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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 G06F
管理番号 1376575
審判番号 不服2020-10187  
総通号数 261 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2021-09-24 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2020-07-20 
確定日 2021-08-17 
事件の表示 特願2018-248327「情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム」拒絶査定不服審判事件〔令和 2年 7月 9日出願公開、特開2020-107269、請求項の数(18)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 第1 手続の経緯
本願は、平成30年12月28日の出願であって、令和元年6月21日に拒絶理由が通知され、同年8月30日に意見書が提出されるとともに手続補正がなされたが、同年11月1日付けで拒絶の査定がなされ、これに対し、令和2年7月20日に拒絶査定不服審判の請求がなされると同時に手続補正がなされたものである。

第2 原査定の理由の概要
原査定(令和元年11月1日付け拒絶査定)の概要は次のとおりである。
本願請求項1、7-10、12、14、16-18に係る発明は、以下の引用文献1に記載された発明であるから特許法第29条第1項第3号の規定により特許を受けることができない。また、本願請求項1、7-14、16-18に係る発明は、以下の引用文献1-4に基づいて、その発明の属する技術の分野における通常の知識を有する者(以下「当業者」という。)が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。

引用文献等一覧
1.特開2012-252394号公報
2.特開2009-252152号公報
3.特開2014-228970号公報
4.尾崎 憲和,2000年度システム・プロバイダ業績ランキング,日経システムプロバイダ,日本,日経BP社,2001年 7月20日,no.131,P38-P39

第3 本願発明
本願請求項1-18に係る発明(以下、それぞれ「本願発明1」-「本願発明18」という。)は、令和2年7月20日にされた手続補正により補正された特許請求の範囲1-18に記載された事項により特定される発明であり、以下のとおりの発明である。

【請求項1】
商品を検索するための検索クエリを受け付ける受付部と、
前記受付部により受け付けられた検索クエリに対応する商品を取り扱っている店舗間において当該店舗毎の販売に関する実績情報が比較された比較結果に基づき、当該店舗それぞれに対して付された順位に応じて抽出された店舗での前記順位を示す順位情報を提示する提示部と
を有することを特徴とする情報処理装置。
【請求項2】
前記提示部は、前記順位情報として、前記検索クエリに対応する商品を取り扱っている店舗間において当該店舗毎の売上が比較された比較結果に基づき、当該店舗それぞれに対して順位付けされた結果である売上順位に応じて抽出された店舗での前記売上順位を示す順位情報を提示する
ことを特徴とする請求項1に記載の情報処理装置。
【請求項3】
前記提示部は、前記順位情報として、前記検索クエリに対応する商品として、前記検索クエリに対応する商品に関連する関連商品を取り扱っている店舗間において当該店舗毎の売上が比較された比較結果に基づき、当該店舗それぞれに対して順位付けされた結果である売上順位に応じて抽出された店舗での前記売上順位を示す順位情報を提示する
ことを特徴とする請求項1または2に記載の情報処理装置。
【請求項4】
前記提示部は、前記順位情報として、前記検索クエリに対応する商品での前記売上順位に応じて抽出された店舗での前記売上順位を示す順位情報を提示する
ことを特徴とする請求項2または3に記載の情報処理装置。
【請求項5】
前記提示部は、前記順位情報として、前記検索クエリに対応する商品を取り扱っている店舗間において当該店舗毎に評価された評価情報であって、顧客満足度が評価された評価情報が比較された比較結果に基づき、当該店舗それぞれに対して順位付けされた結果である評価順位に応じて抽出された店舗での前記評価順位を示す順位情報を提示する
ことを特徴とする請求項1?4のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項6】
前記提示部は、前記順位情報として、前記検索クエリに対応する商品に関する顧客満足度が評価された評価情報での前記評価順位に応じて抽出された店舗での前記評価順位を示す順位情報を提示する
ことを特徴とする請求項5に記載の情報処理装置。
【請求項7】
前記提示部は、前記店舗毎に当該店舗の前記順位情報を提示する
ことを特徴とする請求項1?6のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項8】
前記提示部は、前記順位情報が提示される店舗毎に、当該店舗で取り扱われている商品であって前記検索クエリに対応する商品に関する商品情報を提示する
ことを特徴とする請求項1?7のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項9】
前記提示部は、前記商品情報として、前記商品のうち、当該商品に関する所定の評価値に基づき抽出された商品に関する商品情報を提示する
ことを特徴とする請求項8に記載の情報処理装置。
【請求項10】
前記提示部は、前記所定の評価値として、前記商品に対する閲情情報に基づく評価値、前記商品が購入された購入数に基づく評価値、または、前記商品に対する売上金額に基づく評価値の少なくともいずれか1つに基づき抽出された商品に関する商品情報を提示する
ことを特徴とする請求項9に記載の情報処理装置。
【請求項11】
前記提示部は、前記商品情報として、前記商品のうち、前記検索クエリを用いて検索したユーザの属性情報に基づき抽出された商品に関する商品情報を提示する
ことを特徴とする請求項8?10のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項12】
前記提示部は、前記検索クエリを用いて検索される直前に閲覧された商品が前記検索クエリに対応する商品である場合に、前記商品情報として、前記検索クエリを用いて検索される直前に閲覧された商品に関する商品情報を提示する
ことを特徴とする請求項8?11のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項13】
前記提示部は、前記受付部により受け付けられた検索クエリに対応する商品を取り扱っている店舗のうち、所定値以上の評価実績、または、所定額以上の売上実績を有する店舗の前記順位情報を提示する
ことを特徴とする請求項1?12のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項14】
前記提示部は、前記検索クエリのうち、当該検索クエリでの検索回数の実績値が所定値以上の検索クエリが前記受付部により受け付けられた場合に、前記順位情報を提示する
ことを特徴とする請求項1?13のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項15】
前記提示部は、複数のキーワードで構成される検索クエリのうち、当該検索クエリでの検索回数の実績値が所定値より少ない検索クエリが前記受付部により受け付けられた場合には、当該検索クエリを構成する前記複数のキーワードの中から、少なくともいずれか1つのキーワードが除外され、当該キーワードが除外された後の検索クエリでの検索回数の実績値が当該所定値以上である場合には、前記順位情報を提示する
ことを特徴とする請求項1?14のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項16】
前記提示部は、前記検索クエリに対応する検索結果とともに前記順位情報を提示する
ことを特徴とする請求項1?15のいずれか1つに記載の情報処理装置。
【請求項17】
情報処理装置が実行する情報処理方法であって、
商品を検索するための検索クエリを受け付ける受付工程と、
前記受付工程により受け付けられた検索クエリに対応する商品を取り扱っている店舗間において当該店舗毎の販売に関する実績情報が比較された比較結果に基づき、当該店舗それぞれに対して付された順位に応じて抽出された店舗での前記順位を示す順位情報を提示する提示工程と
を含むことを特徴とする情報処理方法。
【請求項18】
商品を検索するための検索クエリを受け付ける受付手順と、
前記受付手順により受け付けられた検索クエリに対応する商品を取り扱っている店舗間において当該店舗毎の販売に関する実績情報が比較された比較結果に基づき、当該店舗それぞれに対して付された順位に応じて抽出された店舗での前記順位を示す順位情報を提示する提示手順と
をコンピュータに実行させることを特徴とする情報処理プログラム。

