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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  B64C
管理番号 1377814
異議申立番号 異議2021-700135  
総通号数 262 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2021-10-29 
種別 異議の決定 
異議申立日 2021-02-05 
確定日 2021-08-27 
異議申立件数
事件の表示 特許第6736794号発明「無人飛行体」の特許異議申立事件について、次のとおり決定する。 
結論 特許第6736794号の請求項に係る特許を維持する。 
理由 1 出願の経緯
特許第6736794号の請求項1?12に係る特許についての出願は、平成30年11月9日に出願され、令和2年7月17日にその特許権の設定登録がされ、同年8月5日に特許掲載公報が発行された。その後、請求項1?4,6?12に係る特許に対し、令和3年2月5日に特許異議申立人佐藤奈緒美(以下、「申立人」という。)は、特許異議の申立てを行った。

2 本件発明
特許第6736794号の請求項1?12の特許に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」?「本件発明12」という。)は、それぞれ、その特許請求の範囲の請求項1?12に記載された事項により特定される次のとおりのものである。
「【請求項1】
複数のプロペラと、
前記複数のプロペラをそれぞれ駆動する複数のモータと、
前記複数のモータを制御する制御装置と、信号の送信と受信の少なくとも一方を行う無線装置とを含んでいる装置本体と、
荷物を収容するための荷物容器と、
フロートと、を有する無人飛行体であって、
前記荷物が前記荷物容器に搭載されていない状態で前記無人飛行体を水上に置いたときに、前記フロートの浮力と前記荷物容器の容積に応じた浮力とにより、少なくとも前記無線装置の高さに水面が達しない
無人飛行体。
【請求項2】
前記複数のモータに供給する電力を蓄えるバッテリをさらに有し、
前記フロートの浮力が作用し、前記荷物容器の容積に応じた浮力が作用しない状態で前記無人飛行体を水上に置いたときに、前記バッテリと、前記モータと、前記装置本体の少なくとも1つの部品の高さに水面が達する
請求項1に記載の無人飛行体。
【請求項3】
前記荷物容器は、前記荷物容器の底面を構成する底壁部と、底面以外の複数の面を構成
する複数の壁部とを有し、
少なくとも前記複数の壁部は液密に構成されている
請求項1又は2に記載される無人飛行体。
【請求項4】
前記フロートの少なくとも一部の位置は前記荷物容器の底面を含む水平面よりも高い
請求項1乃至3のいずれかに記載される無人飛行体。
【請求項5】
前記フロートは前記無人飛行体の重心を含む水平面と交差する
請求項1乃至4のいずれかに記載される無人飛行体。
【請求項6】
前記装置本体は、前記無人飛行体の平面視において、前記複数のプロペラによって取り囲まれており、
前記フロートの位置は、前記無人飛行体の平面視において、前記装置本体から水平方向に離れている
請求項1乃至5のいずれかに記載される無人飛行体。
【請求項7】
平面視における前記無人飛行体の中心から前記フロートまでの距離は、平面視における前記無人飛行体の中心から前記複数のプロペラの中心までの距離よりも小さい
請求項1乃至5のいずれかに記載される無人飛行体。
【請求項8】
前記無人飛行体の着陸時に、地面に接し、前記無人飛行体を支持する支持フレームをさらに有し、
前記フロートは前記支持フレームに取り付けられている
請求項1乃至7のいずれかに記載される無人飛行体。
【請求項9】
前記フロートは前記支持フレームの下端に位置している
請求項8に記載される無人飛行体。
【請求項10】
前記フロートは、前記支持フレームの下端よりも高い位置に、位置している
請求項8に記載される無人飛行体。
【請求項11】
前記複数のフロートのそれぞれの上下方向でのサイズは、前記複数のフロートのそれぞれの前後方向でのサイズ及び左右方向でのサイズよりも小さい
請求項1乃至10のいずれかに記載される無人飛行体。
【請求項12】
展開可能なパラシュートをさらに有している
請求項1乃至11のいずれかに記載される無人飛行体。」

3 申立理由の概要
申立人は、以下の甲第1?14号証(以下、それぞれ「甲1」?「甲14」ということがある。)を提出して、以下の申立理由1?3により請求項1?4,6?12に係る特許を取り消すべきである旨主張する。
(1)証拠方法
甲1:特開2017-71285号公報
甲2:造船協會雑纂、昭和12年5月号、抄録、「Short “Empire” 飛行艇」、「"Flight" Vol. XXX, No. 1453, Oct. 29, 1936, pp.430-434.」、34?44頁
甲3:抄録、水上用飛行機の流體力學、「水上用飛行機の流體力學」、「The Hydrodynamics of Marine Aircraft, By J. H. Lower, "The Journal of the Royal Aeronautical Society," May 1933, pp.423-434.」、28?35頁
甲4:特表2017-530043号公報
甲5:国際公開第2017/216972号
甲6:特表2013-531573号公報
甲7:特開2016-107984号公報
甲8:日本航空宇宙学会誌、第31巻第349号、「STOL飛行艇の自動推力制御装置による着水アプローチ」、1983年2月、39?45頁
甲9:国際公開第2018/042610号
甲10:ドローンフロートに関するクラウドファンディングのWebアーカイブ(https://web.archive.org/wbe/20170830181444/https://www.makuake.com/project/drone-float/)、2017年8月31日
甲11:国際公開第2016/148303号
甲12:米国意匠特許第795785号明細書
甲13:ドローンラフツ社ホームページのWebアーカイブ(https://web.archive.org/web/20161107064359/http://www.dronerafts.com/#drone-anywhere)、2016年11月7日
甲14:特表2008-528947号公報

(2)申立理由
ア 申立理由1(特許法第29条第2項、甲1を主引用文献とするもの。)
本件発明1,2,4は、甲1に記載された発明、及び、甲2に記載された事項に基いて容易に発明をすることができたものであるから、請求項1,2,4に係る特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
イ 申立理由2(特許法第29条第2項、甲4を主引用文献とするもの。)
本件発明1,2,6?9は、甲4に記載された発明及び甲5に記載された事項に基いて容易に発明をすることができたものであり、
本件発明3は、甲4に記載された発明、甲5に記載された事項及び甲6に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであり、
本件発明4は、甲4に記載された発明及び甲5に記載された事項に加えて、甲2に記載された事項、甲6に記載された発明、又は、甲8に記載された事項のいずれかに基いて容易に発明をすることができたものであり、
本件発明10は、甲4に記載された発明、甲5に記載された事項、及び、甲10に記載された事項、又は、甲4に記載された発明、甲5に記載された事項、甲9に記載された事項及び甲11に記載された事項に基いて容易に発明をすることができたものであり、
本件発明11は、甲4に記載された発明及び甲5に記載された事項に加えて、甲12に記載された事項、又は、甲13に記載された事項のいずれかに基いて容易に発明をすることができたものであり、
本件発明12は、甲4に記載された発明、甲5に記載された事項、及び、甲14に記載された事項に基いて容易に発明をすることができたものであるから、
請求項1?4,6?12に係る特許は、同法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
ウ 申立理由3(特許法第29条第2項、甲6を主引用文献とするもの。)
本件発明1?4は、甲6に記載された発明、又は、甲6に記載された発明及び甲7に記載された事項に基いて容易に発明をすることができたものであり、
本件発明6は、甲6に記載された発明及び甲9に記載された事項に基いて容易に発明をすることができたものであり、
本件発明7は、甲6に記載された発明及び甲4に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものであり、
本件発明8,9は、甲6に記載された発明及び甲7に記載された事項に基いて容易に発明をすることができたものであり、
本件発明10は、甲6に記載された発明及び甲10に記載された事項、又は、甲6に記載された発明、甲7に記載された事項、甲9に記載された事項及び甲11に記載された事項に基いて容易に発明をすることができたものであり、
本件発明11は、甲6に記載された発明に加えて、甲12に記載された事項又は甲13に記載された事項のいずれかに基いて容易に発明をすることができたものであり、
本件発明12は、甲6に記載された発明及び甲14に記載された事項に基いて容易に発明をすることができたものであるから、
請求項1?4,6?12に係る特許は、同法第29条第2項の規定に違反してされたものである。
エ 以上により、請求項1?4,6?12に係る特許は、同法第113条第2項の規定により取り消されるべきものである。

