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| 審決分類 |
審判 査定不服 1項3号刊行物記載 特許、登録しない(前置又は当審拒絶理由) G03G |
|---|---|
| 管理番号 | 1052329 |
| 審判番号 | 不服2000-10008 |
| 総通号数 | 27 |
| 発行国 | 日本国特許庁(JP) |
| 公報種別 | 特許審決公報 |
| 発行日 | 1992-11-24 |
| 種別 | 拒絶査定不服の審決 |
| 審判請求日 | 2000-07-04 |
| 確定日 | 2002-01-07 |
| 事件の表示 | 平成3年特許願第109117号「画像形成装置」拒絶査定に対する審判事件[平成4年11月24日出願公開、特開平4-336574]について、次のとおり審決する。 |
| 結論 | 本件審判の請求は、成り立たない。 |
| 理由 |
1. 手続きの経緯および本願発明 平成3年特許願第109117号(以下、「本願」と言う。)は、平成3年5月14日に出願され、平成10年5月12日に審査請求され、平成12年5月30日付けで拒絶査定された。その後、平成12年7月4日にこの拒絶査定に対して審判が請求され、平成13年6月18日付けで当審により拒絶理由が通知され、その指定期間内である平成13年8月24日に意見書が提出された。 本願に係る発明(以下、「本願発明」と言う。)は、明細書および平成10年5月12日に提出された手続補正書によって補正された図面(以下、単に「本願明細書」と言う。)の記載から見て、本願明細書の特許請求の範囲の請求項1に記載された次のとおりのものであると認める。 【請求項1】 少なくともシャフトの外周に弾性部材を形成してなる弾性変形可能な転写ローラーと像担持体を備え、前記転写ローラーを前記像担持体に圧接し、前記像担持体と前記転写ローラーとの間に記録担体を通過させて転写する画像形成装置において、前記弾性部材の縦弾性係数をEf(kg/mm2)、前記弾性部材の長手方向の長さをL(mm)、前記弾性部材の半径をR(mm)、前記転写ローラーを当接させる線荷重をp(kg/mm)としたとき、前記シャフトの半径r(mm)が次式を満たすことを特徴とする画像形成装置。 【数1】 ![]() 2. 当審が通知した拒絶理由 当審が通知した拒絶理由は、概略以下のとおりである。 「本願発明は、その出願前日本国内において頒布された以下の刊行物1に記載された発明であるから、特許法第29条第1項第3号に該当し、特許を受けることができない。 刊行物1:特開平3-100579号公報」 3. 刊行物1に記載された事項 刊行物1には、以下の(1)〜(4)の事項が、第1図および第2図とともに記載されている。 (1) 第1ページ右下欄第5行から第7行まで 「この発明は、静電複写機、同プリンタなど、静電記録プロセスを利用する画像形成装置、とくにその転写装置に関するものである。」 (2) 第3ページ左上欄第2行から第16行まで 「第1図は本発明の実施態様を示す画像形成装置の概略側面図であって、紙面に垂直方向に軸線を有し、矢印A方向に回転走行する円筒状のOPC感光体2の表面が、帯電ローラ4によって一様に負帯電され、該帯電面に画像変調されたレーザビームが照射され、当該部分の電位が減衰して静電潜像が形成される。 ついで現像器6から、負帯電トナーが前記潜像に供給されてトナー像となる。その後、このトナー像が、感光体2と転写ローラ1とが当接するニップ部として形成されている転写部位に到来すると、これにタイミングを合わせて搬送路7から転写材(不図示)が供給され、これとともに、転写ローラ1に正極性の転写バイアスが印加され、感光体側のトナー像は転写材に転移する。」 (3) 第3ページ右上欄第5行から第18行まで 「このような装置において、図示の装置では、第2図から判るような構成の転写ローラ1を備えているものとする。 転写ローラ1は、Sus、鉄などからなる芯金11に、導電性の弾性層12さらにその表面に抵抗層13を形成してなっている。 弾性層12は、クロロブレンゴム、NBRゴム、ウレタンゴム、EPDM、シリコンゴムなどにカーボンブラックのような低抵抗物質を分散させて体積抵抗を…調整したもので、弾性をもたせるためにスポンジ状に形成するのがよい。 