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審決分類 審判 全部無効 特123条1項6号非発明者無承継の特許 無効としない E02D
管理番号 1056222
審判番号 無効2000-35471  
総通号数 29 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1999-02-09 
種別 無効の審決 
審判請求日 2000-09-01 
確定日 2002-04-01 
事件の表示 上記当事者間の特許第2942745号発明「ブロック用接手及びこれを用いたブロック構造体」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 1.手続の経緯
本件特許第2942745号発明は、平成9年7月17日に発明者を木村志朗及び丹野政志、特許出願人を被請求人である株式会社リタ総合企画として特許出願され、平成11年6月18日に請求項の数:8として設定登録がなされたものであり、その後、請求人フドウ建研株式会社から平成12年9月1日に本件無効審判の請求が証人尋問申請を伴いなされ、被請求人から平成12年12月8日に答弁書が、さらに請求人から平成13年3月2日に弁ぱく書が、被請求人から平成13年5月28日に答弁書(第2回)が提出され、平成13年10月26日に特許庁審判廷において、口頭審理及び証拠調べが行われたものである。

2.請求人の主張及び提示した証拠方法
2-1.請求人の主張
請求人は、「本件特許は、特許法第123条第1項第6号の規定により無効とすべきものである。」と主張し、その具体的理由として、概略以下の点を主張している。
<本件特許出願以前の請求人・被請求人の関係について>
イ.請求人会社九州支店の中馬土木営業課長は、平成9年3月10日頃、本件特許の出願人会社の代表者であり、かつ、本件特許の発明者の1人でもある木村志朗(以下、「木村」という。)から書面(甲第1号証)を提示され、中空コンクリートブロックに関する相談を受けると共に協力を要請された。
ロ.これに基づいて平成9年3月14日、上記中馬課長及び請求人会社九州支店副支店長及び丹野政志(以下、「丹野」という。)は、被請求人会社を訪れ、木村より中空コンクリートブロックについての説明を受けた。
ハ.その後、木村、丹野および請求人会社の関係会社であるF社社員Tは、何度かの話し合いを持ち、その結果、発明の名称「立体枠状ブロックおよび同ブロックの型枠装置並びに同ブロックの使用方法」という、別件発明を共同でなすに至り、これを平成9年6月17日に特許庁に出願した(特願平9-159515号 甲第2号証)。この出願の願書の発明者は、木村、丹野および前記T、出願人は、被請求人会社、請求人会社、および前記F社である。

<本件特許発明の完成、出願について>
ニ.次いで丹野は、平成9年6月23日に被請求人会社において、木村より中空ブロック同士を連結する継手を十字形にする基本構想に関する相談を受け、丹野は、モルタル等の充頃剤を上から注入可能な充填孔の形成並びにその充填孔に流路を連通させた放出口の形成(甲第3号証【請求項3】)およびブロックの中心を通って互いに90度の角度を持つ関係とした3本の軸線上への貫通孔の設置(甲第3号証【請求項4】)を提案した他、その後は明細書の作成段階にも参加した(甲第4号証)。
ホ.この中空ブロック相互を連結する十字継手に関する発明は、平成9年7月17日に特許出願され、これが本件に関わる特願平9-192836号(ブロック接手およびこれを用いたブロック構造体 甲第3号証)である。
この出願の願書には、発明者は木村および丹野、出願人は被請求人会社とされている。なお、この出願に出願人として請求人会社が当初入っていないのは、被請求人会社が、特許出願を急ぐ一方、代理人を松尾弁理士から加藤弁理士に変えたために、発明者の一人である丹野から特許を受ける権利を譲渡されていたところの請求人会社の内部処理の関係上ただちに委任状を用意することができず、ひとまず、被請求人会社単独で出願するが、委任状が用意できた後、請求人会社を出願人に追加する意図であった。

<本件特許出願後>
へ.請求人会社は、後日加藤弁理士に委任状を用意する予定であったが、今後同様の追加的な特許出願が予定されていたところから、共同出願に関する基本となる契約の締結を優先すべきであるという考え方から、平成9年8月19日、被請求人会社との間に覚書が交わされた(甲第5号証)。なお、これ以前に両者間で契約をなそうとする動きはあったが、契約締結までには至っていなかったものである(甲第6号証)。
ト.平成9年8月18日、請求人会社は、加藤弁理士から本件特許出願に係わる委任状の交付を受け、社内手続を経ることとなり、平成9年9月3日、ひとまず被請求人会社に対して、本件特許の出願に関して、特許申請人追加依頼書を提出する一方、平成9年10月15日、加藤弁理士に対して委任状を提出した(甲第7号証)。しかしながら、加藤弁理士からは時間的経過による当該委任状の失効を告げられ、包括委任状の提出を求められ(甲第8号証)、そこで請求人会社は委任状の再交付を求めたが、被請求人会社の反対で交付を受けることができなかった。
チ.その後、本件特許に係わる出願は登録となったが、その出願から登録の現在に至るまで、発明者の一人である丹野から特許を受ける権利を譲渡されているところの請求人会社(甲第9号証)は特許庁において、出願人および特許権者として登録されないままである(甲第10号証、甲第11号証)。

