• ポートフォリオ機能


ポートフォリオを新規に作成して保存
既存のポートフォリオに追加保存

  • この表をプリントする
PDF PDFをダウンロード
審決分類 審判 全部申し立て 2項進歩性  H01R
管理番号 1061128
異議申立番号 異議2001-70358  
総通号数 32 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許決定公報 
発行日 1999-04-23 
種別 異議の決定 
異議申立日 2001-01-30 
確定日 2002-04-17 
異議申立件数
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3072078号「バーンイン試験ソケット装置」の請求項1ないし14に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 
結論 訂正を認める。 特許第3072078号の請求項1〜3に係る特許を維持する。 
理由
1. 本件は、特許第3072078号(特願平10-192880号)に関し、その特許請求の範囲の請求項1〜14に係る発明につき受けた特許の全部にわたり取消すべきことを請求して提起されたところの特許異議申立事件に、存する。

2. 本件の手続きの経緯の概要は、以下のとおりである。
1) 出願日:平成10年7月8日(1998.7.8)
2) 優先日:平成9年7月9日[1997.7.9(優先国米国(US
890272)]
3) 設定登録:平成12年5月26日
4) 特許公報:平成12年7月31日発行
5) 異議申立:平成13年1月30日特許異議申立人田島亮より異議申立
6) 取消理由通知:平成13年6月11日付けで当審より取消理由の通知
7) 訂正請求等:平成13年12月21日付けで、特許権者より意見書と ともに訂正請求(後日取下)
8) 取消理由通知:平成14年3月7日付けで、2回目の取消理由通知
9) 訂正請求等:平成14年3月11日付けで、特許権者より意見書とと もに訂正請求

3. 上記訂正請求の骨子とする内容は、つぎのとおりである。

“特許明細書の特許請求の範囲【請求項1〜14】に係る発明である、
「【請求項1】 表面に多数の接点を有するIC部品を取付けるためのソケット装置であって、
(イ) ベースと、
(ロ) 該ベースに対して垂直方向に移動可能に取付けられたアダプタ板であって、該アダプタ板はばね部材によってベースから離れた最上位置の方へ付勢され、IC部品を位置決めするためのガイドを有し、かつ複数の貫通する接触子受け孔を有するアダプタ板と、
(ハ) 前記ベースに取付けられ、前記アダプタ板上に重なる第1位置と前記アダプタ板から離れた第2位置との間を移動可能なラッチ部材と、
(ニ) 前記ラッチ部材を前記第1位置と第2位置との間で動かすためのアクチュエータと、
(ホ) 前記ベースに取付けられた複数の接触子であって、各接触子は前記ベースを貫通して延びるピン部とアダプタ板の接触子受け孔で受けられる端部を有し、前記アダプタ板がその最上位置にあるとき、前記接触部の端部がアダプタ位置の上面の直ぐ下に位置する、複数の接触子と、
(ヘ) 前記ベースに対して垂直方向に往復動可能に取付けられたカバー部材であって、前記カバー部材は、前記アクチュエータが前記カバー部材の位置に応答して前記ラッチ部材を移動させるように、前記アクチュエータと係合し、前記カバー部材が前記ベースから離隔された位置にあるとき、前記ラッチ部材が前記第1位置にあり、前記カバー部材が前記ベースに接近された位置にあるとき、前記ラッチ部材が前記第2位置にある、カバー部材とを有し、
(ト) 前記IC部品がアダプタ板上に位置決め載置された後、前記第1位置に向けて移動された前記ラッチ部材により前記アダプタ板が前記ばね部材の付勢に抗して押し下げられ、これによって前記接触子の端部がアダプタ板の接触子受け孔から露出されて前記IC部品の接点と接続する、ソケット装置。
【請求項2】 請求項1に記載のソケット装置において、前記ベースが四辺を有し、ラッチ部材が前記辺の少なくとも二つにおいて前記ベース上に取付けられているソケット装置。
【請求項3】 請求項1に記載のソケット装置において、各ラッチ部材は、湾曲部およびこの湾曲部からそれぞれの端部へ延びる1対のアームを有し、前記アームの端部が前記ベースに回転可能に取付けられ、前記アクチュエータによって前記ラッチ部材が回転されるソケット装置。
【請求項4】 請求項1に記載のソケット装置において、前記ラッチ部材と共に動くことが可能なヒートシンク部材が設けられているソケット装置。
【請求項5】 請求項1に記載のソケット装置において、前記カバー部材は、中央部分に開口を有し、さらに前記カバー部材をベースから離れる方向に駆動するカバーばね部材を含むソケット装置。
【請求項6】 請求項4に記載のソケット装置において、前記アクチュエータは、リンク部材を含み、リンク部材の一端は前記カバー部材に回転可能に結合され、他端は前記ラッチ部材に回転可能に結合され、前記カバー部材の往復動に応答して前記リンク部材が回転移動し、これによって前記ラッチ部材を前記第1位置と第2位置間で移動可能にするソケット装置。
【請求項7】 請求項1に記載のソケット装置において、前記アダプタ板のガイドは、前記アダプタ板上のコーナーに複数形成され、各ガイドは傾斜した斜面を有し、IC部品が該傾斜面に沿ってアダプタ板上に位置決めされるソケット装置。
【請求項8】 請求項7に記載のソケット装置において、前記ガイドが前記アダプタ板上に一体に形成されているソケット装置。
【請求項9】 請求項1に記載のソケット装置において、前記ラッチ部材は、IC部品が無くて前記第1位置にあるとき、前記アダプタ板から、もしIC部品を前記アダプタ面に載置したなら前記IC部品がラッチ部材と整列するであろう部分の厚さより少ない距離だけ離れていて、前記カバー部材が前記ベースから離された位置にあるとき、前記ラッチ部材が前記IC部品を介して前記ばね部材の付勢に抗してアダプタ部材を押し下げ、接触子の端部がアダプタ板の接触子受け孔から露出してIC部品の接点と接続するソケット装置。
【請求項10】 (イ) ベース、
(ロ) 該ベースにベースから離れた第1休止位置とベースに近接する第2作動位置の間をベースに接近および隔離する垂直方向に往復移動できるように取付けられたカバーフレーム、
(ハ) 該カバーフレームを前記第1休止位置の方へ付勢するばね部材、
(ニ) 力印加面を有するラッチ部材を含み、該ラッチ部材が前記ベースに旋回可能に取付けられ、リンクによってこのカバーフレームに結合され、カバーフレームが前記第1休止位置にあるときにこの力印加面がベースに重なる第1閉位置と、カバーフレームが第2作動位置にあるときに力印加面がベースから離れるように旋回される第2開位置の間を移動できるラッチ組立体、
(ホ) 前記ラッチ部材が前記第1位置にあるときにアダプタ板に重なる作動位置から、前記ラッチ部材が前記第2位置にあるときにアダプタ板から離れたIC部品装填/取出し位置へ動き得て、前記ラッチ組立体に取付けられ、前記ラッチ部材と前記カバーフレームを結合するリンクと共に動き得るヒートシンク組立体、
(ヘ) 前記ベースに移動式に取付けられてそれに接近および離隔する方向に移動できるアダプタ板、前記ベースに取付けられて前記アダプタ板にベースから離れる方向に力を付勢するばね手段、前記アダプタ板の上面に形成されたIC部品座面、該座面と整列して選択したパターンでアダプタ板を貫通して作られた複数の接触子受け孔、および各々、ベースに固定される部分およびアダプタ板のそれぞれの接触子受け孔で受けられる自由末端部を有する複数の長い接触子、を含み、
(ト) 前記アダプタ板は、ベースの方へ動かされたとき、接触子の自由末端部を露出し、ラッチ部材の力印加面は、閉位置にあるとき、座面と整列され、IC部品が無いと、アダプタ板からIC部品の周辺部の厚さより少ない
距離だけ離れていて、カバーフレームが前記第2作動位置にあり且つIC部品を接触領域をその下面にして前記IC部品座面に置いたとき、カバーフレームを第1休止位置へ戻すと、ラッチ部材がIC部品の周辺部に力を掛け、閉位置へ動いて、アダプタ板を下方に動かし、各接触子の末端がIC部品座面に配置されたIC部品のそれぞれの接触領域と係合するようにしてなるソケット装置。
【請求項11】 ベース、IC部品座面、前記ベースにベースから離れた第1休止位置とベースに近接する第2作動位置の間を垂直に移動できるように取付けられたカバーフレーム、該カバーフレームを前記第1位置の方へ付勢するばね部材、
力印加面を有するラッチ部材を含み、該ラッチ部材が前記ベースに旋回可能に取付けられ、少なくとも一つのリンクによって前記カバーフレームに結合され、該カバーフレームが前記第1休止位置にあるときに前記力印加面がベースに重なる第1閉位置と、カバーフレームが第2作動位置にあるときに力印加面がベースから離れるように旋回される第2開位置の間を移動できるラッチ組立体、および前記IC部品座面に重なる作動位置から、IC部品座面から離れたIC部品装填/取出し位置へ動き得て、前記ラッチ組立体に取付けられ、それと共に動き得るヒートシンク組立体、を含むソケット装置。
【請求項12】 請求項11に記載のソケット装置において、前記リンクが第1端および第2端を有し、前記ヒートシンク組立体が前記リンクのこの第1端および第2端に結合されて、前記リンクの延長として効果的に動くソケット装置。
【請求項13】 ベースと、前記ベースにベースから離れた第1休止位置とベースに近接する第2作動位置の間を垂直に移動できるように取付けられたカバーフレームと、該カバーフレームを前記第1位置の方へ付勢するばね部材と、前記ベースに対して垂直方向に移動可能に取付けられ、ばね部材によってベースから離れた最上位置の方へ付勢され、複数の貫通する接触子受け孔を有するアダプタ板と、力印加面を有するラッチ部材を含み、前記カバーフレームが前記第1休止位置にあるときに前記力印加面がベースに重なる第1閉位置と、カバーフレームが第2作動位置にあるときに力印加面がベースから離れる第2開位置の間を移動できるラッチ部材と、前記ベースに取付けられた複数の接触子であって、各接触子は前記ベースを貫通して延びるピン部とアダプタ板の接触子受け孔で受けられる端部を有し、前記アダプタ板がその最上位置にあるとき、前記接触部の端部がアダプタ位置の上面の直ぐ下に位置する、複数の接触子と、を有するソケット装置にIC部品を取付る方法であって、
(イ) 表面に多数の接点を有するIC部品を用意し、
(ロ) 前記カバーフレームが第2作動位置にあるとき、前記IC部品の接点が下になるように前記IC部品を前記アダプタ板上に載置し、
(ハ) 前記カバーフレームを第1休止位置に戻して、前記アダプタ板が前記ばね部材の付勢に抗して垂直方向に押し下がるように、前記IC部品を前記ラッチ部材で保持し、同時に前記接触子受け孔から前記接触子の端部を露出させて前記IC部品の各接点に弾性的に接触させる、工程を有する前記IC部品の取付方法。
【請求項14】 請求項13に記載の取付方法において、
該方法は、
(ニ) 前記カバーフレームを第2作動位置にし、前記ラッチ部材を第2開位置へ移動させ、前記IC部品をアダプタ板から取り外す、工程を有する前記IC部品の取付方法。」
を、

