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審決分類 審判 全部無効 特36 条4項詳細な説明の記載不備 訂正を認める。無効としない B02B
審判 全部無効 2項進歩性 訂正を認める。無効としない B02B
審判 全部無効 出願日、優先日、請求日 訂正を認める。無効としない B02B
管理番号 1057475
審判番号 審判1997-13659  
総通号数 30 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1990-09-27 
種別 無効の審決 
審判請求日 1997-08-08 
確定日 2001-10-12 
訂正明細書 有 
事件の表示 上記当事者間の特許第2602090号発明「洗い米の製造方法」の特許無効審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 訂正を認める。 本件審判の請求は、成り立たない。 審判費用は、請求人の負担とする。 
理由 第1 手続の経緯
本件特許第2602090号(以下、本件特許という。)は、平成1年3月14日に出願された特願平1-62648号の特許出願(以下、本件出願という。)に係り、平成9年1月29日に設定登録されたものであり、その後、本件審判請求がされ、その答弁書提出期間内に、訂正請求がされ、この訂正請求に対し当審において訂正拒絶理由の通知がされると共に、再度答弁を求めたところ、その指定期間内に、前記訂正請求を撤回すると共に、新たな訂正請求(以下、これによって請求された訂正を本件訂正という。)がされたものである。
第2 当事者の主張
1.請求人の主張及び提出した証拠方法
請求の趣旨は、本件特許を無効にする、審判請求費用は、被請求人の負担とする、との審決を求めるものであり、以下の旨の無効理由を主張すると共に、下記の証拠方法を提出した。
(1)無効理由1
本件特許に係る明細書(以下、特許明細書という。)は、平成8年7月3日付けの手続補正書によって補正されたものであり、この補正により、「除水」とは「米粒表層部に付着吸収した水分を除去すること」(本件特許公報第4欄第17〜18行)と定義されたことにより、その特許請求の範囲に記載された本件発明の構成要件である「洗滌水と表面付着水の除水を行い」が、本件出願の当初の明細書(以下、原明細書という。)に記載された事項の範囲内でない技術的思想を包含するものとなり、また、特許請求の範囲に記載された「ほぼ16%を越えない」は、原明細書にある「16%以下」とは意味が異なるので、上記補正は、明細書の要旨を変更するものであって、特許法第40条の規定により、本件出願の出願日は、前記手続補正書が提出された平成8年7月3日となる。
そうすると、下記甲第1号証は、本件出願日前の国内において頒布された刊行物であり、本件発明と甲第1号証に記載された発明を比較すると、次の点で相違し、その他の点では一致する。
(a)本件発明は、吸収された水分も除水されるが、甲第1号証記載のものは、吸収された水分は除去されない。
(b)本件発明が「ほぼ16%を越えない」であるのに対し、甲第1号証記載のものは、「16%以下」である。
そして、本件発明の相違点1のようになすことは、甲第1号証にものも除水後含水率を「16%以下」として、カビ防止、亀裂防止を図ったものであり、下記甲第2〜6号証に吸収した水分を洗滌後調整することが記載されていることから当業者が容易に想到できることである。また、相違点2においては、両者ほとんど共通しており、この点に本件発明の格別のものはない。
以上のことから、本件発明は、甲第1〜6号証記載のものから当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条第2項の規定により特許を受けることができず、本件特許は、無効とされるべきものである。
(2)無効理由2
本件発明の方法においては、「水中への浸漬から除水までの工程を米粒の吸水量が極くわずかであるうちに完了し」なければならなく、しかも「水の浸透を主に米粒の表層部にとどめるようにし、かつ米粒の含水率が除水した時点でほぼ16%を越えない」ようにしなければならない。しかし、特許明細書には、これが実施できる具体的方法または装置は記載されていなく、当業者といえども特許明細書記載事項から、本件発明は、容易に実施できない。ちなみに公知の連続洗米機や除水装置を調査した結果、下記甲第13〜26号証のものがあったが、これらを改良しても本件発明は実施できない。
したがって、特許明細書は、当業者が本件発明を容易に実施できる程度に記載されていないので、特許法第36条第4項(第3項の間違いと認めるので以下第3項とする。)の規定に違反し、本件特許は、無効とされるべきものである。
(3)無効理由3
特許明細書の「発明の詳細な説明」の項に「除水とは米粒表層部に付着吸収した水分を除去すること」とあるが、特許請求の範囲の記載には「洗滌水と表面付着水の除水を行い」との記載があるものの、「吸収した水分を除去する」記載はないので、特許請求の範囲には、本件発明の必須の構成が記載されていない。
したがって、特許明細書は、特許法第36条第5項(第4項第2号の間違いと認めるので、以下第4項第2号という。)の規定に違反し、本件特許は、無効とされるべきものである。

甲第1号証:特開平 2-242647号公報
甲第2号証:特開昭59-183663号公報
甲第3号証:特開昭61-115858号公報
甲第4号証:特開平 3- 10646号公報
甲第5号証:特開平 4-320656号公報
甲第6号証:特開平 5- 15322号公報
甲第7号証:特開平 3-154643号公報
甲第8号証:特願平1-291938号に対する株式会社東洋精米機製作所の特許異議申立理由補充書(平成6年11月5日付け)(第1,20,21頁)
甲第9号証:同上の弁駁書(平成8年4月12日付け)(第1,3,5頁)
甲第10号証:特願平1-291938号に対する柳野隆生の特許異議申立理由補充書(平成6年11月4日付け)(第1,33,34,40,49頁)
甲第11号証:同上の弁駁書(平成8年4月12日付け)(第1〜3頁)
甲第12号証:「稲学大成第1巻形態編」農山漁村文化協会、1990.11.10発行、第311頁
甲第13号証:特公昭30- 1833号公報
甲第14号証:特公昭33- 2820号公報
甲第15号証:実公昭35- 10989号公報
甲第16号証:実公昭35- 14091号公報
甲第17号証:実公昭45- 23588号公報
甲第18号証:特公昭47- 34144号公報
甲第19号証:特開昭50- 25767号公報
甲第20号証:特開昭61- 50642号公報
甲第21号証:特開昭62-282648号公報
甲第22号証:実公平 1- 16515号公報
甲第23号証:特公昭30- 1315号公報
甲第24号証:実公昭47- 67号公報
甲第25号証:実公昭48- 5160号公報
甲第26号証:実公昭63- 27786号公報
甲第27号証:「広辞苑」第3版、第2399頁
甲第28号証:「判例特許侵害法II」(社)発明協会、平成8年8月23日発行、第258,259頁