4 証拠の記載事項等
(1)甲1について
甲1には、図面とともに以下のような記載がある(下線は当審が付与。以下同様。)。

ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は、ドローンなどと称される無人の飛行体、そのような飛行体に搭載されたバッテリを充電等するための飛行体給電装置、および飛行体の飛行等を制御する飛行体制御装置に関するものである。」

イ 「【発明が解決しようとする課題】
【0004】
上記のような非接触な送電による給電方式としては、例えば電磁誘導やマイクロ波を用いる方式などが知られている。しかしながら、これらの方式では、送電装置から発せられる磁束や電波は、全て受電装置に到達するとは限らず、漏れ磁束や漏れ電波が生じ得る。本願発明者らは、これらの漏れ磁束や漏れ電波は、飛行体に備えられる方位検出用の磁気センサ等に影響を与えるおそれがあり、その場合に、飛行体が給電位置に達する際の着陸動作や、給電位置から離れる際の離陸動作において、飛行動作が不安定になるおそれがあることを見出した。
【0005】
本発明は、かかる点に鑑みてなされたものであり、飛行体への非接触な送電による給電を可能にしつつ、離着陸の際の飛行動作が不安定になるのを確実に防止できるようにすることを目的としている。」

ウ 「【発明を実施するための形態】
・・・
【0013】
(ドローン100を含むシステム全体の概要)
飛行体であるドローン100を含むシステムは、図1に示すように、ドローン100自体と、その飛行等を制御するドローン制御端末200(飛行体制御装置)と、ドローン100に搭載されたバッテリ114を充電するための電力を送電する送電側ユニット300(飛行体給電装置)とを備えて構成される。以下、各装置の要部の具体的な構成を図2に基づいて説明する。
【0014】
(ドローン100)
ドローン100は、複数のプロペラ100aおよびこれを回転させるモータ100bを備えて、ドローン制御端末200からの制御に従って飛行するものである。より詳しくは、ドローン100は、例えばドローン制御端末200からの指示を受信する飛行制御通信部101と、受信した指示に応じて飛行を制御する飛行制御部102とを備えている。飛行制御通信部101は、また、例えば高度センサによって検出されたドローン100の飛行高度などの状態を示す情報をドローン制御端末200に送信するようにもなっている。ドローン100には、さらに、上記モータ100b等に電力を供給するバッテリ114を備えた受電側ユニット110が設けられている。受電側ユニット110には、また、上記バッテリ114を充電するために、送電側ユニット300から電磁誘導による給電を受ける受電コイル111と、受電コイル111から出力される電圧を所定の電圧に変換するDC-DCコンバータ112と、変換された電圧によってバッテリ114の充電を制御するバッテリ充電回路113とが設けられている。」

【図1】


【図2】


エ 上記ウ及び図1によれば、ドローン100は、複数のプロペラ100aをそれぞれ回転させる複数のモータ100bを備えると認められ、上記ウ及び図1,2によれば、ドローン100の機体が、飛行制御通信部101と飛行制御部102を含んでいることが認められる。

上記ウ及びエによると、甲1には、以下の発明(甲1発明)が記載されていると認められる。

「複数のプロペラ100aと、
複数のプロペラ100aをそれぞれ回転させる複数のモータ100bと、
ドローン制御端末200からの指示を受信する飛行制御通信部101と、受信した指示に応じて飛行を制御する飛行制御部102とを含んでいる機体と、
を備えるドローン100。」

(2)甲2について
甲2には、飛行艇に関し、以下の記載がある。

ア 「操縦室は實に興味ある箇處であつて、その設計の概要は、その直ぐ後方の無電室(wireless cabin)とともに後述する。」(35頁左欄8?10行)

イ 「艇體の後方へずつと延びて郵便物、荷物、手荷物用の別の船室がある。」(36頁左欄16?17行)

ウ 「無電室は椅子テーブルの用意があつて操縦室の直後にあり、全床面も既述の通り高くしてあつて下甲板から梯子で連絡出來、全く船舶のブリッヂの感がある。無電技士は操縦者に背を向ける位置に居るが、前方には波長600?2,000m及び16?75mの普通の發信及び受信装置があり、横側には床の上に豫備の動力供給装置、電氣モーター及び特殊の二重出力發電機(double-output generator)がseriesに並んでゐる。」(38頁左欄5?12行)

エ 「耐波性の見地から觀ると、艇高が高いことは、發動機とプロペラを海面から充分離して水沫の影響を受けない意味に於て、非常に利益である。尤も翼端の兩浮舟を支へる支柱が幾分長くなる不利があるが、此の不利は上の利益に比すればほんの僅かなものである。」(40頁右欄25?29行)

オ 艇體は、飛行艇の機体であることを勘案すれば、上記イ及びウから、艇體は、無電室と郵便物、荷物、手荷物用の別の船室を有すると認められ、上記エも参酌すると、飛行艇は、艇體と浮舟とを有すると認められる。

上記ア?オを総合すると、甲2には以下の事項(甲2記載事項)が記載されていると認められる。

「發信及び受信装置がある無電室と郵便物、荷物、手荷物用の船室とを有する艇體と、
浮舟とを有する、飛行艇。」

(3)甲3について
甲3には、以下の記載がある。

「今日使用されてゐる浮舟機や飛行艇の型は一般に能く知られてゐる様だから一々枚擧するには及ぶまい。然し注目すべきことは、多くの國々が双浮舟型を専用してゐるのに對し米國にては單浮舟型を或程度採用してゐることである。」(29頁右欄10?14行)

