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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 G02F 審判 全部申し立て 1項2号公然実施 G02F 審判 全部申し立て 1項1号公知 G02F 審判 全部申し立て 発明同一 G02F |
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管理番号 | 1044879 |
異議申立番号 | 異議2000-73004 |
総通号数 | 22 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1993-04-02 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2000-08-05 |
確定日 | 2001-05-21 |
異議申立件数 | 1 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3006934号「STN型液晶表示素子用球状スペーサーおよびそれを用いたSTN型液晶表示素子」の請求項1、2に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3006934号の請求項1ないし2に係る特許を維持する。 |
理由 |
1.手続の経緯 特許第3006934号の請求項1ないし2に係る発明は、平成3年9月25日に出願されたものであって、平成11年11月26日にその特許の設定の登録がなされ、そののち、株式会社日本触媒により特許異議の申立がなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内の平成13年1月4日付けで訂正請求がなされたものである。 2.訂正の適否について 2.1 訂正の内容 a.特許請求の範囲の記載、 「【請求項1】 下式(A)で定義されるKの値が20℃において750kgf/mm2〜1500kgf/mm2の範囲であり、かつ圧縮変形後の回復率が20℃において30%〜80%の範囲であるSTN型液晶表示素子用球状スペーサー。 【数1】 K=(3/√2)・F・S-3/2・R-1/2 (A) ここで、F、Sはそれぞれ球状スペーサーの10%圧縮変形における荷重値(kgf)、圧縮変位(mm)であり、Rは該スペーサーの半径(mm)である。 【請求項2】 請求項1に記載のスペーサーを用いた、STN型液晶表示素子。」を、 「【請求項1】 下式(A)で定義されるKの値が20℃において750kgf/mm2〜1500kgf/mm2の範囲であり、かつ圧縮変形後の回復率が20℃において30%〜80%の範囲であるSTN型液晶表示素子用球状スペーサー(但し、ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合物からなる球状スペーサーは除く)。 【数1】 K=(3/√2)・F・S-3/2・R-1/2 (A) ここで、F、Sはそれぞれ球状スペーサーの10%圧縮変形における荷重値(kgf)、圧縮変位(mm)であり、Rは該スペーサーの半径(mm)である。 【請求項2】 請求項1に記載のスペーサーを用いた、STN型液晶表示素子。」と訂正する。 b.段落【0015】の記載を次のとおり訂正する。 「【課題を解決するための手段】本発明のSTN型液晶表示素子用球状スペーサー(但し、ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合物からなる球状スペーサーは除く)は、下式(A)で定義されるKの値が20℃において750kgf/mm2〜1500kgf/mm2の範囲であり、かつ圧縮変形後の回復率が20℃において30%〜80%の範囲であり、そのことにより上記目的が達成される。」 2.2 訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否 訂正事項aは、出願当初の明細書に記載した事項のうち、先行技術に相当する部分のみを明示して、これが特許請求の範囲に含まれないことを明らかにするものであり、特許請求の範囲の減縮に該当し、訂正事項bは、上記した、特許請求の範囲の訂正に伴って、それとの整合を図るために発明の詳細な説明を訂正するものであり、明瞭でない記載の釈明に該当する。そして、訂正事項a及びbは、何れも願書に最初に添付した明細書又は図面に記載された事項の範囲内のものであり、新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。 2.3 結論 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項で準用する第126条第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 3.特許異議申立について 3.1 本件発明 本件特許第3006934号の請求項1及び2に係る発明(以下、本件発明1及び2という。)