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審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  B24B
審判 全部申し立て 特36条6項1、2号及び3号 請求の範囲の記載不備  B24B
審判 全部申し立て 1項3号刊行物記載  B24B
審判 全部申し立て 特36条4項詳細な説明の記載不備  B24B
管理番号 1044895
異議申立番号 異議2000-71370  
総通号数 22 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 2000-03-07 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-04-04 
確定日 2001-04-28 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第2957571号「ソーワイヤ用ワイヤ」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第2957571号の請求項1に係る特許を維持する。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第2957571号については、平成10年8月27日に出願され、平成11年7月23日にその設定の登録(請求項の数1)がなされ、その後、トクセン工業株式会社及びサンコール株式会社(以下それぞれ「異議申立人A」及び「異議申立人B」という。)より請求項1に係る特許について特許異議の申立てがなされ、その後、平成12年8月30日付けで取消しの理由(「第1回取消理由」という。)が通知され、その指定期間内である平成12年11月9日に訂正請求がなされ、さらに平成13年3月13日付けで取消しの理由(「第2回取消理由」という。)が通知され、その指定期間内である平成13年3月28日に平成12年11月9日付け訂正請求を取り下げると共に新たな訂正請求がなされたものである。
第2 訂正の適否について
1.訂正の内容
(1)訂正事項a
願書に添付された明細書(以下「特許明細書」という。)の段落【0007】の記載を、
「尚、内部応力は層除去法により数値化した。即ち、ワイヤの片面を所定厚さにエッチングして除去(図3参照)し、そのエッチング前後におけるワイヤの曲率変化(図2参照)を測定した。この時、中立軸に対するエッチング除去部分の曲げモーメントとエッチング前後のワイヤの曲率の変化から計算される曲げモーメントが等しいことから、エッチング除去部分の応力を算出した。
このワイヤ表面から15μmの深さまでの内部応力が0±40kg/mm2であるワイヤは、製造時における最終伸線工程において、適切な潤滑剤、ダイススケジュール、ダイスの種類、形状を設定することにより得られる。例えば、エマルジョンタイプの湿式潤滑剤中において、各減面率を15〜20%に設定したダイスを20枚前後通過させる。この時ダイスのベアリング長さをその径の30乃至60%、リダクション角度を8乃至12°とすることで得られる。
さらには、最終伸線後のワイヤに適切な熱処理や機械的な繰り返し曲げを施すことによっても得られる。例えば、ワイヤを温度500℃付近で保持したり、6〜12mmφの矯正ローラーを用いて繰り返し曲げを与える方法がある。」と訂正する。
2.訂正の目的の適否、新規事項の存否および拡張変更の有無
(1)訂正事項aについて
訂正事項aは、段落【0007】の記載におけるワイヤ表層部分における残留応力に基づくワイヤの中立軸に作用する曲げモーメントを表示する式と、ワイヤをエッチングする前後の曲率変化から計算される曲げモーメントを表示する式に誤りがあるものを削除すると共に、「この内部応力は」なる記載を「このワイヤ表面から15μmの深さまでの内部応力が0±40kg/mm2であるワイヤは」と訂正するものである。
これらの式は、内部応力を定量化する層除去法を説明するために使用された材料力学の理論により導出される周知の一般式であるから、誤りのあるこれらの式を削除したことにより、明細書の記載が不明瞭になるとはいえず、また、削除により当業者が発明を容易に実施することができないともいえない。
また、「このワイヤ表面から15μmの深さまでの内部応力が0±40kg/mm2であるワイヤは」と訂正した点については、ワイヤの内部応力が「ワイヤ表面から15μmの深さまでの内部応力が0±40kg/mm2」であることは願書に最初に添付した明細書に記載されているから、当該訂正により新規事項が追加されたとは言えない。
したがって、訂正事項aは、明りょうでない記載の釈明を目的とするものに該当し、また、新規事項を追加するものでもなく、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものでもない。
