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審決分類 |
審判 全部申し立て 特36 条4項詳細な説明の記載不備 E02D 審判 全部申し立て 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備 E02D 審判 全部申し立て 1項2号公然実施 E02D 審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載 E02D 審判 全部申し立て 1項1号公知 E02D |
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管理番号 | 1031780 |
異議申立番号 | 異議2000-70311 |
総通号数 | 17 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1992-06-26 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2000-01-27 |
確定日 | 2000-10-23 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第2926109号「建物の構造およびその施工方法」の請求項1ないし6に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第2926109号の請求項1ないし4に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.手続の経緯 本件特許第2926109号に係る出願は、平成2年11月15日の出願であって、平成11年5月14日に特許の設定登録がなされ、その後、大成建設株式会社から特許異議の申立がなされ、取消理由が通知され、その指定期間内である平成12年7月4日に訂正請求がなされたが、再度取消理由が通知され、その指定期間内である平成12年9月6日に訂正請求がなされるとともに、平成12年7月4日付けの訂正請求は取り下げられたものである。 2.訂正の要旨 訂正事項a:特許請求の範囲の請求項1中の「地下部を有する既存建物の地上部分が解体され、当該既存建物の地下部は新設建物の構造体を構築する上で必要とする部分のみ解体され、当該既存建物の地下部のうち解体された部分に新設建物の構造体が構築されてなることを特徴とする建物の構造。」を、『柱と梁と床版とこれらの外周に外壁を設けた構成の地下部を有する既存建物の地上部分が解体され、当該既存建物の地下部は新設建物の構造体を構築する上で必要とする部分のみ解体され、当該既存建物の地下部のうち解体された部分に新設建物の構造体が構築され、該新設建物と既存建物の解体されなかった地下部とをエキスパンションジョイントで構造的に分離されてなることを特徴とする建物の構造。』と訂正する。 訂正事項b:特許査定時の請求項2、請求項5を削除する。 訂正事項c:特許査定時の請求項3を請求項2に繰り上げ、その「既存建物の地下部を空間として再利用することを特徴とする請求項1または2記載の建物の構造。」を、『既存建物の解体されなかった地下部を空間として再利用することを特徴とする請求項1記載の建物の構造。』と訂正する。 訂正事項d:特許査定時の請求項4を請求項3に繰り上げ、その「既存建物の地上部分を解体した後に、既存建物の地下部を新設建物の構造体を構築する上で必要とする部分のみ解体し、当該既存建物の地下部のうち解体された部分に新設建物の構造体を構築することを特徴とする建物の施工方法。」を、『既存建物の地上部分を解体した後に、既存建物の柱と梁と床版とこれらの外周に外壁を設けた構成の地下部を新設建物の構造体を構築する上で必要とする部分のみ解体し、当該既存建物の地下部のうち解体された部分に新設建物の構造体を構築し、該新設建物と既存建物の解体されなかった地下部とをエキスパンションジョイントで構造的に分離することを特徴とする建物の施工方法。』と訂正する 訂正事項e:特許査定時の請求項6を請求項4に繰り上げ、その「既存建物の地下部を空間として再利用することを特徴とする請求項4または5記載の建物の施工方法。」を、『既存建物の解体されなかった地下部を空間として再利用することを特徴とする請求項3記載の建物の施工方法。』と訂正する。 訂正事項f:特許査定時の明細書の第4頁第11行〜第16行(特許公報第2頁左欄第30行〜第34行)の「地下部を有する既存建物の地上部分が解体され、当該既存建物の地下部は新設建物の構造体を構築する上で必要とする部分のみ解体され、当該既存建物の地下部のうち解体された部分に新設建物の構造体が構築されてなる」を、『柱と梁と床版とこれらの外周に外壁を設けた構成の地下部を有する既存建物の地上部分が解体され、当該既存建物の地下部は新設建物の構造体を構築する上で必要とする部分のみ解体され、当該既存建物の地下部のうち解体された部分に新設建物の構造体が構築され、該新設建物と既存建物の解体されなかった地下部とをエキスパンションジョイントで構造的に分離されてなる』と訂正する。 訂正事項g:特許査定時の明細書の第4頁第17行〜第5頁第4行(特許公報第2頁左欄第35行〜第41行)の「また、本発明に係る建物の構造は、……特徴としている。」