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審決分類 審判 全部申し立て 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備  A01C
審判 全部申し立て 2項進歩性  A01C
管理番号 1035805
異議申立番号 異議2000-70479  
総通号数 18 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1994-04-26 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-02-03 
確定日 2001-04-04 
異議申立件数
事件の表示 特許第2930488号「代掻同時植付機」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 特許第2930488号の請求項1に係る特許を取り消す。 
理由 1.本件発明
本件特許第2930488号(平成4年9月30日特許出願、平成11年5月21日設定登録)の請求項1に係る発明(以下、「本件発明」という)は、その特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの、
「走行車1の後部に、複数の植付体14を横方向に所定の植付条間隔をおいて配設し、それらの植付体14とその直前の車輪との間に強制回転駆動される代掻ローター21を横方向にして支架し、該代掻ローター21の両側部を両側の植付位置より植付条間隔の1/2以上外方へ突出させることを特徴とする代掻同時植付機。」
である。

2.異議申立ての理由の概要
特許異議申立人は、甲第1号証(実願昭48-134879号(実開昭50-77327号)のマイクロフイルム)を提出し、本件発明の特許は、次の理由により、特許法第113条第1項第4号、あるいは、同法第113条第1項第2号に該当するから、取り消されるべきである旨主張する。
(1)本件特許に係る出願は、本件発明の構成に欠くことができない事項のみを記載したものではないから、特許法第36条第5項の規定に違反してされたものである。
(2)本件発明は甲第1号証に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、その特許は特許法第29条第2項の規定に違反してされたものである。

3.当審の判断
取消理由に引用した実開平2-116915号公報(以下、「引用刊行物」という)を当業者が本件出願時における技術水準を考慮してみると、引用刊行物には、走行機体1の後部に、複数の植付体を横方向に所定の植付条間隔をおいて配設した苗植付装置4を昇降自在に連結するとともに、苗植付装置4の前方位置であって車輪の後方位置に強制回転駆動される代掻装置25を横方向にして支架した田植機が、記載されていると認められる。
本件発明と上記引用刊行物記載の発明とを対比すると、引用刊行物記載の発明の「代掻装置25」が本件発明の「代掻ローター21」に相当しているから、両者は、走行車の後部に、複数の植付体を横方向に所定の植付条間隔をおいて配設し、それらの植付体とその直前の車輪との間に強制回転駆動される代掻ローターを横方向にして支架した代掻同時植付機で一致し、
本件発明では、「代掻ローター21の両側部を両側の植付位置より植付条間隔の1/2以上外方へ突出させ」ているのに対し、引用刊行物記載の発明では、その構成が不明である点で構成が相違している。
上記の相違点について検討すると、田植作業のために、圃場に不整地部分を残さないように整地作業を行うことは当然のことであり、しかも、田植機に設けた整地装置等の両側部を、両側の植付位置より十分外方へ突出させて設けることは周知のことである(例えば、実開昭53-156813号公報、実公平1-20815号公報参照)から、引用刊行物記載の発明において、代掻装置25の外方への突出量を両側の植付位置より植付条間隔の1/2以上とすることは、当業者が容易に想到できることといえる。
そして、本件発明が、上記引用刊行物に記載された発明及び周知技術から予測できないほど顕著な効果を奏するものとも認められない。
したがって、本件発明は、上記引用刊行物に記載された発明に基いて当業者が容易に発明をすることができたものである。

4.むすび
以上のとおりであり、本件発明は特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができないから、本件発明についての特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認める。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、上記のとおり決定する。
 
異議決定日 2001-02-08 
出願番号 特願平4-286883
審決分類 P 1 651・ 534- Z (A01C)
P 1 651・ 121- Z (A01C)
最終処分 取消  
前審関与審査官 山田 昭次  
特許庁審判長 藤井 俊二
特許庁審判官 吉村 尚
日高 賢治
登録日 1999-05-21 
登録番号 特許第2930488号(P2930488)
権利者 三菱農機株式会社
発明の名称 代掻同時植付機  

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