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審決分類 審判 訂正 ただし書き3号明りょうでない記載の釈明 訂正する G06Q
審判 訂正 ただし書き2号誤記又は誤訳の訂正 訂正する G06Q
管理番号 1375245
審判番号 訂正2021-390038  
総通号数 260 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-08-27 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2021-02-16 
確定日 2021-04-30 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第6353667号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第6353667号の明細書、特許請求の範囲及び図面を本件審判請求書に添付された訂正明細書、特許請求の範囲及び図面のとおり訂正することを認める。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第6353667号(以下、「本件特許」という。)に係る出願は、平成26年3月3日の出願であって、平成30年6月15日に特許権の設定登録がなされたものであって、令和3年2月16日に本件訂正審判の請求がなされたものである。

第2 請求の趣旨及び訂正の内容
本件訂正審判の請求の趣旨は、「特許第6353667号の明細書、特許請求の範囲を本件審判請求書に添付した訂正明細書、特許請求の範囲のとおり訂正することを認める、との審決を求める。」というものであり、その訂正の内容は、以下のとおりである。

(1)訂正事項1
特許請求の範囲の請求項1に「前記店舗用コンピュータは、前記商品情報ないしは前記役務名に基づいて、」と記載されているのを、「前記店舗用コンピュータは、前記商品情報ないしは前記役務情報に基づいて、」に訂正する(請求項1の記載を引用する請求項4及び請求項5も同様に訂正する。)。

(2)訂正事項2
特許請求の範囲の請求項2に「前記店舗用コンピュータは、前記商品情報ないしは前記役務名に基づいて、」と記載されているのを、「前記店舗用コンピュータは、前記商品情報ないしは前記役務情報に基づいて、」に訂正する(請求項2の記載を引用する請求項3、請求項4及び請求項5も同様に訂正する。)。

(3)訂正事項3
特許請求の範囲の請求項6に「前記店舗用コンピュータは、前記商品情報ないしは前品役務名に基づいて、」と記載されているのを、「前記店舗用コンピュータは、前記商品情報ないしは前記役務情報に基づいて、」に訂正する。

(4)訂正事項4
特許請求の範囲の請求項7に「前記店舗用コンピュータは、前記商品情報ないしは前記役務名に基づいて、」と記載されているのを、「前記店舗用コンピュータは、前記商品情報ないしは前記役務情報に基づいて、」に訂正する。

(5)訂正事項5
明細書の段落【0018】に「前記店舗用コンピュータは、前記商品情報ないしは前記役務名に基づいて、」と記載されているのを、「前記店舗用コンピュータは、前記商品情報ないしは前記役務情報に基づいて、」に訂正する。

(6)訂正事項6
明細書の段落【0055】に「その上で、顧客情報を与える信号を、スマートフォン30から、インターネット100を介して、」と記載されているのを、「その上で、顧客情報を与える信号を、スマートフォン30から、インターネット100を介して、即ち、スマートフォン30からインターネット100を経てサーバー1へ及びサーバー1からインターネット100を経て、」に訂正する。

(7)訂正事項7
明細書の段落【0067】に「高コストの機器を順次して」と記載されているのを、「高コストの機器を準備して」に訂正する。

第3 当審の判断
1.訂正事項1について
(1)訂正の目的について
訂正前の請求項1には、以下の記載がある。
(摘記a)
「前記店舗用コンピュータは、
前記サーバーより送信された前記参加店舗としての登録完了通知信号の受信の後に、前記店舗内の商品に関する商品名及び商品価格を含む商品情報ないしは前記店舗で提供される役務名及び役務提供価格を含む役務情報を与える信号を、前記インターネットを介して、前記サーバーへ送信し、」
(摘記b)
「(C)前記店舗での商品購入の際に又は役務の提供の支払いに関して前記ユーザーが前記携帯端末機の利用により前記代金の支払い決済を前記決済用カードにより行うことを前記店舗側に希望する場合には、
前記店舗用コンピュータは、前記商品情報ないしは前記役務名に基づいて、前記ユーザーが当該店舗に於いて購入する商品全ての価格ないしは前記ユーザーが当該店舗に於いて提供を受ける役務全ての価格を算出する際に必要となる決算情報を与える信号を、前記インターネットを介して、前記サーバーへ送信し、」
訂正事項1は、(摘記b)のうちの「前記商品情報ないしは前記役務名に基づいて」という記載のうちの「役務名」という記載を「役務情報」に訂正するものである。
一方、上記(摘記a)から、商品についての「商品名」、「商品価格」及び「商品情報」は、それぞれ、役務についての「役務名」、「役務提供価格」及び「役務情報」と互いに対応する情報であるといえる。しかしながら、上記(摘記b)の訂正前の「前記商品情報ないしは前記役務名に基づいて、」との記載内容は、商品については「商品情報」に基づくのに対し、役務については「役務名」に基づくことを特定するものであり、商品の場合と役務の場合とで情報の対応がとれていないことから、上記(摘記a)との関係において不合理を生じている不明瞭な記載である。
ここで、明細書の段落【0077】には、「(4)本発明の主題に係る「携帯端末機用決済システム」の支払い決済の対象となる代金は、商品の購入代金の他に、「店舗」から種々の役務の提供を受ける場合の費用であっても良い。この場合には、「商品情報」に代えて、店舗で提供される役務名及び役務提供価格を含む「役務情報」が、店舗用コンピュータからサーバー装置へ送信・登録される。」と記載されており、支払い決済の対象となる代金が、商品購入代金の場合は「商品情報」に基づき、役務の提供を受ける場合の費用である場合は「役務情報」に基づくものであると認められるから、訂正事項1に係る訂正は、「前記店舗用コンピュータは、前記商品情報ないしは前記役務情報に基づいて、」に訂正することにより、商品の場合と役務の場合とで情報の対応をとることで、記載内容を明瞭にするものである。
したがって、訂正事項1に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項1に係る訂正は、上記(1)で検討したように、明細書の【0077】に記載されたものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であり、特許法第126条第5項に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
訂正事項1は、上記(1)のとおり、特許請求の範囲の不明瞭となっている記載を訂正し、その記載内容を明瞭にするものである。
そして、訂正後の「役務情報」は、訂正前の「役務名」を含むのであるから、「役務情報に基づく」ことは「役務名に基づく」ことを当然含んでおり、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
したがって、訂正事項1は、特許法第126条第6項の規定に適合する。

2.訂正事項2ないし4について
(1)訂正の目的について
訂正事項2ないし4に係る訂正は、訂正事項1と同様に「前記商品情報ないしは前記役務名に基づいて」という記載のうちの「役務名」という記載を「役務情報」に訂正するものであるから、上記1.(1)と同様の理由により、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項2ないし4に係る訂正は、上記1.(2)と同様の理由により、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、特許法第126条第5項に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
訂正事項2ないし4に係る訂正は、上記1.(3)と同様の理由により、当該訂正の前後において特許請求の範囲に拡張又は変更はなく、特許法第126条第6項の規定に適合する。

3.訂正事項5について
(1)訂正の目的について
訂正事項5は、訂正事項1ないし4に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、明細書の段落【0018】に「前記店舗用コンピュータは、前記商品情報ないしは前記役務名に基づいて、」と記載されているのを、「前記店舗用コンピュータは、前記商品情報ないしは前記役務情報に基づいて、」に訂正するものであるから、訂正事項5に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項5は、上記(1)のとおり、訂正事項1ないし4に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であり、特許法第126条第5項に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
訂正事項5は、上記(1)のとおり、訂正事項1ないし4に係る訂正に伴って、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るものであるから、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
したがって、訂正事項5は、特許法第126条第6項の規定に適合する。

4.訂正事項6について
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の段落【0055】の「その後、ユーザーは、本プログラムの動作・指令の下で、自己のスマートフォン30を操作して、当該店舗で当該商品を購入するユーザーの意思表示を伝達する手段として、スマートフォン30の画面上に表示される当該店舗(当該店舗は候補として位置情報より抽出される。)を選択し、その上で、顧客情報を与える信号を、スマートフォン30から、インターネット100を介して、当該店舗内のタブレット端末機40へ送信する。」との記載は、特に「インターネット100を介して」との記載が、具体的にどのような経路をたどることを意味しているのか、必ずしも明瞭ではない。
ここで、請求項1には「(A)前記ユーザーの操作に応じて、前記携帯端末機が前記インターネットを介して前記サーバー装置に電気的に接続された後に利用申し込み信号を前記サーバー装置の前記サーバーへ送信した場合には、前記サーバーは、前記利用申し込み信号の受信に応じて、前記インターネットを介して、前記第1アプリケーションソフトウェア用プログラムを前記携帯端末機に送信し、前記携帯端末機は、前記インターネットを介して前記サーバー装置よりダウンロードされた前記第1アプリケーションソフトウェア用プログラムを前記携帯端末機内の記憶部にインストールし、当該インストール完了後に、前記ユーザーの操作に応じて、前記第1アプリケーションソフトウェア用プログラムを起動し、且つ、当該起動後に当該プログラムより発せられる指令信号に基づいて、所定の金融機関が発行したクレジットカード又はデビットカードの何れか一方の決済用カードに関する、少なくともカード番号を含む顧客カード情報、並びに、少なくとも前記ユーザーが指定する顧客ID、顧客パスワード及び顧客名の各々を含む顧客情報を与える信号を、前記インターネットを介して前記サーバーへ送信すると共に、前記サーバーは、前記携帯端末機より受信した前記顧客カード情報及び前記顧客情報を与える信号を、前記インターネットを介して、前記金融機関用コンピュータに送信し、」との記載がある。当該記載から、本件特許に係る携帯端末機用決済システムにおいては、ユーザーの携帯端末機は、第1アプリケーションソフトウェア用プログラムをサーバー装置からダウンロード・インストールすることで、いわゆるクライアント・サーバ型の動作を行うものであり、第1アプリケーションソフトウェア用プログラムによる指令の下、情報(顧客情報を含む)を、インターネット100を介して、他のコンピュータに送信する場合は、サーバー装置を経由するという思想の下に設計されていることが読み取れる。そうすると、訂正事項6に係る訂正は、「その上で、顧客情報を与える信号を、スマートフォン30から、インターネット100を介して、即ち、スマートフォン30からインターネット100を経てサーバー1へ及びサーバー1からインターネット100を経て、」に訂正することによって、サーバー1を経由することを明瞭にするものである。
したがって、訂正事項6に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第3号に規定する「明瞭でない記載の釈明」を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項6に係る訂正は、上記(1)で検討したように、請求項1の記載に基づいたものであるから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内であり、特許法第126条第5項に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
訂正事項6は、上記(1)のとおり、明細書の不明瞭となっている記載を訂正し、その本来の意を明らかにするものであるから、訂正の前後で特許請求の範囲に記載された発明の拡張又は変更はなく、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
したがって、訂正事項6は、特許法第126条第6項の規定に適合する。