を削除する。 訂正事項h:特許査定時の明細書の第5頁第5行〜第6行(特許公報第2頁左欄第42行)の「既存建物の地下部」を、『既存建物の解体されなかった地下部』と訂正する。 訂正事項i:特許査定時の明細書の第5頁第7行〜第11行(特許公報第2頁左欄第44行〜第48行)の「既存建物の地上部分を解体した後に、既存建物の地下部を新設建物の構造体を構築する上で必要とする部分のみ解体し、当該既存建物の地下部のうち解体された部分に新設建物の構造体を構築する」を、『既存建物の地上部分を解体した後に、既存建物の柱と梁と床版とこれらの外周に外壁を設けた構成の地下部を新設建物の構造体を構築する上で必要とする部分のみ解体し、当該既存建物の地下部のうち解体された部分に新設建物の構造体を構築し、該新設建物と既存建物の解体されなかった地下部とをエキスパンションジョイントで構造的に分離する』と訂正する。 訂正事項j:特許査定時の明細書の第5頁第13行〜第19行(特許公報第2頁左欄第49行〜右欄第4行)の「また、本発明に係る建物の施工方法は、……特徴としている。」を削除する。 訂正事項k:特許査定時の明細書の第5頁第20行〜第6頁第1行(特許公報第2頁右欄第5行〜第6行)の「既存建物の地下部」を、『既存建物の解体されなかった地下部』と訂正する。 訂正事項l:特許査定時の明細書の第7頁第8行〜第14行(特許公報第2頁右欄第30行〜第35行)の「既存建物の上部には、エントランスホール14が増築されている。このエントランスホール14は、エキスパンションジョイント16によって新築建物と構造的には分離し、機能的には一体化している。また、地下部1においても、既設建物と新築建物とは、エキスパンションジョイント16によって構造的に分離されている。」を、『既存建物の解体されなかった地下部の上部には、エントランスホール14が新たに増築されている。このエントランスホール14は、エキスパンションジョイント16によって、新設建物7と構造的には分離し、機能的には一体化している。また、地下部1においても、既存建物の解体されなかった地下部と新設建物7とは、エキスパンションジョイント16によって構造的に分離されている。』と訂正する。 訂正事項m:特許査定時の明細書の第7頁第17行〜第18行(特許公報第2頁右欄第38行)、同第8頁第6行(特許公報第2頁右欄第47行)、同第8頁第20行(特許公報第3頁左欄第11行)の「既存建物の地下部1」を、『既存建物の解体されなかった地下部』と訂正する。 訂正事項n:特許査定時の明細書の第8頁第4行(特許公報第2頁右欄44行〜第45行)の「当該既存建物の地下部1」を、『当該既存建物の解体された地下部』と訂正する。 訂正事項o:特許査定時の明細書の第8頁第12行〜第15行(特許公報第3頁左欄第3行〜第6行)の「また、既存建物の地下部1の解体及び新設建物における地下部の新築が無くなるために、作業の簡略化を図ることができ、施工作業におけるコストダウンならびに工期短縮を図ることができる。」を、『また、既存建物の地下部1の解体及び新設建物における地下部の新築作業の簡略化を図ることができ、施工作業におけるコストダウンならびに工期短縮を図ることができる。』と訂正する。 訂正事項p:特許査定時の明細書の第9頁第2行〜第10頁第11行(特許公報第3頁左欄第13行〜右欄第6行)の「次に、本発明の他の実施例について第2図を参照して説明する。……構造的に一体化することができる。」を削除する。 訂正事項q:特許査定時の明細書の第10頁14行(特許公報第3頁右欄第9行)の「既存建物の地下部」を、『既存建物の解体されなかった地下部』と訂正する。 訂正事項r:特許査定時の明細書の第10頁第18行〜第11頁第2行(特許公報第3頁右欄第13行〜16行)の「また、既存建物の地下部の解体及び新設建物における地下部の新築が無くなるために、作業の簡略化を図ることができ、施工作業におけるコストダウンならびに工期短縮を図ることができる。」を、『また、既存建物の地下部の解体及び新設建物における地下部の新築作業の簡略化を図ることができ、施工作業におけるコストダウンならびに工期短縮を図ることができる。』と訂正する。 訂正事項s:特許査定時の明細書の第11頁第7行〜第11行(特許公報第3頁右欄第20行〜第23行)の「さらに、既存建物の……有利となる。」を削除する。 訂正事項t:特許査定時の明細書の第11頁第13行〜第16行(特許公報第3頁右欄第25行〜第27行の「第1図および第2図は、……側断面図である。」を、『第1図は、本発明に係る建物の構造の一実施例を示す側断面図である。』と訂正する。 訂正事項u:特許査定時の明細書の第11頁第18行(特許公報第3頁右欄第29行)の「2……新設建物の地上部」を、『2……新築建物の地上部』と訂正する。 訂正事項v:特許査定時の図面の第1図を、訂正請求書に添付の第1図のとおり訂正する。 訂正事項w:特許査定時の図面の第2図を削除する。 3.