例として、ばね率0.05lbF/inを伴う10インチ長のばねは、8.5インチまで圧縮され、力0.425lbFを印加するであろう。ばねが、7.5インチまで拡張させられる場合(1インチ総ストローク)、結果として生じる力は、0.375lbFとなり、これは、ストローク全体を通して12.5%の減少である。好ましい実施形態では、ばね力は、0.25?10lbFの範囲内であって、好ましくは、10、5、または1lbF未満である。ばね率は、0.01?1lbF/インチの範囲内であって、好ましくは、1、0.5、または0.05lbF/インチ未満である。ストローク長は、0.5?1インチの範囲内であって、好ましくは、2、1、または0.5インチ未満である。ストロークを横断する開始力と終了力との間の差異は、15%、10%、または5%未満である。 【0272】 空気圧ポンプ。空気圧ポンプは、空気の圧力水頭を使用して、駆動力を生成する。一実施形態では、ダイヤフラムポンプは、固体形態(例えば、粒子、細粒、または粉末)における薬物の離散量をリザーバから口の中に押動させる、圧力水頭を生成する。図16に図示される、そのような設計の実施例は、回転円板54に対して定位置に固定されたオリフィス56を通して、空気圧力ボーラス57によって所定の速度で注入される、薬物粒子55で充填されたコンパートメントを含有する回転円板54である。円板54の回転は、単一コンパートメントを暴露させ、空気57のボーラスは、そのコンパートメントから口へ具体的速度で薬物を送達する。筐体は、ユーザがデバイス内に残っている薬物の量を観察することを可能にするであろう、クリアな材料から形成されることができる。別の実施形態では、円板は、回転し、交互に、コンパートメントリザーバから充填し、空気のボーラスを用いて薬物を送達する、単一コンパートメントを含有することができる。本構成では、空気は、薬物材料を送達するだけではなく、また、リザーバからのコンパートメントの再充填に先立っていかなる唾液も除去する。 【0273】 負圧ポンプ。負圧力ポンプは、超低圧である片側(真空チャンバの内側)と、大気圧である別の側とを伴う、ポンプの低圧チャンバ壁の両側を横断する圧力差から駆動力を生成させる。真空チャンバ内の超低圧は、リザーバ充填プロセスの間に生成されてもよい。薬物含有リザーバへの液体の添加によって生じる経口液不浸透性リザーバの拡張は、減圧チャンバの同時拡張を生じさせ、したがって、有意な真空を生成する。固体または流体薬物の投与の間、可動壁プランジャにかかる圧力が、その両側間の大圧力差によって、生成され、それを移動させ、薬物含有チャンバ内の固体または流体を圧縮させる。 【0274】 口内における使用のための負圧ポンプの有意な利点は、患者が、薬物送達デバイスを口から一時的に除去することを所望する場合、デバイスからの薬物送達を一時的に停止することが可能であることである。これは、例えば、流動制限器、例えば、ガラス毛細管作用または狭口径管類を遮断または閉鎖することによって、遂行されることができる。 【0275】 ガス駆動注入ポンプ。一実施形態では、ガス駆動薬物送達デバイスは、2つまたはそれを上回るコンパートメントを含み、少なくとも1つのコンパートメントには、加圧ガスを、少なくとも1つの別個の経口液不浸透性薬物リザーバ内には、投与される固体または流体薬物を伴う。加圧ガスは、駆動力を提供する。2つのコンパートメントは、力をガスコンパートメントから固体または流体に伝達する、可動部材によって分離される。 【0276】 2つのコンパートメントを含有する筐体は、典型的には、薬物が分注され、加圧ガスを含有するコンパートメント内の内圧が低下するにつれて有意に変動しない、固定体積であるように構築される。実施例は、注射筒の遠位端における流体分注オリフィスと、注射筒のシールされた近位端と、注射筒を2つのコンパートメントに分離する、注射筒内の可動ゴムまたはエラストマープランジャと、遠位コンパートメント内に位置する薬物含有流体と、近位コンパートメント内の加圧ガスとを含む、注射筒の形状のリザーバである。別の実施例では、薬物コンパートメントは、蛇腹形状を有してもよく、加圧ガスが、蛇腹を圧縮し、薬物含有流体を流動制限器を通して押進させるように、ガスコンパートメントによって囲繞されてもよい。 【0277】 図17A、B、およびCは、第1のエラストマー薬物リザーバ3が、ガスまたは推進剤を含有する第2のエラストマーコンパートメント7によって圧縮される、別の実施形態を図示する。図17Aでは、薬物送達デバイスは、第1の充満されたエラストマー薬物リザーバ3と、第2の空のエラストマーコンパートメント7と、随意のガスポンプ11および電子機器とを含有する、筐体を含む。一実施形態では、空気および/または唾液が、電子(例えば、圧電)ポンプ11によって、第2のエラストマーリザーバ7の中に圧送される。別の実施形態では、第2のエラストマーリザーバ7は、圧縮ガスまたは推進剤を含有し、ポンプは、要求されない。いずれの実施形態でも、第2のエラストマーリザーバ7からの圧力が、薬物を含有する第1のエラストマーリザーバ3を圧縮させ、薬物をリザーバから流動制限器58を通して一定速度で押進させる。図17Bは、薬物リザーバ3が半分充満されたときのシステムを図示する。図17Cは、薬物リザーバ3が空に近いときのシステムを図示する。 【0278】 一実施形態では、ガス(例えば、二酸化炭素、窒素)が、小型ガスカートリッジまたはシリンダ内に含有される。ガスカートリッジは、5、2、または1mL未満またはそれに等しい外部体積を有し、100?500、500?1000、1000?4000、または4000PSIを上回る貯蔵圧力を有する。例示的ガスカートリッジは、Leland Gas Technologies(2614 South Clinton Ave、South Plainfield、NJ07080)製製品番号40106(1.00インチCO_(2)充填;0.75グラム)および40106IIN21750窒素シリンダ(1.00インチN_(2)充填;0.135グラム)と、Clippard Instrument Laboratory, Inc.(7390 Colerain Avenue, Cincinnati, OH45239)製製品番号SM-2(5/32インチ単作動ばね戻り式超小型シリンダ)である。小型カートリッジまたはシリンダからのガスは、経口液不浸透性薬物リザーバを圧縮し、それによって、薬物を送達するために使用されることができる。ガス加圧カートリッジは、薬物リザーバが空になるにつれて、定圧ガス流動を提供するために、1または2段階調整器と併用されることができる。図18は、標準的市販の2段階調整器の概略図を示す。小型2段階調整器の実施例は、Beswick Engineering Co, Inc.(284 Ocean Rd, Greenland, NH 03840-2442)製製品カテゴリPRD2およびPRD3である。2段階調整器は、本実施例では、カートリッジからポンプのピストンチャンバに、圧力を高から超低に徐々に減少させるために使用される。第1の段階59は、ガス圧力を中間圧力まで減少させる。その中間圧力におけるガスは、次いで、第2の段階60に流入し、さらに、第2の段階60によって、作業圧力まで減少される。関連実施形態では、ガスカートリッジは、例えば、そのHenry領域内に、約37℃でほぼ一定CO_(2)圧力を維持する、随意に可逆的CO_(2)吸収体または吸収性固体を含有する。可逆的CO_(2)吸収体または吸収性固体は、例えば、高比表面活性炭、シリカ、例えば、n-プロピルアミンまたは別のアミンもしくは複素環窒素化合物で修飾されたシリカゲル、であることができる。材料のBET(ブルナウアー-エメット-テラー)比表面積は、50?500m^(2)/gまたは500m^(2)/gを上回る等、50m^(2)/gを上回ることができる。材料は、0.5ミリモルのアミン基/グラム、例えば、1?5ミリモルのアミン基/グラムを上回って含有することができる。例示的可逆的CO_(2)吸収または吸収性固体は、例えば、Z.Bacsik, N. Ahlsten, A. Ziadi, G. Zhao, A. E. Garcia-Bennett, B. Martin-Matute, and N. Hedin “Mechanisms and Kinetics for Sorption of CO_(2) on Bicontinuous Mesoporous Silica Modified with n-Propylamine” Langmuir 2011,27,11118-11128(参照することによって本明細書に組み込まれる)およびBacsik et alによって引用される参考文献(同様に、参照することによって本明細書に組み込まれる)によって説明されている。材料はまた、M. Pera-Titus, T. Lescouet, S. Aguado, and D. Farrusseng“ Quantitative Characterization of Breathing upon Adsorption for a Series of Amino-Functionalized MIL-53”(J. Phys. Chem. C 2012,116,9507-9516)によって説明されるように、MIL-53(Al)、MIL-53(Al)-11.1%NH2、MIL-53(Al)-20%NH_(2)、MIL-53(Al)-50%NH_(2)、MIL-53(Al)-66.7%NH_(2)、およびMIL-53(Al)-NH_(2)等、MIL-53系の軟質多孔性結晶であってもよい。一般に、可逆的CO_(2)吸収性アミン修飾炭素、ゼオライト、シリカ、またはシリカゲルは、シリカがまた、結合水を含有するとき、CO_(2)を吸収する。材料はまた、例えば、“Fixed bed adsorption of CO2/H2 mixtures on activated carbon: experiments and modeling” by N. Casas, J. Schell, R. Pini, M. Mazzotti Adsorption(2012)18:143-161および“Pure and binary adsorption of CO_(2), H_(2), and N_(2) on activated carbon” by J Schell, N Casas, R Pini, M Mazzotti in Adsorption(2012)18:49-65に説明されるような高表面積炭素または活性炭を含んでもよい。 【0279】 材料は、1atmを上回る、例えば、1.2?2.0atm、または2.0?5.0atm、または5atm?20atmのほぼ一定CO_(2)圧力を提供してもよい。 【0280】 さらに別の関連実施形態では、ガスカートリッジは、固体金属水素化物を含有し、約37℃において、ほぼ一定水素圧力を提供してもよい。金属水素化物は、例えば、ランタンのような希土類およびニッケルのような遷移金属の合金を含んでもよく、また、マグネシウムを含んでもよい。 【0281】 いくつかの実施形態では、加圧ガスは、0℃?37℃の温度範囲を通して、ガス状態のままである。そのような実施形態の不利点は、ガスが膨張するにつれてガス圧が低下するため、薬物注入速度が、薬物が分注されるにつれて低下する傾向にあることである。本理由から、開始ガス圧と終了ガス圧との間の差異が、開始ガス圧の30%、20%、または10%未満であるように、ポンプ内で十分に高いガス圧を利用することが好ましい。 【0282】 患者が高温飲料を飲むときの流速の変化を最小限にするために、薬物含有流体の体積と比較して、ガスの体積を最小限にすることが好ましい。ガスの体積は、未使用のリザーバ内の薬物含有流体の体積の40%、30%、20%、または10%未満であることができる。例えば、未使用のリザーバ内の力は、温度が37から55℃に上昇するとき、30%、20%、または10%未満だけ増加し得る。 【0283】 別の実施形態では、薬物送達デバイスは、1つのコンパートメント内の揮発性推進剤と、第2のコンパートメント内の薬物とを含み、推進剤は、海面気圧において、約37℃未満の温度で沸騰し、随意に、海面気圧において、約15℃を上回る温度で沸騰し、推進剤は、37℃でその液体およびガス状態の両方で存在するように構成されるような圧力下にある。本実施形態では、推進剤駆動薬物送達デバイスは、加圧された揮発性推進剤液および注入される薬物を含む固体または流体が、異なるコンパートメント内に常駐するように、薬物送達デバイス内に、圧力液化推進剤、すなわち、推進剤含有コンパートメントを伴う、経口液不浸透性薬物リザーバを含むことができる。随意に、推進剤含有コンパートメントの壁材料は、薬物含有流体が枯渇するにつれて、推進剤含有コンパートメントの拡張を可能にする、エラストマーであることができる。典型的には、推進剤は、37℃時1atm圧力においてガスであって、製剤を含む薬物が口内に注入されるとき、ほぼ定圧を維持する。図19AおよびBに示されるある実施形態では、ガスコンパートメントは、エラストマー膜61によって封入され、経口液不浸透性薬物リザーバ3内に常駐する。推進剤は、エラストマー膜61が拡張し、固体または流体薬物を経口液不浸透性薬物リザーバ3から狭口径管類8を通して押動させるにつれて、ほぼ定圧をエラストマー膜61に付与する。随意に、狭口径管類は、流動制限器としての役割を果たし、送達速度を制御してもよく、または別個の流動制限器が存在してもよい。図19Aは、充満された薬物リザーバ3内に推進剤を含有する、圧縮エラストマーコンパートメント61を示す。図19Bは、ほぼ空の薬物リザーバ3と、推進剤を含有する拡張されたエラストマーコンパートメント61とを示す。本実施形態の利点は、薬物が分注されるにつれて、薬物送達速度が低下しないことである。 【0284】 さらなる実施形態では、ガスは、ガスの膨張が、ガスコンパートメントを展開し、固体または流体薬物の加圧が生じることを可能にするように折畳される、金属化Mylar(R)等のガス不浸透性の非可撓性材料内に含有されることができる。随意に、展開コンパー トメントは、コイルまたは蛇腹状であることができる。 【0285】 ガス駆動ポンプの別の実施形態では、推進剤は、薬物含有流体(例えば、溶液または懸濁液)または一連の固体単位薬物用量を送達するために使用されることができる。図20Aは、食用油または他の安全な食用流体中に浸漬された円周の周囲の固体用量62の上行渦巻を含有する、略円筒形薬物リザーバ4を図示する。好ましくは、固体単位薬物用量および唾液は、食用油流体中で実質的に可溶性ではない。図20Bに示される内部の略円筒形コア63は、推進剤を含有する。口内に設置され、実質的に一定温度に保持されると、推進剤は、実質的に定圧をプランジャ64に印加する。渦巻薬物リザーバの遠位端では、固体単位薬物用量62が、随意に、薬物リザーバの中への唾液の流入を減少または防止する、弁65を通して、デバイスから口の中に放出される。実質的に一定速度で薬物を送達する薬物送達デバイスのために、ピストン、プランジャ、またはプラグが、一定速度で移動することが必要であって、これは、移動に対するその抵抗が、薬物リザーバが実質的に充満されている時から、実質的に空になるまで、実質的に一定のままであることを要求する。これは、移動に対する抵抗が、薬物リザーバが空になるにつれて、必然的に降下するであろうという点において問題となる。本問題に対する解決策は、ピストン、プランジャ、またはプラグの移動に対する抵抗を固体単位薬物用量のカラムの移動に対する抵抗をはるかに上回らせることである。ピストン、プランジャ、またはプラグの移動に対して比較的に高抵抗を生成するための手段の実施例は、エラストマーピストン、プランジャ、またはプラグを硬質壁渦巻薬物リザーバ内で使用することである。固体単位薬物用量のカラムの移動に対する比較的に低抵抗を生成するための手段の実施例は、食用潤滑剤(例えば、食用油)を薬物リザーバ内に含み、固体単位薬物用量を実質的に丸くさせ、固体単位薬物用量が緊密に保持されないように、十分な寸法の隙間を渦巻薬物リザーバに提供することである。好ましくは、ピストン、プランジャ、またはプラグの流動に対する抵抗は、未使用の薬物リザーバを使用するとき、固体単位薬物用量の流動に対する抵抗の約2、4、6、または10倍を上回るまたはそれに等しい。本設計のシステムはまた、薬物含有流体を送達するために使用されることができることが明白であろう。図20CおよびDに図示される別の類似実施形態では、推進剤は、プランジャ64を押動させ、交互に、定圧を懸濁液形態における薬物のカラムに印加する。薬物懸濁液66の流速は、薬物リザーバ3の抵抗によって決められ、薬物リザーバ3が空になるにつれて変化するであろう。この問題に対処するために、プランジャの抵抗は、懸濁液の抵抗を十分に上回り、流速を所望の公差に維持すべきである。別の実施形態では、推進剤駆動ピストンの筐体内の通気口は、ピストンが周囲圧力に暴露されることを可能にし、それによって、薬物の流速に及ぼす周囲圧力の変化の影響を排除する。本実施形態は、図20Eおよび20Fに図示される。図20Eは、その充満された状態における薬物リザーバ3を示す。ピストン64は、一端が薬物リザーバ3に対して、その反対端が推進剤チャンバ67内に位置付けられる。ピストン64は、推進剤が、加圧され、推進剤チャンバ67およびピストン67によって、生成される体積内に維持されるように、推進剤チャンバ67とシールを形成する。推進剤が、体温に暴露されるにつれて、推進剤は、加圧され、ピストン64を薬物リザーバ3に対して押動させる。通気口15は、薬物リザーバ3の周囲の周囲圧力を維持する。図20Fは、ある程度の時間が経過し、圧潰可能薬物リザーバ3がその含有量の一部を空にした後のデバイスを示す。充填隔壁68は、ピストン64の反対端に位置し、推進剤チャンバ67の充填を可能にする。 【0286】 さらなる実施形態では、薬物送達デバイスは、同一コンパートメント内に推進剤および薬物をともに含む。推進剤は、典型的には、約15℃を上回り、かつ約37℃を下回る温度において、1atm圧力で沸騰し、推進剤は、37℃では、その液体およびガス状態の両方で存在する。本実施形態では、推進剤駆動薬物送達デバイスは、加圧された揮発性推進剤液および注入される薬物を含む固体または流体の両方が、同一コンパートメント内に常駐するように、リザーバ内に圧力液化推進剤、すなわち、揮発性液体推進剤を伴う、経口液不浸透性薬物リザーバを含むことができる。推進剤は、製剤を含む薬物が口内に注入されるとき、ほぼ定圧を維持する。 【0287】 液体推進剤および薬物製剤の分離または隔離は、推進剤を多く含むまたは推進剤が少ない流体の経口送達、故に、意図されるより少ないまたはそれより多い薬物投薬につながり得るため、液体推進剤は、薬物製剤中に溶解または共分散されることができる。推進剤液体は、例えば、随意に、レシチン等の乳化剤を添加することによって、または小固体薬物または他の粒子が乳剤を安定化させる、ピッカリング乳化によって形成される、水中油乳剤として存在することができる。一般に、乳剤は、少なくとも24時間の間、安定し、撹拌、例えば、振盪によって再形成されることができる。随意に、水中油乳剤は、発泡化可能または非発泡化可能であることができ、例えば、モノオレイン酸グリセリル、Tween、またはポリソルベートのようなグリセリルモノエステルを含む、非イオン性であり得る、レシチン、タンパク質、または界面活性剤等の乳化剤を含むことができる。混合物を含む推進剤中の乳化剤の実施例は、例えば、米国特許第6,511,655号および米国特許公開第2003/0049214号(それぞれ、参照することによって組み込まれる)に列挙される。代替として、液体推進剤は、例えば、担体液体が非水性であるとき、例えば、食用油または医療用パラフィン油であるとき、製剤を含む固体薬物の担体液体中に溶解されることができる。推進剤溶解担体液体は、随意に、カカオバター等の感温液体であってもよい。 【0288】 薬物が、分注され、内圧が、ガスコンパートメント内で低下するにつれて、揮発性化合物は、沸騰し、ガスコンパートメント内の喪失されたガスに置換し、それによって、経口液不浸透性リザーバ内のほぼ定圧を維持する。そのような実施形態の利点は、薬物注入速度が、薬物が分注されるにつれて低下しないことである。 【0289】 関連実施形態では、ガス駆動薬物送達デバイスは、圧力が約1atmまで減少されると、随意に実質的不混和性加圧液体から形成される非毒性推進剤ガスと、注入される薬物(両方とも、少なくとも1つのコンパートメン内に存在する)とを伴う、1つまたはそれを上回るコンパートメントを有する、経口液不浸透性薬物リザーバを含む。推進剤ガスは、駆動力を提供する。圧力液化ガスは、随意に、リザーバ内の圧力が、口内の約37℃のほぼ一定体温でほぼ一定のままであるように、薬物を含有する流体中で不溶性であることができる。 【0290】 代替として、加圧ガスは、薬物またはプロドラッグ含有流体中に可溶性であることができる。例えば、口内に注入される流体が水性であるとき、またはエタノールを含み、リザーバが加圧されるとき、加圧ガスは、CO_(2)であることができる。口内に注入される流体が、植物油、モノグリセリド、ジグリセリド、またはトリグリセリド、またはパラフィン油等の食用油を含み、リザーバが加圧されるとき、加圧ガスは、フッ化炭化水素であるFreon^(TM)またはオレフィン等の飽和炭化水素もしくは非飽和炭化水素であることができる。加圧ガスが、経口液不浸透性リザーバ内の流体中に溶解すると、圧力は、口内の一定な約37℃の温度でほぼ一定であって、流速をほぼ一定にすることができる。 【0291】 継続的皮下薬物注入圧縮空気またはFreon^(TM)加圧ポンプの実施例として、米国特許第4,265,241号、第4,373,527号、第4,781,688号、第4,931,050号、第4,978,338号、第5,061,242号、第5,067,943号、第5,176,641号、第6,740,059号、および第7,250,037号に説明されるものが挙げられ、それぞれ、参照することによって本明細書に組み込まれる。リザーバが、再充填可能であるとき、かつ圧送が、加圧によるとき、リザーバは、その再充填に応じて、加圧されることができる。 【0292】 推進剤駆動埋込型薬剤注入ポンプの実施例は、米国特許第7,905,878号、欧州特許第EP2177792B1号、および第EP1527794B1号に説明されるCodmanポンプであって、それぞれ、参照することによって本明細書に組み込まれる。 【0293】 異なる患者に異なる用量速度を提供するために、異なる薬物濃度を伴う流体が、リザーバ内に設置され、それによって、薬物送達デバイスまたは流速に対する修正を不必要にすることができる。代替として、リザーバ内の薬物濃度は、一定に保持されることができ、流速は、例えば、流動制限器の直径または長さを変更することによって、変更されることができる。 【0294】 本発明のデバイスにおける使用のための例示的揮発性推進剤化合物として、炭化水素(例えば、ペンタン;イソペンタン;1-ペンテン;トランス-2-ペンテン;トランスジメチルシクロプロパン;エチルシクロプロパン;1,4-ペタジエン;2-メチル-1,3-ブタジエン;およびメチル-1-ブタン;2-ブチン);ハロカーボン(例えば、トリクロロフルオロメタン;1,1-ジクロロ-1-フルオロエタン;2,2-ジクロロ-1,1,1-トリフルオロエタン;1-フルオロブタン;2-フルオロブタン;ペルフレナペント;1,1-ジクロルエチレン;シス-1-クロロプロペン;および2-クロロプロペン);エステル(例えば、ギ酸メチル);エーテル(例えば、ジエチルエーテル)、およびハイドロフルオロアルカンが挙げられる。好ましい推進剤は、1,1,1,2テトラフルオロエタン(DuPont^(TM) Dymel(R)(r)134a/Pとして販売)および227ea/Pとして販売される1,1,1,2,3,3,3ヘプタフルオロプロパン(DuPont^(TM) Dymel(R) 227ea/Pとして販売)等の薬剤吸入器における使用のためにFDAによって承認されたものである。また、好ましいのは、1,1,1,3,3,3ヘクサフルオロプロパン(DuPont^(TM) Dymel(R) 236faとして販売)等の局所用途のためにFDAによって承認された推進剤と、それぞれ、オクタフルオロシクロブタンおよびイソペンタン等の食料中での使用および市販薬の齲蝕予防薬のために承認された推進剤とである。 【0295】 例示的加圧液体推進剤および37℃におけるその蒸気圧は、表1に列挙される。 【表1】 【0296】 加圧ガスおよび薬物が、同一コンパートメント内に位置するとき、ガスは、本発明の送達速度で、口の中に送達され、肺の中に吸入されるとき、安全な非毒性かつ非炎症性であるように選択されることができる。さらに、ガスは、リザーバ内の薬物および製剤の安定性に悪影響を及ぼさないように選択されることができる。不活性ガスが、したがって、好ましい。 【0297】 推進剤加圧デバイスの不正確性源は、液体推進剤の蒸気圧等の圧力が、温度に伴って増加することである。口内に本発明の薬物送達デバイスを搬送する重要な利点は、圧力が、約37℃においてほぼ一定に保持され、それによって、注入速度の変動を最小限にすることである。 【0298】 別の実施形態では、ガスは、ガス駆動薬物送達デバイスによって、生成される。例えば、超低電流電解槽が、水素ガスを生成するために使用されてもよい。例示的水素ガス生成システムは、VARTA Microbattery GmbH(Daimlerstr. 1, D-73479 Ellwangen/Jagst Germany)によって販売される水素ガス生成セルである。VARTAシステムは、高背圧において、130ml、260ml、またはそれを上回る超純H_(2)を生成可能である。そのようなシステムの利点は、ガスまたは推進剤が、その使用に先立って、薬物送達デバイス内に貯蔵される必要がないことである。 【0299】 口内における使用のためのガス駆動注入ポンプの有意な利点は、患者が、薬物送達デバイスを口から一時的に除去することを所望する場合、デバイスからの薬物送達を一時的に停止する、または大幅に減少させることが可能であることである。これは、例えば、流動制限器、例えば、オリフィス、ガラス毛細管作用、または狭口径管類を遮断もしくは閉鎖することによって、または口内のものを下回る温度、例えば、典型的には、20℃?25℃の室温まで冷却することによって、または典型的には、3℃?8℃における冷蔵庫内にデバイスを設置することによって、遂行されることができる。 【0300】 浸透圧送達ポンプ(非電気)。薬物の送達のために電気を要求しない、浸透圧デバイスが、文献において公知である。 【0301】 定常状態ゼロ次浸透圧送達技術の実施例は、Bend Research(Bend, OR)の膨張可能コア技術(SCT)および非対称膜技術(AMT)である。図21AおよびBに見られるように、SCT錠剤は、不溶性の高密度半浸透圧コーティング69でコーティングされた2層錠剤であって、レーザ穿孔70を有する。2つの層は、膨張剤層71および薬物含有層72である。膨張剤層71は、親水性膨張ポリマーと、他の錠剤賦形剤とを含有する。摂取に続いて、膨張剤層71は、水を吸収および膨張し、薬物層72の溶液/懸濁液含有量を薬物層側のコーティング内の孔70を通して押出、すなわち、圧送する、静水圧を生成する。放出速度は、主に、コーティングを通した水浸透速度によって制御される。しかしながら、錠剤コア膨張剤および活性層の浸透圧、膨張、および粘度特性もまた、放出速度に寄与し、活性層全体が錠剤から送達されることを確実にする際に重要である。SCT錠剤は、従来の2層錠剤化、フィルムコーティング、およびレーザ穿孔を使用して製造される。錠剤膨張剤層70は、典型的には、直接圧縮製剤である。活性層は、API特性および用量に応じて、直接圧縮、湿潤造粒、または乾燥造粒によって製剤化されてもよい。膜は、従来のパン型コーティング機内において、溶媒フィルムコーティングによって形成され、送達オリフィスは、バッチアレイまたは連続錠剤給送のいずれかを使用して、レーザドリルを用いて、錠剤の薬物層側に生成される。 