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審決分類 審判 訂正 2項進歩性 訂正する B65G
審判 訂正 (特120条の4,3項)(平成8年1月1日以降) 訂正する B65G
管理番号 1071157
審判番号 訂正2002-39153  
総通号数 39 
発行国 日本国特許庁(JP) 
公報種別 特許審決公報 
発行日 1994-10-04 
種別 訂正の審決 
審判請求日 2002-07-05 
確定日 2002-11-11 
訂正明細書 有 
事件の表示 特許第3106194号に関する訂正審判事件について、次のとおり審決する。 
結論 特許第3106194号に係る明細書を本件審判請求書に添付された訂正明細書のとおり訂正することを認める。 
理由 I.手続の経緯

(1)特許第3106194号の請求項3及び4に係る発明(以下、総称して「本件発明」、また、それぞれを「本件発明3及び4」という。)の特許は、平成5年3月26日に特許出願(平成5年特許願第105850号)され、平成12年9月8日に特許権の設定の登録がなされたものである。
(2)これに対し、平成13年8月29日に、株式会社オシキリ(以下、「請求人」という。)より、本件発明の特許を無効にすることについて審判請求がなされた。
(3)その後、平成13年9月26日に、審判請求書の副本が特許権者である株式会社大生機械(以下、「被請求人」という。)に送達され、期間を指定して答弁書を提出する機会が与えられ、該指定期間内である平成13年11月19日に、訂正請求がなされた。
(4)平成14年3月26日に、「訂正を認める。本件発明3及び4に係る特許を無効とする。審判費用は、被請求人の負担とする。」旨の審決がなされ、その審決の謄本の送達があった日(平成14年4月5日)から30日以内である平成14年5月2日に東京高等裁判所に訴えが提起された(平成14年(行ケ)第215号)。
(5)その後、平成14年7月5日に「特許第3106194号の願書に添付された明細書を審判請求書に添付した訂正明細書のとおりに訂正する。」旨の審判請求がなされた。


II.訂正の内容

請求された訂正の内容は、審判請求書及び訂正明細書の記載からみて、以下の訂正事項a〜gからなるものと認められる。
なお、平成13年11月19日付けの訂正請求に係る訂正は、平成14年3月26日付けの審決において、認められているが、該審決が確定していないことは、上記手続の経緯のとおり明らかであるので、本件の訂正の対象の明細書は、特許権の設定の登録時の願書に添付された明細書(以下、「特許明細書」という。)である。

(1)訂正事項a
本件発明の特許の願書に添付した明細書(「特許明細書」)の特許請求の範囲の請求項3の記載について、
「【請求項3】 互いに近接・離間可能に並列に支持された複数個の受け板の上にスライスされた食パンを載置した後、相隣る前記受け板の間に隙間を形成させることによって前記受け板の上に載置された食パンの所定枚数毎の間に隙間を形成させ、同隙間を形成して所定枚数毎に分割された食パンを押し出して排出することを特徴とするスライスされた食パンの分割供給方法。」とあるのを、
「【請求項3】 互いに近接・離間可能に並列に支持された複数個の受け板の上にスライスされた食パンを載置しスライス食パンの上部を上部押さえで保持した後、相隣る前記受け板の間と、前記上部押さえの間にそれぞれ複数個の隙間を形成させることによって前記受け板の上に載置された食パンの所定枚数毎の間に複数個の隙間を形成させ、前記受け板の上に載置された食パンの前記複数個の隙間に下方から上方へ仕切り板を挿入して所定枚数毎に分割された食パンを押し出して排出することを特徴とするスライスされた食パンの分割供給方法。」と訂正する。
なお、下線は、訂正個所を明確にするために当審で付したものである。
(2)訂正事項b
特許明細書の特許請求の範囲の請求項4の記載について、
「【請求項4】 前記受け板の上に載置されて所定枚数毎の間に形成された隙間に仕切り板を挿入することを特徴とする請求項3記載のスライスされた食パンの分割供給方法。」とあるのを削除する。
(3)訂正事項c
特許明細書の発明の詳細な説明の欄における段落番号【0005】の記載について、
「更にまた、本発明は前記課題を解決するため、互いに近接・離間可能に並列に支持された複数個の受け板の上にスライスされた食パンを載置した後、相隣る前記受け板の間に隙間を形成させることによって前記受け板の上に載置された食パンの所定枚数毎の間に隙間を形成させ、同隙間を形成して所定枚数毎に分割された食パンを押し出して排出するようにしたスライス食パンの分割供給方法を提供する。」とあるのを、
「更にまた、本発明は前記課題を解決するため、互いに近接・離間可能に並列に支持された複数個の受け板の上にスライスされた食パンを載置しスライス食パンの上部を上部押さえで保持した後、相隣る前記受け板の間と、前記上部押さえの間にそれぞれ複数個の隙間を形成させることによって前記受け板の上に載置された食パンの所定枚数毎の間に複数個の隙間を形成させ、前記受け板の上に載置された食パンの前記複数個の隙間に下方から上方へ仕切り板を挿入して所定枚数毎に分割された食パンを押し出して排出するようにしたスライス食パンの分割供給方法を提供する。」と訂正する。
なお、下線は、訂正個所を明確にするために当審で付したものである。
(4)訂正事項d
特許明細書の発明の詳細な説明の欄における段落番号【0006】の記載について、
「従って、受け板上に載せられたスライス食パンは受け板の巾に相応する板数づつ分割される。」とあるのを、
「従って、受け板上に載せられたスライス食パンは受け板の巾に相応する枚数づつ分割される。」と訂正する。
なお、下線は、訂正個所を明確にするために当審で付したものである。
(5)訂正事項e
特許明細書の発明の詳細な説明の欄における段落番号【0007】の記載について、
「また、…スライス食パンが載置された受け板を互いに離間させることによって、受け板上に載せられた状態のままでスライス食パンを歪ませたり脱落させることなく分割させることができる。本発明のスライス食パンの分割供給方法において、前記受け板の上に載置されて所定枚数毎の間に形成された隙間に仕切り板を挿入するようにすると、柔軟に焼き上げられた食パンや薄切りにしたスライス食パンを受け板上で確実に分割することができる。」とあるのを、
「また、…スライス食パンが載置された受け板と上部押さえを、それぞれ互いに離間させることによって、受け板上に載せられた状態のままでスライス食パンを歪ませたり脱落させることなく分割させることができる。本発明のスライス食パンの分割供給方法においては、前記受け板の上に載置されて所定枚数毎の間に形成された複数個の隙間に下方から上方へ仕切り板を挿入するので、柔軟に焼き上げられた食パンや薄切りにしたスライス食パンを受け板上で確実に分割することができる。」と訂正する。
なお、下線は、訂正個所を明確にするために当審で付したものである。
(6)訂正事項f
特許明細書の発明の詳細な説明の欄における段落番号【0011】の記載について、
「そしてエアシリンダA2を縮めてスライド板Sを介してサイドガイド3と一番外側の受け板1を内側へ移動させると、…隙間が生ずる。」とあるのを、
「そしてエアシリンダA2を縮めてスライド板Sを介してサイドガイド3と一番外側の受け板1を外側へ移動させると、…隙間が生ずる。」と訂正する。
なお、下線は、訂正個所を明確にするために当審で付したものである。
(7)訂正事項g
特許明細書の発明の詳細な説明の欄における段落番号【0019】の記載について、