(4)甲4について
甲4には、図面とともに以下の記載がある。

ア 「【技術分野】
【0001】
本発明は、無人機、無人機制御システム、無人機制御方法および無人機降着制御方法に関する。」

イ 「【背景技術】
【0002】
無人航空機の略称は「無人機」であり、無線遠隔操作機器および自己完結型プログラム制御装置により操縦できる人を載せない航空機である。水空両用無人機とは、通常は主に空中での飛行に用いられ、海面などの水域上空で任務を実行するときに水上を一時的に航行できるものをいう。しかしながら、従来の無人機は、飛行鑑賞のみに用いられ、水上航行はできず、水空両用機能を実現できず、その鑑賞性には限りがあった。」

ウ 「【発明が解決しようとする課題】
【0003】
以上の内容に鑑み、空中を飛行し、または水上を航行できる水空両用無人機およびその制御システム、方法ならびにその降着制御方法を提供する必要があった。」

エ 「【発明を実施するための形態】
・・・
【0226】
図1から図4に示すように、本発明の第1の実施形態は、水空両用無人機である無人機100を提供する。前記無人機100は、空中を飛行し、空中で停止でき、または水上を航行し、水上で停止できる。さらに、前記無人機100は、陸地を離陸または陸地に降着でき、または水面を離陸または水面に降着することができる。
【0227】
前記無人機100は、機体10、ならびに前記機体10に設けられた動力装置30、離着陸装置50および制御装置70を含む。前記動力装置30および前記離着陸装置50は、それぞれ前記制御装置70に電気的に接続され、前記動力装置30は、前記無人機100の進行のために動力を提供し、前記離着陸装置50は、前記無人機100の降着時の支持として用いられ、前記制御装置70は、前記無人機100が飛行、航行、離陸または降着などを実行するためのコマンドを制御する。
【0228】
前記機体10は、ボディ12と、前記ボディ12に設けられたアーム14と、を含む。前記ボディ12は、前記制御装置70を装着するために用いられる。・・・
【0229】
前記動力装置30は、回転翼アセンブリ32と、推進アセンブリ34と、を含む。具体的には、図示した実施例において、前記回転翼アセンブリ32は前記アーム14に設けられており、前記推進アセンブリ34は、前記ボディ12に設けられている。
・・・
【0231】
前記回転翼アセンブリ32の各々は、いずれも装着部材321と、駆動部材323と、プロペラ325と、を含む。具体的には、図示した実施例において、前記装着部材321は、前記アーム14の末端に接続されており、前記駆動部材323は、前記装着部材321に設けられており、前記プロペラ325は、前記駆動部材323に接続されている。
・・・
【0233】
本実施形態において、前記駆動部材323は、モータである。好ましくは、前記駆動部材323は、ブラシレスモータである。前記駆動部材323は、前記装着部材321の前記アーム14から離れた一端に設けられている。その他の実施例において、前記駆動部材323は、ブラシ付きのモータ、またはその他のタイプのモータであってもよい。
【0234】
前記プロペラ325は、前記駆動部材323に接続され、かつ前記駆動部材323による駆動の下で転動することができる。具体的には、前記プロペラ325の回転軸は、前記装着部材321にほぼ垂直である。」

オ 「【0247】
前記離着陸装置50は、前記ボディ12に設けられており、前記無人機100が陸地または水面に降着するための支持を提供する。前記離着陸装置50は、降着装置52と、浮遊装置54と、を含む。具体的には、図示した実施例において、前記降着装置52は前記ボディ12に接続されており、前記浮遊装置54は、前記降着装置52に設けられている。
・・・
【0251】
本実施形態において、前記浮遊装置54は、ほぼ板状を呈し、前記緩衝機構523の前記ボディ12から離れた側に設けられている。前記浮遊装置54の密度は、水の密度よりも遥かに小さく、前記無人機100が水上で作業する必要がある場合、前記浮遊装置54は、水上に浮くか、または一部/全部が水中に没して、前記無人機100全体を支持することにより、前記無人機100の全体が前記動力装置30の駆動の下で、水面で航行または停止することができる。」

カ 「【0257】
前記制御装置70は、前記機体10に設けられており、メインコントローラ72と、前記メインコントローラ72に電気的に接続された測位アセンブリ73および降着面検出アセンブリ74と、を含む。
【0258】
前記メインコントローラ72は、さらに前記動力装置30および前記離着陸装置50に電気的に接続され、前記メインコントローラ72は、前記動力装置30および前記離着陸装置50の運動を制御するために用いられる。」

キ 「【0319】
本発明の無人機は、湖、河川、海などの水面に降着することもでき、その他の適切な液体表面に降着することもできる。例えば、前記無人機は溶液反応の実験のモニタリングに用いられる場合、前記溶液の表面に降着および/または航行することができ、または前記無人機は油液表面に降着および/または航行して、油液品質のモニタリング、油液サンプルの取得などの作業を実行する。」

ク 上記イによれば、無人機100は、無線遠隔操作機器および自己完結型プログラム制御装置により操縦できる人を載せない航空機であるから、無線遠隔装置機器と無線通信を行う通信手段を有すること、及び、該通信手段は、無人機100の機体10に設けられることが認められる。

ケ 上記エによれば、無人機100は、複数のプロペラ325と複数の駆動部材323とを有すること、及び、複数の駆動部材323は、それぞれ複数のプロペラ325を駆動することが認められ、上記エ及びカによれば、制御装置70に含まれるメインコントローラ72は、動力装置30および離着陸装置50の運動を制御するために用いられ、動力装置30は、駆動部材323を含むものであるから、制御装置70は、複数の駆動部材323を制御することが認められる。

コ 上記エ及びオによれば、無人機100は、浮遊装置54を有することが認められる。

サ 上記キによれば、無人機100は、習得した油液サンプルの収容手段を有することが認められる。

上記エ?コを総合すると、甲4には、以下の発明(甲4発明)が記載されていると認められる。

「複数のプロペラ325と、
複数のプロペラ325をそれぞれ駆動する複数の駆動部材323と、
複数の駆動部材323を制御する制御装置70と、無線通信を行う通信手段とが設けられている機体10と、
習得した油液サンプルの収容手段と、
浮遊装置54と、
を有する無人機100。」

(5)甲5について
甲5には、図面とともに、以下の記載がある。

ア 「[0001] 本発明は、無人航空機制御システム、無人航空機制御方法、及びプログラムに関する。」

イ 「[0005] 本発明は上記課題に鑑みてなされたものであって、その目的は、移動体の移動に応じて変化する飛行禁止領域を避けて無人航空機を飛行できるようにすることである。」