5.訂正事項7について
(1)訂正の目的について
訂正前の明細書の段落【0067】の「高コストの機器を順次して本決済システムを構築することは不要である。」の記載は、特に「順次して」という記載と他の記載との関係が不明であり、日本語として全体の意味が不明である。
一方、明細書の段落【0021】には、「相対的に高コストの専用ハードウェア機器を用いることなく、本携帯端末機用決済システムを構築することができる。」との記載があり、ここでの「用いる」とは「用意する」、「準備する」の意味である。
そうすると、訂正前の「高コストの機器を順次して本決済システムを構築することは不要である。」の記載のうちの「順次」という記載は誤記であり、本来「準備」と記載すべきことが明らかである。
したがって、訂正事項7に係る訂正は、特許法第126条第1項ただし書第2号に規定する「誤記又は誤訳の訂正」を目的とするものである。

(2)願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であることについて
訂正事項7に係る訂正は、上記(1)のとおり、訂正前の段落【0067】の誤記を訂正するものであり、訂正事項7に係る訂正により何ら技術的内容が変更されるものではないから、願書に添付した明細書、特許請求の範囲又は図面に記載した事項の範囲内の訂正である。
よって、訂正事項7は、特許法第126条第5項の規定に適合するものである。

(3)実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更する訂正ではないことについて
訂正事項7に係る訂正は、上記(1)のとおり、訂正前の段落【0067】の誤記を訂正するものであり、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものには該当しない。
よって、訂正事項7は、特許法第126条第6項の規定に適合するものである。

(4)独立特許要件について
訂正事項7に係る訂正は、上記(1)のとおり、訂正前の段落【0067】の誤記を訂正するものであり、何ら特許請求の範囲の内容が変更されるものではないことから、訂正後の特許請求の範囲の請求項1ないし7に係る発明は、独立して特許を受けることができるものである。
よって、訂正事項7は、特許法第126条第7項の規定に適合するものである。