「本発明のスライス食パンの分割供給方法において、前記受け板の上に載置されて所定枚数毎の間に形成された隙間に仕切り板を挿入するようにしたものでは、…できるものとなる。」とあるのを、
「本発明のスライス食パンの分割供給方法においては、前記受け板の上に載置されて所定枚数毎の間に形成された隙間に下方から上方へ仕切り板を挿入するので、…できるものとなる。」と訂正する。
なお、下線は、訂正個所を明確にするために当審で付したものである。


IV.当審の判断

1.訂正の目的の適否、新規事項の有無及び拡張・変更の存否
(1)訂正事項aについて
この訂正事項aは、受け板の上に載置したスライスされた食パンの保持の態様、隙間の数及び仕切り板の挿入の態様について、訂正前にいずれも特定限定がされていなかったものを、上部押さえで保持すること、該上部押さえと隙間形成の関係、隙間の数及び仕切り板挿入工程を特定する事項を付加したものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする明細書の訂正に該当する。
そして、訂正後の上部押さえについての特定事項についてみるに、特許明細書の記載「また、本発明によって食パン上部押さえを設けた装置としたものでは、底部における受け板による前記作用に加え、受け板上のスライス食パンを食パン上部押さえで保持した状態で分割動作が行なわれるので、軟らかい食パンでも分割動作中に倒れたりすることなく確実に分割される。」(段落【0007】)、「ガイドバー4には摺動部材8と同様の摺動部材11が受け板1と同数の6個摺動可能に勘合されている。摺動部材11には、取り付け板12を介して食パン上部押さえ13が取り付けられている。この食パン上部押さえ13は、図3の矢印のようにカイドバー4のまわりに回動され、受け板1上へ載せられたスライス食パンBの上部に接触して食パンBを保持するものでバネ板製である。相隣る取り付け板12の間には、コイルバネ2と同様、取り付け板12の間隔をほぼ等しく保つためのコイルバネ14が介在されている。」(段落【0015】)、「また本発明により、スライス食パンを上下で保持して分割できるものとして構成すれば、軟らかい食パンも確実に分割できる。」(段落【0019】)及び図2、3の記載から、上部押さえが受け板と同様の動きをすること及びその双方が隙間形成に寄与することが明らかである。
また、訂正後の隙間の数についてみるに、特許明細書に、「前記受け板の上に載置されて所定枚数毎の間に形成された隙間に仕切り板を挿入するようにすると、柔軟に焼き上げられた食パンや薄切りにしたスライス食パンを受け板上で確実に分割することができる。」(段落【0007】)及び「受け板1の下方には、連結部材9に立設された仕切板10が配設されている。仕切板10は、前述したように受け板1が相隣るものの間に間隔を生じたときに、その間に挿入される間隔で5枚取り付けられており、エアシリンダA3(図3)が伸長されると、図2に仮想線で示すように受け板1の間に挿入され、受け板1上でのスライス食パンを確実に分割する。」(段落【0014】)と記載されていること、訂正前において、実施例として「5個の隙間」のものについてのみ開示しながら「数の限定のない隙間」を特定していることからみて、訂正前の特許請求の範囲の請求項3の数の限定のない「隙間」は、「1個又は複数個の隙間」と解することができることを総合すると、「隙間」を「複数個の隙間」と変更することは、「1個の隙間」を排除したものと解することができる。
さらに、隙間に仕切り板を挿入する態様についてみるに、特許明細書の記載「受け板1の下方には、連結部材9に立設された仕切板10が配設されている。仕切板10は、前述したように受け板1が相隣るものの間に間隔を生じたときに、その間に挿入される間隔で5枚取り付けられており、エアシリンダA3(図3)が伸長されると、図2に仮想線で示すように受け板1の間に挿入され、受け板1上でのスライス食パンを確実に分割する。」(段落【0014】)及び図2、3の記載から、複数個の隙間に下方から上方へ仕切り板を挿入することが明らかである。
してみると、この訂正事項aは、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(2)訂正事項bについて
この訂正事項bは、請求項4の記載を全て削除するものであるから、特許請求の範囲の減縮を目的とする明細書の訂正に該当する。
また、この訂正事項bは、当然、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(3)訂正事項cについて
この訂正事項cは、訂正事項aによる特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載の整合を図るものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とする明細書の訂正に該当し、訂正事項aと同様に、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(4)訂正事項dについて
この訂正事項dは、特許明細書の記載全体から該当個所の記載が「枚数」を意味することが明らかであるから、誤記の訂正を目的とする明細書の訂正に該当し、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(5)訂正事項e及びgについて
この訂正事項e及びgは、訂正事項aによる特許請求の範囲の記載と発明の詳細な説明の記載の整合を図るものであるから、明りょうでない記載の釈明を目的とする明細書の訂正に該当し、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。
(6)訂正事項fについて
この訂正事項fは、特許明細書の記載全体から該当個所の記載が「外側」を意味することが明らかであるから、誤記の訂正を目的とする明細書の訂正に該当し、新規事項の追加に該当せず、実質上特許請求の範囲を拡張し、又は変更するものではない。

2.独立特許要件
(1)訂正発明
訂正請求書に添付された訂正明細書の請求項3の発明は、訂正明細書及び願書に添付された図面の記載からみて、その特許請求の範囲の請求項3に記載された次のとおりのものと認める(以下、「訂正発明」という。)。
「【請求項3】 互いに近接・離間可能に並列に支持された複数個の受け板の上にスライスされた食パンを載置しスライス食パンの上部を上部押さえで保持した後、相隣る前記受け板の間と、前記上部押さえの間にそれぞれ複数個の隙間を形成させることによって前記受け板の上に載置された食パンの所定枚数毎の間に複数個の隙間を形成させ、前記受け板の上に載置された食パンの前記複数個の隙間に下方から上方へ仕切り板を挿入して所定枚数毎に分割された食パンを押し出して排出することを特徴とするスライスされた食パンの分割供給方法。」
(2)対比検討する刊行物
対比検討する刊行物は、以下のとおりである。
刊行物1:特開平4-8499号公報(以下、「引用例1」という。)
刊行物2:米国特許第2,247,696号明細書(以下、「引用例2」という。)
刊行物3:特開平2-265815号公報(以下、「引用例3」という。)
刊行物4:特開平1-271322号公報(以下、「引用例4」という。)
刊行物5:米国特許第2,211,433号明細書(以下、「引用例5」という。)
刊行物6:特開平4-223925号公報(以下、「引用例6」という。)
(3)引用例に記載された発明等
3-1)引用例1について
引用例1には、次のような事項が記載されている。
イ.「第1図から第3図において、1は…細長い食パンBを横にしてスライサー2へ供給するトレイである。