ウ 「[0027] 無人航空機20は、人が搭乗しない航空機であり、例えば、バッテリーで駆動する無人航空機(いわゆるドローン)やエンジンで駆動する無人航空機である。本実施形態では、無人航空機20は、クラブハウスの近くに発着所があり、管理者の管理下に置かれるものとする。無人航空機20は、制御部21、記憶部22、通信部23、センサ部24、及び荷物格納部25を含む。なお、制御部21、記憶部22、及び通信部23のハードウェア構成は、それぞれ制御部11、記憶部12、及び通信部13と同様であるので説明を省略する。また、無人航空機20は、プロペラ・モーター・バッテリーなどの一般的な物理的構成も含むが、ここでは説明を省略する。
・・・
[0029] 荷物格納部25は、無人航空機20に荷物を固定する固定部材を含む。図2は、荷物格納部25を説明するための図であり、無人航空機20の外観図である。図2に示すように、例えば、荷物格納部25は、荷物を格納するスペースを有するフレーム25Aを含む。例えば、プレイヤが注文した商品が箱に格納されて運搬される場合、フレーム25Aは、その内部に箱を載置して固定できる程度の大きさとなっている。
[0030] また、荷物格納部25は、配送中の荷物が下に落ちないように支えるアーム25Bと、公知のロック機構を有する固定部材25Cと、を含む。管理者は、荷物をアーム25Bの上に載置すると、固定部材25Cを閉じて荷物が水平方向に動かないように固定する。アーム25Bは、図示しないモータの回転により開閉可能になっており、無人航空機20が所定の受取所に着陸するとアーム25Bが下側に向けて開き、アーム25Bの上に載置された荷物が数cm程度下方に落ちて地上に配置できるようになっている。
[0031] なお、荷物格納部25は、荷物を格納及び固定するスペースを有するものであればよく、上記の例に限られない。例えば、荷物を左右方向及び上下方向から挟むことで固定するアームを有していてもよいし、磁力によって荷物を固定するマグネットを有していてもよい。また例えば、荷物格納部25は、荷物を格納する格納容器、ネット、又は袋などを有していてもよい。」

エ 「[0035] [2.無人航空機制御システムの処理の概要]
次に、図3及び図4を参照し、無人航空機制御システム1の処理の概要を説明する。図3は、プレイヤが商品を注文する様子を示す図であり、図4は、プレイヤが注文した商品が配送される様子を示す図である。」

図4


上記ウによれば、甲5には、以下の事項(甲5記載事項)が記載されていると認められる。

「格納容器を有する荷物格納部25を含む無人航空機20。」

(6)甲6について
甲6には、図面とともに、以下の記載がある。

ア 「【技術分野】
・・・
【0002】
本発明は一般に無人の、バッテリ式の無人機(例えば、UAV)に関し、そして、より詳しくは、多種多様な目的のために再構成されることができるバッテリ式の無人機に関する。」

イ 「【背景技術】
・・・
【0006】
一般的に、リチウム電池が好ましいバッテリのタイプとされる。リチウム電池の輸送に伴う危険性のため、米国運輸省は、リチウム電池及びバッテリパック(即ち、相互に接続されたバッテリからなる群)用の輸送容器について、厳格な要件を定めている。国連試験基準マニュアル第4改訂版、「リチウム電池試験要件」のコピーが、すべての目的のために、参照により本明細書に組み込まれる。リチウム電池の厳格な輸送要件のため、一般的に、輸送時には、輸送要件に適合した堅牢な輸送容器が複数のバッテリ及び/又はバッテリパックの運搬のために使用される。」

ウ 「【発明が解決しようとする課題】
【0007】
輸送が完了し、バッテリがエンドユーザに渡ると、バッテリ及び/又はバッテリパックは、堅牢な梱包容器による保護を失い、それぞれの機体に取り付けられるまでに損傷を受ける可能性がある。一般的に、各バッテリパックは、いずれも単一種の機体又は機器用に特化して構成され、提供される。従って、バッテリの供給は損傷に対して影響されやすく、また、多様なバッテリタイプが輸送されなければならないとき、輸送要件は挑戦的なものになり得る。
【0008】
従って、バッテリが輸送容器による保護の無い場合にも損傷を受けにくく、多くの機体及び他の機器で自由に使用できるバッテリ駆動可能な機体システムが必要とされている。本発明の好ましい実施例は、これら及び他のニーズを満足し、更に関連する有利な点を提供する。」

エ 「【0075】
図21から図25を参照すると、本実施の形態の別の構成が、UAV(クワッドロータ)推進アーム103又はUGV推進アーム203を1対のUSV(無人水上艇(Unmanned Surface Vehicle))推進アーム303で置き換えることで提供される。抗力を最小限に抑え、安定性を高めるために、それぞれの推進アームは、支持レール331を形成する複数の(推進方向に)空気力学的成型の施された炭素チューブよ
りなる。空気力学的成型は、支持レールの進行方向の断面積を最小限に抑えるのに適している(例えば、図25を参照)。
【0076】
支持レールは、主要レール361及び主要レールを接続モジュール333に接続する2つの脚部363を有する。それぞれの主要レールは、その2つの端部それぞれでフロート339を保持する。また、少なくとも1つ(あるいは両方)の推進アームの主要レールは、1つ以上の(例えば、2つ)のモータ335を有し、それぞれのモータは推力を生じるプロペラ371を駆動する。それぞれの推進アームは、(モータに加えて)1つ以上のモータコントローラを有する。推進アーム接続モジュール333は、両側面コネクタ121(即ち、ボディ101の両端部)に接続される。主要レールは、フロートがUSVを水面上に支えた状態でモータを水体(例えば、水面下)に延在させるよう構成される。必要に応じて、予備の推進アームがボディのどちら側でも動作するように、フロート及びモータを構成してもよい。
・・・
【0078】
制御モジュール105は、どの推進モジュールが取り付けられているかを検知し、これにより、推進アーム303に送出する制御コマンドに必要なすべての識別を施す。同一のペイロード107を用いてもよく、また、より好ましくは、向きの異なる別個のUSVペイロード307を(水平視野角を補償し、さらに上向きの視野を可能にするために)用いてもよい。USVの組み立て方法は、UGVの組み立て方法に類似している。それぞれのコネクタは、すべての電気的接続部を水との接触から保護するシールを有し、それぞれのモジュールは水密構造である。」

オ 「【0079】
図26から図30を参照すると、本実施の形態の別の構成が、UAV(クワッドロータ)推進アーム103、UGV推進アーム203又はUSV推進アーム303を、1対のUUV(無人潜水艇(Unmanned Underwater Vehicle))推進アーム403に置き換えることで提供される。上述のように、推進アームは、炭素チューブよりなり、支持レール431を形成する。推進アームは、支持レールの2つの端部のそれぞれに、プロペラ471を駆動する推進モータ435及びそれぞれのプロペラ及び推進モータを個別に支持レールの長手方向軸を中心に(モータをピッチさせるために)回転させる指向モータ473を有する。また、推進アームは、両側面コネクタ121(即ち、ボディ101の両端部)に接続する接続モジュール433を有するため、予備の推進アームは、どちら側でも機能することが可能である。
・・・
【0081】
制御モジュール105は、どの推進アームが取り付けられているかを検知でき、これにより、推進アーム403に送出する制御コマンドに必要なすべての識別を施す。同じペイロード107を用いてもよく、また、より好ましくは、水中環境に適した異なる機器類を有する別個のUUVペイロード407を用いてもよい。UUVの組み立て方法は、USVの組み立て方法に類似している。それぞれのコネクタは、すべての電気的接続部を水との接触から保護するシールを有し、それぞれのモジュールは内部への水の浸入を防ぐためにシールされる。」

