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審決分類 |
審判 全部申し立て 2項進歩性 C08L 審判 全部申し立て 発明同一 C08L |
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管理番号 | 1061145 |
異議申立番号 | 異議2001-70917 |
総通号数 | 32 |
発行国 | 日本国特許庁(JP) |
公報種別 | 特許決定公報 |
発行日 | 1992-01-16 |
種別 | 異議の決定 |
異議申立日 | 2001-03-26 |
確定日 | 2002-04-17 |
異議申立件数 | 3 |
訂正明細書 | 有 |
事件の表示 | 特許第3092009号「難燃剤及び該難燃剤を含有した熱硬化性難燃性樹脂組成物」の請求項1に係る特許に対する特許異議の申立てについて、次のとおり決定する。 |
結論 | 訂正を認める。 特許第3092009号の請求項1に係る特許を維持する。 |
理由 |
I.手続の経緯 特許第3092009号の請求項1に係る発明は、平成2年5月1日に特許出願され、平成12年7月28日にその特許権の設定登録がなされ、その後、特許異議の申立てがなされ、取消の理由が通知され、その指定期間内である平成13年10月2日に訂正請求(その後取り下げ)がなされ、再度取消の理由が通知され、その指定期間内である14年2月5日に訂正請求がなされたものである。 II.訂正請求について 1.訂正の内容 訂正事項a 特許請求の範囲の請求項1に記載の 「エポキシ基1モルに対し、式(1)で示される化合物を0.05〜0.45モルの比率で反応せしめて得られる変性エポキシ樹脂(A)を含有する熱硬化性難燃性樹脂組成物であって、該熱硬化性難燃性樹脂組成物のエポキシ当量に対して0.5〜1.2当量の硬化剤を含有することを特徴とする熱硬化性難燃性樹脂組成物。」を 「エポキシ基1モルに対し、式(1)で示される化合物を0.05〜0.45モルの比率で反応せしめて得られる変性芳香族エポキシ樹脂(A)からなる熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物であって、該熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物のエポキシ当量に対して0.6〜1当量の硬化剤を含有することを特徴とする熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物。」と訂正する。 訂正事項b 明細書、第1頁下から12行(特許公報第1頁右欄第3行)「新規な難燃剤」を「エポキシ基含有難燃剤」と訂正する。 訂正事項c 明細書、第2頁7行(特許公報第2頁左欄第13行)中に記載の「新規な難燃剤」を「エポキシ基含有難燃剤」と訂正する。 訂正事項d 明細書、第1頁下から12行(特許公報第1頁右欄第3行)中に記載の「熱硬化性樹脂」を「熱硬化性エポキシ樹脂」と訂正する。 訂正事項e 明細書、第2頁下から7行(特許公報第2頁左欄第36行)中に記載の「熱硬化性樹脂」を「熱硬化性エポキシ樹脂」と訂正する。 訂正事項f 明細書、第2頁下から6行(特許公報第2頁左欄38行)中に記載の「熱硬化性樹脂」を「熱硬化性エポキシ樹脂」と訂正する。 訂正事項g 明細書、第3頁下から6行(特許公報第2頁右欄第28行)中に記載の「熱硬化性樹脂」を「熱硬化性エポキシ樹脂」と訂正する。 訂正事項h 明細書、第3頁下から1行(特許公報第2頁右欄第36行)中に記載の「熱硬化性樹脂」を「熱硬化性エポキシ樹脂」と訂正する。 訂正事項i 明細書、第1頁下から12行(特許公報第1頁右欄第4行)中に記載の「熱硬化性難燃性樹脂」を「熱硬化性難燃性エポキシ樹脂」と訂正する。 訂正事項j 明細書、第2頁8行〜9行(特許公報第2頁左欄第15行)中に記載の「熱硬化性難燃性樹脂」を「熱硬化性難燃性エポキシ樹脂」と訂正する。 訂正事項k 明細書、第2頁12〜13行(特許公報第2頁左欄第20行)中に記載の「変性エポキシ樹脂(A)を含有する」を「変性芳香族エポキシ樹脂(A)からなる」と訂正する。 訂正事項l 明細書、第2頁13行(特許公報第2頁左欄第20〜21行)中に記載の「熱硬化性難燃性樹脂」を「熱硬化性難燃性エポキシ樹脂」と訂正する。 訂正事項m 明細書、第2頁13行(特許公報第2頁左欄第21行)中に記載の「熱硬化性難燃性樹脂」を「熱硬化性難燃性エポキシ樹脂」と訂正する。 訂正事項n 明細書、第2頁14行〜15行(特許公報第2頁左欄第23行)中に記載の「熱硬化性難燃性樹脂」を「熱硬化性難燃性エポキシ樹脂」と訂正する。 訂正事項o 明細書、第3頁18〜20行(特許公報第2頁右欄第20〜23行)中に記載の「本発明における熱硬化性樹脂としては、・・・エポキシ樹脂である。」を「本発明における熱硬化性樹脂は、芳香族エポキシ樹脂である。」と訂正する。 訂正事項p 明細書、第9頁下から2行(特許公報第6頁右欄第5行)中に記載の「熱硬化性難燃性樹脂」を「熱硬化性難燃性エポキシ樹脂」と訂正する。 訂正事項q 明細書、第2頁下から2行〜下から1行(特許公報第2頁左欄第43〜44行)中に記載の「エポキシ樹脂」を「芳香族系エポキシ樹脂」と訂正する。 訂正事項r 明細書、第3頁3行(特許公報第2頁右欄第1行)中に記載の 「エポキシ樹脂」を「芳香族系エポキシ樹脂」と訂正する。 訂正事項s 明細書、第3頁5行(特許公報第2頁左欄第48行)中に記載の「エポキシ樹脂」を「芳香族エポキシ樹脂」と訂正する。 訂正事項t 明細書、第3頁8行(特許公報第2頁右欄第6行)中に記載の「エポキシ樹脂」を「芳香族系エポキシ樹脂」と訂正する。 訂正事項u 明細書、第3頁11行(特許公報第2頁右欄第10行)中に記載の「エポキシ樹脂」を「芳香族系エポキシ樹脂」と訂正する。 訂正事項v 明細書、第2頁14行(特許公報第2頁左欄第22行)の「0.5〜1.2当量」を「0.6〜1当量」と訂正する。 訂正事項w 明細書、第3頁下から2行(特許公報第2頁右欄第34行〜35行)に記載の「0.5〜1.2当量」を「0.6〜1当量」と訂正する。 訂正事項x 明細書、第2頁12行(特許公報第2頁左欄第20行)中に記載の「変性エポキシ樹脂(A)」を「変性芳香族エポキシ樹脂(A)」に訂正する。 訂正事項y 明細書、第2頁下から8行(特許公報第2頁左欄第34〜35行)中に記載の「変性エポキシ樹脂(A)」を「変性芳香族エポキシ樹脂(A)」に訂正する。 訂正事項z 明細書、第3頁下から5行(特許公報第2頁右欄第30行)中に記載の「難燃性樹脂組成物」を「難燃性エポキシ樹脂組成物」に訂正する。 訂正事項a-1 明細書、第3頁下から3行(特許公報第2頁右欄第34行)中に記載の「難燃性樹脂組成物」を「難燃性エポキシ樹脂組成物」に訂正する。 訂正事項a-2 明細書に記載の発明の名称を「熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物」と訂正する。 2.訂正の目的の適否、訂正の範囲の適否、新規事項の有無及び特許請求の範囲の拡張・変更の存否 上記訂正事項aは、請求項1に記載の成分である樹脂成分(A)として挙げられた成分を特定の成分に限定し、また、熱硬化性難燃性樹脂組成物を特定のものに限定するものであり、硬化剤の配合量をより狭い範囲である0.6〜1当量に限定することは、実施例1〜5の記載に基づくものであって、特許請求の範囲の減縮を目的とする訂正に該当する。 また、上記訂正事項b〜z,a-1〜a-2は、特許請求の範囲の記載の訂正により生じた発明の詳細な説明との整合を図るものであり、明りょうでない記載の釈明を目的とする訂正に該当する。 