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審決分類 審判 全部申し立て 1項2号公然実施  A61B
審判 全部申し立て 2項進歩性  A61B
管理番号 1059435
異議申立番号 異議2000-73223  
総通号数 31 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1992-09-22 
種別 異議の決定 
異議申立日 2000-08-21 
確定日 2002-04-01 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3011279号「歯科用パノラマX線撮影装置」の請求項1ないし3に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3011279号の請求項1ないし3に係る特許を維持する。 
理由 1.手続の経緯
特許第3011279号の請求項1ないし3に係る発明についての出願は、平成3年2月22日に特許出願されたもので、平成11年12月10日にその発明について特許の設定登録がなされた後、株式会社モリタ製作所より特許異議の申立てがなされ、取消理由通知がなされ、その指定期間内である平成13年2月13日に訂正請求がなされたものである。

2.訂正の適否についての判断
ア)訂正の内容
特許権者が求めている訂正の内容は次の訂正事項a〜dのとおりである。
(訂正事項a)
本件特許請求の範囲の請求項1を、
「【請求項1】 歯科用パノラマX線撮影装置に於いて、装置の各部が任意の位置にあってもX線撮影スイッチを押し続けることによって、自動的に撮影準備完了状態にセットされ、撮影準備完了直後に連続してX線撮影が開始され、又、前記X線撮影スイッチの操作中に、同スイッチを離すことにより、X線が停止するように構成したことを特徴とする歯科用パノラマX線撮影装置。」と訂正する。
(訂正事項b)
本件特許請求の範囲の請求項2を、
「【請求項2】 装置の各部の撮影準備が完了されていない時にX線撮影スイッチを1回押して放すことで自動的に撮影準備完了状態のセットを開始し、その後X線撮影スイッチを押し続けることによって、前記撮影準備完了直後に連続してX線撮影が開始され、又、前記X線撮影スイッチの操作中に、同スイッチを離すことにより、X線が停止するように構成したことを特徴とする歯科用パノラマX線撮影装置。」と訂正する。
(訂正事項c)
本件明細書【0006】〜【0007】段落を、
「【0006】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明の請求項1の発明は、歯科用パノラマX線撮影装置に於いて、装置の各部が任意の位置にあってもX線撮影スイッチを押し続けることによって、自動的に撮影準備完了状態にセットされ、撮影準備完了直後に連続してX線撮影が開始され、又、前記X線撮影スイッチの操作中に、同スイッチを離すことにより、X線が停止するように構成したことを特徴とする歯科用パノラマX線撮影装置である。
【0007】
請求項2の発明は、装置の各部の撮影準備が完了されていない時にX線撮影スイッチを1回押して放すことで自動的に撮影準備完了状態のセットを開始し、その後X線撮影スイッチを押し続けることによって、前記撮影準備完了直後に連続してX線撮影が開始され、又、前記X線撮影スイッチの操作中に、同スイッチを離すことにより、X線が停止するように構成したことを特徴とする歯科用パノラマX線撮影装置である。」と訂正する。
(訂正事項d)
本件明細書【0018】段落を、
「【0018】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、X線撮影スイッチを押すだけで自動で撮影準備状態に設定して直後に連続して撮影に入ることができるため、撮影のための準備作業に気を使うことがなく、操作が簡単であるとともに、誤撮影が防止でき、患者の位置付けや、安全のみに気を配ることができるX線撮影操作の的確、安全性を向上し得る。
又、前記X線撮影スイッチの操作中に、同スイッチを離すことにより、X線照射を即時に停止することができ、X線撮影中の被爆事故等を防止することができる。」と訂正する。

イ)訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
訂正事項aは、請求項1に「又、前記X線撮影スイッチの操作中に、同スイッチを離すことにより、X線が停止する」構成を加えるもので、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そしてこの訂正は、特許明細書において「操作者がX線撮影スイッチ21を押し続けると、CPU3はX線撮影が可能な状態かを撮影条件検知器8、アーム位置検出器13、フィルム位置検出器16等をチェックし、可能な状態でない場合には、アーム駆動源12およびフィルム駆動源15等を制御し、撮影可能な準備状態になるまで駆動する。この状態でCPU3は再度X線撮影が可能か否かのチェックを行い、X線撮影スイッチ21が押されていることを確認して一連のX線断層撮影動作を行う。X線撮影時操作者がX線撮影スイッチ21を放した場合は直ちにX線が停止するようにデッドマン方式になっている。」(【0011】段落)と記載されていることから、願書に添付した明細書または図面に記載した事項の範囲内の補正であり、実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。
