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審決分類 審判 一部申し立て 2項進歩性  E04G
管理番号 1059434
異議申立番号 異議2000-72983  
総通号数 31 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1997-03-25 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-07-31 
確定日 2002-03-25 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3005605号「現場管理システム」の請求項1乃至4、及び7に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3005605号の請求項1乃至4、及び7に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第3005605号(以下、「本件」という。」)の請求項に係る発明は、平成8年3月4日に特許出願(優先日 平成7年7月10日)され、平成11年11月26日にその特許権の設定の登録がなされ、平成12年7月31日付け増成孔也(以下、「申立人」という。)より特許異議の申立てがなされ、平成13年3月8日付け取消理由が通知され、その指定期間である平成13年5月22日付け特許権者より訂正請求(後に、平成13年5月22日付け訂正請求は取下げられた。)とともに同日付け特許異議意見書が提出され、対して異議申立人より平成13年8月27日付け回答書(参考資料1,2添附)が提出され、平成13年12月13日に口頭審尋及び口頭審理がなされ(申立人不出頭、特許権者は口頭審理調書に記載のとおりを陳述。)、平成14年1月10日付け再度の取消理由が通知され、平成14年1月31日付け訂正請求(平成14年1月30日付けで、訂正するところの承諾書がシマズネットワークシステム株式会社から提出済み。)がなされたものである。
2.訂正の請求の可否について
(1)訂正の内容
ア.訂正事項A(特許請求の範囲)
a.請求項1の「建設現場、資材や機材のストック現場、製品の販売現場等の各地に点在して設けられた現場」(本件特許公報第1欄下から第14行〜第13行)を、「各地に点在して設けられた建設現場又は資材や機材のストック現場」と訂正する。
b.請求項1の「製品」(本件特許公報第1欄下から第13行)を、「機材」と訂正する。
c.請求項1の「現場状況」(本件特許公報第1欄下から第11行)を、「現場情報」と訂正する。
d.請求項1の「前記現場ユーザ端末からホスト・センタに転送される現場情報を、」(本件特許公報第1欄下から第5行〜第4行)を、「前記現場ユーザ端末には前記現場情報が人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積されるとともに、該現場情報が該現場ユーザ端末から前記ホスト・センタに自動的に転送され、該現場情報を」と訂正する。
e.請求項1の「現場状況」(本件特許公報第1欄第下から第3行)を、「現場情報」と訂正する。
f.請求項2の「施工状況」(本件特許公報第2欄下から第1行〜第3欄第1行)を、「施工情報」と訂正する。
g.請求項2の「前記現場ユーザ端末からホスト・センタに転送される、工事の進捗情報、材料の消費情報、工事機械のメンテナンス情報等の施工現場における作業情報を、」(本件特許公報第2欄下から第5行〜第3行)を、「前記現場ユーザ端末には、工事の進捗情報、材料の消費情報、工事機械のメンテナンス情報等の施工現場における作業情報が人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積されるとともに、該作業情報が該現場ユーザ端末から前記ホスト・センタに自動的に転送され、該作業情報を」と訂正する。
h.請求項2の「施工状況」(本件特許公報第2欄下から第1行〜第3欄第1行)を、「施工情報」と訂正する。
i.請求項4の「ファックスザーバ」(本件特許公報第3欄第8行〜第9行)を、「ファックスサーバ」と訂正する。
前記a乃至iに基づいて、特許請求の範囲の全体について、次のとおりに訂正するものである。
「【請求項1】
各地に点在して設けられた建設現場又は資材や機材のストック現場における、工事の進捗状況、資材や機材の調達状況、異常事態の発生状況等の各種の現場情報を管理するための現場管理システムであって、
各現場に設置された現場ユーザ端末と、
該現場ユーザ端末と通信網を介して接続されるホスト・センタと、
前記通信網を介して前記ホスト・センタと接続される、関連営業所に設置された関連ユーザ端末とからなり、
前記現場ユーザ端末には前記現場情報が人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積されるとともに、該現場情報が該現場ユーザ端末から前記ホスト・センタに自動的に転送され、該現場情報を、前記関連営業所に設置された関連ユーザ端末により入手して、現場のみならずこれらの関連営業所においても現場情報をリアルタイムで管理することを特徴とする現場管理システム。
【請求項2】
建設工事を行うために各地に点在して設けられた建設現場における、工事の進捗状況、資機材の調達状況、異常事態の発生状況等の各種の施工情報を管理するための建設現場の現場管理システムであって、
建設現場に設置された現場ユーザ端末と、
該現場ユーザ端末と通信網を介して接続されるホスト・センタと、
前記通信網を介して前記ホスト・センタと接続される、建設会社の本社、支社、請負業者、施工機械のメーカ、材料の供給業者等の関連営業所に設置された関連ユーザ端末とからなり、
前記現場ユーザ端末には、工事の進捗情報、材料の消費情報、工事機械のメンテナンス情報等の施工現場における作業情報が人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積されるとともに、該作業情報が該現場ユーザ端末から前記ホスト・センタに自動的に転送され、
該作業情報を関連営業所に設置された関連ユーザ端末により入手して、建設現場のみならずこれらの関連営業所においても建設現場の施工情報をリアルタイムで管理することを特徴とする建設現場の現場管理システム。
【請求項3】
前記現場ユーザ端末が、施工機械等を自動管理する現場施工管理システムと接続し、当該管理システムにより管理される施工状況を前記通信網を介してホスト・センタに転送することを特徴とする請求項2に記載の建設現場の現場管理システム。
【請求項4】
前記ホスト・センタが、ファックスサーバを備え、施工状況に応じて予め設定された指示書面を、建設現場及び関連営業所に設けられたファクシミリ装置に転送することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の建設現場の現場管理システム。
【請求項5】
各地に点在して設けられた火力発電所における、石炭灰の貯蔵状況や出荷状況、異常事態の発生状況等の各種の現場状況を管理するため石炭灰の現場管理システムであって、各火力発電所に設置された現場ユーザ端末と、該現場ユーザ端末と通信網を介して接続されるホスト・センタと、前記通信網を介して前記ホスト・センタと接続される、電力本社、支社、石炭灰搬入業者等の関連営業所に設置された関連ユーザ端末とからなり、前記現場ユーザ端末からホスト・センタに転送される、各サイロにおける石炭灰の残量情報や装置の稼働情報あるいはメンテナンス情報等の現場情報を、前記関連営業所に設置された関連ユーザ端末により入手して、各火力発電所のみならずこれらの関連営業所においても現場状況をリアルタイムで管理することを特徴とする石炭灰の現場管理システム。
【請求項6】
各地に点在して設けられた、製品を販売するための販売現場としての自動販売機における、在庫情報や売れ行き情報等の各種の現場状況を管理するため製品販売の現場管理システムであって、各自動販売機に設置された現場ユーザ端末と、該現場ユーザ端末と通信網を介して接続されるホスト・センタと、前記通信網を介して前記ホスト・センタと接続される、製品販売業者の本社、支社、あるいは配送センター等の関連営業所に設置された関連ユーザ端末とからなり、前記現場ユーザ端末からホスト・センタに転送される、各自動販売機における製品の残留情報や売れ筋情報あるいはメンテナンス情報等の現場情報を、前記関連営業所に設置された関連ユーザ端末により入手して、各自動販売機の設置箇所みならずこれらの関連営業所においても現場状況をリアルタイムで管理することを特徴とする製品販売の現場管理システム。
【請求項7】
前記通信網が、ビデオテックス通信網、公衆通信網、私設通信網、または衛星通信網により構成されることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の現場管理システム。」
イ.訂正事項B(発明の詳細な説明)
j.明細書の【0001】の「建設現場、資材や機材のストック現場、製品の販売現場等の各地に点在して設けられた現場における、工事の進捗状況、資材や製品の調達状況、異常事態の発生状況等の各種の現場状況」(本件特許公報第4欄第3行〜第6行)を、「各地に点在して設けられた建設現場又は資材や機材のストック現場における、工事の進捗状況、資材や機材の調達状況、異常事態の発生状況等の各種の現場情報」と訂正する。
k.明細書の段落【0011】の「現場状況」(本件特許公報第5欄第45行)を、「現場情報」と訂正する。
l.明細書の段落【0012】(本件特許公報第6欄第1行〜第16行)を次のように訂正する。
「【課題を解決するための手段】
この発明は、上記日的を達成するためになされたもので、その要旨は、各地に点在して設けられた建設現場又は資材や機材のストック現場における、工事の進捗状況、資材や機材の調達状況、異常事態の発生状況等の各種の現場情報を管理するための現場管理システムであって、各現場に設置された現場ユーザ端末と、該現場ユーザ端末と通信網を介して接続されるホスト・センタと、前記通信網を介して前記ホスト・センタと接続される、関連営業所に設置された関連ユーザ端末とからなり、前記現場ユーザ端末には前記現場情報が人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積されるとともに、該現場情報が該現場ユーザ端末から前記ホスト・センタに自動的に転送され、該現場情報を前記関連営業所に設置された関連ユーザ端末により入手して、現場のみならずこれらの関連営業所においても現場情報をリアルタイムで管理することを特徴とする現場管理システムにある。」
m.明細書の段落【0013】(本件特許公報第6欄第17行〜第33行)を次のように訂正する。
「また、この発明の他の要旨は、建設工事を行うために各地に点在して設けられた建設現場における、工事の進捗状況、資機材の調達状況、異常事態の発生状況等の各種の施工情報を管理するための建設現場の現場管理システムであって、建設現場に設置された現場ユーザ端末と、該現場ユーザ端末と通信網を介して接続されるホスト・センタと、前記通信網を介して前記ホスト・センタと接続される、建設会社の本社、支社、請負業者、施工機械のメーカ、材料の供給業者等の関連営業所に設置された関連ユーザ端末とからなり、前記現場ユーザ端末には、工事の進捗情報、材料の消費情報、工事機械のメンテナンス情報等の施工現場における作業情報が人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積されるとともに、該作業情報が該現場ユーザ端末から前記ホスト・センタに自動的に転送され、該作業情報を関連営業所に設置された関連ユーザ端末により入手して、建設現場のみならずこれらの関連営業所においても建設現場の施工情報をリアルタイムで管理することを特徴とする建設現場の現場管理システムにある。」
n.明細書の段落【0015】の第1行の「ファックスザーバ」(本件特許公報第6欄第39行〜第40行)を、「ファックスサーバ」と訂正する。
0.明細書の段落【0029】の「リアルタイムでネットワークセンター3に転送されるとともに、現場ユーザ端末15に逐次蓄積されることになる。」(本件特許公報第9欄第34行〜第36行)を、「リアルタイムで現場ユーザ端末15に逐次蓄積されるとともに、ネットワークセンター3に転送されることになる。」と訂正する。
(2).訂正の目的の適否、新規事項の有無、及び拡張・変更の存否
(2)-1 訂正事項A(特許請求の範囲)について
(2)-1-1 請求項1、2について
訂正事項aは、請求項1において発明を特定する事項である「建設現場、資材や機材のストック現場、製品の販売現場等の各地に点在して設けられた現場」(本件特許公報第1欄下から第14行〜第13行)を、「各地に点在して設けられた建設現場又は資材や機材のストック現場」と規定するものであるところ、当該訂正は、請求項1に記載された「建設現場、資材や機材のストック現場、製品の販売現場等の各地に点在して設けられた現場」の内「製品の販売現場等」を削除し、「各地に点在して設けられた現場」を、「建設現場又は資材や機材のストック現場」に具体化し、限定するものである。
してみると、この訂正は、特許法第120条の4第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、さらに実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
したがって、上記訂正事項aは特許法第120条の4第3項で準用する第126条第2項及び第3項の規定に適合するものである。
訂正事項bは、請求項1において発明を特定する事項である「製品」(本件特許公報第1欄下から第13行)を、「機材」と規定するものであるところ、当該訂正は、訂正事項aによって、請求項1において「製品の販売現場等」を削除し且つ「現場」を「建設現場又は資材や機材のストック現場」に具体化し、限定したことに伴い、請求項1に記載された「製品」を、「機材」と規定することによって、訂正事項aと整合させ、請求項1の全体を明りような記載とするものである。
してみると、この訂正は、特許法第120条の4第2項ただし書き第3号に規定する明りようでない記載の釈明を目的とするものであって、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、さらに実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
したがって、上記訂正事項bは特許法第120条の4第3項で準用する第126条第2項及び第3項の規定に適合するものである。
訂正事項c、e、f、及びhは、請求項1及び請求項2において、発明を特定する事項である「現場状況」(本件特許公報第1欄下から第11行及び下から第2行)、及び「施工状況」(本件特許公報第2欄第3行及び第2欄下から第1行〜第3欄第1行)を、「この発明は、(中略)工事の進捗状況、資材や製品の調達状況、異常事態の発生状況等の各種の現場状況を、(中略)現場情報としてリアルタイムで容易に入手することができ、これによって、これらの現場を効率良く管理することを可能にする現場管理システムを提供することを目的とするものである。」(本件特許公報第5欄第41行〜第50行)との記載に基づいて、「現場情報」、及び「施工情報」と規定することにより、「現場状況」と「現場情報」及び「施工状況」と「施工情報」とが混在することによって、不明りような記載に陥ることを避けるものである。
してみると、当該訂正は、特許法第120条の4第2項ただし書き第3号に規定する明りようでない記載の釈明を目的とするものであって、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、さらに実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
したがって、上記訂正事項c、e、f及びhは特許法第120条の4第3項で準用する第126条第2項及び第3項の規定に適合するものである。

訂正事項dは、請求項1において発明を特定する事項である「前記現場ユーザ端末からホスト・センタに転送される現場情報を、」(本件特許公報第1欄下から第5行〜第4行)を、「前記現場ユーザ端末には前記現場情報が人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積されるとともに、該現場情報が該現場ユーザ端末から前記ホスト・センタに自動的に転送され、該現場情報を」と規定するものであるところ、当該訂正は、明細書の段落【0027】乃至【0033】、及び【図1】によれば、「現場ユーザ端末13」という枠内に、「付帯プラント20」、「シールドマシン18」、「付帯設備19」(資機材管理装置等、本件特許公報第9欄第24行)が記載されており、「電話回線7,14、16」と「ビデオ専用線4」を介してネットワークセンター3とLAN12により相互に接続されて構成されていること、及び、明細書の段落【0029】の「この現場ユーザ端末15は(中略)種々の情報が、人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的にリアルタイムでネットワークセンター3に転送されるとともに、現場ユーザ端末15に逐次蓄積されることになる。」(本件特許公報第9欄第27行〜第36行)との記載に基づいて、「現場ユーザ端末には現場情報が人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積される」こと、とともに、「現場情報が現場ユーザ端末からホスト・センタに自動的に転送され」ることを具体的に規定するものである。