第4 引用文献、引用発明等
1 引用文献1の記載事項と引用発明
原査定の拒絶の理由に引用された上記引用文献1には、図面とともに次の事項が記載されている(下線は当審で付与した。以下、同様。)。

「【0023】
図1は、本発明の実施形態に係る電子商取引システムの全体構成を示す。図1に示すように、本実施形態に係る電子商取引システム1は、サーバ10と、データベース12と、複数の店舗端末4と、複数のユーザ端末6とを含む。サーバ10と、複数の店舗端末4と、複数のユーザ端末6とは、例えばインターネット等を含んで構成される通信ネットワーク2に接続される。サーバ10とユーザ端末6との間では相互にデータ通信が可能である。サーバ10と店舗端末4との間でも相互にデータ通信が可能である。
【0024】
サーバ10は、例えば仮想商店街のポータルとして機能する仮想商店街サーバである。サーバ10は、店舗端末4又はユーザ端末6から受信した処理要求に基づく処理を実行する。例えば、サーバ10は、プログラムに従って処理を実行する制御部(例えばCPU等)と、主記憶部(例えばRAM等)と、補助記憶部(例えばハードディスク又はソリッドステートドライブ)と、光ディスク(情報記憶媒体)に記憶されたプログラムやデータを読み取る光ディスクドライブと、通信インタフェースとを備えている。
【0025】
制御部は補助記憶部に記憶されたプログラムに従って処理を実行する。例えば、プログラムやデータは光ディスク(情報記憶媒体)を介して補助記憶部に供給される。すなわち、プログラムやデータが記憶された光ディスクが光ディスクドライブに装着され、光ディスクに記憶されたプログラムやデータが光ディスクドライブによって読み出され、補助記憶部に記憶される。なお、光ディスク以外の情報記憶媒体(例えばメモリカード)を介してプログラムやデータを補助記憶部に供給するようにしてもよい。また、プログラム及びデータは通信ネットワーク2を介して補助記憶部に供給されるようにしてもよい。
【0026】
サーバ10はデータベース12にアクセスできるようになっている。データベース12には、例えば、仮想商店街を利用するユーザに関するデータ、仮想商店街に出店している店舗に関するデータ、仮想商店街で取り扱っている商品に関するデータや、仮想商店街で行われた取引の履歴に関するデータ等が記憶される。なお、データベース12はサーバ10とは別のサーバ内に構築されていてもよいし、サーバ10内に構築されていてもよい。
【0027】
店舗端末4は、仮想商店街に出店する店舗側に設けられた情報処理装置である。店舗端末4は、例えばパーソナルコンピュータ等である。店舗端末4は、仮想商店街で販売する商品の情報等をサーバ10を介してデータベース12に登録するために用いられる。例えば、店舗端末4ではサーバ10から提供される専用画面が表示される。
【0028】
ユーザ端末6はユーザによって操作される情報処理装置である。ユーザ端末6は、例えばパーソナルコンピュータ、携帯電話機、又は携帯情報端末等である。ユーザ端末6は仮想商店街で商品を購入するために用いられる。例えば、ユーザ端末6は、制御部(例えばCPU)、主記憶部(例えばRAM)と、補助記憶部(例えばハードディスク又はソリッドステートドライブ)、メモリカードスロット、操作部、表示部(例えば液晶ディスプレイ)、音声出力部(例えばスピーカ)、及び通信インタフェースを備えている。
【0029】
本実施形態の場合、例えば、サーバ10ではHTTPデーモンが起動される。また、店舗端末4又はユーザ端末6ではブラウザが起動され、店舗端末4又はユーザ端末6からは、ブラウザを介して処理要求(HTTPリクエスト)がサーバ10に送信される。また、サーバ10からは、上記の処理要求に対応する処理結果(HTTPレスポンス)が店舗端末4又はユーザ端末6に送信される。例えば、ウェブページ記述言語で記述されたページデータが店舗端末4又はユーザ端末6に送信される。そして、このページデータに基づいて、処理結果に基づく画面が店舗端末4又はユーザ端末6の表示部に表示される。
【0030】
仮想商店街を利用する場合にユーザ端末6の表示部に表示される画面の例について説明する。仮想商店街を利用するユーザがユーザ端末6を用いてサーバ10にアクセスすると、仮想商店街のトップページデータがサーバ10からユーザ端末6に送信され、仮想商店街のトップ画面(トップページ:図示せず)がユーザ端末6の表示部に表示される。ユーザは商品のカテゴリーを選択したり、商品を検索したりすることによって、所望の商品を探す。
【0031】
図2は、ユーザが商品のカテゴリーを選択したり、商品を検索したりした場合に表示部に表示される商品一覧画面の一例を示す。図2は、「テレビ」カテゴリーが選択された場合に表示される商品一覧画面20の一例を示している。
【0032】