上記弾性層の厚みは2〜10mm、硬度は15〜50度(アスカC硬度)に設定する。」 (4) 第3ページ右下欄第16行から第4ページ左上欄第10行まで 「転写ローラとしては、…EPDMを発泡させてスポンジ状としたものを直径18mm、肉厚4mmの円筒状に形成し、これに、200μm厚のポリエステル系エラストマーチューブを被覆し、酸化スズ、酸化チタン、酸化亜鉛などの金属酸化物を分散させて、体積抵抗を…調整したものを用いた。 この転写ローラの表面に界面活性剤を5〜20μmコーティングすることによって、表面抵抗を体積抵抗より2桁下げる処理を行った。 実験は、プロセススピード40mm/sec、最大紙サイズA4のレーザービームプリンタによって行なった。」 上記(4)の「転写ローラとしては、…EPDMを発泡させてスポンジ状としたものを直径18mm、肉厚4mmの円筒状に形成し、」という記載と第2図とを併せて参照すると、この転写ローラ1は、半径5mmの芯金11の外周に厚さ4mmの弾性層が形成されたものであり、転写ローラ1の半径は、9mmであることが理解できる。 以上の事項を総合すると、刊行物1には、次の発明が開示されていると言える。 「少なくとも芯金11の外周に弾性層12を形成してなる転写ローラ1と円筒状の感光体2を備え、前記転写ローラ1を前記感光体2に当接し、前記感光体2と前記転写ローラ1との間に転写材を通過させて転写する画像形成装置において、前記転写ローラ1の半径が9mm、前記シャフトの半径が5mmである画像形成装置。」 4. 対比 本願発明と刊行物1に記載された発明とを比較すると、刊行物1に記載された発明の「芯金11」、「弾性層12」、「転写ローラ1」、「円筒状の感光体2」および「転写材」は、それぞれ、本願発明の「シャフト」、「弾性部材」、「弾性変形可能な転写ローラー」、「像担持体」および「記録担体」に相当することが明らかであり、刊行物1に記載された発明の「転写ローラ1を感光体2に当接し」は、本願発明の「転写ローラーを像担持体に圧接し」に相当する。 そうすると、本願発明と刊行物1に記載された発明とは、 「少なくともシャフトの外周に弾性部材を形成してなる弾性変形可能な転写ローラーと像担持体を備え、前記転写ローラーを前記像担持体に圧接し、前記像担持体と前記転写ローラーとの間に記録担体を通過させて転写する画像形成装置」 である点で一致し、次の点で一応相違する。 (相違点) 本願発明では、弾性部材の縦弾性係数Ef(kg/mm2)、弾性部材の長手方向の長さL(mm)、弾性部材の半径R(mm)、転写ローラーを当接させる線荷重p(kg/mm)としたとき、シャフトの半径r(mm)が式 ![]() (以下、「本願関係式」と言う。)を満たしているのに対して、刊行物1に記載された発明では、転写ローラーの半径が9mm、シャフトの半径が5mmである点。 5. 相違点の検討 刊行物1に記載された発明では、弾性部材の縦弾性係数Ef、弾性部材の長手方向の長さLおよび転写ローラーを当接させる線荷重pについて何も規定されていない。しかし、刊行物1に記載された発明に係る画像形成装置を実際に製作する際には、装置の寸法を決定し、使用する材料を選択することにより、これらを適当な値に設定しているものと認められる。 そこで、刊行物1に記載された発明の弾性部材の縦弾性係数Ef、弾性部材の長手方向の長さLおよび転写ローラーを当接させる線荷重pについて、周知かつ一般的な値を想定し、本願発明とを比較することにより、上記相違点に実質的な差異があるか否かを検証する。 ところで、以下で詳しく述べるとおり、本願明細書に記載された値は、それ自体周知かつ一般的な値であると認められる。したがって、具体的な値を想定する際に、周知かつ一般的な値の例として、本願明細書に記載された値をそのまま用いても、この想定の妥当性は失われない。そこで、具体的な値の想定に当たっては、本願明細書に記載された値をそのまま用いることにする。 5.1. 弾性部材の縦弾性係数Ef 刊行物1に記載された発明では、弾性部材として、クロロブレンゴム、NBRゴム、ウレタンゴム、EPDM、シリコンゴムなどにカーボンブラックのような低抵抗物質を分散させ、スポンジ状に形成して弾性を持たせたものが用いられている。そして、これらは、画像形成装置の転写ローラーの弾性部材として、通常用いられている材料であると認められる。 