スライサー2においてスライスされた食パンBは、仕切板5によって所定枚数毎区分された状態(図示の場合は3分割)でエンドレスのインフィードコンベア3上へ供給される。」(第3頁右上欄第15行〜左下欄第4行)
ロ.「インフィードコンベア3は仕切バー4の間隔だけ間欠的に駆動され、スライサー2から出る食パンBの後端を仕切バー4に係合させて間欠的に後述のアウトフィードコンベアへと送る。」(第3頁左下欄第7〜12行)
ハ.第1〜4図の記載及び技術常識を参酌すると、同第1〜4図から、「スライスされた食パンの所定枚数毎の複数個の間に側方から仕切板5を挿入すること」が看取できる。
これらの記載事項によると、引用例1には、次のとおりの発明(以下、「引用発明1」という。)が記載されていると認めることができる。
「【引用発明1】スライスされた食パンの所定枚数毎の複数個の間に側方から仕切板5を挿入して所定枚数毎に分割された食パンを押し出して排出するスライスされた食パンの分割供給方法。」
3-2)引用例2について
引用例2には、次のような事項が記載されている。
イ.「この発明は、スライスされた食パンの分割の方法及び手段に関し、私の1938年11月25日出願で継続中の…米国出願第242,432号…の主題に関係する。」(第1頁左欄第1〜6行)
ロ.「これから、より詳細に、また、参照番号を使って、私の発明の具体的実施例が示されている図面を参照するが、Aは、好ましくは垂直方向で往復動するナイフタイプの食パンスライス装置を示しており、その食パン排出側部分は搬送コンベアBを構成しており、このコンベアは、好ましくは、複数のクロスバーb、b’と、横断方向で調節可能な斜めに曲げられたサイドガイドs、s’を備えるチェーン駆動フライトタイプのものとされる。」(第1頁左欄第54行〜同頁右欄第8行)
ハ.「搬送コンベアBの食パン排出端部には、包装機械コンベアCが設けられており、このコンベアは、好ましくは、一般的に用いられている移動ポケットタイプのものとされ、分割された食パンを間欠的に受け入れて動き、包装機械D内に間欠的に進むようにされている。」(第1頁右欄第11〜16行)
ニ.「スライス装置Aは、その食パン排出端部に、横断方向に延びる分割プレート1が設けられ、該分割プレートは、その長手方向において、2つの食パン支持スライド2,3に分けられ、それらスライドは、お互いに離れる方向で斜め下方に延び、且つ、スライス機械Aの食パン排出端部から離れる方向であって且つ搬送コンベアBの側部縁に向かう横断方向において、傾斜が増大するようになっている。その結果、それらスライド及びスライス機械グリッドプレートgとによって、図3,4,5,6に最もよく示されるように、実質的に同一平面にある交差線4,5が形成されている。
スライス装置Aのフレームに形成されたスリーブ6に調整可能にL型のブラケット7が取り付けられており、このブラケットは前方に延びる水平に設定された脚部8を有し、ホールドダウンプレート9を変位可能に支持している。このホールドダウンプレートは、図2及び5に最もよく示されているように、食パン分割プレート1の上を横断方向に延び、且つ、下方にある同プレートの部分に形状が一致するように曲げられ若しくは湾曲されている。
搬送コンベアBの両側から上方に延びる一対のアーム10の間には、水平にクロスバー11が延び、その両端がこれらアームに取り付けられており、該クロスバーは、下方へ吊り下げられたハンガーアーム13の設けられているスリーブ12を変位可能に支持している。
ハンガーアーム13の両側面には、一対の湾曲デバイダーガイド(divider guide)14,15が、稜線4の後方端部近くで、同稜線の両側に等間隔だけ離して位置決めされており、それぞれが、対応する食パンスライド2,3に対する全ての地点において、同スライドに対して実質的に直角となるような形状とされている。同様に、サイドガイドs,s’は、それらの後端すなわち食パン受入れ端16,16’において、それぞれ、ガイド14,15に対して実質的に平行で均一な間隔をあけた関係になるように曲げられる。ガイド14,15は、搬送コンベアB上を前方に延びる。図3に示され、最も良く分かるように、ガイド14,15は相互に収束するように形成されて、それらの前端において統合されて、単一となって連続してコンベアB上を延びる中間ガイド17となっている。」(第1頁右欄第19行〜第2頁左欄第7行)
ホ.「各スライスされた食パンLは、スライス装置Aを通って進められると、分割プレート1上に出て移送されるが、この分割プレートの稜線4は、その食パンが分割されるべき、選択されたスライス切り口(slice cut)と一致するように位置決めされる。従って、食パンLが当該分割プレート1を通って前方へ動くに従い、選択されたスライス切り口の両側の食パンの部分は、スライド2,3の傾斜角度に倣い、その結果、当該食パンは稜線4の周りで、本のように分け拡げられすなわち分割され、2つの分断ローフl,l’とされる。それぞれの分断ローフは、サイドガイド部分16,16’によって落下するのを防止される。分断ローフl,l’が分割プレート1を通って進められるにつれて、それらの間の角度は増大し、同分断ローフl,l’の内向きの、すなわち、対向する面の間の隙間が増大される。そのようになった地点で、食パン分断ローフl,l’の内向き面は、図5に最もよく示されるように、曲げられたホールドダウンプレート9の下で、デバイダーガイド14,15の前方の端部を越えて進められる。
最終的には、食パン分断ローフl,l’は分割プレート1の後方縁を越えて、搬送コンベアB上に落とされ、図1及び6において最もよく分かるように、フライトb,b’によって一個ごと、包装機械コンベアCに進められる。」(第2頁左欄第14〜43行)
ヘ.「加えて、私は、私のこの機械が、スライスされた食パンのスライス片のどれにも損傷を与えること無しに、スライスされた食パンを分割すること、並びに、食パンが分割されるべき特定のスライス切り口に対する特定の若しくは慎重な判断を要する、どのような調整も必要でないことが分かった。」(第2頁右欄第27〜32行)
ト.図3,4,5,6の表示及び上記記載事項ニ、ホからみて、同図3,4,5,6から、「分割プレート1上の食パンの隙間に一対のデバイダーガイド14,15を挿入して食パンの複数枚からなる2つの分断ローフl,l’に分割された食パンを押し出して排出すること」が看取できる。
これらの記載事項によると、引用例2には、次のとおりの発明(以下、「引用発明2」という。)が記載されていると認めることができる。
「【引用発明2】食パンが分割されるべきスライス切り口と一致するように位置決めされた稜線4のお互いに離れる方向で斜め下方に延び、前方に進むに従って傾斜が増大する食パン支持スライド2,3からなる分割プレート1上をスライスされた食パンLを前方に動かし、食パンの複数枚からなる2つの分断ローフl,l’の対向する面の間に1個の隙間を増大して形成させ、前記分割プレート1上の食パンの前記1個の隙間に側方から一対のデバイダーガイド14,15を挿入して食パンの複数枚からなる2つの分断ローフl,l’に分割された食パンを押し出して排出するスライスされた食パンを分割して次の工程のために供給する方法。」
3-3)引用例3について
引用例3には、全体の記載からみて、次のような発明(以下、「引用発明3」という。)が記載されていると認めることができる。
「【引用発明3】互いに近接・離間可能に並列に支持された複数個の移動台12及び筺体10の上にICデバイス2を載置した後、相隣る前記移動台12及び筺体10の間に複数個の隙間を形成させることによって前記移動台12及び筺体10の上に載置されたICデバイス2の間に複数個の隙間を形成させ、分割されたICデバイス2を排出するICデバイス2の分離供給方法。」
