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この審決には、下記の判例・審決が関連していると思われます。
審判番号(事件番号) データベース 権利
無効200235248 審決 特許
無効200580231 審決 特許
無効200480273 審決 特許
無効200580062 審決 特許
無効200580061 審決 特許

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審決分類 審判 全部無効 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 無効としない B21D
審判 全部無効 特許請求の範囲の実質的変更 無効としない B21D
管理番号 1056235
審判番号 無効2000-35708  
総通号数 29 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1988-07-15 
種別 無効の審決 
審判請求日 2000-12-27 
確定日 2002-04-01 
事件の表示 上記当事者間の特許第2129980号発明「曲げ修正機」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第2129980号については、昭和57年7月28日に出願された特願昭57-131871号の一部について同63年1月12日に特願昭63-4262号として新たな出願がされ、平成6年1月26日に特公平6-6212号として出願公告がされ、同6年4月22日に石原機械工業株式会社(本件審判請求人)より特許異議の申立がされ、同7年7月7日付で「この特許異議の申立は、理由があるものとする。」との決定及び拒絶の査定がされ、同7年11月16日に平成7年審判第24305号として拒絶査定不服審判の請求がされ、同7年12月15日に明細書の補正がされ、同9年3月19日付で「原査定を取り消す。本願の発明は、特許をすべきものとする。」との審決がされ、同9年6月6日にその設定登録がされ、その後、同9年9月29日に石原機械工業株式会社より平成9年審判第16458号として第1回目の無効審判の請求がされ、同10年1月19日に特許権者である株式会社オグラ(同被請求人)より明細書の訂正請求がされ、同10年4月17日付で「訂正を認める。本件審判の請求は、成り立たない。審判費用は、請求人の負担とする。」との審決がされ、この審決の確定後、同11年5月11日に再び石原機械工業株式会社より平成11年審判第35215号として第2回目の無効審判の請求がされ、さらに、同12年12月27日に石原機械工業株式会社より第3回目の本件無効審判の請求がされた。
第2 当事者の主張
1 請求人の主張の概要
請求人は、証拠として甲第1号証(本件特許に係る出願の願書に最初に添付した明細書及び図面。以下「原明細書等」という。)、甲第2号証(訂正明細書を含む平成10年1月19日付訂正請求書)及び甲第3号証(平成6年11月15日付特許異議答弁書)を提出し、原明細書等と訂正明細書とを対比しておおよそ以下のとおり主張している。
訂正明細書第4頁第14〜16行の「ピストン35はシリンダ室24内に回り止め部材を介することなく挿入され、シリンダ室24内で回転自在である。」(以下、請求人の表記に合わせて「訂正1」という。)、同第4頁第29行〜第5頁第2行の「ピストンロッド15は回り止め部材を介することなく端壁42を貫通しているので、ピストン35と共にケーシング12内に回動可能である。」(以下、同じく「訂正2」という。)及び同特許請求の範囲の「・・・ケーシング本体内に回動かつ往復移動可能に配設されたピストンロッド・・・」(以下、同じく「訂正3」という。)に対応する記載は、原明細書等のどこにもなく、出願当時の公知技術から自明ということもできないから、訂正1乃至訂正3は、原明細書等に記載した事項の範囲を越えるものであり、また、特許請求の範囲を変更するものであるので、本件特許は、無効とすべきものである。
2 被請求人の主張の概要
これに対して、被請求人は、証拠として乙第1号証(平成7年審判第24305号(拒絶査定不服審判)において被請求人が提出した平成7年12月15日付手続補正書)、乙第2号証(平成9年審判第16458号(第1回目の無効審判)の審判請求書)及び乙第3号証(平成9年審判第16458号(第1回目の無効審判)の審決書)を提出しておおよそ以下のとおり主張している。
請求人のいう訂正1乃至訂正3は、平成9年審判第16458号(第1回目の無効審判)における訂正請求において加入されたものではなく、平成7年審判第24305号(拒絶査定不服審判)において平成7年12月15日付手続補正書による補正により加入された補正事項である。従って、請求人のいう無効理由の該当条文には誤りがあるため、本件審判請求は不適法なものであり、審決却下すべきものである。
