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審決分類 審判 査定不服 5項独立特許用件 特許、登録しない。 A24F
審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A24F
管理番号 1376420
審判番号 不服2020-10281  
総通号数 261 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-09-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-07-22 
確定日 2021-07-28 
事件の表示 特願2017-510339「可動カートリッジを含むエアロゾル送達デバイス及び関連する組み立て方法」拒絶査定不服審判事件〔平成28年 2月25日国際公開、WO2016/028544、平成29年11月 2日国内公表、特表2017-532009〕について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、2015年8月11日(パリ条約による優先権主張外国庁受理2014年8月21日、アメリカ合衆国(US))を国際出願日とする出願であって、平成29年4月21日に手続補正書が提出されたところ、令和1年7月16日付けで拒絶の理由が通知され、令和1年10月21日に意見書及び手続補正書が提出されたところ、令和2年3月16日付け(発送日:令和2年3月24日)で拒絶査定がなされ、それに対して、令和2年7月22日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。

第2 令和2年7月22日にされた手続補正についての補正の却下の決定
[補正の却下の決定の結論]
令和2年7月22日にされた手続補正(以下「本件補正」という。)を却下する。
[理由]
1 補正の内容
(1)本件補正前の特許請求の範囲
本件補正前の、令和1年10月21日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1の記載は次のとおりである。
「【請求項1】
エアロゾル送達デバイスであって、
筐体と、
電源と、
電源に接続され、吸い口を有する外部本体を備えたカートリッジであって、前記吸い口がそれを通したエアロゾルの通過のために構成されており、前記カートリッジの外部本体が、エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成された貯蔵器と、エアロゾル前駆体組成物をエアロゾル化して、吸い口を通して向けられるエアロゾルを生み出すように構成された噴霧器とを含む、カートリッジと、
前記筐体の少なくとも一部分に対して可動であり、前記カートリッジに係合するように構成された接続器と、
前記吸い口が前記筐体に対して露出する延出した構成と、前記吸い口が前記延出した構成よりも前記筐体と相対的に近い後退した構成との間で、前記接続器に係合した前記カートリッジを移動させるように構成された作動装置と、を備える、エアロゾル送達デバイス。」

(2)本件補正後の特許請求の範囲
本件補正により、特許請求の範囲の請求項1の記載は、次のとおり補正された(下線部は、補正箇所である。)。
「【請求項1】
エアロゾル送達デバイスであって、
筐体と、
電源と、
電源に接続され、吸い口を有する外部本体を備えたカートリッジであって、前記吸い口がそれを通したエアロゾルの通過のために構成されており、前記カートリッジの外部本体が、エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成された貯蔵器と、エアロゾル前駆体組成物をエアロゾル化して、吸い口を通して向けられるエアロゾルを生み出すように構成された噴霧器とを内部に収容する、カートリッジと、
前記筐体の少なくとも一部分に対して可動であり、前記カートリッジに係合するように構成された接続器と、
前記吸い口が前記筐体に対して露出する延出した構成と、前記吸い口が前記延出した構成よりも前記筐体と相対的に近い後退した構成との間で、前記接続器に係合した前記カートリッジを移動させるように構成された作動装置と、を備える、エアロゾル送達デバイス。」

2 補正の適否について
本件補正は、補正前の請求項1に記載した発明を特定するために必要な事項である「カートリッジの外部本体」に関して、補正前の「エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成された貯蔵器」と「エアロゾル前駆体組成物をエアロゾル化して、吸い口を通して向けられるエアロゾルを生み出すように構成された噴霧器」とを「内部に含む」との記載を「内部に収容する」と限定するものであって、かつ、補正前の請求項1に記載された発明と補正後の請求項1に記載される発明の産業上の利用分野及び解決しようとする課題が同一であるので、特許法第17条の2第5項第2号の特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。

3 独立特許要件について
そこで、本件補正後の請求項1に記載された発明(以下「本願補正発明」という。)が特許出願の際独立して特許を受けることができるものであるか(特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に適合するか)について、以下に検討する。

(1)引用例1
原査定の拒絶の理由に引用文献1として引用された米国特許出願公開第2013/0167854号明細書には、図面とともに以下の事項が記載されている(なお、()内は当審による翻訳であり、下線は当審にて付したものである。)。