図2に示す商品一覧画面20の一覧領域21には、「テレビ」カテゴリーに所属する商品の一覧が表示されている。商品の名称、価格、店舗や、評価ポイントが表示されている。なお、「店舗」は、その商品を販売している店舗を示している。また、「評価ポイント」は、その商品を購入したユーザによるその商品の評価結果を示す数値である。例えば、ユーザは、購入した商品に対する評価として「1」?「5」の数値を評価ポイントとして入力できるようになっている。この評価ポイントの値が高いほど、商品に対する評価が高いことを示す。一覧領域21では、商品を購入したユーザ達が入力した評価ポイントの平均値が表示される。一覧領域21には、「評価ポイント」とともに、評価を行ったユーザの数が「評価人数」として表示される。
【0033】
また、一覧領域21では商品名がリンクボタンになっている。すなわち、商品の詳細を示す商品ページデータへのリンク情報が商品名に関連づけられており、ユーザが商品名を選択すると、商品画面(商品ページ:図示せず)が表示部に表示されるようになっている。商品画面において、ユーザは商品の購入手続きを行ったり、他のユーザによる商品の評価結果を確認したりできるようになっている。
【0034】
商品一覧画面20には、キーワード入力欄22と価格入力欄23,24と検索ボタン25が表示されており、ユーザが商品の一覧をさらに絞りこむための絞り込み条件(検索条件)を入力できるようになっている。
【0035】
キーワード入力欄22はキーワードを入力するための欄である。また、価格入力欄23,24は価格の下限又は上限を入力するための欄である。検索ボタン25が選択されると、検索条件を満足する商品一覧が一覧領域21に表示される。例えば、キーワード入力欄22にキーワードが入力された状態でユーザが検索ボタン25を選択すると、例えば、商品ページにキーワードが含まれている商品の一覧が一覧領域21に表示される。また例えば、価格入力欄23に価格が入力された状態でユーザが検索ボタン25を選択すると、入力された価格以上の価格を有する商品の一覧が一覧領域21に表示される。同様に、価格入力欄24に価格が入力された状態でユーザが検索ボタン25を選択すると、入力された価格以下の価格を有する商品の一覧が一覧領域21に表示される。
【0036】
また、商品一覧画面20には、表示順序を選択するための表示順序選択欄26が表示されており、ユーザが商品一覧の表示順序を選択できるようになっている。図2に示す商品一覧画面20では、商品一覧をソートする場合のキー項目とする属性項目として、「価格(安い順)」、「価格(高い順)」、「販売店舗数」、「売上」、「評価」、又は「閲覧数」を選択できるようになっている。
【0037】
「価格(安い順)」又は「価格(高い順)」が選択された場合、価格の昇順又は降順でソートされた商品一覧が一覧領域21に表示される。「販売店舗数」が選択された場合、商品を販売している店舗の数の降順でソートされた商品一覧が一覧領域21に表示される。「売上」が選択された場合、対象期間(例えば最近1週間)内における売上数の降順でソートされた商品一覧が一覧領域21に表示される。
【0038】
「評価」が選択された場合、評価ポイントの降順でソートされた商品一覧が一覧領域21に表示される。「閲覧回数」が選択された場合、対象期間(例えば最近1週間)内に商品画面(商品ページ)が閲覧された回数の降順でソートされた商品一覧が一覧領域21に表示される。なお、商品の閲覧回数が多いことは、商品に関心を持っているユーザが多いことを示している。
【0039】
なお、一覧領域21に表示可能な商品の最大件数が予め設定されている。図2に示す商品一覧画面20は上記の最大件数が10件である場合の例を示している。
【0040】
商品のカテゴリーが選択されたことによって商品一覧画面20が表示された場合、検索ボタン25が選択された場合や、表示順序選択欄26で表示順序が選択された場合には、商品一覧に含まれる商品のうちの、ソート順位が第1番目?第N(N:上記の最大件数)番目である商品の一覧が表示される。
【0041】
例えば、図2に示す商品一覧画面20の場合、「テレビ」カテゴリーに属する商品は100件あり、それらの商品のうちの、ソート順位が第1番目?第10番目の商品の一覧が一覧領域21に表示されている。なお、ユーザはボタン27を選択することによって、次の10件の商品を一覧領域21に表示させることができる。すなわち、図2に示す状態においてボタン27が選択されると、ソート順位が第11番目?第20番目の商品の一覧が一覧領域21に表示される。
【0042】
なお、以下では、ソート順位が第1番目?第10番目の商品の一覧が一覧領域21に表示される商品一覧画面20のことを「第1ページ目の商品一覧ページ」と記載する。また、ソート順位が第11番目?第20番目の商品の一覧が一覧領域21に表示される商品一覧画面20のことを「第2ページ目の商品一覧ページ」と記載する。
【0043】
上述したように、第2ページ目以降の商品一覧ページを閲覧するために(言い換えれば、ソート順位が第10番目よりも低い商品の一覧を閲覧するために)、ユーザはボタン27を選択する必要がある。このため、第1ページ目の商品一覧ページに一覧表示される商品(すなわち、ソート順位が第1番目?第10番目の商品)に関してはユーザの目に留まりやすいが、第2ページ目以降の商品一覧ページに一覧表示される商品(すなわち、ソート順位が第10番目よりも低い商品)はユーザの目に留まりにくくなっている。」