そして、上記各訂正事項は、明細書に記載された事項の範囲内の訂正であり、新規事項の追加に該当せず、実質的に特許請求の範囲を拡張又は変更するものではない。 3.むすび したがって、上記訂正は、特許法等の一部を改正する法律(平成6年法律第116号)附則第6条第1項の規定によりなお従前の例によるとされる、特許法第120条の4第3項において準用する平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項の規定に適合するので、当該訂正を認める。 III.訂正請求の係る発明 訂正後の請求項1に係る各発明 訂正後の請求項1に係る発明は、特許請求の範囲の請求項1に記載された、次のとおりのものである。 「【請求項1】エポキシ基1モルに対し、式(1)で示される化合物を0.05〜0.45モルの比率で反応せしめて得られる変性芳香族エポキシ樹脂(A)からなる熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物であって、該熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物のエポキシ当量に対して0.6〜1当量の硬化剤を含有することを特徴とする熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物。 式(1) 」 IV.特許異議の申立について 1.申立の概要 特許異議申立人 大日本インキ化学工業株式会社は、甲第1号証(特開昭63-48324号公報(刊行物1という))、甲第2号証(特公昭60-248728号公報(刊行物2という))、甲第3号証(USP4,618,693(刊行物3という))、甲第4号証(特開平3-188134号公報)、甲第5号証(Journal of APPLIED POLMER SCIENCE)を提出して、訂正前の請求項1に係る発明は、前記甲第1〜3号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、訂正前の請求項1に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり(申立理由1)、また、訂正前の請求項1に係る発明は、前記甲第4号証に記載された発明と同一であるから、訂正前の請求項1に係る発明の特許は、特許法第29条の2第1項の規定に違反してされたものであり(申立理由2)、さらに、訂正前の請求項1に係る発明は、本件特許は出願経過において明らかに要旨を変更する補正があり、これにより本件特許出願日を平成12年4月12日と擬制すれば、該出願日前に頒布された前記甲第4、5に記載された発明であるから、訂正前の請求項1に係る発明の特許は、特許法第29条第1項の規定に違反してされたものであり(申立理由3)、また、訂正前の請求項1に係る発明は、本件特許は出願経過において明らかに要旨を変更する補正があり、これにより本件特許出願日を平成12年4月12日と擬制すれば、該出願日前に頒布された前記甲第4,5号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、訂正前の請求項1に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり(申立理由4)、取り消されるべき旨、 特許異議申立人 山路昭彦は、甲第1号証(特開昭60-248728号公報(刊行物2と同一))、甲第2号証(特開昭60-126293号公報(刊行物4という))、甲第3号証(特開昭61-188413号公報(刊行物5という))を提出して、訂正前の請求項1に係る発明は、前記甲第1〜3号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、訂正前の請求項1に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり(申立理由5)、取り消されるべきである旨、 特許異議申立人 三井化学株式会社は、甲第1号証(特開昭60-126293号公報(刊行物4と同一))、甲第2号証(特開昭61-231080号公報(刊行物6という))、甲第3号証(特開昭61-148219号公報(刊行物7という))、甲第4号証(特開昭63-3016号公報(刊行物8という))、甲第5号証(特開平3-188134号公報)、甲第6号証(特公昭47-33520号公報(刊行物9という))を提出して、訂正前の請求項1に係る発明は、前記甲第1〜4号証に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものであるから、訂正前の請求項1に係る発明の特許は、特許法第29条第2項の規定に違反してされたものであり(申立理由6)、また、訂正前の請求項1に係る発明は、前記甲第5号証に記載された発明と同一であるから、訂正前の請求項1に係る発明の特許は、特許法第29条の2第1項の規定に違反してされたものであり(申立理由7)、取り消されるべきである旨、主張している。 2.特許異議申立についての判断 ★(1)申立理由1、5、6(特許法第29条第2項の規定の違反)について (i)刊行物に記載の事項 ●刊行物1(特開昭63-48324号)には、以下の事項について記載されている。 「(A)ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびテトラブロムビスフェノールAよりなる群から選ばれる少なくとも1種のビスフェノール類を骨格とする、エポキシ当量が170〜800なる二官能エポキシ樹脂(a-1)と、ビスフェノールAとホルムアルデヒドから誘導されるビスフェノールAノボラック樹脂にエピクロルヒドリンを反応させて得られる、一分子中の平均グリシジル基が2.3〜10なるビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂(a-2)との混合物に、ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびテトラブロムビスフェノールAよりなる群から選ばれる少なくとも1種のビスフェノール類(a-3)を反応させて得られる、エポキシ当量が200〜2,000なる多官能エポキシ樹脂と、 (B)エポキシ樹脂用硬化剤 とを必須の成分として含んで成る、エポキシ樹脂組成物」(特許請求の範囲) 「難燃化されたFR-4グレードでは、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂をベースとして、これをテトラブロムビスフェノールAで変性せしめた、臭素含有量が・・・ロー・ブロムタイプのエポキシ樹脂を主原料成分とし、同様に、これに耐熱性付与の目的でフェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂などを混合した形のものが用いられている。」(2頁右上欄第11行〜第19行) 「本発明のエポキシ樹脂組成物は耐熱性、機械的強度および耐水性などにすぐれるほか、強靱であって、しかも脆くないという極めて有用な硬化物を与えるものである。」(5頁右下欄12行〜15行) また、「参考例1」、「参考例2」、「参考例4」、「参考例5」、「参考例9」には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂との混合物に、テトラブロムビスフェノールAを反応させた例が記載されている。 ●刊行物2(特開昭60-248728号)には、以下の事項について記載されている。 