甲第29号証:広島県立食品工業技術センターの試験成績表(広食工技第143号)(平成10年3月30日付け)(平成10年10月13日付け、株式会社佐竹製作所知的財産室長坂下隆一による審判長宛説明書添付)
甲第30号証:特許第2616821号に対する株式会社東洋精米機製作所の特許異議申立書(平成9年12月3日付け)第1,14頁
甲第31号証:特願平1-291938号に対する柳野隆生の特許異議申立理由補充書(平成6年11月4日付け)(第1,38頁)
参考書面1:報告書:精白米の吸水試験、平成9年3月21日付け、株式会社佐竹製作所科学研究室課長尾崎雄一作成
参考書面2:甲第13〜26号証の索引
参考書面3:表面付着水及び吸収水の説明
参考書面4:「穀物の水分測定方法の基準」(昭和50年5月)農業機械学会(調製加工部会)(部会研究会資料No.1(1975))表紙、第13頁
参考書面5:「生体計測の実際」山下律也著、(有)山本健美術、平成7年3月22日発行、表紙、奥付及び第115頁
参考書面6:特許第2616821号公報
2.被請求人の答弁及び提出した証拠方法
答弁の趣旨は、本件審判の請求は成り立たない、審判費用は請求人の負担とする、との審決を求めるものであり、請求人の主張するそれぞれの無効理由に対し、以下の旨の答弁をすると共に、下記の証拠方法を提出した。
(1)前記無効理由1に対し
「除水」が「米粒表層部に付着吸収した水分を除去すること」であることは、本件出願の出願当初の明細書に示唆されていた事項であり、また、特許明細書記載から、「ほぼ16%」も「16%」も実質的に同じことを意味していることは明らかである。(なお、「ほぼ16%」及び「約16%」は、「16%」に訂正請求した。)したがって、請求人の主張するような要旨変更はなく、本件出願の出願日は、繰り下がらない。してみれば、甲第1号証は、本件出願日以降に発行されたものであるので、これに基づき本件発明が容易に発明をすることができたとする前記無効理由1に理由がないことは明らかである。
(2)前記無効理由2に対し
訂正する特許明細書には、「除水装置は、洗滌水及び付着水を除去出来る機能さえあれば公知の機器でよい」及び「公知の除水装置の中には、吸水の要因となる洗滌水等の大部分を、瞬時に近い短時間に除去出来るものがあるから、それを選べばよいと云うことである」と記載されている。そして、公知の除水装置には、遠心分離装置もあるが、甲第1,5〜8号証に記載されている風力を利用したバンド乾燥機も古くから知られている。また、遠心分離装置では、洗滌米の微細な陥没部に入り込んでいる付着水を短時間に除去することは不可能であり、含水率を16%以下にすることはできないことが当業者において知られている。そうすると、短時間に洗滌米を16%以下の含水率に除水しようと思えば、当業者であれば、遠心分離装置と前記のようなバンド乾燥機との組み合わせ、もしくはバンド乾燥機で本件発明の除水を行うことは容易になし得ることであり、またその際バンド乾燥機の送風量や洗滌米の移送速度などは適宜決められることである。
以上のことから、特許明細書には、除水装置について具体的な記載はないが、上記のような明細書の記載及び公知の除水装置から当業者であれば、本件発明を容易に実施することができ、本件出願は、特許法第36条第3項の規定を満たすものである。
(3)前記無効理由3に対し
本件発明における吸収水の除去は、強制的な表面付着水の除去に伴う当然の結果である。したがって、特許請求の範囲の記載としては、「洗滌水と表面付着水の除水を行い」で十分である。よって、請求人の主張する特許法第36条第4項第2号違反の根拠はない。

乙第1号証:特開昭61-115858号公報
乙第2号証:特開昭53-122975号公報
乙第3号証:特公昭55- 25900号公報
乙第4号証:実公昭40- 11180号公報
乙第5号証:実公昭46- 34708号公報
乙第6号証:実開昭61-121946号公報
乙第6号証の1:実開昭61-121946号公報(実願昭60-4860号)のパトリスによる出願経過調査結果
乙第7号証:特公昭35- 8642号公報
乙第8号証:特開昭64- 4257号公報
乙第9号証:「世界大百科事典 5」初版第11刷、1968年5月20日、平凡社発行、第346頁
乙第10号証:「世界大百科事典 3」初版第11刷、1968年5月20日、平凡社発行、第250頁
乙第11号証:「商経アドバイス」昭和62年7月2日、(株)商経アドバイス発行、第4頁、(株)米山穀機発明所公告
乙第11号証の1:「上新粉製造実証プラント見積書」昭和63年1月12日付け、(株)躍進機械製作所食品機械事業部粉体機器事業部
乙第11号証の2:和歌山地方裁判所平成4年(ワ)第459号事件における平成7年10月18日の河合忠彰氏の本人調書
乙第11号証の3:「増補 遠心分離」昭和60年1月6日、(株)化学工業社発行、第8頁
乙第12号証:「食品製造工程図集」昭和45年10月1日、(株)化学工業社発行、
同号証の1〜28は、それぞれ上記図集の第2,3頁、第4,5頁、第6,7頁、第8,9頁、第12,13頁、第14,15頁、第21頁、第24,25頁、第33頁、第35頁、第37頁、第55頁、第58頁、第59頁、第60頁、第62頁、第63頁、第124,125頁、第126,127頁、第227頁、第294,295頁、第373頁、第375頁、第601〜603頁、第637〜640頁、第642頁、第644頁及び第646頁である。
乙第13号証:「食料振興」’93年秋期号、(社)全国食料振興会発行、第4頁
乙第14号証:「食料振興」’94年秋期号、(社)全国食料振興会発行、第13頁
乙第15号証:「精米工業」No.142、平成5年9月、(社)日本精米工業会発行、第14、18頁
乙第16号証:「商経アドバイス」平成4年3月2日、(株)商経アドバイス発行、第3頁、
乙第17号証:「米穀新聞」平成4年12月10日、(株)米穀新聞社発行、第3頁
乙第18号証:特許第2788091号公報
乙第19号証:特開昭55-157335号公報
乙第20号証:実開昭51-105092号公報
乙第21号証:弁理士竹本松司による「口頭鑑定メモ」平成4年5月12日付け
乙第22号証:(株)椿本チェンカタログ「つばき小型コンベアチェーン」(昭和62年4月1日発行)第22頁
乙第23号証:(株)椿本チェンカタログ「TSUBAKI POWER TRANS MISSION PRODUCTS 1975」第295頁
乙第24号証:食品技術士センター編「改訂 食品加工技術ハンドブック」昭和53年7月10日、(株)建帛社発行、第557,558頁
乙第25号証:和歌山県工業試験所所長名の平成9年8月8日付け「試験分析等成績書」の写し
乙第26号証:食糧庁検査課監修「農産物検査関係法規」平成4年9月1日、(株)糧友社発行、第79頁
乙第27号証:食品設備実用総覧編集委員会編「食品設備実用総覧」昭和55年1月15日、(株)産業調査会出版部発行、第216,217頁、第1-105頁
乙第28号証:「米とその加工」倉澤文夫著、昭和57年11月25日、(株)建帛社発行、第332,336頁
参考書面1:紙束の内、上部3枚の拡大想像図
参考書面2:精白米の吸水特性
参考書面3:BG無洗米の吸水特性
参考書面4:「米とその加工」倉澤文夫著、昭和57年11月25日、(株)建帛社発行、第66〜68頁
参考書面5:「ジフライス設備」平成3年5月、(株)佐竹製作所発行、第8頁