してみると、当該訂正は、特許法第120条の4第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、さらに実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
したがって、上記訂正事項dは特許法第120条の4第3項で準用する第126条第2項及び第3項の規定に適合するものである。
訂正事項gは、請求項2の「前記現場ユーザ端末からホスト・センタに転送される、工事の進捗情報、材料の消費情報、工事機械のメンテナンス情報等の施工現場における作業情報を、」を、「前記現場ユーザ端末には、工事の進捗情報、材料の消費情報、工事機械のメンテナンス情報等の施工現場における作業情報が人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積されるとともに、該作業情報が該現場ユーザ端末から前記ホスト・センタに自動的に転送され、該作業情報を」と規定するものであるところ、当該訂正は、明細書の段落【0027】乃至【0033】、及び【図1】によれば、「現場ユーザ端末13」という枠内に、「付帯プラント20」、「シールドマシン18」、「付帯設備19」(資機材管理装置等、本件特許公報第9欄第24行)が記載されており、「電話回線7,14、16」と「ビデオ専用線4」を介してネットワークセンター3とLAN12により相互に接続されて構成されていること、及び、明細書の段落【0029】の「現場ユーザ端末15は、(中略)施工を管理するための種々の情報が、人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的にリアルタイムでネットワークセンター3に転送されるとともに、現場ユーザ端末15に逐次蓄積されることになる。」との記載に基づいて、「現場ユーザ端末には、工事の進捗情報、材料の消費情報、工事機械のメンテナンス情報等の施工現場における作業情報が人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積される」こと、とともに、「作業情報が該現場ユーザ端末から前記ホスト・センタに自動的に転送され」ることを具体的に規定するものである。
してみると、訂正事項gは、特許法第120条の4第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものであって、願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、さらに実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
したがって、上記訂正事項gは特許法第120条の4第3項で準用する第126条第2項及び第3項の規定に適合するものである。
(2)ー1ー2 請求項3について
請求項3に係る発明は、請求項2に記載の発明を引用し、「前記現場ユーザ端末が、施工機械等を自動管理する現場施工管理システムと接続し、当該管理システムにより管理される施工状況を前記通信網を介してホスト・センタに転送すること」を付加したものであるところ、当該付加事項には訂正事項は存せず、且つ当該付加事項は、請求項2についてなされた前示の訂正事項f及びhが前示の特許法の規定に適合するとの前示の(2)-1-1において説示した判断を遮断ないし阻却するものではないから、請求項2の訂正された事項を含む請求項3の規定は、特許法第120条の4第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮を目的とするものに帰し、さらに、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではなく、同条第3項で準用する第126条第2項及び第3項の規定に適合するものである。
(2)-1-3 請求項4について
まず、訂正事項iは、請求項4の「ファックスザーバ」(本件特許公報第3欄第8行〜第9行)を、「ファックスサーバ」と規定するものであるところ、この訂正は、願書に最初に添付した明細書の「フアックスサーバ8」(特開平9-78831号公報の段落【0027】、第5頁第7欄第36行〜第37行)及び願書に最初に添付した図面の【図1】に 「8」で図示されるブロックの「FAXサーバ」との記載(同公報の第1図)に基づいて「ザ」の誤記を「サ」と規定するものであり、特許法第120条の4第2項ただし書き第2号に規定する誤記又は誤訳の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、さらに、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではなく、特許法第120条の4第3項で準用する第126条第2項及び第3項の規定に適合するものである。
次に、請求項4に係る発明は、請求項2又は請求項3に記載の発明を引用し、「前記ホスト・センタが、ファックスサーバを備え、施工状況に応じて予め設定された指示書面を、建設現場及び関連営業所に設けられたファクシミリ装置に転送すること」を付加したものであるところ、当該付加事項には訂正事項は存せず、且つ当該付加事項及び前示の訂正事項iは、請求項2についてなされた前示の訂正事項f及びhが前示の特許法の規定に適合するとの前示の(2)-1-1において説示した判断及び請求項3についてなされた前示の特許法の規定に適合するとの前示の(2)-1-2において説示した判断を遮断ないし阻却するものではない。
してみると、訂正された請求項2及びその訂正された請求項2を含む請求項3を引用する態様の請求項4の訂正は、特許法第120条の4第2項ただし書き第1号に規定する特許請求の範囲の減縮及び第2号に規定する誤記又は誤訳の訂正を目的とするものに帰し、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内及び願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、さらに、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではなく、特許法第120条の4第3項で準用する第126条第2項及び第3項の規定に適合するものである。
(2)-1-4 請求項5及び6について
請求項5及び6については、訂正は存しない。
(2)-1-5 請求項7について
請求項7に係る発明は、請求項1〜請求項6のいずれかに記載の発明を引用し、「前記通信網が、ビデオテックス通信網、公衆通信網、私設通信網、または衛星通信網により構成されること」を更に付加したものであるところ、当該付加事項には訂正事項は存せず、且つ当該付加事項は前示の訂正事項a乃至iが前示の特許法の規定に適合するとの前示の(2)-1-1乃至(2)-1-3において説示した判断を遮断ないし阻却するものではないから、請求項1、2、及び4の訂正された事項を含む請求項7の訂正は、特許法第120条の4第2項ただし書き第1号乃至第3号に規定する目的を充足し、且つ同条第3項で準用する第126条第2項及び第3項の規定に適合するものである。
(2)-2 訂正事項B(発明の詳細な説明)について
訂正事項jは、明細書の段落【0001】を、上記訂正事項aにより訂正しようとする特許請求の範囲の請求項1に整合させて、「建設現場、資材や機材のストック現場、製品の販売現場等の各地に点在して設けられた現場における、工事の進捗状況、資材や製品の調達状況、異常事態の発生状況等の各種の現場状況」(本件特許公報第4欄第3行〜第6行)を、「各地に点在して設けられた建設現場又は資材や機材のストック現場における、工事の進捗状況、資材や機材の調達状況、異常事態の発生状況等の各種の現場情報」と規定するものであるところ、当該訂正は、特許法第120条の4第2項ただし書き第3号に規定する明りようでない記載の釈明を日的とし、また願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、さらに実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではなく、特許法第120条の4第3項で準用する第126条第2項及び第3項の規定に適合するものである。
訂正事項kは、請求項1及び請求項2において、発明を特定する事項である「現場状況」、及び「施工状況」(本件特許公報第1欄下から第11行、第2欄下から第13行)を、「この発明は、(中略)工事の進捗状況、資材や製品の調達状況、異常事態の発生状況等の各種の現場状況を、(中略)現場情報としてリアルタイムで容易に入手することができ、これによって、これらの現場を効率良く管理することを可能にする現場管理システムを提供することを目的とするものである。」(本件特許公報第5欄第41行〜第50行)との記載に基づいて、「現場情報」、及び「施工情報」と規定することにより、「現場状況」と「現場情報」及び「施工状況」と「施工情報」とが混在することによって、不明りような記載に陥ることを避けるものである。
してみると、この訂正は、特許法第120条の4第2項ただし書き第3号に規定する明りようでない記載の釈明を目的とするものであって、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
したがって、上記訂正事項kは特許法第120条の4第3項で準用する第126条第2項及び第3項の規定に適合するものである。
訂正事項lは、上述した訂正事項a、b、c、d、及びeにより特許請求の範囲の請求項1を訂正したことに整合させて、明細書の段落【0012】を訂正するものであり、この訂正は、特許法第120条の4第2項ただし書き第3号に規定する明りようでない記載の釈明を目的とし、また願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、さらに実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではなく、特許法第120条の4第3項で準用する第126条第2項及び第3項の規定に適合するものである。
訂正事項mは、上述した訂正事項f、g、及びhにより請求項2を訂正したことに整合させて、明細書の段落【0013】を訂正するものであり、この訂正は、特許法第120条の4第2項ただし書き第3号に規定する明りようでない記載の釈明を目的とし、また願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、さらに実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではなく、特許法第120条の4第3項で準用する第126条第2項及び第3項の規定に適合するものである。
訂正事項nは、明細書の段落【0015】の「ファックスザーバ」(本件特許公報第6欄第39行〜第40行)を、「ファックスサーバ」と規定するものであるところ、この訂正は、願書に最初に添付した明細書の「フアックスサーバ8」(特開平9-78831号公報の段落【0027】、第5頁第7欄第36行〜第37行)及び願書に最初に添付した図面の【図1】に 「8」で図示されるブロックの「FAXサーバ」との記載(同公報の第1図)に基づいて「ザ」の誤記を「サ」と規定するものであり、特許法第120条の4第2項ただし書き第2号に規定する誤記又は誤訳の訂正を目的とするものであって、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、さらに、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではなく、特許法第120条の4第3項で準用する第126条第2項及び第3項の規定に適合するものである。
上記訂正事項oは、明細書の段落【0029】の「リアルタイムでネットワークセンター3に転送されるとともに、現場ユーザ端末15に逐次蓄積されることになる。」を、「リアルタイムで現場ユーザ端末15に逐次蓄積されるとともに、ネットワークセンター3に転送されることになる。」と訂正するものであるところ、請求項1において、上記訂正事項dのように「前記現場ユーザ端末には前記現場情報が人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積されるとともに、該現場情報が該現場ユーザ端末から前記ホスト・センタに自動的に転送され、該現場情報を」と規定し、且つ、請求項2において、上記訂正事項gのように「前記現場ユーザ端末には、工事の進捗情報、材料の消費情報、工事機械のメンテナンス情報等の施工現場における作業情報が人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積されるとともに、該作業情報が該現場ユーザ端末から前記ホスト・センタに自動的に転送され、該作業情報を」と規定したことに整合させてなされた訂正であるから、特許法第120条の4第2項ただし書き第3号に規定する明りようでない記載の釈明を目的とし、また願書に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の訂正であり、さらに実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではなく、特許法第120条の4第3項で準用する第126条第2項及び第3項の規定に適合するものである。
(3) むすび
以上のとおり、本件訂正事項は、特許法第120条の4第2項ただし書き第1号乃至第3号に該当する訂正であり、特許法第120条の4第3項で準用する特許法第126条第2項及び3項の規定に適合するものである。
3.特許異議申立てについて
(1) 異議申立ての理由の概要
申立人は、特許異議申立書及び平成13年8月27日付け回答書において、
イ.本件の請求項1乃至4及び7に係る発明は、その出願前に国内で頒布された刊行物に記載された発明(当審注:なお、特許異議申立書の第17頁第8行には「公然知られた発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものである」と記載しているが、同申立書全体の弁論の全趣旨に基づき前示のとおり「記載された発明」と読み替えた。)に基いて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当し、特許法第113条第2号の規定により取り消されるべきである旨(特許異議申立書)主張し、刊行物1乃至5を提出し、ロ.「明細書の記載によれば、「異常事態が生じた場合に対処できるの」は、自動的にリアルタイムで転送しているためではなく、異常信号を他の情報に優先して転送しているためである。」旨(回答書第3頁第6行〜第9行)、ハ.「メニュー選択一つで、ダイアリングから送受信完了まで自動的に実行される事」(刊行物1の第31頁)によって、刊行物1の発明が自動的に転送されることが窺い知ることができる旨(回答書第3頁第12行〜第15行)、及びニ.「現場情報をリアルタイムで管理すること」は、当業者に当然に行っていたことである旨(回答書第4頁)主張し、参考資料1,2を提出している。
(2)本件の請求項1、2、3、4及び7に係る発明
上記2.で説示したように上記訂正が認められるから、本件の請求項1、2、3、4及び7に係る発明は、上記訂正に係る訂正明細書の特許請求の範囲の当該請求項に記載された事項によって特定されるとおりのものである。(それぞれ上記2.(1)ア.訂正事項Aを参照。)
(3)特許異議申立人が提出した刊行物及び参考資料に記載された発明
(刊行物及び参考資料)
刊行物1 第1回・建築生産と管理技術・パネルディスカッション報文集、1990年主題 「施工管理の効率化」(写)、日本建築学会建築経済委員会、「情報化施工管理システムの開発と運用」(添野建一)第25頁〜第34頁、「施工管理と情報ネットワーク」(野呂幸一)第35頁〜第40頁。(甲第1号証)
刊行物2 「第17回 建設業情報システム研究会 講演予稿集」(写)、「ハンディターミナルによる仕上げチェックシステム」(添野建一)第95頁、「ハンディターミナルを利用したチェックシステムの開発」(添野建一)、第96頁〜第108頁。1989年2月7日発行、財団法人 日本生産性本部 情報事業部発行(甲第2号証)
刊行物3 「第5回 『建築生産と管理技術』シンポジウム 論文集」(写)第119頁〜第122頁、1979年7月、社団法人 日本建築学会建築経済委員会。(甲第3号証)
刊行物4 表紙に、「1992年度 土木情報システム 論文集 土木学会 土木情報システム委員会」と記載され、二葉目に、「第17回 土木情報システムシンポジウム講演集」と記載された刊行物(写)の「総合施工管理支援システムの開発」(中川良文ほか)第9頁〜第16頁。(甲第4号証)
刊行物5 「第10回 建設マネジメント問題に関する研究発表・討論会 講演集」(写)の「通信ネットワーク技術の建設業への適用に関する研究-現場マネジメント支援を中心として-」(伊藤耕一ほか)第293頁〜第306頁、1992年12月、土木学会 建設マネジメント委員会。(甲第5号証)