3.むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法第120条の4第2項及び同条第3項において準用する特許法第126条第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。
第3 特許異議の申立てについての判断
1.特許異議申立ての理由
(1)異議申立人Aは、甲第1号証乃至甲第6号証を提出し、
(A1)請求項1に係る発明は甲第1号証又は甲第2号証に記載された発明であるから特許法第29条第1項に違反して特許されたものである(「異議理由A1」という。)、
(A2)請求項1に係る発明は甲第1号証又は甲第2号証に記載された発明及び甲第3号証記載の発明に基づいて若しくは甲第1号証乃至甲第6号証記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に違反して特許されたものである(異議理由A2」という。)と主張し、
(A3)本件特許明細書の発明の詳細な説明には、本件請求項1の応力範囲のうち-側(圧縮応力)についてのデータがないので本件発明の効果が確認できないから本件明細書の発明の詳細な説明の記載は当業者がその発明を実施できる程度に明確かつ充分に記載されていないから、本件請求項1に係る特許は、特許法第36条第4項の規定を満たさない特許出願に対してされたものである(「異議理由A3」という。)と主張している。
[異議申立人A提出の甲各号証の表示]
(a)甲第1号証:特開平5-71084号公報
(b)甲第2号証:特開平8-291369号公報
(c)甲第3号証:特開平6-312209号公報
(d)甲第4号証:特開平9-70747号公報
(e)甲第5号証:特開平8-158280号公報
(f)甲第6号証:「ワイヤロープハンドブック」、日刊工業新聞社1995年3月30日発行、第2〜3頁、第98〜99、第111〜113、第116〜117、第730〜731頁。
(2)異議申立人Bは、甲第1号証乃至甲第3号証及び参考資料を提出し、
(B1)本件明細書段落【0007】の記載のエッチング法によっては、内部応力の定量的評価を行えないから、本件請求の範囲の内部応力をどのようにして測定するのか記載がないから、請求項1には特許を受けようとする発明が明確に記載されているとは言えず、本件請求項1に係る特許は、特許法第36条第6項の規定を満たさない特許出願に対してされたものである(「異議理由B1」という。)、
(B2)発明の詳細な説明には、内部応力を精度良く測定する方法が記載されていないから、発明の詳細な説明には、当業者がその発明を容易に実施することができる程度に記載されているとは言えず、本件請求項1に係る特許は特許法第36条第4項の規定を満たさない特許出願に対してされたものである(「異議理由B2」という。)、
(B3)本件明細書段落【0007】の記載のM1,M1'に係る式はディメンションが一致せず、その導出の仮定が明確でないから、本件特許明細書は、その記載に不備な点が認められ、本件請求項1に係る特許は、特許法第36条第4項の規定を満たさない特許出願に対してされたものである(「異議理由B3」という。)、
(B4)請求項1に係る発明は甲第1号証乃至甲第3号証に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたから特許法第29条第2項に違反して特許されたものである(「異議理由B4」という。)と主張している。
[異議申立人B提出の甲各号証の表示]
(a)甲第1号証:特開平5-71084号公報
(b)甲第2号証:特開平6-312209号公報
(c)甲第3号証:「塑性と加工」第39巻第447号(1998年4月)第76〜78頁「高炭素鋼による超硬張力極細線と伸線加工」
(d)参考資料:塑性加工技術シリーズ6引抜き加工(財団法人日本塑性学会編)II部各論6.6.5スチールコード用鋼線(175〜179頁)
(3)当審において通知した取消理由の概要
当審において通知した取消理由の概要は、次のとおりである。
(a)第1回取消理由
(特許法第29条第2項違反について)
本件発明は、上記刊行物1(特開平9‐70747号公報(異議申立人Aの提出した甲第4号証))及び刊行物2(特開平5‐71084号公報(異議申立人Aの提出した甲第1号証))に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたから、本件発明は、特許法第29条第2項に違反して特許されたから、その特許を取り消すべきである。(「取消理由1」という。)
(特許法第36条第4項違反について)
本件特許明細書の記載において、【数1】の式の導出の仮定が明確でなく、M1、とM1’のディメンションが一致しないなど理解しがたい式であるから、明細書の記載が、当業者が容易に実施できる程度に明確に記載されていないから、特許法第36条第4項の規定を満たさない出願に対してなされたので取り消すべきである。(「取消理由2」という。)
