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審決分類 審判 査定不服 2項進歩性 特許、登録しない。 G01R
管理番号 1069792
審判番号 不服2001-6484  
総通号数 38 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1998-12-02 
種別 拒絶査定不服の審決 
審判請求日 2001-04-23 
確定日 2002-11-27 
事件の表示 平成10年特許願第509054号「ロードされた基板のドロップピン装置」拒絶査定に対する審判事件[平成10年 2月 5日国際公開、WO98/04927、平成10年12月 2日国内公表、特表平10-512682]について、次のとおり審決する。 
結論 本件審判の請求は、成り立たない。 
理由 1.手続の経緯・本願発明
本願は、1997年7月29日(パリ条約による優先権主張外国庁受理1996年7月29日、米国)を国際出願日とする出願であって、その請求項1乃至11に係る発明は、平成12年1月5日付の手続補正書によって補正された明細書の特許請求の範囲に記載されたとおりのものと認められるところ、その請求項1には、次のとおりに記載されている(以下、「本願発明」という)。

「実装されたプリント回路基板上に細かい間隔で配置された複数のテストポイントを試験するための実装された基板の試験装置(loaded board test fixture)であって、
ハウジングと、
ハウジングの基部内に配設されたプローブプレートと、
プローブプレートを通って延伸し、外部の試験解析機と電気接続するようにされている、比較的広い間隔で配置された高いスプリング力のテストプローブの列と、
ハウジングの空間内においてプローブプレートの上方に、基板上に細かい間隔で配置された複数のテストポイントに隣接して配設された、移動配置可能な中継装置(translator fixture)であって、回路基板構成部材を受容するためのえぐられた部分を有する頂部プレートを有し、頂部プレートの上面が実装されたプリント回路基板上のテストポイントに隣接している中継装置と、
中継装置の一方の端部でテストプローブと位置を合わせ、中継装置の反対側の端部で細かい間隔で配置されたテストポイントと位置を合わせるために中継装置内に支持され、テストプローブにより与えられたテスト力を基板上のテストポイントに効果的に中継するのに充分な軸方向の剛性を有するソリッドピンから成る複数の中継ピンを具備していて、
プリント回路基板上に細かい間隔で配置されたテストポイントと外部の電子試験解析機への接続の間の、テスト力と電気信号の中継のためにテストプローブが複数の中継ピンと強く接触(compliant contact)をしている、
ことを特徴とする実装された基板の試験装置。」

2.引用刊行物記載の発明
これに対して、原査定の拒絶の理由に引用された、本願の優先権主張の日前である平成4年2月7日に頒布された特開平4-38480号公報(以下「引用刊行物」という。)には、特に第1図乃至4図とともに次の事項が記載されている。

(ア)「検査器のフィクスチャに格子状に植え込まれているコンタクトプローブの配設位置に対応させて穿設した貫通孔を有するベースと、
該ベースと平行に配置され、かつ該ベース上に立設した支柱を介してこのベースに固定されているボードメンバと、
前記ベースとボードメンバ間に挿通され、先端部が被検査プリント配線板の検査ポイントと接触し、基端部が検査機のコンタクトプローブに接触するアダプタピンと、
前記ベースとボードメンバとの間に配設した、前記アダプタピンのたわみを矯正するピンサポートボードを備えた第1のオフグリッドアダプタと第2のオフグリッドアダプタとより構成され、・・・(中略)・・・プリント配線板検査機用アダプタ上下タイプ。」(請求項1(第1頁左下欄第5行から同頁右下欄第15行))

(イ)「この検査器では、格子外に検査ポイントがあるプリント配線板をも検査するために、オフグリッドアダプタを用いて実現している」(第2頁右上欄第2行から第5行)

(ウ)「その目的とするところは、高密度化、微細化された両面実装用の基板の検査に対応できると共に、検査を容易かつ的確に行うことが出きる基板検査機用アダプタ上下タイプを提供することにある。」(第2頁左下欄第19行(下から2行目)から同頁右下欄第4行)