第4 むすび
以上のとおりであるから、本件訂正審判の請求に係る訂正事項1ないし7に係る訂正は、いずれも適法になされたものである。

よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
携帯端末機用決済システム、サーバー装置及びプログラム
【技術分野】
【0001】
この発明は、スマートフォン(多機能携帯電話機)、携帯電話機、PDA(パーソナルディジタルアシスタント)又はタブレット端末機等の、インターネット接続機能及びコンピュータ機能を具備する携帯端末機の需要者による操作により、商品の代金又は役務の代金を速やかに決済するための技術に関する。
【0002】
加えて、本発明は、地上波放送等の受信或いはインターネットを介して受信する各種のTV画像・映像(音声を含んでも良い。)をその画面に表示する、インターネット接続機能及びコンピュータ機能を具備するデジタルTV用の受像機の様な多機能端末機(スマートTV等)の需要者による操作により、画面に映し出されている商品等を速やかに購入・決済可能とする技術に関する。
【背景技術】
【0003】
店舗等において商品を購入し又は役務の提供を受けようとする者が、当該店舗等において当該代金を支払う場合の一つの手段として、クレジットカードによる決済がある。
【0004】
最近では、パーソナルコンピュータ(PC)に代替可能な機能を有するスマートフォン及びタブレット端末機(以下「スマートフォン等」という。)の急速な普及により、そのスマートフォン等の機能を利用して決済を行うシステムが開発されて普及しつつある。
【0005】
その一つのスマートフォン利用の決済技術としては、クレジットカードの磁気情報を読み取ることが出来る専用のリーダーを、店舗側のスマートフォン等に配備して代金の支払い決済を行うものが実用化されている(例えば、非特許文献1を参照。)この専用リーダー利用の決済技術に於いては、顧客は、自己のクレジットカードを、店舗に備え付けの専用リーダーのクレジットカード情報読み取り部分に挿入し、その後に自己のサインを店舗側のスマートフォン等に、その画面を介して、入力する。更に、顧客は、自己のパーソナルコンピュータ等のE-メールアドレスを、同様に、店舗側のスマートフォン等の指定画面位置に入力する。これにより、領収書に該当する購入控え書のデータが、顧客のパーソナルコンピュータ等に送信される。
【0006】
或いは、スマートフォン等からインターネットを通じて店舗側のウェブサイト上のクレジットカード情報入力部分に自己のクレジットカードの番号を顧客が入力することで、スマートフォン決済を可能とする方法もある。
【先行技術文献】
【特許文献】
【0007】
【特許文献1】 特開2013-114291号公報
【特許文献2】 特開2012-216155号公報
【非特許文献】
【0008】
【非特許文献1】Coineyスマートフォン決済のHP(URL:http://coiney.com/)
【非特許文献2】スマホがあれば顔パスで支払い、ペイパル(登録商標)がキャンペーンのWebサイト(URL:http://ascii.jp/elem/000/000/843/843622/)
【非特許文献3】ペイパル、ハンズフリー決済を実現する「PayPal(登録商標) Beacom」のWebサイト(URL:http://japan.cnet.com/news/service/35037011)
【発明の概要】
【発明が解決しようとする課題】
【0009】
しかしながら、非特許文献1に開示されている様な、専用のリーダーを店舗側のスマートフォン等に設置してスマートフォン決済を行うシステムでは、利用者が必ずクレジットカードを持ち歩かなければならなく不便であると共に、利用者がクレジットカードを紛失してしまう可能性もある。
【0010】
しかも、従来の決済システムでは、自己のクレジットカード情報を店舗側のリーダーで取得されてしまうため、自己のクレジットカード情報を店舗側で悪用される可能性が有り、当該クレジットカード情報を秘密裏に管理することが容易ではない。
【0011】
又、非特許文献2に於いて提案されている決済システムに於いては、顧客の個人を明確に特定してしまう個人写真のデータをスマートフォンにて予めクレジットカード代行業務会社のコンピュータへ送信する必要性があり、且つ、この様な個人写真のデータを当該顧客の氏名のデータと関連付けて、当該クレジットカード代行会社のコンピュータは保有し続けることになる。しかも、当該顧客の個人写真及び氏名のデータは、店舗側のコンピュータへ送信されてしまい、且つ、支払い代金のカード決済時に当該顧客は店舗の店員に対して自己の氏名の情報を提供しなければならない。これらの点で、本システムは、顧客の個人情報保護の点で問題があると言わなければならない。しかも、個人のその時々の見た目の容貌は、服装又は髭の有無又は髪の毛の状況等に於いて変容するものであり、予め保存されている顔写真データとは異なる場合も生じ得るので、店舗の店員が送信されてきた顔写真データに基づいて顧客を特定出来ない場合も発生し得る。その意味で、本システムは、カード決済の確実性についても問題があると、言える。
【0012】
又、非特許文献3に於いて提案されている決済システムに於いては、店舗側は、クレジットカード代行業務会社側より、専用の追加ハードウェア機器を導入して店舗内に設置しなければならず、タブレットPCの様な汎用のコンピュータのみを用いて本システムに参加して利用することが出来ないという問題点がある。しかも、このUSBメモリの様な追加の専用ハードウェア機器とBLE対応スマートフォンとを接続させる操作が、顧客側に必要となるので、この点でも本システムには問題点がある。
【0013】
又、上記の問題点は、スマートフォンを用いた決済システムに固有な問題点ではなく、その他の少なくともインターネット接続機能を備えた携帯端末機を用いた決済システムに於いても、同等に生じ得る問題点であると、言える。
【0014】
又、クレジットカード決済のみならず、銀行等のデビットカードの利用による商品購入又は役務の提供を受ける際にも、上記の問題点が同様に生じ得る。
【0015】
又、スマートTV・タブレット端末機の様な放送波を受信可能な端末機を用いた商品・役務の購入を、画面を見ながら視聴者が速やかに成し得るための決済を可能とする場合に於いても、クレジットカード又はデビットカードの情報の入力が介在する限りでは、同様な問題点が生じ得る。
【0016】
この発明は、以上の問題点に鑑みて成されたものであり、その主目的は、クレジットカード等の発行元であるクレジットカード発行会社、信販会社又は銀行・信用金庫等の「金融機関」が発行する、クレジットカード又はデビットカードに関する個人情報(特にカード番号)を店舗側に提示・開示することなく、且つ、クレジットカード等を持ち歩くこともなく、クレジットカード等による商品購入代金等の決済を即座に可能とする点にある。
【0017】
尚、本発明にいう「金融機関」の意味付けは、後述されるが、総じて、1)カード発行機関を指す場合(後述の図1。)と、2)カード発行機関による決済業務の代行業務を行う決済代行会社を指す場合(後述の図5。)に、大別される。
【課題を解決するための手段】
【0018】
本発明の主題に係る携帯端末機用決済システムは、インターネットに接続可能な携帯端末機を用いてユーザーが店舗に於いて商品購入時の又は役務の提供を受ける際の代金の支払い決済を行う携帯端末機用決済システムであって、前記インターネット上に接続され且つ第1及び第2アプリケーションソフトウェア用プログラムを保有するサーバー、並びに、前記サーバーに電気的に接続されたデータベースを備えるサーバー装置と、前記インターネットを介して前記サーバー装置に電気的に接続される、前記店舗に配設される店舗用コンピュータと、前記インターネットを介して前記サーバー装置に電気的に接続される金融機関用コンピュータとを備え、(A)前記ユーザーの操作に応じて、前記携帯端末機が前記インターネットを介して前記サーバー装置に電気的に接続された後に利用申し込み信号を前記サーバー装置の前記サーバーへ送信した場合には、前記サーバーは、前記利用申し込み信号の受信に応じて、前記インターネットを介して、前記第1アプリケーションソフトウェア用プログラムを前記携帯端末機に送信し、前記携帯端末機は、前記インターネットを介して前記サーバー装置よりダウンロードされた前記第1アプリケーションソフトウェア用プログラムを前記携帯端末機内の記憶部にインストールし、当該インストール完了後に、前記ユーザーの操作に応じて、前記第1アプリケーションソフトウェア用プログ
ラムを起動し、且つ、当該起動後に当該プログラムより発せられる指令信号に基づいて、所定の金融機関が発行したクレジットカード又はデビットカードの何れか一方の決済用カードに関する、少なくともカード番号を含む顧客カード情報、並びに、少なくとも前記ユーザーが指定する顧客ID、顧客パスワード及び顧客名の各々を含む顧客情報を与える信号を、前記インターネットを介して前記サーバーへ送信すると共に、前記サーバーは、前記携帯端末機より受信した前記顧客カード情報及び前記顧客情報を与える信号を、前記インターネットを介して、前記金融機関用コンピュータに送信し、前記金融機関用コンピュータは、前記顧客カード情報及び前記顧客情報を与える信号の受信に応じて、前記顧客カード情報より、前記カード番号に対応する前記決済用カードが前記所定の金融機関により発行されたカードであって且つ現時点がカード有効期間内にある真正カードであるかを確認し、前記真正カードの確認が取れた場合に、前記真正カードであることを認証する情報を与える信号を前記サーバー装置へ前記インターネットを介して送信し、前記サーバーは、前記金融機関用コンピュータより前記インターネットを介して受信した前記真正カードであることを認証する情報を与える信号に基づいて、少なくとも前記顧客情報を前記データベースに格納して前記ユーザーを顧客として登録する一方、当該登録の完了を通知する信号を、前記インターネットを介して、前記携帯端末機へ送信し、(B)前記店舗側の操作に応じて、前記店舗用コンピュータが、前記インターネットを介して、店舗参加申し込みの信号を前記サーバー装置の前記サーバーへ送信した場合には、前記サーバーは前記店舗参加申し込み信号の受信に応じて前記インターネットを介して前記第2アプリケーションソフトウェア用プログラムを前記店舗用コンピュータに送信し、前記店舗用コンピュータは、前記インターネットを介して前記サーバー装置よりダウンロードされた前記第2アプリケーションソフトウェア用プログラムを前記店舗用コンピュータ内にインストールし、当該インストール完了後に、前記店舗側の操作に応じて、前記第2アプリケーションソフトウェア用プログラムを起動し、且つ、当該起動後に当該プログラムより発せられる指令信号に基づいて、店舗名を含む店舗情報を与える信号を、前記インターネットを介して前記サーバーへ送信すると共に、前記サーバーは、前記店舗用コンピュータより受信した前記店舗情報を与える信号を前記データベースに格納して前記店舗を参加店舗として登録する一方、当該登録の完了を通知する信号を、前記インターネットを介して、前記店舗用コンピュータへ送信し、前記店舗用コンピュータは、前記サーバーより送信された前記参加店舗としての登録完了通知信号の受信の後に、前記店舗内の商品に関する商品名及び商品価格を含む商品情報ないしは前記店舗で提供される役務名及び役務提供価格を含む役務情報を与える信号を、前記インターネットを介して、前記サーバーへ送信し、(C)前記店舗での商品購入の際又は役務の提供を受ける際(役務の提供を受ける前での段階又は当該役務の提供を受けた後の段階の何れの段階でも良い。)に、前記ユーザーが前記携帯端末機の利用により前記代金の支払い決済を前記決済用カードにより行うことを前記店舗側に希望する場合には、前記店舗用コンピュータは、前記商品情報ないしは前記役務情報に基づいて、前記ユーザーが当該店舗に於いて購入する商品全ての価格ないしは前記ユーザーが当該店舗に於いて提供を受ける役務全ての価格を算出する際に必要となる決算情報を与える信号を、前記インターネットを介して、前記サーバーへ送信し、前記携帯端末機は、前記ユーザーの操作に応じて、前記第1アプリケーションソフトウェア用プログラムの動作の下で、前記顧客情報の内で前記顧客ID及び前記顧客パスワードを与える信号を、前記インターネット又はBlueetooth(登録商標)若しくはWiFi(登録商標)等の通信手段を介して、前記店舗用コンピュータへ送信し、前記店舗用コンピュータは、前記携帯端末機より受信した前記顧客ID及び前記顧客パスワードに基づいて当該ユーザーの登録の有無の確認を求めるユーザー確認要求信号を、前記インターネットを介して、前記サーバー装置の前記サーバーへ送信すると、前記サーバーは、前記ユーザー確認要求信号の受信に応じて、前記ユーザー確認要求信号が与える当該ユーザーの顧客情報と前記データベースに格納されている前記顧客情報とを照らし合わせる処理により当該ユーザーが登録されているか否かを検索し、前記検索処理の結果、当該ユーザーが前記登録済み顧客であることを確認した場合には、少なくとも当該ユーザーに関する顧客情報を与える信号に基づいて当該ユーザーが前記真正カードで以って代金支払い決済可能な顧客であるかを確認する様に求める信号を、前記インターネットを介して、前記金融機関用コンピュータに送信し、前記金融機関用コンピュータは、前記サーバーから送信されてきた前記代金支払い決済可能確認要求信号の受信に応じて、当該ユーザーの顧客情報より、当該ユーザーは前記真正カードで以って代金支払い決済可能な顧客であるかを判断し、上記判断結果により当該ユーザーは前記真正カードで以って代金支払い決済可能な顧客であることを確認した場合には、当該ユーザーの前記決済用カードによって前記所定の金融機関が当該ユーザーの代金支払いを決済することを承認する認証信号を、前記インターネットを介して、前記サーバーへ送信すると、前記サーバーは、前記認証信号の受信に応じて前記決済用カードによるカード決済が可能である旨を示す連絡信号を当該ユーザーの前記携帯端末機に送信し、当該ユーザーの前記携帯端末機が前記連絡信号の受信に応じて決済完了の実行を指令する信号を前記サーバーへ返信して来た場合には、決済完了の実行を連絡する信号及び当該決済完了を連絡する信号を、それぞれ前記金融機関用コンピュータ及び前記店舗用コンピュータに、前記インターネットを介して、送信することを特徴とする。