カ 「【0086】
図31から図32を参照すると、本発明の第2の実施の形態で、UAVのH形状は、多くの態様に変更が可能である。上述のように、本実施の形態は、バッテリと機体の主要構成部材との両方を構成するボディ501、2つの推進アーム503、制御モジュール505及びペイロードモジュール507を有する。必要に応じて、ペイロード及び制御モジュールが一体型でもよく、また、組立を迅速にするため、取り付けられた状態で格納されてもよい。本実施の形態において、それぞれの推進モジュールは、推進モジュールのそれぞれのモータに取り付けられた2つの降着装置509を有する。第1の実施の形態と比較して、制御モジュール及びペイロードは、飛行及び観測のために、ボディの長手方向に直角の方向に向けられている。
【0087】
図31から図33を参照すると、ボディ501は、(長手方向に渡って)楕円形断面を有して構成され、その垂直方向寸法が最小になっている。この構成は、いくぶんかの構造的剛性と、抗力の減少とをトレードする。構造体は、発泡体コア512の周囲で好適に受容される成型炭素繊維ケーシング511を有し、発泡体コアは、スマートリチウム電池(即ち、1つ以上のバッテリのバッテリパック及びバッテリコントローラを形成するバッテリボード514)を形成するリチウム電池セル513を相互接続した複数のスタックを、好適に取り囲んでいる。・・・」

キ 「【0090】
図31から図35を参照すると、それぞれのUAV推進アームは、支持レール531、アーム接続モジュール533、それぞれ支持レールの長手方向端部に位置する1対のモータ535及びそれぞれ1つのモータに取り付けられた1対のプロペラ539を含み、モータが、それぞれのプロペラを支持レールに対して回転駆動させることができるよう、これらはそれぞれモータの1つに固定されている。モータは、効率的な冷却及び検査の簡便化のために露出している。」

ク 「【0093】
第1の実施例にあるように、制御モジュール505は、一般的にコマンド及び制御装置の大部分を収容する。制御モジュールは、アンテナ、センサ及びGPS/INS(全地球測位システム/慣性航法システム)制御のための処理機能、オートパイロット機能ならびに異なる様々なペイロードのための制御及び処理を実行する1つ以上のプリント回路基板を有してもよい。
【0094】
制御モジュール505は、ボディの長手方向の中央において、嵌合したスナップ-オン(例えば、フック及びラッチ)システム551を介してボディ501に脱着可能に取り付けられる。制御モジュールは、ボディの長手方向のディメンションに垂直な船首から船尾への方向で自身の長手方向に延びる。電子的接続は、嵌合した電子コネクタ(ボディ501の中間コネクタ523に接続される、コマンドモジュール上に示されないコマンドコネクタ)により行われ、制御モジュールとボディとの間で、電力、制御信号などを通過させる。
【0095】
ペイロードモジュール507は、制御モジュールの先端部161に取り付けられる。異なる様々なペイロードモジュールを互いに置き換えて用いることができ、走査ペイロードは、一般に上下広角に渡って(例えば、140度程度)連続的に撮像が可能である。水平方向の連続撮像は、一般に、UAVのヨーイング能力に依存する。ペイロードモジュールは、カラー、IR(赤外線)、EO(電気光学)、昼間及び/又は夜間用カメラ、ならびに他の追尾、ターゲット設定及び/又は通信機能用の機器を有してもよい。ペイロードは、(直接又はコマンドモジュールを介して)デジタル安定化ビデオを有してもよい。嵌合したコネクタシステムは、ペイロードモジュールを構造的及び電子的に制御モジュールにリンクさせ、制御モジュールとの電子通信及び電力のやり取りを可能にする。」

ケ 「【0098】
4つの着陸脚509が、それぞれのモータから下方に延在する。これらの脚は、着地したUAVをホバリング時と同様に水平にする。有利なことに、このことは、高所に止まりペイロードがターゲットを監視するように適切な位置において高い水平な対象物上に航空機が着陸することを許すだけでなく、スムーズな垂直離陸を提供する。脚は軽量発泡体よりなり、現場での修理を迅速にするために容易に取り外し又は交換することができる。」

コ 上記カ?ケは、UAVについての第2の実施の形態に関する記載であるから、これら記載から、UAVは、複数のプロペラ539(上記キ)と、複数のモータ535(上記キ)と、制御モジュール505(上記カ、ク)と、ペイロードモジュール507(上記ク)と、ボディ501(上記カ)と、着陸脚509(上記ケ)と、を有すると認められる。

サ 上記クによれば、制御モジュール505に収容された制御装置は、UAVのほとんどを制御するものであるから、複数のモータ535も制御するものと認められる。

上記カ?サを総合すると、甲6には、以下の発明(甲6発明)が記載されていると認められる。

「複数のプロペラ539と、
複数のプロペラ539をそれぞれ回転駆動する複数のモータ535と、
複数のモータ535を制御する制御装置を収容する制御モジュール505と、
通信機能用の機器を有するペイロードモジュール507と、
ペイロードモジュール507が取り付けられた制御モジュール505が着脱可能に取り付けられたボディ501と、
軽量発泡体からなる着陸脚509と、を有するUAV。」

(7)甲7について
甲7には、図面とともに、以下の記載がある。

ア 「【技術分野】
【0001】
本開示は、概して航空機に関し、より詳細には、航空機用のマルチポジション降着装置に関する。」

イ 「【背景技術】
【0002】
降着装置は通常、飛行時以外の航空機をサポートし、航空機の離着陸、燃料補給、整備、及びタキシングを可能にする。離着陸面(surface)に応じて、且つ航空機が垂直に操縦される(例えば垂直離着陸「VTOL」)か或いは離着陸面に沿ってタキシング可能かどうかによって、典型的な降着装置は、車輪、スキッド、スキー、フロート、又はこれらとその他の要素との組み合わせを含む。降着装置は、単一の位置で固定されている
か、又は必要に応じて格納・展開可能であり得る。より高速の航空機は通常、飛行中は折り畳まれて(例えば、飛行中、航空機の降着装置が車輪格納部内に収納されて)空気抵抗又は抗力を低減させる格納可能なアンダーキャリッジを有する。通常離着陸(「CTOL」)機は典型的に、離着陸中に回転するよう促される車輪を有する。」

ウ 「【0050】
図6に示すように、一実施例として、タキシングデバイス128は、地上への降着もしくは地上からの離陸、又は地上(例えば、格納庫内もしくは格納庫の駐機場)において航空機200の移動を容易にするための車輪を含み得る。別の実施例(図示せず)として、タキシングデバイス128は、雪上への降着もしくは雪上からの離陸、又は雪に覆われた地面において航空機200の移動を容易にするためのスキーを含み得る。さらに別の実施例(図示せず)として、タキシングデバイス128は、水上への降着もしくは水上からの離陸、又は水上において航空機200の移動を容易にするためのフロート(例えば、ポンツーン)を含み得る。」