刊行物6 表紙に「1994年度大会(東海)学術講演梗概集 社団法人 日本建築学会」と記載され、第991頁に「8114自律分散型統合生産システムの構築(その1)全体構想と情報ネットワークの試行」(加藤辰彦ほか)、同頁右上欄外に、日本建築学会大会学術講演梗概集(東海)1994年9月と記載された刊行物(写)の第991頁〜第992頁。(参考資料1)
刊行物7 特開平5-282330号公報。(参考資料2)
(刊行物及び参考資料に記載された発明)
(3)ー1 刊行物1(甲第1号証)
刊行物1には、「情報化施工管理システムの開発と運用」(第25頁第1行)と題して、「膨大な施工管理情報」(同頁左欄第9行〜第10行)の「各種情報(図-1に記載されている周辺環境情報などの固有情報、技術情報などの一般情報、あるいは同頁右欄第10行の施工段階で発生する管理情報)の中から必要な情報を、必要な時に、必要な形式で、取り出せるような方式」(同頁右欄第5行〜第7行)に係る発明として、以下のa乃至lの事項が記載されている。
a.「((2)ハードの概要と題して)各現場に設置された建築G業務用のパソコン、設備G業務用のパソコン、事務G業務用のパソコン、IDカード就労管理システム、職長会室のパソコン及びプリンターがLANにより制御ステーンョン(IBM-5560)に結合されており、この制御ステーションがVANによりVANホストコンピュータ、大阪本店ホストコンピュータ、社内各部コンピュータ、社外各種データベース、鉄骨会社、カーテンウオール会社及び設備会社(これらの会社の点線枠内のパソコン)に接続された構成」(図一7(第30頁)、パソコンについては、図-4(第27頁))、
b.「(システム運用図として)現場からハンディターミナルで工事情報を入力するとともに、作業所施工管理所情報を入出力するパソコンがVANを介して、VANホスト、本社川上情報を管理するホストコンピュータ、協力会社で情報を管理するパソコンに接続された構成」(図一18)(第33頁)、
c.「VANの利用形態は、ファイル転送によるデータ蓄積交換方式が考えられる。ホストコンピュータに構築されたデータベース(PMDB・EDB・RDB・CDB)から施工管理業務にとって必要となるデータをVANを介して転送する。一方、協力会社で発生したデータもVANを介して転送すれば、作業所で新たにデータ入力をし直すという二度手間が起きずに、業務能率の向上が期待できる。さらにVANによれば、双方向の情報伝達が可能になる上、(中略)作業所からの一方通行的な情報伝達形態から、本支店、協力会社、社外関係機関を含めたマトリックス的な情報交換が可能になり、管理業務のレベルアップも期待できる。」(第27頁左欄下から第15行〜第1行)、
d.「(3)VANを介しての入力・利用者が通信を意識せずとも、メニュー選択一つで、ダイヤリングから送受信完了まで自動的に実行される事。」(第31頁第19行〜第22行)、
e.「建ち精度、レベル精度等の作業所で発生する品質データは、ハンディターミナルで収集する。さらに、生産段階における製品誤差データと作業所での建方段階において収集された建方誤差データをもとに、調整寸法と次節予想累積誤差等の計算を行い、協力会社への製作指示・確認を、各節ごとにVANを介して行う。」(第33頁の左欄第3行〜第8行)、
f.「日々の労務データを入力することにより、月間就労人員が出力され、更に部材データ及び工区毎の工程情報をリンクすることにより、出来高グラフ・歩掛り等が自動的に出力される。」(第33頁の左欄第10行〜第13行)、
g.「協力会社での製作工程及び作業所での建方工程それぞれについてSNを設定し、部材種類・節毎(製作工程)、また、節・工区毎(建方工程)の工程を管理する。さらに、VANを使用して、協力会社と製作・建方工程情報をやりとりする事により、製作者を含めたタイムリーかつ総合的な工程管理を行う。」(第33頁右欄第2行〜第7行)、
h.「VAN通信に関してはIBMのNMS-NETWORKを利用して、
以下の3つの情について協力会社とデータ通信を行うことにした。
i 建方休日、製作休日情報
ii 建方工程、製作工程情報
iii 建ち・レベル測定結果情報、製品誤差情報
上記機能を活用すれば、作業所サイドは、協力会社の製作状況、製品精度が瞬時に把握できるため、タイムリーかつ正確な製作指示が行え、協力会社サイドについても常に現場の進捗状況が把握出来るため、生産ラインの調整を最新の情報をもとに行うことができる。」(第28頁右欄第26行〜第36行)、
i.「(「ソフトの概要」として)鉄骨管理システムのフロー図」(図一6(第29頁))、
j.「建方進捗状況図」(図一13(第32頁))、
k.「建築生産業務処理のシステム化」として、「建築生産業務処理のシステム図」(図一20(第34頁))、及び
l. 「施工管理段階で、プロジェクト固有情報・一般情報を利用するためには、それらのデータが蓄積されているホストコンピュータとの情報伝達をVAN・公衆回線を通じて行う必要がある。」(第27頁左欄第6行〜第9行)が記載されている。
これらの記載及び前示の図面によれば、刊行物1には、本件の請求項に係る発明の構成に照応・対置させて刊行物に記載された発明の各構成を、符号イ乃至トを付記して分説すると、
イ.各現場(建築G、設備G、事務G、及び職長会室)又は作業所及び現場において(上記事項aと事項bより抽出、以下、「事項a」のように表記する。)、「IDカード就労管理システムがLANにより結合されている制御ステーションがVANによりVANホストコンピュータ、大阪本店ホストコンピュータ、社内各部コンピュータ、社外各種データベース、鉄骨会社、カーテンウオール会社及び設備会社のパソコンに接続された構成」(事項a)、及び「現場からハンディターミナルで工事情報を入力するとともに、作業所施工管理所情報を入出力するパソコンがVANを介して、VANホスト、本社川上情報を管理するホストコンピュータ、協力会社で情報を管理するパソコンに接続された構成」(事項b)、
ロ.「作業所で発生する品質データは、ハンディターミナルで収集され、生産段階における製品誤差データと作業所での建方段階において収集された建方誤差データをもとに調整寸法と次節予想累積誤差等の計算を行い、協力会社への製作指示・確認を、VANを介して行うシステム」(事項e)、及び「労務データ、月間就労人員、部材データ及び工区毎の工程情報、出来高グラフ・歩掛り等が自動的に出力されるシステム」(事項f)、及び「協力会社での製作工程及び作業所での建方工程について節・工区毎(建方工程)の工程を管理し、さらに、VANを使用して、協力会社と製作・建方工程情報をやりとりする事により、製作者を含めたタイムリーかつ総合的な工程管理を行うシステム」(事項g)、並びに「VAN通信に関して、協力会社と 居i建方休日、製作休日情報、ii建方工程、製作工程情報、iii建ち・レベル測定結果情報、製品誤差情報についてデータ通信を行うシステム」(事項h)、
ハ.「各現場(建築G、設備G、事務G、及び職長会室)」(事項a)又は「作業所に設置された業務用のパソコン」(事項b)、及び「これらのパソコンとLANで接続された制御ステーション」(事項a)、
ニ.「制御ステーションとVANで接続されたVANホストコンピュータと大阪本店ホストコンピュータ」(事項a)又は「作業所とVANで接続されたVANホストと本社ホストコンピュータ」(事項b)、
ホ.「鉄骨会社、カーテンウォ-ル会社、設備会社のパソコン」(事項a)、
ホ.”「ハンディターミナルで収集される作業所で発生する品質データ」(事項e)、及び「月間就労人員とリンクされた部材データ及び工区毎の工程情報によって自動的に出力される出来高グラフ・歩掛り等の情報」(事項f)、及び「協力会社での製作工程及び作業所での建方工程について節・工区毎(建方工程)の工程を管理し、さらに、VANを使用して、協力会社と製作・建方工程情報」(事項g)、並びに「VAN通信に関して、協力会社と i建方休日、製作休日情報、ii建方工程、製作工程情報、iii建ち・レベル測定結果情報、製品誤差情報についてデータ通信を行うことができるように各種の情報・データ」(事項h)が、「各現場に設置された建築G業務用のパソコン、設備G業務用のパソコン、事務G業務用のパソコン、IDカード就労管理システム、職長会室のプリンターとLANによって結合されている制御ステーションが、更にVANによりVANホストコンピュータ、大阪本店ホストコンピュータ、社内各部コンピュータ、社外各種データベース、鉄骨会社、カーテンウオール会社及び設備会社のパソコンに接続された構成」(事項a)によって、「ファイル転送によるデータ蓄積交換方式によって本支店、協力会社、社外関係機関を含めたマトリックス的な情報交換される構成」(事項c)、
ヘ.「VANの利用形態であるファイル転送によるデータ蓄積交換方式として、ホストコンピュータに構築されたデータベースから施工管理業務にとって必要となるデータをVANを介して転送し、一方、協力会社で発生したデータもVANを介して転送し、作業所で新たにデータ入力をし直すという二度手間が起きずに、さらに、双方向の情報伝達を可能にし、作業所からの一方通行的な情報伝達形態から、本支店、協力会社、社外関係機関を含めたマトリックス的な情報交換を行う構成」(事項c)、を備えた
ト.情報・施工管理システム(事項a、b、c、g、h)
(以下、「刊行物1の発明」という。)の発明が記載されている。
(3)ー2 刊行物2(甲第2号証)
刊行物2には、「ハンディターミナルを利用したチェックシステムの開発」(第96頁第1行)と題して、「現場からハンディターミナルで工事情報を入力するとともに、作業所工事管理情報を入出力するパソコンがVANを介して、VANホスト、本店川上情報を管理するホストコンピュータ、協力会社情報を管理するパソコンに接続された構成」(図一17(第107頁)、(3)ー1の刊行物1(甲第1号証)の図18参照)、「(「図-11 通信処理システムの概要」として)作業所でハンディターミナルにデータ入力を終了した後に、公衆回線を使用して、パソコンの設置してある部署へデータを送信し、システム処理した結果を作業所へ自動的にFAXへ出力するシステムである。」(第104頁第5行〜第7行と図一11)、及び「公衆回線・VANを使用し、データの蓄積をはかる。また通信端末装置もパソコンだけでなく、プッシュホン・FAX・ハンディターミナル・カードリーダ等を考慮する。」(第108頁第26行〜第28行)と記載されている。
これらの記載及び図面によれば、刊行物2には、
「現場からハンディターミナルで工事情報を入力するとともに、作業所工事管理情報を入出力するパソコンがVANを介して、VANホスト、本店川上情報を管理するホストコンピュータ、協力会社情報を管理するパソコンに接続された構成であって、作業所でハンディターミナルにデータ入力を終了した後に、公衆回線を使用して、パソコンの設置してある部署へデータを送信し、システム処理した結果を作業所へ自動的にFAXへ出力するシステムにおいて、公衆回線・VANを使用し、データの蓄積をはかり、通信端末装置としてパソコン、プッシュホン・FAX・ハンディターミナル・カードリーダ等を使用するシステム」(以下、「刊行物2の発明」という。)が記載されている。
(3)ー3 刊行物3(甲第3号証)
刊行物3には、「情報ネットワーク時代における施工管理考察」と題して、
「施工管理とは、情報管理そのものであるともいえよう。施工管理に必要な情報処理(情報の入手、蓄積、加工、伝達)は、対象範囲が広く、本支店の各部門をはじめ、発注者、設計者、下請等の取引先、監督官庁、近隣などの社内外に多くの相手がいる。内容も技術、事務の両分野にわたり多種多様であり、しかもタイミング良く、的確に処理することが求められている。もはや少数の施工管理者では、対処できない状況にあるといえよう。」(第121頁左欄第16行〜第25行)、及び「本支店は、個々の施工管理に対し、様々な情報支援が可能となり、本支店における施工管理体制の重要性が増すことになる。具体的には、本支店において施工管理に必要な技術情報や事務管理情報をデータベース化し、情報ネットワークを利用して現場の施工管理者に提供することが考えられる。また、情報ネットワークの利用は、遠近格差、時間格差を解消し、場所や時間からの制約を緩和する特性があるため、今まで不可能であった管理を可能とするばかりでなく、施工管理者の日常行動にも大きな影響を及ぼす。」(同頁右欄下から第9行〜第122頁左欄第2行)と記載されている。
これらの記載によれば、刊行物3には、「施工管理に必要な情報処理(情報の入手、蓄積、加工、伝達)は、本支店の各部門をはじめ、発注者、設計者、下請等の取引先、監督官庁、近隣などの社内外に多くの相手があり、タイミング良く、的確に処理するために、本支店において、施工管理に必要な技術情報や事務管理情報をデータベース化し、情報ネットワークを利用して現場の施工管理者に提供すること」(以下、「刊行物3の発明」という。)が記載されている。
(3)ー4 刊行物4(甲第4号証)
刊行物4には、「統合施工管理支援システムの開発」(第9頁第1行)と題して、「作業指示等の情報をリアルタイムに施工現場にフィードバックさせる必要もある。すなわち、事務所のみならず施工現場とも何等かの方法で情報をやりとりするためのネットワークを構築する必要がある。」(第15頁左欄下から第2行〜右欄4行)、「入力方法もマウスを使って選択する、あるいは手書き文字認識機能を有するペン入力タイプのコンピュータ(タブレット)から(中略)入力する」(第15頁右欄第26行〜第29行)、及び「(5)重機管理システムとして)労務管理と同様に、重機に関する稼動実績データ(作業内容=アクティビティ、作業数量)を計測・収集し、実績作業数量情報あるいは施工歩掛かり情報として統括施工管理データベースに格納する。また、稼動実績情報の収集にあたっては従来の方法(トラックスケールやトランスポンダ利用)だけでは、利用可能な有効データの収集が困難であった。そこで今回のシステム化にあたっては、GPS(汎地球測位システム)を利用することで、以下のような機能を具備したシステムを構築中である。・車両位置のリアルタイムな把握機能・積載重量の把握機能・作業量および作業効率の算定」(第14頁右欄第18行〜第31行)と記載されている。
これらの記載によれば、刊行物4には、「作業指示等の情報をリアルタイムに施工現場と情報をやりとりするためのネットワークを構築するために、入力方法として、マウス、ペン入力タイプのコンピュータ(タブレット)を用い、重機に関する稼動実績データ(作業内容=アクティビティ、作業数量)を計測収集し、実績作業数量情報あるいは施工歩掛かり情報として統括施工管理データベースに格納し、この収集に当たってGPS(汎地球測位システム)を利用することで、車両位置のリアルタイムな把握機能・積載重量の把握機能・作業量および作業効率の算定できるシステム。」(以下、「刊行物4の発明」という。)が記載されている。
(3)ー5 刊行物5(甲第5号証)
刊行物5には、「建設マネジメント問題に関する研究発表・討論会 講演集」における「通信メットワーク技術の建設業への適用に関する研究」(第293頁)と題して、「((2)情報伝送路の技術動向の調査)(中略)電送網の構築(中略)ISDN、衛星通信、無線通信(移動体通信)」(第301頁左欄第28行〜第303頁左欄第9行、及び第302頁の表6)について記載されている。
これらの記載によれば、刊行物5には、「情報伝送路として、ISDN、衛星通信、無線通信(移動体通信)の電送網を構築したシステム。」(以下、「刊行物5の発明」という。)が記載されている。
(3)ー6 刊行物6(参考資料1)
刊行物6には、「自律分散型統合生産システムの構築(その1)全体構想と情報ネットワークの試行」(第991頁)と題して、「作業所は、(中略)総合図から得た数量等の必要情報を、自律分散している外部の協力会社やメーカーのネットワークに乗せることにより、リアルタイムで、人や資材の手配をすることができ、作業所にはジャスト・イン・タイムで人や資材が供給せ(当審注;「せ」は「さ」の誤記。)れることになる。」(第991頁右欄下から第12行〜第1行)と記載されており、こ記載によれば、刊行物6には、「総合図から得た数量等の必要情報を、外部の協力会社やメーカーのネットワークに乗せることにより、リアルタイムで、人や資材の手配をすることができ、ジャスト・イン・タイムで人や資材が作業所に供給されることになるシステム」(以下、「刊行物6の発明」という。)が記載されている。
(3)ー7 刊行物7(参考資料2)
刊行物7には、「ディーラーの各部門20〜50、及び工務店60から入力されて逐次変化するデータは、全てホストコンピューターたる建設部門のコンピュータ21に入力されて集中処理された後、当該コンピュータ21のディスプレイ21aにてリアルタイムで表示されると共に、他の部門/工務店のコンピュータ31〜61に分配されて当該ディスプレイ31a〜61aにて、各部門/工務店にみあった態様にて、リアルタイムにて表示され得るようになっている。」(第3頁段落【0011】同頁右欄第23行〜第31行)、及び「本発明は(中略)建築工程の進捗状況に関するデータ処理を、迅速にリアルタイムにて、且つ正確に行うことができ、その情報管理操作を簡略化した建築工程進捗管理システムを提供することをその目的とする。」(第1頁段落【0005】同頁第28行〜第33行)と記載されており、これらの記載によれば、刊行物7には、「ディーラーの各部門20〜50、及び工務店60から入力されて逐次変化するデータを、全てホストコンピューターたる建設部門のコンピュータ21に入力されて集中処理された後、当該コンピュータ21のディスプレイ21aにてリアルタイムで表示し、それと共に、他の部門/工務店のコンピュータ31〜61に分配されて当該ディスプレイ31a〜61aにて、各部門/工務店にみあった態様にて、リアルタイムにて表示され得る建築工程進捗管理システム」(以下、「刊行物7の発明」という。)が記載されている。
