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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 A01F
管理番号 1051303
審判番号 不服2001-11751  
総通号数 26 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1999-11-16 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-07-06 
確定日 2002-01-21 
事件の表示 平成11年特許願第 95779号「コンバイン」拒絶査定に対する審判事件〔平成11年11月16日出願公開、特開平11-313531、請求項の数(1)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許すべきものとする。 
理由 1.手続きの経緯、本願発明
本願は、昭和63年5月9日に出願された実願昭63-60904号を平成5年8月3日に特許に出願変更した特許出願(特願平5-212345号)の一部を平成9年3月14日に特許法第44条第1項の規定により新たな特許出願(特願平9-82365号)とし、さらにこの出願の一部を平成9年9月24日に新たな特許出願(特願平9-278226号)とし、さらにこの出願の一部を平成10年6月19日に新たな特許出願(特願平10-189676号)とし、さらにこの出願の一部を平成11年4月2日に新たな特許出願としたものであって、請求項1に係る発明(以下、「本願発明」という。)は、平成12年5月26日付けの手続補正書、および、審判請求理由補充書と同日に提出された平成13年7月23日付けの手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載された以下のとおりのものである。
「前後方向に張設させるフィードチェン(5)を横方向に移動自在に縦軸(33)(34)を介して脱穀部(4)側面に取付け、脱穀部(4)側面にフィードチェン(5)側を係脱可能なフック(45)によって連結させ、フック(45)に操作レバー(49)を連結させ、前記フック(45)とピン(43)をフィードチェン(5)側と脱穀部(4)側に対向させて配設させ、脱穀部(4)の上部カバー(18)と前記フィードチェン(5)の挾扼杆(21)とを一体的に上方へ移動可能に構成するとともに、前記フィードチェン(5)を、脱穀部(4)に内設させる扱胴(6)側部を覆う側部カバー(38)と共に、前記脱穀部(4)の側部から移動可能に構成したことを特徴とするコンバイン。」

2.引用文献記載の発明
(1)これに対して原査定の拒絶理由に引用された特開昭61-12213号公報(以下、「引用文献1」という。)には、以下の記載が認められる。
「挾扼体及びチェンを取付けた機壁の一部を挾扼体及びチエンごと上方及び下方に開閉自在に形成したもので、前側に穀稈供給口7を、後側に穀稈取出8を形成し、左右側の機壁の一部の上部に挾扼体17を、下部に供給チエン25をそれぞれ取付けたものにおいて、前記挾扼体17および供給チエン25を取付けた機壁の一部は、挾扼体17および供給チェン25ごと上方および下方にそれぞれ開くように軸着した脱穀装置の清掃装置の構成としたものである。
本発明の一実施例を図により説明すると、1は脱穀室で、上部は機壁である天板2で包囲され、下部には下網3が設けられ、内部には扱胴4が前後方向の回転軸5により軸架されている。6は扱胴4の外周面に設けられた扱歯であり、脱穀室1の前側には穀稈供給口7を脱穀室1の後側には穀稈取出口8をそれぞれ設け、脱穀室1の右側には穀稈供給口7より供給された穀稈が穀稈取出口8まで通る穀稈通路9が設けられている。
しかして前記脱穀室1を形成する構成について詳しく述べると、略脱穀室1を左右側に2分したとき、左側の部分は上方又は下方にそれぞれ開く構造である。
前記天板2の略左側部分は、軸10により開放する上側扱胴カバー11に形成する。上側扱胴カバー11は内蓋12と外蓋13とにより形成され、内蓋12は扱胴4と同心円状であって、下端に穀稈通路9を形成し、外蓋13はアングル型に形成されている。
外蓋13の外面には前後取付杆14・・・取付ネジ15で固定し、前後取付杆14には垂下する上下動杆16を設け、上下動杆16の下端にコの字型の挾扼体17を設ける。