(エ)「又上下のオフグリッドアダプタは、押圧時に全体が上下動するように構成されている。従って、コンタクトプローブ、アダプタピンの接触がオフグリッドアダプタに使用される各ボードや基板の板厚公差に影響されず、基板の検査ポイントに最適荷重で接触するように構成され、安定した検査が可能である。
さて、前記第1のオフグリッドアダプタAは、検査機のフィクスチャ1に2.54mm等格子状に植え込まれているスプリングコンタクトプローブ20の配設位置に対応させて穿設した貫通孔3cを有するベース3と、このベース3と平行に配置され、かつベース3上に立設した支柱21でベース3に固定されているボードメンバ5と、前記ベース3とボードメンバ5の間に挿通され、先端部が被検査基板30の検査ポイントと接触し、基端部が検査機のコンタクトプローブ20に接触するアダプタピン10と、前記ベース3とボードメンバ5との間に配設され、前記アダプタピン10のたわみを矯正するピンサポートボード4とを具備している。
前記フィクスチャ1には、既述のようにコンタクトプローブ20が格子状に植え込まれており、この各コンタクトプローブ20はスイッチング回路と一対一で接続されている。
前記第1のオフグリッドアダプタAは、プローブガードプレート2にセットされる。今プローブガードプレート2は、絶縁板により形成され、前記フィクスチャ1上に取り付けられてスプリング32(第3図参照)により上下動する。」(第3頁左下欄第17行から第4頁左上欄第7行)

(オ)「前記ボードメンバ5は、専用ボード6と、微調ボード7とピンガイドボード8とより構成されている。このうち、専用ボード6には、被検査基板30の検査ポイントと同じ位置に貫通孔6aが穿設されており(第4図参照)、アクリル材等の透明なボードにより形成される。」(第4頁左下欄第13行から第18行)」

(カ)「前記微調ボード7は、被検査基板の表面パターンと前記アダプタピン10との位置関係を微調整するためのものであり、後述の微調手段13を操作することにより可動する。」(第4頁右下欄第4行から第7行)

(キ)「更に、前記ピンガイドボード8には、前記専用ボード6と同様に被検査基板の検査ポイントと同位置に貫通孔8aが穿設されている。」(第4頁右下欄第11行から第13行)

(ク)「前記アダプタピン10は、被検査基板30の検査ポイントと前記フィクスチャ1に使用されるコンタクトプローブ20とを電気的に接続するためのリジッドなピンとして形成されており」(第5頁左上欄第10行から第13行)

(ケ)「被検査基板30をコンタクトプローブの最適なストロークで加圧するために、被検査基板30の板厚によって加圧ストロークを自動的に調整する機構が内蔵されている。」(第5頁右上欄第15行から第19行)

ここで、基板の検査装置において、ハウジング内にプローブを収納することは普通に採用されている構成である(例えば、原査定の拒絶の理由に引用された特開昭62-223679号公報参照)。
また、「アダプタピン10が、リジッドなピンとして形成されており」(上記(ク))、かつ、「アダプタピン10」は「基板の検査ポイントに最適荷重で接触するように構成」(上記(エ))される点から見て、引用刊行物のアダプタピン10は、ソリッドピンであって、コンタクトプローブ20により与えられたテスト力をプリント配線板30条の検査ポイントに効果的に中継するのに充分な軸方向の剛性を有するとともに、コンタクトプローブ20より、充分強いテスト力を与えられているものと認められる。
以上の点を勘案すると引用刊行物には次の発明(以下「引用刊行物記載の発明」という。)が記載されていると認められる。

「被検査用プリント配線板30上の複数の検査ポイントを検査するためのプリント配線板検査装置であって、
ハウジングと、
ハウジング内に配設されたフィクスチァ1と、
フィクスチャ1上に植え込まれており、外部の電気回路と電気接続するようにされている、所定(2.54mm)の間隔で配置されたコンタクトプローブ20の列と、
ハウジングの空間内においてフィクスチャ1の上部に、プリント配線板30上に配置された複数の検査ポイントに隣接して配置された、上下動するオフグリッドアダプタであって、プリント配線板30を載置するボードメンバ5を有し、ボードメンバ5の上面がプリント配線板30上の検査ポイントに隣接しているオフグリッドアダプタと、
オフグリッドアダプタの一方の端部で、コンタクトプローブ20と位置を合わせ、オフグリッドアダプタの反対側の端部で検査ポイントに位置を合わせるためにオフグリッドアダプタ内に支持され、コンタクトプローブ20により与えられたテスト力をプリント配線板30上の検査ポイントに効果的に中継するのに充分な軸方向の剛性を有するソリッドピンからなる複数のアダプタピン10を具備しており、
プリント配線板30上に配置された検査ポイントと外部の電子回路への接続の間の、テスト力と電気信号の中継のためにコンタクトプローブ20が複数のアダプタピン10と強く接触している
プリント配線板検査装置」