「(1)ポリエチレンテレフタレート又はこれを主体とするポリエステルを製造するに際し、下記構造式〔I〕で表されるホスフィン酸誘導体を添加し、反応させることを特徴とする耐炎性ポリエステルの製造法。 (式〔I〕において、・・・。)」(特許請求の範囲第1項) 「式〔I〕におけるX1、X2の部分がHとなった化合物(・・・)を得、この部分にポリエステルと反応性を有する基を導入することにより得られる。」(2頁左下欄下から4〜右下欄2行) また、PBQ・HCAをジグリシジルエーテルと反応させることにより、グリシジル基を導入する旨記載(2頁右下欄欄第5行〜11行)されている。 ●刊行物3(米国特許4618693号)には、以下の事項について記載されている。 『上記式1で表される化合物(以下、HCA-HQと略記する)は有機物質、特に高分子量ポリマー用の安定剤、難燃剤として有用である。例えば、ポリオレフィン、・・エポキシ樹脂、・・・等のホモポリマー、共重合体に添加した際に熱、酸素、光による劣化が顕著に改善されるのはもとより、優れた難燃性も発現する。更に、Pに結合するベンゼン環に2つの水酸基を有する二官能性化合物であるため、様々な誘導体、特に高分子化合物用の中間体として有用である。』(第1欄第64行〜第2欄17行、特許異議申立人 大日本インキ化学工業株式会社の特許異議申立書6頁の訳文参照) ●刊行物4(特開昭60-126293号)には、以下の事項について記載されている。 「1)式(I) で表される環状有機リン化合物。」(特許請求の範囲第1項) 「式(I)で表される化合物(以下HCA-HQと称する)を生成することを見出し、本発明に到達した。HCA-HQは有機物質特に高分子化合物の安定剤、難燃剤として有用であり、又Pに結合するベンゼン環のパラ配位の2官能ヒドロキシル基含有化合物であるため、種々の誘導体特に高分子化合物の中間体として有用である。」(2頁左上欄下から3〜右上欄2行) ●刊行物5(特開昭61-188413号)には、以下の事項について記載されている。 「(A)ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびテトラブロムビスフェノールAよりなる群から選ばれる少なくとも1種を骨格とする、エポキシ当量が170〜800なる二官能エポキシ樹脂(a-1)と、一分子中の平均グリシジル基数が2.3〜10なるノボラック型エポキシ樹脂(a-2)との混合物に、ビスフェノールA、ビスフェノールFおよびテトラブロムビスフェノールAよりなる群から選ばれる少なくとも1種のビスフェノール類(a-3)を反応させて得られる、エポキシ当量が200〜2000なる多官能エポキシ樹脂と、 (B)エポキシ樹脂用硬化剤 とを必須の成分として含んで成る、エポキシ樹脂組成物。」(特許請求の範囲) 「他方、難燃化されたFR-4グレードでは、ビスフェノールA型液状エポキシ樹脂をベースとして、これをテトラブロムビスフェノールAで変性せしめた、・・・ロー・ブロムタイプのエポキシ樹脂を主原料成分とし、・・・フェノールノボラック型エポキシ樹脂やクレゾールノボラック型エポキシ樹脂などを混合した形のものが用いられている。」(2頁左上欄第15〜20行) ●刊行物6(特開昭61-231080号)には、以下の事項について記載されている。 「(1)一般式I (式中X及びX’は・・・を表わす)で示される有機環状リン化合物からなる有機物質用安定剤。」(特許請求の範囲第1項) 「被安定化基材としては工業薬品、農薬、合成及び半合成樹脂、エラストマー、・・・が例挙される。合成樹脂としては、・・・エポキシ樹脂・・・等の各種樹脂、各種合成ゴム等が例示される。」(3頁左下欄18〜右下欄9行) 「実施例2-1〜2-2(・・・) メチルヘキサヒドロフタル酸無水物100g、ベンジルメチルアミン1g及びHCA-HQTB3gを120℃で混合撹拌して均一化した硬化液を、エポキシ樹脂(・・・)100gと均一に混合して得られた樹脂液を、・・・金型に注入して、130℃で30分間加熱した。・・・さらに硬化樹脂を100℃に1,000時間放置後同様の評価を行った。」(5頁右上欄1〜12行) ●刊行物7(特開昭61-148219号)には、以下の事項について記載されている。 「(1)下記一般式(I) 〔式中、Q1、Q2およびQ3は同一または異なり、水素、脂肪族基、芳香族基または式 (式中、R’およびR”は同一または異なり、脂肪族基または芳香族基を表わす。)で示されるリン含有基を表わす。ただし、Q1、Q2およびQ3の少なくとも1つは該リン含有基を表わす。R1、R2 およびR3 は同一または異なり、水素、ハロゲン、グリシジルエーテル基、脂肪族基または芳香族基を表わし、R4は水素または炭素数1〜4のアルキル基を表わし、nは0以上の数を表わす。〕で示されるリン含有ポリグリシジルエーテル。」(特許請求の範囲第1項) 「本発明のポリグリシジルエーテル(I)は、・・・フェノール樹脂等広範囲の合成樹脂に対して、難燃剤、・・・等の特性改良剤として単独で又は混合して有効に使用されうる。」(6頁左上欄12行〜18行) また、参考例3として、ビスフェノールA系のエポキシ樹脂にリン含有ポリグリシジルエーテルを配合し、硬化剤を用いて加熱し、難燃性に優れた硬化物を得ることが示されている(9頁左上欄)。 ●刊行物8(特開昭63-3016号)には、以下の事項について記載されている。 「ブロム化ビスフエノールAジグリシジルエーテルと、一般式〔I〕 (HO)m -P(=O)-(O-R1)3-m (但し、m=1あるいは2) ・・・〔I〕 で示されるリン酸エステルの少なくとも1種とを反応させることを特徴とする積層板用難燃性樹脂組成物の製造法(ここで、R1は、・・・の群より選ばれる)。」(特許請求の範囲) さらに、比較例2には、桐油変性フェノール樹脂とブロム化ビスフェノールAジグリシジルエーテルと更にトリフェニルホスフェートを混合溶解し、ワニスとしたことが示されている(5頁左上欄)。 ●刊行物9(特公昭47-33520号)には、以下の事項について記載されている。 「1・2-エポキシ基を有するエポキシ樹脂を二価フェノールと反応させて高分子量エポキシ樹脂を製造する際に、触媒として尿素を添加することを特徴する熱安定性の優れた高分子量エポキシ樹脂の製造法。」(特許請求の範囲) 「本発明はエポキシ樹脂の鎖延長による分子量の増加法に関する。即ち低分子量のエポキシ樹脂と二価フェノールを一定の比率のもとに反応させ、より分子量の大きなエポキシ樹脂とすることに関する。」(2欄2行〜6行) (ii)判断 (イ)訂正後の請求項1に係る発明(以下、本件発明という。)が刊行物1〜9に記載の発明に基づいて容易に発明をすることができたか否かについて検討する。 本件発明は、エポキシ基1モルに対し、式(1)(式記載省略)で示される化合物を0.05〜0.45モルの比率で反応せしめて得られる変性芳香族エポキシ樹脂(A)からなる熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物であって、該熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物のエポキシ当量に対して0.6〜1当量の硬化剤を含有することを特徴とする熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物に関するものである。 一方、刊行物1に記載の発明は、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂との混合物に、テトラブロムビスフェノールAを反応させたエポキシ樹脂が記載されているが、本件発明の式(1)で示される化合物に関しては何ら記載されていない。 刊行物2には、ポリエステルを製造する際に、本件発明の式(1)で示される化合物を反応させて耐炎性ポリエステルとすることが記載されている。 