エ 「【0071】
・・・本開示の原則は、航空機1200に加えてその他の輸送体(例えば、宇宙用輸送体、ドローン、衛星など)にも応用され得る。」

上記イ?エを総合すると、甲7には、以下の事項(甲7記載事項)が記載され得ていると認められる。

「降着装置としてフロートを有するドローン。」

(8)甲8について
甲8には、以下の図面が記載されている



(9)甲9について
甲9には、図面とともに、以下の記載がある。

ア 「[0001] 本発明は、無人航空機の離着水技術に関する。」

イ 「[0006] 本発明の目的は、上記従来技術の欠点を解消しようとするものであり、水面上に機体を水平に維持することができ、また、スムーズな離着水が可能な無人航空機を提供することにある。」

ウ 「[0017] 〔構成概要〕
図1は本実施形態にかかるマルチコプター100の外観を示す斜視図である。図1に示すように、マルチコプター100は、その機体中央部10から水平に延びる6本のアーム21?26(以下、これらを総称して「アーム20」という。)を有している。これらアーム20は、機体中央部10を中心として周方向等間隔に配置されており、機体中央部10から放射状に延出している。
[0018] これらアーム20の先端部には、アーム20から下方に延びた浮き部であるフロート41?46(以下、これらを総称して「フロート40」という。)が設けられている。そして、これらフロート40の上部には回転翼であるローター31?36(以下、これらを総称して「ローター30」という。)がそれぞれ配置されている。」

エ 「[0027]〔フロートの変形例〕
図5はフロート40の変形例であるフロート40’の構造を示す側面視断面図である。フロート40’は、フロート40のスキッドとしての機能を拡張した構成である。なお、以下の説明では、フロート40と同一または同様の機能を有する構成については、フロート40と同一の符号を付してその詳細な説明を省略する。
[0028] フロート40’は、その径方向中心に沿って上下方向に延びる空間である脚部収容室61を有している。脚部収容室61は空気室51と隔てられており、フローと40’を上下方向に貫通している。脚部収容室61には、弾性部材であるコイルバネ62と、コイルバネ62により下方に付勢された棒状部材である脚部63と、が収容されている。脚部63は、その下端部およびその近傍部が脚部収容室61から下方に露出している。脚部63はコイルバネ62の弾性力で支持されていることにより、脚部63の露出部は矢示Sの範囲内で出没可能とされている。
[0029] マルチコプター100がフロート40で直接地面に着地した場合、機体の重量や降下速度、地面の硬さによっては、フロート40が破損するおそれがある。本変形例では、コイルバネ62によりクッション性が付与された脚部63で着地することにより、着地によるフロート40’への衝撃が緩和され、フロート40’の破損を防ぐことが可能とされている。」

オ 「[0030] 〔その他の機体構成〕
フロート40を除くマルチコプター100の構成は、公知のマルチコプターと同様である。図4はマルチコプター100の機能構成を示すブロック図である。マルチコプター100の機体には、主に、フライトコントローラFC、6基のローター30、これらローター30の回転を制御するESC141(Electric Speed Controller)、及びこれらに電力を供給するバッテリー190が搭載されている。
・・・
[0033] フライトコントローラFCは、マイクロコントローラである制御装置120を備えている。制御装置120は、中央処理装置であるCPU121、ROMやRAMなどの記憶装置であるメモリ122、および、ESC141を介して各モータ142の回転数および回転速度を制御するPWM(Pulse Width Modulation)コントローラ123を有している。」

カ 「[0039] 以上、本発明の実施形態について説明したが、本発明は上記実施形態に限定されるものではなく、本発明の要旨を逸脱しない範囲で種々の改変が可能である。例えば、上記実施形態のフロート40はアーム20の先端に配置されているが、本発明の浮き部はアームの先端以外の部分に設けられてもよく、また、ローター30も、フロート40の上部に配置されている必要はない。さらに、本発明の浮き部はアームから下方に延びていればよく、常に先細形状である必要もない。」

(10)甲10について
甲10には、以下の記載がある。
ア 2頁の前半

イ 3頁の1番下の写真

ウ 4頁の写真


(11)甲11について
甲11には、図面とともに、以下の記載がある。

ア 「[0001] 本発明は、無人回転翼機およびその周辺物測距方法に関する。」

イ 「[0006] 上記問題に鑑み、本発明が解決しようとする課題は、機体コストの増加を抑えつつ、飛行時における機体と周辺物との衝突を防止し、また、着陸時における機体の転倒を防止することができる無人回転翼機およびその周辺物測距方法を提供することにある。」

ウ 「[0030] マルチコプター10のフレーム11には、フライトコントローラFC、4基のローターR(ローターR1?R4)およびこれらローターRの回転を制御するESC43(Electric Speed Controller)、オペレータの操縦端末91と無線通信を行う無線送受信器33、および、電力供給源であるバッテリー51が搭載されている。」

エ 「[0035] <周辺物の検知構成>
本実施形態のマルチコプター10は、さらに、機体とその周辺物との距離を計測する距離センサ(水平距離センサ311,鉛直距離センサ312)を備えている。図1に示されるように、水平距離センサ311は、フレーム11が有する4本のアーム121,122,123,124(以下、これら4本のアームを総称して「アーム12」という。)の一つであるアーム121の先端部に取り付けられており、その検知方向は機体から水平方向に固定されている。各アーム12の下面からは、スキッド131,132,133,134(脚部)(以下、これら4つのスキッドを総称して「スキッド13」という。)が下方に延出している。鉛直距離センサ312は、アーム121から延出したスキッド131に取り付けられており、その検知方向は機体から鉛直下方に固定されている。これら距離センサ311,312の取り付け位置は本実施形態の位置には限定されず、水平距離センサ311は、その検知方向が機体から水平方向に向けられていれば、アーム12以外の部位に取り付けられてもよい。同様に鉛直距離センサ312についても、いずれかのスキッド13と、その着地点との距離が測定可能であれば、スキッド13以外の部位に取り付けられてもよい。また、スキッド13の配置位置や数も本実施形態の態様には限られず、適宜変更可能である。」

(12)甲12について
甲12には、以下の図面の記載がある。


(13)甲13について
甲13には、以下の記載がある。
ア 1頁

(訳文)
「WaterStriderは、あなたに自信を持って、水面、雪面、砂地、岩、背の高い草、斜面、と他の難しい地面の上に着地できるようにするDJI Phantom 3と4を容易に利用できるアクセサリである。」

イ 2頁の写真


(14)甲14について
甲14には、図面とともに、以下の記載がある。

ア 「【0001】
発明の背景
この発明は一般的に乗物追跡の分野に関し、より特定的には、無人飛行体および観測プラットフォームの全地球測位システムデータを用いて無人飛行体および観測プラットフォームを追跡する状況認識ディスプレイに関する。」