【0302】 図22AおよびBに見られるように、AMT錠剤は、多孔性半浸透圧膜でコーティングされた単層錠剤フィルムである。薬物を含む、可溶性錠剤コア原料が、コーティングを横断して浸透圧勾配を生成する。水体積が、錠剤内で増加するにつれて、静水圧が、発生し、薬物溶液を微小多孔性コーティング73を通して押進させる。放出速度は、コーティングの水浸透圧および錠剤コア74の浸透圧によって制御される。コーティング多孔率は、主に、ポリマーおよび共溶媒系によって決められる、相分離プロセスを使用して達成される。高多孔率AMTコーティングは、SCTシステムより高い水流束、より短い遅延時間、およびより高速の放出を可能にすることができる。重要なこととして、相互接続された細孔は、送達媒体としての役割を果たし、したがって、AMT錠剤は、レーザ穿孔オリフィスを要求しない。AMT錠剤は、従来の錠剤化およびフィルムコーティング技術を使用して製造される。錠剤コア74は、直接圧縮、湿潤造粒、または乾燥造粒技法を使用して、API特性に応じて、圧縮される。半浸透圧膜ポリマーは、溶媒中に溶解され、従来のパン型コーティング機を使用してフィルムコーティングされる。 【0303】 パーキンソン病の治療のための薬剤の送達のための者を含む、浸透圧送達デバイスの他の例示的実施形態は、米国特許第4,142,526号、第5,192,550号、第5,266,332号、第5,776,493号、第5,021,053号、第6,217,905号、および第6,773,721号に説明されており、それぞれ、参照することによって本明細書に組み込まれる。 【0304】 既存の非電気浸透圧ポンプの有意な不利点は、いったんデバイスが湿潤され、薬物送達が始動されると、患者が、薬物送達デバイスを口から一時的に除去することを所望する場合、デバイスからの薬物送達を一時的に停止することが不可能であることである。別の有意な不利点は、これらのデバイスの流速が、多くの場合、温度に非常に敏感であることである。 【0305】 徐放性薬物送達パッチ。ゼロ次経真皮的薬物送達技術の修正バージョンは、口内における薬物投与のために使用されることができる。経真皮的薬物送達では、薬物送達デバイスは、多くの場合、リザーバタイプまたはマトリクスタイプデバイスのいずれかを含む。リザーバタイプデバイスでは、デバイスは、外側に不浸透性裏当てフィルムに続いて、薬物を含有するリザーバ、次いで、半浸透圧流速制御膜、その後、皮膚への取付のための接着剤層、および最終保護着脱可能内側フィルムを含む。代替として、マトリクスタイプデバイスに関して、薬物は、裏当てフィルムに積層され、接着剤層でコーティングされ、保護着脱可能内側フィルムが続く、ポリマーマトリクス内に分散されることができる。 【0306】 口の中への薬物投与のために、層の順序は、接着剤層および不浸透性裏当てフィルムが、粘膜に近接し、薬物が、口の表面に向かってではなく、口腔の空間に向かって放出されるように変更されてもよい。 【0307】 口内における使用のために設計された既存の徐放性薬物送達パッチの有意な不利点は、いったんパッチが湿潤され、薬物送達が始動されると、患者が、薬物送達パッチを口から一時的に除去することを所望する場合、パッチからの薬物送達を一時的に停止することが不可能であることである。別の有意な不利点は、これらのデバイスの流速が、多くの場合、温度、食料、および飲料に非常に敏感であることである。 (周囲圧力および吸引から影響を受けないポンプ設計) 【0308】 本発明は、その薬物送達速度が、口内および/または大気中の周囲圧力の増減から実質的に影響を受けない、口腔内薬物送達デバイス、例えば、周囲圧力が変化するにつれて、臨床上有意な望ましくないボーラスを送達しないデバイスを含む。ばね、推進剤、または圧縮ガスによって加圧される多くのポンプを含む、多くのデバイス設計内の不正確性源は、薬物送達速度が、(a)周囲空気圧が、例えば、海面レベル(14.7psia)対7,000フィートの高度または飛行機(両方とも約11.3psia)において変化するにつれて、かつ(b)患者が薬物送達デバイスを吸引するにつれて変動し得ることである。本発明は、その薬物送達速度が大気圧の変化に実質的に敏感ではない、圧力不変ポンプを含む。本発明はまた、患者が薬物送達デバイスを吸引すると、薬物ボーラスの送達を実質的に減少または排除する、吸引誘発流制限器を含む。 【0309】 一見、構成要素が、唾液、食料、液体、および潜在的に有害な条件(例えば、口内の酸、塩基、アルコール、油、および溶媒)に暴露されないように、ばねまたは推進剤コンパートメントを密閉してシールすることが好ましく思われ得るが、本発明の好ましい薬物送達デバイスは、薬物送達デバイスの筐体内の1つまたはそれを上回るポートまたは開口部を介して、周囲大気と流体(ガスおよび/または液体)接触する、ばねまたは推進剤コンパートメント内のばねまたは推進剤加圧表面を備える。周囲圧力から影響を受けないばね駆動および推進剤駆動ポンプのための非常に好ましい設計は、薬物出口およびばねまたは推進剤加圧表面(例えば、圧力プレートまたはプランジャ)の両方が、周囲圧力に暴露される、すなわち、加圧表面が、密閉してシールされたチャンバ内に封入されないものである。そのような設計では、周囲圧力のいかなる変化も、薬物出口および加圧表面の両方に等しくなり、薬物送達速度に変化をもたらさないであろう。 【0310】 別の実施形態では、本システムは、十分に高圧の内側デバイスを使用することによって、薬物送達速度の変化を所望の限界内に保つように設計されることができる。例えば、流速が14.7?11.3psia(界面レベル?7,000フィート)の範囲を横断して10%未満だけ変動させるために、システムは、圧力中間点、すなわち、13.0psiaにおけるその標的速度で薬物を送達するように較正されることができる。次いで、10%未満の変化を薬物送達速度に生じさせる1.7psia周囲圧力変化のために、薬物送達デバイスは、約14.7/0.1=147psia、すなわち、約10atmを上回る内圧を有することが必要である。そのような様式では、規定された周囲圧力変化を横断して任意の所望の正確度を達成することが可能である。例えば、14.7?11.3psiaの周囲圧力範囲を横断して、20%、15%、10%、5%、または3%に等しいまたはそれ未満の正確度を達成することが可能である。本発明の好ましいばね駆動、ガス駆動、または推進剤駆動薬物送達デバイスは、約4、6、8、10、または15atmを上回るまたはそれに等しい内圧を維持する。 【0311】 低圧条件が、患者が、口から空気を吸引する、または薬物送達デバイスを直接吸引する場合、口内に生成され得る。ヒトは、最大約2psiの負圧を口内に引き込むことが可能である。低圧は、薬物ボーラスを薬物リザーバから口の中に送達させることができる。液体または固体形態の薬物が送達される、実施形態では、口内に生成される吸引力が薬物を薬物リザーバから時期尚早に排出させない手段を提供する必要がある。この問題に対処する手段の一実施例は、薬物が圧力水頭を介して注入されているとき、流体チャネルを収縮させ、低圧が口によって、生成されると、流体チャネルが圧潰し、それをよじれさせ、薬物の注入を一時的に中止させるように設計される、流体チャネルを採用することである。別の実施形態では、口内の低周囲圧力は、ダイヤフラムを偏向させ、薬物流動チャネルを遮断させ、その実施例は、図23Aおよび23Bに見られ得る。図23Aは、通常動作の間の薬物送達を示す。薬物リザーバ3からの薬物は、ノズル管78への流入に先立って、ダイヤフラム76内のオリフィス75を通してチャンバ77の中に、次いで、一方向弁16を伴うノズルから押動される。図23Bでは、外部真空が、デバイスが占有する環境に印加される。これは、ダイヤフラム76を変位させ、流動からオリフィス75を遮断し、ノズル78を通した流動を中止させる。口内の低圧に起因するボーラス薬物の送達の問題に対処する手段の別の実施例は、真空が生成され、いったん真空が放出されると、流体チャネルを放出するときの流体チャネルを閉鎖するフロート弁等のインライン真空逃がし弁の使用である。 【0312】 別の実施形態では、薬物送達デバイスは、薬物リザーバの下流に柔軟性アキュムレータリザーバを備える。本アキュムレータは、周囲圧力が規定されたレベルを下回って低下すると、圧潰し、薬物リザーバからの出口ポートに栓をする、柔軟性材料を備える。図24AおよびBは、アキュムレータの動作機構を図示する。図24Aは、正常動作の間の概念を示す。薬物リザーバ3からの薬物は、ノズル管8への流入に先立ってオリフィス75を通してアキュムレータ79の中に押動され、次いで、一方向弁16を介してノズルから流出する。図24Bでは、外部真空が、デバイスが占有する環境に印加される。これは、アキュムレータ79を圧潰させ、流動からオリフィス75を遮断し、ノズル8を通した流動を中止させる。別の実施形態は、外部真空圧力に伴って圧潰する、柔軟性部材である。柔軟性管類80が、ライン内に設置され薬物リザーバ3および周囲環境と流体連通する。図24Cは、通常動作におけるデバイスを示す。図24Dは、外部真空圧力がシステムに印加され、柔軟性管類80を圧潰させ、流動が一方向弁16から流出しないように遮断するときの圧潰された柔軟性管類80を示す。 【0313】 図25A、B、およびCは、患者が薬物送達デバイスを吸引し、周囲圧力が変化すると、薬物送達速度を変化させるときの口内におけるボーラス送達を防止する、付加的機構を図示する。図25Aは、通常動作の間の概念を示す。薬物リザーバ3からの薬物は、ノズル管8への流入に先立って、オリフィス管81を通して押動され、次いで、一方向弁16を伴うノズルから流出する。図25Bでは、外部真空が、デバイスが占有する環境に印加される。これは、フロート弁82に、ばね83を圧縮させ、オリフィス管81に流入する流動を遮断し、一方向弁16を通る流動を中止する方向に移動させる。図25Cでは、外部正圧が、デバイスが占有する環境に印加される。これは、フロート弁82に、ばね83を圧縮させ、オリフィス管81から流出する流動を遮断する方向に移動させる 【0314】 実質的に周囲圧力から影響を受けない薬物送達デバイスのためのこれらの設計の好ましい実施形態では、薬物送達デバイスは、デバイスが、大気圧における同じ薬物送達デバイスと比較して、約1分の期間の間、患者によって吸引されると、または周囲圧力が、1分の期間の間、2psi降下するとき、未使用の薬物リザーバの含有量の約5、3、または1%未満のボーラスを送達するように構成される。 (周囲温度から影響を受けないポンプ設計および方法) 【0315】 電気ポンプの流速は、典型的には、周囲温度から実質的に影響を受けないが、同じことは、エラストマー、ばね駆動、ガス駆動、推進剤駆動、または浸透圧ポンプ等の受動ポンプには該当しない。本発明は、薬物送達デバイスを囲繞する周囲温度が増減するにつれて、正確な薬物送達を達成する設計および方法、すなわち、周囲温度が変化するにつれて、臨床上有意な望ましくないボーラスを送達しない、デバイスを含む。浸透圧ポンプ、薬物送達パッチ、および他の拡散系薬物送達システムは、特に、周囲温度の変化に敏感であって、過渡温度逸脱は、これらのデバイス内の拡散制御膜または細孔の薬物を輸送する特性を恒久的に変化させ得る。好ましい実施形態では、本発明の薬物送達デバイスは、過渡温度逸脱への暴露後、その平均長期薬物送達速度を実質的に変化させない。好ましい実施形態では、本発明は、患者が高温飲料を消費するとき、薬物ボーラスの送達を実質的に減少または排除する、1つまたはそれを上回る温度誘発流制限器を含む。 【0316】 図26Aは、高温飲料が飲下されるときの下側頬前庭における温度-時間プロファイルを示す。図26Bは、高温飲料が飲下されるときの上側頬前庭における温度-時間プロファイルを示す。図27Aは、低温飲料が飲下されるときの下側頬前庭における温度-時間プロファイルを示す。図27Bは、低温飲料が飲下されるときの上側頬前庭における温度-時間プロファイルを示す。全実験は、1人の男性患者において行われた。熱電対が、ベースライン経口温度を得るために、前庭空間内に設置された。飲料が、口内に保持され、約3秒間、熱電対の場所にわたって濯がれた。データは、高温または低温飲料が消費されるとき、過渡温度逸脱が口内で常に生じ、逸脱は、約53℃を上回り、かつ約24℃を下回る可能性があることを実証する。データはまた、温度逸脱が、下側頬前庭より上側頬前庭において有意に減少される傾向があることを実証し、最高温度は、約45℃対53℃で記録され、最低温度は、29℃対24℃で記録された。その結果、好ましい実施形態では、本発明の薬物送達デバイスは、下側頬前庭ではなく、上側頬前庭に位置する。 【0317】 概して、多くの非電気ポンプが、臨床上有意であり得る、望ましくない薬物ボーラスを提供するであろうため、口腔内温度が、低下ではなく、上昇するとき、懸念が大きくなる。温度が低下すると、多くの非電気ポンプは、概して、臨床上有意ではない薬物送達の過渡減少を提供するであろう。 【0318】 好ましい実施形態では、固体または流体薬物送達デバイスは、37℃において、pH7の生理学的生理食塩水溶液中に同一持続時間の間浸漬された同じ薬物送達デバイスと比較して、約55℃において、撹拌された生理学的生理食塩水溶液中に5分間または1分間浸漬されると、未使用の薬物リザーバの含有量の5%未満のボーラスを送達するように構成される。好ましい別の実施形態では、固体または流体薬物送達デバイスは、温度逸脱への暴露直前のその平均薬物送達速度と比較して、約55℃における撹拌された生理学的生理食塩水溶液中における5分間または1分間の浸漬後、約5%未満だけ、37℃におけるpH7の生理学的生理食塩水溶液中の1時間の期間にわたるその平均薬物送達速度を変化させるように構成される。 【0319】 エラストマーポンプに関して、患者が高温飲料を飲むときの流速の変化を最小限にするために、その力が37℃?55℃の範囲内の温度から比較的に影響を受けない、エラストマー材料を利用することが好ましい。例えば、未使用のリザーバ内の力は、温度が37℃から55℃に上昇すると、30%、20%、または10%未満だけ増加し得る。その機械特性がこれらの温度範囲内で非常にわずかのみ変化する、エラストマー材料の実施例は、高度に架橋結合されたポリイソプレン等の天然ゴムおよびネオプレン等の合成エラストマーである。 【0320】 ばね駆動ポンプに関して、患者が高温飲料を飲むときの薬物投与速度の変化を最小限にするために、その力が37℃?55℃の範囲内の温度から比較的に影響を受けない、ばね材料を利用することが好ましい。例えば、未使用のリザーバ内の力は、温度が37℃から55℃に上昇すると、30%、20%、または10%未満だけ増加し得る。経口生体構造における使用のために安全である、本範囲内の温度変化に低感度を伴う材料の実施例は、301、チタン、インコネル、および完全オーステナイトニチノール(そのオーステナイト終了温度を上回る)等の300シリーズステンレス鋼である。 【0321】 ガス駆動ポンプに関して、患者が高温飲料を飲むときの流速の変化を最小限にするために、薬物含有流体の体積と比較して、ガスの体積を最小限にすることが好ましい。ガスの体積は、未使用のリザーバ内の薬物含有流体の体積の40%、30%、20%、または10%未満であることができる。例えば、未使用のリザーバ内の力は、温度が37℃から55℃に上昇するとき、30%、20%、または10%未満だけ増加し得る。 【0322】 推進剤駆動ポンプに関して、温度が37℃から55℃に上昇するとき、その圧力が約80%、60%、または40%未満だけ増加する、推進剤を使用することが好ましい。実施例として、Dupont Dymel HFC-134a(1,1,1,2-テトラフルオロエタン)の圧力は、37℃における938kPa(絶対値)から55℃における1,493kPa(絶対値)まで増加し、59%増加する。Dupont Dymel HFC-227ea/P(1,1,1,2-テトラフルオロエタン)の圧力は、37℃における約700kPa(絶対値)から55℃における1,000kPa(絶対値)まで増加し、42%増加する。推進剤に及ぼす温度変動の影響を最小限にするために、いくつかの方法が、採用されることができる。一実施形態では、断熱材料が、推進剤および薬物リザーバを低熱伝導性の材料を用いて断熱することによって、周囲温度の変化に対する感度を減少させるために使用されることができる。閉セルネオプレン発泡体等の材料が、本実施形態では、使用されることができる。別の実施形態では、セラミック等の超低熱伝導性を伴う材料が、利用されることができる。 (ポンプ自動停止/始動安全特徴) 【0323】 ポンプが口から除去されるとき、薬物送達が一時的に停止されることが好ましい。これは、薬物が無駄にされないように、より重要なこととして、分注された薬物がデバイスの表面に蓄積されないようにするために望ましい。デバイスの表面上の薬物のそのような非定量化蓄積は、デバイスが口内に再挿入されるとき、患者への未知の量の薬物の望ましくないボーラスの送達につながり得る。好ましい実施形態では、薬物送達デバイスは、1つまたはそれを上回る自動停止/始動要素を備える。 【0324】 一実施形態では、薬物送達デバイスは、患者によって使用するためのオン/オフスイッチまたは他の機構を有する。好ましい実施形態では、薬物送達デバイスは、(1)薬物送達デバイス、ポンプ、および/または経口液不浸透性リザーバが、口から除去されるとき、(2)薬物送達デバイス、ポンプ、および/または経口液不浸透性リザーバが、直接(例えば、歯に固着されるとき)または間接的(例えば、歯に固着される締結具に固着されるとき)のいずれかにおける口の内部表面へのそのアタッチメントから切断されるとき、または(3)経口液不浸透性リザーバが、ポンプまたは再使用可能構成要素(例えば、締結具)から切断されるとき、薬物の送達を自動的に停止させる。好ましい別の実施形態では、薬物送達デバイスは、(1)薬物送達デバイス、ポンプ、および/または経口液不浸透性リザーバが、口の中に挿入されるとき、(2)薬物送達デバイス、ポンプ、および/または経口液不浸透性リザーバが、直接(例えば、歯に固着されるとき)または間接的(例えば、歯に固着される締結具に固着されるとき)のいずれかにおいて口の内部表面へのそのアタッチメントに接続されるとき、または(3)経口液不浸透性リザーバが、ポンプまたは再使用可能構成要素(例えば、締結具)に接続されるとき、薬物の送達を自動的に始動させる。 【0325】 別の実施形態では、薬物の流動は、薬物が口の中に送達されるオリフィスからキャップが除去されるとき開始し、キャップがオリフィス上に戻されるとき中止する。異なる実施形態では、クリップが、薬物を搬送する流体チャネルにわたって設置され、よじれまたは妨害を生じさせ、それによって、患者への薬物の流動を中止させることができる。薬物の流動は、いったんクリップが除去されると、患者に再開される。さらに別の実施形態では、薬物の流動は、デバイスが口から除去されると、ポンプへの電力の回路を遮断し、薬物の流動を中止させる、感圧スイッチの解放に起因して中止される。デバイスを歯列上に戻す行為は、感圧スイッチを閉鎖させ、ポンプへの電力および患者への薬物の流動を再開する。さらなる実施形態では、流体チャネルは、デバイスが患者から除去されると、流体チャネルの曲率半径の変化に起因して、よじれて、薬物の流動を中止する。 【0326】 図12Eおよび12Fに図示される別の実施形態では、薬物送達デバイス内の突出部84が、ピストン39に係合し、使用に先立って、薬物リザーバ3への力の伝送を阻止する、デバイス内で採用される、ばね荷重クラッチ機構85に取り付けられる。本突出部84は、薬物送達デバイスが、歯または複数の歯上に設置され、ピストン39を解放し、ピストン39が、力を薬物リザーバ3に伝達することを可能にすると、押下される。デバイスが、口から除去されると、突出部84は、係脱され、再び、クラッチ機構85に係合し、ピストン39が力を薬物リザーバ3に印加しないように防ぐ。 【0327】 別の実施形態では、センサは、デバイスが口内に設置されると検出する。例えば、光学センサは、信号を送信し、デバイスをオフにし、ポンプからの流動を中止することができる。別の実施例では、湿度センサが、信号を送信し、デバイスをオンにし、ポンプからの流動を始動させることができる。 (濃縮された薬物製剤) 【0328】 本発明の薬物送達デバイスを介して送達される薬物(LD、LDプロドラッグ、DDC阻害剤、および他の薬物等)の製剤は、水、エタノール、グリセロール、プロピレングリコール、ポリエチレングリコール、乳酸エチル、および植物油、脂質、モノグリセリド、ジグリセリドまたはトリグリセリド、パラフィン油等の食用油、ならびにその混合物等の非毒性水性または非水性担体液体を含んでもよい。液体またはその注入混合物は、典型的には、約37℃を下回って圧送するために溶融または十分に軟化される。製剤は、真溶液、コロイド状溶液、乳剤、または懸濁液等の本明細書に教示される任意の流体を備えてもよい。担体液体の有無を問わず、固体薬物製剤もまた、半継続的に送達されることができる。 【0329】 いくつかの実施形態では、注入される流体は、薬物含有ミセルまたはリポソームを含むことができる。すなわち、流体は、油中水乳剤または水中油乳剤であることができ、薬物は、大部分が、相のうちの1つ、例えば、乳剤の油相または乳剤の水相中にあることができる。例示的油相として、植物油、モノグリセリド、ジグリセリドまたはトリグリセリド、およびパラフィン油等の食用油が挙げられる。 【0330】 異なる実施形態では、口内に注入される流体は、水性、非水性(例えば、油系懸濁液)、または混合された水性-非水性懸濁液、粘性ゲル、もしくはコロイドであることができる。懸濁液、ゲル、またはコロイドは、これらの実施形態では、小固体粒子を含むことができ、粒子は、薬物を含むことができる。 【0331】 担体液体中に懸濁された固体粒子の平均径は、典型的には、100マイクロメートル未満、例えば、50マイクロメートル未満、10マイクロメートル未満、5マイクロメートル未満、1マイクロメートル未満、500ナノメートル未満、100ナノメートル未満、50ナノメートル未満、10ナノメートル未満、または5ナノメートル未満であることができる。 【0332】 コロイドとしても知られる、ナノ懸濁液は、粒子がサブミクロンサイズ範囲である、懸濁液である。本サイズ範囲内の粒子は、そのブラウン運動が重力加速を克服するために十分であるため、沈降しない傾向にある。乾燥粉末粒子サイズ減少技法の限界のため、ナノ懸濁液は、典型的には、制御された沈殿または湿潤粉砕のいずれかによって、生成される。 【0333】 その物理的安定性の魅力にもかかわらず、ナノ懸濁液は、粒子の高比表面積および厳密な曲率に関連する、いくつかの有意な制限を有する。分子レベルでは、曲率は、結晶格子と界面の会合の比率を低下させ、より小さい粒子からより大きい粒子への分子の移動をもたらす(オストワルド成長)ため、エネルギー的に好ましくない。比表面積の増加は、化学反応性ならびに表面に強固に結合された溶媒分子の結び付きの潜在性の増加に起因して、潜在的に有害であって、高薬物濃度への到達を困難にする、すなわち、システムが、発話または嚥下を妨害せずに、口内に快適に適合するために十分な製剤化された薬物の体積を減少させる。 【0334】 非水性液体ビヒクル中の懸濁液は、水性懸濁液に優る安定性利点を有することができる。いくつかの非水性ビヒクルは、それらの中において超低溶解度を有する薬物の利点を有する。超低溶解度は、化学劣化を減速させ得、また、オストワルド成長(粒子が、溶解に起因して、高度に湾曲した(したがって、高度にエネルギー性の)粒子表面からより低い曲率を伴う表面に経時的に成長する現象)を減速させるであろう。 【0335】 感温性、典型的には、非水性の液体ビヒクルは、特に、有利であり得る。感温乳剤または懸濁液は、その貯蔵温度では、固体または半固体であることができるが、体温で流体である。感温乳剤または懸濁液の利点として、固体ビヒクル中に分散された懸濁された固体粒子の沈殿、すなわち、沈降速度が、低速または無視可能であり得ることによる、貯蔵の間の改良された物理的安定性が挙げられる。感温乳剤および懸濁液はまた、その化学劣化反応速度が二分子および拡散依存であるとき、より優れた化学安定性をもたらし、拡散は、液体状態より固体状態においてはるかに低速である。例えば、薬物と溶解された酸素の反応は、典型的には、拡散依存性であって、その速度は、はるかに低速である、または固体では、ゼロにさえ近づき得る。そのような反応の実施例として、LD、CD、ベンセラジド、ならびにトルカポンおよびエンタカポンのようなCOMT阻害剤の酸化が挙げられる。溶解されたO_(2)によるその酸化は、ヒドラジンが空気酸化に応じて産生される、CDの場合のように、活性薬物の損失だけではなく、また、毒性生成物の形成ももたらし得る。ヒドラジンの蓄積は、デュオドパゲルのような液体CD含有製品の保存期間を4ヶ月未満に限定し得る。本明細書に開示されるように、保存期間は、カカオバターによって例示される感温担体の使用を通して、6ヶ月を上回って、例えば、1年を上回って、またはさらに2年を上回って延長されることができる。 【0336】 好ましい実施形態では、口腔内投与される製剤は、体温における懸濁液を含み、懸濁液は、3Mを上回る等、2Mを上回るまたはそれに等しい、例えば、4.5Mまたはそれを上回る等、4Mを上回る濃度の固体薬物粒子を含む。懸濁液は、約25℃において、約1ヶ月またはそれを上回る間もしくは約1年またはそれを上回る間、沈殿した固体薬物がないままであることができる。薬物は、LDおよび/またはCDであってもよく、さらに、随意に、COMT阻害剤を含んでもよい。懸濁液は、100ポアズを上回る剪断(運動学的)粘度を有してもよい。5マイクロメートルより小さく、かつ0.5マイクロメートルより大きい最大径を有する、固体薬物粒子の重量分率は、1/2を上回ることができる。最大固体薬物粒径は、二峰性または多峰性で分布されてもよい。 (レボドパ製剤) 【0337】 LDは、水およびアルコールを含む、大部分の非毒性溶媒中で低可溶性である。例えば、我々は、約pH4.5のクエン酸緩衝溶液中、25℃におけるLDの溶解度が、わずか約0.68g/100mL、すなわち、34mMであることを見出した。LDは、アルコール中でも低可溶性である。典型的1日用量1,000mgを送達するために、約150mLの飽和LD水溶液が、要求されるであろうが、これは、口内に設置された薬物送達デバイスに関する体積要件と適合性がない。 【0338】 カルビドパ等のDDC阻害剤は、典型的には、LDとともに共投与され、LDおよびCDを共注入することが望ましいであろう。CDもまた、水等の非毒性溶媒中で低可溶性であって、注入される溶液の要求される体積をさらに増加させる。 【0339】 本発明は、(1)高度に濃縮されたLDを含む、薬学的に容認可能な、粘性流体と、(2)口内に設置され、LDを含む粘性流体を口の中に投与することができる、小型であるが、強力なポンプとの組み合わせを特徴とする。好ましい製剤は、LDと、DDC阻害剤、COMT阻害剤、胃不全麻痺を治療するための薬物、MAO-B阻害剤、アデノシンA2受容体アンタゴニスト、またはドーパミンアゴニスト等のパーキンソン病の治療のための1つまたはそれを上回る付加的薬物とを含む。 【0340】 本発明は、LDおよび/またはCDの沈殿が、遅延され得、1,000mgを上回るまたはそれに等しいLDおよび/またはCDが、10、7.5、5、または好ましくは、3mL未満の体積中に含有される(それぞれ、0.5、0.67、1.0、および1.67MのLD濃度)、随意に粘性の流体の製剤を特徴とする。37℃において口の中に送達される製剤の粘度は、典型的には、1.2?200,000cP、例えば、5?50、50?100、100?1,000、1,000?10,000、10,000?50,000、50,000?100,000の範囲内、または100,000cPを上回る。粘度を増加させる、例示的沈殿遅延増粘剤は、例えば、そのナトリウム塩としてのカルボキシメチルセルロース等である。濃縮された糖類溶液が、流体の粘度を増加させるために使用されてもよい。