3-4)引用例4について
引用例4には、全体の記載からみて、次のような発明(以下、「引用発明4」という。)が記載されていると認めることができる。
「【引用発明4】 積載品(2)を分割コンベア(5)上に押し出し、分割コンベア(5)の個別にX-Y方向に駆動するコンベア(6)(7)を一方向(b)にスライドし、積載品(2)から積載品山(21)(22)の群を分割し、さらに、分離したコンベア(6)(7)のコンベア(6)を一方向(c)にスライドし、該群から2つの積載品山(21)(22)に分割する積載品の分割方法。」
3-5)引用例5について
引用例5には、全体の記載からみて、次のような発明(以下、「引用発明5」という。)が記載されていると認めることができる。
「【引用発明5】 2つに分割され仕切られたスライス食パンを並列に搬送して包装コンベアに供給する方法。」
3-6)引用例6について
引用例6には、全体の記載からみて、次のような発明(以下、「引用発明6」という。)が記載されていると認めることができる。
「【引用発明6】 成形された容器を成形機の口板(4)からコンベヤ(6)へ取り出すための押出し装置において、プシャフィンガ(20、22、24)が容器のラインの方向に相対的に移動できるように設けられており、押出し装置は、コンベヤ(6)上の容器の間隔が口板(4)上の容器の間隔から変えられるように、プシャフィンガを、口板(4)上の容器に接触する位置と、コンベヤ(6)上に容器を解放する位置との間で移動させるための手段を備えている取出し装置。」
(4)訂正発明と引用発明との対比及び判断
4-1)訂正発明と引用発明1の対比
訂正発明と引用発明1とを対比すると、引用発明1の「仕切板5」は、その技術的意義において、訂正発明の「仕切り板」に相当すると認められる。
してみると、訂正発明と引用発明1との一致点及び相違点は、次のとおりである。
<一致点>
スライスされた食パンの所定枚数毎の複数個の間に側方から仕切り板を挿入して所定枚数毎に分割された食パンを押し出して排出するスライスされた食パンの分割供給方法。
<相違点>
イ.隙間の形成態様について、訂正発明では、「互いに近接・離間可能に並列に支持された複数個の受け板の上にスライスされた食パンを載置しスライス食パンの上部を上部押さえで保持した後、相隣る前記受け板の間と、前記上部押さえの間にそれぞれ複数個の隙間を形成させることによって前記受け板の上に載置された食パンの所定枚数毎の間に複数個の隙間を形成させ」となっているのに対し、引用発明1では、仕切り板を挿入する前に隙間を形成するための構成を具備していない点(以下、「相違点イ」という。)。
ロ.仕切り板を挿入する態様について、訂正発明では、「前記受け板の上に載置された食パンの所定枚数毎の間に複数個の隙間を形成させ、前記受け板の上に載置された食パンの前記複数個の隙間に下方から上方へ仕切り板を挿入し」となっているのに対し、引用発明1では、食パンの所定枚数毎の間に仕切り板を挿入する前に複数個の隙間を形成させるものでなくて、「スライスされた食パンの所定枚数毎の複数個の間に側方から仕切板5(仕切り板)を挿入し」となっている点(以下、「相違点ロ」という。)。
4-2)訂正発明と引用発明2の対比
訂正発明と引用発明2とを対比すると、引用発明2の「食パンの複数枚からなる分断ローフl,l’の対向する面の間に隙間を増大して形成させ」は、その技術的意義において、訂正発明の「食パンの所定枚数毎の間に隙間を形成させ」に相当し、以下同様に、「食パンの複数枚からなる2つの分断ローフl,l’に分割された食パン」は「所定枚数毎に分割された食パン」に、「スライスされた食パンを分割して次の工程のために供給する方法」は「食パンの分割供給方法」に、それぞれ相当する。
また、訂正発明の「互いに近接・離間可能に並列に支持された複数個の受け板」と引用発明2の「その上をスライスされた食パンLを前方に動かし、食パンの複数枚からなる2つの分断ローフl,l’の対向する面の間に1個の隙間を増大して形成させる、食パンが分割されるべきスライス切り口と一致するように位置決めされた稜線4のお互いに離れる方向で斜め下方に延び、前方に進むに従って傾斜が増大する食パン支持スライド2,3からなる分割プレート1」とは、「食パンの所定枚数毎の間に隙間を形成することに寄与する底部支持板」の限度において一致し、訂正発明の「食パンの複数個の隙間に下方から上方に挿入される仕切り板」と引用発明1の「食パンの1個の隙間に側方から挿入される一対のデバイダーガイド14,15」とは、共に少なくとも食パンの分割状態を維持する機能を有するから「介在物」の限度において一致していると認めることができる。
してみると、訂正発明と引用発明2との一致点は、次のとおりである。
<一致点>
食パンの所定枚数毎の間に隙間を形成することに寄与する底部支持板の上の食パンの所定枚数毎の間に隙間を形成させ、前記底部支持板上の食パンの前記隙間に介在物を挿入して所定枚数毎に分割された食パンを押し出して排出する食パンの分割供給方法。
したがって、引用発明2は、「所定枚数毎に分割された食パンを押し出して排出する食パンの分割供給方法において、食パンの所定枚数毎の間に隙間を形成することに寄与する底部支持板の上の食パンの所定枚数毎の間に介在物を挿入する前に、食パンの所定枚数毎の間に隙間を形成させること」といった技術思想を含むものと解される。
<相違点>
ハ.隙間の形成態様、詳しくは、食パンの所定枚数毎の間に形成する隙間の数と隙間の形成態様について、訂正発明では、「互いに近接・離間可能に並列に支持された複数個の受け板の上にスライスされた食パンを載置しスライス食パンの上部を上部押さえで保持した後、相隣る前記受け板の間と、前記上部押さえの間にそれぞれ複数個の隙間を形成させ」となっているのに対し、引用発明1では、「食パンが分割されるべきスライス切り口と一致するように位置決めされた稜線4のお互いに離れる方向で斜め下方に延び、前方に進むに従って傾斜が増大する食パン支持スライド2,3からなる分割プレート1上をスライスされた食パンLを前方に動かし、食パンの複数枚からなる2つの分断ローフl,l’の対向する面の間に1個の隙間を増大して形成させ」となっている点(以下、「相違点ハ」という。)。
ニ.食パンの隙間に挿入する部材と挿入の態様について、訂正発明では、「前記受け板の上に載置された食パンの前記複数個の隙間に下方より上方に仕切り板を挿入し」となっているのに対し、引用発明1では、「前記分割プレート1上の食パンの前記1個の隙間に側方から一対のデバイダーガイド14,15を挿入して」となっている点(以下、「相違点ニ」という。)。
4-3)訂正発明と引用発明3の対比
訂正発明と引用発明3とを対比すると、引用発明3の「複数個の移動台12及び筺体10」は、その技術的意義において、訂正発明の「受け板」に相当し、以下同様に、「分離供給方法」は「分割供給方法」に、それぞれ相当する。
また、訂正発明の「スライスされた食パン」と引用発明3の「ICデバイス2」とは、「被供給物」の限度において一致し、訂正発明3の「食パンの所定枚数毎」と引用発明1の「ICデバイス2」とは、「供給単位の被供給物」の限度において一致していると認めることができる。
してみると、訂正発明と引用発明3との一致点は、次のとおりである。
<一致点>
互いに近接・離間可能に並列に支持された複数個の受け板の上に被供給物を載置した後、相隣る前記受け板の間に複数個の隙間を形成させることによって前記受け板の上に載置された供給単位の被供給物の間に複数個の隙間を形成させ、分割された被供給物を排出する被供給物の分割供給方法。