しかしながら、刊行物2に記載の発明は、ポリエステルの難燃化に関する技術であるから、本件発明の式(1)(式記載省略)に相当する化合物にグリシジル基を導入することが示されているとしても、ポリエステルの難燃化に関する技術である以上、刊行物2に記載の技術を、熱硬化性難燃性エポキシ樹脂に適用することは困難というべきである。 刊行物3、4には、本件発明の式(1)(式記載省略)に相当する化合物がエポキシ樹脂に添加した際、難燃剤として有用であることが記載されているものの、本件発明の式(1)に相当する化合物をエポキシ基と反応させて得られる変性芳香族エポキシ樹脂からなる熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物については何ら記載がされていない。また、刊行物3、4には、Pに結合するベンゼン環に2つの水酸基を有する二官能性化合物であるため、様々な誘導体、特に高分子化合物用の中間体として有用であることも記載されている。しかしながら、誘導体または中間体としての具体的な化合物は何ら記載されていない。 刊行物5には、ビスフェノールA型エポキシ樹脂とビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂との混合物に、テトラブロムビスフェノールAを反応させたエポキシ樹脂が記載されているが、本件発明の式(1)(式記載省略)で示される化合物に関しては何ら記載されていない。 刊行物6には、本件発明の式(1)(式記載省略)に相当する化合物と酸無水物とベンジルメチルアミンを120℃で混合撹拌して均一にした硬化液をエポキシ樹脂と均一に混合して得られた樹脂が記載されている。 しかしながら、刊行物6に記載のものは、本件発明の式(1)に相当する化合物と酸無水物とベンジルメチルアミンと混合後にエポキシ樹脂と混合するものであり、本件発明の構成である「エポキシ基1モルに対し、式(1)(式記載省略)で示される化合物を0.05〜0.45モルの比率で反応せしめて得られる変性芳香族エポキシ樹脂(A)からなる熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物」とは異なり、更に本件発明の、「該熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物のエポキシ当量に対して0.6〜1当量の硬化剤を含有すること」については具体的に記載されているものではない。 刊行物7には、ビスフェノールA系のエポキシ樹脂にリン含有ポリグリシジルエーテルを配合し、硬化剤を用いて加熱し、難燃性に優れた硬化物を得ることが示されているが、これらは、本件発明の構成である「エポキシ基1モルに対し、式(1)で示される化合物を0.05〜0.45モルの比率で反応せしめて得られる変性芳香族エポキシ樹脂(A)からなる熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物」とは異なり、更に本件発明の、「該熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物のエポキシ当量に対して0.6〜1当量の硬化剤を含有すること」については具体的に記載されているものではない。 刊行物8には、桐油変性フェノール樹脂とブロム化ビスフェノールAジグリシジルエーテルと更にトリフェニルホスフェートを混合溶解し、ワニスとしたことが示されているが、これらは、本件発明の構成である「エポキシ基1モルに対し、式(1)(式記載省略)で示される化合物を0.05〜0.45モルの比率で反応せしめて得られる変性芳香族エポキシ樹脂(A)からなる熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物」とは異なり、更に本件発明の、「該熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物のエポキシ当量に対して0.6〜1当量の硬化剤を含有すること」については具体的に記載されているものではない。 刊行物9には、低分子量のエポキシ樹脂と二価フェノールを一定の比率のもとに反応させ、より分子量の大きなエポキシ樹脂とすることに関するものであって、本件発明の「エポキシ基1モルに対し、式(1)(式記載省略)で示される化合物を0.05〜0.45モルの比率で反応せしめて得られる変性芳香族エポキシ樹脂(A)からなる熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物」に関しては何ら記載がされていない。 そして、前記刊行物1〜9に記載された発明を合わせ検討しても、本件発明が採用した構成である「エポキシ基1モルに対し、式(1)(式記載省略)で示される化合物を0.05〜0.45モルの比率で反応せしめて得られる変性芳香族エポキシ樹脂(A)からなる熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物であって、該熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物のエポキシ当量に対して0.6〜1当量の硬化剤を含有することを特徴とする熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物」は容易に予測できないものと言え、また、本件発明は、請求項1に記載の構成を採用することにより、特許明細書記載のとおり、耐熱性や耐水性、さらに耐難燃性等の物性に優れた熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物を得ることができるという格別顕著な作用効果を奏するものといえる。 したがって、本件発明は、前記刊行物1〜9に記載された発明に基づいて、当業者が容易に発明をすることができたものということはできない。 ★(2)申立理由2,7(特許法第29条の2第1項違反)について (i)特願平1-326462号に最初に添付された明細書(以下、先願明細書という、特許異議申立人 大日本インキ化学工業株式会社の提出した甲第4号証及び特許異議申立人 三井化学株式会社の提出した甲第5号証である特開平3-188134号公報参照)には、以下の事項が記載されている。 「1 難燃剤を含む紙基材フェノール樹脂積層板において、前記難燃剤の少なくとも一部が、1分子中にリン、ハロゲンおよび末端エポキシ基を有する含リン系ハロゲン化エポキシ樹脂であることを特徴とする紙基材フェノール樹脂積層板。 2 難燃剤を含む紙基材フェノール樹脂プリプレグにおいて、前記難燃剤の少なくとも一部が、1分子中にリン、ハロゲンおよび末端エポキシ基を有する含リン系ハロゲン化エポキシ樹脂であることを特徴とする紙基材フェノール樹脂プリプレグ。「(特許請求の範囲) 「そこで、この発明は、難燃化された紙基材フェノール樹脂積層板であって、耐水性および耐熱性を向上させたものを提供することを第1の課題とし、そのような紙基材フェノール樹脂積層板を作るのに用いられるプリプレグを提供することを第2の課題とする。」(公報1頁右下欄第13行〜第18行)。 「前記含リン系ハロゲン化エポキシ樹脂の具体的な例は、たとえば、下記構造式(1)〜(5)(注:原文は○の中に数字が記載されたものであるが、編集上この記号文字が使えないので括弧に代える。以下、同じ。)で示される化合物である。」(公報2頁左上欄19行〜右上欄1行) 「(5) 」(公報2頁左下欄) 「この発明にかかる紙基材フェノール樹脂積層板およびプリプレグは、それぞれ、難燃剤を含んでいるが、同難燃剤の全体または一部が上記含リン系ハロゲン化エポキシ樹脂であることが必要である。