「【0048】
図3は、本実施形態に係る電子商取引システム1において実現される機能ブロックのうち、本発明に関連する機能ブロックを示す機能ブロック図である。図3に示すように、電子商取引システム1は、記憶部30、キー項目取得部32、情報一覧取得部33、広告対象選出部34、及び画面データ生成部35を含んでいる。例えば、記憶部30はデータベース12によって実現される。また、キー項目取得部32、情報一覧取得部33、広告対象選出部34、及び画面データ生成部35はサーバ10によって実現される。すなわち、サーバ10の制御部がプログラムに従って処理を実行することによって、制御部がこれらの機能ブロックとして機能するようになる。
【0049】
まず、記憶部30について説明する。記憶部30は各種データを記憶する。記憶部30は情報一覧記憶部31を含んでいる。情報一覧記憶部31は情報一覧を記憶する。本実施形態の場合、情報一覧記憶部31は商品一覧を記憶する。すなわち、本実施形態の場合、「商品一覧」が上記の「情報一覧」が相当する。
【0050】
図4?図6は記憶部30に記憶されるデータの一例を示している。図4は商品テーブルの一例を示している。仮想商店街で取り扱われている商品の共通情報が商品テーブルに登録される。すなわち、商品に関する情報のうち、販売している店舗に依らない情報が商品テーブルに記憶される。図4に示す商品テーブルは「商品ID」、「名称」、及び「カテゴリー」フィールドを含んでいる。「商品ID」フィールドには、商品を一意に識別するための識別情報(商品ID)が登録される。「名称」フィールドには商品の名称が登録される。「カテゴリー」フィールドには商品のカテゴリーが登録される。
【0051】
図5は販売商品テーブルの一例を示している。仮想商店街の各店舗で販売されている商品の情報が販売商品テーブルが登録される。すなわち、商品に関する情報のうち、販売している店舗に依る情報が販売商品テーブルに記憶される。図5に示す販売商品テーブルは「店舗ID」、「商品ID」、「価格」、「商品ページ」、「広告フラグ」、「広告データ」及び「閲覧履歴」フィールドを含んでいる。
【0052】
「店舗ID」フィールドには、店舗を一意に識別するための識別情報(店舗ID)が登録される。なお、店舗の詳細情報は店舗テーブル(図示せず)に登録される。「商品ID」フィールドには、店舗が販売している商品の商品IDが登録される。図5に示す販売商品テーブルの場合、商品IDが「G0001」の商品が、店舗IDが「S001」である店舗と店舗IDが「S002」である店舗との二つの店舗で販売されていることを示している。「価格」フィールドには商品の販売価格が登録される。
【0053】
「商品ページ」フィールドには商品ページデータを示す情報が登録される。例えば、商品ページデータのURLが「商品ページ」フィールドに登録される。「広告フラグ」フィールドには、商品を販売している店舗が商品の広告を希望しているか否かを示すフラグ情報(広告フラグ)が登録される。例えば、「0」又は「1」の値が「広告フラグ」フィールドに登録される。値「0」は店舗が広告を希望していないことを示し、値「1」は店舗が広告を希望していることを示す。「広告データ」フィールドには、広告領域28に広告を表示するためのデータが登録される。「閲覧履歴」フィールドには、商品画面(商品ページ)の閲覧履歴に関する情報が登録される。例えば、商品ページデータがユーザ端末6に送信された日時の履歴が「閲覧履歴」フィールドに登録される。
【0054】
図6は購入履歴テーブルの一例を示す。各ユーザの商品購入履歴が購入履歴テーブルに登録される。図6に示す購入履歴テーブルは「取引ID」、「ユーザID」、「商品ID」、「店舗ID」、「購入日時」、「購入数」、「金額」、及び「評価結果」フィールドを含んでいる。
【0055】
「取引ID」フィールドには取引を一意に識別するための識別情報(取引ID)が登録される。「ユーザID」フィールドには商品を購入したユーザのユーザIDが登録される。ユーザIDはユーザを一意に識別するための識別情報である。「商品ID」フィールドには、ユーザによって購入された商品の商品IDが登録され、「店舗ID」フィールドには、ユーザが商品を購入した店舗の店舗IDが登録される。
【0056】
「購入日時」フィールドにはユーザが商品を購入した日時が登録される。「個数」フィールドにはユーザが購入した個数が登録され、「金額」フィールドにはユーザが店舗に支払った金額が登録される。「評価結果」フィールドには、購入した商品に対するユーザの評価結果が登録される。「評価結果」フィールドには「評価ポイント」及び「評価コメント」フィールドが含まれている。「評価ポイント」フィールドにはユーザによって入力された評価ポイント(例えば1?5の整数値)が登録される。「評価コメント」フィールドにはユーザによって入力されたコメントが登録される。評価ポイントや評価コメントは、商品を購入したユーザによって、実際に商品を使用した結果を踏まえて登録される。
【0057】
キー項目取得部32について説明する。キー項目取得部32は、情報一覧をソートする場合のキー項目としてユーザによって選択された属性項目を取得する。なお、キー項目は複数の属性項目のうちからユーザによって選択される。
【0058】
本実施形態の場合、商品の属性に関する複数の属性項目が上記の「複数の属性項目」に相当する。具体的には、表示順序選択欄26でキー項目として選択可能な属性項目である「価格(安い順)」、「価格(高い順)」、「販売店舗数」、「売上」、「評価」、及び「閲覧数」が上記の「複数の属性項目」に相当する。本実施形態の場合、キー項目取得部32は、商品一覧画面20の表示順序選択欄26においてユーザによってキー項目として選択された属性項目を取得する。
【0059】
情報一覧取得部33について説明する。情報一覧取得部33は情報一覧記憶部31に記憶される情報一覧の全部又は一部を取得する。本実施形態の場合、情報一覧取得部33は、情報一覧記憶部31に記憶される商品一覧の全部又は一部を取得する。
【0060】
例えば、情報一覧取得部33は、ユーザによって指定されたカテゴリーに属する商品の一覧を取得する。
【0061】
例えば、ユーザによって指定されたカテゴリーが「テレビ」である場合、情報一覧取得部33は「テレビ」カテゴリーに属する商品の一覧を取得する。なお、この場合、情報一覧取得部33は、情報一覧記憶部31に記憶される全カテゴリーの商品一覧のうちから、「テレビ」カテゴリーに属する商品の一覧を取得するものであると捉えることができる。すなわち、情報一覧取得部33は、情報一覧記憶部31に記憶される全カテゴリーの商品一覧のうちの一部を取得するものであると捉えることができる。また、この場合、情報一覧取得部33は、情報一覧記憶部31に記憶される「テレビ」カテゴリーの商品一覧の全部を取得するものであるとも捉えることができる。
【0062】
また例えば、情報一覧取得部33は、ユーザによって指定されたカテゴリーに属し、かつ、ユーザによって入力された絞り込み条件を満足する商品の一覧を取得する。
【0063】
例えば、ユーザによって指定されたカテゴリーが「テレビ」である場合、情報一覧取得部33は、「テレビ」カテゴリーに属する商品の一覧のうちから、ユーザによって入力された絞り込み条件を満足する商品の一覧を取得する。なお、この場合、情報一覧取得部33は、情報一覧記憶部31に記憶される全カテゴリーの商品一覧のうちから、「テレビ」カテゴリーに属し、かつ、ユーザによって入力された絞り込み条件を満足する商品の一覧を取得するものであると捉えることができる。または、この場合、情報一覧取得部33は、情報一覧記憶部31に記憶される「テレビ」カテゴリーの商品一覧のうちから、ユーザによって入力された絞り込み条件を満足する商品の一覧を取得するものであるとも捉えることができる。すなわち、情報一覧取得部33は、情報一覧記憶部31に記憶される「テレビ」カテゴリーの商品一覧のうちの一部を取得するものであるとも捉えることができる。」