(b)第2回取消理由
本件特許明細書の記載において、【数1】の式のM1、とM1’のディメンションが一致しないから、特許法第36条第4項の規定を満たさない出願に対してなされたので取り消すべきである。(「取消理由3」という。)
2.当審の判断
(1)訂正後の発明
訂正請求書に添付された明細書(以下「訂正明細書」という。)の請求項1に係る発明は、訂正明細書の記載からみて、訂正明細書の請求項1に記載された次の通りのものであると認める。
「【請求項1】シリコン、石英、セラミック等の硬質材料の切断、スライス用に用いられるソーワイヤであって、径サイズが0.06〜0.32mmφで、ワイヤ表面から15μmの深さまでの内部応力が0±40kg/mm2(+側は引張応力、-側は圧縮応力)の範囲に設定されていることを特徴とするソーワイヤ用ワイヤ。」(以下「本件発明」という。)
(2)引用刊行物
異議申立人Aが提出した刊行物1(特開平9-70747号公報)及び異議申立人A及びBが提出した刊行物2(特開平5-71084号公報)には次の事項が記載されている。
(a)刊行物1:
【第1欄13行〜15行】
「本発明は、ワイヤと砥粒により、半導体材料、セラミックスなどのような材料を多数のウエハに高精度に切断するワイヤソーに関する。」
【第3欄第40行〜同右欄42行】
「【課題を解決するための手段】ワイヤソーに用いられる直径0.2mm以下の極めて細いワイヤは剛性に乏しく簡単に捻られるものである。」
【第4欄第8行〜同第11行】
「2)従って、ワイヤの残留応力の小さい外周面が摩耗し、その面の残留応力はますます小さくなり、ワイヤの残留応力の小さい外周面がワークに接する傾向はますます強くなる。」
【第5欄第20行〜同23行】
「このように、引張残留応力が小さいワイヤの表層部位(X側)が摩耗する結果、表面Xの側の引張残留応力σtは小さくなり、ワイヤ4はさらに小さいρで曲がろうとする。」
以上の記載から、刊行物1には、次の発明が記載されていると言える。
(ア)半導体材料、セラミック等の硬質材料の切断、スライス用に用いられるソーワイヤであって、径サイズが0.2mm以下で、ワイヤ表面近傍には、引張残留応力を有するソーワイヤ用ワイヤ。
(イ)ワイヤの残留応力の小さい外周面が摩耗し、その面の残留応力はますます小さくなり、ワイヤの残留応力の小さい外周面がワークに接する傾向はますます強くなること。
(b)刊行物2:
【第1欄6行〜同9行】
「表面の残留応力が、X線回折法により求められた軸方向における引張り側で45kg/mm2以下であることを特徴とするゴム補強用スチールワイヤ。」
【第1欄25行〜同34行】
「引き抜きにより表面に引張り側の残留応力が残る。そして、コードとされゴム製品に補強材として使用されたときには引張りや曲げの応力を受ける。そのため、スチールワイヤの表面には、すでにある残留応力にこの応力が重畳することになり、その応力が高い場合には、疲労現象が早期に現れ、亀裂の発生やその伝播が進行し、ひいてはゴム製品全体の強度や疲労性の劣化につながる。この観点から、スチールワイヤの表面に残留する引張り応力は低いほどよく言われており」
【第2欄9行〜同11行】
「ワイヤ表面の残留応力を定量的に把握し、それに基づいて、スチールワイヤの表面残留応力を後加工によってでなく、引き抜き加工そのもので低減させる」
【第2欄16行〜同18行】
「表面の残留応力が、X線回折法により求められた軸方向における引張り側で45kg/mm2以下」
【第2欄39行〜第3欄2行】
「この引き抜き加工では、表面残留応力が不可避的に生ずる。その表面の残留応力の測定法として、ゴム補強用のワイヤ類については、マニキュア法が唯一の実用的な方法として採用されていた。・・(中略)・・従来では、この定性的な評価に基づいて表面の残留応力を測定したとなしており、それゆえ、精度が低く、バラツキや安定性が乏しいものであった。」
【第3欄17行〜19行】
「この方法により細いワイヤについても、表面からワイヤ中心に向かって10μmの残留応力を精度よく測定することが可能となった。」
【第4欄6行〜同9行】
「X線回折法により表面残留応力を測定したところ、アプローチ角を9°未満好ましくは約8°以下としたときに、表面残留応力がすべて軸方向において引張り側で45kg/mm2以下になった。」
【第4欄36行〜同右欄38行】
「アプローチ角:12°の直線状引き抜きダイズを21段用いて伸線加工を行い、0.30mmφのワイヤを得た。」
【第5欄表1】
方法 X線回折法による表面残留応力(kg/mm2)
本発明1 5
本発明2 25
本発明3 45
【第5欄第12行〜同第14行】
「最終引き抜きダイズのアプローチ角を約8°以下にすると、表面残留応力を45kg/mm2以下にすることができ、」
以上の記載から、刊行物2には次のことが記載されていると言える。
