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審決分類 |
審判 補正却下不服 判示事項別分類コード:11 A01N |
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管理番号 | 1001886 |
審判番号 | 補正審判1999-50054 |
総通号数 | 3 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1992-04-14 |
種別 | 補正却下不服の審決 |
審判請求日 | 1999-04-14 |
確定日 | 1999-10-06 |
事件の表示 | 平成2年 特 許 願 第231925号「水性殺虫剤」において、平成11年1月21日付けでした手続補正に対してされた補正の却下の決定に対する審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 原決定を取り消す。 |
理由 |
1.本願は平成2年8月31日の出願であって、 平成11年1月21日に明細書を補正する手続補正がなされたところ、原審において、平成11年3月5日付けで補正の却下の決定がなされた。 2.同決定における却下の理由は、次のとおりのものである。 「補正後の請求項1に記載された、タグ密閉式引火点測定器による製剤の引火点の測定については、 願書に最初に添付した明細書に記載されておらず、 また、引火点とは、測定条件によって大きく変動するものであり、測定法(密閉式、開放式)によっても異なる値を示すものであることが、本願出願日前当業者における技術常識であった(必要があれば、化学大辞典1縮刷版第32刷、共立出版株式会社、化学大辞典編集委員会編、1989年発行、第1巻第709頁「引火点」の項参照)ことを考慮すると、当初明細書に記載された引火点が、直ちにタグ密閉式引火点測定器によって測定された引火点であることが、当初明細書の記載から自明の事項であったとすることもできない。よって、・・・中略・・・この補正は、明細書の要旨を変更するものと認められ、特許法第53条第1項の規定により却下すべきものである。」 3.そこで、同理由について検討するところ、出願人が提出した「消防関係法規集 1990年新版」(全国加除法令出版株式会社 平成2年8月10日発行)の危険物の規制に関する政令第1条の6には、「引火性の危険性を判断するための政令で定める試験は、タグ密閉式引火点測定器により引火点を測定する試験(タグ密閉式引火点測定器により引火点を測定する試験において引火点が80度以下の温度で測定されない場合にあってはクリーブランド開放式引火点測定器により引火点を測定する試験、タグ密閉式引火点測定器により引火点を測定する試験において引火点が0度以上80度以下の温度で測定され、かつ、当該引火点における試験物品の動粘度が10センチストークス以上である場合にあってはセタ密閉式引火点測定器により引火点を測定する試験)とする。」と記載されている。 ところで、本願の請求項1の発明に係る水性殺虫剤は、適用場所を倉庫、船舶、あるいは食堂等とするものであるから(明細書7頁5〜11行)当該製剤の引火点について上記消防関係法規の規定に基づく測定がなされることは自然であるし、また、本願明細書中の試験例における40℃前後での引火点測定が、同法で規定する測定法の中でも、タグ密閉式引火点測定器により実施されることも自明であるものと認められる。 したがって、引火点の測定には一般に密閉式と開放式の2手法があるとしても、本願の請求項1の発明に係る水性殺虫剤の使用態様、及び記載された試験例の引火点値からすれば、その引火点が、タグ密閉式引火点測定器によって測定された数値を意味することは当業者の明らかに知るところと認められ、実質的に、当初明細書に記載された技術的事項の範囲内のものと認められるから、上記補正は、明細書の要旨を変更するものではない。 4.以上のとおりであるから、上記補正を却下すべきものとした原決定は失当である。 よって、結論のとおり審決する。 |
審決日 | 1999-09-10 |
出願番号 | 特願平2-231925 |
審決分類 |
P
1
7・
11-
W
(A01N)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 田中 耕一郎、鈴木 恵理子 |
特許庁審判長 |
嶋矢 督 |
特許庁審判官 |
星野 浩一 谷口 操 |
発明の名称 | 水性殺虫剤 |