<相違点>
ホ.被供給物の種類について、訂正発明では、「スライスされた食パン」となっているのに対し、引用発明1では、「ICデバイス2」となっている点(以下、「相違点ホ」という。)。
ヘ.隙間の形成態様について、訂正発明では、「互いに近接・離間可能に並列に支持された複数個の受け板の上にスライスされた食パンを載置しスライス食パンの上部を上部押さえで保持した後、相隣る前記受け板の間と、前記上部押さえの間にそれぞれ複数個の隙間を形成させることによって前記受け板の上に載置された食パンの所定枚数毎の間に複数個の隙間を形成させ」となっているのに対し、引用発明1では、「互いに近接・離間可能に並列に支持された複数個の移動台12及び筺体10(受け板)の上にICデバイス2を載置した後、相隣る前記移動台12及び筺体10(受け板)の間に複数個の隙間を形成させることによって前記移動台12及び筺体10(受け板)の上に載置されたICデバイス2の間に複数個の隙間を形成させ」となっている点(以下、「相違点ヘ」という。)。
ト.被供給物間に仕切板を挿入することについて、訂正発明では、「前記受け板の上に載置された食パンの前記複数個の隙間に下方から上方へ仕切り板を挿入し」となっているのに対し、引用発明1では、そのような構成を具備していない点(以下、「相違点ト」という。)。
チ.被供給物の排出の態様について、訂正発明では、「分割された食パンを押し出して排出する」となっているのに対し、引用発明1では、「分割されたICデバイス2を排出する」となっている点(以下、「相違点チ」という。)。
4-4)訂正発明と引用発明の対比における相違点の検討
訂正発明と引用発明1〜3のそれぞれとの対比における隙間の形成態様についての相違点イ、ハ、ヘからみて、引用発明1〜3は、いずれも、訂正発明の構成要件である「互いに近接・離間可能に並列に支持された複数個の受け板の上にスライスされた食パンを載置しスライス食パンの上部を上部押さえで保持した後、相隣る前記受け板の間と、前記上部押さえの間にそれぞれ複数個の隙間を形成させることによって前記受け板の上に載置された食パンの所定枚数毎の間に複数個の隙間を形成させ」を具備していない。
そして、訂正発明は、相違点イ、ハ、ヘに係る訂正発明の構成要件を具備することにより、訂正明細書の記載「本発明によって食パン上部押さえを設けた装置としたものでは、底部における受け板による前記作用に加え、受け板上のスライス食パンを食パン上部押さえで保持した状態で分割動作が行なわれるので、軟らかい食パンでも分割動作中に倒れたりすることなく確実に分割される。また、本発明のスライス食パンの分割供給方法によれば、スライス食パンが載置された受け板と上部押さえを、それぞれ互いに離間させることによって、受け板上に載せられた状態のままでスライス食パンを歪ませたり脱落させることなく分割させることができる。」(段落【0007】)、「本発明の分割装置によれば、スライス後の食パンを仕切りなしの通路を搬送してきて、それをその場で確実に分割できるので、従来のもののようにスライス食パンが搬送中に歪んだり脱落したりすることがない。…また本発明により、スライス食パンを上下で保持して分割できるものとして構成すれば、軟らかい食パンも確実に分割できる。また、本発明のスライス食パンの分割供給方法によれば、スライス食パンを受け板上に載せた状態のまま、その受け板を互いに離間させることで、歪ませたり脱落させることなく、そのスライス食パンを所定枚数毎に確実に分割させることができる。」(段落【0019】)及び技術常識からみて、「スライス食パンをその場で受け板上に載せられた状態のまま、かつ、受け板と協動する上部押さえで保持した状態でスライス食パン分割動作が行なわれるので、軟らかい食パンでも分割動作中に倒れたり、食パンを歪ませたり脱落させることなく確実に分割させることができる。」といった顕著な作用効果を奏することができるものと認めることができる。
そこで、先ず、相違点イ、ハ、ヘについて、以下、検討する。
相違点イについてみると、引用発明2の技術思想に基づけば、引用発明1において、食パンを歪ませたり脱落させることなく分割させるために、スライスされた食パンの所定枚数毎の複数個の間に複数個の間隙を設けることの動機となるものがあると解される。
しかしながら、引用発明2の間隙の形成態様の具体例は、単数の間隙の形成に対応するものであって、直ちに複数個の間隙の形成に対応できるものではない。
確かに、引用発明3の相違点ヘに係る構成要件をみると、被供給物をその場で複数個の移動台12及び筺体10(受け板)の上に載せられた状態のまま分割が可能なものと解することができるが、引用発明3は、相違点ト、チにみられるように、訂正発明とその後の工程が異なる(「仕切り板の挿入」と「押し出し排出」を要件としていない)ため、特に間隙が複数の場合、引用発明1又は引用発明2に引用発明3の相違点ヘに係る構成要件を適用するには、かなりの技術が必要であり、仮に、この適用が容易に想到できたとしても、受け板と協動する上部押さえで保持した状態でスライス食パン分割動作が行なわれるようにはならない。
また、単に上部押さえを具備すること自体は、引用例2の記載事項ニのホールドダウンプレート9の機能等からみて、当業者にとって格別困難なことといえないが、受け板と協動する上部押さえで保持した状態でスライス食パン分割動作が行なわれるようにするには、かなりの技術が必要であると解され、少なくとも、当業者にとってこのような技術を想到することが容易であるとするに足りる根拠は、引用発明1ないし6を総合して検討しても見当たらない。
してみると、相違点イ、ハ、ヘは、いずれも、格別なものであって、「該相違点イ、ハ、ヘに係る訂正発明の構成要件を当業者が容易に想到することができたものである」などということができない。
したがって、「訂正発明は、引用発明1ないし6に基づいて容易に発明することができたものであって、特許法第29条第2項の規定に該当し、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。」ということができない。

また、同様に、仕切板の挿入態様についての相違点ロ、ニ、トからみて、引用発明1〜3は、いずれも、訂正発明の構成要件である「前記受け板の上に載置された食パンの前記複数個の隙間に下方より上方へ仕切り板を挿入し」を具備していない。
そして、訂正発明は、相違点ロ、ニ、トに係る訂正発明の構成要件を具備することにより、訂正明細書の記載「本発明のスライス食パンの分割供給方法において、前記受け板の上に載置されて所定枚数毎の間に形成された複数個の隙間に下方から上方へ仕切り板を挿入するので、柔軟に焼き上げられた食パンや薄切りにしたスライス食パンを受け板上で確実に分割することができる。」(段落【0007】)及び技術常識からみて、「スライス食パンを食パン上部押さえと受け板によって、食パンの上下方向の動きを規制した状態で、前記受け板の上に載置されて所定枚数毎の間に形成された複数個の隙間に下方から上方へ仕切り板を挿入するので、柔軟に焼き上げられた食パンや薄切りにしたスライス食パンを受け板上で確実に分割することができる。」といった顕著な作用効果を奏することができるものと認めることができる。
これに対し、引用発明1、2の仕切り板又は介在物の挿入は、スライス食パンの側方より挿入するものであるから、引用発明1、2の仕切り板又は介在物の挿入形態と訂正発明の仕切り板の挿入形態の作用効果は、明らかに異なる。