(4)対比及び判断
(4)ー1 請求項1に係る発明について
本件の請求項1に係る発明と刊行物1の発明を対比すると、刊行物1の発明のイ.における「各現場(建築G、設備G、事務G、及び職長会室)又は作業所及び現場において」は、本件の請求項1に係る発明の「各地に点在して設けられた建設現場又は資材や機材のストック現場における、」における「各地に点在して設けられた建設現場」に対応し、
刊行物1の発明のロ.の「作業所で発生する品質データは、ハンディターミナルで収集され、生産段階における製品誤差データと作業所での建方段階において収集された建方誤差データをもとに調整寸法と次節予想累積誤差等の計算を行い、協力会社への製作指示・確認を、VANを介して行うシステム」、及び「労務データ、月間就労人員、部材データ及び工区毎の工程情報、出来高グラフ・歩掛り等が自動的に出力されるシステム」、及び「協力会社での製作工程及び作業所での建方工程について節・工区毎(建方工程)の工程を管理し、さらに、VANを使用して、協力会社と製作・建方工程情報をやりとりする事により、製作者を含めたタイムリーかつ総合的な工程管理を行うシステム」、並びに「VAN通信に関して、協力会社とi建方休日、製作休日情報、ii建方工程、製作工程情報、iii建ち・レベル測定結果情報、製品誤差情報についてデータ通信を行うシステム」は、まさしく各種の現場の情報を管理するためのシステムであるから、本件の請求項1に係る発明の「工事の進捗状況、資材や機材の調達状況、異常事態の発生状況等の各種の現場情報を管理するための現場管理システムであって」における「工事の進捗状況、資材や機材の調達状況の現場情報を管理するための現場管理システムであって」に対応し、
刊行物1の発明のハ.の「各現場(建築G、設備G、事務G、及び職長会室)」又は「作業所に設置された業務用のパソコン」、及び「これらのパソコンとLANで接続された制御ステーション」は、本件の請求項1に係る発明の「各現場に配置された現場ユーザ端末と」に対応し、
刊行物1の発明のニ.の「制御ステーションとVANで接続されたVANホストコンピュータと大阪本店ホストコンピュータ」又は「作業所とVANで接続されたVANホストと本社ホストコンピュータ」は、本件の請求項1に係る発明の「該現場ユーザ端末と通信網を介して接続されるホスト・センタと、」に対応し、
刊行物1の発明のホ.の「鉄骨会社、カーテンウォ-ル会社、設備会社のパソコン」は、本件の請求項1に係る発明の「前記通信網を介して前記ホスト・センタと接続される、関連営業所に設置された関連ユーザ端末とからなり、」に対応し、
刊行物1の発明のホ.”の『「ハンディターミナルで収集される作業所で発生する品質データ」、及び「月間就労人員とリンクされた部材データ及び工区毎の工程情報によって自動的に出力される出来高グラフ・歩掛り等の情報」、及び「協力会社での製作工程及び作業所での建方工程について節・工区毎(建方工程)の工程を管理し、さらに、VANを使用して、協力会社と製作・建方工程情報」、並びに「VAN通信に関して、協力会社とi建方休日、製作休日情報、ii建方工程、製作工程情報、iii建ち・レベル測定結果情報、製品誤差情報についてデータ通信を行うことができるように各種の情報・データ」が、「各現場に設置された建築G業務用のパソコン、設備G業務用のパソコン、事務G業務用のパソコン、IDカード就労管理システム、職長会室のプリンターとLANによって結合されている制御ステーションが、更にVANによりVANホストコンピュータ、大阪本店ホストコンピュータ、社内各部コンピュータ、社外各種データベース、鉄骨会社、カーテンウオール会社及び設備会社のパソコンに接続された構成」によって、「ファイル転送によるデータ蓄積交換方式によって本支店、協力会社、社外関係機関を含めたマトリックス的な情報交換される構成」』は、本件の請求項1に係る発明の「前記現場ユーザ端末には前記現場情報が人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積されるとともに、該現場情報が該現場ユーザ端末から前記ホスト・センタに自動的に転送され、該現場情報を、前記関連営業所に設置された関連ユーザ端末により入手して、現場のみならずこれらの関連営業所においても現場情報をリアルタイムで管理すること」における「該現場情報が該現場ユーザ端末から前記ホスト・センタに転送され、該現場情報を、前記関連営業所に設置された関連ユーザ端末により入手して、現場のみならずこれらの関連営業所においても現場情報を管理すること」の構成に対応する。
また、刊行物1の発明のヘ.における「双方向の情報伝達を可能にし、作業所からの一方通行的な情報伝達形態から、本支店、協力会社、社外関係機関を含めたマトリックス的な情報交換を行う構成」、を備えた刊行物1の発明のト.の「情報・施工管理システム」は、本件の請求項1に係る発明の「現場管理システム。」に対応する。
そうすると、双方の発明は、
「各地に点在して設けられた建設現場における、工事の進捗状況、資材や機材の調達状況等の各種の現場情報を管理するための現場管理システムであって、
各現場に設置された現場ユーザ端末と、
該現場ユーザ端末と通信網を介して接続されるホスト・センタと、
前記通信網を介して前記ホスト・センタと接続される、関連営業所に設置された関連ユーザ端末とからなり、
前記現場ユーザ端末には前記現場情報が蓄積され、該現場情報が該現場ユーザ端末から前記ホスト・センタに転送され、該現場情報を、前記関連営業所に設置された関連ユーザ端末により入手して、現場のみならずこれらの関連営業所においても現場情報を管理する現場管理システム。」
である点で一致し、次の点で相違する。

第1に、現場について、本件の請求項1に係る発明が、「資材や機材のストック現場」と規定しているものであるのに対し、刊行物1の発明が、そのように規定しているものではない点で相違する。
第2に、各種の現場情報について、本件の請求項1に係る発明が、「異常事態の発生状況」と規定しているものであるのに対し、刊行物1の発明が、そのように規定しているものではない点で相違する。
第3に、現場情報の管理の態様において、本件の請求項1に係る発明が、「前記現場ユーザ端末には前記現場情報が、人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積されるとともに、該現場情報が該現場ユーザ端末から前記ホストセンターに自動的に転送され、該現場情報を、前記関連営業所に設置された関連ユーザ端末により入手して、現場のみならずこれらの関連営業所においても現場情報をリアルタイムで管理する」ものであるのに対して、刊行物1の発明が、前示のホ.”の構成を備えているものであるが、まず、現場ユーザ端末に蓄積される現場情報について、刊行物1の発明は、「ハンディターミナルで収集される」態様で蓄積され、「ハンディターミナル」によって収集される情報は、本件の請求項1に係る発明のように、「人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積される現場情報」ではなく(要すれば、「コンピュータ用語の意味がわかる辞典」(株式会社日本実業出版社、1986年4月30日第1刷発行)の第321頁の「携帯用の端末装置。(中略)用途は(中略)データエントリー(入力)用で、データを内部メモリーやメモリーカードに蓄積できる」参照。)、また、蓄積・転送される現場情報の扱いについて、刊行物1の発明は、本件の請求項1の発明のように、「人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積された現場情報を、該現場ユーザ端末から前記ホストセンターに自動的に転送され」る態様をもって「リアルタイム」で管理するものであるとは認められないから、刊行物1の発明が、「人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積された現場情報を、該現場ユーザ端末から前記ホストセンターに自動的に転送され」る態様をもって「リアルタイム」で管理するものであると規定されているものではない点で相違する。
これらの相違点について検討すると、第1の相違点については、各種現場において施工のために資材や機材を在庫させる場所を設けることは、まったく当然のことであるから、「建設現場」以外にストック現場を規定することについては、当業者が想到することに困難性は認められない。
第2の相違点については、各種現場において、異常事態が発生した場合に備え、非常時の情報を速報し連絡をとる体制を採ることは、通常行われていることであって、各種の現場情報の中で、「異常事態の発生状況」に関する情報を選択し、規定すること自体(但し、当該「異常事態の発生状況に関する情報」が、前記現場ユーザ端末に、人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積されるとともに、該「異常事態の発生状況に関する情報」が該現場ユーザ端末から前記ホストセンターに自動的に転送されるという態様における情報として把握されることについては格別)については、当業者が想到することに困難性は認められない。
第3の相違点について検討すると、
刊行物2の発明は、「現場からハンディターミナルで工事情報を入力するとともに、作業所工事管理情報を入出力するパソコンがVANを介して、VANホスト、本店川上情報を管理するホストコンピュータ、協力会社情報を管理するパソコンに接続された構成であって、作業所でハンディターミナルにデータ入力を終了した後に、公衆回線を使用して、パソコンの設置してある部署へデータを送信し、システム処理した結果を作業所へ自動的にFAXへ出力するシステムにおいて、公衆回線・VANを使用し、データの蓄積をはかり、通信端末装置としてパソコン、プッシュホン・FAX・ハンディターミナル・カードリーダ等を使用するシステム」の構成を備えていて、「現場からハンディターミナルで工事情報を入力する」ものであって、「人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積される現場情報」を「リアルタイムで管理する」ものではないから、刊行物2の発明に基づいて第3の相違点を想到するに至る起因を見い出すことはできない。
次に、刊行物3の発明は、「本支店において、施工管理に必要な技術情報や事務管理情報をデータベース化し、情報ネットワークを利用して現場の施工管理者に提供すること」の構成を備えているに過ぎず、「人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積される現場情報」を欠載したものであるから、刊行物3の発明に基づいて第3の相違点を想到するに至る事項は存しない。
次に、刊行物4の発明は、「作業指示等の情報をリアルタイムに施工現場と情報をやりとりするためのネットワークを構築するために、入力方法として、マウス、ペン入力タイプのコンピュータ(タブレット)を用い、重機に関する稼動実績データ(作業内容=アクティビティ、作業数量)を計測収集し(この収集に当たって、GPS(汎地球測位システム)を利用することで、車両位置のリアルタイムな把握機能・積載重量の把握機能・作業量および作業効率の算定できるシステムの構成を備えている。)、実績作業数量情報あるいは施工歩掛かり情報として統括施工管理データベースに格納した後に当該データを用いるもの」であって、リアルタイムで扱う情報が、本件の請求項1に係る発明のように「人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に現場情報を蓄積するとともに、当該情報をリアルタイムで管理する」ものではないから、刊行物4の発明に基づいて第3の相違点を想到するに至る起因を見出すことはできない。
更に、刊行物5の発明は、電送網の構成を備えているに過ぎず、本件の請求項1に係る発明のように「人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に現場情報を蓄積するとともに、当該情報をリアルタイムで管理する」ものについて開示するものではなく、刊行物5の発明に基づいて第3の相違点を想到するに至る事項は存しない。
なお、刊行物6(参考資料1)の発明は、必要情報をネットワークによって供給する構成を備えているに過ぎず、同様に、刊行物7(参考資料2)の発明は、リアルタイムで表示される建築工程進捗管理システムの構成を備えているに過ぎず、いずれも、管理される情報が、本件の請求項1に係る発明のように「人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に現場情報を蓄積するとともに、当該情報をリアルタイムで管理する」ものについて開示するものではないから、刊行物6の発明,及び刊行物7の発明に基づいて第3の相違点を想到するに至る起因を見出すことはできない。
そして、本件の請求項1に係る発明は、段落【0064】及び【0065】に記載された「この発明の現場管理システムによれば、通信網を介してホスト・センタと接続されることにより、当該現場のみならず、本社、支社、材料の供給業者、搬送業者等の関連営業所においても、現場の状況に関する情報(当審補注:「人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積された情報」)をリアルタイムで逐次容易に入手することができるので、かかる最新の情報に基づき、各関連営業所に蓄積された専門知識を活用しつつ、最適の方法や使用材料、製品等を選択しながら効率良く現場を管理して行くことができる。また、通信網として電話回線等のビデオテックス通信網を使用すれば、全国ネットで網羅された既設の通信網を利用しつつ経済的かつ容易にこの発明の現場管理システムを構成することができる。」という、刊行物1乃至7の発明が奏し得ない効果を奏するものである。
以上のとおりであるから、本件の請求項1に係る発明は、その出願前に当業者が、その出願前に国内において頒布された刊行物に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものではない。
(4)ー2 請求項2に係る発明について
本件の請求項2に係る発明と刊行物1の発明を対比すると、刊行物1の発明のイ.における「各現場(建築G、設備G、事務G、及び職長会室)又は作業所及び現場において」は、本件の請求項2に係る発明の「建設工事を行うために各地に点在して設けられた建設現場におけるにおける」に対応し、
刊行物1の発明のロ.の「作業所で発生する品質データは、ハンディターミナルで収集され、生産段階における製品誤差データと作業所での建方段階において収集された建方誤差データをもとに調整寸法と次節予想累積誤差等の計算を行い、協力会社への製作指示・確認を、VANを介して行うシステム」、及び「労務データ、月間就労人員、部材データ及び工区毎の工程情報、出来高グラフ・歩掛り等が自動的に出力されるシステム」、及び「協力会社での製作工程及び作業所での建方工程について節・工区毎(建方工程)の工程を管理し、さらに、VANを使用して、協力会社と製作・建方工程情報をやりとりする事により、製作者を含めたタイムリーかつ総合的な工程管理を行うシステム」、並びに「VAN通信に関して、協力会社とi建方休日、製作休日情報、ii建方工程、製作工程情報、iii建ち・レベル測定結果情報、製品誤差情報についてデータ通信を行うシステム」は、まさしく各種の現場の情報を管理するためのシステムである上、刊行物1の発明の「部材データ」、「工程情報」は、本件の請求項2に係る発明の「資機材の調達状況」、「施工情報」に相当するから、本件の請求項2に係る発明の「工事の進捗状況、資機材の調達状況、異常事態の発生状況等の各種の施工情報を管理するための建設現場の現場管理システムであって」に対応し、
刊行物1の発明のハ.の「各現場(建築G、設備G、事務G、及び職長会室)」又は「作業所に設置された業務用のパソコン」、及び「これらのパソコンとLANで接続された制御ステーション」は、本件の請求項2に係る発明の「建設現場に配置された現場ユーザ端末と」に対応し、
刊行物1の発明のニ.の「制御ステーションとVANで接続されたVANホストコンピュータと大阪本店ホストコンピュータ」又は「作業所とVANで接続されたVANホストと本社ホストコンピュータ」は、本件の請求項2に係る発明の「該現場ユーザ端末と通信網を介して接続されるホスト・センタと、」に対応し、
刊行物1の発明のホ.の「鉄骨会社、カーテンウォ-ル会社、設備会社のパソコン」は、本件の請求項2に係る発明の「前記通信網を介して前記ホスト・センタと接続される、建設会社の本社、支社、請負業者、施工機械のメーカ、材料の供給業者等の関連営業所に設置された関連ユーザ端末とからなり、」に対応し、