例えば、薬物は、重量比40%?70%糖類、例えば、重量比40?50%糖類、重量比50?60%糖類、または重量比60?70%糖類である、糖類または糖類混合物(例えば、スクロース、デキストロース、グルコース)溶液に添加されてもよい。前述のように、LDおよびCD製剤は、多峰性粒子サイズ分布を含んでもよい。 【0341】 溶液。概して、水中で不溶性であるが、水溶液中のLDの溶解度は、pH1またはpH9.5等の約2を下回り、かつ約9を上回るpHでは、実質的に増加し、10mLまたはそれ未満の酸性または塩基性水溶液中1日用量1,000mgのLDの溶解を可能にする。これらの溶液は、糖類またはソルビトールまたはグリセロール、もしくは好ましくは、カルボキシメチルセルロースのような増粘剤を添加することによって、または結晶成長および/または沈殿遅延剤、例えば、ポリビニルピロリドンまたはポリエチレン酸化物、および/または界面活性剤を添加することによって、粘度が上昇すると、典型的には、約2.5?8.5のpHのコロイド状LD溶液に変換され得る。乳剤を安定化させる、または口の中への注入のための懸濁液を形成するために使用され得る、食用界面活性剤として、モノグリセリド、レシチン、糖脂質、脂肪アルコール、および脂肪酸が挙げられる。これらのうち、非イオン性界面活性剤は、注入される懸濁液が酸性であるとき、特に、有用である。これらは、例えば、グリセロール、糖類、ポリエチレングリコール系極性頭基を伴う、界面活性剤を含み、通常、10?24個の炭素原子、例えば、12?18個の炭素原子を含む、長脂肪族炭素鎖を有する。 【0342】 溶液の潜在的に不快な味をごまかすために、甘味料、香味料、または矯味剤が、添加されてもよい(例えば、スクロース、ソルビトール、クエン酸)。コロイド状LD溶液が、pH2.5?5.0であるとき、歯の劣化の可能性を減少させるために、流体は、歯から少なくとも0.25、0.5、または0.75cm離して口の中に注入され得る。 【0343】 別の実施形態では、LDおよびCDの塩基性アミノ酸塩は、米国特許第7,863,336号に説明され、参照することによって本明細書に組み込まれるように、水性および非水溶液中に可溶性である。そのような塩基性アミノ酸塩(例えば、アルギニン塩)の濃縮されたLDおよび/またはCD溶液もしくはゲルが、本発明のデバイスおよび方法を使用して口の中に注入されてもよい。そのような溶液は、pH8?10を有してもよい。組成物は、モル比率約1:1.5?約1:2.5のLD:アルギニンを有してもよい。そのような溶液は、水性または非水性であってもよい。溶液は、保存期間および動作使用の両方に対して安定している。塩基性溶液の潜在的に不快な味を減少させるために、香味料または矯味剤が、添加されてもよい(例えば、スクロース)。 【0344】 懸濁液。LDおよびCDを含む、濃縮された流体が、懸濁液として口の中に継続的または半継続的に投与されてもよい。固体LDおよびCD等の固体薬物の懸濁液は、随意に、その平均および中間直径の両方が、約50μm、20μm、10μm、5μm、または1μm未満であるような粒子から作製される。これらは、わずか1日で、またはより長い、例えば、3日、1週間、2週間、1ヶ月、3ヶ月、6ヶ月、または1年を上回って、実質的に沈殿し得る。一般に、沈降速度は、粒子のサイズがより小さいとき、低下し、粒子を10μmより小さくすることが好ましく、5μmより小さくすることがより好ましく、1?3μmの粒子が最も好ましい。沈降速度はまた、典型的には、LDまたはCDのような固体薬物のものを下回る、粒子懸濁液体ビヒクルの密度が、液体中により高い密度の添加剤を溶解することによって増加されるとき、低下する(液体ビヒクルの密度が添加剤の濃度に伴って増加する、液体が水であるときの糖類によって例示される)。1.3g/mLを上回る等の1.2g/mLを上回る密度の食用糖類の水溶液は、沈降速度を減少させるために有用である。例示的高密度水溶液は、65重量%糖類であって、密度は、約25℃で約1.32g/mLである。沈降はまた、粘度がより高いときに低下されるため、懸濁液は、その粘度を増加させる剤とともに製剤化されることができる。 【0345】 固体薬物粒子含有水性懸濁液は、単シロップ(例えば、約1:1?約2:1の典型的スクロースと水の重量比率を伴う)、グリセロール、またはソルビトールを用いて安定化されることができる。代替として、懸濁液は、セルロース由来であり得るポリマー、例えば、そのナトリウム塩として、例えば、微小結晶セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)、またはヒプロメロースとしても知られる、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を用いて安定化されることができる、またはこれらは、粘液またはトラガントまたはキサンタンガムを用いて安定化されることができる。これらは、メチルパラベン、プロピルパラベン、ソルビン酸カリウム、ヒドロキシ安息香酸メチル、またはヒドロキシ安息香酸プロピル、および/またはサッカリンナトリウムのような甘味料、クエン酸、クエン酸ナトリウムのような香味料、およびポリジメチルシロキサンのような消泡剤または脱泡剤、ならびにその組み合わせ等の保存料および抗菌性剤を含有してもよい。これらはまた、ポリ-N-ビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、典型的には、非イオン性極性頭基を伴い、例えば、12?20個の炭素原子鎖に共有結合されたアルコールおよびエーテル基を含む、界面活性剤を含んでもよい。 【0346】 沈降遅延剤、粘度増加剤、および/または沈殿を遅延させる他の添加剤は、例えば、参照することによって組み込まれる、Volker Buhler,Pharmaceutical Technology of BASF Expedients, Third Edition, particularly in Chapter5, “Suspensions” and Chapter 6, “Semisolid Dosage Forms”June 2008に説明されている。懸濁液形成液体、すなわち、ビヒクルまたは担体は、水性または非水性、例えば、食用油、カカオバターのような感温バターであることができる、または医療用パラフィン油、プロピレングリコールもしくはグリセロール、またはエタノールであることができる。前述のように、懸濁液は、固体薬物粒子が、小さすぎて、不透明度のために十分に可視光を散乱させることができないようなコロイド状であることができる。これらは、例えば、半透明ゲルであることができる。しかしながら、より典型的には、これらは、その寸法上、可視光の波長に近似する、または超える、不透明薬物粒子であることができる。 【0347】 LDおよびCDの好適な送達のための懸濁液はまた、説明される、例えば、参照することによって組み込まれる、“Pharmaceutical Emulsions and Suspensions: Second Edition, Revised and Expanded (Drugs and the Pharmaceutical Sciences) Edited by Francoise Nielloud and Gilberte Marti-Mestres, which is Volume 105 of the series Drugs and the Pharmaceutical Sciences, James Swarbrick, Executive Editor, published by Marcel Dekkerという書籍に説明されている。 【0348】 流動が、流動制限管またはオリフィスによって制御されるとき、単峰性、二峰性、または多峰性粒子サイズ分布の最大粒子のピーク径は、妨害を回避するために、典型的には、その直径の1/10未満等、管またはオリフィスの内径の1/5より小さい。その結果、分布の最大粒子に対するピークは、100μmまたはそれ未満、例えば、30μmまたはそれ未満、もしくは10μmまたはそれ未満、もしくは3μmまたはそれ未満であることができる。二峰性分布では、より小さい粒子に対するピークは、それぞれ、対応して、約20μmまたはそれ未満、6μmまたはそれ未満、2μmまたはそれ未満、もしくは0.6μmまたはそれ未満であり得る。 【0349】 固体薬物粒子含有水性懸濁液は、単シロップ(例えば、約1:1?約2:1の典型的スクロースと水の重量比率を伴う)、グリセロール、またはソルビトールを用いて安定化されることができる。代替として、懸濁液は、セルロース由来であり得るポリマー、例えば、そのナトリウム塩として、例えば、微小結晶セルロース、メチルセルロース、カルボキシメチルセルロース(CMC)またはヒプロメロースとしても知られる、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)を用いて安定化されることができる、またはこれらは、粘液またはトラガントまたはキサンタンガムを用いて安定化されることができる。これらは、メチルパラベン、プロピルパラベン、ソルビン酸カリウム、ヒドロキシ安息香酸メチル、またはヒドロキシ安息香酸プロピル、および/またはサッカリンナトリウムのような甘味料、クエン酸、クエン酸ナトリウムのような香味料、およびポリジメチルシロキサンのような消泡剤または脱泡剤、ならびにその組み合わせ等の保存料および抗菌性剤を含有してもよい。これらはまた、ポリ-N-ビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、典型的には、非イオン性極性頭基を伴い、例えば、12?20個の原子の長炭素原子鎖に共有結合されたアルコールおよびエーテル基を含む、界面活性剤を含んでもよい。 【0350】 一般に、懸濁液が口内に継続的に送達されるために、固体の高体積分率が、体積が減少されることと、かつ望ましくない固体薬物濃度差につながる、沈殿、すなわち、沈降が、減速されることの両方のため、有利であり得る。本発明者らは、植物油系懸濁液等の経口送達可能な油系懸濁液が、700mg/mLを上回って、例えば、800mgLD/mLまたはそれを上回って等、600mgLD/mLを上回って含有することができるが、懸濁液が、圧送されることができることを発見した。その見掛け粘度は、同様に高LD濃度を伴う、水系懸濁液のものを下回ることができる。例えば、食用油中約800mg/mLレボドパの懸濁液は、傾注されることができ、約25℃におけるその見掛け粘度では、蜂蜜状であることができる。LDは、油中より水中で可溶性であるため、油系LD懸濁液は、その固体または溶解されたLDが、水または水溶液とともに作製された懸濁液中のLDより唾液抽出されにくいという付加的利点を有する。例えば、油系懸濁液が、オリフィスを通して口の中に流動するとき、まだ送達されていないLDの唾液による溶出のリスクは、減少される。油湿潤薬物は、唾液による抽出に対して遮蔽され、過剰投薬または偶発的過投薬のリスクを減少させる。 【0351】 随意に、懸濁液はまた、固体カルビドパを含むことができる。固体カルビドパを含有するとき、レボドパおよびカルビドパ/mLの重量の総和は、650mg/mLを上回る、例えば、800mg/mLを上回る等、600mg/mLを上回ることができる。懸濁液中の固体薬物または複数の薬物の重量分率は、0.6を上回ることができる。25℃で固体であるが、37℃では液体である、食用油、またはパラフィン油、またはカカオバターのようなバターとともに作製されると、例えば、LDまたはLDおよびカルビドパの濃縮された固体薬物懸濁液は、低見掛け粘度を有することができる。4Mを上回る懸濁された固体薬物濃度等、典型的には、3Mを上回る懸濁された固体薬物濃度のため、口内のリザーバ中の薬物懸濁液の体積は、小さくあることができる。例えば、1日用量1,000mgのLDが、1.25mL未満のリザーバ内に収容されることができる。油は、潤滑性である、すなわち、油中に懸濁された流動固体薬物粒子間と、また、粒子と流動チャネルの壁との間との摩擦を減少させることができるため、油系懸濁液の使用は、特定の流速で圧送するために要求される圧力を減少させることができる。食用油、パラフィン油、または溶融カカオバター系懸濁液のための典型的流速は、約0.03mL/時間?約0.25mL/時間であることができる。 【0352】 油系懸濁液はまた、物理的に安定し、すなわち、十分にゆっくりと沈降し、37℃において、少なくとも16時間の間、その固体薬物濃度の均一性を維持することができ、約25℃において、3ヶ月、6ヶ月、または6ヶ月より長い貯蔵後、均一固体薬物濃度を再確立するために、その再懸濁を可能にするために十分な流体であることができる。特に、安定するのは、その約25℃の貯蔵温度において固体である一方、温度が約37℃である口内に設置された後、その成分の混合物の溶融範囲内まで加熱されると、流体である、カカオバターのようなバターを含む、脂質中の固体薬物粒子の分散液である。 【0353】 懸濁液への潤滑剤の添加は、例えば、固体薬物の重量分率が約0.6を上回る場合、懸濁液の移動を促進することができる。懸濁液は、例えば、滑脱または流動および滑脱の組み合わせによって圧送されることができる。滑脱とは、懸濁液の一部またはさらに懸濁液の全部が、例えば、流動制御管またはオリフィスを通して、単位または複数の単位として移動することを意味し、各単位は、円筒形ブロック等の塑性的に変形可能なブロックである。ブロックまたは複数のブロックの移動、すなわち、流動は、移動するブロックと流動制御管の壁との間の摩擦によって遅延され得る。潤滑剤は、摩擦を減少させ、流動を促進することができる。流動を促進するために、界面活性食品添加剤が、添加されることができる。界面活性食品添加剤は、極性または非極性頭部と、典型的には、8?22個の炭素原子を含む、長非極性炭素鎖とを有することができる。界面活性食品添加剤として、例えば、モノオレイン酸グリセリルもしくはステアリン酸グリセリル等のグリセロールの脂肪酸モノエステル、またはステアリルアルコールもしくはセチルアルコールが挙げられ得る。 【0354】 本発明の非水性、例えば、油系製剤は、薬物送達デバイスの懸濁液接触構成要素が、非水性製剤と親和性のある(例えば、寸法上安定した、非軟化、非浸出性、非抽出可能である)、材料を利用することを要求する。実施例1に図示されるように、これは、今日、いくつかの一般に使用されるポンプ構成要素に該当しない。例えば、ネオプレンは、ピストンまたはプランジャ内の非親和性ゴムに取って代わるために使用されることができる。 【0355】 超飽和溶液。LDおよびCDを含む、濃縮された流体が、超飽和溶液として投与されることができる。超飽和溶液は、薬物の濃度がその溶解度を超える、薬物の溶液である。薬物の溶液は、核生成速度が遅延されるため、または核成長が減速されるため、超飽和され得る。核生成は、例えば、0.2μm、0.1μm、0.05μmより小さい細孔サイズのフィルタを通した濾過による、例えば、核生成固体非薬物粒子および薬物粒子の除外によって、遅延されることができる。薬物の核成長は、粘度を増加させる、例えば、グリセロール、ポリオール、または糖類のような複数の水素結合を形成するポリマーまたは化合物を溶解することによって、減速されることができる。 【0356】 乳剤。LDおよびCDを含む、濃縮された流体が、乳剤として投与されてもよい。典型的には、乳化界面活性剤を含む、医薬品乳剤および懸濁液は、例えば、参照することによって組み込まれる、“Pharmaceutical Emulsions and Suspensions: Second Edition, Revised and Expanded (Drugs and the Pharmaceutical Sciences) Edited by Francoise Nielloud and Gilberte Marti-Mestres, which is Volume105 of the series Drugs and the Pharmaceutical Sciences, James Swarbrick, Executive Editor, published by Marcel Dekkerという書籍に説明されている。水中油および油中水乳剤は、例示的乳剤である。食用界面活性剤は、モノグリセリド、レシチン、糖脂質、脂肪アルコール、および脂肪酸等、口の中への注入のための乳剤を形成するために使用されることができる。これらのうち、非イオン性界面活性剤は、注入される乳剤が酸性であるとき、特に、有用である。これらは、例えば、グリセロール、糖類、ポリエチレングリコール系極性頭基を伴う、界面活性剤を含み、通常、10?24個の炭素原子、例えば、12?18個の炭素原子を含む、長脂肪族炭素鎖を有する。 【0357】 リポソーム。LDおよびCDを含む、濃縮された流体は、乳剤として送達されてもよい。流体および製剤を含む、リポソームは、当技術分野において周知である。リポソームとして、モノグリセリド、レシチン、糖脂質、脂肪アルコール、および脂肪酸等の食用界面活性剤が挙げられ得る。これらのうち、非イオン性界面活性剤は、特に、有用である。これらは、例えば、グリセロール、糖類、ポリエチレングリコール系極性頭基を伴う、界面活性剤を含み、通常、10?24個の炭素原子、例えば、12?18個の炭素原子を含む、長脂肪族炭素鎖を有する。 【0358】 固体。LD、CD、およびそのプロドラッグ等の薬物が、固体として継続的または半継続的に送達されてもよい。固体は、小球体、丸剤、錠剤、小丸薬、カプセル粒子、微粒子(例えば、押出成形/球形化によって、作製される)、細粒、粉末、または当技術分野において公知の他の類似固体投薬形態の形態であってもよい。固体は、セルロース系ポリマーまたはポリ乳酸細片もしくはリボン等の非毒性ポリマー細片またはリボンのコーティングとして、継続的または半継続的に送達されることができる。固体薬物製剤は、結合剤、崩壊剤、滑剤、潤滑剤、味覚修飾剤等の付加的賦形剤を含んでもよい。固体薬物製剤は、単一固体、複数の離散固体、または多数の離散固体(例えば、粉末)を含んでもよい。例えば、16時間の期間にわたって、15分毎にLD/CDを投薬するために、固体は、64個の個々の固体丸剤、球体、錠剤、またはカプセルを含んでもよく、1つの固体は、投薬毎に投与される。固体は、1?5、5?10、10?15、15?20、20?30、30?60、60?120、120?240分毎に口の中に送達されてもよい。本発明の固体は、1?1,000個の離散固体、例えば、1、2、3、4、2?10、11?50、51?100、101?500、501?1,000、または4?1,000個の離散固体を含んでもよい。粉末の場合、本発明の固体は、1,000個を上回る離散固体を含んでもよい。送達される固体の体積を最小限にするために、好ましい製剤では、1つまたはそれを上回る薬物(例えば、LD/CD)は、重量比50%、60%、70%、80%、90%、または95%を上回る固体を含み、賦形剤は、平衡を補償する。 (レボドパプロドラッグ製剤) 【0359】 安定した濃縮LDプロドラッグ固体および流体。LDプロドラッグは、水性または非水溶液中に非常に可溶性であって、概して、高固体LD濃度を含む流体を下回る粘度の濃縮された水性流体および非水性流体中におけるその送達を可能にする。先行技術の例示的LDプロドラッグ製剤は、米国特許第5,607,969号ならびに特許出願第WO2012/079072号および第WO2013/184646号に提供されており、それぞれ、参照することによって本明細書に組み込まれる。 【0360】 口の中への投与のための好ましいプロドラッグとして、非常に可溶性のレボドパアミド、レボドパエステル、レボドパカルボキサミド、レボドパスルホンアミド、レボドパエチルエステル、レボドパメチルエステル、およびその塩が挙げられ、典型的には、酵素触媒反応において、身体中に高速で加水分解され、LDを形成し得るが、薬物送達デバイスのリザーバ内に、少なくとも、意図される投与期間、例えば、少なくとも8時間、16時間、24時間、48時間、72時間の持続時間の間、貯蔵されることができる。 【0361】 一実施形態では、LDプロドラッグ、またはプロドラッグと、CD、またはCDプロドラッグ、またはベンセラジド、またはCOMT阻害剤の任意の組み合わせが、約25℃で固体または半固体であって、約37℃では液体である、カカオバター等の感温固体または半固体担体中に溶解または分散される。結果として生じる薬物溶液、懸濁液、または乳剤は、固体または半固体である、周囲温度、例えば、約25℃またはそれを下回って貯蔵される。すなわち、溶液、懸濁液、または乳剤は、温度が約37℃である口内では、流体となる。溶解されたLDプロドラッグ、CD、CDプロドラッグ、ベンセラジド、およびCOMT阻害剤は、溶解された空気、すなわち、溶解されたO_(2)によって、高速で酸化されるが、粘度がより高く、O_(2)の拡散がより低い、貯蔵された固体または半固体中では、はるかに低速で酸化される。溶解されたO_(2)によるCDおよびCDプロドラッグの酸化は、活性薬物の損失だけではなく、また、毒性ヒドラジンの形成をもたらし、その蓄積は、CDまたはCDプロドラッグ含有製品の保存期間を限定する。保存期間は、カカオバターによって例示されるように、感温担体の使用を通して、6ヶ月を上回って、例えば、1年を上回って、またはさらに2年を上回って、延長されることができる。 【0362】 一実施形態では、LDプロドラッグおよび/またはCDプロドラッグは、経口液不浸透性薬物リザーバ内に固体形態で貯蔵され、薬物送達デバイスによって、固体が高速で溶解される、口の中に投与される。 (ヒドラジン形成を最小限にするレボドパ/カルビドパ製剤) 【0363】 貯蔵されたCDは、ヒドラジンに分解することが知られている。動物研究では、ヒドラジンは、特に、吸入暴露によって、顕著な全身毒性を示す。これらの研究は、ヒドラジンは、肝毒性であって、CNS毒性(但し、経口治療後には認められない)を有し、かつ遺伝毒性ならびに発癌性物質であることを報告している。その結果、CDまたはLD/CD製剤の貯蔵の間、ヒドラジン形成を最小限にすることが重要である。 【0364】 連続十二指腸内注入のためのLD/CD懸濁液である、デュオドパは、貯蔵の間、ヒドラジンを産生する。デュオドパの平均推奨1日用量は、2gレボドパおよび0.5gカルビドパを含有する、100mlである。最大推奨1日用量は、200mlである。これは、最大で平均暴露4mg/日、最大8mg/日のヒドラジンを含む。これらの暴露限界を満たすために、デュオドパのラベルには、その冷蔵され、未開封の保存期間は、わずか15週間であって、いったん冷蔵庫から取り出され、製品が開封されると、最大16時間の間しか使用され得ないことが記載されている。デュオドパ中のLDおよびCDの濃度は、それぞれ、20mg/mLおよび5mg/mLである。 【0365】 高レベルのヒドラジンを含有せず、長時間、冷蔵されずに貯蔵されることができる、CDの安定した流体製剤が、望ましい。ヒドラジンは、ほぼ完全に、溶液中のCDの酸化によって産生される。すなわち、溶解されたCDの多くが、経時的に分解されるにつれて、懸濁されたCDの多くが、溶解され、それ自体が分解される。このように、有意な量のヒドラジンが、経時的に蓄積され得る。ヒドラジンは、懸濁されたCD粒子の酸化によって、有意な量で産生されない。したがって、産生されるヒドラジンの量は、同時に、ヒドラジンが溶解し得る、水性または非水性液体の量を最小限にし、かつ懸濁された固体CDの濃度を最大限にすることによって、著しく減少されることができる。そのようなアプローチは、懸濁された固体CDと溶解されたCDの比率を最大限にする。本発明は、流体体積0.20?5.0mL中にCDの懸濁液を含有する、経口液不浸透性リザーバを含み、流体中に懸濁される固体CDの濃度は、50?500mg/mLである。本発明は、懸濁液が、1年間5℃で、または3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、もしくは24ヶ月間、25℃で貯蔵されたとき、500mgのCDあたり約4、1、または0.25mg未満のヒドラジンを含む、CD懸濁液を特徴とする。本発明は、薬物リザーバが、1年間5℃で、または3ヶ月、6ヶ月、12ヶ月、もしくは24ヶ月間25℃で貯蔵されたとき、約1ppm未満のヒドラジンを含む、CD懸濁液を特徴とする。好ましいリザーバは、酸素が実質的になく、酸素に実質的に不浸透性である。好ましくは、LDもまた、薬物リザーバ中に存在する。好ましい水性または非水性流体は、水等のCDが超低溶解度を有するものである。実施例として、体積3mL中2,000mgのLDおよび500mgのCDを含有する水性懸濁液では、ヒドラジン形成率は、デュオドパ中のその形成率に対して30倍を上回って減少されることが予期される。懸濁液の保存期間も同様に、したがって、デュオドパの少なくとも30倍を上回るであろう。 【0366】 別の実施形態では、随意に、LD、LDプロドラッグ、またはCOMT阻害剤と組み合わせられる、CDまたはCDプロドラッグは、約25℃で固体または半固体であって、約37℃では液体である、カカオバター等の感温固体または半固体担体中に溶解もしくは分散される。結果として生じる薬物溶液、懸濁液、または乳剤は、固体または半固体である、周囲温度、例えば、約25℃またはそれを下回って貯蔵される。すなわち、溶液、懸濁液、または乳剤は、約37℃の温度である口内では、流体となる。O_(2)が高速で拡散する液体中に溶解されたCDおよびそのプロドラッグは、溶解された空気によって、毒性ヒドラジンを含む生成物に高速で酸化され得るが、粘度がより高く、O_(2)の拡散がより低い、貯蔵された固体または半固体中では、はるかに低速で酸化される。溶解されたO_(2)によるCDおよびCDプロドラッグの酸化は、活性薬物の損失だけではなく、また、毒性ヒドラジンの形成をもたらし、その蓄積は、CDまたはCDプロドラッグ含有製品の保存期間を限定する。保存期間は、カカオバターによって例示されるように、感温担体の使用を通して、6ヶ月を上回って、例えば、1年を上回って、またはさらに2年を上回って、延長されることができる。 (ポンプ駆動懸濁液分離) 【0367】 本発明者らは、高固体薬物濃度を伴ういくつかの懸濁液は、組成物のその均一性を維持する、すなわち、少なくとも2日間、約25℃で貯蔵時、沈降を示さないが、流動発生圧力が印加されると、懸濁液が非均一になり得ることを観察した。本発明は、圧送される粘性懸濁液の圧力誘発分離を防止するための組成物および方法を含む。粘性懸濁液が、圧力下で圧送されると、液体担体からの固体の分離が、多くの場合、観察される。典型的には、ポンプは、減少量の固体を含有する流体を送達し、固体は、オリフィスの背後に蓄積し、患者に送達されない。好ましい実施形態では、本発明の薬物送達デバイスは、圧送される粘性懸濁液の圧力誘発分離を実質的に防止する、1つまたはそれを上回る懸濁液流増進要素を備える。 【0368】 例えば、本現象は、約50,000cPの粘度を伴うLDおよび水の懸濁液を送達するための実験の間に観察された。駆動圧力は、内径0.603mmを伴うノズルを通して、約41インチH_(2)Oであった。分離された懸濁液および濁流体は、ノズルの端部から滴下した。圧力が、H_(2)O中、60、次いで、80まで増加されるにつれて、滲出流体の透明度の増加に伴って、分離が持続した。圧力が、ノズル径を増加させることによって減少されるにつれて、効果は、低下したが、排除されなかった。 【0369】 実験は、圧力誘発流動が、濾過プラグの形成を生じさせ得、プラグが、分散媒の多くを通過するが、固体薬物をほとんど通過しないことを示した。そのような圧力または流動誘発沈降、すなわち、濾過プラグ形成は、流動を制御することによって、不可能ではないにしても、固定用量速度を維持することを困難にする。濾過につながる沈降は、懸濁された粒子サイズが二峰性または多峰性で分布されるとき、軽減され得る。多峰性粒子サイズ分布を伴う懸濁液は、単峰性粒子サイズ分布を伴う粒子より優れた流動特性を有し、それによって、懸濁液が圧送されるときに生じ得る、液体担体からの固体の分離または沈降を減少または排除する傾向にある。