訂正事項bは、請求項2の「X線撮影スイッチを1回押すことで」を、「X線撮影スイッチを1回押して放すことで」と訂正し、さらに「又、前記X線撮影スイッチの操作中に、同スイッチを離すことにより、X線が停止する」構成を加えるもので、特許請求の範囲の減縮を目的とするものである。
そして、この訂正は、特許明細書において、上記【0011】段落の記載、及び「CPU3が撮影完了状態をチェックすると撮影は完了し、患者が出やすいように旋回アーム24およびフィルムホルダー25を移動した後に患者はレントゲン室から出る。操作者はフィルムカセッテ26を取り出して現像処理を行う。以上のように操作者はX線撮影スイッチ21を押すだけで自動で撮影を行うことができる。尚、X線撮影の準備動作が完了していない時にX線撮影スイッチ21を1度押して放した場合には準備動作を行い、準備完了の状態で待機する。この場合、次にX線撮影スイッチ21を押し続けることで通常のX線撮影を行うものである。」(【0012】段落)と記載されていることから、願書に添付した明細書または図面に記載した事項の範囲内の補正であり、また実質上特許請求の範囲拡張し又は変更するものではない。
訂正事項c及びdは、訂正事項a及びbでなされた訂正の記載との整合をとるために訂正するもので、明りょうでない記載の釈明を目的とし、願書に最初に添付した明細書又は図面に記載した事項の範囲内の補正であり、また実質上特許請求の範囲を拡張し又は変更するものではない。

ウ)むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号。)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、平成11年改正前の特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合するので、当該訂正を認める。

3.特許異議の申立てについての判断
ア)本件発明
本件請求項1ないし3に係る発明(以下、それぞれ「本件発明1」,「本件発明2」,「本件発明3」という。)は、訂正明細書及び図面の記載からみて、それぞれ、特許請求の範囲の請求項1ないし3に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】 歯科用パノラマX線撮影装置に於いて、装置の各部が任意の位置にあってもX線撮影スイッチを押し続けることによって、自動的に撮影準備完了状態にセットされ、撮影準備完了直後に連続してX線撮影が開始され、又、前記X線撮影スイッチの操作中に、同スイッチを離すことにより、X線が停止するように構成したことを特徴とする歯科用パノラマX線撮影装置。
【請求項2】 装置の各部の撮影準備が完了されていない時にX線撮影スイッチを1回押して放すことで自動的に撮影準備完了状態のセットを開始し、その後X線撮影スイッチを押し続けることによって、前記撮影準備完了直後に連続してX線撮影が開始され、又、前記X線撮影スイッチの操作中に、同スイッチを離すことにより、X線が停止するように構成したことを特徴とする歯科用パノラマX線撮影装置。
【請求項3】 前記X線撮影スイッチをレントゲン室の室外に取り付けるとともにリモート操作機能を具備することにより構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の歯科用パノラマX線撮影装置。」

イ)申立ての理由の概要
申立人株式会社モリタ製作所は、甲第1号証ないし甲第3号証を提出し、下記A)〜C)の理由により請求項1ないし3に係る発明の特許は取り消すべき旨、主張している。
A)請求項1に係る発明は、甲第1号証(特開平2-128758号公報)、甲第2号証(実願昭63-130159号(実開平2-51513号)のマイクロフィルム)に記載の発明、あるいは1991年2月20日、鹿児島大学歯学部付属病院放射線科に納品され設置され、その後公衆の見得する状態において歯科治療のために使用された、株式会社モリタ製作所製の歯科用パノラマ撮影装置(商品名:CR対応スーパーベラビュー、タイプ名:X-500CR)〔以下、「歯科用X線撮影装置X-500CR」という。〕に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。