『【請求項1】 表面に多数の接点を有するIC部品を取付けるためのソケット装置であって、
(イ) ベースと、
(ロ) 該ベースに対して垂直方向に移動可能に取付けられたアダプタ板であって、該アダプタ板はばね部材によってベースから離れた最上位置の方へ付勢され、IC部品を位置決めするためのガイドを有し、かつ複数の貫通する接触子受け孔を有するアダプタ板と、
(ハ) 前記ベースに取付けられ、前記アダプタ板上に重なる第1位置と前記アダプタ板から離れた第2位置との間を移動可能なラッチ部材と、
(ニ) 前記ラッチ部材を前記第1位置と第2位置との間で動かしかつ前記第1位置の方へ付勢するためのばね部材を含むアクチュエータと、
(ホ) 前記ベースに取付けられた複数の接触子であって、各接触子は前記ベースを貫通して延びるピン部とアダプタ板の接触子受け孔で受けられる端部を有し、前記アダプタ板がその最上位置にあるとき、前記接触子の端部がアダプタ位置の上面の直ぐ下に位置する、複数の接触子と、
(ヘ) 前記ベースに対して垂直方向に往復動可能に取付けられたカバー部材であって、前記カバー部材は、前記アクチュエータが前記カバー部材の位置に応答して前記ラッチ部材を移動させるように、前記アクチュエータと係合し、前記カバー部材が前記ベースから離隔された位置にあるとき、前記ラッチ部材が前記第1位置にあり、前記カバー部材が前記ベースに接近された位置にあるとき、前記ラッチ部材が前記第2位置にある、カバー部材と、
(ト)前記ラッチ部材と共に動くことが可能なヒートシンク部材と、を含み 、
(チ)前記IC部品がアダプタ板上に位置決め載置された後、前記第1位置に向けて移動された前記ラッチ部材により前記アダプタ板が前記ばね部材の付勢に抗して押し下げられ、これによって前記接触子の端部がアダプタ板の接触子受け孔から露出されて前記IC部品の接点と接触する、ソケット装置。

【請求項2】 (イ) ベース、
(ロ) 該ベースにベースから離れた休止位置とベースに近接する作動位置の間をベースに接近および隔離する垂直方向に往復移動できるように取付けられたカバーフレーム、
(ハ) 該カバーフレームを前記休止位置の方へ付勢するばね部材、
(ニ) 力印加面を有するラッチ部材を含み、該ラッチ部材が前記ベースに旋回可能に取付けられ、リンクによってこのカバーフレームに結合され、カバーフレームが前記休止位置にあるときにこの力印加面がベースに重なる第1位置と、カバーフレームが作動位置にあるときに力印加面がベースから離れるように旋回される第2位置の間を移動できるラッチ組立体、
(ホ) 前記ラッチ部材が前記第1位置にあるときにアダプタ板に重なる位置から、前記ラッチ部材が前記第2位置にあるときにアダプタ板から離れたIC部品装填/取出し位置へ動き得て、前記ラッチ組立体に取付けられ、前記ラッチ部材と前記カバーフレームを結合するリンクと共に動き得るヒートシンク組立体、
(ヘ) 前記ベースに移動式に取付けられてそれに接近および離隔する方向に移動できるアダプタ板、前記ベースに取付けられて前記アダプタ板にベースから離れる方向に力を付勢するばね手段、前記アダプタ板の上面に形成されたIC部品座面、該座面と整列して選択したパターンでアダプタ板を貫通して作られた複数の接触子受け孔、および各々、ベースに固定される部分およびアダプタ板のそれぞれの接触子受け孔で受けられる自由末端部を有する複数の長い接触子、を含み、
(ト) 前記アダプタ板は、ベースの方へ動かされたとき、接触子の自由末端部を露出し、ラッチ部材の力印加面は、第1位置にあるとき、座面と整列され、IC部品が無いと、アダプタ板からIC部品の周辺部の厚さより少ない距離だけ離れていて、カバーフレームが前記作動位置にあり且つIC部品を接触領域をその下面にして前記IC部品座面に置いたとき、カバーフレームを休止位置へ戻すと、ラッチ部材がIC部品の周辺部に力を掛け、第1位置へ動いて、アダプタ板を下方に動かし、各接触子の末端がIC部品座面に配置されたIC部品のそれぞれの接触領域と係合するようにしてなるソケット装置。

【請求項3】 ベース、IC部品座面、前記ベースにベースから離れた休止位置とベースに近接する作動位置の間を垂直に移動できるように取付けられたカバーフレーム、該カバーフレームを前記休止位置の方へ付勢するばね部材、
力印加面を有するラッチ部材を含み、該ラッチ部材が前記ベースに旋回可能に取付けられ、少なくとも一つのリンクによって前記カバーフレームに結合され、該カバーフレームが前記休止位置にあるときに前記力印加面がベースに重なる第1位置と、カバーフレームが作動位置にあるときに力印加面がベースから離れるように旋回される第2位置の間を移動できるラッチ組立体、および
前記IC部品座面に重なる位置から、IC部品座面から離れたIC部品装填/取出し位置へ動き得て、前記ラッチ組立体に取付けられ、それと共に動き得るヒートシンク組立体、
を含むソケット装置。』
に訂正することを請求する”

というものである。

4. そこで、この訂正請求における請求内容が、適法であるか否かにつき審案する。
本件訂正請求後における特許請求の範囲【請求項1】、【請求項2】、【請求項3】に係る発明は、それぞれ、特許権設定登録時における明細書の特許請求の範囲【請求項1】、【請求項10】、【請求項11】に係る発明に対応しているところ、結局、この訂正請求において、特許請求の範囲【請求項2〜9】並びに【請求項12〜14】に係る記載を、削除しており、これは、特許請求の範囲の減縮にあたり、むろん、このことにより、目的指向に何の変更も生じていないから、特許請求の範囲を拡張し若しくは変更するものには、当たらないものである。
また、これに関連して、特許請求の範囲【請求項10,11】に係る記載を、同【請求項2,3】に訂正したのは、請求項の項数を順次1、2、3と整序したもので、明りょうでない記載の釈明に当たるものというべきである。
1) 訂正請求後の特許請求の範囲【請求項1】に係る記載中、
もとの【請求項1】における、
「(ニ) 前記ラッチ部材を前記第1位置と第2位置との間で動かすためのアクチュエータと、」を
『(ニ) 前記ラッチ部材を前記第1位置と第2位置との間で動かし
かつ前記第1位置の方へ付勢するためのばね部材を含むアクチュエータと、』
と訂正した点は、
第3,6図の態様並びに特許明細書における、
「カバーフレーム16は、各角に孔16bおよび深座ぐり16cが作られていて(図1、図3および図4参照)、その間の面16dが停止面を形成する。
ねじ18が、各孔16bを通しおよびベース12の整列された孔12aを通して受けられ、例えば座ぐり12bで受けたスプライン付のナット18bによる等、適当に固定されている。カバーフレーム16の下面にあって各孔16bを取囲む環状溝16e、およびベース12の上面にあって各孔12aを取囲む環状溝12cは、圧縮ばね20用の座部を形成し、そのばねがこのカバーフレームをベース12から離隔して垂直方向に上方に偏倚し、このカバーフレームの運動は、停止面16dがそれぞれのねじ18の頭18cと係合することによって制限される。」( 段落番号【0012】第2,第3文節参照)
に、依拠しており、格別新規事項の付加には当たらないものである。
そして、これにより、アクチュエータの技術的内容を特定しているから、この訂正は、特許請求の範囲の減縮にあたるものであり、勿論これにより、発明の課題解決に向けた本件発明の技術的趣意には何ら変更を及ぼすものではないから、特許請求の範囲を拡張し若しくは変更するものには当たらないものである。