は、訂正された特許明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1及び請求項2に記載されたとおりのものである(上記2.1の訂正事項a参照)。 3.2 特許異議申立ての理由の概要 特許異議申立人は、甲第1号証として、特開平4-351639号公報、甲第2号証として、雑誌「ラバーインダストリー 1989年5月号」(株式会社ポスティコーポレーション、1989年5月発行)第12〜17頁、甲第3号証として、カタログ「エポスター GP」(日本触媒化学工業株式会社発行)第1頁〜第4頁及び甲第4号証として、「試験成績報告書」を提示して、下記(1)及び(2)のように主張した。 (1)甲第1号証の実施例1の球状スペーサーは、甲第4号証の試験成績報告書の記載を参照すれば、訂正前の本件請求項1において規定する「K値」及び「回復率」を具備すると認められるから、同請求項1及び2に係る発明は、甲第1号証の実施例1に記載された発明と同一であり、特許法第29条の2の規定により、特許を受けることができないものである。 (2)甲第2号証及び甲第3号証に示される球状スペーサーは、甲第4号証の試験成績報告書の記載を参照すれば、訂正前の本件請求項1において規定する「K値」及び「回復率」を具備すると認められるから、同請求項1に係る発明は、甲第2号証及び甲第3号証に示される本件出願前に公然知られた発明(或いは公然実施された発明)と同一であり、特許法第29条第1項の規定に違反し、また、同請求項2に係る発明は、上記公然知られた発明から容易に推考し得る発明であるから、特許法第29条第2項の規定に違反し、各々特許を受けることができないものである。 3.3 甲各号証の記載内容 甲第1号証の実施例1には、ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒドの硬化球状微粒子を染色した着色微粒子からなるSTN型液晶表示素子用球状スペーサー、及びそれを用いてなるSTN型液晶表示素子、が記載されている。 甲第2号証には、日本触媒化学工業株式会社の球状微粒子製品「エポスターGP-H」が、液晶表示素子用球状スペーサーとして有用であること、「エポスターGP-H」には、「エポスターGP-H65」、「エポスターGP-H70」などの品番の異なる複数の製品があること、が記載されている。 甲第3号証には、日本触媒化学工業株式会社の球状微粒子製品「エポスターGP」は、化学名が「ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合物」であることが記載されている。 甲第4号証には、甲第1号証の実施例1を追試して製造した「ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合物からなる球状スペーサー」、日本触媒化学工業株式会社製の製品「エポスターGP-H65」及び「エポスターGP-H70」について、各々本件発明1で規定されている「K値」及び「圧縮変形後の回復率」を測定した結果の試験成績が記載されている。 3.4 当審の判断 (1)特許法第29条の2の規定違反について 甲第1号証の実施例1に記載されているものは、「ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合物からなる球状スペーサー」であり、一方、本件発明1及び2は、いずれも、「ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合物からなる球状スペーサーを除く、STN型液晶表示素子用球状スペーサー」に係るものである。したがって、甲第1号証の実施例1の球状スペーサーが、本件発明1において規定する「K値」及び「回復率」を具備するものであるとしても、本件発明1及び2が、甲第1号証に記載された発明と同一であるということはできない。 (2)特許法第29条第1項及び第2項の規定違反について 「エポスターGP」及び その一品種である「エポスターGP-H」は、「ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合物からなる球状スペーサー」であると認められる(甲第2号証、甲第3号証参照)。一方、本件発明1及び2は、いずれも、「ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合物からなる球状スペーサーを除く、STN型液晶表示素子用球状スペーサー」に係るものであるから、甲第2号証及び甲第3号証に示された、「エポスターGP-H」及び「エポスターGP」が、本件発明1において規定する「K値」及び「回復率」を具備するものであるとしても、本件発明1が、甲第2号証及び甲第3号証に示された本件出願前に公然知られた発明(或いは公然実施された発明)と同一であるということはできず、また、本件発明2が、上記の公然知られた発明から容易に推考し得る発明であるということができない。 4.むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、訂正後の本件請求項1及び請求項2に係る発明の特許を取り消すことはできない。 また、他に訂正後の請求項1及び請求項2に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 STN型液晶表示素子用球状スペーサーおよびそれを用いたSTN型液晶表示素子 (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 下式(A)で定義されるKの値が20℃において750kgf/mm2〜1500kgf/mm2の範囲であり、かつ圧縮変形後の回復率が20℃において30%〜80%の範囲であるSTN型液晶表示素子用球状スペーサー(但し、ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合物からなる球状スペーサーは除く)。 【数1】 K=(3/√2)・F・S-3/2・R-1/2 (A) ここで、F、Sはそれぞれ球状スペーサーの10%圧縮変形における荷重値(kgf)、圧縮変位(mm)であり、Rは該スペーサーの半径(mm)である。 【請求項2】 請求項1に記載のスペーサーを用いた、STN型液晶表示素子。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明はSTN(Super Twisted Nematic)型液晶表示素子用球状スペーサーとそれを用いたSTN型液晶表示素子に関する。 【0002】 【従来の技術】 従来のTN(ツイステッドネマチック)モードの液晶表示素子の代表的な例を図1に示す。 【0003】 この液晶表示素子は、一対の基板部材7および9、その間隙(以下ギャップと呼ぶ)tを一定に保持するためにギャップtに配設されたスペーサー8およびネマチック液晶11、ギャップtの周囲に充填されたシール部材10、および各基板部材7および9の表面にそれぞれ設けられた偏光シート12および13を有している。 【0004】 上記基板部材7および9は、ガラスからなる透明基板1および4の片側面にITO(Indium-Tin-Oxide)膜などからなる透明電極2および5をパターン形成すると共に、この透明電極2、5および透明基板1、4の表面にポリイミド膜などの配向制御膜3、6を被覆して構成されている。配向制御膜3、6はラビングによって配向制御処理が施される。 【0005】 上記スペーサー8は、酸化アルミニウム、酸化珪素のような無機質スペーサーあるいはベンゾグアナミン、ポリスチレン系ポリマーのような合成樹脂から形成されている。例えば、無機質スペーサーは、特開昭63-73225号公報、特開平1-59974号公報などに開示されており、合成樹脂スペーサーは、特開昭60-200228号公報、特開平1-293316号公報などに開示されている。 【0006】 このような構成の液晶表示素子は、通常以下のようにして作製される。 【0007】 上記一方の基板部材7の配向制御膜3の上に、スペーサー8を散布し、他方の基板部材9の周縁部にシール用の樹脂を印刷などで塗布する。次いで、一対の基板部材7、9をその配向制御膜3、6が対向するように重ねると共に、加圧し、シール用樹脂を加熱硬化させることによって一対の基板部材7、9を相互に固着させる。次に、一対の基板部材7、9の間隙に、シール部材10に設けた孔からネマチック液晶11を充填し、透明基板1、4の外側面にそれぞれ偏光シート12、13を配設する。 【0008】 【発明が解決しようとする課題】 ところが、STN型液晶表示素子用のスペーサーとして無機質球状スペーサーを使用すると、ギャップtのバラツキは小さいが、低温時に素子内に気泡が発生する。そして、低温時の気泡により液晶の配向に変調をきたし、表示画像の質を著しく低下させる。この理由は、低温時には液晶11が収縮するのに対して、無機質球状スペーサー8は伸縮性が低いためギャップtの変化が微小であり、そのため素子内の圧力が低下するためと考えられる。 【0009】 一方、プラスチック球状スペーサーを使用すると、スペーサー8は伸縮性が高いので低温時に液晶11の収縮に伴ってギャップtが小さくなるため、上記の気泡は発生しないが、このことが逆にギャップtのバラツキを大きくする原因となる。 【0010】 上記のように、無機質球状スペーサーおよびプラスチック球状スペーサーは両者とも、STN型液晶用表示素子に用いた場合難点を有していた。 【0011】 さらに、従来のTN型液晶表示素子においては、色むらを生じないためのギャップtのバラツキの許容範囲は±0.2〜±0.3μmである。しかし、最近多用され初めているSTN型の液晶表示素子においては、液晶分子の捩じれ角度を180°以上にすることで複屈折効果を利用しているため、色むらを生じないためのギャップtの許容範囲は±0.1μm以下と極端に厳しくなっている。このため、従来の液晶表示素子の組み立て技術では、低温時発泡を生じさせずにギャップtのバラツキを小さくすることは非常に困難であった。 