B)請求項2に係る発明は、甲第1号証(特開平2-128758号公報)、甲第2号証(実願昭63-130159号(実開平2-51513号)のマイクロフィルム)に記載の発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法29条2項の規定により特許を受けることができない。あるいは、1991年2月20日、鹿児島大学歯学部付属病院放射線科に納品され設置され、その後公衆の見得する状態において歯科治療のために使用された、株式会社モリタ製作所製の歯科用パノラマ撮影装置(商品名:CR対応スーパーベラビュー、タイプ名:X-500CR)〔以下、「歯科用X線撮影装置X-500CR」という。〕と同一であることから、29条1項2号の規定により特許を受けることができない。
C)1991年2月20日、鹿児島大学歯学部付属病院放射線科に納品され設置され、その後公衆の見得する状態において歯科治療のために使用された、株式会社モリタ製作所製の歯科用パノラマ撮影装置(商品名:CR対応スーパーベラビュー、タイプ名:X-500CR)〔以下、「歯科用X線撮影装置X-500CR」という。〕と同一であることから、29条1項2号の規定により特許を受けることができない。

ウ)甲第1ないし2号証に記載された事項
甲第1号証(特開平2-128758号公報)には、
「本発明は、歯科用パノラマX線撮影装置に顎関節撮影手段及び/若しくは耳鼻科領域撮影手段を付加しこれらをシステム化した医療用パノラマX線撮影装置に関」(2頁右上欄8-11行)し、
「先ず、撮影モード選択手段4により所望の撮影モードを選択する。パノラマ撮影モードを選択したときには、その選択モードに応じてX線照射タイミング決定手段5及びX線フィルム移動パターン決定手段6によりパノラマ撮影に適正なX線照射タイミング及びX線の移動パターンが決定され、撮影スイッチをオンとすれば、旋回アーム21の旋回がスタートし、上記照射タイミングに基づきX線源22から患者保持装置3に保持された患者の歯列弓に沿ってX線ビームが照射され、フィルムホールダ23内を上記移動パターンに基づき移動するX線フィルム231上に歯列弓の断層撮影像が写し出される。」(5頁左下欄9行-右下欄1行)、
「顎関節撮影モード若しくは耳鼻科領域撮影モードを選択した時、上記同様これら撮影モードに適したX線照射タイミング及びX線フィルム移動パターンが決定され、この決定モードに従い旋回アーム21が旋回し該旋回アーム21が目的の撮影領域を通過する間X線が照射され移動パターンに従って移動するX線フィルム231の所定部位にその撮影像が写し出される。X線フィルム231上に分割撮影する場合は、旋回アーム21の旋回の間X線フィルム231が途中早送りされたり停止されたりして1枚のX線フィルム231上に重なり合うことなく区画的に各部位のX線撮影像が写し出される。」(5頁右下欄11行-6頁左上欄3行)、
「第12図乃至第15図は、撮影シークエンスに至る位置付け等の準備段階のフローチャート図を示す。第12図は顎関節若しくは耳鼻科領域撮影の際の異なるX線照射角度の設定を上記本体側のマイクロプロセッサー56により行なうようにした例を示す。先ず、スタートボタンを押し撮影モードを選択する。顎関節若しくは耳鼻科領域撮影モードを選択したときは更にX線照射角度の選択を行ない、事前に設定された複数のX線照射角度に対応する断層形成機構の前後位置データR1(A、B、C・・・)のいずれかが選択される。この選択された位置データR1は現実の旋回アーム21の位置データPと比較され、R1=Pのときには顎関節若しくは耳鼻科領域撮影の位置決めが終了する。そしてR1とPが等しくない場合には旋回アーム21に前後いずれかの方向に移動信号が発せられ再び両者の比較がなされた後、或いはこれが繰り返された後にその位置決めが完了する。」(9頁左下欄6行-右下欄3行)、
「第18図は患者位置付け機構を含む装置に於いて主に顎関節の分割撮影を行なう場合の撮影シークエンスのフローチャート図を示す。図に於いて、スタート後エミッションスイッチがオンとされている場合は、フィルムカセット234が撮影範囲のスタート位置にあるか否かがチェックされる。フィルムカセット234が正しく設置されていない場合はそのセットし直しが実施される。その後旋回アーム21が旋回スタートし、X線照射開始位置(例えば、左顎関節領域)に至るとX線の照射が開始される。」(10頁右下欄15行-11頁左上欄5行)、
「パノラマ撮影や耳鼻科領域の撮影も、夫々に応じた若干の変更はあるもののこれとほぼ同様のパターンで撮影シークエンスが実行される。」(11頁右上欄10-12行)と、記載されている。
したがって、甲第1号証には、「顎関節撮影手段及び耳鼻科領域撮影手段を付加した歯科用パノラマX線撮影装置において、撮影モード選択手段により所望の撮影モードを選択すると、準備段階になり、エミッションスイッチを押すと旋回アームが旋回し、X線照射開始位置に至るとX線の照射が開始される歯科用パノラマX線撮影装置」が記載されている。

甲第2号証(実願昭63-130159号(実開平2-51513号)のマイクロフィルム)には、
「全顎(以下、パノラマと略称する)X線撮影及び頭部規格(以下、セファロと略称する)X線撮影を兼用する歯科用パノラマ・セファロX線撮影装置に関」(明細書3頁7-10行)し、