特に、従来の添加型難燃剤の代わりに上記含リン系ハロゲン化エポキシ樹脂を難燃剤に使用し、上記反応型難燃剤と併用するのが好ましい。上記含リン系ハロゲン化エポキシ樹脂の使用割合は特に制限はないが、フェノール樹脂100重量部に対して5〜50重量部とするのが好ましい。この割合の上限を越えると、基板がかたくなり、パンチンク特性が劣化することがあり、下限を下回ると、難燃性が低下することがある。」(公報4頁左上欄1行〜13行) 「ベース樹脂の合成 ・・・桐油1200g、フェノール1500gおよびパラトルエンスルホン酸8gを入れて混合し、80℃で2時間反応させた。ついで、この反応液に50%ホルマリン900gおよび25%アンモニア水50mlを加え、80℃で4時間反応させた。縮合水を留去し、反応物の160℃での熱板上のゲルタイムが2分となった点を終点とし、ベース樹脂とした。」(公報4頁左下欄4行〜13行) 「」(公報5頁左上欄) (ii)判断 本件発明が、前記先願明細書に記載された発明と同一であるか否か検討する。 本件発明は、訂正後の請求項1に記載された「エポキシ基1モルに対し、式(1) で示される化合物を0.05〜0.45モルの比率で反応せしめて得られる変性芳香族エポキシ樹脂(A)からなる熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物であって、該熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物のエポキシ当量に対して0.6〜1当量の硬化剤を含有することを特徴とする熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物」である。 一方、先願明細書には、本件発明の変性芳香族エポキシ樹脂(A)に相当する含リン系ハロゲン化エポキシ樹脂を、フェノール樹脂100重量部に対して5〜50重量部使用することが記載されている。また、先願明細書には、第1表として、ベース樹脂1200gに含リン系ハロゲン化エポキシ樹脂150gを配合した実施例が記載されている。 しかしながら、先願明細書の前記記載である「フェノール樹脂100重量部に対して5〜50重量部使用」との記載および先願明細書の第1表にあるベース樹脂1200gに含リン系ハロゲン化エポキシ樹脂150gを配合した実施例2または更に臭素化エポキシ樹脂200gを配合した実施例1の記載は、エポキシ樹脂組成物に対して硬化剤をどの程度の当量で使用しているのか具体的に記載しているものではない。 また、先願明細書に記載されている本件発明の変性芳香族エポキシ樹脂(A)に相当する化合物は 「 」であるが、該先願明細書に記載の化合物についても、エポキシ基を含む置換基がリンに結合しているフェニル基のどの位置に置換しているのかも明確に記載されていない。 そうすると、先願明細書には、本件発明が記載されているということはできない。 したがって、本件発明は先願明細書に記載された発明と同一であるということはできない。 ★(3)申立理由3、4(手続補正が明細書の要旨を変更することによる出願日の繰り下がりにおける特許法第29条第1項、または特許法第29条第2項違反)について (i)特許異議申立人 大日本インキ化学株式会社は、本件特許の出願日について、以下のとおり主張する。 「本件特許権者は、平成12年4月17日付けの手続補正書において、硬化剤の配合比率に関し、発明特定事項として『該熱硬化性難燃樹脂組成物中0.5〜1.2当量』を付け加える補正をしている。 しかしながら、本件特許の願書に最初に添付した明細書には、かかる要件は何等記載がなく、出願当初明細書の第6頁に、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合、変性エポキシ樹脂が本発明の熱硬化性樹脂を構成するものであること、及び、変性エポキシ樹脂1当量に対し硬化剤を0.5〜1.2当量使用する旨のみが記載されているに過ぎない。 即ち、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂であるときには、変性エポキシ樹脂以外のエポキシ樹脂を併用する内容は全く開示されていない。これに対し、補正後の内容は、変性エポキシ樹脂をエポキシ樹脂成分の一成分として捉え(本件特許公報第4欄第28行乃至第30行)、組成物中の全エポキシ樹脂に対する硬化剤使用量として改めて定義するものであり、組成物の概念を実質的に拡張しているものであって、明らかに出願当初の明細書に記載されていない技術的事項を追加するものである。 よって、本件特許出願日は、補正書提出日たる平成12年4月17日に繰り下がるものである。」 (ii)判断 出願当初の明細書には、「本発明は、熱硬化性樹脂に対して新規な難燃剤(自己消火性)を添加した熱硬化性樹脂に関する。」(産業上の利用分野)と記載され、 「本発明における熱硬化性樹脂としては、エポキシ樹脂、フェノール樹脂、メラミン樹脂、不飽和ポリエステル樹脂などであるが、もっとも好ましい樹脂としては、エポキシ樹脂である。すなわち、エポキシ樹脂の場合、該エポキシ樹脂とリン化合物と反応させて得られたエポキシ化合物は、変性エポキシ樹脂として本発明の熱硬化性樹脂を構成するのである。 本発明にかかる難燃性樹脂組成物は、硬化剤を使用して硬化させる。使用する硬化剤としては、・・・硬化剤のいずれでもよく、エポキシ樹脂とリン化合物との反応生成物である変性エポキシ樹脂の場合、硬化剤の配合量は、変性エポキシ樹脂1当量に対して0.5〜1.2当量である。」(第6頁第3行〜19行)と記載されている。 また、「製造例1. 臭素化エポキシ樹脂、エポトートYDB-400(・・・、テトラブロモビスフェノールA、ジグリシジルエーテル エポキシ当量、以下EEWと記す 400g/eq 臭素分49.0%)442gと・・・(・・・商品名 HCA-HQ・・・)104.5gとを・・・用い、HCA-HQとエポキシ基のモル比0.292/1(以下P/Eと略す)で・・・5時間反応させた後、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、エポトートYD-128(東都化成株式会社製EEW187g/eq)453.5gを添加しEEW346g/eq 臭素分21.7% リン分1.0%の樹脂Aを得た。 製造例2 ・・・を製造例1.と同条件で反応させた(P/E)=0.091/1)EEW350g/eq 臭素分21.7% リン分1.0%の樹脂Bを得た。 製造例3. YD-128 453.5g、HCA-HQ 104.5gを製造例1.と同条件で反応させた後、(P/E=0.133/1)、YDB-400 442gを添加しEEW355g/eq、臭素分21.7%、リン分1.0%の樹脂Cを得た。」(8頁4行〜9頁8行)と記載され、 「製造例4.・・・を製造例1.と同条件で反応させ(P/E)=0.201/1)EEW550g/eq 臭素分17.7% リン分2.0%の樹脂Fを得た。 ・・・ 製造例5. YD-128 108.5g、HCA-HQ 66.5gを製造例1.と同条件で(P/E=0.353/1)反応させた後、臭素化エポキシ樹脂 エポトートYDB-500(東都化成株式会社製 エポキシ当量 515g/eq 臭素分21.5%)825gを添加しEEW565g/eq 臭素分17.7% リン分0.64%の樹脂Hを得た。」(明細書12頁1〜16行)と記載されている。 また、「実施例1〜3及び比較例1〜2 以上、得られた変性エポキシ樹脂に硬化剤としてメチル化THPA 日立化成工業株式会社製 商品名HN-2200、硬化促進剤として、2-エチル-4メチルイミダゾール(以下、2E4MZ)四国化成工業株式会社製を配合し、120℃で1時間、150℃で1時間、更に170℃で1時間加熱して硬化させた。