濾過は、二峰性または多峰性で分布される粒子サイズを通して、体積分率、すなわち、懸濁された固体薬物の充塞密度を、典型的には、約0.64を上回る、例えば、0.65?0.69に増加させることによって、減少または回避され得る。粒子サイズの最適三峰性分布の2次元実施例は、図28に図示される。最大粒子86は、第2のより小さい粒子87およびさらにより小さい第3の粒子サイズ88で充塞されて示される。粒子88は、粒子87の直径の約1/5であって、粒子87は、粒子86の直径の1/5である。 【0370】 本発明は、二峰性または多峰性粒子サイズ分布を含む、口の中への注入のための懸濁液を含み、好ましくは、ピークに対する平均粒径の比率は、3:1?7:1、例えば、約3:1、4:1、5:1、6:1、または7:1の範囲内である。二峰性または多峰性分布では、粒子サイズは、例えば、1μm?50μm、または1μm?30μm、または1μm?15μm等、0.5μm?100μmでピークに達することができる。一般に、二峰性または多峰性分布の最大値における近位粒子サイズは、2倍またはそれを上回り、例えば、2?4倍、または4?6倍異なる。例示的二峰性分布では、より大きい粒子の重量ベースの量は、より小さい粒子のものと等しいまたはそれを上回ることができる。典型的には、大粒子:小粒子重量比率は、典型的には、1を上回る。例えば、約1.5等の1.2?1.8等の1?2であることができる。 本発明は、以下の懸濁液流増進要素のうちの1つまたはそれを上回るものの使用による、口腔内薬物送達デバイス内のポンプ駆動懸濁液分離の減少または排除を含む。 【0371】 1.固体の体積分率を増加させる多峰性粒子サイズ分布を伴う、圧送される懸濁液の製剤。前述のように、本発明は、多峰性粒子サイズ分布を含む、口の中への注入のための懸濁液を含み、好ましくは、ピークに対する平均粒径の比率は、3:1?7:1の範囲内である。 【0372】 2.グリセロールのモノエステル、およびモノオレイン酸グリセリルもしくはモノステアリン酸グリセリンのような脂肪酸、またはポリソルベート80、65、60、もしくは20のようなポリソルベート等の食品添加剤として使用される界面活性剤によって例示される、オリフィスまたは管を通る粒子の流動を向上させる、製剤中の賦形剤(例えば、潤滑剤、滑剤、付着防止剤、湿潤剤等)の使用。 【0373】 3.脂肪酸等、オリフィスまたは管を通る粒子の流動を向上させるためのオリフィス材料の表面特性を修飾する製剤中の賦形剤の使用、またはテフロン(登録商標)によって例示されるパーフルオロ化ポリマーでのオリフィスのコーティング。 【0374】 4.オリフィスまたは管を通る粒子の流動を向上させるためのオリフィスのフレア化。 【0375】 5.最大有効粒子サイズの少なくとも10または好ましくは、20倍のオリフィス内径の使用。 【0376】 6.流体にかかる圧力が、10バール未満、好ましくは、5バール未満であるような製剤粘度、濃度、および流速、ならびにオリフィス内径の選択。 【0377】 本発明は、薬物送達デバイスによって送達される懸濁液中の薬物濃度が、8、16または24時間の期間にわたって、各1時間間隔の間、平均から20%、10%、5%、好ましくは、3%未満だけ変動するようなこれらの設計および方法の組み合わせを特徴とする。 (経口液不浸透性薬物リザーバ) 【0378】 LD、CD、およびLDプロドラッグ、ベンセラジド、ならびにCOMT阻害剤等、酸化を受けやすい固体または流体薬物製剤は、好ましくは、酸素が実質的にない容器内に貯蔵される。 【0379】 LD、CD、およびLDプロドラッグ等の固体薬物は、好ましくは、水が実質的にない容器内に貯蔵される。LD含有流体の非水性製剤およびLDプロドラッグ含有流体の非水性製剤もまた、好ましくは、水が実質的にない容器内に貯蔵される。 【0380】 本発明の好ましい薬物リザーバは、経口液不浸透性リザーバである。そのような経口液不浸透性薬物リザーバに関して、未使用のリザーバを含む薬物送達デバイスを患者の口内に設置し、投与を開始してから1、4、8、16、24、48または72時間後、リザーバ内の薬物含有固体または薬物含有流体の重量比5%、3%、または1%未満が、経口液を含む(例えば、1時間後1%未満、24時間後1%未満、8時間後3%未満、4時間後5%未満、72時間後5%未満)。経口液不浸透性リザーバは、1つまたはそれを上回る固体形態または流体形態における薬物を含有してもよい。経口液は、口内で一般に見出される、または患者によって飲まれる、唾液、水、水希釈アルコール、および他の流体を含む。例示的経口液不浸透性リザーバは、金属またはエラストマーであり得るプラスチックから作製されることができる。金属リザーバは、例えば、アルミニウム、マグネシウム、チタン、またはこれらの鉄合金を含むことができる。プラスチックから作製されるとき、金属障壁層を有することができる、または、例えば、食料のパッケージ、または飲料含有瓶、または洗濯可能衣類の布地(例えば、ナイロンまたはDacron)、または飲料含有瓶の栓またはシール、または薬物の溶液を含有するバイアルの隔壁において使用される、非金属化プラスチックもしくはエラストマーを含むことができる。リザーバ内の開口部の中への経口液の進入は、1つまたはそれを上回る弁、スクイージー、バッフル、回転オーガ、回転ドラム、推進剤、空気圧ポンプ、ダイヤフラムポンプ、疎水性材料、および/または疎水性流体の使用によって、防止または最小限にされることができる。いくつかの実施形態では、本発明は、複数の不浸透性リザーバまたはコンパートメント内の流体または固体薬物の複数の用量を特徴とする。 【0381】 高粘性低溶解度材料の流動は、唾液侵入の潜在性を実質的に低下させるが、唾液の侵入を実質的に防止する他の方法も、利用されることができる。唾液侵入は、主に、毛細管作用、または液体、この場合、唾液の表面張力間の相互作用、および唾液とデバイスとの間の付着力と関連付けられ得る。毛細管作用は、管類の表面と唾液との間の付着力が唾液の凝集力(表面張力)を上回るときに生じる。毛細管作用を排除するための方法の1つは、薬物リザーバと出口オリフィスとの間で大径管類を利用することによって、凝集力を減少させることである。毛細管作用を排除するための別の方法は、管類の内側表面上の疎水性コーティングの使用を通して、管類の表面の付着力を減少させることである。コーティングの目標は、管類の湿潤を防止することである。管類の表面エネルギーを低下させ、唾液と管類の内側表面との間の実質的に90度を上回る接触角度を達成することによって、毛細管作用は、排除される。パラフィルムおよびテフロン(登録商標)等の疎水性コーティングは、疎水性コーティングの実施例である。毛細管作用を減少させる別の方法は、薬物懸濁液中における非水性または疎水性担体の使用である。非水性または疎水性担体は、唾液を撥き、流動正面の極めて表層におけるそれらの粒子のみ、唾液に暴露されるであろう。疎水性担体の実施例は、油およびワックスである。唾液の侵入を制限する別の方法は、逆止弁16(図23Aおよび23Bに図示される)の使用である。流動が中止また配置時停止されるとき、逆止弁16を横断する圧力勾配は、排除され、弁を閉鎖し、薬物の流動および唾液の侵入を防止する。 (使用方法および疾患治療方法) 【0382】 本発明の薬物送達デバイスは、治療上有効量において、経口薬物を患者に投与するために使用されることができる。同様に、本発明の製剤は、治療上有効量において、患者に投与されることができる。例えば、量は、PD、細菌性感染症、癌、疼痛、臓器移植、睡眠障害、癲癇および発作、不安症、気分障害、外傷後ストレス障害、癌、不整脈、高血圧症、心不全、痙縮、および糖尿病性腎障害等の疾患の症状を防止、遅延、減少、または排除するように投与される。本発明の薬物送達デバイスを使用することによって、治療されるべき所与の疾患の治療のために適切な薬物が、本明細書に説明される方法、組成物、およびデバイスを使用して、製剤化および投与されることができる。 【0383】 狭治療指数を伴う多くの薬物が、小変動指数をもたらす、薬物送達デバイスおよび方法から利益を享受する。例えば、表2は、種々の研究において報告された抗癲癇薬の長期放出錠剤製剤の変動指数を要約する(“Extended-release antiepileptic drugs: A comparison of pharmacokinetic parameters relative to original immediate-release formulations”, Ilo E. Leppik and Collin A. Hovinga, Epilepsia, 54(1):28-35,2013)。 【表2】 【0384】 本発明は、本明細書に開示されるデバイス、薬物、製剤、および方法のいずれかを使用して疾患または病状を治療する方法を含み、変動指数は、2.0、1.5、1.0、0.75、0.50、0.25、または0.15未満またはそれに等しい。例えば、治療される疾患または病状は、パーキンソン病、細菌性感染症、癌、疼痛、臓器移植、睡眠障害、癲癇および発作、不安症、気分障害、外傷後ストレス障害、癌、不整脈、高血圧症、心不全、痙縮、認知症、糖尿病性腎障害、胃不全麻痺、口内乾燥症、および認知症であってもよい。 【0385】 本発明の方法を使用して投与される薬物投薬量は、従来の低頻回投薬計画を使用して投与されるものより高いまたは低くあってもよい。より低い1日用量は、連続または半連続投与が、薬物の定常状態循環血漿中濃度におけるトラフを減少させるとき、有効性を損なうことなく、可能であって、薬物の血漿中濃度が、高ピーク濃度を必要とせず、最小有効血漿中濃度を上回ったままであることを可能にする。より高い1日用量は、連続または半連続投与が、薬物の定常状態循環血漿中濃度におけるピークを減少させるとき、副作用を増加させず、可能であって、高ピーク濃度を必要とせず、薬物の平均血漿中濃度の増加を可能にする。 【0386】 本発明の方法は、ピーク血漿中濃度(すなわち、経口単位投薬形態のC_(max)特性)と関連付けられた有害事象が排除されるため、改良された安全プロファイルを有する投薬計画を提供する。したがって、本発明の方法、組成物、およびデバイスは、治療されている患者母集団(すなわち、標準的治療投薬計画が無効である患者)において、狭治療濃度域を有する薬物を送達するために使用されることができる。PDの治療のために以下に提供される詳細は、他の疾患の治療のための薬物の製剤および投与にも適用可能であり得る。 (PDの治療) 【0387】 PDの治療のために、典型的投与される用量範囲は、約20μモル/kg?約200μモル/kgのLDまたはLDプロドラッグ/日である。随意に共投与されるDDC阻害剤の典型的1日用量は、約5μモル/kg?約50μモル/kgである。例えば、体重75kgの患者に対する典型的1日用量は、約1.5ミリモル?約15ミリモルのLDまたはLDプロドラッグである。随意に、LDまたはLDプロドラッグのモル量の約10%?約40%、例えば、15%?30%のDDC阻害剤のモル量が、添加されてもよい。 【0388】 薬物含有固体または流体の好ましい投与モードは、口内に着脱可能に固着され、少なくとも4時間の期間の間、薬物を口の中または鼻腔の中に投与する、薬物送達デバイスを介したものである。薬物は、可変速度で投与されてもよいが、一定速度投与が、好ましい。投与は、好ましくは、連続または半連続である。 【0389】 口の中への投与は、1日24時間であることができる、または覚醒期間、典型的には、約16時間に限定されることもできる。覚醒期間に限定されるとき、監視ボーラスを投与し、一定速度投与よりLDの血漿中濃度を高速に上昇させることが有利であり得る。監視ボーラスは、例えば、LDおよびDDC阻害剤の経口服用された丸剤または丸剤を通して送達されることができる、または本発明の薬物デバイスを使用して、口の中への固体または流体薬物投与を通して行うことができる。代替として、薬物送達デバイスの外部は、デバイスが最初に口の中に挿入されたときに薬物のボーラスが口の中に送達されるような薬物を含んでもよい。 【0390】 本発明は、総体積0.1?10mLの薬物、例えば、0.1?1.0、1.0?2.0、2.0?3.0、3.0?4.0、4.0?5.0、5.0?6.0、6.0?7.0、7.0?8.0、8.0?9.0、または9.0?10mLを含む、口腔内に常駐する1つまたはそれを上回る薬物リザーバから、1つまたはそれを上回る薬物(例えば、LDおよびCD)を口の中に投与する方法を含む。本発明は、0.03?1.25mL/時間の範囲内の速度、例えば、0.03?0.10、0.10?0.20、0.20?0.30、0.30?0.40、0.40?0.50、0.50?0.60、0.60?0.70、0.70?0.80、0.80?0.90、0.90?1.0、1.0?1.1、または1.1?1.25mL/時間において、1つまたはそれを上回る薬物(固体または流体形態のいずれか)を投与する方法を含む。本発明は、1mg/時間、1?10mg/時間、10?25mg/時間、25?50mg/時間、50?75mg/時間、75?100mg/時間、100?1025mg/時間未満、または125mg/時間を上回る平均速度において、1つまたはそれを上回る薬物を投与する方法を含む。本発明は、連続および/または半連続投与を介して、1つまたはそれを上回る薬物を投与する方法を含む。好ましい実施形態では、本方法は、1日の4、8、12、16、または24時間の期間の間、平均投与速度を一定またはほぼ一定に保持するステップを含む。例えば、毎時間投与される体積は、注入期間の間の平均時間投与速度から、±10%または±20%/時間または±10%または±20%/15分期間未満だけ変動し得る。本発明は、本明細書に説明される薬物送達デバイスのいずれかを使用して、1つまたはそれを上回る薬物を口の中に投与する方法を含む。 【0391】 本発明の薬物送達デバイスおよび製剤を使用する連続または半連続投与は、体液、例えば、血液、血漿、または血清中の治療用薬物の濃度変動を減少させることができる。例えば、治療用薬物のピーク濃度と最下点濃度との間の差異が、薬物が投与される期間を通して、平均濃度の±70%未満である、例えば、4時間を上回るまたはそれに等しい(例えば、8、12、16または24時間)の期間にわたって、時間平均濃度の±50%未満、±30%未満、±20%未満、または±10%未満であることができる、血漿中濃度プロファイルを提供することができる。 【0392】 本発明は、患者における疾患を治療する方法であって、(a)薬物送達デバイスを患者の口の中に挿入するステップと、(b)デバイスからの薬物投与を開始するステップと、(c)0.015?1.25mL/時間または1?125mg/時間の範囲内の毎時速度において、4時間?7日の期間の間、連続または半連続投与を使用して、患者の口の中に1つまたはそれを上回る薬物を投与するステップと、(d)薬物送達デバイスを口から除去するステップとを含み、薬物送達デバイスは、0.1?5mL容積(例えば、0.1?1mL、0.5?3mL、または3?5mL)の経口液不浸透性リザーバを含み、リザーバは、薬物を含む固体または流体を含む、方法を特徴とする。随意に、本方法はまた、(e)デバイスからの薬物送達を停止する随意のステップを含んでもよい。本発明はさらに、ステップa、b、c、d、およびeが、4時間?7日の期間にわたって、少なくとも2回行われる、方法を含む。薬物は、合計1ミリモルを上回るLDまたはLDプロドラッグを含んでもよい。 【0393】 本発明は、患者における疾患を治療する方法であって、(a)薬物送達デバイスを患者の口の中に挿入するステップと、(b)デバイスからの薬物投与を開始するステップと、(c)0.015?1.25mL/時間または1?125mg/時間の範囲内の毎時速度において、4時間?7日の期間の間、連続または半連続投与を使用して、患者の口の中に1つまたはそれを上回る薬物を投与するステップと、(d)薬物送達デバイスを口から除去するステップと、(e)デバイスからの薬物送達を停止するステップとを含み、(1)薬物送達デバイスは、0.1?5mL容積(例えば、0.1?1mL、0.5?3mL、または3?5mL)のリザーバを含み、リザーバは、薬物を含む固体または流体を含み、(2)ステップa、b、c、d、およびeは、4時間?7日の期間にわたって、少なくとも2回行われる、方法を特徴とする。薬物は、合計1ミリモルを上回るLDまたはLDプロドラッグを含んでもよい。 【0394】 本発明は、患者におけるパーキンソン病を治療するための方法であって、(a)着脱可能に薬物送達デバイスを患者の口の中に挿入するステップであって、薬物送達デバイスは、0.1?5mL容積(例えば、0.1?1mL、0.5?3mL、または3?5mL)の経口液不浸透性リザーバを含み、固体または流体を含むリザーバは、合計1ミリモルを上回るLDまたはLDプロドラッグを含む、ステップと、(b)400ng/mLを上回り、かつ7,500ng/mL未満の循環血漿中LD濃度が、投与中、少なくとも8時間の期間の間、継続的に維持されるように、0.03?1.25mL/時間または10?125mg/時間の範囲内の毎時速度において、少なくとも8時間の期間の間、患者の口の中に固体または流体を投与するステップと、(c)薬物送達デバイスを患者の口から除去するステップとを含む、方法を特徴とする。ある実施形態では、固体または流体を含む、LDまたはLDプロドラッグは、800ng/mL、1,200ng/mL、1,600ng/mL、または2,000ng/mLを上回る(例えば、患者の条件に応じて、800?1,500、1,000?2,000、1,600?2,500、または1,500?3,000ng/mL)循環血漿中LD濃度が、投与中、少なくとも2時間、3時間、4時間、8時間、16時間、または24時間の期間の間、継続的に維持されるような速度で口の中に投与される。特定の実施形態では、固体または流体を含む、LDまたはLDプロドラッグは、400ng/mL、800ng/mL、1,200ng/mL、1,600ng/mL、または2,000を上回る循環血漿中LD濃度が、注入開始60分以内に達成されるような速度で口の中に投与される。LDプロドラッグは、投与中のLDプロドラッグの循環血漿中濃度が、100ng/mL、50ng/mL、30ng/mL、または10ng/mLを超えないような速度で口の中に投与されることができる。固体または流体を含む、LDまたはLDプロドラッグは、7,500ng/mL、5,000ng/mL、3,500ng/mL、3,000ng/mL、2,500、または2,000ng/mL未満の循環血漿中LD濃度が、投与中、少なくとも8時間の期間の間、継続的に維持されるような速度で口の中に投与されることができる。特定の実施形態では、患者は、固体または流体を含む、10mL、7.5mL、5mL、3mL、または2mL未満のLDまたはLDプロドラッグの平均1日用量を受容する。固体または流体を含む、LDまたはLDプロドラッグは、循環LD血漿中濃度が、少なくとも1時間、2時間、3時間、または4時間の期間の間、その平均値から+/-20%、+/-15%、または+/-10%未満だけ変動するような速度で口の中に投与されることができる。 【0395】 本方法はさらに、ベンセラジド、カルビドパ、またはカルビドパプロドラッグ等の効果的量のDDC阻害剤の共投与を含むことができる。カルビドパは、固体、懸濁液、もしくは乳剤として、またはカルビドパエチルエステル塩酸塩によって、カルビドパメチルエステル塩酸塩によって、またはカルビドパアミド塩酸塩によって例示される、その高度に水溶性のプロドラッグ塩のうちの1つの溶液として、共投与されることができる。共投与されるDDC阻害剤のモル量は、LDのモル量の1/10?1/2、好ましくは、LDのモル量の約1/4±1/8であることができる。L-DOPA脱炭酸酵素阻害剤であることが認識されている、カルビドパプロドラッグの調製は、例えば、米国特許第3,895,052号および第7,101,912号ならびに特許公開第DE2062285A号および第FR2052983A1号に説明されている。一特定の実施形態では、流体を含む、LDまたはLDプロドラッグは、0.5Mを上回るLDまたはLDプロドラッグを含む(例えば、0.5±0.1、0.6±0.1、0.7±0.1、0.8±0.2、1.0±0.3、1.5±0.5、2.0±0.5、0.6±0.3、0.75±0.25、1.0±0.5、1.5±0.5、2.0±0.5、2.5±0.5、3.0±0.5、3.5±0.5、1.5を上回る、2を上回る、2.5を上回る、または3.5モル/リットルを上回る)。特定の実施形態では、LDまたはLDプロドラッグおよびDDC阻害剤は、別個の固体または流体として共投与される、または単一固体もしくは流体内に含有され、患者の中に投与される。 【0396】 本方法は、振戦、無動、寡動、運動機能異常、筋緊張異常、認知障害、および睡眠障害等のパーキンソン病に罹患する患者における運動または非運動合併症を寛解させることができる。 【0397】 本発明は、以下の項目化された側面および実施形態を含む。 1.患者の口内に着脱可能に挿入され、薬物を含む医薬品組成物の連続または半連続口腔内投与のために構成される、薬物送達デバイスであって、 (i) 該薬物送達デバイスを該患者の口の表面に着脱可能に固着するための締結具と、 (ii) 電気または機械ポンプと、 (iii) 経口液不浸透性薬物リザーバであって、その体積は、0.1mL?5mLである、薬物リザーバと、 【0398】 (iv) 自動停止/始動装置と、 を備える、デバイス。 【0399】 2.該薬物送達デバイスは、(a)薬物送達デバイス、ポンプ、および/または経口液不浸透性リザーバが、口から除去されること、(b)薬物送達デバイス、ポンプ、および/または経口液不浸透性リザーバが、締結具から切断されること、または(c)経口液不浸透性リザーバが、ポンプから切断されることのうちの1つまたはそれを上回るものに応じて、自動的に停止されるように構成される、項目1に記載のデバイス。 【0400】 3.該薬物送達デバイスは、(a)薬物送達デバイス、ポンプ、および/または経口液不浸透性リザーバが、口の中に挿入されること、(b)薬物送達デバイス、ポンプ、および/または経口液不浸透性リザーバが、締結具に接続されること、または(c)経口液不浸透性リザーバが、ポンプに接続されることのうちの1つまたはそれを上回るものに応じて、自動的に始動されるように構成される、項目1に記載のデバイス。 【0401】 4.該自動停止/始動装置は、感圧スイッチ、クリップ、捻転可能流体チャネル、クラッチ、センサ、またはキャップから選択される、項目1に記載のデバイス。 【0402】 5.吸引誘発流制限器、温度誘発流制限器、耐咬合構造支持体、または圧力不変機械ポンプをさらに備える、項目1-4のいずれか一項に記載のデバイス。 6.患者の口内に着脱可能に挿入され、薬物を含む医薬品組成物の連続または半連続口腔内投与のために構成される、薬物送達デバイスであって、 (i) 該薬物送達デバイスを該患者の口の表面に着脱可能に固着するための締結具と、 (ii) 電気または機械ポンプと、 (iii) 経口液不浸透性薬物リザーバであって、その体積は、0.1mL?5mLである、薬物リザーバと、 【0403】 (iv) 吸引誘発流制限器と、 を備える、デバイス。 【0404】 7.該吸引誘発流制限器は、薬物送達デバイスの筐体内の1つまたはそれを上回るポートまたは開口部を介して、周囲大気と流体(ガスおよび/または液体)接触する、加圧表面を備える、項目6に記載のデバイス。 【0405】 8.該吸引誘発流制限器は、変形可能チャネル、偏向可能ダイヤフラム、柔軟性アキュムレータ、インライン真空逃がし弁、およびフロート弁から選択される、項目6に記載のデバイス。 【0406】 9.該吸引誘発流制限器は、周囲圧力が、1分の期間の間、2psi降下するとき、未使用の薬物リザーバの含有量の約5%、3%、または1%を上回るボーラスの送達を防止するように構成される、項目6-8のいずれか一項に記載のデバイス。 【0407】 10.自動停止/始動装置、温度誘発流制限器、耐咬合構造支持体、または圧力不変機械ポンプをさらに備える、項目6-9のいずれか一項に記載のデバイス。 11.患者の口内に着脱可能に挿入され、薬物を含む医薬品組成物の連続または半連続口腔内投与のために構成される、薬物送達デバイスであって、 (i) 該薬物送達デバイスを該患者の口の表面に着脱可能に固着するための締結具と、 (ii) 電気または機械ポンプと、 (iii) 経口液不浸透性薬物リザーバであって、その体積は、0.1mL?5mLである、薬物リザーバと、 【0408】 (iv) 温度誘発流制限器と、 を備える、デバイス。 【0409】 12.該温度誘発流制限器は、薬物リザーバおよび/またはポンプに近接する低熱伝導性の材料を伴う断熱材を備える、項目11に記載のデバイス。 【0410】 13.該ポンプは、エラストマーであって、該温度誘発流制限器は、天然ゴムまたは合成エラストマーから選択されるエラストマーを備える、項目11または12に記載のデバイス。 【0411】 14.該温度誘発流制限器は、経口温度が、1分の期間の間、37から55℃まで上昇されると、その未使用のリザーバ内の力が、30%、20%、または10%未満だけ増加する、エラストマーを備える、項目13に記載のデバイス。 【0412】 15.該ポンプは、ばねを備え、該温度誘発流制限器は、経口温度が、1分の期間の間、37から55℃まで上昇されると、未使用のリザーバ内に、30%、20%、または10%未満だけ増加する力を産生するように構成される、ばねを備える、項目11または12に記載のデバイス。 【0413】 16.該温度誘発流制限器は、300系ステンレス鋼、チタン、インコネル、および完全オーステナイトニチノールを含む、ばねを備える、項目15に記載のデバイス。 【0414】 17.該ポンプは、ガス駆動であって、該温度誘発流制限器は、37℃および13psiaにおいて、未使用のリザーバ内に充填された薬物リザーバの体積の40%、30%、20%、または10%未満の体積を有する、ガスを備える、項目11または12に記載のデバイス。 【0415】 18.該ポンプは、推進剤駆動であって、該温度誘発流制限器は、経口温度が、1分の期間の間、37から55℃まで上昇されると、約80%、60%、または40%未満だけ増加する圧力を有する、推進剤を備える、項目11または12に記載のデバイス。 【0416】 19.吸引誘発流制限器、自動停止/始動装置、耐咬合構造支持体、または圧力不変機械ポンプをさらに備える、項目11-19のいずれか一項に記載のデバイス。 20.患者の口内に着脱可能に挿入され、薬物を含む医薬品組成物の連続または半連続口腔内投与のために構成される、薬物送達デバイスであって、 (i) 該薬物送達デバイスを該患者の口の表面に着脱可能に固着するための締結具と、 (ii) 電気または機械ポンプと、 (iii) 経口液不浸透性薬物リザーバであって、その体積は、0.1mL?5mLである、薬物リザーバと、 【0417】 (iv) 耐咬合構造支持体と、 を備える、デバイス。 【0418】 21.該耐咬合構造支持体は、薬物リザーバ全体およびポンプ構成要素を封入する筐体、支柱、リブ、または注封材料から選択される、項目20に記載の薬物送達デバイス。 【0419】 22.吸引誘発流制限器、自動停止/始動装置、温度誘発流制限器、または圧力不変機械ポンプをさらに備える、項目20または21に記載のデバイス。 23.患者の口内に着脱可能に挿入され、薬物を含む医薬品組成物の連続または半連続口腔内投与のために構成される、薬物送達デバイスであって、 (i) 該薬物送達デバイスを該患者の口の表面に着脱可能に固着するための締結具と、 (ii) 圧力不変機械ポンプと、 【0420】 (iii) 経口液不浸透性薬物リザーバであって、その体積は、0.1mL?5mLである、薬物リザーバと、 を備える、デバイス。 【0421】 24.該圧力不変機械ポンプは、ばね、エラストマー、圧縮ガス、および推進剤から選択される、項目23に記載のデバイス。 