次に、同じくもとの【請求項1】における(ホ)第4文節の「前記接触部の端部がアダプタ位置の上面の直ぐ下に位置する、」を、
「前記接触子の端部がアダプタ位置の上面の直ぐ下に位置する、」に、
訂正した点は、
接触部は前記されていず本来「接触子」と記載すべきところ表示上の錯誤により生じたところの接触部の記載を訂正するものであるから、誤記の訂正に該当する。
最後に、もとの【請求項1】において、
(へ)と(ト)の項目の間に、もとの請求項4に記載された事項である
「(ト)前記ラッチ部材と共に動くことが可能なヒートシンク部材、を含み、」を挿入し、該新たな項目の挿入に伴い、もとの項目記号「(ト)」を「(チ)」に訂正した点は、もとの請求項1に従属するもとの請求項4に記載された事項を単に挿入したにすぎない訂正であるところ、もとの特許請求の範囲に記載された事項を維持した訂正であり、実質上特許請求の範囲を拡張しまたは変更するものには当たらない。

2) 訂正後の特許請求の範囲【請求項2】に係る記載中、
もとの【請求項10】における(ロ)、(ハ)、(ニ)、(ト)の各項に存する「第1休止位置」をそれぞれ、「休止位置」と訂正した点は、「休止位置」自体は一箇所しかないから、番号を付けると却って紛らわしいことを配慮して訂正したもので、明りょうでない記載の釈明に当たるものであり、これにより何ら発明自体の趣意を変更しないから、特許請求の範囲を拡張し若しくは変更するものではない。
同じく、同【請求項10】における(ロ)、(ニ)、(ト)の各項における「第2作動位置」をそれぞれ、『作動位置』と訂正した点につき、亦同様である。
さらに、同【請求項10】における、
(ニ)、(ト)の各項における「第1閉位置」を『第1位置』と訂正した点は、前記【請求項1】に係る記載と技術的整合性を採るためであり、明りょうでない記載の釈明に当たるものというべきであり、これにより、発明の技術的趣意を変更するものではないから、特許請求の範囲の変更・拡張をもたらすものではない。
同じく、同【請求項10】において、
(ニ)項における「第2開位置」を、
『第2位置』とした点につき亦、同様である。
またさらに、同【請求項10】において、(ホ)項における、「作動位置」を、『位置』と訂正した点は、他に作動位置が存在し、それと紛らわしいところ、これを回避するための訂正であるから、明りょうでない記載の釈明に当たるものというべきである。勿論これにより発明の趣意を何ら変改しないから、特許請求の範囲を変更し若しくは拡張するものではない。

3) 訂正請求後の特許請求の範囲【請求項3】に係る記載中、
もとの【請求項11】における第2、第3文節に存する「第1休止位置」を、それぞれ、『休止位置』と訂正した点は、前記訂正後の【請求項2】に係る記載との整合性を採ったものであり、明りょうでない記載の釈明に当たるものというべきであり、これにより発明の技術的趣意を変更しないから、特許請求の範囲の拡張・変更をもたらすものではない。
同じく、同【請求項11】に係る記載における第2、第7文節における「第2作動位置」を、
『作動位置』と訂正した点につき、亦同様である。
同じく、同【請求項11】に係る記載における「第1閉位置」、「第2開位置」を、それぞれ『第1位置』、『第2位置』と訂正した点についても、亦同様である。
また、同【請求項11】第6文節における「第1位置」を、
『休止位置』と訂正した点は、元々第1位置は休止位置を含意しているものでるところ、格別新規事項には当たらないものであり、他の箇所における呼称との整合性を採って訂正したもので、明りょうでない記載の釈明というべきである。
最後に同【請求項11】に係る記載の第10文節における「作動位置」を、
『位置』に訂正した点は、他の箇所における呼称と区別するための訂正であり、明りょうでない記載の釈明に当たるものというべきである。
むろん、このことによって、発明のもつ技術的趣意には変更は生じていないから、特許請求の範囲を変更し、若しくは拡張するものではない。

以上のとおりであるから、本件に係る上記訂正請求は、悉く適法なものといってしかるべきである。
それ故、本件に関する特許権は上記訂正請求によって訂正された明細書の特許請求の範囲【請求項1〜3】に記載されたとおりの発明につき受けたものというべきである。

6. 特許異議申立人田島 亮は、甲第1〜第4号証刊行物即ち、
1) 甲第1号証刊行物;(「実願平3-69460号(実開平5-20286号)のCD-ROM」:以下、「第1刊行物」という。)
2) 甲第2号証刊行物;(「実願平1-149011号(実開平3-88290号)のマイクロフィルム」:以下、「第2刊行物」という。)
3) 甲第3号証刊行物 ;(「特開平8-213128号公報」:以下「第3刊行物」という。)
4) 甲第4号証刊行物;(「特開平8-106967号公報」:以下「第4刊行物」という。)を提出して、

“本件特許の請求項1乃至14(訂正請求後は、【請求項1〜3】に係る発明)に記載された発明は、甲第1号証乃至甲第4号証に記載の発明、つまりその出願前に公然知られた発明に基づき当業者が容易に発明をすることができたものであるから、特許法第29条第2項の規定に該当し、同法第113条第2号の規定により取り消されるべきである。”
旨主張する。

7. 引用刊行物の記載
1) 第1刊行物には、以下の事項が、図面とともに記載されている。
イ) 「【0008】
【実施例】
以下、図1乃至図5に基づき、本考案によるICソケットの一実施例を説明する。この実施例では前述したLGA用IC素子(図6及び図7参照)を装着するものとする。図において、1はソケット本体、2はガイド・ストッパピン3を介して上記ソケット本体1に所定ストロークだけ上下動可能に装着されたカバー、4はソケット本体1の各角部内側に設けたガイド柱1aに巻回されてソケット本体1とカバー2との間に介装された圧縮コイルスプリング、5はボルト・ナット等の連結手段6(図3)によってソケット本体1に連結されているが、それらの間に介装された圧縮コイルスプリング7により常態ではソケット本体1との間に僅かな隙間が形成されるように弾発されているフローティングプレートである。
このフローティングプレート5の上面5aにはLGA用IC素子の四つの側周面に整合するようにガイド壁5bが立設され、これにより該IC素子のための載置部5cが形成されている。
【0009】
更に、8は搭載すべきLGA用IC素子のリード端子に対応してソケット本体1の底部1bに多数並列して植設されると共に上記フローティングプレート5を貫通してその先端部8aが該フローティングプレート5の上面5aから僅かに突出するようになっているワイヤ状のコンタクトピン、9はソケット本体1に立設された受け部1c上に載接されていて、コンタクトピン8を孔9aに挿通させることにより該コンタクトピン8の中間部をガイドするようになっている中間プレートである。
【0010】
10は概略門型の押え付け部11とリンク12とが連結ピン13によって連結されているホールド手段である。上記押え付け部11は門型の両側の脚部分11a,11aに形成された長穴へソケット本体1の側部適所に植設された軸14が遊嵌することにより支持されている。一方、上記両側の脚部分11a,11aに連結する上記リンク12の一端部12aに形成された長穴へカバー2に植設された軸15が遊嵌していると共に、他端部12bはソケット本体1の側部適所に植設された枢軸16により支持されている。従って、ホールド手段10は、カバー2を上下動することにより、リンク12を介して上記脚部分11aが軸14の周りに回動して、押え付け部11の門型の上側部分11bが前記フローティングプレート5の載置部5cに対して開閉作動するようようになっている(図3、二点鎖線参照)。尚、ホールド手段10は四角形の載置部5cの対向し合う辺に沿って一組設けられるが、押え付け部11の門型の上側部分11bは、該載置部5cに載置されたIC素子の対向する一対の周辺部上に横架されるように配置される。」(段落番号【0008〜0010】)

ロ) 「【0012】
本考案によるICソケットは上記のように構成されているから、常態ではカバー2が圧縮コイルスプリング4の弾力によって押し上げられていて、一方、ソケット本体1及び上記カバー2へ連結されているホールド手段10は図3に実線により示したようにフローティングプレート5の載置部5cに対して閉じている。
従ってこのときには該載置部5cへIC素子を挿入・載置することはできない。
次に、カバー2を圧縮コイルスプリング4の弾力に抗して押し下げると、図3を参照してホールド手段10のリンク12は図中、右旋すると共に、ホールド手段10の脚部分11aは図中、左旋し、これにより押え付け部11の上側部分11bが載置部5cから後退する。このようにホールド手段10が開き状態になることにより、IC素子の載置部5cへの挿入・載置が可能になるが、かかる開き状態においてIC素子はフローティングプレート5のガイド壁5bによって案内されながら載置部5cに載置される。そして載置されたIC素子はその周囲に設けられているガイド壁5bのガイドにより載置部5cにおける概略の位置出しが行われる。」(段落番号【0012】)

2) 前掲第2刊行物には、以下の事項が、図面とともに記載されている。
イ) 「斯くして、第10図A乃至Cに示すように、ソケット基盤4に微小ピッチで並列配置されたコンタクト1群にIC搭載台2をアッセンブリーする際、各コンタクト1はIC搭載台2に微小ピッチで並列配置された位置決め孔3間を仕切る隔壁6の上記分水嶺7により的確に左右へ振り分けられて導入され、位置決め孔3群を上記コンタクト1群に対し適正に整合して一括挿入できる。」(明細書第7頁3〜10行目)
ロ) 「第7図に示すように、フラット形IC9は上記IC載置台2に搭載され、第9図に示すようにIC押えカバー10をソケット基盤4に閉合することによって、IC9をIC搭載台2と共に押圧してバネ5に抗し下降させ、反作用としてコンタクト1の先端接触部lbをIC接片9aに当接させつつ撓ませその復元力にて接圧を得る。」(第8頁1行〜7行目)