【発明の効果】
【0019】
本発明の主題によれば、1)ユーザーは、自己の決済カード及びそのカード情報を店舗側に一切提示・開示することなく、自己の携帯端末機の操作のみで以って代金の支払いの決済を即座に行うことが出来、店舗側に決済カードのカード番号等のカード情報を不正に取得されて不正に利用される被害を受けることはない。そのため、ユーザーは、商品の購入又は役務の提供を受けるに際して、決済カードを常に携帯しておく必要性もなく、且つ、決済カードのカード番号等のカード情報を店舗側に一切教示・提示することもない。
【0020】
しかも、本発明の主題によれば、2)ユーザーは、自己の肖像権に係る顔写真データの様な個人を明確に特定し得るデータをサーバー装置側及び/又は店舗側に送信することは無く、しかも、ユーザーは当該顔写真等のデータを店舗側に送信されることもない。その意味で、本発明の主題に於いては、ユーザーと店舗側とのやり取りに際して、当該ユーザーの肖像の様な個人を明確に特定し得る個人情報は確実に保護される。
【0021】
又、本発明の主題によれば、3)店舗及び金融機関は、市場で一般的に入手可能な既存のパーソナルコンピュータ又はタブレット端末機のコストと比較して相対的に高コストの専用ハードウェア機器を用いることなく、本携帯端末機用決済システムを構築することができる。
【0022】
以下、本発明の様々な具体化を、添付図面を基に、その効果・利点と共に、詳述する。
【図面の簡単な説明】
【0023】
【図1】本発明の実施の形態1に係るスマートフォン決済システムの構成を模式的に示すブロック図である。
【図2】スマートフォン決済システムに於ける利用申し込み方法を模式的に示すブロック図である。
【図3】スマートフォン決済システムに於ける店舗の参加方法を模式的に示すブロック図である。
【図4】スマートフォン決済システムに於ける利用方法を模式的に示すブロック図である。
【図5】本発明の実施の形態1の変形例に係るスマートフォン決済システムの構成を模式的に示すブロック図である。
【発明を実施するための形態】
【0024】
(実施の形態1)
【0025】
<本実施の形態に係るスマートフォン決済システムの特徴点>
【0026】
その特徴点は、ユーザーが、店舗側にクレジットカード及び個人を特定し得る情報(例:氏名・顔写真等。)を提示・教示することなく、専用のアプリケーションソフトウェアが予めダウンロード・インストールされたスマートフォンの操作のみによって、店舗等及びユーザーと金融機関との間に介在したサーバー装置の機能を利用して、金融機関(所定の金融機関)が直ちに代金支払いの決済を行うことを可能とする点にある。その特徴点を実現する要が、上記のオリジナルなアプリケーションソフトウェア用プログラムである。
【0027】
本実施の形態に於いて想定され且つ定義付けされる「金融機関」には、以下の各業務形態の法人が、余すことなく含まれる。即ち、1)クレジットカードを発行する、クレジットカード発行会社(単に「クレジットカード会社」とも言う。)・信販会社・保険会社・銀行或いは信用金庫・信用組合等の様々な組織形態・業務形態の法人、2)これらのクレジットカード会社・銀行等への支払い決済業務を代行する決済代行会社、又は、3)キャッシングカードをデビットカードとして使用可能とする役務を提供する銀行・信販会社等が、「金融機関」に含まれる。
【0028】
<スマートフォン決済システムの構成>
図1は、本実施の形態に係るスマートフォン決済システム(以下「本決済システム」という。)の全体構成を模式的に示すブロック図である。
【0029】
図1に於いて、本決済システムを構築しているサーバー装置10、店舗用コンピュータ40、及びクレジットカード会社のコンピュータ20は、インターネット100により、互いに電気的に接続されている。
【0030】
ここで、サーバー装置10は、1)本決済システム構築に参加している多数の店舗の各コンピュータ40とインターネット100の回線を通じて繋がっているクラウド型サーバー(以下「サーバー」という。)1、及び、2)サーバー1に電気的に接続されており且つ各ユーザーに関する複数種類のデータを保有しているデータベース2より成る。そして、サーバー1は、本決済システムに専用のオリジナルな第1及び第2アプリケーションソフトウェア用プログラム(以下、各々を「第1及び第2プログラム」という。)を保有し、第1及び第2プログラムのダウンロードを可能とするWebサイトをインターネット100上に展開する。データベース2は、各ユーザーの顧客情報及び各ユーザーの商品購入履歴等の有益な管理情報を保有し、場合によっては、各ユーザーのクレジットカードの情報をも保有する。サーバー1は、クラウド型サーバーであるので、本決済システムに参加する多数の店舗側から収集した各種の情報ないしはデータ(データベース2に格納済み。)を、本決済システムに関与する者は共有することが可能であるし、各者がサーバー1を介して連絡を取り合うことも可能となる。
【0031】
店舗用コンピュータ40は、インターネット100の回線に接続可能なコンピュータとして機能する既存の装置(市販品)であり、スマートフォン或いはタブレット端末機ないしはタブレットコンピュータ(タブレットPC)である。具体的な一例としては、店舗用コンピュータ40はタブレット端末機であり、サーバー1の上記Webサイトからオリジナルの第2プログラム(以下「本プログラム」という。)をダウンロードして、その記憶部(図示せず)内に本プログラムを格納している。更に、店舗サイドは、ユーザーのスマートフォンのGPS機能を補間して当該ユーザーが店舗位置までに辿り着ける様に当該ユーザーを道案内するためのWiFi(登録商標)環境を備えている。
【0032】
そして、本システムを利用するユーザーは、旧来の店舗での決済手段であるクレジットカードの携帯・提示に代わる、店舗での代金支払い決済装置として、インターネット100の回線に接続可能なPC機能を有する携帯端末機であるスマートフォン(多機能携帯電話機)30を保持して店舗で使用する。その際、ユーザーは、予め、サーバー1の上記Webサイトからオリジナルの第1プログラム(以下「本プログラム」という。)をダウンロードして、その記憶部(図示せず)内に本プログラムを格納している。
【0033】
図1の本決済システムの中核を成すサーバー装置10は、本決済システムを提供する者の管理場所に設置されている。そして、店舗用コンピュータ40は、商店街等に在る個別の又はテナントとしての各専門店(小売店等)の店舗、ホテル・飲食店・スポーツジム・旅行会社の営業所・各種の学校等の役務を提供する店舗、コンビニエンスストアー或いはスーパーマーケット等の総合小売り店舗に設置されているタブレット端末機である。
【0034】
或いは、サーバー装置10は、多くのテナントが出店している百貨店・ショッピングモール等の大型店舗・商業施設内に配設される。この場合には、店舗用コンピュータ40は、各テナントの店舗内に配備されているタブレット端末機である。そして、当該大型店舗・商業施設を運営・管理している者が、主として、サーバー装置10の運営・管理を行う。
【0035】
一例としては、都市の地下街を開発・運営・管理する地方公共団体等の公共機関の外郭団体が、サーバー装置10を運営・管理し、当該地下街に於いて営業を行う各テナントが本システムの各店舗を成す場合が、考えられる。
【0036】
ここで、本決済システムに於けるサーバー装置10の機能面での位置付として留意すべき点は、サーバー装置10自体は、商品・役務の代金支払いの決済を直接に実行する装置ではなく、店舗・ユーザー及びクレジットカード会社等又はその代行決済会社との間に介在して仲介機能を呈し、本システムの管理・制御機能を呈する装置であることである。従って、サーバー装置10は代金支払い決済を実行する機能を呈せず、決済機能は、あくまでも、金融機関側のコンピュータ等である。
【0037】
<スマートフォン決済システムの支払い決済方法>
【0038】
ユーザーの利用申し込み段階:図2は、図1のスマートフォン決済システムに於ける、ユーザーによる利用申し込み方法を模式的に示すブロック図である。
【0039】
先ず、本決済システムを利用したいユーザーは、自己のスマートフォン30を操作して、サーバー1がインターネット100上にアップロードしている既述の指定Webサイトにアクセスし、当該指定Webサイトより既述の本プログラムをダウンロードした上で、その記憶部(図示せず。)内に本プログラムをインストールする。即ち、ユーザーの操作に応じて、携帯端末機であるスマートフォン30は、インターネット100の回線を介してサーバー1に電気的に接続され、その後に、利用申し込み信号をサーバー1へ送信する。その結果、サーバー1は、上記の利用申し込み信号の受信に応じて、インターネット100の回線を介して、本プログラムをスマートフォン30に送信し、スマートフォン30は、ダウンロードされた本プログラムをその記憶部にインストールする。
【0040】
その上で、ユーザーの操作により起動された本プログラムの指令信号に応じて、ユーザーは、スマートフォン30の画面表示部に、1)当該ユーザーが有するクレジットカードに関する情報、及び、2)当該ユーザーに関する顧客情報を入力する。ここで、「クレジットカード情報」(顧客カード情報)には、当該クレジットカードに記載されたカード番号、顧客名及び有効期限の情報が含まれる。又、ユーザーの「顧客情報」には、当該ユーザーが指定する顧客ID、顧客パスワード(PW)、顧客の氏名・住所・年齢或いは生年月日・連絡先等の顧客を特定する情報が、含まれる。但し、顧客の個人の肖像に関する写
真(顔写真等。)は、ここでいう「顧客情報」には含まれない。その後、本プログラムの送信指令信号に基づいて、スマートフォン30は、上記のクレジットカード情報及び顧客情報を与える信号を、サーバー1に送信する。斯かる信号の送信を受けて、サーバー1は、暫定的処理として、その記憶部(図示せず。)内に、クレジットカード情報及び顧客情報を与える信号を一時的に格納する。
【0041】
その上で、サーバー1は、クレジットカード会社(金融機関)に対して、送信されて来たクレジットカード情報が当該会社により発行されたものであり且つ有効期限内にある真正のクレジットカードに関する情報であるかを問い合わせる確認処理を行う。即ち、サーバー1は、受信したクレジットカード情報及び顧客情報を与える信号を、インターネット100を介して、クレジットカード会社のコンピュータ(金融機関用コンピュータ)20に送信する。
【0042】
クレジットカード会社のコンピュータ20は、クレジットカード情報及び顧客情報を与える信号の受信に応じて、クレジットカード情報より、カード番号に対応するクレジットカードが現に当該クレジットカード会社より発行されたカードであって且つ現時点がカード有効期間内にある真正カードであるかを確認する。その結果、当該ユーザーのカード番号に対応するクレジットカードが真正カードであることの確認が取れた場合には、上記コンピュータ20は、真正カードであることを認証する情報を与える信号を、インターネット100を介して、サーバー1へ送信する。
【0043】
サーバー1は、上記の認証確認済みの情報を与える信号の受信に応じて、暫定的に保持していた当該ユーザーの顧客情報をデータベース2に格納して当該ユーザーを顧客として登録する。その際に、サーバー1は、同じく暫定的に保持していた当該ユーザーのクレジットカード情報を抹消する。即ち、登録完了後には、サーバー装置10は各登録済みユーザーのクレジットカード情報を一切保有しないので、クレジットカード会社のみがクレジットカード情報を保有しているという本来の在るべき状態のみが現存することになる。そのため、各ユーザーの観点から見た場合には、クレジットカード情報に対するセキュリティに関する本決済システムの信頼性は格段に高まる。