【0422】 25.該圧力不変機械ポンプは、薬物送達デバイスの筐体内の1つまたはそれを上回るポートまたは開口部を介して、周囲大気と流体(ガスおよび/または液体)接触する、加圧表面を備える、項目24に記載のデバイス。 【0423】 26.該圧力不変機械ポンプは、約4atmを上回るまたはそれに等しい内圧を維持するように構成される、項目25に記載のデバイス。 【0424】 27.該圧力不変機械ポンプは、平均薬物送達速度が、13.0psiaにおける該平均送達速度と比較して、14.7psiaおよび11.3psiaにおいて約20%、10%、または5%未満だけ増減するように構成される、項目23-26のいずれか一項に記載のデバイス。 【0425】 28.吸引誘発流制限器、自動停止/始動装置、温度誘発流制限器、または耐咬合構造支持体をさらに備える、項目23-27のいずれか一項に記載のデバイス。 29.患者の口内に着脱可能に挿入され、薬物を含む医薬品組成物の連続または半連続口腔内投与のために構成される、薬物送達デバイスであって、 (i) 該薬物送達デバイスを該患者の口の表面に着脱可能に固着するための締結具と、 (ii) 機械ポンプと、 【0426】 (iii) 経口液不浸透性薬物リザーバであって、その体積は、0.1mL?5mLである、薬物リザーバと、 を備える、デバイス。 【0427】 30.該機械ポンプは、ばね、エラストマー、圧縮ガス、および推進剤から選択される、項目29に記載のデバイス。 【0428】 31.該経口液不浸透性リザーバは、金属リザーバ、プラスチックリザーバ、エラストマーリザーバ、金属障壁層、弁、スクイージー、バッフル、回転オーガ、回転ドラム、推進剤、空気圧ポンプ、ダイヤフラムポンプ、疎水性材料、および/または疎水性流体のうちの1つまたはそれを上回るものを備える、項目29に記載のデバイス。 【0429】 32.該デバイスは、未使用のリザーバ薬物を含む送達デバイスを患者の口内に挿入し、投与を開始してから4時間後、リザーバ内の薬物含有固体または薬物含有流体の重量比5%、3%、または1%未満が、経口液を含むように構成される、項目29に記載のデバイス。 【0430】 33.該経口液不浸透性薬物リザーバは、渦巻構成における流体チャネルを備える、項目29に記載のデバイス。 【0431】 34.吸引誘発流制限器、自動停止/始動装置、温度誘発流制限器、圧力不変機械ポンプ、または耐咬合構造支持体をさらに備える、項目29-33のいずれか一項に記載のデバイス。 【0432】 35.該ポンプは、電気ポンプである、項目1-22または29-34のいずれか一項に記載のデバイス。 【0433】 36.該電気ポンプは、圧電ポンプまたは電気浸透圧ポンプである、項目35に記載のデバイス。 【0434】 37.該圧電ポンプは、約20,000Hz未満の周波数で動作するように構成される、項目36に記載のデバイス。 【0435】 38.該電気ポンプは、モータを備える、項目35に記載のデバイス。 【0436】 39.該ポンプは、機械ポンプである、項目1-34のいずれか一項に記載のデバイス。 【0437】 40.該ポンプは、エラストマー薬物ポンプである、項目39に記載のデバイス。 【0438】 41.該エラストマー薬物ポンプは、エラストマーバルーン、エラストマーバンド、または圧縮エラストマーを備える、項目40に記載のデバイス。 【0439】 42.該ポンプは、ばね駆動ポンプである、項目39に記載のデバイス。 【0440】 43.該ばね駆動ポンプは、定荷重ばねを備える、項目42に記載のデバイス。 【0441】 44.該ばね駆動ポンプは、弛緩に応じて後退する、ばねを備える、項目42に記載のデバイス。 【0442】 45.該ポンプは、負圧ポンプである、項目39に記載のデバイス。 【0443】 46.該ポンプは、空気圧ポンプである、項目39に記載のデバイス。 【0444】 47.該ポンプは、ガス駆動ポンプである、項目39に記載のデバイス。 【0445】 48.第1のコンパートメント内のガスと、該第2のコンパートメント内の薬物とを備え、該ガスは、1atmを超える圧力を提供する、項目47に記載の薬物送達デバイス。 【0446】 49.該ガス駆動ポンプは、圧縮ガスカートリッジを備える、項目47または48に記載のデバイス。 【0447】 50.該ポンプは、ガスを備え、該ガスの体積は、該医薬品組成物の体積の35%未満である、項目49に記載のデバイス。 【0448】 51.該ポンプは、ガス生成器を備える、項目47または48に記載のデバイス。 【0449】 52.該ポンプは、推進剤駆動ポンプである、項目47または48に記載のデバイス。 【0450】 53.該ポンプは、流体推進剤を備え、該流体推進剤は、1atmで37℃未満の沸点を有する、項目52に記載のデバイス。 【0451】 54.該流体推進剤は、炭化水素、ハロカーボン、ハイドロフルオロアルカン、エステル、またはエーテルである、項目53に記載のデバイス。 【0452】 55.該流体推進剤は、1-フルオロブタン、2-フルオロブタン、1,2-ジフルオロエタン、メチルエチルエーテル、2-ブテン、ブタン、1-フルオロプロパン、1-ブテン、2-フルオロプロパン、1,1-ジフルオロエタン、シクロプロペン、プロパン、プロペン、またはジエチルエーテルである、項目53に記載のデバイス。 【0453】 56.該流体推進剤は、1,1,1,2テトラフルオロエタン、1,1,1,2,3,3,3ヘプタフルオロプロパン、1,1,1,3,3,3ヘクサフルオロプロパン、オクタフルオロシクロブタン、およびイソペンタンである、項目53に記載のデバイス。 【0454】 57.2つまたはそれを上回る薬物ポンプを備える、項目1-56のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。 【0455】 58.2つまたはそれを上回る薬物リザーバを備える、項目1-57のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。 【0456】 59.該経口液不浸透性リザーバは、酸素ガスに実質的に不浸透性である、項目1-58のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。 【0457】 60.該薬物リザーバは、医薬品組成物を含み、該医薬品組成物は、薬物リザーバおよびポンプの総体積の33%を上回る、項目1-59のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。 【0458】 61.該1つまたはそれを上回る薬物リザーバおよび該1つまたはそれを上回る薬物ポンプの総体積は、5mL、3mL、または2mL未満である、項目1-60のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。 【0459】 62.該表面は、患者の1本またはそれを上回る歯である、項目1-61のいずれか一項に記載のデバイス。 【0460】 63.該締結具は、バンド、ブラケット、クラスプ、スプリント、またはリテーナを備える、項目62に記載のデバイス。 【0461】 64.該締結具は、透明リテーナを備える、項目63に記載のデバイス。 【0462】 65.該締結具は、5本より少ない歯に取り付けられる部分的リテーナを備える、項目62に記載のデバイス。 【0463】 66.1つまたはそれを上回る薬物リザーバと、1つまたはそれを上回るポンプとを備え、該薬物リザーバまたは該ポンプは、頬前庭内に装着されるように構成される、項目1-65のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。 【0464】 67.1つまたはそれを上回る薬物リザーバと、1つまたはそれを上回るポンプとを備え、該薬物リザーバまたは該ポンプは、歯の舌側に装着されるように構成される、項目1-65のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。 【0465】 68.1つまたはそれを上回る薬物リザーバと、1つまたはそれを上回るポンプとを備え、該薬物リザーバまたは該ポンプは、同時に、頬前庭および歯の舌側に装着されるように構成される、項目1-65のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。 【0466】 69.1つまたはそれを上回る薬物リザーバと、1つまたはそれを上回るポンプとを備え、該薬物リザーバまたは該ポンプは、両側に構成される、項目1-65のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。 【0467】 70.1つまたはそれを上回る薬物リザーバと、1つまたはそれを上回るポンプとを備え、該薬物リザーバまたは該ポンプは、歯の舌側において、該患者の口の中に該医薬品組成物を投与するように構成される、項目1-65のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。 【0468】 71.該医薬品組成物を分注するために、該患者の歯の頬側から舌側までの流体チャネルを備える、項目70に記載の薬物送達デバイス。 【0469】 72.それを通して該医薬品組成物が該患者の口の中に投与される、該締結具内の流体チャネルを備える、項目1-65のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。 【0470】 73.該締結具と該1つまたはそれを上回る薬物リザーバの直接または間接流体接続のための漏出防止流体コネクタを備える、項目72に記載の薬物送達デバイス。 【0471】 74.該医薬品組成物の流動を制御するために、該締結具内の流動制限器を備える、項目72または73に記載の薬物送達デバイス。 【0472】 75.該締結具は、ポンプまたは電源を備える、項目1-74のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。 【0473】 76.薬物リザーバは、4cm、3cm、2cm、1cm、0.5cm、または0.2cm未満の長さの管、チャネル、またはオリフィスと流体連通し、医薬品組成物の剪断粘度は、約50、500、5,000、または50,000cPを上回り、デバイスは、管、チャネル、またはオリフィスを介して、該薬物を投与するように構成される、項目1-75のいずれか一項に記載のデバイス。 【0474】 77.管、チャネル、またはオリフィスは、約1mm、2mm、3mm、4mm、または5mmを上回る最小内径を有する、項目76に記載の薬物送達デバイス。 【0475】 78.該医薬品組成物の投与速度を設定する、流動制限器をさらに備える、項目1-76のいずれか一項に記載のデバイス。 【0476】 79.該流動制限器の長さは、該医薬品組成物の投与速度を設定する、項目78に記載のデバイス。 【0477】 80.該流動制限器は、フレア状である、項目78に記載のデバイス。 【0478】 81.該薬物送達デバイスは、37℃および13psiaの一定圧力において、約4時間?約168時間の期間にわたって、約0.015mL/時間?約1.25mL/時間の平均体積速度を送達するように構成され、該平均速度は、4時間またはそれを上回る期間にわたって、±20%または±10%/時間未満だけ変動する、項目1-80のいずれか一項に記載のデバイス。 【0479】 82.該薬物送達デバイスは、該デバイスが、37℃におけるpH7の生理学的生理食塩水溶液中に5分間浸漬された同じ薬物送達デバイスと比較して、(a)pH約2.5、(b)pH約9.0、(c)重量比5%のオリーブ油、および(d)重量比5%のエタノールの条件のうちの任意の1つを含む、約37℃における撹拌された生理学的生理食塩水溶液中に5分間浸漬された後、該薬物の該平均送達速度が、±20%または±10%/時間未満だけ増減するように、該経口流体と親和性のある経口流体接触表面を備える、項目81に記載の薬物送達デバイス。 【0480】 83.該薬物送達デバイスは、37℃および13psiaの一定圧力において、約4時間?約168時間の期間にわたって、約0.015mL/時間?約1.25mL/時間の平均体積速度を送達するように構成され、該体積は、該患者の口の中への該デバイスの最初の挿入後、約60、30、または10分未満のうちに該平均速度で投与される、項目1-80のいずれか一項に記載のデバイス。 【0481】 84.該体積は、該患者の口の中への該デバイスの最初の挿入後、約10分未満のうちに該平均速度で投与される、項目83に記載のデバイス。 【0482】 85.薬物リザーバは、37℃において、該薬物の固体粒子、約2Mを上回る該薬物の濃度、および約1,000cPを上回る粘度を含む、懸濁液を備える、項目1-84のいずれか一項に記載のデバイス。 【0483】 86.懸濁液流増進要素をさらに備える、項目85に記載の薬物送達デバイス。 【0484】 87.該懸濁液流増進要素は、ピークのための平均粒径の比率が3:1?7:1の範囲内にある、多峰性粒子サイズ分布を伴う薬物、0.64?0.70の範囲内の充塞密度を伴う薬物、潤滑剤、滑剤、付着防止剤、または湿潤剤、および粒子の流動を増進させるための流体チャネルの表面特性の修飾から選択される、項目86に記載の薬物送達デバイス。 【0485】 88.該懸濁液流増進要素は、フレア状オリフィス、管、または流動制限器を備える、項目86に記載の薬物送達デバイス。 【0486】 89.該懸濁液流増進要素は、最大有効粒子サイズの少なくとも10倍上回る最小内径のオリフィス、管、または流動制限器を備える、項目86に記載の薬物送達デバイス。 【0487】 90.該懸濁液流増進要素は、10バール未満の圧力で該懸濁液を圧送するステップを含む、項目86に記載の薬物送達デバイス。 【0488】 91.該粘度は、約10,000cPを上回る、項目85-90のいずれか一項に記載のデバイス。 【0489】 92.該懸濁液は、油を含む、流体担体を含む、項目85-91のいずれか一項に記載のデバイス。 【0490】 93.薬物リザーバは、医薬品組成物を含み、該医薬品組成物は、固体薬物を含む、項目1-84のいずれか一項に記載のデバイス。 【0491】 94.該薬物リザーバは、丸剤、錠剤、小丸薬、カプセル、粒子、微粒子、細粒、または粉末を備える、項目93に記載のデバイス。 【0492】 95.該薬物リザーバは、押出成形および球形化された粒子、または噴霧乾燥、ワースターコーティング、もしくは造粒および粉砕によって、生成される粒子を備える、項目94に記載の薬物送達デバイス。 【0493】 96.該固体はさらに、崩壊剤を含む、項目93-95のいずれか一項に記載のデバイス。 【0494】 97.該医薬品組成物は、50%?100%(w/w)薬物を含む、項目93-96のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。 【0495】 98.該薬物リザーバは、流体を備えない、項目93-97のいずれか一項に記載のデバイス。 【0496】 99.該薬物リザーバは、固体薬物医薬品組成物と、水性または非水性液体とを備える、項目93-97のいずれか一項に記載のデバイス。 【0497】 100.該液体は、非水性液体、油、または食用油である、項目99に記載のデバイス。 【0498】 101.該非水性液体は、潤滑剤である、項目100に記載のデバイス。 【0499】 102.該非水性食用液体は、薬物リザーバ内の固体薬物と唾液の接触を実質的に減少させる、項目100に記載のデバイス。 【0500】 103.薬物リザーバは、薬物を含む、流体を含む、項目1-84のいずれか一項に記載のデバイス。 【0501】 104.該流体の剪断粘度は、37℃において10?50,000cPである、項目103に記載のデバイス。 【0502】 105.該流体の剪断粘度は、37℃において10?1,000cPである、項目104に記載のデバイス。 【0503】 106.該流体の剪断粘度は、37℃において約1,000?10,000cPである、項目104に記載のデバイス。 【0504】 107.該流体の剪断粘度は、37℃において約10,000?50,000cPである、項目104に記載のデバイス。 【0505】 108.薬物または複数の薬物の該流体体積分率は、0.2、0.4、0.6、または0.8を上回る、項目103-107のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。 【0506】 109.該流体は、水溶液を含む、項目103-108のいずれか一項に記載のデバイス。 【0507】 110.該流体は、非水溶液を含む、項目103-108のいずれか一項に記載のデバイス。 【0508】 111.該流体は、該薬物の超飽和溶液を含む、項目103-108のいずれか一項に記載のデバイス。 【0509】 112.該流体は、乳剤を含む、項目103-108のいずれか一項に記載のデバイス。 【0510】 113.該流体は、該薬物を含む、リポソームを含む、項目103-108のいずれか一項に記載のデバイス。 【0511】 114.該流体は、懸濁液を含む、項目103-108のいずれか一項に記載のデバイス。 【0512】 115.該流体は、水性ニュートン性懸濁液、水性ずり減粘懸濁液、または水性ずり粘稠懸濁液を含む、項目114に記載のデバイス。 【0513】 116.該流体は、低分子量PEG、プロピレングリコール、グリセリン、または非消化性油中の非水性懸濁液を含む、項目114に記載のデバイス。 【0514】 117.該流体は、食用油中の非水性懸濁液を含む、項目114に記載のデバイス。 【0515】 118.該流体は、ナノ懸濁液を含む、項目114に記載のデバイス。 【0516】 119.該流体は、感温懸濁液を含む、項目114に記載のデバイス。 【0517】 120.該流体は、カカオバター、バター、低溶融範囲食用油、低溶融範囲非消化性油、またはPEG混成物中の懸濁液を含む、項目119に記載のデバイス。 【0518】 121.該流体は、37±2℃において流動し、5℃、25℃、または33℃において固体または半固体である、項目103-108のいずれか一項に記載のデバイス。 【0519】 122.該流体は、レボドパまたはレボドパプロドラッグを含む、項目121に記載のデバイス。 【0520】 123.該薬物リザーバは、薬物を含む、医薬品組成物を含む、項目1-121のいずれか一項に記載のデバイス。 【0521】 124.該医薬品組成物は、オキスカルバゼピン、トピラマート、ラモトリジン、ガバペンチン、カルバマゼピン、バルプロ酸、レベチラセタム、プレガバリン、シクロスポリン、タクロリムス、オキスカルバゼピン、カペシタビン、5-フルオロウラシルプロドラッグ、ブピバカイン、フェンタニル、キニジン、プラゾシン、ザレプロン、バクロフェン、ACE阻害剤、ARB遮断薬、ベータラクタム、またはセファロスポリンを含む、項目123に記載のデバイス。 【0522】 125.該医薬品組成物は、ドーパミンアゴニスト、カルビドパ、カルビドパプロドラッグ、ベンセラジド、COMT阻害剤、MAO-B阻害剤、またはA2受容体アンタゴニストを含む、項目123に記載のデバイス。 【0523】 126.該医薬品組成物は、レボドパまたはレボドパプロドラッグを含む、項目123に記載のデバイス。 【0524】 127.該薬物リザーバは、1ミリモルを上回るレボドパまたはその薬学的に容認可能な塩またはそのプロドラッグを含む、項目126に記載のデバイス。 【0525】 128.該薬物リザーバは、レボドパまたはその薬学的に容認可能な塩を含む、項目126に記載のデバイス。 【0526】 129.該薬物リザーバは、レボドパプロドラッグを含む、項目126に記載のデバイス。 【0527】 130.該薬物リザーバはさらに、カルビドパ、カルビドパプロドラッグ、またはベンセラジドを含む、項目126?129のいずれか一項に記載のデバイス。 【0528】 131.該薬物リザーバは、0.10ミリモルを上回るカルビドパ、カルビドパプロドラッグ、またはベンセラジドを含む、項目130に記載のデバイス。 【0529】 132.該薬物リザーバはさらに、COMT阻害剤を含む、項目126-131のいずれか一項に記載のデバイス。 【0530】 133.該薬物リザーバはさらに、胃不全麻痺を治療するための薬物を含む、項目126-132のいずれか一項に記載のデバイス。 【0531】 134.該胃不全麻痺を治療するための薬物は、ドンペリドン、ニザチジン、モサプリド、およびシサプリドから成る群から選択される、項目133に記載のデバイス。 【0532】 135.該薬物リザーバはさらに、MAO-B阻害剤を含む、項目126-134のいずれか一項に記載のデバイス。 【0533】 136.該薬物リザーバはさらに、アデノシンA2受容体アンタゴニストを含む、項目126-135のいずれか一項に記載のデバイス。 【0534】 137.該薬物リザーバは、薬物粒子の懸濁液を含み、該デバイスは、該医薬品組成物を分注するための流体チャネルまたはオリフィスを備え、粒子サイズ分布の全最大値における薬物粒径は、該流体チャネルまたはオリフィスの最狭内径の1/5より小さいまたは1/10より小さい、項目1-136のいずれか一項に記載のデバイス。 【0535】 138.該懸濁液は、非水性分散媒を含む、項目137に記載のデバイス。 【0536】 139.該薬物リザーバは、500mgを上回るレボドパ/mL、または500mgを上回るレボドパおよびカルビドパ/mL、または600mgを上回るレボドパ/mL、または600mgを上回るレボドパおよびカルビドパ/mLの油中懸濁液を含む、項目1-92のいずれか一項に記載のデバイス。 【0537】 140.700mgを上回るレボドパ/mL、または700mgを上回るレボドパおよびカルビドパ/mLを含む、項目139に記載のデバイス。 【0538】 141.800mgを上回るレボドパ/mL、または800mgを上回るレボドパおよびカルビドパ/mLを含む、項目140に記載のデバイス。 【0539】 142.該懸濁液は、37℃において、少なくとも16時間の間、0.02?0.25mL/時間の平均速度で流動するとき、該油中に実質的に均一な固体薬物濃度を維持する、項目138-141のいずれか一項に記載のデバイス。 【0540】 143.薬物粒子の懸濁液中の固体の体積分率は、0.65を上回る、項目137-142のいずれか一項に記載のデバイス。 【0541】 144.該懸濁液は、非水性分散媒を含む、項目143に記載のデバイス。 【0542】 145.連続または頻回断続口腔内送達に好適な薬物を含む、懸濁液を含む、医薬品組成物であって、該懸濁液は、37℃において、該薬物の固体粒子、約2Mを上回る該薬物の濃度、および約100ポアズを上回る粘度を含み、該懸濁液は、6ヶ月またはそれを上回る間、沈殿した固体薬物がないままである、医薬品組成物。 【0543】 146.5マイクロメートルより小さく、かつ0.5マイクロメートルより大きい最大径を有する、固体薬物粒子の重量分率は、50%を上回る、項目145に記載の医薬品組成物。 【0544】 147.固体薬物粒子最大径は、二峰性または多峰性で分布される、項目145または146に記載の医薬品組成物。 【0545】 148.液体担体をさらに含む、項目145-147のいずれか一項に記載の医薬品組成物。 【0546】 149.該液体担体は、水性担体である、項目148に記載の医薬品組成物。 【0547】 150.該水性担体の密度は、1.2gcm^(-3)を上回る、項目149に記載の医薬品組成物。 【0548】 151.該液体担体は、非水性担体である、項目148に記載の医薬品組成物。 【0549】 152.該粒子は、オキスカルバゼピン、トピラマート、ラモトリジン、ガバペンチン、カルバマゼピン、バルプロ酸、レベチラセタム、プレガバリン、シクロスポリン、タクロリムス、オキスカルバゼピン、カペシタビン、5-フルオロウラシルプロドラッグ、ブピバカイン、フェンタニル、キニジン、プラゾシン、ザレプロン、バクロフェン、ACE阻害剤、ARB遮断薬、ベータラクタム、またはセファロスポリンを含む、項目145-151のいずれか一項に記載の医薬品組成物。 【0550】 153.該粒子は、ドーパミンアゴニスト、カルビドパ、カルビドパプロドラッグ、ベンセラジド、COMT阻害剤、MAO-B阻害剤、またはA2受容体アンタゴニストを含む、項目145-151のいずれか一項に記載の医薬品組成物。 【0551】 154.該粒子は、レボドパまたはその薬学的に容認可能な塩またはそのプロドラッグを含む、項目145-151のいずれか一項に記載の医薬品組成物。 【0552】 155.50mg/mL?500mg/mLの濃度において、流体中にカルビドパの懸濁液を含む、安定した不溶解性医薬品組成物であって、ヒドラジンの濃度は、3ヶ月の期間の間、25℃で貯蔵後、1ppm未満である、医薬品組成物。 【0553】 156.(a)50mg/mL?500mg/mLの濃度における流体中のカルビドパの懸濁液と、(b)3ヶ月の期間の間、25℃で貯蔵後、500mgのCDあたり約4mg未満のヒドラジンとを含む、安定した不溶解性医薬品組成物。 【0554】 157.該流体は、低分子量PEG、プロピレングリコール、グリセリン、または非消化性油を含む、項目155または156に記載の医薬品組成物。 【0555】 158.該流体は、食用油を含む、項目155または156に記載の医薬品組成物。 【0556】 159.レボドパまたはレボドパプロドラッグをさらに含む、項目155-158のいずれか一項に記載の医薬品組成物。 【0557】 160.500mgを上回るレボドパ/mL、または500mgを上回るレボドパおよびカルビドパ/mLの油中懸濁液を含む、連続または半連続口腔内投与のための医薬品組成物。 【0558】 161.600mgを上回るレボドパ/mL、または600mgを上回るレボドパおよびカルビドパ/mLを含む、項目160に記載の医薬品組成物。 【0559】 162.700mgを上回るレボドパ/mL、または700mgを上回るレボドパおよびカルビドパ/mLを含む、項目161に記載の医薬品組成物。 【0560】 163.800mgを上回るレボドパ/mL、または800mgを上回るレボドパおよびカルビドパ/mLを含む、項目162に記載の医薬品組成物。 【0561】 164.該懸濁液は、37℃において、少なくとも16時間の間、0.02?0.25mL/時間または約0.1mL/時間の平均速度で流動するとき、該油中で実質的に均一な固体薬物濃度を維持する、項目160-163のいずれか一項に記載の医薬品組成物。 【0562】 165.薬物粒子の懸濁液を含み、固体の体積分率は、0.65を上回る、連続または半連続口腔内投与のための医薬品組成物。 【0563】 166.該懸濁液は、非水性分散媒を含む、項目165に記載の医薬品組成物。 【0564】 167.該分散媒は、油を含む、項目166に記載の医薬品組成物。 【0565】 168.該懸濁液は、二峰性または多峰性で分布される薬物粒子サイズを含む、項目160-167のいずれか一項に記載の医薬品組成物。 【0566】 169.(a)より大きい薬物粒子の重量ベースの量は、粒子サイズ分布が二峰性であるとき、より小さい薬物粒子のものと等しいまたはそれを超え、(b)最大薬物粒子の重量ベースの量は、粒子サイズ分布が多峰性であるとき、最小薬物粒子のものと等しいまたはそれを超える、項目168に記載の医薬品組成物。 【0567】 170.大薬物粒子:小薬物粒子重量比率は、1.2?1.8である、項目169に記載の医薬品組成物。 【0568】 171.該医薬品組成物はさらに、潤滑剤を含む、項目160-170のいずれか一項に記載の医薬品組成物。 【0569】 172.該医薬品組成物は、感温懸濁液を含む、項目160-171のいずれか一項に記載の医薬品組成物。 【0570】 173.該医薬品組成物は、0.125mL/時間の速度で口の中に継続的に注入されるとき、実質的に味がない、項目160-172のいずれか一項に記載の医薬品組成物。 【0571】 174.該懸濁液は、約25℃で少なくとも6ヶ月間貯蔵されるとき、懸濁流体中に実質的に均一な固体薬物濃度を維持する、項目160-173のいずれか一項に記載の医薬品組成物。 