そして、被請求人の、真の発明者は「木村志朗」のみであるとの答弁書の主張に対して、概略以下のように反論している。
リ.本件特許発明の出願当時、木村と丹野は、立体枠状ブロック等に関して共同して研究を進める関係にあったものであり、本件特許についても全く同様の関係にあったものである。だからこそ、前記別出願と同様、発明者として願書に丹野の名前が記載されている事実がある。
ヌ.乙第2号証は、仮の報告としてのファクシミリであるから、着想に関わった木村を代表として挙げているにすぎなく、このような文書では、明細書に詳細に記載された発明の発明者を特定できる証拠とはならない。
ル.被請求人は、木村が中空コンクリートブロックの積層工法により構築される各種土木構造物についての軽量化という一般的課題を持っていたから、本件特許発明のような特定の形状を持つ継手において貫通孔を発明したかのような論理を展開しているが、両者の間には何の必然性もない。継手の貫通孔に関する発明は、請求の理由で記載したとおり丹野の発明である。
ヲ.本件特許発明における放出口は、丹野の発明である。これは答弁書第9頁19〜22行目での被請求人の主張からも明らかである。放出口そのものは発明的価値は低いが、木村が発案した貫通孔と関係させた点で発明的価値が増したのだという趣意であるが、もし本当に放出口を木村が案出したのなら、放出口単独の技術的価値を低くいう必要がないはずで、被請求人としては放出口の技術価値を低く見せ、木村の共同発明者としての立場を否定しようとして、かえって被請求人は、丹野が請求人のいうところの単なる明細書作成業務への協力のレベルでなかったことを証明しているものである。
ワ.緊張材についての被請求人の主張も、逆に丹野が本件特許発明の発明者の一人であることを証明するものである。即ち、ここで被請求人はしきりに緊張材の発明的な価値を否定しようとはしているが、丹野の発明であることについては、少しも否定していない。
カ.丹野を発明者と記載した経緯について、被請求人は、現在、丹野を発明者としたのは、明細書の作成に協力したからその謝意等のためと主張するが、これは真実でないことは、前記の放出口及び緊張材に関する被請求人のそれに対する技術的価値の否定から、逆に明らかである。即ち、丹野が明細書作成にしか関与していないのなら、このような技術的価値の否定は全く必要ないはずだからである。

2-2.請求人提示の証拠方法
[書証]
甲第1号証:木村が請求人会社の九州支店に、中空コンクリートブロックに関する相談と協力を要請した時に提示した書面。
甲第2号証:本件特許出願前に出願された特願平9-159515号の松尾特許事務所作成の「特許願」なる書面、特許庁長官名の同出願の受領書及び出願書類のプルーフ。
甲第3号証:本件特許の出願願書とそれに添付された明細書および図面。
甲第4号証:本件特許出願前に丹野が作成した図面。
甲第5号証:請求人会社と被請求人会社との間に交わされた平成9年8月19日付けの覚書。
甲第6号証:請求人会社、F社、被請求人会社との間での開示情報の秘密保持についての覚書(案)
甲第7号証:委任出願の特定のない請求人会社の加藤弁理士に対する委任状。
甲第8号証:委任出願の特定がなく、手書き書き込みのある請求人会社の加藤弁理士に対する委任状。
甲第9号証:丹野が特許を受ける権利を請求人会社に譲渡する旨の平成10年3月20日譲渡証書。
甲第10号証:本件特許出願(特願平9-192836号)の出願から登録に至る段階までの手続が記録されている特許庁のいわゆる出願マスターのプリントアウト物。
甲第11号証:本件特許についての特許庁の登録原簿。
甲第12号証:平成13年10月15日提出の丹野陳述書。
[人証]
証人:丹野政志

3.被請求人の主張及び提出した証拠方法
被請求人は、願書の発明者の表示は誤記であって、真の発明者は『木村志朗』のみであるから、本件特許は、特許法第123条第1項第6号の『発明者でない者であってその発明について特許を受ける権利を承継しないものの特許出願に対してされた』ものには該当しない、と答弁し、以下の証拠方法を提示している。

乙第1号証:木村志朗から渡辺教授に求めた「構造用中空コンクリートブロック積層工法についての技術的有効性」について森山克美がまとめた書面
乙第2号証:丹野政志が請求人会社津田部長に宛てた書面
乙第3号証:会議用資料として木村志朗がフドウ建研福岡支店長に宛てた書面
乙第4号証:東京地方裁判所平成11年(ワ)第10306号特許権確認等請求事件の判決書のコピ-
乙第5号証:東京地方裁判所平成11年(ワ)第10306号特許権確認等請求事件における木村志朗の本人尋問調書のコピー
乙第6号証:東京地方裁判所平成11年(ワ)第10306号特許権確認等請求事件における丹野政志の証人尋問調書のコピー
乙第7号証:丹野政志作成にかかる陳述書のコピー(東京地方裁判所平成10306号特許権確認等請求事件における甲第46号証)
乙第8号証:木村志朗作成にかかる陳述書のコピー(東京地方裁判所平成11年(ワ)第10306号特許権確認等請求事件における乙第15号証)