【0044】
他方で、サーバー1は、登録の完了を通知する信号を、インターネット100を介して、当該ユーザーのスマートフォン30へ送信し、その結果、当該ユーザーは自己が本決済シウテムの利用者に登録された事実を知る。
【0045】
店舗の参加段階:図3は、図1のスマートフォン決済システムに於ける、各店舗の参加方法を模式的に示すブロック図である。本段階では、本決済システムへの参加を欲する各店舗に配設されているタブレット端末機40からの「店舗情報」及び「商品情報」の送信及びサーバー装置10側での当該情報の登録処理が行われる。
【0046】
先ず、本決済システムの参加店となることを欲する店舗側の操作により、当該店舗内の店舗用コンピュータ40、本例では市販のタブレット端末機(タブレットPC)40が、既述の指定Webサイトにアクセスして、当該Webサイトの所定場所より既述の専用の本プログラムをダウンロードして、本タブレット端末機40内の記憶部(図示せず。)内に本プログラムをインストールする。
【0047】
即ち、タブレット端末機40は、インターネット100の回線を介してサーバー装置10にアクセスした上で、指定Webサイトの表示に基づき、店舗参加申し込みの信号をサーバー装置10のサーバー1へ送信する。サーバー1は、上記店舗参加申し込み信号の受信に応じて、インターネット100を介して、専用のアプリケーションソフトウェア用プログラムをタブレット端末機40に送信する。店舗側のタブレット端末機40は、ダウンロードされた上記アプリケーションソフトウェア用プログラム(本プログラム)を上記記憶部部内にインストールする。
【0048】
インストール完了後、店舗側のタブレット端末機40は、当該店舗側の操作に応じて、本プログラムを起動し、且つ、当該起動後に本プログラムより発せられる指令信号に基づいて、店舗名を含む「店舗情報」を与える信号を、インターネット100を介して、サーバー1へ送信する。ここで、「店舗情報」は、店舗名の他に、当該店舗の住所、店舗側が指定する店舗ID及びパスワード(PW)等を含む当該店舗を特定するための情報である。
【0049】
そして、サーバー1は、受信した信号が与える「店舗情報」をデータベース2に格納して当該店舗を「参加店舗」としてデータベース2に登録する。しかも、サーバー1は、当該データの受信時に、当該登録店舗のタブレット端末機40のIPアドレスを取得し、且つ、当該登録店舗の住所情報よりGPS機能を利用して当該店舗の地図情報ないしは位置情報を与える信号を生成し、データベース2への登録処理を実行する。その上で、サーバー1は、当該登録の完了を通知する信号を、インターネット100を介して、当該店舗のタブレット端末機40へ送信する。
【0050】
登録完了通知信号の受信の後に、当該店舗のタブレット端末機40は、当該登録店舗内の商品に関する商品名、商品番号及び商品価格を含む商品情報並びに商品写真データを、或いは、当該店舗で提供される役務名及び役務提供価格を含む役務情報を与える信号を、インターネット100を介して、サーバー1へ送信する。即ち、当該店舗のタブレット端末機40は、専用の本プログラムの指令信号に基づき、その画面表示より、予め登録済みの既述の店舗ID及びパスワードを入力してログインする。ログイン後、当該店舗のタブレット端末機40は、本プログラムのカメラ機能に基づいて、当該タブレット端末機40が内蔵するカメラにより店舗内の個々の商品を撮影して、個々の商品の写真データを取得する。その上で、当該店舗のタブレット端末機40は、表示画面より、個々の商品ごとに、商品名、商品番号があればその商品番号、商品価格等の商品情報を、当該商品の上記写真データと共に、サーバー1へ送信する。サーバー1は、受信した信号が与える上記商品情報及び写真データを、登録済みの各店舗に於いて販売している個々の商品の商品情報・商品写真として、データベース2に格納する。そして、サーバー1は、当該登録店舗に於ける商品情報等より、CMSによる商品リストのデータを作成し、当該商品リストを与える信号を当該登録店舗のタブレット端末機40に送信し、その結果、当該登録店舗のタブレット端末機40の画面には、受信された信号が与える上記商品リストが表示可能となる。以上の本プログラムに基づき処理の完了により、参加店舗に関する登録処理は終了する。
【0051】
ユーザーのスマートフォンによる代金支払い決済の方法:図4は、図1のスマートフォン決済システムに於ける、ユーザーによる本決済システムの利用方法を模式的に示すブロック図である。
【0052】
本決済システムに登録されているユーザーは、自己が購入したい商品が販売されている、現在位置付近に位置する店舗の展開情報(店舗名、店舗の住所及び店舗電話等)を知るべく、起動された本プラグラムの指令に基づいて、当該店舗の展開情報をサーバー1よりダウンロードし、表示された各参加店舗の情報より、当該商品を購入しようと思う店舗を選択する。その上で、ユーザーは、当該店舗の住所等の情報に基づいて、スマートフォン30が保有するGPS機能により表示される画面表示を眺めながら、当該店舗付近の場所へと行く。当該参加店舗は、WiFi(登録商標)機能を提供しているため、GPS機能による位置精度を超えた近距離範囲内では、ユーザーは、上記WiFi(登録商標)機能を利用してスマートフォン30の画面に表示される地図を参照して当該店舗へと行き着き、購入を希望する商品を当該店舗に於いて求める。その結果、ユーザーは、購入を希望す
る商品の全てを収集して、それらを当該店舗のレジへと運ぶことになる。そして、ユーザーは、レジでの代金支払いの際に、ユーザーのスマートフォン30の利用により当該代金の支払いを自己のクレジットカードによって決済することを希望する旨を、当該店舗のスタッフに伝える。
【0053】
そうすると、当該店舗のスタッフは、当該店舗のタブレット端末機40内の本プログラムを起動させ、当該スタッフの操作に応じて、タブレット端末機40は、商品情報に基づいて、当該ユーザーが当該店舗に於いて購入する商品全ての合計額を算出する際に必要となる「決算情報」を与える信号を、インターネット100を介して、サーバー1へ送信する。具体的には、本プログラムの起動・指令に応じて、当該店舗のスタッフは、各商品の商品番号(当該商品の商品名に関連づけられる。)を、もし当該商品の登録が無い場合には各商品の商品名を入力し、又は、画面上に表示された商品リストから各商品を選択することで、購入対象の全商品のそれぞれの商品名情報を与える信号がサーバー1へ送信される。
【0054】
その結果、サーバー1は、受信した信号に基づいて、データベース2内のデータを参照することで、購入対象の個々の商品の商品名及び価格の情報を抽出し、それらの抽出された商品情報を与える信号を、その個々の商品の購入数量を問う信号と共に、タブレット端末機40へ送信する。その送信に応じて、購入対象の各商品の商品名、その単体の価格、及び、その購入数量を示す画像が、当該店舗のタブレット端末機40の画面上に表示される。そこで、当該店舗のスタッフは、各商品の購入数量のデータをタブレット端末機40に入力し、タブレット端末機40は各商品の購入数量のデータを与える信号をサーバー1へ送信する。その結果、サーバー1は、当該ユーザーが購入しようとする各商品の商品名、その購入数量、各商品の購入額及び購入代金の合計額(総額)を算出し、これらの情報を保持する。
【0055】
その後、ユーザーは、本プログラムの動作・指令の下で、自己のスマートフォン30を操作して、当該店舗で当該商品を購入するユーザーの意思表示を伝達する手段として、スマートフォン30の画面上に表示される当該店舗(当該店舗は候補として位置情報より抽出される。)を選択し、その上で、顧客情報を与える信号を、スマートフォン30から、インターネット100を介して、即ち、スマートフォン30からインターネット100を経てサーバー1へ及びサーバー1からインターネット100を経て、当該店舗内のタブレット端末機40へ送信する。この段階での「顧客情報」は、当該ユーザーが指定した顧客ID及び顧客パスワード(PW)であって、その他の個人を容易に特定してしまう顧客情報、即ち、顧客の氏名・住所・年齢或いは生年月日・連絡先等の情報は含まれない。従って、当該店舗の、タブレット端末機40を操作する店員・スタッフは、基本的には、顧客ID及び顧客パスワードの信号のみを画面上で知り得るのみであるので、当該ユーザーを特定的に認識することは出来ない。尚、場合に応じては、顧客ID及び顧客パスワードに加えて、「顧客の氏名」をも、ここでいう「顧客情報」に限定的に含めることとしても良い。或いは、ユーザーは、上記の「顧客情報」を与える信号を、自己の操作によって、スマートフォン30から、既知の赤外線又はBluetooth(登録商標)若しくはWiFi(登録商標)等による「近距離通信手段」による「通信」を介して、当該店舗内のタブレット端末機40へ送信しても良い。この様な直接的に送受信する「通信手段」による近距離通信の方が、インターネット100による通信よりも、「顧客情報」のセキュリティの程度をより高めることが出来る。しかも、Bluetooth(登録商標)若しくはWiFi(登録商標)の使用による「通信」で「顧客情報」を店舗側へ送信する方が、複数の顧客がレジの前で列を成して並んでいる場合のセキュリティの程度の向上乃至は本システムの確実性に寄与し得る。即ち、スマートフォン30等が有する各Bluetooth(登録商標)等には個別番号が付与されているので、店舗側コンピュータは当該Bluetooth(登録商標)に割り当てられた特定番号で以って顧客の識別を行うことができる。このため、先頭の顧客が商品の支払い決済操作を行う際に、その後ろで並んでいる他の顧客が、誤って又は意図的にBluetooth(登録商標)によって信号を送信しても、店舗側コンピュータの画面を見ている店員は、画面上に表示されるBluetooth(登録商標)の番号を先頭の顧客のスマートフォン30のBluetooth(登録商標)の番号と等しいか否かを口頭等の手段によって確認することが出来る。このBluetooth(登録商標)が有する既知の機能を利用することで、上記の様なケースに於いても、本システムによる支払い決済の確実性ないしはセキュリティの程度が向上される。勿論、上記の様にインターネットを介して店舗側コンピュータへ上記「顧客情報」を送信する場合でも、レジの店員は、画面上に表示されるユーザーIDによって、先頭の顧客に画面情報を見せる又は口頭で伝えるという種々の確認操作によって、複数の顧客が列を成している場合であっても、本システムの支払い決済の確実性ないしはセキュリティの程度を向上させ得る。その他、例えば、Bluetooth(登録商標)に代えて、Wi-Fi Alliance(登録商標)の技術を利用して、WiFi(登録商標)の技術をサポートする2台のデバイス間を、本例では顧客のスマートフォンと店舗側のタブレット型PCとを、既存のWiFi(登録商標)ネットワークに接続させることで、2台のデバイス間での直接の近距離通信接続を行うこととしても良い。或いは、WiFi(登録商標)の所定の周波数帯域をLTEに応用する通信技術を用いて、2台のデバイス間の近距離通信接続を可能としても良い。その意味で、本実施の形態では、Bluetooth(登録商標)等の様な近距離通信又はインターネットによる通信を、単に「通信」と定義する。
【0056】
その結果、当該店舗内のタブレット端末機40は、当該ユーザーのスマートフォン30より受信した、少なくとも顧客ID及び顧客パスワードに関する顧客の情報に基づいて、当該ユーザーの登録の有無の確認を求める「ユーザー確認要求信号」を、インターネット100を介して、サーバー1へ送信する。
【0057】
そして、上記ユーザー確認要求信号を受信したサーバー1は、ユーザー確認要求信号が与える当該ユーザーの顧客の情報と、データベース2に格納されている顧客情報とを照らし合わせる処理により、当該ユーザーが被登録のユーザーであるか否かを検索する。サーバー1は、当該検索処理の結果、当該ユーザーが登録済み顧客であることを確認した場合には、当該ユーザーに関する顧客情報に基づいて当該ユーザーが真正カードで以って代金支払い決済可能な顧客であるかを確認する様に求める信号を、インターネット100を介して、クレジットカード発行会社専用のコンピュータ20に送信する。
【0058】
クレジットカード発行会社専用コンピュータ20は、サーバー1から送信されてきた上記代金支払い決済可能確認要求信号の受信に応じて、当該ユーザーの顧客情報より、当該ユーザーは真正カードで以って代金支払い決済可能な顧客であるか否かを判断する。そして、上記コンピュータ20は、上記の判断結果により当該ユーザーは真正カードで以って代金支払い決済可能な顧客であることを確認した場合には、当該ユーザーのクレジットカードによって当該クレジットカード発行会社が当該ユーザーの代金支払いの決済を行うことを承認する「認証信号」を、インターネット100を介してサーバー1へ送信する。
【0059】