【0572】 175.該医薬品組成物は、50ポアズ?500ポアズの剪断粘度を有する、項目174に記載の医薬品組成物。 【0573】 176.該懸濁液は、(i)約25℃で少なくとも6ヶ月間貯蔵されるとき、懸濁流体中に非均一固体薬物濃度を維持し、続いて、(ii)該医薬品組成物が、約60秒の期間の間、手で振盪されると、実質的に均一な固体薬物濃度が、達成される、項目160-175のいずれか一項に記載の医薬品組成物。 【0574】 177.該医薬品組成物は、0.1ポアズ?50ポアズの粘度を有する、項目176に記載の医薬品組成物。 【0575】 178.油担体中の懸濁液を含む、連続または半連続口腔内投与のための医薬品組成物であって、固体薬物粒子の濃度の総和は、3Mを上回り、その薬物濃度の均一性は、0.02mL/時間?0.25mL/時間の流速で、8時間またはそれを上回る間、流動するとき、約+/-10%以内に維持される、医薬品組成物。 【0576】 179.レボドパまたはレボドパプロドラッグの感温懸濁液を含む、医薬品組成物。 【0577】 180.該レボドパまたはレボドパプロドラッグの濃度は、500mg/mLまたはそれを上回る、項目179に記載の医薬品組成物。 【0578】 181.カカオバターを含む、項目179に記載の医薬品組成物。 【0579】 182.該医薬品組成物は、5℃、25℃、または33℃で固体または半固体である、項目179-181のいずれか一項に記載の医薬品組成物。 【0580】 183.該デバイスは、項目145-182のいずれか一項に記載の医薬品組成物を含む、項目1-122のいずれか一項に記載のデバイス。 【0581】 184.(i)項目1-122のいずれか一項に記載のデバイスであって、薬物リザーバを備える、デバイスと、(ii)薬物を備えるカートリッジと、(iii)該薬物リザーバを該薬物で装填するための説明書とを備える、キット。 【0582】 185.(i)薬物リザーバと、(ii)項目145-182のいずれか一項に記載の薬物を備える、カートリッジと、(iii)該薬物リザーバを該薬物で装填するための説明書とを備える、キット。 【0583】 186.(i)薬物リザーバおよび締結具を備える、項目1-122のいずれか一項に記載のデバイスと、(ii)該リザーバを該締結具に接続するための説明書とを備える、キット。 【0584】 187.医薬品組成物を患者に投与する方法であって、項目1-144のいずれか一項に記載のデバイスを該患者の口腔内表面に着脱可能に取り付けるステップを含む、方法。 【0585】 188.該デバイスを該口腔内表面から取り外すステップをさらに含む、項目187に記載の方法。 【0586】 190.約4時間を下回らず、かつ約7日を上回らない送達期間の間、該薬物を該患者に投与するステップを含む、項目187または188に記載の方法。 【0587】 191.該デバイスは、ある体積の薬物を含む、薬物リザーバを備え、該方法は、送達期間の間、15マイクロリットル/時間?約1.25mL/時間の範囲内の速度における経口投与を含む 、項目189に記載の方法。 【0588】 192.該薬物の変動指数は、送達期間の間、2.0、1.5、1.0、0.75、0.50、0.25、または0.15未満またはそれに等しい、項目186に記載の方法。 【0589】 193.該方法は、約0.015mL/時間?約0.25mL/時間の範囲内の速度における経口投与を含む、項目191または192に記載の方法。 194.該方法は、約0.25mL/時間?約0.5mL/時間の範囲内の速度における経口投与を含む、項目191または192に記載の方法。 195.該方法は、約0.5mL/時間?約0.75mL/時間の範囲内の速度における経口投与を含む、項目191または192に記載の方法。 196.該方法は、約0.75mL/時間?約1.0mL/時間の範囲内の速度における経口投与を含む、項目191または192に記載の方法。 【0590】 197.該方法は、約1.0mL/時間?約1.25mL/時間の範囲内の速度における経口投与を含む、項目191または192に記載の方法。 【0591】 198.該デバイスは、薬物を含む医薬品組成物を含む、薬物リザーバを備え、薬物は、0.01mg/時間を上回らず、かつ125mg/時間を上回らない平均速度において、該患者に投与される、項目187-197のいずれか一項に記載の方法。 【0592】 199.該薬物は、0.01?1mg/時間の範囲内の毎時速度において、該患者に投与される、項目198に記載の方法。 【0593】 200.該薬物は、1?10mg/時間の範囲内の毎時速度において、該患者に投与される、項目199に記載の方法。 【0594】 201.該薬物は、10?100mg/時間の範囲内の毎時速度において、該患者に投与される、項目193に記載の方法。 【0595】 202.該薬物は、100mg/時間を上回る毎時速度において、該患者に投与される、項目198に記載の方法。 【0596】 203.該医薬品組成物は、60分毎に少なくとも1回、該患者に投与される、項目187-202のいずれか一項に記載の方法。 【0597】 204.該医薬品組成物は、30分毎に少なくとも1回、該患者に投与される、項目203に記載の方法。 【0598】 205.該医薬品組成物は、15分毎に少なくとも1回、該患者に投与される、項目204に記載の方法。 【0599】 206.該医薬品組成物は、該患者に継続的に投与される、項目187-202のいずれか一項に記載の方法。 【0600】 207.該送達期間は、8時間、16時間、24時間、またはそれを上回る時間である、項目191-206のいずれか一項に記載の方法。 【0601】 208.該デバイスは、薬物を含む流体医薬品組成物を含む、薬物リザーバを備え、該流体医薬品組成物は、37±2℃で流動し、5℃、25℃、または33℃で固体または半固体であって、本方法はさらに、薬物リザーバの温度を低下させることによって、流体医薬品組成物の流動を停止させるステップを含む、項目187-207のいずれか一項に記載の方法。 【0602】 209.温度を低下させるステップは、薬物リザーバの温度を周囲温度まで低下させるステップを含む、項目208に記載の方法。 【0603】 210.温度を低下させるステップは、薬物リザーバを水中に浸漬させるステップを含む、項目208に記載の方法。 【0604】 211.該患者における疾患を治療するステップをさらに含み、該疾患は、麻痺、細菌性感染症、癌、疼痛、臓器移植、睡眠障害、癲癇および発作、不安症、気分障害、外傷後ストレス障害、癌、不整脈、高血圧症、心不全、痙縮、および糖尿病性腎障害から選択される、項目187-208のいずれか一項に記載の方法。 【0605】 212.パーキンソン病を治療するステップをさらに含み、薬物は、レボドパまたはレボドパプロドラッグである、項目187-208のいずれか一項に記載の方法。 213.患者におけるパーキンソン病を治療するための方法であって、 (a)項目1-122のいずれか一項に記載の薬物送達デバイスを該患者の口の中に挿入するステップであって、該デバイスは、レボドパまたはレボドパプロドラッグ薬物リザーバを含む、ステップと、 (b)1,200ng/mLを上回り、かつ2,500ng/mL未満の循環血漿中LD濃度が、該投与中の少なくとも8時間の期間の間、継続的に維持されるように、少なくとも8時間の期間の間、10?125mg/時間の範囲内の毎時速度において、該患者の口の中に該レボドパまたはレボドパプロドラッグを投与するステップと、 【0606】 (c)該薬物送達デバイスを口から除去するステップと、 を含む、方法。 214.患者におけるパーキンソン病を治療するための方法であって、 (a)項目126-144のいずれか一項に記載の医薬品組成物を含む、薬物送達デバイスを該患者の口の中に挿入するステップと、 (b)1,200ng/mLを上回り、かつ2,500ng/mL未満の循環血漿中LD濃度が、該投与中の少なくとも8時間の期間の間、継続的に維持されるように、少なくとも8時間の期間の間、10?125mg/時間の範囲内の毎時速度において、該患者の口の中に該レボドパまたはレボドパプロドラッグを投与するステップと、 【0607】 (c)該薬物送達デバイスを口から除去するステップと、 を含む、方法。 【0608】 215.LDの変動指数は、該投与中、少なくとも8時間の期間の間、2.0、1.5、1.0、0.75、0.50、0.25、または0.15未満またはそれに等しい、項目213または214に記載の方法。 【0609】 216.該投与中、少なくとも1時間の期間の間、循環LD血漿中濃度は、その平均値から+/-20%または+/-10%未満だけ変動する、項目212-215のいずれか一項に記載の方法。 【0610】 217.患者におけるパーキンソン病を治療するための方法であって、約4時間?約168時間の期間の間、10?125mg/時間の速度における、項目126-144のいずれか一項に記載の医薬品組成物の該患者の中への連続または半連続投与を含む、方法。 【0611】 218.該疾患は、パーキンソン病の運動または非運動合併症である、項目212-217のいずれか一項に記載の方法。 【0612】 219.該運動または非運動合併症は、振戦、無動、寡動、運動機能異常、筋緊張異常、認知障害、または睡眠障害を含む、項目218に記載の方法。 【0613】 以下の実施例は、当業者に、本明細書に請求される方法および組成物が、行われる、作製される、および評価される方法の完全な開示および説明を提供するように記載され、本発明の単なる例示であることが意図され、発明者らがその発明であると見なす範囲を限定することを意図するものではない。 (実施例) 【実施例1】 【0614】 実施例1.口内への連続または半連続注入のための濃縮された(0.80g/mL、4.0M)LD食用(キャノーラ)油系懸濁液およびその連続圧送 【0615】 懸濁液が、25分間、7.0gキャノーラ油および13.1g Ajinomoto(非粉砕)LDの混合物を乳鉢内で摩砕することによって、作製された。摩砕が進むにつれて、懸濁液は、徐々に軟化し、次いで、流体となり、ゆっくりと傾注されることができた。約25℃において、蜂蜜と同程度に傾注が容易であった、または若干それより傾注が容易であった。キャノーラ油の密度は、0.92g/mLであって、LDの密度は、約1.5g/mLであるため、予期される体積は、7.6+8.7=16.3mLであって、計算される密度は、1.23g/mLである。14.03gの軟質懸濁液は、目盛り付きCaneCronoPARポンプリザーバに移送された。CronoPARポンプのリザーバの断面積は、約4.5cm^(2)である。体積は、計算されたものに近い、1.22g/mLの密度と一貫した11.5mLであった。口内では、懸濁液は、無味かつ油性であって、その固体粒が、舌によって感じられた。懸濁液中のLD(16.3mL中13.1gLD)の濃度は、804mg/mLまたは4.08Mである。 【0616】 懸濁液は、次いで、4.5cm^(2)断面積のリザーバにおいて、流速/cm^(2)が約0.22mL/時間であるように、流速1mL/時間で、0.24cm内径の50cm長管類を通して、Cane CronoPARポンプを使用して継続的に圧送された。(口内において、リザーバの断面積が、約0.5cm^(2)であるであろう場合、本流速/cm^(2)は、約0.11mL/時間の流動を提供するであろう)。リザーバ内の10.5mL初期懸濁液体積の約7.5mLが圧送された後、すなわち、約7.5時間後、ポンプは、閉塞した。閉塞は、固体固形物残留物は存在しなかったため、濾過によって生じたものでは認められなかった。これは、明らかに、実験に先立って硬質ゴムであったピストンのゴムの油軟化によって生じたものであった。油軟化ゴムピストンは、ポンプの鋼鉄プランジャによって圧接された場所で突出しており、突出部が、リザーバの出口孔を遮断していた。 【0617】 実験は、油系の濃縮された(0.80g/mL、4.0M)懸濁液が、圧送されることができ、油系懸濁液中では、ポンプ駆動懸濁液分離が、実施例6の水性懸濁液をはるかに下回ることを示す。実験はまた、ネオプレンから作製されたプランジャまたはピストン等、非水性(例えば、油系)製剤と親和性のある(例えば、寸法上安定した、非軟化、非浸出性、非抽出可能である)、ポンプ材料の必要性を示す。 【実施例2】 【0618】 実施例2.口内への注入のための濃縮された食用(オリーブ)油系0.86g/mL4.4MLD懸濁液 【0619】 4gの非粉砕Ajinomoto LDが、2mLのオリーブ油に添加され、混合物が、均質となるまで、乳鉢内で摩砕された。結果として生じる懸濁液である、潤滑粉末は、滴下した(すなわち、重力によって流動した)が、非常にゆっくりであった。LDの密度は、チロシンの報告された密度に類似する、約1.5g/mLであって、オリーブ油の報告された密度が約0.92g/mLであると仮定すると、体積は、4.04mLであって、LD濃度は、857mg/mLまたは約4.35Mである。 【実施例3】 【0620】 実施例3.口内への注入のための鉱油系0.92g/mL、4.7M潤滑粒子懸濁液 【0621】 4.66gの潤滑性鉱油およびAjinomoto製12.32gのLDが、10分間、乳鉢内で摩砕された。圧送され得る、潤滑され、塑性的に変形が容易な懸濁液が、形成された。鉱油の密度は、約0.9g/mLであって、LDの密度は、約1.5g/mLであるため、計算される体積は、13.4mLであって、懸濁液は、約0.92gLD/mLを含有する、すなわち、LD濃度は、約4.7Mである。 【実施例4】 【0622】 実施例4.口内への注入に先立って、振盪によって再懸濁され得る、LDの0.62g/mL、3.1M鉱油系懸濁液 【0623】 実施例3の懸濁液に、5.89g鉱油が、合計10.55gに対して添加された。10分を上回る乳鉢内での摩砕は、粘度約100cPの流体懸濁液をもたらした。これは、Cane CronoParポンプリザーバとともにパッケージ化された14G(14ゲージ)38mm長シリンジを用いて注入されることができた。気泡が、急速に、上部へ上昇した。パラフィン油の密度は、約0.9g/mLであって、LDの密度は、約1.5g/mLであるため、計算される体積は、11.7mL+8.2mL=19.9mLであって、計算される密度は、1.15g/mLである。推定されるLDの濃度は、約0.62g/mLまたは約3.1Mである。12時間後、沈降(上部の半透明液体)が、観察された。懸濁液は、振盪によって容易に再均質化された。 【実施例5】 【0624】 実施例5.口内への注入のためのポリソルベート60が添加されたLDの流体0.87g/mL、4.4M水性懸濁液 【0625】 11.9g LD(Ajinomoto)が、8g水および0.31gのポリソルベート60とともに乳鉢内で摩砕された。混合物の見掛け粘度は、水のものを上回ったが、エチレングリコールのものを下回った。6時間にわたって、1時間あたり約10分間の摩砕に続いて、初期8gの水のうち2.6gが、蒸発し、5.4gの水を含む懸濁液を残し、その粘度は、エチレングリコールのものに類似した。懸濁液は、Cane CronoPARポンプリザーバとともにパッケージ化された14G38mm長針を用いて容易に注入された。LDの密度が、1.5g/mLであると仮定し、かつポリソルベート60の密度が、1.044g/mLであることが既知であることから、懸濁液の計算される体積は、7.9+0.3+5.4=13.6mLであって、LDの濃度は、873mg/mLまたは4.43Mである。計算される重量(2.6mLの水の蒸発後)は、11.9+0.31+5.4=17.6gであって、計算される密度は、1.29g/mLである。Cane CronoPARポンプの目盛り付きリザーバに移送された13.37gの懸濁液の体積は、密度1.27g/mLに対応する10.5mLであった。半透明水性上層が、リザーバが1時間垂直に立てられた後に観察された。 【実施例6】 【0626】 実施例6.口内への注入のためのポリソルベート60が添加されたLDの粘性0.76g/mL、3.9M水性懸濁液およびその連続圧送 【0627】 13.6g LD(Ajinomoto)が、4.1gの水および0.7gのポリソルベート60とともに乳鉢内で摩砕された。15分の摩砕後、懸濁液は、軟質、粘性、かつ均質となった。これは、自由に流動せず、捕捉された気泡は、軟懸濁液中で可視的に移動性では認められなかったが、撹拌が容易であった、すなわち、圧力下、流動した。混合物の見掛け流動度は、室温における蜂蜜のものを下回り、約500ポアズと推定される容器内で販売されるマスタード調製物のものに類似した。その味は、若干、苦みがあった。Cane CronoPARポンプリザーバ内で垂直に立ててから12時間後、視覚的に観察可能な沈降または非均質性は認められなかった。 【0628】 LDの密度が1.5g/mLであると仮定し、ポリソルベート60の密度が、1.044g/mLであることが既知であることから、懸濁液の計算される体積は、9.07+0.7+4.1=13.9mLであって、捕捉される空気の不在下、LDの濃度は、0.978g/mLまたは4.97Mとなるであろう。懸濁液の実際の重量は、17.8gであって、可能性として、水蒸発のため、予期される18.4gを0.6g下回った。懸濁液の予期される密度は、水が蒸発しない場合、17.8/13.9=1.28g/mLであって、蒸発する場合、17.8/13.3=1.34g/mLとなるであろう。14.9gの懸濁液が、Cane CronoPARポンプの目盛り付きリザーバに移送された。その予期される体積は、14.9/1.34=11.1mLであったが、実際には、観察された体積は、13.5mLであって、すなわち、密度は、わずか1.10g/mLであって、体積の約22%が空気であることを示した。懸濁液中に捕捉された空気に対して調節される、計算される濃度は、0.978×0.78=0.76g/mLまたは3.9Mであった。 【0629】 約25℃で3日間の貯蔵後、可視沈降も、捕捉された可視気泡上昇も認められなかった。 【0630】 懸濁液が、流速1mL/時間で、0.24cm内径の50cm長管類を通して、Cane CronoPARポンプを用いて、約5時間の間、継続的に圧送されたとき、すなわち、約5mLが圧送され、約8mLが残された後、ポンプは、閉塞を信号伝達した。Cane CronoPARポンプのリザーバの断面積は、流速/cm^(2)が約0.22mL/時間となるように、約4.5cm^(2)であった。(口内において、リザーバの断面積が、約0.5cm^(2)であろう場合、本流速/cm^(2)は、約0.11mL/時間の流動を提供するであろう)。閉塞は、管が、20cm、次いで、10cm、次いで、2.5cmまで短縮され、次いで、完全に除去されても持続した。リザーバが、開放されたとき、小固体片に容易に破壊された、固体固形物を含有しており、明らかに、圧送圧力および流動下の沈降および濾過を示した。 【0631】 実験は、ポリソルベート60とともに作製されたLDの水性0.76g/mL、3.9M懸濁液が、圧送されることができることを示した。しかしながら、圧送される懸濁液は、均一ではない。すなわち、リザーバ中の懸濁液は、圧送される間、沈降し、溶出物は、懸濁液より水中に豊富であって、最終的には、固体固形物が残される。実験1の圧送される油系の同様に濃縮された(0.8g/mL、4M)懸濁液と比較すると、水系懸濁液は、あまり均一ではなく、より大きなポンプ駆動懸濁液分離を被る。 【実施例7】 【0632】 実施例7.LDEE.HClの水性酸性2M溶液 【0633】 調製物は、窒素下で搬送される。口の中への注入のための溶液は、温度が30℃を超えないように、冷却しながら、1モルのガス状HClを500mL絶対エタノール中に溶解することによって、調製されることができる。エタノール中のHCl溶液に、0.5モルLDが、少しずつ、冷却および高速撹拌しながら、添加され、温度は、添加の間、0℃?10℃に維持される。過剰エタノールおよびHClは、50±5℃の真空下で圧力20?50mmHgにおいて、蒸留によって取り除かれる。200mLのエタノールが、残留物を溶解するために添加され、50±5℃の真空下で圧力20?50mmHgにおいて、蒸留によって取り除かれる。蒸留は、残留物の重量がほぼ一定になるまで、継続した。残留LDEE.HClの体積は、約90mLである。2M LDEE.HCl溶液を調製するために、クエン酸三ナトリウムの160mLの水性66.6mM溶液が、pHおよび温度が監視されながら、氷浴中で撹拌および深冷させて、ゆっくりと添加される。添加の間、温度は、0℃?10℃に保たれ、pHは、pH4を下回って保たれた。pHは、次いで、6M NaOHまたは6MHClの液滴を用いてpH2.5?3.0まで調節され、溶液は、窒素雰囲気下、5±3℃で冷蔵貯蔵される。1日1gLDモル等量を要求する患者のために意図されるリザーバは、2.5mL不溶解性2M LDEE.HClを含有し、総注入および非注入流体体積は、3mL未満となるであろう。 【実施例8】 【0634】 実施例8.エタノール中の酸性1.5M LDEE.HCl溶液 【0635】 調製物は、窒素下で搬送される。口の中への注入のための溶液は、温度が30℃を超えないように、冷却しながら、1.5モルのガス状HClを500mL絶対エタノール中に溶解することによって、調製されることができる。エタノール中のHCl溶液に、0.75モルのLDが、少しずつ、冷却および高速撹拌しながら、添加され、温度は、添加の間、0℃?10℃に維持される。過剰エタノールおよびHClは、50±5℃の真空下で50mmHg未満の圧力において、蒸留によって取り除かれる。200mLのエタノールが、残留物を溶解するために添加され、再び、50±5℃の真空下で50mmHg未満の圧力において、蒸留によって取り除かれ、ステップは、繰り返され、蒸留は、ここで、残留物の重量がほぼ一定になるまで継続される。残留LDEE.HClの体積は、約135mLである。1.5M LDEE.HCl溶液を調製するために、365mLの絶対エタノールが、温度が10℃?25℃に保たれながら、撹拌して添加される。溶液は、窒素雰囲気下、周囲温度で貯蔵される。1日1gLDモル等量を要求する患者のために意図されるリザーバは、3.33mL不溶解性1.5M LDEE.HClを含有し、総注入および非注入流体体積は、4mL未満となるであろう。 【実施例9】 【0636】 実施例9.アスコルビン酸を伴う1:1(v:v)プロピレングリコール:水中の酸性1.5M LDEE.HCl溶液 【0637】 調製物は、窒素下で搬送される。口の中への注入のための溶液は、温度が30℃を超えないように、冷却しながら、1.5モルのガス状HClを500mL絶対エタノール中に溶解することによって、調製されることができる。エタノール中のHCl溶液に、0.75モルのLDが、少しずつ、冷却および高速撹拌しながら、添加され、温度は、添加の間、0℃?10℃に維持される。過剰エタノールおよびHClは、50±5℃の真空下で圧力20?50mmHgにおいて、蒸留によって取り除かれる。200mLのエタノールが、残留物を溶解するために添加され、再び、50±5℃の真空下で圧力20?50mmHgにおいて、蒸留によって取り除かれ、ステップは、繰り返され、蒸留は、ここで、残留物の重量がほぼ一定になるまで継続される。残留LDEE.HClの体積は、約100mLである。プロピレングリコール:水1:1体積:体積比率中1.5M LDEE.HCl溶液を調製するために、20gのアスコルビン酸を含有する182mLの水が、温度が10℃?25℃に保たれながら、撹拌して添加され、次いで、183mLのプロピレングリコールが、添加され、pHが、6M NaOHまたは6M HClの液滴を用いて、3.0±0.6に調節される。溶液は、窒素雰囲気下、周囲温度で貯蔵される。1日1gLDモル等量を要求する患者のために意図されるリザーバは、約3.33mL注入1.5M LDEE.HClを含有し、総注入および非注入流体体積は、4mL未満となるであろう。 【実施例10】 【0638】 実施例10.酸性水性2M LDME.HCl溶液 【0639】 合成物は、窒素下で搬送される。口の中への注入のための溶液は、温度が30℃を超えないように、冷却しながら、1モルのガス状HClを500mLメタノール中に溶解することによって、調製されることができる。メタノール中のHCl溶液に、0.5モルのLDが、少しずつ、冷却および高速撹拌しながら、添加され、温度は、添加の間、0℃?10℃に維持される。過剰メタノールおよびHClは、45±5℃の真空下で圧力20?50mmHgにおいて、蒸留によって取り除かれる。200mLのエタノールが、残留物を溶解するために添加され、50±5℃の真空下で圧力20?50mmHgにおいて、蒸留によって取り除かれ、ステップは、繰り返される。約2M LDME.HCl溶液を調製するために、クエン酸三ナトリウムの150mLの水性66.6mM溶液が、pHおよび温度が監視されながら、氷浴中で撹拌および深冷してゆっくりと添加される。添加の間、温度は、0℃?10℃に保たれ、pHは、pH4を下回って保たれた。pHは、次いで、6M NaOHまたは6M HClの液滴を用いて、pH2.5?3.0に調節され、溶液は、窒素雰囲気下、5±3℃で冷蔵貯蔵される。1日1gLDモル等量を要求する患者のために意図されるリザーバは、2.5mL不溶解性2M LDEE.HClを含有し、総注入および非注入流体体積3mL未満となるであろう。 【実施例11】 【0640】 実施例11.0.25Mベンセラジド.HClを伴う1.5M LDEE.HClの水性酸性溶液 【0641】 窒素下で、実施例7の250mL体積の2M溶液が、25gのベンセラジド.HClを含有する83mLの水溶液で希釈され、pHが、6M NaOHまたは6M HClの液滴を用いて、3.0±0.6に調節される。溶液は、窒素下において5±3℃で冷蔵貯蔵される。1日1gLDモル等量および0.25gベンセラジド.HClを要求する患者のために意図されるリザーバは、約4mLの溶液を含有し、そのうち3.33mLが、送達されるであろう。 【実施例12】 【0642】 実施例12.キサンタンガムで安定化された懸濁CDを伴う水性酸性2M LDEE.HCl溶液 【0643】 CD粒子の平均径および中央径は両方とも、約5μmまたはそれ未満である。実施例7のLDEE.HClの約250mL体積の2M溶液に、12.5gのCDが、窒素下で添加され、次いで、キサンタンガムが、窒素下で1重量%に添加され、混合物は、均質懸濁液を形成するように、窒素下でボールミル粉砕された。懸濁液は、窒素下において5±3℃で冷蔵貯蔵される。1日1gLDモル等量および0.25gCDを要求する患者のために意図されるリザーバは、約3mLの懸濁液を含有し、そのうち、2.5mLが送達されるであろう。沈殿する場合、粒子を再懸濁させるために、使用前に振盪されるであろう。 【実施例13】 【0644】 実施例13.ポリエチレングリコールで安定化された懸濁CDを伴う水性酸性2M LDME.HCl溶液 【0645】 CD粒子の平均径および中央径は両方とも、約5μmまたはそれ未満である。実施例10のLDME.HClの約250mL体積の2M溶液に、12.5gのCDが、窒素下で添加され、次いで、キサンタンガムが、窒素下で1重量%に添加され、均質懸濁液を形成するように、混合物は、窒素下でボールミル粉砕される。懸濁液は、窒素下において5±3℃で冷蔵貯蔵される。1日1gLDモル等量および0.25gCDを要求する患者のために意図されるリザーバは、約3mLの懸濁液を含有し、そのうち、2.5mLが送達されるであろう。 【実施例14】 【0646】 実施例14.口の中への注入のためのCDを伴うLDの懸濁液 【0647】 LDおよびCD粒子の平均径および中央径は両方とも、約1μm?5μmである。100mLの水に、50gのLD、12.5gのCD、2.5gのポリエチレングリコール3350(平均分子量3350)および25gのカルボキシメチルセルロース(平均分子量250,000)、ならびに1gのポリオキシエチレン(20)オレイルエーテルが、窒素下で添加され、混合物は、均質懸濁液を形成するように、窒素下でボールミル粉砕される。