イ 「【0031】
表1の例示的なメニュー機能を以下に簡単に説明する。ズーム倍率設定および更新機能は、ディスプレイ上の画像のズーム倍率を設定および更新する。JPGオーバーレイ設定および更新機能は、ディスプレイ上の、領域の空中または衛星写真のようなJPGオーバーレイ画像情報を設定および更新する。CADRGオーバーレイ設定および更新機能は、ディスプレイ上の地図画像を設定および更新する。HUD出力設定および更新機能は、ディスプレイ上のヘッドアップディスプレイ情報を設定および更新する。プッシュボタンバー表示および更新機能は、ディスプレイ上のメニュープッシュボタンの表示を切換える。ノース・アップ(North up)モード設定および更新機能は、ディスプレイの表示モードの更新を行なう。ユーザガイド機能は、ユーザガイドを表示する。無人飛行体アドレスおよび無人飛行体アドレス更新機能は、無人飛行体のうちの1つを選択する。ポップ・シュートおよびポップ・シュート更新機能は、無人飛行体にそのパラシュートを開くように指示する。リターン・ホームおよびリターン・ホーム更新機能は、無人飛行体にその離陸場所に戻るように指示する。これらの機能の各々を、以下により詳細に説明する。」

5 当審の判断
(1)申立理由1(甲1発明を主引用発明とするもの)
ア 本件発明1について
本件発明1と甲1発明とを対比すると、甲1発明における「プロペラ100a」、「回転させる」こと、「モータ100b」、「ドローン制御端末200からの指示」、「飛行制御通信部101」、「飛行制御部102」、「機体」、「備える」こと、「ドローン100」は、それぞれ、本件発明1における「プロペラ」、「駆動する」こと、「モータ」、「信号」、「無線装置」、「制御装置」、「装置本体」、「有する」こと、「無人飛行体」に相当する。
甲1発明における「ドローン制御端末200からの指示を受信する」ことは、本件発明1における「信号の送信と受信の少なくとも一方を行う」ことに相当し、甲1発明における「飛行を制御する」ことは、複数のモータ100bを制御することを含むことは明らかであるから、本件発明1における「前記複数のモータを制御する」ことに相当する。
そうすると、本件発明1と甲1発明との一致点及び相違点は、以下のとおりとなる。

<一致点1>
「複数のプロペラと、
前記複数のプロペラをそれぞれ駆動する複数のモータと、
前記複数のモータを制御する制御装置と、信号の送信と受信の少なくとも一方を行う無線装置とを含んでいる装置本体と、を有する無人飛行体。」

<相違点1>
本件発明1は、「荷物を収容するための荷物容器」と「フロート」を有するのに対し、甲1発明は、それらを有せず、本件発明1は、「前記荷物が前記荷物容器に搭載されていない状態で前記無人飛行体を水上に置いたときに、前記フロートの浮力と前記荷物容器の容積に応じた浮力とにより、少なくとも前記無線装置の高さに水面が達しない」のに対し、甲1発明は、そのような構成を有しない点。

ここで、相違点1について検討する。
甲1発明と甲2記載事項とでは、「飛行体」という意味では共通するが、前者はドローンであるのに対し、後者は飛行艇であり、無人であるか有人であるかの違いや、飛行体としての全体構造にプロペラの位置を含めて基本的な違いがあること、非接触給電を不具合なく実行するという甲1に記載された課題(上記4(1)イ)と同様の課題を甲2記載事項の飛行艇が有するとは認められないこと、甲1には、「着水」に関する記載は一切なく、甲1発明が着水することについては、何ら考慮されていないこと、及び、甲1発明はドローンであり、甲2記載事項における「客室」を設けることは想定されていないことを勘案すると、甲1発明に甲2記載事項を適用する動機付けがあるとは認められず、むしろ、阻害要因があるとさえいえる。
また、「船室」は、「船舶で、乗船客の使用にあてる部屋。また、船員室。キャビン。ケビン。」(大辞林第3版)を意味することから、甲2記載事項における「郵便物、荷物、手荷物用の船室」は、容器とはいえず、本件発明1における「荷物容器」に相当するものではないことは明らかであり、該船室の容積に応じた浮力を利用することを認めるに足る記載を甲2に見いだせないことを勘案すると、仮に、甲1発明に甲2記載事項を適用しても、相違点1に係る本件発明1の構成とならないことは明らかである。

よって、本件発明1は、甲1発明及び甲2記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。
なお、甲3は、舟型、すなわち、フロートに関する記載はあるが、荷物容器に関する記載はなく、甲2記載事項の一部を開示するものに過ぎず、相違点1についての進歩性の判断に影響を与えるものではない。

イ 本件発明2,4について
本件発明2,4は、本件発明1の構成を全て含み、更に限定したものであるから、本件発明1と同様に、甲1発明及び甲2記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

ウ 小活
以上によれば、本件発明1,2,4は、甲1発明を主引用発明として、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(2)申立理由2(甲4発明を主引用発明とするもの)
ア 本件発明1について
本件発明1と甲4発明とを対比すると、甲4発明における「プロペラ325」、「駆動部材323」、「制御装置70」、「無線通信を行う通信手段」、「機体10」、「浮遊装置54」、「無人機100」は、それぞれ、本件発明1における「プロペラ」、「モータ」、「制御装置」、「信号の送信と受信の少なくとも一方を行う無線装置」、「装置本体」、「フロート」、「無人飛行体」に相当する。
甲4発明における「制御装置70と、無線通信を行う通信手段が設けられている」ことは、本件発明1における「制御装置と、信号の送信と受信の少なくとも一方を行う無線装置を含んでいる」ことに相当する。
そうすると、本件発明1と甲4発明との一致点及び相違点は、以下のとおりとなる。

<一致点2>
「複数のプロペラと、
前記複数のプロペラをそれぞれ駆動する複数のモータと、
前記複数のモータを制御する制御装置と、信号の送信と受信の少なくとも一方を行う無線装置とを含んでいる装置本体と、
フロートと、を有する無人飛行体。」

<相違点2>
本件発明1は、「荷物を収容するための荷物容器」を有するのに対し、甲4発明は、「習得した油液サンプルの収容手段」を有し、本件発明1は、「前記荷物が前記荷物容器に搭載されていない状態で前記無人飛行体を水上に置いたときに、前記フロートの浮力と前記荷物容器の容積に応じた浮力とにより、少なくとも前記無線装置の高さに水面が達しない」のに対し、甲4発明は、そのような構成を有しない点。