さらに、引用発明1又は引用発明2の仕切り板又は介在物の挿入形態を「スライス食パンを食パン上部押さえと受け板によって、食パンの上下方向の動きを規制した状態で、前記受け板の上に載置されて所定枚数毎の間に形成された複数個の隙間に下方から上方へ仕切り板を挿入する」ように変更するには、かなりの技術が必要であると解され、少なくとも、当業者にとってこのような技術を想到することが容易であるとするに足りる根拠は、引用発明1ないし6を総合して検討しても見当たらない。
してみると、相違点ロ、ニ、トは、いずれも、格別なものであって、「該相違点ロ、ニ、トに係る訂正発明の構成要件を当業者が容易に想到することができたものである」などということができない。
したがって、相違点ロ、ニ、トの観点においても、「訂正発明は、引用発明1ないし6に基づいて容易に発明することができたものであって、特許法第29条第2項の規定に該当し、特許出願の際独立して特許を受けることができないものである。」ということができない。

3.むすび
以上のとおりであるから、上記訂正は、平成6年法律第116号による改正前の特許法第126条第1項ただし書、第2項及び第3項の規定に適合する。
よって、結論のとおり審決する。
 
発明の名称 (54)【発明の名称】
スライスされた食パンの分割装置及び分割供給方法
(57)【特許請求の範囲】
【請求項1】 互いに近接・離間可能に並列に支持された複数個の受け板、相隣る前記受け板の間に介在され同受け板をほぼ等間隔に保持するためのバネ、前記複数個の受け板の両端の間隔を規制する間隔規制手段、前記受け板上の分割された食パンを押し出す食パン送り出し手段、区画板を立設され前記食パン送り出し手段によって送り出された食パンを受け入れて搬送するコンベア、及び同コンベア上から所定の区画板間の食パンを排出する排出手段を有することを特徴とするスライスされた食パンの分割装置。
【請求項2】 前記複数個の受け板の上方に同受け板に対応して互いに近接・離間可能に並列され、前記受け板に載置された食パンの上部に当接されて同食パンを保持する複数個の食パン上部押さえ、及び相隣る前記食パン上部押さえの間に介在され同上部押さえをほぼ等間隔に保持するためのバネを有し、前記複数個の食パン上部押さえの両端の間隔が前記間隔規制手段によって規制されるように構成したことを特徴とする請求項1記載のスライスされた食パンの分割装置。
【請求項3】 互いに近接・離間可能に並列に支持された複数個の受け板の上にスライスされた食パンを載置しスライス食パンの上部を上部押さえで保持した後、相隣る前記受け板の間と、前記上部押さえの間にそれぞれ複数個の隙間を形成させることによって前記受け板の上に載置された食パンの所定枚数毎の間に複数個の隙間を形成させ、前記受け板の上に載置された食パンの前記複数個の隙間に下方から上方へ仕切り板を挿入して所定枚数毎に分割された食パンを押し出して排出することを特徴とするスライスされた食パンの分割供給方法。
【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】
本発明は、スライスされた食パンを半斤、1斤、1斤半など所要量に分割するスライスされた食パンの分割供給装置及び分割供給方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
焼き上がった長い食パンをスライスしたのち、1斤、1斤半・・・毎に包装するため分割する必要がある。従来は、スライスした食パンを搬送する通路に、分割する厚さに対応する間隔で、スライス刃に続く薄い仕切り板を設け、スライス後の食パンを分割された状態で包装装置に送っていた(特願平2-109817号など)。この仕切り板で搬送通路を仕切るやり方だと仕切り板と食パンの間の抵抗のため食パンが歪んだり、抜け出してしまったりする不具合があった。また、分割量を変更する度に仕切り板の位置を変える必要があり、そのときは装置の稼働を停めて作業をやるが、その作業が煩わしい上に、相当の装置稼働停止時間を必要とするという欠点があった。
【0003】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は、スライスされた食パンを搬送する通路に仕切り板を設けることなく、一体のまま搬送できるようにしたスライス食パンの分割供給装置を提供することを課題としている。また、本発明は、スライスされた食パンの分割量を例えばボタン操作で迅速、簡単に変更できるスライス食パンの分割供給装置を提供することを課題としている。本発明のもう1つの課題は、非常に軟らかい食パンでも分割操作中に歪んだり脱落したりすることのないスライスされた食パンの分割装置を提供することである。
また、本発明はスライス食パンを歪ませたり脱落させることなく分割させうるスライス食パンの分割供給方法を提供することを課題としている。
【0004】
【課題を解決するための手段】
前記課題を解決するため、本発明による食パン分割装置では、相隣るものの間にバネを介在させて互いに近接・離間可能に並列して複数個の受け板を配設し、この複数個の受け板の両端の間隔を規制する間隔規制手段を設ける。更に、区画板が立設され、前記受け板から食パンを受け取るコンベアと、このコンベアから所定の区画板間の食パンを排出する排出手段を設けている。
【0005】
また、本発明は前記もう一つの課題を解決するため、前記した構成に加え相隣るものの間にバネを介在させて互いに近接・離間可能に並列して支持され、前記受け板上に載せられた食パンの上部に当接されて保持する食パン上部押さえを設けた装置とする。この複数個の食パン上部押さえの両端の間隔は、前記した間隔規制手段によって規制される構成とする。
更にまた、本発明は前記課題を解決するため、互いに近接・離間可能に並列に支持された複数個の受け板の上にスライスされた食パンを載置しスライス食パンの上部を上部押さえで保持した後、相隣る前記受け板の間と、前記上部押さえの間にそれぞれ複数個の隙間を形成させることによって前記受け板の上に載置された食パンの所定枚数毎の間に複数個の隙間を形成させ、前記受け板の上に載置された食パンの前記複数個の隙間に下方から上方へ仕切り板を挿入して所定枚数毎に分割された食パンを押し出して排出するようにしたスライス食パンの分割供給方法を提供する。
【0006】
【作用】
本発明による装置は前記した構成を有しているので、間隔規制手段によって受け板を互いに寄せた状態にして、その上に分割すべきスライス食パンを載せたのち間隔規制板によって複数個の受け板の両端の間隔を広げると、受け板は相隣るものの間に介在されたバネの作用でほぼ等間隔に離される。従って、受け板上に載せられたスライス食パンは受け板の巾に相応する枚数づつ分割される。この状態で、コンベアの区画板間に受け板上の分割されたスライス食パンを送り出す。このコンベアから区画板間の食パンを一つ或いは複数個排出することにより、所定量のスライス食パンを分割して取り出せる。
【0007】
また、本発明によって食パン上部押さえを設けた装置としたものでは、底部における受け板による前記作用に加え、受け板上のスライス食パンを食パン上部押さえで保持した状態で分割動作が行なわれるので、軟らかい食パンでも分割動作中に倒れたりすることなく確実に分割される。
また、本発明のスライス食パンの分割供給方法によれば、スライス食パンが載置された受け板と上部押さえを、それぞれ互いに離間させることによって、受け板上に載せられた状態のままでスライス食パンを歪ませたり脱落させることなく分割させることができる。本発明のスライス食パンの分割供給方法においては、前記受け板の上に載置されて所定枚数毎の間に形成された複数個の隙間に下方から上方へ仕切り板を挿入するので、柔軟に焼き上げられた食パンや薄切りにしたスライス食パンを受け板上で確実に分割することができる。