「【0067】
本実施形態の場合、商品一覧画面20が上記の「画面」に相当している。すなわち、画面データ生成部35は商品一覧画面20の画面データ(商品一覧ページデータ)を生成する。上述したように、商品一覧画面20は一覧領域21と広告領域28とを含んでいる。
【0068】
一覧領域21には、情報一覧取得部33によって取得される商品一覧の全部又は一部が表示される。例えば、情報一覧取得部33によって取得される商品一覧に含まれる商品の件数が、一覧領域21に表示可能な最大件数以下である場合には、情報一覧取得部33によって取得される商品一覧の全部が一覧領域21に表示される。一方、情報一覧取得部33によって取得される商品一覧に含まれる商品の件数が、一覧領域21に表示可能な最大件数よりも多い場合には、情報一覧取得部33によって取得される商品一覧の一部が一覧領域21に表示される。
【0069】
また、ユーザによってキー項目として指定された属性項目がキー項目取得部32によって取得された場合、一覧領域21には、情報一覧取得部33によって取得される情報一覧の全部又は一部が、キー項目取得部32によって取得された属性項目をキー項目としてソートされた状態で表示される。」

「【0074】
画面データ生成部35は、生成した画面データをユーザ端末6に送信する。ユーザ端末6では、受信された画面データに基づいて商品一覧画面20が表示部に表示される。すなわち、画面データ生成部35は、生成した画面データをユーザ端末6に送信することによって、該画面データに基づく画面(すなわち、商品一覧画面20)をユーザ端末6の表示部に表示させる。」