懸濁液は、窒素下において5±3℃で冷蔵貯蔵される。1日1gLDおよび0.25gCDを要求する患者のために意図されるリザーバは、約4mLの懸濁液を含有し、そのうち、3.33mLが送達されるであろう。 【実施例15】 【0648】 実施例15.口の中への注入のためのCDを伴うLDの懸濁液 【0649】 粒子の平均径は、約1μm?5μmである。50mLの水に、50gのLD、12.5gのCD、および2重量%までのキサンタンガムが、窒素下で添加され、混合物は、均質懸濁液を形成するように、乳鉢内で摩砕される。懸濁液は、窒素下において、5±3℃で冷蔵貯蔵される。1日1gLDおよび0.25gCDを要求する患者のために意図されるリザーバは、約2.5mLの懸濁液を含有し、そのうち、2.2mLが送達されるであろう。 【実施例16】 【0650】 実施例16.水性ザレプロン溶液 【0651】 ザレプロン(3g)が、メチル-β-シクロデキストリン(Wacker Chemie製Cavasol^((R)) W7 M PH(Burghausen,Germany)) の2リットルの飽和水溶液中に溶解される。典型的用量10mgが、6.7mLの溶液を注入することによって、約7.5mL溶液含有リザーバから口の中に注入される。 【実施例17】 【0652】 実施例17.1:1シネメット25/250:プロピレングリコール懸濁液の調製および圧送 【0653】 合計4.5gの10個のシネメット25/250CD/LD丸剤が、大型の磁器乳鉢および乳棒を使用して摩砕された。粉末は、めのう乳鉢の中に移送され、4.5gプロピレングリコールが、添加され、懸濁液は、摩砕された。懸濁液は、等量1:1重量比率水性懸濁液より均質であって、より流体であった。懸濁液は、へらを用いて、Cane CronoPARポンプリザーバに移送され、30cm長2.7mmID管類を通して、正常に、流速5mL/時間で圧送された。 【実施例18】 【0654】 実施例18.濃縮された水性CD/LD懸濁液の調製 めのう乳鉢および乳棒を使用して摩砕された0.256gCD(OChemカタログ番号821C497、ロット番号90630A1)および0.988gLD(JSTARからのAjinomoto Lot R059K008)に、次いで、1.25g水が添加され、再び、10分間、めのう乳鉢内で摩砕された。白色懸濁液が、産生され、流体は、ガラスピペット(約1mmID先端および使い捨てゴム吸引器)を用いてピペット操作のために十分であった。1.8gをバイアルに移送し、沈降を観察した。4時間後、事実上粒子がないが、若干のみ、光散乱する、水層が、認められ、沈降を示した。 【実施例19】 【0655】 実施例19.濃縮されたプロピレングリコールCD/LD懸濁液の調製 0.267g CD(OChemカタログ番号821C497、ロット番号90630A1)および1.000g LD(JSTARからのAjinomoto Lot R059K008)が、めのう乳鉢内に置かれ、乳棒を使用して摩砕され、次いで、1.25gプロピレングリコール>99.5%(Sigma Aldrich W294004-1kg-K Lot MKBP3539V)が、添加された。これらは、10分間、乳棒を使用して、めのう乳鉢内で摩砕された。白色懸濁液が、産生され、実施例17の水性懸濁液より粘性であったが、依然として、ガラスピペット(約1mmID先端および使い捨てゴム吸引器)を用いた低速ピペット操作のために十分な流体であった。懸濁液は、実施例17の水性懸濁液より均質に見える。移送された1.5gをバイアルに移送し、沈降を観察した。4時間後、容易に可視である沈降の指標はなく、懸濁液は、均一のままであるように見えた。 【実施例20】 【0656】 実施例20.625mg/mLLD懸濁液の調製 【0657】 2.50gの約3.5μm平均粒子サイズLDが、3.08gの65重量%水性スクロース溶液と混合された。結果として生じる44.8重量%LD懸濁液の密度は、約1.4g/mLであった。625mgLD/mLを含有する粘性懸濁液は、軟質であって、撹拌が容易であったが、重力によって非常にゆっくりと流動し、ほぼ無流動であった。 【実施例21】 【0658】 実施例21.574mg/mLLD懸濁液の調製 【0659】 2gの約3.5μm平均粒子サイズLDが、2.15gの水と混合され、均質になるまで混合された。3週間後、可視沈降または低光散乱上層の形成は認められなかった。軟質ゲル状懸濁液は、574mg LD/mLを含有していた。 【実施例22】 【0660】 実施例22.水性ブピバカイン.HCl溶液 【0661】 リザーバは、5mg/mLブピバカイン.HClおよび80mg/mLグルコースの6mLの溶液を含有する。 【実施例23】 【0662】 実施例23.5mL薬物溶液の口の中への送達のための薬物送達デバイスのためのエラストマーリザーバ。 【0663】 卵形形状、4cm長、3.5cm幅の2つの1mm厚のエラストマーブチルゴムシートが、1mm長針を有するシリンジを用いて薬物溶液の注射を可能にするように、その縁で継合される。シートの一方は、それを通して薬物が放出されるプラグ付きオリフィスを有し、オリフィスの直径は、所望の流速のために調整された。6mLの薬物溶液が、1mm長針を用いて注入され、エラストマーリザーバを約5.5mm?約7.5mm厚だけ拡張させる。口内への挿入に先立って、プラグは、オリフィスから除去される。薬物溶液が充填されたポンプは、口内において頬に近位に挿入される。 【実施例24】 【0664】 実施例24.LDEEの半連続口腔内注入 【0665】 52歳の健康な対象の口の中に、5.5mLの水性0.5M、pH3.5 LDEE溶液中545mg LDに等しい、約620mg LDEEを含有する溶液が注入された。注入は、歯肉と頬との間の下側左顎の頬嚢の中に行われた。ポンプは、9時間10分の総期間にわたって、8時間の間、薬物を注入した。 【0666】 溶液は、Cane CronoPARポンプを使用して注入された。60cm長さで8mm針のNeria(製品番号78-060-2738)注入セットが、接着剤および針を除去するためのその遠位端断裁器と併用される。管の遠位端は、口に固着され認められなかったが、最小限の移動を伴っても、定位置のままであった。薬物注入は、連続であったが、70分の期間の間の昼食中は、停止された。説明書によると、Cane CronoPARポンプは、22μLのボーラスで薬物を注入する。ボーラス頻度は、2分毎に約1ボーラスであった。ロドシン錠剤(25mgカルビドパ)は、総用量50mgカルビドパに対して、注入期間の間2回経口服用された。 【0667】 注入の間、口内に炎症または不快感は認められなかった。注入開始約6時間において、対象が歯肉退縮を有する下側左顎における1本の歯の歯肉線に、過敏症が認められた。本歯の歯肉線において暴露された歯表面は、長年にわたって、時々、典型的には、硬質の歯ブラシを用いた過剰な歯磨きによって刺激されたとき、過敏症を経験していた。過敏症は、歯磨きおよび低温液体に対して疼痛を生じさせる。過敏症は、減少したが、注入から12時間後、8:00にも依然として存在していた。 【0668】 注入から24時間後、左頬嚢の底部に、約0.5インチ長および0.2インチ幅の可視の壊死した灰色の剥離皮膚の面積が認められた。剥離皮膚は、周辺粘膜より桃色である真下の組織を露出させた。舌で触ると、周囲面積内の組織は、右頬嚢における対応する組織より粗面質感を有していた。 【0669】 注入から48時間後、頬嚢は、治癒した。新しく暴露された組織は、白色の約0.2インチ長および0.1インチ幅であった。注入から60時間後、白色ゾーンは、約0.1インチに収縮した。歯の過敏症は、はるかに減少されたが、依然として、存在していた。注入から3日後、白色ゾーンは、依然として可視であったが、歯の過敏症は、消失した。注入から4日後、白色ゾーンは、もはや可視ではなく、組織は、正常に見えた。 LDEE溶液の味は、最初は、若干甘くかつ苦みがあるが、対象を悩ませるものではなかった。 【0670】 注入は、対象の唾液分泌、その結果、嚥下を刺激した。対象は、2回の5分間の期間にわたって、嚥下の回数を記録した。彼は、これらの2回の5分間の期間の間、10回および11回嚥下しており、これは、1分あたり2.1回の嚥下平均速度に等しい。対照的に、対象が薬物を注入していないときの2回の別の5分間の期間では、6回および5回嚥下しており、これは、1分あたり1.1回の嚥下平均速度に等しい。 【実施例25】 【0671】 実施例25.アスコルベートを伴うLDEEの半連続口腔内注入 【0672】 概要:81歳の健康な対象の口の中に、636mgLD等量に加え、117mgのアスコルビン酸ナトリウムが、水性0.47M LDEE溶液として注入された。注入された体積は、6.87mLであって、流速は、0.83mL/時間であった。溶液は、下側右顎の頬嚢、すなわち、歯肉と頬との間に注入された。議論および食事のための3回の40?50分長の中断があり、その間、圧送が停止されたため、送達は、11時間かかり、実際の注入は、8.28時間であって、中断は、2.72時間であった。注入終了時、症状、すなわち、歯痛、歯肉または頬における疼痛、および近位薬物暴露粘膜の剥離のいずれも認められなかった。注入された溶液は、レモンのような酸っぱく炎症のある味を伴う爽やかな甘味であって、苦みはなかった。味は、11時間の実験を通して変化しなかった。 【0673】 溶液は、Cane CronoPARポンプを使用して注入された。110cm長さで6mm針のNeria(製品番号79-110-2936)注入セットが、接着剤および針を除去するためのその遠位端断裁器と併用された。 【0674】 118mgの結晶性アスコルビン酸ナトリウム(分子量198(Sigmaカタログ番号A7631))が、薬物リザーバ内に置かれた。これは、添加された7mLの0.47M LDEE中に事実上瞬時に溶解された。3.0?5.5範囲のpHdyrion紙で測定されたpHは、3.8±0.2であって、Baker-pHIX pH3.6?6.1紙で測定されたpHは、4.0±0.3であった。最良推定値は、pH3.8±0.2であった。 【0675】 注入の終了時、症状、すなわち、歯痛、歯肉または頬における疼痛、および近位薬物暴露粘膜の剥離はいずれも認められなかった。 【実施例26】 【0676】 実施例26.LDME/CDの半連続口腔内注入 【0677】 同一の52歳の健康な対象の口の中に、水性の6を上回る開始pHの約111mg/mL、SirioブランドLDME/CD(Chiesi Farmaceutici S.p.A.(Parma, Italy))懸濁液の4.3mL中約475mgLD等量のLDMEおよび115mgのCDが注入された。注入は、歯肉と頬との間の下側右顎の頬嚢の中に行われた。ポンプは、7時間30分の総期間にわたって、5時間45分間、薬物を注入した。終了pHは、約5.5であった。 【0678】 LDME/CD懸濁液は、Sirio(25/100CD/LD)分散可能錠剤を乳鉢および乳棒を使用して圧砕し、等重量の水を添加し、流体がCO_(2)の発生を停止するまで、乳鉢および乳棒を使用して、懸濁液を摩砕し続けることによって、調製された。 【0679】 溶液は、Cane CronoPARポンプを使用して注入された。152cm長、約7mL死容積、および約2.5mm内径のCodan US Corporation(カタログ#BC575)注入セットが、長さを40cmに減少させるためのその遠位端断裁器と併用された。管の遠位端は、口内に固着されなかったが、最小限の移動を伴っても、定位置のままであった。ポンプ送達は、昼食のために、時間45分の昼食の間、停止された。説明書によると、Cane CronoPARポンプは、22μLのボーラスにおいて薬物を注入する。ボーラス頻度は、ストップウォッチによる計時に基づいて、1分47秒であった。 【0680】 注入は、下側右顎の1本の歯における潜在的過敏症の感覚と、右頬の何らかの潜在的炎症のため、7時間30分の期間にわたって、5時間45分の注入後、早期に終了された。注入から3.5時間後、下側右顎における歯の歯肉線における歯磨きならびに高温および低温水に対する軽度の過敏症が認められた。注入から14時間後、軽度の過敏症の大部分が、解消され、口は、事実上、正常であった。注入から24および48時間後、全て、正常であった。 【0681】 LDME懸濁液の味は、若干の酸味と甘味があった。対象に容認可能であることが認められた。 【実施例27】 【0682】 実施例27.LD/CDの半連続口腔内注入 【0683】 同一の52歳の健康な対象の口の中に、未知のpHの3.0mLの1.2MLD水性懸濁液中約0.69gLDおよび0.07gカルビドパが注入された。注入は、歯肉と頬との間の下側右顎の頬嚢の中に行われた。ポンプは、9時間5分の総期間にわたって、8時間10分間、薬物を注入した。 【0684】 注入の間、口内に炎症または不快感は認められなかった。注入の終了時、口内に炎症または不快感の感覚および粘膜の炎症の可視兆候は認められなかった。注入から24、48、および72時間後、全て、正常であった。 【0685】 溶液は、Cane CronoPARポンプを使用して注入された。最初に、対象は、接着剤および針を除去し、管類長を40cmに短縮させるためのその遠位端断裁器を伴う、110cm長で6mm針長のNeria(製品番号78-110-2936)注入セットを通して、流体の注入を試みた。しかしながら、Cane CronoPARポンプは、管類に呼び水を差すことが不可能であった。流体は、全く管類に流入しなかった。対象は、次いで、長さを30cmに短縮させるためのその遠位端断裁器を伴う、152cm長さ、約7mL死容積、および約2.5mm内径のCodan US Corporation(カタログ#BC575)注入セットを代用した。Cane CronoPARポンプは、管類に呼び水を差し、懸濁液を注入することが可能であった。 【0686】 説明書によると、Cane CronoPARポンプは、22μLのボーラスにおいて薬物を注入する。ボーラス頻度は、ストップウォッチを用いた計時に基づいて、3分37秒であった。ポンプ送達は、昼食のために55分間、停止された。 【0687】 注入の間、口内に炎症または不快感は認められなかった。注入の終了時、口内に炎症または不快感の感覚および粘膜の炎症の可視兆候は認められなかった。注入から24、48および72時間後、全て、正常であった。 【0688】 LD/CD懸濁液は、完全に無味であって、対象にとって容認可能であった。LD/CD注入は、唾液分泌および嚥下を刺激しなかった。2回の5分間の期間の間、対象は、注入の間の嚥下の回数を記録した。彼は、これらの2回の5分間の期間のそれぞれの間、6回嚥下しており、これは、1分あたり1.2回の嚥下平均速度に等しい。これは、薬物を注入していないときに観察された以前に測定された1分あたり1.1回の速度と一貫しており、LDEEを注入しているときに観察された対象の1分あたり2.1回の嚥下速度の半分である。 【実施例28】 【0689】 実施例28.3.4μm平均径L-DOPA粒子および65重量%水性スクロースから形成される非沈降長保存期間懸濁液 【0690】 ジェットミル粉砕L-DOPA粒子。GlenMills Inc.(220 Delawanna Avenue Clifton, NJ 07014)から借用した実験用ジェットミル粉砕機を使用して、LD(Ajinomoto North America Inc.(4020 Ajinomoto Drive, Raleigh, NC, 27610))が、ジェットミル粉砕された。粉砕圧力は、供給ラインで105psi、摩砕ラインで100psi、給送押出ラインで80psiであった。給送速度は、約1.5(ダイヤル)または約5g/20分であった。ジェット粉砕は、図29Aおよび29Bに見られるように、粒子の平均サイズを52μmから3.4μmに減少させた(微粒子を除く)。 【0691】 スクロースの65重量%溶液が、若干加熱しながら、65gの糖類を35gの水中に溶解することによって、調製された。クリア溶液は、室温約23±2℃まで冷却された。3.42gのジェットミル粉砕されたLDが、小型のプラスチックカップ内で計量された。カップに、3.44gの65重量%スクロースが、添加され、ミル粉砕されたLDおよびスクロース溶液が、均質の粘性歯磨き粉状1:1w/w比率懸濁液が得られるまで、5分間、へらで混合された。3gの懸濁液が、2mLのキャップ付きプラスチック製透明小型試験管に移送され、縁まで充填され、懸濁液の密度が、約1.5g/mLであることが示された。(小型試験管に同様に縁まで充填された水は、約2.0gであって、試験管の体積が、約2.0mLであって、それを充填する3gの懸濁液の密度が、約1.5g/mLであることが示された)。2mL体積の懸濁液は、約1.5gのLD、すなわち、0.75gLD/mLまたは3.8ミリモルLD/mLを含有していた。懸濁液はまた、約0.34gスクロース/mLを含有していた。48時間または70日後、可視変化、すなわち、沈降は認められなかった。 【0692】 第2の実験では、プラスチック計量カップ内に残っていた1.5gの1:1重量比LD:65重量%スクロース懸濁液に、付加的1.5gの65重量%スクロース溶液が、添加され、5分間、へらで混合された。蜂蜜状粘度を有する、約2mLの結果として生じる懸濁液が、2mL小型試験管に移送された。懸濁液は、粘性であるが、依然として、傾注されることができた。懸濁液は、約0.75gのLD、すなわち、0.375gLD/mLまたは1.9ミリモルLD/mLを含有していた。推定されるスクロース濃度は、約0.8g/mLであった。48時間または70日後、可視変化、すなわち、沈降は認められなかったが、軟質懸濁液は、もはや傾注されることができなかった。本懸濁液は、0.75LDg/mLおよび0.34gスクロース/mLを含有する懸濁液よりはるかに軟質であって、その結果、圧送がはるかに容易であることが予期される。 【実施例29】 【0693】 実施例29.グラビア印刷プラスチックリボンを使用した口の中への半連続投与のための固体LD/CDの組成物 【0694】 ドクターブレードに好適な懸濁液が、20±10μM平均粒子サイズLD(100g)、20±10μM平均粒子サイズCD(25g)、および2重量%水性澱粉溶液(100g)から作製されることができる。図30に図示されるように、ペースト89が、薬物含有印刷島が、正方形特徴91の2次元の規則正しいパターンを形成し、各特徴が、面積3.3mm長さ×3.3mm幅×1.0mm高さとなるように、カルシウム架橋結合アルギン酸90のシート上にグラビア印刷することによって適用されることができる。特徴間の中心と中心の間隔は、0.5cmとなるであろう。乾燥後、各特徴91は、約10mgのLDおよび2.5mgCDを含有するであろう。シートは、リボンが4cm/時間の速度で送達されるとき、患者が10mgLD用量/7.5分または1.28gLD/16覚醒時間を受容するであろうように、0.5cm幅リボンに切断され、リボンの各cmは、20mgLDおよび5mgCDを含有するであろう。 【実施例30】 【0695】 実施例30.プラスチックリボンに糊着された錠剤 シネメット(R)25/100におけるものに類似する組成物の、それぞれ20mgLD および5mgCDを含有する、64個の錠剤が、16覚醒時間の間、15分毎に、錠剤を1日1.28gLDを要求するPD患者の口内に投与するために、Ca2+架橋結合アルギン酸塩の33cm長および0.5cm幅リボン(錠剤間に0.5cm中心間距離を伴う)に糊着されることができる。 【実施例31】 【0696】 実施例31.口内で崩壊する薬物装填リボン LDおよびCD粒子を含有するシートが、巻装され、リボンが崩壊し、そのLDおよびCD粒子を放出するであろう口の中に継続的に給送されるであろうようなリボンに注型およびスライスされ得る。注型された混合物は、アルギン酸カルシウムと混合された、平均および中央径1μm?20μmのLDおよびCD粒子を含有するであろう。随意に、注型されたシートはまた、Ca^(2+)濃度が低い唾液による湿潤に応じて、アルギン酸塩の架橋結合Ca^(2+)イオンが、Na+交換され、ポリマーが、膨隆し、ヒドロゲルを形成し、そこで、酸および炭酸塩の反応が、CO_(2)を産生し、崩壊を加速させるガスを発生させるであろうように、アルギン酸カルシウム封入クエン酸粒子およびアルギン酸カルシウム封入重炭酸ナトリウム粒子を含有し得る。 【実施例32】 【0697】 実施例32.水性ニュートン性懸濁液 ほぼニュートン性の懸濁液は、流体の粘度が剪断によって実質的に影響されない、薬物粒子の流体懸濁液である。LDおよびCDの水性ニュートン性懸濁液が、薬物粉末と、水、ナトリウムカルボキシメチルセルロース(NaCMC)等の低分子量親水性ポリマー懸濁剤、およびポリソルベート80(P80)等の界面活性剤を組み合わせることによって、生成されることができる。広範囲の成分濃度が、使用され得るが、一実施例は、約50%LD、約12.5%CD、約2%NaCMC、および約0.2%P80を含有し得る。製剤中で使用され得る、他の親水性ポリマーとして、ヒドロキシプロピルセルロース(HPC)、ヒドロキシプロピルメチルセルロース(HPMC)、ヒドロキシエチルセルロース(HEC)、ポリビニルピロリドン(PVP)、ポリビニルアルコール(PVA)、およびセルロース、澱粉、他の炭水化物、キチン等の他の中性、負電荷、または正電荷誘導体、ならびに短鎖アルコール、カルボン酸、アミン、または他の化合物の中性または荷電ポリマーが挙げられる。製剤中で使用され得る他の界面活性剤として、種々のポリソルベート、ラウリル硫酸ナトリウムおよび他の荷電脂肪酸誘導体、脂肪酸、ブロックコポリマー等が挙げられる。懸濁液は、他の賦形剤を含み、流動能力、香味、および外観を向上させてもよい。 【実施例33】 【0698】 実施例33.水性ずり減粘(擬塑性)懸濁液 ずり減粘懸濁液は、流体の粘度が剪断力の増加に伴って減少する、薬物粒子の流体懸濁液である。そのような懸濁液は、典型的には、ゼラチン、カルボマー、およびセクション2.1に列挙されるポリマーの高分子量の変種等の比較的に高分子量の親水性ポリマーとともに製剤化される。水性ずり減粘懸濁液の実施例は、約30%LD、7.5%CD、0.5%カーボポール934P、および0.2%ポリソルベート80を含有し得る。 【実施例34】 【0699】 実施例34.水性ずり粘稠(膨張性)懸濁液 いくつかの超高濃度懸濁液は、粒子間の潤滑性液体からの圧搾に起因する剪断の増加に伴って、濃密化される。そのような懸濁液は、デバイスが外れ、患者がそれを咬合しようとする場合等、あまりに多くの剪断力がそこに印加される場合、懸濁液の流動が中断されるであろうという点において、潜在的に有利であり得る。そのような製剤の実施例は、水中の濃密懸濁液として、約60%LD、15%CD、および0.2%ポリソルベート80を含有するものであり得る。 【実施例35】 【0700】 実施例35.低分子量PEG中の懸濁液 ポリエチレングリコール(PEG)は、種々の平均分子量範囲において利用可能であって、約1000を下回る分子量を伴うものは、室温で液体である。液体PEG懸濁液の実施例は、PEG-300中に懸濁された約40%LDおよび10%CDであろう。PEG-400およびPEG-600等の他の容易に利用可能なPEGグレードもまた、使用され得る。 【実施例36】 【0701】 実施例36.プロピレングリコール中の懸濁液 懸濁液が、約50gのプロピレングリコールを約40gのLD粉末および約10gのCD粉末に添加することによって、調製され得る。成分は、濃密懸濁液を形成するために、へらまたは他の混合器具を使用して混成される。 【実施例37】 【0702】 実施例37.グリセリン中の懸濁液 懸濁液が、60gのグリセリンを32gのLD粉末および8gのCD粉末に添加することによって、調製され得る。成分は、濃密懸濁液を形成するために、へらまたは他の混合器具を使用して混成される。 【実施例38】 【0703】 実施例38.食用油中の懸濁液 低親水性/親油性平衡(HLB)界面活性剤の有無にかかわらず、大豆油、ごま油、オリーブ油、コーン油、中鎖トリグリセリド(MCT)油等の種々の液体トリグリセリドが、LDおよびCD粉末の懸濁液を形成するために使用されることができる。例えば、懸濁液は、49.5gのMCT油および0.5gのソルビタンモノオレエートを組み合わせ、混合し、均一に分散させることによって、調製され得る。液体は、次いで、40gのLD粉末および10gのCD粉末に添加され、撹拌器具または高剪断ミキサを使用して混成され、均一懸濁液を形成し得る。 【実施例39】 【0704】 実施例39.非消化性油中の懸濁液 低粘度グレードの鉱油等の非消化性油もまた、セクション3.4に説明されるものと同様に、懸濁流体として使用され得る。非消化性とは、そのような油が毒性であることを暗示するものではない。すなわち、消化性ではなく、食料として吸収されるにすぎない。例えば、鉱油は、便秘薬として、はるかに高用量で使用される。 【実施例40】 【0705】 実施例40.水性ナノ懸濁液 水性ナノ懸濁液は、32%LD、8%CD、およびポリソルベート80等の約2%の界面活性剤を含有し得る。ナノ懸濁液は、原料を組み合わせ、懸濁液を形成し、次いで、マイクロフルイダイザー、媒体粉砕機、または他の高エネルギー粒子サイズ減少デバイスを通して懸濁液を通過させることによって、調製されるであろう。種々の他の界面活性剤も、潜在的に、他のポリソルベート、ソルビタンエステル、ポリエチレングリコール脂肪酸エステル、他のエーテル、または親水性ポリマー、レシチン等を伴うアルカンおよびアルケンのエステルを含む、製剤中で使用され得る。 【実施例41】 【0706】 実施例41.非水性ナノ懸濁液 非水性ナノ懸濁液は、低HLB界面活性剤の有無にかかわらず、最大32%LDおよび最大8%CDと、低粘度トリグリセリド油を組み合わせることによって、調製され得る。結果として生じる懸濁液は、次いで、マイクロフルイダイザー、媒体粉砕機、または薬物粒子のサイズをサブミクロン範囲に減少させるための他のデバイスを通して通過させることによって処理されるであろう。 【実施例42】 【0707】 実施例42.カカオバター中の感温懸濁液 カカオバターは、ココア豆から抽出される食用油である。油は、室温で固体であるが、体温で液体となるような約34℃?36.5℃の典型的溶融範囲を有する。懸濁液は、40gのLDおよび10gのCD中に約50gのカカオバターを約40℃で溶融させ、次いで、撹拌させることによって、調製されることができる。懸濁液は、次いで、デバイスまたは容器の中に入れられることができ、冷却に応じて、固化するであろう。 【実施例43】 【0708】 実施例43.バター中の感温懸濁液 懸濁液は、40gのLDおよび10gのCD中に約40℃でバター(冷蔵されているとき、固体のままであって、約32℃?約35℃で溶融する、油中水乳剤)を溶融させ、次いで、撹拌することによって、調製されることができる。懸濁液は、次いで、薬物リザーバの中に置かれることができ、冷蔵庫内に入れることによって、固化するであろう。 【実施例44】 【0709】 実施例44.低溶融範囲食用油中の感温懸濁液 成分脂肪酸鎖の鎖長および飽和度の2つの要因が、トリグリセリド油の溶融範囲に影響を及ぼす。ココナッツおよびパーム油等の飽和中鎖長油ならびに飽和および不飽和脂肪酸鎖の混合物を含有する長鎖長油は、室温または若干それを下回って固体であるが、体温では液体であることができる。トリステアリン等の飽和油もまた、標的溶融範囲を得るために、異なる比率において、オリーブ油または大豆油等の不飽和油と組み合わせられることができる。カカオバターと同様に、そのような低溶融範囲油または油の混合物は、貯蔵の間は固体であるが、いったん患者の口の中に挿入されると、流体になる、LDおよびCDの懸濁液を製剤化するために使用されることができる。 【0710】 実施例として、懸濁液は、溶融するまで、約20グラムのトリステアリンを加熱し、次いで、約30グラムの精製されたオリーブ油を混合することによって、調製され得る。