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審決分類 審判 全部申し立て 発明同一  G06K
審判 全部申し立て 5項1、2号及び6項 請求の範囲の記載不備  G06K
審判 全部申し立て 異議  G06K
審判 全部申し立て 2項進歩性  G06K
審判 全部申し立て 特36 条4項詳細な説明の記載不備  G06K
管理番号 1044639
異議申立番号 異議1997-75980  
総通号数 22 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1995-07-04 
種別 異議の決定 
異議申立日 1997-12-17 
確定日 2001-03-12 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2622235号「機械が光学的に読取り可能な2進コードの形成方法及びその装置」の請求項1ないし22に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2622235号の請求項1ないし22に係る特許を維持する。 
理由 第1.手続の経緯
特許第2622235号の特許明細書の特許請求の範囲請求項1〜22に係る各発明は、平成1年5月2日に特許出願された特願平1-112367号の分割出願として特許出願され(パリ条約による優先権主張1988年5月5日米国)、平成9年4月4日にその発明について特許権の設定登録がされた後、平成9年12月17日付けで特許異議申立人日本アイディーテックにより全請求項の発明の特許について、また、平成9年12月18日付けで特許異議申立人中野辰博により同じく全請求項の発明の特許について、それぞれ特許異議の申立てがなされた。そこで、当審において、平成10年4月1日付けおよび平成12年4月20日付けで各取消理由通知をしたところ、特許権者は、各通知で指定した期間内である平成10年10月27日付けおよび平成12年11月13日付けで、願書に添付した明細書すなわち特許明細書の訂正請求をした(いずれも後日取下げ)。そして、さらに当審において平成12年11月27日付けで取消理由を通知したところ、特許権者は、取消理由通知に指定した期間内である平成12年12月25日付けで、あらたに同明細書の訂正請求をした。

第2.訂正の適否についての判断
1.訂正事項の内容
平成12年12月25日付け訂正請求において特許権者が求める訂正事項は、願書に添付した明細書(特許明細書)の特許請求の範囲請求項1〜22を、訂正請求書に添付した全文訂正明細書に記載のとおり、次のように訂正しようとするものである:
「【請求項1】マトリックス及び該マトリックスに含まれるデータ要素の大きさと密度に関して動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置で有って、当該装置は、
データを受信して、当該受信データに応答して該バイナリコードを形成する複数個のデータ要素を発生させる為の処理手段と、
変動する数を持つデータ要素からなる該コードを構成する複数の該データ要素からなる二次元的アレーを形成し、且つデータマトリックス領域を構成する為の処理手段と、
少なくとも第1の角部で交差する実線部からなる2つの側部を有する周囲部を構成する為の処理手段と、
当該マトリックス領域に含まれる当該データ要素の物理的サイズを決定する為のサイズ表示手段で有って、該サイズ表示手段は、当該データマトリックス領域の位置とは独立して配置されており、前記周囲部の第2の角部で交差する交互に配置された暗領域と明領域とから形成されるパターンで形成される線からなる第3の側部および第4の側部に設けられているサイズ表示手段を発生させる処理手段及び、
対象物上に当該バイナリコードを印刷する印刷手段とが設けられている事を特徴とする動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置。
【請求項2】当該サイズ表示手段を発生させる手段は、該周囲部に当該サイズ表示手段を形成させるものである事を特徴とする請求項1記載の動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置。
【請求項3】当該装置は更に、当該マトリックス領域に含まれる当該データ要素のオリエンテーションを表示するオリエンテーション表示手段を発生させる処理手段が設けられている事を特徴とする請求項1記載の動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置。
【請求項4】マトリックス及び該マトリックスに含まれるデータ要素の大きさと密度に関して動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置で有って、該装置は、データを受信して、当該受信データに応答して該バイナリコードを形成する複数個のデータ要素を発生させる為の処理手段と、
変動する数を持つデータ要素からなる該コードを構成する複数の該データ要素からなる二次元的アレーを形成し、且つデータマトリックス領域を構成する為の処理手段と、
少なくとも第1の角部で交差する実線部からなる2つの側部を有する周囲部を構成する為の処理手段と、
当該マトリックス領域に含まれる当該データ要素の密度を決定する為の密度表示手段で有って、該密度表示手段は、当該データマトリックス領域の位置とは独立して配置されている密度表示手段であって、前記周囲部の第2の角部で交差する交互に配置された暗領域と明領域とから形成されるパターンで形成される線からなる第3の側部および第4の側部に設けられている密度表示手段で且つ当該データマトリックス領域に含まれるデータ要素の数を表す関数である密度表示手段を発生させる処理手段及び、
対象物上に当該バイナリコードを印刷する印刷手段とが設けられている事を特徴とする動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置。
【請求項5】当該装置は、更に当該データマトリックス領域内に於いて該データマトリックス領域内に配列されている当該データの分布パターンを表示する表示手段を有している事を特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置。
【請求項6】当該サイズ表示手段を発生させる為の処理手段は、該サイズを示す表示手段を当該周囲部に設けるもので有って、且つ該サイズを示す表示手段を当該周囲部の第1の角部に於いて互いに交差する当該周囲部の第1の側部と第2の側部とを何れも実線部で構成する事により提供するものである事を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置。
【請求項7】当該周囲部の第1の側部と第2の側部は、それぞれ第1の長さと第2の長さとを個別に有している事を特徴とする請求項6記載の動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置。
【請求項8】当該密度表示手段を発生させる為の処理手段は、該密度表示手段を当該周囲部に設けるもので有って、且つ該密度表示手段を、当該周囲部の第2の角部に於いて互いに交差する当該周囲部の第3の側部と第4の側部とを、何れも交互に配列された暗領域と明領域とから形成されるパターンを有する線で形成する事により提供するものであり、更に当該第3の側部に於ける交互に配列された暗領域と明領域の数と、該第4の側部に於ける交互に配列された暗領域と明領域の数との積が、当該マトリックス領域に含まれるデータ要素の密度に対応するようになっている事を特徴とする請求項4に記載のマトリックス及び該マトリックスに含まれるデータ要素の大きさと密度に関して動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置。
【請求項9】当該サイズ表示手段を発生させる為の処理手段は、受信された当該データマトリックス領域内で使用されるべきデータ要素の総数に関連して、当該第1の側部と第2の側部に於ける、第1の長さと第2の長さとをそれぞれ個別に決定する為の手段を含んでいる事を特徴とする請求項7記載の動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置。
【請求項10】当該密度表示手段を発生させる為の処理手段は、受信された当該データマトリックス領域内で使用されるべきデータ要素の総数に関連して、当該周囲部を構成する第3の側部における交互に配列された暗領域と明領域の数と、当該周囲部を構成する第4の側部に於ける交互に配列された暗領域と明領域の数をそれぞれ個別に決定する為の手段を含んでいる事を特徴とする請求項8記載の動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置。
【請求項11】当該密度表示手段を発生させる為の処理手段は、正方形状を有するデータマトリックス領域が使用される場合に於いて、当該周囲部に於ける第3の側部又は第4の側部の少なくとも一方に於ける交互に配列された暗領域と明領域の数を決定する為に、受信された当該データマトリックス領域内で使用されるべきデータ要素の総数の数の平方根の値を丸めて整数にする為の手段を更に有している事を特徴とする請求項10記載の動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置。
【請求項12】マトリックス及び該マトリックスに含まれるデータ要素の大きさと密度に関して動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置で有って、当該装置は、データを受信し、該受信データに応答してバイナリコードを形成する可視セルを発生させる処理手段を含んでおり、該可視セルは、該周囲部内に配置されているマトリックスとして形成されるデータを表示するものであり、当該データはデータセルの形に形成され、該データセルのサブセットは単一の2進文字を代表するものであり、該データセルは当該マトリックス内に於けるデータに付いての単一の2進文字を表示する為冗長性を以て設けられており、当該コードは、周囲部の第1の角部で互いに交差しそれぞれ第1と第2の長さを持ち、実線として形成された当該周囲部の第1の側部と第2の側部を有し、更に、前記周囲部の第2の角部において互いに交差する当該周囲部の第3の側部と第4の側部とが、何れも交互に配列された暗領域と明領域とから形成されるパターンを有する線で形成されており、当該第3の側部における交互に配列された暗領域と明領域の数と、該第4の側部における交互に配列された暗領域と明領域の数との積が、当該データマトリックスに含まれるデータ要素の数に対応するようになっており、且つ当該コードは、当該データ要素に関する第1のデータ配列パターンを含んでいる読み取り可能なコードであり、且つ該バイナリコードを所定の対象物に印刷するための印刷手段を有している事を特徴とする動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置。
【請求項13】周囲部と該周囲部内で二次元的なデータマトリックス領域に配列されたコード化されたデータを表す複数個のデータ要素からなり、当該コードは該データマトリックスのサイズを表示する表示手段を含んでいる動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる方法であって、当該方法は、
コードに符号化されるべきデータを準備する工程、
符号化された供給データを表示するのに必要なデータ要素の数に付いての第1の数値を決定する工程、
当該データ要素に関する第1の数を含ませる為に、形成されるべき当該コードに関するデータマトリックスのサイズを決定する工程、
決定されたコードのサイズに対応する該周囲部の第1の側部の長さと第2の側部の長さを計算する工程、
符号化されるべきコードを符号化し、当該データ要素に関する第1の数を形成する工程、
当該データ要素に関する第1の数に対応する二次元的アレーとして読み取り可能なコードであって、且つ、当該データ要素に関する第1のデータ配列パターンを含み、更に、第1の角部で互いに交差し実線として形成された、それぞれ第1と第2の長さを有する第1の側部と第2の側部と、第2の角部で交差し、それぞれが交互に配列された暗領域と明領域とからなるパターンを有する線で形成される第3と第4の側部を有し、当該第3の側部における交互に配置された暗領域と明領域の数と、当該第4の側部における交互に配置された暗領域と明領域の数との積が、当該データマトリックスに含まれるデータ要素の数を表す周囲部とを含んでいる読み取り可能なコードを形成する工程、
とから構成されているマトリックス及び該マトリックスに含まれるデータ要素の大きさと密度に関して動的に変動可能でかつ機械が光学的に読み取り可能なバイナリコードを発生させる方法。
【請求項14】周囲部と該周囲部内で二次元的なデータマトリックス領域に配列されたコード化されたデータを表す複数個のデータ要素からなり、該データマトリックスのサイズを表示する表示手段を含んでいる動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる方法であって、当該方法は、
コードに符号化されるべきデータを準備する工程、
符号化された供給データを表示するのに必要なデータ要素の数に付いての第1の数値を決定する工程、
当該決定されたデータ要素に対する第1の数に対して密度を計算する工程、
当該周囲部の第2の角部で交差する当該周囲部の第3と第4の側部を、交互に配列された暗領域と明領域とで構成された線でそれぞれ構成する工程、
当該第3の側部に於ける交互に配列された暗領域と明領域の数と、該第4の側部に於ける交互に配列された暗領域と明領域の数とを計算し、それによって該第3の側部に於ける該暗領域と明領域の数と、該第4の側部に於ける該暗領域と明領域の数との積が、当該マトリックス領域に含まれる第1の数を持つデータ要素の密度に対応するように構成する工程、
符号化されるべきコードを符号化し、当該データ要素に関する第1の数を形成する工程、
当該データ要素に関する第1の数に対応する二次元的アレーとして読み取り可能なコードであって、当該データ要素に関する第1のデータ配列パターンを含み、更に、第1の角部で互いに交差する実線で構成される第1の側部と第2の側部、および、第2の角部で交差し、それぞれが交互に配列された暗領域と明領域を持つ第3と第4の側部を有する周囲部とを含んでいる読み取り可能なコードを形成する工程、
とから構成されているマトリックス及び該マトリックスに含まれるデータ要素の大きさと密度に関して動的に変動可能でかつ機械が光学的に読み取り可能なバイナリコードを発生させる方法。
【請求項15】当該第3と第4の側部は、互いに同一な交互に配列された暗領域と明領域からなるパターンを有しており、各側部はそれぞれ、該マトリックス領域に配列されるべき該データ要素に関する第1の数に対する平方根の値を、それに最も近接した整数値に置換した(丸めた)値に対応する数の当該暗領域と明領域とを交互に配列する工程とから構成されている事を特徴とする請求項14記載の動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる方法。
【請求項16】該データを符号化する符号化工程は、更に当該データを復号するキーパターンと共にデータを符号化する工程、分散化されたデータを読み込んだ際に、該キーパターンを使用することにより復号化する事が出来る様な方法で当該データを分散化する工程、及び当該キーパターンを用いて読み取り可能なコードを発生させる工程とを含んでいる事を特徴とする請求項13乃至15の何れかに記載の動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる方法。
【請求項17】該データを符号化する符号化工程は、更に、該コード内に於いて当該データを表示するのに必要な最大限の変形の数を計算する工程と当該変形の数を発生させるのに必要な当該データ要素に付いての最小限の第1の数を決定する工程とを含んでいる事を特徴とする請求項13乃至15の何れかに記載の動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる方法。
【請求項18】該データを符号化する符号化工程は、更に、該コードの周囲部内に於いて予め定められたパターンに沿ってデータ要素を構成する工程を含んでいる事を特徴とする請求項13乃至15の何れかに記載の動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる方法。
【請求項19】該データを符号化する符号化工程は、更に、当該予め定められたパターンを符号化する為も情報を含んでいる分布キーを用いてコードを形成する工程を含んでいる事を特徴とする請求項13乃至15の何れかに記載の記載の動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる方法。
【請求項20】該データを符号化する符号化工程は、更に、ユーザにより該コード化された周囲部のサイズを決定する工程、当該サイズを選択する工程及び当該選択されたサイズと符号化されるべきデータとに基づいて当該データ要素のサイズを調製する工程とを含んでいる事を特徴とする請求項13乃至15の何れかに記載の動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる方法。
【請求項21】マトリックス領域内に含まれるデータの密度と該マトリックス領域のサイズとを表示する周囲部を持ったマトリックス領域を構成する動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる方法であって、当該方法は、
コードに含まれるデータをバイナリ形式に変換する工程、
当該マトリックス領域内に於いてバイナリコード情報を表すのに必要な可視セルの数を決定する工程、
形成されるべきマトリックス領域のサイズを決定する工程、
当該マトリックス領域の周囲部を構成する第1の側部を実線状の暗部として形成すると同時に当該マトリックス領域の周囲部を構成し該第1の側部と該周囲部の第1の角部で交差する第2の側部を実線状の暗部として形成すると共に、当該各側部の長さは、該マトリックス領域を表示するのに必要な側部の長さから決定される工程、
該バイナリコード内に含まれるデータを表示するのに必要な可視セルの数を平方根を計算し、当該平方根の値に最も近接した整数値に置換した(丸めた)値を計算する工程、
当該マトリックス領域の周囲部を構成する該第3の側部を、交互に配列された暗領域と明領域とで構成された破断線のパターンを有する線で構成し、当該第3の側部に於ける、交互に配列された暗領域と明領域の総数が、当該マトリックス領域内に含まれるべき可視セルの数の平方根の値を最も近接した整数値に置換した(丸めた)値と等しくなる様に構成する工程、
当該マトリックス領域の周囲部を構成する該第3の側部と第2の角部で交差する該第4の側部を、該第3の側部と同一の破断線状のパターンに形成する工程、
該第1の側部から該第4の側部により当該マトリックス領域の周囲部を形成する工程、
当該マトリックス領域に係る該周囲部内に可視セルパターンとしてバイナリコードを生成する工程とから構成されたマトリックス及び該マトリックスに含まれるデータ要素の大きさと密度に関して動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる方法。
【請求項22】周囲部と該周囲部内で二次元的なデータマトリックス領域に配置されたコード化されたデータを表す複数個のデータ要素からなり、当該コードは該データマトリックスのサイズを表示する表示手段を含んでいる動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる方法であって、当該方法は、
コードに符号化されるべきデータを準備する工程、
符号化された供給データを表示するのに必要なデータ要素の数に付いて第1の数値を決定する工程、
当該決定されたデータ要素に対する第1の数に対して密度を計算する工程、
当該密度に対応し当該密度を表示する密度パターンを発生させる工程、
符号化されるべきコードを符号化し、当該データ要素に関する第1の数を形成する工程、
当該データ要素に関する第1の数に対応する二次元的アレーとして読み取り可能なコードであって、第1の角部で互いに交差し実線として形成された、それぞれ第1と第2の長さを有する第1の側部と第2の側部と、第2の角部で交差し、それぞれが交互に配列された暗領域と明領域とからなるパターンを有する線で形成される第3と第4の側部を有し、当該第3の側部における交互に配置された暗領域と明領域の数と、当該第4の側部における交互に配置された暗領域と明領域の数との積が、当該データマトリックスに含まれるデータ要素の数を表す周囲部とを含んでいる読み取り可能なコードを形成する工程、
当該コードの、該データ要素に関する第1のデータ配列パターン位置とは異なる位置に、該密度パターンを配置させる工程、
とから構成されているマトリックス及び該マトリックスに含まれるデータ要素の大きさと密度に関して動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる方法。」。