径サイズが0.05〜0.80mmで、X線回折法により求められたワイヤ表面から10μmの深さ付近での内部応力が45kg/mm2以下、特に5kg/mm2,25kg/mm2の範囲に設定されているゴム補強用スチールワイヤ。
(3)対比・判断
(a)取消理由について
(i)取消理由(1)について
本件発明の構成と取消理由において引用された刊行物1及び刊行物2記載の発明の構成とを対比する。
刊行物1には、硬質材料のスライス用に用いられるソーワイヤであって、径サイズが0.2mm以下でワイヤ表面近傍に引張残留応力を有するソーワイヤ用ワイヤが記載されており、刊行物2には、径サイズが0.05〜0.80mmで、ワイヤ表面から10μmの深さ付近での内部応力が45kg/mm2以下、特に5kg/mm2,25kg/mm2の範囲に設定されているゴム補強用スチールワイヤが記載されている。
そこで、刊行物1記載の発明と刊行物2記載の発明とを組合せて、当業者が容易に本件発明の構成を具備するワイヤソー用ワイヤとすることができたかどうかを検討する。
刊行物1には、ワイヤソー用のワイヤにおいて、表面付近に残留する引張応力に基づくワイヤ曲がりの問題をワイヤ表面を均一に摩耗させることにより解決するというものであり、ワイヤ表面付近の引張残留を規制することは記載がない。
一方、刊行物2記載の発明は、ゴム補強用スチールワイヤの表面付近の残留応力を所定値に規制するものであるが、その目的は、残留応力による疲労現象を低減するためである。即ち、ゴム補強用スチールワイヤとワイヤソー用ワイヤにおいては、残留応力規制の目的が異なるから、刊行物1及び2を組み合わせることが当業者が容易に想到することができたは言えない。
したがって、本件発明が刊行物1及び刊行物2記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることはできたとは言えない。
(ii)取消理由2及び取消理由3について
平成13年3月28日付け訂正請求の訂正の結果、【数1】の式は削除されたので、取消理由2及び取消理由3において指摘した明細書の記載の不備は解消された。
(b)特許異議申立の理由について
(i)異議理由A1について。
理由A1において引用された甲第1号証(特開平5-71084号公報)は、上記取消理由(1)において引用された刊行物2であり、その記載発明は上記(2)引用刊行物の(b)刊行物(2)において摘記された発明である。
また、同理由A1に引用された甲第2号証(特開平8-291369号公報)には、次のことが記載されている。
【第1欄第37行〜同第40行】
「スチールタイヤコード、スチールベルトコード等の素線として使用され、線径が0.05〜0.4mmである疲労特性の優れた高強度極細鋼線」
【第4欄第43行〜同第47行】
「図2に極細鋼線の表層残留応力と疲労限の関係について解析した一例を示す。表層残留応力が+200MPa以下で、鋼線の疲労限が著しく向上することから、表層の残留応力を+200MPa以下に制限した。
以上の記載から、甲第2号証には、次の発明が記載されていると言える。
0.05〜0.4mmのスチールタイヤコード、スチールベルトコード等の素線であって、表層の残留応力を+200MPa(20kg/mm2)以下に制限した疲労特性の優れたスチールタイヤコード用スチールワイヤ。
そこで本件発明と甲第1号証及び甲第2号証記載の発明とを対比すると、両者の間に次の相違がある。
相違点A:
甲第1号証及び甲第2号証記載の発明がタイヤコード用スチールワイヤであるのに対して、本件発明はワイヤソー用ワイヤである点。
この相違点につき検討するに、タイヤ用スチールワイヤと、ワイヤソー用ワイヤにおいては、使用形態が全く異なることから、求められる性質も、前者においては、耐摩耗性よりも、疲労強度が求められるるのに対して後者においては、耐摩耗性と摩耗時の真直性が求められるから、例え表層付近の残留応力値及び径サイズが同じ値のワイヤであっても、タイヤコード用スチールワイヤをワイヤソー用ワイヤに用いることが、単なる用途を限定したに過ぎないということはできない。
したがって、異議理由A1は理由があるとは言えない。
(ii)異議理由A2について。
同理由A2において引用された甲第4号証(特開平9-70747号公報)は、上記取消理由1において引用された刊行物1であり、その記載発明は上記(2)引用刊行物の(a)刊行物(1)において摘記された発明である。
同理由A2に引用された甲第3,5,6号証にはそれぞれ次のことが記載されている。
甲第3号証(特開平6-312209号公報)
【第2欄第13行〜同16行】
「本発明はゴム、有機材料の補強用に使用されている高強度で高延性の極細鋼線に関するものである。これらの鋼線は、乗用車用カーカスコード、ソーワイヤなどに使用することができる。」
【第2欄第18行〜同25行】
「一般的に使用されている0.15〜0.35mmφのスチールコードなど伸線された高炭素鋼極細線は、・・(中略)・・撚り線加工を施した状態でスチールコードとして使用されている。」