【0008】
【実施例】
以下、本発明の一実施例による装置について図面に基づいて説明する。まず、本実施例による装置の主要な構成を、作用説明のための図4を用いて説明する。図4の(a)にみるように、本実施例による装置は互いに近づいたり離れたりできるように、並列して支持された6枚の受け板1を有している。この受け板1は、相隣るものの間に後述するようにコイルバネが介在され、そのコイルバネの作用によって受け板1は相隣るものの間に常にほぼ等間隔を保つようになっている。
【0009】
6枚の受け板1の左右両端の外側には、サイドガイド3,3が設けられ、このサイドガイド3,3は第一のエアシリンダA1によって左右に変位される。エアシリンダA1はスライド板Sに固定されている。また、スライド板Sの両外側には第二のエアシリンダA2が装置のフレームFに取り付けられており、このエアシリンダA2は、スライド板Sを動かすことによって6枚の受け板1の一番外側のものを変位させるように連結されている。
【0010】
本実施例による装置は、大枠このような構成になっており、この装置によるスライス食パンの分割は次のように行なわれる。まず、エアシリンダA2によって左右両端の受け板1を内側へ一杯に寄せると図4の(a)のように、受け板1は相隣るものの間に介在されたコイルバネが圧縮されて互いに近接する。この状態で例えば1斤当たり4枚切りにスライスされた3斤の長さの食パンBを図4の(a)の矢印のように供給して、近接して並べられた6枚の受け板1の上に載せる。受け板1上への食パン供給時には、エアシリンダA1を縮めてサイドガイド3を開いて食パンBを受け入れ、受け板1上に食パンBが載ったらエアシリンダA1を伸ばして食パンを側方で支持する。
【0011】
そしてエアシリンダA2を縮めてスライド板Sを介してサイドガイド3と一番外側の受け板1を外側へ移動させると、各受け板1の間に介在されたコイルバネの作用によって受け板1の相隣るものの間にはほぼ等間隔の隙間が生ずる。従って、受け板1上に載せられた1斤当たり4枚切りにされた3斤のスライス食パンは図4の(C)のように各受け板1に2枚づつ、即ち半斤づつのスライス食パンを載せて分割された状態となる。以上が、本実施例の主要構成と基本作動である。
【0012】
以上の構成を念頭に図1〜図3に基づいて本発明の一実施例による装置について詳細に説明する。なお、前記したように実施例による装置では、6枚の受け板1を有しているが、図1はその左半分の3枚の受け板1が近接された状態で、図2はその右側半分の3枚の受け板1が離間された状態を示してある。受け板1の左右の外側の構成は実質的に同一なので同等の部分に同じ符号を付してあり、その一方だけについて説明するが、それらについての説明は左右いづれについても同じである。図1〜図3において、図4を用いて既に説明した部分については説明を省略するが、図2に示す2が相隣る受け板1の間に介在されたコイルバネである。
【0013】
図1〜図3において、4,5は左右のフレームFに連結されたガイドバーであって、このガイドバー4,5にはスライド板Sが摺動自在に嵌合されている。ガイドバー4には連結パイプ6が摺動可能に嵌合され、またガイドバー5には連結パイプ7が摺動可能に嵌合されている。一方、ガイドバー5には、受け板1に取り付けられた摺動部材8が嵌合されている(図2)。前述のように、エアシリンダA2によりスライド板Sが動かされると、その動きは連結パイプ7を介して一番外側の受け板1の摺動部材8に伝えられてそれを変位させ、相隣る受け板の間の間隔を変える。エアシリンダA2,スライド板S,連結パイプ7等が、一番端の受け板1の間の間隔を規制する間隔規制手段を構成している。
【0014】
受け板1の下方には、連結部材9に立設された仕切板10が配設されている。仕切板10は、前述したように受け板1が相隣るものの間に間隔を生じたときに、その間に挿入される間隔で5枚取り付けられており、エアシリンダA3(図3)が伸長されると、図2に仮想線で示すように受け板1の間に挿入され、受け板1上でのスライス食パンを確実に分割する。
【0015】
一方、ガイドバー4には摺動部材8と同様の摺動部材11が受け板1と同数の6個摺動可能に嵌合されている。摺動部材11には、取り付け板12を介して食パン上部押さえ13が取り付けられている。この食パン上部押さえ13は、図3の矢印のようにガイドバー4のまわりに回動され、受け板1上へ載せられたスライス食パンBの上部に接触して食パンBを保持するものでバネ板製である。
相隣る取り付け板12の間には、コイルバネ2と同様、取り付け板12の間隔をほぼ等しく保つためのコイルバネ14が介在されている。
【0016】
摺動部材8の下方に設けられた15は、摺動部材8の外側への変位を制限するスリット16が形成されたストッパ板である。同様に、取り付け板12の上方には、スリット18が形成されたストッパ板17が配置されていて、取り付け板12の下方への変位を制限している。なお、図面においては、簡潔にするため食パン上部押さえ13、摺動部材8、それに受け板1上の食パンBは一部しか示していない。図2では、4枚切りにされた半斤の食パンBが受け板1上に載せられた状態を示している。
【0017】
次に、図1〜図3に示した装置の作動を図4に基づいて説明すると、先に説明したところは省略して、図4の(a),(b)の状態を経て(c)のように食パンBを2枚づつ載せて離された受け板1の間には、エアシリンダA3を伸長させて仕切り板10を挿入し(d)の状態とする。受け板1の前方には、図5に示すように仕切り板10と同じ間隔で区画板19が立設されたエンドレスコンベア20が配設されている。コンベア20は、食パン3斤分だけの長さだけ間欠走行され、受け板1上で分割され、仕切り板10で仕切られたスライス食パンBが食パン送り出し手段21で送り出されるのを、仕切られた状態のまま受け入れて図5の白矢印のように搬送する。
【0018】
コンベア20によって受け板1の所から右へ搬送された3斤のスライス食パンは、区画板19で分割された半斤づつの食パンの一個又は複数個を図の黒矢印のように排出手段22又は23等を選択的に作動させることにより、所要の数量づつ分割してコンベア20から排出できる。排出手段22,23等の選択は制御盤上のボタン操作等により容易に行なえる。
【0019】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の分割装置によれば、スライス後の食パンを仕切りなしの通路を搬送してきて、それをその場で確実に分割できるので、従来のもののようにスライス食パンが搬送中に歪んだり脱落したりすることがない。また、本発明による分割装置では、区画板が立設されたコンベアから食パンを排出する排出手段を選択するだけで、所定数量づつ分割してスライス食パンを送り出せるので、その切り換えが容易に行なえる。また本発明により、スライス食パンを上下で保持して分割できるものとして構成すれば、軟らかい食パンも確実に分割できる。
また、本発明のスライス食パンの分割供給方法によれば、スライス食パンを受け板上に載せた状態のまま、その受け板を互いに離間させることで、歪ませたり脱落させることなく、そのスライス食パンを所定枚数毎に確実に分割させることができる。
本発明のスライス食パンの分割供給方法においては、前記受け板の上に載置されて所定枚数毎の間に形成された隙間に下方から上方へ仕切り板を挿入するので、柔軟に焼き上げられた食パンや薄切りにしたスライス食パンを受け板上で確実に分割することができるものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の一実施例による分割装置の左半分を一部断面で示す側面図,