訂正の適否 (1)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否 上記訂正事項a、bに係る訂正は、特許請求の範囲の減縮を目的とするものであり、訂正事項c〜eに係る訂正は、特許請求の範囲の減縮及び請求項の番号の整合をとるための明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、いずれの訂正も、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、さらに、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 また、訂正事項f〜k、m、p、q、s、t、v、wに係る訂正は、訂正事項a〜eに関連してなされた明りょうでない記載の釈明に該当し、訂正事項l、n、o、r、uに係る訂正は、明りょうでない記載の釈明に該当し、いずれの訂正も、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、さらに、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。 したがって、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第2項及び第3項でさらに準用する特許法第126条第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 4.異議の申立てについての判断 (1)本件訂正後発明 訂正明細書の請求項1ないし4に係る発明(以下、「訂正後発明1」、「訂正後発明2」、「訂正後発明3」及び「訂正後発明4」という。)は、訂正明細書の特許請求の範囲の請求項1ないし4に記載された以下のとおりのものである。 【請求項1】 柱と梁と床版とこれらの外周に外壁を設けた構成の地下部を有する既存建物の地上部分が解体され、当該既存建物の地下部は新設建物の構造体を構築する上で必要とする部分のみ解体され、当該既存建物の地下部のうち解体された部分に新設建物の構造体が構築され、該新設建物と既存建物の解体されなかった地下部とをエキスパンションジョイントで構造的に分離されてなることを特徴とする建物の構造。 【請求項2】 既存建物の解体されなかった地下部を空間として再利用することを特徴とする請求項1記載の建物の構造。 【請求項3】 既存建物の地上部分を解体した後に、既存建物の柱と梁と床版とこれらの外周に外壁を設けた構成の地下部を新設建物の構造体を構築する上で必要とする部分のみ解体し、当該既存建物の地下部のうち解体された部分に新設建物の構造体を構築し、該新設建物と既存建物の解体されなかった地下部とをエキスパンションジョイントで構造的に分離することを特徴とする建物の施工方法。 【請求項4】 既存建物の解体されなかった地下部を空間として再利用することを特徴とする請求項3記載の建物の施工方法。 (2)申立ての理由の概要 申立人大成建設株式会社は、証拠として甲第1号証(「基礎工 7月号 第10巻 第7号 昭和57年7月30日 総合土木研究所 p.56〜61)及び甲第2号証( (社)建築業協会編「鉄筋コンクリート地下構造物の解体工法」昭和62年1月30日 鹿島出版会 「刊行に際して」、p.14〜16)を提出して、本件請求項1ないし6に係る特許発明は、甲第1号証に示されているように、いずれも本件特許出願前に国内において公然知られ、かつ公然と実施された発明と同一であるから特許法第29条第1項第1号及び第2号に該当し、もしくは本件特許出願前に国内において頒布された甲第1号証または甲第2号証に記載された発明と同一であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、さらに、本件特許明細書の請求の範囲及び詳細な説明の欄には、不明確な記載があるから特許法第36条第4項または第5項の要件を満たしていないから、本件の特許を取り消すべきであると主張している。 (3)特許法第36条第4項または第5項について (3-1)「地下部」について 平成12年9月6日付け訂正請求によって訂正され、「地下部」の意味するところは、明確となった。 (3-2)「構造体」について 躯体及び造作等を含むと解して何ら問題はなく、不明ではない。 (3-3)「新設建物の構造体を構築する上で必要とする部分のみ」について 本件発明の課題は、「解体された建物が築後まだわずかしか経過しておらず、特に地下部を再利用できるケースにおける、再利用の可能な地下部をいかにして新設建物に生かすか」であることを踏まえて「既存建物の地下外周部のみを残して全面的に解体し、改めて地下部から新築してゆく」という権利者のいう従来の技術を検討すると、従来の技術では、残した既存建物の地下外周部を新築地下部に再利用していないと解されるから、「新設建物の構造体を構築する上で必要とする部分のみ解体」に、権利者のいう従来技術は含まれないことになり、請求の範囲の記載と詳細な説明の項の記載とは矛盾しない。 (4)特許法第29条第1項第3号について (4-1)甲各号証記載の発明 甲第1号証には、第56頁左欄に「1.はじめに 最近の建築工事においては、建替え需要すなわち既存建物を解体除去して、その跡地に新築建物を建設する例が多くなっている。これは既存建物が機能上の耐用限界に達したために解体し、あわせて敷地をより高度に利用するために、新築工事を行うためと考えられる。