なお、被請求人は、証拠調べ後の平成13年12月21日付け及び平成13年12月25日付け上申書に添付して、上記東京地方裁判所平成11年(ワ)第10306号特許権確認等請求事件(以下、単に「東京地裁訴訟事件」という。)の訴状、答弁書、原告準備書面1〜9及び被告第1〜6準備書面の写しを乙第9〜25号証として、その控訴審である東京高等裁判所平成13年(ネ)第2876号の控訴状、控訴の趣旨変更の申立書、控訴人準備書面1,被控訴人準備書面、同第2準備書面の写しを乙第26〜30号証として提出している。

4.当審の判断
(1)本件特許発明
本件特許の請求項1ないし8に係る発明は、平成10年8月17日付け手続補正書により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】 内部を中空としたキャビティとするとともにこのキャビティに連通する開口を周面に開放したコンクリート製のブロックを平面配列及び積層配列するとき、上下の各4個の前記ブロックのそれぞれのコーナー部の突き合わせ部分に嵌め込まれ且つ相互に接合可能とした接手であって、平面方向の隣接ブロック及び積層方向の隣接ブロックのそれぞれが互いに隙間を持つように配列位置を拘束する受け座を8か所の角部に備え、これらの受け座にブロックの上下の両端面から周壁までにかけての部分を預けて接合可能としてなるブロック用接手。
【請求項2】 前記接手は、正六面体からその8か所の角部をすべて同じ大きさの立方体に相当する肉を切除してこの切除部分を前記受け座とし、前記受け座の表面の全体を前記ブロックに接触させて接合可能としてなる請求項1記載のブロック用接手。
【請求項3】 前記接手には、モルタル等の充填材を上から注入可能な充填孔を上下方向に貫通して設けるとともに、前記充填孔に流路を連通させて受け座の表面に開口する放出口を備えてなる請求項2記載のブロック用接手。
【請求項4】 前記接手の各六面には、前記受け座とともに1辺の長さの1/3に相当する幅の十字状のクロス面を形成し、前記接手の中心を通り且つ前記クロス面が十字状に交差する部分を突き抜ける貫通孔を互いに直交させて開けてなる請求項2記載のブロック用接手。
【請求項5】 請求項1または2に記載のブロック用接手を用いて構築するブロック構造体であって、内部を中空としたキャビティとするとともにこのキャビティに連通する開口を周面に開放した前記ブロックどうしを、前記ブロック用接手によって相互に隙間を持たせて平面及び積層方向に配列し、且つ各ブロックのキャビティどうしを隙間及び開口を介して相互に連通可能としてなるブロック構造体。
【請求項6】 請求項3に記載のブロック用接手を用いて構築するブロック構造体であって、内部を中空としたキャビティとするとともにこのキャビティに連通する開口を周面に開放した前記ブロックどうしを、前記ブロック用接手によって相互に隙間を持たせて平面及び積層方向に配列し、前記充填孔の上方から供給され前記放出口から流出する前記モルタル等の充填材によって前記受け座に前記ブロックを接合し、且つ各ブロックのキャビティどうしを隙間及び開口を介して相互に連通可能としてなるブロック構造体。
【請求項7】 請求項4に記載のブロック用接手を用いて構築するブロック構造体であって、内部を中空としたキャビティとするとともにこのキャビティに連通する開口を周面に開放した前記ブロックどうしを、前記ブロック用接手によって相互に隙間を持たせて平面及び積層方向に配列し、前記ブロック用接手に開けた貫通孔にワイヤ等の緊張材を通して各ブロック用接手を巡るように配線し、且つ各ブロックのキャビティどうしを隙間及び開口を介して相互に連通可能としてなるブロック構造体。
【請求項8】 配列した前記ブロックの構造体を、その底面及び周囲をコンクリート壁によって包囲して密閉してなる請求項5から7のいずれかに記載のブロック構造体。 」

