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審決分類 審判 補正却下の決定 判示事項別分類コード:11  G06F
管理番号 1046927
審判番号 審判1997-9714  
総通号数 23 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1989-10-20 
種別 補正却下の決定 
確定日 1999-08-27 
事件の表示 昭和63年特許願第92842号「知識獲得処理方式」拒絶査定に対する審判事件について,次のとおり決定する。 
結論 平成9年7月14日付けの手続補正を却下する。 
理由 1.平成9年7月14日付けの手続補正書(以下、単に「手続補正書」という。)は、明細書の発明の名称、特許請求の範囲及び発明の詳細な説明を補正するものである。
2.当該手続補正書によって補正された特許請求の範囲は、
「特定の分野の知識について少なくとも上位下位関係と属性関係とを含む関係のもとで構造的表現で表したモデル(6)について、当該モデル(6)の雛形を作成する雛形作成部(7)と、前記雛形の整理を行うことによって前記モデル(6)の原型を作成するグループ整理部(8)と、前記モデル(6)の原型のチューニングを行うことによって完成したモデル(6)を作成するチューニング部(11)とを少なくとも備え、前記雛形作成部(7)がデータベース(3)のスキーマ情報(4)に基づいて前記雛形を作成するよう構成され、前記グループ整理部(8)が、前記雛形における属性関係及び上位下位関係を通知されて、当該属性関係及び上位下位関係に基づいて前記整理を行って前記モデル(6)の原型を作成するように構成され、前記チューニング部(11)が入力例文に基づいた指示を通知されて、当該指示に基づいて前記チューニングを行い、完成したモデルを作成するように構成されたことを特徴とする知識獲得支援処理装置。」
である。
また、特許請求の範囲の補正と同時になされた発明の詳細な説明の補正における補正内容(6)において、「・・・・当該不自然か否かは、知識の獲得を行うシステムの構築者が行うものであり、システムは当該システム構築者からの情報にもとづいて整理を行う・・・・」という事項を加えている。
したがって、当該発明の詳細な説明の補正を参酌すると、特許請求の範囲における「前記グループ整理部(8)が、前記雛形における属性関係及び上位下位関係を通知されて、当該属性関係及び上位下位関係に基づいて前記整理を行って前記モデル(6)の原型を作成するように構成され、」とは、グループ整理部(8)が、雛形における属性関係及び上位下位関係をシステム構築者から通知されて、当該属性関係及び上位下位関係に基づいて整理を行ってモデル(6)の原型を作成するように構成されることを意味するものであることが明らかである。
3.しかしながら、願書に最初に添付した明細書の第5頁第19行〜第6頁第5行には、本発明に係るエキスパートシステムの説明として、「即ち、モデル構築部5は、データベース3の蓄積検索のための固有(又は個別)構造記述であるスキーマ情報4を用いて、これからモデル6を作る。この時、システム構築者は入力例文をモデル6作成の補助情報として入力するのみでよい。」と記載され、同第8頁第1行〜第4行には、「また、知識獲得処理の殆ど(入力例文の提供を除く)を、エキスパートシステム1自体が自動的に行うので、システム構築者の負担が少なくてすむ。」と記載され、更に、明細書第31頁第19行〜第32頁第1行には、入力文からのチューニングに関連する説明として、「このチューニング処理は、前述までのエキスパートシステム1自体が自動的に行う処理とは異なり、システム構築者との対話形式で行われる。」と記載され、これらの記載からみて、願書に最初に添付した明細書においては、システム構築者から通知されるのはチューニング部においてチューニングを行う段階で通知される入力例文に関連したもののみであり、それ以外については、システム構築者が介在することなくシステム自体が自動的に処理を行うエキスパートシステムが記載されているにとどまるものと認められる。更に、明細書全体をみても、グループ整理部がシステム構築者から雛形における属性関係及び上位下位関係を通知されることが明らかであるとも認められない。
4.したがって、手続補正書によって補正された特許請求の範囲における「前記グループ整理部(8)が、前記雛形における属性関係及び上位下位関係を通知されて、当該属性関係及び上位下位関係に基づいて前記整理を行って前記モデル(6)の原型を作成するように構成され、」は、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載されておらず、かつ、同明細書又は図面の記載から自明であるとも認められないので、上記日付でした手続補正は、明細書の要旨を変更するものである。
なお、これに関連して出願人は、審判請求の理由において、以下の2点を根拠として、上記日付でした手続補正は明細書の要旨を変更するものではない旨の主張を行っている。
a.願書に最初に添付した明細書におけるエキスパートシステムの処理の説明において、「言い回しができる」等の表現が用いられており、これは、システム構築者の行為であることを示唆するものである。
b.「自動的に」という語は、介助者なしの自動的という意味のみならず、ある契機が与えられた後で所定の処理を行うという意味にも用いられるものである。
しかしながら、まずaの点については、「言い回しができる」かどうかの判断は、必ずしも人間であるシステム構築者の行為に限るものではなく、願書に最初に添付した明細書の第5頁第19行〜第6頁第5行「即ち、モデル構築部5は、データベース3の蓄積検索のための固有(又は個別)構造記述であるスキーマ情報4を用いて、これからモデル6を作る。この時、システム構築者は入力例文をモデル6作成の補助情報として入力するのみでよい。」等の記載を参酌すると、願書に最初に添付した明細書においては、エキスパートシステムが「言い回しができる」かどうか等を自動的に判断することが記載されているものと解釈するのがむしろ自然であるから、この点についての出願人の主張は採用できない。
次に、bの点については、一般論としていえば「自動的」という言葉は出願人の主張するように様々な程度の自動化を表わす意味に用いられるものであるが、本願発明についていえば、上記aで述べたように、願書に最初に添付した明細書において、モデルを作成する際にシステム構築者が行うのは入力例文の入力のみである旨の記載がなされているので、願書に最初に添付した明細書における「自動的」とは、入力例文の入力を除く全てをエキスパートシステムが自動的に行うものと解釈せざるを得ない。したがって、この点についての出願人の主張も採用できない。
5.以上述べたように、上記日付けでした手続補正は、明細書の要旨を変更するものであるから、平成5年法律第26号による改正前の特許法第159条第1項で準用する同法第53条第1項の規定により却下すべきものである。
よって、上記結論のとおり決定する。
 
決定日 1999-06-01 
出願番号 特願昭63-92842
審決分類 P 1 93・ 11- (G06F)
特許庁審判長 川名 幹夫
特許庁審判官 北島 健次
吉見 信明
発明の名称 知識獲得処理方式  
代理人 長谷川 文廣  
代理人 小笠原 吉義  
代理人 森田 寛  
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