(1-a)「[0008] An object of the invention is to provide an electronic cigarette in which a cartridge which is held in the mouth when the electronic cigarette is being used can enter and exit a housing, so that, when the electronic cigarette is not being used, the cartridge is positioned inside the housing, thereby preventing the cartridge from being contaminated by impurities such as dust.
(本発明の目的は、使用時には、口腔内に保持され、カートリッジをハウジングに入れたり、出したりすることができ、不使用時には、カートリッジがハウジング内に位置決めされ、カートリッジをゴミ等の不純物により汚染されることを防止するようした電子タバコを提供するものである。)」

(1-b)「[0060] An electronic cigarette according to an embodiment of the invention will be describing with reference to FIG. 1 to FIG. 9. The electronic cigarette includes a housing 1 which forms an outer shell and has an opening A, a vaporizer 2 which is positioned inside the housing 1, is supplied with a solution contained in a cartridge 3, and generates smoke by vaporizing the supplied solution, the cartridge 3 which is coupled with one end of the vaporizer 2, contains the solution therein, and discharges the smoke generated by the vaporizer 2 to the outside, an ascending/descending means 4 which is positioned inside the housing 1 and moves up and down the vaporizer 2 and the cartridge 3 which are integrally coupled with each other, an opening/closing means 5 which opens and closes the opening A by operating in cooperation with the ascending/descending means 4, an ultraviolet (UV) lamp 6 which is positioned inside the housing 1 and sterilizes the cartridge 3 by irradiating the cartridge 3 with UV radiation, and a driving unit 7 which is positioned inside the housing 1 and drives the vaporizer 2 and the UV lamp 6. When the electronic cigarette is not being used, it is possible to locate the cartridge 3 inside the housing 1 and close the opening A, thereby preventing the cartridge 3 from being contaminated with impurities, and sterilizing the cartridge 3 with UV radiation.
(本発明の電子タバコは、図1?図9に示されるものである。電子タバコは、その外殻を形成し、開口部Aを有するハウジング1と、ハウジング1の内側に配置され、カートリッジ3に収容された溶液が供給され、溶液が気化されて煙を発生させる気化器2と、気化器2の一方の端部に連結され、内部に溶液を収容し、気化器2により発生された煙を外部に排出するカートリッジ3と、ハウジング1内に配置され、一体的に連結される蒸発器2、及びカートリッジ3を上下に移動させる昇降手段4と、昇降手段4と協働で動作することにより開口部Aを開閉する開閉手段5と、ハウジング1内に位置決めされ、カートリッジ3にUV放射線を照射することによってカートリッジ3を殺菌する紫外線(UV)ランプ6と、内部に配置され、気化器2と紫外線(UV)ランプ6を駆動する駆動部7と、を有している。電子タバコは使用されていない場合には、ハウジング1内のカートリッジ3の位置決めを行い、開口部Aを塞ぐことができ、カートリッジ3が不純物で汚染されると、カートリッジ3をUV照射で殺菌する。)」

(1-c)「[0064] The cartridge mount 112 is a component which protrudes from the inner surface, and in which an extra cartridge 3′ which is not being used is stored. The cartridge mount 112 has a predetermined shape, for example, the shape of a rectangular box which has a recess into which the cartridge 3 can be inserted.
(カートリッジ装着部112は、内側面から突出し、使用されていない余分なカートリッジ3’が格納されている部品である。カートリッジ装着部112は、所定の形状、例えばカートリッジ3を挿入することができる凹部を有する長方形の箱の形状を有する。)」

(1-d)「[0075] One end of the vaporizer 2 is positioned inside the housing 1 and the other end of the vaporizer 2 is coupled with the cartridge, such that the vaporizer 2 receives a solution contained in the cartridge 3 and generates smoke by vaporizing the solution. The vaporizer 2 is disposed as being inserted into the vaporizer receiving portion 41 of the ascending/descending means 4, and is connected to the controller 75 via an electric wire 8. The vaporizer 2 includes components such as an air inlet hole 21 and a vaporizing portion 22.
(気化器2の一端は、ハウジング1内に配置され、気化器2の他の端部は、カートリッジと結合されており、気化器2は、カートリッジ3に収容された溶液を受容し、溶液を気化して煙が発生するようにする。気化器2は、昇降手段4の気化器の受け部41に挿入されるように配置されており、電線8を介してコントローラ75に接続されている。気化器2は、空気導入孔21と気化部22などを備えている。)

[0076] The air inlet hole 21 is a through-hole formed in one surface. When a user of the electronic cigarette breathes in, external air flows inward through the air inlet hole 21.
(空気流入孔21は、一方の面に形成された貫通孔である。電子タバコ使用者が吸息すると、空気流入孔21を介して内部に外部の空気が流入する。)