(2)証拠から認められる事実
少なくとも、当事者双方の提出した証拠及び証拠調べから、次の事実が認められる。
(ア)木村は,中馬や丹野に会った当初から,中空コンクリートブロックを多数、水平に並べ又は上下に積層して使用するアイデアを有しており、請求人会社と被請求人会社は共同開発をするに至り、その成果として甲第2号証特許出願が本件特許出願に先立ち平成9年6月17日になされた(甲第1,2号証、乙第3〜8号証)、
(イ)木村は、大学の先輩で、コンクリート工学を専門とする九州共立大学工学部渡辺教授に技術的相談をしており、同年6月23日には,同大学から同教授の意見を記載したファックスが木村の元に届き、その内容は「土方仕事で簡単に施工できるものとせよ」などというものであった(乙第1,2号証)。木村は,これに対する解決策を検討し,本件特許発明の十字形ブロック接手の基本的アイデアを得た。そこで,同日頃、丹野にこのアイデアを示し、2人で特許出願のための書類作成を協力して行った(甲第12号証、乙第4,6〜8号証)。
(ウ)丹野は、中空コンクリートブロック工法を評価していたので、木村と共にこの事業化を推進していたが,請求人会社の九州支店副支店長という立場から、共同事業に批判的な東京本社の理解を得る必要があり,この木村のアイデアについての図面を、木村が解決策を考案した旨記載して、平成9年6月25日に東京本社の津田部長宛にファックスで送信した(乙第2,6号証)。
(エ)請求人会社は、平成9年7月17日,願書の発明者の欄に木村及び丹野の氏名を記載し、本件特許発明について特許出願した(甲第3号証)。
(オ)その後、請求人会社と被請求人会社との間の事業協力関係は悪化し、両者の間で本件特許発明を含む中空コンクリートブロック関連技術の複数の特許権及び特許を受ける権利を巡って上記東京地裁訴訟事件が提起され、平成13年4月26日に本件請求人である原告の請求を棄却する旨の判決がなされた(乙第4号証)。

(3)丹野は本件特許発明の共同発明者か。
(3-1)共同発明
共同発明者とは、技術的思想の創作である発明の課題の提供又は課題解決の方向づけである着想とその解決手段の具体化にあたり、2人以上の者が、思想の創作自体に関係しない、たとえば、単なる管理者・補助者又は後援者等としての協力ではなく、実質的に協力して発明を成立させた者をいう(「特許法概説[第12版]」吉藤幸朔著 熊谷健一補訂 第191〜192頁参照)、という点は当事者も認めるところである。

(3-2)丹野の主張する本件特許発明における発明或いは提案した事項
i)乙第7号証(丹野陳述書)によると、次の点である。
事項A:ブロック用接手における、モルタル等の充填材を上から注入可能な充填孔並びにその充填孔に流路を連通させて受け座の表面に開口する放出口の設置(同号証8頁の三、1、同12頁の四、4)。
事項B:ブロック用接手における、ブロックの中心を通って互いに90度の角度を持つ関係とした3本の軸線上への貫通孔の設置(同号証8頁の三、1)。
ii)乙第6号証(東京地裁訴訟事件における丹野の証人調書)によると、次の点である。
事項A:本件甲第4号証図面中のブロック用接手における「充填材投入口」及び「吐出口」の設置(同号証19〜20頁)
事項C:地上に水タンクを作る場合、本件甲第4号証図面中のブロック用接手の中心を通って互いに90度の角度を持つ関係とした3つの貫通孔に通した緊張材での締め付け(同号証20〜21頁)。
iii)甲第12号証(丹野陳述書)によると、次の点である。
事項B’:PCブロックが重いと施工性に問題を生じるので軽量化を図るため付属品(注:ブロック用接手)に空洞部を設置(同号証11.(1))。
事項D:本体と付属品の連結を確実なものにして安定性を向上させるために、接触部にレベル調整用メッシュの挟み込み、セルフレベリング材樹脂ペーストを敷きこむ方法の必要性の提案(同上(2))。
事項A:本体と付属品間の空隙をなくすため、充填材が注入できるよう投入口や放出口の設置(同上(3))。
事項C’:地上タンク工法において、外壁にかかる水圧に対抗する手段として、スープロストランド等の防錆緊張材を付属品の空洞部を貫通してセットし、両端パネル部にて緊張定着する圧着工法の採用(同上(4))。
iv)本件証拠調べの主尋問における証言:「せっかくなので、ものにしようということでいろんな提案をしました。まず施工性を考えて軽量化したいということで、空洞を設けたいとか、それからブロック同士に隙間があると不安定だからモルタルを充填する必要があるんじゃないかと、そのために注入口とかそれから流路とか放出口とか、そういうものをその場で提案したと思います。」によると、上記事項Aの点であり、さらに、請求人代理人の質問「その請求項(注:本件特許出願当初明細書(甲第3号証)における請求項)の中で、あなたが木村さんに提案した、発案したといいますか、一つの発案に関わる請求項がございますか。」に答えての証言:「請求項2も、それから3,それから4,6に私の提案が取り入れられたと思います。」から、次の点である。
事項E:ブロック接手は、正六面体からその8か所の角部をすべて同じ大きさの立方体に相当する肉を切除してこの切除部分を受け座とし、この受け座の表面の全体をブロックに接触させて接合可能とする点(当初請求項2に対応)。
事項A:ブロック用接手に、モルタル等の充填材を上から注入可能な充填孔を上向きに開放して設けるとともに、この充填孔に流路を連通させて受け座の表面に開口する放出口の設置(当初請求項3に対応)。
事項B:ブロック用接手に、その中心を通って互いに90°の角度を持つ関係とした3本の軸線上への貫通孔の開設(当初請求項4に対応)。
事項F:配列したブロックの構造体に対し、その底面及び周囲を閉塞する部材によって密閉(当初請求項6に対応)。

