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審決分類 審判 訂正 特120条の4、2項訂正請求(平成8年1月1日以降) 訂正する H01H
管理番号 1040283
審判番号 訂正2000-39127  
総通号数 20 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1983-11-29 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2000-10-25 
確定日 2001-01-29 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第1730090号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第1730090号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 1.請求の要旨
本件審判請求の要旨は、特許第1730090号(昭和57年5月22日に出願の実願昭57-75500号を昭和58年2月19日に特許出願に変更、平成2年6月8日出願公告(特公平2-26330号)、平成5年1月29日設定登録。)の明細書を審判請求書に添付した訂正明細書のとおり、すなわち、下記[1]ないし[5]のとおり訂正することを求めるものである。
[1]特許請求の範囲の請求項1の中の「絶縁基台に接点ばね片を上下に略平行して埋設」の「上下に」とあるを削除する。
[2]特許請求の範囲の請求項1の中の「ガイド部材を、下の接点ばね片に」の「下」とあるを「一方」に訂正する。
[3]特許請求の範囲の請求項1の中の「上の接点ばね片の一部に検出突部」の「上」とあるを「他方」に訂正する。
[4]特許請求の範囲の請求項1の中の「連結手段」を「連係手段」に訂正する。
[5]特許請求の範囲の請求項2を削除する。

2.当審の判断
そこで、これらの訂正事項について検討する。

[1]ないし[3]の訂正について
訂正前の特許請求の範囲の請求項1において、[1]の「上下に」、[2]の「下」、[3]の「上」の語句は、何れも、2本の接点ばね片(A、B)の説明を、本件特許発明スイッチを全て横向きに表わした実施例図面に従ったものであり、単に図面との統一を図ったものと解される。
しかしながら、本件特許発明スイッチは明細書記載の如く各種電子機器のメカ部分等に設置して使用するものであるが、それらに使用されている設置状態は実施例図面の状態の他に、上向き、下向き、同じ横向きでも右向き、左向き、前向き、後向き、或は斜め方向その他全く自由自在であり、同じスイッチであっても設置位置、姿勢が変るたびに接点ばね片A、Bの位置関係も様々に変化することになるのは明らかである。
そうすると、2本の接点ばね片(A、B)の位置関係を「上下」、「上」あるいは「下」で表わすことは、2本の接点ばね片を単純に図面上の位置関係だけで捉えた例を示したにすぎず、両接点ばね片の各々をスイッチ全体の構成、作用、効果等を説明する上で明確に区別する用語としては不明瞭、不適切なものと認められる。
したがって、上記の[1]ないし[3]の訂正は、かかる不備を解消するためのものであるから、明りょうでない記載の釈明に相当するものである。
そして、本件明細書の発明の詳細な説明には、公告公報(特公平2-26330号公報)の第2頁右欄第9-10行に「絶縁基台に接点ばね片を略平行して埋設」、同第2頁右欄第33-34行に「絶縁基台1に接点ばね片A,Bを略平行して埋設」、同第3頁右欄第8-9行に「絶縁基台1に接点a,b付の接点ばね片A,Bを対面略平行して埋設」と記載されているように、いずれも「上下に」という語句が用いられていない。
また、同第2頁右欄第13-14行に「ガイド部材を、一方の接点ばね片に」、同第2頁右欄第43行に「ガイド部材Dを、一方の接点ばね片Aに」、同第4頁右欄第26-27行に「ガイド片D1 を一方の接点ばね片Aに」と記載されているように、いずれも「下」ではなく「一方」という語句が用いられている。
さらに、同第2頁右欄第19行に「他方の接点ばね片の一部に検出突部」、同第3頁右欄第14-16行に「他方の接点ばね片Bの接点b付近に、後記ガイド兼カバーD2 の上面板7の外側に突出する山形部3を有する検出突部E」と記載されているように、いずれも「上」ではなく「他方」という語句が用いられている。