・・・中略・・・以下に報告するのは、既存地下外壁が敷地境界いっぱいにあるため、設計時点から十分検討を行ない、既存地下外壁をそのまま山留め壁に利用して施工した例と、既存地下外壁を残して施工した例である。」、第56〜58頁の第一イン池袋新築工事(施工場所 東京都豊島区東池袋1丁目、工期 昭和56年5月〜昭和57年9月、規模 地下1階地上10階、既存地下室 建設年度:昭和32年、規模:地下1階)施工例に関して、第57頁右欄に「(3)地下工事の計画 図-4に見るように、ほぼ敷地全周にわたり、既存地下外壁が境界いっぱいに建てられている。このため既存地下外壁の外側に山留め壁を施工することは困難な状況であった。そこで、新築地下室面積を最大限広く確保するため、既存地下外壁をそのまま山留め壁に利用する計画とした。図-4に示すように、A通りおよび6’通り部分については、既存地下外周柱を全断面残すように、また図の左上方の傾斜部分については、既存地下外周柱を約半分残すように、新築建物の地下外壁線を決定した。」、第58頁に「(4)地下工事の施工 ・・・解体工事は、つぎのような手順で実施した。・・・棚杭および桟橋杭打込み部分の1階床と、地下1階床をハンドブレーカで局部的に穴明け解体をする。ついでアボロンV-205型杭打ち機を1階床上に据えて、棚杭・桟橋杭をドロップハンマで打込んだ。・・・地下外壁を残し、中央部の地下1階立上り部分の解体を大型ブレーカで行なった。・・・山留め壁としての既存地下外壁の根入れ抵抗を深礎に伝達した後、残りの地下1階床、および地中梁を解体した。・・・以後、引続いて新築基礎の構築、切梁撤去、地下1階立上りコンクリート打設という順序で工事を行なった。」、また、第59〜61頁の大倉別館新築工事(建設場所 東京都中央区銀座3丁目、工期 昭和55年6月〜昭和56年10月、規模 地下2階地上7階、既存地下室 建設年度:昭和4年、規模:地下1階)施工例に関して、第59頁に「(3)地下工事の計画 ・・・敷地内3方向は既存地下室外壁が敷地境界いっぱいに建てられており、既存地下外壁の外側に山留め壁を施工することは、困難な状況であった。そこで新築工事の設計に際しては、地下工事の施工条件を加味して、既存地下外壁の内側に山留め壁を施工して工事が可能なように、新築建物地下外壁位置を決定するような考慮が払われている。」、第59〜61頁に「(4)地下工事の施工 ・・・1階床上、および基礎上からの大型ブレーカ作業で、地下室中央部の地下1階立上がり躯体を解体した。このときに、外周柱は約半分の断面になるように内側表面を解体した。・・・親杭・棚杭・桟橋杭の打込みを、既存耐圧版上から行なった。親杭打設終了後ただちに、親杭と残す地下外壁との間にキャンバーコンクリートを打設し、一体化を図った(1階床部分と地中梁部分。)」と記載されており、これらの記載及び図-3,4、9〜11を参照すると、既存建物が機能上の耐用限界に達したために解体し、あわせて既存地下外壁が敷地境界いっぱいにある場合敷地をより高度に利用するために、新築工事を行うに際し、柱と地中梁と床と外壁からなる既存地下室を、既存地下外壁の一部を残して解体し、解体しなかった既存地下外壁を山留め壁に利用して、新築建物を構築した施工例Aと、柱と地中梁と床と外壁からなる既存地下室を、既存地下外壁の一部を残して解体し、解体しなかった既存地下外壁と新設親杭とを一体化して、新築建物を構築した施工例Bが記載されていると認められる。 甲第2号証には、「刊行に際して」の「地下室のような地下構造部分は、地上部分の解体の際には解体されずに残され、新しい構造物の建設と連繋して解体されることが多い。」、第14頁の「2.5.1 新築建物地下外壁の計画」として同項第15行から第15頁第2行の「2) 旧地下外壁の内側に新築地下外壁を配置した例 図2.1の(2)は旧地下外壁および柱をそのまま残し、新築工事用山止め壁の施工スペースを考慮して、新築建物の地下外壁位置を決めた例である。・・・3) 旧地下外壁をそのまま山止め壁に使用した例 図2.1の(3)は新築建物が旧建物よりも浅く、旧地下外壁および柱をそのまま山止め壁として利用し、新たに山止め壁を設置せずに新築工事を行った例である。旧建物の外周柱の内側に新築地下外壁を配置している。」、第16頁の図2.1 旧地下外壁と新築地下外壁との位置関係の図面、特に(3)旧地下外壁をそのまま山止め壁に使用した例の図中に旧建物と新建物間にラップルコンクリートが設けられていること及び「旧建物(そのまま残して基礎の一部に利用する部分)」の記載を参照すると、「柱と梁と床と地下外壁からなる地下室のような地下構造部分を有する旧建物の地上部分が解体された後に、地下構造部分は、旧地下外壁および柱等を残して、新建物の建設と連繋して解体され、地下構造部分の解体された部分の空間内に新建物の新築地下外壁等を構築するとともに、旧建物と新建物間にラップルコンクリートを設けて旧建物の残した部分を基礎の一部に利用する建物の構造及び施工方法。」が記載されていると認められる。 (4-2)対比・判断 本件訂正後発明1と、甲第2号証に記載された発明とを比較すると、甲第2号証に記載された発明の「柱と梁と床と地下外壁からなる地下室のような地下構造部分」、「旧建物」、「新建物」及び「新築地下外壁等」は、それぞれの機能に照らし、各々、本件訂正後発明1の「柱と梁と床版とこれらの外周に外壁を設けた構成の地下部」、「既存建物」、「新設建物」及び「新設建物の構造体」に相当するから、両者は、柱と梁と床版とこれらの外周に外壁を設けた構成の地下部を有する既存建物の地上部分が解体され、既存建物の地下部は一部分が解体され、既存建物の地下部のうち解体された部分に新設建物の構造体が構築されてなる建物の構造の点で一致し、下記の点で相違している。 a.本件訂正後発明1では、既存建物の地下部で解体するのは、新設建物の構造体を構築する上で必要とする部分のみであるのに対し、甲第2号証に記載された発明では、そのような限定は明記されていない点。 b.本件訂正後発明1では、新設建物と既存建物の解体されなかった地下部とをエキスパンションジョイントで構造的に分離されてなるのに対し、甲第2号証に記載された発明では、旧建物と新建物間にラップルコンクリートを設けて旧建物の残した部分を基礎の一部に利用する(つまり、旧建物と新建物を結合している)点。 ここで、甲第2号証に記載された発明においても、新建物の建設と連繋して解体されるとある上、地下構造部分の解体された部分の空間内に新建物の新築地下外壁等を構築しており、解体する部分を、上記相違点aにおける本件訂正後発明1のように新設建物の構造体を構築する上で必要とする部分のみとすることは、当業者であれば、容易に想到しうる程度のことである。 しかしながら、上記相違点bに係る本件訂正後発明1の「新設建物と既存建物の解体されなかった地下部とをエキスパンションジョイントで構造的に分離されてなる」という事項は、甲第1号証にも記載されておらず、また示唆するところもなく、かつ周知技術でもない。そして、本件訂正後発明1は当該事項によって、明細書記載の「既存建物の解体されなかった地下部を新設建物と空間的に一体利用を図りながら、既存建物に新たな荷重をかけることはなく、従って、建物の安全性の検討がより容易になる」という作用効果を奏するものであるから、本件訂正後発明1が上記甲第1号証または甲第2号証に記載された発明と同一であるとはいえない。 次に、本件訂正後発明2乃至4について検討すると、本件訂正後発明2は本件訂正後発明1を更に限定したものであるから、また、本件訂正後発明3は本件訂正後発明1とカテゴリーが相違するだけであるので、さらに、本件訂正後発明4は本件訂正後発明3を更に限定したものであるから、いずれも、上記本件訂正後発明1についての判断と同様の理由により、上記甲第1号証または甲第2号証に記載された発明と同一であるとはいえない。 (5)特許法第29条第1項第1号及び第2号について 甲第1号証に示されている施工例A及び施工例Bが、いずれも本件特許出願前に国内において公然知られかつ公然と実施された発明であることに関して、何ら証拠が提出されていないが、例え、本件特許出願前に国内において公然知られかつ公然と実施された発明であっても、甲第1号証に示されている施工例A及び施工例Bに係る発明には、上記(4)で検討したように、本件訂正後発明1の「新設建物と既存建物の解体されなかった地下部とをエキスパンションジョイントで構造的に分離されてなる」という事項はなく、甲第1号証に開示された発明は、本件訂正後発明1と同一であるとはいえない。 次に、本件訂正後発明2乃至4について検討すると、本件訂正後発明2は本件訂正後発明1を更に限定したものであるから、また、本件訂正後発明3は本件訂正後発明1とカテゴリーが相違するだけであるので、さらに、本件訂正後発明4は本件訂正後発明3を更に限定したものであるから、いずれも、上記本件訂正後発明1についての判断と同様の理由により、甲第1号証に開示された発明と同一であるとはいえない。 5.むすび 以上のとおりであるから、異議申立ての理由及び証拠によっては、本件訂正後発明1ないし4に係る特許を取り消すことはできない。 また、他に本件訂正後発明1ないし4に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 建物の構造およびその施工方法 (57)【特許請求の範囲】 (1) 柱と梁と床版とこれらの外周に外壁を設けた構成の地下部を有する既存建物の地上部分が解体され、当該既存建物の地下部は新設建物の構造体を構築する上で必要とする部分のみ解体され、当該既存建物の地下部のうち解体された部分に新設建物の構造体が構築され、該新設建物と既存建物の解体されなかった地下部とをエキスパンションジョイントで構造的に分離されてなることを特徴とする建物の構造。 (2) 既存建物の解体されなかった地下部を空間として再利用することを特徴とする請求項1記載の建物の構造。 (3) 既存建物の地上部分を解体した後に、既存建物の柱と梁と床版とこれらの外周に外壁を設けた構成の地下部を新設建物の構造体を構築する上で必要とする部分のみ解体し、当該既存建物の地下部のうち解体された部分に新設建物の構造体を構築し、該新設建物と既存建物の解体されなかった地下部とをエキスパンションジョイントで構造的に分離することを特徴とする建物の施工方法。 (4) 既存建物の解体されなかった地下部を空間として再利用することを特徴とする請求項3記載の建物の施工方法。 