得られた硬化物中のリン分、臭素分及び硬化物特性を測定した。その結果を第1表に示す。」(10頁1〜9行)と記載され、 明細書11頁には、第1表として 使用例 実施例1 実施例2 実施例3 エポキシ樹脂 A B C (部) 100 100 100 硬化剤(部) 48 47 47 」 が記載され、 明細書14頁には、第2表として 使用例 実施例4. 実施例5. エポキシ樹脂 F H (部) 100 100 硬化剤(部)2.3 2.2 」 が載されている。 そうすると、これらの記載からみると、本件出願当初の明細書には、エポキシ樹脂とリン化合物と反応させて得られたエポキシ樹脂が記載されており、これらのエポキシ樹脂に硬化剤を配合することにより、熱硬化製難燃性樹脂組成物が得られることが記載され、この硬化剤の使用量として、実施例によれば、実施例3では、エポキシ樹脂Cと硬化剤の当量比率は、エポキシ樹脂Cのエポキシ当量数:メチル化THPAの酸無水物当量数=(100/355):(47/166.18)=0.282:0.283=1:1となり、エポキシ樹脂組成物中のエポキシ1当量に対して硬化剤を1当量配合したものとなり、また、実施例5では樹脂H 100部に硬化剤としてジシアンジアミド2.2部を配合している。そして、エポキシ樹脂Hのエポキシ当量は565g/eqであり、ジシアンジアミドは分子量84.08であり1分子中に活性水素を4個有するので硬化剤としての活性水素当量は(84.08/4)=21.02g/eqであるので、エポキシ樹脂Hのエポキシ当量数:ジシアンジアミドの活性水素当量数=(100/565):(2.2/21.02)=0.177:0.105=1:0.6となり、エポキシ樹脂組成物中のエポキシ1当量に対して硬化剤を0.6当量配合したものとなるから、出願当初の明細書には、エポキシ基1モルに対し、式(1)で示される化合物を0.05〜0.45モルの比率で反応せしめて得られるエポキシ樹脂を含有する熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物であって、該熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物のエポキシ当量に対して0.6〜1当量の硬化剤を含有することを特徴とする熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物が記載されていたと言える。 そして、この記載に基づいて、平成12年4月17日付けの手続補正書において、硬化剤の配合比率に関し、該熱硬化性難燃樹脂組成物中0.5〜1.2当量を含有するとされたものであるから、前記補正の内容の記載が出願当初の明細書に記載されていない技術的事項を追加するものとまでは言えず、前記補正書が当初明細書の要旨を変更するものではない。 したがって、本件特許出願日は、補正書を提出した日である平成12年4月17日に繰り下がるものではないから、出願日の繰り下がりを前提として、本件発明の特許の、特許法第29条第1項または第29条第2項の違反を指摘する特許異議申立人の理由は失当である。 V.むすび 以上のとおりであるから、特許異議申立の理由及び証拠によっては、訂正後の請求項1に係る発明についての特許を取り消すことはできない。 また、他に訂正後の請求項1に係る発明についての特許を取り消すべき理由を発見しない。 よって、結論のとおり決定する。 |
発明の名称 |
(54)【発明の名称】 熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物 (57)【特許請求の範囲】 1.エポキシ基1モルに対し、式(1)で示される化合物を0.05〜0.45モルの比率で反応せしめて得られる変性芳香族エポキシ樹脂(A)からなる熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物であって、該熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物のエポキシ当量に対して0.6〜1当量の硬化剤を含有することを特徴とする熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物。 式(1) 【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は、エポキシ基含有難燃剤を熱硬化性エポキシ樹脂に対して添加した熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物に関する。 (従来の技術及び解決しようとする課題) 熱硬化性樹脂は、すぐれた各種性能を有するため、電気、電子絶縁材料、塗料、複合材料、接着剤等広範に使用されている。熱硬化性樹脂としては、例えばエポキシ樹脂、フェノ-ル樹脂、不飽和ポリエステル樹脂、メラミン樹脂などが知られているが、通常、これらは可燃性である為、難燃性(自己消火性)を得るためにリン系難燃剤やハロゲン系難燃剤を添加している。 これらの難燃剤は、樹脂を成形加工する時、あるいは成形後の製品を使用する時に受ける熱に耐える耐熱性や強度、あるいは耐水性が必要とされる。しかし、これまで難燃剤として使用されてきたリン含有化合物は添加型であった為、成形物としての性能向上には寄与せず、また、添加型リン系難燃剤は樹脂との混合後の安定性や耐水性に問題があった。他方、添加型ハロゲン系難燃剤は、比重が大きい為、樹脂との相溶性が悪く分離(ブリ-ド)しやすい等の問題があった。そして、リン含有化合物と臭素化合物と併用することで、さらに難燃効果をあげることが可能であることも知られていたが、これらの難燃剤は、添加型のため、やはり成形物としての性能向上には寄与しなかった。 本発明は、上述のように耐熱性や耐水性、ブリ-ド性といった点で性能が低下するといった問題のある添加型難燃剤に代わり、エポキシ基含有難燃剤を使用することによって、従来品以上の耐熱性をはじめ、諸特性に優れた新規な熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物を提供しようとするものである。 (課題を解決するための手段) 本発明の要旨は、エポキシ基1モルに対し、式(1)で示される化合物を0.05〜0.45モルの比率で反応せしめて得られる変性芳香族エポキシ樹脂(A)からなる熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物であって、該熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物のエポキシ当量に対して0.6〜1当量の硬化剤を含有することを特徴とする熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物である。 式(1) すなわち、本発明は、エポキシ基とリン含有化合物とを反応させて得られたエポキシ基を含有する変性芳香族エポキシ樹脂(A)を反応性難燃剤として使用するものであり、該反応性難燃剤を、熱硬化性エポキシ樹脂に対して反応性難燃剤として添加し、樹脂成形物に難燃性を付与すると共に、熱硬化性エポキシ樹脂の成形物としての性能向上を図るものである。 本発明について詳細に説明する。 本発明で使用する反応性難燃剤は、式(1)で示される10‐(2,5‐Dihydroxyphenyl)‐10H‐9‐oxa‐10‐phosphaphenanthrene‐10‐oxideなるリン化合物と芳香族エポキシ樹脂とを、所定のモル比で反応させてリン化合物中にエポキシ基を導入することによって得られる。