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審決分類 |
審判 訂正 2項進歩性 訂正する H05K 審判 訂正 4項(134条6項)独立特許用件 訂正する H05K 審判 訂正 ただし書き1号特許請求の範囲の減縮 訂正する H05K 審判 訂正 発明同一 訂正する H05K |
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管理番号 | 1052316 |
審判番号 | 訂正2001-39131 |
総通号数 | 27 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許審決公報 |
発行日 | 1997-07-15 |
種別 | 訂正の審決 |
審判請求日 | 2001-08-09 |
確定日 | 2001-10-12 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第2866627号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 |
結論 | 特許第2866627号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 |
理由 |
【1】手続の経緯 本件特許第2866627号は、特願昭60-8811号(出願日:昭和60年1月21日)を原出願とし、特許法第44条第1項の規定による新たな特許出願として、平成8年12月4日にその願書が提出され、平成10年12月18日に設定登録されたものであり、その後、特許異議の申立てがあり平成11年異議第73384号として審理され、平成13年5月8日付けで「特許第2866627号の特許請求の範囲の第1番目に記載された発明に係る特許を取り消す。」との取消決定がなされたところ、当該取消決定に対する訴えが東京高等裁判所へ提出され、更に、本件審判請求がなされたものである。 【2】請求の趣旨 本件審判請求は、特許第2866627号の願書に添付した明細書を本件審判請求書に添付した訂正明細書のとおり訂正することを求めるものであり、その要旨は、次の訂正事項a,bのとおりのものと認める。 1.訂正事項a 特許請求の範囲の請求項1に係る記載 「1.垂直軸線まわりに間欠回転する間欠回転体を含む支持手段と、 その支持手段により、前記垂直軸線を中心とする一円周上に前記間欠回転体の間欠回転角度と等しい角度間隔でかつ垂直な自身の中心線のまわりに回転可能に支持され、それぞれ下端部に電子部品を保持する部品保持部を備えた複数の部品保持ヘッドと、 前記間欠回転体の停止時における複数の部品保持ヘッドの停止位置の一つである部品供給位置に設けられて、各部品保持ヘッドに電子部品を供給する部品供給装置と、 前記複数の停止位置の別の一つである部品装着位置に設けられ、部品保持ヘッドにより電子部品を装着されるプリント基板を支持し、そのプリント基板の複数の電子部品装着予定箇所が前記部品装着位置に停止した部品保持ヘッドに対向する位置へプリント基板を移動させる基板位置決め装置と、 前記複数の停止位置のうちの、前記部品供給位置と部品装着位置との間の停止位置の一つである部品撮像位置に設けられて電子部品の像を撮像する撮像システムを備え、その撮像システムにより撮像された電子部品の像に基づいて部品保持ヘッドに保持された電子部品の保持位置誤差および保持方位誤差を検出する誤差検出手段と、 前記部品撮像位置と前記部品装着位置との間において前記部品保持ヘッドを回転させて前記誤差検出手段により検出された保持方位誤差を補正するヘッド回転装置と、 前記基板位置決め装置に、プリント基板を、予定の位置から、前記誤差検出手段により検出された保持位置誤差を打ち消すに必要な距離だけ必要な方向にずらして位置決めさせる保持位置誤差補正手段と を含むことを特徴とする電子部品装着システム。」を、 「1.垂直軸線まわりに間欠回転する間欠回転体を含む支持手段と、 その支持手段により、前記垂直軸線を中心とする一円周上に前記間欠回転体の間欠回転角度と等しい角度間隔でかつ垂直な自身の中心線のまわりに回転可能に支持され、それぞれ下端部に電子部品を保持する部品保持部を備えた複数の部品保持ヘッドと、 前記間欠回転体の停止時における複数の部品保持ヘッドの停止位置の一つである部品供給位置に設けられて、各部品保持ヘッドに電子部品を供給する部品供給装置と、 前記複数の停止位置の別の一つである部品装着位置に設けられ、部品保持ヘッドにより電子部品を装着されるプリント基板を支持し、そのプリント基板の複数の電子部品装着予定箇所が前記部品装着位置に停止した部品保持ヘッドに対向する位置へプリント基板を移動させる基板位置決め装置と、 前記複数の停止位置のうちの、前記部品供給位置と部品装着位置との間に位置し、かつ、部品装着位置との間に別の停止位置を挟んだ停止位置である部品撮像位置に設けられて電子部品の像を撮像する撮像システムを備え、その撮像システムにより撮像された電子部品の像に基づいて部品保持ヘッドに保持された電子部品の保持位置誤差および保持方位誤差を検出する誤差検出手段と、 前記間欠回転体の外周側に設けられ、前記部品撮像位置と前記部品装着位置との間において前記部品保持ヘッドを一つずつ個別に、連続的に変更可能な角度回転させて前記誤差検出手段により検出された保持方位誤差を補正するヘッド回転装置と、 前記基板位置決め装置に、プリント基板を、予定の位置から、前記誤差検出手段により検出された保持位置誤差を打ち消すに必要な距離だけ必要な方向にずらして位置決めさせる保持位置誤差補正手段と を含むことを特徴とする電子部品装着システム。」に訂正する。 2.訂正事項b 明細書第4頁第16行目ないし第17行目(段落〔0005])の 「(f)部品撮像位置と部品装着位置との間において部品保持ヘッドを回転させて」を、 「(f)間欠回転体の外周側に設けられ、部品撮像位置と部品装着位置との間において部品保持ヘッドを一つずつ個別に、連続的に変更可能な角度回転させて」に訂正する。 【3】訂正の適否 1.訂正の目的の適否、新規事項の有無、特許請求の範囲の実質変更又は拡張の存否 (1)訂正事項a 上記訂正事項aは、特許明細書の特許請求の範囲の請求項1において、「誤差検出手段」を、それの撮像システムが、部品装着位置との間に別の停止位置を挟んだ停止位置である部品撮像位置に設けられるものに限定し、かつ、「ヘッド回転装置」を、間欠回転体の外周側に設けられたものに限定するとともに、部品保持ヘッドを一つずつ個別に、連続的に変更可能な角度回転させるものに限定しようとするものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とするものと認める。 上記訂正事項aのうち「誤差検出手段の撮像システムが、部品装着位置との間に別の停止位置を挟んだ停止位置である部品撮像位置に設けられる」点は、特許明細書の段落〔0027〕に「【0027】次に本電子部品装着システム全体の作動を説明する。図5における位置A(部品供給位置)に停止した吸着ヘッド70が部品供給装置12から部品を受け取っている間に、位置C(部品撮像位置)に停止した吸着ヘッド70においては電子部品Wの撮像が行われ、位置E(保持方位変更位置)においてはヘッド回転装置142によって吸着ヘッド70が回転させられ、電子部品Wの吸着ヘッド中心線まわりの回転位置誤差が補正され、さらに、位置G(部品装着位置)においてはプリント基板への電子部品Wの装着が行われる。これら各位置における作動はそれぞれ異なる吸着ヘッド70に対して並行して行われるのであるが、以下、1個の吸着ヘッド70に着目して各位置における作動を詳細に説明する。」と記載されていた事項の範囲内である。 また、「ヘッド回転装置が間欠回転体の外周側に設けられる」点は、図5及び特許明細書の段落〔0018〕に「【0018】各吸着ヘッド70は、間欠回転盤58の間欠的な回転に伴って図5に示すAないしLの12の位置で停止させられる。……位置Cと位置Eとにはそれぞれ撮像システム140とヘッド回転装置142とが設けられて位置Cが部品撮像位置、位置Eが保持方位変更位置とされている。」と記載された事項の範囲内のものであり、「ヘッド回転装置が部品保持ヘッドを一つずつ個別に回転させる」点は、段落〔0030〕に「【0030】以上のように誤差検出が行われた後、吸着ヘッド70が位置Eに停止すれば、その吸着ヘッド70は図7に示すようにヘッド回転装置142の駆動回転体174の真下に位置することとなる。したがって、カム装置により昇降部材206が下降させられれば、駆動回転体174の下端部が図4に示す被駆動回転体102の内側へ嵌入する。この状態から更に昇降部材206が下降させられれば、図9において拡張部材192が駆動回転体174に対して相対的に下降させられ、ボール188および摩擦リング186から成る拡張部を拡張し、これを被駆動回転体102の内周摩擦面100に押し付ける。続いてブレーキ解除装置218が作動してブレーキ装置110を解除するため、吸着ヘッド70は回転可能な状態となり、その状態でサーボモータ182が作動させられて吸着ヘッド70が回転させられる。サーボモータ182は前述のように制御装置22によって求められた保持方位誤差Δθに対応する角度だけ回転させられ、それに伴って吸着ヘッド70およびそれに保持されている電子部品Wが保持方位誤差Δθを打ち消すに必要な角度だけ回転させられる。その後、ブレーキ装置110が再び作用状態とされ、昇降部材206が上昇させられて駆動回転体174が被駆動回転体102から離脱させられ、電子部品Wの姿勢変更が終了する。」と記載された事項の範囲内のものと認められる。 「ヘッド回転装置が部品保持ヘッドを連続的に変更可能な角度回転させる」点は、上記段落〔0030〕の記載及び段落〔0016〕の「【0016】上記ヘッド保持体としてのアーム69には吸着ヘッド70、詳細には外筒90およびヘッド本体部86の回転を防止するブレーキ装置110が設けられている。ブレーキ装置110は摩擦部材112,レバー114,スプリング115等を備えている。レバー114はアーム69にピン116により中間部を回動可能に取り付けられており、一方の端部に摩擦部材112が固定され、他方の端部とアーム69との間にスプリング115が装着されている。