したがって、上記の[1]ないし[3]の訂正は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものである。

[4]の訂正について
訂正前の特許請求の範囲の請求項1には、「一側面に設定幅の案内面を有するガイド兼カバー若しくはガイド片のガイド部材を、一方の接点ばね片に連結手段を介して連係設置し」という記載があり、一方、同請求項2には、「特許請求の範囲第1項記載のセンサースイッチにおいて、ガイド兼カバー若しくはガイド片のガイド部材と接点ばね片が関連作動するための連係手段」という記載がある。
後者の「ガイド兼カバー若しくはガイド片のガイド部材と接点ばね片が関連作動」は、前者の「ガイド兼カバー若しくはガイド片のガイド部材を、一方の接点ばね片に・・・連係設置」に相当するものであるから、同様の機能を有する手段として、後者の「連係手段」が前者の「連結手段」に対応するものであることは明らかである。
このように、「連結手段」と「連係手段」とは、本来同一の手段であり共通の語句を用いて記載すべきところ、誤って異なる語句を用いたものと解釈される。
一方、本件明細書の発明の詳細な説明には、上記公告公報の第3頁左欄第30-35行に「また、ガイド部材Dの接点ばね片に対する連係手段は、・・・それと連動し・・・接点ばね片が反曲するように連係されていれば可であり」と記載されているように、上記の機能を有する手段として、「連係手段」なる語句が明記されている。
そうすると、訂正前の特許請求の範囲の請求項1における「連結手段」を「連係手段」に訂正することは、誤記の訂正を目的とするものであり、かつ、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものである。

[5]の訂正について
特許請求の範囲の請求項2を削除する訂正は、特許請求の範囲の減縮に該当し、新規事項の追加に該当しない。

そして、上記[1]の訂正において、「上下に」という記載は、上述したように不明瞭な記載であり、構成上格別の意味を有していないものであるから、かかる記載を削除したとしても、本件特許発明スイッチの構成を把握する上で何等の影響を与えるものではなく、また、上記[1]ないし[5]の各訂正により、極めてコンパクトで性能優秀なセンサースイッチの提供という課題に変更を及ぼすものでもないから、これらの訂正は実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
また、訂正後における特許請求の範囲に記載されている事項により特定される発明が、特許出願の際独立して特許を受けることができない発明でもない。

3.むすび
したがって、本件審判の請求は、平成6年法改正前の特許法第126条第1項ただし書で規定する要件を満たし、かつ、同条第2項及び第3項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
センサースイッチ
(57)【特許請求の範囲】
1 絶縁基台に接点ばね片を略平行して埋設し、両接点ばね片の接点を一定間隔を隔てて相対したノーマルオープン型リーフスイッチにおいて、
検出突部の前方から上方に設定幅の案内面を形成するガイド兼カバー若しくはガイド片等のガイド部材を、一方の接点ばね片に連係手段を介して連係設置し、
該ガイド部材に対して一定の方向性をもって接触してくる対象体を、上記案内面が該接点ばね片を反曲させつつ首振り運動して滑り案内するように設け、
他方の接点ばね片の一部に検出突部を設けて、該検出突部の先端を上記案内面より外方に設定寸法突出せしめて設け、
上記ガイド部材の案内面に接触した対象体の定位置の変形部の有、無により、検出突部が対象体の接触部に押されて接点ばね片を反曲させつつ後退して、該反曲動作によって接点相互を接触(閉)せしめ、或は、検出突部が案内面から突立したままの原位置を保つ、即ち、接点も離隔(開)位置を保つようにして、対象体の変形部の有、無を自動的に検出して作動するようにしたことを特徴とする、センサースイッチ。
【発明の詳細な説明】
(I)…本発明の概要
本発明スイッチは、設定位置にある本スイッチの案内面に対して、或る対象体の定位置部分が一定の方向性をもって(例えば、第1、5、6、7図の場合は右方、第3図の場合は上方から)接触して来て、本スイッチの案内面と接触し、続いて定められた位置に位置したときに該対象体の本発明スイッチの検出突部と相対した位置(定位置)の変形部(例、凹部)の有、無により、検出突部が移動し或は移動しない(原位置のまま)で、それ連係した両接点ばね片の接点の開閉動作が行われ或は行われないことによって、対象体の種類等の検出及び該検出に関連するスイッチング作動を行うようにしたことを特徴とするセンサースイッチに係るものである。