【発明の詳細な説明】 「産業上の利用分野」 本発明は、地下部を有する建物の地上部解体後も残された地下部を有効に利用する建物の構造およびその施工方法に関する。 「従来の技術およびその課題」 通常、既存建物を撤去して同じ場所に建物を新築する場合は、既存建物の地下外周部のみを残して全面的に解体し、改めて地下部から新築してゆくケースが圧倒的に多い。しかし、解体された建物が築後まだわずかしか経過しておらず、特に地下部を再利用できるケースがかなりあるのが現状である。 従って、このように地下部を有する既存建物において再利用の可能な地下部をいかにして新設建物に生かすかが問題となる。 ところが、地下建物を再利用する際、その建物の安全性の検討は十分行う必要があり、専門機関での審査が義務づけられたり、場合によっては公的機関の認定が必要となり、建物を構築するためのスケジュールにおいて事前にかなりの余裕を見込む必要がでてくる。 また、既存建物の地下部が強固な場合、建物の解体と埋め戻しそして地下新築に要する工期は全体工期の1/3を占めてしまうことがあった。さらに、建物の建設費も高くなり、建物の地下部の坪単価は地上部の2倍以上になることもあり経済的ではなかった。 本発明は前記事情に鑑みてなされたものであって、地下部を有する既存建物の地下部を有効に利用した建物の構造およびその施工方法を提供することを目的としている。 「課題を解決するための手段」 本発明に係る建物の構造は、柱と梁と床版とこれらの外周に外壁を設けた構成の地下部を有する既存建物の地上部分が解体され、当該既存建物の地下部は新設建物の構造体を構築する上で必要とする部分のみ解体され、当該既存建物の地下部のうち解体された部分に新設建物の構造体が構築され、該新設建物と既存建物の解体されなかった地下部とをエキスパンションジョイントで構造的に分離されてなることを特徴としている。 また、前記建物の構造において、既存建物の解体されなかった地下部を空間として再利用することとしてもよい。 本発明に係る建物の施工方法は、既存建物の地上部分を解体した後に、既存建物の柱と梁と床版とこれらの外周に外壁を設けた構成の地下部を新設建物の構造体を構築する上で必要とする部分のみ解体し、当該既存建物の地下部のうち解体された部分に新設建物の構造体を構築し、該新設建物と既存建物の解体されなかった地下部とをエキスパンションジョイントで構造的に分離することを特徴としている。 さらに、前記建物の施工方法において、既存建物の解体されなかった地下部を空間として再利用することとしてもよい。 「作用」 本発明に係る建物の構造およびその施工方法では、既存建物の地下部の解体量を必要最小限に押さえることができるので作業の効率化を図ることができるものである。 「実施例」 以下、本発明の一実施例について図面を参照して説明する。 第1図は、本発明の一実施例を示す図であって、符号1は既存建物の地下部、2は新築建物の地上部を示している。 本実施例に係る建物の構造は、地下部1を有する既存建物の地上部(図示略)が解体され、当該既存建物の地下部1は新設建物の構造体を構築する上で必要とする部分のみ解体され、当該既存建物の地下部1に新設建物7の構造体5が構築されて構成されている。 既存建物の地下部1は、地盤G内を掘削して山留め等を行い、掘削穴内に柱、梁(いずれも図示略)を構築するともに床版9を設け、これら柱、梁、床版の外周に外壁10を設けた構成となっている。 新設建物の構造体5は、前記地下部1の一部のみを解体した部分に設けられた複数本の柱から構成されている。 既存建物の解体されなかった地下部の上部にはエントランスホール14が新たに増築されている。このエントランスホール14は、エキスパンションジョイント16によって新設建物7と構造的には分離し、機能的に一体化している。また、地下部1においても、既存建物の解体されなかった地下部と新設建物7とは、エキスパンションジョイント16によって構造的に分離されている。さらに、エレベータシャフト18などの竪穴については地震時の揺れに対し、追随できる構造とする。 なお、前記建物の構造において、既存建物の解体されなかった地下部を空間として再利用することとしてもよい。 次に、本実施例に係る建物の施工方法について説明する。 まず、既存建物の地上部(図示略)を解体する。この後、既存建物の地下部1を新設建物7の構造体を構築する上で必要とする部分のみ解体する。そして、当該既存建物の解体された地下部に新設建物7の構造体5を構築することにより行う。 本実施例によれば、既存建物の解体されなかった地下部を新設建物7と空間的に一体利用を図りながら、構造的には分離して別の構造体とすることにより、既存建物に新たな荷重をかけることはない。従って、上部荷重がかなり軽減されるため、建物の安全性の検討がより容易になるといった効果を奏する。 また、既存建物の地下部1の解体及び新設建物における地下部の新築作業の簡略化を図ることができ、施工作業におけるコストダウンならびに工期短縮を図ることができる。 また、地下部1の解体を必要最小限に押さえることができるので、産業廃棄物を必要最小限に押さえることができるとともに、作業による騒音振動を軽減することができる。 さらに、既存建物の解体されなかった地下部は、必要部分のみ有効に再利用できる。 