サーバー1は、上記認証信号の受信に応じて、クレジットカード決済が可能である旨を示す連絡信号を、当該ユーザーのスマートフォン30に送信する。斯かるクレジットカード決済可能の連絡信号を受信した当該ユーザーは、必要性に応じて、サーバー1に対して、現在の商品を購入する場合の個々の商品ごとの費用及び/又は購入総額のデータの送信を求めることが出来る。更には、当該ユーザーは、サーバー1に対して、本決済システムを用いた今月のクレジットカード決済済み総額のデータの送信をも求めることが出来る。これらの送信要求を受けたサーバー1は、現在サーバー1自体が保持している購入対象の商品群の費用データに加えて、データベース2内に蓄積されている過去の毎月の商品決済データを読み出した上で、それらのデータの一覧表形式の情報を、当該ユーザーに送信する。当該ユーザーは、サーバー1より送信されてきた上記のデータをスマートフォン30の画面上で見て確認することとなり、その確認結果を基にクレジットカード決済実行をするか否かを判断する。
【0060】
その上で、当該ユーザーのスマートフォン30が、クレジットカード決済の実行による決済完了をOKとする指令信号をサーバー1へ返信して来た場合には、サーバー1は、クレジットカードによる決済完了の実行を指令ないしは連絡する信号及び当該決済完了済みを連絡する信号を、それぞれ、クレジットカード会社用コンピュータ20及び当該店舗のタブレット端末機40へ、インターネット100を介して、送信する。
【0061】
その決済完了の連絡がタブレット端末機40の画面上に表示されたのを受けて、当該店舗のスタッフは、レジに於かれている商品の全てを、当該ユーザーに引き渡すと共に、クレジットカード決済されたことが付記されている領収書をも当該ユーザーに手渡す。これにより、当該ユーザーと当該店舗との間の商品売買は即時に完了する。
【0062】
他方で、クレジットカード会社のコンピュータ20は、サーバー1から送信されてきた上記の指令信号に応じて、当該ユーザーの支払い金額のクレジットカードによる決済完了のための実行処理を行う。
【0063】
その決済完了の結果、クレジットカード発行会社は、当該店舗側へ購入代金(手数料を除く。)を支払うと共に、当該ユーザーに毎月分の請求額が記載された請求書を郵送するか、又は、当該ユーザーがWebサイト上で毎月の請求額を確認することが出来ることとする。
【0064】
尚、クレジットカード発行会社専用コンピュータ20が当該登録済みのユーザーのクレジットカード支払い決済を非承認と判断する場合には、サーバー1は、クレジットカード支払い決済不可の連絡信号を、スマートフォン30及び店舗用タブレット端末機40に送信する。
【0065】
<スマートフォン決済システムの利点>
【0066】
1)商品の購入に於いてクレジットカード決済を希望するユーザーは、自己のクレジットカードを商品購入時に店舗側に提示することなく、且つ、クレジットカードの情報を商品購入時に店舗側等に開示することもなく、代金支払い額をクレジットカードで以って決済することが出来る。
【0067】
2)市場で容易に入手可能な既存のインターネット接続機能及びPC機能を有する機器を用いて本決済システムを構築することが出来る点で経済的であり、高コストの機器を準備して本決済システムを構築することは不要である。
【0068】
3)各店舗は、スマートフォン又はタブレット端末機の配設と、専用のアプリケーションソフトのダウンロード・インストールのみで、クレジットカード決済システムを構築することが出来る。
【0069】
4)クラウド型サーバー及びデータベースの利用によって、サーバー管理者及び店舗側等は、商品の購買層、顧客の利用状況などの情報・データを把握することが出来る。
【0070】
5)クラウド型サーバー及びデータベースの利用によって、ユーザーに最も近い本決済システム利用可能な店舗の位置情報を、当該ユーザーのスマートフォンに表示することが出来る。
【0071】
6)クラウド型サーバー及びデータベースの利用によって、サーバー管理者等は、ユーザーのスマートフォンに対して、お勧め商品の情報、又は、お勧めルートマップを表示することが出来る。
【0072】
7)複雑な手順を踏むことなく、簡単にネットストアを開設することが出来、容易に商品のアップロードが可能となる。
【0073】
例えば、スマートテレビ(スマートTV)の様な端末機、或いは、放送電波・オンデマンドの映像を受信して放送画面・映像画面をディスプレイに表示可能な機能を備える携帯端末機(タブレットPC・スマートフォン等)をユーザーが使用して画面を眺めている時に、ユーザーの当該端末機上の操作のみによって、ディスプレイ上に表示されている商品又は役務を即座にカード決済によって購入し又は提供を受けることも可能となる。その場合には、ユーザーは、放送画面等を受信・表示可能な機能を備える「端末機」の画面上の釦操作(タッチパネル上の操作)のみを行えば良く、カード決済に際してユーザーのID,PW等の個人情報のデータを店舗側へ送ることは一切不要となる。或いは、本システムによれば、スマートTVの画面上に映し出された商品を購入又は役務の提供を受けたいと望むときに、ユーザーは、手元のスマートフォン又はタブレットPCの操作のみにより、当該商品を購入し、又は、当該役務の提供を受けることも可能となる。
【0074】
(変形例)
(1)ユーザーが「携帯端末機用決済システム」に於いて使用する「携帯端末機」は、実施の形態1で記載したスマートフォンに限定されるものではなく、タブレット端末機(タブレットPC)でも良い。要は、インターネット接続機能及びコンピュータ機能を有する携帯端末機が、本発明の主題に於ける「携帯端末機」である。
【0075】
(2)本発明の主題に於ける「店舗用コンピュータ」は、実施の形態1で記載したタブレット端末機に限定されるものではなく、例えば、デスクトップ型又はノート型のパーソナルコンピュータ(PC)でも良い。
【0076】
(3)本発明の主題に於ける「携帯端末機用決済システム」に於ける「決済カード」としては、「クレジットカード」に代えて、銀行・クレジットカード発行会社等が発行する「デビットカード」でも良い。銀行・信用金庫等の金融機関が自行の口座から直接に引き落とす「デビットカード」が「決済カード」に該当する場合には、「カード番号」等の「決済カード情報」は「キャッシングカード」の「カード番号」等の情報となる。
【0077】
(4)本発明の主題に係る「携帯端末機用決済システム」の支払い決済の対象となる代金は、商品の購入代金の他に、「店舗」から種々の役務の提供を受ける場合の費用であっても良い。この場合には、「商品情報」に代えて、店舗で提供される役務名及び役務提供価格を含む「役務情報」が、店舗用コンピュータからサーバー装置へ送信・登録される。
【0078】
(5) 本発明に於ける金融機関用コンピュータは、各クレジットカード会社又は銀行等が行う決済業務を代行する「決済代行会社」が保有するコンピュータであっても良い。その様な変形例に係る本システムの構成を模式的に示す図が、図5である。
【0079】
図5に於いて、決済代行会社のコンピュータ(金融機関用コンピュータ)20Aにネット回線を介して電気的に接続されている各クレジットカード会社又は各銀行等が、ユーザーに対して実際にクレジットカード又はデビットカードによるカード決済を行う「所定の金融機関」であり、それらのコンピュータが「所定の金融機関用コンピュータ」である。
【0080】
図5に於ける決済代行会社のコンピュータ20Aは、1)決済すべき代金を先ず店舗用コンピュータ40側に対して支払った上で各クレジットカード会社等のコンピュータ20B1,・・・,20B2,・・・,20B3側に対して支払い請求をする機能を呈する場合と、2)支払決済すべき代金を直ちに各クレジットカード会社等に対して店舗に代行して支払い請求する機能を呈する場合とがある。この場合には、代行決済会社のコンピュータ20Aは、既述したユーザー情報及びカード情報を各々与える信号を、サーバー装置10からの送信によって受信し、各信号が与える情報を保有している。
【0081】
何れの場合であっても、本変形例に於いて、ユーザーは、店頭に於いて、カード情報を一切開示・提示することなく、且つ、カード自体を持ち歩く必要性もなく、単に店舗用コンピュータ40に「顧客情報」のみを送信するためのスマートフォン30の単純な決まった操作を行うだけで、代金支払いを当該決済カードにて即座に決済することが出来る。
【0082】
(付記)
以上、本発明の実施の形態を詳細に開示し記述したが、以上の記述は本発明の適用可能な局面を例示したものであって、本発明はこれに限定されるものではない。即ち、記述した局面に対する様々な修正及び/又は変形例を、この発明の範囲から逸脱することの無い範囲内で考えることが可能である。
【産業上の利用可能性】
【0083】
本発明は、例えば、顧客が自己の決済カードの情報の提示又は開示を伴うことなく自己のスマートフォン又はタブレット端末機の単純な操作のみで商品の購入代金等の支払いを即座に決済可能とさせるシステムに適用して好適である。
【符号の説明】
【0084】
10 サーバー装置
1 クラウド型サーバー
2 データベース
20 クレジットカード会社のコンピュータ
30 ユーザーのスマートフォン
40 店舗用コンピュータ
100 インターネット
1S オリジナルの専用アプリケーションソフトウェア用プログラム
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】
インターネットに接続可能な携帯端末機を用いてユーザーが店舗に於いて商品購入時の又は役務の提供を受ける際の代金の支払い決済を行う携帯端末機用決済システムであって、
前記インターネット上に接続され且つ第1及び第2アプリケーションソフトウェア用プログラムを保有するサーバー、並びに、前記サーバーに電気的に接続されたデータベースを備えるサーバー装置と、
前記インターネットを介して前記サーバー装置に電気的に接続される、前記店舗に配設される店舗用コンピュータと、
前記インターネットを介して前記サーバー装置に電気的に接続される金融機関用コンピュータと
を備え、
(A)前記ユーザーの操作に応じて、前記携帯端末機が前記インターネットを介して前記サーバー装置に電気的に接続された後に利用申し込み信号を前記サーバー装置の前記サーバーへ送信した場合には、
前記サーバーは、前記利用申し込み信号の受信に応じて、前記インターネットを介して、前記第1アプリケーションソフトウェア用プログラムを前記携帯端末機に送信し、
前記携帯端末機は、
前記インターネットを介して前記サーバー装置よりダウンロードされた前記第1アプリケーションソフトウェア用プログラムを前記携帯端末機内の記憶部にインストールし、
当該インストール完了後に、前記ユーザーの操作に応じて、前記第1アプリケーションソフトウェア用プログラムを起動し、且つ、当該起動後に当該プログラムより発せられる指令信号に基づいて、所定の金融機関が発行したクレジットカード又はデビットカードの何れか一方の決済用カードに関する、少なくともカード番号を含む顧客カード情報、並びに、少なくとも前記ユーザーが指定する顧客ID、顧客パスワード及び顧客名の各々を含む顧客情報を与える信号を、前記インターネットを介して前記サーバーへ送信すると共に、
前記サーバーは、
前記携帯端末機より受信した前記顧客カード情報及び前記顧客情報を与える信号を、前記インターネットを介して、前記金融機関用コンピュータに送信し、
前記金融機関用コンピュータは、
前記顧客カード情報及び前記顧客情報を与える信号の受信に応じて、前記顧客カード情報より、前記カード番号に対応する前記決済用カードが前記所定の金融機関により発行されたカードであって且つ現時点がカード有効期間内にある真正カードであるかを確認し、前記真正カードの確認が取れた場合に、前記真正カードであることを認証する情報を与える信号を前記サーバー装置へ前記インターネットを介して送信し、
前記サーバーは、
前記金融機関用コンピュータより前記インターネットを介して受信した前記真正カードであることを認証する情報を与える信号に基づいて、少なくとも前記顧客情報を前記データベースに格納して前記ユーザーを顧客として登録する一方、当該登録の完了を通知する信号を、前記インターネットを介して、前記携帯端末機へ送信し、
(B)前記店舗側の操作に応じて、前記店舗用コンピュータが、前記インターネットを介して、店舗参加申し込みの信号を前記サーバー装置の前記サーバーへ送信した場合には、
前記サーバーは前記店舗参加申し込み信号の受信に応じて前記インターネットを介して前記第2アプリケーションソフトウェア用プログラムを前記店舗用コンピュータに送信し、
前記店舗用コンピュータは、
前記インターネットを介して前記サーバー装置よりダウンロードされた前記第2アプリケーションソフトウェア用プログラムを前記店舗用コンピュータ内にインストールし、
当該インストール完了後に、前記店舗側の操作に応じて、前記第2アプリケーションソフトウェア用プログラムを起動し、且つ、当該起動後に当該プログラムより発せられる指令信号に基づいて、店舗名を含む店舗情報を与える信号を、前記インターネットを介して前記サーバーへ送信すると共に、