而して、将来に向って、本発明スイッチにより、種々の対象体との間において、上記検出機能を発揮する用例は極めて多種多様な場合において生じてくるものと想定されるが、現在において、主も一般的な「対象体」の例として挙げられるものは、カセットテープレコーダー、ビデオテープレコーダー、及びコンピューター等に使用されている、カセットテープ、ビデオテープ及び磁気記憶テープ等の「カセット」である。
即ち、本発明は、現在の時点においては、カセットテープレコーダー、ビデオテープレコーダー、コンピューター等において、録音テープ、録画テープ、磁気記憶テープ等の各種テープのカセットの装填時に、該カセットのテープの種類その他を検出して自動的にスイッチング作動を行うセンサースイッチに関するものと言えるものである。
(II)…従来技術の概要とその課題
現在、カセットのテープの種類(例、テープレコーダーにおけるクロムテープ、メタルテープ、通常テープ等)の区別や録音、録画済か否かの判別等はカセットの後側板面等に陥設した凹孔の位置を変えることによって行っており、よって、テープレコーダー、ビデオ等のメカ部分において、カセットを装填したときに各凹孔が到来セットされる位置毎に、該当カセットの装填動作に連動して接点開閉するセンサースイッチ機構が備えられている。
而して、第2図、第4図示の如く、従来のこの種スイッチ機構は、主に、メカ機枠16内等に独立したスイッチ21が適宜設置され、これに近接して別設した挺22の先端をカセットC′の後側板面に陥設した凹孔4′に係合、離脱させることによって、挺22に連動してスイッチ21を開閉するように設けられているものである。
また、上記凹孔4′は当初から開口している場合と、当初は爪片23で開口部を塞いでおき(即ち、変形部「無」と同じ状態)、爾後的に該爪片23を折除して凹孔4′とし、例えば録音済、録画テープの消去、再録の防止等を行っている。
ところが、メーカー別によって、特に国籍の異なるメーカーによっては、カセットC′の奥行寸法1に誤差があり、また凹孔4′の深さ等にもバラつきがあるのが実状であり、従来は、これら大小誤差のあるカセットC′に対応し得るように、挺22の運動幅を十分大きく設定して誤差を吸収するようにしており、為に、スイッチ作動がシャープにいかない上に、このセンサースイッチ機構の占有スペースが大きくなって、テープレコーダー、ビデオ等のメカ小形化に逆行することとなり、大きな問題点となっていた。
(III)…本発明の構成
(1)…本発明は、絶縁基台に接点ばね片を略平行して埋設し、両接点ばね片の接点を一定間隔を隔てて相対したリーフスイッチにおいて、
一側面に設定幅の案内面を有するガイド兼カバー若しくはガイド片等のガイド部材を、一方の接点ばね片に適宜連係設置して、
該ガイド部材に対して一定の方向性をもって接触してくる対象体上記案内面が該接点ばね片を反曲させつつ首振り運動して滑り案内するように設け、
他方の接点ばね片の一部に検出突部を設けて、該検出突部の先端を上記案内面より外方に設定寸法突出せしめて設け、
上記ガイド部材の案内面に接触した対象体の定位置の変形部の有、無により、検出突部が対象体の接触部に押されて接点ばね片を反曲させつつ後退して、該反曲動作によって接点相互を接触(閉)せしめ、或は、検出突部が案内面から突出したままの原位置を保つ、即ち、接点も離隔(開)位置を保つようにして、対象体の変形部の有無を自動的に検出して作動するようにしたことを特徴とする、センサースイッチである。
(2)…以下本発明の具体的構成につき説明すると、本発明は絶縁基台1に接点ばね片A、Bを略平行して埋設し、両接点ばね片A、Bの接点a、bを一定間隔を隔てて相対したリーフスイッチ、所謂ノーマルオープン型リーフスイッチ(常態において接点ばね片A、Bの接点a、bが離隔(開)しており、一方の接点ばね片の押圧反曲によって接点a、bが接触(閉)するタイプのスイッチ)において、
上方部の一側面に設定幅の案内面2を有するガイド兼カバーD2、D3若しくはガイド片D1等のガイド部材Dを、一方の接点ばね片Aに直接または間接的に連結するか、またはその後端分を絶縁基台に枢着するなどによって適宜連係設置して、該ガイド部材Dに対して一定の方向性(例えば、第1、5、6、7図の場合は右方向から、第3図の場合は上方向から)をもって接触してくる対象体C(例えば、カセットC′)を、上記案内面2が接点ばね片Aを反曲させつつ首振り運動して滑り案内するように設け、