「発明の効果」 本発明に係る建物の構造およびその施工方法によれば、既存建物の解体されなかった地下部を新設建物と空間的に一体利用を図りながら、構造的には分離して別の構造体とすることにより、既存建物に新たな荷重をかけることはない。従って、建物の安全性の検討がより容易になるといった効果を奏する。また、既存建物の地下部の解体及び新設建物における地下部の新築作業の簡略化を図ることができ、施工作業におけるコストダウンならびに工期短縮を図ることができる。また、地下部の解体を必要最小限に押さえることができるので、産業廃棄物を必要最小限に押さえることができるとともに、作業による騒音振動を軽減することができる。 【図面の簡単な説明】 第1図は、本発明に係る建物の構造の一実施例を示す側断面図である。 1……既存建物の地下部、 2……新築建物の地上部、 5……構造体、 7……新設建物、 G……地盤。 【図面】 |
訂正の要旨 |
訂正の要旨 特許第2926109号の明細書を、特許請求の範囲の減縮を目的として下記訂正事項a、bのように、特許請求の範囲の減縮及び請求項の番号の整合をとるための明りょうでない記載の釈明を目的として訂正事項c〜eのように、訂正事項a〜eに関連してなされた明りょうでない記載の釈明を目的として訂正事項f〜k、m、p、q、s、t、v、wのように、明りょうでない記載の釈明を目的として訂正事項l、n、o、r、uのように訂正する。 訂正事項a:特許請求の範囲の請求項1中の「地下部を有する既存建物の地上部分が解体され、当該既存建物の地下部は新設建物の構造体を構築する上で必要とする部分のみ解体され、当該既存建物の地下部のうち解体された部分に新設建物の構造体が構築されてなることを特徴とする建物の構造。」を、『柱と梁と床版とこれらの外周に外壁を設けた構成の地下部を有する既存建物の地上部分が解体され、当該既存建物の地下部は新設建物の構造体を構築する上で必要とする部分のみ解体され、当該既存建物の地下部のうち解体された部分に新設建物の構造体が構築され、該新設建物と既存建物の解体されなかった地下部とをエキスパンションジョイントで構造的に分離されてなることを特徴とする建物の構造。』と訂正する。 訂正事項b:特許査定時の請求項2、請求項5を削除する。 訂正事項c:特許査定時の請求項3を請求項2に繰り上げ、その「既存建物の地下部を空間として再利用することを特徴とする請求項1または2記載の建物の構造。」を、『既存建物の解体されなかった地下部を空間として再利用することを特徴とする請求項1記載の建物の構造。』と訂正する。 訂正事項d:特許査定時の請求項4を請求項3に繰り上げ、その「既存建物の地上部分を解体した後に、既存建物の地下部を新設建物の構造体を構築する上で必要とする部分のみ解体し、当該既存建物の地下部のうち解体された部分に新設建物の構造体を構築することを特徴とする建物の施工方法。」を、『既存建物の地上部分を解体した後に、既存建物の柱と梁と床版とこれらの外周に外壁を設けた構成の地下部を新設建物の構造体を構築する上で必要とする部分のみ解体し、当該既存建物の地下部のうち解体された部分に新設建物の構造体を構築し、該新設建物と既存建物の解体されなかった地下部とをエキスパンションジョイントで構造的に分離することを特徴とする建物の施工方法。』と訂正する 訂正事項e:特許査定時の請求項6を請求項4に繰り上げ、その既存建物の地下部を空間として再利用することを特徴とする請求項4または5記載の建物の施工方法。」を、『既存建物の解体されなかった地下部を空間として再利用することを特徴とする請求項3記載の建物の施工方法。』と訂正する。 訂正事項f:特許査定時の明細書の第4頁第11行〜第16行(特許公報第2頁左欄第30行〜第34行)の「地下部を有する既存建物の地上部分が解体され、当該既存建物の地下部は新設建物の構造体を構築する上で必要とする部分のみ解体され、当該既存建物の地下部のうち解体された部分に新設建物の構造体が構築されてなる」を、『柱と梁と床版とこれらの外周に外壁を設けた構成の地下部を有する既存建物の地上部分が解体され、当該既存建物の地下部は新設建物の構造体を構築する上で必要とする部分のみ解体され、当該既存建物の地下部のうち解体された部分に新設建物の構造体が構築され、該新設建物と既存建物の解体されなかった地下部とをエキスパンションジョイントで構造的に分離されてなる』と訂正する。 訂正事項g:特許査定時の明細書の第4頁第17行〜第5頁第4行(特許公報第2頁左欄第35行〜第41行)の「また、本発明に係る建物の構造は、……特徴としている。」を削除する。 訂正事項h:特許査定時の明細書の第5頁第5行〜第6行(特許公報第2頁左欄第42行)の「既存建物の地下部」を、『既存建物の解体されなかった地下部』と訂正する。 訂正事項i:特許査定時の明細書の第5頁第7行〜第11行(特許公報第2頁左欄第44行〜第48行)の「既存建物の地上部分を解体した後に、既存建物の地下部を新設建物の構造体を構築する上で必要とする部分のみ解体し、当該既存建物の地下部のうち解体された部分に新設建物の構造体を構築する」を、『既存建物の地上部分を解体した後に、既存建物の柱と梁と床版とこれらの外周に外壁を設けた構成の地下部を新設建物の構造体を構築する上で必要とする部分のみ解体し、当該既存建物の地下部のうち解体された部分に新設建物の構造体を構築し、該新設建物と既存建物の解体されなかった地下部とをエキスパンションジョイントで構造的に分離する』と訂正する。 