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審判番号(事件番号) | データベース | 権利 |
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判定200160014 | 審決 | 特許 |
判定200060093 | 審決 | 特許 |
判定200060094 | 審決 | 特許 |
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審決分類 |
審判 判定 同一 属する(申立て不成立) C09K |
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管理番号 | 1043326 |
判定請求番号 | 判定2000-60143 |
総通号数 | 21 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許判定公報 |
発行日 | 1986-11-12 |
種別 | 判定 |
判定請求日 | 2000-11-07 |
確定日 | 2001-07-13 |
事件の表示 | 上記当事者間の特許第2746269号の判定請求事件について、次のとおり判定する。 |
結論 | イ号説明書に示す「化学ルミネセンス組成物」は、特許第2746269号発明の技術的範囲に属する。 |
理由 |
I 請求の趣旨 本件判定の請求の趣旨は、イ号説明書に示す「化学ルミネセンス組成物」が、特許第2746269号発明の技術的範囲に属しない、との判定を求めるものである。 II 本件発明 特許第2746269号発明は、特許明細書の記載からみて、特許請求の範囲第1項及び第19項に記載されたとおりのものであり、特許請求の範囲第1項に係る発明(以下「本件発明1」という。)の構成を分説して記載すると次のとおりである。 「A 可視化学ルミネセンス光を発するための有機溶剤の存在において過酸化水素と反応させるための組成物であって、 B (1)シュウ酸エステル C (2)蛍光体、および D (3)組成物の全重量に基いて、5×10-4ないし5×10-3重量パーセントの可溶性ペリレンジカルボキシイミド染料、の溶剤溶液を含有し、かつ E 該ペリレンジカルボキシイミド染料対蛍光体のモル比が2.68×10-3ないし2.25×10-2対1であることを特徴とする F 組成物。」 III イ号 請求人、日本化学発光株式会社が提出した判定請求書に添付の「イ号説明書」から特定されるイ号を、本件発明1に即して記載すると、次のとおりのものと認められる。 「a 化学発光を発するために過酸化水素と反応させるための組成物であって、全体量の180リットル中に、 b ビス(2,4,5-トリクロロ-6-カルボペントキシフェニル)オキサレート16.5Kgと、 c 2-クロロ9,10-ビス(4-エトキシフェニル)アントラセン179gと、1-クロロ9,10-ビス(フェニルエチニル)アントラセン2.4gと、 d N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-3,4,9,10- ペリレンジカルボキシイミド4.1gと、 e ジブチルフタレート168リットルとから成る f 組成物。」 IV 当事者の主張 1 請求人の主張 請求人は、本件発明1とイ号とは、本件発明1の可溶性ペリレンジカルボキシイミド染料に相当するN,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-3,4,9,10-ペリレンジカルボキシイミドの含有率が相違している旨主張している。 2 被請求人の主張 被請求人は、請求人の該イミド染料の含有率は、有機溶剤を含めないで算出しているが、これは、本件発明1の構成から明らかのように、該有機溶剤を含めて算出すべきであり、そうすると、イ号の該イミド染料の含有率は本件発明1の構成要件を充足している旨主張している。 V 対比・判断 イ号が本件発明1の構成要件Dを除く全ての構成要件を充足していることについて、当事者間に争いがない。 次に、構成要件Dについて検討する。 本件特許第2746269号公報によれば、本件明細書には「可視化学ルミネセンス光を発するための・・・組成物であって、(1)シュウ酸エステル、(2)蛍光体、および(3)・・・可溶性ペリレンジカルボキシイミド染料、の溶剤溶液を含有し」(特許請求の範囲第1項)、「本発明の新規組成物は、3つの異なる方法の何れかで製造することができる。第一に、蛍光体-シュウ酸エステル系中のペリレン染料の濃厚溶液を調製し、この溶液の一部を、・・・標準的な蛍光体-シュウ酸エステル系に対して加える。・・・第三の方法においては、ペリレン染料の必要量を溶剤中に溶解し、且つ必要量の蛍光体とシュウ酸エステルを加えることによって最終組成物を調製する。」(3頁5欄43行〜6欄5行)と記載され、また、本件発明の出願経過を参酌すると、特許権者は、意見書及び審判請求書において「該組成物は、(1)シュウ酸エステル、(2)蛍光体、および(3)可溶性ペリレンジカルボキシイミド染料、の溶剤溶液を含有する組成物であり」(平成8年2月28日付け意見書3頁21行〜4頁2行、平成9年6月3日付け手続補正書によって補正された審判請求の理由の欄6頁2〜7行参照。)と主張し、さらに、判定事件答弁書において本件発明1の組成物は有機溶剤を含有するものであり、これを前提にして本件発明1の実施例での各成分の量は定められている旨主張している。 以上の事実によれば、本件発明1の化学ルミネセンス組成物は、シュウ酸エステル、蛍光体及び可溶性ペリレンジカルボキシイミド染料に加えて、有機溶剤をも含有するものである認められる。 そうすると、イ号のN,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-3,4,9,10-ペリレンジカルボキシイミドの含有率は、有機溶剤であるジブチルフタレートを含めて算出すると、2.138×10-3重量パーセントであることは明らかであるから、本件発明1の構成要件Dを充足する。 VI むすび 以上のとおり、イ号は本件発明1の構成要件を全て具備しているから、イ号は本件発明の技術的範囲に属する。 よって、結論のとおり判定する。 |
別掲 |
【イ号説明書】 イ号は、化学発光を発するために過酸化水素と反応させるための組成物であって、全体量の180リットル中に、ビス(2,4,5-トリクロロ-6-カルボペントキシフェニル)オキサレート16.5Kgと、2-クロロ9,10-ビス(4-エトキシフェニル)アントラセン179gと、1-クロロ9,10-ビス(フェニルエチニル)アントラセン2.4gと、N,N’-ビス(2,6-ジイソプロピルフェニル)-3,4,9,10-ペリレンジカルボキシイミド4.1gと、ジブチルフタレート168リットルとから成る組成物である。 |
判定日 | 2001-07-03 |
出願番号 | 特願昭61-84435 |
審決分類 |
P
1
2・
1-
YB
(C09K)
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最終処分 | 不成立 |
前審関与審査官 | 柳 和子、大宅 郁治、山本 昌広 |
特許庁審判長 |
花田 吉秋 |
特許庁審判官 |
山田 泰之 佐藤 修 |
登録日 | 1998-02-13 |
登録番号 | 特許第2746269号(P2746269) |
発明の名称 | 化学ルミネセンス組成物 |
代理人 | 小田島 平吉 |
代理人 | 有吉 修一朗 |
代理人 | 有吉 教晴 |