一方の接点ばね片Bの一部に山形分3を有する検出突部Eを設けて、該検出突部Eの先端を上記案内面2より外方に設定寸法突出せしめて設け、
上記ガイド部材Dの案内面2に接触した対象体Cの定位置の変形部4(例えば、凹部)の有、無により、検出突部Eが対象体Cの接触部に押されて接点ばね片を反曲させ、該反曲動作によって接点相互を接触(閉)せしめ、或は、検出突部Eが案内面2から突出したままの原位置を保つ、即ち、接点a、bも離隔(開)位置を保つようにして、対象体Cの変形部4の有無を自動的に検出して作動するようにしたものである。
上記において、ガイド兼カバーD2、D3、若しくはガイド片D1等のガイド部材Dの案内面2は、その形状及び大きさは任意であるが、通常例としては、上方から接触してくる対象体C(例、カセットC′)を滑らかに案内しっっ首振り運動して接点ばね片を反曲させる目的から反曲動に必要な幅を持ったテーパー面とそれに連らなる垂直面をもって設ける。
また、ガイド部材Dの接点ばね片に対する連係手段は、直接、間接何れでも任意であり、上記のように案内面2で対象体Cを接触案内するときに、それと連動し首振り運動して接点ばね片が反曲するように連係されていれば可であり、例えば、後記の実施例1及び(第1図、第6図)に示したものは、接点ばね片Aに固定した連結子6とガイド兼カバーD2、D3の内側面の係合において間接的に連結した例であり、また、実施例2(第5図)に示したものは、ガイド片D1を接点ばね片Aの先端に他の絶縁性部材と同様にインサート成形等によって直接に固着した例である。
対象体Cは現在においては、最も一般的な例としては、上記各種のカセットであり、その定位置(例えば、後側板面の一部)の変形部4の例としては凹孔4′乃至凹陥部である。
(IV)…実施例(その構成及び作用、効果)
実施例1(第1図)
(1)構成…第1図に示す実施例はガイド部材Dとしてガイド兼カバーD2を接点ばね片Aに間接的に連結したものであり、その構成は、プラスチック製の絶縁基台1に接点a、b付の接点ばね片A、Bを対面略平行して埋設(例えば、絶縁性プラスチックのインサート成形加工によって埋設)し、一方の接点ばね片Aの接点a付近に、左右に突子5を突設した連結子6を埋着(例えば、絶縁基台1と同時成形加工で埋着)すると共に、他方の接点ばね片Bの接点b付近に、後記ガイド兼カバーD2の上面板7の外側に突出する山形部3を有する検出突部Eを、また、基部8付近にスペーサー9を埋着(連結子6と同様にして)し、接点a、bを一定間隔をおいて対設したスイッチ本体Sを設け、
一方、絶縁基台1に近接した基部8を除き上記スイッチ本体Sの接点ばね片A、Bの外周面を覆う形状の角筒体10の上面板7中央にスリット11を切設すると共に、該角筒体10の左右側板内面に条溝12を切設して該条溝12の先端部に小孔13を穿設したガイド兼カバーD2を例えば絶縁プラスチックの成形加工にて別設し、
該ガイド兼カバーD2を、スイッチ本体Sの接点ばね片A、Bに、その開口部14から検出突部Eをスリット11に挿通してその山形部3を上面板7外側に突出すると共に、連結子6の突子5を条溝12に嵌合スライドして該突子5を小孔13に係合し、スペーサー9を開口部14に位置せしめ套嵌結着して全体を構成したものである。
なお、15は必要に応じて接点ばね片Aの基部5付近に埋着したスペーサーで、ガイド兼カバーD2の開口部14に位置して、内部への塵挨の侵入を防止する役目をなすものである。
上記構成の実施例センサースイッチは、例えば、カセットC′のメカ機枠16等の、該メカ機枠16等に装填するカセットC′に設けられた凹孔4′(テープの種類を指示し、或は各種検出目的を指示して、各々位置を変えてケース後側面等に陥没された凹孔)に対応した位置にその絶縁基台1を取付けて、各1個宛設置するものである。
(2)作用…次に本スイッチの作用につき説明すると、常態にては一方の接点ばね片Aの接点aと他方の接点ばね片Bの接点bとは開放状態にあり、ここで、任意のカセットC′(例えば、テープレコーダーにおけるクロムテープ)を装填せんとすると、まず、カセットC′の後側面が案内面2の先端部に乗りあげて該面を押圧してガイド兼カバーD2を首振り運動せしめ、よって、ガイド兼カバーD2と連結子6で連結した接点ばね片Aがガイド兼カバーD2と共に外方に反曲するが、同時に接点ばね片Bもガイド兼カバーD2の上面板7内面に接触したスペーサー9及び検出突部Eの基部3′に押されて、同寸法だけ反曲し、従って、両ばね片A、Bの接点a、bの距離に変化は生じない。