参考書面6:「標準計測方法」平成元年6月、食糧庁発行、第25〜29頁
参考書面7:「食品製造工程図集」昭和45年10月1日、(株)化学工業社発行、第646頁
第3 本件訂正について
1.訂正請求の趣旨及びその要旨
請求の趣旨は、本件特許の明細書を訂正請求書添付の訂正明細書のとおりに訂正することを求めることであり、その要旨は、明りょうでない記載の釈明を目的として、特許請求の範囲に記載の「ほぼ16%」を「16」%に、また発明の詳細な説明の項記載の「ほぼ16%」(特許明細書第3頁第18行、同第3頁第22行、同第4頁第6行、同第4頁第29行、同第7頁第25行、及び同第8頁第4行)を「16」%に、更に「約16%」(特許明細書第3頁第14行、同第7頁第1行及び同第7頁第21行)を「16%」に訂正することである。
2.訂正の適否
「ほぼ16%」も「約16%」も数値的には、文言上曖昧な表現であるので、これらを「16%」と訂正することは、数値的に文言上明確にすることであり、この訂正は明りょうでない記載の釈明を目的とするものであると認められる。そして、訂正前の特許明細書に「16%以下であると洗米過程における米粒の吸水部が主に表層部にある内に洗滌を行い得るからである。含水率が16%を越えるときは洗滌過程において水が表層部から米粒内部まで浸透している」(第3頁第18〜21行)及び「平均含水率16%以下の含水率になっているように洗米機が設計されることが重要である」(第4頁第12〜14行)等と記載されていることから、この訂正は、願書に添付された明細書の記載事項の範囲内でもある。さらには、この訂正は、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものでないことは明らかである。
そうすると、本件訂正は、特許法第134条第2項但し書きの規定、及び同条第5項の規定により準用する同法第126条第2、3項に規定された訂正が、平成6年法律第116号附則第6条第第1項の規定により「なお従前の例による」とされることから適用される平成5年改正特許法第126条第1項但し書き、同条第2項の規定に適合するので、本件訂正は認められる。
第4 本件特許無効について
1.本件特許に係る発明
本件特許に係る発明(以下、本件特許発明という。)は、前述のように訂正が認められる訂正後の特許明細書の記載によれば、その特許請求の範囲に記載された以下の事項を必須の構成とするものと認められる。(なお、後述するように請求人の主張する無効理由2、3によっては本件出願が特許法第36条に違反してるとすることができない。)
「精白米を水に浸け、洗滌、除糠を行い、吸水部分が主に米粒の表層部である洗い米を得、更に除水工程において洗滌水と表面付着水の除水を行い、洗い米を製造する方法であって、水中への浸漬から除水までの工程を米粒の吸水量が極わずかであるうちに完了し、水の浸透を主に米粒の表層部でとどめるようにし、かつ米粒の含水率が除水した時点で16%を越えないことを特徴とする米粒に亀裂を有しない洗い米の製造方法。」
2.無効理由1について
請求人は、前述のように平成8年7月3日付けの手続補正書で、「除水」を「米粒表層部に付着吸収した水分を除去すること」とした補正は、明細書の要旨を変更するものであると主張するのでこの点について検討する。なお、特許請求の範囲の「ほぼ16%を越えない」という記載は、前記の本件訂正により「16%を越えない」と訂正されたので、請求人の主張する「ほぼ16%を越えない」という記載も明細書の要旨を変更するものであるという主張に理由がなくなった。
ところで、原明細書の内容を掲載した甲第1号証には、以下の記載がある。
(A)精白米は一旦水に浸けたら、これを乾燥せしめると必ず亀裂が入り、その内に砕粒化してしまうので、今まで洗米した後、乾燥させた米、即ち「乾燥洗い米」と云えるものは全く存在しなかった。(第2頁左上欄第2〜6行)
(B)本発明は、このような点に鑑み、消費者が洗わずに炊け、然も食味が落ちない「乾燥洗い米」及びその製造方法を開示するものである。(第2頁左下欄第5〜8行)
(C)本発明の技術的手段は、精白米を水洗し、且つ、含水率が16%以下に除水処理した乾燥洗い米であり、(第2頁左下欄第12〜14行)
(D)一般的に、洗米によって含水してから乾燥させた米に先ず亀裂が入る原因は、ひずみに弱い特性を有する米粒が吸水、除水の際、その都度、部分的に膨張と収縮が生じ、ひずみができるからである。然らば、洗米時や除水時に、ひずみの原因となる膨張と収縮が生じない程度の、僅かの吸水量、及び除水量に押さえることが出来れば、精白米をたとえ水中ヘザブンと漬けて洗米し、乾燥させても亀裂が生じないことになる。(第2頁右下欄第4〜12行)
(E)本発明は、高速度で攪拌する洗米工程で、極く短時間に精白米を水に漬けた状態で洗米して除糠を行い、直ちに除水行程によって洗滌水と表面付着水の除水を行うのである。(第3頁右上欄第5〜8行)
(F)本明細書で、乾燥洗い米と表現している「乾燥」なる意味であるが、米粒を常温で保存していても、腐敗したり発カビしない程度、即ち、含水量が16%以下の含水状態を指すのである。(第3頁左下欄第10〜13行)
(G)除水後、即ち付着水分を除かれた時の水分、いわゆる内部含水率が16%以下の含水率になっているように設計されることである。(第5頁右上欄第14〜17行)
(H)以上の通りの要領で、精白米を洗米工程と除水工程を通過させると、精白米は極く短時間に洗滌、除水が行われるので、米粒内に水がほとんど浸透することなく、除水装置より排出されたときには16%以下の含水率になっており、長期間室内でそのまま放置されても表面にほとんど亀裂も生じず、勿論砕粒化もしていない乾燥洗い米が得られるのである。(第6頁右上欄1〜8行)
(I)然るに、本発明では、洗米しても高含水化するのは極表面だけで、内部まで高含水化させないから、1粒全体としては、僅かに含水率が高くなるだけで、ほとんど元の乾燥した状態のままになっているのである。(第6頁右下欄第18行から同頁左下欄第2行)
そこで、これら記載事項をみてみると、(A)の記載から、「乾燥洗い米」は、洗米した後、乾燥させた米と認められ、(B)の記載から、原明細書でいうところの本発明は、この「乾燥洗い米」及びその製造方法を開示するものと認められる。また、(C)(H)及び(I)の記載からは、この「乾燥洗い米」は、含水率が16%以下に除水処理されたもので、この除水(装置)では、極く表面だけが高含水化して16%以下の含水率で、ほとんど元の乾燥した状態で排出されるものと認められる。さらに、(D)の記載に、吸水、除水の際にひずみが生じやすく、吸水量と除水量を僅かに押さえれば、米をザブンと水に浸けて洗米し、乾燥させても亀裂が生じないとあるように、原明細書に除水と乾燥を同一視している記載が認められる。
そうすると、これら記載を総合すると、原明細書における「除水」は、「乾燥」手段によることが示されていると認められる。なお、(F)の記載にある「乾燥」は、「乾燥洗い米」における「乾燥」状態について規定するもので、(A)及び(D)の記載にある「乾燥させ」は、乾燥手段によって乾燥させることを意味していると解される。
他方、(E)の記載から、除水は、洗滌水と表面付着水を取り除くことであると認められる。