刊行物1の発明のホ.”の『「ハンディターミナルで収集される作業所で発生する品質データ」、及び「月間就労人員とリンクされた部材データ及び工区毎の工程情報によって自動的に出力される出来高グラフ・歩掛り等の情報」、及び「協力会社での製作工程及び作業所での建方工程について節・工区毎(建方工程)の工程を管理し、さらに、VANを使用して、協力会社と製作・建方工程情報」、並びに「VAN通信に関して、協力会社とi建方休日、製作休日情報、ii建方工程、製作工程情報、iii建ち・レベル測定結果情報、製品誤差情報についてデータ通信を行うことができるように各種の情報・データ」が、「各現場に設置された建築G業務用のパソコン、設備G業務用のパソコン、事務G業務用のパソコン、IDカード就労管理システム、職長会室のプリンターとLANによって結合されている制御ステーションが、更にVANによりVANホストコンピュータ、大阪本店ホストコンピュータ、社内各部コンピュータ、社外各種データベース、鉄骨会社、カーテンウオール会社及び設備会社のパソコンに接続された構成」によって、「ファイル転送によるデータ蓄積交換方式によって本支店、協力会社、社外関係機関を含めたマトリックス的な情報交換される構成」』は、当該ホ.”における「建方工程情報、製作工程情報」、「部材データ」が、それぞれ順に、本件の請求項2の発明の「工事の進捗情報」、「材料の消費情報」を包含するから、本件の請求項2に係る発明の「前記現場ユーザ端末には、工事の進捗情報、材料の消費情報、工事機械のメンテナンス情報等の施工現場における作業情報が人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積されるとともに、該作業情報が該現場ユーザ端末から前記ホスト・センタに自動的に転送され、該作業情報を前記関連営業所に設置された関連ユーザ端末により入手して、建設現場のみならずこれらの関連営業所においても建設現場の施工情報をリアルタイムで管理すること」における「前記現場ユーザ端末には、工事の進捗情報、材料の消費情報等の施工現場における作業情報が蓄積されるとともに、該作業情報が該現場ユーザ端末から前記ホスト・センタに転送され、該作業情報を前記関連営業所に設置された関連ユーザ端末により入手して、建設現場のみならずこれらの関連営業所においても建設現場の施工情報を管理すること」の構成に対応する。
また、刊行物1の発明のヘ.における「双方向の情報伝達を可能にし、作業所からの一方通行的な情報伝達形態から、本支店、協力会社、社外関係機関を含めたマトリックス的な情報交換を行う構成」、を備えた刊行物1の発明のト.の「情報・施工管理システム」は、本件の請求項2に係る発明の「建設現場の現場管理システム。」に対応する。
そうすると、双方の発明は、
「建設工事を行うために各地に点在して設けられた建設現場におけるにおける、工事の進捗状況、資機材の調達状況、異常事態の発生状況等の各種の施工情報を管理するための建設現場の現場管理システムであって、
建設現場に配置された現場ユーザ端末と、
該現場ユーザ端末と通信網を介して接続されるホスト・センタと、
前記通信網を介して前記ホスト・センタと接続される、建設会社の本社、支社、請負業者、施工機械のメーカ、材料の供給業者等の関連営業所に設置された関連ユーザ端末とからなり、
前記現場ユーザ端末には、工事の進捗情報、材料の消費情報等の施工現場における作業情報が蓄積されるとともに、該作業情報が該現場ユーザ端末から前記ホスト・センタに転送され、該作業情報を前記関連営業所に設置された関連ユーザ端末により入手して、建設現場のみならずこれらの関連営業所においても建設現場の施工情報を管理する建設現場の現場管理システム。」
である点で一致し、次の点で相違する。
第1に、現場及び情報について、本件の請求項2に係る発明が、「工事機械のメンテナンス情報等の施工現場における作業情報」ないし「建設現場の施工情報」と規定しているものであるのに対し、刊行物1の発明が、そのように規定しているものではない点で相違する。
第2に、各種の施工情報について、本件の請求項2に係る発明が、「異常事態の発生状況」と規定しているものであるのに対し、刊行物1の発明が、そのように規定しているものではない点で相違する。
第3に、情報の管理の態様において、本件の請求項2に係る発明が、「前記現場ユーザ端末には、工事の進捗情報、材料の消費情報、工事機械のメンテナンス情報等の施工現場における作業情報が人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積されるとともに、該作業情報が該現場ユーザ端末から前記ホスト・センタに自動的に転送され、該作業情報を前記関連営業所に設置された関連ユーザ端末により入手して、建設現場のみならずこれらの関連営業所においても建設現場の施工情報をリアルタイムで管理する」ものであるのに対して、刊行物1の発明が、前示の刊行物1の発明のホ.”の構成を備えているものであるが、まず、現場ユーザ端末に蓄積される現場情報について、刊行物1の発明は、「ハンディターミナルで収集される」態様で蓄積され、「ハンディターミナル」によって収集される情報は、本件の請求項2に係る発明のように、「人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積される現場情報」ではなく(要すれば、「コンピュータ用語の意味がわかる辞典」(株式会社日本実業出版社、1986年4月30日第1刷発行)の第321頁の「携帯用の端末装置。(中略)用途は(中略)データエントリー(入力)用で、データを内部メモリーやメモリーカードに蓄積できる」参照。)、また、蓄積・転送される現場情報の扱いについて、刊行物1の発明は、本件の請求項2の発明のように、「人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積された作業情報を、該現場ユーザ端末から前記ホストセンターに自動的に転送され」る態様をもって「リアルタイム」で管理するものであるとは認められないから、刊行物1の発明が、「人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積された作業情報を、該現場ユーザ端末から前記ホストセンターに自動的に転送され」る態様をもって「リアルタイム」で管理するものであると規定しているものではない点で相違する。
これらの相違点について検討すると、第1の相違点については、施工現場において使用される機器がメンテナンスされること(例えば、日検、週検、月検のスケヂュールで、注油、温度、異常音、等々の予防保全としてのメンテナンスなど)は、まったく自明のことである上、刊行物1の発明についてこれをみると、第28頁右欄下から第6行〜第5行の「生産ラインの調整」という事項は生産ラインを形成している諸種の機器についてメンテナンスを行っていることを示唆しているから、「工事機械のメンテナンス情報」を規定すること自体(但し、当該「工事機械のメンテナンス情報」が、前記現場ユーザ端末に、人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積されるとともに、該「工事機械のメンテナンス情報」が該現場ユーザ端末から前記ホストセンターに自動的に転送されるという態様における情報として把握されることについては格別)については、当業者が想到することに困難性は認められない。
第2の相違点については、各種現場において、異常事態が発生した場合に備え、非常時の情報を速報し連絡をとる体制を採ることは、通常行われていることであって、各種の現場情報の中で、「異常事態の発生状況」に関する情報を選択し、規定すること自体(但し、当該「異常事態の発生状況に関する情報」が、前記現場ユーザ端末に、人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積されるとともに、該「異常事態の発生状況に関する情報」が該現場ユーザ端末から前記ホストセンターに自動的に転送されるという態様における情報として把握されることについては格別)については、当業者が想到することに困難性は認められない。
第3の相違点について検討すると、
刊行物2の発明は、「現場からハンディターミナルで工事情報を入力するとともに、作業所工事管理情報を入出力するパソコンがVANを介して、VANホスト、本店川上情報を管理するホストコンピュータ、協力会社情報を管理するパソコンに接続された構成であって、作業所でハンディターミナルにデータ入力を終了した後に、公衆回線を使用して、パソコンの設置してある部署へデータを送信し、システム処理した結果を作業所へ自動的にFAXへ出力するシステムにおいて、公衆回線・VANを使用し、データの蓄積をはかり、通信端末装置としてパソコン、プッシュホン・FAX・ハンディターミナル・カードリーダ等を使用するシステム」の構成を備えていて、「現場からハンディターミナルで工事情報を入力する」ものであって、「人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積される現場情報」を「リアルタイムで管理する」ものではないから、刊行物2の発明に基づいて第3の相違点を想到するに至る起因を見い出すことはできない。
次に、刊行物3の発明は、「本支店において、施工管理に必要な技術情報や事務管理情報をデータベース化し、情報ネットワークを利用して現場の施工管理者に提供すること」の構成を備えているに過ぎず、「人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積される現場情報」を欠載したものであるから、刊行物3の発明に基づいて第3の相違点を想到するに至る事項は存しない。
次に、刊行物4の発明は、「作業指示等の情報をリアルタイムに施工現場と情報をやりとりするためのネットワークを構築するために、入力方法として、マウス、ペン入力タイプのコンピュータ(タブレット)を用い、重機に関する稼動実績データ(作業内容=アクティビティ、作業数量)を計測収集し(この収集に当たって、GPS(汎地球測位システム)を利用することで、車両位置のリアルタイムな把握機能・積載重量の把握機能・作業量および作業効率の算定できるシステムの構成を備えている。)、実績作業数量情報あるいは施工歩掛かり情報として統括施工管理データベースに格納した後に当該データを用いるもの」であって、リアルタイムで扱う情報が、本件の請求項2に係る発明のように「人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に現場情報を蓄積するとともに、当該情報をリアルタイムで管理する」ものではないから、刊行物4の発明に基づいて第3の相違点を想到するに至る起因を見出すことはできない。
更に、刊行物5の発明は、電送網の構成を備えているに過ぎず、本件の請求項2に係る発明のように「人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に現場情報を蓄積するとともに、当該情報をリアルタイムで管理する」ものについて開示するものではなく、刊行物5の発明に基づいて第3の相違点を想到するに至る事項は存しない。
なお、刊行物6(参考資料1)の発明は、必要情報をネットワークによって供給する構成を備えているに過ぎず、同様に、刊行物7(参考資料2)の発明は、リアルタイムで表示される建築工程進捗管理システムの構成を備えているに過ぎず、いずれも、管理される情報が、本件の請求項2に係る発明のように「人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に現場情報を蓄積するとともに、当該情報をリアルタイムで管理する」ものについて開示するものではないから、刊行物6の発明,及び刊行物7の発明に基づいて第3の相違点を想到するに至る起因を見出すことはできない。
そして、本件の請求項2に係る発明は、段落【0064】及び【0065】に記載された「この発明の現場管理システムによれば、通信網を介してホスト・センタと接続されることにより、当該現場のみならず、本社、支社、材料の供給業者、搬送業者等の関連営業所においても、現場の状況に関する情報(当審補注:「前記現場ユーザ端末に人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積された情報」)をリアルタイムで逐次容易に入手することができるので、かかる最新の情報に基づき、各関連営業所に蓄積された専門知識を活用しつつ、最適の方法や使用材料、製品等を選択しながら効率良く現場を管理して行くことができる。また、通信網として電話回線等のビデオテックス通信網を使用すれば、全国ネットで網羅された既設の通信網を利用しつつ経済的かつ容易にこの発明の現場管理システムを構成することができる。」という、刊行物1乃至7の発明が奏し得ない効果を奏するものである。
以上のとおりであるから、本件の請求項2に係る発明は、その出願前に当業者が、その出願前に国内において頒布された刊行物に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものではない。
(4)ー3 請求項3に係る発明について
本件の請求項3に係る発明は、請求項2に係る発明を援用し、更に「前記現場ユーザ端末が、施工機械等を自動管理する現場施工管理システムと接続し、当該管理システムにより管理される施工状況を前記通信網を介してホスト・センタに転送すること」を付加したもの(以下、「請求項3の付加事項」という。)であって、本件の請求項3に係る発明と刊行物1乃至7の発明との異同についての判断は、請求項3の付加事項以外の事項については、前示の(4)ー2において説示したとおりである。
そこで、更に本件の請求項3の付加事項について検討すると、刊行物1乃至7の発明は、いずれも、本件の請求項3の発明の「前記現場ユーザ端末が、施工機械等を自動管理する現場施工管理システムと接続」する構成を欠いており、ひいては、請求項3の発明が奏する『当該現場施工管理システムの自動管理に基づいて得られる施工状況に係わる情報を、請求項2に係る発明が備える「前記現場ユーザ端末自体が人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積しつつ、前記ホストセンターに自動的に転送する態様で行う建設現場の現場管理システム」をもって、リアルタイムの現場施工状況進行管理」を全社的(建設会社の本社、支社、請負業者、施工機械のメーカ、材料の供給業者等の関連営業所等)に実施し得る』効果を期待することができない。
そうとすると、本件の請求項3に係る発明は、その出願前に当業者が、その出願前に国内において頒布された刊行物に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものではない。
(4)ー4 請求項4に係る発明について
本件の請求項4に係る発明は、請求項2又は3に係る発明を援用し、更に「前記ホスト・センタが、ファックスサーバを備え、施工状況に応じて予め設定された指示書面を、建設現場及び関連営業所に設けられたファクシミリ装置に転送すること」を付加したもの(以下、「請求項4の付加事項」という。)であって、本件の請求項2,3に係る発明と刊行物1乃至7の発明との異同についての判断は、請求項4の付加事項以外の事項については、前示の(4)ー2及び(4)ー3において説示したとおりである。
そこで、更に本件の請求項4の付加事項について検討すると、刊行物2の発明の「現場からハンディターミナルで工事情報を入力するとともに、作業所工事管理情報を入出力するパソコンがVANを介して、VANホスト、本店川上情報を管理するホストコンピュータ、協力会社情報を管理するパソコンに接続された構成であって、作業所でハンディターミナルにデータ入力を終了した後に、公衆回線を使用して、パソコンの設置してある部署へデータを送信し、システム処理した結果を作業所へ自動的にFAXへ出力するシステムにおいて、公衆回線・VANを使用し、データの蓄積をはかり、通信端末装置としてパソコン、プッシュホン・FAX・ハンディターミナル・カードリーダ等を使用するシステム」における「公衆回線・VANを使用し、データの蓄積をはかり、通信端末装置としてFAXを使用するシステム」は、当該付加事項に相当するものと認められるから、当該付加事項のみに当業者が想到することに困難性は認められないが、(4)ー2及び(4)ー3において説示したとおり、本件の請求項2、3に係る発明は、その出願前に当業者が、その出願前に国内において頒布された刊行物に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものではないから、請求項2又は3に係る発明を援用する本件の請求項4に係る発明は、その出願前に当業者が、その出願前に国内において頒布された刊行物に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものではない。
(4)ー5 請求項7に係る発明について
本件の請求項7に係る発明は、請求項1乃至6に係る発明を援用し、更に「前記通信網が、ビデオテックス通信網、公衆通信網、私設通信網、または衛星通信網により構成されること」を付加したもの(以下、「請求項7の付加事項」という。)であって、本件の請求項7に係る発明と刊行物1乃至7の発明との異同についての判断は、本件の請求項7の付加事項以外の事項については、前示の(4)ー1乃至(4)ー4において説示したとおりである。