摩擦部材112はアーム69に形成された貫通孔に嵌入し、その先端部がスプリング115の付勢力によって外筒90の外周面に押し付けられ、吸着ヘッド70の回転を防止するようにされている。外筒90の外周面は連続的な面であり、ブレーキ装置110はその連続的な面に摩擦部材112により摩擦係合し、吸着ヘッド70を連続的な任意の回転位置に維持する機能を有するものなのである。」との記載から一義的に導き出されることと認められる。 したがって、本件訂正事項aは、特許明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものと認められる。 そして、本件訂正明細書の特許請求の範囲第1番目の発明は、特許明細書の段落〔0004〕に記載された「1個の電子部品を装着するためのサイクルタイムが長くなり、部品装着作業の能率が低く抑えられる問題がある。」、「電子部品全体の像をラインスキャンカメラで取得するためには、単位時間毎に取得されるライン状の像に対して電子部品の回転角度分の補正を施すことが必要であり、電子部品全体の像の取得自体が困難でなのである。」、「単位時間毎の回転角度が一定ではない場合が多く、その場合には回転角度分の補正を行うことが一層困難である。」等の従来技術の問題点を解消するとした特許明細書の特許請求の範囲第1番目の発明の課題の範囲内であるから、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないものと認める。 (2)訂正事項b 訂正事項bは、上記訂正事項aによる特許請求の範囲の訂正に伴って発明の詳細な説明の記載を特許請求の範囲の記載に整合させるものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とするものであり、上記訂正事項aと同様の理由により、特許明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであり、また、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではないものと認める。 2.独立特許要件 (1)本件訂正明細書の特許請求の範囲第1番目の発明 本件訂正明細書の特許請求の範囲第1番目の発明(以下「本件訂正明細書の発明」という。)は、本件審判請求書に添付された訂正明細書及び願書に添付された図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1に記載されたとおりのものと認める。 (2) 特許法第29条第2項について (2-1)本件特許の出願前に頒布された次の刊行物1〜5(前記特許異議の申立てにおける申立人樋口守孝が提出した甲1〜5号証)には、それぞれ以下の事項が記載されているものと認める。 刊行物1:特開昭59-155200号公報 刊行物2:特開昭60-1900号公報 刊行物3:特開昭59-84499号公報 刊行物4:特開昭59-46179号公報 刊行物5:特開昭57-164310号公報 i)刊行物1(特開昭59-155200号公報) イ)「(1)は垂直軸まわりに回動するインデックステーブルである。……インデックスシャフト(4)は支持ビーム(5)の軸受部(6)に垂下状態で支持され、ビーム上のインデックス装置本体(7)に連結される。」(第2頁左上欄第16行〜同頁右上欄第3行)、 ロ)「インデックステーブル(1)は45oづつ歩進回動するものであり、周囲に8個所のステーション[1]…[8]を配し、これに合わせて下部テーブル(3)から8本のアーム(9)を放射状に突出させている。」(刊行物1では各ステーションについて括弧内ローマ数字により番号が付されているが、便宜上括弧内アラビア数字[1]〜[8]を用いて表現した。以下同じ)(第2頁右上欄第5〜9行)、 ハ)「アーム(9)は先端に装着ヘッド(15)を支持する。」(第2頁右上欄第20行)、 ニ)「ステーション[2][3][4]に位置する装着ヘッド(15)はカム(26)の作用によりバルブ(19)が開状態になっていて、部品(28)を吸着保持している。」(第3頁左下欄第10〜13行)、 ホ)「原動歯車が(56)が所定角度回動して装着ヘッド(15)の向きを変える。」(第4頁右上欄第7〜8行)、 ヘ)「部品を吸着したノズル自体を回動して部品の方向を変更する」(第4頁左下欄第7〜8行) 等の記載があり、これらの記載と図面の第1図、第7図、第8図から、 “垂直のインデックスシャフト(4)まわりに歩進回動するインデックステーブル(1)”と、 “インデックスシャフト(4)軸線を中心とする一円周上にインデックステーブル(1)の歩進回動と等しい角度間隔で、かつ垂直な自身の軸線のまわりに回動可能に支持され、下端部に電子部品(28)を保持するノズル(17)を備えた装着ヘッド(15)” が記載されていると認められる。 また、 ト)「(27)はステーション[1]に配された部品供給用キャリアテープである」(第2頁右下欄第4〜5行)、 チ)「ステーション[1]ではタペット(14)によりスライダ(10)が押し下げられ、装着ヘッド(15)のノズル(17)が部品(28)に当たる。当たった後力ム(23)が降下し、ノズル(17)の吸着を開始させる。」(第3頁左下欄第20行〜同頁右下欄第3行)、 リ)「ステーション[5]には基板(30)を載置したX-Yテーブル(31)が配置され」(第2頁右下欄第9〜11行) 等の記載があり、これらの記載と第3図、第8図及び第5図から、 “インデックステーブル(1)の停止時における複数の装着ヘッド(15)の停止位置の一つであるステーション[1]で各装着ヘッド(15)に電子部品(28)を供給する部品供給装置(27)”と、 “インデックステーブル(1)の複数の停止位置の別の一つであるステーション[5]に設けられ、装着ヘッド(15)により電子部品(28)を装着されるプリント基板(30)を位置決めする基板位置決め装置(31)” が記載されていると認められる。 さらに、 ヌ)「ステーション[4]では姿勢判別装置(33)が部品(28)の姿勢を検査する。」(第3頁左下欄第13〜14行)と記載され、併せて第1図、第5図を参照すると、 “ステーション[1]とステーション[5]との間の停止位置の一つであるステーション[4]に設けられて電子部品(28)の保持状態を判別する姿勢判別装置(33)” が記載されていると認められる。 ル)「装着ステーション[5]では次の動作が行われる。装着ヘッド(15)がステーション[5]に到達した時点では、軸受筒(46)は第6図の位置にあり原動歯車(56)及びベルクランク(42)はいずれも従動歯車(34)及び引金(32)から離れた位置にある。ここで、エアシリンダ(57)が作動し……原動歯車(56)は第7図のように従動歯車(34)にかみ合う。……引金(37)を引いてくさび(35)を従動歯車(34)から外す。……今装着しようとする部品(28)が方向変更を要するものであるときは、部品(28)が基板(30)に達するまでの間にパルスモータ(52)に所要数の駆動パルスが印加され、原動歯車(56)が所要角度回動して装着ヘッド(15)の向きを変える。」(第4頁左上欄第11行〜同頁右上欄第8行)と記載され、また、第6〜8図を参照すると、前記原動歯車(56)はインデックステーブル(1)の外周側に配置されることが示されているものと認められ、 “インデックステーブル(1)の外周側に配置されて、装着ヘッド(15)を一つずつ個別に回転させて電子部品(28)の方位を補正する装着ヘッド(15)回転装置” が記載されていると認められる。 以上のように刊行物1には、 “垂直のインデックスシャフト(4)軸線まわりに歩進回転するインデックステーブル(1)を含む支持手段と、 その支持手段により、前記垂直の軸線を中心とする一円周上に前記インデックステーブル(1)の歩進回転角度と等しい角度間隔でかつ垂直な自身の中心線のまわりに回転可能に支持され、それぞれ下端部に電子部品(28)を保持するノズル(17)を備えた複数の装着ヘッド(15)と、 前記インデックステーブル(1)の停止時における複数の装着ヘッド(15)の停止位置の一つである部品供給位置に設けられて、各装着ヘッド(15)に電子部品(28)を供給する部品供給装置(27)と、 前記複数の停止位置の別の一つである部品装着位置に設けられ、装着ヘッド(15)により電子部品(28)を装着されるプリント基板(30)を支持し、そのプリント基板(30)の電子部品装着予定箇所が前記部品装着位置に停止した装着ヘッド(15)に対向する位置へプリント基板(30)を移動させる基板位置決め装置(31)と、 前記複数の停止位置のうちの、前記部品供給位置と部品装着位置との間の停止位置の一つである部品姿勢判別位置に設けられてノズル(17)に対する電子部品(28)の姿勢を判別する姿勢判別装置(33)と、 前記インデックステーブル(1)の外周側に設けられて、前記装着ヘッド(15)を一つずつ個別に回転させて電子部品(28)の方位を補正する装着ヘッド(15)回転装置と、 を含む電子部品装着装置.” が記載されていると認める。 ii)刊行物2 (特開昭60-1900号公報) 刊行物2には、認識付電子部品実装装置に関して、 イ)「装着ヘッドに保持された電子部品のズレ等によりプリント基板上への電子部品の正確な位置決め実装が困難という問題点をなくし、正確でしかも高密度に電子部品を実装する」(第1頁右欄第16行〜同頁同欄第20行)、 ロ)「10は部品供給部であり、トレイ11に収められた電子部品2を装着ヘッド12に供給する。第5図は装着ヘッド12が電子部品2をプリント基板1に実装する工程を示すものである。第5図aの如く、装着ヘッド12はトレイ11に収められた電子部品2を保持し、第5図bの如く部品認識装置13上まで移動する。この時、装着ヘッド12と部品認識装置14の相対位置関係は予め分かっているので、電子部品2を認識することによって、電子部品2の方向及電子部品2のセンタと装着ヘッド12のセンタの位置誤差等のデータその1を得ることができる。……第5図dに示すように……位置及び方向のズレを修正する方向に装着へッド12が移動・回転し、電子部品2と電子部品のパターン7のズレがないよう電子部品2をプリント基板1に実装する。」