(3-3)本件特許の各請求項に係る発明についての検討
(3-3-1)請求項1に係る発明について
本件特許の請求項1に係る発明(以下、単に「請求項1発明」という。他の請求項に係る発明についても同様。)は、本件特許発明のブロック用接手の基本的構成事項により特定される発明であるが、この発明について丹野が関与したとの主張は、請求人及び丹野の主張にも認められないし、それを証する証拠もない。
したがって、請求項1発明の発明者は木村であると認められる。

(3-3-2)請求項2発明について
請求項2発明は、請求項1発明の構成に加えて、「正六面体からその8か所の角部をすべて同じ大きさの立方体に相当する肉を切除してこの切除部分を前記受け座とし、前記受け座の表面の全体を前記ブロックに接触させて接合可能としてなる」という事項により特定されている。
この事項は、前記丹野主張の事項Eに対応するものであるが、乙第2号証には、「渡辺教授の宿題に対して、木村社長が解決策を考案しました」との記載と共に、上記事項に対応した図を含めた複数の手書き図がある。前記の木村が考案した旨の記載は、それらの図と共に記載されており、丹野が考案あるいは発明したものがどれであるとの注記等もないのであるから、それらの図にあるもの全体が木村考案の解決策であると解するのが自然であり、そのうちの上記事項Eに対応する部分が丹野の発明あるいは提案によるものであることを立証する証拠は、丹野自身の陳述しかない。そして、それに反する乙第2号証における前記の木村が考案した旨の記載は、丹野自身が記載したものである以上、請求項2発明についても、その発明者は木村であると認めざるを得ない。

(3-3-3)請求項3発明について
a)充填孔及び放出孔
請求項3発明は、請求項2発明の構成に加えて、「モルタル等の充填材を上から注入可能な充填孔を上下方向に貫通して設けるとともに、前記充填孔に流路を連通させて受け座の表面に開口する放出口を備えてなる」という事項により特定されている。
この充填孔及び放出孔は、本件特許明細書によれば、従来技術として各種のコンクリート製ブロック施工が、「そして、ブロックの現場施工は、たとえば擁壁用のブロックであれば、ブロックを段積みするとともに鉄筋を配筋し、ブロックの積層部分をモルタルで充填して目地とするというものが一般的であり、側溝用ブロックや境界ブロックではこれらを平面的に配列してブロックどうしの間をモルタルで接合する施工が行われる。」(段落【0003】)ということを踏まえた上で、次のような作用効果を果たすために設置されているものである。
「【0015】
図1に示すように、上面配置のクロス面1aから下面配置のクロス面1aまでの間には、円形の開口断面としたモルタルまたは流動性の接着剤等の充填孔1cを上下方向に貫通させる。そして、この充填孔1cには受け座1bの縦方向の拘束面1b?1,1b?2にそれぞれ開口させて放出口1dが連通接続され、モルタル等をこれらの放出口1dから受け座1bに供給可能としている。」
「【0024】
図8は図1及び図2に示した接手1によるブロック同士の接合を示す要部の斜視図である。
【0025】
図示のように4個のブロック3のそれぞれのコーナー部の突き合わせ部分に接手1が嵌め込まれて接合され、これらの4個のブロック3を一体に接合している。すなわち、接手1の下半分側に形成されている4か所の受け座1bがそれぞれブロック3のコーナー部の上端にきっちりと被さり、各ブロック3の表面を拘束面1b-1〜1b-3に密着する状態とすることで、各ブロック3はクロス面1aの幅に相当する隙間が直交する格子状に走るように配列される。そして、充填孔1cの上方からモルタルを供給すれば、この充填孔1cに連通している放出口1dからモルタルが流出する。そして、放出口1bは図2の(a)で示したように縦向きの姿勢の拘束面1b-1,1b-2の上端側に位置しているので、モルタルはこの拘束面1b-1,1b-2を下に伝いながら広がり、各ブロック3の側壁部分との接合面積を展開することができる。
【0026】
以上のようにして一体化された各ブロック3に対して、上向きとなっている受け座1bを利用して上段配置の4個のブロック3を載置することで、上下2段のブロック3の列を構築できる。この上段配置のブロック3に対しても、充填孔1cからのモルタルの供給によって放出口1dから縦向きの拘束面1b-1,1b-2だけでなく下端の拘束面1b?3も含めてモルタルが浸潤していくので、ブロック3は受け座1bの全体でモルタル接合されることになる。」
そして、請求項3発明を特定する前記事項は、前記丹野主張の事項Aに対応する事項であって、請求人が前記2-1.ニ.と主張している点である。