【第2欄第26行〜同31行】
「これらの極細線は、
1)より高強度であること、
2)高速伸線性が優れていること、
3)疲労特性が優れていること、
4)高速撚り線性が優れること等の特性を具備しなければならない。」
【第7欄第28行〜第8欄第1行】
「これらのワイヤは、乾式伸線、湿式伸線のいづれかあるいは組み合わせで製造されているが、」
【第7欄第11行〜同第13行】
「以上の製造工程において使用する引き抜きダイスに、アプローチ角が10°±2°である引き抜き用ダイスを使用することで・・(中略)・・
この製造工程により円相当直径が0.02〜0.15mmφのワイヤを製造することで、疲労寿命の高い素線を製造することができる。」
以上の記載から、甲第3号証には、次の発明が記載されていると言える。
径サイズが0.15〜0.35mmφで、アプローチ角が10°±2°であるダイスにより引き抜き加工により製造された乗用車用カーカスコード及びソーワイヤ等に使用できる疲労強度の優れた超極細線。
甲第5号証(特開平8-158280号公報)
【第1欄第14行〜同15行】
「スチールコード素線の製造方法に関し、」
【第4欄第16行〜同23行】
「素線の片側にエナメルを塗り、50%硝酸でもう片側を溶解する。すると、残留応力により素線が変形する。変形が最大のときの先端の移動長さ(図4の(ロ)に示す距離AまたはB)を測定し、エナメルを塗った方向に移動すれば引張り残留応力(+)とし、逆側に移動すれば圧縮残留応力(-)とした。移動距離の絶対値が大きくなるほど各残留応力も増大する。」
以上の記載から、甲第5号証には、次の発明が記載されていると言える。
ゴム補強用スチールコード素線の片側にエナメルを塗り50%硝酸で他の片側を溶解すると残留応力により素線が変形し、先端の移動長さを測定することにより素線表層部の引張又は圧縮残留応力の大きさを移動距離(mm)で表すこと。
甲第6号証(「ワイヤロープハンドブック」)
【2ページ第1行〜同2行】
「ワイヤロープ(以下、ロープという)は鋼線(鉄線)をより合わせてつくられる。ロープを構成する鋼線を素線とよび、」
【2ページ第16行〜同18行】
「ロープは、・・・ゴムなどの補強材として使用される。」
【99ページ第3行〜同7行】
「減面率には2種類あり・・(中略)・・普通各回約20%、時には10〜30%の断面減少率で数回ダイズを通しておこなわれる。」
【111ページ第27行〜同28行】
「アプローチ部分の角度は、鋼線では・・・10〜12°位の角度を用いる。」
【112ページ表2.5.2】
「ダイズ各部の角度と寸法
名称 角度 寸法
アプローチ 12°〜13°
ベアリング 0.5d」
ただし、dはダイス穴径
【117ページ第13行〜同17行】
「エマルジョンタイプの潤滑剤
この潤滑剤は・・・軽い減面率の伸線に適している。」
【731ページ第9行〜同11行】
「スチールタイヤコードの製造
スチールタイヤコード・・・素線径が0.15〜0.38mmと細く」
以上の記載から、甲第6号証には、次の発明が記載されていると言える。
素線径が0.15〜0.38mmのスチールタイヤコード。
ロープ用素線を伸線加工して製造するダイスは、アプローチ角12°〜13°、ベアリング0.5d(ただし、dはダイス穴径)のものが用いられること。
そこで、これら甲各号証記載の発明の組合せによる本件発明の容易性を検討する。
すでに述べたように、本件発明と甲第1号証又は甲第2号証記載の発明とは上記相違点Aにおいて相違する。
そこで相違点Aにおける本件発明の構成の容易性につき検討する。
甲第3号証には、径サイズが0.15〜0.35mmφで、アプローチ角が10°±2°であるダイスにより引き抜き加工により製造された超極細線が乗用車用カーカスコード及びソーワイヤ等に使用できることが記載されている。
しかるに、タイヤ用スチールワイヤと、ワイヤソー用ワイヤにおいては、使用形態が異なることから、スチールワイヤに求められる性質も、前者においては、疲労強度が求められるるのに対して後者においては、切削時に摩耗を受けるため、偏摩耗が少なく摩耗時の真直性が求められるから、例え表層付近の残留応力値及び径サイズが同じ値のワイヤであっても、タイヤコード用スチールワイヤをワイヤソー用ワイヤとして用いる効果が当然に予測しうる範囲のものであるとは言えない。
してみれば、甲第1号証又は甲第2号証記載の発明と甲第3号証記載の発明から、本件発明をすることが当業者にとり容易であると言うことはできない。
甲第4号証(刊行物1)と甲第1号証(刊行物2)との組合せについては、「(a)(i)取消理由1について」の項において述べたように、本件発明が甲第4号証(刊行物1)及び甲第1号証(刊行物2)記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたとは言えない。
甲第2号証記載の発明も、甲第1号証記載の発明と同じくゴム補強用スチールワイヤの表面付近の残留応力を所定値に規制するものであるが、その目的は、残留応力による疲労現象を低減するためである。