[0077] The vaporizing portion 22 is a component which is positioned inside the vaporizer 2, receives the solution contained in the cartridge 3, and generates smoke. The vaporizing portion 22 includes components such as a solution collecting portion 221 and a heating coil 222. The solution collecting portion 221 is configured such that the distal end thereof is in contact with a fiber member 33 of the cartridge 3 in order to absorb the solution, and can be made of, for example, polyester foam or stainless fiber foam. One portion of the heating coil 222 is connected to the solution collecting portion 221, and the heating coil 222 generates smoke by heating the solution that has permeated into a vessel through the solution collecting portion 221 and converting the solution into the gaseous state.
(気化部22は気化器2の内部に配置された構成要素であり、カートリッジ3内に収容された溶液を受け、煙を生成する。気化部22は、染色液回収部221と加熱コイル222などを有している。液回収部221は、溶液を吸収するために、その遠位端は、カートリッジ3の繊維部材33と接触するように構成されており、例えば、ポリエステル発泡材又はステンレス繊維、発泡体から形成することができる。加熱コイル222の一部は、染色液回収部221に接続され、加熱コイル222は、染色液回収部221を通って容器へと透過した溶液を加熱し、溶液を気体状態に変換することにより、スモークが発生する。)

[0078] The cartridge 3 is a component which is coupled with one end of the vaporizer 2, contains the solution therein, and discharges the smoke generated by the vaporizer 2 to the outside. The upper end of the outer surface of the cartridge 3 is inserted into the lower end of the inner surface of the vaporizer 2 such that the vaporizer 2 is coupled with the cartridge 3. The distal end of the solution collecting portion 221 of the vaporizer 2 is in contact with the fiber member 33 of the cartridge 3. The cartridge 3 has components, including a pressed portion 31 in the upper end thereof which is vertically compressed such that a smoker can easily bite the electronic cigarette, a solution containing portion 32 which is formed at one portion of the inner surface so as to contain the solution therein, the fiber member 33 which is inserted into an entrance recess 321 of the solution containing portion 32 so as to absorb the solution contained in the solution containing portion 32, an inflow passage 34 through which the smoke that is generated while the solution contained in the solution containing portion 32 is passing through the vaporizer 2 is introduced, and a discharge hole 35 through which the smoke introduced through the inflow passage is discharged to the outside.」
(カートリッジ3は、気化器2の1つの端部に連結された部品であり、溶液を収容し、気化器2により発生された煙を外部に排出する。カートリッジ3の外面の上端は、気化器2の内面の下端部に挿入され、気化器2がカートリッジ3と結合されるようになっている。蒸発器2の液溜め部221の遠位端は、カートリッジ3の繊維部材33と接触している。カートリッジ3は、喫煙者がシガレットを難なく噛むことができるように、その上端部が垂直方向に圧縮される押圧部31と、内部に溶液を収容するように内側表面の一部に形成されている溶液収容部32と、溶液収容部32内に収容された溶液を吸収するように、液収容部32の凹部321に挿入されるファイバ部材33と、溶液収容部32に収容されている溶液が気化器2を通過している間に煙が生成され、その煙が導入される流入通路34と、その流入通路を介して導入される煙を外部に排出させる排出孔35とを有している。)」

(1-e)「[0087] The ascending/descending means 4 is a component which is positioned inside the housing 1, and moves up and down the vaporizer 2 and the cartridge 3 which are integrally coupled with each other. The ascending/descending means 4 includes components such as the vaporizer receiving portion 41, the operating lug 42 and a first rack gear 43.
(昇降手段4は、ハウジング1内に配置される部品であり、互いに一体に連結されている気化器2及びカートリッジ3を上下に移動させる。昇降手段4は、気化器の受け部41と、作動杆42と第1ラックギア43などを備えている。)

[0088] The vaporizer receiving portion 41 is a component which receives the vaporizer 2 therein, and moves up and down inside the housing 1, guided by the receiving portion guide 111. The vaporizer receiving portion 41 has a predetermined shape, preferably, the shape of a rectangular box including a vaporizer receiving recess 411 which is concaved downward. A through-hole 412 is formed in the lower surface of the vaporizer receiving recess 411. The through-hole 412 acts as a passage through which the electric wire which connects the vaporizer 2 to the controller 75 passes.
(気化器の受け部41は、気化器2を収容し、ハウジング1内を上下方向に移動し、部品収納部ガイド111によって案内される。気化器の受け部41は、所定の形状、好ましくは、下方に凹んでいることを気化器の受け凹部411を備えた長方形の箱の形状を有する。気化器受容凹部411の下面には、貫通孔412を形成する。前記貫通孔412は、気化器2をコントローラ75に接続する電気ワイヤが通過する通路となる。)