【0012】 このような問題を解決するために、硬度の異なる複数種類のスペーサーを混合して使用する方法が、例えば、特開昭63-104022号公報、特開昭64-91117号公報、特開平2-34820号公報、特開平2-89026号公報などにおいて提案されている。 【0013】 しかし、このような方法は、問題の解決に当たってそれなりの効果はあるものの、スペーサーの分散を2回以上に分けて行わざるを得ないなど、操作上の繁雑さが付加され、工業的に実施することが困難である。 【0014】 本発明は上記の従来技術の問題点を一挙に解決しようとするものであり、本発明の目的はギャップのバラツキを可能な限り小さくし、且つ低温時発泡が起きないようにしたSTN型液晶表示素子用球状スペーサーとそれを用いたSTN型液晶表示素子を提供することにある。本発明のさらに他の目的は、複数種類のスペーサーを混合して使用する必要なく、操作が簡便で工業的にも有利なSTN型球状スペーサーとそれを用いたSTN型液晶表示素子を提供することにある。 【0015】 【課題を解決するための手段】 本発明のSTN型液晶表示素子用球状スペーサー(但し、ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合物からなる球状スペーサーは除く)は、下式(A)で定義されるKの値が20℃において750kgf/mm2〜1500kgf/mm2のの範囲であり、かつ圧縮変形後の回復率が20℃において30%〜80%の範囲であり、そのことにより上記目的が達成される。 【0016】 【数2】 K=(3/√2)・F・S-3/2・R-1/2 (A) ここで、F、Sはそれぞれ球状スペーサーの10%圧縮変形における荷重値(kgf)、圧縮変位(mm)であり、Rは該スペーサーの半径(mm)である。 【0017】 本発明のSTN型液晶表示素子は、上記スペーサーを用いてなり、そのことにより上記目的が達成される。 【0018】 次に、上記したK値について説明する。 【0019】 ラウンダウーリフシッツ理論物理学教程「弾性理論」(東京図書1972年発行)42頁によれば、半径がそれぞれR、R’の二つの弾性球体が所定の圧縮力で接触するとき、hは次式により与えられる。 【0020】 h=F2/3[D2(1/R+1/R’)]1/3 …(1) D=(3/4)[(1-σ2)/E+(1-σ’2)/E’] …(2) ここに、hはR+R’と両球の中心間の距離の差、Fは圧縮力、E、E’は二つの弾性球の弾性率、σ、σ’は弾性球のポアッソン比を表す。 【0021】 一方、球を剛体の板に置き換えて、かつ両側から圧縮する場合、R’→∞、E》E’とすると、近似的に次式が得られる。 【0022】 F=(21/2/3)(S3/2)(E・R1/2)(1-σ2) …(3) ここにSは圧縮変形量を表す。この式を変形すると容易に次式が得られる。 【0023】 K=(3/21/2)・F・S-3/2・R-1/2 …(4) よって、K値を表す式:K:(3/√2)・F・S-3/2・R-1/2 …(5) が得られる。 【0024】 このK値は球体の硬さを普遍的かつ定量的に表すものである。このK値を用いることにより、スペーサーの好適な硬さを定量的、かつ一義的に表すことが可能となる。 【0025】 そして、K値が750kgf/mm2〜1500kgf/mm2の範囲内にあるスペーサーを用いることにより、STN型液晶表示素子を作製するときに、低温時発泡を生じるようなことがなく、また加圧プレスにより両基板間のギャップ出しを行う際に、ギャップコントロールを容易に行うことができる。より好ましいK値は850kgf/mm2〜1300kgf/mm2である。 【0026】 K値が1500kgf/mm2を超えるスペーサーを用いると、STN型液晶表示素子を作製する際に液晶配向膜面に傷を付ける欠点があり、さらに、作製された液晶表示素子において、温度が低下した際に液晶の収縮に対してスペーサーの圧縮変形が生じ難いため液晶セル中に減圧に起因する気泡が発生する。K値が750kgf/mm2を下回るスペーサーを用いた場合には、そのスペーサーが軟らかすぎるためにギャップコントロールが困難となる。 【0027】 ところで、STN型液晶表示素子に用いられるスペーサーの好適な硬さを規定するだけでは好適なスペーサーの材料力学的な性質を完全に表現することはできない。 【0028】 もう一つの重要な性質はスペーサーの弾性を示す値である圧縮変形後の回復率が所定範囲内にあることである。圧縮変形後の回復率を規定することによって球状スペーサーの弾性ないし弾塑性を定量的に且つ一義的に表すことが可能となるのである。本発明に使用するスペーサーにおいて、スペーサーの圧縮変形後の回復率は、20℃において30%〜80%の範囲が好ましい。特に好ましい圧縮変形後の回復率は40%〜70%の範囲である。 【0029】 回復率が80%を超えるスペーサーを用いると、液晶セル製造工程において加圧プレスによって両基板間のギャップ出しを行った後除圧した際に、圧縮変形したスペーサーは弾性回復し易いため、取り出された液晶セルのギャップが乱れるという事態が発生するおそれがある。 