一方、本願明細書には、本願発明の弾性部材が、通常用いられているのとは異なる材料から作られていることを伺わせる記載は見当たらない。したがって、本願明細書に記載された弾性部材の縦弾性係数Ef(kg/mm2)の値、すなわち0.1および0.5は、一般的なものであって、特異なものではないと認められる。 実際、各種ゴムの縦弾性係数Efについては、例えば東京天文台編「理科年表昭和62年(机上版)」(昭和61年11月30日、丸善株式会社)の第438ページに、「ゴム(弾性ゴム)」のヤング率として、「(1.5-5.0)×10-4×1010」(単位:Pa=N・m-2)という値が記載されているが、これを本願発明で用いられている単位(kg/mm2)に変換すると、0.15〜0.51という値になる。また、桜内雄二郎著「新版プラスチック材料読本」(1987年5月15日、株式会社工業調査会)の第101ページには、ゴムの弾性係数として、「0.1〜0.7」(単位:kg/mm2)という値が記載されている。これらの記載からみても、本願明細書に記載された0.1および0.5は、周知かつ一般的な値であると言うことができる。 そうすると、刊行物1に記載された発明において、弾性部材の縦弾性係数Ef(kg/mm2)の値として、周知かつ一般的な値であり、本願明細書に記載された値でもある0.1および0.5を想定することができる。 5.2. 弾性部材の長手方向の長さL 刊行物1には、「実験は、…最大紙サイズA4のレーザービームプリンタによって行なった。」と記載されている(上記(4)参照)。この「A4」サイズの紙は、普通に用いられる一般的な寸法の紙であるから、これに対応して、刊行物1に記載された発明では、弾性部材の長手方向の長さLも、一般的な値に設定されていると認められる。 一方、本願明細書には、本願発明の弾性部材が、通常用いられているのとは異なる寸法を有していることを伺わせる記載は見当たらない。したがって、本願明細書に記載された弾性部材の長手方向の長さL(mm)の値、すなわち230および280は、一般的なものであって、特異なものではないと認められる。 念のために日本工業規格を参照すると、A4の紙の寸法は、幅210mm、長さ297mmであり、これより一回り大きいB4の紙の寸法は、幅257mm、長さ364mmである。常識的に考えると、画像形成装置の転写ローラーの弾性部材は、画像を転写すべき紙の幅に比べて若干余裕のある長さでなければならないから、本願明細書に記載された230および280という値は、A4やB4のような周知かつ一般的な紙の幅と符合している。 そうすると、刊行物1に記載された発明において、弾性部材の長手方向の長さL(mm)の値として、周知かつ一般的な値であり、本願明細書に記載された値でもある230および280を想定することができる。 5.3. 転写ローラーを当接させる線荷重p まず、本願明細書に記載された転写ローラーの当接荷重(0.2kg、1kgおよび2kg)と弾性部材の長手方向の長さL(230mmおよび280mm)とから、線荷重p(kg/mm)の値を具体的に計算すると、次のようになる。 当接荷重 長さL 線荷重p 0.2 230 0.00087 1.0 230 0.0043 2.0 230 0.0087 0.2 280 0.00071 1.0 280 0.0035 2.0 280 0.0071 そして、本願明細書には、これらの値が、通常用いられているのとは異なるものであることを伺わせる記載は見当たらない。したがって、本願明細書に記載された転写ローラーの当接荷重と弾性部材の長手方向の長さLとから計算された線荷重pは、一般的なものであって、特異なものではないと認められる。 なお、以下では、本願明細書に記載された転写ローラーの当接荷重と弾性部材の長手方向の長さLとから計算された線荷重pを、便宜上、「本願明細書に記載された線荷重p」と言う。 ところで、本願発明および刊行物1に記載された発明と同様の、「少なくともシャフトの外周に弾性部材を形成してなる弾性変形可能な転写ローラーと像担持体を備え、前記転写ローラーを前記像担持体に圧接し、前記像担持体と前記転写ローラーとの間に記録担体を通過させて転写する画像形成装置」は、本願の出願の前に周知である。 そこで、そのような周知の画像形成装置における転写ローラーの線荷重が、どのような値になっているかをみると、例えば特開平1-288882号公報(以下、「周知例1」と言う。)