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審決分類 審判 全部申し立て 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備  B65D
審判 全部申し立て 2項進歩性  B65D
審判 全部申し立て 発明同一  B65D
管理番号 1007277
異議申立番号 異議1999-71128  
総通号数
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1993-12-03 
種別 異議の決定 
異議申立日 1999-03-23 
確定日 1999-11-04 
異議申立件数
事件の表示 特許第2804201号「封書」の特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第2804201号の特許を維持する。 
理由 1.本件発明
本件特許第2804201号の請求項1に係る発明(平成4年5月20日出願、平成10年7月17日設定登録。以下、「本件発明」という。)は、特許明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された、次のとおりのものである。
「【請求項1】
(A):方形状の表紙と、方形状の裏紙と、前記表紙の相対向する2辺部が前記裏紙の相対向する2辺部に接着されて形成される袋部に入る複数枚重ねた封入紙とを備え、
(B):前記表紙の接着された以外の相対向する2辺部の少なくとも1辺部には、複数個のガイド穴を前記表紙の接着された2辺部以外の辺に沿って設け、
(C):前記裏紙の接着された2辺部以外の相対向する2辺部の少なくとも1辺部には、前記表紙のガイド穴と一致するところのガイド穴を設け、
(D):前記封入紙には相対向する辺部のいずれか一方に、前記表紙及び前記裏紙のガイド穴と一致するガイド穴及び該ガイド穴部を分離可能なミシン目を設け、
(E):前記表紙,前記裏紙,前記封入紙のそれぞれの前記ガイド穴間に仮止め手段を施したことを特徴とする封書」
〔なお、上記符号(A)〜(E)は便宜上付した。〕
2.申立ての理由の概要
これに対し、異議申立人株式会社ディスクは、証拠として、
甲第1号証:特開昭62-288094号公報
甲第2号証:特開昭60-25784号公報
甲第3号証:実開平4-50274号公報
甲第4号証:特開昭54-6624号公報
甲第5号証:特開昭53-93976号公報
甲第6号証:大田節三「改訂第3版 新やさしいフォーム印刷」134〜139頁、平成4年3月1日、(株)印刷出版研究所
甲第7号証:特願平3-3451号(特開平5-57823号)を提出し、本件発明は、
▲1▼甲第1号証〜甲第6号証の記載から容易に発明をすることができたものであるから特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない
▲2▼甲第7号証に記載された発明であるから特許法第29条の2の規定により特許を受けることができない
ものである旨主張し、また、
▲3▼請求項1の記載に不備があり、本件出願は特許法第36条に規定する用件を満たしていない
旨主張している
3.甲号証記載の発明
甲第1号証ないし甲第7号証には、概略次の事項が示されている。
・甲第1号証:
保証書等を封入した封筒に関するものであって、「保証書その他製品添付書類の主体を封筒中に封入し、該添付書類の基部を封筒の基部に固定状に封入し、該封筒の基部と本体とをミシン目を介して連結し、内容である添付書類の基部と同主体とをミシン目をもって連結し、封筒の基部の裏面を製品収容容器の外面に貼着するようにしたことを特徴とする製品添付書類添付装置」(特許請求の範囲第2項)
「これを使用するに当たっては、第1図のように多数連続した封筒の状態において、製品番号その他一括記入することの出来る記載事項等をコンピューターをもって一括記入した上、ミシン目17によって添付書類の入った封筒単体3をそれぞれ分離し、・・」(3頁下左欄1行〜6行)
「販売店等において製品を需要者に引き渡す場合においては、被蓋2を開いて封筒の本体5を把持牽引することによりミシン目11、11(9、10の誤記と解される。)によって基部4より本体5は引裂除去されるものである。この場合、保証書等添付書類にも基部12と主体13とはミシン目11で連結する所であるが封筒のミシン目9、10は大切目で引裂し易く、保証書等のミシン目11は小切目であるから引裂し難いように構成されているため、前記の通り封筒の本体5を牽引する際、封筒3のみが引裂し、内容物である保証書等は分離せず、基部12に主体13は連結したまま露出するものである。ここにおいて更に該ミシン目11によって保証書等を基端部12より分離し、本証は適宜所要箇所に住所、氏名等を販売店等が記入完了して他の添付書類と共に需要者に製品に添えて渡し、控は販売店その他適宜分別所持するもので、保証書その他必要添付書類等の処理を遺漏なく行うことが出来るものである。」(3頁下左欄19行〜右欄18行)
ことが図面第1〜5図と共に記載されている。
・甲第2〜5号証:
通知票等の内容物が分離可能に封入された封筒において、封入される用紙に、一辺に表及び裏となる用紙のガイド穴と一致するガイド穴及び該ガイド穴部を分離可能なミシン目を設けてなるものが開示されている(特に各証の図面参照)。
・甲第6号証:
連続伝票の製本について記載され、その綴じ方法の一種としてクリンプ(紙ホチキス)があり、送り孔の間を櫛の歯のように紙を切り込み、裏側で折り曲げて連伝を綴じる方法であることが説明されている(137頁3行〜138頁3行および図12.4参照)。
・甲第7号証:
「矩形の表紙と、この表紙と同形状で該表紙とから袋状の外装紙を構成する裏紙と、前記表紙と裏紙問に介装され、カーボン紙および表裏の少なくとも一方に偽造防止用のシールが貼られた保証書本体からなる保証書と、前記外装紙及び保証書の両端部に対向して形成され夫々複数のガイド穴からなる第1ガイド穴列及び第2ガイド穴列と、前記第1ガイド穴列の内側の前記外装紙及び保証書に第1ガイド穴列と平行に形成された複数のミシン目線と、前記第1ガイド穴列とミシン目線の間の前記外装紙に接着材を介して貼付された剥離紙とを具備し、前記保証書の形状が、前記ミシン目線の外側では外装紙と略同形状で、かつミシン目線の内側では表紙と裏紙との接合部より小さい形状であることを具備することを特徴とする保証書入り封筒」(特許請求の範囲【請求項1】)および図1〜7。
4.理由▲1▼(容易推考性)について
まず甲第1号証の記載を検討するに、当該甲号証記載の封筒の具体的形状については、封筒であることのみの記載であり、第2図からみて、構成(B)および(C)については推測できるとしても、その形状、特に、封筒の表側となる紙と、裏側となる紙がどのように結合されているか不明である。
したがって、甲第1号証記載の封筒が、本件発明の上記構成(A)に相当する構成を備えていると解することはできず、また、構成(D)、(E)を具備していないことは明らかである。
そして、甲第2〜5号証に記載された封筒も、いずれも、ガイド穴を有する部位側にも接合箇所が設けられたものであり、そのままの状態で(封筒を破いたりせずに)内容物の出し入れを行うということは意図されていない。
それに対し、本件発明は、「表紙あるいは裏紙を、破いたりあるいは切ったりすることなく、内容物である封入紙を、表紙と裏紙との間に何回も出し入れすることができ、封入紙の保管用として再利用することができる」ようにすることを課題とし(明細書段落【0004】)、その課題を解決するために、上記構成(A)〜(E)を採用したものであり、そのことによってはじめて、明細書記載の作用、効果(同段落【0024】)を得ることができたものと解される。
したがって、上記甲第1号証ないし甲第5号証の記載からでは、上記構成(A)〜(E)を想定することは、当業者といえども、容易になし得たものとはいい難く、本件発明が当該甲号各証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものと認めることができない。
5.理由▲2▼(先願発明との同一性)について
本件発明と甲第7号証に記載された発明とを対比すると、両者は、後者が前者の構成(A)〜(D)に相当する構成を有する点で一致するものと認められるものの、前者が構成(E)を備えるものであるのに対し、後者にはガイド穴間を仮止めする点の開示はなく、構成(E)に相当する構成は記載されていない。
したがって、本件発明が甲第7号証に記載された発明と同一であるとすることはできない。
6.理由▲3▼(記載不備)について
特許異議申立人が本件の明細書に記載不備があるとする主張の概要は、請求項1の記載では、「表紙、裏紙、封入紙におけるそれぞれガイド穴部を設けた辺部について、単に、『接着された以外の相対向する2辺部の少なくとも1辺部』としか記載されておらず、表紙、裏紙、封入紙におけるそれぞれガイド穴部を設けた辺部の相互が、接着されて固定される場合を含む記載」となっているから、明細書の記載と一致しておらず、不明瞭である」というものである。
しかしながら、請求項1の当該箇所の記載は、「相対向する2辺部」が接着されていることを明示した上で、「接着された以外の辺部」について言及するものであり、当該辺部の相互が「接着されて固定される場合」を含む記載であるとは解されない。しかも、特許異議申立人も認めているように、発明の詳細な説明の欄の記載は、「当該辺部が相互に接着されていない辺」とすることが明示されており、その点からも、「接着されて固定される場合」は当然排除されているものと解するのが相当である。
したがって、本件明細書に記載不備があるとすることはできない。
7.むすび
以上のとおりであるから、特許異議の申立ての理由及び証拠によっては、本件請求項1に係る特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
異議決定日 1999-10-14 
出願番号 特願平4-127099
審決分類 P 1 651・ 121- Y (B65D)
P 1 651・ 534- Y (B65D)
P 1 651・ 161- Y (B65D)
最終処分 維持  
前審関与審査官 原 慧  
特許庁審判長 佐藤 久容
特許庁審判官 船越 巧子
祖山 忠彦
登録日 1998-07-17 
登録番号 特許第2804201号(P2804201)
権利者 株式会社日立製作所 日立多賀エンジニアリング株式会社
発明の名称 封書  
代理人 米澤 明  
代理人 韮澤 弘  
代理人 白井 博樹  
代理人 阿部 龍吉  
代理人 内田 亘彦  
代理人 青木 健二  
代理人 菅井 英雄  
代理人 蛭川 昌信  
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