3) 第3刊行物には、以下の事項が、図面とともに記載されている。
イ) 「【0040】
カバー12の中央部は開口していて、この開口部を塞ぐように、押さえパッド60が取り付けられている。この押さえパッド60は、たとえばアルミニウムまたは銅などの熱伝導率の高いヒートシンクからなり、ほぼ平坦な内側面(押さえ面)を有する板状の押さえ部60aと、この押さえ部60aの裏側(外側)面に形成された多数の放熱フィン60bとから構成されている。カバー12の中心部には押さえパッド60を支持する支持軸62が設けられている。」(公報第5頁段落番号【0040】)

4) 前掲第4刊行物には、以下の事項が、図面とともに記載されている。
イ) 「【0033】ICパッケージ40を本ソケットから取り出すには、図9の状態からカバー12をベース10側に押し下げればよい。そうすると、カバー12の押下げに連動してリンク機構が(図6〜図9において)時計方向に回動して、回動部材36の絶縁被覆長片部36aがコンタクト26から斜め後方へ退避し、ソケット内の各部が図6の状態に戻る。そこで、ピンセットまたは吸引手段等によってICパッケージ40を外へ摘み上げればよい。」(公報第5頁段落番号【0033】)

8. 対比・判断
一). そこで、本件特許請求の範囲【請求項1】に係る発明(以下、「本件第1発明」という。)と第1刊行物に記載された技術的事項とを対比検討する。
第1刊行物に記載の「LGA(ランド・グリッド・アレイ)用IC素子(図6,7参照)を装着するICソケット」は、本件第1発明にいう「ソケット装置」に他ならないものであり、その「ソケット本体1」は、本件第1発明の「ベース」に相当するものである。
また、第1刊行物に記載の「フローテイングプレート5」は、本件第1発明の「アダプタ板」に相当することは明白であり、その動きは、
『該ベースに対して垂直方向に移動可能に取付けられているものであって、「圧縮スプリング7」なるばね部材によってベースから離れた最上位置の方へ付勢され、IC部品を位置決めするためのガイドたる「ガイド壁」を有し、かつ複数の貫通する接触子受け孔を有する(図2,3)』ものであることも、明らかである。
そして、第1刊行物に記載の「押さえ付け部11」は、本件第1発明における「ラッチ部材」に相当しており、このものも、前記ベースに取付けられており、その作動態様からみて、
「前記アダプタ板上に重なる第1位置と前記アダプタ板から離れた第2位置との間を移動可能なもの」であるというべきである。
また、第1刊行物に記載の「圧縮コイルスプリング4」、「カバー2」及び「リンク」は、本件第1発明の「アクチュエータ」に相当しているものと捉えられ、その作動は、本件第1発明と同様「前記ラッチ部材を前記第1位置と第2位置との間で動かしかつ前記第1位置の方へ付勢するためのばね部材を含むアクチュエータ」たることを、実現しているものというべきである。
第1刊行物に記載されている「コンタクトピン8」は、本件第1発明の「複数の接触子」に相当するものであり、ベースを貫通して延びるピン部とアダプタ板の接触子受け孔で受けられる端部を有していることも、図示の態様に照らし、明らかに是認されるところである。
さらに、第1刊行物に記載の「カバー2」は、本件第1発明の「カバー部材」と同義であり、このものも、「前記ベースに対して垂直方向に往復動可能に取付けられたもの」であり、
このものは、「前記アクチュエータがこのものの位置に応答して前記ラッチ部材を移動させるように、前記アクチュエータと係合する」ものであり、
且つ「このものが、前記ベースから離隔された位置にあるとき、前記ラッチ部材が前記第1位置にあり、」
さらに、「このものが、前記ベースに接近された位置にあるとき、前記ラッチ部材が前記第2位置にある、」
という作動態様を採るものであることは、明らかに是認されるところというべきである。

以上において分析検討したとおりであるから、前掲第1刊行物に記載された技術的事項を、本件第1発明の構成との牽連性において抽出してみると次のとおりである。
『表面に多数の接点を有するIC部品を取付けるためのソケット装置であって、
(イ) ベースと、
(ロ) 該ベースに対して垂直方向に移動可能に取付けられたアダプタ板であって、該アダプタ板はばね部材によってベースから離れた最上位置の方へ付勢され、IC部品を位置決めするためのガイドを有し、かつ複数の貫通する接触子受け孔を有するアダプタ板と、
(ハ) 前記ベースに取付けられ、前記アダプタ板上に重なる第1位置と前記アダプタ板から離れた第2位置との間を移動可能なラッチ部材と、
(ニ) 前記ラッチ部材を前記第1位置と第2位置との間で動かしかつ前記第1位置の方へ付勢するためのばね部材を含むアクチュエータと、
(ホ) 前記ベースに取付けられた複数の接触子であって、各接触子は前記ベースを貫通して延びるピン部とアダプタ板の接触子受け孔で受けられる端部を有する複数の接触子と、
(ヘ) 前記ベースに対して垂直方向に往復動可能に取付けられたカバー部材であって、前記カバー部材は、前記アクチュエータが前記カバー部材の位置に応答して前記ラッチ部材を移動させるように、前記アクチュエータと係合し、前記カバー部材が前記ベースから離隔された位置にあるとき、前記ラッチ部材が前記第1位置にあり、前記カバー部材が前記ベースに接近された位置にあるとき、前記ラッチ部材が前記第2位置にある、カバー部材とを有し、
(チ)前記IC部品がアダプタ板上に位置決め載置された後、前記第1位置に向けて移動された前記ラッチ部材により前記アダプタ板が前記ばね部材の付勢に抗して押し下げられ、これによってアダプタ板の接触子受け孔から露出された前記接触子の端部が前記IC部品の接点と接続する、ソケット装置。』
これが、本件第1発明と第1刊行物に記載された発明との一致する点である。
そこで、本件第1発明と前掲第1刊行物に記載された発明とを比較すると、
i) 本件第1発明は、
「(ト)前記ラッチ部材と共に動くことが可能なヒートシンク部材と、を含(む)、」ものであるのに対して、
前掲第1刊行物に記載された発明においては、斯かるヒートシンク部材が前記ラッチ部材と共に動くことを可能とする技術的事項を、欠如している点、

ii) 本件第1発明は、複数の接触子に関し、
「アダプタ板がその最上位置にあるとき、接触子の端部がアダプタ位置の上面の直ぐ下に位置する、」ものであるのに対して、
前掲第1刊行物に記載の発明においては、複数の接触子の端部が、本件第1発明の如く、アダプタ板がその最上位置にあるとき、該接触子の端部がアダプタ位置の上面の直ぐ下に位置するという構成を、採っていない点、
において、それぞれ相違している。
その余の構成部分については、 前記において審案分析したとおり両者間に格別の相違は存しない。

二). そこで、相違点につき、審案する。
相違点i)について
本件第1発明のこの点において具有する構成である、
『前記ラッチ部材と共に動くことが可能なヒートシンク部材と、を含(む)、』
の技術的事項は、前掲第2、第3、第4刊行物の何れにも開示がされていない{僅かに、第3刊行物に記載の、押さえパッド60は、「ヒートシンク」を構成する点において垣間見られるものの、このものは、カバー12とともに回転軸を回動の要として揺動するだけであり、本件第1発明の如く、その特有のラッチ部材と共に動くことを可能とするものではなく、機構と作動が大幅に懸隔するものである(抑も、第3刊行物に記載のものはソケット装置の根本的型式を別異にするものである)。}。
それ故、この相違点において、第1刊行物に記載の発明に、
前掲第2、第3、第4刊行物に記載の発明を如何様に組合・勘案しても、この第1刊行物に記載の発明の技術的間隙は、埋め合わせられないものというべきである。
本件第1発明は、この相違点を含む本件第1発明の構成要件により、特許明細書記載のとおりの特有の有用性即ち、
イ) 「脚40aの端40bを軸36、38上に取付けることによって、これらのヒートシンク組立体がリンク部材34の延長として効果的に動き、これらの脚がラッチ組立体より大きい角度で回転する結果となって、ヒートシンクヘッド42がラッチ組立体によって形成されるIC部品装填/取出し窓をそれほど侵害しなくなる。」
ロ) 「カバーフレーム16を、図1から図10の実施例で説明したように、押下げたとき、その運動は、リンク部材34を介してラッチ組立体30へ伝達され、各ラッチ組立体を軸32の周りに旋回させてラッチ部材30aを開位置にし、力印加面をベースおよびアダプタ板から旋回し離し、各ヒートシンク組立体40をアダプタ板から旋回し離して図14に示す位置にする。脚40aの端40bを軸36、38上に取付けることによって、これらのヒートシンク組立体がリンク部材34の延長として効果的に動き、これらの脚がラッチ組立体より大きい角度で回転する結果となって、ヒートシンクヘッド42がラッチ組立体によって形成されるIC部品装填/取出し窓をそれほど侵害しなくなる。」
という特有の有用性を期待することができる。
以上のとおりであるから、本件第1発明は、その余の相違点を審案するまでもなく、前掲第1、第2、第3、第4刊行物に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものすることができない。
したがって、本件第1発明に関して受けた特許につき、特許法第29条第2項の規定に基づき取消を請求する異議申立人の主張は、採用することができない。