【0030】 回復率が30%を下回るスペーサーを用いると、加圧プレスにより両基板間のギャップ出しを行う際に、局部的に圧力が過大に加わった場合、スペーサーが圧縮変形された状態となるためその箇所でのギャップが元に戻らない不都合を生じ、そのためにギャップむらを生じるおそれがある。 【0031】 本発明のスペーサーは上記K値および回復率を満たすものであれば、無機質球状スペーサーあるいは合成樹脂球状スペーサーをともに用いることができる。 【0032】 上記K値および回復率を上記範囲内に容易に調整することができる点で、特に好ましいものは無機質と有機質とのハイブリッドからなるスペーサーである。 【0033】 例えば、無機質多孔性微粒子に重合性有機モノマーを含浸させた後、このモノマーを重合して得られる無機/有機ハイブリッド微粒子が挙げられる。また、有機多孔性微粒子に金属アルコキシドを含浸させた後、これを加水分解して金属酸化物を形成させるいわゆるゾルゲル法によって得られる有機/無機ハイブリッド微粒子が挙げられる。 【0034】 上記無機/有機ハイブリッド微粒子の調製に用いられる、好ましい無機質多孔性微粒子としては、酸化珪素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化ジルコニウムなどの多孔性微粒子が挙げられる。その製造法については、特公平2-61406号公報、特開平3-65518号公報などにその例が開示されている。 【0035】 重合性有機モノマーとしては、ジビニルベンゼン、多官能アクリルエステル、ジアリルフタレート、トリアリルイソシアヌレートなどの架橋性モノマーが好適に用いられる。 【0036】 上記有機/無機ハイブリッド微粒子の調製に用いられる有機質多孔性微粒子としては、多孔性架橋プラスチック微粒子が好適であり、その製造法については、特公昭58-45658号公報、特公昭61-28099号公報、特公昭61-36919号公報、特公昭63-59462号公報などにその例が開示されている。 【0037】 このような有機質多孔性微粒子の具体例としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、ジビニルベンゼン重合体、ジビニルベンゼン-多官能アクリル酸エステル共重合体、ジアリルフタレート重合体、トリアリルシアヌレート重合体、ベンゾグアナミン重合体などの架橋性ポリマーからなる多孔性微粒子が挙げられる。特に好ましい材質は、ジビニルベンゼン重合体、ジビニルベンゼン-多官能アクリル酸エステル共重合体、ジアリルフタレート重合体の多孔性微粒子である。 【0038】 金属アルコキシドとしては、アルミニウムアルコキシド、シリルアルコキシド、チタニウムアルコキシド、ジルコニウムアルコキシドが好適に用いられる。具体的には、トリメチルアルミニウムアルコキシド、トリエチルアルミニウムアルコキシド、トリイソプロピルアルミニウムアルコキシド、トリ-n-プロピルアルミニウムアルコキシド、トリイソブチルアルミニウムアルコキシド、トリ-n-ブチルアルミニウムアルコキシド、トリ-n-ペンチルアルミニウムアルコキシド、トリ-n-ヘプチルアルミニウムアルコキシド;トリメチルシリルアルコキシド、トリエチルシリルアルコキシド、トリイソプロピルシリルアルコキシド、トリ-n-プロピルシリルアルコキシド、トリイソブチルシリルアルコキシド、トリ-n-ブチルシリルアルコキシド、トリ-n-ペンチルシリルアルコキシド、トリ-n-ヘプチルシリルアルコキシド;トリメチルチタニウムアルコキシド、トリエチルチタニウムアルコキシド、トリイソプロピルチタニウムアルコキシド、トリ-n-プロピルチタニウムアルコキシド、トリイソブチルチタニウムアルコキシド、トリ-n-ブチルチタニウムアルコキシド、トリ-n-ヘプチルチタニウムアルコキシド、トリ-n-ヘキシルチタニウムアルコキシド;トリメチルジルコニウムアルコキシド、トリエチルジルコニウムアルコキシド、トリイソプロピルジルコニウムアルコキシド、トリ-n-プロピルジルコニウムアルコキシド、トリイソブチルジルコニウムアルコキシド、トリ-n-ブチルジルコニウムアルコキシド、トリ-n-ヘプチルジルコニウムアルコキシド、トリ-n-ヘキシルジルコニウムアルコキシドなどが挙げられる。 【0039】 本発明のスペーサーは着色されていてもよい。着色されたスペーサーの例は、例えば、特開昭57-189117号公報、特開昭63-89890号公報、特開平1-144021号公報、特開平1-144429号公報などに開示されている。 【0040】 着色された球状を用いる理由は次のとおりである。 【0041】 液晶表示素子において、透明電極間に電圧を印加することにより、液晶は光学的変化を生じて画像を形成する。これに対し、スペーサーはその印加によって光学的変化を示さない。従って、画像を表示させた時の暗部において、無着色のスぺーサーは輝点として視認されることがあり、その結果画像の表示コントラストを低下させることがあるからである。 【0042】 本発明の球状スペーサーは接着性を有していてもよい。