[0089] The operating lug 42 is a component which extends from the front surface of the vaporizer receiving portion 41, is inserted into the operating lug movement slit 121, and protrudes from the front surface of the side plate 12. The operating lug 42 is movable up and down in the operating lug movement slit 121.
(作動杆42は、気化器の受け部41の前面から延び、作動突起部移動スリット121に挿入され、側板12の前面から突出するものである。作動杆42は作動突起部移動スリット121の中で上下に移動可能である。)」

(1-f)「[0097] The driving unit 7 is a component which is positioned inside the housing 1, and operates the UV lamp 6 and the vaporizer 2. The driving unit 7 includes components such as the pressure sensor 71, a battery 72, a power supply 73, an input 74 and the controller 75.
(駆動部7は、ハウジング1内に配置された部材であり、UVランプ6と、気化器2を動作させる。駆動部7は、圧力センサ71と、電池72と、電源73と、入力部74および制御部75などを備えている。)」

(1-g)「[0104]?A description will be given of the operating principle in which the user breathes in smoke by lifting the cartridge 3. In the state of FIG. 1 and FIG. 7, when the operating lug 42 is moved up, the operating lug 42 pushes down the lower leaf spring 122a and moves up along the operating lug movement slit 121. As the operating lug 42 moves up, as shown in FIG. 8, the vaporizer receiving portion 41 also moves up, and consequently, the vaporizer 2 and the cartridge 3 also move up. In addition, as the vaporizer receiving portion 41 moves up, the first rack gear 43 rotates the pinion gear 55 in the clockwise direction, so that the ascending/descending plate 52 moves down. As the ascending/descending plate 52 moves down, the spring 54 is relaxed and the door 51 is opened. Consequently, the ascending/descending plate 52 moves into the housing 1 along the ascending/descending plate guide 16. In the state of FIG. 8, when the operating lug 42 is moved up as far as possible, the door 51 is positioned completely inside the housing 1 and the pressed portion 31 of the cartridge 3 is positioned outside the housing 1 through the opening A, as shown in FIG. 2 and FIG. 9. At this time, the operating lug 42 is supported by the upper leaf spring 122b, so that the cartridge 3 is positioned in the state in which it has protruded from the housing 1. In the state in which the pressed portion 31 of the cartridge 3 has protruded from the housing 1, when the user presses one button from among the operating buttons 741, which operates the vaporizer 2, and breathes in by biting the pressed portion 31 by the mouth, the vaporizer 2 operates. Then, the solution that has passed sequentially through the solution containing portion 32, the fiber member 33, the solution collecting portion 221 is heated by the heating coil 222, and is converted into the gaseous state, thereby generating smoke. The smoke flows into the inflow passage under a suction pressure, and enters the mouth of the user through the discharge hole 35.
(ここでは、ユーザは、カートリッジ3を持ち上げることによって、煙を吸い込む動作原理について説明する。図1および図7の状態において、前記作動杆42が上方に移動すると、作動杆42は、板ばね122aを押し下げ、移動スリット121に沿って上方に移動する。作動杆42が上方に移動すると、図8に示すように、気化器の受け部41も上方に移動し、その結果、蒸発器2およびカートリッジ3も上昇する。また、気化器の受け部41が上昇すると、第1ラックギア43はピニオンギア55を時計回り方向に回転し、昇降板52が下降するようになっている。昇降板52が下方に移動するにつれて、ばね54が弛緩され、ドア51が開放される。これにより、昇降板52は昇降板ガイド16に沿ってハウジング1の中へ移動する。図8の状態では、作動杆42は、可能な限り上に移動されると、ドア51は、ハウジング1の内側に全て配置され、カートリッジ3の被押圧部31が、開口部Aを通ってハウジング1の外側に配置される。このとき、図2および図9に示すように、この作動杆42は上部板バネ122bによって支持されることで、カートリッジ3は、ハウジング1から突出させた状態で配置される。カートリッジ3の被押圧部31は、ハウジング1から突出させた状態で、ユーザが、気化器2を動作させる操作ボタン741の中の1つのボタンを押し、被押圧部31を噛むことにより息を吸うとき、気化器2は動作する。次いで、溶液収容部32、ファイバ33、溶液採取部221を順次に通過した溶液は、加熱コイル222によって加熱され、気体状態に変換されるため、スモークを発生させる。煙は吸込圧力下で流入通路内に流入し、排出孔35を通ってユーザーの口に入る。)」