ところで、原明細書記載全体から原明細書記載の「除水」は、機械的手段によって行われるものと認められる。そして、本件出願前、精白米を洗滌した後に洗滌水を機械的に除去する手段としては、大別して甲第13号証にみられるような遠心力によるものと乙第1,5〜7号証にみられるような空気を吹き付ける通風によるものがあると認められるところ、遠心脱水は、粒子と粒子の間に毛管上昇の作用で存在する水又は液体を除去することが狙いで、粒子表面に付着している水分、粒子内の間隙に存在する水分などはその対象でないことが当業者において技術常識であること(要すれば、乙第11号証の3参照)を考えると、遠心力による即ち遠心脱水によっては、前記付着水を短時間で除去できなく、当業者であれば、前記除水は、空気を吹き付ける通風によるものと解すると認められる。
以上のことから、原明細書に記載された「除水」は、空気を吹き付ける通風による乾燥手段のよってなされることが示されていると、当業者であれば、理解する。また、除水は、極く短時間で行う必要性から、当業者であれば、この乾燥手段と他の除水手段との組み合わせもあることは当然理解するところでもある。
してみれば、原明細書には、これに記載の「除水」は、洗滌水と表面付着水を除去することを目的とし、少なくとも空気を吹き付ける通風による乾燥手段によって洗滌水と表面付着水の除去を行うことが示されていると認められる。そして、表面付着水を前記通風による乾燥によって除去すれば、その際当然、除去される前記洗滌によって吸収された前記表層部の水分があることは、当業者にとって自明のことである。
なお、被請求人は、前記(G)の記載の水分は、その水分という文言の意味するところから、前記表層部に吸収された水も含んでいる主張するが、前記付着水分とは、付着した水と解するのが前記(G)記載の文言からは自然であり、この点の被請求人の主張は採用できない。
したがって、前記補正において「除水」を「米粒表層部に付着吸収した水分を除去すること」としたことは、原明細書に示されていたことから当業者において自明のことであり、前記補正は、明細書の要旨を変更するものではなく、本件出願の出願日は、前記補正をしたときに繰り下がらない。
よって、請求人の主張する無効理由1は、本件出願の出願日が、前記補正をしたときに繰り下がることを前提としたもので、本件出願日以降に頒布された刊行物である甲第1号証と本件特許発明を比較して、本件特許発明の容易性を主張するものであるので、この理由1は採用できないものであることは明らかである。
2.無効理由2について
訂正後の本件特許明細書をみてみると、
(1)「洗滌、除糠工程及び除水工程を従来とは桁違いに短い時間で行い米粒の吸水量が極く僅かなうちに完了してしまえば米粒に亀裂も入らず炊飯に適した洗い米が得られることを見出し、発明を完成した」(第3頁第7〜9行)とし、「水洗から除水までの工程は米粒の吸水量が極くわずかであるようにする必要がある。処理時間は洗滌条件によって変わるが、数分以内でかつ、上記した含水率を満たすような短時間とすればよ」く(第4頁第2〜4行)、「数分以内とは大体3分〜4分より短い時間であり、好ましくは2分〜3分、更に好ましくは1分以内である。」(第4頁第8,9行)と記載され、(実施例1)及び(実施例2)において、それぞれ45秒、約5秒としたものが記載されている。
(2)そこで、このような短時間で洗滌、除水を行うための手段についてみてみると、「洗滌方法及び除水方法は短時間で効率よく除糠できる方法であれば特に限定されない」(該4頁第10,11行)とし、洗滌については、「本発明の洗滌過程では公知の連続洗米機を用いることもできるが、一部改造の要がある。即ち、洗米槽を小径となし回転数も毎分600回転以上が可能となるように改造するのが望ましい。」(第4頁第11〜13行)と記載され、この連続洗米機における米の在槽通過時間と洗米機の回転数の設定の仕方についても記載され(第5頁第1〜18行参照)、(実施例1)及び(実施例2)において、洗滌水の温度、精白米の含水率及び投入量を具体的に示し、前記回転数がそれぞれ毎分600回転、毎分1800回転と記載されている。そうすると、本件特許発明における洗滌、除糠において吸水部分が主に米粒の表層部である洗い米とするための具体的手段として、連続洗米機が例示され、この連続洗米機が本件特許発明の目的を達成するための必要な諸条件が具体的に示されており、またこれら示されている条件では、当業者が本件特許発明を容易に実施することができないとする理由もないので、訂正後の特許明細書の記載に基づき、本件特許発明における洗滌、除糠を当業者は容易に実施できるものと認められる。
(3)他方、除水について、その方法は前記のように本件特許発明の目的が達成できるものであれば、特に限定されないとし、「米粒は大量の洗滌水と共に排出されるので、これを間髪をいれず、直ちに前記洗米装置の後行程に設けた除水装置にて、洗滌水は勿論のこと、米粒に付着している付着水をも除去するのである。なお、除水装置は、洗滌水及び付着水を除去出来る機能さえあれば公知の機器でよいが、只、洗滌水の除去に時間のかかるものではいけない。何故ならば、折角洗米工程で、米粒への吸水を制限したのに、除水工程にて、洗滌水等の除去に時間がかかり洗濯水等が米粒内部に吸収されては無意味だからである。尤も公知の除水装置の中には、吸水の要因となる洗滌水等の大部分を、瞬間に近い短時間に除去出来るものがあるから、それを選べばよいと云うことである。」(第5頁第19〜28行)と記載されているが、(実施例1)及び(実施例2)の記載を含め他に具体的な除水手段の記載はない。
(4)ところで、「一般的に、洗米によって含水してから乾燥させた米に先ず亀裂が入る原因は、ひずみに弱い特性を有する米粒が吸水、除水の際、その都度、部分的に膨張と収縮が生じ、ひずみが出来るからである。然らば、洗米時や除水時に、ひずみの原因となる膨張と収縮が生じない程度の、僅かの吸水量、及び除水量に押さえることが出来れば、精白米をたとえ水中へ漬けて洗米し、乾燥させても亀裂が生じないことになる。」(第6頁第1〜6行)という記載では、除水と乾燥を同一視しており、また、この記載から当業者は本件特許発明のような洗滌後の洗い米が僅かの吸水量であるものは、乾燥によって除水しても亀裂が生じないものと理解する。
(5)また、「本発明で除水とは米粒表層部に付着吸収した水分を除去することであって、米粒がもともと有している水分を乾燥させることではない。」(第3頁第16,17行)と記載されている。この記載は、前記した除水装置が洗滌水と米表面に付着した付着水を除去するという記載とにおいて整合性を欠くが、当業者であれば、本件特許発明の除水は、前記洗滌水と表面付着水の除去を目的とするが、その際、除去される洗滌時に米粒表層部に吸収された水分も対象としていると理解するところである。そして前記のように本件特許発明において使用される除水装置は、公知のものから選べばよいとしていることから、公知の洗滌後の洗い米を除水する装置を考えると、前記無効理由1で述べたように、大別して甲第13号証にみられるような遠心力によるものと乙第1,5〜7号証にみられるような空気を吹き付ける通風によるものとがあると認められる。そこで、遠心脱水における前記技術常識を考えると、当業者であれば、遠心力による即ち遠心脱水によっては、前記付着水は短時間で除去できなく、ましてや前記吸収水分は除去できないと理解し、前記除水は、空気を吹き付ける通風によるものと解する。