9. 次に、本件特許請求の範囲【請求項2】に係る発明(以下、「本件第2発明」という。)につき、審案する。
本件第2発明は、基本的には上記本件第1発明と同一の技術的類型のもとに存する。上記本件第1発明と技術概念が共通する事項は割愛し、本件第2発明における特有の形式的記載に係る構成部分につき、分析的に前掲第1刊行物に記載された発明と対比・検討することとする。

第1刊行物に記載の「カバー2」は、本件第2発明の「カバーフレーム」に相当することは明らかであり、このカバーフレームは、ベースから離れた休止位置とベースに近接する作動位置の間をベースに接近および隔離する垂直方向に往復移動できるように、「圧縮コイルスプリング4」によって付勢・誘導されるものであると捉えられるから、このものは、本件第2発明の「カバーフレームを前記休止位置の方へ付勢するばね部材」を実現しているというべきである。
次に、第1刊行物に記載の「ホールド手段10」は、本件第2発明の「ラッチ組立体」に相当していると捉えられる。
蓋し、第1刊行物に記載の「ホールド手段10」は、「押え付け部11」と「リンク12」とを有し、上述したと同様、この「押え付け部11」が本件第2発明の「ラッチ部材」に相当し、このラッチ部材は、ベース(ソケット本体1)に旋回可能に取り付けられ、「リンク12」によってカバーフレームに結合され、カバーフレームが休止位置にあるときに上記ラッチ部材の力印加面がベース(ソケット本体1)に重なる閉位置と、カバーフレームが作動位置にあるときに力印加面がベース(ソケット本体1)から離れるように旋回される第2位置の間を移動できる旨開示されているからである。
勿論、第1刊行物に記載の発明も、そのラッチ組立体の作動に因み、
「前記ラッチ部材が前記第1位置にあるときにアダプタ板に重なる作動位置から、前記ラッチ部材が前記第2位置にあるときにアダプタ板から離れたIC部品装填/取出し位置へ動き得(る)」ものであることも明らかに是認されるところである。
そして、前記第1発明について審案したと同様、第1刊行物に記載された発明は、本件第2発明が、構成要素として標榜する、
「ラッチ部材と前記カバーフレームを結合するリンクと共に動き得るヒートシンク組立体、」を、
具えていず、これを欠如している。
なお、本件第2発明の(へ)の構成部分は、前記第1発明の審案過程において分析したとおり第1刊行部に記載されている技術的事項と殆ど共通するものであるから、ここでは、割愛する。
また、第1刊行物における段落番号【0008】における、「5はボルト・ナット等の連結手段6(図3)によってソケット本体1に連結されているが、それらの間に介装された圧縮コイルスプリング7により常態ではソケット本体1との間に僅かな隙間が形成されるように弾発されているフローティングプレートである。」の記載があり,この状態から、IC素子を載せて押圧するので、IC素子がない場合には、ラッチ部材(押え付け部11)とアダプタ板(フローティングプレート5)との間隔は、IC素子の周辺部の厚さよりも少ない距離だけ離れているものと捉えられる。
したがって、第1刊行物に記載の発明においても、
「アダプタ板は、ベースの方へ動かされたとき、接触子の自由末端部を露出し、ラッチ部材の力印加面は、第1位置にあるとき、座面と整列され、IC部品が無いと、アダプタ板からIC部品の周辺部の厚さより少ない距離だけ離れてい(る)」という技術的態様を採るものであることは、明らかである。
但し、第1刊行物に記載の発明には、本件第2発明が、構成要素とする
「IC部品を接触領域をその下面にして前記IC部品座面に置いたとき、カバーフレームを休止位置へ戻すと、ラッチ部材がIC部品の周辺部に力を掛け、第1位置へ動いて、アダプタ板を下方に動かし、各接触子の末端がIC部品座面に配置されたIC部品のそれぞれの接触領域と係合するようにしてなる」ことについては、具有しないものというべきである。

以上のとおりであるから、本件第2発明と前記第1刊行物に記載の発明とを比較すると、
i) 本件第2発明は、
「ラッチ部材と前記カバーフレームを結合するリンクと共に動き得るヒートシンク組立体、」を、具備するのに対して、
第1刊行物に記載の発明には、斯かるラッチとカバーフレームを連結するヒートシンク組立体の構成を、具えないものである点、
ii) 本件第2発明は、
「ラッチ部材がIC部品の周辺部に力を掛け、第1位置へ動いて、アダプタ板を下方に動かし、各接触子の末端がIC部品座面に配置されたIC部品のそれぞれの接触領域と係合する」ものであるのに対して、
第1刊行物に記載の発明は、
「ソケット本体1の底部1bに多数並列して植設されると共に上記フローティングプレート5を貫通してその先端部8aが該フローティングプレート5の上面5aから僅かに突出するようになっているワイヤ状のコンタクトピン、」とあるとおり、ラッチ部材が、IC部品周辺に力を掛け、アダプタ板を下方に動かして接触子の末端とIC部品の接触領域と係合することを包括していない点、
において、それぞれ相違している。
その余の構成部分については、両者間に格別の相違は存在しない。
2) そこで、この相違点につき、審案する。
相違点i)について、
本件第2発明が特徴的構成要件とする、
「前記ラッチ組立体に取付けられ、前記ラッチ部材と前記カバーフレームを結合するリンクと共に動き得るヒートシンク組立体、」は、
前記第2、第3、第4刊行物の何れにも開示されていないことは、上記本件第1発明に関する審案過程において判断したとおりである。
したがって、本件第2発明は、その余の相違点につき、審案するまでもなく、上掲第1、第2、第3、第4刊行物に記載された発明に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものとすることができない。
それ故、本件第1発明に関して受けた特許につき、特許法第29条第2項の規定に該当することを以て取消を請求する異議申立人の主張は、採用することができない。

10. 最後に、本件特許請求の範囲【請求項3】に係る発明(以下、「本件第3発明」という。)について、審案する。
本件第3発明の構成要件を形成する各要素に該当する部材と前掲第1刊行物に記載された発明の構成部材との相互対比は、前記本件第1発明、第2発明についての審案過程において分析検討したとおりであり、共通した技術的事項が大部分を占めているので、本件第3発明と前掲第1刊行物に記載の発明との各パーツ相互の対比検討は、割愛する。
ただ、本件第3発明は、
「前記IC部品座面に重なる位置から、IC部品座面から離れたIC部品装填/取出し位置へ動き得て、前記ラッチ組立体に取付けられ、それと共に動き得るヒートシンク組立体、を含む」
のに対して、
前掲第1刊行物に記載された発明には、斯かる構成部分を欠如している。
これが、唯一の相違点であり、その余の構成部分については、両者間に格別の相違は認められない。
ところで、この相違点は、既に審示した本件第1発明と前掲第1刊行物に記載の発明との相違点i)及び本件第2発明と前掲第1刊行物に記載の発明との相違点i)と基本的に技術的趣意を同じくするものと捉えられる。
したがって、 この相違点についての技術的評価並びに前掲第1、第2、第3、第4刊行物に記載の発明の組合・勘案によっては、当業者が容易に発明をすることを得なかったという法的審案事情は、既に審示した内容と同趣旨であるので、繰り返さない。

上記のとおりであるから、結局、本件第3発明は、この出願前日本国内において頒布された第1、第2、第3、第4刊行物に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものと断ずることは相当でない。
それ故、本件第3発明に関して受けた特許につき、特許法第29条第2項の規定に基づくことを根拠にその取消を請求する異議申立人の主張は、採用することができない。

11. 結び
以上のとおりであるから、本件第1、第2、第3発明につき受けた特許は、特許異議申立人の提出した証拠並びにその主張する理由を以てしては取り消すことを得ないものというべきである。
また、他に本件第1、第2、第3発明に係る特許を取り消すべき理由を発見しない。