(1-h)「[0106] The electronic cigarette according to the invention is characterized in that, when the electronic cigarette according to the invention is not being used, the cartridge 3 which is to be held in the mouth is positioned inside the housing 1 and the opening A is closed, thereby preventing the cartridge 3 from being contaminated by impurities such as dust. The electronic cigarette according to the invention is also characterized in that, when the electronic cigarette according to the invention is not being used, the cartridge 3 is positioned inside the housing 1 and is sterilized using the UV lamp 6. Furthermore, the electronic cigarette according to the invention is characterized in that convenience of use is realized and the cartridge 3 is effectively prevented from being contaminated since the opening A is automatically opened and closed following upward and downward movement of the cartridge 3. In addition, the electronic cigarette according to the invention is characterized in that the effect of sterilization can be maximized since the cartridge 3 can be sterilized for a predetermined period as soon as the cartridge 3 is positioned inside the housing 1.
(本発明の電子タバコでは、使用されていないときには、口の中に保持されるカートリッジ3は、塵埃等の不純物に汚染されことを抑制するために、ハウジング1内に配置され、開口部Aが閉じられていることを特徴とする。本発明の電子タバコでは、使用されていないときには、カートリッジ3は、ハウジング1内に配置され、UVランプ6を使用して滅菌されることを特徴とする。さらに、本発明に係る電子タバコは、使用する際の利便性が実現され、開口部Aがカートリッジ3の上方及び下方への移動に追従して自動的に開閉されるので、カートリッジ3の汚染が効果的に防止される。本発明に係る電子タバコは、カートリッジ3がハウジング1内に位置決めされるとすぐに、所定の期間だけ殺菌することができるので、本発明の電子タバコでは、殺菌の効果を最大にすることができることを特徴とする。)」

(1-i)









(1-j)Figure5には、カートリッジ3は、排出孔35が形成された外部本体(ハッチングがされたコ字状の部材)を備えることが示されており、該外部本体は、溶液収容部32を内部に収容することが把握できる。
また、[0106]には、「口の中に保持されるカートリッジ3」と記載され、[0078]には、「カートリッジ3は」「煙を外部に排出させる排出孔35」「を有している」ことが記載されている。
以上によれば、引用例1には、煙を外部に排出させる排出孔35が形成された外部本体を備え、口の中に保持されるカートリッジ3であって、カートリッジ3の外部本体は、溶液を収容する溶液収容部32を内部に収容するカートリッジ3が記載されているといえる。

(1-k)[0077]には、「気化部22は気化器2の内部に配置された構成要素であり、カートリッジ3内に収容された溶液を受け、煙を生成する」と記載され、[0078]には、「カートリッジ3は、気化器2の1つの端部に連結された部品であり、溶液を収容し、気化器2により発生された煙を外部に排出する」ことが記載されている。
よって、引用例1には、カートリッジ3と連結され、カートリッジ3内に収容された溶液を受け、煙を生成する気化器2が記載されているといえる。

(1-l)[0087]には、「昇降手段4は、ハウジング1内に配置される部品であり、互いに一体に連結されている気化器2及びカートリッジ3を上下に移動させる。昇降手段4は、気化器の受け部41と、作動杆42と第1ラックギア43などを備えている。」と記載され、[0088]には、「気化器の受け部41は、気化器2を収容し、ハウジング1内を上下方向に移動し」と記載されている。
また、[0104]には、「カートリッジ3の被押圧部31は、ハウジング1から突出させた状態で、ユーザが、気化器2を動作させる操作ボタン741の中の1つのボタンを押し、被押圧部31を噛むことにより息を吸うとき、気化器2は動作する。」と記載され、[0106]には、「本発明の電子タバコでは、使用されていないときには、カートリッジ3は、ハウジング1内に配置され」と記載されている。
そして、Figure9には、カートリッジ3がハウジング1から突出した状態が示されており、Figure7には、この状態よりもカートリッジ3の上部がハウジング1に相対的に近くなっているハウジング1内に配置された状態が示されている。
よって、引用例1には、互いに連結されている気化器2及びカートリッジ3を上下に移動させ、カートリッジ3がハウジング1から突出した状態と、この状態よりもカートリッジ3の上部がハウジング1に相対的に近くなっているハウジング1内に配置された状態にする昇降手段4が記載されているといえる。