さらに、この記載では、米粒がもともと有している水分を乾燥させることではないとして、「除水」が、内部水分の除去を意図する乾燥即ち通常行われる米の乾燥とは違うことを言及していることから、「除水」がこれとは違う乾燥によるものであることが窺い知れる。
(6)以上のことから、訂正された特許明細書に記載された「除水」は、空気を吹き付ける通風による乾燥手段によってなされることが示されていると、当業者であれば、理解する。また、除水は、極く短時間で行う必要性から、当業者であれば、乾燥手段と他の除水手段との組み合わせもあることは当然理解するところでもある。
(7)そして、乙第1,5〜7号証記載されるような、空気を吹き付ける通風による乾燥手段は、当業者において、公知であり、また、前記通風の温度、湿度、風量(風速)及び洗滌米の移送速度によって、前記「除水」の程度が決まるものであることは、当業者において技術常識であり、本件特許発明の「除水」を行うためには、前記の公知ものと比べ、前記風量などにおいて高出力化等を図る必要があることは当然理解されるところである。そして、被請求人が説明した(平成10年10月16日付け答弁書第2頁第13行〜第24行)、訂正後の特許明細書に記載の(実施例1)及び(実施例2)の具体的除水手段(この手段は、本件特許発明における「除水」を達成することができないという理由がないものである。)は、上記風量等において当業者が設定できないというものではない。
(8)以上のことを考慮すると、訂正後の特許明細書の記載から、当業者は、本件特許発明の、とりわけ洗滌、除糠及び除水を容易に実施することがでると認められる。
(9)なお、請求人は、次の旨主張している。
▲1▼「洗米装置への投入後、除水装置から排出されるまでの所用時間がわずか5秒であるということは、除水装置としては高性能の遠心脱水機だけしか考えておらず、乾燥は除外されていることが明確に示唆されているものである。蓋し、仮に遠心脱水機の後行程に乾燥装置をとりつけたとすれば、約5秒内外といった極めて短時間にて全行程を完了させることは技術的に不可能である。」(平成10年6月19日付け上申書第2頁第22〜27行)
▲2▼甲第9,30号証などにみられるように、被請求人が本件発明の除水装置として考えているのは、遠心脱水機であり、バンド乾燥機は、本件出願当時は認識していなく、当業者も特許明細書から除水手段として、バンド乾燥機は想到することができない。(平成10年10月20日付け弁駁書第1頁第24行〜第3頁第19行)
▲3▼被請求人が、本件特許発明の実施例として口頭審理で説明した乙第1,5〜7号証のバンド乾燥機をもってしても種々の調製及び工夫を必要とし、これを使用して本件発明を実施することは当業者といえども容易でない。(平成10年10月20日付け弁駁書第3頁第20行〜第4頁第19行)
▲4▼遠心分離機によっても、水分16%にすることは可能であるので、被請求人の主張する遠心分離機で16%以下にはできないことが当業者において常識であるという主張に根拠がない。そして、これは亀裂が生じ本件特許発明の目的を達成することができない。(平成10年10月20日付け弁駁書第5頁第25行〜第6頁第12行)
(10)そこで、請求人の主張する▲1▼〜▲4▼について検討すると、▲1▼、▲3▼については、前述したように、本件特許発明の除水は少なくとも前記通風による乾燥手段によるものであり、これによった場合、全行程約5秒でできないという技術的理由がない。また前記被請求人が説明した、本件特許発明の(実施例1)及び(実施例2)の具体的除水手段において、洗米をならすための「ならし板」を設けたり、ファンを増設する程度のことは当業者であれば、技術常識的に対応することでもある。そうすると、前記▲1▼、▲3▼の理由で本件特許発明が当業者において容易に実施できないとすることはできない。次に、▲2▼については、前述したように訂正後の本件特許明細書に記載から、前記「除水」手段は、少なくとも前記通風による乾燥手段が使用されるものであると認められる以上、例え、被請求人が、甲第9,30号証などにおいて「除水」が遠心分離で行われるものであると主張したとしても、前記認定はこれに左右されるものではない。更に▲4▼については、前記のように本件特許発明の「除水」は、少なくとも前記通風による乾燥手段が使用されるものであると認められることから、遠心分離のみで「除水」することは、本件特許発明の実施例にならないものであるので、遠心分離のみの「除水」に基づくこの主張は当を得ない。
したがって、これら請求人の主張は採用できない。
以上のことから、訂正後の特許明細書の記載から、当業者は本件特許発明を容易に実施することができ、本件出願は、特許法第36条第3項の規定を充足しており、この無効理由2によって、本件特許を無効にすることはできない。
3.無効理由3について
訂正後の特許明細書の発明の詳細な説明の項には、前記したように「本発明で除水とは米粒表層部に付着吸収した水分を除去すること」と規定されていることから、当該特許請求の範囲に、この吸収された水分も除去させることが明記されていなくとも、当該特許請求の範囲の「除水工程において洗滌水と表面付着水の除水を行い」との記載は、除水工程において洗滌水と表面付着水と前記吸収した水分(洗滌水と付着水の除去に際し、除去されるもの)を除水することを示していることは明らかであり、請求人の主張するこの無効理由3によって、本件出願が特許法第36条第4項第2号の規定を充足しないとすることはできない。なお、前記無効理由2で述べたところの、本件特許発明における「除水」が、少なくとも前記通風のよる乾燥手段のよって行われることは、それを実施するための態様であって、本件特許発明の「除水」において、この通風のよる乾燥手段が必須の構成となるものではない。
第5 結語
したがって、本件特許は、請求人の主張する前記各理由及び提出した証拠方法によっては無効にすることができない。
よって、本件訂正を認め、本件審判請求は成り立たないものとし、本件審判費用ついては、特許法第169条第2項において準用する民事訴訟法第61条を適用して、結論のとおりに審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
洗い米の製造方法
(57)【特許請求の範囲】
精白米を水に浸け、洗滌、除糠を行い、吸水部分が主に米粒の表層部である洗い米を得、更に除水工程において洗滌水と表面付着水の除水を行い、洗い米を製造する方法であって、水中への浸漬から除水までの工程を米粒の吸水量が極くわずかであるうちに完了し、水の浸透を主に米粒の表層部でとどめるようにし、かつ米粒の含水率が除水した時点で16%を超えないことを特徴とする米粒に亀裂を有さない洗い米の製造方法。
【発明の詳細な説明】
<産業上の利用分野>
本発明は、水を入れるだけで直ちに炊飯できる洗い米の製造方法に関する。
<従来の技術>
米は消費者に於いて炊飯の都度、何度も水を入れ替えて洗っている。これは煩わしいし、炊飯に時間もかかる。また、とぎ汁による河川汚染の防止の点からも、出来れば消費者に渡るまでに洗米処理をしておくのが望ましい。