訂正事項j:特許査定時の明細書の第5頁第13行〜第19行(特許公報第2頁左欄第49行〜右欄第4行)の「また、本発明に係る建物の施工方法は、……特徴としている。」を削除する。 訂正事項k:特許査定時の明細書の第5頁第20行〜第6頁第1行(特許公報第2頁右欄第5行〜第6行)の「既存建物の地下部」を、『既存建物の解体されなかった地下部』と訂正する。 訂正事項l:特許査定時の明細書の第7頁第8行〜第14行(特許公報第2頁右欄第30行〜第35行)の「既存建物の上部には、エントランスホール14が増築されている。このエントランスホール14は、エキスパンションジョイント16によって新築建物と構造的には分離し、機能的には一体化している。また、地下部1においても、既設建物と新築建物とは、エキスパンションジョイント16によって構造的に分離されている。」を、『既存建物の解体されなかった地下部の上部には、エントランスホール14が新たに増築されている。このエントランスホール14は、エキスパンションジョイント16によって、新設建物7と構造的には分離し、機能的には一体化している。また、地下部1においても、既存建物の解体されなかった地下部と新設建物7とは、エキスパンションジョイント16によって構造的に分離されている。』と訂正する。 訂正事項m:特許査定時の明細書の第7頁第17行〜第18行(特許公報第2頁右欄第38行)、同第8頁第6行(特許公報第2頁右欄第47行)、同第8頁第20行(特許公報第3頁左欄第11行)の「既存建物の地下部1」を、『既存建物の解体されなかった地下部』と訂正する。 訂正事項n:特許査定時の明細書の第8頁第4行(特許公報第2頁右欄44行〜第45行)の「当該既存建物の地下部1」を、『当該既存建物の解体された地下部』と訂正する。 訂正事項o:特許査定時の明細書の第8頁第12行〜第15行(特許公報第3頁左欄第3行〜第6行)の「また、既存建物の地下部1の解体及び新設建物における地下部の新築が無くなるために、作業の簡略化を図ることができ、施工作業におけるコストダウンならびに工期短縮を図ることができる。」を、『また、既存建物の地下部1の解体及び新設建物における地下部の新築作業の簡略化を図ることができ、施工作業におけるコストダウンならびに工期短縮を図ることができる。』と訂正する。 訂正事項p:特許査定時の明細書の第9頁第2行〜第10頁第11行(特許公報第3頁左欄第13行〜右欄第6行)の「次に、本発明の他の実施例について第2図を参照して説明する。……構造的に一体化することができる。」を削除する。 訂正事項q:特許査定時の明細書の第10頁14行(特許公報第3頁右欄第9行)の「既存建物の地下部」を、『既存建物の解体されなかった地下部』と訂正する。 訂正事項r:特許査定時の明細書の第10頁第18行〜第11頁第2行(特許公報第3頁右欄第13行〜16行)の「また、既存建物の地下部の解体及び新設建物における地下部の新築が無くなるために、作業の簡略化を図ることができ、施工作業におけるコストダウンならびに工期短縮を図ることができる。」を、『また、既存建物の地下部の解体及び新設建物における地下部の新築作業の簡略化を図ることができ、施工作業におけるコストダウンならびに工期短縮を図ることができる。』と訂正する。 訂正事項s:特許査定時の明細書の第11頁第7行〜第11行(特許公報第3頁右欄第20行〜第23行)の「さらに、既存建物の……有利となる。」を削除する。 訂正事項t:特許査定時の明細書の第11頁第13行〜第16行(特許公報第3頁右欄第25行〜第27行の「第1図および第2図は、……側断面図である。」を、『第1図は、本発明に係る建物の構造の一実施例を示す側断面図である。』と訂正する。 訂正事項u:特許査定時の明細書の第11頁第18行(特許公報第3頁右欄第29行)の「2……新設建物の地上部」を、『2……新築建物の地上部』と訂正する。 訂正事項v:特許査定時の図面の第1図を、訂正請求書に添付の第1図のとおり訂正する。 訂正事項w:特許査定時の図面の第2図を削除する。 |
異議決定日 | 2000-10-03 |
出願番号 | 特願平2-309398 |
審決分類 |
P
1
651・
111-
YA
(E02D)
P 1 651・ 113- YA (E02D) P 1 651・ 531- YA (E02D) P 1 651・ 112- YA (E02D) P 1 651・ 534- YA (E02D) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 中田 誠 |
特許庁審判長 |
樋口 靖志 |
特許庁審判官 |
鈴木 憲子 鈴木 公子 |
登録日 | 1999-05-14 |
登録番号 | 特許第2926109号(P2926109) |
権利者 | 清水建設株式会社 |
発明の名称 | 建物の構造およびその施工方法 |
代理人 | 志賀 正武 |
代理人 | 高橋 詔男 |
代理人 | 渡邊 隆 |
代理人 | 青山 正和 |
代理人 | 志賀 正武 |
代理人 | 高橋 詔男 |
代理人 | 渡邊 隆 |
代理人 | 青山 正和 |
代理人 | 清水 千春 |