また、実願昭62-59730号(実開昭63-167273号)のマイクロフィルム(以下「周知例1」という)には、次の事項が記載されている。
(コ)「テスタに接続する多数の固定ピンをマトリックス状に配列して支持するユニバーサルピンボード部と、このユニバーサルピンボード部と被検査回路基板との間に介設されて被検査回路基板の各検査点をプローブを介して上記所定の固定ピンに接続するオフグリッド治具とを備える回路検査用ユニバーサルテスタ治具において、上記固定ピンはプローブに弾接する伸縮構造とすると共に、・・・(中略)・・・回路検査用ユニバーサルテスタ治具」(実用新案登録請求の範囲(第1頁5行目から第2頁3行目))

(サ)「近年、プリント回路基板やIC部品等の検査を迅速に行うために、多数の検査点にプローブを同時に当接させ、これらのプローブを介して得られる電気信号をテスタに入力して電気的特定を検査する回路検査用ユニバーサルテスタが普及しつつある。」(第2頁第11行目から第16行目)

(シ)「ユニバーサルピンボード部12は、絶縁材からなるユニバーサルピンボード15に多数の固定ピン16が例えば2.54mmピッチのマトリックス状に植設されたもので、各固定ピン16の下端部はユニバーサルピンボード15を貫通し、そこに図示省略した回路検査用ユニバーサルテスタに接続するリード線17がハンダ付等により接続固定されている。
上記固定ピン16は、内蔵するスプリングに抗して収縮できる従来公知の伸縮ピンであり、ユニバーサルピンボード15上に突出して伸縮できる部分が後述のワイヤプローブに対する接触子16aをなし、その上端面には逆円錐状の凹部が形成されている。」(第7頁17行目から第8頁9行目)

(ス)「ここで第2図に示すように入力側ブロック25、26には、被検査回路基板上のIC部品の入出力ピンに対応した入力側貫通孔31が、その周辺に沿って例えば1.27mmピッチで2列に穿孔されている。」(第10頁5行目から8行目)

(セ)「このような構成では、図示省略した被検査回路基板を適宜の手段でオフグリッド治具13側に押圧することで、ワイヤプローブ24,35の各接触頭部24a、35aが被検査回路基板の各検査点に均一に弾接する。この弾接力は固定ピン16の伸縮習性により得られるので、ワイヤプローブ24、35は硬い材質を用いて座屈を生じないようにすることができ、こうすることで各ワイヤプローブ24、35は密接して配列することが可能となる。」(第11頁9行目から17行目)

上記記載事項(コ)乃至(セ)から周知例1には、次の事項が記載されていると認められる。

「プリント回路基板やIC部品等の電気的特性の検査を行う回路検査用ユニバーサルテスタ治具であって、ユニバーサルピンボード15を貫通してユニバーサルテスタに電気接続するリード線が接続され、2.54mmピッチで配置された伸縮プローブ16と、硬い材料を用いて座屈を生じないようにし、一方が2.54mmピッチの前記伸縮プローブ16に連接し、他方が1.27mmのピッチに穿孔された貫通孔31を有する入力側ブロック25に挿通されているワイヤプローブ24とを有するオフグリッド治具13とを有し、固定ピン16の伸縮習性により回路基板への弾接力を得るようになした、ユニバーサルテスタ治具」