続いて、カセットC′を完全に装填すると、カセットC′に凹孔4′が無い場合には、検出突部Eの山形部3がケース後側面に押されて後退し、よって、接点ばね片Bが内方に反曲して、接点a、bが接触する。(第3図、(ロ))
反対に、凹孔4′が有る場合には、検出突部Eの山形部3が該凹孔4′内に嵌入し、接点a、bは離隔した(原状の)ままとなる。(第3図、(イ))
(3)効果…(1)上記の構成及び作用によって、本スイッチは、スイッチ設置位置に対応したカセットC′の凹孔4′の有無をスイッチの開閉で検出(または、検出してスイッチを開閉)するものであり、例えば、クロムテープのカセトC′を装填すると、クロムテープを指示する凹孔4′にのみ検出突部Eの山形部3が嵌合し、他のスイッチは該当する凹孔4′が無いために嵌入せず、よって、検出突部Eの山形部3が押し戻されて接点a、bが接触するので、クロムテープであるか否かを検出し得る。
(2)同様にして、テープの種類の検出、既録音テープの重複録音の防止、レコーダー等にカセットC′が装填されているか否かの検出など、種々の目的の検出に利用し得る。
(3)また、カセットC′を装填すると、まず、カセットC′端部がガイド兼カバーD2の案内面2の突端部に接触し該案内面2の上面板7に乗りあげて該部を押出して首振り運動せしめ、よって接点ばね片A(ガイド兼カバーD2に連結)と接点ばね片Bを、スペーサー9及び検出突部Eの基部3′の作用により、等間隔(接点a、bの間隔も変らない)を保持したまま反曲するので、この反曲寸法の度合(大小)によって、カセットC′の奥行寸法1の誤差を吸収することができ、しかも、如何なる反曲寸法の場合にも接点a、bの間隔を一定に保ち得る。
(4)そして、カセットC′に凹孔4′が有るときにのみ検出突部Eの山形部3が該孔に嵌合し、無い場合には検出突部Eの山形部3がカセットC′側面に押し戻されて接点ばね片Bのみが反曲して、接点a、bが接触するが、このとき前記のように接点間隔が一定なので、ケースの寸法誤差に関係なく、常に正確な接点接触が得られると共に、凹孔4′が有る場合の接点a、bの離隔も、凹孔4′の深さ寸法誤差に関係なく確実に行われる特徴がある。
実施例2(第5図)
第5図に示すものは、ガイド片D1を一方の接点ばね片Aに、インサート成形等によって直接一体的に連結したものである。
即ち、本例におけるガイド片D1は、いわば、前記実施例1におけるガイド兼カバーD2の本発明における要部たる案内面2だけを残して他のカバー部分を削除した構成のものを、絶縁基台1やスペーサー9及び検出突部E等の絶縁性部材のプラスチックインサート成形時に同時成形によって接点ばね片Aの先端部に直接一体的に設けたものである。
従って、ガイド兼カバーD2のカバー部分と、連結子6に関連した構成を除いた他の構成は実施例1と全く同様である。なお、17はセパレーターであり、前記検出突部Eの基部3′と同じく案内面2に対象体C(カセットC′)が接触してきて、それに押されてガイド片D1が首振り運動して接点ばね片Aが反曲したときに、該セパレーター17が接点ばね片Bを押圧して同寸法反曲させ、よって、接点a、bの間隔を不変に保つものである。
上記の如く、本実施例は実施例1と構成要部において同一であることから、その作用、効果も要部において全く同一であり、よって、その詳細の説明を省略する。
実施例3(第6図)
第6図に示すものは、そのガイド兼カバーD3を、実施例1におけるガイド兼カバーD2のカバー部分の構成を僅かに変えて設けたものであり、即ち、ガイド兼カバーD2の後端部を延長し、該後端部18を枢軸19をもって回動自在に枢着し、もって、ガイド兼カバーD2も該枢軸19を支点として回動自在としたものである。
この構成によって、該ガイド兼カバーD3は両接点ばね片A、Bの外周面を、実施例1より以上に被覆してその被覆保護効果を向上した上に、枢軸19を支点としたことによりその首振り運動作用を精度的に高め得たものである。
而して、上記構成はその要部において実施例1と同一であることから、その作用、効果も要部において全く同一であり、よって、その詳細の説明を省略する。
実施例4(第7図)
第7図に示すものは、上記実施例1乃至3の如き構成の本発明スイッチにおいて、絶縁基台1に、接点ばね片A、Bに略平行して接点f付の接点ばね片Fを埋設したものである。