混合された油は、次いで、40gのLDおよび10gのCDと混合され、低温で固体であるが、体温で流体になる、濃密懸濁液を形成し得る。 【実施例45】 【0711】 実施例45.低溶融範囲非消化性油中の感温懸濁液 鉱油およびパラフィンワックスは、正しい比率で組み合わせられ、室温で固体または半固体であるが、体温では液体である、材料を形成することができる。そのような混合物は、感温懸濁液の基礎としての役割を果たし得る。ワセリンは、室温で半固体であるが、約体温で溶融する、高および低溶融炭化水素の周知の混合物である。非消化性とは、そのような油が毒性であることを暗示するものではない。すなわち、消化性ではなく、食料として吸収されるにすぎない。 【0712】 懸濁液は、50グラムの白色ワセリンを40℃まで加温し、次いで、40グラムのLDおよび10グラムのCD中で混合することによって、調製されることができる。 【実施例46】 【0713】 実施例46.PEG1000/PEG600混成物中の感温懸濁液 PEGの溶融範囲は、分子量の増加に伴って増加する。PEG-600は、20°?25℃の溶融範囲を有する一方、PEG-1000は、35°?40℃の溶融範囲を有する。2つを組み合わせことは、室温?体温の間の溶融範囲を伴う材料をもたらすことができる。 【0714】 懸濁液は、20gのPEG-600および30gのPEG-1000を約40℃まで加温し、より高い分子量PEGを溶融させることによって、調製されることができる。40gのLDおよび10gのCDは、次いで、混成され、均一懸濁液を形成することができる。 【実施例47】 【0715】 実施例47.押出成形および球形化された微粒子 標準的懸濁液製剤の代替は、製剤化される薬物物質が、本質的に、1度に1つ放出される、小ビーズの中にパッケージ化される、微粒子状製剤である。ビーズは、次いで、本質的に、デバイス内およびそこからのその移動を促進するための潤滑剤として作用するであろう、非溶媒液体中に製剤化され得る。 【0716】 押出成形および球形化は、薬物製品のカプセル製剤を調製する際に一般に利用される、プロセスである。薬物の懸濁液および賦形剤は、小孔を通して調製および押出成形され、押出成形物は、次いで、定常ボウル内で高回転速度を有し、押出成形物を破砕し、部片を小球体に形成する、剪断力をもたらす、プレート上に放出される。 【0717】 球形化粒子製剤は、約64グラムのLDと、16グラムのCDおよび20グラムの微小結晶セルロースを組み合わせることによって、調製され得る。原料は、次いで、混成され、水の添加によって湿潤され、濃密懸濁液を形成するであろう。懸濁液は、次いで、押出成形機を通して給送され、押出成形物は、球形化機の中に給送され、均一球体を形成するであろう。 【実施例48】 【0718】 実施例48.噴霧乾燥によって生成される微粒子 噴霧乾燥は、比較的に均一形状および直径の粒子を生成するために使用されることができる、別の技法である。APIおよび賦形剤の懸濁液は、高圧で、噴霧ノズルを通して、加熱された空気流動が液滴を粒子に急速に乾燥させる、チャンバの中に押進される。 【0719】 噴霧乾燥された粒子は、微粒子化されたLDおよびCDと、親水性セルロース誘導体またはPVP、水中または短鎖アルコール等の結合剤との懸濁液を形成することによって、生成され得る。比較的に希薄な懸濁液は、次いで、噴霧乾燥機の噴霧ノズルを通して圧送され、薬物含有粒子を形成するであろう。本技法を用いることによって、より小さい粒子を形成することがより容易になり得るが、粒子密度は、他の技法を使用して生成される粒子未満であり得る。 【実施例49】 【0720】 実施例49.ワースターコーティングによって生成される微粒子 ワースターコーティングは、粒子上に均一コーティングを形成するために使用される、底部噴霧流動床コーティング方法論である。医薬品ワースターコーティング用途では、糖類球体等のシード粒子から開始し、コーティングをそれに塗布することが典型的である。シード粒子を利用する必要性は、本方法論を使用して得られ得る薬物装填量を限定する。 【0721】 ワースターコーティングされた薬物粒子を形成するために、噴霧乾燥に関して説明されたものに類似する懸濁液が、生成されるであろう。可能な限り小サイズの不活性粒子が、次いで、均一薬物球体を形成するためにコーティングされるであろう。 【実施例50】 【0722】 実施例50.造粒および粉砕によって生成される微粒子 造粒は、液体の添加の有無にかかわらず、粉末が圧密化され、硬質集合体を形成するプロセスである。集合体は、次いで、種々のプロセスによってミル粉砕され、潜在的に、より均一サイズのより小さい集合体を形成することができる。 【0723】 粒状化された製剤は、微小結晶セルロース、別のセルロース誘導体、PVP、または別の親水性ポリマー等の結合剤とともに、正しい比率でLDおよびCDを含有し得る。 【実施例51】 【0724】 実施例51.微粒子状製剤のための潤滑性賦形剤 微粒子を生成するために使用される方法論にかかわらず、デバイスからの薬物粒子の放出は、植物油または鉱油等の非溶媒流体中の懸濁液として製剤化することによって補助され得る。プロピレングリコール、低分子量PEG、およびグリセロール等の極性溶媒もまた、これらの流体の中への粒子の溶解が著しく生じない場合、本目的のために使用され得る。 【実施例52】 【0725】 実施例52.推進剤駆動LD/CD懸濁液および薬物送達デバイス LD/CDは、粘性水性懸濁液として製剤化されることができる。懸濁液は、約0.6gLD/mL、0.15gCD/mL、および0.34gスクロース/mLを含有することができる。懸濁液は、二峰性粒子サイズ分布を伴うLDおよび/またはCDを含有することができ、より大きいものは、約5μmおよび1μmにおいてピークに達し、より大きい薬物粒子の重量は、より小さいものの重量の1.5倍を超える。粘度は、200ポアズを上回ることができる。懸濁液は、随意に、潤滑剤を含有してもよい。 【0726】 1.5gの懸濁液が、図20Cおよび20Dのデバイスの上行渦巻内に設置される。これは、流動に対するその抵抗が懸濁液のものを約10倍上回る、エラストマープランジャによって、推進剤から分離される。0.25mLの冷蔵された液体推進剤1,1,1,2テトラフルオロエタンが、中心シリンダの中に置かれ、デバイスは、シールされる。 【0727】 デバイスは、LDを62.5mg/時間の速度で、CDを15.6mg/時間の速度で、8時間の間、継続的に送達するように構成され、これは、8時間の送達期間にわたって、0.5gのLDおよび0.125gのCDに等しい。平均薬物送達速度は、一定37℃および一定13.0psiaにおいて、8時間の期間にわたって、±20%/時間未満だけ変動し得る。薬物送達デバイスは、患者の口の中へのデバイスの最初の挿入後、約60分未満のうちに、平均速度の80%?120%の範囲内の速度でLDおよびCDを投与することができる。薬物送達デバイスは、(a)LDおよびCDの平均送達速度が、13.0psiaにおける平均送達速度と比較して、14.7psiaおよび11.3psiaにおいて、約20%未満だけ増減され、(b)患者がデバイスを吸引するとき、実質的薬物ボーラスが患者に送達されないような、いくつかの特徴を含む。これらの特徴として、(a)13.0psiaにおいて、その標的速度で薬物を送達するようにデバイスを較正すること、(b)約8atmを上回る内圧を維持すること、(c)デバイスのオリフィスから突出し、薬物が圧力水頭を介して注入されているとき、流体チャネルが膨張され、低圧が口によって生成されるとき、流体チャネルが圧潰され、それをよじれさせ、薬物の注入を一時的に中止させるように設計される、流体チャネルを形成する、短管(図20Cおよび20Dには図示せず)の組み込み、および(d)流体チャネル内のフロート弁が挙げられるであろう。 【0728】 本デバイスは、デバイスを歯に着脱可能に取り付けるための締結具を含むことができる。デバイスのオリフィスから突出する前述の短管もまた、デバイスが、口に挿入され、そこから除去されるとき、薬物送達をオンおよびオフにする役割を果たすであろう。薬物送達デバイスが、歯から締結解除されると、流体チャネルは、流体チャネルの曲率半径の変化に起因してよじれ、薬物の流動を中止する。デバイスが、歯に締結されると、よじれは、取り除かれ、薬物は、流動することができる。 【0729】 本デバイスは、37℃におけるpH7の生理学的生理食塩水溶液中に5分間浸漬された同じ薬物送達デバイスと比較して、約55℃において、撹拌された生理学的生理食塩水溶液中に5分間浸漬されると、未使用の薬物リザーバの含有量の5%未満のボーラスを送達するように構成され得る。 【0730】 薬物リザーバは、少なくとも200ニュートンの力を伴う患者による咬合に耐えるための構造要素を含む。薬物リザーバは、経口液不浸透性リザーバである。唾液および他の経口液は、(a)デバイスからの流体の連続流動、(b)圧力感知弁(図には図示せず)、および(c)経口液の実質的侵入を防止または減少させることができる、出口オリフィスおよびチャネルのための寸法の選択を含む、デバイスのいくつかの特徴に起因して、出口オリフィスを通して薬物リザーバの中に流入しないように防止される。 【0731】 薬物送達デバイスの経口流体接触表面は、デバイスが、37℃におけるpH7の生理学的生理食塩水溶液中に5分間浸漬された同じ薬物送達デバイスと比較して、(a)pH約2.5、(b)pH約9.0、(c)重量比5%のオリーブ油、および(d)重量比5%のエタノールの条件のうちの任意の1つ下、約37℃において、撹拌された生理学的生理食塩水溶液中に5分間浸漬された後、LDおよびCDの平均送達速度が、約20%未満だけ増減するように、経口流体と親和性のあるように選択されることができる。 【0732】 薬物送達デバイスは、懸濁液のポンプ駆動分離を実質的に排除する、いくつかの特徴を組み込む。これらとして、(a)平均粒子サイズの比率が約5:1である二峰性粒子サイズ分布を伴う、製剤の使用、(b)理論的最大値の約95%のLD/CD粒子の充塞密度、(c)フレア状オリフィスの使用、(d)最大有効粒子サイズの10倍を上回るオリフィス内径の使用が挙げられる。 【実施例53】 【0733】 実施例53.推進剤駆動固体LD/CD製剤および薬物送達デバイス LD/CDは、固体丸剤として製剤化される。合計48個の丸剤が、合計約0.75gLD、0.19gCD、および0.19gの分散剤を含有するように調製される。各丸剤は、実質的に球状かつ平滑であって、重量23.4mg、体積約0.016mL、および直径約0.31cmを伴う。丸剤は、ダイ内における圧縮によって作製され、経口崩壊する。丸剤は、図20Aおよび20Bのデバイスの上行渦巻内に置かれ、単一列の丸剤を形成し、その縁は、実質的に間隙を伴わずに、相互に接触し得る。チャネル内の丸剤を囲繞する容積は、食用植物油で充填される。丸剤および油は、流動に対するその抵抗が丸剤および油のものを約10倍上回る、エラストマープランジャによって、推進剤から分離される。0.25mLの冷蔵された液体推進剤1,1,1,2テトラフルオロエタンが、中心シリンダの中に置かれ、デバイスは、シールされる。 【0734】 本デバイスは、8時間の間、LDを62.5mg/時間の平均速度で、CDを15.6mg/時間の平均速度で断続的に送達するように構成され、これは、8時間の送達期間にわたって、0.75gのLDおよび0.19gのCDに等しい。丸剤は、10分毎に口の中に送達される。平均薬物送達速度は、一定37℃および一定13.0psiaにおいて、16時間の期間にわたって、±20%/時間未満だけ変動される。薬物送達デバイスは、患者の口の中へのデバイスの最初の挿入後、約60分未満のうちに、平均速度の80%?120%の範囲内の速度でLDおよびCDを投与する。薬物送達デバイスは、(a)LDおよびCDの平均送達速度が、13.0psiaにおける平均送達速度と比較して、14.7psiaおよび11.3psiaにおいて、約20%未満だけ増減され、(b)患者がデバイスを吸引するとき、実質的薬物ボーラスが患者に送達されないような、いくつかの特徴を含む。これらの特徴として、(a)13.0psiaにおいて、その標的速度で薬物を送達するようにデバイスを較正すること、(b)約8atmを上回る内圧を維持すること、(c)デバイスのオリフィスから突出し、薬物が圧力水頭を介して注入されているとき、流体チャネルが膨張され、低圧が口によって生成されるとき、流体チャネルが圧潰され、それをよじれさせ、薬物の注入を一時的に中止させるように設計される、流体チャネルを形成する、短管(図20Aおよび20Bには図示せず)の組み込みが挙げられるであろう。 【0735】 本デバイスは、デバイスを歯に着脱可能に取り付けるための締結具を含むことができる。デバイスのオリフィスから突出する前述の短管もまた、デバイスが、口に挿入され、そこから除去されるとき、薬物送達をオンおよびオフにする役割を果たすであろう。薬物送達デバイスが、歯から締結解除されると、流体チャネルは、流体チャネルの曲率半径の変化に起因してよじれ、薬物の流動を中止する。デバイスが、歯に締結されると、よじれは、取り除かれ、薬物は、流動することができる。 【0736】 本デバイスは、37℃におけるpH7の生理学的生理食塩水溶液中に5分間浸漬された同じ薬物送達デバイスと比較して、約55℃において、撹拌された生理学的生理食塩水溶液中に5分間浸漬されると、未使用の薬物リザーバの含有量の5%未満のボーラスを送達するように構成され得る。 【0737】 薬物リザーバは、少なくとも200ニュートンの力を伴う患者からの咬合に耐えることが可能な構造要素を備える。薬物リザーバは、経口液不浸透性リザーバである。唾液および他の経口液は、(a)デバイスからの丸剤および油の流動、(b)ダックビル弁(図には図示せず)、および(c)経口流体の侵入を防止する、食用油の存在を含む、デバイスのいくつかの特徴に起因して、出口オリフィスを通して薬物リザーバの中に流入しないように防止される。 【0738】 薬物送達デバイスの経口流体接触表面は、デバイスが、37℃におけるpH7の生理学的生理食塩水溶液中に5分間浸漬された同じ薬物送達デバイスと比較して、(a)pH約2.5、(b)pH約9.0、(c)重量比5%のオリーブ油、および(d)重量比5%のエタノールの条件のうちの任意の1つ下、約37℃において、撹拌された生理学的生理食塩水溶液中に5分間浸漬された後、LDおよびCDの平均送達速度が、約20%未満だけ増減するように、経口流体と親和性のあるように選択されることができる。 【実施例54】 【0739】 実施例54.定荷重ばねを使用したシリコーン油の送達 【0740】 200Pのシリコーン油粘度標準が、図12Aおよび12Bに図示される定荷重ポンププロトタイプによって、薬物の送達をモデル化するために使用された。プロトタイプは、ポリエチレン薬物リザーバと、それに接合された16Gノズルとを備えていた。デバイスの薬物リザーバは、約1.2mLのシリコーン油で充填された。プロトタイプは、0.5lbF定荷重ばねをプランジャのための駆動力として使用した。ばねは、後退され、1.2mLのシリコーン油で充填されたリザーバがデバイスの内側に設置されるまで、その状態に維持された。デバイス全体が、次いで、ベースライン重量測定値を求めるために秤上に置かれた。本測定値は、質量損失(および対応して流量)対時間を判定するために、質量の測定値と経時的に比較された。ばね力が解放され、時間が測定された。 【0741】 デバイスは、ベンチ上に設置され、溶出シリコーン油が、計量ボート上で捕捉された。デバイスは、10?15分間隔で質量損失測定値を求めるために、秤上に置かれた。試験は、1.5時間の間、実行され、結果は、0.08mL/時間の一貫した流速を示した。 【実施例55】 【0742】 実施例55.レボドパの濃縮された(0.79g/mL、4.0M)感温(カカオバター)懸濁液の調製およびその圧送 【0743】 カカオバター(Caribbean Cacao^((R))、未精製、未加工、有機)が、Amazonから購入された。カカオバターは、23℃の周囲温度鋭的刃物で切断され得る、硬質の油性固体であった。6.55gのカカオバターおよび12.06gのLD(Ajinomoto)の混合物が、約30分間、乳鉢内で手で摩砕され、16.2gの結果として生じる粉末が、Cane CronoPARポンプのリザーバに移送された。リザーバは、栓がされ、プランジャは、水および湿気が流入しないように防止するために挿入されて保たれた。栓がされたリザーバは、お湯の中で加温され、粉末の温度を約55℃まで上昇させ、濃縮させ、流体懸濁液を形成させた。次に、プランジャは、除去され、加温された懸濁液は、小型のへらで撹拌され、それによって、粉末中に最初に捕捉された空気の分離を完了させた。プランジャは、再挿入され、ここで、分離された空気は、一部の懸濁液とともにリザーバから押し出され、リザーバ中に15.0gの懸濁液を残した。リザーバ内の15.0gの体積は、12.1mLであって、すなわち、懸濁液の密度は、1.24g/mLであった。計算された密度は、カカオバターの密度が0.9g/mLであって、LDの密度が1.5g/mLであると仮定して、1.21g/mLであって、懸濁液が、密度を減少させるであろう気泡の逃散を可能にするために十分な流体であることを示した。 【0744】 リザーバは、次に、Cane CronoPARポンプに取り付けられ、そのルアープラグは、ルアーで終端された約2.5cm長、2.4mm内径のプラスチック管類と交換された。アセンブリと、お湯を含有し、きつくキャップされた12oz容器とが、布の層から作製され、ジャガイモを電子レンジで調理するために使用される、厚手の断熱バッグである、Potato Express^((R))バッグの中に入れられた。圧送が、1mL/時間に設定された圧送速度で、バッグ内の温度が約50℃のとき、始動された。1時間後、バッグ内の温度は、約43℃まで降下し、流動は、持続していた。2時間後、バッグ内の温度は、約40℃であって、流動は、継続していた。約2.5時間後、約36℃まで降下したが、流動は、依然として持続していた。しかしながら、温度が、約3時間後、約33℃まで降下したとき、流動は、流れてはいても、非常にゆっくりであった。実験後に残った体積は、約9mLであって、すなわち、約3.1mLが、圧送され、これは、3時間の間の1mL/時間の速度での圧送と一貫した。ペーストが室温まで冷却された後、固形石鹸の稠度を有しており、すなわち、もはや流体ではなく、LDの沈降は、不可能性ではないにしても、可能性が低かった。 【0745】 実験は、感温担体液体(カカオバター)とともに作製された濃縮されたLD懸濁液(0.79g/mL、4.0M)が、(a)約36℃またはそれを上回って、圧送される、すなわち、流動することができ、(b)約33℃またはそれを下回ると、流動しない、または非常にゆっくりと流動することを示す。したがって、薬物がカカオバター中に懸濁される、小容積の継続的経口LD送達デバイスからの流動は、口から除去され、周囲温度が約33℃未満となると停止するはずである。実験はまた、約36℃未満の周囲温度では、懸濁液中の非均一LD濃度につながる沈降が、33℃を下回ると固体であるカカオバターまたは別の感温液体担体とともにLD懸濁液を作製することによって回避され得ることを示す。 (他の実施形態) 【0746】 本明細書に記載の全ての刊行物、特許、および特許出願は、各影響を受けない刊行物または特許出願が、具体的かつ個々に、参照することによって組み込まれることが示される場合と同様に、参照することによって本明細書に組み込まれる。本願は、2014年8月27日出願の米国仮特許出願第62/042,553号、2014年5月2日出願の米国仮特許出願第61/987,899号、2014年1月10日出願の米国仮特許出願第61/926,022号、および2013年11月15日出願の米国仮特許出願第61/899,979号の利益を請求するものであって、それぞれ、参照することによって本明細書に組み込まれる。 【0747】 本発明は、その具体的実施形態に関連して説明されたが、さらなる修正が可能であって、本願は、概して、本発明の原理に従い、本発明が属し、前述の不可欠な特徴に適用され得る、当技術分野内の公知または慣例の実践内にある本開示からの逸脱を含む、本発明の任意の変形例、使用、または適合を網羅することが意図され、請求項の範囲内にあることを理解されるであろう。 【0748】 他の実施形態も、請求項の範囲内である。 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 1つまたはそれを上回る薬物を含む医薬品組成物の連続または半連続口腔内投与のために、患者の口内に着脱可能に挿入されるように構成される薬物送達デバイスであって、前記デバイスは、 (i)前記薬物送達デバイスを前記患者の口の表面に着脱可能に固着するための締結具と、 (ii)ばね、エラストマー、圧縮ガス、および推進剤駆動ポンプから選択されるポンプと、 (iii)医薬品組成物を含む薬物リザーバであって、前記薬物リザーバの容積が0.1mL?5mLであり、前記薬物リザーバが、前記医薬品組成物の投与速度を設定する流動制限器を具備する、薬物リザーバと を備え、 前記医薬品組成物は、(a)37℃で10,000cPを上回る剪断粘度を有し、(b)前記1つまたはそれを上回る薬物の粒子の懸濁液を含み、ここで、前記医薬品組成物中の前記1つまたはそれを上回る薬物の体積分率が0.2を上回る、 薬物送達デバイス。 【請求項2】 前記医薬品組成物が37℃で50,000cPを上回る剪断粘度を有する、請求項1に記載の薬物送達デバイス。 【請求項3】 前記医薬品組成物が37℃で250,000cPを上回る剪断粘度を有する、請求項2に記載の薬物送達デバイス。 【請求項4】 前記ポンプが、1atm圧力で37℃未満の沸点を有する流体推進剤を含む推進剤駆動ポンプである、請求項1に記載の薬物送達デバイス。 【請求項5】 前記流体推進剤は、1,1,1,2テトラフルオロエタンである、請求項4に記載の薬物送達デバイス。 【請求項6】 前記薬物リザーバが金属である、請求項1に記載の薬物送達デバイス。 【請求項7】 前記薬物リザーバがチタンを含む、請求項6に記載の薬物送達デバイス。 【請求項8】 前記薬物送達デバイスが、少なくとも200ニュートンの力を伴う患者の咬合に耐えるように構成される、請求項1に記載の薬物送達デバイス。 【請求項9】 前記薬物リザーバおよび前記ポンプの総体積が、2mL未満である、請求項1に記載の薬物送達デバイス。 【請求項10】 前記薬物リザーバまたは前記ポンプが、頬前庭内に装着されるように構成され、患者の歯の舌側において医薬品組成物を分注するために、前記歯の頬側から舌側に流体チャネルを含む、請求項1に記載の薬物送達デバイス。 【請求項11】 前記薬物送達デバイスが、4時間から168時間の期間にわたって前記医薬品組成物を送達するように構成される、請求項1に記載の薬物送達デバイス。 【請求項12】 前記ポンプが、ばね駆動ポンプである、請求項1に記載の薬物送達デバイス。 【請求項13】 前記ポンプが、エラストマー駆動ポンプである、請求項1に記載の薬物送達デバイス。 【請求項14】 前記ポンプが、圧縮ガス駆動ポンプである、請求項1に記載の薬物送達デバイス。 【請求項15】 前記医薬品組成物中の前記1つまたはそれを上回る薬物の体積分率が0.4を上回る、請求項1に記載の薬物送達デバイス。 【請求項16】 前記薬物送達デバイスは、前記薬物リザーバと流体連通している管、チャネル、またはオリフィスをさらに含む、請求項1に記載の薬物送達デバイス。 【請求項17】 前記管、チャネル、またはオリフィスは4cm未満の長さを含む、請求項16に記載の薬物送達デバイス。 【請求項18】 粒子サイズ分布の全最大値における薬物粒径は、前記管、チャネル、またはオリフィスの最狭内径の1/5より小さい、請求項17に記載の薬物送達デバイス。 【請求項19】 前記医薬品組成物は、レボドパおよび/もしくはカルビドパ、またはその薬学的に容認可能な塩を含む、請求項1?18のいずれかに記載の薬物送達デバイス。 【請求項20】 前記医薬品組成物が、 (i)50mg/mL?500mg/mLの濃度のカルビドパの懸濁液と、 (ii)油を含む分散媒と を含み、 前記医薬品組成物が、不溶解性であり、5±3℃または25℃の温度で6カ月の期間貯蔵された場合に、前記カルビドパの2%未満が酸化されており、前記医薬品組成物が、5%を上回ってカルビドパ濃度が異なる2つまたはそれを上回る流体を形成するように分離しない、請求項1?19のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。 【請求項21】 前記医薬品組成物が、 (i)油および界面活性剤を含む分散媒と、 (ii)2Mを上回る濃度の、前記分散媒中の薬物の固体粒子の懸濁液と、 (iii)37℃で10,000cPを上回る剪断粘度と を含み、前記懸濁液が25℃で6ヶ月またはそれを上回る間、沈殿した固体薬物がないままである、請求項1?18のいずれかに記載の薬物送達デバイス。 【請求項22】 前記医薬品組成物が37℃で50,000cPを上回る剪断粘度を有する、請求項21に記載の薬物送達デバイス。 【請求項23】 前記医薬品組成物が、 (i)油を含む分散媒と、 (ii)2Mを上回る濃度の、前記分散媒中のレボドパおよび/またはカルビドパの固体粒子の懸濁液と、 (iii)37℃で10,000cPを上回る剪断粘度と を含む、請求項1?19のいずれか一項に記載の薬物送達デバイス。 【請求項24】 前記分散媒が水中油もしくは油中水乳剤を含む、請求項23に記載の薬物送達デバイス。 【請求項25】 前記医薬品組成物が25℃で6ヶ月もしくはそれを上回る間、沈殿した固体薬物がないままである、請求項23に記載の薬物送達デバイス。 【請求項26】 前記分散媒が界面活性剤をさらに含む、請求項23に記載の薬物送達デバイス。 【請求項27】 前記界面活性剤が非イオン性界面活性剤である、請求項26に記載の薬物送達デバイス。 【請求項28】 前記分散媒がさらに水を含む、請求項26または27に記載の薬物送達デバイス。 【請求項29】 前記分散媒が20%(w/w)未満の水を含む、請求項28に記載の薬物送達デバイス。 【請求項30】 前記医薬品組成物がペーストを含む、請求項23に記載の薬物送達デバイス。 【請求項31】 前記患者における疾患の治療のための請求項1に記載の薬物送達デバイスであって、前記疾患が、細菌性感染症、癌、疼痛、臓器移植、睡眠障害、癲癇および発作、不安症、気分障害、外傷後ストレス障害、不整脈、高血圧症、心不全、痙縮、ならびに糖尿病性腎障害から選択される、薬物送達デバイス。 【請求項32】 前記デバイスを前記患者の口腔内表面に着脱可能に取り付けることによって、または前記患者の口の中への連続もしくは半連続投与によって、前記医薬品組成物を前記患者に送達するように構成されている、前記患者におけるパーキンソン病の治療のための請求項19または23に記載の薬物送達デバイス。 |
訂正の要旨 |
審決(決定)の【理由】欄参照。 |
審理終結日 | 2021-03-29 |
結審通知日 | 2021-04-01 |
審決日 | 2021-04-13 |
出願番号 | 特願2016-552470(P2016-552470) |
審決分類 |
P
1
41・
852-
Y
(A61M)
|
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 増山 慎也 |
特許庁審判長 |
芦原 康裕 |
特許庁審判官 |
栗山 卓也 井上 哲男 |
登録日 | 2019-06-14 |
登録番号 | 特許第6538063号(P6538063) |
発明の名称 | 口を介する連続的薬物送達のためのデバイスおよび方法 |
代理人 | 森下 夏樹 |
代理人 | 山本 健策 |
代理人 | 石川 大輔 |
代理人 | 山本 秀策 |
代理人 | 飯田 貴敏 |
代理人 | 山本 健策 |
代理人 | 山本 秀策 |
代理人 | 森下 夏樹 |
代理人 | 飯田 貴敏 |
代理人 | 石川 大輔 |