上記(1-a)?(1-l)の事項を総合すると、引用例1には、次の発明が記載されていると認められる(以下「引用発明」という。)。
「電子タバコであって、
ハウジング1と、
電池72と、
煙を外部に排出させる排出孔35が形成された外部本体を備え、口の中に保持されるカートリッジ3であって、カートリッジ3の外部本体は、溶液を収容する溶液収容部32を内部に収容するカートリッジ3と、
カートリッジ3と連結され、カートリッジ3内に収容された溶液を受け、煙を生成する気化器2と、
互いに連結されている気化器2及びカートリッジ3を上下に移動させ、カートリッジ3がハウジング1から突出した状態と、この状態よりもカートリッジ3の上部がハウジング1に相対的に近くなっているハウジング1内に配置された状態にする昇降手段4と、を備える、電子タバコ。」

(2)対比
本願補正発明と引用発明とを対比する。
ア 引用発明の「電子タバコ」、「ハウジング1」、「電池72」は、それぞれ、本願補正発明の「エアロゾル送達デバイス」、「筐体」、「電源」に相当する。

イ 引用発明の「カートリッジ3」は、「煙を外部に排出させる排出孔35が形成された外部本体を備え、口の中に保持される」から、排出孔35が形成された外部本体の一部は吸い口を構成するものであり、該吸い口は煙(エアロゾル)の通過のために構成されたものといえる。
また、引用発明の溶液収容部32に収容された溶液は、気化器2により煙(エアロゾル)が生成されるから、引用発明の「溶液を収容する溶液収容部32」は、本願補正発明の「エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成された貯蔵器」に相当する。
そして、引用発明の「カートリッジ3内に収容された溶液を受け、煙を生成する気化器2」は、本願補正発明の「エアロゾル前駆体組成物をエアロゾル化して、吸い口を通して向けられるエアロゾルを生み出すように構成された噴霧器」に相当する。
よって、引用発明の「煙を外部に排出させる排出孔35が形成された外部本体を備え、口の中に保持されるカートリッジ3であって、カートリッジ3の外部本体は、溶液を収容する溶液収容部32を内部に収容するカートリッジ3と、カートリッジ3と連結され、カートリッジ3内に収容された溶液を受け、煙を生成する気化器2」を備える点と、
本願補正発明の「電源に接続され、吸い口を有する外部本体を備えたカートリッジであって、前記吸い口がそれを通したエアロゾルの通過のために構成されており、前記カートリッジの外部本体が、エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成された貯蔵器と、エアロゾル前駆体組成物をエアロゾル化して、吸い口を通して向けられるエアロゾルを生み出すように構成された噴霧器とを内部に収容する、カートリッジ」を備える点とは、
「吸い口を有する外部本体を備えたカートリッジであって、前記吸い口がそれを通したエアロゾルの通過のために構成されており、前記カートリッジの外部本体が、エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成された貯蔵器を内部に収容する、カートリッジと、エアロゾル前駆体組成物をエアロゾル化して、吸い口を通して向けられるエアロゾルを生み出すように構成された噴霧器」を備える点で共通する。

ウ 引用発明の「気化器2」が「カートリッジ3と連結」する点は、本願補正発明の「接続器」が「カートリッジと係合」する点に相当する。
また、引用発明の「気化器2」は、カートリッジ3とともに上下に移動し、カートリッジ3がハウジング1から突出した状態と、カートリッジ3をハウジング1内に配置された状態になるから、ハウジング1(筐体)に対して可動であるといえる。
よって、引用発明の「カートリッジ3と連結され、カートリッジ3内に収容された溶液を受け、煙を生成する気化器2」は、本願補正発明の「筐体の少なくとも一部分に対して可動であり、カートリッジに係合するように構成された接続器」に相当する。