そこで、更に本件の請求項7の付加事項について検討すると、刊行物1の発明のlの「施工管理段階で、プロジェクト固有情報・一般情報を利用するために、それらのデータが蓄積されているホストコンピュータとの情報伝達をVAN・公衆回線を通じて行う」(事項l)とする構成及び刊行物5の発明の「情報伝送路として、ISDN、衛星通信、無線通信(移動体通信)の電送網を構築したシステム。」は、当該付加事項に相当するものであると認められるので、当該付加事項のみに当業者が想到することに困難性は認められないが、(4)ー1乃至(4)ー4において説示したとおり、本件の請求項1,2、3及び4に係る発明は、その出願前に当業者が、その出願前に国内において頒布された刊行物に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものではないから、請求項1乃至6に係る発明を援用する本件の請求項7に係る発明は、その出願前に当業者が、その出願前に国内において頒布された刊行物に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものではない。
(4)ー6 総括
以上のとおりであるから、申立人の3.(1)の主張イ.乃至ニ.は、いずれも理由がなく、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件の請求項1乃至4及び7に係る発明の特許を取り消すことはできない。
6.むすび
以上のとおり、本件の請求項1、2,3,4及び7に係る発明は、その出願前にその発明に属する技術の分野における通常の知識を有する者が、その出願前に国内において頒布された刊行物に記載された発明に基いて容易に発明をすることができたものではなく、その特許が特許法第29条の規定に違反してされたものではない。
なお、他に本件の請求項1乃至4、及び7に係る発明の特許を取り消すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
現場管理システム
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 各地に点在して設けられた建設現場又は資材や機材のストック現場における、工事の進捗状況、資材や機材の調達状況、異常事態の発生状況等の各種の現場情報を管理するための現場管理システムであって、
各現場に設置された現場ユーザ端末と、
該現場ユーザ端末と通信網を介して接続されるホスト・センタと、
前記通信網を介して前記ホスト・センタと接続される、関連営業所に設置された関連ユーザ端末とからなり、
前記現場ユーザ端末には前記現場情報が人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積されるとともに、該現場情報が該現場ユーザ端末から前記ホスト・センタに自動的に転送され、該現場情報を前記関連営業所に設置された関連ユーザ端末により入手して、現場のみならずこれらの関連営業所においても現場情報をリアルタイムで管理することを特徴とする現場管理システム。
【請求項2】 建設工事を行うために各地に点在して設けられた建設現場における、工事の進捗状況、資機材の調達状況、異常事態の発生状況等の各種の施工情報を管理するための建設現場の現場管理システムであって、
建設現場に設置された現場ユーザ端末と、
該現場ユーザ端末と通信網を介して接続されるホスト・センタと、
前記通信網を介して前記ホスト・センタと接続される、建設会社の本社、支社、請負業者、施工機械のメーカ、材料の供給業者等の関連営業所に設置された関連ユーザ端末とからなり、
前記現場ユーザ端末には、工事の進捗情報、材料の消費情報、工事機械のメンテナンス情報等の施工現場における作業情報が人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積されるとともに、該作業情報が該現場ユーザ端末から前記ホスト・センタに自動的に転送され、該作業情報を関連営業所に設置された関連ユーザ端末により入手して、建設現場のみならずこれらの関連営業所においても建設現場の施工情報をリアルタイムで管理することを特徴とする建設現場の現場管理システム。
【請求項3】 前記現場ユーザ端末が、施工機械等を自動管理する現場施工管理システムと接続し、当該管理システムにより管理される施工状況を前記通信網を介してホスト・センタに転送することを特徴とする請求項2に記載の建設現場の現場管理システム。
【請求項4】 前記ホスト・センタが、ファックスサーバを備え、施工状況に応じて予め設定された指示書面を、建設現場及び関連営業所に設けられたファクシミリ装置に転送することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の建設現場の現場管理システム。
【請求項5】 各地に点在して設けられた火力発電所における、石炭灰の貯蔵状況や出荷状況、異常事態の発生状況等の各種の現場状況を管理するため石炭灰の現場管理システムであって、各火力発電所に設置された現場ユーザ端末と、該現場ユーザ端末と通信網を介して接続されるホスト・センタと、前記通信網を介して前記ホスト・センタと接続される、電力本社、支社、石炭灰搬入業者等の関連営業所に設置された関連ユーザ端末とからなり、前記現場ユーザ端末からホスト・センタに転送される、各サイロにおける石炭灰の残量情報や装置の稼働情報あるいはメンテナンス情報等の現場情報を、前記関連営業所に設置された関連ユーザ端末により入手して、各火力発電所のみならずこれらの関連営業所においても現場状況をリアルタイムで管理することを特徴とする石炭灰の現場管理システム。
【請求項6】 各地に点在して設けられた、製品を販売するための販売現場としての自動販売機における、在庫情報や売れ行き情報等の各種の現場状況を管理するため製品販売の現場管理システムであって、各自動販売機に設置された現場ユーザ端末と、該現場ユーザ端末と通信網を介して接続されるホスト・センタと、前記通信網を介して前記ホスト・センタと接続される、製品販売業者の本社、支社、あるいは配送センター等の関連営業所に設置された関連ユーザ端末とからなり、前記現場ユーザ端末からホスト・センタに転送される、各自動販売機における製品の残留情報や売れ筋情報あるいはメンテナンス情報等の現場情報を、前記関連営業所に設置された関連ユーザ端末により入手して、各自動販売機の設置箇所みならずこれらの関連営業所においても現場状況をリアルタイムで管理することを特徴とする製品販売の現場管理システム。
【請求項7】 前記通信網が、ビデオテックス通信網、公衆通信網、私設通信網、または衛星通信網により構成されることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の現場管理システム。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】
この発明は、現場管理システムに関し、特に、各地に点在して設けられた建設現場又は資材や機材のストック現場における、工事の進捗状況、資材や機材の調達状況、異常事態の発生状況等の各種の現場情報を管理するための現場管理システムに関する。
【0002】
【従来の技術】
例えば、地上や地中に、トンネル、ダム、橋梁、高層ビル等の各種の構造物を構築するための建設工事を行なう際に設けられる建設現場は、これらの構造物が工場生産等によるものではなく、原位置において、地中を掘削し、あるいはコンクリートを打設したり鋼材を組み立てたりすることによって構築されるものであるため、かかる構造物を必要とする地域に応じて各地に点在して設けられることになる。
【0003】
したがって、かかる建設現場は、建設会社の本社や支店等に近接した、施工状況等の管理のし易い地域に設けられることは極めて希で、山間部や沿岸部等の過疎地域に設けられる場合の他、都市の中心部等の資材や機材をストックしておくための敷地の確保が困難な地域に設けられる場合もある。
【0004】
また、工事に使用する各種の機械を製作したメーカーや、工事の施工状況に適した品質、規格の材料や資材、例えば所定の品質を有する砂や砕石等の材料あるいは所定の形状に加工した鋼材等の資材を供給するための生産地やプラントが、建設現場から遠方に所在することが多く、これらの必要な材料や資機材は、かかる遠方のメーカーや材料供給業者から納入されるのが通常である。
【0005】
そして、これらの各地に点在する各建設現場における施工状況を管理するには、地理的制約等の理由により建設会社の本社や支店等で一括して施工状況を管理することが困難であるため、従来は、工事の進捗状況、資機材の調達状況、異常事態の発生状況等の各種の施工状況を、当該建設現場毎に管理し、現場監督員やそれに準じる作業員が収集し加工した作業情報、例えば工事の進捗情報、各材料の消費情報、工事用機械のメンテナンス情報等に基づいて、工事用機械の補修や材料の調達などのために必要な情報に加工し、これらの情報を電話やファクシミリ等を介して、建設会社の本社や支社、請負業者、工事用機械のメーカ、工事用材料の供給業者等の関係部門に連絡する方法が採用されていた。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかしながら、上記建設現場毎に施工状況を管理するシステムでは、かかる建設現場からの情報は、現場監督員等による作業情報の収集作業やそれを関係部門に連絡するのに適した指示データや報告データ等に加工する作業に多大な時間がかかるため、リアルタイムの情報ではなくなり、したがって、かかる建設現場からの情報のみに基づいて、施工状況に応じた対策を講じようとしても、地盤の地質や地下水の有無、天候や波浪等の時々刻々として変化する自然条件や施工条件に即座に対応して、最適の施工方法や使用材料を選択しつつ効率良く作業を行なうことが困難になる場合がある。
【0007】
また、かかる建設現場からの情報のみによる場合には、情報の伝達の遅延や情報の収集漏れ等により、必要な材料の材料切れによる作業の停止や、不要な材料の運搬、機械のメンテナンスの不備による作業の停滞等を生じて合理的な工事の進捗を図ることが困難になる場合がある。
【0008】
一方、工事用機械の進歩により、工事の多くの部分で自動化が図られ、かかる工事用機械の自動化により、工事用機械は、多くの場合、不意の故障や異常事態を容易に知らせることができるように構成されているが、従来の建設現場毎の管理方法では、かかる異常信号を現場監督員等が認識した後、電話やファクシミリ等の通信手段を介して間接的に関係各所に通報していたので、情報の伝達が大幅に遅れたり必要な部署への通報が遅れたりして、著しく作業を混乱させる場合がある。
【0009】
また、他の例として、例えば全国各地に点在する火力発電所では、従来は、作業現場としての各火力発電所毎に、サイロに残留する石炭灰の量や、かかる石炭灰を生じさせるためのボイラ、分級器、脱水機等の運転を管理していたが、このような全国各地に点在する火力発電所における現場状況を、電力本社や、火力センター、技術センター等の支社などにおいてもリアルタイムで管理することができれば、石炭灰の運用をより効率的に行うことができるものと考えられる。
【0010】
さらに、他の例として、例えば各地に点在して設けられた販売現場としての自動販売機では、従来は、配送スタッフが自動販売機に立ち寄って内部の在庫状況を確認しながら製品の補充作業等を行っていたが、このようにしてスタッフが確認するまで欠品の情報が得られず、またスタッフが常時自動販売機を監視していることが困難であるため、的確な在庫情報を迅速に得て効率の良い補充ルートを確立することが困難であるばかりか、場当たり的な在庫管理となるため、売れ筋商品についての情報を的確に把握することが困難であった。
【0011】
そこで、この発明は、これらの従来の課題を鑑みてなされたもので、建設現場、資材や機材のストック現場、製品の販売現場等の各地に点在して設けられた現場における、工事の進捗状況、資材や製品の調達状況、異常事態の発生状況等の各種の現場情報を、当該作業現場においてのみならず、本社や支社、請負業者や搬送業者等の関連営業所においても、現場情報としてリアルタイムで容易に入手することができ、これによって、これらの現場を効率良く管理することを可能にする現場管理システムを提供することを目的とするものである。
【0012】
【課題を解決するための手段】
この発明は、上記目的を達成するためになされたもので、その要旨は、各地に点在して設けられた建設現場又は資材や機材のストック現場における、工事の進捗状況、資材や機材の調達状況、異常事態の発生状況等の各種の現場情報を管理するための現場管理システムであって、各現場に設置された現場ユーザ端末と、該現場ユーザ端末と通信網を介して接続されるホスト・センタと、前記通信網を介して前記ホスト・センタと接続される、関連営業所に設置された関連ユーザ端末とからなり、前記現場ユーザ端末には前記現場情報が人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積されるとともに、該現場情報が該現場ユーザ端末から前記ホスト・センタに自動的に転送され、該現場情報を前記関連営業所に設置された関連ユーザ端末により入手して、現場のみならずこれらの関連営業所においても現場情報をリアルタイムで管理することを特徴とする現場管理システムにある。
【0013】
また、この発明の他の要旨は、建設工事を行うために各地に点在して設けられた建設現場における、工事の進捗状況、資機材の調達状況、異常事態の発生状況等の各種の施工情報を管理するための建設現場の現場管理システムであって、建設現場に設置された現場ユーザ端末と、該現場ユーザ端末と通信網を介して接続されるホスト・センタと、前記通信網を介して前記ホスト・センタと接続される、建設会社の本社、支社、請負業者、施工機械のメーカ、材料の供給業者等の関連営業所に設置された関連ユーザ端末とからなり、前記現場ユーザ端末には、工事の進捗情報、材料の消費情報、工事機械のメンテナンス情報等の施工現場における作業情報が人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積されるとともに、該作業情報が該現場ユーザ端末から前記ホスト・センタに自動的に転送され、該作業情報を関連営業所に設置された関連ユーザ端末により入手して、建設現場のみならずこれらの関連営業所においても建設現場の施工情報をリアルタイムで管理することを特徴とする建設現場の現場管理システムにある。
【0014】
ここで、上記建設現場の現場管理システムは、前記現場ユーザ端末を、施工機械等を自動管理する現場施工管理システムと接続し、当該管理システムにより管理される施工状況を前記通信網を介してホスト・センタに転送するようにすることが好ましい。
【0015】
また、前記ホスト・センタに、ファックスサーバを設け、施工状況に応じて予め設定された指示書面を、建設現場及び関連営業所に設けられたファクシミリ装置に転送するようにすることもできる。
【0016】
そして、この発明のさらに他の要旨は、各地に点在して設けられた火力発電所における、石炭灰の貯蔵状況や出荷状況、異常事態の発生状況等の各種の現場状況を管理するため石炭灰の現場管理システムであって、各火力発電所に設置された現場ユーザ端末と、該現場ユーザ端末と通信網を介して接続されるホスト・センタと、前記通信網を介して前記ホスト・センタと接続される、電力本社、支社、石炭灰搬入業者等の関連営業所に設置された関連ユーザ端末とからなり、前記現場ユーザ端末からホスト・センタに転送される、各サイロにおける石炭灰の残量情報や装置の稼働情報あるいはメンテナンス情報等の現場情報を、前記関連営業所に設置された関連ユーザ端末により入手して、各火力発電所のみならずこれらの関連営業所においても現場状況をリアルタイムで管理することを特徴とする石炭灰の現場管理システムにある。
【0017】
さらにまた、この発明の他の要旨は、各地に点在して設けられた、製品を販売するための販売現場としての自動販売機における、在庫情報や売れ行き情報等の各種の現場状況を管理するため製品販売の現場管理システムであって、各自動販売機に設置された現場ユーザ端末と、該現場ユーザ端末と通信網を介して接続されるホスト・センタと、前記通信網を介して前記ホスト・センタと接続される、製品販売業者の本社、支社、あるいは配送センター等の関連営業所に設置された関連ユーザ端末とからなり、前記現場ユーザ端末からホスト・センタに転送される、各自動販売機における製品の残留情報や売れ筋情報あるいはメンテナンス情報等の現場情報を、前記関連営業所に設置された関連ユーザ端末により入手して、各自動販売機の設置箇所みならずこれらの関連営業所においても現場状況をリアルタイムで管理することを特徴とする製品販売の現場管理システムにある。
【0018】
ここで、上記各発明において、現場管理システムを構成する通信網としては、電話回線や専用線を用いてコンピュー等に蓄積されたデータや画像情報を、情報端末を介して出力する、いわゆるビデオテックス通信網を使用することが好ましいが、所定の地域を網羅する通信手段であれば、各種の公衆通信網や私設通信網の他、衛生通信網等も使用することができる。
【0019】
そして、この発明の管理システムによれば、工事の進捗状況、資材や製品の調達状況、異常事態の発生状況等の各種の現場状況を管理するための情報は、各現場に設置された現場ユーザ端末から、例えば所定の時間間隔毎に、通信網を介してホスト・センタにリアルタイムの情報として転送される。ホスト・センタは、例えばLAN構成され各種のデータベースを蓄積したデータベースサーバや通信センターのBBS(電子掲示板システム)機能を持つセンターサーバ等を備え、転送されてきた現場ユーザ端末からの情報を蓄積しあるいはリアルタイムで掲示する。一方、本社や支社等の関連営業所では、これらの関連営業所に設置された関連ユーザ端末を使用して、通信網を介してホスト・センタにアクセスすることにより、センターサーバに掲示された現場からの情報をリアルタイムで入手する。