「マイクロプロセッサーM1の撮影モード選択キーボード(不図示・・・パノラマ撮影かセファロ撮影か)の選択操作により各機能が作動するようになされて」(明細書16頁9-12行)、
「アーム回転制御回路(即ち、前記旋回駆動機構30に組み込まれている)AにマイクロプロセッサーM1から指令信号が入力されると、アーム回転機構(即ち、旋回駆動機構30)A1が作動し、旋回アーム3がパノラマ撮影スタート位置若しくはセファロ撮影位置(この場合、両者は等しい)に旋回駆動される。スタート位置ストッパー検出回路A2でその位置が検出され、これがマイクロプロセッサーM1で適正か否か判断され、上記同様必要によってアーム回転制御回路Aにフィードバックされて、旋回アーム3が各撮影モードに適正な位置に位置決めされる。」(明細書17頁19行-18頁10行)、
「第8図は、逆にセファロ撮影からパノラマ撮影への切替え要領の一例を示すフローチャート図である。本図に於いて、上記同様マイクロプロセッサーM1に於いてセファロ撮影モードを選択すると、X線発生器4が上記とは逆に回転しストッパー74に当接して停止する。上記同様ストッパーの作用が確認されロックされた後、ロックが一旦解除され、X線束絞り装置8に於けるパノラマ撮影に適したスリットの選択がなされる。更に旋回アーム3がパノラマ撮影のスタート位置に旋回し、正しくスタート位置に至るとここで停止ロックされるが、このスタート位置に到達したことが確認されない場合は再度旋回アーム3の旋回がなされる。ひき続きこのロックが一旦解除され、パノラマ用フィルムカセッテ5がスタート位置に移動する。その後、上記と同じ要領で安全性が確保され、X線エミッションスイッチがオンされるとX線発生器4からX線が照射されると共に旋回アーム3が患者歯列弓の廻りに旋回し、同時にフィルムカセッテ5がスライドしフィルム上に歯列弓の断層パノラマ撮影像が写し出される。前記自動位置付け手段が装備されている場合は、本フローチャートの途中に移動機構9による旋回アーム3の前後移動工程が付加される。亦、顎関節撮影を行なう場合にはそれに適正な撮影モードに従い各機構の位置付け等がなされる。」(明細書22頁10行-23頁15行)と、記載されている。
さらに第8図を参照すると、X線エミッションスイッチがONされているかどうかを検出し、ONを検出するとX線照射関係動作を行なうものと認められる。

エ)当審の判断
申立の理由A)について
まず、本件発明1と甲第1号証記載の発明とを比較すると、甲第1号証記載の発明の「エミッションスイッチ」は、本件発明1の「X線撮影スイッチ」に相当することから、本件発明1と甲第1号証記載の発明とは、「装置の各部が任意の位置にあっても撮影準備完了状態にセットされ、X線撮影スイッチを押すとX線撮影が開始される歯科用パノラマ撮影装置」において一致するものの、
本件発明1は「X線撮影スイッチを押し続けることによって、自動的に撮影準備完了状態にセットされ、撮影準備完了直後に連続してX線撮影が開始され、又、前記X線撮影スイッチの操作中に、同スイッチを離すことにより、X線が停止する」のに対し、甲第1号証記載の発明は、「撮影モードの選択により撮影準備が行われ、X線撮影スイッチを押すことにより旋回アームが旋回し、該旋回アームが目的の撮影領域を通過する間X線が照射され、X線撮影スイッチを離してもX線が停止するかどうか不明である」点で相違している。
さらにこの相違点について検討すると、甲第2号証には、「パノラマ撮影モードが選択された場合、旋回アームがパノラマ撮影のスタート位置に旋回し、その後、X線エミッションスイッチがオンされると旋回アームが旋回を開始する」こと、及び「X線エミッションスイッチがオンされているか否かを検出する」ことが記載されているものの、「X線撮影スイッチで撮影準備も行われること」及び「X線撮影スイッチの操作中に、同スイッチを離すことにより、X線が停止すること」は記載されていない。
しかも、本件発明1は「X線撮影スイッチで撮影準備も行われること」及び「X線撮影スイッチの操作中に、同スイッチを離すことにより、X線が停止すること」により、「撮影のための準備作業に気を使うことがなく、操作が簡単であるとともに、誤撮影が防止でき、患者の位置付けや、安全のみに気を配ることができるX線撮影操作の的確、安全性を向上し得る。」という、明細書記載の効果を奏するものと認められる。
したがって、本件発明1が上記甲第1ないし2号証に記載のものから容易に発明をすることができたものとはいえない。
なお、甲第3号証の添付資料2は、作成者,作成日が不明であり、証明願の証明者(野井倉武憲)と添付資料1のX-500CRとの関係も不明であるから、甲第3号証によっては添付資料1と2に記載された構成の歯科用パノラマX線撮影装置が本件出願前公然実施されたと認めるに十分ではなく、その公然実施を前提とする異議申立人の主張は採用できない。

申立の理由Bについて)
