ポートフォリオを新規に作成して保存 |
|
|
既存のポートフォリオに追加保存 |
|
PDFをダウンロード |
審決分類 |
審判 一部申し立て 1項2号公然実施 H01R |
---|---|
管理番号 | 1039411 |
異議申立番号 | 異議2001-70386 |
総通号数 | 19 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 2000-11-14 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2001-02-02 |
確定日 | 2001-06-25 |
異議申立件数 | 1 |
事件の表示 | 特許第3075717号「電源ケーブル接続器」の請求項1ないし5に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 特許第3075717号の請求項1〜5に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.本件特許 本件特許第3075717号は、平成11年5月6日に出願され、平成12年6月9日に設定登録がされたものである。 2.申立ての理由の概要 異議申立人株式会社ソルトンは、本件特許の請求項第1〜5に係る発明は、本件特許の出願日前に日本国内において公然実施をされたものであり、特許法第29条第1項第2号に規定する発明に該当すると主張し、証拠方法として甲第1号証証明書を提出している。 3.当審の判断 特許法第29条第1項第2号にいう「公然実施をされた発明」とは、その内容が公然知られる状況又は公然知られるおそれのある状況で実施されたものであると解されるが、下記の理由により、異議申立人の提出した証拠によっては、具体的に、いつ、どこで、誰によって、どのように本件発明が公然実施をされたものかは明らかといえない。 (1)異議申立人の提出した甲第1号証は、私人による証明書、および、それに添付された、1)FAX発送案内書、2)納品控伝票、3)受取伝票、4)カタログであり、これらのみからは、具体的に、いつ、どこで、誰によって、どのように本件発明が公然実施をされたものか明らかとはいえない。 (2)また、甲第1号証中のFAX発送案内書、納品控伝票、受取伝票およびカタログに記載された製品の品番に関して、FAX発送案内書では製品記号として「KBT-10/25-WYK」の記載があったものが、納品控伝票ならびに受取伝票では「KBT10/25-Wクロ」と記載されており、カタログにおいては「KBT10/25-W」と記載されており、互いに食い違いが見られ、さらに、FAX発送案内書、納品控伝票、受取伝票から製品を把握する手段がそれらに記載された品番からのみであることから、それらが互いに同一の製品に関するものである点も明確でない。 (3)カタログに関して、背表紙右下に「98.5.2,000」の記載があるが、これがそもそも日付けを表したものか不明であり、かりに98年5月を表すとしても、それが原稿作成日か、印刷日か、実際に頒布された日か不明であり、さらに、カタログが誰から誰に、どのように頒布されたのかも不明であるから、これをもって、本件出願前にカタログを使用して不特定の顧客に対して製品の譲渡をなし得たものと認めることはできない。 なお、本件の請求項第1,3,5項に係る発明における「第1筒型ケーシングと第2筒型ケーシングを弾性を有するゴム又は合成樹脂によって形成」した点は、カタログに明確に開示されていない。また、本件請求項第1項に係る発明における「第1,第2ケーブル導入筒部の内周面にコネクタ軸線を中心とする多数の環状溝を軸線方向に夫々並設し、該各溝間に形成された環状リブを筒内に導入されたケーブルの外周面に圧縮状態で密着せしめる」点は、カタログにおいて、ケーブルとケーブル導入筒部の内周面との関係が具体的に開示されていないので、本件の請求項第1〜5項に係る発明とカタログに記載されているものが同一のものであるとすることもできない。 4.むすび 以上のとおりであるから、異議申立人の提出した証拠によっては本件の請求項第1〜5項に係る発明についての特許を取り消すことはできない。 よって、結論のとおり決定する。 |
異議決定日 | 2001-05-22 |
出願番号 | 特願平11-126086 |
審決分類 |
P
1
652・
112-
Y
(H01R)
|
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 井上 哲男 |
特許庁審判長 |
青山 紘一 |
特許庁審判官 |
熊倉 強 松下 聡 |
登録日 | 2000-06-09 |
登録番号 | 特許第3075717号(P3075717) |
権利者 | 渡邊 光利 |
発明の名称 | 電源ケーブル接続器 |
代理人 | 池田 宏 |
代理人 | 中畑 孝 |