【0020】
すなわち、この発明の現場管理システムによれば、通信網を介してホスト・センタと接続されることにより、当該現場のみならず、本社、支社、材料の供給業者、搬送業者等の関連営業所においても、現場の状況に関する情報をリアルタイムで逐次容易に入手することができるので、かかる最新の情報に基づき、各関連営業所に蓄積された専門知識を活用しつつ、最適の方法や使用材料、製品等を選択しながら効率良く現場を管理して行くことができる。
【0021】
また、通信網として電話回線等のビデオテックス通信網、公衆通信網、私設通信網、または衛星通信網を使用すれば、全国ネットで網羅された既設の通信網を利用しつつ経済的かつ容易にこの発明の現場管理システムを構成することができる。
【0022】
【発明の実施の形態】
次に、この発明の好ましい実施の形態すなわち実施例について添付図面を参照しつつ詳細に説明する。図1に示すこの発明の第一実施例にかかる現場管理システムは、一例として、建設現場としてのシールドトンネルの工事現場に採用されたものである。
【0023】
すなわち、シールド工事現場では、例えばシールドマシーンの故障や、裏込めプラントにおける材料の不足等により、作業が停滞した場合には、多くの作業員の労力が無駄になり、作業の手戻りを生じ、また、機械、設備等の運転が停止して多大の損害を被ることになるため、施工状況を、建設現場のみならず建設会社の本社や支社、請負業者、工事用機械のメーカ、工事用材料の供給業者等の関連営業所においてもリアルタイムで把握し、多方面から当該施工状況を管理するとともに、異常事態が生じた場合でも、関連営業所に蓄積されている専門知識を活用して迅速かつ的確に対処することを目的として、この実施例の現場管理システムを採用したものである。
【0024】
そして、この第一実施例の現場管理システムは、図1に示すように、シールド工事現場Aの例えば管理施設に設けられた現場ユーザ端末装置13と、この現場端末装置13と例えばNTT電話回線等のビデオテックス通信網(VTX通信網)1を介して接続するホスト・センタとしてのネットワークセンター3と、このネットワークセンター3とVTX通信網1を介して接続する、建設会社の本社・支社B、マシンメーカ・材料のメーカC等の、関連営業所に設置された関連ユーザ端末装置26,32とによって構成されている。
【0025】
なお、VTX通信網1は、これの中央に設置されたビデオテックス通信装置から全国の電話局へ通信網が敷設され、電話回線から特定の番号をコールすることにより、各電話機からビデオテックス通信装置を介して、このビデオテックス通信装置に専用機で接続された各VTXセンタに接続することができるようになっている。また、図中の符号2で示されるものは、公衆電話回線網で、VTX通信網1を使用する場合、各電話機から最寄りの電話局までの間を接続するために、この公衆電話回線網2を使用する。
【0026】
また、このVTX通信網1には、他の建設現場Dに設けた現場ユーザ端末装置22も接続しており、これらによって遠方に離れた建設現場A,D間で情報の交換を行なうことができるようになっている。
【0027】
そして、この実施例の管理システムを構成するネットワークセンター3は、VTX通信網1のビデオテックス通信装置に専用線4を介して接続されたホストコンピュータ5と、公衆電話回線網2とモデム6及び電話回線7を介して接続されたコンピュータからなるファックスサーバ8と、電子掲示板(BBS)や電子メールの機能を備えたコンピュータからなるセンタサーバ9と、データベース機能を備えたコンピュータからなるDBサーバ10と、センタサーバ9やDBサーバ10の監視、メンテナンス等の操作を行なうコンピュータからなるクライアント11等によって構成され、これらの各コンピュータは、ローカルエリアネットワーク(LAN)12により、相互に接続されている。
【0028】
一方、シールド工事現場Aに設けられた現場ユーザ端末装置13は、VTX通信網1と電話回線14を介して接続されたコンピュータからなる現場ユーザ端末15と、公衆電話回線網2と電話回線16を介して接続されたファクシミリ17とを備え、また、この現場ユーザ端末15には、ほぼ完全自動化されたシールドマシーン18や、裏込めプラント等の付帯プラント20、資機材管理装置等の付帯設備19などを現場Aにおいて総合的に管理するシールド管理システム21が接続されている。
【0029】
そして、この現場ユーザ端末15は、シールド管理システム21と接続していることにより、予め設定されたプログラムに従って、掘削距離、掘削方向、土質、破水帯の存在の有無等のシールドマシーン18による掘進作業中の情報や、裏込めプラント等の付帯プラント20の作動状況、材料や資機材の調達状況等の施工を管理するための種々の情報が、人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的にリアルタイムで現場ユーザ端末15に逐次蓄積されるとともに、ネットワークセンター3に転送されることになる。また、シールド管理システム21のプログラムにより、シールドマシーン18等に異常事態が生じた場合に、かかる異常信号を他の情報に優先して速やかにネットワークセンター3に転送することができるようになっている。
【0030】
なお、VTX通信網1に接続する他の建設現場Dに設けた現場ユーザ端末装置22もまた、同様に、現場ユーザ端末23やファクシミリ24、現場管理システム25等を備えており、当該建設現場Dにおける施工状況に関する種々の情報を自動的かつリアルタイムでネットワークセンター3に転送することができるようになっている。
【0031】
また、建設会社の本社・支社Bに設置された関連ユーザ端末装置26は、関連ユーザ端末27やファクシミリ28、必要に応じてLAN29を介して接続された業務管理用のコンピュータとしてのサーバ30等を備え、ネットワークセンター3にアクセスすることにより、ネットワークセンター3に転送(アップロード)された建設現場からの情報を自身の関連ユーザ端末27に転送(ダウンロード)して、当該関連ユーザ端末装置26によって建設現場A,Dにおける施工状況を直接管理することができるようになっている。
【0032】
さらに、マシンメーカ・材料のメーカCに設置された関連ユーザ端末装置32もまた、同様に、関連ユーザ端末33やファクシミリ34、必要に応じてLAN35を介して接続された業務管理用のコンピュータとしてのサーバ36等を備え、ネットワークセンター3にアクセスすることにより、ネットワークセンター3にアップロードされた建設現場からの情報を自身の関連ユーザ端末33にダウンロードして、当該関連ユーザ端末装置32によって建設現場A,Dにおける施工状況を直接管理することができるようになっている。
【0033】
そして、このようにして構成された、この実施例の現場管理システムによれば、シールド工事現場Aにおいて、シールドマシーン18は24時間の稼働によりトンネルを掘削し、かかる掘削作業中の施工状況を把握するための各種の情報が、シールド管理システム21のプログラムに従って現場ユーザ端末15に収集されるとともに、付属プラント20の作動状況、材料や資機材の調達状況等の種々の情報が現場ユーザ端末15に収集され、これらのデータは、自動的に現場ユーザ端末15に蓄積されるとともに、VTX通信網1を介して、所定時間間隔毎に連続して、自動的にリアルタイムでネットワークセンター3のセンタサーバ9にアップロードされる。
【0034】
センタサーバ9では、アップロードされたデータを予め設定された方式に従って加工し、必要に応じてDBサーバ10に蓄積整理するとともに、電子掲示板にリアルタイムの情報として掲示する。
【0035】
一方、このようにしてネットワークセンター3に蓄積されあるいは電子掲示板に掲示されたシールド工事現場Aからの情報は、かかる工事現場Aから遠方に所在する、建設会社の本社・支社Bやマシンメーカ・材料のメーカCの他、他の建設現場Dにおいても、これらに設置した関連ユーザ端末27,33、現場ユーザ端末23により、VTX通信網1を介してネットワークセンター3にアクセスすることによって、センタサーバ9の電子掲示板から最新の作業データとしてあたかも作業現場にいるが如く容易に見ることができ、また必要に応じてこれらのデータを自身の端末にリアルタイムの情報として転送することもできる。
【0036】
したがって、シールド工事現場Aにおける施工状況を、遠隔地にある建設会社の本社・支社Bやマシンメーカ・材料のメーカC等の関連営業所においても、リアルタイムで直接に管理把握することができることにより、これらの関連営業所に蓄積された専門の知識を活用しつつ、シールド工事現場Aにおける施工状況を多方面から包括的に管理することができ、時々刻々として変化する自然条件や施工条件に応じて、最適の施工方法や使用材料等を選択しつつ効率良く作業を行ってゆくことができる。
【0037】
また、シールドマシーン18や付属プラント20などに、予想外の不調や装置の故障、材料や資材の過不足等の異常事態が生じて、異常信号が他の情報に優先してネットワークセンター3に転送されてきた場合には、これを関連営業所B,Cに、警報等によりリアルタイムで速やかに通告して、かかる異常事態に速やかに対応することができる。
【0038】
なお、ネットワークセンター3には、当該建設工事の開始当初からのデータが逐次蓄えられることになるので、工事を主管する担当部署では、かかる蓄積されたデータを遡って利用することもできる。
【0039】
そして、この実施例の建設現場の管理システムでは、ネットワークセンター3にはファックスサーバ8が設けられ、また、現場ユーザ端末装置13,22や関連ユーザ端末装置26,32には、ファクシミリ17,24,28,34が設けられていることにより、施工状況に応じて予め設定された例えば材料や資材の発注書面等の指示書面を、自動的に関連営業所等のファクシミリに転送することができ、これによって、各建設現場A,D及び関連営業所B,Cにおいて施工状況に応じた処置を確実に採ることができる。
【0040】
また、現場ユーザ端末15から異常信号が他の情報に優先してネットワークセンター3に転送されてきた場合には、当該異常信号に対応して予め設定された緊急処置の指示書面としての、例えば異常事態の解除マニュアルに加工し、これを各建設現場A,D及び関連営業所B,Cに設けられたファクシミリ17,24,28,34に転送することにより、異常事態に対する多方面からの包括的かつ万全な対応を速やかに採ることができる。そして、緊急信号の種類によってその処理方法が定形化され、かつこの処理が発生する度に自動的にデータとしてネットワークセンター3に蓄積することが可能となり、この蓄積されたデータを緊急処理データとして有効に活用することもできる。
【0041】
なお、この実施例によれば、必要な情報がほぼ自動的にネットワークセンター3に集まるシステムであるため、情報の収集のための人的工数をほとんど必要とせず、また蓄積された情報は活用範囲が極めて広いため、適宜加工処理を行うことにより、この情報自体を商品として提供することも可能になる。
【0042】
また、通信網として例えばNTTのVTX網や電話回線等のビデオテックス通信網を使用することにより、極めて小さな投資で全国ネットを張ることができ、ユーザ端末は、全国どこからでも、例えば市内料金で容易にアクセスすることが可能になる。また電話番号IDによって、ホスト・センタは確実にユーザ端末を認識することができるので、セキュリティーが高く、さらにホスト・センタ側で情報課金をすることができるとともに、情報料金を電話料金と共に回収することもできるので、情報自体を商品として流通させる場合に大きなメリットを生じることになる。
【0043】
そして、図2に示すこの発明の第二実施例にかかる現場管理システムは、他の一例として、火力発電所から生じる石炭灰を管理するための手段として採用されたものである。
【0044】
すなわち、現場作業所としての各地に点在する火力発電所においては、発生した石炭灰はフライアッシュ用サイロ56やクリンカアッシュ用脱水槽57等に貯留され、ジェットパック車やダンプトラック等に積載されて搬出運搬されることになるが、全国の火力発電所から発生する火山灰を、電力本社や火力部、火力センター、技術センター、運営部、商事部、石炭灰搬入業等において総合的に管理することができれば、効率の良い石炭灰の運用が可能となるものと考えられる。したがって、この実施例の現場管理システムを採用することにより、効率の良い石炭灰の管理を行なおうとするものである。
【0045】
そして、この実施例の現場管理システムは、図2に示すように、第一実施例と略同様の構成を有するもので、現場作業所としての各火力発電所の管理施設に設けられた現場ユーザ端末50と、この現場ユーザ端末50と例えばNTT電話回線等のビデオテックス通信網(VTX通信網)51を介して接続するホスト・センタとしてのネットワークセンター52と、このネットワークセンター52とVTX通信網51を介して接続する、電力本社A’や火力センターB’、技術センターC’などの関連営業所に設置された関連ユーザ端末53とによって構成されている。
【0046】
現場ユーザ端末50としては、パーソナルコンピュータ等の比較的小型のコンピュータが用いられ、モデム(MODEM)を介して公衆回線網54でVTX通信網51に接続される。また、この現場ユーザ端末50には現場管理システム55が接続され、現場のフライアッシュ用サイロ56やクリンカアッシュ用脱水槽57に設置されたロードセルやセンサ、あるいはジェットパック車やダンプトラックに石炭灰を積載する際のカウンタ等、必要に応じて設置された入力装置が所定のI/O装置を介してこの端末に接続され、時々刻々のデータを現場ユーザ端末50に取り込むことができるようになっている。
【0047】
そして、フライアッシュやクリンカアッシュ等の石炭灰の貯蔵量、出荷積載量等が現場ユーザ端末50に蓄積され、設定された時刻に自動的にこの各種データは、ネットワークセンター52へ転送される。
【0048】
また、ネットワークセンター52は、LAN構成された各種データベースを蓄積したDBサーバ58と、通信センターのBBS機能を持つセンタサーバ59、そしてこのLANそのものをビデオテックス通信サービス網にゲートウェイ接続するためのVTXーFEP(フロントエンドプロセッサー)60とによって構成されている。
【0049】
VTX-FEP60は、X.25パケット通信手順の通信ボードを介してデジタル専用線を用いてVTX通信網51に接続されている。これによりネットワークセンタは全国網となり、アクセスポイントは、全国の電話局の数と略同じ数だけ確保されることになる。
【0050】
さらに、関連ユーザ端末53は、現場ユーザ端末50と同様に、パーソナルコンピュータ等からなり、MODEMを介して公衆回線網54でVTX通信網51に接続される。そして、この関連ユーザ端末53では、例えばディスプレイの画面に表示されたイメージに対して、ワンタッチ操作でクリックすることにより全ての操作を行うことができ、かかる操作により自動的にネットワークセンター52に接続されて、例えば電子掲示板に掲示された各種の情報を閲覧し、入手することができるようになっている。また、関連ユーザ端末53からの指示により、現場ユーザ端末50を管理することもできるようになっている。
【0051】
そして、この第二実施例にかかる現場管理システムによれば、全国各地に点在する現場作業所から得られる各種のデータは、自動的に現場ユーザ端末50に蓄積される。蓄積されたデータは、予め現場ユーザ端末50に組み込まれたVTX通信端末ソフトウェアによって、一定時刻あるいは必要に応じて自動的にネットワークセンタ-52にアップロードされ、センタサーバ59のBBS機能によって所定のフォーマットに整理され、DBサーバ58に蓄積される。
【0052】
また、これらのDBサーバ58に蓄積された各種の情報は、電力本社A’の火力部や、火力センターB’、技術センターC’の他、火力運営部、商事部等の関連営業所の、このネットワーク・システムに接続する関連ユーザ端末53から、ネットワークセンター52にワンタッチでアクセスすることによって、いつでも容易に入手することができ、あたかも現場にいるが如く最新の現場情報に従って、それぞれの業務を推進してゆくことができる。
【0053】
さらに、必要な情報がほぼ自動的にネットワークセンター52に集まる仕組みであることから、このための人手を要することがなく、蓄積された情報は活用範囲が広いことから、各部の管理に有効に活用することができることになる。
【0054】
そして、この仕組みを例えば協会等の統一機関の主導で展開すれば、全国各地の火力発電所のデータを集積することができるとともに、石炭灰のユーザもデータを容易に活用することができることになる。
【0055】
なお、このシステムによれば、ネットワークセンター52や関連ユーザ端末53は、例えばLANと接続させることにより、電子メールやインターネットなど、他のネットワークとの接続も容易に行うことができるようになっている。
【0056】
そして、図3に示すこの発明の第三実施例にかかる現場管理システムは、更に他の一例として、各地に点在する販売現場としての自動販売機70において販売される商品を管理するための手段として採用されたものである。