接着性を有する球状スペーサーの例は、例えば、実開昭51-22453号公報、特開昭63-44631号公報、特開昭63-94224号公報、特開昭63-200126号公報、特開平1-247154号公報、特開平1-247155号公報などに開示されている。 【0043】 接着性を有する球状スペーサーを液晶表示素子に用いる理由は、前述のような基板部材の間隙においてスペーサーが移動して配向制御膜を傷つけるといった不都合な現象を積極的に防止するためである。 【0044】 本発明の球状スペーサーは導電性を有していてもよい。導電性を有する球状スペーサーの例は、例えば、特開昭61-277104号公報、特開昭61-277105号公報、特開昭63-190204号公報などに開示されている。導電性を有する球状スペーサーを用いる理由は、液晶表示素子の電極基板対の間の所定箇所を電気的に接続するためである。 【0045】 本発明の粒子径は、0.1μm〜100μmの範囲が好ましく、さらに好ましくは0.5μm〜50μmの範囲であり、特に好ましくは1μm〜20μmの範囲である。 【0046】 次に、K値ならびに圧縮変形後の回復率の測定法について説明する。 【0047】 (A)K値の測定方法及び条件 (i)測定方法 室温において、平滑表面を有する鋼板の上にスペーサーを散布し、その中から1個のスペーサーを選ぶ。次に、微小圧縮試験機(PCT-200型 島津製作所製)を用いて、ダイヤモンド製の直径50μmの円柱の平滑な端面でスペーサーを圧縮する。この際、圧縮荷重を電磁力として電気的に検出し、圧縮変位を差動トランスによる変位として電気的に検出する。 【0048】 そして、図2に示すような圧縮変位一荷重の関係が求められる。図2から、スペーサーの10%圧縮変形における荷重値、圧縮変位がそれぞれ求められ、これらの値と(5)式とから図3に示すようなK値と圧縮歪との関係が求められる。 【0049】 但し、圧縮歪は圧縮変位をスペーサーの粒子径で割った値を%で表したものである。 【0050】 (ii)圧縮速度 定負荷速度圧縮方式で行った。毎秒の0.27グラム重(grf)の割合で荷重が増加した。 【0051】 (iii)試験荷重 最大10grfとした。 【0052】 (B)圧縮変形後の回復率の測定方法及び条件 (i)測定方法 室温において、平滑表面を有する鋼板の上にスペーサーを散布し、その中から1個のスペーサーを選ぶ。次に、微小圧縮試験機(PCT-200型 島津製作所製)を用いて、ダイヤモンド製の直径50μmの円柱の平滑な端面でスペーサーを圧縮する。この際、圧縮荷重を電磁力として電気的に検出し、圧縮変位を差動トランスによる変位として電気的に検出する。 【0053】 そして、図4に示すように、スペーサーを反転荷重値まで圧縮した後(図4中、曲線(a)で示す)、逆に荷重を減らしていく(図4中、曲線(b)で示す)。この際、荷重と圧縮変位との関係を測定する。ただし、除荷重における終点は荷重値ゼロではなく、0.1g以上の原点荷重値とする。回復率は反転の点までの変位L1と反転の点から原点荷重値を取る点までの変位差L2の比(L2/L1)を%で表した値で定義する。 【0054】 (ii)測定条件 反転荷重値 1grf 原点荷重値 0.1grf 負荷および除負荷における圧縮速度 0.27grf/sec 測定室温度 20℃ 本発明の液晶表示素子は、上記球状スペーサーを用いたこと以外は、図1で示したものと同じ構成とすることができる。 【0055】 【作用】 液晶表示素子用球状スペーサーが上式(A)で定義されるKの値が750kgf/mm2〜1500kgf/mm2の範囲であり、且つ圧縮変形後の回復率が20℃において30%〜80%の範囲であることにより、スペーサーの硬さと弾性をSTN型液晶表示素子に好ましい範囲とすることができ、従って、素子の基板部材間の間隙(ギャップ)のバラツキを小さくし、かつ低温時発泡が起きないSTN型液晶表示素子を提供することができる。 【0056】 【実施例】 以下に本発明を実施例に基づいて詳細に説明する。 【0057】 実施例1 スチレン-ジビニルベンゼン共重合体よりなる平均粒子径6.98μm、標準偏差0.25μmの多孔性プラスチック粒子10gを入れた容器Aとテトラエトキシシラン1gを入れた容器Bとが連結され且つ真空ポンプにつながっている。容器Bをテトラエトキシシランの融点(-85℃)において-760mmHgで20分間脱気した後、室温に戻した。容器Bの脱気は-760mmHgで室温で60分間行った。その後、容器A、Bを真空状態のまま連結してテトラエトキシシラン蒸気を容器Aに移し、多孔性プラスチック粒子をテトラエトキシシランで被覆した。 【0058】 粒子を濾過分離後、50mlのメタノールで2回洗浄した。次に、別の容器にテトラエトキシシラン含有多孔性粒子と6N塩酸とを加え、冷却下超音波を照射しつつ粒子の多孔構造内部に金属酸化物の縮合物を形成させた。 【0059】 このようにして得られた有機/無機ハイブリッドスペーサーの平均粒子径は7.03μm、標準偏差は0.27μmであった。