よって、結論のとおり決定する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
バーンイン試験ソケット装置
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 表面に多数の接点を有するIC部品を取付けるためのソケット装置であって、
(イ)ベースと、
(ロ)該ベースに対して垂直方向に移動可能に取付けられたアダプタ板であって、該アダプタ板はばね部材によってベースから離れた最上位置の方へ付勢され、IC部品を位置決めするためのガイドを有し、かつ複数の貫通する接触子受け孔を有するアダプタ板と、
(ハ)前記ベースに取付けられ、前記アダプタ板上に重なる第1位置と前記アダプタ板から離れた第2位置との間を移動可能なラッチ部材と、
(ニ)前記ラッチ部材を前記第1位置と第2位置との間で動かしかつ前記第1位置の方へ付勢するためのばね部材を含むアクチュエータと、
(ホ)前記ベースに取付けられた複数の接触子であって、各接触子は前記ベースを貫通して延びるピン部とアダプタ板の接触子受け孔で受けられる端部を有し、前記アダプタ板がその最上位置にあるとき、前記接触子の端部がアダプタ位置の上面の直ぐ下に位置する、複数の接触子と、
(ヘ)前記ベースに対して垂直方向に往復動可能に取付けられたカバー部材であって、前記カバー部材は、前記アクチュエータが前記カバー部材の位置に応答して前記ラッチ部材を移動させるように、前記アクチュエータと係合し、前記カバー部材が前記ベースから離隔された位置にあるとき、前記ラッチ部材が前記第1位置にあり、前記カバー部材が前記ベースに接近された位置にあるとき、前記ラッチ部材が前記第2位置にある、カバー部材と、
(ト)前記ラッチ部材と共に動くことが可能なヒートシンク部材と、を含み、
(チ)前記IC部品がアダプタ板上に位置決め載置された後、前記第1位置に向けて移動された前記ラッチ部材により前記アダプタ板が前記ばね部材の付勢に抗して押し下げられ、これによって前記接触子の端部がアダプタ板の接触子受け孔から露出されて前記IC部品の接点と接触する、ソケット装置。
【請求項2】 (イ)ベース、
(ロ)該ベースにベースから離れた休止位置とベースに近接する作動位置の間をベースに接近および隔離する垂直方向に往復移動できるように取付けられたカバーフレーム、
(ハ)該カバーフレームを前記休止位置の方へ付勢するばね部材、
(ニ)力印加面を有するラッチ部材を含み、該ラッチ部材が前記ベースに旋回可能に取付けられ、リンクによってこのカバーフレームに結合され、カバーフレームが前記休止位置にあるときにこの力印加面がベースに重なる第1位置と、カバーフレームが作動位置にあるときに力印加面がベースから離れるように旋回される第2位置の間を移動できるラッチ組立体、
(ホ)前記ラッチ部材が前記第1位置にあるときにアダプタ板に重なる位置から、前記ラッチ部材が前記第2位置にあるときにアダプタ板から離れたIC部品装填/取出し位置へ動き得て、前記ラッチ組立体に取付けられ、前記ラッチ部材と前記カバーフレームを結合するリンクと共に動き得るヒートシンク組立体、
(ヘ)前記ベースに移動式に取付けられてそれに接近および離隔する方向に移動できるアダプタ板、前記ベースに取付けられて前記アダプタ板にベースから離れる方向に力を付勢するばね手段、前記アダプタ板の上面に形成されたIC部品座面、該座面と整列して選択したパターンでアダプタ板を貫通して作られた複数の接触子受け孔、および各々、ベースに固定される部分およびアダプタ板のそれぞれの接触子受け孔で受けられる自由末端部を有する複数の長い接触子、を含み、
(ト)前記アダプタ板は、ベースの方へ動かされたとき、接触子の自由末端部を露出し、ラッチ部材の力印加面は、第1位置にあるとき、座面と整列され、IC部品が無いと、アダプタ板からIC部品の周辺部の厚さより少ない距離だけ離れていて、カバーフレームが前記作動位置にあり且つIC部品を接触領域をその下面にして前記IC部品座面に置いたとき、カバーフレームを休止位置へ戻すと、ラッチ部材がIC部品の周辺部に力を掛け、第1位置へ動いて、アダプタ板を下方に動かし、各接触子の末端がIC部品座面に配置されたIC部品のそれぞれの接触領域と係合するようにしてなるソケット装置。
【請求項3】 ベース、IC部品座面、前記ベースにベースから離れた休止位置とベースに近接する作動位置の間を垂直に移動できるように取付けらけたカバーフレーム、該カバーフレームを前記休止位置の方へ付勢するばね部材、
力印加面を有するラッチ部材を含み、該ラッチ部材が前記ベースに旋回可能に取付けられ、少なくとも一つのリンクによって前記カバーフレームに結合され、該カバーフレームが前記休止位置にあるときに前記力印加面がベースに重なる第1位置と、カバーフレームが作動位置にあるときに力印加面がベースから離れるように旋回される第2位置の間を移動できるラッチ組立体、および
前記IC部品座面に重なる位置から、IC部品座面から離れたIC部品装填/取出し位置へ動き得て、前記ラッチ組立体に取付けられ、それと共に動き得るヒートシンク組立体、
を含むソケット装置。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【関連出願へのクロス・リファレンス】
これは、1996年6月25日に提出した、米国特許出願第08/668,663号の一部継続出願である。
【0002】
【発明の属する技術分野】
この発明は、一般的に、集積回路(IC)部品に関し、更に詳しくは、そのようなIC部品を試験する際に使用するためのソケット装置に関する。
【0003】
【従来の技術】
バーンイン試験と呼ばれる、IC部品の耐熱試験を行う際は、IC部品をソケットに入れ、今度は、そのソケットを回路基板に接続し、次にこの基板を加熱装置に入れて、IC部品の温度がこの試験を行うために選択した高さまで上がるようにし、それによってこのIC部品が必要な仕様に合うかどうかを決めるのが普通である。
【0004】
この目的で使う典型的な従来技術のソケットは、電気絶縁材料でできたベース部材を含み、それに試験すべきIC部品の各リード用電気接触子が取付けられている。これらの接触子は、このベースに設けられたIC部品取付座に関して選択したパターンで配列され、IC部品のそれぞれのリードと電気的に係合・離脱するようにされた可動接点部を有する。典型的には、カバー部材がこのベースに移動式に取付けられていて、IC部品をこのソケットに着脱する際にこの部品を配置できるように、このカバー部材が開位置にあるとき、これらの接触子がIC部品取付座から離れるようにする構造を有する。このカバー部材を閉位置に動かしたとき、これらの接触子は、IC部品のそれぞれのリードと電気的に係合するようになる。
【0005】
従来技術のソケットの一つの種類は、垂直に動き得るカバー部材を含み、その中に、このカバー部材をベースの方に押し、このカバー部材が各ばね形接触子の延長部をカムで駆動して、それぞれの接触子の接触部がIC部品のリードから旋回または振り離すことによって、IC部品をソケットから挿入・抽出する。カバー部材がばね部材の作用で、ベースから離れた位置へ戻らされたとき、これらの接触子の接触部は、ソケットで受けられたIC部品のそれぞれのリードと係合するようにされる。この種のソケットは、一般的に、接触子がこの旋回運動をする必要があり、形状が特別に複雑であるので、回路のインダクタンスの望ましくない増加および同時に存在する隣接する接点との干渉を含む幾つかの欠点がある。更に、この構造は、IC部品のどの側にもリードの列が一つしかないIC部品に使用するのに最も適する。
【0006】
もう一つの種類の従来技術のソケットは、ベースに旋回可能に取付けられ、ラッチによって閉位置に保持されるカバー部材を含む。ベースの座に置いたIC部品のリードは、カバーが閉位置に置かれたときそれによってカム駆動される、それぞれの接触子と係合する。しかし、この種のソケットは、このカバーが回転運動するために、自動化を行うことができない。
【0007】
特に有利なソケットが、同一譲受人に譲渡された米国特許第5,470,247号に記載されていて、そこでは、カバー部材がベースに垂直に運動するように取付けられ、ラッチ部材がこのカバー部材とベースを連結する。これらのラッチ部材は、カバー部材の位置に依ってベースに取付けられた可動ばね接触子に接近および離隔して動き得る。このカバー部材が押下げた位置にあって、ラッチ部材がIC部品座から旋回し離されているとき、IC部品のリードをそれぞれの可動ばね接触子の上端の上に置く。このカバー部材をばね部材の作用でベースから離れて垂直に動かすとき、ラッチ部材がIC部品のリード部材の上面と係合するように旋回され、これらのリード部材を可動ばね接触子と共にこれらのばね接触子の偏倚に抗して選択した距離だけ下方に動かし、選択した接触力を生ずる。
【0008】
IC部品の密度が益々濃くなるので、IC部品に必要な電気的入力および出力の接続の数が増えている。そのような電気的接続の数のかなりの増加に対応するために、あるIC部品は、従来のように部品の側面から外方にリードが伸びるのではなく、部品の底面に密度の濃い接点のアレーが配置されている。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】
この発明の目的は、底面に密度の濃い接点のアレーが配置されている上記のIC部品に使うことができるバーンイン試験用ソケットを提供することである。この発明の他の目的は、上記の従来技術の欠点を克服した、バーンイン試験用ソケットを提供することである。更に他の目的は、IC部品の表面上の接点をソケットの接触子に対して正確に位置決めでき、選択した接触力で接点が係合するための、およびIC部品の試験中にそれと熱結合し、IC部品の着脱と干渉しない、ヒートシンクを配置するためのソケットを提供することである。
【0010】
【課題を解決するための手段】
簡単に言えば、この発明によれば、アダプタ板がベースに移動式に取付けられ且つこのベースから離れる方向にばねで偏倚されている。複数の長い接触子がこのベースに取付けられていて、各々このアダプタ板の底壁を貫通するそれぞれの孔で受けられた自由末端に接触部を有する。開口または窓を形成するカバーフレームがこのベースに取付けられていて、このベースから離れてばねで偏倚された上休止位置とこのばねの偏倚に抗してベースに近接する下作動位置の間を垂直に移動できる。このアダプタ板は、アダプタ板上に置いたIC部品をこのアダプタ板上のIC部品座面に案内するためのIC部品案内面が形成されていて、このカバーフレームの窓の中に配置されている。それぞれのラッチ部材がこのベースの各辺に回転運動するように取付けられていて、このカバーに連結され、これらのラッチ部材は、このカバー部材が上位置にあるときアダプタ板のIC部品座面に重なる第1位置から、このカバー部材が下作動位置にあるときこの座面から離れて旋回した第2位置へ動いて、この座面にIC部品を、配置または装填および除去または取出しできるようにする。これらのラッチ部材は、力印加面を備え、その面は、ラッチ部材が座面に重なるとき、この座面に配置すべきIC部品の周辺部の厚さより少ない距離だけアダプタ板の座面から離れ、それぞれのラッチ部材と整列されている。IC部品をアダプタ板の座面上に置き、カバーフレームが再びその休止上位置を取るようにしたとき、ラッチ部材がIC部品を介して力を伝達してアダプタ板を押下げ、それによってIC部品の底面に配置された接点を、選択した接触力で、それぞれの長い接触子の自由末端の接触部と係合させ、その接触部は、アダプタ板が下げた位置にあるとき、その底壁の孔から突出する。それぞれのヒートシンク部材が二つの対向するラッチ部材の各々と共に、これらのラッチ部材が第1位置にあるときにアダプタ板に重なる作動位置と、これらのラッチ部材が第2位置にあるときにアダプタ板から離れた装填および取出し位置の間を移動するように取付けられている。これらのヒートシンク部材は、この装填および取出し位置にあるとき、IC部品にアクセスするために適当な開口を形成するために、これらのラッチ部材の運動を制御するリンクに効果的に結合されている。これらのヒートシンク部材は、旋回可能に取付けられた脚の端に、ばねで偏倚した外位置とこのばねの偏倚に抗する内位置の間を移動できるように取付けられている。このソケットに装填したIC部品にこれらのヒートシンク部材が係合し、このヒートシンクを選択したばね力でこの内位置の方へ最適熱結合するように偏倚する。
【0011】