「【0086】
以上に説明したキー項目取得部32、情報一覧取得部33、広告対象選出部34、及び画面データ生成部35は、サーバ10の制御部がプログラムに従って処理を実行することによって実現される。図7は、上記の機能ブロックを実現するためにサーバ10の制御部が実行する処理の一例を示すフロー図である。サーバ10の制御部が図7に示す処理をプログラムに従って実行することによって、制御部が上記の機能ブロックとして機能するようになる。
【0087】
図7は、商品一覧画面20の検索ボタン25が選択された場合や、表示順序選択欄26において表示順序が指定された場合に実行される処理を示している。
【0088】
商品一覧画面20の検索ボタン25が選択された場合や、表示順序選択欄26において表示順序が指定された場合、図7に示すように、ユーザ端末6の制御部は商品一覧ページデータを要求する(S101)。すなわち、制御部は、商品一覧ページデータを要求することを示すHTTPリクエストをサーバ10に送信する。
【0089】
このHTTPリクエストには、ユーザによって指定されたカテゴリーに関する情報や、キーワード入力欄22及び価格入力欄23,24に入力された内容に関する情報が検索条件に関する情報として関連づけられており、これらの情報がサーバ10に送信される。さらに、このHTTPリクエストには、表示順序選択欄26においてキー項目として選択された属性項目に関する情報も関連づけられており、この情報もサーバ10に送信される。
【0090】
サーバ10の制御部はユーザ端末6から送信されたHTTPリクエストを受信する。また、制御部は検索条件(例えば、カテゴリー、キーワード及び価格)も受信する。さらに、制御部(キー項目取得部32)はソートのキー項目も受信する。そして、制御部(情報一覧取得部33)は検索処理を実行する(S102)。すなわち、制御部は、検索条件(例えば、カテゴリー、キーワード及び価格)を満足する商品の一覧であって、かつ、ソートのキー項目でソートされた商品一覧を取得する。
【0091】
なお、ソートのキー項目として選択され得る属性項目の値は販売商品テーブル又は取引履歴テーブルに基づいて取得される。例えば、各商品の「販売店舗数」は販売商品テーブルに基づいて取得される。また、各商品の「売上」は取引履歴テーブルに基づいて取得される。また、各商品の「評価」は取引履歴テーブルの「評価ポイント」フィールドに基づいて取得される。さらに、各商品の「閲覧数」は販売商品テーブルの「閲覧履歴」フィールドに基づいて取得される。」

「【0103】
ステップS103の処理が実行された後、制御部(画面データ生成部35)は、ステップ102及びS103の処理結果に基づいて、商品一覧ページデータを生成する(S104)。この商品一覧ページデータでは、ステップS102で取得された商品一覧のうちの、ソート順位が基準順位よりも高い商品の一覧が一覧領域21に表示されるように設定される。また、この商品一覧ページデータでは、ステップS103で選出された二つの商品の一方の広告が第1の広告領域28Aに表示され、かつ、他方の広告が第2の広告領域28Bに表示されるように設定される。
【0104】
制御部は、ステップS104で生成された商品一覧ページデータをユーザ端末6に返信する(S105)。ユーザ端末6は商品一覧ページデータを受信し、該商品一覧ページデータに基づいて商品一覧画面20を表示部に表示させる。以上で図7に示す処理の説明は終了する。」

以上の事項からみて、引用文献1には、次の発明(以下、「引用発明」という。)が記載されていると認められる。

(引用発明)
「データベースにアクセスでき、ユーザ端末との間では相互にデータ通信が可能であるサーバであって(【0023】、【0026】)、
サーバは、情報一覧取得部と、画面データ生成部として機能し、プログラムに従って処理を実行する制御部を有し(【0024】、【0048】)、
データベースは、情報一覧記憶部を有する記憶部により実現され、店舗端末により登録された仮想商店街で販売する商品の情報を記憶し(【0048】?【0050】)、
ユーザは、ユーザ端末の表示部に表示された仮想商店街のトップ画面から、商品のカテゴリーを選択したり、商品を検索したりすることによって、所望の商品を探すことができ(【0030】)、
ユーザ端末の商品一覧画面のキーワード入力欄にキーワードが入力された状態で検索ボタンが選択された場合や、表示順序選択欄において表示順序が指定された場合(【0035】、【0088】)、
サーバの制御部は、カテゴリー、キーワード及び価格を含む検索条件を受信し(【0090】)、
情報一覧取得部は、検索処理を実行し、情報一覧記憶部に記憶される商品一覧のうちから検索条件を満足する商品の一覧を取得し(【0059】、【0090】)、
画面データ生成部は、情報一覧取得部によって取得される商品の一覧の全部又は一部と、店舗と、評価ポイントが表示された商品一覧画面の画面データを生成し、生成した画面データをユーザ端末に送信する(【0032】、【0067】、【0074】、【0103】)、
サーバ(【0023】)。」

2 引用文献2の記載事項
原査定の拒絶理由で引用された上記引用文献2には、以下の記載がある。

「【0026】
図4は、本発明の一実施の形態におけるシステム構成を示す。
【0027】
同図に示すシステムは、携帯端末を含むユーザ側の構成と、商店街・ショッピングモールシステム127から構成される。
【0028】
ユーザ側は、携帯電話、PDA等の携帯端末101、購入希望リスト蓄積部102、検索結果蓄積部103、ユーザ属性蓄積部104から構成される。なお、購入希望リスト蓄積部102、検索結果蓄積部103、ユーザ属性蓄積部104は、携帯端末101に接続する構成としてもよいし、携帯端末101に内蔵してもよい。
【0029】
商店街・ショッピングモールシステム127は、無線LAN105に複数の店舗端末107,108,109と、無線送受信装置部106、及び、商店街・ショッピングモールサーバ(以下、単に「サーバ」と記す)126が接続されている。無線送受信装置部106は、サーバ126と携帯端末101との間で無線の接続確認や、サーバ126から携帯端末101に送信されるメッセージを携帯端末に合わせたプロトコルに変換して転送する機能を有する。」