なお、仮に、請求人が平成7年審判第24305号(拒絶査定不服審判)における平成7年12月15日付手続補正書による補正の不適法について主張しているのだとしても、当該補正の適法性に対する判断は、平成9年審判第16458号(第1回目の無効審判)によりなされており、その審決(審決日平成10年4月17日)は既に確定している。本件無効審判における請求人の主張は、第1回目の無効審判における主張と実質的に同一であり、特許法第167条に規定する一事不再理の原則に反するものである。従って、上記のように仮定したとしても本件無効審判の請求は不適法なものであり、審決却下すべきものである。
第3 当審の判断
本件特許に係る出願は、平成7年6月30日以前の出願であることから、本件の平成9年審判第16458号(第1回目の無効審判)における訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、同法律による改正前の特許法第134条第2項ただし書きの規定により、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内においてしなければならない。
本件については、第1に示すように、出願公告後で設定登録前の平成7年12月15日に明細書の補正がされているところ、この補正が適法になされたものであることは、上記無効審判の審決(乙第3号証)において判断されているとおりであり、この審決は既に確定している。
したがって、上記無効審判における訂正前の願書に添付した明細書は、願書に最初に添付した明細書ではなく、乙第1号証である平成7年12月15日付手続補正書により補正した特許権の設定登録時の明細書である。
そして、乙第1号証には補正の内容として以下の事項が記載されている。
1 明細書第8頁第9行目の「・・・になっている。ピストン35には」とあるを、「・・・になっている。第2図に示すように、ピストン35はシリンダ室24内に回り止め部材を介することなく挿入され、シリンダ室24内で回転自在である。また、」と補正する。(以下「補正事項1」という。)
2 明細書第9頁第10行目に下記の文章を追加する。
「第2図に示すように、ピストンロッド15は回り止め部材を介することなく端壁42を貫通しているので、ピストン35と共にケーシング本体12内で回動可能である。」(以下「補正事項2」という。)
3 特許請求の範囲を下記の通り補正する。
「特許請求の範囲
1.・・・(中略)・・・ケーシング本体内に回動かつ往復移動可能に配設されたピストンロッド・・・(中略)・・・。」(以下「補正事項3」という。)
ここで、補正事項1乃至補正事項3は、請求人のいう訂正1乃至訂正3であることが明らかであり、当該訂正1乃至訂正3は、上記無効審判における訂正請求により新たに加入されたものではなく、訂正前の願書に添付した明細書に既に記載されていた事項であるということができる。
そうしてみると、請求人のいう訂正1乃至訂正3は、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内のものであって、当該範囲を越えるものではなく、また、特許請求の範囲を変更するものでもないことが明らかである。
第4 むすび
以上のとおりであるから、請求人の主張する理由及び提出した証拠によっては本件特許を無効とすることはできない。
よって、本件審判費用の負担については、特許法第169条第2項において準用する民事訴訟法第61条を適用して、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2002-01-31 
結審通知日 2002-02-05 
審決日 2002-02-19 
出願番号 特願昭63-4262
審決分類 P 1 112・ 855- Y (B21D)
P 1 112・ 841- Y (B21D)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 市川 幹雄沼沢 幸雄松本 貢日比野 隆治  
特許庁審判長 小池 正利
特許庁審判官 宮崎 侑久
加藤 友也
登録日 1997-06-06 
登録番号 特許第2129980号(P2129980)
発明の名称 曲げ修正機  
代理人 森 秀行  
代理人 神谷 巖  
代理人 永井 浩之  
代理人 黒瀬 雅志  
代理人 藁科 孝雄  
代理人 吉武 賢次  

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