このスペーサーの圧縮試験を微小圧縮試験機(島津製作所製)を用いて行った。その結果、圧縮歪10%におけるK値は1150kgf/mm2であった。また、反転荷重1grfの場合の圧縮変形後の回復率は58%であった。 【0060】 一方、厚さ0.7mmのガラス板上に低温スパッタ法によって約500オングストロームの厚さの酸化インジウム-酸化スズ系の透明導電膜を形成した後、フォトリソグラフィーにより所定の電極パターンを形成した。次いで、この上に配向剤を塗布した後焼成して配向制御膜を形成し配向処理を施した。次に、このものを5cm×12.5cmの寸法に裁断して液晶表示素子用のガラス基板を得た。 【0061】 このガラス基板の周囲にスクリーン印刷によりガラスファイバースペーサーを混入させたエポキシ接着剤を幅1mmで印刷した。 【0062】 一枚のガラス基板を水平に配置した後、上方から上記で得られたスペーサーを加圧窒素ガスにより飛散させて、均一にガラス基板上に落下させた。ガラス基板上におけるスペーサーの散布濃度が約100個/mm2になるように散布時間を調製した。 【0063】 別のもう1枚のガラス基板をスペーサーが散布された上記ガラス基板上に重ね合わせた後、プレス機により1kg重/cm2の荷重をガラス基板全体に均一にかかるように加えた。同時に、このものを160℃の温度で20分間加熱して周囲のエポキシ接着剤を硬化させた。 【0064】 このようにして作成したセルの内部を吸引して真空とした後、周辺のシール部の一部に設けた孔隙部からSTN型液晶を内部へ注入した。このようにして作成したSTN型液晶セルの上下基板間の間隙を液晶セルギャップ測定装置(オーク製作所製TFM-120AFT型)で測定した結果、ギャップ値は6.97±0.05μmの範囲であった。 【0065】 この液晶セルの上下の両面に偏光シートを当て、この液晶セルに当てた光の反射光の色調が黄緑色を呈するように、偏光シートを貼付けた。この時、黄緑色の背景色には全く色むらが認められなかった。このようにして作成したSTN型液晶表示素子に電源を接続して点灯させた結果、良好な表示性能が得られた。 【0066】 実施例2 酸化チタン(TiO2)からなる平均粒子径6.95μm、標準偏差0.28μmの多孔性粒子10gを滴下ロートを備えた容器の底に入れ、滴下ロートにはテトラメチロールメタンテトラアクリレート1gとジビニルベンゼン1gと過酸化ベンゾイル0.02gの混合液を入れた。容器を-760mmHgで30分間脱気した後、滴下ロートの栓を開けて上記モノマー混合液をゆっくりと滴下し、酸化チタン多孔性微粒子に含浸させた。 【0067】 粒子を濾過分離後、この粒子を攪拌装置と冷却管を備えた別の容器に移し、これに100mlの5%ポリビニルアルコール水溶液を加え良く攪拌して粒子を均一に分散させた。このものを窒素気流下に300rpmで攪拌しつつ85℃に12時間加熱して酸化チタン多孔性粒子に含浸させた上記モノマーを完全に重合させた。得られた粒子を熱水でよく洗浄してポリビニールアルコールを除去した。 【0068】 このようにして得られた無機/有機ハイブリッドスペーサーの平均粒子径は7.00μm、標準偏差は0.30μmであった。 【0069】 このスペーサーの圧縮歪10%におけるK値は1250kgf/mm2であった。圧縮変形後の回収率は65%であった。 【0070】 このスペーサーを用いた以外は実施例1と同様にして作成したSTN型液晶セルのギャップ値は、6.95±0.07μmの範囲であった。 【0071】 また、実施例1と同様にして偏光シートを貼付けた状態で色むらは全く見られず、点灯状態での表示状態も良好であった。 【0072】 比較例1 ベンゾグアナミン重合体からなる平均粒子径6.98μm、標準偏差0.25μmのスペーサーを用いた以外は実施例1と同様にしてSTN型液晶表示素子を得た。 【0073】 使用したスペーサーの圧縮歪10%におけるK値は600kgf/mm2であった。スペーサーの圧縮変形後の回復率は13%であった。 【0074】 STN型液晶セルのギャップ値は6.92±0.07μmの範囲であった。 【0075】 また、実施例1と同様にして偏光シートを貼付けたところ、背景色に色むらが認められ、点灯状態での表示状態は不良であった。 【0076】 比較例2 トリアリルイソシアヌレート30重量%およびジアリルフタレート70重量%を懸濁重合させた後、分級により平均粒子径7.03μm、標準偏差0.26μmのスペーサーを得た。このスペーサーの圧縮歪10%におけるK値は240kgf/mm2であった。また、スペーサーの圧縮変形後の回復率は12%であった。 【0077】 このスペーサーを用いた以外は実施例1と同様にして作成したSTN型液晶セルのギャップ値は6.89±0.03μmの範囲であった。 【0078】 また、実施例1と同様にして偏光シートを貼付けたところ、背景色に色むらが認められ、点灯状態での表示状態は不良であった。 【0079】 比較例3 ポリスチレンからなる平均粒子径6.98μm、標準偏差0.25μmのスペーサーを用いた以外は実施例1と同様にしてSTN型液晶表示素子を得た。 