2.訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否
訂正事項中、請求項1、同4、同8、同12、同13、同14、同21および同22については、それらの文言を訂正するものである。他の、請求項2、同3、同5、同6、同7、同9、同10、同11、同15、同16、同17、同18、同19および同20については、いずれも引用形式で記載されており、それらの請求項自体に文言上の訂正はないが、1以上の他の請求項を引用する部分において他の請求項に訂正があれば、引用形式の請求項は、その請求項全文としての意味内容も同時に訂正されることになるので、以下、文言上の訂正の有無にかかわらず、すべての請求項について検討する。
請求項1(訂正の前後を通じて「バイナリーコードを発生させる装置」の発明)の訂正について検討するに、訂正前の請求項1に係る発明の構成に欠くことができない事項であるバイナリーコードの形状を、訂正後には「周囲部の第2の角部で交差する交互に配置された暗領域と明領域とから形成されるパターンで形成される線からなる第3の側部および第4の側部に設けられている」と限定したといえるから、特許請求の範囲を減縮し、同時に明りようでない記載を釈明するものと認められる。そして、訂正において付加する事項は、願書に添付された明細書(特許明細書)の【0010】「本発明によれば、情報のサイズ、フォーマットおよび密度(density)が動的に変動することができる光学的に読取り可能な2進コードが提供されている。」「更に当該周囲部に配置された該第3の側部に於ける暗領域と明領域の数と、当該周囲部に配置された該第4の側部に於ける暗領域と明領域の数との積が、当該データマトリックス領域に含まれるデータ要素の密度に対応するように構成されている動的に変動可能でかつ記載が光学的に読取り可能なバイナリコード」等に記載されたもの、又は記載されたものと同旨であり、新規事項はなく、特許請求の範囲を実質的に拡張・変更するものでもない。
請求項2〜12の訂正についても、請求項1と同様に判断することができる。なお、項によって訂正に文言表現上の差異や、訂正によって特許請求の範囲をさらに限定する事項があるが、上記の判断を左右しない。
請求項13(訂正の前後を通じて「バイナリーコードを発生させる方法」の発明)の訂正について検討するに、訂正前の請求項13に係る発明の構成に欠くことができない事項である工程の一部を、訂正後には「第2の角部で交差し、それぞれが交互に配列された暗領域と明領域とからなるパターンを有する線で形成される第3と第4の側部を有し、当該第3の側部における交互に配置された暗領域と明領域の数と、当該第4の側部における交互に配置された暗領域と明領域の数との積が、当該データマトリックスに含まれるデータ要素の数を表す周囲部とを含んでいる読み取り可能なコードを形成する工程」と限定したといえるから、特許請求の範囲を減縮し、同時に明りようでない記載を釈明するものと認められる。そして、訂正において付加する事項は、願書に添付された明細書(特許明細書)の【0017】「本発明の更に別の観点によれば、周囲部を有するマトリックスデータからなり、マトリックスに含まれるデータの密度とマトリックスのサイズとを示す動的に変動し機械が光学的に読取り可能な2進コードを形成する方法が提供されている。」「交互する暗領域と明領域から形成される破線からなるマトリックスの周囲部の第3の側部を形成する工程と、第3の側部と同じ濃淡パターンから形成されるマトリックスの周囲部の、第2のコーナで第3の側部と交差する第4の側部を形成する工程」等に記載されたもの、又は記載されたものと同旨であり、新規事項はなく、特許請求の範囲を実質的に拡張・変更するものでもない。
請求項14〜22の訂正についても、請求項13と同様に判断することができる。なお、項によって訂正に文言表現上の差異や、訂正によって特許請求の範囲をさらに限定する事項があるが、上記の判断を左右しない。

3.訂正後の発明のいわゆる独立特許要件の適否
(1)訂正後の各発明の要旨
訂正後の特許請求の範囲請求項1〜22に係る各発明は、いずれも平成12年12月25日付け訂正請求書に添付された全文訂正明細書の特許請求の範囲の各請求項に記載された事項(本書の第2.1.)によって特定されるものと認められ、特に、各発明に係る装置又は方法において、バイナリーコードの形状を「周囲部の第2の角部で交差する交互に配置された暗領域と明領域とから形成されるパターンで形成される線からなる第3の側部および第4の側部に設けられている」ものとし、その構成により、明細書【0006】「コードの物理的サイズ、データ密度あるいはコードのリーダ(READER)に対する回転角に関係なく、コンピュータがコードに含まれる情報を独立して認識しかつデコード(復号)する(decord)ことができるようにした、光学的に読取ることができる2進コードを提供する」、あるいは、明細書【0050】「記号に含まれるデータの実際の物理的なサイズあるいはボリュームとは関係なく、エンコードされた情報を独立して認識し、理解しかつ情報に作用することができるようにするとともに、スキャナに対する記号の角度配向に関係なく、読取りかつ処理することができ、しかも任意の物理的サイズの多量の情報を動的にエンコードすることができる」ようなデータコードが得られる目的効果を、顕著に達成するものであることが認められる。

(2)取消理由とその検討
訂正後の特許請求の範囲請求項1〜22に係る各発明(各発明の要旨は、本書の第2.3.(1)に認定したとおりである。)が本件特許の出願のとき独立して特許を受けることができるかを、当審の平成10年4月1日付けで通知した取消理由の[理由A]〜[理由D]についてまず検討し、他の理由についても吟味する。

[理由A](特許法第36条に規定する明細書の記載要件)
当審において、取消理由の[理由A]として、次の(a)〜(c)を通知した:
(a) 各請求項において「バイナリコードを発生させる」の技術的意味(たとえば発明の詳細な説明の欄における「2進コードの形成」との関係)が不明りょうであり、各請求項に記載された事項の技術的意味が不明りょうである。
(b) 請求項1、請求項4および請求項12中「データを受信して」とあり、また請求項13、請求項14に「データを準備する」とあるが、これらと明細書(とくに本願の原出願である特願平1-112367号の出願当初の明細書およびパリ条約による優先権の基礎となる第1国出願の明細書)に記載された事項との関係が不明であり、各請求項に記載された事項の技術的意味が不明りょうである。
(c) 明細書特許請求の範囲および発明の詳細な説明の欄「動的に変動」の技術的意味が不明りょうである。
そこで、上記(a)〜(c)につき再度検討するに、訂正された明細書の特許請求の範囲請求項1〜22にも、また明細書発明の詳細な説明の欄にも、特許法第36条の要件に違反する不備は認められない。すなわち:
訂正後の請求項1〜22に係る各発明の要旨は本書の前記2.3(1)において認定したとおり認められるところ、各請求項の末尾「・・・バイナリーコードを発生させる装置」、発明の名称末尾「・・・2進コードの形成方法およびその装置」および発明の詳細な説明の記載の一部、たとえば【0048】「・・・CPU28は、プリンタ30に新しいマトリクス10を形成させる。」、同【0017】「・・・2進コードの形成する方法が提供される」、同【0010】ないし【0023】の【課題を解決するための手段】欄の一部「・・・2進コードの形成方法および装置」との間の文言上の差異は、それらがあるからといって、前記のとおり認定した訂正後の請求項1〜22に係る各発明の要旨を不明とするとは認められない。また、明細書各所における「・・・発生」の語がプリンタ30による印字以外により2進コードを存在させることをも意味し、かつ明細書各所における「・・・形生」の語が各請求項末尾「・・・バイナリーコードを発生させる装置」もしくは「・・・バイナリーコードを発生させる方法」における「発生」と文言上相違するからといって、そのことによって発明の理解を困難にするとも認められない。とくに、「プリンタ」が、特許請求の範囲請求項において、その文言表現によって特定されていなくとも、各請求項の「バイナリーコードを印刷する印刷手段」の意味を誤認させるおそれがあるとは認められない。さらにまた、明細書の記載中「動的に変動可能」「動的に変動するデータコード」「任意の物理的サイズの多量の情報を動的にデータコード」の記載に関して、不明りような点は、本件訂正によって解消されたと認められる。
ほか、訂正後の明細書に、特許法第36条各項の要件に違反する不備は見あたらない。

[理由B]特許法第29条の特許要件
訂正後の請求項1〜22に係る各発明と、当審が取消理由の[理由B]に引用した各刊行物に記載された発明とを対比する。なお、パリ条約による優先権主張の要件および出願分割の要件は別の項で検討する。
当審が取消理由で引用した、いずれも本件特許の原出願である特願平1-112367号においてパリ条約による優先権主張をした日である1988年(昭和63年)5月5日の前、日本国内において頒布された刊行物であることが明かな文献(イ)〜(ホ)には、次の発明の記載が認められる:
(イ) 特開昭60-27088号公報には、2進データ枠領域を設け、読み取り密度、読み取り開始位置を制御する発明が記載されている。
(ロ) 特開昭61-15290号公報には、マトリクス記憶セルの行方向列方向に位置決め基準を設けて位置ずれや角度変位があっても読み取りを行う発明が記載されている。
(ハ) 特開昭61-65375号公報には、マークコード外周枠からセル寸法、位置ずれ、傾きを計測しながら読み取る発明が記載されている。
(ニ) 実開昭58-125075号公報(および実願昭57-21665号のマイクロフィルム)には、データ外周部にスキュー検出マークを設ける発明が記載されている。
(ホ) 実開昭59-104207号公報(および実願昭57-197434号のマイクロフィルム)には、マーク先頭に記録密度データを記入し、読み取り速度を制御する発明が記載されている。
しかしながら、上記各引用文献の発明は、いずれも、前記訂正後の請求項1〜22に係る各発明が実質的にそれらの構成に欠くことができない事項とする、バイナリーコードの形状を「周囲部の第2の角部で交差する交互に配置された暗領域と明領域とから形成されるパターンで形成される線からなる第3の側部および第4の側部に設けられている」ものとする点を、各引用文献の記載によって特定するものでなく、前記の構成によって訂正後の請求項1〜22に係る各発明が生じる前記目的効果を達成するということもできない。
したがって、訂正後の請求項1〜22に係る各発明は、いずれも、上記各引用文献に記載された発明でも、各引用文献に記載された発明に基づいて当業者が容易になしえたものでもなく、また、かりに各引用文献に記載された発明を全て寄せ集めたとしても、当業者が容易に発明することができたものではない。