b)甲第4号証
なるほど、甲第4号証(本件特許出願前に丹野が作成した図面)には、本件特許明細書に添付された図面のうちの【図3】、【図4】、【図8】、【図9】、【図10】、【図11】に対応する手書き図面(図中符号の記載なし)が記載されており、その1枚目には「木村社長様」、「特許申請のためのイメージ図として作成 丹野案」、「6/26案」という手書き記載と共に、【図4】対応図の下方に「十字ブロック」、【図8】対応図には側方に「充填工法」、さらに「充填剤投入口」、「吐出口」、「充填材」、「ポカラ」との用語が矢印あるいは引き出し線と共に書き添えられ、同2枚目には、【図4】対応図の一方に「平面」、他方に「立面」との付記と共に、寸法表示と解される記載が、また【図9】対応図には「(接着工法)」、矢印と共に「樹脂ペースト(セルフレベリング材)」、「メッシュ(レベル調製材)」「軽量化目的の空洞」との添え書きが、そして同3枚目には同2枚目の【図4】対応図と同様の図と共に、【図10】対応図が「充填材」、「緊張材」の添え書きを伴い、右上方には【図3】対応図が、側方には中空ブロックの図が「(緊結工法)」という記載を線で消し「(圧着工法)」と添え書きされた状態で記載され、さらに、「定着具」、「横締」、「タテ締緊張材」と読める添え書きのある【図11】対応図が記載されている。
しかしながら、「特許申請のためのイメージ図として作成 丹野案」という記載は、その記載自体で、甲第4号証に記載された図のブロック用接手における「モルタル等の充填材を上から注入可能な充填孔並びにその充填孔に流路を連通させて受け座の表面に開口する放出口の設置」が、丹野自身のみが発明あるいは着想して木村に提案したことを意味するものとは、直ちに認められる記載とはいえない。すなわち、木村が発明あるいは着想して丹野に提案した結果を、丹野が図面として作成したことを示す記載であるとも解される記載である。

c)木村のコンクリートブロック構築関連技術についての知見等
そして、乙第3,4号証、甲第2号証によれば、木村は、平成9年3月頃からの請求人会社との中空ブロックコンクリートを用いた軽量盛土工法の共同開発研究、それに基づく甲第2号証の特許出願を通じて、同年6月23日ごろには、コンクリート製ブロックの施工に関して、次の事項を含む、コンクリートブロック同士の相互接着、積層技術についての知識を有していたものと認められる。
事項あ:従来、土木・建築分野で使用されているコンクリートブロックには、鉄筋挿通孔が形成された擁壁用ブロックがあること。(甲第2号証特許出願明細書の段落【0015】参照)
事項い:貫通空間を設けられ中空とされたコンクリートブロックは、それ自体軽量であり、それらを使用したブロック構造体全体の軽量化を図ることができること。(同上段落【0010】参照)
事項う:互いに90度異なる3方向に開口した貫通空間を有する中空コンクリートブロックを、複数配列して前後及び/又は左右方向に連通する横連通路が、また段積みして上下方向に連通する縦連通路が形成され、これらの通路は前記鉄筋挿通孔等の用途に利用することができること。(同上段落【0018】〜【0021】参照)
事項え:コンクリートブロックを段積みする際に、ブロックの上面に、帯状の網体を載置し、同網体上にカチオン系樹脂モルタルを吹付け、該モルタル上に湿式状態にてブロックを載置して接着することにより、上下段のブロック同士をカチオン系樹脂モルタルにより網体を介して面接着することができ、同網体が上下段のブロック同士のずれ防止機能を果して、構造物を補強することができること。(同上段落【0050】〜【0051】参照)
また、乙第2号証に記載のブロック用接手には、上下方向に貫通していると考えられる孔の記載があるし、複数のコンクリートブロックを平面あるいは積層方向に配列した際のブロック同士の接合に、モルタル等の接着性のある充填材を使用しブロック間の隙間を充填、接合することは、本件特許明細書の従来技術の項にも記載されているように、古くから日常的に行われている慣用技術にすぎず、当然木村も知っていたものと認められる。
そうすると、中空コンクリートブロック同士を接合するために介在させて使用される、それ自体もコンクリート製である(本件特許明細書段落【0013】)本件特許発明のブロック用接手の受け座と中空コンクリートブロックとの接合に、モルタル等の充填材を使用するための工夫として、上下方向に貫通して設けられた孔を利用し、その流路が充填孔と連通してモルタルを放出できる放出口の設置が、木村には着想できる可能性は全くなかったとも言い切れるものではない。