【0080】 使用したスペーサーの圧縮歪10%におけるK値は105kgf/mm2であった。スペーサーの圧縮変形後の回復率は測定不能であった。 【0081】 STN型液晶セルのギャップ値は6.75±0.07μmの範囲であった。 【0082】 また、実施例1と同様にして偏光シートを貼付けたところ、背景色に色むらが認められ、点灯状態での表示状態は不良であった。 【0083】 比較例4 ベンゾグアナミン重合体からなる平均粒子径7.05μm、標準偏差0.25μmのスペーサーを用いた以外は実施例1と同様にしてSTN型液晶表示素子を得た。 【0084】 使用したスペーサーの圧縮歪10%におけるK値は620kgf/mm2であった。スペーサーの圧縮変形後の回復率は13%であった。 【0085】 STN型液晶セルのギャップ値は6.88±0.05μmの範囲であった。 【0086】 また、実施例1と同様にして偏光シートを貼付けたところ、背景色に色むらが認められ、点灯状態での表示状態は不良であった。 【0087】 比較例5 二酸化ケイ素からなる平均粒子径7.01μm、標準偏差0.19μmのスペーサーを用いた以外は実施例1と同様にしてSTN型液晶表示素子を得た。 【0088】 使用したスペーサーの圧縮歪10%におけるK値は5000kgf/mm2であった。スペーサーの圧縮変形後の回復率は85%であった。 【0089】 STN型液晶セルのギャップ値は6.99±0.10μmの範囲であった。 【0090】 また、実施例1と同様にして偏光シートを貼付けたところ、背景色に色むらが認められ、点灯状態での表示状態は不良であった。 【0091】 【発明の効果】 以上のように、本発明によれば、STN型液晶表示素子のスペーサーとして好適な物性を有するスペーサーを提供することができる。従って、無機質球状スペーサーを用いた場合に見られるように、低温時発泡を生じて液晶の配向特性の変調を誘起したり、表示画像の質を低下させることがない。また、プラスチック球状スペーサーを用いた場合に見られるように、液晶表示素子の液晶層間隙の寸法の乱れを生じさせて表示画像の鮮明度を低下させることもない。よって、本発明によれば表示画像の欠陥がなく鮮明な画像が得られるSTN型液晶表示素子を得ることができる。 【図面の簡単な説明】 【図1】 一般的な液晶表示素子を示す断面図である。 【図2】 荷重とスペーサーの圧縮変位との関係を示すグラフである。 【図3】 K値とスペーサーの圧縮歪との関係を示すグラフである。 【図4】 スペーサーの圧縮変形後の回復率の測定方法を説明する図である。 【符号の説明】 1、4 透明基板 2、5 透明電極 3、6 配向制御膜 7、9 基板部材 8 スペーサー 10 シール部材 11 液晶 12、13 偏光シート |
訂正の要旨 |
訂正の要旨 ▲1▼ 特許明細書の特許請求の範囲を次のとおり訂正する。 【特許請求の範囲】 【請求項1】 下式(A)で定義されるKの値が20℃において750kgf/mm2〜1500kgf/mm2の範囲であり、かつ圧縮変形後の回復率が20℃において30%〜80%の範囲であるSTN型液晶表示素子用球状スペーサー(但し、ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合物からなる球状スペーサーは除く)。 【数1】 K=(3/√2)・F・S-3/2・R-1/2 (A) ここで、F、Sはそれぞれ球状スペーサーの10%圧縮変形における荷重値(kgf)、圧縮変位(mm)であり、Rは該スペーサーの半径(mm)である。 【請求項2】 請求項1に記載のスペーサーを用いた、STN型液晶表示素子。 ▲2▼ 特許明細書の段落【0015】を次のとおり訂正する。 【0015】 【課題を解決するための手段】 本発明のSTN型液晶表示素子用球状スペーサー(但し、ベンゾグアナミン・メラミン・ホルムアルデヒド縮合物からなる球状スペーサーは除く)は、下式(A)で定義されるKの値が20℃において750kgf/mm2〜1500kgf/mm2のの範囲であり、かつ圧縮変形後の回復率が20℃において30%〜80%の範囲であり、そのことにより上記目的が達成される。 |
異議決定日 | 2001-04-17 |
出願番号 | 特願平3-245746 |
審決分類 |
P
1
651・
111-
YA
(G02F)
P 1 651・ 161- YA (G02F) P 1 651・ 112- YA (G02F) P 1 651・ 121- YA (G02F) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 後藤 時男 |
特許庁審判長 |
豊岡 静男 |
特許庁審判官 |
吉田 禎治 田部 元史 |
登録日 | 1999-11-26 |
登録番号 | 特許第3006934号(P3006934) |
権利者 | 積水化学工業株式会社 |
発明の名称 | STN型液晶表示素子用球状スペーサーおよびそれを用いたSTN型液晶表示素子 |
代理人 | 松本 武彦 |