[理由C]特許法第29条の2の特許要件
当審は、取消理由の[理由C]として、いずれも本件特許の原出願である特願平1-112367号の特許出願の日(パリ条約による優先権主張日)前の出願であり、前記原出願の特許出願の日の後に出願公開された他の出願であって、本件の訂正後の特許請求の範囲請求項1〜22の各発明の発明者が他の出願に記載された発明の発明者と同一であるとも、また本件特許の出願時、その出願人が他の出願の出願人と同一でもない以下の出願(ヘ)および(ト)を引用した:
(ヘ) 特願昭62-232983号(特開昭64-76176号)
(ト) 特願昭62-173352号(特開昭64-86289号)
上記他の出願(ヘ)の出願当初の明細書には「識別コード読取装置」の発明が記載され、さらに検討すると、第9図に、2値コードマークを記録した識別コード紙を「表示エリヤの大小、方向(即ち、識別コードの大小、方向)の異なるものも混在しても判読できる」効果(明細書の「○効果」欄)を意図した発明が記載されており、また、2値信号マークKの領域を、X軸基線1、Y軸基線2とともに包囲するような形で、コード要素の中間にあたる白く表示された領域と交互に、中区分4を黒く表示して破線状に並べ、その外側に補助マーク5を配したものが示されている。しかし、他の出願(ヘ)のこの発明では、前記の「効果」を、X軸基線1、Y軸基線2および補助マーク5によって達成することが、明細書の開示によって認められるものの、区分マーク4を含んで形成される交互する明領域と暗領域によって達成する旨の開示は、明細書や図面のどこにもないから、他の出願(ヘ)の発明(特に、第9図に開示される前記部分)は、訂正後の請求項1〜22に係る各発明の「周囲部の第2の角部で交差する交互に配置された暗領域と明領域とから形成されるパターンで形成される線からなる第3の側部および第4の側部に設けられている」構成と同一な構成を有するということはできず、他の出願(ヘ)の発明は、訂正後の請求項1〜22に係る各発明のいずれとも同一であるということができない。
他の出願(ト)の出願当初の明細書または図面には、「識別コード紙」の発明が記載されているが、この発明もまた、訂正後の請求項1〜22に係る各発明が有する「周囲部の第2の角部で交差する交互に配置された暗領域と明領域とから形成されるパターンで形成される線からなる第3の側部および第4の側部に設けられている」構成に該当する構成を有するということができない。したがって、訂正後の請求項1〜22の各発明のいずれとも、他の出願の発明(ト)を同一であるということができない。

[理由D]特許法第29条の特許要件(パリ条約による優先権主張の要件および出願分割の要件と併せて)
当審は、取消理由の[理由D]において、本件特許の出願の願書に添付された明細書の記載事項(特に、各請求項中の「データを受信して」や「データを準備する」の文言)が、パリ条約による優先権主張の基礎とする米国特許出願の明細書に記載がない事項である場合、そのパリ条約による優先権主張を認めることができないとして、平成元年5月2日になされた特許出願の前に日本国内で頒布された刊行物である文献(チ)、(リ)を引用し、また、本件特許の前記明細書の記載事項が原出願である特願平1-112367号の出願当初の明細書に記載がない事項である場合、本件特許の出願は、旧特許法第44条第1項に規定する分割出願と認められないとして、願書の提出日である平成6年8月22日(出願日)前に日本国内で頒布された刊行物である文献(チ)、(リ)および(ヌ)を、それぞれ引用した:
(チ) 特開平2-12579号公報(原出願を平成2年1月17日に出願公開した公報)
(リ) 特開昭64-76176号公報([理由C]の他の出願(ヘ)を昭和64年3月22日出願公開した公報)
(ヌ) 特開昭64-86289号公報([理由C]の他の出願(ト)を昭和64年3月30日出願公開した公報)。
取消理由を再度検討するに、本件特許の特許出願が、パリ条約による優先権主張の要件および旧特許法第44条第1項に規定する出願分割の要件に適合するかについては、訂正後の請求項1〜22に係る各発明を特定する事項が、パリ条約による優先権の基礎となる第1国出願の明細書に記載された事項および原出願の出願当初の明細書に記載された事項でなければならないが、明細書の文言表現が形式的に同一であることは要しない。
そこで、本件特許明細書における「データを受信して」や「データを準備する」についてみると、パリ条約による優先権の基礎となる第1国出願の明細書および原出願の出願当初の明細書には、形式的に同一の文言の記載はないが、パリ条約による優先権の基礎となる第1国出願の明細書のたとえば第16頁のクレーム24に「converting the data to be contained within the code」と記載され、また原出願の出願当初の明細書(特開平2-12579号公報)のたとえば第4頁左下欄にも「コードに含まれるべきデータを2進形態に変換する」の記載が認められ、これらは同じ意味内容である。そして、訂正後の請求項1〜22に係る各発明は、「データを受信」すること自体や「データを準備する」こと自体によって発明を特定するのであり、それらのための技術手段の細部を各発明の要旨とするのではない。そうすると、「データを受信」、「データを準備する」は、いずれの文言も、データを変換する装置または同方法における変換の過程に必然的に伴う事項を、単に包括的に表現して記載したものにすぎないと言うべきであるから、パリ条約による優先権の基礎とする米国出願に記載された範囲であり、かつ原出願である特願平1-112367号の出願当初の明細書に記載された範囲であると認められる。なお、ほかに、訂正後の明細書において、パリ条約による優先権主張の要件および出願分割の要件に違反する点は見あたらない。
したがって、文献(チ)、(リ)および(ヌ)は、いずれも、本件特許の特許出願前(パリ条約による優先権主張日前)に頒布された刊行物として取り扱うべきものでないから、訂正後の請求項1〜22に係る各発明が特許法第29条に規定する特許要件を有しないことの根拠とすることができない。

(3)他の独立特許要件違反
以上のほか、当審において平成12年4月20日および平成12年11月27日付けで通知した取消理由を再度検討し、さらに他の特許要件違反について吟味しても、訂正後の請求項1〜22に係る各発明が、その特許出願時に独立して特許を受けることができないとする理由は見あたらない。

4.本件訂正の適否の結論
以上に検討したとおり、本件訂正は、特許請求の範囲の減縮または明りようでない記載の釈明を目的とするものである。また、訂正によって願書に添付された明細書に追加される新規事項はなく、特許請求の範囲を実質的に拡張・変更するものでもない。さらに、訂正後の請求項1〜22に係る各発明が、その特許出願の際独立して特許を受けることができないとする理由はない。したがって、本件訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成六年法律第百十六号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、平成11年改正前の特許法第百二十条の四第三項において準用する、上記平成六年法律第百十六号による改正前の特許法第百二十6条第1項ただし書き、第二項及び第三項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

第3.特許異議申立人日本アイディーテック株式会社による申立て
本件特許発明の要旨は、特許権者が平成12年12月25日付けで請求した訂正が認められる結果、先に、本書の第2.3.(1)において、訂正後の請求項1〜22に係る各発明の要旨として認定したとおりである。そして、特許異議申立人が主張する申立の理由についての当審の判断は、次の1.〜4.のとおりである。

1.特許法第29条の特許要件(パリ条約による優先権主張を認めないことを前提として)
特許異議申立人は、本件特許発明は、甲第1号証の存在により新規性進歩性を欠如するとし、同証と併せて次の証拠を提出した:
・甲第1号証:特開昭64-76176号公報(昭和64年3月22日公開)
・甲第3号証:特開昭60-27088号公報(昭和60年2月12日公開)
・甲第4号証:特開昭61-15290号公報(昭和61年1月23日公開)
・甲第5号証:特開昭61-65375号公報(昭和61年4月3日公開)
・甲第6号証:特開平2-12579号公報(平成2年1月17日公開)
・甲第7号証:特開平7-168902号公報(平成7年7月4日公開)。
証拠中、甲第1号証、甲第6号証は、本書の第2.3.(2)[理由D]に文献(リ)、同(チ)として検討したものであり、本件特許の出願(パリ条約による優先権主張日)前頒布された刊行物ではない。
甲第3号証〜甲第号5証は、本書の第2.3.(2)[理由B]に文献(イ)、(ロ)および(ハ)として検討したものであり、本件特許の出願がパリ条約による優先権主張日前、訂正後の請求項1〜22に係る各発明の新規性進歩性を欠如する根拠となるものではなく、また、本件特許がその特許出願におけるパリ条約による優先権を有しない根拠となるものでもない。

2.特許法第29条の特許要件(分割出願と認められないことを前提として)
特許異議申立人は、本件特許の特許出願において分割出願の要件が認められないことを前提として、本件特許発明は、甲第1号証および甲第6号証の1によって新規性進歩性を有しないとし、それらと併せて次の証拠を提出した:
・甲第1号証:特開昭64-76176号公報(昭和64年3月22日公開)
・甲第3号証:特開昭60-27088号公報(昭和60年2月12日公開)
・甲第4号証:特開昭61-15290号公報(昭和61年1月23日公開)
・甲第5号証:特開昭61-65375号公報(昭和61年4月3日公開)
・甲第6号証の1:特開平2-12579号公報(平成2年1月17日公開)
・甲第6号証の2:原出願および本件特許の出願のパリ条約による優先権主張の基礎となる米国出願の明細書
・甲第6号証の3:特願平1-112367号公報(原出願)の出願当初の明細書および図面(公開公報)
・甲第7号証の1:特開平7-168902号公報(平成7年7月4日公開)。
証拠中、甲第1号証、甲第6号証の1、同2は、本書の第2.3.(2)[理由D]に文献(リ)、同(チ)について検討したとおり、本件特許の出願(パリ条約による優先権主張日)前頒布された刊行物ではない。
甲第3号証〜甲第5号証は、本書の第2.3.(2)[理由B]に文献(イ)、(ロ)および(ハ)として検討したものであり、それら自体によって本件特許の出願がパリ条約による優先権主張日前、訂正後の請求項1〜22に係る各発明が新規性進歩性を欠如する根拠とすることができるものではなく、また、甲第1号証、同第6号証の1〜3および甲第7号証の1と併せて、各発明の新規性進歩性欠如の根拠とすることができるものでもない。

3.特許法第29条の2の特許要件
特許異議申立人は、甲第1号証、甲第2号証によって、本件特許はその発明が特許法第29条の2の特許要件を欠くと主張した:
・甲第1号証 特願昭62-232983号(特開昭64-76176号、公開昭和64年3月22日)
・甲第2号証 特願昭62-173352号(特開昭64-86289号、公開昭和64年3月30日)。
しかしながら、両証拠は、本書の第2.3.(2)[理由C]において他の出願(ヘ)、(ト)として検討したものであり、訂正後の請求項1〜22に係る各発明が特許法第29条の2に規定する特許要件を欠くことの根拠となるものではない。

4.特許法第36条
特許異議申立人は、本件特許の明細書が記載不備である理由として、(a)〜(c)の点を主張した:
(a) 特許請求の範囲と明細書本文との不一致がある。
請求項は「バイナリーコードを発生」とあるのに対し、発明の名称では「形成方法」と、また発明の詳細な説明の欄では「コードの形成」などと記載されている。
(b) (発明の詳細な説明の欄に)「形成方法」以外の発明も記載しており、発明の解決手段が不明である。
(c) (特許請求の範囲に)明細書本文に記載のない事項がある。
しかしながら、上記主張は、いずれも本書の第2.3.(2)[理由A]について検討し、訂正後の明細書の不備は認められないと判断したものである。

第4.特許異議申立人中野辰博による申立理由
本件特許発明の要旨は、特許権者が平成12年12月25日付けで請求した訂正が認められる結果、先に、本書の第2.3.(1)において、訂正後の請求項1〜22に係る各発明の要旨として認定したとおりである。そして、特許異議申立人が主張する申立の理由についての当審の判断は、次の1.〜2.のとおりである。

1.特許法第29条の2の特許要件
特許異議申立人は、異議申立理由の証拠として、甲第1号証を挙げるとともに、甲第1号証第9図右側(左側の誤記)に示す「2進コード」は、マトリックス領域を包囲する第1の側部、第3の側部を実線とし、第3の側部および第4の側部を破線パターンで構成し且つマトリックス領域のデータ数と関連する数の明と暗とを交互に位置することでより破線パターンを構成することを開示している旨主張した:
・甲第1号証:特開昭64-76176号(特願昭62-232983号)。
しかしながら、甲第1号証および申立人の上記主張については、本書の第2.3.(2)[理由C]において、他の出願(ヘ)として検討したとおりであり、本件訂正後の請求項1〜22に係る各発明は、いずれも甲第1号証他の出願の出願当初の明細書又は図面に記載された発明ではない。