さらに、特開昭63-302377号公報(以下「周知例2」という。)には、次の事項が記載されている。

(ソ)「ピン保持板に配列された測定ピンと被試験基板との電気的接続を行う回路基板検査装置において、前記ピン保持板と前記被試験基板との間に前記被試験基板と相接する板部材を介装し且つ該板部材は前記測定ピンが前期被試験基板に圧接する時に生ずる変形を防止するためのガイド孔を有すると共に前期被試験基板に相接する面に前記被試験基板上に実装された電子部品に対応する凹部を有して前期比試験基板が前記測定ピンにより圧接された場合に変形するのを防止することを特徴とする回路基板検査装置」(特許請求の範囲(第1頁左下欄第5行目から第15行目)

(タ)「また、各板部材18は被試験基板20に装着された電子部品21に対応して凹部18aを有している。第2図では・・・(中略)・・・凹部18aの深さは電子部品21の厚みに対応しており例えば電子部品21が4、5mmであるならば4〜5mmか、それより多少大きく、部品の破壊がなく挿入可能な大きさにし、板部材18の厚さによっては貫通孔をなしても良い。」(第2頁右下欄第10行から第3頁左上欄第1行目)

上記記載事項(ソ)、(タ)から周知例2には、次の事項が記載されていると認められる。

「測定ピンのガイド孔と、実装された電子部品に対応して部品の破壊がなく挿入可能な凹部21とを有し、被試験基板20に相接する板部材18を有する、実装基板の回路検査装置」

3.対比
本願発明と引用刊行物記載の発明とを比較する。
引用刊行物記載の発明において「被検査用プリント配線板30」、「検査ポイント」、「プリント配線板検査装置」、「所定(2.54mm)の間隔」、「コンタクトプローブ20」、「ボードメンバ5」、「上下動するオフグリッドアダプタ」、および「アダプタピン10」がそれぞれ本願発明の「プリント回路基板」、「テストポイント」、「基板の試験装置」、「比較的広い間隔」、「テストプローブ」、「頂部プレート」、「移動可能な中継装置」、および「中継ピン」に相当することは、明らかである。また、引用刊行物に記載の「フィクスチャ1」は、コンタクトプローブを配設するものであるから、本願発明の「ハウジングの基部内に配設されたプローブプレート」に相当するし、「フィクスチャ1上に植え込まれており」は本願発明の「プローブプレートを通って延伸し」に相当する。
してみると、本願発明と引用刊行物記載の発明とは、

「プリント基板上に配置された複数のテストポイントを試験するための基板の試験装置であって、
ハウジングと、
ハウジングの基部内に配設されたプローブプレートと、
プローブプレートを通って延伸し、外部の電子回路と電気接続するようにされている、比較的広い間隔で配置されたテストプローブの列と、
ハウジングの空間内においてプローブプレートの上方に、基板上に配置された複数のテストポイントに隣接して配設された、移動可能な中継装置であって、頂部プレートを有し、頂部プレートの上面がプリント回路基板上のテストポイントに隣接している中継装置と、
中継装置の一方の端部でテストプローブと位置を合わせ、中継装置の反対側の端部でテストポイントと位置を合わせるために中継装置内に支持され、テストプローブにより与えられたテスト力を基板上のテストポイントに効果的に中継するのに十分な軸方向の合成を有するソリッドピンからなる複数の中継ピンを具備していて、
プリント回路基板上に配置されたテストポイントと外部の電子回路への接続の間の、テスト力と電気信号の中継のためにテストプローブが複数の中継ピンと強く接触をしている
ことを特徴とする基板の試験装置。」

である点で一致し、次の点で相違する。

(相違点1)
本願発明は、試験対象であるプリント回路基板が実装された基板である点が明記されているのに対し、引用刊行物記載の発明は、実装された基板を試験することが明記されていない点。

(相違点2)
本願発明におけるテストプローブは高いスプリング力を有するものであるのに対し、引用刊行物記載の発明では、スプリング力について特に記載されていない点。

(相違点3)
本願発明において、基板上のテストポイントは、(テストプローブの間隔に比べて)細かい間隔で配置されており、中継ピンの一方の端部を該間隔で配置されたテストポイントと位置を合わせているのに対し、引用刊行物記載の発明では、基板上のテストポイントは、テストプローブの間隔に比べて細かい間隔で配置されているかどうか明記されていない点。