本件発明2と甲第1号証記載の発明とを比較すると、甲第1号証記載の発明の「エミッションスイッチ」は、本件発明2の「X線撮影スイッチ」に相当することから、本件発明2と甲第1号証記載の発明は、「装置の各部が任意の位置にあっても撮影準備完了状態にセットされ、X線撮影スイッチを押すとX線撮影が開始される歯科用パノラマ撮影装置」において一致するものの、本件発明2は、「X線撮影スイッチを1階押して放すことで自動的に撮影準備完了状態にセットを開始し、X線撮影スイッチを押し続けることによって、撮影準備完了直後に連続してX線撮影が開始され、又、前記X線撮影スイッチの操作中に、同スイッチを離すことにより、X線が停止する」のに対し、甲第1号証に記載の発明は、「撮影モードの選択により撮影準備が行われ、X線撮影スイッチを押すことにより旋回アームが旋回し、該旋回アームが目的の撮影領域を通過する間X線が照射され、X線撮影スイッチを離してもX線が停止するかどうか不明である」点で相違している。
さらにこの相違点について検討すると、甲第2号証には、「パノラマ撮影モードが選択された場合、旋回アームがパノラマ撮影のスタート位置に旋回し、その後、X線エミッションスイッチがオンされると旋回アームが旋回を開始する」こと、及び「X線エミッションスイッチがオンされているか否かを検出する」ことが記載されているものの、「X線撮影スイッチで撮影準備も行われること」及び「X線撮影スイッチの操作中に、同スイッチを離すことにより、X線が停止すること」は記載されていない。
しかも、本件発明2は「X線撮影スイッチで撮影準備も行われること」及び「X線撮影スイッチの操作中に、同スイッチを離すことにより、X線が停止すること」により、「撮影のための準備作業に気を使うことがなく、操作が簡単であるとともに、誤撮影が防止でき、患者の位置付けや、安全のみに気を配ることができるX線撮影操作の的確、安全性を向上し得る。」という、明細書記載の効果を奏するものと認められる。
したがって、本件発明2が上記甲第1ないし2号証に記載のものから容易に発明をすることができたものとはいえない。
また、甲第3号証については、前示のとおりであるから、甲第3号証に基づく異議申立人の主張を採用することはできない。

申立の理由C)について
前示の理由から、甲第3号証に基づく異議申立人の主張を採用することはできない。

オ)むすび
以上のとおりであるから、特許異議申立ての理由及び証拠によっては、本件請求項1ないし3に係る発明についての特許を取り消すことはできない。
また、他に本件請求項1ないし3に係る発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。
したがって、本件請求項1ないし3に係る発明についての特許は拒絶の査定をしなければならない特許出願に対してされたものと認めない。
よって、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第14条の規定に基づく、特許法等の一部を改正する法律の施行に伴う経過措置を定める政令(平成7年政令第205号)第4条第2項の規定により、上記の通り決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
歯科用パノラマX線撮影装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 歯科用パノラマX線撮影装置に於いて、装置の各部が任意の位置にあってもX線撮影スイッチを押し続けることによって、自動的に撮影準備完了状態にセットされ、撮影準備完了直後に連続してX線撮影が開始され、又、前記X線撮影スイッチの操作中に、同スイッチを離すことにより、X線が停止するように構成したことを特徴とする歯科用パノラマX線撮影装置。
【請求項2】 装置の各部の撮影準備が完了されていない時にX線撮影スイッチを1回押して放すことで自動的に撮影準備完了状態のセットを開始し、その後X線撮影スイッチを押し続けることによって、前記撮影準備完了直後に連続してX線撮影が開始され、又、前記X線撮影スイッチの操作中に、同スイッチを離すことにより、X線が停止するように構成したことを特徴とする歯科用パノラマX線撮影装置。
【請求項3】 前記X線撮影スイッチをレントゲン室の室外に取り付けるとともにリモート操作機能を具備することにより構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の歯科用パノラマX線撮影装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は歯科用パノラマX線撮影装置に関する。
【0002】
【従来の技術】
従来、歯科用パノラマX線撮影装置は操作パネル上の操作スイッチを操作し、撮影のための準備動作を行った後にレントゲン室外にあるX線撮影スイッチを繰作した。操作者はレントゲン室の外から患者の様子を確認しながらX線撮影の操作を行わなければならないので、X線撮影スイッチは操作上の間違いを防ぐために片手で簡単に操作できるようにデッドマン方式のハンドスイッチになっている。従来X線撮影操作を行う際に撮影のための各部の準備状態が完了していない場合は、手動で準備状態に設定するか、準備状態に設定するためのリセットスイッチを押して設定していた。又、準備が完了していないとエラー表示し、誤撮影を防ぐようになっているものもある。