したがって、甲第4号証記載の発明と甲第2号証記載の発明とを組み合わせても「(a)(i)取消理由1について」の項において述べた理由により本件発明のように構成することが当業者にとって容易であると言うことはできない。
甲第5号証には、ゴム補強用スチールコード素線の片側にエナメルを塗り50%硝酸で他の片側を溶解すると残留応力により素線が変形し、先端の移動長さを測定することにより素線表層部の引張又は圧縮残留応力の大きさを移動距離(mm)で表すことが記載され、
甲第6号証には、素線径が0.15〜0.38mmのスチールタイヤコード及びロープ用素線を伸線加工して製造するダイスは、アプローチ角12°〜13°、ベアリング0.5d(ただし、dはダイス穴径)のものが用いられることが記載されているがいずれも相違点Aにおける本件発明の構成を記載していないばかりか示唆もない。
したがって、甲第1号証又は甲第2号証記載の発明と甲第5号証又は甲第6号証記載の発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたとは言えない。
異議申立人Aは、甲第3号証に示されるように、超極細鋼線すなわちスチールワイヤの用途が乗用車用カーカスコード及びソーワイヤというように一括りで論じられているから、甲第1号証又は甲第2号証記載のタイヤコード用スチールワイヤをワイヤソー用ワイヤとすることは当業者が容易に推察できることであると主張している。
しかし、ワイヤソー用ワイヤにおいて、その表層部の内部応力規制の要求が出願前公知でない以上、タイヤコード用スチールワイヤにおいて、表層部の内部応力を規制したスチールワイヤをワイヤソー用ワイヤとすることが、当業者にとり容易に推察できることであると言うことはできない。したがって、異議理由A2は理由があるとは言えない。
(iii)異議理由A3について。
本件明細書の発明の詳細な説明の欄に、-側データがなくても、残留応力が引張応力であるか圧縮応力であるかは、層除去法におけるエッチング時にワイヤが除去された層に対しどちら側に曲がるかにより決められることは、上記甲第5号証に記載されているように、当業者が容易に推認できることであるから、-側データが記載されていないからといって、本件明細書の記載が当業者がその発明を実施できる程度に明確かつ充分に記載されていないと言うことはできない。
したがって、異議理由A3は理由があるとは言えない。
(iv)異議理由B1について
内部応力の測定法そのものは、本件発明の必須の構成ではないから、内部応力の測定がどのように実施されるか詳細な説明がないことをもって、本件発明が発明の詳細な説明に記載されていないとは言えない。
したがって、異議理由B1は理由があるとは言えない。
(v)異議理由B2について
エッチング法がゴム補強用ワイヤ類の内部応力の実用的測定法として、精度が低く安定性が乏しい等の問題点があるものの従来から用いられている(特開平5-71084号公報参照)エッチング法即ち層除去法(特開平5-71084号公報参照)がから、本件明細書に内部応力をどのようにして測定するのか記載がないとはいえない。
(vi)異議理由B3について
平成13年3月28日付け訂正請求により、誤りのあった【数1】式は削除された。また、該式は、平成13年3月28日付け意見書に述べられているように、ワイヤの内部残留応力に基づく曲げモーメントを表す周知の一般式から導き出せる式であるから、該式が削除されたことをもって当業者が発明を容易に実施できないとはいえない。
したがって、該式に関する不備は解消された。
したがって、異議理由B3は理由があるとは言えない。
(vii)異議理由B4について
同理由において引用された甲第1号証(特開平5-71084号公報)は、上述の異議理由A1において引用された甲第1号証に同じであり、甲第2号証(特開平6-312209号公報)は、上述の異議理由A2において引用された甲第3号証に同じである。
また、甲第3号証(「塑性と加工」)には、高炭素鋼による超高張力極細線がスチールタイヤコードやソーワイヤなどの製品として利用されていることが記載されている。
さらに、参考資料には、引き抜き加工に関する技術が記載されている。
そして、上述の「(ii)異議理由A2について。」において述べたように、本件発明は、甲第1号証記載の発明及び甲第2号証(特開平6-312209号公報)記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたともいえない。
さらに、甲第3号証及び参考資料にもワイヤソー用ワイヤにおいて、その表層部の内部応力を規制することにつき記載がない。
したがって、本件発明が異議申立人Bの提出した甲第1号証乃至甲第3号証及び参考資料に記載された発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたと言うことはできない。