(第2頁左上欄第20行〜同頁左下欄第2行) 等の記載があり、これらの記載及び実装工程中の各ステップにおける作業が記載された第5図の工程図等から、刊行物2には、 “部品実装装置において電子部品2をプリント基板1上に正確に位置決め実装するために、部品供給部10から装着ヘッド12に電子部品2を保持し、その保持した電子部品2の位置及び方向のズレを部品認識装置14で認識し、この認識結果を基に、装着ヘッド12を移動して前記位置のズレを修正するとともに、装着ヘッド12を回転して方向のズレを修正して、電子部品をプリント基板上に実装する”点 が開示されているものと認められる。 iii)刊行物3 (特開昭59-84499号公報) 電子部品搭載装置に関して、 イ)「搭載ヘッド10に取着された電子部品1の姿勢はまちまちとなる、このために、その状態で回路基板15に面付けするとパターンずれが生じ接続不良等が生じる」(第1頁右下欄第19行〜第2頁左上欄第2行) ロ)「電子部品の面付けが正確にでき」(第3頁左上欄第1〜2行) ハ)「電子部品を搭載へツドにて取得した後、これを照射手段により照射し、その反射光線を検出手段のラインセンサに入光し、上記電子部品の画像を検出すると共に、この検出信号を制御装置に入力し、上記電子部品のX軸、Y軸およびZ軸まわりの位置変位量、方向変位角を演算し、この分だけ上記電子部品が面付けされる回転基板を支えるXYテーブルのX軸用、Y軸用DCサーボモータと、搭載ヘッド側に設けられたZ軸用DCサーボモータとを回転し、補正制御したのち、上記回路基板に電子部品を面付けする」(第3頁左上欄第7〜18行) 等記載されている。 このように刊行物3には、 “電子部品を回路基板上に正確に面付けするために搭載ヘッドに取着された電子部品の画像を検出し、この位置変位量、位置変位角をX-Yテーブルの移動と搭載ヘッドの回転により補正し、回路基板に電子部品を面付けする”点 が開示されているものと認められる。 iv)刊行物4(特開昭59-46179号公報) 電子部品を回路基板に搭載する装置に関し、 イ)「回路基板の所定位置に精度よく面付し得る」(第3頁右上欄第2〜3行) ロ)「テープ2に収納されているチップ電子部品1は位置Aで搭載ヘッド10のみ吸着ノズル22により吸着される。次に……チップ電子部品1は位置Cに移送される。位置Cには搭載ヘッド10を囲繞して照明装置36が設置されると共に、ラインスキャンカメラ23が設けられる。そして上記した如く光源36の光によりチップ電子部品1がその背面側から照射され、ラインスキャンカメラ23により認識され、搭載ヘッド10とのズレ量が正確に把握される。このズレ量の測定値は上記した如く、搭載ヘッド10のDCサーボモータA24及びXYテーブル16のDCサーボモータB18、DCサーボモータC32に入力され、これ等をズレ量分だけ回転することにより、チップ電子部品1および回路基板15は正しく位置補正される。次にチップ電子部品1は位置Bまで移送され、ここで搭載ヘッド10がその長手方向に下向し、チップ電子部品1を回路基板15上に位置決めし、吸着ノズル22の吸着を開放して面付けを行う。」(第4頁左上欄第20行〜同頁右上欄第19行) 等記載されている。 これらの記載、図面等を参照すると、 “電子部品1を吸着ノズル22で吸着し、認識手段である照明装置36、ラインスキャンカメラ23で当該電子部品1を認識し、電子部品1と搭載ヘッド10とのズレ量を正確に把握し、搭載ヘッド10とXYテーブル16を駆動して、電子部品1と回路基板15を正しく位置決めし搭載する”点 が開示されているものと認められる。 v)刊行物5(特開昭57-164310号公報) 電子部品を回路基板に搭載する装置に関し、 イ)「基板上の所定位置に高い位置精度で部品を搭載できる」(第2頁右上欄第16〜17行) ロ)「30は吸着ヘッド25に保持された電子部品10の位置検出のためのテレビカメラであり、……テレビカメラ30の入力映像が処理されて電子部品10の位置検出が終ると、……電子部品10の回転方向の位置ずれが吸着ヘッド25の回転駆動により修正され、X,Y方向の位置ずれがプリント基板移動テーブル20の駆動により修正された後、吸着ヘッド25がZ軸に沿って下降し、電子部品をプリント基板上の所定位置に搭載する。」(第4頁左上欄第7行〜同頁右上欄第6行) 等記載されている。 これらの記載、図面等を参照すると、 “電子部品10を吸着ヘッド25で吸着し、認識手段であるテレビカメラ30で当該電子部品10を認識し、電子部品10の回転方向及び位置のずれ量を検出し、このずれ量を吸着ヘッド25の回転駆動とプリント基板移動テーブル20の駆動により補正し、電子部品と回路基板を正しく位置決め搭載する”点 が開示されているものと認められる。 このような刊行物3〜5の開示事項を参照すると、「部品保持ヘッドに保持された電子部品の像を撮像システムで撮像し、撮像された電子部品の像に基づいて部品保持ヘッドに保持された電子部品の保持位置誤差および保持方位誤差を検出し、この誤差を、部品保持ヘッドの回転と基板位置決め装置の移動とにより補正して、電子部品とプリント基板とを位置決め装着する」ことは、本件特許の出願前から周知のことと認められる。 (2-2) 本件訂正明細書の発明と刊行物1に記載されたものとを対比すると、 本件訂正明細書の発明の「電子部品の像を撮像する撮像システム」も上記刊行物1に記載されたものの電子部品(28)の保持状態を判別する姿勢判別装置(33)も、電子部品の保持状態を検出する点で一致するから、 両者は、 垂直軸線まわりに間欠回転する間欠回転体を含む支持手段と、 その支持手段により、前記垂直軸線を中心とする一円周上に前記間欠回転体の間欠回転角度と等しい角度間隔でかつ垂直な自身の中心線のまわりに回転可能に支持され、それぞれ下端部に電子部品を保持する部品保持部を備えた複数の部品保持ヘッドと、 前記間欠回転体の停止時における複数の部品保持ヘッドの停止位置の一つである部品供給位置に設けられて、各部品保持ヘッドに電子部品を供給する部品供給装置と、 前記複数の停止位置の別の一つである部品装着位置に設けられ、部品保持ヘッドにより電子部品を装着されるプリント基板を支持し、そのプリント基板の電子部品装着予定箇所が前記部品装着位置に停止した部品保持ヘッドに対向する位置へプリント基板を移動させる基板位置決め装置と、 前記複数の停止位置のうちの、前記部品供給位置と部品装着位置との間の停止位置である部品保持状態検出位置に設けられて電子部品の保持状態を検出する保持状態検出手段と、 前記間欠回転体の外周側に設けられ、前記部品保持ヘッドを一つずつ個別に、回転させて保持方位を補正するヘッド回転装置と を含む電子部品装着システム. で一致し、次の2点で相違する。 〈相違点1〉 プリント基板の電子部品装着予定箇所が前記部品装着位置に停止した部品保持ヘッドに対向する位置へプリント基板を移動させる基板位置決め装置が、本件訂正明細書の発明は、「複数の」電子部品装着予定箇所に対応してプリント基板を移動させるのに対して、刊行物1に記載されたものは、「複数の」電子部品装着予定箇所と明示されたものでない点 〈相違点2〉 本件訂正明細書の発明は、「部品供給位置と部品装着位置との間に位置し、かつ、部品装着位置との間に別の停止位置を挟んだ停止位置である部品撮像位置に設けられて電子部品の像を撮像する撮像システムを備え、その撮像システムにより撮像された電子部品の像に基づいて部品保持ヘッドに保持された電子部品の保持位置誤差および保持方位誤差を検出する誤差検出手段」と、「前記部品撮像位置と前記部品装着位置との間において前記部品保持ヘッドを連続的に変更可能な角度回転させて前記誤差検出手段により検出された保持方位誤差を補正するへッド回転装置」と、「前記基板位置決め装置に、プリント基板を、予定の位置から、前記誤差検出手段により検出された保持位置誤差を打ち消すに必要な距離だけ必要な方向にずらして位置決めさせる保持位置誤差補正手段」とを含むもので、前記保持状態検出手段が前記誤差検出手段に備えられた前記撮像システムであるのに対して、刊行物1に記載されたものは、前記保持状態検出手段が、部品供給位置と部品装着位置との間の停止位置の一つの停止位置で、電子部品の姿勢を判別する姿勢判別装置であり、誤差検出手段及び誤差を補正する手段を含むものでない点 (2-3) そこで、先ず、上記〈相違点2〉について検討する。 部品保持ヘッドに保持された電子部品の像を撮像システムで撮像し、撮像された電子部品の像に基づいて部品保持ヘッドに保持された電子部品の保持位置誤差および保持方位誤差を検出し、この誤差を、部品保持ヘッドの回転と基板位置決め装置の移動とにより補正して、電子部品とプリント基板とを位置決め装着することは、前説示のとおり本件特許の出願前に周知の事項と認められる。 しかしながら、本件訂正明細書の発明は、部品撮像位置が、「部品供給位置と部品装着位置との間に位置し、かつ、部品装着位置との間に別の停止位置を挟んだ停止位置」に形成されており、単に、上記刊行物1に記載されたものにおいて、部品装着位置直前の停止位置である部品保持状態検出位置を、部品撮像位置としたものではない。 そして、本件訂正明細書の発明は、部品撮像位置を、「部品供給位置と部品装着位置との間に位置し、かつ、部品装着位置との間に別の停止位置を挟んだ停止位置」に形成したことによって、複数の電子部品の画像処理時間の平均値が1ピッチの部品搬送時間より短ければよいことになり、1つの電子部品の画像処理が必ずしも1ピッチの部品搬送時間内に終了する必要がなくなって、その分、1ピッチの部品搬送時間を短く設定し、サイクルタイムの延長を回避し得る等の、画像処理のための時間を長くし、あるいは自由度を増すことができるという、上記刊行物1〜5に記載されたものからは予測困難な作用効果が得られるものと認められる。 したがって、相違点2における本件訂正明細書の発明の構成を、当業者が容易に想到し得たものとすることはできず、本件訂正明細書の発明を、上記刊行物1〜5に記載されたものに基づいて当業者が容易に発明することができたものとすることはできない。 (3) 特許法第29条の2について (3-1)本件特許の出願の日前に出願された特許出願であって本件特許の出願後に出願公開された特願昭58-135718号(特開昭60-28298号)(前記特許異議の申立てにおける申立人酒井和義が提出した甲1号証。以下「先願」という。)の願書に最初に添付した明細書又は図面(以下「先願明細書等」という。)には、以下の事項が記載されているものと認める。 