2.特許法第36条明細書記載要件
特許異議申立人は、本件特許が明細書の記載要件を満たしていない理由として、以下の(a)〜(c)の点を主張した:
(a) 特許請求の範囲における明細書本文との記載の不一致ないしは明細書本文記載がない事項として「・・・バイナリーコードを発生させる装置」とあるのに対して明細書本文は、プリンタ30によりマトリクス10を形成することを開示するものであり、「プリンタ30による印字にる2進コードの形成」に関する。「発生」はプリンタ30にる印字以外により2進コードを存在させることを意味するおそれがあり、明細書本文にない事項を特許請求の範囲の構成要件とする。
(b) 明細書本文に「2進コードのサイズと密度を測定する方法」「バイナリーコードを読み出す装置(方法の誤記)およびその装置」が記載されている。
(c) 日本語として理解困難な記載が存在するとして、【特許請求の範囲】「動的に変動可能」、【0049】「動的に変動するデータコード」、【0050】「任意の物理的サイズの多量の情報を動的にデータコード(エンコードの誤記)」は理解困難である。
しかしながら、上記主張は、いずれも本書の第2.3.(2)[理由A]について検討し、訂正後の明細書の不備とは認められないと判断したものである。

第6.むすび
以上のとおりであるから、両特許異議申立人による申立の理由及び証拠によっては、訂正後の請求項1〜22に係る各発明の特許を取り消すことはできない。
また、他に各発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
機械が光学的に読取り可能な2進コードの形成方法及びその装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 マトリックス及び該マトリックスに含まれるデータ要素の大きさと密度に関して動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置で有って、当該装置は、
データを受信して、当該受信データに応答して該バイナリコードを形成する複数個のデータ要素を発生させる為の処理手段と、
変動する数を持つデータ要素からなる該コードを構成する複数の該データ要素からなる二次元的アレーを形成し、且つデータマトリックス領域を構成する為の処理手段と、
少なくとも第1の角部で交差する実線部からなる2つの側部を有する周囲部を構成する為の処理手段と、
当該マトリックス領域に含まれる当該データ要素の物理的サイズを決定する為のサイズ表示手段で有って、該サイズ表示手段は、当該データマトリックス領域の位置とは独立して配置されており、前記周囲部の第2の角部で交差する交互に配置された暗領域と明領域とから形成されるパターンで形成される線からなる第3の側部および第4の側部に設けられているサイズ表示手段を発生させる処理手段及び、
対象物上に当該バイナリコードを印刷する印刷手段とが設けられている事を特徴とする動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置。
【請求項2】 当該サイズ表示手段を発生させる手段は、該周囲部に当該サイズ表示手段を形成させるものである事を特徴とする請求項1記載の動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置。
【請求項3】 当該装置は更に、当該マトリックス領域に含まれる当該データ要素のオリエンテーションを表示するオリエンテーション表示手段を発生させる処理手段が設けられている事を特徴とする請求項1記載の動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置。
【請求項4】 マトリックス及び該マトリックスに含まれるデータ要素の大きさと密度に関して動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置で有って、該装置は、データを受信して、当該受信データに応答して該バイナリコードを形成する複数個のデータ要素を発生させる為の処理手段と、
変動する数を持つデータ要素からなる該コードを構成する複数の該データ要素からなる二次元的アレーを形成し、且つデータマトリックス領域を構成する為の処理手段と、
少なくとも第1の角部で交差する実線部からなる2つの側部を有する周囲部を構成する為の処理手段と、
当該マトリックス領域に含まれる当該データ要素の密度を決定する為の密度表示手段で有って、該密度表示手段は、当該データマトリックス領域の位置とは独立して配置されている密度表示手段であって、前記周囲部の第2の角部で交差する交互に配置された暗領域と明領域とから形成されるパターンで形成される線からなる第3の側部および第4の側部に設けられている密度表示手段で且つ当該データマトリックス領域に含まれるデータ要素の数を表す関数である密度表示手段を発生させる処理手段及び、
対象物上に当該バイナリコードを印刷する印刷手段とが設けられている事を特徴とする動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置。
【請求項5】 当該装置は、更に当該データマトリックス領域内に於いて該データマトリックス領域内に配列されている当該データ要素の分布パターンを表示する表示手段を有している事を特徴とする請求項1乃至4の何れかに記載の動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置。
【請求項6】 当該サイズ表示手段を発生させる為の処理手段は、該サイズを示す表示手段を当該周囲部に設けるもので有って、且つ該サイズを示す表示手段を当該周囲部の第1の角部に於いて互いに交差する当該周囲部の第1の側部と第2の側部とを何れも実線部で構成する事により提供するものである事を特徴とする請求項1乃至3の何れかに記載の動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置。
【請求項7】 当該周囲部の第1の側部と第2の側部は、それぞれ第1の長さと第2の長さとを個別に有している事を特徴とする請求項6記載の動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置。
【請求項8】 当該密度表示手段を発生させる為の処理手段は、該密度表示手段を当該周囲部に設けるもので有って、且つ該密度表示手段を、当該周囲部の第2の角部に於いて互いに交差する当該周囲部の第3の側部と第4の側部とを、何れも交互に配列された暗領域と明領域とから形成されるパターンを有する線で形成する事により提供するものであり、更に当該第3の側部に於ける交互に配列された暗領域と明領域の数と、該第4の側部に於ける交互に配列された暗領域と明領域の数との積が、当該マトリックス領域に含まれるデータ要素の密度に対応するようになっている事を特徴とする請求項4に記載のマトリックス及び該マトリックスに含まれるデータ要素の大きさと密度に関して動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置。
【請求項9】 当該サイズ表示手段を発生させる為の処理手段は、受信された当該データマトリックス領域内で使用されるべきデータ要素の総数に関連して、当該第1の側部と第2の側部に於ける、第1の長さと第2の長さとをそれぞれ個別に決定する為の手段を含んでいる事を特徴とする請求項7記載の動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置。
【請求項10】 当該密度表示手段を発生させる為の処理手段は、受信された当該データマトリックス領域内で使用されるべきデータ要素の総数に関連して、当該周囲部を構成する第3の側部に於ける交互に配列された暗領域と明領域の数と、当該周囲部を構成する第4の側部に於ける交互に配列された暗領域と明領域の数をそれぞれ個別に決定する為の手段を含んでいる事を特徴とする請求項8記載の動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置。
【請求項11】 当該密度表示手段を発生させる為の処理手段は、正方形状を有するデータマトリックス領域が使用される場合に於いて、当該周囲部に於ける第3の側部又は第4の側部の少なくとも一方に於ける交互に配列された暗領域と明領域の数を決定する為に、受信された当該データマトリックス領域内で使用されるべきデータ要素の総数の数の平方根の値を丸めて整数にする為の手段を更に有している事を特徴とする請求項10記載の動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置。
【請求項12】 マトリックス及び該マトリックスに含まれるデータ要素の大きさと密度に関して動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置で有って、当該装置は、データを受信し、該受信データに応答してバイナリコードを形成する可視セルを発生させる処理手段を含んでおり、該可視セルは、該周囲部内に配置されているマトリックスとして形成されるデータを表示するものであり、当該データはデータセルの形に形成され、該データセルのサブセットは単一の2進文字を代表するものであり、該データセルは当該マトリックス内に於けるデータに付いての単一の2進文字を表示する為冗長性を以て設けられており、当該コードは、周囲部の第1の角部で互いに交差しそれぞれ第1と第2の長さを持ち、実線として形成された当該周囲部の第1の側部と第2の側部を有し、更に、前記周囲部の第2の角部において互いに交差する当該周囲部の第3の側部と第4の側部とが、何れも交互に配列された暗領域と明領域とから形成されるパターンを有する線で形成されており、当該第3の側部における交互に配列された暗領域と明領域の数と、該第4の側部における交互に配列された暗領域と明領域の数との積が、当該データマトリックスに含まれるデータ要素の数に対応するようになっており、且つ当該コードは、当該データ要素に関する第1のデータ配列パターンを含んでいる読み取り可能なコードであり、
且つ該バイナリコードを所定の対象物に印刷するための印刷手段を有している事を特徴とする動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置。
【請求項13】 周囲部と該周囲部内で二次元的なデータマトリックス領域に配列されたコード化されたデータを表す複数個のデータ要素からなり、当該コードは該データマトリックスのサイズを表示する表示手段を含んでいる動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる方法であって、当該方法は、
コードに符号化されるべきデータを準備する工程、
符号化された供給データを表示するのに必要なデータ要素の数に付いての第1の数値を決定する工程、
当該データ要素に関する第1の数を含ませる為に、形成されるべき当該コードに関するデータマトリックスのサイズを決定する工程、
決定されたコードのサイズに対応する該周囲部の第1の側部の長さと第2の側部の長さを計算する工程、
符号化されるべきコードを符号化し、当該データ要素に関する第1の数を形成する工程、
当該データ要素に関する第1の数に対応する二次元的アレーとして読み取り可能なコードであって、且つ、当該データ要素に関する第1のデータ配列パターンを含み、更に、第1の角部で互いに交差し実線として形成された、それぞれ第1と第2の長さを有する第1の側部と第2の側部と、第2の角部で交差し、それぞれが交互に配列された暗領域と明領域とからなるパターンを有する線で形成される第3と第4の側部を有し、当該第3の側部における交互に配置された暗領域と明領域の数と、当該第4の側部における交互に配置された暗領域と明領域の数との積が、当該データマトリックスに含まれるデータ要素の数を表す周囲部とを含んでいる読み取り可能なコードを形成する工程、
とから構成されているマトリックス及び該マトリックスに含まれるデータ要素の大きさと密度に関して動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる方法。
【請求項14】 周囲部と該周囲部内で二次元的なデータマトリックス領域に配列されたコード化されたデータを表す複数個のデータ要素からなり、該データマトリックスのサイズを表示する表示手段を含んでいる動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる方法であって、当該方法は、
コードに符号化されるべきデータを準備する工程、
符号化された供給データを表示するのに必要なデータ要素の数に付いての第1の数値を決定する工程、
当該決定されたデータ要素に対する第1の数に対して密度を計算する工程、
当該周囲部の第2の角部で交差する当該周囲部の第3と第4の側部を、交互に配列された暗領域と明領域とで構成された線でそれぞれ構成する工程、
当該第3の側部に於ける交互に配列された暗領域と明領域の数と、該第4の側部に於ける交互に配列された暗領域と明領域の数とを計算し、それによって該第3の側部に於ける該暗領域と明領域の数と、該第4の側部に於ける該暗領域と明領域の数との積が、当該マトリックス領域に含まれる第1の数を持つデータ要素の密度に対応するように構成する工程、
符号化されるべきコードを符号化し、当該データ要素に関する第1の数を形成する工程、
当該データ要素に関する第1の数に対応する二次元的アレーとして読み取り可能なコードであって、当該データ要素に関する第1のデータ配列パターンを含み、更に、第1の角部で交差する実線で構成される第1の側部と第2の側部、および、第2の角部で交差し、それぞれが交互に配列された暗領域と明領域を持つ第3と第4の側部を有する周囲部とを含んでいる読み取り可能なコードを形成する工程、
とから構成されているマトリックス及び該マトリックスに含まれるデータ要素の大きさと密度に関して動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる方法。
【請求項15】 当該第3と第4の側部は、互いに同一な交互に配列された暗領域と明領域からなるパターンを有しており、各側部はそれぞれ、該マトリックス領域に配列されるべき該データ要素に関する第1の数に対する平方根の値を、それに最も近接した整数値に置換した(丸めた)値に対応する数の当該暗領域と明領域とを交互に配列する工程とから構成されている事を特徴とする請求項14記載の動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる方法。
【請求項16】 該データを符号化する符号化工程は、更に当該データを復号する際に使用するキーパターンと共にデータを符号化する工程、分散化されたデータを読み込んだ際に、該キーパターンを使用することにより復号化する事が出来る様な方法で当該データを分散化する工程、及び当該キーパターンを用いて読み取り可能なコードを発生させる工程とを含んでいる事を特徴とする請求項13乃至15の何れかに記載の動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる方法。
【請求項17】 該データを符号化する符号化工程は、更に、該コード内に於いて当該データ表示するのに必要な最大限の変形の数を計算する工程と当該変形の数を発生させるのに必要な当該データ要素に付いての最小限の第1の数を決定する工程とを含んでいる事を特徴とする請求項13乃至15の何れかに記載の動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる方法。
【請求項18】 該データを符号化する符号化工程は、更に、該コードの周囲部内に於いて予め定められたパターンに沿ってデータ要素を構成する工程を含んでいる事を特徴とする請求項13乃至15の何れかに記載の動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる方法。