しかしながら、一度洗った後乾燥させた米で、水を加えて炊いた後、おいしく食べられる洗い米は今まで製造されなかった。
洗い米を乾燥する際の問題点は腐敗と米の砕粒化である。即ち、米を洗った場合、その間に吸水して含水率が高くなり、そのままでは腐敗したり、カビが生えたりしてしまうし、それを避ける為に乾燥させると、米にまず亀裂が入り、更に砕粒化してしまうので、それを炊いてもダラダラの飯になり、到底飯として通用しないものになってしまうのである。従って、精白米は一旦水に漬けたら、これを乾燥せしめると必ず亀裂が入り、その内に砕粒化してしまうので、今までに製造された洗い米はいずれも炊いた後に食しても美味でなく炊飯に適するものではなかった。
今までに知られている洗い米の製造法としては、例えば精米した米を洗った後水切りをし、自然乾燥又は加熱乾燥する方法(特開昭57-141257号公報)、精米した米を洗った後冷風または常温の送風により乾燥する方法(特開昭61-11585号公報)、白米を水洗、水切りした後水分を15%〜16%に調整する方法(特公昭51-22063号公報)が挙げられる。これらの方法はいずれも水中に浸した米を通常の方法で洗った後乾燥するものであるが、食味に問題があるだけでなく、自然乾燥においては時間がかかりすぎ、強制乾燥においては均一な乾燥が難しいという問題があった。
水中で洗うものではないが研がずに炊ける米の製造法が幾つか知られている。代表的なものは精白米に微量の水分を添加しながら研米を行い除糠した研磨米を製造する方法と、精白米をアルコールで洗った後アルコールを除き洗い米を製造する方法(特開昭60-54650号公報)である。
前者は米を水の中へ漬けて洗うものではないから、米肌の肉眼では見えない無数で微細な陥没部に入り込んでいるミクロン単位の糠粉や、小さい洞穴状の胚芽の抜け跡に入り込んでいる糠粉群まで洗い流すことは不可能である。研磨米の洗滌水の濁度数値(社団法人 日本精米工業会の測定方式による洗米時に於ける洗滌水の濁度数値。本明細書記載の濁度は全て同じ。)は100P.P.M前後にしかならず、従って炊飯時に際して、普通の精白米が10回の洗米すすぎが必要なところを5回ですむという程度にしかならないから、研磨米は洗米が不要と云うものではない。また、後者は水で洗米するわけでないので除糠が不完全であり、更に高価なアルコールを必要とする上、アルコールを完全に除かなければならない等の問題があった。
従来より知られている炊飯時に洗滌しないで炊ける洗い米の製造方法は以上の通りであるが、精白米の洗滌、除糠、除水を短時間で行い、水の浸透を主に米粒の表層部でとどめるようにした洗い米の製造法は知られていない。
<発明が解決しようとする課題>
生の米で、然も洗米の要らない米の製造は、炊飯時の煩雑さをなくすると同時に汚濁水の防止にも寄与することから、炊飯時に水洗不要の「洗い米」が消費者より要望されて久しい。そして、洗わなくても炊ける「洗い米」の製造法の開発が従来より試みられているが、炊いた米飯の食味は好ましいものでなかった。
本発明はこのような点に鑑み、水洗、除水後も米粒に亀裂が入らずしかも、炊いた米飯の食味が落ちない「洗い米」製造方法を提供することを目的とするものである。
<課題を解決するための手段>
本発明者は、洗米後も亀裂(肉眼で明確に確認できるもの)が入らず、炊いた米飯の食味も優れている洗い米を得るべく鋭意研究を重ねた結果、精白米の水中での洗滌、除糠工程及び除水工程を従来とは桁違いに短い時間で行い米粒の吸水量が極くわずかなうちに完了してしまえば米粒に亀裂も入らず炊飯に適した洗い米が得られることを見出し、発明を完成した。
前記目的を達成するため本発明では、精白米を水に浸け、洗滌、除糠を行い、吸水部分が主に米粒の表層部である洗米を得、更に除水工程において洗滌水と表面付着水の除水を行い、この場合に水中への浸漬から除水までの工程を米粒の吸水量が極くわずかであるうちに完了し、水の浸透を主に米粒の表層部でとどめるようにし、かつ米粒の平均含水率が除水した時点で16%を超えないようにして洗い米を製造する。
なお、本発明で除水とは米粒表層部に付着吸収した水分を除去することであって、米粒がもともと有している水分を乾燥させることではない。
除水した時の米粒の含水率を16%を超えないようにしたのは、16%以下であると洗米過程における米粒の吸水部が主に表層部である内に洗滌が行い得るからである。含水率が16%を超えるときは洗滌過程において水が表層部から米粒内部にまで浸透している。
水が内部まで浸透した米は亀裂が入る。米粒の含水率が16%を超えないというのは、米粒を常温で保存した時に腐敗が防止できる上限の含水率でもある。
本発明はこのように約2%までの水分を吸収(洗滌後の水分が元の水分より僅かに水分アップした状態)するまでの極く短時間に、水洗から除水までの各行程を全部処理することにより、有史以来、精白米は一旦水に漬けると、乾燥するまでに炊かないといけないとの観念を打破したものである。
なお、本発明で洗い米の「平均含水率」というのは付着水を除いた直後の水分が米粒全体に均一になっていない時点で測定したのである。又含水率は米粒における通常の測定方法を用いるものである。
水洗から除水までの工程は米粒の吸水量が極くわずかであるようにする必要がある。処理時間は洗滌条件によって変わるが、数分以内でかつ、上記した含水率の条件を満たすような短時間とすればよい。含水速度は洗滌法、洗滌条件の影響を受け、処理時間は一定にはならないが、数分以内の時間であって除水した時点で含水率が16%を超えていなければよく、全工程を約1分以内で通過するのが望ましい。
数分以内とは大体3分〜4分より短い時間であり、好ましくは2分〜3分、更に好ましくは1分以下である。
洗滌方法及び除水方法は短時間で効率よく除糠できる方法であれば特に限定されない。本発明の洗滌過程では公知の連続洗米機を用いることもできるが、一部改造の要がある。即ち、洗米槽を小径となし回転数も毎分600回転以上が可能となるように改造するのが望ましい。
洗米機で洗滌する場合の機械の回転数や槽径は処理量との関係で定まるものだが、要は供給された精白米が、槽内で充分な洗米に必要な撹拌回数を受けるだけの時間を経ても、除水後、即ち付着水分を除かれた時の水分、いわゆる平均含水率16%以下の含水率になっているように洗米機が設計されることが重要である。もうすこし詳しく説明すると、そもそも米は収穫後、1部の地域を除き、玄米で含水率15%以下になるよう乾燥することが義務付けられており、それ以上であると検査が通らないので、通常13%〜14%の含水玄米で流通されている。又、調質が行われたとしても、搗精過程で0.5%〜1%程度の水分発散が避けられないので、結局、精白米に仕上がった時の含水率は13%程度である。そのように通常の13%前後の含水率の精白米では、腐敗や発カビのおそれはないが、そのような精白米を、前記の洗米装置で水洗する時に、水洗槽を通過する時の在槽時間が長いと、その問に米粒内に深く水が浸透し、表面付着水が除去されても内部含水率が高くなり、腐敗や発カビの原因となる。そして、それを防ぐために内部水分を乾燥により除去せしめると、ひずみが生じて砕粒化の原因である亀裂が出来るから、内部含水率が高くならないうちに、即ち洗滌水及び表面付着水を除去しただけで、内部水分を除去せずとも平均含水率が16%を超えないようにする必要があり、その為には、洗米機での米粒の在槽通過時間が短くなるよう考慮して、回転数や槽の大きさを定める必要があると云うことである。