前記サーバーは、
前記店舗用コンピュータより受信した前記店舗情報を与える信号を前記データベースに格納して前記店舗を参加店舗として登録する一方、当該登録の完了を通知する信号を、前記インターネットを介して、前記店舗用コンピュータへ送信し、
前記店舗用コンピュータは、
前記サーバーより送信された前記参加店舗としての登録完了通知信号の受信の後に、前記店舗内の商品に関する商品名及び商品価格を含む商品情報ないしは前記店舗で提供される役務名及び役務提供価格を含む役務情報を与える信号を、前記インターネットを介して、前記サーバーへ送信し、
(C)前記店舗での商品購入の際に又は役務の提供の支払いに関して前記ユーザーが前記携帯端末機の利用により前記代金の支払い決済を前記決済用カードにより行うことを前記店舗側に希望する場合には、
前記店舗用コンピュータは、前記商品情報ないしは前記役務情報に基づいて、前記ユーザーが当該店舗に於いて購入する商品全ての価格ないしは前記ユーザーが当該店舗に於いて提供を受ける役務全ての価格を算出する際に必要となる決算情報を与える信号を、前記インターネットを介して、前記サーバーへ送信し、
前記携帯端末機は、前記ユーザーの操作に応じて、前記第1アプリケーションソフトウェア用プログラムの動作の下で、前記顧客情報の内で前記顧客ID及び前記顧客パスワードを与える信号を、前記インターネットを介して、前記店舗用コンピュータへ送信し、
前記店舗用コンピュータは、前記携帯端末機より受信した前記顧客ID及び前記顧客パスワードに基づいて当該ユーザーの登録の有無の確認を求めるユーザー確認要求信号を、前記インターネットを介して、前記サーバー装置の前記サーバーへ送信すると、
前記サーバーは、
前記ユーザー確認要求信号の受信に応じて、前記ユーザー確認要求信号が与える当該ユーザーの顧客情報と前記データベースに格納されている前記顧客情報とを照らし合わせる処理により当該ユーザーが登録されているか否かを検索し、
前記検索処理の結果、当該ユーザーが前記登録済み顧客であることを確認した場合には、少なくとも当該ユーザーに関する顧客情報を与える信号に基づいて当該ユーザーが前記真正カードで以って代金支払い決済可能な顧客であるかを確認する様に求める信号を、前記インターネットを介して、前記金融機関用コンピュータに送信し、
前記金融機関用コンピュータは、
前記サーバーから送信されてきた前記代金支払い決済可能確認要求信号の受信に応じて、当該ユーザーの顧客情報より、当該ユーザーは前記真正カードで以って代金支払い決済可能な顧客であるかを判断し、
上記判断結果により当該ユーザーは前記真正カードで以って代金支払い決済可能な顧客であることを確認した場合には、当該ユーザーの前記決済用カードによって前記所定の金融機関が当該ユーザーの代金支払いを決済することを承認する認証信号を、前記インターネットを介して、前記サーバーへ送信すると、
前記サーバーは、
前記認証信号の受信に応じて、前記決済用カードによるカード決済が可能である旨を示す連絡信号を当該ユーザーの前記携帯端末機に送信し、
当該ユーザーの前記携帯端末機が前記連絡信号の受信に応じて決済完了の実行を指令する信号を前記サーバーへ返信して来た場合には、
決済完了の実行を連絡する信号及び当該決済完了を連絡する信号を、それぞれ前記金融機関用コンピュータ及び前記店舗用コンピュータに、前記インターネットを介して、送信する
ことを特徴とする、携帯端末機用決済システム。
【請求項2】
インターネットに接続可能な携帯端末機を用いてユーザーが店舗に於いて商品購入時の又は役務の提供を受ける際の代金の支払い決済を行う携帯端末機用決済システムであって、
前記インターネット上に接続され且つ第1及び第2アプリケーションソフトウェア用プログラムを保有するサーバー、並びに、前記サーバーに電気的に接続されたデータベースを備えるサーバー装置と、
前記インターネットを介して前記サーバー装置に電気的に接続される、前記店舗に配設される店舗用コンピュータと、
前記インターネットを介して前記サーバー装置に電気的に接続される金融機関用コンピュータと
を備え、
(A)前記ユーザーの操作に応じて、前記携帯端末機が前記インターネットを介して前記サーバー装置に電気的に接続された後に利用申し込み信号を前記サーバー装置の前記サーバーへ送信した場合には、
前記サーバーは、前記利用申し込み信号の受信に応じて、前記インターネットを介して、前記第1アプリケーションソフトウェア用プログラムを前記携帯端末機に送信し、
前記携帯端末機は、
前記インターネットを介して前記サーバー装置よりダウンロードされた前記第1アプリケーションソフトウェア用プログラムを前記携帯端末機内の記憶部にインストールし、
当該インストール完了後に、前記ユーザーの操作に応じて、前記第1アプリケーションソフトウェア用プログラムを起動し、且つ、当該起動後に当該プログラムより発せられる指令信号に基づいて、所定の金融機関が発行したクレジットカード又はデビットカードの何れか一方の決済用カードに関する、少なくともカード番号を含む顧客カード情報、並びに、少なくとも前記ユーザーが指定する顧客ID、顧客パスワード及び顧客名の各々を含む顧客情報を与える信号を、前記インターネットを介して前記サーバーへ送信すると共に、
前記サーバーは、
前記携帯端末機より受信した前記顧客カード情報及び前記顧客情報を与える信号を、前記インターネットを介して、前記金融機関用コンピュータに送信し、
前記金融機関用コンピュータは、
前記顧客カード情報及び前記顧客情報を与える信号の受信に応じて、前記顧客カード情報より、前記カード番号に対応する前記決済用カードが前記所定の金融機関により発行されたカードであって且つ現時点がカード有効期間内にある真正カードであるかを確認し、前記真正カードの確認が取れた場合に、前記真正カードであることを認証する情報を与える信号を前記サーバー装置へ前記インターネットを介して送信し、
前記サーバーは、
前記金融機関用コンピュータより前記インターネットを介して受信した前記真正カードであることを認証する情報を与える信号に基づいて、少なくとも前記顧客情報を前記データベースに格納して前記ユーザーを顧客として登録する一方、当該登録の完了を通知する信号を、前記インターネットを介して、前記携帯端末機へ送信し、
(B)前記店舗側の操作に応じて、前記店舗用コンピュータが、前記インターネットを介して、店舗参加申し込みの信号を前記サーバー装置の前記サーバーへ送信した場合には、
前記サーバーは前記店舗参加申し込み信号の受信に応じて前記インターネットを介して前記第2アプリケーションソフトウェア用プログラムを前記店舗用コンピュータに送信し、
前記店舗用コンピュータは、
前記インターネットを介して前記サーバー装置よりダウンロードされた前記第2アプリケーションソフトウェア用プログラムを前記店舗用コンピュータ内にインストールし、
当該インストール完了後に、前記店舗側の操作に応じて、前記第2アプリケーションソフトウェア用プログラムを起動し、且つ、当該起動後に当該プログラムより発せられる指令信号に基づいて、店舗名を含む店舗情報を与える信号を、前記インターネットを介して前記サーバーへ送信すると共に、
前記サーバーは、
前記店舗用コンピュータより受信した前記店舗情報を与える信号を前記データベースに格納して前記店舗を参加店舗として登録する一方、当該登録の完了を通知する信号を、前記インターネットを介して、前記店舗用コンピュータへ送信し、
前記店舗用コンピュータは、
前記サーバーより送信された前記参加店舗としての登録完了通知信号の受信の後に、前記店舗内の商品に関する商品名及び商品価格を含む商品情報ないしは前記店舗で提供される役務名及び役務提供価格を含む役務情報を与える信号を、前記インターネットを介して、前記サーバーへ送信し、
(C)前記店舗での商品購入の際に又は役務の提供の支払いに関して前記ユーザーが前記携帯端末機の利用により前記代金の支払い決済を前記決済用カードにより行うことを前記店舗側に希望する場合には、
前記店舗用コンピュータは、前記商品情報ないしは前記役務情報に基づいて、前記ユーザーが当該店舗に於いて購入する商品全ての価格ないしは前記ユーザーが当該店舗に於いて提供を受ける役務全ての価格を算出する際に必要となる決算情報を与える信号を、前記インターネットを介して、前記サーバーへ送信し、
前記携帯端末機は、前記ユーザーの操作に応じて、前記第1アプリケーションソフトウェア用プログラムの動作の下で、前記顧客情報の内で前記顧客ID及び前記顧客パスワードを与える信号を、通信を介して、前記店舗用コンピュータへ送信し、
前記店舗用コンピュータは、前記携帯端末機より受信した前記顧客ID及び前記顧客パスワードに基づいて当該ユーザーの登録の有無の確認を求めるユーザー確認要求信号を、前記インターネットを介して、前記サーバー装置の前記サーバーへ送信すると、
前記サーバーは、
前記ユーザー確認要求信号の受信に応じて、前記ユーザー確認要求信号が与える当該ユーザーの顧客情報と前記データベースに格納されている前記顧客情報とを照らし合わせる処理により当該ユーザーが登録されているか否かを検索し、
前記検索処理の結果、当該ユーザーが前記登録済み顧客であることを確認した場合には、少なくとも当該ユーザーに関する顧客情報を与える信号に基づいて当該ユーザーが前記真正カードで以って代金支払い決済可能な顧客であるかを確認する様に求める信号を、前記インターネットを介して、前記金融機関用コンピュータに送信し、
前記金融機関用コンピュータは、
前記サーバーから送信されてきた前記代金支払い決済可能確認要求信号の受信に応じて、当該ユーザーの顧客情報より、当該ユーザーは前記真正カードで以って代金支払い決済可能な顧客であるかを判断し、
上記判断結果により当該ユーザーは前記真正カードで以って代金支払い決済可能な顧客であることを確認した場合には、当該ユーザーの前記決済用カードによって前記所定の金融機関が当該ユーザーの代金支払いを決済することを承認する認証信号を、前記インターネットを介して、前記サーバーへ送信すると、
前記サーバーは、
前記認証信号の受信に応じて、前記決済用カードによるカード決済が可能である旨を示す連絡信号を当該ユーザーの前記携帯端末機に送信し、
当該ユーザーの前記携帯端末機が前記連絡信号の受信に応じて決済完了の実行を指令する信号を前記サーバーへ返信して来た場合には、
決済完了の実行を連絡する信号及び当該決済完了を連絡する信号を、それぞれ前記金融機関用コンピュータ及び前記店舗用コンピュータに、前記インターネットを介して、送信する
ことを特徴とする、携帯端末機用決済システム。
【請求項3】
請求項2に記載の携帯端末機用決済システムであって、
(C)前記携帯端末機が、前記ユーザーの操作に応じて、前記第1アプリケーションソフトウェア用プログラムの動作の下で、前記顧客情報の内で前記顧客ID及び前記顧客パスワードを与える信号を、Bluetooth(登録商標)又はWiFi(登録商標)による通信を介して、前記店舗用コンピュータへ送信する、
ことを特徴とする、携帯端末機用決済システム。
【請求項4】
請求項1乃至3の何れか1項に記載の携帯端末機用決済システムであって、
前記サーバーは、
前記真正カードであることを認証する情報を与える信号の受信に応じて前記ユーザーを顧客として登録する際に、
保持している前記ユーザーの前記顧客カード情報を削除する一方、
前記ユーザーの前記顧客情報のみを前記データベースに格納する
ことを特徴とする、携帯端末機用決済システム。
【請求項5】
請求項1乃至4の何れか1項に記載の前記携帯端末機用決済システムに於いて用いられる前記サーバー装置を備える
ことを特徴とする、サーバー装置。
【請求項6】
インターネットに接続可能な携帯端末機を用いてユーザーが店舗に於いて商品購入時の又は役務の提供を受ける際の代金の支払い決済を行う携帯端末機用決済システムで用いられるプログラムであって、
(A)前記ユーザーの操作に応じて、前記携帯端末機が前記インターネットを介してサーバー装置に電気的に接続された後に利用申し込み信号を前記サーバー装置のサーバーへ送信した場合には、
前記サーバーは、前記利用申し込み信号の受信に応じて、前記インターネットを介して、第1アプリケーションソフトウェア用プログラムを前記携帯端末機に送信し、
前記携帯端末機は、
前記インターネットを介して前記サーバー装置よりダウンロードされた前記第1アプリケーションソフトウェア用プログラムを前記携帯端末機内の記憶部にインストールし、
当該インストール完了後に、前記ユーザーの操作に応じて、前記第1アプリケーションソフトウェア用プログラムを起動し、且つ、当該起動後に当該プログラムより発せられる指令信号に基づいて、所定の金融機関が発行したクレジットカード又はデビットカードの何れか一方の決済用カードに関する、少なくともカード番号を含む顧客カード情報、並びに、少なくとも前記ユーザーが指定する顧客ID、顧客パスワード及び顧客名の各々を含む顧客情報を与える信号を、前記インターネットを介して前記サーバーへ送信すると共に、
前記サーバーは、