【請求項19】 該データを符号化する符号化工程は、更に、当該予め定められたパターンを符号化する為も情報を含んでいる分布キーを用いてコードを形成する工程を含んでいる事を特徴とする請求項13乃至15の何れかに記載の動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる方法。
【請求項20】 該データを符号化する符号化工程は、更に、ユーザにより該コード化された周囲部のサイズを決定する工程、当該サイズを選択する工程及び当該選択されたサイズと符号化されるべきデータとに基づいて当該データ要素のサイズを調整する工程とを含んでいる事を特徴とする請求項13乃至15の何れかに記載の動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる方法。
【請求項21】 マトリックス領域内に含まれるデータの密度と該マトリックス領域のサイズとを表示する周囲部を持ったマトリックス領域を構成する動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なコードを発生させる方法であって、当該方法は、
コードに含まれるデータをバイナリ形式に変換する工程、
当該マトリックス領域内に於いてバイナリコード情報を表すのに必要な可視セルの数を決定する工程、
形成されるべきマトリックス領域のサイズを決定する工程、
当該マトリックス領域の周囲部を構成する第1の側部を実線状の暗部として形成すると同時に当該マトリックス領域の周囲部を構成し該第1の側部と該周囲部の第1の角部で交差する第2の側部を実線状の暗部として形成すると共に、当該各側部の長さは、該マトリックス領域を表示するのに必要な側部の長さから決定される工程、
該バイナリコード内に含まれるデータを表示するのに必要な可視セルの数を平方根を計算し、当該平方根の値に最も近接した整数値に置換した(丸めた)値を計算する工程、
当該マトリックス領域の周囲部を構成する該第3の側部を、交互に配列された暗領域と明領域とで構成された破断線のパターンを有する線で構成し、当該第3の側部に於ける、交互に配列された暗領域と明領域の総数が、当該マトリックス領域内に含まれるべき可視セルの数の平方根の値を最も近接した整数値で置換した(丸めた)値と等しくなる様に構成する工程、
当該マトリックス領域の周囲部を構成する該第3の側部と第2の角部で交差する該第4の側部を、該第3の側部と同一の破断線状のパターンに形成する工程、
該第1側部から該第4の側部により当該マトリックス領域の周囲部を形成する工程、
当該マトリックス領域に係る該周囲部内に可視セルパターンとしてバイナリコードを生成する工程とから構成されたマトリックス及び該マトリックスに含まれるデータ要素の大きさと密度に関して動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる方法。
【請求項22】 周囲部と該周囲部内で二次元的なデータマトリックス領域に配列されたコード化されたデータを表す複数個のデータ要素からなり、当該コードは該データマトリックスのサイズを表示する表示手段を含んでいる動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる方法であって、当該方法は、
コードに符号化されるべきデータを準備する工程、
符号化された供給データを表示するのに必要なデータ要素の数に付いての第1の数値を決定する工程、
当該決定されたデータ要素に対する第1の数に対して密度を計算する工程、
当該密度に対応し当該密度を表示する密度パターンを発生させる工程、
符号化されるべきコードを符号化し、当該データ要素に関する第1の数を形成する工程、
当該データ要素に関する第1の数に対応する二次元的アレーとして読み取り可能なコードであって、第1の角部で互いに交差し実線として形成された、それぞれ第1と第2の長さを有する第1の側部と第2の側部と、第2の角部で交差し、それぞれが交互に配列された暗領域と明領域とからなるパターンを有する線で形成される第3と第4の側部を有し、当該第3の側部における交互に配置された暗領域と明領域の数と、当該第4の側部における交互に配置された暗領域と明領域の数との積が、当該データマトリックスに含まれるデータ要素の数を表す周囲部とを含んでいる読み取り可能なコードを形成する工程、
当該コードの、該データ要素に関する第1のデータ配列パターン位置とは異なる位置に、該密度パターンを配置させる工程、
とから構成されているマトリックス及び該マトリックスに含まれるデータ要素の大きさと密度に関して動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、機械によって光学的に読取ることができる2進コード(binary code)、特に、動的変動を可能とする2進コードに関する。
【0002】
【従来の技術】
光学的に読取ることができるコードは、本技術分野において公知である。かかるコードの1つとして、黒および白の方形(square)の形態で情報を表わす「チェッカーボードシンボル」(”checker board symbol”)として形成されるものがある。チェッカーボードマトリックスに含まれる各方形は、他の方形と同じサイズを有している。更に、マトリックスに含まれる方形の数とサイズは、予め定められているので、データを受け、或いは作るコンピュータは、マトリックスに含まれる、プリセットされたサイズを有する特定数の方形を予測する。従って、このコードは、満足のいくものではなかった。このコードは、走査コンピュータのソフトウェアを再プログラム化するという介在操作(intervention)を行なうことなく使用者の要求を満たすようにデータ容量を動的に拡張または収縮することができない。従って、コードの使用者は、ソフトウェアシステムの組込みに先立って、データ要件を識別しなければならない。また、各方形のサイズを全く同じにするとともに、方形の数を予め定めなければならないので、走査コンピュータは、予測されるマトリックスサイズに関してプリセットして、使用者を各スキャナに関して単一の、サイズが決められたチェッカボードコードに限定しなければならない。そのため、複数のコードスキャナと、それぞれ異なったサイズに形成され、異なった密度を有するコードを分離するシステムが必要となる。
【0003】
コードと組合された表示手段(indicia)を使用して、コードのサイズに関してコンピュータに情報を与えることにより上記した欠点を除去するようにしたコードが、本技術分野において知られている。このようなコードの一例が、カードにボックス状に組立てられたデータを光学的に読出すようにした技術を開示する米国特許第3,763,467号に記載されている。このカードの周辺には、2つの欄規定マーク(field defining mark)が施されており、このマークは、ボックスの前縁と後縁に配置されて、ボックスに記憶されている2進コード10進データを含む欄の大きさを示すようになっている。周縁を形成するボックス内の第1行のデータは、ボックス内のどの列が読取られるべきであるかを識別するフォーマット情報を含む。このコードは、密度およびサイズの点で問題があるので、満足することができるものではない。欄の大きさが可変であるとしても、欄内の文字の実際の大きさは可変ではないので、欄のサイズはより小さいものとなり、記憶される情報の量は一層少なくなる。更に、読取ろうとするサイズの表示は、走査装置が受けて理解するためには、特定の場所になければならない。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
従って、上記した先行技術の問題点を解決することができる、2進コード(バイナリコード)を光学的に読取ることができる動的変動装置(dynamically variable machine)及びかかる装置を製造する方法を提供することが待望されている。
【0005】
従って、本発明の目的は、光学的に読取ることができる改良された2進コードを提供することにある。
本発明の別の目的は、走査コンピュータが、記号(symbol)に含まれるデータの実際の物理的なサイズ(physical size)またはボリューム(volume)とは関係なく、エンコードつまり符号化された(encoded)情報を独立して認識し、理解しかつ情報に作用することができるようにした光学的に読取ることができる2進コードを提供することにある。
【0006】
本発明の別の目的は、スキャナに対する記号の角度配向に関係なく、読取りかつ処理することができる、光学的に読取ることができる2進コードを提供することにある。
本発明の更に別の目的は、任意の物理的サイズの多量の情報を動的にエンコードすることができる、光学的に読取ることができる2進コード(バイナリコード)を提供することにある。
【0007】
本発明の更に別の目的は、コードの物理的サイズ、データ密度あるいはコードのリーダ(reader)に対する回転角に関係なく、コンピュータがコードに含まれる情報を独立して認識しかつデコード(復号)する(decode)ことができるようにした、光学的に読取ることができる2進コードを提供することにある。
【0008】
本発明の更に別の目的は、使用者を煩わせることなく、コードマトリックスの密度を動的に定めかつコンピュータにより発生させることができるようにした、光学的に読取ることができる2進コードを提供することにある。
本発明の更に別の目的は、エンコードされているデータのボリュームとともにコードの物理的サイズの選択に関して使用者に絶対的な制御を与えるようにした、光学的に読取ることができる2進コードおよびかかるコードの測定方法並びに読み取り方法に関する処理方法を提供することにある。
【0009】
本発明の更に別の目的と利点は、一部は自明であり、一部は明細書および図面の記載から明らかになるものである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明によれば、情報のサイズ、フォーマットおよび密度(density)が動的に変動することができる光学的に読取り可能な2進コードが提供されている。
即ち、本発明に係るバイナリコードは、基本的には、コード化された情報を表示する複数のデータ要素が二次元的アレーの状態に配置されて構成されたマトリックス領域と当該マトリックス領域を取り囲む周囲部とを含み、当該周囲部は当該コードの物理的サイズを表す表示手段を含んでおり、且つ該サイズを示す表示手段は当該周囲部の第1の角部に於いて互いに交差する当該周囲部の第1の側部と第2の側部とを含んでおり、然かも該第1の側部と第2の側部とは何れも実線部で構成され且つそれぞれ第1の長さと第2の長さとを有している動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードであり、又他の態様としては、コード化された情報を表示する複数のデータ要素が二次元的アレーの状態に配置されて構成されたマトリックス領域と当該マトリックス領域を取り囲む周囲部とを含み、当該周囲部は当該コードの物理的サイズを表す表示手段を含んでおり、且つ該コードは、当該マトリックス領域に含まれるデータ要素の数が変化しえる様に構成されたものであり、更に当該コードのマトリックス領域に含まれるデータ要素の密度を表示する密度表示手段が含まれている動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードで有って、具体的には、例えば、該密度表示手段は、該周囲部に含まれており、該周囲部は、当該周囲部の第3の側部と第4の側部とを含んでおり、且つ該第3と第4の側部のそれぞれは、交互に配列された暗領域と明領域とから形成されるパターンを有する線として形成されており、更に当該周囲部に配置された該第3の側部に於ける暗領域と明領域の数と、当該周囲部に配置された該第4の側部に於ける暗領域と明領域の数との積が、当該データマトリックス領域に含まれるデータ要素の密度に対応するように構成されている動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードである。
【0011】
本発明に係る該動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを構成する周囲部に於ける第3と第4の側部は、交互する暗領域と明領域からなる同じ濃淡パターンからそれぞれ形成されたものであっても良く、又該第3と第4の側部に於けるそれぞれの濃淡パターンは互いに異なるものであっても良い。つまり、第3と第4の側部のそれぞれに与えられる、外観的には破線状パターンに見える濃淡パターンは、例えば交互する暗領域と明領域の数、或いは交互する暗領域と明領域の配列順序等を互いに異なるものとしても良い。
【0012】
又、当該周囲部を構成する第1の側部と第2の側部は、暗領域が連続して形成された実線部で構成され、当該第1の側部と第2の側部のそれぞれの長さは、互いに同一で有っても良く又異なるものであっても良く、当該実線は当該バイナリコードの長さ、高さに対応する。
コードの周囲部に含まれる情報は、一回または複数回表われることができ、記録される情報に冗長度(redundancy)を提供する。この情報はまた、マトリックス内の複数のパターンに記憶することができる。
【0013】
コードは、光学スキャナによって読取られ、黒の実線を測定することにより、マトリックスの物理的サイズが定められる。周囲部の他の側部の濃淡パターンを操作することにより、マトリックスに含まれる情報の量を定めることができる。次に、コンピュータが、走査されているマトリックスのサイズと密度の双方を独立して定めることができる。
【0014】
従って、本発明の一の観点によれば、周囲部を有するマトリックスを形成するデータからなり機械が光学的に読取り可能な2進コードにおいて、前記周囲部はマトリックスに含まれるデータの密度を定める密度表示手段を備え、データの密度を示す密度表示手段は周囲部の第3の側部と第2のコーナにおいて交差する周囲部の第4の側部とを備え、周囲部の各側部は交互する複数の暗領域と明領域とから形成される同じ濃淡パターンから形成され、第3の側部の前記明領域と暗領域の数と第4の側部の明領域と暗領域の数との積は周囲部11に囲まれて形成されたマトリックス領域10に含まれるデータ要素19の密度と対応することを特徴とする、機械が光学的に読取り可能な2進コードが提供されている。
【0015】
本発明の別の観点によれば、第1乃至第4の側部を有する周囲部11を備えたマトリックス領域を形成し、第1と第2の側部は互いにその長さを等しくするか互いに異ならせた長さを有するとともに第1のコーナで交差する実線から形成され、第3および第4の側部は交互する暗領域と明領域とから形成される同じ若しくは互いに異なる濃淡パターンから形成されており、第3および第4の側部は第2のコーナにおいて交差しかつマトリックス領域10に含まれるデータ要素19の密度に対応する様に成っている、動的に変動し機械が光学的に読取り可能な2進コードのサイズと密度を測定する方法が提供されている。
【0016】
この方法は、光学スキャナを用いて2進コード(バイナリコード)を走査してマトリックス領域10と該マトリックス領域10を包囲する周囲部領域11とを含む視野を一連の電子インパルスに変換する工程と、電子インパルスを視野の像に対応する一連の電子データビットに変換する工程と、コンピュータのメモリに視野のビットマップ像を形成する工程と、視野のビットマップ像内にマトリックスを配置するとともに周囲部の第1および第2の側部の長さを測定する工程と、第3の側部の明領域と暗領域の数と第4の側部の明領域と暗領域の数との積を測定する工程とを備えることを特徴とする構成を備えている。