18は上下動杆16の外面に巻いたバネである。前記上側扱胴力バー11は内蓋12、外蓋13、前後取付杆14、上下動杆16、挾扼体17ごと軸10を中心に上方に回動して脱穀室1の左側を大きく開口させる。
19は下側扱胴カバーであり、上側扱胴カバー11と同様に内蓋20と外蓋21とよりなり、下側扱胴カバー19はケース22に対して軸23で軸着されており、下側扱胴カバー19の上部はレール24及びチェン25が掛け回されている。
内蓋20の上部は扱胴室の方に屈曲して扱胴室カバーを形成し、その上端に外方に突出する支持腕26を設け、支持腕26に前記レール24を固定し、さらに支持腕26の突出端に外蓋21を止ネジ27により止着する。外蓋21は下部に軸28で軸着し、上部は止ネジ27で支持腕26に固着されている。
内蓋20にはメタル29が取付けられ、メタル29の内側には歯車30が固定され、メタル29の外側にはスプロケット31が固定され、スプロケット31によりチェン25を回転させる。
前記下側扱胴カバー19は第1図の位置から第2図の位置の間開閉自在であり、第1図のように脱穀室1を包囲する起立位置になると歯車30が噛合う歯車32をケース22側に取付ける。33は歯車32を回転させる軸で、ケース22を横断し端部にプーリー34を取付ける。歯車30は下側扱胴カバー19が第2図のように開くと歯車32との係合が解除される。」(第1頁右欄11行〜第2頁右下欄最下行)
上記記載及び図面の記載からみて、引用文献1には、次の発明が記載されていると認められる。
「前後方向に張設させる供給チエン25を脱穀室1の左側に取付け、脱穀室1の上側扱胴カバー11と供給チエン25の挾扼体17ごと上方に開くように軸着すると共に、供給チエン25を、脱穀室1の内部に設けた扱胴4の左側の機壁の一部である下側扱胴カバー19と供に脱穀室1の左側の機壁から下方に開くように軸着する脱穀装置。」
(2)原査定の拒絶理由に引用された実願昭50-99321号(実開昭52-17746号)のマイクロフィルム(以下、「引用文献2」という。)には、以下の記載が認められる。
「運転席2を囲む運転室10を設け、この運転室10の少なくとも天井部分9aを開閉自在に構成してある」(第2頁第9〜12行)。
(3)原査定の拒絶理由に引用された実願昭53-159425号(実開昭55-75219号)のマイクロフィルム(以下、「引用文献3」という。)には、以下の記載が認められる。
「刈取機2は・・・防塵カバーによって被覆されており、この防塵カバー22は、・・・側部カバー24と、上部カバー25とに分割されている。」(第5頁第16〜20行)、
「側部カバー24は、平板状に形成され、前部カバー23の未刈稈側側部後端縁に蝶番26によって開閉自在に枢支されていて、刈取機2の一側面を被覆している。」(第6頁第5〜8行)、
「側部カバー24もこれを開放することができるので、掻込装置15や搬送装置16,17の保守、点検ならびに注油が容易である。」(第8頁第12〜14行)。
(4)原査定の拒絶理由に引用された実願昭55-9399号(実開昭56-111633号)のマイクロフィルム(以下、「引用文献4」という。)には、以下の記載が認められる。
「縦搬送部3の外側には安全カバー6が設けられている。この安全カバー6は、カバー本体7の基端緑部8が引起し部1の引起しケース9の側端に沿って蝶番10、10’で枢着され且つ自由端部11がフイドチェーン4の始端部12をカバーする状態で縦設されており、カバー本体7の下縁部は外方へ膨出13し、上縁部の後方はフイードチェーン4の始端部12に向けて下り傾斜14となっている。そして、カバー本体7の自由端部内側には、運転座席2に向うロット15の一端が枢着され、このロット15の他端が、ベルクランク16等を含むリンク機構を介して刈取りクラッチ用の操作レバー17に連結されている。」(第3頁第1〜14行)。
(5)原査定の拒絶理由に引用された実願昭58-89343号(実開昭59-193231号)のマイクロフィルム(以下、「引用文献5」という。)には、以下の記載が認められる。
「ドア(12)の閉じ状態において、固定側係止枠(13)に係合させるロック部材(14)を、上方への揺動にて係合解除する状態で、且つ、係合側に復帰付勢した状態で設けると共に、ロック部材(14)に対する揺動操作具(15)を、ドア(12)の外面部に取付けてある。」(第5頁第2〜7行)。

3.本願発明と引用文献に記載された発明との対比
本願発明と引用文献1に記載された発明とを対比すると、