【発明の実施の形態】
この発明に従って作ったソケット10には、適当な成形可能プラスチック材料で形成した、例えば正方形のような、選択した形状のベース12があり、それに電気接触子14が、試験する目的でこのソケットに取付けるべき集積回路(IC)部品のそれぞれの接触位置または接点と電気的に接続するために取付けられている。次に、接触子14は、このベースを貫通して突出し、バーンイン試験装置に使うための従来の回路基板(図示せず)に接続する。
【0012】
カバーフレーム16は、適当な成形可能プラスチック材料で作られ、中央に、以下に説明する可動ラッチ部材のための並びにIC部品をこのソケットで受けおよびこのソケットから取外すためのスペースを提供する開口または窓16aがあり、ベース12に接近および離隔して垂直に動くようにこのベースに取付けられている。カバーフレーム16は、各角に孔16bおよび深座ぐり16cが作られていて(図1、図3および図4参照)、その間の面16dが停止面を形成する。ねじ18が、各孔16bを通しおよびベース12の整列された孔12aを通して受けられ、例えば座ぐり12bで受けたスプライン付のナット18bによる等、適当に固定されている。カバーフレーム16の下面にあって各孔16bを取囲む環状溝16e、およびベース12の上面にあって各孔12aを取囲む環状溝12cは、圧縮ばね20用の座部を形成し、そのばねがこのカバーフレームをベース12から離隔して垂直方向に上方に偏倚し、このカバーフレームの運動は、停止面16dがそれぞれのねじ18の頭18cと係合することによって制限される。
【0013】
アダプタ板22もフレーム部材16の開口16a内でベース12上を垂直に動くように取付けられている。孔22aがそれぞれのねじ24を受けるために各辺の中央に(図7参照)板22を貫通して作られ、そのねじも整列された孔12dを通して受けられ、例えば座ぐり12eで受けたスプライン付のナット24aによる等、適当に固定されている。頭24bは、アダプタ板22の底壁22bと係合することによってこのアダプタ板の上方の運動を制限する。アダプタ板22は、アダプタ板22とベース12の間に伸びる圧縮ばね26によってねじ24の頭24bに当接して上方に偏倚されている。各角でアダプタ板22の下面に作られた環状溝22cおよびベース12の上面に整列して作られた環状溝12fは、それぞれのばね26用のばね座の役をする。
【0014】
アダプタ板22は、その上面の各角に案内ブロック22fの傾斜した交差案内面22d、22eを備え、IC部品をアダプタ板22の上に置いたとき、IC部品座面22kに正確に案内するのが好ましい。試験するためにこのソケットで受けるべきIC部品の底面の接点のアレーと整合する孔22gのアレーがこのアダプタ板の底壁22bを貫通して作られていて、この板の底側に大きい食付きテーパ22hが作られているのが好ましい(図3および図4参照)。
【0015】
図9および図10に別に示し、機械的ばね特性のよい、適当な導電性材料で作られた、長い接触子14は、回路基板(図示せず)の孔で受けるための下ピン部14a、アンカー部14b、長いばね部14c、およびタブ部14eから上方に伸びる末端自由接触部14dを有し、これらのタブ部は、アダプタ板22のそれぞれの孔22gを通る接触部14dの相対滑動運動を制限するために任意に設けられている。ピン部とアンカー部14a、14bは、ベース12を貫通して作られたそれぞれの孔12gで受けられ、対応して整列したスロット28aを有する電気絶縁リテーナ28によって適所に固定される。リテーナ28の底面28bは、それぞれのスロット28aの間で、アンカー部14bと係合することによって停止面を形成し、これらの接触子が上方にずれるのを防ぐ。上述のように、接触子の外末端14dは、それぞれの孔22gの中に滑るように受けられ、図3から図5に示すアダプタ板の最上位置で、底壁22bの上面より高いことはなく、それよりわずかに下であるのが好ましい。
【0016】
ラッチ組立体30がソケット10の各辺に配置されているのが好ましいが、試験すべきIC部品の接点の特定のアレーによって、もし望むなら、二つの対向する辺のラッチ機構を省くことができる。しかし、この好適実施例に於いては、図1に示すように、ソケット10の四辺の各々にラッチ組立体30を備える。各ラッチ機構30は、全体としてU字形のレバーを含み、それは、湾曲部30bの上に成形したラッチ部材30aを有し、アーム30cが軸32に旋回可能に取付けられた末端部30dへ伸び、この軸は、ベース12の支柱部12kで軸受されている。リンク部材34の対の各部材の一端34aは、カバーフレーム16に固定結合された、それぞれのピン36に旋回可能に取付けられている。リンク部材34の各反対端34bは、軸32から離れた位置で軸38を介してそれぞれのアーム30cの端30dに回転可能に結合されている。この種のラッチ組立体は、上に参照した米国特許第5,470,247号に記載されていて、その主題をこの参照によってここに援用する。
【0017】
図5を参照して、カバーフレーム16を、図面に示すように、ベース12に隣接する位置へ押下げたとき、その運動がリンク部材34を介してラッチ組立体に伝達され、それが各ラッチ組立体のアーム30cを軸32の周りに旋回させてラッチ部材30aを開位置にし、力印加面30eをベースおよびアダプタ板から旋回し離す。この位置では、図5に矢印3で示すように、IC部品2を、試験前にこのソケットに容易に挿入または装填することができ、または試験完了後このソケットから容易に除去または取出すことができる。傾斜した案内面22d、22eが、IC部品座面22kの役をするアダプタ板上の正確な場所に案内する。
【0018】
カバーフレーム16をばね部材20の作用で、図6に示すように、その正常な、休止位置へ戻したとき、このカバーフレームの運動がリンク部材24を介してラッチ組立体に伝達され、ラッチ部材30aをベースおよびアダプタ板22の方へ旋回させ、各ラッチ部材がIC部品座面22kに重なる。この位置では、IC部品が無ければ、各ラッチ部材の力印加面30eがアダプタ板の底壁22bの上面からIC部品の外縁部4の高さより少ない距離だけ離れ、そのIC部品があれば、この座面で受けられ、それぞれのラッチ部材と整列されて、座面22kに配置されたIC部品2で、力印加面30eがこのIC部品2を介し、ばね部材26の偏倚に抗してアダプタ板22を下方に動かすように力を伝達し、それによって各長い接触子14の末端で接触部を露出する。それによって、IC部品2の底面のそれぞれの接点がそれぞれの各接触子14の接触部と選択した接触力で係合するように動く。
【0019】
この様にして、このソケットの各接触子の接触部をアダプタ板の底壁の接触孔を介して正確に位置決めすることは勿論、アダプタ板の上側のIC部品もその案内面を介して正確に位置決めする、このアダプタ板によって、目標接触点が小さい場合に必要な高精度が得られる。
【0020】
図11から図14を参照すると、この発明の修正した実施例が示され、そこではヒートシンク部材が、試験するIC部品と熱結合関係に配置するために設けられている。図示の実施例では、二つのヒートシンク組立体40が設けられ、各々二つの対向するラッチ組立体30にそれと共に動くように相互連結されている。各ヒートシンク組立体40は、それぞれ第1端40bおよび第2端40cを有する、1対の脚40aを含む(図13、図14参照)。端40bは、軸36、38を受ける第1孔および第2孔を備え、それらの軸にリンク部材34も取付けられている。その結果、脚40aの位置がリンク部材34に対して固定され、従って、これらのリンク部材と共に動き得る。それぞれのヒートシンクヘッド42は、アーム40aのスロット40dを通して受けられたピン44および各側でアーム40aの横に伸びる折曲げばね座タブ部40eとヒートシンクヘッド42の間に配置された圧縮ばね46によって、脚40aの第2端40cの間に取付けられている。ヒートシンクヘッド42は、図13、図14に例示の目的で示す、圧縮ばねの偏倚に抗する内位置と、各端40cからヒートシンクヘッド42のそれぞれのフィンガ42aと協同するように内方に曲げて作った停止タブ40fによって決る外位置(図13の破線)の間を動き得る。
【0021】
図11から図13に示す休止位置で、各ヒートシンク組立体40は、ヒートシンクヘッド42がアダプタ板22の座面22kに重なるように、およびヒートシンクヘッド42がこのソケットに受けられたIC部品と係合するようにされ、およびこのIC部品の上面と最適熱結合するように適合し且つそれに対して偏倚するように、その外ヘッド位置からわずかに内方に偏倚されるように配置されている。IC部品パッケージのダイ部と係合するようにされた面42bの部分は、このIC部品との熱結合を向上するために、非常に滑らかな表面、例えば0.4μmrmsのオーダの仕上げに作られているのが好ましい。このピン/スロットおよびばね装置のために、このヘッドは、IC部品の上面に選択したばね力で密接に適合するために、その角度方向を変えることは勿論、内位置と外位置の間を動き得る。軸36をカバーフレーム16に留めるために使うリテーナ板36aを除いて、ソケット10’の残りの部分は、図1から図10の実施例と本質的に同じであり、その説明を繰返さない。
【0022】
カバーフレーム16を、図1から図10の実施例で説明したように、押下げたとき、その運動は、リンク部材34を介してラッチ組立体30へ伝達され、各ラッチ組立体を軸32の周りに旋回させてラッチ部材30aを開位置にし、力印加面をベースおよびアダプタ板から旋回し離し、各ヒートシンク組立体40をアダプタ板から旋回し離して図14に示す位置にする。脚40aの端40bを軸36、38上に取付けることによって、これらのヒートシンク組立体がリンク部材34の延長として効果的に動き、これらの脚がラッチ組立体より大きい角度で回転する結果となって、ヒートシンクヘッド42がラッチ組立体によって形成されるIC部品装填/取出し窓をそれほど侵害しなくなる。
【0023】
ヒートシンク組立体を、二つの対向するラッチ組立体に示し、他の対向するラッチ組立体には示さなかったが、もし望むなら、別々の組立体を各ラッチ組立体に取付けることは、この発明の範囲内にある。
【0024】
上記を考慮すると、この発明の幾つかの目的が達成され、その他の有利な結果が得られるのが分るだろう。
【0025】
上記の構成にこの発明の範囲を逸脱することなく種々の変更をすることができるので、上記の説明に含まれ、または添付の図面に示す全ての事柄が例示であって限定的意味はないと解釈できることを意図する。
【図面の簡単な説明】
【図1】
この発明に従って作ったソケットの平面図である。
【図2】
図1のソケットの、左半分を図1の線2-2による断面で示す、正面図である。
【図3】
図1の線3-3において取られた断面図である。
【図4】
図1の線4-4において取られた断面図である。
【図5】
図2の左部分に類似する断面図で、ラッチ部材をIC部品座面から離れるように旋回し、ICをこのソケットに配置して示す。
【図6】
図5に類似する図であるが、IC部品をこのソケットに固定し、ラッチ部材が座面に重なり、このIC部品の縁部に下向きの力を加えるのを示す。
【図7】
図1のソケットに使用するアダプタ板の平面図である。
【図8】
図7のアダプタ板の断面図である。
【図9】
図1のソケットに使用する種類の長い接触子の一つの側面立面図である。
【図10】
図9の接触子の正面図である。
【図11】
この発明の修正した実施例の、図1に類似する、平面図である。
【図12】
図11の線12-12において取られた断面図である。
【図13】
ラッチ部材およびヒートシンク部材がアダプタ板に重なる位置にある、ラッチ組立体およびヒートシンク組立体の立面図である。
【図14】
図13に類似する図であるが、ラッチ部材およびヒートシンク部材をアダプタ板から除去して示す。
【符号の説明】
2 IC部品
4 周辺部
10’ソケット装置
12 ベース
14 接触子
14a ピン部
14b 固定部分
14d 接触部
16 アクチュエータ、カバー
20 ばね部材
22 アダプタ板
22d 案内面
22e 案内面
22g 接触子受け孔
22k IC座面
26 ばね部材
30 ラッチ組立体
30a ラッチ部材
30b 湾曲部
30c アーム
30d 末端部
30e 力印加面
34 リンク部材
34a 第1端
34b 第2端
40 ヒートシンク組立体
40a 脚
40b 第1端
40c 第2端
42 ヒートシンク部材
46 ばね部材
 