【0057】
すなわち、この第三実施例の現場管理システムは、各地に点在する自動販売機70に各々設置した現場ユーザ端末としての現場端末ユニットと、この現場端末ユニットと例えばNTT電話回線等のビデオテックス通信網(VTX通信網)71を介して接続するホスト・センタとしてのネットワークセンター72と、このネットワークセンター72とVTX通信網71を介して接続する、商品販売会社の本社A”や営業所B”、配送センターC”などの関連営業所に設置された関連ユーザ端末73とによって構成されている。
【0058】
現場端末ユニットは、電話回線74が収容された各自動販売機70の内部において、販売商品である例えば清涼飲料水の在庫量を例えば内蔵型センサーによってセンシングし、必要に応じて信号入力変換器等を介して現場端末ユニット内に管理情報として取り込み、清涼飲料水の種類に対応した残量データや売上データ等を、毎日決まった時刻に、電話回線74及びVTX通信網71を介してネットワークセンター72に報告する。
【0059】
ネットワークセンター72は、第一実施例及び第二実施例の場合と略同様に、BBSサーバ75やDBサーバ76、VTX-FEP77やFAX-FEP78等によって構成され、各自動販売機70から上がってきたデータを集計して、翌日の配送指示データ等を計算処理する。
【0060】
そして、商品販売会社の本社A”や営業所B”、配送センターC”などの関連営業所は、公衆回線網79等によってネットワークセンター72と接続されていることにより、例えば集計データや配送指示データが、本社A”や営業所B”に、ネットワークセンター72から自動的に報告されることになるとともに、配送指示伝票等が本社A”や営業所B”、配送センターC”等に自動FAXされることになる。また、本社A”や営業所B”、配送センターC”等から、ネットワークセンター72において集計処理された管理データを適宜閲覧したり、これらの管理データを、各営業所に設置したコンピュータ等に取り込むことができるようになっている。
【0061】
そして、この第三実施例にかかる現場管理システムによれば、配送スタッフによる欠品の確認や補充の確認による場当たり的な在庫管理に頼っていたことにより生じていた、従来の、配送や管理のための人材確保や配送の手配、補充ルートやコースの複雑化、欠品情報の不正確さによる過剰な積み込みや不足商品の発生など、商品管理における多くの無駄を容易に解消することができることになる。
【0062】
すなわち、商品管理スタッフや配送スタッフだけに頼っていた商品の供給情報の収集作業を、自動販売機70自身が行うようになることから、欠品補充や売筋商品の情報がリアルタイムで把握されることになり、これによって、配送面では、例えばムダな配送人員や車両の削減、あるいは配送管理をする手間の省力化を図ることができるとともに、効率の良い配送ルートを実現し、さらに、無駄な積み荷や不足をなくすことができることになる。一方、商品管理面では、例えば欠品の排除による売り上げアップを図ることができるとともに、リアルタイムで正確な商品数を確認して、在庫費用を削減し、かつ地域別の売れ筋商品を明らかにすることができ、また、JUST IN TIMEによる商品の供給や、状況判断による新しい自動販売機の設置場所の決定等を容易に行うこともできることになる。
【0063】
なお、この発明の現場管理システムは、上記各実施例の実施の態様のものに限定されるものではなく、各請求項に記載される構成の範囲内において、種々の態様のものを採用することができる。例えば、上記製品管理のための現場管理システムは、病院等に対する医薬品、セメントサイロ、酸素や液化炭酸、プロパンガス等のボンベ、軽油やガソリンなどの粉体、液体、気体等の製品の残量管理に際しても採用することができる。この場合、残量のセンシング方法としては、例えばロードセル、特殊液面計、内蔵型センサー、静電容量式センサー等を用いたものを採用することができ、また信号入力変換器としては、例えばVA電圧変換器を採用することができる。
【0064】
【発明の効果】
以上詳細に説明したように、この発明の管理システムによれば、通信網を介してホスト・センタと接続されることにより、当該現場のみならず、本社、支社、材料の供給業者、搬送業者等の関連営業所においても、現場の状況に関する情報をリアルタイムで逐次容易に入手することができるので、かかる最新の情報に基づき、各関連営業所に蓄積された専門知識を活用しつつ、最適の方法や使用材料、製品等を選択しながら効率良く現場を管理して行くことができる。
【0065】
また、通信網として電話回線等のビデオテックス通信網を使用すれば、全国ネットで網羅された既設の通信網を利用しつつ経済的かつ容易にこの発明の現場管理システムを構成することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
この発明の第一実施例に係る建設現場の現場管理システムの構成を示す説明図である。
【図2】
この発明の第二実施例に係る、火力発電所から生じる石炭灰を管理するための現場管理システムの構成を示す説明図である。
【図3】
この発明の第三実施例に係る、自動販売機において販売される商品を管理するための現場管理システムの構成を示す説明図である。
【符号の説明】
1,51,71 VTX通信網
2,59,79 公衆電話回線網
3,52,72 ネットワークセンター(ホスト・センタ)
8 ファックスサーバ
13 現場ユーザ端末装置
15,50 現場ユーザ端末
21 シールド管理システム
26,32 関連ユーザ端末装置
27,33,53,73 関連ユーザ端末
A シールド工事現場(建設現場)
B 建設会社の本社・支社(関連営業所)
C マシンメーカ・材料のメーカ(関連営業所)
 
訂正の要旨 訂正の要旨
A.特許請求の範囲の欄の訂正
1.請求項1の「建設現場、資材や機材のストック現場、製品の販売現場等の各地に点在して設けられた現場」(本件特許公報第1欄下から第14行〜第13行)を、特許請求の範囲の減縮を目的として、「各地に点在して設けられた建設現場又は資材や機材のストック現場」と訂正する。
2.請求項1の「製品」(本件特許公報第1欄下から第13行)を、明りょうでない記載の釈明を目的として、「機材」と訂正する。
3.請求項1の「現場状況」(本件特許公報第1欄下から第11行)を、明りょうでない記載の釈明を目的として、「現場情報」と訂正する。
4.請求項1の「前記現場ユーザ端末からホスト・センタに転送される現場情報を、」(本件特許公報第1欄下から第5行〜第4行)を、特許請求の範囲の減縮を目的として、「前記現場ユーザ端末には前記現場情報が人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積されるとともに、該現場情報が該現場ユーザ端末から前記ホスト・センタに自動的に転送され、該現場情報を」と訂正する。
5.請求項1の「現場状況」(本件特許公報第1欄第下から第3行)を、明りょうでない記載の釈明を目的として、「現場情報」と訂正する。
6.請求項2の「施工状況」(本件特許公報第2欄下から第1行〜第3欄第1行)を、明りょうでない記載の釈明を目的として、「施工情報」と訂正する。
7.請求項2の「前記現場ユーザ端末からホスト・センタに転送される、工事の進捗情報、材料の消費情報、工事機械のメンテナンス情報等の施工現場における作業情報を、」(本件特許公報第2欄下から第5行〜第3行)を、特許請求の範囲の減縮を目的として、「前記現場ユーザ端末には、工事の進捗情報、材料の消費情報、工事機械のメンテナンス情報等の施工現場における作業情報が人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積されるとともに、該作業情報が該現場ユーザ端末から前記ホスト・センタに自動的に転送され、該作業情報を」と訂正する。
8.請求項2の「施工状況」(本件特許公報第2欄下から第1行〜第3欄第1行)を、明りょうでない記載の釈明を目的として、「施工情報」と訂正する。
9.請求項4の「ファックスザーバ」(本件特許公報第3欄第8行〜第9行)を、誤記又は誤訳の訂正を目的として、「ファックスサーバ」と訂正する。
前記1.乃至9.に基づいて、特許請求の範囲の全体について、次のとおりに訂正するものである。
「【請求項1】
各地に点在して設けられた建設現場又は資材や機材のストック現場における、工事の進捗状況、資材や機材の調達状況、異常事態の発生状況等の各種の現場情報を管理するための現場管理システムであって、
各現場に設置された現場ユーザ端末と、
該現場ユーザ端末と通信網を介して接続されるホスト・センタと、
前記通信網を介して前記ホスト・センタと接続される、関連営業所に設置された関連ユーザ端末とからなり、
前記現場ユーザ端末には前記現場情報が人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積されるとともに、該現場情報が該現場ユーザ端末から前記ホスト・センタに自動的に転送され、該現場情報を、前記関連営業所に設置された関連ユーザ端末により入手して、現場のみならずこれらの関連営業所においても現場情報をリアルタイムで管理することを特徴とする現場管理システム。
【請求項2】
建設工事を行うために各地に点在して設けられた建設現場における、工事の進捗状況、資機材の調達状況、異常事態の発生状況等の各種の施工情報を管理するための建設現場の現場管理システムであって、
建設現場に設置された現場ユーザ端末と、
該現場ユーザ端末と通信網を介して接続されるホスト・センタと、
前記通信網を介して前記ホスト・センタと接続される、建設会社の本社、支社、請負業者、施工機械のメーカ、材料の供給業者等の関連営業所に設置された関連ユーザ端末とからなり、
前記現場ユーザ端末には、工事の進捗情報、材料の消費情報、工事機械のメンテナンス情報等の施工現場における作業情報が人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積されるとともに、該作業情報が該現場ユーザ端末から前記ホスト・センタに自動的に転送され、
該作業情報を関連営業所に設置された関連ユーザ端末により入手して、建設現場のみならずこれらの関連営業所においても建設現場の施工情報をリアルタイムで管理することを特徴とする建設現場の現場管理システム。
【請求項3】
前記現場ユーザ端末が、施工機械等を自動管理する現場施工管理システムと接続し、当該管理システムにより管理される施工状況を前記通信網を介してホスト・センタに転送することを特徴とする請求項2に記載の建設現場の現場管理システム。
【請求項4】
前記ホスト・センタが、ファックスサーバを備え、施工状況に応じて予め設定された指示書面を、建設現場及び関連営業所に設けられたファクシミリ装置に転送することを特徴とする請求項2又は請求項3に記載の建設現場の現場管理システム。
【請求項5】
各地に点在して設けられた火力発電所における、石炭灰の貯蔵状況や出荷状況、異常事態の発生状況等の各種の現場状況を管理するため石炭灰の現場管理システムであって、各火力発電所に設置された現場ユーザ端末と、該現場ユーザ端末と通信網を介して接続されるホスト・センタと、前記通信網を介して前記ホスト・センタと接続される、電力本社、支社、石炭灰搬入業者等の関連営業所に設置された関連ユーザ端末とからなり、前記現場ユーザ端末からホスト・センタに転送される、各サイロにおける石炭灰の残量情報や装置の稼働情報あるいはメンテナンス情報等の現場情報を、前記関連営業所に設置された関連ユーザ端末により入手して、各火力発電所のみならずこれらの関連営業所においても現場状況をリアルタイムで管理することを特徴とする石炭灰の現場管理システム。
【請求項6】
各地に点在して設けられた、製品を販売するための販売現場としての自動販売機における、在庫情報や売れ行き情報等の各種の現場状況を管理するため製品販売の現場管理システムであって、各自動販売機に設置された現場ユーザ端末と、該現場ユーザ端末と通信網を介して接続されるホスト・センタと、前記通信網を介して前記ホスト・センタと接続される、製品販売業者の本社、支社、あるいは配送センター等の関連営業所に設置された関連ユーザ端末とからなり、前記現場ユーザ端末からホスト・センタに転送される、各自動販売機における製品の残留情報や売れ筋情報あるいはメンテナンス情報等の現場情報を、前記関連営業所に設置された関連ユーザ端末により入手して、各自動販売機の設置箇所みならずこれらの関連営業所においても現場状況をリアルタイムで管理することを特徴とする製品販売の現場管理システム。
【請求項7】
前記通信網が、ビデオテックス通信網、公衆通信網、私設通信網、または衛星通信網により構成されることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の現場管理システム。」
B.発明の詳細な説明の欄の訂正
10.明細書の【0001】の「建設現場、資材や機材のストック現場、製品の販売現場等の各地に点在して設けられた現場における、工事の進捗状況、資材や製品の調達状況、異常事態の発生状況等の各種の現場状況」(本件特許公報第4欄第3行〜第6行)を、明りょうでない記載の釈明を目的として、「各地に点在して設けられた建設現場又は資材や機材のストック現場における、工事の進捗状況、資材や機材の調達状況、異常事態の発生状況等の各種の現場情報」と訂正する。
11.明細書の段落【0011】の「現場状況」(本件特許公報第5欄第45行)を、明りょうでない記載の釈明を目的として、「現場情報」と訂正する。
12.明細書の段落【0012】(本件特許公報第6欄第1行〜第16行)を、明りょうでない記載の釈明を目的として、次のように訂正する。
「【課題を解決するための手段】
この発明は、上記日的を達成するためになされたもので、その要旨は、各地に点在して設けられた建設現場又は資材や機材のストック現場における、工事の進捗状況、資材や機材の調達状況、異常事態の発生状況等の各種の現場情報を管理するための現場管理システムであって、各現場に設置された現場ユーザ端末と、該現場ユーザ端末と通信網を介して接続されるホスト・センタと、前記通信網を介して前記ホスト・センタと接続される、関連営業所に設置された関連ユーザ端末とからなり、前記現場ユーザ端末には前記現場情報が人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積されるとともに、該現場情報が該現場ユーザ端末から前記ホスト・センタに自動的に転送され、該現場情報を前記関連営業所に設置された関連ユーザ端末により入手して、現場のみならずこれらの関連営業所においても現場情報をリアルタイムで管理することを特徴とする現場管理システムにある。」
13.明細書の段落【0013】(本件特許公報第6欄第17行〜第33行)を、明りょうでない記載の釈明を目的として、次のように訂正する。
「また、この発明の他の要旨は、建設工事を行うために各地に点在して設けられた建設現場における、工事の進捗状況、資機材の調達状況、異常事態の発生状況等の各種の施工情報を管理するための建設現場の現場管理システムであって、建設現場に設置された現場ユーザ端末と、該現場ユーザ端末と通信網を介して接続されるホスト・センタと、前記通信網を介して前記ホスト・センタと接続される、建設会社の本社、支社、請負業者、施工機械のメーカ、材料の供給業者等の関連営業所に設置された関連ユーザ端末とからなり、前記現場ユーザ端末には、工事の進捗情報、材料の消費情報、工事機械のメンテナンス情報等の施工現場における作業情報が人手を介することなく所定時間間隔毎に連続して自動的に蓄積されるとともに、該作業情報が該現場ユーザ端末から前記ホスト・センタに自動的に転送され、該作業情報を関連営業所に設置された関連ユーザ端末により入手して、建設現場のみならずこれらの関連営業所においても建設現場の施工情報をリアルタイムで管理することを特徴とする建設現場の現場管理システムにある。」
14.明細書の段落【0015】の第1行の「ファックスザーバ」(本件特許公報第6欄第39行〜第40行)を、誤記又は誤訳の訂正及び明りょうでない記載の釈明を目的として、「ファックスサーバ」と訂正する。
15.明細書の段落【0029】の「リアルタイムでネットワークセンター3に転送されるとともに、現場ユーザ端末15に逐次蓄積されることになる。」(本件特許公報第9欄第34行〜第36行)を、明りょうでない記載の釈明を目的として、「リアルタイムで現場ユーザ端末15に逐次蓄積されるとともに、ネットワークセンター3に転送されることになる。」と訂正する。
異議決定日 2002-03-05 
出願番号 特願平8-46330
審決分類 P 1 652・ 121- YA (E04G)
最終処分 維持  
前審関与審査官 小山 清二  
特許庁審判長 佐田 洋一郎
特許庁審判官 渡辺 努
小泉 順彦
登録日 1999-11-26 
登録番号 特許第3005605号(P3005605)
権利者 株式会社大林組 シマヅネットワークシステム株式会社
発明の名称 現場管理システム  
代理人 鈴木 知  
代理人 一色 健輔  
代理人 鈴木 知  
代理人 原島 典孝  
代理人 一色 健輔  
代理人 鈴木 知  
復代理人 黒川 恵  
代理人 原島 典孝  
代理人 原島 典孝  
復代理人 黒川 恵  
代理人 一色 健輔  
代理人 黒川 恵  
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