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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 A63F
管理番号 1044206
審判番号 不服2001-2292  
総通号数 22 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1999-12-07 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-02-16 
確定日 2001-08-30 
事件の表示 平成11年特許願第133938号「パチンコ機」拒絶査定に対する審判事件[平成11年12月 7日出願公開、特開平11-333112]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 〔この出願の経緯及びこの出願の発明〕
この出願は、昭和60年6月26日に出願された実願昭60-96828号の一部が実用新案法第9条第1項で準用する特許法第44条第1項の規定により平成4年4月21日に新たな実願平4-33789号に分割され、この新たな実用新案願が特許法第46条第1項の規定により同年同月同日に特願平4-129453号に出願変更され、この出願変更された特許願の一部が同法第44条第1項の規定により平成8年5月7日に新たな特願平8-137508号に分割され、この新たな特許願が同法同条同項の規定により平成11年5月14日に新たな特願平11-133938号に分割されたものであって、その発明の要旨は、平成12年4月6日付けの手続補正によって補正された明細書と平成11年5月14日付けの特許願に添付の図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりの、
「複数の電装部品から延びる各配線を接続する中継端子盤を備えたパチンコ機において、
前記中継端子盤に設けられる各端子の端子ピンが前記中継端子盤の周縁部に近接して配置されると共にその周縁部側に向かって突出するように設け、
前記各端子の端子ピンの突出側を除く各端子の近傍には、各端子に接続される相手先の電装部品の部品名の表示が前記中継端子盤自体に付されていることを特徴とするパチンコ機。」
にあるものと認められる。
〔引用例に記載された発明〕
これに対して、原査定の拒絶理由において引用された、この出願の出願前に国内において頒布された刊行物である特開昭59-105476号公報(以下、「引用例1」という。)には、
特に、
(イ)「基盤14からボックス15の外に引き出された数本の導線16は遊技盤3の裏面に取付けたターミナル17を介して入賞チャッカー10のスイッチ9や電動入賞装置12の電気的駆動機構11に接続してあり」(第2頁左下欄第5ないし9行)の記載、
(ロ)第1図(第3頁)及び第4図(第4頁)の記載から、各端子がターミナル17の周縁部に近接して配置されているものと認められること、
からみて、
「スイッチ9や電気的駆動機構11から延びる各配線を接続するターミナル17を備えたパチンコ機において、
前記ターミナル17に設けられる各端子が前記ターミナル17の周縁部に近接して配置されるパチンコ機」
を構成とする発明が、
同じく引用された、この出願の出願前に国内において頒布された刊行物である実願昭56-141574号(実開昭58-45573号)のマイクロフィルム(以下、「引用例2」という)には、
特に、
(イ)図面第1図の記載、
(ロ)「部品名・・・の表示をする方法には・・・プリント基板上に予め銅箔文字をプリントしておく方法等が用いられている」(明細書第1頁第17ないし20行)の記載から、部品名の表示がプリント基板1a自体に付されているものと認められること、
(ハ)「コネクタの誤挿入」(明細書第2頁第19行)及び「コネクタ挿入方向」(明細書第4頁第3,4行)の記載から、コネクタの何れか一方に端子ピンがあるものと認められること、
からみて、
「プリント基板1aに設けられるコネクタ3a,4aの端子ピンが前記プリント基板1aの周縁部に近接して配置されると共にその周縁部側に向かって突出するように設け、
前記コネクタ3a,4aの端子ピンの突出側を除くコネクタ3a,4aの近傍には、コネクタ3a,4aの部品名の表示が前記プリント基板1a自体に付されているプリント基板1a」
を構成とする発明が、
それぞれ記載されているものと認められる。
〔この出願の請求項1に係る発明と引用例に記載された発明との対比〕
そこで、この出願の請求項1に係る発明(前者)と引用例1に記載された発明(後者)とを対比すると、
後者の
「スイッチ9や電気的駆動機構11」及び「ターミナル17」
がそれぞれの機能に照らし、それぞれ
前者の
「複数の電装部品」及び「中継端子盤」
に相当するものと認められるから、
両者は、
「複数の電装部品から延びる各配線を接続する中継端子盤を備えたパチンコ機において、
前記中継端子盤に設けられる各端子が前記中継端子盤の周縁部に近接して配置されるパチンコ機」である