【0003】
しかして、従来のパノラマX線撮影制御装置では、図4のようにリセットスイッチ23が押されるとフリップフロップ回路27のセット端子に入力され、出力Qが立ち上がって撮影準備制御回路30が駆動する。この出力は撮影準備完了し、撮影準備完了検出スイッチ24の検出信号がフリップフロップ回路27のリセット端子に入力されるまで保持されて出力される。撮影準備完了検出スイッチ24の検出信号はフリップフロップ回路28のセット端子にも入力され、このフリップフロップ回路28の出力を立ち上げ、X線撮影完了検出スイッチ25の検出信号がリセット端子に入力されるまで保持される。この状態でX線撮影スイッチ26が押されると、AND回路29によってX線撮影スイッチ26が押されている間だけX線撮影制御回路31を駆動する。また、撮影が完了するとAND回路29の出力は反転し、X線撮影制御回路31を停止する。
【0004】
【発明が解決しようとする課題】
しかるに、前記従来の医療用パノラマX線撮影装置において、撮影の準備状態にない時はその都度セットされていない所を確認し再設定したり、リセットスイッチ23を押したりしなければならず、患者を待たせたり誤撮影の原因になったりした。また、リセットスイッチ23がレントゲン室の外にある場合でもこのリセット操作を行うために患者から一端目を放して操作パネル上のKEY操作を行わなければならなかった。
【0005】
本発明は、前記従来の医療用パノラマX線撮影装置におけるわずらわしい操作を無くすために発明されたもので、操作者が操作パネル上の操作に気をとられることなく患者の位置付け状態や安全のみに気を配ることができ、より安全で確実な撮影ができる医療用パノラマX線撮影装置の提供を目的とする。
【0006】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明の請求項1の発明は、歯科用パノラマX線撮影装置に於いて、装置の各部が任意の位置にあってもX線撮影スイッチを押し続けることによって、自動的に撮影準備完了状態にセットされ、撮影準備完了直後に連続してX線撮影が開始され、又、前記X線撮影スイッチの操作中に、同スイッチを離すことにより、X線が停止するように構成したことを特徴とする歯科用パノラマX線撮影装置である。
【0007】
請求項2の発明は、装置の各部の撮影準備が完了されていない時にX線撮影スイッチを1回押して放すことで自動的に撮影準備完了状態のセットを開始し、その後X線撮影スイッチを押し続けることによって、前記撮影準備完了直後に連続してX線撮影が開始され、又、前記X線撮影スイッチの操作中に、同スイッチを離すことにより、X線が停止するように構成したことを特徴とする歯科用パノラマX線撮影装置である。
【0008】
請求項3の発明は、前記X線撮影スイッチをレントゲン室の室外に取り付けるとともにリモート操作機能を具備することにより構成したことを特徴とする請求項1または2に記載の歯科用パノラマX線撮影装置である。そして本発明は、X線撮影スイッチに撮影準備状態を自動的に設定するためのリセット機能を保有せしめて準備が完了されていない場合にはリセット機能が優先して働くようにしたものである。
【0009】
【実施例1】
以下、本発明の実施例を図面に基づいて説明する。
図1は、本発明の第1実施例であるX線撮影制御装置のブロック図である。1は操作機であり、キーボードや各種の操作スイッチ及び撮影準備状態を設定するためのリセットスイッチ等から成っている。2は入出力インターフェース部(1/0)、3はCPU(中央処理装置)、4は各種のプログラムやデータ等を記憶しているROM、5は一時的にデータ等を記憶しておくRAM、7はアドレス、データ及び制御の伝送路である。8はX線撮影装置9に結合され、該装置が設定された条件通りに動作しているかどうか等を検知するための撮影条件検知器、10は撮影条件を設定するための制御回路、11,14及び17は断層撮影の断層域を作るためのレントゲンヘッドの旋回、フィルムの送り、顎位置を決めるチンレストの送り等を制御する制御回路、12,15及び18はモータ等から成る駆動源、13,16及び19はそれぞれの位置を検出する位置検出器22はレントゲン室の外に設置されるリモート部で、X線撮影スイッチ21と管電圧、撮影時間等を表示する表示器20とから成る。表示器6は表示器20と同じもので操作機1に具備するものである。
【0010】
次に動作について図1及び図2に基づいて説明する。図2は本発明の医療用パノラマX線撮影装置の構成を示す概略側面図である。操作機1によってあらかじめ患者導入の際に邪魔にならないように旋回アーム24およびフィルムホルダー25を移動した後患者を導入し、撮影装置本体23の断層域の軌道に患者の歯列が最適な状態で合うように装置から発光する位置付けビーム29に患者を合わせて操作機1を操作し、X線装置本体23を支柱30に沿って上下して患者の顎の高さを合わせる。また、顎を載せるチンレスト28をチンレスト制御回路17およびチンレスト駆動源18で移動して前歯部の位置を合わせる。その後、患者に合った管電圧を設定するために撮影条件検知器8を組込む頭部押さえ31で患者の頭部を押さえ、頭部厚を検知し、撮影条件制御回路10により管電圧を自動設定する。操作者はフィルムカセッテ26をフィルムホルダー25にセットしてレントゲン室の外に出て鉛ガラス越しに患者の状態を確認しながらX線撮影スイッチ21を押す。