イ)「図において、A部は搭載ヘッド部であり、中空の主軸下端にテーブル70が取付けられ、このテーブル70には、上下動可能に複数の吸着ヘッド54が取付けられている。B部は、テーピングされた部品を吸着ヘッド54の下方に搬入する部品供給部である。C部は、部品を搭載する基板のX-Y方向の位置決めをすると共に上記吸着ヘッド54の下方の所定位置に基板を配置するためのXYテーブルである。D部は、基板供給部である。E部は、吸着ヘッド54に吸着した部品の姿勢を光学的に監視し、吸着ヘッド54の自転を自動調節するための視覚認識部である。」(公開公報第3頁右下欄第6〜17行参照)、 ロ)「この基板8はXYテーブルにより搭載ヘッド部Aの下部に搬送され、搭載ヘッド部Aにより順次部品が搭載される。」(公開公報第4頁左上欄第4〜7行参照)、 ハ)「一方、搭載ヘッド部Aにより搭載される部品は部品供給部Bにテーピングされた状態でリール3に巻かれて収納されており、これを部品供給部Bのテープ送りピンにより吸着ヘッド54の真下まで搬送し、これを吸着ノズル54が下降して吸着して取り上げる。」(公開公報第4頁左上欄第10〜15行参照)、 ニ)「次いで吸着ヘッド54はインデックスユニット12により間欠的に回転させられ、視覚認識部Eへ送られる。視覚認識部Eではカメラにより部品の位置(吸着ノズル54に対する位置づれ)を検出し、そのデータ(ΔX、ΔY、Δθ)を制御装置へフィードバックする。」(公開公報第4頁左上欄第15〜20行参照)、 ホ)「またテーブル70の外方向には部品1(第2図参照)を吸着するための吸着ヘッド54を含めた機構が4ヶ配置されている。」(公開公報第4頁左下欄第5〜8行参照)、「また、吸着ヘッド54を含む吸着機構が90oピッチで4ヶ、テーブル70上に配置されている。」(公開公報第5頁左下欄第8〜9行参照)、 ヘ)「部品1の搭載姿勢を変更した場合、他方の吸着ノズル54aも同じ量だけ回転する。しかしすでに吸着ノズル54aには部品1がないので(搭載済みである)回転角には無関係となる。すなわち、テーブル70の下面に2ヶの歯車66,67を設置し、互いに対向する歯車53aと53bを歯車66にかみ合せ、歯車53c、53dを歯車67にかみ合せ、2ヶのパルスモータ63,60で順次部品1に回転角を与える事により、他の部品1の回転角が累積する事なく、搭載姿勢を任意に制御し得る。」(公開公報第5頁左下欄第17行〜同頁右下欄第6行参照)、 ト)「先に述べた部品供給部Bで吸着ノズル54が下降し、テープ2に収納されている部品1を吸着後、吸着ノズル54が上昇し、インデックス装置12により、インデックスすると部品1は視覚認識部に搬送されて来る。……部品1を吸着した吸着ノズル54dの下方に鏡232をもつ反射板231がホルダー233により光学系の鏡筒234に保持されており、鏡筒234の他端には、カメラ239が接続され、検出系全体はブラケット238により、ベース7に固定されている。この検出系により、部品1の像は鏡232で反射して光学系234,237を介してカメラ239に達し、この像をマイクロコンピュータを用いた画像処理装置(図省略)によって処理することにより、部品1の位置、形状を認識する。」(公開公報第10頁左下欄第7行〜同頁右下欄第10行参照)、 チ)「このデータに基づき、次の搭載位置にインデックスする間に、所定の回転角になるように角度の補正量を第5図に示すパルスモータ63,60に与えて吸着ヘッド54を回転させ、同時に、基板8を位置決めしているXYテーブル部Cのモータ166,182にXY方向のづれ量を送り補正量を加えた位置に位置決めすれば部品1は、基板8の所定の位置に搭載される。」(公開公報第10頁右下欄第10〜17行参照)、 リ)「第24図に示す如く、ノズルホルダー43の下面にバックプレート230を設置し、ランプ235a,235bを各々バックプレート230の斜め下方に設置し部品1を直接照らさず、バックプレート230の下面を照明することにより、部品1をシルエット像としてとらえる。」(公開公報第10頁右下欄第17行〜第11頁左上欄第3行参照)、 ヌ)「このように構成した視覚認識部において、吸着ノズル54にて吸着している部品1の姿勢を光学的に認識し、認識したデータを電気信号に変換し、この電気信号によって吸着ヘッド54を回転して部品1の姿勢を調整すると共に、XYテーブルの位置合せを行なうことにより、非接触で部品1を正確に基板8上に搭載する。」(公開公報第11頁左下欄第5〜11行参照)等の記載があり、 これらの記載及び図面等を参照すると、先願明細書等には、 “垂直軸線まわりに間欠回転するテーブル70を含む支持手段と、 その支持手段により、前記垂直軸線を中心とする一円周上に前記テーブル70の間欠回転角度と等しい角度間隔でかつ垂直な自身の中心線のまわりに回転可能に支持され、それぞれ下端部に電子部品1を保持する吸着ノズル54a〜dを備えた複数の吸着ヘッド54と、 前記テーブル70の停止時における複数の吸着ヘッド54の停止位置の一つである部品供給位置に設けられて、各吸着ヘッド54に電子部品1を供給する部品供給部Bと、 前記複数の停止位置の別の一つである部品搭載位置に設けられ、吸着ヘッド54により電子部品1を装着される基板8を支持し、その基板8の電子部品搭載予定箇所が前記部品搭載位置に停止した吸着ヘッド54に対向する位置へ基板8を移動させるXYテーブル部Cと、 前記複数の停止位置のうちの、前記部品供給位置と部品搭載位置との間の停止位置である部品の視覚認識位置に設けられて電子部品1の像を撮像する視覚認識部Eを備え、その視覚認識部Eにより撮像された電子部品1の像に基づいて吸着ヘッド54に保持された電子部品1の位置(吸着ノズル54に対する位置づれ(ΔX、ΔY、Δθ))を検出する位置づれ検出手段と、 前記部品の視覚認識位置と前記部品搭載位置との間において前記吸着ヘッド54を連続的に変更可能な角度回転させて前記位置づれ検出手段により検出された保持方位誤差(Δθ)を補正するパルスモータ63,60、歯車66,67、歯車53a,53b,53c,53d等からなる吸着ヘッド54の回転装置と、 前記XYテーブル部Cに、基板8を、予定の位置から、前記位置づれ検出手段により検出された保持位置誤差(ΔX、ΔY)を打ち消すに必要な補正量だけ必要な方向にずらして位置決めさせるモータ166,182等を含む保持位置誤差補正手段と を含む電子部品搭載装置.” が記載されているものと認められる。 (3-2) 本件訂正明細書の発明と先願明細書等に記載された発明とを対比すると、先願明細書等に記載された電子部品搭載装置は「電子部品装着システム」といえるものであり、また、先願明細書等に記載された発明の、テーブル70、吸着ノズル54a〜d、吸着ヘッド54、部品供給部B、部品搭載位置、XYテーブル部C、視覚認識位置、視覚認識部E、位置(吸着ノズル54に対する位置づれ(ΔX、ΔY、Δθ))、位置づれ検出手段、Δθ、ΔX及びΔYは、それぞれ、本件訂正明細書の発明の、「間欠回転体」、「部品保持部」、「部品保持ヘッド」、「部品供給装置」、「部品装着位置」、「基板位置決め装置」、「部品撮像位置」、「撮像システム」、「保持位置誤差および保持方位誤差」、「誤差検出手段」、「保持方位誤差」、「保持位置誤差」に相当するから 、 両者は、 垂直軸線まわりに間欠回転する間欠回転体を含む支持手段と、 その支持手段により、前記垂直軸線を中心とする一円周上に前記間欠回転体の間欠回転角度と等しい角度間隔でかつ垂直な自身の中心線のまわりに回転可能に支持され、それぞれ下端部に電子部品を保持する部品保持部を備えた複数の部品保持ヘッドと、 前記間欠回転体の停止時における複数の部品保持ヘッドの停止位置の一つである部品供給位置に設けられて、各部品保持ヘッドに電子部品を供給する部品供給装置と、 前記複数の停止位置の別の一つである部品装着位置に設けられ、部品保持ヘッドにより電子部品を装着される基板を支持し、その基板の電子部品装着予定箇所が前記部品装着位置に停止した部品保持ヘッドに対向する位置へ基板を移動させる基板位置決め装置と、 前記複数の停止位置のうちの、前記部品供給位置と部品装着位置との間の停止位置である部品撮像位置に設けられて電子部品の像を撮像する撮像システムを備え、その撮像システムにより撮像された電子部品の像に基づいて部品保持ヘッドに保持された電子部品の保持位置誤差および保持方位誤差を検出する誤差検出手段と、 前記部品撮像位置と前記部品装着位置との間において前記部品保持ヘッドを連続的に変更可能な角度回転させて前記誤差検出手段により検出された保持方位誤差を補正するへッド回転装置と、 前記基板位置決め装置に、基板を、予定の位置から、前記誤差検出手段により検出された保持位置誤差を打ち消すに必要な距離だけ必要な方向にずらして位置決めさせる保持位置誤差補正手段と を含む電子部品装着システム. である点で一致するものの、 先願明細書等に記載されたものは、部品撮像位置を、「部品装着位置との間に別の停止位置を挟んだ停止位置」としたものではなく、また、上記ヘ)に摘示のとおり、テーブル70の下面に2ヶの歯車66,67を設置し、互いに対向する歯車53aと53bを歯車66にかみ合せ、歯車53c、53dを歯車67にかみ合せ、2ヶのパルスモータ63,60で順次部品1に回転角を与えるものであるから、ヘッド回転装置が、「前記間欠回転体の外周側に設けられ」るものではなく、また、「前記部品保持ヘッドを一つずつ個別に、」回転させるものでもない。 そして、間欠回転体の間欠回転角度と等しい角度間隔でかつ垂直な自身の中心線のまわりに回転可能に支持された複数の部品保持ヘッドを、連続的に変更可能な角度回転させて誤差検出手段により検出された保持方位誤差を補正し、また誤差検出手段により検出された保持位置誤差を補正するものにおいて、部品撮像位置を「部品供給位置と部品装着位置との間に位置し、かつ、部品装着位置との間に別の停止位置を挟んだ停止位置」とし、部品保持ヘッド回転装置を「間欠回転体の外周側に設け」ること、「部品保持ヘッドを一つずつ個別に」回転するものとすることが、本件特許の出願前に周知又は慣用のものとすることもできない。 したがって、本件訂正明細書の発明を上記先願明細書等に記載された発明と同一とすることはできない。 (4)本件訂正明細書の発明は、以上のとおり、特許異議申立人が提出した証拠を検討しても、特許出願の際独立して特許を受けることができないものとすることはできない。 