点において一致し、
中継端子盤に、
前者は、各端子の端子ピンがその周縁部側に向かって突出するように設けられ、前記各端子の端子ピンの突出側を除く各端子の近傍には、各端子に接続される相手先の電装部品の部品名の表示がそれ自体に付されている、
のに対し、
後者は、かかる構成を明らかにしていない、
点において相違するものと認められる。
〔相違点についての検討〕
前記相違点についてみるに、
引用例2に記載された発明の
「コネクタ3a,4a」
がその機能に照らし、
前者の
「各端子」
に相当するものと認められるから、
引用例2に記載された発明には、
「プリント基板1aに設けられる各端子の端子ピンが前記プリント基板1aの周縁部に近接して配置されると共にその周縁部側に向かって突出するように設け、
前記各端子の端子ピンを除く各端子の近傍には、各端子の部品名の表示が前記プリント基板1a自体に付されているプリント基板1a」という構成、
すなわち、前記相違点の前者の構成である、
「各端子の端子ピンがその周縁部側に向かって突出するように設けられ、前記各端子の端子ピンの突出側を除く各端子の近傍には、各端子の部品名の表示がそれ自体に付されている」という構成、
が備わっているものと認められる。
もっとも、引用例2に記載された発明の「部品名」は、「接続される相手先の電装部品の部品名」ではないところ、
中継端子盤において、「接続される相手先の部品名」を表示することは、
例えば、
実願昭58-6011号(実開昭59-113974号)のマイクロフィルム(以下、「周知例1」という)、
実願昭57-125791号(実開昭59-29896号)のマイクロフィルム(以下、「周知例2」という)、
実願昭54-62975号(実開昭55-163249号)のマイクロフィルム(以下、「周知例3」という)
にも記載されているように、従来周知の構成であると認められる。
すなわち、
周知例1の
「端子台1」及び「端子符号板2」
がそれぞれの機能に照らし、それぞれ
前者の
「中継端子盤」および「相手先の表示」
に相当するものと認められるから、
周知例1には、
「中継端子盤に、各端子が設けられ、前記各端子の接続側を除く各端子の近傍には、各端子に接続される相手先の表示が付されている」という構成が備わっており、
周知例2の
「スピーカターミナル1」、「ターミナル1a〜1d、1a’〜1d’」及び「1つあるいは2つのスピーカシステムをスピーカターミナル1に接続するための表示7」
がそれぞれの機能に照らし、それぞれ
前者の
「中継端子盤」、「各端子」及び「相手先の電装部品の部品名の表示」
に相当するものと認められるから、
周知例2には、
「中継端子盤に、各端子が設けられ、前記各端子の接続側を除く各端子の近傍には、各端子に接続される相手先の電装部品の部品名の表示がそれ自体に付されている」という構成が備わっており、
周知例3の
「集中端子11」及び「バツテリ、イグニツシヨン、アクセサリー、ライト、アース」
がそれぞれの機能に照らし、それぞれ
前者の
「中継端子盤」及び「相手先の電装部品の部品名」
に相当するものと認められるから、
周知例3には、
「中継端子盤に、各端子が設けられ、前記各端子の近傍には、各端子に接続される相手先の電装部品の部品名の表示がそれ自体に付されている」という構成が備わっているものと認められる。
そうすると、中継端子盤としても当然用い得る引用例2に記載された発明のプリント基板1aの構成を、後者の中継端子盤のところに適用して、後者の中継端子盤を、その各端子の端子ピンが周縁部側に向かって突出するように設け、前記各端子の端子ピンの突出側を除く各端子の近傍に、部品名の表示を前記中継端子盤自体に付すようにし、その際、「接続される相手先の部品名を表示すること」が中継端子盤において従来周知の構成であることに基づき、「部品名」を「接続される相手先の部品名」とすることは、当業者が格別創意工夫を要することではないというべきである。
しかも、前者の効果が、後者及び引用例2に記載された発明並びに例えば周知例1ないし3にも記載されている従来周知の構成の各効果の総和以上の格別なものとは認められない。
〔まとめ〕
したがって、この出願の請求項1に係る発明は、引用例1及び2に記載された各発明並びに例えば周知例1ないし3にも記載されている従来周知の構成に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2001-06-14 
結審通知日 2001-06-19 
審決日 2001-07-17 
出願番号 特願平11-133938
審決分類 P 1 8・ 121- Z (A63F)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 瀬津 太朗  
特許庁審判長 村山 隆
特許庁審判官 平瀬 博通
藤井 靖子
発明の名称 パチンコ機  
代理人 今崎 一司  

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