このエポキシ樹脂は単なるエポキシ樹脂のみならずハロゲン化エポキシ樹脂をも包含する。 すなわち、芳香族エポキシ樹脂中のエポキシ基1モルに対して、式(1)で示されるリン化合物を0.05〜0.45モルの割合で反応させることによって得られる。 芳香族エポキシ樹脂中のエポキシ基1モルに対して、リン化合物が0.05モルより少ないと難燃性が充分改良されず、又0.45モル以上では難燃性の向上は期待出来るものの粘度が高すぎ、熱硬化性樹脂中に分散が行ない難く、好ましくない。 式(1)で示されるリン化合物と芳香族エポキシ樹脂との反応は、公知の方法によればよく、例えば金属酸化物、無機塩基、有機塩基及びその塩類や、いわゆるオニウム化合物などを触媒とする方法等がある。 反応に使用する芳香族エポキシ樹脂としては、ビスフェノ-ルAやビスフェノ-ルF、ビスフェノ-ルS、フェノ-ルノボラック、オルソクレゾ-ルノボラックに代表されるグリシジルエ-テル類、テトラブロモビスフェノ-ルAやテトラブロモビスフェノ-ルFに代表されるハロゲン化グリシジルエ-テル類、テトラグリシジルジアミノジフェニルメタンやテトラグリシジルジアミノジフェニルスルフォンに代表されるグリシジルアミン類など公知のエポキシ樹脂を単独、若しくは、混合して使用することが出来る。 本発明における熱硬化性樹脂は芳香族エポキシ樹脂である。 すなわち、熱硬化性樹脂がエポキシ樹脂である場合、本発明のエポキシ基含有難燃剤は、前記一般式(1)で示されるリン化合物と該エポキシ樹脂とを特定の割合で反応させて得たエポキシ化合物であり、該エポキシ化合物はリン含難燃剤として熱硬化性エポキシ樹脂組成物のエポキシ樹脂の一成分を構成するのである。 本発明にかかる難燃性エポキシ樹脂組成物は、硬化剤を使用して硬化させる。使用する硬化剤としては、酸無水物、ポリアミン系化合物、フェノ-ル系化合物、その他、慣用されている硬化剤のいずれでもよい。硬化剤の配合量は、難燃性エポキシ樹脂組成物中のエポキシ基1当量に対して0.6〜1当量である。 本発明にかかる熱硬化性エポキシ樹脂組成物は、目的に応じて、通常使用されている添加剤を添加することができる。例えば、石英粉、酸化チタン、アルミナ等の慣用されている充填材、或は、顔料、着色剤等が必要に応じて配合される。 (実施例) 次に実施例(製造例、使用例)及び比較例(比較製造例、使用例)をあげて本発明を具体的に説明する。 実施例における硬化物の物性値は、下記の測定法によって行なった。 Tg:デュポン社製 粘弾性スペクトロメ-タ-DMA980を使用して2℃/minの昇温速度で測定し、tanδでの値を示した。 煮沸吸水率:100℃で1時間浸漬したときの吸水率 加圧吸水率:120℃×1hrの強制吸湿試験により吸水したときの吸水率 耐燃性、曲げ強さ及び曲げ弾性率:JIS K 6911に準拠して測定した測定値 耐燃性において、測定値 1以下とは試験片の2回接炎共、フレ-ミング時間が1秒以下であった。2つの数字は1回目の接炎と2回目の接炎によるフレ-ミング時間を示す。 製造例 1. 臭素化エポキシ樹脂、エポト-トYDB-400(東都化成株式会社製、テトラブロモビスフェノ-ルA、ジグリシジルエ-テル エポキシ当量、以下EEWと記す 400g/eq 臭素分49.0%)442gと10‐(2,5‐Dihydroxyphenyl)‐10H‐9‐oxa‐10‐phosphaphennthrene‐10‐oxide(三光化学株式会社製 商品名 HCA‐HQ 分子量324.3)104.5gとを、反応触媒としてテトラメチルアンモニウムクロライド0.5gを水溶液として用い、HCA‐HQとエポキシ基のモル比0.292/1(以下P/Eと略す)で100〜180℃の温度で、5時間反応させた。得られたエポキシ基含有難燃剤にビスフェノ-ルA型エポキシ樹脂、エポト-トYD-128(東都化成株式会社製 EEW 187g/eq)453.5gを添加し EEW346g/eq 臭素分21.7% リン分1.0%の樹脂Aを得た。 製造例 2. YDB-400 442g、YD-128 453.5g、HCA-HQ 104.5gを製造例1.と同条件で反応させ(P/E=0.091/1)EEW 350g/eq 臭素分21.7% リン分1.0%の樹脂Bを得た。 製造例 3. YD-128 453.5g、HCA-HQ104.5gを製造例 1.と同条件で反応させた後、(P/E=0.133/I)YDB-400 442gを添加しEEW355g/eq 臭素分21.7% リン分1.0%の樹脂Cを得た。 比較製造例 1. YDB-400 442g、YD-128 244g、ビスフェノ-ルA型エポキシ樹脂、エポト-トYD‐011(東都化成株式会社製 EEW 475g/eq)214g、トリフェニルフォスファイト(株式会社大八化学工業所製 商品名 TP-1 リン分10%)100gを100〜120℃で撹拌混合し溶解してEEW 350g/eq 臭素分21.7%、リン分1.0%の樹脂Dを得た。 比較製造例 2. YDB-400 442g、YD-128 179g、YD-011 379gを100〜120℃で撹拌混合し溶解して EEW 350g/eq 臭素分21.7%の樹脂Eを得た。 実施例1〜3及び比較例1〜2 以上、得られたエポキシ基含有難燃剤を含有する熱硬化性樹脂組成物と硬化剤としてメチル化THPA 日立化成工業株式会社製 商品名HN‐2200、硬化促進剤として、2-エチル‐4-メチルイミダゾ‐ル(以下、2E4MZ)四国化成工業株式会社製を配合し、120℃で1時間、150℃で1時間、更に170℃で1時間加熱して硬化させた。 得られた硬化物中のリン分、臭素分及び硬化物特性を測定した。その結果を第1表に示す。 製造例 4. YDB‐400 361.5g YD-128 429.5g HCA-HQ209gを製造例 1.と同条件で反応させ(P/E=0.201/1)EEW 550g/eq 臭素分17.7% リン分2.0%の樹脂Fを得た。 比較製造例 3. YDB-400 361.5g YD‐011 438.5g トリフェニルフォスファイト200gを100〜120℃で撹拌混合してEEW547g/eq 臭素分17.7% リン分2.0%の樹脂Gを得た。 製造例 5. YD‐128 108.5g HCA‐HQ 66.5gを製造例 1.と同条件で(P/E=0.353/1)反応させた後、臭素化エポキシ樹脂 エポト-ト YDB-500(東都化成株式会社製 エポキシ当量 515g/eq 臭素分21.5%)825gを添加しEEW565g/eq 臭素分17.7% リン分0.64%の樹脂Hを得た。 比較製造例 4. YDB-500 825g ビスフェノ‐ルA型エポキシ樹脂 エポト-ト YD-012(東都化成株式会社製 EEW 650g/eq)111gトリフェニルフォスファイト64gを100〜120℃で撹拌混合し溶解してEEW565g/eq 臭素分 17.7% リン分 0.64%の樹脂Kを得た。 実施例4、5及び比較例4、5 以上、得られたエポキシ基含有難燃剤を含んだ熱硬化性樹脂をメチルエチルケトン溶液とし(NV=80%)、硬化剤として、ジシアンジアミドをジシアンジアミド/メチルセロソルブ/ジメチルホルムアミド=4/15/15の溶液を、硬化促進剤として2E4MZ、四国化成工業株式会社製を、それぞれ使用し、更に、メチルエチルケトンを追加して固形分50%のワニスとした。 ガラスクロス(WEA‐18K‐105BZ2)日東紡株式会社製、に前記の樹脂ワニスを含浸させ、B‐ステ-ジ化後、プリプレグ8プライの上下に三井金属鉱業株式会社製、銅箔(3EC、厚さ35μ)を重ねて加熱加圧硬化し、厚さ1.6mm、樹脂分 約42%の積層板を作製した。 