また、他に本件訂正明細書の発明が特許出願の際独立して特許を受けることができないものとする理由を発見しない。 【4】むすび 以上のとおりであるから、本件訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる同法律による改正前の特許法126条第1〜3項の規定に適合する。 よって、結論のとおり審決する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 電子部品装着システム (57)【特許請求の範囲】 【請求項1】 垂直軸線まわりに間欠回転する間欠回転体を含む支持手段と、 その支持手段により、前記垂直軸線を中心とする一円周上に前記間欠回転体の間欠回転角度と等しい角度間隔でかつ垂直な自身の中心線のまわりに回転可能に支持され、それぞれ下端部に電子部品を保持する部品保持部を備えた複数の部品保持ヘッドと、 前記間欠回転体の停止時における複数の部品保持ヘッドの停止位置の一つである部品供給位置に設けられて、各部品保持ヘッドに電子部品を供給する部品供給装置と、 前記複数の停止位置の別の一つである部品装着位置に設けられ、部品保持ヘッドにより電子部品を装着されるプリント基板を支持し、そのプリント基板の複数の電子部品装着予定箇所が前記部品装着位置に停止した部品保持ヘッドに対向する位置へプリント基板を移動させる基板位置決め装置と、 前記複数の停止位置のうちの、前記部品供給位置と部品装着位置との間に位置し、かつ、部品装着位置との間に別の停止位置を挟んだ停止位置である部品撮像位置に設けられて電子部品の像を撮像する撮像システムを備え、その撮像システムにより撮像された電子部品の像に基づいて部品保持ヘッドに保持された電子部品の保持位置誤差および保持方位誤差を検出する誤差検出手段と、 前記間欠回転体の外周側に設けられ、前記部品撮像位置と前記部品装着位置との間において前記部品保持ヘッドを一つずつ個別に、連続的に変更可能な角度回転させて前記誤差検出手段により検出された保持方位誤差を補正するヘッド回転装置と、 前記基板位置決め装置に、プリント基板を、予定の位置から、前記誤差検出手段により検出された保持位置誤差を打ち消すに必要な距離だけ必要な方向にずらして位置決めさせる保持位置誤差補正手段と を含むことを特徴とする電子部品装着システム。 【請求項2】 さらに、前記部品保持ヘッドもしくはそれと一体的に回転する部材の連続的な面に摩擦係合して部品保持ヘッドを連続的な任意の回転位置に維持するとともに、前記ヘッド回転装置による回転は許容するブレーキ装置を含むことを特徴とする請求項1に記載の電子部品装着システム。 【発明の詳細な説明】 【0001】 【産業上の利用分野】 本発明は電子部品をプリント基板等の基材に装着する電子部品装着システムに関するものであり、特に、一軸線のまわりを旋回する複数の部品保持ヘッドを備えた電子部品装着システムに関するものである。 【0002】 【従来の技術】 垂直軸線のまわりに一定角度ずつ間欠的に回転する間欠回転体を含む支持手段に、その一定角度に等しい角度間隔で複数の部品保持ヘッドが支持され、各部品保持ヘッドが停止位置の一つである部品供給位置において部品供給装置から電子部品を受け取り、他の停止位置である部品装着位置においてその電子部品をプリント基板に装着するようにされた電子部品装着システムは既に広く知られている。このような電子部品装着システムによれば間欠回転体の間欠的な回転に伴い一軸線のまわりを一方向に旋回する複数の部品保持ヘッドによって電子部品をプリント基板に順次装着することができ、サイクルタイムを短縮して部品装着作業の能率を向上させることができる。 【0003】 また、電子部品装着システムにおいて、部品保持ヘッドに保持された電子部品の保持位置誤差および保持方位誤差を補正することは、特開昭59-84499号公報によって既に知られている。保持位置誤差は、電子部品の基準線(例えば中心線)の部品保持ヘッドの基準線(例えば中心線)に対するずれであり、保持方位誤差は、部品保持ヘッドの基準線のまわりの電子部品の回転位置誤差である。上記公報に記載されている電子部品装着システムにおいては、部品保持ヘッドたる部品吸着ヘッドが、電子部品を吸着して保持する吸着管の中心線のまわりに回転し得る状態でヘッド保持体に保持されており、このヘッド保持体が一直線に沿って移動させられる間に、吸着管に吸着された電子部品の像がラインスキャンカメラを備えた撮像システムにより撮像される。その結果得られた電子部品の像に基づいて吸着ヘッドによる電子部品の保持位置誤差および保持方位誤差が検出され、ヘッド回転装置が部品吸着ヘッドを回転させることにより電子部品の保持方位誤差が補正され、基板位置決め装置によるプリント基板の位置決めの制御により保持位置誤差が補正された上で、電子部品がプリント基板に装着される。したがって、電子部品を高い位置精度および方位精度でプリント基板に装着することができる。 【0004】 【発明が解決しようとする課題】 しかしながら、上記公報に記載された電子部品装着システムにおいては、部品搭載ヘッドによる電子部品の受取り、搭載ヘッドに保持された電子部品の撮像、電子部品のプリント基板への装着等が時系列的に行われるため、1個の電子部品を装着するためのサイクルタイムが長くなり、部品装着作業の能率が低く抑えられる問題がある。 また、上記公報に記載の撮像システムは、垂直軸線のまわりに一定角度ずつ間欠的に回転する間欠回転体を含む支持手段に複数の部品保持ヘッドを支持させ、部品供給位置における電子部品の受取りと部品装着位置における装着とを並行して行わせる形式の電子部品装着システムには適用しにくいものである。この形式の電子部品装着システムにおいては部品保持ヘッドが円周軌跡を描いて移動し、その部品保持ヘッドに保持された電子部品は移動に伴って回転するため、その電子部品全体の像をラインスキャンカメラで取得するためには、単位時間毎に取得されるライン状の像に対して電子部品の回転角度分の補正を施すことが必要であり、電子部品全体の像の取得自体が困難でなのである。しかも、間欠回転体は加速,減速を繰り返し、一定角速度で回転する時期がないか、または極めて短くなるのが普通であるため、上記単位時間毎の回転角度が一定ではない場合が多く、その場合には回転角度分の補正を行うことが一層困難である。 本発明はこれらの問題点を解消することを課題としてなされたものである。 【0005】 【課題を解決するための手段】 そして、本発明の要旨は、電子部品装着システムを、(a) 垂直軸線まわりに間欠回転する間欠回転体を含む支持手段と、(b) その支持手段により、前記垂直軸線を中心とする一円周上に間欠回転体の間欠回転角度と等しい角度間隔でかつ垂直な自身の中心線のまわりに回転可能に支持され、それぞれ下端部に電子部品を保持する部品保持部を備えた複数の部品保持ヘッドと、(c) 間欠回転体の停止時における複数の部品保持ヘッドの停止位置の一つである部品供給位置に設けられて、各部品保持ヘッドに電子部品を供給する部品供給装置と、(d) 前記複数の停止位置の別の一つである部品装着位置に設けられ、部品保持ヘッドにより電子部品を装着されるプリント基板を支持し、そのプリント基板の複数の電子部品装着予定箇所が部品装着位置に停止した部品保持ヘッドに対向する位置へプリント基板を移動させる基板位置決め装置と、(e) 前記複数の停止位置のうちの、部品供給位置と部品装着位置との間の停止位置の一つである部品撮像位置に設けられて電子部品の像を撮像する撮像システムを備え、その撮像システムにより撮像された電子部品の像に基づいて部品保持ヘッドに保持された電子部品の保持位置誤差および保持方位誤差を検出する誤差検出手段と、(f) 間欠回転体の外周側に設けられ、部品撮像位置と部品装着位置との間において部品保持ヘッドを一つずつ個別に、連続的に変更可能な角度回転させて誤差検出手段により検出された保持方位誤差を補正するヘッド回転装置と、(g) 基板位置決め装置に、プリント基板を、予定の位置から、誤差検出手段により検出された保持位置誤差を打ち消すに必要な距離だけ必要な方向にずらして位置決めさせる保持位置誤差補正手段とを含むものとしたことにある。 【0006】 上記部品保持ヘッドはバキュームにより電子部品を吸着して保持する垂直下向きの吸着管を備えたものとすることが望ましく、また、上記撮像システムは、吸着管により保持された電子部品より吸着管側の位置にその吸着管と同軸的に配設されて電気エネルギを光に変える投光器を備えた照明装置を含むものとすることが望ましい。 また、電子部品装着システムは、前記各構成要素に加えて、部品保持ヘッドもしくはそれと一体的に回転する部材の連続的な面に摩擦係合して部品保持ヘッドを連続的な任意の回転位置に維持するとともに、ヘッド回転装置による回転は許容するブレーキ装置を含むものとすることが望ましい。 【0007】 【作用】 上記のように構成された電子部品装着システムにおいては、間欠回転体の間欠的な回転に伴って複数の部品保持ヘッドが部品供給位置,部品撮像位置および部品装着位置へ順次移動する。そして、部品供給位置において部品保持ヘッドが部品供給装置から部品を受け取り、部品撮像位置において撮像システムが部品保持ヘッドに保持されている電子部品の像を撮像し、その結果得られた電子部品の像に基づいて誤差検出手段が部品保持ヘッドによる電子部品の保持位置誤差および保持方位誤差を検出する。保持位置誤差は、部品保持ヘッドが電子部品をプリント基板に装着するまでの問に基板位置決め装置によるプリント基板の位置決めが補正されることにより補正され、保持方位誤差は、ヘッド回転装置が部品保持ヘッドを回転させることにより補正され、電子部品は部品装着位置において正しい位置に正しい方位でプリント基板に装着される。 【0008】 【発明の効果】 本発明に係る電子部品装着システムにおいては、上記のように部品保持ヘッドによる電子部品の受取り、撮像システムによる電子部品の撮像、および部品保持ヘッドによるプリント基板への電子部品の装着が並行して行われるため、1個の電子部品を装着するためのサイクルタイムが短縮され、部品装着作業の能率向上効果が得られる。しかも、部品保持ヘッドによる電子部品の保持位置誤差および保持方位誤差が共に補正された上でプリント基板に装着されるため、高い装着精度が得られる。 