前記携帯端末機より受信した前記顧客カード情報及び前記顧客情報を与える信号を、前記インターネットを介して、金融機関用コンピュータに送信し、
前記金融機関用コンピュータは、
前記顧客カード情報及び前記顧客情報を与える信号の受信に応じて、前記顧客カード情報より、前記カード番号に対応する前記決済用カードが前記所定の金融機関により発行されたカードであって且つ現時点がカード有効期間内にある真正カードであるかを確認し、前記真正カードの確認が取れた場合に、前記真正カードであることを認証する情報を与える信号を前記サーバー装置へ前記インターネットを介して送信し、
前記サーバーは、
前記金融機関用コンピュータより前記インターネットを介して受信した前記真正カードであることを認証する情報を与える信号に基づいて、少なくとも前記顧客情報を前記サーバーに電気的に接続されたデータベースに格納して前記ユーザーを顧客として登録する一方、当該登録の完了を通知する信号を、前記インターネットを介して、前記携帯端末機へ送信し、
(B)店舗側の操作に応じて、店舗用コンピュータが、前記インターネットを介して、店舗参加申し込みの信号を前記サーバー装置の前記サーバーへ送信した場合には、
前記サーバーは前記店舗参加申し込み信号の受信に応じて前記インターネットを介して第2アプリケーションソフトウェア用プログラムを前記店舗用コンピュータに送信し、
前記店舗用コンピュータは、
前記インターネットを介して前記サーバー装置よりダウンロードされた前記第2アプリケーションソフトウェア用プログラムを前記店舗用コンピュータ内にインストールし、
当該インストール完了後に、前記店舗側の操作に応じて、前記第2アプリケーションソフトウェア用プログラムを起動し、且つ、当該起動後に当該プログラムより発せられる指令信号に基づいて、店舗名を含む店舗情報を与える信号を、前記インターネットを介して前記サーバーへ送信すると共に、
前記サーバーは、
前記店舗用コンピュータより受信した前記店舗情報を与える信号を前記データベースに格納して前記店舗を参加店舗として登録する一方、当該登録の完了を通知する信号を、前記インターネットを介して、前記店舗用コンピュータへ送信し、
前記店舗用コンピュータは、
前記サーバーより送信された前記参加店舗としての登録完了通知信号の受信の後に、前記店舗内の商品に関する商品名及び商品価格を含む商品情報ないしは前記店舗で提供される役務名及び役務提供価格を含む役務情報を与える信号を、前記インターネットを介して、前記サーバーへ送信し、
(C)前記店舗での商品購入の際に又は役務の提供の支払いに関して前記ユーザーが前記携帯端末機の利用により前記代金の支払い決済を前記決済用カードにより行うことを前記店舗側に希望する場合には、
前記店舗用コンピュータは、前記商品情報ないしは前記役務情報に基づいて、前記ユーザーが当該店舗に於いて購入する商品全ての価格ないしは前記ユーザーが当該店舗に於いて提供を受ける役務全ての価格を算出する際に必要となる決算情報を与える信号を、前記インターネットを介して、前記サーバーへ送信し、
前記携帯端末機は、前記ユーザーの操作に応じて、前記第1アプリケーションソフトウェア用プログラムの動作の下で、前記顧客情報の内で前記顧客ID及び前記顧客パスワードを与える信号を、前記インターネットを介して、前記店舗用コンピュータへ送信し、
前記店舗用コンピュータは、前記携帯端末機より受信した前記顧客ID及び前記顧客パスワードの情報に基づいて当該ユーザーの登録の有無の確認を求めるユーザー確認要求信号を、前記インターネットを介して、前記サーバー装置の前記サーバーへ送信すると、
前記サーバーは、
前記ユーザー確認要求信号の受信に応じて、前記ユーザー確認要求信号が与える当該ユーザーの顧客情報と前記データベースに格納されている前記顧客情報とを照らし合わせる処理により当該ユーザーが登録されているか否かを検索し、
前記検索処理の結果、当該ユーザーが前記登録済み顧客であることを確認した場合には、少なくとも当該ユーザーに関する顧客情報を与える信号に基づいて当該ユーザーが前記真正カードで以って代金支払い決済可能な顧客であるかを確認する様に求める信号を、前記インターネットを介して、前記金融機関用コンピュータに送信し、
前記金融機関用コンピュータは、
前記サーバーから送信されてきた前記代金支払い決済可能確認要求信号の受信に応じて、当該ユーザーの顧客情報より、当該ユーザーは前記真正カードで以って代金支払い決済可能な顧客であるかを判断し、
上記判断結果により当該ユーザーは前記真正カードで以って代金支払い決済可能な顧客であることを確認した場合には、当該ユーザーの前記決済用カードによって前記所定の金融機関が当該ユーザーの代金支払いを決済することを承認する認証信号を、前記インターネットを介して、前記サーバーへ送信すると、
前記サーバーは、
前記認証信号の受信に応じて、前記決済用カードによるカード決済が可能である旨を示す連絡信号を当該ユーザーの前記携帯端末機に送信し、
当該ユーザーの前記携帯端末機が前記連絡信号の受信に応じて決済完了の実行を指令する信号を前記サーバーへ返信して来た場合には、
決済完了の実行を連絡する信号及び当該決済完了を連絡する信号を、それぞれ前記金融機関用コンピュータ及び前記店舗用コンピュータに、前記インターネットを介して、送信する、
一連の電気的処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
【請求項7】
インターネットに接続可能な携帯端末機を用いてユーザーが店舗に於いて商品購入時の又は役務の提供を受ける際の代金の支払い決済を行う携帯端末機用決済システムで用いられるプログラムであって、
(A)前記ユーザーの操作に応じて、前記携帯端末機が前記インターネットを介してサーバー装置に電気的に接続された後に利用申し込み信号を前記サーバー装置のサーバーへ送信した場合には、
前記サーバーは、前記利用申し込み信号の受信に応じて、前記インターネットを介して、第1アプリケーションソフトウェア用プログラムを前記携帯端末機に送信し、
前記携帯端末機は、
前記インターネットを介して前記サーバー装置よりダウンロードされた前記第1アプリケーションソフトウェア用プログラムを前記携帯端末機内の記憶部にインストールし、
当該インストール完了後に、前記ユーザーの操作に応じて、前記第1アプリケーションソフトウェア用プログラムを起動し、且つ、当該起動後に当該プログラムより発せられる指令信号に基づいて、所定の金融機関が発行したクレジットカード又はデビットカードの何れか一方の決済用カードに関する、少なくともカード番号を含む顧客カード情報、並びに、少なくとも前記ユーザーが指定する顧客ID、顧客パスワード及び顧客名の各々を含む顧客情報を与える信号を、前記インターネットを介して前記サーバーへ送信すると共に、
前記サーバーは、
前記携帯端末機より受信した前記顧客カード情報及び前記顧客情報を与える信号を、前記インターネットを介して、金融機関用コンピュータに送信し、
前記金融機関用コンピュータは、
前記顧客カード情報及び前記顧客情報を与える信号の受信に応じて、前記顧客カード情報より、前記カード番号に対応する前記決済用カードが前記所定の金融機関により発行されたカードであって且つ現時点がカード有効期間内にある真正カードであるかを確認し、前記真正カードの確認が取れた場合に、前記真正カードであることを認証する情報を与える信号を前記サーバー装置へ前記インターネットを介して送信し、
前記サーバーは、
前記金融機関用コンピュータより前記インターネットを介して受信した前記真正カードであることを認証する情報を与える信号に基づいて、少なくとも前記顧客情報を前記サーバーに電気的に接続されたデータベースに格納して前記ユーザーを顧客として登録する一方、当該登録の完了を通知する信号を、前記インターネットを介して、前記携帯端末機へ送信し、
(B)店舗側の操作に応じて、店舗用コンピュータが、前記インターネットを介して、店舗参加申し込みの信号を前記サーバー装置の前記サーバーへ送信した場合には、
前記サーバーは前記店舗参加申し込み信号の受信に応じて前記インターネットを介して第2アプリケーションソフトウェア用プログラムを前記店舗用コンピュータに送信し、
前記店舗用コンピュータは、
前記インターネットを介して前記サーバー装置よりダウンロードされた前記第2アプリケーションソフトウェア用プログラムを前記店舗用コンピュータ内にインストールし、
当該インストール完了後に、前記店舗側の操作に応じて、前記第2アプリケーションソフトウェア用プログラムを起動し、且つ、当該起動後に当該プログラムより発せられる指令信号に基づいて、店舗名を含む店舗情報を与える信号を、前記インターネットを介して前記サーバーへ送信すると共に、
前記サーバーは、
前記店舗用コンピュータより受信した前記店舗情報を与える信号を前記データベースに格納して前記店舗を参加店舗として登録する一方、当該登録の完了を通知する信号を、前記インターネットを介して、前記店舗用コンピュータへ送信し、
前記店舗用コンピュータは、
前記サーバーより送信された前記参加店舗としての登録完了通知信号の受信の後に、前記店舗内の商品に関する商品名及び商品価格を含む商品情報ないしは前記店舗で提供される役務名及び役務提供価格を含む役務情報を与える信号を、前記インターネットを介して、前記サーバーへ送信し、
(C)前記店舗での商品購入の際に又は役務の提供の支払いに関して前記ユーザーが前記携帯端末機の利用により前記代金の支払い決済を前記決済用カードにより行うことを前記店舗側に希望する場合には、
前記店舗用コンピュータは、前記商品情報ないしは前記役務情報に基づいて、前記ユーザーが当該店舗に於いて購入する商品全ての価格ないしは前記ユーザーが当該店舗に於いて提供を受ける役務全ての価格を算出する際に必要となる決算情報を与える信号を、前記インターネットを介して、前記サーバーへ送信し、
前記携帯端末機は、前記ユーザーの操作に応じて、前記第1アプリケーションソフトウェア用プログラムの動作の下で、前記顧客情報の内で前記顧客ID及び前記顧客パスワードを与える信号を、通信を介して、前記店舗用コンピュータへ送信し、
前記店舗用コンピュータは、前記携帯端末機より受信した前記顧客ID及び前記顧客パスワードの情報に基づいて当該ユーザーの登録の有無の確認を求めるユーザー確認要求信号を、前記インターネットを介して、前記サーバー装置の前記サーバーへ送信すると、
前記サーバーは、
前記ユーザー確認要求信号の受信に応じて、前記ユーザー確認要求信号が与える当該ユーザーの顧客情報と前記データベースに格納されている前記顧客情報とを照らし合わせる処理により当該ユーザーが登録されているか否かを検索し、
前記検索処理の結果、当該ユーザーが前記登録済み顧客であることを確認した場合には、少なくとも当該ユーザーに関する顧客情報を与える信号に基づいて当該ユーザーが前記真正カードで以って代金支払い決済可能な顧客であるかを確認する様に求める信号を、前記インターネットを介して、前記金融機関用コンピュータに送信し、
前記金融機関用コンピュータは、
前記サーバーから送信されてきた前記代金支払い決済可能確認要求信号の受信に応じて、当該ユーザーの顧客情報より、当該ユーザーは前記真正カードで以って代金支払い決済可能な顧客であるかを判断し、
上記判断結果により当該ユーザーは前記真正カードで以って代金支払い決済可能な顧客であることを確認した場合には、当該ユーザーの前記決済用カードによって前記所定の金融機関が当該ユーザーの代金支払いを決済することを承認する認証信号を、前記インターネットを介して、前記サーバーへ送信すると、
前記サーバーは、
前記認証信号の受信に応じて、前記決済用カードによるカード決済が可能である旨を示す連絡信号を当該ユーザーの前記携帯端末機に送信し、
当該ユーザーの前記携帯端末機が前記連絡信号の受信に応じて決済完了の実行を指令する信号を前記サーバーへ返信して来た場合には、
決済完了の実行を連絡する信号及び当該決済完了を連絡する信号を、それぞれ前記金融機関用コンピュータ及び前記店舗用コンピュータに、前記インターネットを介して、送信する、
一連の電気的処理をコンピュータに実行させるためのプログラム。
 
訂正の要旨 審決(決定)の【理由】欄参照。
審理終結日 2021-03-31 
結審通知日 2021-04-07 
審決日 2021-04-21 
出願番号 特願2014-40432(P2014-40432)
審決分類 P 1 41・ 852- Y (G06Q)
P 1 41・ 853- Y (G06Q)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山崎 誠也  
特許庁審判長 渡邊 聡
特許庁審判官 中野 浩昌
速水 雄太
登録日 2018-06-15 
登録番号 特許第6353667号(P6353667)
発明の名称 携帯端末機用決済システム、サーバー装置及びプログラム  
代理人 山本 真一  
代理人 山本 真一  

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