「【0056】
ステップ205) 上記の携帯端末101を持つユーザが、商店街・ショッピングモールの無線LANエリアに入ると、無線LAN105からの信号を受信し、当該端末101にインストールされているソフトウェアαが圏内に入ったことを検知し、無線LAN105に接続し、サーバ126に対して、購入希望商品情報、ユーザの属性情報を送信する。」

「【0060】
ステップ209) 検索キーワード作成部116は、ユーザの属性情報を解析し、リコメンド検索用の検索キーワードを生成し、検索部117において希望商品以外のリコメンド候補を検索する。検索結果と購入希望商品情報を比較して、ユーザが希望する商品、または、当該商品と同じカテゴリが販売商品データ蓄積部125に存在するかを判定する。当該処理の詳細は後述する。
【0061】
ステップ210) サーバ126は、ユーザの購入希望商品、その商品の取り扱い店舗情報、リコメンド商品、その商品の取扱店舗情報を検索結果として、メッセージ作成部122で検索結果フォームを作成する。
【0062】
ステップ211) サーバ126は、検索結果フォームを電子メールで、携帯端末101に送信する。なお、電子メールの携帯端末101のアドレスは、ユーザの属性情報に含まれているものとする。」

上記記載からみて、引用文献2には、
「商店街・ショッピングモールシステムに用いられるサーバは、ユーザの属性情報を解析し、検索を行い、検索結果を携帯端末に送信する」
技術が記載されているといえる。

3 引用文献3の記載事項
原査定の拒絶理由で引用された上記引用文献3には、以下の記載がある。

「【0017】
(情報処理システムの構成) 図1に示すように、情報処理システムは、情報配信サーバ200(コンテンツ検索結果提供装置)、レコメンドサーバ300、及び検索サーバ400から構成される。携帯電話等のユーザ端末100は、ネットワークを介して情報配信サーバ200と接続している。」

「【0089】
また、本実施形態の情報配信サーバ200において、入替評価部208は、コンテンツ評価部207がソートしてコンテンツ評価値順に並んだ各コンテンツのうち、所定の順位以上の上位のコンテンツを固定コンテンツとすることにより、コンテンツ評価値が所定の順位以上のコンテンツを固定コンテンツとでき、ユーザにとって有意義なコンテンツである可能性が高いコンテンツ評価値が高いコンテンツ(固定コンテンツ)を、一定数必ず出力することができる。
【0090】
また、本実施形態の情報配信サーバ200において、入替評価部208は、コンテンツ評価部207がソートしてコンテンツ評価値順に並んだ各コンテンツのうち、該コンテンツ評価値が所定の値よりも大きいコンテンツを固定コンテンツとすることにより、予め設定した値(閾値)以上のコンテンツ評価値を有するコンテンツのみが、固定コンテンツとして上位で出力されるため、コンテンツ評価値の順位に関らず、真にコンテンツ評価値が高いコンテンツのみを固定コンテンツとできる。」

上記記載からみて、引用文献3には、
「情報通信サーバは、コンテンツ評価値が所定の値よりも大きいコンテンツを固定コンテンツとして上位で出力する」
技術が記載されているといえる。

4 引用文献4の記載事項
原査定の拒絶理由で引用された上記引用文献4には、以下の記載がある。

「業績ランキングの方法
2000年度業績ランキングは、本誌が独自に収集した全国のシステム・プロバイダのリストと、株式市場・店頭公開企業の合計2275社にアンケートを実施。回収した348社の業績を集計した。このうち、2000年度売上高が100億円以上のシステム・プロバイダ145社を業績ランキングの対象にした。同100億円未満のシステム・プロバイダの場合、経営指標の変動幅が大きく比較が難しいためだ。2000年4月から2001年3月までに決算月を迎えた期を2000年度と定義している。
今回の業績ランキングからは、2000年3月期から本格導入されている連結決算をべースにした。多くのシステム・プロバイダにおいては、連結と単独の間に大きな差はないが、グループ企業間での役割分担することでワンストップ・サービスの提供を目指す企業グループも増えていることから、連結べースの数値を優先することにした。
業績ランキングにおいては、売上高伸び率を「成長性」、売上高営業利益率を「収益力」、総資産経常利益率を「経営効率」、社員1人当たり経常利益を「生産性」と、それぞれ定義して経営指標を計算しランキングしている。
各項目の平均値は、売上高100憶円以上の業績ランキング対象企業の業績を集計した結果である。売上高100億円未満の企業の業績は56?59ぺージの表14に掲載した。」(38頁)

上記記載からみて、引用文献4には、以下の事項が記載されている。
「2000年度売上高が100億円以上のシステム・プロバイダ145社を業績ランキングの対象にした。」