また、撮像システムが、部品撮像位置に停止中の電子部品を撮像するため、電子部品の移動軌跡が円周であるにもかかわらず電子部品の正確な像が容易に取得でき、その像に基づく保持位置誤差および保持方位誤差の取得が正確となって、この点からも電子部品のプリント基板に対する装着位置および方位の精度が向上する。 【0009】 なお、吸着管により保持された電子部品より吸着管側の位置にその吸着管と同軸的に配設されて電気エネルギを光に変える投光器を備えた照明装置を含む望ましい態様においては、照明装置が電子部品の背後に配設された反射板とその反射板に向かって照明光を照射する投光器とを備えたものである場合のように、投光器が基材位置決め装置との干渉により基材の移動範囲を狭く制限してしまうこともない。 また、照明装置が反射板と投光器とを備えたものである場合には、投光器から投光された照明光が部品保持ヘッドに保持された電子部品の部品保持ヘッドとは反対側の面にも照射され、この面で反射された光が反射板で反射されて電子部品の周囲を通過した光と共に撮像装置に入光し、電子部品の像が完全なシルエット像にならず、撮像装置誤作動の原因となり易いのであるが、投光器自体が電子部品に対して部品保持ヘッドと同じ側に配設される望ましい態様ではこの誤作動を良好に回避し得る。 さらに、投光器が吸着管と同軸的に配設されているため、吸着管に吸着された電子部品全体を均等に照明することができ、良好なシルエット像を得ることができる。 【0010】 また、部品保持ヘッドもしくはそれと一体的に回転する部材の連続的な面に摩擦係合して部品保持ヘッドを任意の連続的な回転位置に維持するとともに、前記ヘッド回転装置による回転は許容するブレーキ装置を含む望ましい態様においては、部品保持ヘッドが部品撮像位置から部品装着位置まで移動する間に部品保持ヘッドがみだりに回転し、電子部品の方位が変わってしまう恐れがないため、間欠回転体の間欠回転速度を大きくすることが容易であり、装着能率向上の効果が得られる。 【0011】 【発明の実施の形態】 以下、本発明の一実施形態を図面に基づいて詳細に説明する。 図1に本発明の一実施形態である電子部品装着システムの外観を示す。本電子部品装着システムは本体フレーム10,部品供給装置12,基板搬入装置14,基板搬出装置16,基板位置決め装置18および電子部品装着装置20(以下、単に装着装置という)等を備えている。部品供給装置12は、本体フレーム10によって一直線に沿って移動可能に支持された移動台30の上に多数の部品供給ユニット32が移動台30の移動方向において互に隣接する状態で配列されたものであり、各部品供給ユニット32は1種類ずつのテーピング電子部品を保持していて、移動台30の移動によって装着装置20に正対する位置へ移動させられ、1個ずつの電子部品を供給するものであるが、よく知られたものであるため詳細な説明は省略する。 【0012】 電子部品が取り付けられるプリント基板は基板搬入装置14により搬入され、図示しないローディング装置によって基板位置決め装置18に取り付けられる。基板位置決め装置18は基板支持台36を備え、その基板支持台36は前記移動台30の移動方向に平行なX軸方向とそれに直角なY軸方向とに移動可能なXYテーブル上に設置されており、プリント基板を正確な位置に支持してXY平面上の任意の位置に位置決めする。それによって、プリント基板上の複数の電子部品装着予定箇所が順次部品装着位置に位置させられ、それら電子部品装着予定箇所に装着装置20が部品供給装置12から受け取った電子部品を順次装着し、全部品の装着が終了したプリント基板は図示しないアンローディング装置によって取り外され、基板搬出装置16により搬出される。これらの動作は制御装置22によって制御される。制御装置22はコンピュータを主体とするものであり、コンピュータのメモリに記憶されているプログラムと磁気ディスク,磁気テープ等によって外部から与えられる情報とに基づいて各装置の制御を行うものであり、この制御装置22に付属して操作盤40と、その操作盤40の操作指示,入力されたデータ,各装置の作動状況等を表示するディスプレイ42と、吸着ヘッド(後述)に保持された電子部品の像を作業者がモニタするためのモニタテレビ44とが設けられている。これら基板搬入装置14,基板搬出装置16,基板位置決め装置18,制御装置22,操作盤40,ディスプレイ42,モニタテレビ44等はよく知られたものであるため詳細な説明は省略し、以下、装着装置20について説明する。 【0013】 図2から明らかなように、装着装置20は本体フレーム10によって垂直な軸線のまわりに回転可能に保持された回転軸50を備えている。この回転軸50の上端部には回転板52が固定され、この回転板52の外周部には等角度間隔で12個のカムフォロワ54が取り付けられており、これらカムフォロワ54が水平軸線まわりに回転するカム56と係合するようにされている。これによりカム56が1回転する毎に回転板52および回転軸50が30度ずつ間欠的に回転させられることとなる。 【0014】 回転軸50の下端部には間欠回転盤58が固定されており、この間欠回転盤58に12組の吸着ヘッドユニット60が等角度間隔に取り付けられている。これら吸着ヘッドユニット60はすべて図3および図4に示す構造を有するものである。図3から明らかなように、間欠回転盤58の外周部には2本ずつ対になったロッド62が垂直な姿勢でかつ軸方向に移動可能に取り付けられており、それらの両端が連結部材63および64により互に連結されている。上方の連結部材63にはカムフォロワ65が取り付けられ、このカムフォロワ65が図2に示されているカム66に係合させられている。カム66は本体フレーム10に固定されており、外周面に水平面に対して傾斜して形成された環状のカム溝67を備えているため、間欠回転盤58の回転につれてロッド62が昇降させられる。また、下方の連結部材64には軸部材68によってアーム69が固定されており、このアーム69には吸着ヘッド70が取り付けられている。 【0015】 各吸着ヘッド70は、図4に最も明瞭に示されているように、金属製の筒部材80の両端にガラスまたは合成樹脂製の透明板82,84が固定されて成るヘッド本体部86を備えている。このヘッド本体部86の内部には実質的に気密な空間が形成されており、下方の透明板84にこの空間に連通する上下方向の貫通孔が形成され、この貫通孔に吸着ヘッド70の部品保持部として機能する吸着管88が圧入されている。ヘッド本体部86は外筒90に相対回転不能かつ軸方向に摺動可能に嵌合されるとともに、常にはスプリング92によってストッパ94に当接する下降端位置に保持される。外筒90は前記アーム69に上下方向に形成された貫通孔に回転可能かつ軸方向に摺動可能に嵌合されており、常にはスプリング96によりフランジ98がアーム69に当接する上昇端位置に保たれ、また、外筒90の上端には、吸着ヘッド70の中心線、すなわち吸着管88の中心線を中心とする円筒面状の内周摩擦面100を備えた被駆動回転体102が螺合により固定されており、この被駆動回転体102と上記スプリング96とはカバー104により覆われている。 【0016】 上記ヘッド保持体としてのアーム69には吸着ヘッド70、詳細には外筒90およびヘッド本体部86の回転を防止するブレーキ装置110が設けられている。ブレーキ装置110は摩擦部材112,レバー114,スプリング115等を備えている。レバー114はアーム69にピン116により中間部を回動可能に取り付けられており、一方の端部に摩擦部材112が固定され、他方の端部とアーム69との間にスプリング115が装着されている。摩擦部材112はアーム69に形成された貫通孔に嵌入し、その先端部がスプリング115の付勢力によって外筒90の外周面に押し付けられ、吸着ヘッド70の回転を防止するようにされている。外筒90の外周面は連続的な面であり、ブレーキ装置110はその連続的な面に摩擦部材112により摩擦係合し、吸着ヘッド70を連続的な任意の回転位置に維持する機能を有するものなのである。 【0017】 前記吸着管88は、ヘッド本体部86内に形成された空間,筒部材80に形成された接続通路117,外筒90に形成された接続通路118,アーム69および軸部材68に形成された通路119および120を経て、前記間欠回転盤58および回転軸50に形成された通路122および124に連通させられ、さらに、継手126を経てポート128において図示しないバキューム装置に接続されている。通路120と122との接続部には切換弁130が設けられ、これが図示しない弁操作装置によって切り換えられることにより吸着管88がバキューム装置と大気とに択一的に連通させられるようになっている。 【0018】 各吸着ヘッド70は、間欠回転盤58の間欠的な回転に伴って図5に示すAないしLの12の位置で停止させられる。そして、位置Aにおいて部品供給装置12から電子部品を受け取り、それを位置Gにおいてプリント基板に装着する。位置Aが部品供給位置、位置Gが部品装着位置となっているのである。また、位置Cと位置Eとにはそれぞれ撮像システム140とヘッド回転装置142とが設けられて位置Cが部品撮像位置、位置Eが保持方位変更位置とされている。さらに、位置Dにおいては、位置Cにおいて検出された電子部品が予定のものと異なる場合に切換弁130が切り換えられて誤った電子部品が吸着ヘッド70から解放されるようになっている。撮像システム140は電子部品の輪郭を検出するものであるから電子部品の保持位置および保持方位のみならず、電子部品の種類も検出することができるのである。 【0019】 撮像システム140は、図6から明らかなように、本体フレーム10に固定の補助フレーム144に組み付けられた投光器146,プリズム装置148および撮像装置150を備えている。投光器146はブラケット152によって補助フレーム144に固定され、部品撮像位置Cに停止した吸着ヘッド70の真上に位置するようにされている。投光器146から投光された光は吸着ヘッド70を透過した後、プリズム装置148の2個のプリズム154によって90度ずつ向きを変えられ、撮像装置150に入光する。撮像装置150はレンズ156を備え、このレンズ156によって図示しない固体撮像素子上に結ばれる電子部品Wのシルエット像を二値化信号に変換するものである。