したがって、異議申立人の申立理由B4は理由がない。
3.結び
以上の通りであるから、本件特許異議の申立てはいずれも理由があるとは言えない。
また、他に本件発明に対してなされた特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
ソーワイヤ用ワイヤ
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 シリコン、石英、セラミック等の硬質材料の切断、スライス用に用いられるソーワイヤであって、径サイズが0.06〜0.32mmφで、ワイヤ表面から15μmの深さまでの内部応力が0±40kg/mm2(+側は引張応力、-側は圧縮応力)の範囲に設定されていることを特徴とするソーワイヤ用ワイヤ。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、ソーマシンに使われるソーワイヤ用のワイヤに係わり、その用途はシリコン、石英、セラミック等の硬質材料の切断、スライス用に用いられるものである。
【0002】
【従来の技術】
ソーワイヤは、スライス面を平滑にすること、またスライス厚さを均一に加工する必要性から、ソーワイヤには高精度の線径公差及びソーマシン内で真直な姿勢を維持する性状が求められる。
この点、従来のソーワイヤには、砥粒混入液を流しながらワイヤでスライスするタイプのもの、予めダイヤモンド等の砥粒を固着したワイヤでスライスするタイプのもの、その他がある。
そして、通常その径は0.06〜0.32mmφで、例えば、1〜6kgの張力下で遊離砥粒を介して、シリコン、石英、セラミック等の硬質材料のスライスを行っている。高引張り強度及び耐磨耗性の面から通常は高炭素鋼スチールワイヤが使用され、また、高精度な線径公差が必要なことから、また、伸線性の面からも、その表面には銅、亜鉛及びその合金のプラスをメッキしたスチールワイヤが多く用いられている。
【0003】
近年、経済的な面から、新線の供給量を減少させたり、使用ワイヤを再使用する等、ソーワイヤ1本当たりのスライス量を増す要請がある。このようなワイヤヘの負荷を大きくした状況下で使用されたソーワイヤはフリーサークル径が小さくなったり、場合によっては小波状となることがある。フリーサークル径が極端に小さくなったソーワイヤ、また、特に小波状となったソーワイヤは、ソーマシン内で一定のワイヤ張力下においても、完全な真直姿勢を維持出来ずにスライス面精度を低下させる問題がある。
そして、このようなスライス面精度を低下させるフリーサークル径の減径及び小波の発生は、主にワイヤの偏磨耗とワイヤ表面の内部応力に起因することをつきとめた。すなわち、図1に示す通り、通常、ワイヤ表面は引っ張り応力となっているため、ワイヤが偏磨耗すると磨耗側を外側にして湾曲するためであることを確認した。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
解決しようとする課題は、ワイヤヘの負荷を大きくした状況下で使用されても、使用後にフリーサークル径が極端に小さくなったり、又、小波状となるようなことがなく、ソーマシン内で真直な姿勢を維持可能なソーワイヤ用ワイヤを提供することにある。
【0005】
【課題を解決するための手段】
本発明は前記した課題を達成するため、内部応力を数値化し且つその範囲を制限することにより、実使用上におけるワイヤヘの負荷が大きくなっても、スライス面精度を低下させないソーワイヤ用のワイヤを完成したものである。
具体的には、ワイヤの径サイズが0.06〜0.32mmφで、ワイヤ表面から15μmの深さまでの内部応力を0±40kg/mm2(+側は引張応力、一側は圧縮応力)の範囲に設定してあることを特徴とする。
【0006】
本発明におけるワイヤの径サイズは0.06〜0.32mmφであるが、通常使用される.ワイヤサイズを対象とする。そして、内部応力を求める深さをワイヤ表面から15μmの深さまでに設定し得たのは、実使用における使用済みワイヤの片側最大磨耗が15μmであることを確認したことによるものである。また、内部応力値の範囲は、実使用において使用線に小波の発生がなかったことを確認したことによるものである。また、この範囲では、従来例に比較し、使用線のフリーサークル径が明らかに大きくなっていることを確認した。
【0007】
尚、内部応力は層除去法により数値化した。即ち、ワイヤの片面を所定厚さにエッチングして除去(図3参照)し、そのエッチング前後におけるワイヤの曲率変化(図2参照)を測定した。この時、中立軸に対するエッチング除去部分の曲げモーメントとエッチング前後のワイヤの曲率の変化から計算される曲げモーメントが等しいことから、エッチング除去部分の応力を算出した。