訂正の要旨 訂正の要旨
『【請求項1】 表面に多数の接点を有するIC部品を取付けるためのソケット装置であって、
(イ) ベースと、
(ロ) 該ベースに対して垂直方向に移動可能に取付けられたアダプタ板であって、該アダプタ板はばね部材によってベースから離れた最上位置の方へ付勢され、IC部品を位置決めするためのガイドを有し、かつ複数の貫通する接触子受け孔を有するアダプタ板と、
(ハ) 前記ベースに取付けられ、前記アダプタ板上に重なる第1位置と前記アダプタ板から離れた第2位置との間を移動可能なラッチ部材と、
(ニ) 前記ラッチ部材を前記第1位置と第2位置との間で動かしかつ前記第1位置の方へ付勢するためのばね部材を含むアクチュエータと、
(ホ) 前記ベースに取付けられた複数の接触子であって、各接触子は前記ベースを貫通して延びるピン部とアダプタ板の接触子受け孔で受けられる端部を有し、前記アダプタ板がその最上位置にあるとき、前記接触子の端部がアダプタ位置の上面の直ぐ下に位置する、複数の接触子と、
(ヘ) 前記ベースに対して垂直方向に往復動可能に取付けられたカバー部材であって、前記カバー部材は、前記アクチュエータが前記カバー部材の位置に応答して前記ラッチ部材を移動させるように、前記アクチュエータと係合し、前記カバー部材が前記ベースから離隔された位置にあるとき、前記ラッチ部材が前記第1位置にあり、前記カバー部材が前記ベースに接近された位置にあるとき、前記ラッチ部材が前記第2位置にある、カバー部材とを有し、
(ト)前記ラッチ部材と共に動くことが可能なヒートシンク部材と、を含み、
(チ)前記IC部品がアダプタ板上に位置決め載置された後、前記第1位置に向けて移動された前記ラッチ部材により前記アダプタ板が前記ばね部材の付勢に抗して押し下げられ、これによって前記接触子の端部がアダプタ板の接触子受け孔から露出されて前記IC部品の接点と接続する、ソケット装置。
【請求項2】 (イ) ベース、
(ロ) 該ベースにベースから離れた休止位置とベースに近接する作動位置の間をベースに接近および隔離する垂直方向に往復移動できるように取付けられたカバーフレーム、
(ハ) 該カバーフレームを前記休止位置の方へ付勢するばね部材、
(ニ) 力印加面を有するラッチ部材を含み、該ラッチ部材が前記ベースに旋回可能に取付けられ、リンクによってこのカバーフレームに結合され、カバーフレームが前記休止位置にあるときにこの力印加面がベースに重なる閉位置と、カバーフレームが作動位置にあるときに力印加面がベースから離れるように旋回される第2位置の間を移動できるラッチ組立体、
(ホ) 前記ラッチ部材が前記第1位置にあるときにアダプタ板に重なる作動位置から、前記ラッチ部材が前記第2位置にあるときにアダプタ板から離れたIC部品装填/取出し位置へ動き得て、前記ラッチ組立体に取付けられ、前記ラッチ部材と前記カバーフレームを結合するリンクと共に動き得るヒートシンク組立体、
(ヘ) 前記ベースに移動式に取付けられてそれに接近および離隔する方向に移動できるアダプタ板、前記ベースに取付けられて前記アダプタ板にベースから離れる方向に力を付勢するばね手段、前記アダプタ板の上面に形成されたIC部品座面、該座面と整列して選択したパターンでアダプタ板を貫通して作られた複数の接触子受け孔、および各々、ベースに固定される部分およびアダプタ板のそれぞれの接触子受け孔で受けられる自由末端部を有する複数の長い接触子、を含み、
(ト) 前記アダプタ板は、ベースの方へ動かされたとき、接触子の自由末端部を露出し、ラッチ部材の力印加面は、第1位置にあるとき、座面と整列され、IC部品が無いと、アダプタ板からIC部品の周辺部の厚さより少ない距離だけ離れていて、カバーフレームが前記作動位置にあり且つIC部品を接触領域をその下面にして前記IC部品座面に置いたとき、カバーフレームを休止位置へ戻すと、ラッチ部材がIC部品の周辺部に力を掛け、第1位置へ動いて、アダプタ板を下方に動かし、各接触子の末端がIC部品座面に配置されたIC部品のそれぞれの接触領域と係合するようにしてなるソケット装置。
【請求項3】 ベース、IC部品座面、前記ベースにベースから離れた休止位置とベースに近接する作動位置の間を垂直に移動できるように取付けられたカバーフレーム、該カバーフレームを前記休止位置の方へ付勢するばね部材、
力印加面を有するラッチ部材を含み、該ラッチ部材が前記ベースに旋回可能に取付けられ、少なくとも一つのリンクによって前記カバーフレームに結合され、該カバーフレームが前記休止位置にあるときに前記力印加面がベースに重なる第1位置と、カバーフレームが作動位置にあるときに力印加面がベースから離れるように旋回される第2位置の間を移動できるラッチ組立体、および
前記IC部品座面に重なる位置から、IC部品座面から離れたIC部品装填/取出し位置へ動き得て、前記ラッチ組立体に取付けられ、それと共に動き得るヒートシンク組立体、
を含むソケット装置。』
に訂正する。
異議決定日 2002-03-25 
出願番号 特願平10-192880
審決分類 P 1 651・ 121- YA (H01R)
最終処分 維持  
前審関与審査官 中村 直行  
特許庁審判長 田中 秀夫
特許庁審判官 藤原 稲治郎
和泉 等
登録日 2000-05-26 
登録番号 特許第3072078号(P3072078)
権利者 テキサス インスツルメンツ インコーポレイテツド
発明の名称 バーンイン試験ソケット装置  
代理人 山本 貴和  
代理人 浅村 皓  
代理人 岩本 行夫  
代理人 浅村 皓  
代理人 浅村 肇  
代理人 浅村 肇  
代理人 岩本 行夫  
代理人 山本 貴和  

プライバシーポリシー   セキュリティーポリシー   運営会社概要   サービスに関しての問い合わせ