引用文献1に記載された発明における、
「供給チエン25」、「脱穀室1」、「上側扱胴カバー11」、「挾扼体17」、「扱胴4」、および、「下側扱胴カバー19」は、
本願発明における、
「フィードチェン(5)」、「脱穀部(4)」、「上部カバー(18)」、「挾扼杆(21)」、「扱胴(6)」、および、「側部カバー(38)」に相当するから、
両者は、
「前後方向に張設させるフィードチェンを脱穀部側面に取付け、脱穀部の上部カバーと前記フィードチェンの挾扼杆とを一体的に上方へ移動可能に構成するとともに、前記フィードチェンを、脱穀部に内設させる扱胴側部を覆う側部カバーと共に、前記脱穀部の側部から移動可能に構成した」ものである点で一致するが、
(イ)本願発明では、前後方向に張設させるフィードチェン(5)を「横方向に移動自在に縦軸(33)(34)を介して」脱穀部(4)側面に取付けているのに対して、引用文献1に記載された発明はこのように構成されていない点、
(ロ)本願発明では、「脱穀部(4)側面にフィードチェン(5)側を係脱可能なフック(45)によって連結させ、フック(45)に操作レバー(49)を連結させ、前記フック(45)とピン(43)をフィードチェン(5)側と脱穀部(4)側に対向させて配設させ」ているのに対して、引用文献1に記載された発明はこのように構成されていない点、
(ハ)本願発明は、「コンバイン」であるのに対して、引用文献1に記載された発明は、「脱穀装置」である点、
で相違する。

4.当審の判断
上記各相違点について検討する。
相違点(イ)にかかる構成は、引用文献1および引用文献2〜5に記載されておらず、また、引用文献1に記載された発明に引用文献2〜5に記載された発明を適用することが示唆されてもいない。
そして、本願発明は「前後方向に張設させるフィードチェン(5)を横方向に移動自在に縦軸(33)(34)を介して脱穀部(4)側面に取付け」、
「脱穀部(4)側面にフィードチェン(5)側を係脱可能なフック(45)によって連結させ」、
「フック(45)に操作レバー(49)を連結させ、前記フック(45)とピン(43)をフィードチェン(5)側と脱穀部(4)側に対向させて配設させ」、「前記フィードチェン(5)を、脱穀部(4)に内設させる扱胴(6)側部を覆う側部カバー(38)と共に、前記脱穀部(4)の側部から移動可能に構成したこと」により、
「フィードチェン(5)を脱着する負担がなく、脱穀部(4)側面に対しフィードチェン(5)を離反または接合させる操作を従来よりも軽々と行うことができると共に、従来のようにフィードチェン(5)越しにクリンプ網(37)等の受網交換などを行う面倒がなく、脱穀部(4)側面部での作業者の行動がフィードチェン(5)によって規制される不具合をなくすことができ、また前記フック(45)の係脱操作だけでフィードチェン(5)の回動操作を行うことができ、フィードチェン(5)の脱穀部(4)側面との脱着並びに回動の各操作を作業者によって容易に行うことができ、取扱い操作の簡略化などを容易に図ることができ、さらにフック(45)とピン(43)をフィードチェン(5)側と脱穀部(4)側に対向配設させるから、移動自在なフィードチェン(5)の係止固定構造をピン(43)とフック(45)によって容易に構成でき、縦軸(33)(34)とピン(43)及びフック(45)によってフィードチェン(5)側を強固に支持でき、フィードチェン(5)側の振動騒音発生並びに変形損傷などの低減ならび係合機能の向上などを容易に図ることができる」(段落【0014】)という顕著な効果を奏するものであるから、当業者といえども、本願発明の構成は、引用文献1〜5から容易に想到し得たものであるということはできない。

5.結論
したがって、本願発明は、原査定の拒絶の理由によっては、拒絶することはできない。
また、他に拒絶をする理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2001-12-28 
出願番号 特願平11-95779
審決分類 P 1 8・ 121- WY (A01F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 山田 昭次  
特許庁審判長 藤井 俊二
特許庁審判官 渡部 葉子
松川 直樹
発明の名称 コンバイン  
代理人 藤原 忠治  
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