第5 対比・判断
1 本願発明1について
(1)対比
本願発明1と引用発明を対比すると、次のことがいえる。

ア 引用発明の「サーバの制御部」は、「カテゴリー、キーワード及び価格を含む検索条件」を「受信」すると、ユーザは、所望の商品を探すことができる。よって、引用発明の「カテゴリー、キーワード及び価格を含む検索条件」は、本願発明1の「商品を検索するための検索クエリ」に相当することから、引用発明の「サーバの制御部」は、本願発明1の「商品を検索するための検索クエリを受け付ける受付部」に相当する。
イ 引用発明の「商品の一覧」は、制御部が受信した検索条件を満たす点で、本願発明1の「受付部により受け付けられた検索クエリに対応する商品を取り扱っている店舗間において当該店舗毎の販売に関する実績情報が比較された比較結果」と、「受付部により受け付けられた検索クエリに対応する処理結果」で共通する。
ウ また、引用発明の「商品一覧画面の画面データ」は、商品の一覧の全部又は一部と、店舗と、評価ポイントが表示された画面のデータである点で、本願発明1の「当該店舗それぞれに対し手付された順位に応じて抽出された店舗での前記順位を示す順位情報」と、「提示情報」で共通する。
エ そして、引用発明の、商品の一覧に基づいて商品一覧画面の画面データをユーザの端末に送信することから、この点は、本願発明1の「受付部により受け付けられた検索クエリに対応する商品を取り扱っている店舗間において当該店舗毎の販売に関する実績情報が比較された比較結果に基づいて、当該店舗それぞれに対して付された順位に応じて抽出された店舗での前記順位を示す順位情報を提示」することと、「受付部により受け付けられた検索クエリに対応する処理結果に基づいて、提示情報を提示する」ことで共通する。
オ さらに、引用発明の上記エの機能を有する「画面データ生成部」は、本願発明1の「提示部」と、「処理結果提示部」で共通する。
カ 上記アないしオより、引用発明の「サーバ」は、本願発明1の「情報処理装置」といえる。

上記アないしカより、本願発明1と引用発明とは、以下の点で一致し、また相違する。
(一致点)
「商品を検索するための検索クエリを受け付ける受付部と、
受付部により受け付けられた検索クエリに対応する処理結果に基づいて、提示情報を提示する処理結果提示部
を有する情報処理装置。」

(相違点1)
「受付部により受け付けられた検索クエリに対応する処理結果」が、本願発明1では「受付部により受け付けられた検索クエリに対応する商品を取り扱っている店舗間において当該店舗毎の販売に関する実績情報が比較された比較結果」であるのに対し、引用発明では、「サーバの制御部が受信した検索条件を満足する商品の一覧」である点。
(相違点2)
「提示情報」が、本願発明1では「当該店舗それぞれに対して付された順位に応じて抽出された店舗での前記順位を示す順位情報」であるのに対し、引用発明では、「商品の一覧の全部又は一部と、店舗と、評価ポイントが表示された商品一覧画面の画面データ」である点。
(相違点3)
「処理結果提示部」が、本願発明1では「当該店舗それぞれに対して付された順位に応じて抽出された店舗での前記順位を示す順位情報」を提示する「提示部」であるのに対し、引用発明では、「商品の一覧の全部又は一部と、店舗と、評価ポイントが表示された商品一覧画面の画面データ」を提示する「画像データ生成部」である点。

(2)判断
(相違点1、相違点2)について
引用文献2ないし4のいずれにも、「受付部により受け付けられた検索クエリに対応する商品を取り扱っている店舗間において当該店舗毎の販売に関する実績情報が比較された比較結果」は記載されていない。
すると、引用発明において、「受付部により受け付けられた検索クエリに対応する商品を取り扱っている店舗間において当該店舗毎の販売に関する実績情報が比較された比較結果」に基づいて「当該店舗それぞれに対して付された順位に応じて抽出された店舗での前記順位を示す順位情報」を提示する構成とすることは、当業者が容易に想到できたとはいえない。
(3)まとめ
したがって、相違点3について検討するまでもなく、本願発明は、当業者であっても、引用発明と引用文献2ないし4に記載された事項に基づいて、容易に発明をすることができたものではない。

2 本願発明2-16について
本願発明2-16は、本願発明1を減縮した発明であって、上記の1(1)相違点1ないし相違点3に係る「前記受付部により受け付けられた検索クエリに対応する商品を取り扱っている店舗間において当該店舗毎の販売に関する実績情報が比較された比較結果に基づき、当該店舗それぞれに対して付された順位に応じて抽出された店舗での前記順位を示す順位情報を提示する」を構成に備えるから上記1(2)で検討した理由と同様の理由により、引用発明と引用発明2ないし4に記載された事項とに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

3 本願発明17、18について
本願発明17、18は、本願発明1のカテゴリを変更した発明であって、上記1(1)相違点1ないし相違点3に係る「前記受付部により受け付けられた検索クエリに対応する商品を取り扱っている店舗間において当該店舗毎の販売に関する実績情報が比較された比較結果に基づき、当該店舗それぞれに対して付された順位に応じて抽出された店舗での前記順位を示す順位情報を提示する」構成に対応する構成を備えるから、上記1(2)で検討した理由と同様の理由により、引用発明と引用文献2ないし4に記載された事項とに基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものではない。

第6 むすび
以上のとおり、本願発明1-18は、当業者が引用発明および引用文献2ないし4に記載された事項に基づいて容易に発明をすることができたものではない。したがって、原査定の理由によっては、本願を拒絶することはできない。
また、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2021-07-29 
出願番号 特願2018-248327(P2018-248327)
審決分類 P 1 8・ 121- WY (G06F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 松田 岳士  
特許庁審判長 渡邊 聡
特許庁審判官 上田 智志
松田 直也
発明の名称 情報処理装置、情報処理方法および情報処理プログラム  
代理人 特許業務法人酒井国際特許事務所  

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