d)出願時の状況
また、丹野は、甲第2号証の特許出願に際しては、勤務先の請求人会社に対して発明届出書を作成、提出しており(乙第6号証東京地裁証人調書14頁および本件証拠調べ)、特許出願手続に関して、発明者であることと特許を受ける権利との関係、そして職務発明についての認識を、本件特許出願時に有していたものと認められるところ、本件特許発明も職務発明である旨証言している(乙第6号証35〜36頁)にもかかわらず、本件特許発明については、職務発明についての甲第2号証出願時のような手続を行わなかったことの合理的な説明は、本件証拠調べにおいてもなされていない。
そして、本件特許出願手続に際して、木村と共に発明者として自分の名前が記載され、出願人を被請求人会社単独として本件特許出願書類が作成され、かつ出願されることを知っていたにもかかわらず、出願人として自分あるいは請求人会社をいれる形で出願するようにしなかったということは、丹野は自分は願書に発明者として記載されていても、出願人として特許を受ける権利を主張する立場にない、と考えていたとも解されるものである。

e)丹野の陳述等
丹野の経歴、立場からすれば、木村と丹野と間で本件特許発明ブロック用接手について何らかの技術的な意見交換が行われ、丹野が出願された明細書に記載された技術的事項に関与したと考えるのが自然ではあるが、以上みてきたとおり、その具体的内容及び程度ということになると、丹野自身の陳述のみであり、それ以外にその関与の具体的内容、程度を立証するものがない。
しかも、その陳述も、丹野が木村と共同して本件特許発明をすることになった発端についてすら、東京地裁訴訟事件においては、平成9年6月23日に丹野が被請求人会社を訪問した際、木村から中空ブロック同士を連接する接手を十字形にするという基本形態について提示を受けたことから始まった旨のもの(乙第7号証陳述書8頁、三、1.、乙第6号証調書19頁)から、本件審理においては、同年6月24日あるいは25日ころ、電話により木村から提案、説明され、その日の夕刻、被請求人会社を訪れ、木村と意見の調整や交換を行った旨のもの(甲第12号証8〜10項、本件証拠調べ)へと変わり、一貫したものでない。

f)小括
以上の点を勘案すると、丹野の陳述のみに基づいて、「モルタル等の充填材を上から注入可能な充填孔を上下方向に貫通して設けるとともに、前記充填孔に流路を連通させて受け座の表面に開口する放出口を備えてなる」という事項を含む請求項3発明について、その関与の程度が不明である丹野が共同発明者であるということはできない。

(3-3-4)請求項4発明について
請求項4発明は、請求項2発明のブロック用接手の構成に加えて、さらに「前記接手の各六面には、前記受け座とともに1辺の長さの1/3に相当する幅の十字状のクロス面を形成し」という事項と、「前記接手の中心を通り且つ前記クロス面が十字状に交差する部分を突き抜ける貫通孔を互いに直交させて開けてなる」という事項により特定されている。
前者の「前記接手の各六面には、前記受け座とともに1辺の長さの1/3に相当する幅の十字状のクロス面を形成し」という事項は、請求項2発明のブロック用接手について前記(3-3-2)で検討したと同様、乙第2号証の記載から、木村の発想によるものと認められる。
後者の直交設置される貫通孔は、本件特許明細書の段落【0017】に「・・・そして、この例では、各クロス面2aが十字状に交差する部分には、接手2の全体を軽量化するための円形断面の貫通孔2cを設けている。この貫通孔2cは6面全てのクロス面2aに穿ったものであり、その内径は接手2の機械的強度を損なわない程度のものとする。」と記載されているように、ブロック用接手全体の軽量化のためのものである。この貫通孔の直交設置は、前記丹野主張の事項Bに対応するものであるが、乙第2号証記載のブロック用接手には、上下方向に貫通していると考えられる孔の記載があるし、この乙第2号証における前記の木村が考案した旨の記載は、丹野自身が記載したものである。また、コンクリートブロックの軽量化のために貫通空間を設けること、さらにそのような貫通空間をブロックの互いに90度異なる3方向に開口したものとする程度のことも、前記(3-3-3)c)の如く、木村も知っていた事項と考えられるものである。
そうすると、(3-3-3)b)、d)の点も勘案すると、丹野の陳述のみに基づいて、「前記接手の各六面には、前記受け座とともに1辺の長さの1/3に相当する幅の十字状のクロス面を形成し、前記接手の中心を通り且つ前記クロス面が十字状に交差する部分を突き抜ける貫通孔を互いに直交させて開けてなる」という事項を含む請求項4発明について、その関与の程度が不明である丹野が共同発明者であるということはできない。

(3-3-5)請求項5発明について
請求項5発明は、請求項1または2に記載のブロック用接手を用いて構築するブロック構造体に関するものであって、ブロック用接手を使用して「内部を中空としたキャビティとするとともにこのキャビティに連通する開口を周面に開放した前記ブロックどうしを、前記ブロック用接手によって相互に隙間を持たせて平面及び積層方向に配列し、且つ各ブロックのキャビティどうしを隙間及び開口を介して相互に連通可能としてなるブロック構造体」とすることは、ブロック用接手の基本的構成事項の着想と同時、一体的に木村により着想された事項と認められ、これに反する請求人の主張、立証もないところである。
そうすると、請求項5発明については、請求項1発明および請求項2発明と同様、その発明者は木村であると認められる。

