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審決分類 審判 査定不服 4項(5項) 請求の範囲の記載不備 取り消して特許、登録 A63F
審判 査定不服 2項進歩性 取り消して特許、登録 A63F
審判 査定不服 発明同一 取り消して特許、登録 A63F
管理番号 1066868
審判番号 不服2001-3438  
総通号数 36 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 2000-02-29 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-03-08 
確定日 2002-11-11 
事件の表示 平成11年特許願第257134号「パチンコ機の役物」拒絶査定に対する審判事件〔平成12年2月29日出願公開、特開2000-61050、発明の数(1)〕について、次のとおり審決する。 
結論 原査定を取り消す。 本願の発明は、特許をすべきものとする。 
理由 一、手続の経緯、及び本願発明の要旨
本願は、昭和60年6月26日に実用新案登録出願された実願昭60-96828号の出願の一部を分割して新たな実用新案登録出願とした実願平4-33789号を、特許出願に出願変更して特願平4-129453号となし、次にその特許出願の一部を分割して新たな特許出願とした特願平8-137508号の出願の、その一部を分割して新たな特許出願とした特願平11-133938号の出願の、その一部をさらに分割して新たな特許出願とした特願平11-166284号の出願の、その一部を分割して新たな特許出願とした特願平11-199712号の出願の、その一部を分割して新たな特許出願とした特願平11-227111号の出願の、その一部を分割して新たな特許出願とした特願平11-257134号の特許出願である。
そして、本願特許出願の発明の要旨は、平成13年3月27日付け、平成14年4月26日付け及び平成14年8月21付けの手続補正書に基づく各補正により補正された明細書及び図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項1(第1項)に記載された次のとおりのものである。
「【請求項1】表示用の電気部品と、可動部材と、球通路を有する役物の後面に、前記可動部材を動作するためのソレノイドアクチュエータを有し、該アクチュエータ以外の駆動源を不具備とし、該ソレノイドアクチュエータと間隔をおいて、各種電気部品を接続するためのコネクタ端子を有する電気回路基板を配置したことを特徴とするパチンコ機の役物。」(以下、これを「本願発明」という。)

二、当審が通知した拒絶理由の概要
当審が通知した拒絶理由の概要は、次のとおりのものである。
理由1:本願発明は、引用出願(1)である実願昭60-93335号(実開昭62-1676号公報)の願書に最初に添付された明細書及び図面に記載された考案(以下、これを「引用考案1」という。)と比較すると、本願発明と引用考案1との間には構成上の差異を認めることができず、また、本願発明の奏する作用効果にも上記引用考案1との格別顕著な差異を認めることができないので、本願発明は、その特許出願の日前の実用新案登録出願であって、その特許出願後に出願公開された上記引用出願(1)の願書に最初に添付された明細書又は図面に記載された引用考案1と同一である。しかも、本願発明の発明者が引用出願(1)に係る上記の考案をした者と同一であるとも、また、本件特許出願の時において、その特許出願人が上記引用出願(1)の実用新案登録出願の出願人と同一であるとも認められないから、本願発明は、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができない。
理由2:本願出願明細書の特許請求の範囲の請求項1(第1項)に記載された「該ソレノイドアクチュエータと空間部を隔てて、各種電気部品を接続するためのコネクタ端子を有する電気回路基板を配置した」の技術事項における「空間部」が不明であり、また、本願出願明細書の特許請求の範囲の請求項1(第1項)に記載された「電気回路基板」が、「中継端子盤10」と「基盤32」の何れを意味するものとして記載されているのか、請求項1(第1項)の記載では特定されていないので、請求項1(第1項)に記載の発明の構成が明確でない。
理由3:本願発明は、引用出願(2)である実願昭60-84022号(実開昭61-200091号公報)の願書に最初に添付された明細書及び図面に記載された考案(以下、これを「引用考案2」という。)と比較すると、本願発明と引用考案2との間には構成上の差異を認めることができず、また、本願発明の奏する作用効果にも上記引用考案2との格別顕著な差異を認めることができないので、本願発明は、その特許出願の日前の実用新案登録出願であって、その特許出願後に出願公開された上記引用出願(2)の願書に最初に添付された明細書又は図面に記載された引用考案2と同一である。しかも、本願発明の発明者が引用出願(2)に係る上記の考案をした者と同一であるとも、また、本件特許出願の時において、その特許出願人が上記引用出願(2)の実用新案登録出願の出願人と同一であるとも認められないから、本願発明は、特許法第29条の2の規定により特許を受けることができない。

三、当審の判断
上記理由1及び理由3について、上記引用考案1及び引用考案2には、平成14年8月21日付けの手続補正書により補正されたところの本願発明の「表示用の電気部品と、可動部材と、球通路を有する役物の後面に、前記可動部材を動作するためのソレノイドアクチュエータを有し、該アクチュエータ以外の駆動源を不具備とし、該ソレノイドアクチュエータと間隔をおいて、各種電気部品を接続するためのコネクタ端子を有する電気回路基板を配置したことを特徴とするパチンコ機の役物」の構成について、その記載がない。また、前記構成が当業者に自明の事項であるとも、或いは、本願特許出願時の周知技術であるとも認められない。したがって、本願発明が、前記引用考案1又は引用考案2と同一であるということができない。
また、上記理由2について、特許請求の範囲の請求項1(第1項)が手続補正により補正されたことにより、上記理由2において指摘した明細書の特許請求の範囲の請求項1(第1項)に記載の技術事項についての不明点及び不明確な点は解消された。

四、むすび
以上のとおりであり、この出願の請求項1(第1項)に記載の発明は、拒絶査定の理由によって拒絶すべきものとすることができない。
そして、他に本願を拒絶すべき理由を発見しない。
よって、結論のとおり審決する。
 
審決日 2002-09-30 
出願番号 特願平11-257134
審決分類 P 1 8・ 161- WY (A63F)
P 1 8・ 532- WY (A63F)
P 1 8・ 121- WY (A63F)
最終処分 成立  
前審関与審査官 瀬津 太朗  
特許庁審判長 藤井 俊二
特許庁審判官 佐藤 昭喜
松川 直樹
発明の名称 パチンコ機の役物  
代理人 川口 光男  
代理人 山田 強  

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