撮像装置150はブラケット160によって補助フレーム144に取り付けられているが、ブラケット160の高さが調節ねじ162により調節されることによって焦点距離の調節が可能とされている。なお、164は撮像装置150のパワーユニットである。 【0020】 前記ヘッド回転装置142は、図7に示すように、補助フレーム170に固定のガイドブッシュ172により回転可能かつ軸方向に摺動可能に保持された駆動回転体174を備えている。駆動回転体174はギヤ176を備え、このギヤ176がギヤ178およびタイミングベルト180を介して図8に示すサーボモータ182に連結されている。したがって、駆動回転体174はサーボモータ182によって任意の角度回転させられることとなる。 【0021】 駆動回転体174は図9に示すように中空軸状の部材であるが、その下端部の外周面に幅広の円環溝184が形成されており、これにゴム製の摩擦リング186が嵌められている。また、円環溝184の底壁にはそれを半径方向に貫通する複数個の貫通孔が形成され、各貫通孔に1個ずつのボール188が移動可能に収容されている。そして、駆動回転体174内には下端に複数の傾斜溝190を備えた棒状の拡張部材192が摺動可能に挿通されており、拡張部材192に固定のピン194と駆動回転体174に形成された長穴196との係合によって拡張部材192と駆動回転体174との相対回転が防止されるとともに両者の軸方向の相対移動限度が規定されている。 【0022】 駆動回転体174の上端部にはストッパリング200が固定され、これがガイドブッシュ172の上端面に当接することにより駆動回転体174の下降端位置を規定するようにされている。また、拡張部材192の上端近傍にはナット202が固定されており、このナット202と駆動回転体174の上端面との間に弾性部材としてのスプリング203が装着されて、拡張部材192を駆動回転体174に対して上向きに付勢している。拡張部材192の上端にはテーパ部204が形成され、これに昇降部材206がベアリング208を介して係合させられている。昇降部材206にはまた係合部材210が取り付けられ、これが上記ナット202に係合して拡張部材192を昇降部材206とともに昇降させるようになっている。 【0023】 昇降部材206は、図7から明らかなように、2本のロッド212およびガイドブロック214を介して補助フレーム170によって昇降可能に保持されるとともに、連結ロッド216により図示しない昇降駆動用のカム装置に連結されている。なお、昇降部材206,ロッド212,ガイドブロック214および連結ロッド216は、理解を容易にするために図8においては駆動回転体174の軸線のまわりに一定角度回動させた状態で示されている。 【0024】 ヘッド回転装置142は吸着ヘッド70が位置Eに停止した状態で駆動回転体174が吸着ヘッド70と同心となる位置に設けられており、昇降部材206が下降させられるとき、まず昇降部材206と駆動回転体174とが一体的に下降して駆動回転体174の下端部、すなわち摩擦リング186が装着された部分が吸着ヘッド70の図4に示されている被駆動回転体102内へ嵌入する。そして、ストッパリング200がガイドブッシュ172の上端面に当接して駆動回転体174の下降が停止した後は、その駆動回転体174に対して拡張部材192がスプリング203の付勢力に抗して相対的に下降し、傾斜溝190の作用によってボール188を半径方向外側へ押し出し、摩擦リング186を部分的に膨出させて被駆動回転体102の内周摩擦面100に摩擦係合させる。 【0025】 すなわち、傾斜溝190の底面が拡張部材192にその軸方向に対して傾斜して形成された傾斜面として機能し、摩擦リング186がその傾斜面によりボール188を介して拡張されるリング状部材として機能するのであり、上記ボール188および摩擦リング186によって駆動回転体の拡張部が構成されているのである。また、拡張部材192に作用する昇降部材206およびそれを駆動する昇降駆動用のカム装置によって、駆動回転体174を被駆動回転体102の内側に嵌入させるとともに、それの拡張部を拡張させて駆動回転体174と被駆動回転体102とを摩擦係合させる接離装置が構成されている。 【0026】 図7から明らかなように、補助フレーム170にはブレーキ装置110を解除するブレーキ解除装置218の解除レバー220が取り付けられている。解除レバー220の一方のアームは連結ロッド222によってカム装置に連結されており、他方のアームには作用部材224が取り付けられている。連結ロッド222はカム装置により前記連結ロッド216と関連して昇降させられるようにされており、それによって駆動回転体174が下降して摩擦リング186が被駆動回転体102の内周摩擦面100に押し付けられた後、作用部材224がレバー114に作用してブレーキ装置110を解除し、また、吸着ヘッド70が所定の角度回転させられた後、駆動回転体174の被駆動回転体102からの離脱に先立ってブレーキ装置110を作用状態に復帰させるようになっている。 【0027】 次に本電子部品装着システム全体の作動を説明する。図5における位置A(部品供給位置)に停止した吸着ヘッド70が部品供給装置12から部品を受け取っている間に、位置C(部品撮像位置)に停止した吸着ヘッド70においては電子部品Wの撮像が行われ、位置E(保持方位変更位置)においてはヘッド回転装置142によって吸着ヘッド70が回転させられ、電子部品Wの吸着ヘッド中心線まわりの回転位置誤差が補正され、さらに、位置G(部品装着位置)においてはプリント基板への電子部品Wの装着が行われる。これら各位置における作動はそれぞれ異なる吸着ヘッド70に対して並行して行われるのであるが、以下、1個の吸着ヘッド70に着目して各位置における作動を詳細に説明する。 【0028】 位置Aに吸着ヘッド70が停止した状態においては、部品供給装置12の多数の部品供給ユニット32のうち選ばれたものが吸着ヘッド70の真下に位置決めされるとともに、その部品供給ユニット32に保持された部品保持テープからカバーテープが剥がされて電子部品Wの取出しが可能な状態となっている。したがって、図4において図示しないヘッド押下装置が被駆動回転体102に当接してこれをスプリング96の付勢力に抗して押し下げれば、ヘッド本体部86および吸着管88もそれに伴って下降し、吸着管88の下端面が電子部品Wの上面に当接する。被駆動回転体102および外筒90はそれ以後も押し下げられるのであるが、ヘッド本体部86および吸着管88はスプリング92の圧縮によって停止状態を保つことを許容される。この状態においては吸着管88はバキューム装置に連通させられているため電子部品Wが吸着管88に吸着され、ヘッド押下装置の作用が解除されて吸着ヘッド70が上昇すれば電子部品Wもそれに伴って上昇し、装着装置20による部品供給装置12からの電子部品Wの受取りが終了する。 【0029】 このように電子部品Wを受け取った吸着ヘッド70が位置Cに停止させられれば、吸着ヘッド70は図6に示すように投光器146とプリズム装置148との間に位置させられる。したがって、投光器146から投光された光により撮像装置150の固体撮像素子面に電子部品Wのシルエット像が結ばれる。撮像装置150はこのシルエット像を二値化信号に変換し、制御装置22に出力する。制御装置22はその二値化信号と制御装置22自身のメモリに予め記憶させられている正規の電子部品Wの位置を示す二値化信号とを比較し、電子部品Wの正規の位置に対する保持位置誤差ΔX,ΔY(電子部品Wの中心線の吸着ヘッド70の中心線に対するX,Y軸方向のずれ)と保持方位誤差Δθ(電子部品Wの吸着ヘッド70の中心線のまわりの回転位置誤差)とを演算する。 【0030】 以上のように誤差検出が行われた後、吸着ヘッド70が位置Eに停止すれば、その吸着ヘッド70は図7に示すようにヘッド回転装置142の駆動回転体174の真下に位置することとなる。したがって、カム装置により昇降部材206が下降させられれば、駆動回転体174の下端部が図4に示す被駆動回転体102の内側へ嵌入する。この状態から更に昇降部材206が下降させられれば、図9において拡張部材192が駆動回転体174に対して相対的に下降させられ、ボール188および摩擦リング186から成る拡張部を拡張し、これを被駆動回転体102の内周摩擦面100に押し付ける。続いてブレーキ解除装置218が作動してブレーキ装置110を解除するため、吸着ヘッド70は回転可能な状態となり、その状態でサーボモータ182が作動させられて吸着ヘッド70が回転させられる。サーボモータ182は前述のように制御装置22によって求められた保持方位誤差Δθに対応する角度だけ回転させられ、それに伴って吸着ヘッド70およびそれに保持されている電子部品Wが保持方位誤差Δθを打ち消すに必要な角度だけ回転させられる。その後、ブレーキ装置110が再び作用状態とされ、昇降部材206が上昇させられて駆動回転体174が被駆動画転体102から離脱させられ、電子部品Wの姿勢変更が終了する。 【0031】 以上のようにして保持方位誤差が除かれた後、吸着ヘッド70が位置Gに停止する時期には、制御装置22の制御によりプリント基板位置決め装置18がプリント基板を位置決めしている。この位置決めは、プリント基板の複数の部品装着予定箇所の1つの中心点が、位置Gに停止した吸着ノズル70の中心線上に位置する予定の位置から、前記保持位置誤差ΔX,ΔYを打ち消すのに必要な距離だけ必要な方向にプリント基板をずらして行われる。したがって、図示しないヘッド押下装置により吸着ヘッド70が押し下げられれば、吸着管88に保持された電子部品Wがプリント基板の予定の部品装着予定箇所に高い位置精度および方位精度で押し付けられ、接着等によって固定される。その状態で切換弁130が切り換えられて吸着管88が大気に連通させられることにより電子部品Wが吸着ヘッド70から解放され、その後、吸着ヘッド70が上昇すれば電子部品Wのプリント基板に対する装着が完了する。 【0032】 以上の説明から明らかなように、本実施形態においては、吸着ヘッド70が部品保持ヘッドとして機能し、間欠回転体としての間欠回転盤58が、カム66,カムフォロワ65,ロッド62,連結部材63,64およびアーム69等と共同して部品保持ヘッドの支持手段を構成している。