(3-3-6)請求項6ないし請求項8発明について
請求項6発明は、請求項3に記載のブロック用接手を用いて構築するブロック構造体に関するものであって、充填孔と放出口を利用してモルタル等の充填材によって受け座に中空コンクリートブロックを接合してブロック構造体とするものであるが、請求項3発明の充填孔と放出口について、前記(3-3-3)で検討したように、請求項3に記載のブロック用接手を用いて構築するブロック構造体であって、充填孔と放出口を利用してモルタル等の充填材によって受け座に中空コンクリートブロックを接合する事項についても、請求項3発明の充填孔と放出口について前記(3-3-3)で検討したのと同様に、その関与の程度が不明である丹野が共同発明者であるということはできない。
また、請求項7発明は、請求項4に記載のブロック用接手を用いて構築するブロック構造体であって、前記ブロック用接手に開けた貫通孔にワイヤ等の緊張材を通して各ブロック用接手を巡るように配線してなるブロック構造体に関するものであるが、ブロック用接手に開けた貫通孔にワイヤ等の緊張材を通す点は、丹野主張の事項C、C’に対応する。しかしながら、コンクリートブロック構造体の貫通孔により形成される連通通路を鉄筋のような線状部材の挿通孔として使用することを木村が知っていたと認められることを含め、前記(3-3-2)、(3-3-3)において検討したように、これらの事項が丹野の発明あるいは着想であるということについては、結局丹野自身の陳述以外に証するものはないし、さらに、甲第4号証にも記載のない「配列した前記ブロックの構造体を、その底面及び周囲をコンクリート壁によって包囲して密閉してなる」という事項により特定される請求項8発明も、その事項が丹野の発明あるいは着想であるということについては、結局丹野自身の陳述以外に証するものはない点で、同様である。
そうすると、請求項7発明も請求項8発明も、その関与の程度が不明である丹野が共同発明者であるということはできない。

(3-4)願書に発明者として記載されたことについて
なお、請求人は、願書に出願人の意志により発明者として記載された者が、出願人の恣意により発明者でないとされる事態は制度上問題である旨主張するが、一次的にその発明の特許を受ける権利を有する発明者であるのか否か、またそのような発明者から同権利を適法に譲り受けたものが出願したのか否かが問題であって、願書に発明者として記載されているから発明者に間違いない、ということに直ちにならないことは当然である。そして、請求人会社と被請求人会社との間に、複雑な利害関係があったことは、乙第4号証東京地裁判決からも窺えるところであり、丹野に対する儀礼的な意味で願書の発明者の欄に木村と共に名前を記載した旨の木村の主張も、否定できない。

(3-5)委任状および共同出願基本契約に関する請求人の主張について
また、請求人は、請求人が出願人として本件特許出願の願書に記載されていないことに関して、請求人の前記主張ニ〜トで、請求人会社内の内部処理の事情や請求人会社と被請求人会社間の共同出願に関する基本契約に関する事情を、甲第5〜8号証を提出して主張している。しかしながら、本件特許出願日の後の覚書であるにもかかわらず、共同出願された甲第2号証の特許出願にのみ関する覚書の甲第5号証を始めとして、当事者間の合意を証する記名、捺印等もない覚え書き(案)である甲第6号証、そして代理を委任する事件の特定もなされておらず、特許出願手続において一般的に用いられている形式の委任状で加藤代理人の識別番号及び氏名の記入等がある甲第7,8号証は、いずれも、丹野が本件明細書に記載された技術的事項のいかなる具体的内容について、どのような程度で関与したかについて知らしめるところは全くないものである。

5.むすび
以上のとおりであるから、本件特許の請求項1ないし8に係る発明の発明者は「木村志朗」のみと認められ、請求人の主張及び証拠方法によっては、本件の請求項1ないし8に係る特許は、特許法第123条第1項第6号の「発明者でない者であってその発明について特許を受ける権利を承継しないものの特許出願に対してされた」ものに該当するとして無効とすることはできない。
審判にかかる費用については、特許法第169条第2項の規定で準用する民事訴訟法第61条の規定により、請求人が負担すべきものとする。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2002-01-31 
結審通知日 2002-02-05 
審決日 2002-02-18 
出願番号 特願平9-192836
審決分類 P 1 112・ 152- Y (E02D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 鈴木 憲子池谷 香次郎  
特許庁審判長 後藤 千恵子
特許庁審判官 石川 昇治
田中 弘満
登録日 1999-06-18 
登録番号 特許第2942745号(P2942745)
発明の名称 ブロック用接手及びこれを用いたブロック構造体  
代理人 佐藤 嘉明  
代理人 浜本 忠  
代理人 永野 周志  
代理人 高橋 邦彦  
代理人 加藤 久  
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