ここで、相違点2について検討する。
甲4発明における「習得した油液サンプルの収容手段」について、甲4には、何ら具体的な記載や示唆もないから、甲4発明における「習得した油液サンプルの収容手段」は、容器であるかも不明であり、本件発明1における「荷物を収容するための荷物容器」に相当するものとは認められず、該収容手段の容積に応じた浮力を利用するものとも認められない。
そして、甲4発明と甲5記載事項とは、無人飛行体という、属する技術分野は共通するが、課題の共通性はなく(上記4(4)ウ及び(5)イ参照)、機能の共通性もなく、甲4発明における「習得した油液サンプルの収容手段」は輸液サンプルを収容し、甲5記載事項における「格納容器」はドリンクやゴルフボール等の商品を収容するもの(上記4(5)エ及び図4参照)であるから、甲4発明における「習得した油液サンプルの収容手段」と甲5記載事項における「格納容器」とで収容するものの共通性もないことから、甲4発明に甲5記載事項を適用する動機付けがあるとは認められない。
また、甲5には、「着水」及び「浮力」に関する記載は一切なく、甲5記載事項における「格納容器」の容積に応じた浮力を利用することを認めるに足る記載もないことから、仮に、甲4発明に甲5記載事項を適用しても、本件発明1に係る構成とならないことは明らかである。
よって、本件発明1は、甲4発明及び甲5記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえない。

イ 本件発明2?4,6?12について
甲6には、甲6発明が記載され、甲8?10には、フロートについての記載があり、甲11には、スキッド(本件発明8?10の「支持フレーム」に相当。)についての記載があり、甲14には、パラシュートについての記載があるが、甲6,8?11,14には、上記相違点2に係る本件発明1の「前記荷物が前記荷物容器に搭載されていない状態で前記無人飛行体を水上に置いたときに、前記フロートの浮力と前記荷物容器の容積に応じた浮力とにより、少なくとも前記無線装置の高さに水面が達しない」という構成が、本件出願前に公知又は周知であると認めるに足る記載を見いだせないところ、本件発明2?4,6?12は、本件発明1の構成を全て含み、更に限定するものであるから、本件発明1と同様に、本件発明2,6?9は、甲4発明及び甲5記載事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものであるとはいえず、
本件発明4は、甲4発明及び甲5記載事項に加えて、甲2記載事項、甲6発明、又は、甲8に記載された事項のいずれかに基いて、当業者が容易に発明することができたものであるとはいえず、
本件発明10は、甲4発明、甲5記載事項及び甲10に記載された事項、又は、甲4発明、甲5記載事項、甲9に記載された事項及び甲11に記載された事項に基づいて、当業者が容易に発明することができたものであるとはいえず、
本件発明12は、甲4発明、甲5記載事項、及び、甲14に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明することができたものであるとはいえない。

ウ 小活
以上によれば、本件発明1?4,6?12は、甲4発明及を主引用発明として、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

(3)申立理由3(甲6発明を主引用発明とするもの)
ア 本件発明1について
本件発明1と甲6発明とを対比すると、甲6発明における「プロペラ539」、「回転駆動する」こと、「モータ535」、「制御装置」、「通信機能用の機器」、「UAV」は、それぞれ、本件発明1における「プロペラ」、「駆動する」こと、「モータ」、「制御装置」、「信号の装置と受信の少なくとも一方を行う無線装置」、「無人飛行体」に相当する。
甲6発明において、「制御モジュール505」は「制御装置」を収容し、「ペイロードモジュール507」は「通信機能用の機器」を有するものであるから、甲6発明における「制御モジュール505」、「ペイロードモジュール507」及び「ボディ501」は、本件発明1における「装置本体」に相当し、甲6発明における「収容する」こと及び「有する」ことは、本件発明1における「含んでいる」ことに相当する。
そうすると、本件発明1と甲6発明との一致点及び相違点は、以下のとおりとなる。

<一致点3>
「複数のプロペラと、
前記複数のプロペラをそれぞれ駆動する複数のモータと、
前記複数のモータを制御する制御装置と、信号の送信と受信の少なくとも一方を行う無線装置とを含んでいる装置本体と、を有する無人飛行体。」

<相違点3>
本件発明1は、「荷物を収容するための荷物容器」と「フロート」を有するのに対し、甲6発明は、それらを有せず、本件発明1は、「前記荷物が前記荷物容器に搭載されていない状態で前記無人飛行体を水上に置いたときに、前記フロートの浮力と前記荷物容器の容積に応じた浮力とにより、少なくとも前記無線装置の高さに水面が達しない」のに対し、甲6発明は、そのような構成を有しない点。

ここで、相違点3について検討する。
上記4(6)で示されるように、甲6には、無人水上艇(上記4(6)エ参照)や無人潜水艇(上記4(6)オ参照)についての記載はあるが、無人機であるUAVについての「着水」に関する記載は一切なく、甲6発明が着水することについては、何ら考慮されていないことを勘案すると、甲6発明に甲7記載事項を適用する動機付けがあるとは認められない。
また、甲7記載事項には、フロートが記載されているが、当該フロートは降着装置であって、荷物容器の容積に応じた浮力を利用することは含まれないから、仮に、甲6発明に甲7記載事項を適用しても、相違点3に係る本件発明1の構成とならないことは明らかである。

よって、本件発明1は、甲6発明、又は、甲6発明及び甲7に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものあるとはいえない。

イ 本件発明2?4,6?12について
甲4には、甲4発明が記載され、甲7,9,10,12,13には、フロートについての記載があり、甲11には、スキッド(支持フレーム)についての記載があり、甲14には、パラシュートについての記載があるが、甲4,7,9?14には、上記相違点3に係る本件発明1の「前記荷物が前記荷物容器に搭載されていない状態で前記無人飛行体を水上に置いたときに、前記フロートの浮力と前記荷物容器の容積に応じた浮力とにより、少なくとも前記無線装置の高さに水面が達しない」という構成が、本件出願前に周知又は公知であると認めるに足る記載を見いだせないところ、本件発明2?4,6?12は、本件発明1の構成を全て含み、更に限定するものであるから、本件発明1と同様に、本件発明2?4は、甲6発明、又は、甲6発明及び甲7に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、
本件発明6は、甲6発明及び甲9に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、
本件発明7は、甲6発明及び甲4発明に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、
本件発明8,9は、甲6発明及び甲7に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、
本件発明10は、甲6発明及び甲10に記載された事項、又は、甲6発明、甲7に記載された事項、甲9に記載された事項及び甲11に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、
本件発明11は、甲6発明に加えて、甲12に記載された事項又は甲13に記載された事項のいずれかに基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえず、
本件発明12は、甲6発明及び甲14に記載された事項に基いて、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

ウ 小活
以上によれば、本件発明1?4,6?12は、甲6発明を主引用発明として、当業者が容易に発明をすることができたものとはいえない。

6 むすび
したがって、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、請求項1?4,6?12に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に請求項1?4,6?12に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 2021-08-17 
出願番号 特願2020-502246(P2020-502246)
審決分類 P 1 652・ 121- Y (B64C)
最終処分 維持  
前審関与審査官 伊藤 秀行  
特許庁審判長 島田 信一
特許庁審判官 八木 誠
出口 昌哉
登録日 2020-07-17 
登録番号 特許第6736794号(P6736794)
権利者 楽天グループ株式会社
発明の名称 無人飛行体  
代理人 特許業務法人はるか国際特許事務所  

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