【0011】
操作者がX線撮影スイッチ21を押し続けると、CPU3はX線撮影が可能な状態かを撮影条件検知器8、アーム位置検出器13、フィルム位置検出器16等をチェックし、可能な状態でない場合には、アーム駆動源12およびフィルム駆動源15等を制御し、撮影可能な準備状態になるまで駆動する。この状態でCPU3は再度X線撮影が可能か否かのチェックを行い、X線撮影スイッチ21が押されていることを確認して一連のX線断層撮影動作を行う。X線撮影時操作者がX線撮影スイッチ21を放した場合は直ちにX線が停止するようにデッドマン方式になっている。
【0012】
CPU3が撮影完了状態をチェックすると撮影は完了し、患者が出やすいように旋回アーム24およびフィルムホルダー25を移動した後に患者はレントゲン室から出る。操作者はフィルムカセッテ26を取り出して現像処理を行う。以上のように操作者はX線撮影スイッチ21を押すだけで自動で撮影を行うことができる。尚、X線撮影の準備動作が完了していない時にX線撮影スイッチ21を1度押して放した場合には準備動作を行い、準備完了の状態で待機する。この場合、次にX線撮影スイッチ21を押し続けることで通常のX線撮影を行うものである。
【0013】
【実施例2】
以上CPU3で制御した場合の実施例を示したが、次に本発明の操作回路を論理回路で示した実施例を説明する。図3は本発明のパノラマX線制御装置の操作回路を論理回路で示した説明図である。図中33は撮影準備を完了したことを検出して伝達する撮影準備完了検出スイッチ、32はX線撮影スイッチ、34はX線撮影が完了したことを検出して伝達するX線撮影完了検出スイッチ、35および37はセット入力で出力反転しリセット入力が優先のフリップフロップ回路、38はAND回路、36は撮影準備状態に設定するための制御回路、39はX線撮影を制御するX線撮影制御回路である。
【0014】
また、図3の実施例は、従来使用していた図4のパノラマX線撮影装置のリセットスイッチ23を使用しないでX線撮影スイッチ32にリセットスイッチ機能を有した回路である。
【0015】
因って、図3の本発明において、X線撮影スイッチ32を押し続けるとその信号がフリップフロップ回路35のセット端子に入力され、出力Qが立ち上がり撮影準備制御回路36が駆動する。又、同制御回路36を介して、X線撮影に必要な各装置がそれぞれの撮影準備位置にセットされて撮影準備が完了すると、これを撮影準備完了検出スイッチ33が検出して、その検出信号をフリップフロップ回路35のリセット端子に入力し、同回路35の出力Qが反転し、前記撮影準備制御回路36を停止する。
【0016】
さらに、前記検出スイッチ33の検出信号が同時にフリップフロップ回路37のセット端子にも入力され、出力Qを立ち上げるとともに、その出力と押し続けられているX線撮影スイッチ32からの出力信号をAND回路38でANDをとることによって、X線撮影スイッチ32が押されてる間、X線撮影制御回路39を駆動する。X線撮影が完了するとX線撮影完了検出スイッチ34がこれを検出し、同検出信号がフリップフロップ回路37のリセット端子に入力され出力Qは反転し、AND回路38によりX線撮影スイッチ32が押し続けられていてもX線撮影制御回路39の駆動を停止するものである。
【0017】
又、X線撮影スイッチ32を1回押して離すと、フリップフロップ回路35のセット端子が立ち上がる。また、X線撮影スイッチ32は一端離されるのでAND回路38の入力線42がLOWレベルに落ちる。この状態に於いては、図4の従来の操作回路と同様になり、撮影準備制御回路36が駆動し、X線撮影に必要な各装置を撮影準備状態に設定する。そしてこれを撮影準備完了検出スイッチ33が検出し、その検出信号がフリップフロップ回路37のセット端子に入力され、このフリップフロップ回路37の出力Qを立ち上げるので、前記X線撮影スイッチ32を再び押すことによりAND回路38の入力線42がHighレベルになり、押されている間だけX線撮影制御回路39を駆動する。撮影が完了するとAND回路38の出力は反転しX線撮影制御回路39は停止する。
【0018】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、X線撮影スイッチを押すだけで自動で撮影準備状態に設定して直後に連続して撮影に入ることができるため、撮影のための準備作業に気を使うことがなく、操作が簡単であるとともに、誤撮影が防止でき、患者の位置付けや、安全のみに気を配ることができるX線撮影操作の的確、安全性を向上し得る。