エ 引用発明の「カートリッジ3がハウジング1から突出した状態」、「この状態よりもカートリッジ3の上部がハウジング1に相対的に近くなっているハウジング1内に配置された状態」は、それぞれ、本願補正発明の「吸い口が筐体に対して露出する延出した構成」、「吸い口が延出した構成よりも筐体と相対的に近い後退した構成」に相当する。
よって、引用発明の「互いに連結されている気化器2及びカートリッジ3を上下に移動させ、カートリッジ3がハウジング1から突出した状態と、この状態よりもカートリッジ3の上部がハウジング1に相対的に近くなっているハウジング1内に配置された状態にする昇降手段4」は、本願補正発明の「吸い口が筐体に対して露出する延出した構成と、前記吸い口が前記延出した構成よりも前記筐体と相対的に近い後退した構成との間で、接続器に係合したカートリッジを移動させるように構成された作動装置」に相当する。

したがって、本願補正発明と引用発明とは、
「エアロゾル送達デバイスであって、
筐体と、
電源と、
吸い口を有する外部本体を備えたカートリッジであって、前記吸い口がそれを通したエアロゾルの通過のために構成されており、前記カートリッジの外部本体が、エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成された貯蔵器を内部に収容する、カートリッジと、
エアロゾル前駆体組成物をエアロゾル化して、吸い口を通して向けられるエアロゾルを生み出すように構成された噴霧器と、
前記筐体の少なくとも一部分に対して可動であり、前記カートリッジに係合するように構成された接続器と、
前記吸い口が前記筐体に対して露出する延出した構成と、前記吸い口が前記延出した構成よりも前記筐体と相対的に近い後退した構成との間で、前記接続器に係合した前記カートリッジを移動させるように構成された作動装置と、を備える、エアロゾル送達デバイス。」
である点で一致し、以下の点で一応相違する。

[相違点]
本願補正発明は、「カートリッジ」が「電源に接続され」るとともに、「エアロゾル前駆体組成物をエアロゾル化して、吸い口を通して向けられるエアロゾルを生み出すように構成された噴霧器」「を内部に収容する」のに対し、引用発明は、カートリッジ3が接続器を有する「煙を生成する気化器2」と連結されており、カートリッジ3の内部に「煙を生成する気化器2」を収容しておらず、カートリッジ3と電源とが接続されていない点。

(3)判断
ア 上記[相違点]について検討する。
電子タバコの技術分野において、カートリッジの内部に、エアロゾル源の貯蔵部材とともに加熱によりエアロゾルを発生させる気化器を設けることは、本願の優先日前において、周知の技術である(以下「周知の技術」という。)。(例えば、原査定の拒絶の理由に引用文献2として引用された国際公開第2013/083636号の第13頁第13?29、FIG.1に記載されたカートリッジ103内に液体貯蔵部113、及び加熱器119の形式の気化器を設けた点、特開2010-213579号公報の段落【0031】、【0032】、図2?5に記載されたカートリッジ3内に発熱プラグ4(気化器)を嵌挿させ、カートリッジ3に香味媒体保持具32(貯蔵部材)を設けた点、国際公開2014/039308号の第15頁第15?27行、第16頁第18?27行、FIG.1に記載されたカートリッジ90に貯留層201(貯蔵部材)及び抵抗加熱要素50(気化器)を設けた点(日本語公表公報として特表2015-529082号公報の段落【0032】、【0036】図1)を参照のこと。)
また、上記周知の技術において、加熱によりエアロゾルを発生させる気化器は、電源に接続する必要があるから、気化器を設けたカートリッジが電子タバコ本体にある電源に接続されることは明らかである。
そして、引用発明と周知の技術とは、エアロゾル源の貯蔵部材を内部に収容するカートリッジを有する電子タバコである点で共通する。さらに、引用発明において、気化器と接続器が一体不可分で分離できないという合理的な理由もないので、上記周知の技術を踏まえれば、カートリッジに貯蔵部材のみを収容するか、貯蔵部材に加えて気化器のみを収容するかは、当業者が必要に応じて適宜選択できるものといえる。
よって、引用発明のカートリッジの構成において、上記周知の技術を採用し、貯蔵部材(貯蔵器)に加えて気化器(噴霧器)を内部に収容するように構成するとともに、電源に接続するように構成することは当業者であれば容易になし得たことである。