よって、上記本発明スイッチの作用により、検出突部Eが対象体Cに押されて首振り運動し接点ばね片Bが反曲して接点a、bが接触すると、次に、反曲した接点ばね片B先端のセパレーター20が接点ばね片Fを反曲してその接点fが接点ばね片Aの接点aと離隔して別のスイッチング作動を行う構成のものである。
而して、本例の如き3枚の接点ばね片によるスイッチ構成の如きは、通常のスイッチ構成としても良く行われるところであり、よって、上記に限らず通常行われるようなスイッチ構成に本発明要旨構成を実施したものは、当然に本発明の技術的範囲に属するものである。
(V)…本発明の特徴
上記の如く本発明センサースイッチは、設定位置にある本スイッチのガイド部材の案内面に対して、或る対象体(例、カセット)の定位置部分が一定の方向性をもって(例えば、図示例の右方または上方から)接触して来て、ガイド部材の案内面と接触し、続いて定められた位置に位置したときに該対象体の本発明スイッチの接点ばね片の検出突部と相対した位置(定位置)の変形部(例、凹孔)の有、無により、検出突部が移動し或は移動しない(原位置のまま)で、それに連係した接点ばね片の接点の開閉動作が行われ或は行われないことによって、対象体の種類等の検出及び該検出に関連するスイッチング作動を行うようにしたことを特徴とするものであり、特に、現在の時点においては、カセットテープレコーダー、ビデオテープレコーダー、コンピューター等において、録音テープ、録画テープ、磁気記憶テープ等の各種テープのカセットの装填時に、該カセットのテープの種類その他を検出して自動的にスイッチング作動を行うセンサースイッチとして、極めてコンパクトにして性能優秀なスイッチを提供し得るものである。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明センサースイッチの一実施例図(実物の約5倍大に図示)で、
(イ)は一部切断正面図、 (ロ)は平面図、 (ハ)は底面図、 (ニ)はイのA′-A″断面図矢視図、
第2図は対象体の一例としてのカセットテープレコーダーのカセットの斜視図、
第3図は本発明スイッチを設置したメカ機枠にカセットを装填した状態を示す説明図で、(イ)は変形部(凹孔)が有ってそれに検出突部の山形部が嵌合し接点a、bは離隔(開)のままの状態、(ロ)は変形部が無く検出突部の山形部が後退し接点a、bが接触(閉)した状態を示す図、
第4図は従来のセンサースイッチ機構の説明図、
第5図は本発明スイッチの実施例2の図で、(イ)は一部切断正面図、(ロ)は平面図、(ハ)は底面図、
第6図は本発明スイッチの実施例3の図で、(イ)は一部切断正面図、(ロ)は平面図、(ハ)は底面図、
第7図は本発明スイッチの実施例4の正面図である。
符 号
A、B、F…接点ばね片、
a、b、f…接点、
C…対象体、
C’…カセット、
D1…ガイド片、
D2、D3…ガイド兼カバー、
E…検出突部、
S…スイッチ本体、
1…絶縁基台、
2…案内面、
3…山形部、
3′…基部、
4…変形部、
4′…凹孔、
5…突子、
6…連結子、
7…上面板、
8…基部(接点ばね片の)、
9…スペーサー、
10…角筒体、
11…スリット、
12…条溝、
13…小孔
14…開口部、
15…スペーサー、
16…メカ機枠、
17…セパレーター、
18…後端部、
19…枢軸。
 
訂正の要旨 訂正の要旨
(1)訂正事項a
特許請求の範囲の請求項1の中の「絶縁基台に接点ばね片を上下に略平行して埋設」の「上下に」とあるを削除する。
(2)訂正事項b
特許請求の範囲の請求項1の中の「ガイド部材を、下の接点ばね片に」の「下」とあるを「一方」に訂正する。
(3)訂正事項c
特許請求の範囲の請求項1の中の「上の接点ばね片の一部に検出突部」の「上」とあるを「他方」に訂正する。
(4)訂正事項d
特許請求の範囲の請求項1の中の「連結手段」を「連係手段」に訂正する。
(5)訂正事項e
特許請求の範囲の請求項2を削除する。
審決日 2001-01-10 
出願番号 特願昭58-26594
審決分類 P 1 41・ 832- Y (H01H)
最終処分 成立  
前審関与審査官 吉見 信明湯原 忠男張谷 雅人  
特許庁審判長 田中 秀夫
特許庁審判官 和泉 等
熊倉 強
登録日 1993-01-29 
登録番号 特許第1730090号(P1730090)
発明の名称 センサ―スイツチ  
代理人 川崎 隆夫  
代理人 川崎 隆夫  

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