いずれにしても本発明の製造方法を実施するには連続洗米機の在槽通過時間を従来よりも桁違いに短時間にしなければならぬことは云うまでもない。又、在槽時間の設定は、精白米の吸水性のよしあし、及び洗滌水温によっても勘案する要がある。即ち、水温が高い程、吸水速度が早くなるので在槽通過時間を短くする要がある。要は、連続洗米機を用いる場合如何なる場合でも、洗米時に米粒の内部にはほとんど水が浸透しない在槽時間とすることである。次に洗米機の回転数であるが、米粒が水中で撹拌される回数が少ないと、必要最小限の洗米効果が得られないから、前記の通り、短い在槽時間内で、充分な洗米に必要な数だけ撹拌を行なおうとすれば、洗米機の撹拌体の回転数を速くする必要がある。要は、連続洗米機により洗滌を行う場合は従来とは桁違いに短い在槽通過時間内に、充分な洗米に必要な撹拌回数が行われる回転数を設定することである。尚、ここに云う充分な洗米とは、そのまま炊飯した場合、飯が糠臭くない程度、即ち、現在一般的に消費者で洗米している程度を意味するものであり、物理的には精白米表面にある肉眼では見えない無数微細な陥没部や、胚芽の抜け跡に入り込んでいるミクロン単位の糠粉等をほとんど除去している程度、即ち、再びそれを洗米した場合、洗滌水がほとんど濁らない状態を指すものである。このように、充分な洗米が行われて、前記洗米機より排出されるようになるが大抵の洗米機の場合、米粒は大量の洗滌水と共に排出されるので、これを間髪をいれず、直ちに前記洗米装置の後行程に設けた除水装置にて、洗滌水は勿論のこと、米粒表面に付着している付着水をも除去するのである。
なお、除水装置は、洗滌水及び付着水を除去出来る機能さえあれば公知の機器でよいが、只、洗滌水の除去に時間がかかるものではいけない。何故ならば、折角洗米工程で、米粒への吸水を制限したのに、除水工程にて、洗滌水等の除去に時間がかかり洗滌水等が米粒内部に吸収されては無意味だからである。尤も公知の除水装置の中には、吸水の要因となる洗滌水等の大部分を、瞬間に近い短時間に除去出来るものがあるから、それを選べばよいと云うことである。
<作用>
一般的に、洗米によって含水してから乾燥させた米に先ず亀裂が入る原因は、ひずみに弱い特性を有する米粒が吸水、除水の際、その都度、部分的に膨張と収縮が生じ、ひずみが出来るからである。然らば、洗米時や除水時に、ひずみの因子となる膨張と収縮が生じない程度の、僅かの吸水量、及び除水量に押えることが出来れば、精白米をたとえ水中へ漬けて洗米し、乾燥させても亀裂が生じないことになる。ところで、精白米は吸水に対して極めて特異な物性があり、先ずそれを理解した上で対応する要がある。
即ち、精白米は水中に浸漬後、約1時間で飽和点の含水率約30%に到達する。尤も、これも水温や米質によってかなりの時間の差が生じる。しかし、いずれの場合でも浸漬時間と水分上昇の関係は定率で進行するのではなく、極めて反加速度的に進行する。従って、浸漬直後、最初の1秒間の吸水量は、最終の10分間の吸水量に匹敵する程、最初は最も急上昇し、更にその最初の1秒間について分析しても、最後の0.1秒間の吸水量よりも、最初の0.1秒間の吸水量の方が、はるかに多いことは云うまでもないことである。このように米の吸水特性は、水に浸漬直後より、時間の経過と共に吸水速度は加速度的に鈍化する。従って、浸漬直後は極く短時間でも、かなりの量の吸水をするので、乾燥させたときにひずみを生じさせないようにするためには、それに到らない僅かの時間内に洗米を完了し、直ちに除水することである。一方、それに関連して精白米の洗米特性をも考察する要がある。即ち、精白米の表面には肉眼では見えない無数で微細な陥没部があり、それに入り込んでいる澱粉粒や糠粉を除去するには、やはり、どうしても米粒群を水の中にサブンと漬けて、少なくとも30回以上は撹拌して洗米する必要がある。その理由は、糠粉等が入り込んでいる陥没部は、開口面よりも深みが長く、然も大半はミクロン単位の狭い開口面だから、その奥の方に入り込んでいる糠粉等を除去するには、水中に浸して激しく撹拌されている間に、糠粉等を水に浮遊させて洗い流す以外にない。
然もそのような洗米は、前記の通り、僅かの時間内に行う必要がある。そのような考察のもとに本発明では、洗米行程で、極く短時間に精白米を水の中に漬けた状態で洗米して除糠を行い、直ちに除水行程によって洗滌水と表面付着水の除水を行うのである。水中の浸漬から除水までの時間は数分以内とし、除水された時の米の含水率は16%を超えない範囲とする。これにより洗米時に水分が米粒内部に浸透することがなく砕粒化はおろか米粒に亀裂のない整粒の洗い米が得られる。又、それは再び水に漬けて洗米しても水が濁らず、濁度76P.P.M以下である。尚、この76P.P.Mと云う濁度数値は、精米工業会の測定方法に於ける数値の最下限で、これ以下の濁度数値のもの、即ち洗滌水のきれいな場合は測定不能と云うことになる。尤も、今までこの測定方法で測定出来ない程の除糠度の高い米と云うものは存在しなかったから、この測定方法で充分測定出来たわけであるが、本発明品の米は濁度数値が余りにも低く過ぎ、この測定方法では到底計測出来ない。従って本明細書に於いて、「76P.P.M以下」と表現しているところは、従来の測定方法では測定出来ないくらい、桁違いに濁度が低いのだと云うことに意味しているのであり、かなりの下を意味した「以下」なのである。
なお、本明細書で、平均16%を超えない含水率と表現している意味であるが、これは米粒を常温で保存していても、腐敗したり発カビしない限度の含水率を指すのである。又、米粒の「亀裂」の意味は、肉眼でも明確に確認出来る亀裂のことを指すのである。更に、「精白米」の意味であるが、完全精白米は勿論のこと、過剰精白米や中途精白米をも含めて指すのである。又「洗米」又は「水洗」の意味は、米粒群を水中に漬かる程の大量の水の中で撹拌して洗うことを指称するのである。
更に前記した連続洗米機を用いて本発明を実施する場合について説明すると精白米は極く短時間に洗滌、除水が行われるので、米粒内に水がほとんど浸透することなく、除水装置より排出されたときには平均16%を超えない含水率になっており、長時間室内でそのまま放置しても表面にはほとんど亀裂も生じず、勿論砕粒化もしていない洗い米が得られるのである。除水した時の米粒は、付着水を除去したとは云えその表面部は内部よりも含水率が高いことは想像に易いが、一粒の平均含水率が16%を超えないものになっていると云うことは、表面部の含水率の高い部分は極めて薄いものであり、それゆえに亀裂さえも生じないのである。つまり、従来の概念では、洗米すると云うことは、即、米粒内部まで水を吸水し、1粒全体が高含水化すると云うことであり、それを除こうとすると、乾燥させる以外になかったのである。然るに、本発明では、洗米しても高含水化するのは極表面だけで、内部まで高含水化しないから、1粒全体としては、僅かに含水率が高くなるだけで、ほとんど元の乾燥した状態のままになっているのである。それは平均16%を超えない含水率と云うことである。尚、除水したての米粒表面部の水分は間もなく内部に移行し均衡する。
<実施例1>
