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審決分類 |
審判 判定 審理一般(別表) 属する(申立て成立) E03B |
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管理番号 | 1018472 |
判定請求番号 | 判定請求1999-60078 |
総通号数 | 13 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許判定公報 |
発行日 | 1996-12-17 |
種別 | 判定 |
判定請求日 | 1999-10-27 |
確定日 | 2000-05-17 |
事件の表示 | 上記当事者間の特許第2832183号の判定請求事件について、次のとおり判定する。 |
結論 | イ号図面及びその説明書に示す「給水システム」は、特許第2832183号の請求項1、2に記載された発明の技術的範囲に属する。 |
理由 |
第1 請求の趣旨 本件判定の請求の趣旨は、イ号図面及びその説明書に示す「給水システム」(以下、イ号物件という)は、特許第2832183号の請求項1及び同2に記載された発明(以下、本件特許発明1及び同2という)の技術的範囲に属する、との判定を求めるものである。 第2 本件特許発明1及び同2 本件特許発明1及び同2は、明細書の記載及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1及び同2に記載された次のとおりのものである。 【請求項1】流入弁を有する導水設備から供給される水を貯溜して給水栓等の末端部に供給する受水槽を備えた給水システムにおいて、受水槽内の水位を無段階に連続検知する水位検出器と、該水位検出器から水位信号を受け、この水位信号に対応して上記流入弁を開閉し受水槽内の水位を所定の制御水位範囲に維持する制御装置とを備え、制御装置は、給水栓側の需要量に応じて水位設定するようにしていることを特徴とする給水システム。 【請求項2】請求項1記載の給水システムにおいて、水位検出器は、受水槽内の底部に設けられ水圧により水位を無段階に検知する水位検出器であることを特徴とする給水システム。 第3 イ号物件 請求人が提出したイ号図面およびその説明書によれば、イ号物件は、次の構成を有するものと認められる。 「流入弁(3)を有する導水設備(給水元管2)から供給される水を貯溜して給水栓(25)等の末端部に供給する受水槽(1)を備えた給水システムにおいて、受水槽(1)内の水位を無段階に連続検知する水位検出器(30)と、該水位検出器(30)から水位信号を受け、この水位信号に対応して上記流入弁(3)を開閉し受水槽(1)内の水位を所定の制御水位範囲に維持する制御装置(32)とを備え、制御装置(32)は、給水栓(25)側の需要量に応じて水位設定するようにしている、給水システムである。 また、水位検出器(30)は、受水槽(1)内の底部に設けられ水圧により水位を無段階に検知する水位検出器(30)である、給水システムである。」 第4 イ号物件は、本件特許発明1及び同2の技術的範囲に属するか否かについて 両者を対比すると、イ号物件は、本件特許発明1及び同2の構成要素をすべて充足している。したがって、イ号物件は本件特許発明1及び同2の技術的範囲に属すると認められる。 第5 被請求人の主張に対して 1.被請求人は、平成12年1月13日付答弁書において、イ号物件の属否については何ら答えることなく、本件判定の請求は判定制度の趣旨に合致しないものであるから、却下されるべきであるとして、以下の理由を挙げている。 (1)理由1:被請求人は参考資料のカタログの27頁に示すような水位センサー及び制御盤と同28頁に示すようなFMバルブを製造販売しているが、25〜26頁記載のような水位センサー、制御盤及びFMバルブを用いた高架水槽給水システムは、被請求人の製品利用の一つの例を示したにすぎなず、かかる給水システムは、通常、給水設備施工業者が設計して実施するものであるが、それが実際に実施されたかどうかについては、被請求人は関知していない。よって、被請求人に対してなされた判定請求は、当事者として適格のないものに対する請求であって、当然に却下されるべきである。 (2)理由2:また、被請求人の製造販売に係る前記水位センサー、制御盤及びFMバルブ(以下これらを総称してFMレベルキャッチャーという)が特許法第101条の間接侵害に該当するか否かの判定は、特許法施行令第2条柱書に該当せず、判定制度では行えないものであるので、却下すべきである。 (3)理由3:本件特許の特許請求の範囲の中の「受水槽内の水位を所定の制御水位範囲に維持する制御装置」という記載は、本件特許の最初の明細書(原実用新案の出願時の明細書)及び図面には、これに対する説明がどこを見てもまったく記載されていない。本件特許(実用新案からの変更出願)は原出願の明細書及び図面の要旨を変更しない範囲で権利が確定しているとみるべきであるが、本件特許の要旨とする「所定の制御水位範囲」は、どのような範囲をいうのか明細書中に全く記載されていないので解釈することができない。このような不明瞭な記載(制御水位範囲)を含む特許請求の範囲に対して判定を求めることは、請求の趣旨に合わない。 2.以下、被請求人の主張について検討する。 (1)判定の請求書の却下については特許法や特許法施行令(第2章)に何ら規定するところがなく、特許法第131条(審判請求の方式)、同133条(方式に違反した場合の決定による却下)、同135条(不適法な審判請求の審決による却下)を類推して適用しようとしても、請求人による判定請求は適法なものであるから、判定請求を却下することはできない。 したがって、判定請求を却下すべきとする被請求人の主張は、そもそも採用できないものである。 (2)念のため、被請求人の主張について検討する。 理由1及び同2において、被請求人は水位センサー、制御盤、FMバルブは製造販売しているが、高架水槽給水システムを製造販売していないから当事者としての適格がない旨、また、特許法第101条の間接侵害は判定制度では行えない旨主張するが、請求人は、イ号図面および説明書に記載されたイ号物件の属否の判定を請求しているのであって、係るイ号物件に用いられた水位検出器や制御装置、流入弁が被請求人の製造販売に係るものであるか否かは、判定すべき事項となっていない。また、請求人は間接侵害の判定を求めているものでもないことから、被請求人の主張は、この点においても採用できない。 更に、理由3において、特許請求の範囲の「所定の制御水位範囲」はどのような範囲をいうのか不明瞭であって、このような不明瞭な記載を含む特許請求の範囲に対して判定を求めることは請求の趣旨に合わない旨主張するが、被請求人は無効事由の存在や、そのことに起因する特許発明の技術的範囲の解釈やイ号物件の属否について主張するのではなく、ただ単に判定の請求の趣旨に合わない旨主張するのみであるから、上記判定の判断に影響を与えるものではない。 3.以上のとおり、被請求人の主張はいずれも採用できない。 第6 よって、結論のとおり判定する。 |
別掲 |
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判定日 | 2000-04-25 |
出願番号 | 特願平8-196107 |
審決分類 |
P
1
2・
0-
YA
(E03B)
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最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 藤原 伸二 |
特許庁審判長 |
田中 弘満 |
特許庁審判官 |
鈴木 憲子 小野 忠悦 |
登録日 | 1998-09-25 |
登録番号 | 特許第2832183号(P2832183) |
発明の名称 | 給水システム |
代理人 | 風間 鉄也 |
代理人 | 青山 葆 |
代理人 | 大森 忠孝 |
代理人 | 鈴江 武彦 |
代理人 | 青山 葆 |
代理人 | 大森 忠孝 |