【0017】
本発明の更に別の観点によれば、周囲部を有するマトリックスデータからなり、マトリックスに含まれるデータの密度とマトリックスのサイズとを示す動的に変動し機械が光学的に読取り可能な2進コードを形成する方法が提供されている。この方法は、コードに含まれるべきデータを2進形態に変換する工程と、マトリックス内で2進コード化された情報を示すのに必要な可視セルの数を定める工程と、使用されるマトリックス領域10の形状が正方形である場合には、2進コードに含まれるデータを示すのに必要な可視セルの数の、全体数(whole number)に丸められる平方根を算出工程と、例えば第3の側部若しくは第4の側部の何れかにおける暗領域の明領域の合計数(total number)がマトリックス領域19に含まれるべき可視セルの総数に付いて平方根を算出し、当該平方根の値が整数の時はその値を、又当該平方根の値が整数でない場合には、該データマトリックス領域10に含まれる可視セル20、22の数の総数の平方根を、当該平方根値よりも大きく、且つ最もそれに近接した整数値に変換した(丸められる(rounded))値と等しくなるように、交互する暗領域と明領域から形成される破線からなるマトリックスの周囲部の第3の側部を形成する工程と、第3の側部と同じ濃淡パターンから形成されるマトリックスの周囲部の、第2のコーナで第3の側部と交差する第4の側部を形成する工程と、形成されるべきマトリックスの領域10を定める工程と、マトリックスの周囲部11の第1の側部を暗実線として形成しかつマトリックスの周囲部の第2の側部を暗実線として形成する工程と、該マトリックス領域10の周囲部11内に可視セルのパターンとして2進コードを形成する工程とを備え、前記第1と第2の側部は第1のコーナで交差し、かつ、前記長さはマトリックスの定められた領域を示すのに必要な線の長さから定められることを特徴とする構成を備えている。
【0018】
勿論、本発明に於ける該動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードは、そのマトリックス領域10が正方形に特定されるものではなく、通常の矩形でもよく、平行四辺形或いは菱形等の形状を使用する事が可能である。
此処で、当該マトリックス領域10として矩形或いは、平行四辺形が使用された場合には、当該周囲部領域11を構成する第1と第2の側部を構成する実線部12の長さはそれぞれ互いに異なるもので有っても良く、又第3と第4の側部を構成する交互する暗領域と明領域からなる濃淡パターンは、互いに異なるもので有っても良い。
【0019】
つまり、当該マトリックス領域10として矩形或いは、平行四辺形が使用された場合には、当該マトリックス領域10に含まれるデータ要素19の総数あるいは、必要なセルの数は、該周囲部領域11を構成する該第3と第4の側部14にそれぞれ形成された交互する暗領域と明領域の数を乗算する事により求める事が可能である。
【0020】
即ち、本発明に於けるバイナリコードに於いて、データ要素が記録されるマトリックス領域が、矩形状である場合には、当該第3と第4の側部をそれぞれ構成する交互する暗領域と明領域の数を個別にカウントしてそのカウント値を乗算する事により、当該マトリックス領域に含まれているデータ要素或いはセルの数を確認する事が可能であり、又逆に、当該マトリックス領域内に含ませたい最大の数のデータ要素が判っている場合には、当該データ要素総数若しくは当該総数よりも大きな数値を選択し、所定の整数を該第3と第4の側部に振り分けて所定の矩形状を持つマトリックス領域を形成させる事が可能である。
【0021】
本発明に係る動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードに於ける密度或いはサイズの測定方法の基本的な技術構成を例を以下に示しておく。
即ち、本発明に係るバイナリコードに於ける密度或いはサイズの測定方法の第1の態様としては、コード化された情報を表示する複数のデータ要素が二次元的アレーの状態に配置されて構成されたマトリックス領域と当該マトリックス領域を取り囲む周囲部とを含み、当該コード化された情報は光学的に読取り可能な暗領域と明領域とから形成されており、当該周囲部は当該周囲部の第1の角部で交差する第1と第2の側部を有し、且つ該第1と第2の側部はそれぞれ第1の長さと第2の長さを有する実線で形成されている、動的に変動可能でかつ機械により光学的に読取り可能なバイナリコードのサイズを測定する方法において、
光学的スキャン装置を用いて、視野にある該バイナリコードを含むマトリックス領域をスキャンして、当該スキャンされた視野に於けるマトリックス領域に対応するビットマップを形成する工程と、
当該ビットマップに於ける該第1と第2の側部と該第1と第2の側部が交差する第1の角部とを追跡する工程と、
該第1と第2の側部の長さを決定し、当該コード化された情報のサイズを計算する工程と、
から構成された機械が光学的に読取り可能なバイナリコードのサイズの測定方法であり、又、第2の態様としては、コード化された情報を表示する複数のデータ要素が二次元的アレーの状態に配置されて構成されたマトリックス領域と当該マトリックス領域を取り囲む周囲部とを含み、当該コード化された情報は光学的に読取り可能な暗領域と明領域とから形成されており、当該周囲部は当該周囲部の第2の角部で交差する第3と第4の側部を有し、且つ該第3と第4の側部は交互に配列された暗領域と明領域とから形成される密度パターンを有しており、且つ当該第3の側部に於ける暗領域と明領域の数と、該第4の側部に於ける暗領域と明領域の数との積が、当該マトリックス領域に含まれるデータ要素の密度に対応するようになっている、動的に変動可能でかる機械により光学的に読取り可能なバイナリコードの密度を測定する方法において、
光学的スキャン装置を用いて、視野にある該バイナリコードを含むマトリックス領域をスキャンして、当該スキャンされた視野に於けるマトリックス領域に対応するビットマップを形成する工程と、
1 当該ビットマップに於ける該第3と第4の側部と該第3と第4の側部が交差する第2の角部とを追跡する工程と、
該第3と第4の側部に於ける暗領域と明領域の数を個別に決定する工程と、
当該周囲部に於ける第3の側部に於ける暗領域と明領域の数と、該第4の側部に於ける暗領域と明領域の数との積の値を計算する工程と、
当該積の値から当該データ要素の密度を決定する工程と、
から構成された機械が光学的に読取り可能なバイナリコードの密度の測定方法である。
【0022】
更に、本発明に於いては、上記した構成とは異なる態様として、例えば、周囲部を有するマトリックスデータからなり、マトリックスに含まれるデータの密度とマトリックスのサイズとを示す動的に変動し機械が光学的に読取り可能な2進コードを形成する方法において、
コードに含まれるべきデータを2進形態に変換する工程と、
マトリックス内で2進コード化された情報を示すのに必要な可視セルの数を定める工程と、
2進コードに含まれるデータを示すのに必要な可視セルの数の、(全体数に丸められる平方根を算出工程と、)
第3の側部における暗領域と明領域の合計数がマトリックスに含まれるべき可視セルの数の丸められた平方根と等しくなるように、交互する暗領域と明領域から形成される破線からなるマトリックスの周囲部の第1の側部を形成する工程と
第1の側部と同じ破線パターンから形成されるマトリックスの周囲部の、第1のコーナで第1の側部と交差する第2の側部を形成する工程と、
形成されるべきマトリックスの領域を定める工程と、
マトリックスの周囲部の第3の側部を暗実線として形成しかつマトリックスの周囲部の第4の側部を暗実線として形成する工程と、
マトリックスの周囲部内に可視セルのパターンとして2進コードを形成する工程とを備え、
1前記第3と第4の側部は第2のコーナで交差し、かつ、前記長さはマトリックスの定められた領域を示すのに必要な線の長さから定められる機械が光学的に読取り可能な2進コードの形成方法を含んでおり、又その他の態様としては、例えば、動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを読み出す装置であって、該コードは、コード化された情報を表示する複数のデータ要素が二次元的アレーの状態に配置されて構成されたマトリックス領域と当該マトリックス領域を取り囲む周囲部とを含み、当該マトリックス領域により代表される当該コードは、数が変動しうるデータ要素を有しており又該周囲部は、少なくともサイズ表示手段と密度表示手段の何れか一つを含んでおり、該装置は、
電子的コンピュータバイナリ言語コードからなり、当該コードは各ビットは少なくとも2種の状態の内の一つの状態にある電子的バイナリ値からなる第1のビット列を形成しているバイナリ言語コードを受け入れる手段と、
当該電子的バイナリ値を可視バイナリ値に変換し、該受信したバイナリ言語コードに応答して該コンピュータバイナリ言語の形で機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる手段とから構成されており、該機械が光学的に読取り可能なバイナリコードは、マトリックスとして形成されたデータを含み、且つ該マトリックスは複数個の可視データセルとして該可視バイナリ値から形成されており、該可視データセルは、該第1のビット列を2つの状態に直接対応する2つの状態の少なくとも一つの状態にあり該コンピュータバイナリ言語コードの形で可視ビット列を形成しているバイナリコードを対象とする動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを読み出す装置及ぶその方法が提案されている。
【0023】
従って、本発明は、幾つかの工程およびこれらの工程相互の関係、並びに、素子の、物品を処理する特徴、特性および関係からなるものであり、これらは、以下の詳細な説明に例示されており、また本発明の範囲は、特許請求の範囲に示されている。
【0024】
【実施例】
以下、本発明を添付図面に示す実施例に関して説明する。
先づ、図1aについて説明すると、本発明に従って構成された2進コードが、マトリックス10として全体示されている。2進コードマトリックス10は、実線により形成される側部(side)12を交差させるとともに、交互するパターンをなす暗方形(dark square)16および明方形(light square)18から形成される側部14を交差させることによって形成された周囲部(perimeter)11を備えている。参照番号19で全体示されているデータが、マトリックス10の周囲部11内に記憶される。
【0025】
データ19は、記憶しようとする各文字を、2進情報の1および0に相当する暗方形と明方形とにより表わされる目視、即ち、可視の(visual)2進コードに変換することにより、マトリックス10の周囲部内に記憶される。従って、2進コード0001によって表わされる文字または数は、それぞれが暗方形または明方形を含む一連のデータセル(a string of data cells)によって表わすことができる。従って、0001を表わすデータは、一連の、3つの明データセルと1つの暗データセルとして表われる。例えば、0乃至9の数字は、明セル20と暗セル22のパターンとしてマトリックス10に記憶される。
【0026】
128個の、(例えば、英数字データを使用する)情報交換用米国標準コード(US-ASCII)の文字、数および記号を2進表示するには、8つの2進ビットが必要となり、あるいは、マトリックス10の場合には、文字を表わすのに8つの可視方形またはセルが必要となる。しかしながら、入カストリング(input string)の各位置に表われる文字の最大範囲を規定することにより、多数のかつ全範囲の文字に共通の情報を含む2進ビットを抑制して、1つの文字を表わすのに必要とされる数の可視方形を8よりも少ない数に圧縮することができる。文字A乃至Dだけを入カストリングの第1の部分に表わそうとする一の実施例においては、4つの可能な2進ビット形状を交番させる(reflect)のに、2つの可視方形が必要となるだけである。暗セルの存在が「D」によって示され、かつ、明セルが「L」によって示される場合には、文字AはLDとして表わされることになる。文字BはDLとして表わされ、文字CはDDとして表わされ、文字DはLLとして表わされ、このように、いずれも可視2進情報のわずか2つだけのセルを使用することにより表わすことができる。また、入カストリングの第2の位置においては0から9までの数字だけが表われることが知られている場合8には、この文字を形成するために10の可能な2進変動に適応するのに、わずか4つの可視セルを留保する(reserve)ことが必要となるだけである。従って、本実施例においては、エンコードされた情報の2つの文字を交番させるには、US-ASCIIシステムの16個のセルではなく、全部で6つの可視方形すなわちセルを留保することが必要となるだけである。
【0027】
方形のサイズと方形の周囲部に含まれるセルの数は、コードの周囲部11から定められる。実線12は、マトリックス10の物理的なサイズを示す。
説明を簡単にするため、同じ側部12を有する方形マトリックス10が示されている。しかしながら、長方形のような、縦と横とによって計算することができる面積を有する平行四辺形を使用することができる。
【0028】
本発明に於いて使用しうる方形としては、正方形、平行四辺形、菱形、矩形等の形状が使用可能である。
側部14は、マトリックス10に含まれるセル20,22の密度すなわち数を示す。
即ち、本発明に於いてマトリックス領域が正方形である場合には、当該周囲部の各側部12に隣接する第3の側部と第4の側部を構成する、第1の明方形18で始まる交互する方形16,18の数、即ち、光学的に読取り可能な交互に配列された暗領域と明領域との数は、当該周囲部に囲まれた該データマトリックス領域10に含まれる可視セル20、22の数の総数の平方根を、当該平方根値よりも大きく、且つ最もそれに近接した整数値に変換した(丸められる(rounded))値と対応するものである。
【0029】
具体的には、例えば、正方形の該データマトリックス領域10に含まれる可視セル20、22の数が、最大で23が必要である場合には、当該可視セル数23の平方根は4.796であるから、これを上記した丸め操作により5の整数値をとり、該データマトリックス領域10の当該第3の第4の周囲部を構成する交互に配列された暗領域と明領域との総和数を、それぞれ5個と決定するものである。
【0030】
従って、係る具体例に於いては、当該データマトリックス領域10は、25個のセルで構成される事になる。
この例においては、周囲部の線12に隣接する方形は明方形18であるが、異なった数のセル20,22を含むマトリックスにおいては、側部14は暗方形16で始まり、交互する方形16,18の数について適当な値が得られる。
【0031】
図示の実施例においては、0から9までの番号は、36個の可視セル20,22を利用してマトリックス10にエンコーダされ、6つの交互する暗方形16と明方形18を含む周辺側部14を有する。マトリックス10に含まれ、2進形態をなす可視セルの数とともにマトリックスのサイズを示す周囲部を設けることにより、以下に説明するように、物理的なサイズあるいは情報の密度に関係なく、走査コンピュータによって認識することができかつ識別することができる2進コードマトリックス10が得られる。
【0032】
此処で、本発明に係るバイナリコードを構成する周囲部領域11の第3と第4の側部14を構成する濃淡パターンを構成する交互する暗領域と明領域の計数方法の一例を以下に説明する。
即ち、図1aから明らかな様に、例えば第3の側部に於ける交互する暗領域16と明領域18との数を計算する場合には、第1の側部12に含まれるセル部分と当該周囲部領域11の第2の角部を構成するセル部分は計算から除外する。