このワイヤ表面から15mの深さまでの内部応力が0±40kg/mm2であるワイヤは、製造時における最終伸線工程において、適切な潤滑剤、ダイススケジュール、ダイスの種類、形状を設定することにより得られる。例えば、エマルジョンタイプの湿式潤滑剤中において、各減面率を15〜20%に設定したダイスを20枚前後通過させる。この時ダイスのベアリング長さをその径の30乃至60%、リダクション角度を8乃至12°とすることで得られる。
さらには、最終伸線後のワイヤに適切な熱処理や機械的な繰り返し曲げを施すことによっても得られる。例えば、ワイヤを温度500℃付近で保持したり、6〜12mmφの矯正ローラーを用いて繰り返し曲げを与える方法がある。
【0008】
【発明の実施の形態】
本発明のソーワイヤ用ワイヤの実施の1形態を説明する。
ワイヤは、径サイズが0.06〜0.32mmφで、ワイヤ表面から15μmの深さまでの内部応力を0±40kg/mm2の範囲に設定してある。
【0009】
<具体例1>
▲1▼径サイズ:0.18mmφ
▲2▼内部応力(平均値):35kg/mm2
▲3▼フリーサークル径:240mmφ
<具体例2>
▲1▼径サイズ:0.18mmφ
▲2▼内部応力(平均値):32kg/mm2
▲3▼フリーサークル径:180mmφ
<具体例3>
▲1▼径サイズ:0.18mmφ
▲2▼内部応力(平均値):30kg/mm2
▲3▼フリーサークル径:370mmφ
<具体例4>
▲1▼径サイズ:0.18mmφ
▲2▼内部応力(平均値):25kg/mm2
▲3▼フリーサークル径:600mmφ
<具体例5>
▲1▼径サイズ:0.18mmφ
▲2▼内部応力(平均値):23kg/mm2
▲3▼フリーサークル径:1000mmφ
【0010】
【表1】

【0011】
上記の表1により、本発明の具体例1〜5のワイヤと従来の比較例1〜5のワイヤが、そのワイヤの実使用後のワイヤ形状について、本発明の具体例1〜5のワイヤでは、ワイヤ表面の内部応力が小さく、使用線のフリーサークル径及び小波等についての直線形状が著しく向上していることがわかる。
【0012】
【発明の効果】
A.請求項1により、ワイヤ表面から15μmの深さまでの内部応力を0±40kg/mm2の範囲に設定してあるため、ワイヤヘの負荷を大きくした状況下で使用しても、使用後にフリーサークル径が極端に小さくなったり、又、小波状となるようなことがなく、ソーマシン内で真直な姿勢を維持することができる。
また、その表面の内部応力が小さいことにより、荷重-伸び曲線における弾性変形領域が大きくなる。この面からも、ワークとの接触による曲げ応力に対しても癖がつきにくい特性を有する。
【図面の簡単な説明】
【図1】 ワイヤ断面の内部応力分布図。
【図2】 エッチング前後のワイヤ形状の変化を示す概略図。
【図3】 エッチング後のワイヤ断面形状を示す断面図。
 
訂正の要旨 訂正の要旨
訂正事項a
明りょうでない記載の釈明を目的として、願書に添付された明細書の段落【0007】の記載を、
「尚、内部応力は層除去法により数値化した。即ち、ワイヤの片面を所定厚さにエッチングして除去(図3参照)し、そのエッチング前後におけるワイヤの曲率変化(図2参照)を測定した。この時、中立軸に対するエッチング除去部分の曲げモーメントとエッチング前後のワイヤの曲率の変化から計算される曲げモーメントが等しいことから、エッチング除去部分の応力を算出した。
このワイヤ表面から15μmの深さまでの内部応力が0±40kg/mm2であるワイヤは、製造時における最終伸線工程において、適切な潤滑剤、ダイススケジュール、ダイスの種類、形状を設定することにより得られる。例えば、エマルジョンタイプの湿式潤滑剤中において、各減面率を15〜20%に設定したダイスを20枚前後通過させる。この時ダイスのベアリング長さをその径の30乃至60%、リダクション角度を8乃至12°とすることで得られる。
さらには、最終伸線後のワイヤに適切な熱処理や機械的な繰り返し曲げを施すことによりても得られる。例えば、ワイヤを温度500℃付近で保持したり、6〜12mmφの矯正ローラーを用いて繰り返し曲げを与える方法がある。」と訂正する。
異議決定日 2001-04-11 
出願番号 特願平10-242066
審決分類 P 1 651・ 536- YA (B24B)
P 1 651・ 113- YA (B24B)
P 1 651・ 121- YA (B24B)
P 1 651・ 537- YA (B24B)
最終処分 維持  
特許庁審判長 小林 武
特許庁審判官 播 博
鈴木 孝幸
登録日 1999-07-23 
登録番号 特許第2957571号(P2957571)
権利者 丸紅ファインスチール株式会社
発明の名称 ソーワイヤ用ワイヤ  
代理人 長南 満輝男  
代理人 進藤 純一  
代理人 早川 政名  
代理人 細井 貞行  
代理人 早川 政名  
代理人 長南 満輝男  
代理人 宮本 泰一  
代理人 石渡 英房  
代理人 細井 貞行  
代理人 石渡 英房  

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