の第4ページ左下欄第13行から第18行までには、「10〜500g/cm」という数値範囲とともに、「100g/cm」という具体的数値が記載されている。 また、特開平2-176778号公報(以下、「周知例2」と言う。)の第3ページ右上欄第10行から第13行までには、「ローラの長手方向の長さを220mm程度とすれば、経験的に、ばね6a、6bはそれぞれ300g重程度の力で押し付ければ転写部で2〜3mm程度のニップが得られる。」という記載がある。この記載からは、線荷重として、2.7g/mmという具体的数値が得られる(2×300/220≒2.7)。 さらに、特開平3-50562号公報(以下、「周知例3」と言う。)の第2ページ右下欄第14行から第16行までには、「本発明に用いる当接圧力としては、線圧として3g/cm以上である事が好ましく、特に好ましくは20g/cmである。」という記載があり、第6ページ左上欄第11行、右上欄第19行および左下欄第3行には、それぞれ「50g/cm」、「20g/cm」および「5g/cm」という具体的数値が記載されている。 同様に、特開平3-59568号公報(以下、「周知例4」と言う。)の第2ページ右下欄第17行から第18行までにも、「本発明に用いる当接圧力としては、線圧として3g/cm以上に設定する。」という記載があり、第8ページ右上欄第8行から第9行まで、左下欄第16行および第9ページ左上欄第4行には、それぞれ「30g/cm」、「5g/cm」および「20g/cm」という具体的な値が記載されている。 上記周知例1〜4に記載された線荷重の具体的数値を、本願発明で用いられている単位(kg/mm)に変換すると、それぞれ次のようになる。ただし、周知例4については、周知例3に記載されたものとは異なる数値だけを示した。 線荷重p 周知例1 0.01 周知例2 0.0027 周知例3 0.005 0.002 0.0005 周知例4 0.003 これらの数値と、本願明細書に記載された線荷重pの値とを比較すると、本願明細書に記載された線荷重pの値は、いずれも上記周知例1〜4に記載された具体的数値の範囲内に入っていることが分かる。このことからも、本願明細書に記載された線荷重pの値は、何ら特異なものではなく、周知かつ一般的な値と言えることが分かる。 そうすると、刊行物1に記載された発明において、転写ローラーの当接荷重pとして、周知かつ一般的な値である、本願明細書に記載された線荷重pの値を想定することができる。 5.4. 検証結果 上述のようにして想定された値、すなわち Ef(kg/mm2)=0.1または0.5 L(mm)=230または280 p(kg/mm)=0.2、1または2をLで割った値 および刊行物1に記載された発明について刊行物1から読み取れる値、すなわち R(mm)=9 r(mm)=5 を本願関係式に代入すると、上記想定値をどのように組み合わせても、本願関係式を満たしていることが分かる。 すなわち、刊行物1に記載された発明において、弾性部材の縦弾性係数Ef、弾性部材の長手方向の長さLおよび転写ローラーを当接させる線荷重pとして、周知かつ一般的な数値を想定すると、シャフト半径rに関する本願関係式を満たすものとなる。 このことから本願関係式は、公知の転写ローラーにおいて採用されている数値の組み合わせを含む数値関係を規定しているものであると言うことができる。したがって、上記相違点に実質的な差異はなく、本願発明は、刊行物1に記載された発明と実質的に同一である。 6. 本願関係式の特異性について 上記「5.相違点の検討」では、刊行物1に記載された発明の弾性部材の縦弾性係数Ef、弾性部材の長手方向の長さLおよび転写ローラーを当接させる線荷重pについて、周知かつ一般的な値を想定し、本願発明と比較することにより、本願発明が公知技術を含む発明であるか否かを検討したが、以下では、本願関係式が、この種の転写ローラにおいて従来採用することが想定されていた数値の組み合わせ関係に比較して、特異なものであるか否かを検討する。 本願関係式の左辺にあるのは、シャフトの半径rの4乗だけであるから、本願関係式は、形式上、弾性部材の縦弾性係数Ef、弾性部材の長手方向の長さL、弾性部材の半径Rおよび転写ローラーを当接させる線荷重pの値から、シャフトの半径rの下限値(正確には、シャフトの半径rの4乗の下限値)を定めるものである。 