公知の構造の回転式連続洗米機の撹拌体を毎分600回転となし、その出口のところに連続して除水装置を設けてなる水洗行程と除水行程を構成し、該洗米機に3℃の水を注入し乍ら水分14.2%の昭和60年和歌山県産なぎほの精白米を連続的に毎分1kgペースで投入する。精白米は洗米機の洗米槽の中で運動している注入水の中にザブンと入り、水中で撹拌され洗米され乍ら洗米機の出口より洗滌水と共に排出され、直ちに次行程の除水装置に入るが、ここで洗滌水及び付着水が除去されて除水装置より排出される。その間、即ち1粒当たりの精白米が洗米槽の水に漬かった時から除水装置より排出されるまでの時間は、45秒(大半は除水工程での時間が占めている)であった。除水工程から出たての米は、水分15.9%になって居り、そのまま30日間室内に放置していても腐敗も発カビもなく、又10粒に1粒の割合でしか亀裂が入らず(元の精白米が約50粒に1粒の割合で亀裂の入った米であった)、又砕粒化もなく、(当初からの砕粒は除く)、元の整粒群のままであった。然もその洗い米を再洗米すると、その洗滌水は濁度76P.P.M以下であり、洗わずに水だけ入れて炊いたが、よく洗米されているので通常の米よりも糠臭もなく鮮度も落ちずおいしいご飯になった。
更に前記のように処理した洗い米をポリエチレン製の包装袋に入れ、横に寝かせた状態で上下両面から平板により軽く押圧力を加え、扁平に整形すると共に、袋内の余剰空気のほとんどを排出させた上で、密封した。これを手で持ち上げ、立てたり、斜めにしたりして揺り動かしたが、袋内での米粒の移動はほとんどなかった。また、これを加重及び配送試験したが、米粒の荒れは起こさなかった。
<実施例2>
上記洗米機の回転数を毎分1800回転となし、除水装置を高性能にした除水工程を構成し、25℃の水を注入し乍ら、水分13.8%の昭和60年和歌山県産日本晴の精白米を連続的に毎分10kgペースの速さで投入する。このような場合は精白米が洗米槽の水に漬かった時から、除水装置から排出されるまでの時間は約5秒であった。除水行程より出たての米は含水率14.5%になって居り、そのまま30日間、室内に放置していても、腐敗も発カビもなく、又亀裂の入った米粒は1粒もなく(当初からの亀裂米を除く)、勿論、砕粒にもならず(当初からの砕粒は除く)元の整粒群のままであった。その洗い米を再洗すると濁度76P.P.M以下であり、洗わずに水だけ入れて炊いても鮮度もよく通常よりややおいしいご飯になった。
<実施例3>
本発明の方法で得られた洗い米を炊いたときの食味を評価するためにサンプル1-4について24名のパネルに味覚テストを行った。サンプル米としては、昭和63年産、あきたこまちの精白米を用い、いずれも同一原料とした。また、炊飯条件はいずれも同じである。
サンプル1(対照品)は通常の方法で洗った後炊いた米であり、サンプル2(対照品)は熱アルコールで洗った後乾燥しアルコールを除いた洗い米を炊いたものである。
サンプル3(対照品)は通常の方法で洗米した後水切りし乾燥させた米を炊いたものであり、サンプル4(本発明品)は実施例2の方法で洗米、除水した洗い米を炊いたものである。
評価方法はサンプル1を基準にして、それより食味がよいか否かを各パネラーが評価する方法を用いた。評価基準点は下記の通りであるが、サンプル1は基準点0とした。
○サンプル1と同じである。……………………0
○ 〃 よりわずかにおいしい……………+1
○ 〃 より少しおいしい…………………+2
○ 〃 よりかなりおいしい………………+3
○ 〃 よりたいそうおいしい……………+4
○ 〃 よりもっともおいしい……………+5
○サンプル1よりわずかにまずい………………-1
○ 〃 より少しまずい……………………-2
○ 〃 よりかなりまずい…………………-3
○サンプル1よりたいそうまずい………………-4
○ 〃 よりもっともまずい………………-5
味覚テストの結果を表1に示す。
以上の結果から明らかなごとく、本発明の方法で得られた洗い米(サンプル4)は対照品(サンプル2、3)よりかなり美味であった。
また、同じ精白米であっても通常の方法で洗米したものよりも本発明の方法で洗米、除水したものの方が炊いたときに食味が上がる。
<効果>
本発明に係る洗い米の製造方法を採用することにより洗わなくても直ちに炊け、水で洗米してあっても米粒には亀裂が生じず、従って保管や運搬によっても砕粒が発生することなく、炊いた米飯の食味も優れているという極めて大なる効を奏し、且つ本発明の方法によれば洗い米は、低コストで生産することが出来るという効を有する。永年の願望であった消費者の洗米手間を省くことが出来、また短時間で炊飯することも可能となり、炊き上がった飯は糠粉をほとんど除去されているので、糠の臭みもなく、光沢があり美味であるという効を奏し、又、得られた洗い米は糠粉がほとんど除去されて腐敗菌の栄養源が断たれているので従来の米よりも鮮度が落ちず、保存性がよいという効を有し、更に、本発明では洗米工程が集中的、且つ工業的に一貫してできるので汚水処理も一括してでき汚水が河川を汚染することがないという河川汚染の公害防止に大きく寄与するという効を奏する。現在、全国の各消費者が行う洗米によって、米消費量の約4%に当たる糠粉量、即ち年間、全国で約40万トンの糠粉が洗滌水と共に河川に流出しているが、本発明の方法ではそのような糠粉のばらまきによる河川の汚染が防止出来るのである。

 
訂正の要旨 訂正の要旨
特許請求の範囲中の「ほぼ16%」を明りょうでない記載の釈明を目的として「16%」と訂正する。
これに伴い、特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載との整合を図るため、明りょうでない記載の釈明を目的として、特許明細書第3頁第18行目、同第3頁第22行目、同第4頁第6行目、同第4頁第29行目、同第7頁第25行目、同第8頁第4行目の「ほぼ16%」をいずれも「16%」と訂正し、特許明細書第3頁第14行目、同第7頁第1行目、同第7頁第21行目の「約16%」をいずれも「16%」と訂正する。
審理終結日 1998-11-16 
結審通知日 1998-11-24 
審決日 1998-12-19 
出願番号 特願平1-62648
審決分類 P 1 112・ 121- YA (B02B)
P 1 112・ 531- YA (B02B)
P 1 112・ 03- YA (B02B)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 植野 浩志  
特許庁審判長 酒井 雅英
特許庁審判官 郡山 順
大高 とし子
田中 久直
佐伯 裕子
登録日 1997-01-29 
登録番号 特許第2602090号(P2602090)
発明の名称 洗い米の製造方法  
代理人 魚住 高博  
代理人 小原 英一  
代理人 小原 英一  
代理人 塩野入 章夫  
代理人 池田 昭  
代理人 竹本 松司  
代理人 佐々木 弘  
代理人 柳野 隆生  
代理人 藤田 邦彦  
代理人 佐々木 弘  
代理人 柳野 隆生  
代理人 藤田 邦彦  
代理人 湯田 浩一  
代理人 杉山 秀雄  

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