【0033】
従って、図1aに示される具体例に於いては、当該バイナリコードの左側に形成されている当該周囲部領域11に於ける第1の側部12に属すセルは計算せず、当該第1の側部12と直接接続している当該第3の側部14に於ける最初の明領域18からカウントを開始し、順次暗領域16、明領域18、暗領域16とカウントアップして行き、第3と第4の側部の交差点である第2の角部に直接接続している暗領域16をカウントしてその計数を終了する。
【0034】
図1aに示される具体例に於いては、従って、第3の側部14に形成されている交互する暗領域と明領域の数は、6個である。
第4の側部に於ける交互する暗領域と明領域の計数方法は、上記の計数方法と全く同一である。
従って、図1aに示される具体例に於いては、該マトリックス領域10に含まれるデータ要素19の最大個数、或いは、該マトリックス領域10に含まれるデータセルの最大個数は、36個である事が判る。
【0035】
他の計数方法としては、例えば上記交互する暗領域16と明領域18との遷移状態を認識して計数する事も出来るのであって、その場合には、例えば該暗領域16と明領域18との境界線を判別して、その境界線の存在個数をカウントする事により同様の結果を得る事が可能となる。
この場合には、当該第3と第4の側部の一端部に接続する第1若しくは第2の側部に含まれるセル部分若しくは該第3と第4の側部の交差点である第2の角部を構成するセル部分が、計数の為に活用される事は言うまでもない。
【0036】
比較のため図1bに示すマトリックス10Aは、マトリックス10と同じフォーマットに同じ情報を含んでいるが、より小さい周辺側部12aと14aとを有する縮小された周囲部11aを有している。従って、コードの物理的サイズは、制限を受けないようにすることができる。機械が読むことができる形態でマトリックスのサイズと密度を走査コンピュータに示すためのフォーマットを設けることにより、単一の光学スキャナコンピュータシステムによる種々の異なったサイズと情報密度の2進コードを機械で読取ることができる。本実施例においては、物理的サイズは、1インチ平方の10分の1から7インチ平方までの範囲とすることができるが、所定のサイズをつくる使用者のプリント装置の能力によってのみ制限されるだけである
次に図2a乃至図2dについて説明するが、これらの図はマトリックス10にらおける可視セル22の配列を示し、図1aと同様の素子には同じ参照番号が付されている。文字は、暗可視セル22a,22b,22c,22dおよび22eによって表わすことができる。可視セル22a乃至22eは、マトリックス10において種々のパターンで配置することができる。可視セル22は、マトリックス10の一方のコーナに直列に配置することもでき(図2a)、また可視セル22は、マトリックス10の各コーナの周囲付近にちりばめてもよい(図2b)。あるいは、可視セル22は、マトリックス10のコーナに逆直列に配置してもよく(図2c)、またはマトリックス10内にランダムに分散させることもできる(図2d)。各マトリックス10は、各特定の使用者の必要性に応じて特定の可視セルの配置に合わせることができる。これにより、使用者は、例えば極秘の検査施設における場合のように、2進コードの全ての使用者または2進コードの特定の使用者が読取ることができるパターンを持つことができる。どのパターンを使用するかを決定するためのキー可視セル23が、マトリックス10内の既知の基準位置においてマトリックス10の周囲部11に含まれる可視セル内にエンコードされる。例えば、キー可視セル23は、実線12の交点からある距離のところに配置することができる。また、公のパターンと秘密のパターンとを混合したものを同じ構造内に存在させて、一般公衆がマトリックス10に含まれるものの一部を読取り、公衆の極く一部がマトリックス10の残りの部分に含まれるものを読取ることができるようにすることもできる。好ましい実施例においては、マトリックス10に可視セル22,23を配置するためのパターンは、256のバリエーションがある。
【0037】
データ19は、マトリックス10にエンコーダされる情報に冗長度を提供するように2度以上記憶することができる。
つまり、冗長度は、表示の繰り返しを定義するものであり、情報内に冗長度がエンコードされている場合には、データ19が一回以上マトリックス10内に於いて繰り返して記憶されることを意味するものである。
【0038】
又冗長度は、冗長度を持たないファクタから400%の冗長度までの範囲とすることができる。 そして、400%の冗長度は、同一の情報が、4回繰り返されて記憶される事を意味し、冗長度を持たないファクタつまり冗長度が無い場合は、その情報が一回だけ使用される事を意味している。
冗長度(redundancy)のレベルは、特定の文字を表わすのに利用される可視セル20および22に対応する可視セルA,B,CおよびDの数を選択的に増やすことにより変動させることができる。
【0039】
1つの可視セル20または22が抹消された場合に、ビットセル組成を表わすそれぞれの所望の文字間に2ビット差が依然としてあるように、データのそれぞれの文字のビットパターン間に少なくとも3つのビットが存在する様にビットセル組成を配置する事が望ましい。
即ち、少なくとも3つのビットが存在する様にビットセル組成を配置する事は当該コードの2個の隣接するビットは、少なくとも3個の他のビットが当該印刷されるマトリックス領域に於いて配置される2個の隣接のビット間に配置される事を意味するものである。
【0040】
このようにして得られる独特のビットの組合わせによっても、表示される文字間の差が最大となる。従って、冗長度は、データビットセルおよび対応する可視セルの数を増やして特定の文字を表示することにより得られる。更に、図3a乃至図3dに示すように、冗長度は、ルート(root)セルと同じパターンにある必要はない。可視セルA,B,CおよびDは、マトリックス10に複数回位置決めされる。より濃い文字で示すルートセルは、A,Aのように同じセルが互いに隣接しない限りは、鏡像として配置してもよく(図3a,3bおよび3c)、あるいはランダムなパターンに配置することもできる。従って、マトリックスの一部が通常のトランジット(transit)または使用の際にこわれあるいは変形した場合、冗長度によりコードは失われない。
【0041】
マトリックス10は図4に示す装置によって読取ることができる。マトリックス10の可視像は、周囲の領域とともに、可視像を一連の電子パルスに変換する光学スキャナ24によって捕らえられる。スキャナ24は、2次元走査用の感光電子アレイ(array)、光学CCDカメラ、リニアアレイ(lineararray)スキャナなどとすることかできる。
【0042】
スキャナ24が発生した電子インパルスは、ディジタイザ26に伝送され、ディジタイザ26は、これらの電子インパルスを、走査即ちスキャンされた像と対応する一連の、コンピュータが認識することができる2進データビットに変換する。各可視セルには、光学スキャナ24によって感知される光の強さに基づいて2進数値が与えられる。絶対黒および絶対白である可視セルには、それぞれ最高値と最低値とが与えられ、それらの間の陰にはスキャンされたマトリックス10の電子像を形成する増分値が与えられる。この像は、コンピュータの中央処理装置(CPU)28に伝送され、CPU28は、マトリックス10のビットマップ像(bit mapped image)とその周辺領域の一部を、基準値として、そのメモリに記憶する。
【0043】
マトリックス10は、必ずしも、スキャナ24に対して容易に識別可能な配向をもってスキャンされるものではない。従って、CPU28は、2進サーチを行ない、エンコードされたパターンを定めるとともに、CPU28に記憶されたマトリックス10の配向を定める。マトリックス10の周囲部11の特異性(uniqueness)により、基準点が与えられる。各マトリックス10は、2つの実線の暗側部12を有する。CPU28は、いずれかの実線の暗側部12をサーチし、これを見つけだすと暗側部12の交点をサーチする。側部12が交差するコーナを定めることにより、CPU28は、スキャンされた視野におけるサイズまたは配向とは関係なく、マトリックス10の特定の位置を識別する。CPU28は次に、メモリに記憶されている実線の各暗側部12の長さと、線12が交差する角度とを測定する。CPU28は、次に、マトリックス10の反対側のコーナが位置する場所を算出する。側部12の長さと交差角を利用することにより、マトリックス10は、ディジタル化処理の際に実質上リニア変形を受けたとしても、2進像が平行四辺形である限りは、常に認識することができる。更に、周囲部11の特異性により、CPU28はマトリックス10を他の記号から識別することができ、あるいは走査場において像が形成される。
【0044】
次に、マトリックス10を読取りかつデコードするためのフローチャートを示す図5について説明する。マトリックス10の4つのコーナが識別されると、CPU28は、ステップ100に従って側部14の交互する暗方形16と明方形18を計数する。側部14は同じ構成であるので、一方の側部14はもう一方の側部14に対してチェックとして使用され、そこに含まれる情報をステップ102において認識する。ステップ104においては、CPU28は、各側部14に含まれる方形の数の積を計算し、マトリックス10に含まれるセルの密度を測定する。マトリックスの角度、マトリックスのサイズおよびマトリックスの密度を算出することにより、CPU28は、ステップ106に従って交差する線12に対する各可視セル20,22の位置を計算する。かくして、各可視セル20,22の中心を定めることができる。ここで、CPU28はデコードされるべきパターンの物理的サイズ、可視セルの全数またはデータ19として記憶される電子的等価物およびマトリックス10の4つのコーナに対する各可視セル20,22の中心位置を知得する。マトリックス10の物理的サイズおよびセル密度は予め規定された値ではなく、計算値であるので、CPU28は、如何なる物理的サイズまたは密度のマトリックス10も認識しかつデコードすることができる。
【0045】
データ19のパターンは、ステップ108に従ってパターン分布キー(pattern distribution key)を先づ識別することによりデコードされる。分布キーは、マトリックス10のコーナに対して特定の配置された多数の可視セルとして記憶される。従って、ステップ110においては、マトリックス10の配向がCPU28によって測定されると、CPU28は、マトリックス10のビットマップ像から、可視的にエンコードされるキーセルの電子的等価物を回収する。ステップ112において、これらのキーセルをデコードすると、CPU28には、マトリックス10のデータ19をデコードするのに256のセル分布パターンのどれを使用したかが知らされる。分布パターンが定められると、ステップ114に従って、CPU28は適宜のセルを再結合し、エンコードするために最初に入力された2進文字ストリングに対応した2進文字ストリングを再形成する。
【0046】
マトリックス10を発生させるために、CPU28は、処理を逆に行ない、コンピュータの0と1の2進文字をマトリックス10の暗/明可視セル20,22に先づ交換する。CPU28は、入カストリングの各位置において予測される最大数の文字変動を計算し、次に必要とされる最小数の可視セルを定め、かかる数の変動をエンコードする。圧縮処理は、予期される入力文字の種類によって変わる。例えば、数値だけが所定の入力位置に表われることがわかっている場合には、8ビット2進数が、3.32可視セルに圧縮される。全てのアルファベット文字が予測される場合には、8ビット2進文字を4.75可視セルに圧縮することができる。また、入力文字がアルファベットまたは数字である場合には、圧縮演算(compression algorithms)により各入力文字は8つの2進ビットから5.21可視セルに減少する。
【0047】
更に、本発明のシステムは、利用することができる「部分」セルを使用することができる。例えば、第1のアルファベット文字は6つの可視セル(5.21以上の最小の整数)を必要とし、一方第2のアルファベット文字は5つセル(10.42-第1の文字の6=4.42、丸めて5)だけが必要となる。これにより、上記したように、2進圧縮を高めることができ、マトリックス10の必要な密度を更に低くすることができる。入力されるべき10個の文字が全て数字(0乃至9)であることが図1aにおいて知られている場合には、CPU28は、圧縮演算を通じて、重要な2進変動の数が80の可視セルではなく34の可視セルによって調節されることを定めるものとなり、想像通りとなる。
【0048】
使用者は次に、CPU28に、所望のマトリックス内の可視セル分布の種類を入力する。冗長度零からパターンの400%の繰返しの範囲にある所望の冗長度の量が次にCPU28に入力される。CPU28は、エンコードされるべきルート可視セルのパターンを分析し、かつ、ルートセルから最も遠い冗長データセルを位置決めして、マトリックス10の一部がこわれたときに少なくとも1つのセルが残存する可能性を最も高くする(図3a,3b,3cおよび3d)。次に、エンコードされるデータに必要な可視セルの数が計算され、分布キーセルとして必要とされる可視セルの数に加えられ、マトリックス10の密度を定める。この合計の平方根が次に定められて、マトリックス10の周囲部11の側部14を形成する。最後に、マトリックス10の所望の物理的サイズが入力されて、マトリックス10の側部12の長さを定める。これら全ての値を計算すると、CPU28は、プリンタ30に新しいマトリックス10を形成させる。
【0049】
側部の2つにコードの物理的サイズを示すとともに、側部の2つにエンコードされる資料の密度を示す周囲部を有する、機械が読取ることができる2次元2進コードを提供することにより、含まれる情報のサイズと密度に関して動的に変動するデータコードが得られる。
【0050】
【発明の効果】
以上のように、本発明によれば、走査コンピュータは、記号に含まれるデータの実際の物理的なサイズあるいはボリュームとは関係なく、エンコードされた情報を独立して認識し、理解しかつ情報に作用することができるようにすることができるとともに、スキャナに対する記号の角度配向に関係なく、読取りかつ処理することができ、しかも任意の物理的サイズの多量の情報を動的にエンコードすることができる。
【0051】
本発明の上記目的が有効に達成されることは、上記説明から明らかである。また、本発明の精神と範囲とから逸脱することなく上記構成に変更を加えることができるので、上記説明は全て単なる例示であって、何ら限定的な意味に解されるべきではない。
特許請求の範囲は、本発明のあらゆる特徴および言語上の問題として脱落しているかもしれない本発明の範囲の全ての事項を包含するものである。
【図面の簡単な説明】
【図1】
図1aおよび図1bはサイズは異なるが同じ情報を含む本発明に係る2つの2進コードを示す線図。
【図2】
図2a乃至図2dは本発明に係る2進コードの周囲部に含まれるデータの配置を示す線図。
【図3】
図3a乃至図3dは本発明に係るマトリックス内の可視セルの冗長形成を示す線図。
【図4】
図4は本発明に係るコードを処理しかつ走査する装置を示すブロック図。
【図5】
図5は2進コードを読取る処理を示すフローチャート図である。
【符号の説明】
10…マトリックス領域
11…周囲部
12,12a…第1側部、第2側部
14,14a…第3側部、第4側部
16…暗方形、暗領域
18…明方形、明領域
19…データ要素
20,22…可視セル
23…キー可視セル
24…スキャナ
26…ディジタイザ
28…CPU
100,102,104,106,108,110,112…ステップ
 