イ 請求人の主張について
請求人は、審判請求書において、「引用文献1におけるvaporizer 2は、供給される溶液を気化させることによってスモークを生成させるだけでなく、接続器としても動作する。引用文献1におけるvaporizer 2の2重の機能性のため、cartridge 3を内部にvaporizer 2を収容するように修正する教示、示唆、動機が引用文献1にはない。なぜなら、そのようにすることは、カートリッジと発明の他の部分との間の接続性を欠くことになるからである。」と主張する。
しかしながら、上記のとおり、電子タバコの技術分野において、カートリッジの内部に、エアロゾル源の貯蔵部材とともに加熱によりエアロゾルを発生させる気化器を設けることは、周知の技術であり、引用発明と周知の技術とは、エアロゾル源の貯蔵部材を内部に収容するカートリッジを有する電子タバコである点で共通するから、引用発明において周知の技術のカートリッジを適用する動機付けはあるといえる。
そして、引用発明の気化器2(vaporizer 2)が気化器の機能とカートリッジを接続する接続器の機能という2重の機能性を有するとしても、これらの機能が一体不可分であるという合理的な理由はなく、気化器をカートリッジ内に設けた場合に接続器も一緒にカートリッジ内に設ける必要はないのである。
そうすると、引用発明に周知の技術を適用し、気化器2の構成において接続器の機能を分離しカートリッジ外に残したまま、気化器の機能のみをカートリッジ内に設けることは当業者であれば容易になし得たことであるといえ、気化器2が2重の機能性を有することが、引用発明に周知の技術を採用する際の阻害要因とまではいえない。
また、仮に、気化器2の気化器の機能と接続器の機能が一体不可分であるとしても、カートリッジを接続する接続部を設けることは当然のことであるから(例えば、上記周知の技術として示した特開2010-213579号公報の図2の係合部2c、国際公開2014/039308号のFIG.1の制御本体突出部82を参照のこと。)、引用発明に周知の技術を適用し、気化器の機能と接続器の機能を有する気化器2をカートリッジ内に設けるとともに、カートリッジと係合する別の接続部を設けることは当業者であれば容易になし得たことといえる。
したがって、請求人の主張は採用できない。

(4)まとめ
以上のように、本願補正発明は、引用発明及び周知の技術に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により、特許出願の際独立して特許を受けることができない。

4 むすび
したがって、本件補正は、特許法第17条の2第6項において準用する同法第126条第7項の規定に違反するので、同法第159条第1項において読み替えて準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。

第3 本願発明について
1 本願発明
本件補正は上記のとおり却下されたので、本願の請求項1?18に係る発明は、令和1年10月21日に提出された手続補正書により補正された特許請求の範囲の請求項1?18に記載されたとおりのものであるところ、その請求項1に係る発明(以下「本願発明」という。)は、前記「第2[理由]1(1)」に記載のとおりのものである。

2 原査定の拒絶の理由
原査定の拒絶の理由は、次の理由を含むものである。
この出願の下記の請求項に係る発明は、その出願前に日本国内又は外国において、頒布された下記の刊行物に記載された発明又は電気通信回線を通じて公衆に利用可能となった発明に基いて、その出願前にその発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献1:米国特許出願公開第2013/0167854号明細書
引用文献2:国際公開第2013/083636号(周知技術を示す文献)

3 引用例
引用例1及びその記載事項は、前記「第2[理由]3(1)」に記載したとおりである。

4 対比・判断
本願発明は、本願補正発明を特定するために必要な事項である「カートリッジの外部本体」に関して、「エアロゾル前駆体組成物を保持するように構成された貯蔵器」と「エアロゾル前駆体組成物をエアロゾル化して、吸い口を通して向けられるエアロゾルを生み出すように構成された噴霧器」とを「内部に収容する」との限定を削除して、「内部に含む」との記載に戻すものである。
そうすると、本願発明の発明特定事項を全て含み、さらに他の事項を付加したものに相当する本件補正発明が、前記第2の[理由]2(3)、(4)に記載したとおり、引用発明及び周知の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、本願発明も、引用発明及び周知の技術に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものである。

5 むすび
以上のとおりであるから、本願発明は、特許法第29条第2項に該当し、特許を受けることができない。
したがって、他の請求項について検討するまでもなく、本願は、拒絶されるべきものである。
よって、結論のとおり審決する。


 
別掲
 
審理終結日 2021-02-19 
結審通知日 2021-02-24 
審決日 2021-03-12 
出願番号 特願2017-510339(P2017-510339)
審決分類 P 1 8・ 575- Z (A24F)
P 1 8・ 121- Z (A24F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 沼田 規好  
特許庁審判長 林 茂樹
特許庁審判官 山田 裕介
平城 俊雅
発明の名称 可動カートリッジを含むエアロゾル送達デバイス及び関連する組み立て方法  
代理人 特許業務法人川口國際特許事務所  
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