【図2】 本発明の一実施例による分割装置の右半分を図1と違う作動状態で一部断面で示す側面図,
【図3】 図2のC-C線に沿う断面図,
【図4】 図1〜図3に示す装置の作動を示す図面で(a)〜(c)は平面図で(d)は側面図,
【図5】 本発明の一実施例による分割装置を構成しているコンベアにおける分割食パンの排出状況を示す平面図。
【符号の説明】
1 受け板
2 コイルバネ
3 サイドガイド
4,5 サイドバー
6,7 連結パイプ
8,11 摺動部材
9 連結部材
10 仕切り板
12 取り付け板
13 食パン上部押さえ
14 コイルバネ
15,17 ストッパ板
16,18 スリット
19 区画板
20 コンベア
21 食パン送り出し手段
22,23 排出手段
A1 第一のエアシリンダ
A2 第二のエアシリンダ
S スライド板
A3 エアシリンダ
 
訂正の要旨 訂正の要旨
(1)訂正事項a
本件発明の特許の願書に添付した明細書(以下、「特許明細書」という。)の特許請求の範囲の請求項3の記載について、特許請求の範囲の減縮を目的として、
「【請求項3】 互いに近接・離間可能に並列に支持された複数個の受け板の上にスライスされた食パンを載置した後、相隣る前記受け板の間に隙間を形成させることによって前記受け板の上に載置された食パンの所定枚数毎の間に隙間を形成させ、同隙間を形成して所定枚数毎に分割された食パンを押し出して排出することを特徴とするスライスされた食パンの分割供給方法。」とあるのを、
「【請求項3】 互いに近接・離間可能に並列に支持された複数個の受け板の上にスライスされた食パンを載置しスライス食パンの上部を上部押さえで保持した後、相隣る前記受け板の間と、前記上部押さえの間にそれぞれ複数個の隙間を形成させることによって前記受け板の上に載置された食パンの所定枚数毎の間に複数個の隙間を形成させ、前記受け板の上に載置された食パンの前記複数個の隙間に下方から上方へ仕切り板を挿入して所定枚数毎に分割された食パンを押し出して排出することを特徴とするスライスされた食パンの分割供給方法。」と訂正する。
なお、下線は、訂正個所を明確にするために当審で付したものである。
(2)訂正事項b
特許明細書の特許請求の範囲の請求項4の記載について、特許請求の範囲の減縮を目的として、
「【請求項4】 前記受け板の上に載置されて所定枚数毎の間に形成された隙間に仕切り板を挿入することを特徴とする請求項3記載のスライスされた食パンの分割供給方法。」とあるのを削除する。
(3)訂正事項c
特許明細書の発明の詳細な説明の欄における段落番号【0005】の記載について、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「更にまた、本発明は前記課題を解決するため、互いに近接・離間可能に並列に支持された複数個の受け板の上にスライスされた食パンを載置した後、相隣る前記受け板の間に隙間を形成させることによって前記受け板の上に載置された食パンの所定枚数毎の間に隙間を形成させ、同隙間を形成して所定枚数毎に分割された食パンを押し出して排出するようにしたスライスされた食パンの分割供給方法を提供する。」とあるのを、
「更にまた、本発明は前記課題を解決するため、互いに近接・離間可能に並列に支持された複数個の受け板の上にスライスされた食パンを載置しスライス食パンの上部を上部押さえで保持した後、相隣る前記受け板の間と、前記上部押さえの間にそれぞれ複数個の隙間を形成させることによって前記受け板の上に載置された食パンの所定枚数毎の間に複数個の隙間を形成させ、前記受け板の上に載置された食パンの前記複数個の隙間に下方から上方へ仕切り板を挿入して所定枚数毎に分割された食パンを押し出して排出するようにしたスライスされた食パンの分割供給方法を提供する。」と訂正する。
なお、下線は、訂正個所を明確にするために当審で付したものである。
(4)訂正事項d
特許明細書の発明の詳細な説明の欄における段落番号【0006】の記載について、誤記の訂正を目的として、
「従って、受け板上に載せられたスライス食パンは受け板の巾に相応する板数づつ分割される。」とあるのを、
「従って、受け板上に載せられたスライス食パンは受け板の巾に相応する枚数づつ分割される。」と訂正する。
なお、下線は、訂正個所を明確にするために当審で付したものである。
(5)訂正事項e
特許明細書の発明の詳細な説明の欄における段落番号【0007】の記載について、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「また、…スライス食パンが載置された受け板を互いに離間させることによって、受け板上に載せられた状態のままでスライス食パンを歪ませたり脱落させることなく分割させることができる。本発明のスライス食パンの分割供給方法において、前記受け板の上に載置されて所定枚数毎の間に形成された隙間に仕切り板を挿入するようにすると、柔軟に焼き上げられた食パンや薄切りにしたスライス食パンを受け板上で確実に分割することができる。」とあるのを、
「また、…スライス食パンが載置された受け板と上部押さえを、それぞれ互いに離間させることによって、受け板上に載せられた状態のままでスライス食パンを歪ませたり脱落させることなく分割させることができる。本発明のスライス食パンの分割供給方法においては、前記受け板の上に載置されて所定枚数毎の間に形成された複数個の隙間に下方から上方で仕切り板を挿入するので、柔軟に焼き上げられた食パンや薄切りにしたスライス食パンを受け板上で確実に分割することができる。」と訂正する。
なお、下線は、訂正個所を明確にするために当審で付したものである。
(6)訂正事項f
特許明細書の発明の詳細な説明の欄における段落番号【0011】の記載について、誤記の訂正を目的として、
「そしてエアシリンダA2を縮めてスライド板Sを介してサイドガイド3と一番外側の受け板1を内側へ移動させると、…隙間が生ずる。」とあるのを、
「そしてエアシリンダA2を縮めてスライド板Sを介してサイドガイド3と一番外側の受け板1を外側へ移動させると、…隙間が生ずる。」と訂正する。
なお、下線は、訂正個所を明確にするために当審で付したものである。
(7)訂正事項g
特許明細書の発明の詳細な説明の欄における段落番号【0019】の記載について、明りょうでない記載の釈明を目的として、
「本発明のスライス食パンの分割供給方法において、前記受け板の上に載置されて所定枚数毎の間に形成された隙間に仕切り板を挿入するようにしたものでは、…できるものとなる。」とあるのを、
「本発明のスライス食パンの分割供給方法においては、前記受け板の上に載置されて所定枚数毎の間に形成された隙間に下方から上方へ仕切り板を挿入するので、…できるものとなる。」と訂正する。
なお、下線は、訂正個所を明確にするために当審で付したものである。
審理終結日 2002-10-11 
結審通知日 2002-10-17 
審決日 2002-10-30 
出願番号 特願平5-105850
審決分類 P 1 41・ 841- Y (B65G)
P 1 41・ 121- Y (B65G)
最終処分 成立  
前審関与審査官 一色 貞好  
特許庁審判長 舟木 進
特許庁審判官 西野 健二
西川 恵雄
飯塚 直樹
氏原 康宏
登録日 2000-09-08 
登録番号 特許第3106194号(P3106194)
発明の名称 スライスされた食パンの分割装置及び分割供給方法  
代理人 石川 新  
代理人 石川 新  

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