訂正の要旨 訂正の要旨
特許請求の範囲請求項1,4,8,12,13,14,21および22を、特許請求の範囲の減縮および不明りような記載の釈明を目的として、訂正請求書に添付した全文訂正明細書に記載した、以下の[訂正事項a]ないし[訂正事項g]のとおりに訂正する。
[訂正事項a]
請求項1を「マトリックス及び該マトリックスに含まれるデータ要素の大きさと密度に関して動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置で有って、当該装置は、
データを受信して、当該受信データに応答して該バイナリコードを形成する複数個のデータ要素を発生させる為の処理手段と、
変動する数を持つデータ要素からなる該コードを構成する複数の該データ要素からなる二次元的アレーを形成し、且つデータマトリックス領域を構成する為の処理手段と、
少なくとも第1の角部で交差する実線部からなる2つの側部を有する周囲部を構成する為の処理手段と、
当該マトリックス領域に含まれる当該データ要素の物理的サイズを決定する為のサイズ表示手段で有って、該サイズ表示手段は、当該データマトリックス領域の位置とは独立して配置されており、前記周囲部の第2の角部で交差する交互に配置された暗領域と明領域とから形成されるパターンで形成される線からなる第3の側部および第4の側部に設けられているサイズ表示手段を発生させる処理手段及び、
対象物上に当該バイナリコードを印刷する印刷手段とが設けられている事を特徴とする動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置。」と訂正する。
[訂正事項b]
請求項4を「マトリックス及び該マトリックスに含まれるデータ要素の大きさと密度に関して動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置で有って、該装置は、データを受信して、当該受信データに応答して該バイナリコードを形成する複数個のデータ要素を発生させる為の処理手段と、
変動する数を持つデータ要素からなる該コードを構成する複数の該データ要素からなる二次元的アレーを形成し、且つデータマトリックス領域を構成する為の処理手段と、
少なくとも第1の角部で交差する実線部からなる2つの側部を有する周囲部を構成する為の処理手段と、
当該マトリックス領域に含まれる当該データ要素の密度を決定する為の密度表示手段で有って、該密度表示手段は、当該データマトリックス領域の位置とは独立して配置されている密度表示手段であって、前記周囲部の第2の角部で交差する交互に配置された暗領域と明領域とから形成されるパターンで形成される線からなる第3の側部および第4の側部に設けられている密度表示手段で且つ当該データマトリックス領域に含まれるデータ要素の数を表す関数である密度表示手段を発生させる処理手段及び、
対象物上に当該バイナリコードを印刷する印刷手段とが設けられている事を特徴とする動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置。」と訂正する。
[訂正事項c]
請求項8を「当該密度表示手段を発生させる為の処理手段は、該密度表示手段を当該周囲部に設けるもので有って、且つ該密度表示手段を、当該周囲部の第2の角部に於いて互いに交差する当該周囲部の第3の側部と第4の側部とを、何れも交互に配列された暗領域と明領域とから形成されるパターンを有する線で形成する事により提供するものであり、更に当該第3の側部に於ける交互に配列された暗領域と明領域の数と、該第4の側部に於ける交互に配列された暗領域と明領域の数との積が、当該マトリックス領域に含まれるデータ要素の密度に対応するようになっている事を特徴とする請求項4に記載のマトリックス及び該マトリックスに含まれるデータ要素の大きさと密度に関して動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置。」と訂正する。
[訂正事項d]
請求項12を「マトリックス及び該マトリックスに含まれるデータ要素の大きさと密度に関して動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置で有って、当該装置は、データを受信し、該受信データに応答してバイナリコードを形成する可視セルを発生させる処理手段を含んでおり、該可視セルは、該周囲部内に配置されているマトリックスとして形成されるデータを表示するものであり、当該データはデータセルの形に形成され、該データセルのサブセットは単一の2進文字を代表するものであり、該データセルは当該マトリックス内に於けるデータに付いての単一の2進文字を表示する為冗長性を以て設けられており、当該コードは、周囲部の第1の角部で互いに交差しそれぞれ第1と第2の長さを持ち、実線として形成された当該周囲部の第1の側部と第2の側部を有し、更に、前記周囲部の第2の角部において互いに交差する当該周囲部の第3の側部と第4の側部とが、何れも交互に配列された暗領域と明領域とから形成されるパターンを有する線で形成されており、当該第3の側部における交互に配列された暗領域と明領域の数と、該第4の側部における交互に配列された暗領域と明領域の数との積が、当該データマトリックスに含まれるデータ要素の数に対応するようになっており、且つ当該コードは、当該データ要素に関する第1のデータ配列パターンを含んでいる読み取り可能なコードであり、且つ該バイナリコードを所定の対象物に印刷するための印刷手段を有している事を特徴とする動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる装置。」と訂正する。
[訂正事項e]
請求項13を「周囲部と該周囲部内で二次元的なデータマトリックス領域に配列されたコード化されたデータを表す複数個のデータ要素からなり、当該コードは該データマトリックスのサイズを表示する表示手段を含んでいる動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる方法であって、当該方法は、
コードに符号化されるべきデータを準備する工程、
符号化された供給データを表示するのに必要なデータ要素の数に付いての第1の数値を決定する工程、
当該データ要素に関する第1の数を含ませる為に、形成されるべき当該コードに関するデータマトリックスのサイズを決定する工程、
決定されたコードのサイズに対応する該周囲部の第1の側部の長さと第2の側部の長さを計算する工程、
符号化されるべきコードを符号化し、当該データ要素に関する第1の数を形成する工程、
当該データ要素に関する第1の数に対応する二次元的アレーとして読み取り可能なコードであって、且つ、当該データ要素に関する第1のデータ配列パターンを含み、更に、第1の角部で互いに交差し実線として形成された、それぞれ第1と第2の長さを有する第1の側部と第2の側部と、第2の角部で交差し、それぞれが交互に配列された暗領域と明領域とからなるパターンを有する線で形成される第3と第4の側部を有し、当該第3の側部における交互に配置された暗領域と明領域の数と、当該第4の側部における交互に配置された暗領域と明領域の数との積が、当該データマトリックスに含まれるデータ要素の数を表す周囲部とを含んでいる読み取り可能なコードを形成する工程、
とから構成されているマトリックス及び該マトリックスに含まれるデータ要素の大きさと密度に関して動的に変動可能でかつ機械が光学的に読み取り可能なバイナリコードを発生させる方法。」と訂正する。
[訂正事項f]
請求項14を「周囲部と該周囲部内で二次元的なデータマトリックス領域に配列されたコード化されたデータを表す複数個のデータ要素からなり、該データマトリックスのサイズを表示する表示手段を含んでいる動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる方法であって、当該方法は、
コードに符号化されるべきデータを準備する工程、
符号化された供給データを表示するのに必要なデータ要素の数に付いての第1の数値を決定する工程、
当該決定されたデータ要素に対する第1の数に対して密度を計算する工程、
当該周囲部の第2の角部で交差する当該周囲部の第3と第4の側部を、交互に配列された暗領域と明領域とで構成された線でそれぞれ構成する工程、
当該第3の側部に於ける交互に配列された暗領域と明領域の数と、該第4の側部に於ける交互に配列された暗領域と明領域の数とを計算し、それによって該第3の側部に於ける該暗領域と明領域の数と、該第4の側部に於ける該暗領域と明領域の数との積が、当該マトリックス領域に含まれる第1の数を持つデータ要素の密度に対応するように構成する工程、
符号化されるべきコードを符号化し、当該データ要素に関する第1の数を形成する工程、
当該データ要素に関する第1の数に対応する二次元的アレーとして読み取り可能なコードであって、当該データ要素に関する第1のデータ配列パターンを含み、更に、第1の角部で互いに交差する実線で構成される第1の側部と第2の側部、および、第2の角部で交差し、それぞれが交互に配列された暗領域と明領域を持つ第3と第4の側部を有する周囲部とを含んでいる読み取り可能なコードを形成する工程、
とから構成されているマトリックス及び該マトリックスに含まれるデータ要素の大きさと密度に関して動的に変動可能でかつ機械が光学的に読み取り可能なバイナリコードを発生させる方法。」と訂正する。
[訂正事項g]
請求項21を「マトリックス領域内に含まれるデータの密度と該マトリックス領域のサイズとを表示する周囲部を持ったマトリックス領域を構成する動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる方法であって、当該方法は、
コードに含まれるデータをバイナリ形式に変換する工程、
当該マトリックス領域内に於いてバイナリコード情報を表すのに必要な可視セルの数を決定する工程、
形成されるべきマトリックス領域のサイズを決定する工程、
当該マトリックス領域の周囲部を構成する第1の側部を実線状の暗部として形成すると同時に当該マトリックス領域の周囲部を構成し該第1の側部と該周囲部の第1の角部で交差する第2の側部を実線状の暗部として形成すると共に、当該各側部の長さは、該マトリックス領域を表示するのに必要な側部の長さから決定される工程、
該バイナリコード内に含まれるデータを表示するのに必要な可視セルの数を平方根を計算し、当該平方根の値に最も近接した整数値に置換した(丸めた)値を計算する工程、
当該マトリックス領域の周囲部を構成する該第3の側部を、交互に配列された暗領域と明領域とで構成された破断線のパターンを有する線で構成し、当該第3の側部に於ける、交互に配列された暗領域と明領域の総数が、当該マトリックス領域内に含まれるべき可視セルの数の平方根の値を最も近接した整数値に置換した(丸めた)値と等しくなる様に構成する工程、
当該マトリックス領域の周囲部を構成する該第3の側部と第2の角部で交差する該第4の側部を、該第3の側部と同一の破断線状のパターンに形成する工程、
該第1の側部から該第4の側部により当該マトリックス領域の周囲部を形成する工程、
当該マトリックス領域に係る該周囲部内に可視セルパターンとしてバイナリコードを生成する工程とから構成されたマトリックス及び該マトリックスに含まれるデータ要素の大きさと密度に関して動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる方法。」と訂正する。
[訂正事項h]
請求項22を「周囲部と該周囲部内で二次元的なデータマトリックス領域に配置されたコード化されたデータを表す複数個のデータ要素からなり、当該コードは該データマトリックスのサイズを表示する表示手段を含んでいる動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる方法であって、当該方法は、
コードに符号化されるべきデータを準備する工程、
符号化された供給データを表示するのに必要なデータ要素の数に付いて第1の数値を決定する工程、
当該決定されたデータ要素に対する第1の数に対して密度を計算する工程、
当該密度に対応し当該密度を表示する密度パターンを発生させる工程、
符号化されるべきコードを符号化し、当該データ要素に関する第1の数を形成する工程、
当該データ要素に関する第1の数に対応する二次元的アレーとして読み取り可能なコードであって、第1の角部で互いに交差し実線として形成された、それぞれ第1と第2の長さを有する第1の側部と第2の側部と、第2の角部で交差し、それぞれが交互に配列された暗領域と明領域とからなるパターンを有する線で形成される第3と第4の側部を有し、当該第3の側部における交互に配置された暗領域と明領域の数と、当該第4の側部における交互に配置された暗領域と明領域の数との積が、当該データマトリックスに含まれるデータ要素の数を表す周囲部とを含んでいる読み取り可能なコードを形成する工程、
当該コードの、該データ要素に関する第1のデータ配列パターン位置とは異なる位置に、該密度パターンを配置させる工程、
とから構成されているマトリックス及び該マトリックスに含まれるデータ要素の大きさと密度に関して動的に変動可能でかつ機械が光学的に読取り可能なバイナリコードを発生させる方法。」と訂正する。
異議決定日 2001-02-22 
出願番号 特願平6-196838
審決分類 P 1 651・ 531- YA (G06K)
P 1 651・ 534- YA (G06K)
P 1 651・ 092- YA (G06K)
P 1 651・ 121- YA (G06K)
P 1 651・ 161- YA (G06K)
最終処分 維持  
前審関与審査官 高松 猛新川 圭二  
特許庁審判長 武井 袈裟彦
特許庁審判官 斎藤 操
稲葉 慶和
登録日 1997-04-04 
登録番号 特許第2622235号(P2622235)
権利者 シー-マトリックス インコーポレイテッド
発明の名称 機械が光学的に読取り可能な2進コードの形成方法及びその装置  
代理人 小川 信夫  
代理人 今城 俊夫  
代理人 村社 厚夫  
代理人 西島 孝喜  
代理人 中村 稔  
代理人 大塚 文昭  
代理人 中村 稔  
代理人 西島 孝喜  
代理人 宍戸 嘉一  
代理人 竹内 英人  
代理人 竹内 英人  
代理人 宍戸 嘉一  
代理人 村社 厚夫  
代理人 奥村 文雄  
代理人 今城 俊夫  
代理人 小川 信夫  
代理人 大塚 文昭  

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