又、前記X線撮影スイッチの操作中に、同スイッチを離すことにより、X線照射を即時に停止することができ、X線撮影中の被爆事故等を防止することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】
本発明の実施例1を示すパノラマX線撮影制御装置の回路構成を示すブロック図。
【図2】
本発明の実施例1におけるパノラマX線撮影制御装置の構成を示す、概略側面図。
【図3】
本発明の実施例2を示すパノラマX線撮影制御装置の操作回路説明図。
【図4】
従来のパノラマX線撮影制御装置の操作回路を示す説明図。
【符号の説明】
1 操作機
2 1/0
3 CPU
4 ROM
5 RAM
6 表示器
7 バス
8 撮影条件検知器
9 X線撮影装置
10 撮影条件制御回路
11 アーム制御回路
12 アーム駆動源
13 アーム位置検出器
14 フィルム制御回路
15 フィルム駆動源
16 フィルム位置検出器
17 チンレスト制御回路
18 チンレスト駆動源
19 チンレスト位置検出器
20 表示器
21 X線撮影スイッチ
22 リモート部
32 X線撮影スイッチ
33 撮影準備完了検出スイッチ
34 X線撮影完了検出スイッチ
35 フリップフロップ回路
36 撮影準備制御回路
37 フリップフロップ回路
38 AND回路
39 X線撮影制御回路
42 入力線
 
訂正の要旨 (訂正事項a)
本件特許請求の範囲の請求項1を、特許請求の範囲の減縮を目的として、
「【請求項1】 歯科用パノラマX線撮影装置に於いて、装置の各部が任意の位置にあってもX線撮影スイッチを押し続けることによって、自動的に撮影準備完了状態にセットされ、撮影準備完了直後に連続してX線撮影が開始され、又、前記X線撮影スイッチの操作中に、同スイッチを離すことにより、X線が停止するように構成したことを特徴とする歯科用パノラマX線撮影装置。」と訂正する。
(訂正事項b)
本件特許請求の範囲の請求項2を、特許請求の範囲の減縮を目的として、
「【請求項2】 装置の各部の撮影準備が完了されていない時にX線撮影スイッチを1回押して放すことで自動的に撮影準備完了状態のセットを開始し、その後X線撮影スイッチを押し続けることによって、前記撮影準備完了直後に連続してX線撮影が開始され、又、前記X線撮影スイッチの操作中に、同スイッチを離すことにより、X線が停止するように構成したことを特徴とする歯科用パノラマX線撮影装置。」と訂正する。
(訂正事項c)
本件明細書【0006】〜【0007】段落を、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「【0006】
【課題を解決するための手段および作用】
本発明の請求項1の発明は、歯科用パノラマX線撮影装置に於いて、装置の各部が任意の位置にあってもX線撮影スイッチを押し続けることによって、自動的に撮影準備完了状態にセットされ、撮影準備完了直後に連続してX線撮影が開始され、又、前記X線撮影スイッチの操作中に、同スイッチを離すことにより、X線が停止するように構成したことを特徴とする歯科用パノラマX線撮影装置である。
【0007】請求項2の発明は、装置の各部の撮影準備が完了されていない時にX線撮影スイッチを1回押して放すことで自動的に撮影準備完了状態のセットを開始し、その後X線撮影スイッチを押し続けることによって、前記撮影準備完了直後に連続してX線撮影が開始され、又、前記X線撮影スイッチの操作中に、同スイッチを離すことにより、X線が停止するように構成したことを特徴とする歯科用パノラマX線撮影装置である。」と訂正する。
(訂正事項d)
本件明細書【0018】段落を、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「【0018】
【発明の効果】
以上、説明したように本発明によれば、X線撮影スイッチを押すだけで自動で撮影準備状態に設定して直後に連続して撮影に入ることができるため、撮影のための準備作業に気を使うことがなく、操作が簡単であるとともに、誤撮影が防止でき、患者の位置付けや、安全のみに気を配ることができるX線撮影操作の的確、安全性を向上し得る。
又、前記X線撮影スイッチの操作中に、同スイッチを離すことにより、X線照射を即時に停止することができ、X線撮影中の被爆事故等を防止することができる。」と訂正する。
異議決定日 2002-03-11 
出願番号 特願平3-50589
審決分類 P 1 651・ 112- YA (A61B)
P 1 651・ 121- YA (A61B)
最終処分 維持  
前審関与審査官 神谷 直慈  
特許庁審判長 渡部 利行
特許庁審判官 住田 秀弘
志村 博
登録日 1999-12-10 
登録番号 特許第3011279号(P3011279)
権利者 株式会社吉田製作所
発明の名称 歯科用パノラマX線撮影装置  
代理人 奈良 武  
代理人 山田 卓二  
代理人 青山 葆  
代理人 奈良 武  

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