また、制御装置22の、保持位置誤差ΔX,ΔYおよび保持方位誤差Δθを演算する部分が誤差検出手段を構成し、基板位置決め装置18に保持位置誤差ΔX,ΔYを打ち消すに必要な距離だけ必要な方向にずらしたプリント基板の位置決めを行わせる部分が保持位置誤差補正手段を構成している。 【0033】 以上の説明から明らかなように、本電子部品装着システムにおいては、吸着ヘッド70による電子部品Wの受取,姿勢検出,姿勢変更およびプリント基板への装着が複数の位置において並行して行われるため、サイクルタイムが短縮され、電子部品装着作業の能率が向上する。 また、撮像システム140およびヘッド回転装置142が12個の吸着ヘッド70に対して一つずつで済むため装置の構造が簡単となり、製造コストの低減効果が得られる。 また、ヘッド回転装置142は間欠回転盤58から分離されて定位置に設けられているため間欠回転盤58の慣性モーメントが小さくなり、これの間欠的な回転に伴う振動,騒音が減少し、間欠回転盤58を高速で回転させることが可能となる。 さらに、撮像装置150の固体撮像素子面に結ばれる像は電子部品Wのシルエット像であるため、反射光による電子部品Wの像のように電子部品Wの表面粗さや色等の影響を受けることがなく、電子部品Wの姿勢を正確に検出することができる。 【0034】 なお、以上詳記した実施形態においては部品保持ヘッドがバキュームにより電子部品を吸着する吸着ヘッド70であり、ヘッド本体部86の吸着管周辺部は透明体で形成されているため、電子部品Wの全周にわたってシルエット像を得ることができる利点があるのであるが、部品保持ヘッドはこれに限られるものではなく、電子部品Wの姿勢を検出し得る状態で電子部品Wを保持し得る保持ヘッドであれば採用が可能である。例えば、吸着管88と共に、もしくはそれに代えて一対の把持爪を備えた部品保持ヘッドに電子部品Wを保持させることも可能であり、要するに電子部品Wの一辺とその両端の角部あるいは互に交わる二辺等、電子部品の位置を検出するために必要な部分のシルエット像が得られる状態で電子部品を保持し得る部品保持ヘッドであれば採用が可能なのである。この場合、把持爪を支持し、作動させる部材等が電子部品のシルエット像を得る上で邪魔になる場合には、投光器からの投光方向を電子部品の中心線に対して一定角度傾かせることも可能である。 【0035】 また、前記実施形態においては理解を容易にするために姿勢変更位置においては電子部品の保持方位誤差のみが補正されるものとしたが、電子部品を部品供給装置から受け取った姿勢とは異なる姿勢でプリント基板に装着する必要がある場合には、この位置においてそれに必要な角度だけ電子部品を回転させることも可能であり、このようにすれば基板位置決め装置18にプリント基板を回転させる機能を持たせることなく電子部品を任意の姿勢で装着することが可能となる。 また、前記実施形態においては姿勢検出位置および姿勢変更位置が部品供給位置および装着位置とは別の位置とされていたが、例えば姿勢変更位置を部品装着位置と一致させるなど、これらの位置を適宜変更することも可能である。 【0036】 さらに、前記実施形態においては駆動回転体174の拡張部が機械的に拡張されるものとされていたが、例えば流体圧によって拡張されるものとするなど適宜の変更を加えることが可能であり、また、駆動回転体174の拡張部を被駆動回転体102の内周摩擦面100に押し付けることにより駆動回転体174と被駆動回転体102とを係合させることも不可欠ではない。例えば、駆動回転体174を被駆動回転体102の外側に嵌合するものとし、駆動回転体の収縮部が被駆動回転体の外周摩擦面と摩擦係合するものとすることも可能である。さらに、駆動回転体と被駆動回転体とをそれらの端面において同心的に当接させることにより両者を摩擦係合させることも可能であり、あるいは駆動回転体と被駆動回転体とを半径方向に相対移動させて両者の外周面同士、もしくは一方の外周面と他方の内周面とを局部的に摩擦係合させることも可能である。この場合、接離装置もそれぞれの態様に応じて変更する必要があることは勿論である。 その他、いちいち例示することはしないが、本発明は当業者の知識に基づいて種々の変形,改良を施した態様で実施し得るものであることは勿論である。 【図面の簡単な説明】 【図1】 本発明の一実施形態である電子部品装着システムの全体を概略的に示す斜視図である。 【図2】 図1に示した電子部品装着システムの電子部品装着装置の主要部を示す正面断面図である。 【図3】 図2におけるIII-III断面図である。 【図4】 図2に示されている吸着ヘッドおよびその周辺を示す正面断面図である。 【図5】 図2に示されている電子部品装着装置主要部とそれに付属した撮像システムおよびヘッド回転装置の相対位置関係を示す説明図であり、図6および図7におけるV-V断面図である。 【図6】 図5に示されている撮像システムの正面図である。 【図7】 ブレーキ解除装置および図5に示されているヘッド回転装置の正面図である。 【図8】 図7に示されているブレーキ解除装置およびヘッド回転装置の底面図である。 【図9】 図7におけるIX-IX断面図である。 【符号の説明】 20 電子部品装着装置 58 間欠回転盤 60 吸着ヘッドユニット 62 ロッド 63,64 連結部材 66 カム 65 カムフォロワ 69 アーム 70 吸着ヘッド 80 筒部材 82,84 透明板 86 ヘッド本体部 88 吸着管 90 外筒 100 内周摩擦面 102 被駆動回転体 110 ブレーキ装置 140 撮像システム 142 ヘッド回転装置 146 投光器 148 プリズム装置 150 撮像装置 154 プリズム 174 駆動回転体 176,178 ギヤ 180 タイミングベルト 182 サーボモータ 210 係合部材 |
訂正の要旨 |
1.訂正事項a 特許請求の範囲の請求項1に係る記載 「1.垂直軸線まわりに間欠回転する間欠回転体を含む支持手段と、 その支持手段により、前記垂直軸線を中心とする一円周上に前記間欠回転体の間欠回転角度と等しい角度間隔でかつ垂直な自身の中心線のまわりに回転可能に支持され、それぞれ下端部に電子部品を保持する部品保持部を備えた複数の部品保持ヘッドと、 前記間欠回転体の停止時における複数の部品保持ヘッドの停止位置の一つである部品供給位置に設けられて、各部品保持ヘッドに電子部品を供給する部品供給装置と、 前記複数の停止位置の別の一つである部品装着位置に設けられ、部品保持ヘッドにより電子部品を装着されるプリント基板を支持し、そのプリント基板の複数の電子部品装着予定箇所が前記部品装着位置に停止した部品保持ヘッドに対向する位置へプリント基板を移動させる基板位置決め装置と、 前記複数の停止位置のうちの、前記部品供給位置と部品装着位置との間の停止位置の一つである部品撮像位置に設けられて電子部品の像を撮像する撮像システムを備え、その撮像システムにより撮像された電子部品の像に基づいて部品保持ヘッドに保持された電子部品の保持位置誤差および保持方位誤差を検出する誤差検出手段と、 前記部品撮像位置と前記部品装着位置との間において前記部品保持ヘッドを回転させて前記誤差検出手段により検出された保持方位誤差を補正するヘッド回転装置と、 前記基板位置決め装置に、プリント基板を、予定の位置から、前記誤差検出手段により検出された保持位置誤差を打ち消すに必要な距離だけ必要な方向にずらして位置決めさせる保持位置誤差補正手段と を含むことを特徴とする電子部品装着システム。」を、特許請求の範囲の減縮を目的として、 「1.垂直軸線まわりに間欠回転する間欠回転体を含む支持手段と、 その支持手段により、前記垂直軸線を中心とする一円周上に前記間欠回転体の間欠回転角度と等しい角度間隔でかつ垂直な自身の中心線のまわりに回転可能に支持され、それぞれ下端部に電子部品を保持する部品保持部を備えた複数の部品保持ヘッドと、 前記間欠回転体の停止時における複数の部品保持ヘッドの停止位置の一つである部品供給位置に設けられて、各部品保持ヘッドに電子部品を供給する部品供給装置と、 前記複数の停止位置の別の一つである部品装著位置に設けられ、部品保持ヘッドにより電子部品を装着されるプリント基板を支持し、そのプリント基板の複数の電子部品装着予定箇所が前記部品装着位置に停止した部品保持ヘッドに対向する位置へプリント基板を移動させる基板位置決め装置と、 前記複数の停止位置のうちの、前記部品供給位置と部品装着位置との間に位置し、かつ、部品装着位置との間に別の停止位置を挟んだ停止位置である部品撮像位置に設けられて電子部品の像を撮像する撮像システムを備え、その撮像システムにより撮像された電子部品の像に基づいて部品保持ヘッドに保持された電子部品の保持位置誤差および保持方位誤差を検出する誤差検出手段と、 前記間欠回転体の外周側に設けられ、前記部品撮像位置と前記部品装着位置との間において前記部品保持ヘッドを一つずつ個別に、連続的に変更可能な角度回転させて前記誤差検出手段により検出された保持方位誤差を補正するヘッド回転装置と、 前記基板位置決め装置に、プリント基板を、予定の位置から、前記誤差検出手段により検出された保持位置誤差を打ち消すに必要な距離だけ必要な方向にずらして位置決めさせる保持位置誤差補正手段と を含むことを特徴とする電子部品装着システム。」に訂正する。 2.訂正事項b 明細書第4頁第16行目ないし第17行目(段落〔0005])の 「(f)部品撮像位置と部品装着位置との間において部品保持ヘッドを回転させて」を、明りょうでない記載の釈明を目的として、 「(f)間欠回転体の外周側に設けられ、部品撮像位置と部品装着位置との間において部品保持ヘッドを一つずつ個別に、連続的に変更可能な角度回転させて」に訂正する。 |
審決日 | 2001-10-01 |
出願番号 | 特願平8-324304 |
審決分類 |
P
1
41・
161-
Y
(H05K)
P 1 41・ 851- Y (H05K) P 1 41・ 121- Y (H05K) P 1 41・ 856- Y (H05K) |
最終処分 | 成立 |
前審関与審査官 | 橋本 虎之助、市川 裕司、市川 幹雄、中川 隆司 |
特許庁審判長 |
蓑輪 安夫 |
特許庁審判官 |
鈴木 法明 鈴木 久雄 |
登録日 | 1998-12-18 |
登録番号 | 特許第2866627号(P2866627) |
発明の名称 | 電子部品装着システム |
代理人 | 神戸 典和 |
代理人 | 神戸 典和 |