(相違点4)
本願発明では、テストポイントに隣接した頂部プレートは、実装されたプリント回路基板上の被検査回路基板構成部材を受容するためのえぐられた部分を有するのに対し、引用刊行物記載の発明にはその構成が記載されていない点。

(相違点5)
本願発明において、テストプローブは外部の電子試験解析機と接続されているのに対し、引用刊行物記載の発明では、テストプローブは、電子回路(スイッチング回路)と接続されていることは記載されているものの、外部の電子試験解析機と接続されているかどうか明記されていない点。

4.当審の判断
上記相違点について検討する。

4-1相違点1に関して
基板上のテストポイントに電気的な接触を形成するために、引用刊行物記載の発明のオフグリッドアダプタに相当するオフグリッド治具を用いて、実装された基板のテストを行うことが、周知例1に記載されている。このように、基板上のテストポイントに電気的な接触を形成する構成を、実装基板の試験に利用可能であることは明らかであるから、引用刊行物記載の発明において、試験対象を実装されたプリント回路基板とすることは、当業者が容易に想到しうることと認められる。

4-2相違点2について
テストプローブのスプリング力は、中継ピンがテストポイントに効果的な接触を得るに充分なテスト力を与えるスプリング力が必要であることから、「高いスプリング力」を有するようになすことは、当業者が必要に応じてなしうる単なる設計事項に過ぎない。

4-3相違点3について
引用刊行物記載の発明のオフグリッドアダプタに相当するオフグリッド治具において、中継ピンを、一方の端部で2.54mmピッチのテストプローブと位置合わせし、他方の端部で、テストプローブよりも細かい間隔である1.27mmピッチのテストポイントと位置合わせするようになすことは、例えば周知例1に記載されているように、高密度化、微細化された基板の検査において、適宜行われていることである。したがって、高密度化、微細化された基板の検査を行う、引用刊行物記載の発明において、中継ピンの一方の端部を、基板上の細かい間隔のテストポイントに対応するようになすことは、当業者が必要に応じて適宜なしうる単なる設計事項に過ぎない。

4-4相違点4について
基板の試験装置の測定ピンと被検査基板との接触部に相接して設けられる測定ピンのガイド孔が設けられた板部材に、実装された電子部品に対応する凹部を設けることは、周知例2に記載されているように適宜行われていることであり、この板部材は、引用刊行物記載の発明のボードメンバ、すなわち本願発明の頂部プレートに相当するから、引用刊行物記載の発明を実装された基板に用いる際に、頂部プレートに、実装された電子部品に対応する凹部、すなわち、えぐられた部分を設けることは、当業者が容易に想到しうることと認められる。

4-5相違点5について
周知例1において、テストプローブが「図示省略した回路検査用ユニバーサルテスタに接続」(上記(シ)参照)されることが記載されているように、一般的にプローブは、試験解析を行うための電気的接続を確保するものであり、試験解析を行う機能が備わっていないと検査は行えないことから、引用刊行物記載の発明において、コンタクトプローブには、図示されていない試験解析を行う機能が接続され得ることは明らかである。したがって、引用刊行物記載の発明のテストプローブを、外部の電子試験解析機に接続するようになすことは、当業者が適宜なし得る程度のことに過ぎない。

5.むすび
したがって、本願発明は、引用刊行物に記載された発明および周知事項に基づいて当業者が容易に発明をすることができたものであるので、特許法第29条2項の規定により特許を受けることができない。前記のとおり、本願請求項1に係る発明が特許を受けることができないものであるから、本願の請求項2乃至11に係る発明について審究するまでもなく、本願は拒絶すべきものである。
よって、結論のとおり審決する。
 
審理終結日 2002-06-28 
結審通知日 2002-07-02 
審決日 2002-07-17 
出願番号 特願平10-509054
審決分類 P 1 8・ 121- Z (G01R)
最終処分 不成立  
前審関与審査官 上野 信濱本 禎広  
特許庁審判長 西川 一
特許庁審判官 山川 雅也
服部 和男
発明の名称 ロードされた基板のドロップピン装置  
代理人 樋口 外治  
代理人 西山 雅也  
代理人 石田 敬  
代理人 鶴田 準一  

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