しかし、本願関係式は、弾性部材の縦弾性係数Ef、弾性部材の長手方向の長さL、弾性部材の半径R、転写ローラーを当接させる線荷重pおよびシャフトの半径rという5つの量の相互関係を規定する式であるから、これら5つの量のうち、任意のものを含む項を左辺に移すことができ、そのようにしても、本願関係式の意味は変わらない。例えば、転写ローラーを当接させる線荷重pだけを含む項を左辺に集めれば、本願関係式は、転写ローラーを当接させる線荷重pの上限値(正確には、転写ローラーを当接させる線荷重pの対数の上限値)を定める次のような形に変形することができる。 logp<1.83+log(Ef×R) -8.11×10-7×L4×Ef×r-4 上記「4.対比」で述べたとおり、刊行物1に記載された発明では、転写ローラーの半径Rが9mm、シャフトの半径rが5mmとされている。また、上記「5.1.弾性部材の縦弾性係数Ef」および「5.2.弾性部材の長手方向の長さL」で述べたとおり、刊行物1に記載された発明については、弾性部材の縦弾性係数Ef(kg/mm2)の値として、本願明細書に記載された周知かつ一般的な値である0.1および0.5を、弾性部材の長手方向の長さL(mm)の値として、同じく本願明細書に記載された周知かつ一般的な値である230および280を、それぞれ想定することができる。 このような想定の下で、本願関係式に基づいて、転写ローラーを当接させる線荷重pの上限値を計算すると、次のようになる。 縦弾性係数Ef 長さL 線荷重pの上限値 0.1 230 26.4 0.1 280 9.70 0.5 230 4.65 0.5 280 0.0313 (ただし、いずれもR=9mm、r=5mm) これらの上限値を、上記「5.3.転写ローラーを当接させる線荷重p」に列挙した周知例1〜4に記載された具体的数値と比較すると、本願関係式によって定められる線荷重pの上限は、従来から用いられている線荷重pの値に比べて、はるかに(最低でも3倍以上)大きいことが分かる。また、本願明細書に記載された線荷重p、すなわち、良好な転写が実現できるという本願発明の効果が検証された線荷重pに比べても4倍以上大きい。 本願発明が、弾性部材の縦弾性係数Ef(kg/mm2)、弾性部材の長手方向の長さL(mm)、弾性部材の半径R(mm)、転写ローラーを当接させる線荷重p(kg/mm)およびシャフトの半径r(mm)のそれぞれについて、特定の数値範囲を規定したものでないことは明らかである。したがって、刊行物1に記載された発明において、弾性部材の縦弾性係数Efおよび弾性部材の長手方向の長さLとして、周知かつ一般的な数値を想定したものは、線荷重pを26.4kg/mm近辺に設定した場合でも、本願関係式が成立する限り、良好な転写が実現できるという本願発明の効果が得られなければならない。しかし、本願発明においては、本願明細書に記載された線荷重p、具体的には、「5.3.転写ローラーを当接させる線荷重p」の冒頭で計算した6つの線荷重pについて、本願関係式が成立すれば、良好な転写が得られることが検証されているだけであり、26.4kg/mm近辺といった大きな線荷重での検証はされていない。 そうすると、本願関係式は、公知技術における数値関係を含むだけではなく、良好な転写が得られるかどうかについてまったく検証されていない数値関係をも含むものであり、本願関係式が、良好な転写を得るという本願発明の課題を達成する上で、公知技術における数値関係に比較して特異なものであるとすることはできない。 7. むすび 以上のとおりであるから、本願発明は特許法第29条第1項第3号に該当し、同項の規定により特許を受けることができない。 よって、結論のとおり審決する。 |
| 審理終結日 | 2001-11-01 |
| 結審通知日 | 2001-11-06 |
| 審決日 | 2001-11-20 |
| 出願番号 | 特願平3-109117 |
| 審決分類 |
P
1
8・
113-
WZ
(G03G)
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| 最終処分 | 不成立 |
| 前審関与審査官 | 小宮山 文男 |
| 特許庁審判長 |
石川 昇治 |
| 特許庁審判官 |
小林 紀史 水垣 親房 |
| 発明の名称 | 画像形成装置 |
| 代理人 | 佐渡 昇 |