得られた積層体の物性値は第2表に示す。 実施例 6.及び比較例 5. 先に得たエポキシ樹脂B及びエポキシ樹脂Dを使用し、この樹脂をメチルエチルケトンに溶解させ、メチルエチルケトン溶液(NV=50%)とし、硬化剤として、フェノ-ルノボラック樹脂(東都化成株式会社製 軟化点 98℃)のメチルエチルケトン溶液(NV=50%)を、硬化促進剤として2E4MZ(四国化成工業株式会社製)をそれぞれ使用し、第3表に示した条件で硬化させて積層物を得た。 得られた積層体の物性値を第3表に示す。 (発明の効果) 以上の結果からも明らかな様に、本発明にかかる熱硬化性樹脂であるエポキシ樹脂のエポキシ基とリン化合物との反応させて得たエポキシ化合物は、添加型難燃剤を添加した場合に比して、耐熱性や耐水性、耐燃性等の物性に優れていることが分かる。また、難燃剤としてリンとハロゲンを併用すると、相互作用によって各々単独の場合に比べ使用量を減らせる事が知られているが、本発明によれば一分子骨格中にリンとハロゲンを導入する事も出来る為、良好な難燃性を有する新規な熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物を提供できるもので、産業界にとって非常に有益である。 |
訂正の要旨 |
訂正の要旨 特許第30920009号に添付した明細書を、次のとおり訂正する。 訂正事項a 特許請求の範囲の請求項1に記載の 「エポキシ基1モルに対し、式(1)で示される化合物を0.05〜0.45モルの比率で反応せしめて得られる変性エポキシ樹脂(A)を含有する熱硬化性難燃性樹脂組成物であって、該熱硬化性難燃性樹脂組成物のエポキシ当量に対して0.5〜1.2当量の硬化剤を含有することを特徴とする熱硬化性難燃性樹脂組成物。」を 「エポキシ基1モルに対し、式(1)で示される化合物を0.05〜0.45モルの比率で反応せしめて得られる変性芳香族エポキシ樹脂(A)からなる熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物であって、該熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物のエポキシ当量に対して0.6〜1当量の硬化剤を含有することを特徴とする熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物。」と訂正する。 訂正事項b 明細書、第1頁下から12行(特許公報第1頁右欄第3行)「新規な難燃剤」を「エポキシ基含有難燃剤」と訂正する。 訂正事項c 明細書、第2頁7行(特許公報第2頁左欄第13行)中に記載の「新規な難燃剤」を「エポキシ基含有難燃剤」と訂正する。 訂正事項d 明細書、第1頁下から12行(特許公報第1頁右欄第3行)中に記載の「熱硬化性樹脂」を「熱硬化性エポキシ樹脂」と訂正する。 訂正事項e 明細書、第2頁下から7行(特許公報第2頁左欄第36行)中に記載の「熱硬化性樹脂」を「熱硬化性エポキシ樹脂」と訂正する。 訂正事項f 明細書、第2頁下から6行(特許公報第2頁左欄38行)中に記載の「熱硬化性樹脂」を「熱硬化性エポキシ樹脂」と訂正する。 訂正事項g 明細書、第3頁下から6行(特許公報第2頁右欄第28行)中に記載の「熱硬化性樹脂」を「熱硬化性エポキシ樹脂」と訂正する。 訂正事項h 明細書、第3頁下から1行(特許公報第2頁右欄第36行)中に記載の「熱硬化性樹脂」を「熱硬化性エポキシ樹脂」と訂正する。 訂正事項i 明細書、第1頁下から12行(特許公報第1頁右欄第4行)中に記載の「熱硬化性難燃性樹脂」を「熱硬化性難燃性エポキシ樹脂」と訂正する。 訂正事項j 明細書、第2頁8行〜9行(特許公報第2頁左欄第15行)中に記載の「熱硬化性難燃性樹脂」を「熱硬化性難燃性エポキシ樹脂」と訂正する。 訂正事項k 明細書、第2頁12〜13行(特許公報第2頁左欄第20行)中に記載の「変性エポキシ樹脂(A)を含有する」を「変性芳香族エポキシ樹脂(A)からなる」と訂正する。 訂正事項l 明細書、第2頁13行(特許公報第2頁左欄第20〜21行)中に記載の「熱硬化性難燃性樹脂」を「熱硬化性難燃性エポキシ樹脂」と訂正する。 訂正事項m 明細書、第2頁13行(特許公報第2頁左欄第21行)中に記載の「熱硬化性難燃性樹脂」を「熱硬化性難燃性エポキシ樹脂」と訂正する。 訂正事項n 明細書、第2頁14行〜15行(特許公報第2頁左欄第23行)中に記載の「熱硬化性難燃性樹脂」を「熱硬化性難燃性エポキシ樹脂」と訂正する。 訂正事項o 明細書、第3頁18〜20行(特許公報第2頁右欄第20〜23行)中に記載の「本発明における熱硬化性樹脂としては、・・・エポキシ樹脂である。」を「本発明における熱硬化性樹脂は、芳香族エポキシ樹脂である。」と訂正する。 訂正事項p 明細書、第9頁下から2行(特許公報第6頁右欄第5行)中に記載の「熱硬化性難燃性樹脂」を「熱硬化性難燃性エポキシ樹脂」と訂正する。 訂正事項q 明細書、第2頁下から2行〜下から1行(特許公報第2頁左欄第43〜44行)中に記載の「エポキシ樹脂」を「芳香族系エポキシ樹脂」と訂正する。 訂正事項r 明細書、第3頁3行(特許公報第2頁右欄第1行)中に記載の「エポキシ樹脂」を「芳香族系エポキシ樹脂」と訂正する。 訂正事項s 明細書、第3頁5行(特許公報第2頁左欄第48行)中に記載の「エポキシ樹脂」を「芳香族エポキシ樹脂」と訂正する。 訂正事項t 明細書、第3頁8行(特許公報第2頁右欄第6行)中に記載の「エポキシ樹脂」を「芳香族系エポキシ樹脂」と訂正する。 訂正事項u 明細書、第3頁11行(特許公報第2頁右欄第10行)中に記載の「エポキシ樹脂」を「芳香族系エポキシ樹脂」と訂正する。 訂正事項v 明細書、第2頁14行(特許公報第2頁左欄第22行)の「0.5〜1.2当量」を「0.6〜1当量」と訂正する。 訂正事項w 明細書、第3頁下から2行(特許公報第2頁右欄第34行〜35行)に記載の「0.5〜1.2当量」を「0.6〜1当量」と訂正する。 訂正事項x 明細書、第2頁12行(特許公報第2頁左欄第20行)中に記載の「変性エポキシ樹脂(A)」を「変性芳香族エポキシ樹脂(A)」に訂正する。 訂正事項y 明細書、第2頁下から8行(特許公報第2頁左欄第34〜35行)中に記載の「変性エポキシ樹脂(A)」を「変性芳香族エポキシ樹脂(A)」に訂正する。 訂正事項z 明細書、第3頁下から5行(特許公報第2頁右欄第30行)中に記載の「難燃性樹脂組成物」を「難燃性エポキシ樹脂組成物」に訂正する。 訂正事項a-1 明細書、第3頁下から3行(特許公報第2頁右欄第34行)中に記載の「難燃性樹脂組成物」を「難燃性エポキシ樹脂組成物」に訂正する。 訂正事項a-2 明細書に記載の発明の名称を「熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物」と訂正する。 |
異議決定日 | 2002-03-29 |
出願番号 | 特願平2-111676 |
審決分類 |
P
1
651・
161-
YA
(C08L)
P 1 651・ 121- YA (C08L) |
最終処分 | 維持 |
前審関与審査官 | 岡崎 美穂、藤本 保 |
特許庁審判長 |
谷口 浩行 |
特許庁審判官 |
村上 騎見高 石井 あき子 |
登録日 | 2000-07-28 |
登録番号 | 特許第3092009号(P3092009) |
権利者 | 東都化成株式会社 |
発明の名称 | 熱硬化性難燃性エポキシ樹脂組成物 |
代理人 | 樋口 榮四郎 |
代理人 | 高橋 勝利 |
代理人 | 渡辺 望稔 |
代理人 | 樋口 榮四郎 |
代理人 | 三和 晴子 |
代理人 | 田中 宏 |
代理人 | 田中 宏 |